説明

3−アルキルチオ−2−アルカノン及び当該化合物を含有する香料組成物

【課題】フレッシュ感、ロースト感の付与に極めて有効な新規な硫黄化合物、当該化合物を含有し自然で天然感のある香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品を提供することである。
【解決手段】下記一般式(1)


(式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である)で表される3−アルキルチオ−2−アルカノンを含有する香料組成物および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品香料、香粧品香料等の原材料として使用可能な新規硫黄化合物、及び当該化合物を含有する香料組成物に関し、詳しくは特有の香気を有する3−アルキルチオ−2−アルカノン、当該化合物を含有し天然感のある香気香味を付与することができる香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好性が多様化してきていることに伴い、各種各様の商品の開発が望まれている。特に、飲食品・香粧品業界はこの傾向が強く、消費者の嗜好に合うバラエティーに富んだ飲食品、香粧品の開発が強く要求されている。これらの要求に対して、飲食品、香粧品のひとつの原料素材である香料においても、従来にない新しい要望が高まっている。香料物質に対しては、特に、特徴があること、嗜好性の高いユニークな香気香味を有すること、より自然で天然感のある香気香味の表現に優れた効果を有することなどが要求されている。
そのため、それらの要件を併せ持った新規な香料素材を開発することが香料産業において極めて重要な課題となっている。
【0003】
硫黄化合物には、閾値が低く、特徴あるにおいを有するものがあるため香料素材として使用上の制約が多いという難点がある一方、フルーツやその他の食品などの重要な香味成分として知られているものもある。
例えば、3−メルカプト−3−メチルブチルアセテートについては、極微量使用することで、軽やかで広がりのある深炒りコーヒー豆の焙煎香が得られることが報告されている(特許文献1)。
【0004】
また、4−メチル−4−メルカプト−2−ペンタノンはグレープフルーツ果汁の重要成分として知られ(非特許文献1)、3−メチルチオ−2−ブタノンはカリフラワーやブロッコリーなどの野菜様香気を有する香味成分として知られ(非特許文献2)、3−エチルチオ−2−ブタノンおよび3−エチルチオ−2−ペンタノンは肉様香気を有する香味成分として知られている(非特許文献3)。
【0005】
しかしながら、消費者の嗜好性は急速に多様化しており、従来から知られている香料物質だけでは、消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ飲食品および香粧品を提供し、さらに、消費者の天然志向にマッチした、自然で天然感のある香気香味が付与された飲食品および香粧品の要望に十分に対応できるものではなかった。
従って、使用上の制約から香料資源として関心の低かった硫黄化合物の中から上記以外の有用な香料物質の探索が必要になった。
【特許文献1】特開2004−222511号公報
【非特許文献1】J. Agric. Food Chem. 1999, 47, 5189.
【非特許文献2】Prog. Flavour Precursor Stud. Proc. Int. Conf. (1993), Meeting Date 1992, 361.
【非特許文献3】▲精細化工▼(Fine Chemicals),2001,18(8), 456.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、多様化する消費者のニーズに対応できるようなバラエティーに富んだ香料を提供することである。すなわち、消費者の天然志向にマッチすることを目的として、特有の香気を有しフレッシュ感やロースト感の付与に極めて有効な新規硫黄化合物、つまり飲食品や香粧品が本来有する自然で天然感のある芳香をより一層強調、増幅させることができる硫黄化合物の香料素材を提供することである。
また、当該化合物を含有し自然で天然感のある各種各様の香気香味を付与できる香料組成物、および当該香料化合物を配合した飲食品、香粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った結果、今回、新規な化学構造を有する硫黄化合物である3−アルキルチオ−2−アルカノンに着目して合成し、その香気香味特性について検討したところ、シトラス様、ミート様、果物様、茶様、コーヒー様、野菜様等の香気香味特性を有することを見出し、さらに本発明者らは本発明化合物3−アルキルチオ−2−アルカノンを調合香料中に含有させることにより、自然で天然感のある各種各様の香気香味が強調された香料組成物の提供が可能になるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(1):
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である)で表される3−アルキルチオ−2−アルカノン(ただし、3−メチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ブタノン、3−プロピルチオ−2−ブタノン、3−n−ブチルチオ−2−ブタノン、3−t−ブチルチオ−2−ブタノン、3−メチルチオ−2−ペンタノン、3−エチルチオ−2−ペンタノン、4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、3−エチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メチルチオ−2−ヘプタノン、3−エチルチオ−2−ヘプタノン、3−n−ペンチルチオ−2−ヘプタノン、3−メチルチオ−2−オクタノン、3−t−ブチルチオ−2−オクタノン、3−メチルチオ−2−デカノンを除く)である。
【0009】
さらに本発明は、上記一般式(1)(式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である)で表される3−アルキルチオ−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物(ただし、3−メチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ペンタノンを除く)であり、さらに、当該香料組成物を配合したことを特徴とする飲食品、香粧品である。
【0010】
また、本発明は、芳香が強調された飲食品または香粧品の製造における、
4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノン、
3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノン、
3−メチルチオ−2−オクタノン、
3−エチルチオ−2−オクタノン、
3−メチルチオ−2−ノナノン、
3−メチルチオ−2−デカノン、
3−メチルチオ−2−ウンデカノン、および
3−メチルチオ−2−ドデカノン
から選ばれる化合物の使用であり、そして、上記33種の化合物から選ばれる飲食品または香粧品の芳香強調剤である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の3−アルキルチオ−2−アルカノンは、シトラス様、ミート様、果物様、茶様、コーヒー様、野菜様等の香気香味特性を有する。従って、当該化合物を含有する香料組成物に使用すると、飲食品や香粧品の芳香がより一層強調、増幅されるので、フレッシュ感やロースト感、天然感を付与することができ、商品価値を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
〔1〕3−アルキルチオ−2−アルカノン
本発明の3−アルキルチオ−2−アルカノンは、下記一般式(1):
【化2】

で表される化合物であり、式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である。
アルキル基R1として、イソプロピル、n−プロピル、s−ブチル、イソブチル、n−ブチル、イソペンチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノナニルが好適である。また、アルキル基R2として、メチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチルが好適である。
【0013】
3−アルキルチオ−2−アルカノンの中でも、4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノン、4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノン、3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メチルチオ−2−ヘキサノン、3−エチルチオ−2−ヘキサノン、3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノン、3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノン、3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノン、(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノン、5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、3−メチルチオ−2−ヘプタノン、3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノン、3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノン、6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノン、3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノン、3−メチルチオ−2−オクタノン、3−エチルチオ−2−オクタノン、3−メチルチオ−2−ノナノン、3−メチルチオ−2−デカノン、3−メチルチオ−2−ウンデカノン、および3−メチルチオ−2−ドデカノンは、飲食品や香粧品の芳香をより一層強調、増幅できるので好適である。
【0014】
3−アルキルチオ−2−アルカノンは、下記の反応式に示すように、3−メルカプト−2−アルカノンを、ハロゲンやトリフルオロメタンスルホン酸エステルなどを脱離基としたアルキル化剤によりアルキル化することによって得ることができる(化3)(式中、R1、R2はアルキル鎖を表す)。
また、3位にハロゲンやトリフルオロメタンスルホン酸エステルなどの脱離基を有する2−アルカノンをアルキルメルカプタンなどを用いてアルキルチオ化することによっても得ることができる(化4)(式中、R1、R2はアルキル鎖を、Xはハロゲン原子やトリフルオロメタンスルホン酸エステルなどの脱離基を表す)。
さらに、光学活性な3−メルカプト−2−アルカノンあるいは3位に脱離基を有する2−アルカノンを用いることで、光学活性な3−アルキルチオ−2−アルカノンを得ることができる。但し、3−アルキルチオ−2−アルカノンの合成法はこれらの方法に限定されるものではない。
【化3】

【化4】

【0015】
本発明の化合物3−アルキルチオ−2−アルカノンは単独で香料として用いることもできる他、以下に詳述するように他の香料素材と任意の割合の混合物として用いることもできる。
【0016】
〔2〕香料組成物
3−アルキルチオ−2−アルカノンを香料組成物に用いる場合、その添加量は、その目的あるいは香料組成物の種類によって異なるものの、一般的には、香料組成物全体量の0.000000001(10ppt)〜10質量%、好ましくは0.000001(10ppb)〜0.1質量%の範囲内を例示することができる。
本発明の香料組成物に配合される他の成分としては、特に制限は無く、用途や目的に応じて従来から使用されていた種々の香料素材を使用することができ、具体的にはアルデヒド類、アルコール類、エステル類等の従来公知の香料素材があげられる。
【0017】
本発明の香味料組成物は、(a)緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶飲料、果実飲料、酒類、乳飲料類、炭酸飲料類のごとき飲料類;(b)アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類のごとき冷菓類;(c)ヨーグルト類、チーズ類のごとき発酵乳製品;(d)和洋菓子類、焼菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、ココア、コーヒー、茶、タバコのごとき嗜好品類;(e)プリン類、ゼリー類、ババロア類、ムース類のごときデザート類;(f)和風スープ類、洋風スープ類のごときスープ類;(g)風味調味料;(h)各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類、などに添加することにより、そのユニークかつ天然感のある香気香味が付与された飲食品を提供することができる。
【0018】
また、本発明の香料組成物は、シャンプー類、ヘアクリーム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧品、白粉、口紅、その他の化粧品、洗濯用洗剤、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生材料類、医薬品などの香粧品全般に広く使用して、フレッシュ感に富んだ香気を付与することができる。
【0019】
本発明の香料組成物の飲食品又は香粧品への添加量は、飲食品、香粧品の種類によっても異なるが、一般的には飲食品又は香粧品中の3−アルキルチオ−2−アルカノンの濃度が0.000000000001質量%(0.01ppt)〜0.01質量%となるように添加すると、飲食品、香粧品に自然で天然感のある香気香味を付与することができる。
【実施例】
【0020】
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0021】
〔実施例1〕 4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンの合成
エタノール60ml、ヨードメタン6.4g、3−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノン3.0gを混合した後、水酸化カリウム1.8gおよび水15gから調製した水酸化カリウム水溶液を加え、室温にて10分間攪拌反応させた。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液100mlに加入し、ジエチルエーテル40mlにて抽出分液後、さらに水層部をジエチルエーテル40mlにて抽出した。ジエチルエーテル層をあわせた後、飽和重曹水、食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。ロータリーエバポレーターにてジエチルエーテルを留去し、粗油2.0gを得た。粗油を単蒸留することにより、4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン1.8g(53%)を得た。
【0022】
合成された4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.8;20.4;21.3;27.0;27.2;62.5;204.1
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)1.00(dd, 6H); 1.90(s, 3H) ;1.99(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.78(d, 1H)
【0023】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2961,2923,2872,1697(C=O),1354,1160,595,538 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=146(41), 105(7), 104(12), 103(100), 102(6), 89(5), 61(14), 56(5), 55(91), 53(4), 49(4), 47(4), 45(8), 43(29), 41(8), 39(9)
【0024】
〔実施例2〕 4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノンの合成
原料のハロゲン化アルキルとして1−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノンを合成した。
【0025】
合成された4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.6;20.6;21.4;22.7;26.2;28.5;32.9;62.7;205.4
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.94(t, 3H); 1.01(dd, 6H) ;1.47−1.60(m, 2H) ;1.96(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.35(t, 2H) ;2.82(d, 1H)
【0026】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2962,2931,2872,1698(C=O),1353,1225,595,537 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(15), 133(5), 132(9), 131(100), 100(3), 90(3), 89(27), 85(4), 75(10), 56(2), 55(41), 47(3), 45(4), 43(29), 41(9), 39(5)
【0027】
〔実施例3〕 4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノン
原料のハロゲン化アルキルとして2−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノンを合成した。
【0028】
合成された4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)20.7;21.3;23.7;23.8;25.4;29.4;35.7;62.8;206.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)1.01(dd, 6H); 1.22(dd, 6H) ;1.91(m, 1H) ;2.22(s, 3H) ;2.75(dq, 1H) ;2.88(d, 1H)
【0029】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2961,2927,2870,1698(C=O),1367,1353,1223,1156,1053,538 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(9), 133(4), 132(8), 131(86), 100(9), 99(13), 91(4), 90(9), 89(100), 85(5), 75(5), 55(56), 47(5), 43(46), 41(14), 39(6)
【0030】
〔実施例4〕 3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの合成
原料のハロゲン化アルキルとして1−ヨードブタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンを合成した。
【0031】
合成された3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.8;20.6;21.4;22.1;26.2;28.4;30.5;31.4;62.8;205.3
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.87(t, 3H); 1.00(dd, 6H) ;1.31−1.42(m, 2H) ;1.43−1.53(m, 2H) ;1.96(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.36(dt, 2H);2.82(d, 1H)
【0032】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2959,2930,2872,1698(C=O),1465,1353,1222,596,537 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(16), 147(5), 146(10), 145(100), 103(14), 100(3), 89(35), 85(5), 61(3), 57(14), 55(39), 47(3), 45(3), 43(21), 41(11), 39(4)
【0033】
〔実施例5〕 3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの合成
原料のハロゲン化アルキルとして1−ヨード−2−メチルプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンを合成した。
【0034】
合成された3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)20.6;21.4;22.0;22.3;26.2;28.5;28.5;39.6;63.0;205.3
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.94(dd, 6H); 0.99(dd, 6H) ;1.72(dq, 1H) ;1.94(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.26(dd, 2H) ;2.79(d, 1H)
【0035】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2959,2871,1698(C=O),1465,1353,1224,1159,938,595,537 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(15), 147(5), 146(9), 145(100), 100(3), 91(3), 90(4), 89(50), 85(5), 57(37), 56(3), 55(26), 45(3), 43(21), 41(13), 39(5)
【0036】
〔実施例6〕 3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの合成
原料のハロゲン化アルキルとして2−ヨード−2−メチルプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンを合成した。
【0037】
合成された3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)20.8;21.0;25.4;30.3;31.3;44.3;61.2;209.5
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)1.02(dd, 6H); 1.28(s, 9H) ;1.80(dq, 1H) ;2.21(s, 3H) ;2.89(d, 1H)
【0038】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2962,2871,1702(C=O),1366,1353,1159,537 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(18), 146(5), 145(47), 91(6), 90(10), 89(100), 88(11), 59(4), 58(4), 57(69), 56(3), 55(25), 45(3), 43(25), 41(19), 39(7)
【0039】
〔実施例7〕 3−メチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0040】
合成された3−メチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;13.9;20.7;26.4;31.2;54.1;204.6
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.91(t, 3H);1.26−1.49(m, 2H);1.59(m, 1H);1.76(m, 1H); 1.91(s, 3H) ;2.25(s, 3H) ;3.14(t, 1H)
【0041】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2959,2925,2873,1702(C=O),1353,1159,958,598 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=146(29), 105(3), 104(7), 103(57), 71(3), 63(5), 62(3), 61(100), 59(3), 55(25), 53(3), 47(4), 45(6), 43(23), 41(5), 39(4)
【0042】
〔実施例8〕 3−エチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとしてヨードエタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−エチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0043】
合成された3−エチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;14.6;20.8;24.6;25.7;32.4;54.0;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.91(t, 3H);1.18(t, 3H);1.26−1.50(m, 2H);1.60(m, 1H);1.75(m, 1H);2.24(s, 3H);2.40(m, 2H);3.19(t, 1H)
【0044】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2960,2932,2873,1700(C=O),1456,1353,1236,974,751,598 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=160(23), 118(5), 117(54), 100(7), 77(5), 76(4), 75(100), 71(4), 61(4), 59(3), 55(24), 47(6), 45(5), 43(21), 41(4), 39(3)
【0045】
〔実施例9〕 3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0046】
合成された3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.6;13.9;20.8;22.8;25.7;32.4;32.5;54.1;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.91(t, 3H); 0.93(t, 3H) ;1.27−1.63(m, 5H) ;1.75(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.36(t, 2H);3.16(t, 1H)
【0047】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2960,2933,2873,1700(C=O),1454,1353,1236,1159,600 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(28), 133(4), 132(8), 131(84), 100(5), 91(5), 90(6), 89(100), 71(5), 61(11), 55(27), 47(8), 45(5), 43(32), 41(9), 39(4)
【0048】
〔実施例10〕 3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして2−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0049】
合成された3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;20.8;23.7;23.9;25.0;33.2;35.4;54.1;206.9
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.91(t, 3H);1.22(dd, 6H);1.27−1.50(m, 2H) ;1.59(m, 1H) ;1.73(m, 1H) ;2.22(s, 3H) ;2.81(dq, 1H) ;3.23(t, 1H)
【0050】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2960,2931,2869,1699(C=O),1456,1353,1236,1156,1052,498 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(24), 132(10), 131(100), 100(21), 99(5), 91(6), 90(9), 89(100), 71(6), 59(6), 55(60), 47(16), 45(5), 43(50), 41(14), 39(7)
【0051】
〔実施例11〕 3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードブタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0052】
合成された3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.8;13.9;20.8;22.1;25.7;30.2;31.5;32.4;54.2;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.87(t, 3H); 0.91(t, 3H) ;1.26−1.54(m, 6H) ;1.60(m, 1H) ;1.76(m, 1H);2.24(s, 3H) ;2.38(m, 2H) ;3.17(t, 1H)
【0053】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2958,2931,2873,1701(C=O),1465,1353,1238,1158,599 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(27), 147(5), 146(10), 145(100), 103(51), 100(6), 89(6), 71(7), 61(61), 57(10), 55(38), 47(7), 45(5), 43(28), 41(12), 39(5)
【0054】
〔実施例12〕 3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨード−2−メチルプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0055】
合成された3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;20.8;22.0;22.2;25.7;28.6;32.4;39.3;54.4;205.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.91(t, 3H); 0.93(dd, 6H) ;1.27−1.50(m, 2H) ;1.59(m, 1H) ;1.67−1.79(m, 2H) ;2.23(s, 3H) ;2.26(d, 2H);3.15(t, 1H)
【0056】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2958,2933,2871,1701(C=O),1464,1353,1237,1158,599 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(22), 147(5), 146(10), 145(100), 104(3), 103(55), 100(4), 89(17), 71(5), 61(4), 57(30), 55(25), 47(5), 43(19), 41(11), 39(4)
【0057】
〔実施例13〕 3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードペンタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0058】
合成された3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;14.1;20.8;22.4;25.7;29.1;30.5;31.2;32.4;54.2;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H); 0.91(t, 3H) ;1.23−1.53(m, 8H) ;1.59(m, 1H) ;1.75(m, 1H);2.24(s, 3H) ;2.37(dt, 2H) ;3.17(t, 1H)
【0059】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2957,2929,2872,1701(C=O),1465,1353,1237,1158,598 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=202(20), 161(5), 160(11), 159(100), 117(27), 103(18), 100(6), 89(5), 71(9), 69(36), 61(30), 55(24), 47(5), 43(36), 41(11), 39(4)
【0060】
〔実施例14〕 3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨード−3−メチルブタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0061】
合成された3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.9;20.8;22.3;22.4;25.8;27.6;28.5;32.3;38.3;54.2;205.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(dd, 6H); 0.91(t, 3H) ;1.28−1.49(m, 4H) ;1.55−1.67(m, 2H) ;1.75(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.32−2.44(m, 2H);3.17(t, 1H)
【0062】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2957,2932,2872,1702(C=O),1466,1353,1237,1159,600 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=202(27), 160(5), 159(45), 105(5), 104(6), 103(100), 100(8), 71(9), 69(13), 61(68), 55(21), 47(4), 45(4), 43(42), 41(12), 39(4)
【0063】
〔実施例15〕 (4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとしてジアステレオ混合物である(4S)−3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンをジアステレオ混合物として合成した。
【0064】
合成された(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] MS(EI):ジアステレオ混合物であるため、二種類のマスパターンが検出された。
[1]−a MS(EI):m/z(%)=160(21), 118(6), 117(79), 104(12), 89(7), 75(34), 73(5), 70(6), 69(100), 61(82), 55(5), 47(5), 45(8), 43(39), 41(33), 39(9)
【0065】
[1]−b MS(EI):m/z(%)=160(40), 119(5), 118(7), 117(100), 116(4), 104(12), 89(7), 85(4), 75(27), 70(4), 69(79), 61(59), 45(5), 43(24), 41(19), 39(5)
【0066】
〔実施例16〕 (4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとしてジアステレオ混合物である(4S)−3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとしてヨードエタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノンをジアステレオ混合物として合成した。
【0067】
合成された(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] MS(EI):ジアステレオ混合物であるため、二種類のマスパターンが検出された。
[1]−a MS(EI):m/z(%)=174(13), 132(6), 131(59), 118(5), 114(5), 89(22), 85(6), 75(71), 70(6), 69(100), 61(9), 47(5), 45(7), 43(34), 41(25), 39(6)
【0068】
[1]−b MS(EI):m/z(%)=174(36), 133(5), 132(8), 131(100), 118(6), 114(6), 103(4), 89(22), 85(6), 75(58), 70(4), 69(76), 61(6), 45(4), 43(19), 41(13)
【0069】
〔実施例17〕 (4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとしてジアステレオ混合物である(4S)−3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンをジアステレオ混合物として合成した。
【0070】
合成された(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] MS(EI):ジアステレオ混合物であるため、二種類のマスパターンが検出された。
[1]−a MS(EI):m/z(%)=188(17), 147(4), 146(8), 145(83), 103(16), 90(6), 89(54), 85(7), 70(6), 69(100), 61(14), 47(5), 45(5), 43(37), 41(22), 39(6)
【0071】
[1]−b MS(EI):m/z(%)=188(17), 146(8), 145(85), 103(16), 90(6), 89(53), 85(7), 75(4), 70(6), 69(100), 61(13), 47(5), 45(5), 43(38), 41(23), 39(6)
【0072】
〔実施例18〕 (4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとしてジアステレオ混合物である(4S)−3−メルカプト−4−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして2−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンをジアステレオ混合物として合成した。
【0073】
合成された(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] MS(EI):ジアステレオ混合物であるため、二種類のマスパターンが検出された。
[1]−a MS(EI):m/z(%)=188(8), 146(6), 145(64), 114(10), 113(9), 103(17), 90(8), 89(36), 85(6), 69(100), 61(25), 55(6), 47(7), 43(38), 41(23), 39(6)
【0074】
[1]−b MS(EI):m/z(%)=188(10), 146(8), 145(67), 114(11), 113(10), 103(19), 90(7), 89(36), 85(6), 69(100), 61(23), 55(6), 45(6), 43(42), 41(19), 39(6)
【0075】
〔実施例19〕 5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0076】
合成された5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;22.5;22.6;26.1;26.3;38.0;52.5;204.5
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.89(dd, 6H);1.50(m, 1H) ;1.61−1.70(m, 2H) ;1.91(s, 3H);2.25(s, 3H) ;3.21(t, 1H)
【0077】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2956,2923,2870,1703(C=O),1353,1160,953,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=160(11), 118(5), 117(63), 104(31), 97(4), 75(48), 71(5), 69(28), 63(5), 61(100), 55(7), 47(7), 45(6), 43(42), 41(20), 39(7)
【0078】
〔実施例20〕 3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとしてヨードエタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノンを合成した。
【0079】
合成された3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.6;22.5;22.6;24.5;25.6;26.2;39.1;52.5;205.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.90(dd, 6H); 1.19(t, 3H) ;1.50(m, 1H) ;1.62−1.72(m, 2H);2.24(s, 3H) ;2.34−2.48(m, 2H) ;3.27(t,1H)
【0080】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2957,2931,2871,1701(C=O),1353,1241,1160,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(4), 131(33), 118(14), 114(5), 89(24), 77(5), 75(100), 71(6), 69(10), 61(11), 59(5), 58(3), 55(4), 43(29), 41(8), 39(3)
【0081】
〔実施例21〕 5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0082】
合成された5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.6;22.6;22.6;22.8;25.6;26.2;32.5;39.1;52.6;205.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.89(dd, 6H); 0.94(t, 3H) ;1.44−1.72(m, 5H) ;2.24(s, 3H);2.36(t, 2H) ;3.24(t, 1H)
【0083】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2958,2933,2871,1702(C=O),1352,1238,1159,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(5), 145(30), 132(13), 114(7), 103(11), 91(6), 90(8), 89(100), 71(7), 69(16), 61(19), 55(5), 45(5), 43(41), 41(15), 39(6)
【0084】
〔実施例22〕 5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−5−メチル−2−ヘキサノンを、ハロゲン化アルキルとして2−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンを合成した。
【0085】
合成された5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)22.5;22.6;23.7;23.9;24.9;26.2;35.3;40.0;52.6;206.9
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.90(dd, 6H); 1.22(dd, 6H) ;1.49(m, 1H) ;1.60−1.72(m, 2H) ;2.22(s, 3H) ;2.80(dq, 1H) ;3.31(t, 1H)
【0086】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2958,2928,2869,1699(C=O),1367,1353,1240,1156,1054,599 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(5), 145(39), 114(15), 103(8), 90(8), 89(100), 71(7), 69(28), 61(18), 59(6), 55(12), 47(6), 45(7), 43(42), 41(17), 39(6)
【0087】
〔実施例23〕 3−メチルチオ−2−ヘプタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘプタノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−ヘプタノンを合成した。
【0088】
合成された3−メチルチオ−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.0;22.6;26.4;28.8;29.6;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.88(t, 3H); 1.20−1.42(m, 4H) ;1.60(m, 1H) ;1.78(m, 1H) ;1.91(s, 3H) ;2.25(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0089】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2957,2925,2860,1702(C=O),1354,1234,1159,955,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=160(46), 119(6), 118(10), 117(100), 75(13), 71(6), 69(78), 61(95), 55(7), 47(6), 45(7), 43(35), 41(28), 39(8)
【0090】
〔実施例24〕 3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘプタノンを、ハロゲン化アルキルとして1−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノンを合成した。
【0091】
合成された3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)13.6;14.0;22.6;22.8;25.7;29.7;30.0;32.5;54.4;205.9
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H); 0.94(t, 3H) ;1.20−1.43(m, 4H) ;1.47−1.66(m, 3H
) ;1.77(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.36(t, 2H) ;3.14(t, 1H)
【0092】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2959,2931,2873,1701(C=O),1353,1232,1158,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(21), 147(6), 146(10), 145(100), 114(7), 103(14), 89(78), 71(8), 69(66), 61(14),
55(8), 47(6), 45(5), 43(41), 41(24), 39(6)
【0093】
〔実施例25〕 3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ヘプタノンを、ハロゲン化アルキルとして2−ヨードプロパンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノンを合成した。
【0094】
合成された3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.0;22.6;23.7;23.9;25.0;29.8;30.9;35.4;54.4;206.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.88(t, 3H);1.22(dd, 6H);1.26−1.43(m, 4H) ;1.63(m, 1H) ;1.77(m, 1H) ;2.22(s, 3H) ;2.81(dq, 1H) ;3.21(dd, 1H)
【0095】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2958,2929,2865,1700(C=O),1353,1232,1156,1053,927,598 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(8), 146(7), 145(57), 114(20), 103(23), 90(7), 89(44), 71(7), 69(100), 61(10), 59(8), 55(8), 47(8), 43(46), 41(25), 39(8)
【0096】
〔実施例26〕 6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−6−メチル−2−ヘプタノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノンを合成した。
【0097】
合成された6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;22.5;22.6;26.4;27.0;28.1;36.6;54.7;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.87(dd, 6H); 1.13(m, 1H) ;1.30(m, 1H) ;1.48−1.64(m, 2H) ;1.77(m, 1H) ;1.91(s, 3H);2.24(s, 3H);3.09(t, 1H)
【0098】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2955,2924,2870,1702(C=O),1354,1235,1160,956,604 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(12), 133(4), 132(8), 131(91), 84(7), 83(100), 75(16), 74(4), 71(5), 61(30), 55(50), 47(4), 45(5), 43(33), 41(22), 39(7)
【0099】
〔実施例27〕 3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−6−メチル−2−ヘプタノンを、ハロゲン化アルキルとしてヨードエタンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノンを合成した。
【0100】
合成された3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.6;22.6;22.6;24.6;25.7;28.1;28.2;36.7;54.6;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.87(dd, 6H);1.14(m, 1H);1.19(t, 3H) ;1.31(m, 1H) ;1.47−1.66(m, 2H) ;1.77(m, 1H) ;2.24(s, 3H) ;2.34−2.47(m, 2H) ;3.13(t, 1H)
【0101】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2955,2930,2871,1701(C=O),1353,1233,973,603 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(11), 146(8), 146(7), 145(60), 128(6), 89(21), 84(12), 83(100), 75(37), 71(6), 61(9), 57(6), 55(49), 43(37), 41(18), 40(6)
【0102】
〔実施例28〕 3−メチルチオ−2−オクタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−オクタノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−オクタノンを合成した。
【0103】
合成された3−メチルチオ−2−オクタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.1;22.6;26.4;27.1;29.1;31.7;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H); 1.20−1.46(m, 6H) ;1.60(m, 1H);1.77(m, 1H);1.91(s, 3H) ;2.24(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0104】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2956,2924,2858,1701(C=O),1353,1232,1158,951,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=174(26), 133(6), 132(10), 131(100), 104(3), 83(38), 75(9), 74(5), 71(4), 61(57), 55(41), 47(3), 45(4), 43(24), 41(15), 39(5)
【0105】
〔実施例29〕 3−エチルチオ−2−オクタノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−オクタノンを、ハロゲン化アルキルとしてヨードエタン使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−エチルチオ−2−オクタノンを合成した。
【0106】
合成された3−エチルチオ−2−オクタノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)14.1;14.6;22.6;24.6;25.7;27.3;30.3;31.6;54.3;205.8
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H);1.19
(t, 3H);1.22−1.47(m, 6H) ;1.60(m, 1H) ;1.77(m, 1H) ;2.23(s, 3H) ;2.33−2.48(m, 2H);3.17(t, 1H)
【0107】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2957,2929,2859,1700(C=O),1353,1231,1158,972,600 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(17), 146(9), 145(100), 128(9), 89(7), 83(34), 75(71), 71(6), 61(6), 60(6), 59(8), 55(38), 47(6), 45(9), 43(25), 41(14)
【0108】
〔実施例30〕 3−メチルチオ−2−ノナノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ノナノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−ノナノンを合成した。
【0109】
合成された3−メチルチオ−2−ノナノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.2;22.7;26.4;27.4;29.1;29.1;31.7;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H)1.20−1.43(m, 8H) ;1.60(m, 1H) ;1.77(m, 1H) ;1.91(s, 3H) ;2.25(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0110】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2955,2923,2856,1702(C=O),1353,1158,955,602 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=188(24), 147(7), 146(15), 145(100), 104(4), 97(32), 75(9), 74(4), 71(5), 69(9), 61(51), 55(59), 45(4), 43(30), 41(15), 39(5)
【0111】
〔実施例31〕 3−メチルチオ−2−デカノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−デカノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−デカノン合成した。
【0112】
合成された3−メチルチオ−2−デカノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.2;22.8;26.4;27.5;29.1;29.2;29.4;31.9;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H);1.19−1.43(m, 10H) ;1.60(m, 1H) ;1.77(m, 1H) ;1.91(s, 3H) ;2.24(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0113】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2955,2923,2855,1702(C=O),1353,1157,953,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=202(13), 161(5), 160(11), 159(100), 87(2), 75(4), 74(2), 71(3), 70(2), 69(39), 67(3), 61(24), 55(15), 43(17), 41(9), 39(3)
【0114】
〔実施例32〕 3−メチルチオ−2−ウンデカノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ウンデカノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−ウンデカノンを合成した。
【0115】
合成された3−メチルチオ−2−ウンデカノンの理化学的性質は以下のとおりである。[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.2;22.8;26.4;27.4;29.1;29.3;29.5;29.5;32.0;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H);1.18−1.43(m, 12H) ;1.60(m, 1H) ;1.77(m, 1H) ;1.91(s, 3H) ;2.24(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0116】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2954,2922,2854,1703(C=O),1353,1156,954,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=216(10), 175(5), 174(12), 173(100), 87(2), 83(15), 75(3), 71(3), 69(22), 67(2), 61(18), 57(3), 55(12), 43(13), 41(8), 39(2)
【0117】
〔実施例33〕 3−メチルチオ−2−ドデカノンの合成
原料の3−メルカプト−2−アルカノンとして3−メルカプト−2−ドデカノンを使用し、それ以外は実施例1と同様の方法で3−メチルチオ−2−ドデカノンを合成した。
【0118】
合成された3−メチルチオ−2−ドデカノンの理化学的性質は以下のとおりである。
[1] 核磁気共鳴スペクトル
1 3 C NMR(100MHz, CDCl3 δppm)12.6;14.2;22.8;26.4;27.5;29.1;29.4;29.5;29.6;29.6;32.0;54.4;204.7
1H NMR(400MHz,CDCl3 δppm)0.86(t, 3H);1.19−1.43(m, 14H) ;1.59(m, 1H) ;1.78(m, 1H) ;1.91(s, 3H) ;2.24(s, 3H) ;3.12(t, 1H)
【0119】
[2] 赤外線吸収スペクトル 2954,2922,2853,1703(C=O),1353,1156,954,721,601 cm-1
[3] MS(EI):m/z(%)=230(8), 189(5), 188(13), 187(100), 97(8), 87(2), 83(16), 75(3), 71(3), 69(10), 67(2), 61(15), 57(3), 55(12), 43(13), 41(7)
【0120】
本発明における代表的な3−アルキルチオ−2−アルカノン類の香気特性を以下に示す。
【0121】
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
【表5】

【0126】
【表6】

【0127】
【表7】

【0128】
〔実施例A〕
下記処方に従い、常法によって本発明の香料組成物(1A〜33A)を調製した。
【0129】
【表8】

【0130】
【表9】

【0131】
【表10】

【0132】
【表11】

【0133】
【表12】

【0134】
【表13】

【0135】
【表14】

【0136】
【表15】

【0137】
【表16】

【0138】
〔比較例A〕
実施例Aの香料組成物(1A〜33A)の処方成分である3−アルキルチオ−2−アルカノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物(34A)を調製した。
【0139】
〔実施例B〕
下記処方に従い、常法によって本発明の香料組成物(1B〜33B)を調製した。
【0140】
【表17】

【0141】
【表18】

【0142】
【表19】

【0143】
【表20】

【0144】
【表21】

【0145】
【表22】

【0146】
【表23】

【0147】
【表24】

【0148】
【表25】

【0149】
〔比較例B〕
実施例Bの香料組成物(1B〜33B)の処方成分である3−アルキルチオ−2−アルカノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物(34B)を調製した。
【0150】
〔実施例C〕
下記処方に従い、常法により本発明の香料組成物(1C)を調製した。
【0151】
【表26】

【0152】
〔比較例C〕
実施例Cの4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンの代わりにエチルアルコールを配合した以外は同様の処方および方法にて香料組成物(2C)を調製した。
【0153】
〔実施例D〕
下記処方に従い、常法によって本発明の果汁飲料Aを調製した。
【0154】
【表27】

【0155】
〔比較例D〕
実施例Dの香料組成物(1A)の代わりに香料組成物(34A)を配合した以外は同様の成分および方法にて果汁飲料Bを調製した。
【0156】
[実施例E]
下記処方に従い、常法によって本発明のコーヒー飲料Aを調製した。
【0157】
【表28】

【0158】
[比較例E]
実施例Eの香料組成物(1B)の代わりに香料組成物(34B)を配合した以外は同様の成分および方法にてコーヒー飲料Bを調製した。
【0159】
〔実施例F〕
下記処方に従い、常法によってゲルベースを調製後、本発明のフルーツタイプゲル芳香剤Aを調製した。
【0160】
【表29】

【0161】
【表30】

【0162】
〔比較例F〕
実施例Fの香料組成物(1C)の代わりに香料組成物(2C)を配合した以外は同様の成分および方法にてフルーツタイプゲル芳香剤Bを調製した。
【0163】
〔試験例A〕
果汁飲料A、果汁飲料Bの2種類のジュースについて10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンが添加された果汁飲料Aの方が果汁感が強調され、よりシトラス感や天然感が強く感じられると評価した。
【0164】
〔試験例B〕
コーヒー飲料A、コーヒー飲料Bの2種類のコーヒー飲料について10名の専門パネラーにより香気香味を比較評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンが添加されたコーヒー飲料Aの方がコーヒー豆感が強く、香りに拡散性が感じられると評価した。
【0165】
〔試験例C〕
フルーツタイプゲル芳香剤A、フルーツタイプゲル芳香剤Bの2種類のフルーツタイプゲル芳香剤について5名の専門パネラーにより香気を評価した。その結果、専門パネラーの全員が、本発明に係る4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノンが添加されたフルーツタイプゲル芳香剤Aの方が、よりフルーツ感や天然感が強く感じられると評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】

(式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である)で表される3−アルキルチオ−2−アルカノン(ただし、3−メチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ブタノン、3−プロピルチオ−2−ブタノン、3−n−ブチルチオ−2−ブタノン、3−t−ブチルチオ−2−ブタノン、3−メチルチオ−2−ペンタノン、3−エチルチオ−2−ペンタノン、4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、3−エチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メチルチオ−2−ヘプタノン、3−エチルチオ−2−ヘプタノン、3−n−ペンチルチオ−2−ヘプタノン、3−メチルチオ−2−オクタノン、3−t−ブチルチオ−2−オクタノン、3−メチルチオ−2−デカノンを除く)。
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(1)(式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、R2は炭素数1〜5の直鎖状又は分枝状のアルキル基である)で表される3−アルキルチオ−2−アルカノンの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物(ただし、3−メチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ブタノン、3−エチルチオ−2−ペンタノンを除く)。
【請求項3】
請求項2記載の香料組成物を配合したことを特徴とする飲食品。
【請求項4】
請求項2記載の香料組成物を配合したことを特徴とする香粧品。
【請求項5】
芳香が強調された飲食品または香粧品の製造における、
4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノン、
3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノン、
3−メチルチオ−2−オクタノン、
3−エチルチオ−2−オクタノン、
3−メチルチオ−2−ノナノン、
3−メチルチオ−2−デカノン、
3−メチルチオ−2−ウンデカノン、および
3−メチルチオ−2−ドデカノン
から選ばれる化合物の使用。
【請求項6】
4−メチル−3−メチルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ペンタノン、
4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ペンタノン、
3−n−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−i−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−t−ブチルチオ−4−メチル−2−ペンタノン、
3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ブチルチオ−2−ヘキサノン、
3−n−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
3−i−ペンチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−3−エチルチオ−4−メチル−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
(4S)−4−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−メチルチオ−2−ヘキサノン、
3−エチルチオ−5−メチル−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−n−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
5−メチル−3−i−プロピルチオ−2−ヘキサノン、
3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−n−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
3−i−プロピルチオ−2−ヘプタノン、
6−メチル−3−メチルチオ−2−ヘプタノン、
3−エチルチオ−6−メチル−2−ヘプタノン、
3−メチルチオ−2−オクタノン、
3−エチルチオ−2−オクタノン、
3−メチルチオ−2−ノナノン、
3−メチルチオ−2−デカノン、
3−メチルチオ−2−ウンデカノン、および
3−メチルチオ−2−ドデカノン
から選ばれる飲食品または香粧品の芳香強調剤。

【公開番号】特開2010−100569(P2010−100569A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273978(P2008−273978)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(591011410)小川香料株式会社 (173)
【Fターム(参考)】