説明

CB2受容体モジュレーターとしてのピリジン誘導体およびその使用

本発明は、新規ピリジン誘導体、例えば式(I):


で示される化合物およびカンナビノイド2受容体の活性により介在される疾患、特に痛みの治療におけるかかる化合物または医薬組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な記載】
【0001】
本発明は、新規なピリジン誘導体、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびカンナビノイド受容体の活性の増加または減少によって直接または間接的に引き起こされる疾患、特に痛みの治療におけるその使用に関する。
【0002】
カンナビノイドは、インド大麻(Cannabis sativa)に存在する特定のクラスの精神活性化合物であり、約60の異なる分子を包含し、最も代表的なものは、カンナビノール、カンナビジオールおよびテトラヒドロカンナビノールの数種類の異性体である。大麻の治療活性についての知見は、5000年前の中国の古代王朝に遡り、そこでは、大麻が喘息、偏頭痛およびいくつかの婦人科障害の治療に用いられていた。これらの使用は、後に、よく確立されるようになり、1850年頃には、大麻抽出物が米国薬局方に収載され、1947年までそのままであった。
カンナビノイドは、種々の系および/または器官に異なる影響を引き起こすことが知られており、最も重要なものは、中枢神経系および心血管系に対するものである。これらの影響には、記憶および認識における変化、多幸症および鎮静作用がある。カンナビノイドはまた、心拍数を増やし、全身の動脈圧を変化させる。気管支狭窄、免疫調節および炎症に関連する末梢の影響もまた観察されている。カンナビノイドの眼圧減少能ならびに呼吸および内分泌系に影響を与える能力もまた、よく報告されている。例えば、L.E. Hollister, Health Aspects of Cannabis, Pharmacological Reviews, Vol. 38, pp. 1-20, (1986)を参照のこと。より近年には、カンナビノイドが細胞性および体液性免疫応答を抑制し、抗炎症性を示すことが見出された。Wirth et al., Antiinflammatory Properties of Cannabichrome, Life Science, Vol. 26, pp. 1991-1995, (1980)を参照のこと。
【0003】
上記の利益にもかかわらず、その精神活性的な影響(依存および耽溺を引き起こす)および未だ完全には解明されていない多種多様な副作用のため、大麻の治療的使用は論争上にある。該分野における仕事は1940年代から進行中であるが、カンナビノイドによる末梢の影響は直接媒介されるのであって、CNS影響に続発するのではないということを示す証拠は、受容体キャラクタリゼーションの不足、内在性カンナビノイドリガンドに関する情報不足、および近年まで、受容体サブタイプ選択的化合物の不足によって限られていた。
第1のカンナビノイド受容体は、主に、脳、神経細胞系、およびより少ない程度ではあるが、末梢レベルで位置することが見出された。その位置を考慮して、それは中枢受容体(CB1)と呼ばれた。Matsuda et al., 「Structure of a cannabinoid Receptor and Functional Expression of the Cloned cDNA」 Nature, Vol. 346, pp. 561-564 (1990)参照のこと。第2のカンナビノイド受容体(CB2)は、脾臓において同定され、カンナビノイドの非精神活性影響を調節すると想定された。Munro et el., 「Molecular Characterization of a Peripheral Receptor for cannabinoids」 Nature, Vol. 365, pp. 61-65 (1993)を参照のこと。
【0004】
近年、両方のカンナビノイド受容体に対するアゴニストとして作用することのできるいくつかの化合物が調製されている。例えば、緑内障の治療におけるジヒドロキシピロール−(1,2,3−d,e)−1,4−ベンゾオキサジンの誘導体の使用および種々の神経病理、偏頭痛、癲癇、緑内障などの治療における免疫モジュレーターまたは向精神剤としての1,5−ジフェニル−ピラゾールの誘導体の使用が知られている。各々、米国特許第5,112,820号およびEP576357を参照のこと。しかしながら、これらの化合物はCB1およびCB2受容体の両方に対して活性であるので、それらは深刻な精神活性影響を引き起こす可能性がある。
上記の記載および免疫系におけるCB2受容体の選択的な局在性は、異なる供給源の刺激に対する免疫および抗炎症応答の調節におけるCB2の特異的な役割を確かなものとする。
【0005】
痛みを患っている患者集団の全体の大きさは巨大であり(ほとんど3億人)、背痛、骨関節痛および術後の痛み患者が優位を占める。ニューロパシー痛(糖尿病、HIV、ヘルペス感染または発作によって誘導される症状などのニューロン病変に関連する)は、癌痛と同様に、より低いが、今だかなりの有病率で起こっている。
痛みの症状を起こす発病メカニズムは、2つの主要なカテゴリー:
炎症性組織応答の成分であるもの(炎症性の痛み);
いくつかの形態のニューロン病変に起因するもの(ニューロパシー痛)
に分類することができる。
【0006】
慢性炎症性の痛みは主に、骨関節炎、慢性腰痛および慢性関節リウマチからなる。該痛みは、急性および進行性の傷害および/または炎症に起因する。自発性および誘発性の両方の痛みが存在しうる。
生理学的過興奮およびさらに該過興奮を増強する炎症性メディエーターの放出の結果として、根本的な病理学的過敏性がある。CB2受容体は、炎症性細胞(T細胞、B細胞、マクロファージ、マスト細胞)において発現され、細胞性相互作用/炎症性メディエーター放出の阻害を介して免疫抑制の媒介となる。CB2受容体は、また、知覚神経末端において発現されることもあり、したがって、痛覚過敏を直接阻害することもある。
【0007】
免疫調節、炎症、骨粗鬆症、心血管疾患、腎臓疾患および他の病態におけるCB2の役割は、現在研究中である。カンナビノイドが異なる機能的影響を調節することのできる受容体において作用するという事実を考えて、CB2とCB1との間の低いホモロジーを考慮すると、特異的受容体サブタイプに選択的な薬物のクラスを開発することの重要性は明らかである。現在入手可能な天然または合成カンナビノイドは、両方の受容体に対して活性であるので、該機能を果たさない。
上記に基づいて、カンナビノイドの受容体を選択的に調節することのできる化合物、したがって、かかる受容体に関連する病理に対する要望がある。かくして、CB2モジュレーターは、免疫障害、炎症、骨粗鬆症、腎虚血および他の病理生理学的症状の薬物療法に対する独特のアプローチを提供する。
【0008】
本発明は、種々の障害の治療に有用な式(I)の新規なピリジン誘導体およびその医薬上許容される誘導体、これらの化合物または誘導体を含有する医薬組成物およびCB2受容体モジュレーターとしてのその使用を提供する。
本発明は、さらに、ヒトを包含する動物においてCB2受容体によって媒介される疾患を治療する方法であって、治療の必要な動物に、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを特徴とする方法を含む。
【0009】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
Yは、非置換であるか、あるいは1、2または3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたはハロ置換C1−6アルキルから選択され;
は(CHであり、ここに、mは0または1であるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
は、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基、非置換または置換C3−8シクロアルキル基、非置換または置換直鎖または分枝鎖C1−10アルキル、非置換または置換C5−7シクロアルケニルであり、RまたはRは、非置換または置換5〜6員の芳香族ヘテロサイクリル基またはA基:
【化2】

であり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキル、COCHまたはSOMeから選択され;
は、
【化3】

(式中、pは、0、1または2であり、Xは、CH、O、S、SOまたはSOである)
は、ハロ、置換または非置換(C1−6)アルキル、置換または非置換(C3−6)シクロアルキルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロサイクリル基であり、R10は水素であるか、またはR10は、ハロ、置換または非置換(C1−6)アルキル、置換または非置換(C3−6)シクロアルキルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロサイクリル基であり、Rは水素であり:
は、OH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR、NHSO、SOqRであり;
8aはHまたはC1−6アルキルであり;
8bはHまたはC1−6アルキルであり;
はC1−6アルキルであり;
12は水素またはC1−6アルキルであり;
qは、0、1または2であり;
Raは、独立して、水素、フルオロ、クロロまたはトリフルオロメチルから選択され;
Rbは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、CONH、COOHまたはNHCOOC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0010】
一の具体例において、Yは置換フェニルである。一の具体例において、Yは1または2個の置換基により置換されている。
一の具体例において、Rは水素である。
一の具体例において、Rは、C1−6アルキルまたは水素、例えばメチルまたは水素であり、別として水素である。
一の具体例において、Rは、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルである。
一の具体例において、Rは、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチルまたはt−ブチルである。
一の具体例において、R10は水素である。
一の具体例において、RはOHである。
一の具体例において、XはCHである。
【0011】
Yが置換されている場合、置換基は、C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロ、C1−6アルキルスルホニル基、−CONH、−NHCOCH、−COOH、ハロ置換C1−6アルコキシまたはSONR8a8b(ここに、R8aおよびR8bは上記と同意義である)から選択される。
一の具体例において、Yは、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている。
一の具体例において、Rは、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基、非置換または置換C3−8シクロアルキル基または直鎖または分枝鎖C1−6アルキル基である。
一の具体例において、Rは、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基または非置換または置換C3−8シクロアルキル基である。
一の特別な具体例において、Rは、ピリジニル、ピリミジニル、イミダゾイル、オキサジアゾイル、トリアゾリルまたはピラジニルであり、それらはいずれも非置換であっても、または置換されていてもよく、あるいはA基であってもよい。
一の特別な具体例において、Rは、ピリジニル、ピリミジニル、イミダゾイル、オキサジアゾイル、トリアゾリルまたはピラジニルであり、それらはいずれも非置換であっても、または置換されていてもよく、あるいはA基であってもよい。
一の特別な具体例において、Rは、A基、ピリジニルまたはピリミジニルである。
さらなる具体例において、Rは、A基またはピリジニルである。
一の具体例において、Rが非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基である場合、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリン−s,s−ジオキシドまたはテトラヒドロチオピラン−1,1−ジオキシドであってもよい。
一の具体例において、Rbは、ハロ、メトキシおよびシアノから選択される。
【0012】
一の具体例において、式(I)で示される化合物は、式(Ia):
【化4】

[式中:
は、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基、非置換または置換C3−8シクロアルキル基または直鎖または分枝鎖C1−6アルキル基であり;
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3であり;
mは、0または1である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体である。
【0013】
一の具体例において、Rは(C3−6)シクロアルキル、例えばシクロブチル、シクロプロピルまたはシクロペンチルである。
一の具体例において、Rはテトラヒドロピランである。
【0014】
一の具体例において、式(I)で示される化合物は、式(Ib):
【化5】

[式中:
は、置換されていてもよい5〜6員の芳香族ヘテロサイクリル基またはA基であり:
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり;
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3であり;
mは、0または1である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体である。
【0015】
一の具体例において、式(I)で示される化合物は、式(Ic):
【化6】

およびRは、それらが結合しているNと一緒になって、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり;
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3である]
で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体である。
【0016】
一の具体例において、Rはイソプロピルである。
一の具体例において、R12は、水素またはメチル、適当には水素である。
一の具体例において、RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、アゼチニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニル環を形成する。
【0017】
およびRが、それらが結合しているNと一緒になって、置換されている4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成する場合、または、Rが置換されている場合、置換基は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ基、ハロ置換C1−6アルキル、ハロ置換C1−6アルコキシ、シアノ基、ハロまたはスルホニル基、メチルスルホニル、NR8a8b、CONH、NHCOCH、(=O)、COOH、CONHCHおよびNHSOCHw(式中、R8aおよびR8bは上記と同意義である)から選択される。
一の特別な具体例において、Rが、5〜6員の芳香族ヘテロサイクリル基である場合、置換基はハロ、メトキシおよびシアノである。
およびRが、それらが結合しているNと一緒になって、置換されている4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成する場合、Rが置換されている場合、1、2または3個の置換基が存在してもよい。
が、1、2または3個の置換基により置換されている場合、置換基は、OH、ハロ、シアノ、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR、NHSO、SOqRから選択され、ここに、R8a、R8b、Rおよびqは上記と同意義である。
【0018】
一の特別な具体例において、化合物はCB1に対するよりもCB2に対して選択的である。好ましくは、該化合物は50倍選択的であり、すなわち、式(I)で示される化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体でのEC50値がクローン化ヒトカンナビノイドCB1受容体でのEC50値の少なくとも50倍であるか、またはCB1受容体での有効性が10%未満である。
【0019】
本発明は、特記しない限り、以下の定義を用いて記載される。
「医薬上許容される誘導体」なる語は、式(I)で示される化合物のいずれもの医薬上許容される塩、エステル、かかるエステルの塩もしくは溶媒和物、またはレシピエントに投与されると式(I)で示される化合物またはその活性な代謝産物もしくは残基を(直接的または間接的に)提供することのできるいずれもの他の化合物を意味する。
【0020】
式(I)で示される化合物が該化合物における官能基のいずれかにおいてその医薬上許容される誘導体を提供するように修飾されてもよいこと、および式(I)で示される化合物が2つ以上の位置で誘導体化されてもよいことは、当業者に明らかであろう。
【0021】
医薬的使用については、上記の塩は生理学上許容される塩であるが、他の塩は例えば式(I)で示される化合物およびその生理学上許容される塩の調製に有用であることは明らかであろう。医薬上許容される塩としては、Berge, Bighley and Monkhouse, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19によって記載されるものが挙げられる。「医薬上許容される塩」なる語は、無機塩基および有機塩基を包含する医薬上許容される非毒性の塩基から調製される塩を含む。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン酸塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛などが挙げられる。医薬上許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン、自然発生の置換アミンを包含する置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、トリプロピルアミンおよびトロメタミンなどの塩が挙げられる。本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機酸および有機酸を包含する医薬上許容される非毒性の酸から調製されうる。かかる酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸およびp−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
【0022】
医薬上許容される塩の例としては、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩、ならびにマレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモン酸、コハク酸、塩酸、硫酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アルパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p−アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、リン酸および硝酸から形成される塩が挙げられる。
【0023】
「ハロゲンまたはハロ」なる用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示すために使用される。
【0024】
「アルキル」なる用語は、基または基の一部として、直鎖もしくは分枝鎖アルキル基またはその組み合わせ、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、1,1−ジメチルエチル、またはその組み合わせを意味する。
【0025】
「アルコキシ」なる用語は、基または基の一部として、鎖と結合した酸素原子を有する直鎖、分枝鎖または環状鎖アルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ基、ペントキシ、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシまたはシクロヘキシルオキシ基を意味する。
【0026】
「シクロアルキル」なる用語は、閉環した4〜8員非芳香族環、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルまたはシクロオクチルを意味する。
「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含有する閉環非芳香族炭素環、例えばシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルまたはシクロヘプテニルまたはシクロオクテニルを意味する。
【0027】
「アルキニル」なる用語は、基として、または他の基の一部として、1つ以上の三重結合を含有する直鎖または分枝鎖炭素鎖または組合せ、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルまたはその組合せを意味する。
「アリール」なる用語は、5または6員の芳香環、例えばフェニル、または、少なくとも1つの環が芳香環である7〜12員の二環式系、例えばナフチルを意味する。
【0028】
およびRが、それらが結合しているNと一緒になって、置換されていてもよい非芳香族ヘテロサイクリル環を形成する場合、その環は、1、2、3または4個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよい。環は、飽和または不飽和であってもよい。一の具体例において、さらなるヘテロ原子は、酸素、窒素または硫黄から選択される。4員のヘテロサイクリル環の例としては、アゼチジニルが挙げられる。5員のヘテロサイクリル環としては、ピロリジニルが挙げられる。6員のヘテロサイクリル環の例としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピリジニルが挙げられる。さらなる例としては、チオモルホリニルが挙げられる。7員のヘテロサイクリル環の例としては、アザピンまたはオキサピンが挙げられる。8員のヘテロサイクリル環の例としては、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルまたはアザチアシクロオクタニルである。
【0029】
またはRが、置換されていてもよい非芳香族ヘテロサイクリル基である場合、該環は、1、2、3または4個のヘテロ原子を含有していてもよい。一の具体例において、ヘテロ原子は、酸素、窒素または硫黄から選択される。4員の基の例としては、2−または3−アゼチジニル、オキセタニル、チオキセタニル、チオキセタニル−s−オキシドおよびチオキセタニル−s,s−ジオキシドが挙げられる。5員のヘテロサイクリル基の例としては、この場合、ジオキサラニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルおよびテトラヒドロチオフェニル−s,s−ジオキシドが挙げられる。6員のヘテロサイクリル基の例としては、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニル−s,s−ジオキシド、チオモルホリニル、チオモルホリニル−s,s−ジオキシド、テトラヒドロピリジニルジオキサニルおよびテトラヒドロ−チオピラン1,1ジオキシドが挙げられる。7員のヘテロサイクリル環の例としては、アザピンまたはオキサピンが挙げられる。8員の基の例としては、アザシクロオクタニル、アザオキサシクロオクタニルまたはアザチアシクロオクタニル、オキサシクロオクタニルまたはチアシクロオクタニルが挙げられる。
【0030】
が芳香族ヘテロサイクリル基である場合、環は、1、2、3または4個のヘテロ原子を含有しうる。一の特別な具体例において、ヘテロ原子は、酸素、窒素または硫黄から選択される。5員のヘテロサイクリル基の例としては、この場合、フラニル、ジオキサラニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、チエニル、ピラゾリルまたはテトラゾリルが挙げられる。6員のヘテロサイクリル基の例としては、ピリジル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルまたはテトラジニルが挙げられる。
【0031】
12が水素である式(I)で示される化合物は、下記スキームに記載のように調製することができる:
【化7】

【0032】
12が水素である式(I)で示される化合物は、下記スキーム2に記載のように調製することができる:
【化8】

【0033】
12が水素以外である式(I)で示される化合物は、下記スキーム3に記載のように、式(II)で示される化合物(スキーム1に記載のように調製する)から調製することができる:
【化9】

【0034】
本発明は、式(I)で示される化合物の全ての異性体およびその医薬上許容される誘導体を包含し、全ての幾何、互変および光学形態およびその混合物(例えば、ラセミ混合物)を包含することが理解されるべきである。付加的なキラル中心が式(I)で示される化合物に存在する場合、本発明はその範囲内に全ての可能なジアステレオマー(その混合物を包含)を包含する。常法によって異なる異性形態の一つを他から分離または分割してもよく、または通常の合成方法または立体特異的合成もしくは不斉合成によって、所定の異性体を得てもよい。
【0035】
本発明はまた、1個またはそれ以上の原子が天然において通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されているという事実を除けば式Iおよびそれ以降の式で示される化合物と同一である、同位体で標識した化合物を包含する。本発明の化合物中に組み込むことのできる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体、例えば、H、11C、14C、18F、123Iおよび125Iが挙げられる。
【0036】
上記の同位体および/または他の原子の同位体を含有する本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩は本発明の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば、H、14Cのような放射性同位体がその中に組み込まれた化合物は薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、H、および炭素−14、すなわち、14C同位体はそれらの調製し易さおよび検出能力のために特に好ましい。11CおよびF同位体はPET(陽電子放射型断層撮影法)において特に有用であり、125I同位体はSPECT(単一光子放射型コンピューター断層撮影法)において特に有用であり、全て、脳画像化において有用である。さらに、ジュウテリウム、すなわち、Hのようなより重い同位体での置換はより大きな代謝安定性に起因するある特定の治療的利益、例えば、イン・ビボ半減期の増加または必要な投与量の減少を提供することができ、したがって、ある状況では望ましいことがある。本発明の式Iおよびそれ以降の式で示される同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることによって、スキームおよび/または下記の実施例に記載される方法を行うことによって調製できる。
【0037】
式(I)で示される化合物は結晶または非結晶形態で調製されてもよく、結晶の場合、所望により、水和化または溶媒和化されてもよい。本発明は、その範囲内に、化学量論量の水和物または溶媒和物ならびに可変量の水および/または溶媒を含有する化合物を包含する。
【0038】
本発明の化合物は、CB2受容体に結合し、したがって、CB2受容体媒介疾患を治療するのに有用でありうる。
【0039】
それらのCB2受容体との結合能を考慮すると、本発明の化合物は下記の障害の治療に有用でありうる。かくして、式(I)で示される化合物は鎮痛剤として有用でありうる。例えば、それらは疾患修飾および関節構造保存の特性を包含する慢性炎症性の痛み(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎に関連した痛み)の治療;筋骨格の痛み;腰および頚の痛み;捻挫および挫傷;神経因性の痛み;交感神経性に維持される痛み;筋炎;癌および線維筋痛症に関連した痛み;片頭痛に関連した痛み;インフルエンザまたは感冒のような他のウイルス感染症に関連した痛み;リウマチ熱;非潰瘍性消化不良のような機能的腸障害、非心臓性胸痛および過敏性大腸症候群に関連した痛み;心筋虚血に関連する痛み;術後の痛み;頭痛;歯痛および月経困難症の治療において有用でありうる。
【0040】
本発明の化合物はまた、多発性硬化症、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ様脊椎炎、通風性関節炎および若年性関節炎における疾患修飾または関節構造保存にも有用でありうる。
【0041】
本発明の化合物は神経因性の痛みの治療に特に有用でありうる。神経因性の痛み症候群はニューロン損傷に続いて発症することがあり、結果として起こる痛みは何ヶ月もまたは何年もの間、本来の損傷が治癒した後であっても持続することがある。ニューロン損傷は末梢神経、後根、脊髄または脳における特定領域において起こりうる。神経因性の痛み症候群は伝統的にはそれらを引き起こした疾患または事象にしたがって分類される。神経因性の痛み症候群としては、糖尿病性ニューロパシー;坐骨神経痛;非特異性腰痛;多発性硬化症疼痛;線維筋痛;HIV関連ニューロパシー;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛;および物理的外傷、切断、癌、毒素または慢性炎症症状に起因する痛みが挙げられる。これらの症状は治療が困難であり、限られた効力を有するいくつかの薬物が知られているが、完全な痛みの管理が達成されることはめったにない。神経因性の痛みの徴候は信じられないほど不均一であり、しばしば、自然発生的な激痛および電撃痛、または継続している灼熱痛として描写される。さらに、「しびれの直りかけのピリピリ感(pins and needles)」のような通常の無痛性感覚に関連する痛み(知覚異常および感覚不全)、接触に対する感受性増大(知覚過敏症)、非侵害性刺激後の有痛性感覚(動的、静的または熱的異痛症)、侵害刺激に対する感受性増大(熱的、寒冷的、機械的痛覚過敏)、刺激除去後の痛覚の継続(痛覚過敏)または選択的感覚経路の不在もしくは該経路における欠損(痛覚鈍麻)がある。
【0042】
式(I)で示される化合物はまた発熱の治療においても有用でありうる。
式(I)で示される化合物はまた炎症の治療、例えば、皮膚症状(例えば、日焼け、火傷、湿疹、皮膚炎、乾癬);眼病、例えば、緑内障、網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎および眼組織に対する急性傷害(例えば、結膜炎);肺障害(例えば、喘息、気管支炎、気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸困難症候群、鳩飼病、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD));胃腸管障害(例えば、アフタ性潰瘍、クローン病、アトピー性胃炎、痘瘡状胃炎(gastritis varialoforme)、潰瘍性大腸炎、セリアック病、限局性回腸炎、過敏性大腸症候群、炎症性腸疾患、胃食道逆流症、臓器移植;炎症要素を伴う他の症状、例えば、血管疾患、片頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、強皮症(sclerodoma)、重症筋無力症、多発性硬化症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット症候群、多発性筋炎、歯肉炎、心筋虚血、発熱、全身性エリテマトーデス、腱炎、滑液包炎、およびシェーグレン症候群の治療においても有用でありうる。
【0043】
式(I)で示される化合物はまた膀胱炎後の膀胱反射亢進の治療においても有用であり得る。
【0044】
式(I)で示される化合物はまた、免疫疾患、例えば、自己免疫疾患、免疫不全症の治療または臓器移植においても有用である。式(I)で示される化合物はまた、HIV感染の潜伏期間を長くするのにも有用であり得る。
式(I)で示される化合物はまた、異常な血小板機能の疾患(例えば、閉塞性血管疾患)の治療においても有用であり得る。
式(I)で示される化合物はまた、神経炎、胸焼け、嚥下障害、骨盤過敏症、尿失禁、膀胱炎または掻痒症の治療においても有用であり得る。
【0045】
式(I)で示される化合物はまた、利尿作用を有する薬物の調製にも有用であり得る。
式(I)で示される化合物はまた、性交不能症または勃起不全の治療においても有用であり得る。
式(I)で示される化合物はまた、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID’s)およびシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤の血行力学的副作用を緩和するのにも有用であり得る。
【0046】
式(I)で示される化合物はまた、神経変性疾患および神経変性、例えば、認知症、特に変性認知症(老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、ハンチントン舞踏病、パーキンソン病およびクロイツフェルト−ヤコブ病、運動ニューロン疾患を包含);血管性認知症(多発梗塞性認知症を包含);ならびに頭蓋内空間占有性病変に関連した認知症;外傷;感染および関連症状(HIV感染を包含);パーキンソン病における認知症;代謝;毒素;無酸素症およびビタミン欠乏症;および加齢に関連した軽度認知障害、特に、年齢関連記憶障害の治療においても有用である。該化合物はまた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および神経炎の治療にも有用であり得る。
【0047】
式(I)で示される化合物はまた、神経防護において、および脳卒中発作、心停止、肺バイパス、外傷性脳損傷または脊髄損傷などに続いて起こる神経変性の治療においても有用であり得る。
【0048】
式(I)で示される化合物はまた耳鳴の治療においても有用であり得る。
【0049】
式(I)で示される化合物はまた、精神病、例えば、統合失調症、鬱病(本明細書において、精神病性特徴、緊張病性特徴、鬱病性特徴、非定型特徴もしくは産後発症を伴うかまたは伴わない、双極性鬱病、単極性鬱病、単発性もしくは反復性大鬱病エピソード、季節性情動障害、非定型特徴を伴うかまたは伴わない早発性または遅発性の気分変調障害、神経症鬱病および社会恐怖症、例えばアルツハイマー型の認知症に付随的な鬱病、鬱病型分裂情動性障害および心筋梗塞、糖尿病、流産または堕胎などを包含するがそれらに限定されるものではない一般的な医学的症状に起因する抑鬱性障害を包含するものとして使用される)、不安障害(汎発性不安障害および社会的不安障害を包含)、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害および心的外傷後ストレス障害、認知症、健忘性障害および年齢関連記憶障害を包含する記憶障害、神経性食欲不振症および神経性大食症を包含する摂食行動の障害、性的機能不全、睡眠障害(概日リズムの妨害、睡眠異常、不眠症、睡眠時無呼吸およびナルコレプシーを包含)、コカイン、エタノール、ニコチン、ベンゾジアゼピン、アルコール、カフェイン、フェンシクリジン(フェンシクリジン様化合物)、アヘン剤(例えば、大麻、ヘロイン、モルヒネ)、アンフェタミンまたはアンフェタミン関連薬物(例えば、デキストロアンフェタミン、メチルアンフェタミン)またはその組み合わせのような薬物の乱用からの離脱の治療においても有用であり得る。
【0050】
式(I)で示される化合物はまた、依存症誘発性薬剤に対する依存の予防または軽減、または該薬剤に対する耐性または逆耐性の予防または軽減にも有用であり得る。依存症誘発性薬剤の例としては、オピオイド(例えば、モルヒネ)、CNS抑制剤(例えば、エタノール)、覚醒剤(例えば、コカイン)およびニコチンが挙げられる。
【0051】
式(I)で示される化合物はまた、腎不全(腎炎、特に、メサンギウム増殖性糸球体腎炎、腎炎症候群)、肝機能不全(肝炎、肝硬変)、胃腸障害(下痢)および大腸癌の治療においても有用であり得る。
【0052】
本明細書で用いられる場合、「治療」または「治療する」なる用語は、確立した障害の治療を含み、また、その予防も含む。「予防」なる用語は、本明細書において用いられる場合、すでに罹患した対象の症状の予防または罹患した対象の症状の再発の予防を意味し、罹患の完全な予防に限定されるものではない。
【0053】
本発明のさらなる態様により、ヒトまたは獣医学用医薬において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0054】
本発明の別の態様によると、発明者らはカンナビノイド2受容体の活性によって媒介される症状の治療において使用するための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
【0055】
本発明のさらなる態様により、カンナビノイド2受容体の活性によって媒介される症状をわずらっているヒトを含む動物対象の治療方法であって該対象に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の治療的に有効な量を投与することを含む方法を提供する。
【0056】
本発明のさらなる態様により、免疫障害、炎症性障害、痛み、関節リウマチ、多発性硬化症、変形性関節症または骨粗鬆症をわずらっているヒトを含む動物対象の治療方法であって該対象に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0057】
一の態様において、痛みは炎症性の痛み、内臓痛、癌痛、神経因性の痛み、腰痛、筋骨格の痛み、術後の痛み、急性痛および片頭痛から選択される。例えば、炎症性の痛みは関節リウマチまたは変形性関節症に関連した痛みである。
【0058】
本発明の一の態様により、痛みの治療の医薬として使用するための、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を提供する。
本発明の別の態様により、免疫障害、炎症性障害、痛み、関節リウマチ、多発性硬化症、変形性関節症または骨粗鬆症のような症状の治療または予防のための治療剤の製造のための式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0059】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体をヒトおよび他の哺乳動物の治療に使用するために、それは通常、標準的な製薬習慣にしたがって医薬組成物として処方される。したがって、本発明の別の態様において、ヒトまたは獣医学用医薬において使用するのに適応した式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を含む医薬組成物が提供される。
【0060】
本明細書で用いられる場合、「モジュレーター」なる用語は、アンタゴニスト、部分または完全アゴニストおよび逆アゴニストを意味する。一の態様において、本発明のモジュレーターはアゴニストである。
【0061】
式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される誘導体は、示された疾患の治療のための標準的な方法において、例えば、経口、非経口、舌下、皮膚、鼻腔内、経皮、直腸、吸入またはバッカル投与によって投与されうる。
【0062】
経口により投与される場合に活性である式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体は、液体、錠剤、カプセル剤およびロゼンジ剤として処方することができる。液体は、一般に、例えばフレーバー剤、懸濁化剤もしくは着色料を含有する、エタノール、落花生油、オリーブ油、グリセリンまたは水のような液体担体中における化合物または塩の懸濁液または溶液からなる。組成物が錠剤の剤形である場合、固形製剤を調製するのに慣用的に使用されるいずれの医薬担体を用いてもよい。かかる担体の例としては、ステアリン酸マグネシウム、白土、タルク、ゼラチン、アカシア、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびシュークロースが挙げられる。組成物がカプセル剤の剤形である場合、いずれの慣用的なカプセル封入も適当であり、例えば、上記の担体または半固体、例えばカプリン酸のモノ、ジ−グリセライド、Gelucire(登録商標)およびLabrasol(登録商標)またはハードカプセルシェル、例えばゼラチンを用いてカプセル化する。組成物がソフトカプセル、例えばゼラチンの剤形である場合、分散液または懸濁液の調製に慣用的に使用されるいずれかの医薬担体、例えば、水性ガム、セルロースまたは油が考えられ、ソフトカプセルシェルに配合される。
【0063】
典型的な非経口組成物は、非経口的に許容される油、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、落花生油またはゴマ油を含有していてもよい滅菌水性または非水性担体中における化合物または誘導体の溶液または懸濁液からなる。
【0064】
吸入のための典型的な組成物は、乾燥粉末として、またはジクロロジフルオロメタンもしくはトリクロロフルオロメタンのような慣用の噴霧剤を用いるエアゾール剤の剤形で投与されうる溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態である。
【0065】
典型的な坐剤製剤は、この方法で投与した場合に活性な式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体ならびに結合剤および/または滑沢剤、例えば、グリコール重合体、ゼラチン、カカオ脂または他の低融点植物性ワックスもしくは脂肪またはその合成アナログを含む。
【0066】
典型的な皮膚および経皮製剤は慣用的な水性または非水性ビヒクルを含むものであり、例えば、クリーム、軟膏、ローションまたはペーストであるか、または薬用硬膏剤、パッチ剤または膜剤の剤形である。
【0067】
一の具体例において、組成物は単位投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤または定量型エアゾール剤であり、それにより患者は単一投与量を投与できる。
【0068】
経口投与のための各投与単位は、適当には、遊離酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を0.01mg/kg〜500mg/kg、例えば0.01mg〜100mg/kgを含有し、非経口投与のための各投与量単位は、適当には、000.1mg〜100mg/kgを含有する。鼻腔内投与のための各投与量単位は、一人あたり適当には、1〜400mg、適当には10〜200mgを含有する。局所製剤は、適当には、式(I)で示される化合物を0.01〜5.0%含有する。
【0069】
経口投与のための一日の投与方針は、適当には、遊離酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が約0.01mg/kg〜1000mg/kgである。非経口投与のための一日の投与方針は、適当には、遊離の酸として計算された式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が約0.001mg/kg〜200mg/kgである。鼻腔内投与および経口吸入のための一日の投与方針は、適当には、約10〜約500mg/人である。活性成分は所望の活性を示すのに十分な、一日に1〜6回投与されてもよい。
【0070】
本発明の化合物をナノ粒子として調製することは有益でありうる。これにより化合物の経口バイオアベイラビリティーが改善されうる。本発明の目的の場合、「ナノ粒子」は粒子の50%が1μm未満、例えば0.75μm未満の粒度を有する固形粒子として定義される。
【0071】
式(I)で示される化合物の固形粒子の粒度はレ−ザー回析によって測定されうる。レーザー回析による粒度の測定に適当な機械はQUIXEL分散ユニットを装着したHELOS光学ベンチを用いるLecotracレーザー粒度分析器である。
【0072】
ナノ粒子形態の固形粒子の合成法は数多く知られている。典型的には、これらの方法は、微粉砕法、例えば、いったん形成されたナノ粒子の凝集および/または結晶成長を阻害する表面修飾剤の存在下における湿式微粉砕法を含む。別法では、これらの方法は、沈殿法、例えば、薬物の非水性溶媒中溶液から水性媒体中に沈殿させる方法を含みうる。
【0073】
したがって、さらなる態様において、本発明は、微粉砕または沈殿を含む、上記で定義されたようなナノ粒子形態の化合物(I)の調製法を提供する。
【0074】
ナノ粒子形態の固形粒子の調製のための代表的な方法は下記の特許および公報において記載される。
Violanto & Fischerの米国特許第4,826,689号、Liversidge et alの米国特許第5,145,684、Na & Rajagopalanの米国特許第5,298,262号、Liversidge et alの米国特許第5,302,401号、Na & Rajagopalanの米国特許第5,336,507号、Illig & Sarpotdarの米国特許第5,340,564号、Na Rajagopalanの米国特許第5,346,702号、Hollister et alの米国特許第5,352,459号、Lovrecichの米国特許第5,354,560号、Courteille et alの米国特許第5,384,124号、Juneの米国特許第5,429,824号、Ruddy et alの米国特許第5,503,723号、Bosch et alの米国特許第5,510,118号、Bruno et alの米国特許第5,518号、Eickhoff et alの米国特許第5,518,738号、De Castroの米国特許第5,534,270号、Canal et alの米国特許第5,536,508号、Liversidge et alの米国特許第5,552,160号、Eickhoff et alの米国特許第5,560,931号、Bagchi et alの米国特許第5,560,932号、Wong et alの米国特許第5,565,188号、Eickhoff et alの米国特許第5,571,536号、Desieno & Stetskoの米国特許第5,573,783号、Ruddy et alの米国特許第5,580,579号、Ruddy et alの米国特許第5,585,108号、Wongの米国特許第5,587,143号、Franson et alの米国特許第5,591456号、Wongの米国特許第5,622,938号、Bagchi et alの米国特許第5,662,883号、Bagchi et alの米国特許第5,665,331号、Ruddy et alの米国特許第5,718,919号、Wiedmann et alの米国特許第5,747,001号、WO93/25190、WO96/24336、WO97/14407、WO98/35666、WO99/65469、WO00/18374、WO00/27369、WO00/30615およびWO01/41760。
【0075】
かかる方法はナノ粒子形態の化合物(I)の調製に容易に適応させることができる。かかる方法は本発明のさらなる態様を形成する。
【0076】
本発明の方法は、化合物のナノ粒子形態を製造するために、分散ミルのようなミルにて行われる湿式微粉砕工程を用いることができる。本発明は、Lachman et al., The Theory and Practice of Industrial Pharmacy, Chapter 2,「Milling」p.45 (1986)において記載されるような慣用の湿式微粉砕技術を用いて実行してもよい。
【0077】
さらなる精製において、WO02/00196(SmithKline Beecham plc)には、ナノ粒子形態の薬物物質の固形粒子の調製において使用するための、表面の少なくとも一部が1種類またはそれ以上の内部滑沢剤を含むナイロン(ポリアミド)でできているミルを用いる湿式微粉砕法が記載されている。
【0078】
別の態様において、本発明は、WO02/00196に記載のように、少なくとも1つのチャンバーおよび攪拌手段を有するミル中において化合物の懸濁液を湿式微粉砕することを含む、ナノ粒子形態の本発明の化合物の調製法であって、該チャンバーおよび/または攪拌手段が潤滑化されたナイロンを含むものである、ナノ粒子形態の本発明の化合物の調製法を提供する。
【0079】
湿式微粉砕において使用するための本発明の化合物の懸濁液は、典型的には、液体媒体中における粗粒化合物の懸濁液である。「懸濁液」なる語は化合物が本質的には液体媒体に溶解しないことを意味する。代表的な液体媒体としては水性媒体が挙げられる。本発明の方法を用いると、本発明の粗粒化合物の平均粒度は直径1mmまでであり得る。これにより、有利には、化合物を前処理する必要が回避される。
【0080】
本発明のさらなる態様において、微粉砕に付すべき水性媒体は、化合物(I)を約1%〜約40%w/w、適当には約10%〜約30%w/w、例えば約20%w/w含む。
【0081】
水性媒体は、さらに、立体安定化およびその後の微粉砕後の化合物(I)の医薬組成物への例えばスプレー乾燥による加工に適当な1種類またはそれ以上の医薬上許容される水溶性担体を含んでいてもよい。立体安定化およびスプレー乾燥に最も適当な医薬上許容される賦形剤は、ポロキサマー、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベートなどのような界面活性剤;セルロース、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような安定剤;および炭水化物、例えば、マンニトールのような担体である。
【0082】
本発明のさらなる態様において、微粉砕に付すべき水性媒体は、さらに、約0.1〜約10%w/wのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を含んでいてもよい。
【0083】
本発明の方法は、その後に、粉末を得るために本発明の化合物を乾燥する工程を含んでいてもよい。
【0084】
したがって、さらなる態様において、本発明は、ナノ粒子形態の式(I)で示される化合物を製造し、ついで、所望により、乾燥させて粉末を得ることを含む、本発明の化合物を含有する医薬組成物の調製法を提供する。
【0085】
本発明のさらなる態様は、ナノ粒子形態の固形粒子において存在する式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を1種類またはそれ以上の医薬上許容される担体または賦形剤と混合して含む医薬組成物である。
【0086】
「乾燥」とは、式(I)で示される化合物を液体懸濁液または溶液に維持するための工程の間に使用されたいずれかの水または他の液体ビヒクルの除去を意味する。この乾燥工程は凍結乾燥、スプレー造粒またはスプレー乾燥を包含する当該技術分野で知られているいずれの乾燥法であってもよい。これらの方法のうちスプレー乾燥が特に好ましい。これらの技術の全ては当該分野でよく知られている。微粉砕した組成物のスプレー乾燥/流動床造粒は、最も適当には、Mobile Minor Spray Dryer[デンマーク国のNiro]のようなスプレー乾燥器、またはドイツ国のGlattによるもののような流動床乾燥器を用いて行われる。
【0087】
さらなる態様において、本発明は、式(I)で示される化合物の固形粒子を湿式微粉砕し、ついで、得られた懸濁液をスプレー乾燥することによって得ることができる、乾燥粉末形態の、上記にて定義した医薬組成物を提供する。
【0088】
一の具体例において、上記にて定義した医薬組成物は、さらに、15%w/w未満、例えば0.1〜10%w/wの範囲のHPMCを含む。
【0089】
本発明において用いるためのCB受容体化合物は、他の治療薬、例えば、COX−2阻害剤、例えば、セレコキシブ、デラコキシブ(deracoxib)、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブまたはCOX−189;5−リポキシゲナーゼ阻害剤;NSAID’s、例えば、アスピリン、ジクロフェナク、インドメタシン、ナブメトンまたはイブプロフェン;ロイコトリエン受容体アンタゴニスト;DMARD’s、例えば、メトトレキサート;アデノシンA1受容体アゴニスト;ナトリウムチャネル遮断剤、例えば、ラモトリジン;NMDA受容体モジュレーター、例えば、グリシン受容体アンタゴニスト;ガバペンチンおよび関連化合物;三環式抗鬱剤、例えば、アミトリプチリン;ニューロン安定性抗癲癇薬;モノアミン作動性取り込み阻害剤、例えば、ベンラファキシン;オピオイド鎮痛剤;局所麻酔薬;5HTアゴニスト、例えば、トリプタン、例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタンまたはリザトリプタン;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EP受容体リガンド;EPアンタゴニスト;EPアンタゴニストおよびEPアンタゴニスト;ブラジキニン受容体リガンドおよびバニロイド受容体リガンド、抗関節リウマチ薬、例えば、抗TNF薬、例えば、エンブレル、レミケード、抗IL−1薬、またはDMARDS、例えば、レフルナミド(leflunamide)と組み合わせて使用してもよい。該化合物を他の治療薬と組み合わせて使用する場合、該化合物は、いずれかの好都合な経路によって連続的または同時に投与すればよい。
【0090】
付加的なCOX−2阻害剤は、米国特許第5,474,995号、米国特許第5,633,272号;米国特許第5,466,823号、米国特許第6,310,099号および米国特許第6,291,523号;およびWO96/25405、WO97/38986、WO98/03484、WO97/14691、WO99/12930、WO00/26216、WO00/52008、WO00/38311、WO01/58881およびWO02/18374において開示される。
【0091】
本発明の化合物は、5HT3アンタゴニスト、NK−1アンタゴニスト、セロトニンアゴニスト、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環式抗鬱剤および/またはドーパミン作動性抗鬱剤のような他の活性物質と組み合わせて投与することができる。
【0092】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当な5HT3アンタゴニストとしては、例えば、オンダンセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミドが挙げられる。
【0093】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なセロトニンアゴニストとしては、スマトリプタン、ロウウォルスシン(rauwolscine)、ヨヒンビン、メトクロプラミドが挙げられる。
【0094】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なSSRIsとしては、フロキセチン、シタロプラム、フェモキセチン(femoxetine)、フルボキサミン、パロキセチン、インダルピン(indalpine)、セルトラリン、ジメルジン(zimeldine)が挙げられる。
【0095】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なSNRIsとしては、ベンラファキシンおよびレボキセチンが挙げられる。
【0096】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当な三環式抗鬱剤としては、イミプラミン、アミトリプチリン、クロミプラミンおよびノルトリプチリンが挙げられる。
【0097】
本発明の化合物と組み合わせて使用されうる適当なドーパミン作動性抗鬱剤としては、ブプロピオンおよびアミネプチンが挙げられる。
【0098】
本発明の化合物は、PDE4阻害剤と組み合わせて用いることができる。本発明で有用なPDE4阻害剤は、PDE4酵素を阻害することが知られている、あるいはPDE4阻害剤として作用することが見出されているいずれもの化合物であってもよく、ただ1つまたは本質的にただ1つのPDE4阻害剤であり、PDE4と同様にPDEファミリーの他の員の治療効果を示す程度に阻害する化合物ではない。一般的には、ロリプラムと高アフィニティーで結合するPDE4触媒形態のIC50をロリプラムと低アフィニティーで結合する形態のIC50で除したものである、IC50比が約0.1またはそれ以上であるPDE4アンタゴニストを使用することが好ましい。本発明の化合物またはPDE4との組合せは、炎症の治療に用いることができ、気管支拡張剤としても用いることができる。
【0099】
阻害剤と結合したヒト単球組み換えPDE4(hPDE4)には2つの結合形態があることが解っている。このことは、hPDE4が2つの別個の形態で存在することにより説明される。一方はロリプラムおよびデンブフィリン等に高アフィニティーで結合し、そして、他方はこれらの化合物と低アフィニティーで結合する。本発明に用いるのに好ましいPDE4阻害剤は、良好な治療比を有する化合物、すなわち、酵素がロリプラムと低アフィニティーで結合する形態である場合にcAMP触媒活性を優先的に阻害し、したがって、ロリプラムと高アフィニティーで結合する形態を阻害することに明らかに関連する副作用を減少させる化合物であるだろう。これを別の言い方で表すと、好ましい化合物は、ロリプラムに高アフィニティーで結合するPDE4触媒形態のIC50を、ロリプラムに低アフィニティーで結合する形態のIC50により除したものである、IC50比が約0.1またはそれ以上の化合物であるだろう。
【0100】
これらの方法をより詳しく記載している米国特許第5,998,428号を参照のこと。これは出典明示により本明細書に組み入れる。
【0101】
0.5より大きいIC50比を有するPDE4阻害剤および特に1.0より大きい比を有する化合物が最も適している。
【0102】
本発明のさらなる態様は、PDE4阻害剤と組み合わせたCB2モジュレーターおよび該組合せを含む医薬組成物である。
発明のさらなる態様は、肺障害、例えば喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト飼育者疾患、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および咳の治療または気管支拡張剤で治療することができる障害の治療方法であって、ヒトを含む哺乳動物に有効量のCBモジュレーターまたはその医薬上許容される誘導体および有効量のPDE4阻害剤またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法である。
【0103】
本発明のさらなる態様は、肺障害、例えば喘息、気管支炎、肺気腫、アレルギー性鼻炎、呼吸窮迫症候群、ハト飼育者疾患、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および咳の治療用の医薬または気管支拡張剤の医薬の製造における、有効量のCB2モジュレーターまたはその医薬上許容される誘導体および有効量のPDE4阻害剤またはその医薬上許容される誘導体の使用である。
【0104】
本明細書で用いられる場合、咳は、多くの形態があり、痰を伴う、痰を伴わない、過敏性、喘息性およびCOPDに関連する形態を含む。
【0105】
本発明のさらなる態様は、有効量のCB2モジュレーターまたはその医薬上許容される誘導体および有効量のPDE4阻害剤またはその医薬上許容される誘導体を含む患者用包装品である。
【0106】
可能性あるPDE4化合物は、シロミラスト(cilomilast)またはAriflo(登録商標)としても知られているcis[シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オンおよびcis[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]である。米国特許第5,449,686号および第5,552,438号に記載の方法により調製することができる。本発明の用いることができる特定の阻害剤である他のPDE4阻害剤は、ASTA MEDICAからのAWD−12−281(Hofgen, N. et al. 15th EFMC Int Symp Med Chem (Sept 6-10, Edinburgh) 1998, Abst P.98);NCS−613(INSERM)である9−ベンジルアデニン誘導体;Chiroscience and Schering−PloughからのD−4418;CI−1018(PD−168787;Parke-Davis/Warner-Lambert)として特定されているベンゾジアゼピンPDE4阻害剤;WO9916766に開示されているKyowa Hakkoのベンゾジオキソール誘導体;Napp(Landells, L.J. et al. Eur Resp J [Annu Cong Eur Resp Soc (Sept 19-23, Geneva) 1998] 1998, 12(Suppl. 28): Abst P2393)からのV−11294A;ロフルミラスト(CAS参照番号162401−32−3)およびByk−Gulden(現在はAltana)からのフタラジノン(WO99/47505);またはT−440として同定されているNCS−613(INSERM)(Tanabe Seiyaku; Fuji, K. et al. J Pharmacol Exp Ther, 1998, 284(1): 162)である。
【0107】
さらなるPDE4阻害剤は、WO01/13953の第2〜15頁に開示されている。特に、アロフィリン(arofylline)、アチゾラム(atizoram)、BAY−19−8004、ベナフェントリン(benafentrine)、BYK−33043、CC−3052、CDP−840、シパムフィリン(cipamfylline)、CP−220629、CP−293121、D−22888、D−4396、デンブフィリン(denbufylline)、フラミナスト(filaminast)、GW−3600、イブジラスト(ibudilast)、KF−17625、KS−506−G、ラパラフィリン(laprafylline)、NA−0226A、NA−23063A、ORG−20241、ORG−30029、PDB−093、ペントキシフィリン(pentoxifylline)、ピクラミラスト(piclamilast)、ロリプラム(rolipram)、RPR−117658、RPR−122818、RPR−132294、RPR−132703、RS−17597、RS−25344−000、SB−207499、SB210667、SB211572、SB−211600、SB212066、SB212179、SDZ−ISQ−844、SDZ−MNS−949、SKF−107806、SQ−20006、T−2585、チベネラスト(tibenelast)、トラフェントリン(tolafentrine)、UCB−29646、V−11294A、YM−58997、YM−976およびザルダベリン(zardaverine)から選択される。
一の具体例において、PDE4阻害剤は、シロミラスト、AWD−12−281、NCS−613、D−4418、CI−1018、V−11294A、ロフルミラストまたはT−440から選択される。
【0108】
上記の組み合わせまたは組成物の化合物を同時に(同じまたは異なる医薬処方において)、別々にまたは逐次的に投与してもよいことは明らかであろう。
【0109】
かくして、本発明は、さらなる態様において、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体とさらなる治療剤とを含む組み合わせを提供する。
【0110】
上記の組み合わせは、好都合には、医薬処方の形態における使用のために提供されてもよく、かくして、上記の組み合わせと医薬上許容される担体または賦形剤を含む医薬処方は本発明のさらなる態様を構成する。かかる組み合わせの個々の成分は、別々または一緒にした医薬処方において、連続的または同時に投与してもよい。
【0111】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体が同じ病態に対する活性がある第二の治療剤と組み合わせて使用される場合、各化合物の投与量は、該化合物の単独使用の場合と異なっていてもよい。当業者であれば適当な投与量は容易に明らかであろう。
【0112】
カンナビノイドCB1受容体アゴニスト活性の測定
下記の実験方法に従って式(I)で示される化合物のカンナビノイドCB1受容体アゴニスト活性を測定した。
【0113】
実験方法
ヒトカンナビノイドCB1受容体を発現している酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))細胞を、酵母MMY23株のura3染色体座中への発現カセットの組み込みによって作成した。このカセットは、酵母GPDプロモーターがCB1の5’末端側に隣接し、酵母転写ターミネーター配列がCB1の3’末端側に隣接するヒトCB1受容体をコードしているDNA配列から構成された。MMY23は、Gpa1のC末端5アミノ酸がヒトGαi3のC末端5アミノ酸に置き換わっている酵母/哺乳動物キメラG−タンパク質アルファサブユニットを発現する(Brown et al. (2000), Yeast 16:11-22に記載のように)。ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠く液体Synthetic Complete(SC)酵母培地(Guthrie and Fink (1991), Methods in Enzymology, Vol. 194)中にて30℃で細胞を後期対数期まで増殖させた(約6OD600/ml)。
【0114】
アゴニストをDMSO中10mMストックとして調製した。DMSO中3〜5倍希釈(BiomekFX、Beckman)を用いてEC50値(50%最大応答を生じるのに必要な濃度)を概算した。DMSO中におけるアゴニスト溶液(1%最終アッセイ容量)をNUNCからの黒色透明底マイクロタイタープレート(96ウェルまたは384ウェル)中に移した。10mMの3−アミノトリアゾール、0.1Mのリン酸ナトリウムpH7.0および20μMのフルオレセインジ−β−D−グルコピラノシド(FDGlu)を加えた、ヒスチジン、ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠くSC培地中に細胞を0.2OD600/ml密度で懸濁させた。該混合物(384ウェルプレートの場合は50μl/ウェル、96ウェルの場合は200μl/ウェル)をアッセイプレート(Multidrop 384、Labsystems)中のアゴニストに加えた。30℃で24時間インキュベートした後、アゴニスト刺激性細胞増殖の間に生じた内在性酵母酵素であるエキソグルカナーゼによるFDGluのフルオレセインへの分解に起因する蛍光を、Spectrofluorマイクロタイタープレートリーダー(Tecan;励起波長:485nm;発光波長:535nm)を用いて測定した。蛍光を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・フィットを用いて曲線の当て嵌めを繰り返し行って濃度効果値を得た。効力(Emax)は、方程式:
max=Max[化合物X]−Min[化合物X]/Max[HU210]−Min[HU210]×100%
[式中、Max[化合物X]およびMin[化合物X]は、それぞれ、化合物Xの濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値であり、Max[HU210]およびMin[HU210]は、それぞれ、(6aR,10aR)−3−(1,1’−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール(HU210;Tocrisから入手可能)の濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値である]
から算出された。等有効モル比(EMR)値は、方程式:
EMR=EC50[化合物X]/EC50[HU210]
[式中、EC50[化合物X]は化合物XのEC50であり、EC50[HU210]はHU210のEC50である]
から算出された。
この方法に従って試験された実施例の化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB1受容体でのEC50値が1,000nMを超え、および/または50%未満の効果であった。
【0115】
カンナビノイドCB2受容体アゴニスト活性の測定
下記の実験方法に従って式(I)で示される化合物のカンナビノイドCB2受容体アゴニスト活性を測定した。
【0116】
実験方法
ヒトカンナビノイドCB2受容体を発現している酵母(サッカロミセス・セレビシエ)細胞を、酵母MMY23株のura3染色体座中への発現カセットの組み込みによって作成した。このカセットは、酵母GPDプロモーターがCB2の5’末端側に隣接し、酵母転写ターミネーター配列がCB2の3’末端側に隣接するヒトCB2受容体をコードしているDNA配列から構成された。MMY23は、Gpa1のC末端5アミノ酸がヒトGαi3のC末端5アミノ酸に置き換わっている酵母/哺乳動物キメラG−タンパク質アルファサブユニットを発現する(Brown et al. (2000), Yeast 16:11-22に記載のように)。ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠く液体Synthetic Complete(SC)酵母培地(Guthrie and Fink (1991), Methods in Enzymology, Vol. 194)中にて30℃で細胞を後期対数期まで増殖させた(約6OD600/ml)。
【0117】
アゴニストをDMSO中10mMストックとして調製した。DMSO中3〜5倍希釈(BiomekFX、Beckman)を用いてEC50値(50%最大応答を生じるのに必要な濃度)を概算した。DMSO中におけるアゴニスト溶液(1%最終アッセイ容量)をNUNCからの黒色透明底マイクロタイタープレート(96ウェルまたは384ウェル)中に移した。10mM 3−アミノトリアゾール、0.1Mリン酸ナトリウムpH7.0および20Mフルオレセインジ−β−D−グルコピラノシド(FDGlu)を加えた、ヒスチジン、ウラシル、トリプトファン、アデニンおよびロイシンを欠くSC培地中にて細胞を0.2OD600/ml密度で懸濁した。該混合物(384ウェルプレートの場合は50μl/ウェル、96ウェルの場合は200μl/ウェル)をアッセイプレート(Multidrop 384、Labsystems)中のアゴニストに加えた。30℃で24時間インキュベートした後、アゴニスト刺激性細胞増殖の間に生じた内在性酵母酵素であるエキソグルカナーゼによるFDGluのフルオレセインへの分解に起因する蛍光を、Spectrofluorマイクロタイタープレートリーダー(Tecan;励起波長:485nm;発光波長:535nm)を用いて測定した。蛍光を化合物濃度に対してプロットし、4パラメーター・フィットを用いて曲線の当て嵌めを繰り返し行って濃度効果値を求めた。効力(Emax)は、方程式:
【0118】
max=Max[化合物X]−Min[化合物X]/Max[HU210]−Min[HU210]×100%
[式中、Max[化合物X]およびMin[化合物X]は、それぞれ、化合物Xの濃度効果曲線からの当て嵌められた最大値および最小値であり、Max[HU210]およびMin[HU210]は、それぞれ、(6aR,10aR)−3−(1,1’−ジメチルヘプチル)−6a,7,10,10a−テトラヒドロ−1−ヒドロキシ−6,6−ジメチル−6H−ジベンゾ[b,d]ピラン−9−メタノール(HU210;Tocrisから入手可能)の濃度効果曲線から当てはめられた最大および最小値である]
から算出された。等有効モル比(EMR)値は、方程式:
【0119】
EMR=EC50[化合物X]/EC50[HU210]
[式中、EC50[化合物X]は、化合物XのEC50であり、EC50[HU210]はHU210のEC50である]
から算出された。
【0120】
この方法により試験された実施例1〜5、13−23、32、44、46〜52、55〜63の化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体で、300nM未満のEC50値および50%を超える効果を有する。
この方法により試験された実施例11、12、24〜31、33、34、37、54および65の化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体で、300nM〜1000nM未満のEC50値および50%を超える効果を有する。
この方法により試験された実施例6〜10、35、36、38to43、45、53および64の化合物は、クローン化ヒトカンナビノイドCB2受容体で、1000nMを超えるEC50値および/または50%未満の効果を有する。
【0121】
以下の実施例は本発明を説明するものであって、本発明の具体例を制限するものではない。
【0122】
略号:
AcOH(酢酸)、Bn(ベンジル)、Bu、Pr、Me、Et(ブチル、プロピル、メチルエチル)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DCM(ジクロロメタン)、DME(1,2−ジメトキシエタン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)、EtOAc(酢酸エチル)、EtOH(エタノール)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、LC/MS(液体クロマトグラフィー/質量分析)、MDAP(マス−ディレクテッド自動精製)、MeCN(アセトニトリル)、MeOH(メタノール)、NMR(核磁気共鳴(スペクトル))、NMP(n−メチルピロリドン)、SPE(固相抽出)、THF(テトラヒドロフラン)、s、d、t、q、m、br(シングレット、ダブレット、トリプレット、カルテット、マルチプレット、ブロード)
【0123】
マス−ディレクテッド自動精製に用いた条件、ハードウェアおよびソフトウェア
ハードウェア
Waters600勾配ポンプ、Waters2700サンプルマネージャー、Watersリージェントマネージャー、Micromass ZMD質量分析計、Gilson202−フラクションコレクター、Gilson Aspec−廃液コレクター
ソフトウェア
Micromass Masslynxバージョン3.5
カラム
使用カラムは、典型的には、内径10mm×長さ100mmの寸法のSupelco ABZ+カラムである。固定相粒径は5μmである。
【0124】
溶媒
A.水性溶媒=水+0.1%ギ酸
B.有機溶媒=MeCN:水 95:5+0.05%ギ酸
メイクアップ溶媒=MeOH:水 80:20+50mMolの酢酸アンモニウム
針リンス溶媒=MeOH:水:DMSO 80:10:10
【0125】
方法
目的化合物の分析保持時間によって、5つの方法が用いられる。それらは全て、流速20ml/分および15分実行時間を用い、10分の勾配、ついで、5分のカラム洗浄および再平衡化工程よりなる。
方法1 MDP1.5〜2.2=0〜30%B
方法2 MDP2.0〜2.8=5〜30%B
方法3 MDP2.5〜3.0=15〜55%B
方法4 MDP2.8〜4.0=30〜80%B
方法5 MDP3.8〜5.5=50〜90%B
【0126】
Analytical LCMSシステムで用いた条件
ハードウェア
Agilent 1100勾配ポンプ
Agilent 1100オートサンプラー
Agilent 1100PDA検出器
Agilent 1100脱気装置
Micromass ZQ質量スペクトロメータ
PL−ELS 1000
ソフトウェア
Micromass Masslynx versions 3.5/4.0
カラム
用いたカラムは、Supelcosil ABZ+PLUSであり、その径は4.6mm×33mmである。固定相粒度は、3mである。
溶媒
A:水性溶媒=10mMolの酢酸アンモニウム+0.1%ギ酸
B:有機溶媒=95%アセトニトリル+0.05%ギ酸
【0127】
方法
用いた一般的な方法は、5.5分の実行時間であり、これは、4.7分の勾配(0〜100%B)、ついで、0.6分カラムフラッシュおよび0.2分の再平衡工程からなる。
流速
上記方法は、3ml/分の流速を有する。
【0128】
NMRで用いた条件
ハードウェア
Bruker 400MHz Ultrashield
Bruker B−ACS60 Autosampler
Bruker Advance400 Console
ソフトウェア
ユーザーインターフェイス−NMR Kiosk
制御ソフトウェア−XWin NMR version 3.0
【0129】
Biotage Horizonで用いた条件
カラム:Biotage C18HS 25+S
フラクション容量:9ml UV Threshold:0.03AU溶媒A=水、B=アセトニトリル
勾配:
【表1】

【0130】
中間体1:6−クロロ−4−シクロプロピル−ニコチン酸
【化10】

6−クロロニコチン酸(15.8g、100mmol)を、乾燥THF(100ml)中に溶解し、0℃に冷却した。THF(500ml、250mmol)中のシクロプロピルマグネシウムブロマイドの0.5Mの溶液を、75分にわたって滴下し、混合物を0℃で1時間、ついで、室温にて一晩撹拌した。溶液を−60℃に冷却し、氷酢酸(25ml)を15分にわたって加え、ついで、酢酸マンガン(III)二水和物(53.6g、200mmol)を加えた。混合物を、−60℃で30分間、ついで、室温にて3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。得られたガムを、DCM(500ml)および水(500ml)中に溶解し、分離し、水層をDCM(250ml)で抽出した。合した有機層を水(250ml)で洗浄し、ついで、水(150ml)および2Mの水酸化ナトリウム(70ml)の混合物で抽出した。抽出物をDCM(50ml)で洗浄し、ついで、濃塩酸で酸性化した。得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、標題化合物を褐色固体として得た(5.24g)。
LC/MS,t=1.97分;観察された分子イオン(MH+)=198は、分子式C35ClNOと一致する。
【0131】
中間体2:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ニコチン酸
【化11】

6−クロロ−4−シクロプロピル−ニコチン酸(5.22g、26.4mmol)および3−クロロアニリン(25ml)を、油浴で150℃で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(40ml)、2Mの水酸化ナトリウム(30ml)およびエーテル(100ml)の混合物に溶解した。相を分離し、水層をエーテル(2×100ml)で洗浄した。水層を濃塩酸で酸性化し、固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、標題化合物を褐色固体として得た(6.38g)
LC/MS t=3.44分;観察された分子イオン(MH+)=289は、分子式C151335ClNと一致する。
【0132】
中間体3:[6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール
【化12】

クロロギ酸イソブチル(2.5ml、19.3mmol)およびN−メチルモルホリン(2.2ml、19.3mmol)を、連続して、1,2ジメトキシエタン(125ml)中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ニコチン酸(5.56g、19.3mmol)の撹拌溶液に、−20℃で加え、撹拌を−20℃で30分間続けた。沈殿物を濾過し、破棄し、水(10ml)中のNaBH(1.46g、38.5mmol)の溶液を、0℃で5分にわたって加えた。反応混合物を30分間撹拌し、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合した有機抽出物を、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させた。得られたガムを、シリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エーテル 1:1)により精製して、標題化合物をクリーム色固体として得た(3.44g)。
LC/MS,t=2.57分;観察された分子イオン(MH+)=275は、分子式C151535ClNOと一致する。
【0133】
中間体4:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド
【化13】

酸化マンガン(IV)および塩化ナトリウムを、ジクロロメタン(40ml)中の[6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール(3.44g)の撹拌溶液に加えた。21℃で18時間撹拌した後、沈殿物を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、減圧下で乾燥して、標題化合物を黄色固体として得た(3.31g)。
LC/MS,t=3.65分;観察された分子イオン(MH+)=273は、分子式C151335ClNOと一致する。
【0134】
中間体5:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド
【化14】

中間体10と同様の方法で、6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド(80mg、0.3mmol)および3−クロロアニリン(77mg、0.6mmol)を反応させて、粗生成物を、Biotage Horizonのクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た(59mg)。
LC/MS,t=3.46分;観察された分子イオン(MH+)=356は、分子式C202235ClNOと一致する。
【0135】
中間体6:6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化15】

乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中の6−クロロ−N−シクロブチルメチル−ニコチンアミド(2.00g)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃で、THF(13.5ml)中のイソプロピルマグネシウムクロライドの2.0M溶液を加え、溶液を室温にて15時間撹拌した。0℃に冷却し、乾燥メタノールを滴下し、溶液を15分間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを加え、混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで、減圧下で蒸発させた。残った液体を50℃に加温し、t−ブチルメチルエーテルを加えた。混合物を、1時間還流温度で、ついで、室温にて1時間撹拌し、濾過した。濾液を蒸発させ、残渣を、1:4の酢酸エチル:イソヘキサンで溶出するBiotageクロマトグラフィー(Merck9385シリカゲル)を用いて精製して、標題化合物(1.31g)を得た。
[MH]267は、C1419ClNOと一致する。
【0136】
中間体7:N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−6−m−トリルアミノ−ニコチンアミド
【化16】

6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(80mg)および3−メチルフェニルアミンの混合物を、マイクロ波条件下180℃で1時間照射した。粗生成物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、溶液を、シリカゲルのSep−Packカラムに付した。これを、最初にジクロロメタン、ついで、ジクロロメタン/エーテル(5:1)で溶出して、標題化合物(48mg)を得た。
LC/MS t=3.39分;[MH]338は、分子式C2127Oと一致する。
【0137】
中間体8:6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化17】

トリエチルアミン(3.4ml)を、乾燥ジクロロメタン(30ml)中の6−クロロニコチノイルクロライド(1.9g、Lancasterから得た)およびC−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メチルアミン(1.65g)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、15分にわたって滴下した。溶液を0℃で1時間撹拌した。ジクロロメタンを減圧下で除去し、酢酸エチル(50ml)を加えた。溶液を、水(3×25ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させた。残渣を、EtOAc(3:1)で溶出するシリカゲル(Merck9385)のBiotageクロマトグラフィーに付して、標題化合物(1.46g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.1−1.25(2H,m),1.60(2H,d),1.79(1H,m),3.17(2H,t),3.26(2H,t),3.83(2H,dd),7.64(1H,d),8.23(1H,dd),8.75(1H,t),8.82(1H,s)
【0138】
中間体9:6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化18】

中間体6と同様の方法で、6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(1.46g)およびテトラヒドロフラン(8.5ml)中の2.0Mイソプロピルマグネシウムクロライドから、標題化合物(624mg)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.1−1.25(2H,m),1.19(6H,d),1.60(2H,d),1.75(1H,m),3.14(2H,t),3.21(1H,m),3.27(2H,t),3.85(2H,dd),7.54(1H,d),8.26(1H,s),8.63(1H,t)
LC/MS t=2.4分;[MH]297は、分子式C152135ClNと一致する。
【0139】
中間体10:6−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化19】

1,4−ジオキサン(0.8ml)中の6−クロロ−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(100mg)、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシアニリン(Lancasterから得た、143mg)、メタンスルホン酸(44μl)の混合物を、マイクロ波条件下、180℃で30分間照射した。粗混合物を、実験項の最初に記載したようなMDAPにより精製して、標題化合物を白色固体として得た(109mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.16−1.22(8H,d,m),1.60−1.63(2H,d),1.75(1H,m),3.12(2H,t),3.26(2H,t),3.41(1H,m),3.85(2H,d),6.80(1H,s),7.45(1H,d),7.58(1H,dd),8.15(1H,s),8.25(1H,d),8.36(1H,t),9.58(1H,s)
LC/MS t=3.63分;[MH]472は、分子式C222535ClFと一致する。
【0140】
中間体11:6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド
【化20】

乾燥ジクロロメタン(15ml)中の6−クロロニコチノイルクロライド(1.5g、Lancasterから得た)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、乾燥ジクロロメタン(15ml)中のシクロヘキサンメタンアミン(1.11ml、Lancasterから得た)およびトリエチルアミン(1.5ml)の溶液を1時間にわたって加えた。溶液を、0℃で1時間撹拌した。ジクロロメタンを減圧下で除去し、酢酸エチル(30ml)を加えた。溶液を水(3×20ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて、6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド(1.96g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ0.85−1.0(2H,m),1.1−1.25(3H,m),1.54(1H,m),1.55−1.75(5H,m),3.11(2H,t),7.64(1H,d),8.23(1H,dd),8.69(1H,t),8.82(1H,s)
LC/MS t=2.9分;観察された分子イオン[MH+]253は、分子式C131735ClNOと一致する。
【0141】
中間体12:6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化21】

乾燥テトラヒドロフラン(5ml)中の6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−ニコチンアミド(0.89g)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、イソプロピルマグネシウムクロライド(5.3ml、Aldrichから得た)の2.0M溶液を加え、溶液を室温にて15時間撹拌した。0℃に冷却し、乾燥メタノール(0.86ml)を滴下し、溶液を15分間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(0.88g)を加え、混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで、減圧下で蒸発させて、約6mlとした。残った液体を50℃に加温し、t−ブチルメチルエーテル(20ml)を加えた。混合物を、還流温度で1時間、ついで、室温にて1時間撹拌し、濾過した。濾液を蒸発させ、残渣を、1:4の酢酸エチル:イソヘキサンで溶出するBiotageクロマトグラフィー(Merck9385シリカゲル)を用いて精製して、6−クロロ−N−シクロヘキシルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(886mg)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ0.85−1.0(2H,m),1.1−1.25(3H,m),1.19(6H,d),1.50(1H,m),1.55−1.75(5H,m),3.08(2H,t),3.22(1H,m),7.53(1H,s),8.24(1H,s),8.57(1H,t)
LC/MS,t=3.2分;観察された分子イオン[MH+]=295は、分子式C162335ClNOと一致する。
【0142】
中間体13:6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−ニコチンアミド
【化22】

中間体11と同様の方法で、6−クロロニコチノイルクロライド(0.50g)およびシクロペンタンメチルアミン塩酸塩(385mg)から、標題化合物(534mg)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.2−1.3(2H,m),1.45−1.65(4H,m),1.65−1.75(2H,m),2.13(1H,m),3.20(2H,t),7.64(1H,d),8.23(1H,dd),8.74(1H,t),8.82(1H,s)
LC/MS t=2.7分;[MH]239は、分子式C121535ClNOと一致する。
【0143】
中間体14:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−(1−ヒドロキシ−メチル−エチル)−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
a)6−クロロ−1,1ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン
【化23】

テトラヒドロフラン(90ml)中の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(Aldrichから得た、13.44g)の溶液に、窒素雰囲気下−55℃で、ヘキサン(Aldrichから得た、80ml)中の1.6Mのブチルリチウム溶液を加えた。30分後、テトラヒドロフラン(40ml)中の6−クロロニコチン酸(Aldrichから得た、5g)を滴下し、溶液を−71℃で2時間撹拌した。溶液をアセトン(23ml)で処理し、ついで、室温に加温した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(100ml)に溶解し、濃塩酸でpH3に酸性化した。沈殿した白色固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、標題化合物を得た(4.42g)。
NMR(DMSO−d6)δ1.65(6H,s),8.11(1H,s),8.91(1H,s)
LC/MS t=2.0分;[MH]198は、分子式C35ClNOと一致する。
【0144】
b)6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン
【化24】

1,4−ジオキサン(3ml)中の6−クロロ−1,1−ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン(500mg)、2,4−ジクロロアニリン(Lancasterから得た、822mg)、メタンスルホン酸(329μl)の混合物を、マイクロ波条件下、180℃で30分間照射した。固体を酢酸エチル(50ml)中に溶解し、5%の重炭酸ナトリウムおよび水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。イソヘキサンでトリチュレートし、ついで、エーテルでトリチュレートして精製して、標題化合物を淡褐色固体として得た(360mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.58(6H,s),6.93(1H,s),7.44(1H,dd),7.69(1H,d),7.77(1H,d),8.55(1H,s),9.40(1H,s)
LC/MS t=3.3分;[MH]323は、分子式C151235Clと一致する。
【0145】
c)6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−(1−ヒドロキシ−メチル−エチル)−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化25】

乾燥ジクロロメタン(10ml)中の4−アミノメチルテトラヒドロピラン(Combi−Blocks Incから得た、267mg)の溶液に、窒素雰囲気下で、ヘキサン(Aldrichから得た、1.16ml)中の2.0Mトリメチルアルミニウムを滴下し、溶液を15分間撹拌した。かくして、6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−1,1ジメチル−1H−フロ[3,4−c]ピリジン−3−オン(150mg)を加え、混合物を40℃で一晩撹拌した。乾燥ジクロロメタン(5ml)中の4−アミノメチルテトラヒドロピラン(107mg)およびヘキサン中の2.0Mのトリメチルアルミニウム(466μl)を加え、混合物を24時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を、酢酸エチル(20ml)および水(3×10ml)間で分配した。水層を分離した。有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。実験項の最初に記載したBiotage Horizonシステムを用いて精製して、標題化合物を白色固体として得た(118mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.17−1.23(2H,m),1.46(6H,s),1.60−1.63(2H,d),1.79(1H,m),3.11(2H,t),3.28(2H,t),3.85(2H,d),6.07(1H,s),7.23(1H,s),7.36(1H,dd),7.61(1H,d),8.06(2H,t),8.68(1H,t),8.78(1H,s)
LC/MS t=3.1分;[MH]437は、分子式C212235Clと一致する。
【0146】
中間体15:6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化26】

中間体12に記載のように、テトラヒドロフラン(3.4ml)中の6−クロロ−N−(シクロペンチルメチル)−ニコチンアミド(532mg)および2.0Mイソプロピルマグネシウムクロライドから、標題化合物を得た(166mg)。
NMR(DMSO−d6)δ1.19(6H,d),1.2−1.3(2H,m),1.45−1.65(4H,m),1.65−1.75(2H,m),2.10(1H,m),3.17(2H,t),3.21(1H,m),7.53(1H,s),8.23(1H,s),8.61(1H,t)
LC/MS t=3.1分;[MH]281は、分子式C152135ClNOと一致する。
【0147】
中間体16:6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化27】

乾燥ジクロロメタン(100ml)中トリエチルアミン(35ml)を含有する(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メチルアミン(13g)を含有する懸濁液を、窒素雰囲気下0℃で、1時間にわたって、乾燥ジクロロメタン(150ml)中の6−クロロニコチノイルクロライド(15g、Lancasterから得た)の撹拌溶液に加えた。溶液を0℃で1時間撹拌し、室温に加温し、ついで、室温にて1時間撹拌した。ジクロロメタンを減圧下で除去し、酢酸エチル(500ml)を加えた。溶液を水(3×100ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて、6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(18.7g)を得た。
NMR(CDCl)δ1.27−1.38(2H,m),1.57−1.64(2H,m),1.75−1.90(1H,m),3.25−3.37(4H,m),3.92(2H,dd),6.30(1H,bs),7.35(1H,d),8.01(1H,d),8.66(1H,d)
LC/MS,t=1.75分;観察された分子イオン[MH+]=255は、分子式C121535ClNと一致する。
【0148】
中間体17:6−クロロ−4−シクロペンチル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化28】

乾燥テトラヒドロフラン(50ml)中の6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(7g)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、シクロペンチルマグネシウムクロライド(ジエチルエーテル中2M溶液、42ml、Aldrichから得た)を滴下し、溶液を室温にて15時間撹拌した。0℃に冷却し、乾燥メタノール(20ml)を滴下し、溶液を15分間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(6.9g)を加え、混合物を室温にて1時間撹拌し、ついで、減圧下で蒸発させて、約20mlとした。残った半固体を酢酸エチル(3×100ml)で処理し、50℃に加温した。固体を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣を、Biotage Horizon(10%〜50%酢酸エチルおよびイソへキサンの勾配)で精製して、6−クロロ−4−シクロペンチル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(5.2g)を得た。
NMR(CDCl)δ1.24−139(2H,m),1.42−1.53(2H,m),1.55−1.69(4H,m),1.70−1.89(3H,m),1.99−2.08(2H,m),3.25−3.38(5H,m),3.93(2H,dd),5.96−6.04(1H,m),7.21(1H,s),8.20(1H,s)
LC/MS,t=2.74分;観察された分子イオン[MH+]=323は、分子式C172335ClNと一致する。
【0149】
中間体18:C−シクロブチル−メチルアミン塩酸塩
【化29】

ボラン−テトラヒドロフラン複合体(テトラヒドロフラン中の1M、120ml)の溶液を、10分にわたって、乾燥テトラヒドロフラン(20ml)中のシクロブタンカルボニトリル(8.1g)[Lancaster]の溶液に、窒素雰囲気下室温にて加えた。溶液を一晩還流し、ついで、20℃に冷却した。メタノール(150ml)を15分にわたって、温度を25℃以下に保ちながら滴下した。混合物を0℃に冷却し、乾燥塩化水素を、30分間通気した。得られた混合物を、1.5時間還流し、蒸発させ、残渣を、再びメタノールから2回蒸発させた。エーテル(150ml)を加え、得られた固体を濾過した。固体を、熱イソプロパノール(50ml)に溶解し、濾過し、熱アセトニトリル(30ml)を加えた。冷却して、固体を濾過して、標題化合物(5.7g)を得た。
NMR(DMSO−d)δ1.8(4H,m),2.0(2H,m),2.54(1H,m),2.80(2H,d),8.0(3H,s)
【0150】
中間体19:6−クロロ−N−シクロブチルメチル−ニコチンアミド
【化30】

乾燥ジクロロメタン(30ml)中の6−クロロニコチノイルクロライド(1.9g、Lancasterから得た)およびC−シクロブチル−メチルアミン塩酸塩(1.52g)の撹拌混合物を、0℃に冷却し、ついで、トリエチルアミン(3.4ml)を5分間0℃で滴下した。混合物を0℃で15分間撹拌し、ついで、常温で90分間撹拌した。溶液を、水(30ml)、ついで、2Nの塩酸でpH5に酸性化した水、ついで、水で洗浄した。乾燥(MgSO)し、有機層を蒸発させて、標題化合物(2.02g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.71(2H,m),1.82(2H,m),1.99(2H,m),2.52(1H,m過剰),3.31(2H,t),7.64(1H,d),8.22(1H,dd),8.71(1H,t),8.81(1H,d)
LC/MS t=2.51分;観察された分子イオン[MH+]=225は、分子式C111335ClNOと一致する。
【0151】
中間体20:6−クロロ−4−シクロプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化31】

乾燥テトラヒドロフラン(25ml)中の6−クロロ−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(3.5g)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で、0.5Mのテトラヒドロフラン中のシクロプロピルマグネシウムクロライド(82ml、Aldrichから得た)の溶液を加え、溶液を室温にて15時間撹拌した。0℃に冷却し、乾燥メタノール(10ml)を滴下し、溶液を15分間撹拌した。2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(3.1g)を加え、混合物を室温にて1時間撹拌し、ついで、減圧下で蒸発させて、約6mlとした。得られた半固体を50℃に酢酸エチル(3×100ml)と一緒に加温した。固体を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣を、Biotage Horizon(10%〜50%の酢酸エチルおよびイソへキサン勾配)を用いて精製して、6−クロロ−4−シクロプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(1.2g)を得た。
NMR(CDCl)δ0.82−0.95(2H,m),1.16−1.28(2H,m),1.35−1.48(2H,m),1.69(2H,dd),1.85−1.98(1H,m),2.28−2.38(1H,m),3.35−3.47(4H,m),4.03(2H,dd),6.19(1H,bs),6.79(1H,s),8.34(1H,s)
LC/MS,t=2.20分;観察された分子イオン[MH+]=295は、分子式C151935ClNと一致する。
【0152】
中間体21:6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド
【化32】

中間体20と同様の方法で、6−クロロ−N−シクロブチルメチル−ニコチンアミド(9g)から、標題化合物(4.4g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ0.91(2H,m),1.08(2H,m),1.75(2H,m),1.82(2H,m),2.00(2H,m),2.17(1H,m),2.52(1H,m過剰),3.28(2H,t),6.99(1H,s),8.20(1H,s),8.59(1H,t)
LC/MS t=2.61分;観察された分子イオン(MH)=265は、分子式C141735ClNOと一致する。
【0153】
中間体22:6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−ニコチンアミド
【化33】

中間体19における化合物と同様の方法で、C−シクロペンチル−メチルアミン塩酸塩(J Med Chem 1997, 40, 3207のように調製した)(10g)から、標題化合物(12.2g)を調製した。
NMR(MeOD)δ1.26−1.35(2H,m),1.51−1.72(4H,m),1.73−1.86(2H,m),2.16−2.28(1H,m),3.29−3.36(2H,m),7.55(1H,d),8.18(1H,dd),8.77(1H,dd)
LC/MS t=2.64分;観察された分子イオン[MH+]=239は、分子式C1215ClNOと一致する。
【0154】
中間体23:6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド
【化34】

6−クロロ−N−シクロペンチルメチル−ニコチンアミド(12.1g)から、中間体20に記載のように、クロロ−N−シクロペンチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド(9.55g)を得た。
NMR(MeOD)δ0.86−0.92(2H,m),1.12−1.19(2H,m),1.27−1.35(2H,m),1.53−1.73(4H,m),1.77−1.86(2H,m),2.15−2.26(2H,m),3.28−3.36(2H,m),4.87(1H,s),6.99(1H,s),8.20(1H,s)
LC/MS t=2.81分;観察された分子イオン[MH+]=279は、分子式C1519ClNOと一致する。
【0155】
中間体24:3−アミノ−3−シクロプロピル−アクリル酸メチルエステル
【化35】

メタノール(200ml)中の3−シクロプロピル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステル(10g、ButtParkから得た)の撹拌溶液に、酢酸アンモニウム(26g)を加え、混合物を室温にて18時間一晩撹拌した。メタノールを減圧下で蒸発させ、残渣をジクロロメタン(100ml)で処理した。懸濁液を30分間室温にて撹拌した。形成した固体を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。ジクロロメタンを減圧下で蒸発させて、透明油として標題化合物(10g)を得、これを静置して固体化させた。
NMR(CDCl)δ0.60−0.85(4H,m),1.29−1.39(1H,m),3.55(3H,s),4.40(1H,s),8.28−8.85(bs部分的にNHに交換)
【0156】
中間体25:4−(1−アミノ−1−シクロプロピル−メチレン)−2−ペンテン酸ジメチルエステル
【化36】

トルエン(100ml)中の3−アミノ−3−シクロプロピル−アクリル酸メチルエステル(8.8g)に、プロピン酸メチルエステル(6ml)を加えた。混合物を85℃に47時間加熱し、冷却し、減圧下で蒸発させた。残渣をトルエン(30ml)中に溶解し、マイクロ波を110℃で30分間照射した。トルエンを減圧下で除去し、残渣を、Biotage(酢酸エチル40%/イソヘキサン60%)を用いるクロマトグラフィーに付して、標題化合物(10.6g)を得た。
NMR(CDCl)δ0.70−0.77(2H,m),0.98−1.06(2H,m),1.93−2.03(1H,m),3.56(3H,s),3.71(3H,s),6.13(1H,d),8.00(1H,d)
【0157】
中間体26:2−シクロプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
【化37】

ジメチルホルムアミド(10ml)中の4−(1−アミノ−1−シクロプロピル−メチレン)−2−ペンテン二酸ジメチルエステル(1.5g)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド(100mg)を加え、混合物を6.5時間還流した。混合物を、酢酸エチル(70%)/イソヘキサン(30%)を用いるシリカゲルのBiotageクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.1g)を灰白色固体として得た。
NMR(DMSO)δ0.97−1.16(4H,m),2.99−3.10(1H,m),3.78(3H,s),6.14−6.26(1H,m),7.79−7.88(1H,m),11.0(1H,s)
【0158】
中間体27:6−クロロ−2−シクロプロピル−ニコチン酸メチルエステル
【化38】

2−シクロプロピル−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(1.1g)に、フェニルジクロロホスフェート(10ml)を加えた。懸濁液を180℃に加熱し、180℃で10分間撹拌した。暗色混合物を室温に冷却し、過剰の氷を加えた。15分後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(80ml)を注意深く加えた。混合物を、酢酸エチル(2×50ml)で抽出し、合し、乾燥(NaSO)し、有機抽出物を減圧下で蒸発させて、淡黄色油を得た。酢酸エチル(60%)/イソヘキサン(40%)で溶出するシリカゲルのBiotageクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(1.23g)を白色固体として得た。
NMR(CDCl)δ1.04−1.12(2H,m),1.19−1.25(2H,m),3.04−3.12(1H,m),3.94(3H,s),7.10(1H,d),8.07(1H,s)
【0159】
中間体28:6−クロロ−2−シクロプロピル−ニコチン酸
【化39】

6−クロロ−2−シクロプロピル−ニコチン酸メチルエステル(1.23g)に、テトラヒドロフラン(9ml)および水(3ml)、ついで、水酸化リチウム(0.72g)を加えた。混合物を、室温にて一晩激しく撹拌し、ついで、減圧下で蒸発させた。残渣に水(50ml)を加え、濃塩酸を用いてpH1に酸性化した。形成した白色沈殿を濾過し、水(50ml)で洗浄し、乾燥して、標題化合物(1g)を得た。
NMR(DMSO)δ0.95−1.09(4H,m),3.03−3.12(1H,m),7.31(1H,d),8.12(1H,s),13.50(1H,s)
LC/MS t=2.58分;[MH]=198は、分子式CClNOと一致する。
【0160】
中間体29:6−クロロ−2−シクロプロピル−N−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド
【化40】

ジメチルホルムアミド(20ml)中の6−クロロ−2−シクロプロピル−ニコチン酸(2.1g)の溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(730mg)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.31g)、N−エチルモルホリン(3.2ml)、ついで、(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−メチルアミン(1.9g)を加えた。混合物を室温にて一晩撹拌した。水(100ml)を加え、混合物を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。合した有機層を、10%炭酸水素ナトリウム(100ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)し、有機層を減圧下で蒸発させた。残渣を、酢酸エチル(60%)/イソヘキサン(40%)を用いるシリカのBiotageクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(2.81g)を白色固体として得た。
NMR(MeOD)δ0.96−1.10(4H,m),1.28−1.41(2H,m),1.65−1.73(2H,m),1.80−1.94(1H,m),2.24−2.33(1H,m),3.24−3.29(2H,m),3.37−3.47(2H,m),3.92−4.00(2H,m),7.16(1H,d),7.62(1H,d)
LC/MS t=2.39分;観察された分子イオン[MH+]=295は、分子式C1519ClNと一致する。
【0161】
中間体30:6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステル
【化41】

メチル−6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−ニコチナート(2.0g、8.37mmol、Fluorochemから得た)および2,4−ジクロロアニリン(4.05g、25mmol)の混合物を、130℃で15時間加熱して、標題化合物を得、これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
MS m/z(ESI+):365(MH+)
【0162】
中間体31:6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸
【化42】

20mLのEtOH/HO(1:1)中の水酸化カリウム(1.4g、25mmol)の溶液を、中間体30からの粗混合物に加え、得られた混合物を3時間還流温度で撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、水で希釈し、3回(3×15mL)ジエチルエーテルで洗浄した。水層を37%HClでpH1に酸性化し、塩酸塩として沈殿した標題化合物を濾過し、減圧下で乾燥した。固体(2.89g、7.5mmol)をジクロロメタン(20mL)中に、PS−ジイソプロピルエチルアミン(1.93g、7.5mmol、3.88mmol/gで充填、Argonaut Technologiesから得た)の存在下で懸濁させ、室温にて30分間撹拌した。樹脂を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた後、標題化合物を白色固体として単離した(2.62g)。
HNMR(300MHz,DMSO−d)δ:13.16(sbr,1H);9.49(s,1H);8.67(s,1H);7.94(d,1H);7.67(d,1H);7.43(dd,1H);7.40(s,1H)
MS m/z(ESI+):351(MH+)
【0163】
中間体32:[6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
【化43】

DME(4mL)中の6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸(250mg)の溶液に、N−メチルモルホリン(144mg)およびイソブチルクロロホルメート(94μl)を加え、反応混合物を、窒素雰囲気下で30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、廃棄し、ボロヒドリドナトリウム(55mg)を濾液に−15℃で加え、反応混合物をこの温度で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、酢酸エチル中に残渣の溶液を、1Mの水酸化ナトリウム、ついで、5%の重炭酸ナトリウム、水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、有機層を濃縮して乾燥して、生成物を黄色油として得た(200mg)。
MS m/z(ESI+):338(MH+)
【0164】
中間体33:6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−カルバルデヒド
【化44】

酸化マンガン(IV)(610mg)および塩化ナトリウム(180mg)を、ジクロロメタン(5ml)中の[6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール(200mg)の溶液に加え、懸濁液を室温にて一晩撹拌した。固体を濾過し、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物(190mg)を得た。
MS m/z(ESI+):336(MH+)
【0165】
中間体34:6−クロロ−N−シクロプロピルメチル−ニコチンアミド
【化45】

中間体11と同様の方法で、シクロヘキサンメタンアミンの代わりにC−シクロプロピル−メチルアミンを用いて、標題化合物を得た。
LC/MS t=2.02分;観察された分子イオン[MH+]211は、分子式C1011ClNOと一致する。
【0166】
中間体35:6−クロロ−N−シクロプロピルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化46】

中間体6と同様の方法で、6−クロロ−N−シクロプロピルメチル−ニコチンアミドから、ジクロロメタンで抽出し、ついで、t−ブチルメチルエーテルと加温する代わりにクロマトグラフィーに付して、標題化合物を得た。
LC/MS t=2.60分;観察された分子イオン[MH+]253は、分子式C1317ClNOと一致する。
【0167】
中間体36:6−クロロ−N−イソブチル−ニコチンアミド
【化47】

中間体11と同様の方法で、シクロヘキサンメタンアミンの代わりにイソブチルアミン用いて、標題化合物を得た。
LC/MS t=2.51分;観察された分子イオン[MH+]213は、分子式C1013ClNOと一致する。
【0168】
中間体37:6−クロロ−N−イソブチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化48】

中間体6と同様の方法で、6−クロロ−N−イソブチル−ニコチンアミドから、酢酸エチルでの抽出、ついで、t−ブチルメチルエーテルと加温する代わりにクロマトグラフィーに付して、標題化合物を得た。
LC/MS t=2.75分;観察された分子イオン[MH+]255は、分子式C1319ClNOと一致する。
【0169】
中間体38:6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸
【化49】

方法A
テトラヒドロフラン(48ml)中の2Mのイソプロピルマグネシウムブロマイドを、1時間にわたって、乾燥テトラヒドロフラン(100ml)中の6−クロロニコチン酸(6.0g)の溶液に、窒素雰囲気下0℃で滴下し、溶液を0℃で3時間、ついで、室温にて15時間撹拌した。−60℃に冷却し、酢酸(48ml)、テトラヒドロフラン(40ml)および酢酸マンガン(III)二水和物(20.4g)を連続して加えた。混合物を、−70℃で30分間、ついで、室温にて1時間撹拌した、懸濁液をセライトにより濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を、ジクロロメタン(150ml)および水(120ml)間で分配し、水層を分離し、ジクロロメタン(2×50ml)で洗浄した。合した有機層を乾燥(MgSO)し、減圧下で蒸発させて、3:1のイソヘキサン:酢酸エチルを用いるシリカゲルクロマトグラフィーに付した後、6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(2.31g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.21(6H,d),3.76(1H,m),7.60(1H,s),8.67(1H,s),13.55(1H,brs)
LC/MS t=2.6分;[MH]200は、分子式C1035ClN0と一致する。
【0170】
方法B
無水テトラヒドロフラン(300ml)中の6−クロロニコチン酸(12.6g)に、窒素雰囲気下0℃で、イソプロピルマグネシウムクロライド(60mlのTHF中2M溶液)を、10分にわたって加えた。ついで、混合物を室温に加温した。イソプロピルマグネシウムクロライド(50mlのTHF中2M溶液)を、5mlのアリコートとして、30分間隔で加えた。混合物を0℃に冷却し、メタノール(20ml)をゆっくりと10分にわたって加えた。混合物を5分間撹拌し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(20g)を、10分にわたって滴下した。混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、ジクロロメタン(750ml)中の残渣を、1Mの塩酸(120ml)を含有する水(300ml)で洗浄した。有機相を、一晩静置した。形成した沈殿物を濾過し、廃棄した。濾液を蒸発させ、得られた残渣を、ジクロロメタン(メタノール(1.25%)および酢酸(0.5%)を含有する)で溶出するFlash75biotageシステムを用いるシリカゲルで精製して、6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(11.8g、74%)を得た。
測定された分子イオンm/z=200[MH+]は、式C1035ClNOと一致する。
【0171】
中間体39:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸
【化50】

方法A
6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(0.50g)および3−クロロアニリン(265mg)の混合物を、120℃で、1.5時間撹拌した。イソプロパノールを加え、混合物を冷却した。不溶性固体を濾過し、イソプロパノールおよびエーテルで洗浄し、減圧下50℃で乾燥して、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸(0.51g)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.19(6H,d),3.93(1H,m),6.85(1H,s),6.99(1H,d),7.31(1H,t),7.53(1H,d),8.00(1H,s),8.64(1H,s),9.73(1H,s),12.6(1H,brs)
LC/MS t=3.63分;[MH]291は、分子式C151535ClNと一致する。
【0172】
方法B
6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(2g)を、3−クロロアニリン(5ml)に、窒素雰囲気下で加え、混合物を、150℃で2時間加熱した。水(20ml)を、ついで、2Mの水酸化ナトリウム(200ml)を加えた。混合物を、エーテル(4×100ml)で抽出し、これを廃棄した。水相を、2Mの塩酸を用いてpH1に酸性化した。形成した沈殿を濾過し、水(50ml)で洗浄し、乾燥して、標題化合物(2.7g、88%)を得た。
NMR(MeOD)δ1.23(3H,s),1.25(3H,s),3.97−4.04(1H,m),6.80(1H,s),6.95−6.98(1H,m),7.24(1H,s),7.43−7.45(1H,m),7.82−7.83(1H,m),8.71(1H,s);(NB酸プロトンまたはNHは見られなかった)
【0173】
中間体40:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロプロピル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化51】

ジメチルホルムアミド(2.5ml)中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸)(48mg)の溶液に、連続してN−エチルモルホリン(69μl)、シクロプロパンメチルアミン(17μl)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(40mg)および1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(40mg)を加えた。溶液を3時間撹拌し、一晩静置した。ジメチルホルムアミドを減圧下で除去し、酢酸エチル(8ml)を加えた。溶液を、連続して、5%の重炭酸ナトリウム溶液(5ml)、水(5ml)およびブライン(2×5ml)で洗浄し、乾燥(MgSO)し、蒸発させて、標題化合物(43mg)を得た。
LC/MS t=3.47分;[MH]344は、分子式C192235ClN0と一致する。
【0174】
中間体41:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
【化52】

6−クロロ−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(80mg)および3−クロロアニリン(0.5ml)の混合物を、マイクロ波条件下180℃で、30分間照射した。混合物をジクロロメタン(2ml)で希釈し、シリカゲルのクロマトグラフィーに付した。過剰のアニリンをジクロロメタンおよびジクロロメタン/エーテル(5:1)で溶出することにより除去して、標題化合物(38mg)を得た。
NMR(DMSO−d6)δ1.16(6H,m),1.74(2H,m),1.82(2H,m),2.00(2H,m),2.52(1H,m過剰),3.23(2H,t),3.40(1H,m),6.78(1H,s),6.92(1H,d),7.27(1H,t),7.46(1H,d),8.04(1H,s),8.10(1H,s),8.33(1H,t),9.41(1H,s)
LC/MS t=3.65分;[MH]358は、分子式C202435ClNOと一致する。
【0175】
中間体表
中間体42〜76を、上記した適当な中間体および市販のアミンから、下記の方法により調製した。
方法A:中間体41と同様:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド
方法G:マイクロ波照射前の反応混合物に2等量のメタンスルホン酸が存在することを除き、方法Aと同様
精製方法B:実験項の最初に記載したMDAP
精製方法F:中間体41(6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド)の調製に記載したシリカゲルのクロマトグラフィー
精製方法H:実験項の最初に記載したBiotage Horizon
【0176】
【表2】

【0177】
【表3】

【0178】
【表4】

【0179】
【表5】

【0180】
【表6】

【0181】
【表7】

【0182】
中間体77:(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−メタノール
【化53】

1,2−ジメトキシエタン(150ml)中の、6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(9.38g)の−20℃に冷却した溶液に、窒素雰囲気下で、イソブチルクロロホルメート(6.3ml)を、ついで、N−メチルモルホリン(5.3ml)を滴下した。混合物を、−20℃で30分間撹拌した。混合物をすぐに濾過し、得られた固体を、1,2−ジメトキシエタン(20ml)で洗浄した。合した濾液を、5〜7℃に加温し、30分間撹拌した。これに、水(30ml)中のボロヒドリドナトリウム(3.56g)を加え、温度を10℃以下に保った。10分後、混合物を、水(150ml)に注いだ。水層を酢酸エチル(2×150ml)で抽出し、合した抽出物を乾燥(MgSO)し、蒸発させて油を得た。DCM/エーテル(5:1)で溶出するシリカゲルのフラッシュbiotageシステムに付して、油を得、これを静置して固体化して、標題化合物(5.96g、68%)を得た。
観察された分子イオンm/z=186[MH+]は、式C1235ClNOと一致する。
【0183】
中間体78:6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド
【化54】

ジクロロメタン(300ml)中の(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−メタノール(5.9g)の溶液に、窒素雰囲気下で、塩化ナトリウム(28g)および酸化マンガン(IV)(28g)を加え、混合物を室温にて48時間撹拌した。混合物をKieselguhrのパッドで濾過した。濾液を減圧下で蒸発させ、残渣を、ジクロロメタンで溶出するbiotageシステムを用いるシリカゲルにより精製して、標題化合物を淡褐色油として得た(4.83g、82%)。
観察された分子イオンm/z=184[MH+]は、式C1035ClNOと一致する。
【0184】
中間体79:1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エタノール
【化55】

テトラヒドロフラン(20ml)中の6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(1.5g)の冷却した(−60℃〜70℃)の溶液に、窒素雰囲気下で、メチルマグネシウムブロマイド(エーテル中3M、7.2ml)を滴下した。1時間後、冷混合物を、飽和塩化アンモニウム(50ml)を添加することによりゆっくりとクエンチし、室温に加温した。混合物を、ジクロロメタン(2×50ml)で抽出し、ジクロロメタン抽出物を合し、乾燥(MgSO)し、蒸発させた。残渣を、シリカゲルのbiotageシステムを用いることにより精製して、標題化合物(1.42g、86%)を得た。
観察された分子イオンm/z=200[MH+]は、式C101435ClNOと一致する。
【0185】
中間体80:1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エタノン
【化56】

ジクロロメタン(30ml)中の1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エタノール(1.42g)の溶液に、窒素雰囲気下で、塩化ナトリウム(4.7g)および酸化マンガン(IV)(4.7g)を加え、混合物を一晩室温にて撹拌し、ついで、3時間加熱還流した。混合物をKieselguhrのパッドで濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、標題化合物(1.1g、78%)を得た。
観察された分子イオンm/z=198[MH+]は、式C101235ClNOと一致する。
【0186】
中間体81:[1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エチル]−シクロブチルメチル−アミン
【化57】

反応容器中の1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エタノン(100mg)の撹拌溶液に、テトラエチルオルトシリケート(1ml)、ついで、濃硫酸(20μl)を加えた。反応は発熱反応であり、白色沈殿を形成した。混合物をシールし、150℃に5時間加熱した。混合物に、トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(150mg)を滴下した。混合物を、さらなる発泡が観察されなくなるまで撹拌した。混合物をシールし、100℃に1時間加熱した。ついで、減圧下で蒸発させて、残渣をMDAPにより精製して、標題化合物(70mg、52%)を得た。
観察された分子イオンm/z=267[MH+]は、式C152335ClNと一致する。
【0187】
中間体82:[6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール
【化58】

中間体3の記載と同様の方法で、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸(2.7g)を用いて、標題化合物(2.5g、97%)を得た。
観察された分子イオンm/z=277[MH+]は、式(C151735ClNO)と一致する。
【0188】
中間体83:6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド
【化59】

中間体78の記載と同様の方法で、[6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール(2.5g)を用いて、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド、標題化合物(1.54g、62%)を調製した。
観察された分子イオンm/z=275[MH+]は、式C151535ClNOと一致する。
【0189】
中間体84:6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸
【化60】

中間体39と同様の方法で、6−クロロ−4−イソプロピル−ニコチン酸(2g)および2,4−ジクロロアニリン(過剰)を用いて、標題化合物(1.5g、46%)を調製した。
観察された分子イオンm/z=325[MH+]は、式C151435Clと一致する。
【0190】
中間体85:[6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール
【化61】

中間体3と同様の方法で、6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ニコチン酸(2.18g)から、標題化合物(1.5g、72%)を調製した。
観察された分子イオンm/z=311[MH+]は、式C151635ClOと一致する。
【0191】
中間体86:6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド
【化62】

中間体78と同様の方法で、[6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル]−メタノール(1.4g)を用いて、標題化合物(1g、72%)を調製した。
観察された分子イオンm/z=309[MH+]は、式C151435ClOと一致する。
【0192】
中間体87:tert−ブチル−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イルメチル)−アミン
【化63】

実施例60と同様の方法で、6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(1g)およびtert−ブチルアミン(478mg)を用いて、標題化合物(410mg、31%)を調製した。
観察された分子イオンm/z=241[MH]は、式C132135ClNと一致する。
【0193】
実施例1:(3−クロロフェニル)−5−(シクロブチルアミノメチル−4−シクロプロピル−ピリジン−2−イル)−アミンアセテート
【化64】

メタノール(2ml)中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(90mg)を、4Åモレキュラーシーブ(70mg)に加えた。アミノシクロブタン(94mg)を加え、チューブを1時間振盪させた。ジクロロメタン(0.5ml)中の氷酢酸(132μl)およびMP−シアノボロヒドリドポリマー試薬(製造番号800406、Argonaut Technologies Inc、342mg)を加え、反応混合物を一晩浸透させた。ポリマーを濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を、エーテルおよび水でトリチュレートして、標題化合物(63mg)を得た。
LC/MS t=2.45分;観察された分子イオン[MH+]328は、分子式C192235ClNと一致する。
【0194】
表1に記載の生成物を、粗生成物を下記表に示す方法により精製することを除いて、実施例1の調製と同様の方法で、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−カルボアルデヒドおよび市販の出発物質から調製した。
精製方法:
A エーテルおよび水での粗生成物のトリチュレーション
B MDAP、ついで、過剰のエタノール性HClを加え、蒸発させる。
C MDAP
D Biotage Horizon、ついで、過剰のエタノール性HClを加え、蒸発させる。
【0195】
【表8】

【0196】
【表9】

【0197】
実施例12:{5−[(シクロブチルメチル−アミノ)−メチル]−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル}−m−トリル−アミン
【化65】

ボラン−テトラヒドロフラン複合体の溶液(テトラヒドロフラン中1M、0.3ml)を、乾燥テトラヒドロフラン(2ml)中のN−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−6−m−トリルアミノ−ニコチンアミド(33mg)の溶液に、窒素雰囲気下室温にて加えた。溶液を一晩還流し、ついで、室温に冷却した。メタノール(1ml)を加え、混合物を氷で冷却し、ジエチルエーテル(1ml)中の1Mの塩化水素の溶液を加えた。混合物を2時間還流し、ついで、蒸発させて乾燥し、メタノールから2回蒸発させた。残渣をMDAPにより精製して、標題化合物(4.5mg)を得た。
LC/MS t=2.44分;観察された分子イオン[MH+]324は、分子式C2129と一致する。
【0198】
実施例13:(3−クロロ−フェニル)−{5−[(シクロブチルメチル−アミノ)−メチル]−4−シクロプロピル−ピリジン−2−イル}−アミン
【化66】

無水テトラヒドロフラン(2ml)中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−シクロプロピル−ニコチンアミド(100mg)の溶液に、1.5MのボランTHF複合体(0.95ml、5等量)を、窒素雰囲気下室温にて滴下した。混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで、18時間加熱還流した。冷却し、メタノール(3ml)をゆっくりと加え、混合物を室温にて1時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を2Nの塩酸(3ml)で処理した。混合物を60℃で1時間加熱した。冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.4に中和し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。酢酸エチル層を合し、乾燥(MgSO)し、減圧下で蒸発させ、残渣をMDAPを用いて精製して、(3−クロロ−フェニル)−{5−[(シクロブチルメチル−アミノ)−メチル]−4−シクロプロピル−ピリジン−2−イル}−アミン(38mg)を白色固体として得た。
LC/MS t=2.58分;観察された分子イオン[MH]342は、C202435ClNと一致する。
NMR(MeOD)δ0.77−0.84(2H,m),1.10−1.19(2H,m),1.8−2.07(5H,m),2.15−2.25(2H,m),2.68−2.79(1H,m),3.15(2H,d),4.30(2H,s),6.41(1H,s),6.91(1H,dd),7.20(1H,t),7.35(1H,dd),7.84(1H,t),8.15(1H,s),8.49(1H,brs)
【0199】
下記表の化合物を、本明細書に記載の前駆体または市販されている前駆体を用いて調製した。調製に用いた方法は、表のカラム4に記載する。
方法Aは、実施例13と同様である。
方法Bは、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和する代わりに、2Nの水酸化ナトリウムで中和することを除いて、方法Aと同様である。
【0200】
【表10】

【0201】
【表11】

【0202】
【表12】

【0203】
【表13】

【0204】
【表14】

【0205】
【表15】

【0206】
【表16】

【0207】
【表17】

【0208】
【表18】

【0209】
【表19】

【0210】
実施例52:(3−クロロ−フェニル)−{4−シクロプロピル−5−[(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−ピリジン−2−イル}−アミン二塩酸塩
【化67】

6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−カルボアルデヒドおよび4−フルオロベンジルアミンから、最終生成物を1,4−ジオキサン中に塩化水素で処理し、室温で1時間所蔵し、ついで、蒸発させたことを除いて、実施例1で用いた方法により、標題化合物(28mg)を調製した。
LC/MS t=2.76分;観察された分子イオン[MH+]382は、C222135ClFNと一致する。
【0211】
実施例53:(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−(4−イソプロピル−5−{[(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミノ]−メチル}−ピリジン−2−イル)−アミン
【化68】

乾燥テトラヒドロフラン(1ml)中の6−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニルアミノ)−4−イソプロピル−N−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−ニコチンアミド(60mg)の溶液に、ボラン−テトラヒドロフラン複合体(テトラヒドロフラン中1.0M、0.64ml)を加え、溶液を70℃で4時間撹拌した。さらに、ボラン−テトラヒドロフラン複合体(テトラヒドロフラン中の1.0M、0.64ml)を加え、撹拌を70℃で24時間続けた。溶液をメタノールでクエンチし、ついで、6Nの塩酸(6滴)を加えた。撹拌を70℃で1時間続け、ついで、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、実験項の最初に記載したMDAPシステムを用いて精製して、標題化合物を灰白色泡沫体として得た(11mg)。
NMR(MeOD)δ1.29−1.40(8H,d,m),1.72−1.75(2H,d),2.01(1H,m),3.05(2H,d),3.20(1H,m),3.45(2H,m),3.96(2H,dd),4.28(2H,s),6.90(1H,s),7.35(1H,d),7.50(1H,dd),8.04(1H,d),8.25(1H,s)
LC/MS t=2.6分;観察された分子イオン[MH+]458は、分子式C222735ClFと一致する。
【0212】
実施例54:(2,4−ジクロロフェニル)−{5−[(4−フルオロ−ベンジルアミノ)−メチル]−4−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル}−アミン
【化69】

6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−カルバルデヒド(100mg)および4−フルオロベンジルアミン(45mg)を、乾燥メタノール(5ml)中に、3Åモレキュラーシーブの存在下で溶解し、反応混合物を室温にて2時間撹拌した。混合物をDCM(1ml)で希釈し、ついで、シアノボロヒドリドナトリウム(27mg)および酢酸(60μl)を加え、溶液を室温にて30分間撹拌した。モレキュラーシーブを濾過し、濾液を5%炭酸カリウム、水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、有機層を減圧下で濃縮した。DCM中の残渣の溶液を5%の塩酸で処理し、形成した沈殿を回収し、メタノール/エーテルから結晶化して、標題化合物(30mg)を得た。
NMR(300MHz,DMSO−d6)δ9.49(brs,1H),9.19(s,1H),8.51(s,1H),7.97(d,1H);7.66(d,1H),7.59(m,2H),7.43(dd,1H),7.38(s,1H),7.28(dd,2H),4.21(brs,2H),4.12(brs,2H)
MS m/z(EI+);TSQ700:source180°;70V;200uA:445.1,443.1,318.9,307.0,285.1
MS m/z(ESI+):445(MH+)
【0213】
実施例55:(3−クロロ−フェニル)−(4−シクロプロピル−5−プロピルアミノメチル−ピリジン−2−イル)−アミン二塩酸塩
【化70】

(3−クロロ−フェニル)−(4−シクロプロピル−5−プロピルアミノメチル−ピリジン−2−イル)−アミンを、6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−シクロプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(100mg)およびプロピルアミン(78mg)を用いて、実施例1のように調製した。標題化合物を、エーテル(2ml)中1MのHClにより処理して調製し、混合物を10分室温にて撹拌し、減圧下で蒸発させて、標題化合物(55mg、47%)を得た。
観察された分子イオンm/z=316[MH]は、式C182235ClNと一致する。
NMR(DMSO)δ0.72−0.78(2H,m),0.91−0.94(3H,m),1.07−1.11(2H,m),1.66−1.76(2H,m),2.19−2.26(1H,m),2.80−3.00(2H,m),4.22−4.24(2H,m),6.56(1H,s),7.00−7.02(1H,m),7.29−7.33(1H,m),7.43−7.45(1H,m),7.90(1H,s),8.28(1H,s),9.21(2H,bs),9.85(1H,s)
【0214】
実施例14b):(3−クロロ−フェニル)−{5−[(シクロブチルメチル−アミノ)−メチル]−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル}−アミン二塩酸塩
【化71】

無水テトラヒドロフラン(2ml)中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−N−シクロブチルメチル−4−イソプロピル−ニコチンアミド(100mg)の撹拌溶液に、窒素雰囲気下、1.5MのボランTHF複合体(0.95ml、5等量)を室温にて滴下した。混合物を室温にて30分撹拌し、ついで、18時間加熱還流した。冷却して、メタノール(3ml)をゆっくりと加えた。混合物を、室温にて1時間撹拌し、バッチで減圧下で蒸発させた。残渣に、2Nの塩酸(3ml)を加えた。混合物を60℃に1時間加熱した。冷却して、飽和炭酸水素ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチル(3×10ml)で抽出した。酢酸エチル層を合し、乾燥(MgSO)し、減圧下で蒸発させ、残渣を、マスディレクテッド自動精製により精製して、(3−クロロ−フェニル)−{5−[(シクロブチルメチル−アミノ)−メチル]−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル}−アミンをギ酸塩として得た。これを、エーテル(2ml)中の1MのHClで処理し、混合物を10分間室温にて撹拌し、減圧下で蒸発させて、標題化合物(113.4mg)を得た。
観察された分子イオンm/z=342[MH+]は、式C202435Clと一致する。
NMR(MeOD)δ1.12−1.19(6H,m),1.81−2.09(5H,m),2.15−2.24(2H,m),2.66−2.79(1H,m),3.15(2H,d),4.30(2H,s),6.41(1H,s),6.89−6.93(1H,m),7.18−7.27(1H,m),7.33−7.37(1H,m),7.84−7.87(1H,m),8.16(1H,s),8.50(1H,bs)
【0215】
下記表の化合物は、下記表の4列目に記載の方法の一つを用いて調製した。
方法A:化合物を、実施例14b)と同様の方法で調製した。
方法B:MDAPを、1,4−ジオキサン中3MのHClで処理し、混合物を減圧下で蒸発させた後に生成物を得ること以外は上記方法Aと同様に行った。エーテルを加え、得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥して、生成物を得た。
方法C:MDAPを、1,4−ジオキサン中3MのHClで処理し、混合物を減圧下で蒸発させた後に生成物を得ること以外は上記方法Aと同様に行った。得られた固体を1,4−ジオキサン(2ml)中に溶解し、水(0.1ml)で処理し、凍結乾燥して、化合物を得た。
【0216】
【表20】

【0217】
実施例56:{[1−(シクロブチルメチル−アミノ)−エチル]−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル}−(2−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミン二塩酸塩
【化72】

中間体10の調製と同様の方法で、[1−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イル)−エチル]−シクロブチルメチル−アミン(70mg)および2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)アニリン(94mg)を用いて調製した。MDAPによる精製により残渣を得、これを、1,4−ジオキサン中の3MのHClで処理し、得られた混合物を減圧下で蒸発させた。得られた固体を1,4−ジオキサン(2ml)中に溶解し、水(0.1ml)で処理し、凍結乾燥して標題化合物(57mg、52%)を得る。
観察された分子イオンm/z=410[MH+]は、式C2227と一致する。
NMR(MeOD)δ1.27(3H,d),1.38(3H,d),1.71(3H,d),1.78−2.06(4H,m),2.12−.24(2H,m),2.65(2H,s),3.00−3.10(1H,m),3.16−3.27(1H,m),4.66−4.77(1H,m),7.18(1H,s),7.50−7.56(1H,m),7.73−7.80(1H,m),7.85−7.93(1H,m),8.19(1H,s)
【0218】
実施例57:(3−クロロ−フェニル)−[5−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イルメチル)−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル]−アミン二塩酸塩
【化73】

Alltechチューブ中の6−(3−クロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(100mg)に、粉末4Aモレキュラーシーブ(70mg)、4,4−ジフルオロ−ピペリジン(180mg)、ついで、メタノール(1.5ml)を加えた。混合物に蓋をし、4時間振盪させた。氷酢酸(0.15ml)を加え、ついで、粉末支持ナトリウムシアノボロヒドリド(0.34g)を加えた。ついで、混合物を一晩室温にて浸透した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣をMDAPにより精製して、エーテル中の1MのHClで処理した。得られた固体を濾過し、水および1,4−ジオキサンで処理し、ついで、凍結乾燥して、標題化合物(73mg、53%)を得た。
観察された分子イオンm/z=380[MH+]は、式C202435ClFと一致する。
NMR(MeOD)δ1.23−1.28(6H,m),1.92−2.01(4H,m),2.63−2.65(4H,m),3.29−3.37(1H,m),3.57(2H,s),6.78(1H,s),6.87−6.90(1H,m),7.18−7.22(1H,m),7.31−7.34(1H,m),7.72−7.73(1H,m),7.93(1H,s),8.13(1H,s)
【0219】
【表21】

【0220】
実施例61:(2,4−ジクロロ−フェニル)−(4−イソプロピル−5−チオモルホリン−4−イルメチル−ピリジン−2−イル)−アミン二塩酸塩
【化74】

上記化合物を、6−(2,4−ジクロロ−フェニルアミノ)−4−イソプロピル−ピリジン−3−カルバルデヒド(100mg)およびチオモルホリン(133mg)から、中間体81の同様の方法により調製した。反応混合物をMDAPにより精製し、残渣を、エーテル(2ml)中の1MHClで処理した。得られた混合物を10分間室温にて撹拌し、減圧下で蒸発させて、標題化合物(11mg、8%)を得た。
観察された分子イオンm/z=396[MH+]は、式C192335ClSと一致する。
NMR(DMSO)δ1.17−1.19(6H,m),2.54−2.59(8H,m),3.13−3.26(1H,m),3.32(2H,s),7.10(1H,s),7.55−7.56(1H,m),7.86(1H,s),8.20−8.28(1H,m),8.31(1H,s)
【0221】
下記化合物を、実施例55に記載の方法と同様の方法で調製した。
実施例63において、用いたアミンは、テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−アミン1,1−ジオキシド塩酸塩であり、これは、NSakaiのWO2003/072554に記載のように調製した。
【0222】
【表22】

【0223】
実施例65:[5−(tert−ブチルアミノ−メチル)−4−イソプロピル−ピリジン−2−イル]−(3−クロロ−フェニル)−アミン二塩酸塩
【化75】

1,4−ジオキサン(1ml)中のtert−ブチル−(6−クロロ−4−イソプロピル−ピリジン−3−イルメチル)−アミン(100mg)、3−クロロアニリン(105mg)、炭酸セシウム(190mg)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジ−パラジウム(0)(Pd(dba))(20mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(Xantphos)(24mg)の混合物を、マイクロ波条件下、150℃で30分間照射した。さらなる量の炭酸セシウム(190mg)、Pd(dba)(20mg)およびXantphos(24mg)を加え、混合物を、再び、マイクロ波条件下、150℃で30分間照射した。酢酸エチルを加え、混合物を水で洗浄した。酢酸エチル層を乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をMDAPを用いて精製した。残渣を、1,4−ジオキサン中の3MのHClで処理し、混合物を減圧下で蒸発させた。得られた固体を、1,4−ジオキサン(2ml)に溶解し、水(0.1ml)で処理し、凍結乾燥して、標題化合物(58mg、43%)を得た。
観察された分子イオンm/z=332[MH]は、式C192635ClNと一致する。
NMR(MeOD)δ1.29(3H,s),1.31(3H,s),1.49(9H,s),2.99−3.08(1H,m),4.17(2H,s),6.82(1H,s),6.91(1H,dd),7.21(1H,t),7.39(1H,dd),7.88(1H,t),8.19(1H,s)
【0224】
本発明の化合物を含む医薬用途の処方は、種々の形態で、複数の賦形剤と一緒に処方できる。かかる処方の例を下記する。
【0225】
実施例66:吸入処方
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体(1mg〜100mg)を使用毎に所望の量の薬物をデリバリーするための定量吸入器からエアロゾル化する。
【0226】
実施例67:錠剤処方
【表23】

【0227】
錠剤処方の手法:
材料1、2、3および4を適当なミキサー/ブレンダー中で混合する。該混合物に十分量の水を何回かに分けて加え、各添加の後に注意深く混合し、その塊を湿潤顆粒に変えることができるような粘稠度になるまで加える。該湿潤塊をNo.8メッシュ(2.38mm)スクリーンを用いる振動造粒機に通すことによって顆粒に変える。ついで、該湿潤顆粒を乾燥機中140°F(60℃)で乾燥するまで乾燥させる。該乾燥顆粒を材料No.5を用いて潤滑化し、潤滑化した顆粒を適当な錠剤成型機で圧縮する。
【0228】
実施例68:非経口処方
非経口投与用の医薬組成物は、適量の式(I)の化合物をポリエチレングリコール中に加熱しながら溶解することによって調製する。該溶液をついで、注射用水Ph Eur.(〜100ml)で希釈する。該溶液をついで、0.22ミクロン膜フィルターでのろ過によって滅菌し、滅菌容器中に密閉する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
Yは、非置換、あるいは1、2または3個の置換基により置換されているフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、またはハロ置換C1−6アルキルから選択され;
は(CHであり、ここに、mは0または1であるか;
あるいは、RおよびRは、それらが結合しているNと一緒になって、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
は、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基、非置換または置換C3−8シクロアルキル基、非置換または置換直鎖または分枝鎖C1−10アルキル、非置換または置換C5−7シクロアルケニル、RまたはRは、置換されていてもよい5〜6員の芳香族ヘテロサイクリル基またはA基:
【化2】

であり;
は、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたはハロ置換C1−6アルキル、COCHまたはSOMeから選択され;
は:
【化3】

(式中、pは0、1または2であり、XはCH、O、S、SOまたはSOである)
であり;
は、ハロ、置換または非置換(C1−6)アルキル、置換または非置換(C3−6)シクロアルキルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロサイクリック基であり、R10は水素であるか、あるいはR10は、ハロ、置換または非置換(C1−6)アルキル、置換または非置換(C3−6)シクロアルキルまたは4〜7員の非芳香族ヘテロサイクリック基であり、Rは水素であり:
は、OH、C1−6アルコキシ、NR8a8b、NHCOR、NHSO、SOqRであり;
8aは、HまたはC1−6アルキルであり;
8bは、HまたはC1−6アルキルであり;
は、C1−6アルキルであり;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
qは、0、1または2であり;
Raは、独立して、水素、フルオロ、クロロまたはトリフルオロメチルから選択され;
Rbは、独立して、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロC1−6アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、ハロ、スルホニル、CONH、COOHまたはNHCOOC1−6アルキルから選択される]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。
【請求項2】
式(I)で示される化合物が、式(Ia):
【化4】

[式中:
は、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル基、非置換または置換C3−8シクロアルキル基または直鎖または分枝鎖C1−6アルキル基であり;
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり;
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3であり;
mは、0または1である]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式(I)で示される化合物が、式(Ib):
【化5】

[式中:
は、置換されていてもよい5〜6員の芳香族ヘテロサイクリル基またはA基であり;
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり;
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3であり;
mは、0または1である]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式(I)で示される化合物が、式(Ic):
【化6】

[式中:
およびRは、それらが結合しているNと一緒になって、非置換または置換4〜8員の非芳香族ヘテロサイクリル環を形成し;
は、イソプロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、t−ブチルまたはシクロペンチルであり;
11は、ハロ、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシまたはトリフルオロメトキシから選択され;
12は、水素またはC1−6アルキルであり;
dは、0、1、2または3である]
で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
実施例1〜65から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか1項記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体および医薬担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項7】
さらに第2の治療剤を含む、請求項6記載の医薬組成物。
【請求項8】
第2の治療剤がPDE4阻害剤である、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
カンナビノイド2受容体の活性により介在される症状を患っている哺乳動物の治療方法であって、該対象に、治療的に有効な量の請求項1〜5いずれか1項記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を投与することを含む方法。
【請求項10】
痛みの治療用の医薬として用いるための、請求項1〜5いずれか1項記載の式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体。

【公表番号】特表2007−523206(P2007−523206A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500150(P2007−500150)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001938
【国際公開番号】WO2005/080342
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】