説明

CCR5拮抗剤としての複素環式化合物

本発明は、式(I)で表される化合物、またはその製薬上許容される誘導体に関するが、これらはCCR5関連疾患および障害の治療に有用であり、例えば、HIV複製の阻害、HIV感染の予防または治療、その結果生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)で表される化合物、またはその製薬上許容される誘導体に関するが、これらはCCR5関連疾患および障害の治療に有用であり、例えば、HIV複製の阻害、HIV感染の予防または治療、その結果に生じる後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)は、免疫系、とくにCD4+ T細胞の破壊を特徴とし、日和見感染への易罹患性を伴う疾患である後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、および、その前駆症状であって持続性全身性リンパ腺腫、発熱および体重減少などの症状を特徴とする症候群であるAIDS関連複合症(ARC)の病原体である。
【0003】
HIVは標的細胞に侵入するために、CD4の他にも、コレセプターを必要とする。ケモカインレセプターは、HIVのコレセプターとして、CD4と一緒に機能する。ケモカインレセプターCXCR4およびCCR5は、HIV-1の主要なコレセプターであると同定された。CCR5は、宿主細胞へのマクロファージ向性HIVの融合および侵入の主要なコレセプターとして作動する。これらのケモカインレセプターは、HIV感染の確立および伝播に必須の役割を果たすと考えられている。従って、CCR5拮抗剤は、HIVに対して活性のある治療剤として有用であると考えられている。
【0004】
本発明者らはここにおいて、HIV複製の阻害剤として有用な、一連の非ペプチド系小分子化合物を見いだした。
【発明の開示】
【0005】
発明の簡単な説明
本発明は、HIV複製の阻害、HIV感染の予防、HIV感染の治療ならびにAIDSおよび/またはARCの治療において有用な化合物を、製薬上許容される塩としてまたは医薬組成物の成分として、提供する。本発明はさらに、単剤療法または他の抗ウイルス剤、抗感染剤、免疫調整剤、抗生剤もしくはワクチンとの組み合わせによる、AIDSの治療法、HIV感染の予防法、およびHIV感染の治療法を提供する。本発明はまた、CCR5関連疾患および症状の治療または予防に有用な、上述の化合物を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、上述の化合物の製造方法を提供する。
【0006】
発明の概要
本発明は、式(I)で表される化合物およびその製薬上許容される誘導体を包含する。
【化1】

【0007】
[式中、
XはC1-5 アルキレン鎖であり、ここでXは場合により1個以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンで置換されてもよく、また前記C1-5 アルキレン鎖は場合により酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有してもよく;
環Aは、飽和、部分飽和、または芳香族の、1個の環員窒素原子および0〜4個の酸素、リン、硫黄または窒素から選択される追加のヘテロ原子を有する3〜7員単環式または8〜10員二環式環であり;
環Bは、図に示す窒素原子に加え、酸素原子を有し;
R1は、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、もしくは場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリールであるか、あるいは、R1およびXが一緒になって、環Aと縮合している、酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和、部分飽和もしくは芳香族の5〜6員環を形成し;
各R2は独立に、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、および場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルからなる群より選択され;また、環A上の2個の隣接するR2は場合により一緒になって、縮合された、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成するか、あるいは2個のジェミナルなR2は場合により一緒になって、スピロの、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成し、前記縮合環またはスピロ環は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
各aは独立に0〜3であり;
各bは独立に0または1であり;
Vは-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり、ただしR+は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
mは0または1であり;
nは0〜5であり;
R3はH、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルケニル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキルまたは炭素環式基、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、または場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルであり;
Yはアルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-R0)-O-、-C(=N-CN)-S-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は独立にH、場合によりR7で置換されてもよいアルキル、場合によりR7で置換されてもよいアルケニル、または場合によりR7で置換されてもよいアルキニルであり;
各R5は独立にH、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、または場合によりR6で置換されてもよいヘテロアリールから選択され;
pは1〜5であり;
各tは独立に1または2であり;
各R6は独立にハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素または硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R7は独立にハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0 (CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R8は独立にR7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)から選択され;
各R0は独立に水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、炭素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルからなる群より選択され、ここでR0のH以外の各メンバーは場合により1個以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロ、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、および-SO2N(R*)2で置換されてもよく、ここで同一窒素原子上の2個のR*は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;ならびに
各R*は独立にH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである]。
【0008】
1つの実施形態において、R1は、場合により置換されてもよいアリール、例えばハロゲンでモノまたはジ置換されたフェニル、例えばClでジ置換されたフェニルである。
【0009】
1つの実施形態において、-(Y)m-R3は、以下のものであることが好ましい:
【化2】

【0010】
より好適には、-(Y)m-R3は、以下のものである:
【化3】




【0011】
1つの実施形態において、mは1であり、Yは-C(O)-であり、そしてR3 はアリール、ヘテロアリール、アルキル、またはシクロアルキルであり、それぞれは場合により置換されてもよい。
【0012】
1つの実施形態において、mは1であり、Yは-(C=N-CN)-O-であり、そしてR3は場合により置換されてもよいアリール、場合により置換されてもよいアルキル、場合により置換されてもよいシクロアルキル、場合により置換されてもよいヘテロアリール、または場合により置換されてもよいヘテロシクリルである。
【0013】
1つの実施形態において、mは1であり、Yは-(CH2)-であり、そしてR3は場合により置換されてもよいアリールである。
【0014】
1つの実施形態において、mは1であり、Yは-C(O)O-であり、そしてR3は場合により置換されてもよいアルキルまたは場合により置換されてもよいアリールである。
【0015】
1つの実施形態において、mは0であり、R3は場合により置換されてもよいヘテロアリールまたは場合により置換されてもよいヘテロシクリルである。
【0016】
1つの実施形態において、Xは-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、または-(CH2-CH2-CH2)-である。さらにXは場合により1個以上のハロゲンまたはオキソで置換されてもよい。さらにXはハロゲンでジ置換されてもよい。さらにXはフルオロでジ置換されてもよい。Xは具体的に-(CF2-CH2)-でありうる。さらにXは場合により酸素、リン、硫黄または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を有してもよい。
【0017】
1つの実施形態において、A環は以下から選択されるが、以下においてアスタリスク(*)は、好ましい、しかし限定するものではない、置換の位置を示す:
【化4】

【0018】
好ましくは、各R2は独立に以下から選択されるが、以下においてアスタリスク(*)は、好ましい、しかし限定するものではない、置換の位置を示す:
【化5】




【0019】
1つの実施形態において、2個のジェミナルなR2を有する環Aは、以下から選択される:
【化6】

【0020】
好適にはA環はトロパンまたはピペリジンであり、それぞれ場合により1個以上のR2で置換されてもよい。好ましくはA--R2は以下のもののうちの1つからなる:
【化7】





【0021】
1つの実施形態において、A環は少なくとも1個の追加の窒素原子を含有し、かつA環は場合によりN置換されている。好適にはA環は、-(CH2)a-(Vb-R+)でN置換されている。
【0022】
本発明の1つの態様は、環Bが以下のものである請求項1に記載の化合物を含む:
【化8】

【0023】
本発明のさらなる態様は、抗ウイルス有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染の治療(予防も含まれる)法を包含する。好ましくはウイルス感染はHIV感染である。
【0024】
本発明のさらなる態様は、有効量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における細菌感染の治療(予防も含まれる)法を包含する。好ましくは細菌はペスト菌(Yersinia pestis)である。
【0025】
本発明のさらなる態様は、医薬として有効な量の本発明の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性疾患、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症および免疫性障害の治療法(予防法も含まれる)を包含する。
【0026】
本発明のさらなる態様は、薬物療法において使用するための本発明の化合物を含む。
【0027】
本発明のさらなる態様は、ウイルス感染の治療(予防も含まれる)のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を含む。好ましくはウイルス感染はHIV感染である。
【0028】
本発明のさらなる態様は、細菌感染の治療(予防も含まれる)のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を含む。好ましくは細菌はペスト菌(Yersinia pestis)である。
【0029】
本発明のさらなる態様は、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性疾患、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症および免疫性障害の治療(予防も含まれる)のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を含む。
【0030】
本発明のさらなる態様は、医薬として有効な量の本発明の化合物を製薬上許容される担体とともに含む医薬組成物を包含する。好ましくは医薬組成物は錠剤、カプセル剤、または液体の形態である。
【0031】
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物および別の治療剤を含む組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物のウイルス感染の治療法(予防法も含まれる)を包含する。好ましくは、この組成物は以下からなる群より選択される治療剤をさらに含む:
(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環式ヌクレオシドホスホネート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビル ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン (イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン5-イル)-シトシン(ラミブジン)、cis-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-cis-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、インディナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニルメチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン、α-インターフェロン、腎排出阻害剤、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害剤、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調整剤、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子操作された誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、グリコプロテイン120拮抗剤、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗剤、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害剤、ならびに融合阻害剤。
【0032】
本発明のさらなる態様は、本発明の化合物およびリトナビルを含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染の治療法(予防法も含まれる)を包含する。
【0033】
発明の詳細な説明
「場合により置換されてもよい」という成句は、「置換または非置換」という成句、または用語「置換されている(いない)」と交換可能なように用いられる。他に記載がない限り、場合により置換されてもよい基は、その基の置換可能なそれぞれの位置に置換基を有してもよく、そして各々の置換は他と独立している。
【0034】
用語「アルキル」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、指定された数の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基の例には、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソアミル、およびn-ヘキシルなどが含まれる。
【0035】
用語「シクロアルキル」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは3〜10個の炭素原子を有する、単環式または多環式の非芳香族炭化水素環基を意味する。多環式の場合、特に断らないかぎり、炭素環式基における各環は非芳香族性である。炭素環式基は、完全に飽和しているか、または1個以上の不飽和単位を含有しているが、芳香族ではない。不飽和は、存在する場合、環のどのような位置に存在してもよいが、化学的に安定な立体構造をもたらすものである。また、用語「シクロアルキル」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」には、1個以上の芳香環に縮合された炭化水素環、例えばテトラヒドロナフチルが含まれるが、ここで基または結合の位置は非芳香環上にある。
【0036】
特に断らないかぎり、用語「シクロアルキル」、「炭素環式」、もしくは「炭素環」にはまた、非芳香族炭化水素基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば1-デカヒドロナフチル、2-デカヒドロナフチル、1-テトラヒドロナフチルおよび2-テトラヒドロナフチルが含まれる。適当なシクロアルキルの例には、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、デカヒドロナフチル、およびテトラヒドロナフチルなどが含まれる。
【0037】
用語「アルケニル」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。アルケニル基の例には、限定するものではないが、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、およびヘキサジエニルなどが含まれる。
【0038】
用語「アルキニル」は、直鎖または分枝構造を有し、その鎖のどのような安定な位置に存在してもよい炭素-炭素三重結合を1個以上有する炭化水素基を意味し、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、およびペンチニルなどが挙げられる。
【0039】
用語「アルコキシ」は、アルキルエーテル基を意味し、ここで用語「アルキル」は上記に定義したとおりである。適当なアルキルエーテル基の例には、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、およびtert-ブトキシなどが含まれる。
【0040】
用語「アリール」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、5〜20個の炭素原子、好ましくは6〜14個の炭素原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する、芳香族単環式または多環式の炭化水素環基を意味する。本明細書において用いる、用語「アリール」の範囲にはまた、芳香族炭化水素環が1個以上の非芳香族炭素環式環もしくはヘテロ原子含有環と縮合している基、例えばインダニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルが含まれるが、ここで基または結合の位置は芳香族炭化水素環上にある。
【0041】
特に断らないかぎり、用語「アリール」にはまた、芳香族炭化水素基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば1-ナフチル、2-ナフチル、5-テトラヒドロナフチル、6-テトラヒドロナフチル、1-フェナントリジニル、2-フェナントリジニル、3-フェナントリジニル、4-フェナントリジニル、7-フェナントリジニル、8-フェナントリジニル、9-フェナントリジニルおよび10-フェナントリジニルが含まれる。アリール基の例には、限定するものではないが、フェニル、ナフチル、インデニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、およびフェナントリジニルなどが含まれる。
【0042】
用語「アラルキル」はさらに、-RaRbの基を意味するが、ここでRaは本明細書において定義するアルキレンであり、Rbは本明細書において定義するアリール基である。
【0043】
用語「複素環」、「複素環式」および「ヘテロシクリル」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、3〜20個の炭素原子、好ましくは、単環式なら3〜7個の炭素原子、二環式なら8〜11個の炭素原子を含有し、かつ1個以上の環員炭素(好ましくは1〜4個)がそれぞれ、N、OおよびSなどのヘテロ原子で置換されている非芳香族単環式または多環式基を意味する。多環式については、特に断らないかぎり、ヘテロシクリル基における各々の環は非芳香族である。複素環式環は、完全に飽和されていてもよく、または1個以上の不飽和単位を含有してもよいが、芳香族ではない。不飽和は、存在する場合、環のどのような位置に存在してもよいが、化学的に安定な立体構造をもたらすものである。複素環式環は、結果的に安定な構造の形成をもたらす、炭素またはヘテロ原子で結合していてもよい。好ましい複素環には、5〜7員環の単環式複素環および8〜10員環の二環式複素環が含まれる。
【0044】
さらに、用語「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」の範囲に含まれるものは、非芳香族ヘテロ原子含有環が1個以上の芳香環に縮合している基、例えばインドリニル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニルであり、ここで基または結合の位置は非芳香族ヘテロ原子含有環上にある。特に断らないかぎり、用語「複素環」、「複素環式」または「ヘテロシクリル」にはまた、複素環式基の可能なそれぞれの位置異性体、例えば1-デカヒドロキノリン、2-デカヒドロキノリン、3-デカヒドロキノリン、4-デカヒドロキノリン、5-デカヒドロキノリン、6-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、7-デカヒドロキノリン、8-デカヒドロキノリン、4a-デカヒドロキノリン、8a-デカヒドロキノリン、1-インドリニル、2-インドリニル、3-インドリニル、1-テトラヒドロキノリン、2-テトラヒドロキノリン、3-テトラヒドロキノリンおよび4-テトラヒドロキノリンが含まれる。用語「ヘテロシクリルアルキル」はヘテロシクリルで置換されたアルキル基を意味する。
【0045】
複素環式基の例には、限定するものではないが、以下のものが含まれる:イミダゾリニル、2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾリル、イミダゾリジニル、インダゾリノリル、ペルヒドロピリダジル、ピロリニル、ピロリジニル、4H-ピラゾリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、オキソピペリジニル、オキソピロリジニル、アゼピニル、テトラヒドロフラニル、オキソアゼピニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、ジチオラニル、テトラヒドロチオフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、テトラヒドロフロフラニル、テトラヒドロピラノフラニル、ジアゾロニル、フタルイミジニル、ベンズオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンズオキソラニル、ベンゾチオラニルおよびベンゾチアニル。
【0046】
用語「ヘテロアリール」は、単独で、または他の用語との組み合わせで、1個以上、好ましくは1〜4個の環員炭素原子が、例えばN、O、およびSなどのヘテロ原子でそれぞれ置換されている、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜10の炭素原子を含有する芳香族単環式または多環式環基を意味する。好適なヘテロアリール基には、5〜6員環単環式ヘテロアリールおよび8〜10員環二環式ヘテロアリールが含まれる。
【0047】
また、用語「ヘテロアリール」の範囲内に含まれるものは、ヘテロ芳香環が1個以上の芳香環または非芳香環に縮合されている基であり、ここで基または結合の位置はヘテロ芳香環上にある。例としては、限定するものではないが、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、7,8-ジヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジン、および5,6,7,8-テトラヒドロ-ピリド[3,4-d]ピリミジンが含まれる。特に断らないかぎり、用語「ヘテロアリール」にはまた、ヘテロアリール基のそれぞれの可能な位置異性体、例えば2-ピリド[3,4-d]ピリミジニルと4-ピリド[3,4-d]ピリミジニルが含まれる。
【0048】
ヘテロアリール基の例としては、限定するものではないが、イミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インドリル、インダゾリル、ピリダジル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキサリル、ピリミジニル、ピリダジニル、フリル、チエニル、トリアゾリル、チアゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、オキサゾリル、ベンズオキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソキノリニル、イソインドリル、アクリジニルおよびベンゾイソオキサゾリルが含まれる。
【0049】
用語「ヘテロアラルキル」はさらに、-RaRbを意味するが、ここでRaは本明細書において定義したアルキレンであり、Rbは本明細書において定義したヘテロアリールである。
【0050】
用語「ヘテロ原子」は窒素、酸素、リン、または硫黄原子を意味し、かつこれらの酸化型も含まれる。非限定的な例として、例えばN(O)、{N+-O-}などの酸化された形態の窒素、例えばS(O)およびS(O)2などの酸化された形態の硫黄、ならびに塩基性窒素の四級化形態がある。
【0051】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0052】
用語「医薬として有効な量」とは、単剤療法または他の薬剤との組み合わせで、患者におけるCCR5関連疾患、例えばウイルス感染、例えばHIV感染を治療するのに有効な本発明の組成物の量を意味する。本明細書において用いる用語「治療」とは、患者における特定疾患の症状の緩和、または特定疾患に関連した確認可能な測定値の改善を意味し、また無症状の患者(例えばウイルス感染が潜伏状態にある患者)における症状の再発を抑制することも含まれうる。「予防」という用語は、患者における、疾病もしくは状態の予防、またはそのような疾病もしくは状態の症状発生の予防を意味する。本明細書において用いる「患者」という用語は哺乳動物を意味し、ヒトも含まれる。
【0053】
用語「製薬上許容される担体」は、本発明の化合物と一緒に患者に投与することができ、かつ化合物の薬理学的活性を壊さず、治療量の治療剤を送達するのに十分な用量で投与した場合に無毒である担体を意味する。
【0054】
用語「製薬上許容される誘導体」は、被験者に投与した場合に、本発明の化合物またはその阻害的に活性な代謝産物もしくは残部を直接または間接に提供することができる、本発明の化合物の製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体およびプロドラッグは、哺乳動物に本発明の化合物を投与した場合に、(例えば経口投与した化合物をより血液に吸収され易くすることにより)その化合物のバイオアベイラビリティ(生体利用率)を増大させるものであり、または、親化合物と比較して、生物学的コンパートメント(例えば脳またはリンパ系)への親化合物の送達を向上させるものである。
【0055】
本発明における化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される無機および有機の酸および塩基から誘導されたものが含まれる。好適な酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。他の酸、例えばシュウ酸は、それ自身製薬上許容されないとしても、本発明の化合物およびその製薬上許容される酸付加塩を取得する場合の中間体として有用な塩の調製に利用されうる。
【0056】
適当な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属(例えばナトリウム)、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)、アンモニウム、NW4+(ここでWはC1-4アルキルである)および他のアミン塩が含まれる。水素原子またはアミノ基の生理学的に許容される塩には、例えば酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸などの有機カルボン酸の塩;例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸の塩;ならびに、塩酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸の塩が含まれる。ヒドロキシ基を有する化合物の生理学的に許容される塩は、Na+、NH4+、およびNW4+(ここでWはC1-4アルキル基である)などの適当なカチオンと組み合わされたその化合物のアニオンを含む。
【0057】
上記化合物への言及はまた、その化合物の製薬上許容される塩への言及も含まれる。
【0058】
本発明の化合物の塩は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、本発明の化合物を適当な溶媒中で、適当な塩基または酸で処理すると、対応する塩が得られる。
【0059】
本発明の化合物のエステルは、独立に以下の群から選択される:(1) ヒドロキシ基のエステル化により得られるカルボン酸エステル、ここでエステル基のカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖または分枝鎖の、アルキル(例えば、アセチル、n-プロピル、t-ブチル、またはn-ブチル)、アルコキシアルキル(例えばメトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(場合により例えばハロゲン、C1-4アルキルもしくはC1-4アルコキシ、またはアミノなどで置換されてもよいフェニル)から選択されるものである;(2) スルホン酸エステル、例えば、アルキルまたはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)など;(3) アミノ酸エステル(例えば、L-バリルまたはL-イソロイシル);(4) リン酸エステル、ならびに(5) 一、二または三リン酸エステル。リン酸エステルはさらに、例えばC1-20アルコールもしくはその反応性の誘導体、または 2,3-ジ(C6-24)アシルグリセロールでエステル化されていてもよい。
【0060】
このようなエステルにおいて、特に断らないかぎり、存在するアルキル部分は、有利には1〜18個の炭素原子、特に1〜6個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子を含有する。このようなエステルにシクロアルキル部分が存在するなら、そのシクロアルキル部分は好適には3〜6個の炭素原子を含有する。このようなエステルにアリール部分が存在するなら、そのアリール部分は有利にはフェニル基を含む。
【0061】
本発明の化合物は、1個以上の非対称炭素原子を含有し、このことからラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の光学異性体、ジアステレオマー混合物ならびに個別のジアステレオ異性体として存在する。これらの化合物の全ての異性型は、本発明に明白に含まれる。各ステレオジェニック(立体中心)炭素は、RまたはS立体配置でありうる。本明細書に例証する具体的な化合物は特定の立体化学的配置として表現されているが、あらゆる所与のキラル中心で反対の立体化学を有する化合物またはそれらの混合物もまた、想定される。
【0062】
特に断らないかぎり、本明細書に記載の構造はまた、1個以上の同位体濃縮原子が存在する点においてのみ異なる化合物をも含むものとする。例えば、水素原子が重水素または三重水素で置き換わったことを除けば元の構造を有する化合物、または炭素原子が13C-もしくは14C-濃縮炭素原子で置き換わった化合物もまた、本発明の範囲内にある。
【0063】
本発明の特定の化合物は、選択的な互変異性体として存在し得る。本明細書の化合物のあらゆる互変異性体は本発明の範囲内にある。他に記載がない限り、いずれか一方の互変異性体の表現は、他方のものを含むものとする。
【0064】
本発明は、例えばHIV感染などのウイルス感染および関連症状の治療(予防も含まれる)のための、薬物療法において使用するための本発明の化合物を提供する。本明細書における治療への言及は、確立された感染症、症候および関連する臨床症状(例えば、AIDS関連症候群(ARC)、カポジ肉腫、およびエイズ痴呆など)の治療のみならず予防にも及ぶものである。
【0065】
本発明は、CCR5関連疾患または症状、例えばウイルス感染、例えばHIV感染の治療(予防も含まれる)のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0066】
別の態様において、本発明は、感染動物(例えばヒトを含む哺乳動物)におけるウイルス感染の症状または影響の治療法(予防も含まれる)を提供するが、その治療法は動物を医薬として有効な量の本発明の化合物で治療することを含む。本発明のある態様において、ウイルス感染はレトロウイルス感染であり、特にHIV感染である。本発明のさらなる態様にはHBV感染の症状または影響の治療または予防法が含まれる。
【0067】
本発明の化合物はまた、HIV感染またはHIVに関連する症状または影響(例えばカポジ肉腫)の治療におけるアジュバント療法に使用することができる。
【0068】
本発明の化合物はまた、他のCCR5関連疾患および症状の治療(予防も含まれる)に使用することができ、そうした疾患および症状には、多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症、および免疫性障害が含まれる。
【0069】
本発明はさらに動物(例えばヒトを含む哺乳動物)における臨床症状の治療法を提供するが、ここで臨床症状には本明細書に記載したものが含まれ、この治療法は医薬として有効な量の本発明の化合物で動物を治療することを含む。本発明はまた、前述のあらゆる疾病または症状の治療法(予防法も含む)を含む。
【0070】
さらなる態様において、本発明は、上述のウイルス感染または症状の治療(予防を含む)のための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
【0071】
上述の本発明の化合物およびその製薬上許容される誘導体は、上述の感染症または症状の治療のための他の治療剤と併用することができる。本発明における併用療法は、本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体および別の活性薬剤を投与することを含む。活性成分および活性薬剤は、同一のまたは異なる医薬組成物として同時に、または連続的に任意の順序で投与することができる。活性成分および活性薬剤の量、ならびに投与の相対的なタイミングは、所望の併用治療効果を達成するように選択する。
【0072】
このような治療剤の例には、ウイルス感染または関連する症状の治療に有効な薬剤が含まれる。こうした薬剤としては以下のものが挙げられる:(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル(lobucavir)]、 9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G(oxetanocin-G))、非環式ヌクレオシド、例えばアシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、およびペンシクロビル(penciclovir)、非環式ヌクレオシドホスホネート、例えば(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、 [[[2-(6-アミノ-9H-プリンニ-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビル ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、および(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、例えば 2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、例えば3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(ホスホノビル(phosphonovir))、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン(イドクスウリジン(idoxuridine))、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン5-イル)-シトシン(ラミブジン)、cis-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、 5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-シス-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、 9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)およびリバビリン、プロテアーゼ阻害剤、例えばインディナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル(fosamprenavir)、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、 4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル(mozenavir))、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル(tipranavir))、 N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、 3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、 N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニルメチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン、例えばα-インターフェロン、腎排出阻害剤、例えばプロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害剤、例えばジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、および免疫調整剤、例えばインターロイキンII、もしくはチモシン(thymosin)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子操作された誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTIs)、例えばネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド(loviride))、 1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、 (10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、 (4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、 (S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、 1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン(capravirine))、グリコプロテイン120拮抗剤、例えば PRO-2000、 PRO-542、および 1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン (FP-21399)、サイトカイン拮抗剤、例えばレチクロース(reticulose)(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、 1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害剤、または融合阻害剤、例えばT-20およびT-1249。
【0073】
本発明はさらに、少なくとも1つの他の治療剤(例えば本明細書中で上記に定義したもの)と同時にまたは連続的に投与するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を含む。
【0074】
本発明の化合物は、化合物の代謝を阻害または減少させることが知られている薬剤、例えばリトナビルなど、と共に投与してもよい。それ故本発明は、本発明の化合物を代謝阻害剤と組み合わせて投与することによる、本明細書に記載した疾患の治療法(予防法も含まれる)を提供する。このような組み合わせは、同時または連続的に投与することができる。
【0075】
一般に、上述の各症状のための適当な用量は、0.01〜250mg/kg(ヒトを含む被験者の体重)/日の範囲であり、好適には0.1〜100mg/kg(体重)/日の範囲であり、最も好適には0.5〜30mg/kg(体重)/日の範囲であり、特に1.0〜20mg/kg(体重)/日の範囲である。特に断らないかぎり、活性成分の全重量は、式(I)の親化合物として計算したものであり、その塩やエステルについては、重量は比例的に大きくなる。所望の用量は、一日を通して適切な時間間隔をおいて投与する1、2、3、4、5、6回またはそれ以上の分割用量として提供してもよい。場合によっては、所望の用量を隔日で与えてもよい。これらの分割用量は、単位投与剤形として投与することができ、例えば単位投与剤形あたり10〜1000mgまたは50〜500mg、好適には20〜500mg、および最も好適には50〜400mgの活性成分を含有する。
【0076】
活性成分を単独で投与することは可能であるが、それを医薬組成物として与えることはより望ましい。本発明の組成物は、上記に定義した少なくとも1つの活性成分を、1種以上の許容される担体、および場合により他の治療剤と共に含む。各担体は、組成物の他の成分と適合性であり、かつ患者に有害ではないという意味で、許容されるものでなければならない。
【0077】
医薬組成物には、経口、直腸、経鼻、局所(経皮、口腔および舌下を含む)、経膣または非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内、および硝子体内を含む)投与に適当なものが含まれる。これらの組成物は、都合よく単位投与剤形で与えることができ、また製薬技術分野で公知の方法で調製することができる。このような方法は、本発明のさらなる特徴を表し、活性成分を、1種以上の補助成分を構成する担体と会合させる工程を含む。一般に、組成物は、活性成分を、液状担体もしくは微細な固形担体またはその両方と、均一にかつ密接に会合させ、次いで必要ならばその生産物を成形することにより調製される。
【0078】
本発明はさらに、本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体と別の治療剤とが、キットの一部として互いに別々に提供される、本明細書に定義した医薬組成物を含む。
【0079】
経皮投与に適した組成物は、長時間にわたり被験者の表皮と密接に接触し続けるように適合させた個別のパッチとして提供することができる。このようなパッチは好適には、活性化合物を、1)場合により緩衝化された水溶液で、または2)接着剤中に溶解および/または分散させた状態で、または3)ポリマーに分散させた状態で含有する。活性化合物の適当な濃度は、約1%〜25%、好適には約3%〜15%である。1つの具体的な可能性として、活性化合物は、Pharmaceutical Research 3 (6), 318 (1986)に一般的に記載されているような、エレクトロトランスポート法(electrotransport)またはイオン浸透法(iontophoresis)によりパッチから送達することができる。
【0080】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含有する、カプセル剤、カプレット剤、カシェ剤または錠剤などの個別の単位として;粉剤または顆粒剤として;水性または非水性の液体中の溶液剤または懸濁液剤として;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型エマルジョンとして提供することができる。活性成分はまた、ボーラス剤、舐剤、またはペースト剤として提供してもよい。
【0081】
錠剤は、場合により1種以上の補助成分とともに、圧縮または成形により製造することができる。圧縮錠剤は、粉末または顆粒などの自由流動形態の活性成分と、場合により結合剤(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤とを混合したものを適当な加工機械で圧縮することにより調製できる。成形錠剤は、粉末化した化合物を不活性な液体希釈剤で湿らせた混合物を、適当な加工機械で成形することにより製造することができる。錠剤は、場合によりコーティングしたり刻み目をつけたりしてもよく、また、所望の放出特性を付与するために、例えば様々な比率でヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いて、含まれる活性成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化することができる。錠剤は場合により、胃とは別の腸の部位での放出を提供するために、腸溶コーティングを施してもよい。
【0082】
口腔内の局所投与に適した医薬組成物には、以下のものが含まれる:風味をつけた基剤(通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)中に活性成分を含むロゼンジ剤;不活性な基剤(例えばゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシア)中に活性成分を含むトローチ剤;ならびに適当な液状担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤。
【0083】
経膣投与に適当な医薬組成物は、活性成分に加え、当技術分野で適当であると知られているような担体を含有する、ペッサリー剤、タンポン剤、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤、またはスプレー剤として提供することができる。
【0084】
直腸投与のための医薬組成物は、例えばカカオ脂もしくはサリチレート、または当技術分野で一般に使われる他の材料を含む適当な担体を含有する坐剤として提供することができる。坐剤は、活性成分と軟化させたまたは溶融した担体とを混合し、次いで冷やして型で成形することにより、都合よく製造することができる。
【0085】
非経口投与に適当な医薬組成物には、以下のものが含まれる:抗酸化剤、バッファー、静菌剤、および医薬組成物を被験者の血液と等張にする溶質を含んでもよい水性および非水性の等張無菌注射溶液;懸濁化剤および増粘剤を含んでもよい水性および非水性の無菌性懸濁液;ならびに、血液成分もしくは1以上の器官を化合物が標的とするように設計されたリポソームまたは他の微粒子系。医薬組成物は、単回用量または複数回用量の密閉容器、例えばアンプルやバイアルで提供することができ、使用の直前に、無菌の液状担体(例えば注射用の水)を添加するだけでよい、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵することができる。即席の注射溶液および懸濁液は、上述したような無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0086】
単回用量医薬組成物には、本明細書で上述したような、活性成分の一日量もしくは一日分の分割量、またはその適切な部分を含有するものが含まれる。
【0087】
特に上述した成分に加え、本発明の医薬組成物は、対象の医薬組成物のタイプを考慮して、当技術分野において慣用の他の作用剤を含んでもよく、例えば経口投与に適する作用剤としては、甘味料、増粘剤および香料などのさらなる作用剤が含まれる、と理解すべきである。
【実施例】
【0088】
以下の実施例は、例証のみを意図したものであり、いかなる場合にも本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
【0089】
低分解能、オープンアクセス液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)データは、0.5秒/スキャンで100〜1100 amuをスキャンニングするESI pos/neg または APCI pos/neg モードのいずれかにより取得した。液体クロマトグラフィー条件:流速0.8 mL/秒。6分間で、85% H2O (0.1% ギ酸)から100% MeOH (0.075% ギ酸)。Phenomenex Max-RP カラム、2.0×50mm。
【0090】
高分解能質量スペクトルは、100% MeOH (0.1% ギ酸)による0.3 mL/分でのフローインジェクション(FIA-MS)を備えたMicromass LCT質量分析器(飛行時間型)を用いて、2分間の実行時間、0.5 秒/スキャンで100〜1100 amu をスキャニングするESI+ モードで取得した。
【0091】
質量スケールを調整するために、レセルピンをロックマス(m/z 609.2812)として用いた。
【0092】
当業者には理解されるように、以下のスキームに従って本発明の化合物を調製することができる。本明細書に記載のスキームに示される可変要素は、その特定のスキームに制限されるべきであり、必ずしも本明細書の残り全体にわたって拡張されるべきではない。
【0093】
スキーム1: 式I:
【化9】

【0094】
の化合物は、以下の一般的な概要により調製することができる:
【化10】

【0095】
5-クロロ-3-フェニルペンタ-1-エン-3-オールの調製
【化11】

【0096】
無水CeCl3 (16 g、64.9 mmol)を、100 mLのTHF中で2時間15分にわたり激しく撹拌した。次いで懸濁液を-78℃まで冷却し、ビニルマグネシウムブロミドの1M 溶液(62 mL、62.3 mmol)を添加した。-78℃で1.5時間おいた後、20 mL THF中の3-クロロプロピオフェノン(7g、14.5 mmol)の溶液をカニューレから滴下した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで徐々に室温まで温めて、飽和NaHCO3水溶液を添加することにより反応を停止させた。EtOAcで抽出(3X)した後、シリカゲルクロマトグラフィー精製(4:1 ヘキサン:EtOAc)により、5-クロロ-3-フェニルペンタ-1-エン-3-オール(7.7g、94%)を黄色い油として得た;
1H NMR (400 MHz、CDCl3):δ 7.45-7.34(m、4H)、7.28(m、1H)、6.18 (dd、1H、J=17.2、10.6 Hz)、5.34(d、1H、J=17.2 Hz)、5.23(d、1H、J=10.8 Hz)、3.59(td、1H、J=10.6、5.5 Hz)、3.41 td、1H、J=10.5、5.5 Hz)、2.40(m、2H)、2.0(br. s、1H)。
【0097】
5-クロロ-3-フェニルペンタン-1,3-ジオールの調製
【化12】

【0098】
125 mL THF 中の5-クロロ-3-フェニルペンタ-1-エン-3-オール(6.12g、31.12 mmol)の0℃溶液に、BH3.THF(62.2 mL、62.2 mmol)の1M溶液を滴下した。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、ゆっくり5M NaOH(38 mL、190 mmol)を添加し、次いで30% H2O2(56 mL、495 mmol)を添加した。室温で90分間撹拌した後、有機層を分離し、水層をEtOAcで抽出した。有機層をプールし、飽和Na2S2O3水溶液および飽和NH4Cl水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、シリカプラグを通して、5-クロロ-3-フェニルペンタン-1,3-ジオール(4.3g、64%)を油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.43-7.34 (m、 5H)、 7.27 (m、 1H)、 3.80 (td、 1H、 J = 10.8、 4.2 Hz)、 3.67-3.52 (m、 2H)、 3.22 (td、 1H、 J = 10.5、 5.1 Hz)、 2.38 (ddd、 1H、 J = 13.7、 10.3、 5.9 Hz)、 2.28 (ddd、 1H、 J = 13.7、 10.4、 5.1 Hz)、 2.23 (m、 1H)、 2.03 (ddd、 1H、 J = 14.8、 4.6、 2.9 Hz)。
【0099】
1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-5-クロロ-3-フェニルペンタン-3-オールの調製
【化13】

【0100】
20 mL DMF中の5-クロロ-3-フェニルペンタン-1,3-ジオール (4.3g、20 mmol)およびEt3N (3.4 mL、 24 mmol)の0℃溶液に、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(3.3g、21 mmol)を添加した。0℃で2時間撹拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、クロマトグラフィーを行い(9:1 hex:EtOAc)、1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-5-クロロ-3-フェニルペンタン-3-オール(5.2g、79%)を透明な油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.40-7.32 (m、 4H)、 7.25 (m、 1H)、 4.88 (s、 1H)、 3.73 (dt、 1H、 J = 10.3、 4.0 Hz)、 3.65 (ddd、 1H、 J = 11.5、 10.6、 5.1 Hz)、 3.44 (td、 1H、 J = 10.6、 2.7 Hz)、 3.15 (ddd、 1H、 J = 11.3、 10.6、 5.1 Hz)、 2.34 (ddd、 1H、 J = 13.3、 11.4、 5.1 Hz)、 2.27-2.15 (m、 2H)、 1.96 (dt、 1H、 J = 14.6、 3.2 Hz)、 0.86 (s、 9H)、 -0.02 (s、 3H)、 -0.09 (s、 3H); ESI-MS 351 (M+Na)。
【0101】
1-アジド-5-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-フェニルペンタン-3-オールの調製
【化14】

【0102】
50 mL DMF中の1-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-5-クロロ-3-フェニルペンタン-3-オール(5.2g、 15.7 mmol)およびNaN3 (7.8g、 120 mmol)の溶液を、65℃で24時間撹拌した。次いで反応混合物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、乾燥させ、濾過し、真空で蒸発させ、1-アジド-5-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-フェニルペンタン-3-オールを黄色い油として定量的収率で得た。1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.40-7.32 (m、 4H)、 7.24 (m、 1H)、 4.89 (s、 1H)、 3.72 (dt、 1H、 J = 10.3、 3.9 Hz)、 3.47-3.36 (m、 2H)、 2.97 (ddd、 1H、 J = 12.3、 10.1、 5.5 Hz)、 2.24-2.10 (m、 2H)、 2.07-1.93 (m、 2H)、 0.86 (s、 9H)、 -0.02、 (s、 3H)、 -0.09 (s、 3H); ESI-MS 358 (M+Na)。
【0103】
6-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナンの調製
【化15】

【0104】
30 mL EtOAc中の1-アジド-5-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-フェニルペンタン-3-オール (1.1g、3.3 mmol)溶液を、40 psiのH2ガス下で、触媒性の10% Pd/Cの存在下で2時間撹拌した。セライトを通した濾過の後、反応混合物を蒸発させ、1-アミノ-5-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-フェニルペンタン-3-オールを透明な油として定量的収率で得たが、これをさらに精製することなく使用した。ESI-MS 310 (M+H)、332 (M+Na)。
【0105】
9 mL MeOH中で、上述のアミノアルコール(288 mg、 0.93 mmol)およびp-ホルムアルデヒド(300 mg、10 mmol)溶液を、還流しながら90分間加熱した。次いで反応混合物を濾過し、真空で濃縮し、蒸発残留物を再度3 mL CH2Cl2に溶解し、Et3N (0.40 mL、 2.9 mmol)およびトリメチルアセチルクロリド(0.23 mL、1.9 mmol)を添加し、反応を24時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、クロマトグラフィーを行い(3:1 hex:EtOAc)、6-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン(290 mg、71%)を透明な油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.41-7.34 (m、 4H)、 7.28 (m、 1H)、 5.41 (d、 1H、 J = 10.6 Hz)、 4.66 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.21 (m、 1H)、 3.55 (dt、 1H、 J = 10.4、 7.2 Hz)、 3.33 (dt、 1H、 J = 10.4、 7.3 Hz)、 3.06 (br. t、 1H、 J = 11.8 Hz)、 2.35 (ddd、 1H、 J = 14.2、 4.3、 3.0 Hz)、 2.07 (ddd、 1H、 J = 14.3、 11.3、 4.2 Hz)、 1.97 (m、 2H)、 1.28 (s、 9H)、 0.83 (s、 9H)、 -0.05 (s、 3H)、 -0.06 (s、 3H); 13C NMR (100 MHz、 CHCl3) 176.9、 142.0、 128.7、 127.3、 126.4、 78.6、 72.0、 58.6、 46.4、 40.3、 38.8、 33.5、 28.5、 25.9、 18.2、 -5.4; ESI-MS 406 (M+H)、 428 (M+Na)。
【0106】
[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒドの調製
【化16】

【0107】
THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリド(40 mL、40 mmol)で、6-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン(4.07 g、10.03 mmol)を2時間室温で撹拌した。飽和NaHCO3水溶液を添加し、反応混合物をCHCl3で抽出した。有機層を(Na2SO4)で乾燥させ、濃縮し、次いで残留物をシリカプラグにより濾過し1:1 hex:EtOAcでフラッシュして、2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エタノールを透明な油として定量的収率で得た。さらなる精製を行うことなく、これを以下に用いた。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.45-7.37 (m、 4H)、 7.31 (m、 1H)、 5.51 (dd、 1H、 J = 10.9、 2.1 Hz)、 4.69 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 4.30 (m、 1H)、 3.58 (m、 2H)、 2.99 (m、 1H)、 2.31 (dt、 1H、 J = 14.1、 3.4 Hz)、 2.16 (ddd、 1H、 J = 14.1、 11.7、 4.4 Hz)、 2.04 (ddd、 1H、 J = 14.5、 7.0、 4.7 Hz)、 1.92 (ddd、 1H、 J = 14.6、 6.9、 4.7 Hz)、 1.28 (s、 9H)。
60 mL CH2Cl2中の上述の2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エタノール、ジメチルスルホキシド(10 mL、141 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(10.5 mL、 60 mmol)の0℃溶液に、SO3.pyr (9.0 g、 57 mmol)を一度に添加した。反応混合物を、0℃で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液で反応を停止させ、CHCl3で抽出し、乾燥させ(Na2SO4)、クロマトグラフィーを行い(2:1 Hex:EtOAc)、[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(2.84g、98%)を油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 9.64 (t、 1H、 J = 2.7 Hz)、 7.45-7.41 (m、 4H)、 7.33 (m、 1H)、 5.49 (dd、 1H、 J = 11.1、 1.9 Hz)、 4.74 (d、 1H、 J = 11.5 Hz)、 4.27 (m、 1H)、 3.08 (m、 1H)、 2.72 (ABqd、 2H、 J = 15.3、 2.8 Hz)、 2.43 (ddd、 1H、 J = 14.2、 4.1、 3.0 Hz)、 2.11 (ddd、 1H、 J = 14.2、 11.4、 4.3 Hz)、 1.28 (s、 9H)。 ESI-MS 312 (M+Na)。
【0108】
実施例1
1-((1R,5S)-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾールの調製
【化17】

【0109】
2 mL CH2Cl2中の[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(50.4 mg、 0.17 mmol)、1-[(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール二塩酸塩(64 mg、0.17 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.063 mL、0.35 mmol)の溶液に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(55 mg、0.26 mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。蒸発させた後、残留物をクロマトグラフィー(CHCl3中の5% (2M NH3/MeOH))にかけ、1-((1R,5S)-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール (50.4 mg、56%)を白い固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3):δ 7.65 (m、 1H)、 7.43-7.34 (m、 4H)、 7.32-7.26 (m、 2H)、 7.19-7.11 (m、 2H)、 5.43 (s、 1H、 J = 11.2 Hz)、 4.70 (d、 1H、 J = 10.3 Hz)、 4.61 (m、 1H)、 4.21 (m、 1H)、 3.42-3.22 (m、 2H)、 3.08 (m、 1H)、 2.57 (s、 3H)、 2.43-1.57 (m、 14H)、 1.28 (s、 9H); ESI-MS 515 (M+H)、 237 (M+Na)。
【0110】
実施例2
3-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]ヘキサ-5-エン-2-オンの調製
【化18】

【0111】
実施例1の手順に沿って、[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド (25 mg、 0.087 mmol)、 1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-3-ピペリジン-4-イルヘキサ-5-エン-2-オン(44 mg、0.13 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン (0.033 mL、 0.19 mmol)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(27 mg、0.13 mmol)から、3-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1-[4-(メチルスルホニル)フェニル]ヘキサ-5-エン-2-オン(26 mg、 49%)を白い固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.90-7.86 (m、 2H)、 7.44-7.36 (m、 4H)、 7.35-7.29 (m、 3H)、 5.86 (m、 1H)、 5.44 (d、 1H、 J = 10.4 Hz)、 5.31-5.18 (m、 2H)、 4.83-4.59 (m、 2H)、 4.15-3.83 (m、 3H)、 3.73 (s、 2H)、 3.29-1.66 (m、 15H)、 3.04 (s、 3H)、 1.26 (s、 9H); ESI-MS 610 (M+H)、 632 (M+Na)。
【0112】
実施例3
6-(2-{4-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)-3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナンの調製
【化19】

【0113】
実施例1の手順に沿って、[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(25 mg、0.087 mmol)、4-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]ピペリジン (34 mg、0.13 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.033 mL、0.19 mmol)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(27 mg、0.13 mmol)から、6-(2-{4-[5-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]ピペリジン-1-イル}エチル)-3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン(35.0 mg、75%)を白い固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.77-7.50 (m、 2H)、 7.45-7.28 (m、 7H)、 6.33 (s、 1H)、 5.44 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 4.79 (m、 1H)、 4.12 (m、 1H)、 3.37-2.98 (m、 3H)、 2.77 (m、 1H)、 2.51-1.42 (m、 13H)、 1.28 (s、 9H); ESI-MS 535 (M+H)、 557 (M+Na)。
【0114】
実施例4
2-ベンジル-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オンの調製
【化20】

【0115】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(25 mg、0.087 mmol)、2-ベンジル-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(37 mg、0.13 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.033 mL、0.19 mmol)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(27 mg、0.13 mmol)から、2-ベンジル-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-1-オン(25mg、56%)を白い固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.42-7.27 (m、 8H)、 7.19-7.15 (m、 2H)、 5.42 (d、 1H、 J = 11.2 Hz)、 4.76 (m、 1H)、 4.40 (s、 2H)、 4.13 (m、 1H)、 3.52 (m、 1H)、 3.25-3.00 (m、 3H)、 2.74 (m、 1H)、 2.37-1.51 (m、 13H)、 1.28 (s、 9H); ESI-MS 518 (M+H)。
【0116】
実施例5
1-((1R,5S)-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾールの調製
【化21】

【0117】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、1-[(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール(24.1 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、1-((1R,5S)-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール (22.8 mg、 44%)を固体として得た。1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 7.70 (m、 1H)、 7.59-7.44 (m、 5H)、 7.37 (m、 1H)、 7.28-7.18 (m、 2H)、 5.49 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.82 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.53 (m、 1H)、 4.27 (m、 1H)、 3.51-3.33 (m、 2H)、 3.20 (m、 1H)、 2.61 (s、 3H)、 2.70-2.29 (m、 5H)、 2.26-1.94 (m、 5H)、 1.80-1.54 (m、 4H)、 1.34 (s、 9H); ESI-MS 515 (M+H)。
【0118】
実施例6
3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-{2-[4-(2-ナフチル)ピペリジン-1-イル]エチル}-6-フェニル-1,3-オキサジナンの調製
【化22】

【0119】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、4-(2-ナフチル)ピペリジン(24.8 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-{2-[4-(2-ナフチル)ピペリジン-1-イル]エチル}-6-フェニル-1,3-オキサジナン(28.0 mg、58%)を固体として得た。 1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 7.93-7.76 (m、 3H)、 7.70-7.32 (m、 9H)、 5.47 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 4.81 (m、 1H)、 4.24 (br.、 1H)、 3.27-2.80 (m、 5H)、 2.75-1.84 (m、 11H)、 1.34 (s、 9H); ESI-MS 485 (M+H)。
【0120】
実施例7
6-クロロ-N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンの調製
【化23】

【0121】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド (30 mg、0.10 mmol)、6-クロロ-N-(ピペリジン-4-イルメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン(17.5 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、6-クロロ-N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミン (25.4 mg、46%)を固体として得た。 1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 7.66-7.55 (m、 1H)、 7.50-7.26 (m、 7H)、 5.65 (br.、 1H)、 5.45 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 4.77 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.21 (m、 1H)、 3.47-3.29 (m、 2H)、 3.25-2.91 (m、 3H)、 2.55-1.30 (m、 13H)、 1.32 (s、 9H); ESI-MS 555 (M+H)。
【0122】
実施例8
1-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1H-インドールの調製
【化24】

【0123】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、 1-ピペリジン-4-イル-1H-インドール(23.7 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、 0.6 mmol)から、1-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1H-インドール(28.1 mg、59%)を固体として得た。 1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 7.61 (d、 1H、 J = 7.7 Hz)、 7.45-7.35 (m、 4H)、 7.36-7.29 (m、 2H)、 7.08 (t、 1、 J = 7.2 Hz)、 6.50 (d、 1H、 J = 3.2 Hz)、 5.43 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.72 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.29-4.14 (m、 2H)、 3.16-2.95 (m、 3H)、 2.45-1.90 (m、 12H)、 1.29 (s、 9H); ESI-MS 474 (M+H)、 486 (M+Na)。
【0124】
実施例9
4-ニトロベンジルアリル(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)カルバメートの調製
【化25】

【0125】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、4-ニトロベンジルアリル(ピペリジン-4-イル)カルバメート(31.9 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、4-ニトロベンジルアリル(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)カルバメート(34.1 mg、 57%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 8.19 (m、 2H)、 7.46 (m、 2H)、 7.40-7.31 (m、 4H)、 7.28 (m、 1H)、 5.76 (m、 1H)、 5.39 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 5.23-5.03 (m、 4H)、 4.67 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.20 (m、 1H)、 3.98 (br.、 1H)、 3.87-3.74 (m、 3H)、 3.10-2.77 (m、 3H)、 2.36-1.57 (m、 11H)、 1.26 (s、 9H); ESI-MS 593 (M+H)、 615 (M+Na)。
【0126】
実施例10
N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-N-エチル-2-(4-ニトロフェニル)アセトアミドの調製
【化26】

【0127】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、N-エチル-2-(4-ニトロフェニル)-N-ピペリジン-4-イルアセトアミド(29.1 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-N-エチル-2-(4-ニトロフェニル)アセトアミド(36.6 mg、65%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 8.15(m、 2H)、 7.43-7.26 (m、 7H)、 5.39 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 4.66 (m、 1H)、 4.36 (m、 1H)、 4.19 (m、 1H)、 3.76 (m、 2H)、 3.27 (m、 3H)、 3.09-2.74 (m、 4H)、 2.36-1.53 (m、 10H)、 1.26 (s、 9H)、 1.09 (m、 3H); ESI-MS 565 (M+H)、 587 (M+Na)。
【0128】
実施例11
5-クロロ-1-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンズイミダゾール-2-オンの調製
【化27】

【0129】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、5-クロロ-1-ピペリジン-4-イル-1,3-ジヒドロ-2H-ベンズイミダゾール-2-オン(25.2 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、 0.6 mmol)から、5-クロロ-1-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-ジヒドロ-2H-ベンズイミダゾール-2-オン(32.9 mg、62%)を固体として得た。1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 9.70 (s、 1H)、 7.44-7.27 (m、 5H)、 7.22-7.05 (m、 2H)、 7.01 (m、 1H)、 5.44 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.71 (d、 1H、 J = 11.1 Hz)、 4.35-4.16 (m、 2H)、 3.16-2.93 (m、 3H)、 2.50-1.88 (m、 11H)、 1.83-1.67 (m、 2H)、 1.29 (s、 9H); ESI-MS 525 (M+H)。
【0130】
実施例12
N-アリル-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-2-フェニルアセトアミドの調製
【化28】

【0131】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、N-アリル-2-フェニル-N-ピペリジン-4-イルアセトアミド(25.8 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、N-アリル-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-2-フェニルアセトアミド(34.0 g、64%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.40-7.16 (m、 10H)、 5.78 (m、 1H)、 5.39 (d、 1H、 J = 11.1 Hz)、 5.24-5.13 (m、 2H)、 5.04 (m、 1H)、 4.67 (m、 1H)、 4.49 (m、 1H)、 4.19 (m、 1H)、 3.94-3.46 (m、 5H)、 3.14-2.65 (m、 3H)、 2.36-1.49 (m、 10H)、 1.26 (s、 9H); ESI-MS 532 (M+H)。
【0132】
実施例13
N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-N-エチル-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミドの調製
【化29】

【0133】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、N-エチル-2-(4-フルオロフェニル)-N-ピペリジン-4-イルアセトアミド(26.4 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、0.6 mmol)から、N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)-N-エチル-2-(4-フルオロフェニル)アセトアミド (34.0 mg、 63%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.41-7.26 (m、 5H)、 7.21-7.14 (m、 2H)、 7.00-6.94 (m、 2H)、 5.39 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.67 (m、 1H)、 4.37 (m、 1H)、 4.19 (m、 1H)、 3.69-3.59 (m、 2H)、 3.51-2.67 (m、 8H)、 2.36-1.54 (m、 9H)、 1.26 (s、 9H)、 1.15 (m、 3H); ESI-MS 538 (M+H)、 560 (M+Na)。
【0134】
実施例14
4-{2-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)(エチル)アミノ]-2-オキソエチル}ベンズアミドの調製
【化30】

【0135】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、4-{2-[エチル(ピペリジン-4-イル)アミノ]-2-オキソエチル}ベンズアミド (28.9 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、0.6 mmol)から、4-{2-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)(エチル)アミノ]-2-オキソエチル}ベンズアミド(14.5 mg、26%)を固体として得た。 1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 7.75 (d、 2H、 J = 8.1 Hz)、 7.41-7.35 (m、 2H0、 7.35-7.28 (m、 5H)、 6.11 (br.、 1H)、 5.61 (br.、 1H)、 5.41 (m、 1H)、 4.70 (m、 1H)、 4.47 (br.、 1H)、 4.18 (m、 1H)、 3.73 (m、 2H)、 3.33-3.24 (m、 2H)、 3.16-2.99 (m、 2H)、 2.78 (br.、 1H)、 2.34-1.50 (m、 10H)、 1.27 (s、 9H)、 1.15 (m、 3H); ESI-MS 563 (M+H)、 585 (M+Na)。
【0136】
実施例15
N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]-N-メチルナフタレン-1-スルホンアミドの調製
【化31】

【0137】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド (30 mg、 0.10 mmol)、 N-メチル-N-(ピペリジン-4-イルメチル)ナフタレン-1-スルホンアミド (31.8 mg、 0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、 0.6 mmol)から、N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]-N-メチルナフタレン-1-スルホンアミド (44.2 mg、 75%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 8.71 (d、 1H、 J = 8.1 Hz)、 8.16 (d、 1H、 J = 7.3 Hz)、 8.09 (d、 1H、 J = 8.0 Hz)、 7.95 (d、 1H、 J = 7.9 Hz)、 5.42 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.77 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.46-4.09 (m、 3H)、 3.25-0.85 (m、 17H)、 1.34 (s、 9H); ESI-MS 592 (M+H)。
【0138】
実施例16
N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]ナフタレン-2-スルホンアミドの調製
【化32】

【0139】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド (30 mg、 0.10 mmol)、N-(ピペリジン-4-イルメチル)ナフタレン-2-スルホンアミド (30.4 mg、 0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物 (200 mg、 0.6 mmol)から、N-[(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)メチル]ナフタレン-2-スルホンアミド (26.4 mg、 46%)を固体として得た。1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 8.40 (s、 1H)、 7.98-7.87 (m、 3H)、 7.81 (dd、 1H、 J = 8.7、 1.7 Hz)、 7.67-7.57 (m、 2H)、 7.40-7.25 (m、 5H)、 5.38 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 5.15 (br.、 1H)、 4.75 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 4.08 (m、 1H)、 3.21-2.92 (m、 3H)、 2.81 (br.、 2H)、 2.48 (m、 1H)、 2.33-2.11 (m、 3H)、 2.09-1.90 (m、 4H)、 1.75-1.62 (m、 2H)、 1.61-1.35 (m、 3H)、 1.25 (s、 9H); ESI-MS 578 (M+H)。
【0140】
実施例17
N-(シクロプロピルメチル)-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミンの調製
【化33】

【0141】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、N-(シクロプロピルメチル)-N-ピペリジン-4-イルピリミジン-2-アミン(26.9 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、N-(シクロプロピルメチル)-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)ピリミジン-2-アミン (29.1 mg、 58%)を固体として得た。 1H NMR (300 MHz、 CDCl3)、δ 8.26 (d、 2H、 J = 4.7 Hz)、 7.42-7.27 (m、 5H)、 6.44 (t、 1H、 J = 4.7 Hz)、 5.41 (d、 1H、 J = 10.8 Hz)、 4.77 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 4.57 (m、 1H)、 4.12 (m、 1H)、 3.37 (d、 2H、 J = 6.5 Hz)、 3.23-3.08 (m、 3H)、 2.58 (br.、 1H)、 2.42-2.20 (m、 5H)、 2.15-2.00 (m、 4H)、 1.83-1.70 (m、 2H)、 1.27 (s、 9H)、 1.10 (m、 1H)、 0.45 (m、 2H)、 0.32 (m、 2H); ESI-MS 506 (M+H)、 528 (M+Na)。
【0142】
実施例18
N-アリル-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミンの調製
【化34】

【0143】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、N-アリル-N-ピペリジン-4-イルピリジン-2-アミン(25.4 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、N-アリル-N-(1-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}ピペリジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(36.0 mg、73%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 8.07 (m、 1H)、 7.42-7.27 (m、 6H)、 6.51 (dd、 1H、 J = 6.8、 5.2 Hz)、 6.39 (d、 1H、 J = 8.5 Hz)、 5.80 (m、 1H)、 5.41 (d、 1H、 J = 11.0 Hz)、 5.16-5.06 (m、 2H)、 4.76 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 4.12 (m、 1H)、 3.89 (s、 2H)、 3.20-3.02 (m、 3H)、 2.55 (br.、 1H)、 2.38-166 (m、 12H)、 1.27 (s、 9H); ESI-MS 491 (M+H)、 513 (M+Na)。
【0144】
実施例19
(1R,5S)-N-アリル-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-N-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミンの調製
【化35】

【0145】
実施例1の手順に沿って、3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]アセトアルデヒド(30 mg、0.10 mmol)、(1R,5S)-N-アリル-N-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン(27.9 mg、0.1 mmol)、およびポリマーに支持されたトリアセトキシホウ水素化物(200 mg、0.6 mmol)から、(1R,5S)-N-アリル-8-{2-[3-(2,2-ジメチルプロパノイル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-6-イル]エチル}-N-フェニル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン(31.2 mg、60%)を固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 7.43-7.25 (m、 7H)、 7.03 (m、 1H)、 6.96 (m、 1H)、 5.68 (m、 1H)、 5.41 (d、 1H、 J = 10.7 Hz)、 5.05 (d、 1H、 J = 10.3 Hz)、 4.98 (d、 1H、 J = 16.9 Hz)、 4.89 (d、 1H、 J = 10.9 Hz)、 3.96 (m、 1H)、 3.78 (m、 1H)、 3.71 (d、 2H、 J = 6.6 Hz)、 3.62-3.30 (m、 4H)、 2.88-1.60 (m、 13H)、 1.26 (m、 6H); ESI-MS 516 (M+H)、 538 (M+Na)。
【0146】
実施例20
N-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-[(6-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミドの調製
【化36】

【0147】
N-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[6-(2-ヒドロキシエチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}ベンゼンスルホンアミドの調製。9 mL MeOH中の1-アミノ-5-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-3-フェニルペンタン-3-オール(278 mg、0.9 mmol)およびp-ホルムアルデヒド(300 mg、10 mmol)の溶液を、還流しながら90分間加熱した。2 mLのアリコート(0.2 mmol)を取り出し、濾過し、真空で濃縮した。残留物を0.5 mL DMFおよび1 mL CH2Cl2に再溶解し、この溶液に5-[(tert-ブチルアミノ)スルホニル]-2-クロロ-4-フルオロ安息香酸 (62 mg、0.2 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(70 μL、0.4 mmol)およびHATU(114 mg、0.3 mmol)を添加した。5時間後に、飽和NaHCO3水溶液を添加し、水層をCHCl3で抽出した。有機層をプールし、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、クロマトグラフィー(4:1 hex:EtOAc)で精製して、N-(tert-ブチル)-5-{[6-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}-4-クロロ-2-フルオロベンゼンスルホンアミドを得たが、これはさらに精製することなく以下に使用した。粗製のN-(tert-ブチル)-5-{[6-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}-4-クロロ-2-フルオロベンゼンスルホンアミドを、THF 中の1M TBAFの溶液中で1.5時間撹拌し、次いで飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、クロマトグラフィー(2:1 EtOAc:hex)で精製し、N-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[6-(2-ヒドロキシエチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}ベンゼンスルホンアミド (25.2 mg、 25%)を透明な油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、δ 8.03 (d、 0.5 H、 J = 7.3 Hz、 回転異性体)、 7.70 (d、 0.5 H、 J = 7.3 Hz、 回転異性体)、 7.46-7.30 (m、 6H)、 5.81 (d、 0.5 H、 J = 10.4 Hz、 回転異性体)、 4.98 (m、 0.5 H、 回転異性体)、 4.88 (m、 1H)、 4.72-4.48 (m、 3H)、 3.15 (m、 1H)、 2.96 (m、 1H)、 2.52-1.73 (m、 5H)、 1.24 (m、 9H、 回転異性体); ESI-MS 497 (M-H)。
【0148】
ジメチルスルホキシド(71μL、1 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(53μL、0.30 mmol)および1mL CH2Cl2中のN-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[6-(2-ヒドロキシエチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}ベンゼンスルホンアミド (25.2 mg、 0.05 mmol)の0℃溶液に、SO3.pyrを一度に添加した。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、飽和NaHCO3水溶液を添加し、水層をCHCl3で抽出した。蒸発させた後、粗製のN-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[6-(2-オキソエチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}ベンゼンスルホンアミドを得、さらに精製することなく次の工程に用いた。
【0149】
実施例1の手順に沿って、上述の粗製N-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-{[6-(2-オキソエチル)-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル]カルボニル}ベンゼンスルホンアミド、 1-[(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール二塩酸塩(18.6 mg、0.05 mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(18 μL、0.10 mmol)およびトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(16 mg、0.08 mmol)から、N-(tert-ブチル)-4-クロロ-2-フルオロ-5-[(6-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-6-フェニル-1,3-オキサジナン-3-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(25.3 mg、70%)を白い固体として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 8.03 (d、 0.5H、 J = 7.1 Hz、 回転異性体)、 7.72 (d、 0.5H、 J = 7.3 Hz、 回転異性体)、 7.65 (m、 1H)、 7.45-7.39 (m、 2H)、 7.37-7.28 (m、 5H)、 7.20-7.11 (m、 2H)、 5.73 (d、 0.5H、 J = 10.4 ZHz、 回転異性体)、 5.04-4.96 (m、 1H)、 4.75-4.44 (m、 3.5H、 回転異性体)、 3.42-3.13 (m、 3H)、 2.63-2.54 (m、 5H)、 2.52-1.86 (m、 10H)、 1.74-1.63 (br.、 2H)、 1.29-1.20 (m、 9H、 回転異性体); ESI-MS 722 (M+H)。
【0150】
当業者ならば、このような実施例を本発明の範囲の教示と理解するであろう。
【0151】
スキーム2: 式II
【化37】

【0152】
で表される化合物は以下の一般的なスキームに従って調製することができる:
【化38】

【0153】
tert-ブチル(ジメチル)[(3-フェニルブタ-3-エニル)オキシ]シランの調製
【化39】

【0154】
3-フェニルブタ-3-エン-1-オールは、参照文献:Omaka ら. Org. Lett. 2002, 4, 1667に従って調製した。
【0155】
7 mL DMF中の3-フェニルブタ-3-エン-1-オール(1.0 g、6.7 mmol)およびEt3N (0.59 mL、8.1 mmol)の0℃溶液に、TBSCl(1.2 g、8.1 mmol)を添加した。0℃で4時間撹拌した後、反応混合物を4:1 EtOAc:hexで希釈し、水で洗浄し、クロマトグラフィー(ヘキサン中の5% EtOAc)を行って、tert-ブチル(ジメチル)[(3-フェニルブタ-3-エニル)オキシ]シラン(794 mg、45%)を透明な油として得た: 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.43-7.40 (m、 2H)、 7.35-7.30 (m、 2H)、 7.26 (m、 1H)、 5.34 (d、 1H、 J = 1.5 Hz)、 5.10 (m、 1H)、 3.71 (t、 2H、 J = 7.1 Hz)、 2.74 (td、 2H、 J = 7.1、 1.0 Hz)、 0.87 (s、 9H)、 0.00 (s、 6H); ESI-MS 263 (M+H)。
tert-ブチル 4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-ヒドロキシ-2-フェニルブチル(2-ヒドロキシエチル)カルバメートの調製
【化40】

【0156】
3 mL アセトンおよび0.75 mL pH 7 バッファー中のtert-ブチル(ジメチル)[(3-フェニルブタ-3-エニル)オキシ]シラン(526 mg、2.0 mmol)および4-メチルモルホリンN-オキシド(水中の60%溶液を1.15 mL、5.9 mmol)の溶液に、OsO4 (4%水溶液を0.17 mL、0.03 mmol)を添加し、反応混合物を24時間撹拌した。飽和Na2S2O3水溶液を添加して30分撹拌した後、混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、短いシリカプラグに通して4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-フェニルブタン-1,2-ジオールを透明な油として得、さらに精製することなく以下に用いた: 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.45-7.41 (m、 2H)、 7.39-7.34 (m、 2H)、 7.27 (m、 1H)、 4.88 (s、 1H)、 3.77 (ddd、 1H、 J = 10.3、 4.1、 3.6 Hz)、 3.67 (ddd、 1H、 J = 11.1、 8.4、 1.2 Hz)、 3.62-3.54 (m、 2H)、 2.51 (dd、 1H、 J = 8.6、 4.8 Hz)、 2.41 (ddd、 1H、 J = 14.8、 11.3、 4.2 Hz)、 1.91 (ddd、 1H、 J = 14.8、 3.3、 2.7 Hz)、 1.55 (s、 1H)、 0.88 (s、 9H)、 0.01 (s、 3H)、 -0.04 (s、 3H)。
2 mL ピリジン中の上述の4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-フェニルブタン-1,2-ジオール溶液にp-トルエンスルホニルクロリド(573 mg、3.00 mmol)を添加した。反応混合物を24時間撹拌した後、水を添加し、溶液をEtOAcで抽出した。有機層をプールしてブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて、5 mL CH3CNに再溶解させた。この溶液にエタノールアミン (0.61 mL、 10.0 mmol)を添加し、反応混合物を100℃で24時間加熱した。EtOAcで希釈後、混合物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させて、2 mL CH2Cl2に再溶解させた。これにEt3N (0.40 mL、2.9 mmol)およびジ-tert-ブチルジカーボネート(570 mg、2.6 mmol)を添加し、反応混合物を24時間撹拌した。水を添加し、溶液をCH2Cl2で抽出し、クロマトグラフィー(3:1 hex:EtOAc)で精製し、tert-ブチル 4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-ヒドロキシ-2-フェニルブチル(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(773 mg、88%)を透明な油として得た:1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.48 (m、 1H)、 7.40 (m、 1H)、 7.37-7.31 (m、 2H)、 7.25 (m、 1H)、 3.99 (d、 1H、 J = 14.1 Hz)、 3.88-3.59 (m、 4H)、 3.50-3.41 (m、 2H)、 3.27 (m、 1H)、 3.14 (m、 1H)、 2.34-2.13 (m、 2H)、 2.06 (m、 1H)、 1.45 (s、 9H)、 0.83 (s、 9H)、 -0.05 (s、 3H)、 -0.13 (s、 3H)。
【0157】
tert-ブチル 2-(2-ヒドロキシエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレートの調製
【化41】

【0158】
8 mL トルエン中のtert-ブチル 4-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-2-ヒドロキシ-2-フェニルブチル(2-ヒドロキシエチル)カルバメート(770 mg、 1.7 mmol)およびトリフェニルフォスフィン(551 mg、2.1 mmol)の溶液に、ジエチルアゾジカルボキシレート(トルエン中の40%溶液を0.96 mL、2.1 mmol)を添加し、反応を24時間撹拌した。蒸発させた後、残留物をクロマトグラフィー(10% EtOAc/hex)にかけ、tert-ブチル 2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレートを油として得たが、これをさらに精製することなく以下に用いた。 ESI-MS 422 (M+H)。
【0159】
上述のtert-ブチル 2-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレートを、THF中の1M テトラブチルアンモニウムフルオリド溶液4 mL中で、1時間室温で撹拌した。次いで反応混合物をCHCl3で希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、精製し(1:1 hex:EtOAc)、tert-ブチル 2-(2-ヒドロキシエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボイキシレート(449 mg、83%)を油として得た: 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.47-7.41 (m、 2H)、 7.40-7.35 (m、 2H)、 7.28 (m、 1H)、 4.34 (m、 1H)、 3.77-3.63 (m、 2H)、 3.63-3.48 (m、 3H)、 3.35 (m、 1H)、 3.17 (m、 1H)、 2.08 (m、 1H)、 1.89 (m、 1H)、 1.50-1.37 (br.、 9H); ESI-MS 330 (M+Na)。
【0160】
tert-ブチル 2-(2-オキソエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレートの調製
【化42】

【0161】
8 mL CH2Cl2中のtert-ブチル 2-(2-ヒドロキシエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレート(428 mg、1.4 mmol)、ジメチルスルホキシド(4.0 mL、56.4 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.3 mL、7.2 mmol)の0℃の溶液に、SO3.pyr (1.4 g、8.8 mmol)を添加し、反応混合物を2時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液の添加後、溶液をCHCl3で抽出し、シリカゲルのプラグに通して2:1 hex:EtOAcでフラッシュして、tert-ブチル 2-(2-オキソエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレート(226 mg、 53%)を透明な油として得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 9.60 (br. s、 1H)、 7.54-7.44 (br.、 2H)、 7.42-7.37 (m、 2H)、 7.30 (m、 1H)、 4.25-4.01 (br.、 1H)、 3.80-3.23 (m、 5H)、 3.00-2.81 (m、 2H)、 2.73 (br.、 1H)、 1.47 (br.、 9H); ESI-MS 328 (M+H)。
【0162】
tert-ブチル 2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレートの調製
【化43】

【0163】
3 mL CH2Cl2中のtert-ブチル2-(2-オキソエチル)-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレート(226.1 mg、0.74 mmol)、1-[(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール二塩酸塩(272.7 mg、0.74 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.27 mL、1.48 mmol)の溶液に、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(235.4 mg、 1.11 mmol)を添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。蒸発後、残留物をクロマトグラフィー(CHCl3中の5%(2M NH3/MeOH))にかけ、tert-ブチル2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレート(329.9 mg、84%)を灰白色の泡として得た: 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.65 (m、 1H)、 7.49-7.40 (br.、 2H)、 7.39-7.34 (m、 2H)、 7.31 (m、 1H)、 7.27 (m、 1H)、 7.19-7.11 (m、 2H)、 4.75-4.16 (m、 2H)、 3.76-3.47 (m、 3H)、 3.40-3.13 (m、 4H)、 2.58 (s、 3H)、 2.46-2.32 (m、 2H)、 2.17-1.82 (m 8H)、 1.63 (m、 2H)、 1.53-1.40 (br.、 9H); ESI-MS 531 (M+H)、 553 (M+Na)。
【0164】
2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾールの調製
【化44】

【0165】
5 mL CHCl3中のtert-ブチル2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-カルボキシレート(330 mg、0.62 mmol)の溶液に、4N HClジオキサン溶液0.8 mLを添加した。室温で2時間撹拌後、4N HClジオキサン溶液をさらに3 mL添加し、混合物を40℃で90分間加熱した。次いで溶液を蒸発させ、真空で乾燥させて、2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾール三塩酸塩を得たが、これをさらに精製することなく以下に用いた。 ESI-MS 431 (M+H)。
【0166】
実施例21
2,2-ジメチル-3-(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)-3-オキソプロパン-1-オールの調製
【化45】

【0167】
1 mL DMF中の2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾール三塩酸塩(59.3 mg、0.10 mmol)、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロパン酸(18 mg、0.15 mmol)、およびジイソプロピルエチルアミン(70μL、0.40 mmol)の撹拌した溶液に、HATU (57 mg、0.15 mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で24時間撹拌し、次いでメチレンクロリドで希釈し、飽和NaHCO3水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発により濃縮し、クロマトグラフィー(CHCl3中の5%(2M NH3/MeOH))で精製して、2,2-ジメチル-3-(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)-3-オキソプロパン-1-オール(29.3 mg、 55%)を無定形の固体として得た。1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.65 (m、 1H)、 7.44-7.26 (m、 6H)、 7.19-7.10 (m、 2H)、 4.80 (br.、 1H)、 4.69 (m、 1H)、 3.75-3.37 (m、 8H)、 3.35-3.16 (m、 3H)、 2.58 (s、 3H)、 2.46-2.34 (m、 2H)、 2.13-1.84 (m、 8H)、 1.68-1.59 (m、 2H)、 1.23 (s、 3H)、 1.02 (s、 3H); ESI-MS 531 (M+H)、 553 (M+Na)。
【0168】
実施例22
4-クロロ-N-イソプロピル-3-[(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミドの調製
【化46】

【0169】
実施例20に記載の手順に沿って、2-クロロ-5-[(イソプロピルアミノ)スルホニル]安息香酸(38 mg、0.15 mmol)、2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾール三塩酸塩(59.3 mg、0.10 mmol)およびHATU(57mg、0.15 mmol)から、4-クロロ-N-イソプロピル-3-[(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド(33.2 mg、48%)を得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.82-7.72 (m、 1H)、 7.64 (m、 1H)、 7.57-7.47 (m、 3H)、 7.46-7.26 (m、 5H)、 7.20-7.09 (m、 2H)、 5.26-5.15 (m、 1H、 回転異性体)、 5.06 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.86 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.72 (m、 1H)、 3.72-3.20 (m、 7H)、 3.05 (m、 1H)、 2.60 (s、 3H)、 2.49-1.57 (m、 11H)、 1.12-1.01 (m、 6H、 回転異性体); ESI-MS 690 (M+H)。
【0170】
実施例23
4-クロロ-2-フルオロ-5-[(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミドの調製
【化47】

【0171】
実施例20に記載の手順に沿って、5-(アミノスルホニル)-2-クロロ-4-フルオロ安息香酸(38 mg、0.15 mmol)、2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾール三塩酸塩(59.3 mg、0.10 mmol)およびHATU(57 mg、0.15 mmol)から、4-クロロ-2-フルオロ-5-[(2-{2-[(1R,5S)-3-(2-メチル-1H-ベンズイミダゾール-1-イル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-8-イル]エチル}-2-フェニルモルホリン-4-イル)カルボニル]ベンゼンスルホンアミド (16.6 mg、 25%)を得た。 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.83 (m、 0.3H、 回転異性体)、 7.66-7.49 (m、 2.7H、 回転異性体)、 7.45-7.26 (m、 5H)、 7.20-7.10 (m、 3H)、 5.17 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.92 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.72 (m、 1H)、 5.17 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.92 (m、 0.5H、 回転異性体)、 4.72 (m、 1H)、 3.73-3.46 (m、 2H)、 3.42-3.19 (m、 4H)、 3.06 (m、 1H)、 2.60 (m、 3H、 回転異性体)、 249-2.37 (m、 2H)、 2.17-1.79 (m、 7H)、 1.71-1.61 (m、 2H); ESI-MS 666 (M+H)。
【0172】
実施例24
1-((1R,5S)-8-{2-[4-(2,2-ジメチルプロパノイル)-2-フェニルモルホリン-2-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾールの調製
【化48】

【0173】
1 mL CH2Cl2中の2-メチル-1-{(1R,5S)-8-[2-(2-フェニルモルホリン-2-イル)エチル]-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル}-1H-ベンズイミダゾール三塩酸塩(65 mg、0.11 mmol)およびEt3N(0.08 mL、0.55 mmol)の溶液に、トリメチルアセチルクロリド(0.02 mL、0.17 mmol)を添加し、反応を24時間撹拌した。飽和NaHCO3水溶液で洗浄後、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、クロマトグラフィー(CHCl3中の5% (2M NH3/MeOH))にかけて、1-((1R,5S)-8-{2-[4-(2,2-ジメチルプロパノイル)-2-フェニルモルホリン-2-イル]エチル}-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル)-2-メチル-1H-ベンズイミダゾール(61 mg、定量的)を薄膜として得た: 1H NMR (400 MHz、 CDCl3)、 δ 7.68 (m、 1H)、 7.45-7.40 (m、 2H)、 7.38-7.27 (m、 3H)、 7.19-7.11 (m、 2H)、 4.77-4.63 (m、 2H)、 3.76-3.54 (m、 4H)、 3.40-3.20 (m、 3H)、 2.59 (s、 3H)、 2.48-2.36 (m、 2H)、 2.15-1.85 (m、 8H)、 1.69-1.59 (m、 2H)、 1.19 (s、 9H); ESI-MS 515 (M+H)。
【0174】
生物学的データ
以下の定義を適用する:
【表1】

【0175】
シンチレーション近接アッセイによるCC-ケモカインレセプター-5結合(CCR5 SPA)
ヒトCC-ケモカインレセプターCCR-5のシンチレーション近接アッセイ:
このプロトコルは、125I-MIP1αのヒトCCR5ケモカインレセプターへの結合を阻害する化合物を同定するためにSPA結合を用いた、ハイスループットスクリーニングを記述する。
【0176】
CCR5は、天然ケモカインリガンドである、MIP1α、MIP1βおよびRANTESと結合するGタンパク質共役レセプターである。CCR5は、HIV-1のヒトT細胞および単核白血球への侵入のために、CD4とともにコレセプターとして働く。ケモカインはまた、急性および慢性炎症プロセスにおいても役割を担っている。ケモカインは可溶性のタンパク質であり、外来物質が身体に侵入したときの宿主応答の初期段階に、広範な細胞型によって産生および放出される。
【0177】
ヒトCCR5レセプターをチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(登録番号#12025)で発現させた。細胞を懸濁状態で増殖させ、50〜80mlのCCR5細胞ペレットを調製した。膜の調製:1) ペレットの重さを測る; 2)0.0025mg/ml ペファブロック(Pefabloc)、0.0001mg/ml ペプスタチンA、0.0001mg/ml ロイペプチン、0.0001mg/ml アプロチニン(プロテアーゼ阻害剤カクテル)を含有する氷冷50mM HEPESバッファー、pH 7.4を調製する; 3)ペレットを5倍容量のHEPESバッファーでホモジナイズする; 4) 10〜20ストロークのガラスホモジナイザーを使って再度ホモジナイズする; 5) ホモジネートを、Sorvall RC26 PlUS 冷却遠心分離機を用いてF28/36 ローターで30分間、18000rpmにて遠心分離する; 6) 上清を廃棄し、ペレットを3倍容量のHEPESバッファー中に再懸濁する; 7) さらに2回、工程4〜6によってホモジナイズおよび遠心分離を行う; 8) ペレットの重さを再度測り、3X重量対体積のHEPESバッファー中でホモジナイズする; 9) 膜調製物を小さなバイアルに0.5〜1.5mlずつ分注し、-80℃で貯蔵する; 10) Bio-RadまたはBCA法を用いて、膜調製物のタンパク質濃度を測定する; 11) 膜ホモジネートは、アッセイ条件であるa) タンパク質濃度; b) SPAにおける最適タンパク質対ビーズ比; およびc)SPAにおけるKdおよびBmaxを測定するための飽和曲線、について特徴づける必要があろう。
【0178】
飽和曲線結合実験は、最適タンパク質/ビーズ比から選択した濃度の膜およびビーズに、可変量の[125I]MIP1α(0〜8.5nM)を添加することで行う。データは非線形曲線フィッティングプログラムを用いて解析する。KdおよびBmaxは曲線から導出する。
【0179】
50mg/mlのバシトラシンを脱イオン水に溶かし、5分間沸騰させ(プロテアーゼ活性を破壊するため)、そして冷却する。これを1mlのアリコートに調製し、-80℃で貯蔵する。
【0180】
プロテアーゼ阻害剤カクテルは、25 mg/mlのペファブロック、1 mg/mlのロイペプチン、1 mg/mlのアプロチニンおよび1 mg/mlのペプスタチンAを100% DMSOに溶解させることで調製する。このカクテルを分注し、必要になるまで-20℃で冷凍保存する。
【0181】
シグマコート(Sigmacote):放射性リガンドと接触するあらゆる試薬ビンおよびレザバーは、付着を減少させるためにシグマコートで処理する。未希釈のシグマコートで容器を洗い、脱イオン水で数回すすぎ、使用前に自然乾燥させる。
【0182】
カラークェンチ(Color Quench)アッセイ: [125I] SPA PVT カラークェンチキット、カタログ番号RPAQ 4030、 Amersham Ltd。それぞれのPackard TopCountについてカラークェンチ曲線を作成し、アッセイに特有のそれぞれの計測プロトコルで保存する。これは着色化合物がシンチレーション計測をクェンチするのを防ぐために行う。
【0183】
化合物の調製:
単一濃度測定(ワンショット)のための化合物を、100%DMSO中に1μlの化合物を含有する96ウェルPackard OptiplatesのA1〜H10の列(80化合物/プレート)に供給する。A11〜H11の列を全結合(Bo) (ビヒクル−適当なDMSO濃度を5μl) のために用い、A12〜D12の列を非特異的結合の測定のために用いる。さらなる準備は必要でない。
【0184】
濃度-応答曲線(10ポイント)のための化合物を、100%DMSO中に化合物1μlを含有する96ウェルPackard OptiplatesのA1〜H10の列に供給する。10ポイント濃度-応答曲線は(最後のアッセイにおいて)30μMの出発高濃度を有する各化合物にとって望ましい。A11〜H11の列を全結合(Bo) (ビヒクル−適当なDMSO濃度を5μl) に用い、A12〜D12の列を非特異的結合の測定に用いる。さらなる準備は必要でない。
【0185】
材料:
1M HEPES、pH 7.4、Gibco、カタログ番号15360〜080
バシトラシン、 Sigma カタログ番号B-0125
ウシ血清アルブミン、Sigma、カタログ番号A-7888
MgCl2、J.T. Baker 2444-01
CaCl2、Sigma、カタログ番号C5080
MIP1α、Peprotech、カタログ番号300-08
シグマコート、 Sigma、カタログ番号SL2
シンチレーション近接ビーズ、Wheat Germ Agglutinin、Amersham、カタログ番号RPNQ 0001
[125I]MIP1α、NEN(#NEX298)
Packard 96ウェル平底 Optiplate、カタログ番号6005190
Falcon 96ウェル丸底プレート、カタログ番号3077
TOPSEAL-S、Packard、カタログ番号6005161
ジメチルスルホキシド、EM Science、カタログ番号MX1458-6
シリコン化ピペットチップ、Accutip、容量200〜1300uL、カタログ番号P5048〜85
シリコン化ピペットチップ、Bio Plas、Inc.、容量1〜200uL、カタログ番号60828〜908
試薬レザバー、Elkay、カタログ番号175-RBAS-000
【0186】
アッセイバッファーの調製:
50 mM HEPES バッファーpH 7.4、1mM CaCl2、5mM MgCl2(これは前もって100Xストックとして作り置き可能)、1% BSA、0.5 mg/ml バシトラシン、プロテアーゼ阻害剤カクテル(上記の調製法を参照)100 uL/100 ml、必要ならば1ウェルあたり2%の最終濃度となるようDMSOを加える(化合物の%DMSOも含まれる)。
【0187】
実験の詳細:
[125I]MIP1αの調製:
シグマコートで処理した容器中に放射性リガンド希釈物を調製する。各50μCiバイアルを脱イオン水0.5mlで再構成し、4℃で貯蔵する。
比活性=2000 Ci/mmol
各アッセイウェルに50μlで約60,000cpm(0.17 nM)を加える。
【0188】
Bo:
20%DMSO溶液を調製し、これを5μlずつA11〜H11の列の各ウェルに加える。これは、アッセイバッファー中の1%DMSOに加えたとき、ウェルに2%DMSOの最終濃度を与える。
【0189】
NSB:
100μMのMIP1αのストック希釈液を、脱イオン水を用いて調製し、アリコートに分注して冷凍する。
MIP-1αストック溶液を、上記に用いた同じ20%DMSO溶液中で2μMの濃度に希釈し、A12〜D12の列のウェルに5μlを添加して、100nMの最終アッセイ濃度とする。これはシグマコートで処理した容器中で調製する。
【0190】
膜およびSPAビーズの調製:
膜のための最終アッセイ濃度は15μg/ウェルである。SPAビーズはアッセイバッファー5mlを500mgバイアルに加えることで準備する。アッセイにおけるSPAビーズの最終濃度は、0.25mg/ウェルである。膜およびビーズは1:1(膜:ビーズ)混合物としてあらかじめ混合し、絶えず撹拌しながら4℃で維持した。50μlの混合物を各アッセイウェルに加える。全ての試薬をプレートに添加した(合計アッセイ容量100μl)後、プレートを室温で4時間振とうする。4時間後、プレートをTopCountにセットし、適当なプログラム(アッセイ条件について確立されたクェンチ曲線を使用するプログラム)を用いて1ウェル当たり30秒間TopCount上のプレートをカウントする。
【0191】
データ解析:
データ解析は、Microsoft ExelのアドインのRobofitまたはRobosageを用いて行った。単一濃度アッセイ(ワンショット)については、検査した各ウェルの結果を、式:100*(1-(U1-C2)/(C1-C2))を用いて阻害%として表した。ここでU1は特定のウェルで観測される未知のサンプルをcpmで表したものであり、C1は添加した阻害剤の不在下で観測される第12列の平均cpmであり、C2は1μMのMIP1αの存在下で観測される第11列の平均cpmである。
【0192】
濃度-応答アッセイについては、検査した各ウェルの結果を、式:100*(U1-C2)/C1-C2)を用いて、B/Bo%(全特異的結合%)として表した。曲線はB/Bo%を濃度に対してプロットすることで作成し、IC50は方程式y=Vmax*(1-(x^n/(k^n+x^n)))を用いて導出した。
【0193】
対照および標準:
各プレートは、12ウェルの全結合(A11〜H11の列)を含有する。cpm/ウェルを平均化し、C1値としてデータ解析で使用した。各プレートはまた、4ウェルの非特異的結合(ウェルA12〜D12)を含有する。これらのウェルのカウント数を平均化して、C2値としてデータ解析で使用した。
【0194】
各実験に標準プレートを追加した。このプレートは、出発濃度1μMの標準化合物MIP1αのための14ポイント濃度-応答曲線(三回反復で)を含む。MIP1αについて得られた以前の平均pKiは7.6である。
【0195】
単一濃度(ワンショット)についての適切な生物学的応答分野は阻害%である。>40または>50%の阻害値を、正の応答とみなした。
【0196】
濃度-応答実験についての適切な生物学的応答分野はpKlである。
【0197】
HOSアッセイ(HOS-LTR-ルシフェラーゼアッセイとも呼ばれる)
材料
DMEM (GibcoBRL # 10564-011)
トリプシン-EDTA(GibcoBRL #25300-054)
熱不活化ウシ胎仔血清 (FBS) (Hyclone # SH30070.03)
96-ウェルの、壁面が黒で、底が透明な、組織培地処理済みプレート(Costar # 3904)
96-ウェルの、壁面が透明で、底も透明な、組織培地処理済みプレート(Costar # 3598)
リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(GibcoBRL #14190-144)
ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma # D2650)
Luclite ルシフェラーゼレポーターアッセイ(Packard #6016911)
HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ(Bioresource Registration # 21164): ヒトCD4およびヒトCCR5を過剰発現するように遺伝子操作されたヒト骨肉腫細胞系(AIDS Repository cat# 3318)をHIV-1-LTR-ルシフェラーゼレポーターで安定的にトランスフェクトしたもの。
【0198】
さらなる準備
HOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ細胞系の増殖および維持:
細胞は2%FBSを含有するDMEMで増殖させた。コンフルエンシー(集密度)が80%に達したら(だいたい2〜3日ごと)、細胞を標準的トリプシン処理で剥離させた。
【0199】
ウイルスストックの力価測定:
HIV-1ウイルスストックを、単位容量あたりの感染性粒子の数(RLU/mlとして表される)の概算を得るために、アッセイ系でウイルス力価を測定した。ウイルスストックを、2%FBSを含有するDMEMに希釈し、以下の「実験手順」に記載する方法でアッセイした。
【0200】
実験手順
壁面が黒い96ウェル組織培養プレートに、1ウェル当たり、2% FBSを含有するDMEM 50μl中の0.6〜1.2×103個のHOS-CD4.CCR5-LTR-ルシフェラーゼ細胞を播種し、5% CO2、37℃の加湿インキュベータに一晩おいた。翌日、試験化合物を、DMEM+2%FBS+0.2%DMSO中の2×最終濃度で、4回滴定した。滴定した化合物50μlをHOS細胞に移し、プレートを5% CO2、37℃の加湿インキュベータに1時間おいた。さらに60μlの2回滴定した化合物を、透明な壁面の96ウェル組織培養プレートに移し、60μlのHIV(適当なm.o.i.に希釈したもの)を各ウェルに添加し、十分に混合した。100μlのHIV/化合物の混合物を、100μlの細胞/化合物を含有する黒い壁面のプレートに移し換えた。プレートを5% CO2、37℃の加湿インキュベータに72時間おいた。72時間のインキュベーション後、150μlの上清を除き、50μlの再構成LUCLITE(キット試薬)を各ウェルに添加した。各プレートを密閉し、1秒/ウェルでTopcount(Packard)ルミノメーターで読み取った。
【0201】
データ解析
相対発光量(RLU)を、対照に対する%として表した。
(薬剤[ ]存在下のRLU / 薬剤不在化のRLU)*100 = 対照%
IC50 値は以下の4つの非線形回帰モデルのいずれか1つで決定した:
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))+Y2
y=Vmax*(1-(x^n/(K^n+x^n)))
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))+Y2
y=Vmax*(1-(x/(K+x)))
ここで: KはIC50、Y2はベースライン、Nはヒル係数である。
【0202】
本発明の各化合物は、上述のアッセイでそれぞれ試験した場合、少なくとも5のpIC50値をもたらすと考えられる。
試験化合物は遊離の形態でまたは塩の形態で用いる。
全ての研究は、実験動物飼育の規則(NIH publication No. 85-23、1985年の改訂版)および動物使用に対するGlaxoSmithKlineの方針に従った。
【0203】
本発明の特定の実施形態を詳細に例証し記載したが、本発明はそれらに限定されない。上述の好ましい実施形態の詳細な記述は例示のためにのみ提供したにすぎず、本発明を制限するものと解釈されてはならない。変更は当業者にとって自明であり、本発明の精神から逸脱しない全ての変更は、本明細書に添付する特許請求の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその製薬上許容される誘導体。
【化1】

[式中、
XはC1-5 アルキレン鎖であり、ここでXは場合により1個以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンで置換されてもよく、また前記C1-5 アルキレン鎖は場合により酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有してもよく;
環Aは、飽和、部分飽和、または芳香族の、1個の環員窒素原子および0〜4個の酸素、リン、硫黄または窒素から選択される追加のヘテロ原子を有する3〜7員単環式または8〜10員二環式環であり;
環Bは、図に示す窒素原子に加え、酸素原子を有し;
R1は、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、もしくは場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリールであるか、あるいは、R1およびXが一緒になって、環Aと縮合している、酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和、部分飽和もしくは芳香族の5〜6員環を形成し;
各R2は独立に、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、および場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルからなる群より選択され;また、環A上の2個の隣接するR2は場合により一緒になって、縮合された、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成するか、あるいは2個のジェミナルなR2は場合により一緒になって、スピロの、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成し、前記縮合環またはスピロ環は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
各aは独立に0〜3であり;
各bは独立に0または1であり;
Vは-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり、ただしR+は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
mは0または1であり;
nは0〜5であり;
R3はH、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルケニル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキルまたは炭素環式基、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、または場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルであり;
Yはアルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-R0)-O-、-C(=N-CN)-S-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は独立にH、場合によりR7で置換されてもよいアルキル、場合によりR7で置換されてもよいアルケニル、または場合によりR7で置換されてもよいアルキニルであり;
各R5は独立にH、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、または場合によりR6で置換されてもよいヘテロアリールから選択され;
pは1〜5であり;
各tは独立に1または2であり;
各R6は独立にハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素または硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R7は独立にハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0 (CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R8は独立にR7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)から選択され;
各R0は独立に水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、炭素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルからなる群より選択され、ここでR0のH以外の各メンバーは場合により1個以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロ、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、および-SO2N(R*)2で置換されてもよく、ここで同一窒素原子上の2個のR*は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;ならびに
各R*は独立にH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。]
【請求項2】
R1が、場合により置換されてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1がハロゲンでモノまたはジ置換されたフェニルである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R1がClでジ置換されたフェニルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
-(Y)m-R3 が以下から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項6】
-(Y)m-R3 が以下から選択される、請求項1に記載の化合物。
【化3】




【請求項7】
mが1であり、Yが-C(O)-であり、かつR3が場合により置換されてもよいアリールもしくはヘテロアリール、場合により置換されてもよいアルキル、または場合により置換されてもよいシクロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
mが1であり、Yが-(C=N-CN)-O-であり、かつR3が場合により置換されてもよいアリール、場合により置換されてもよいアルキル、場合により置換されてもよいシクロアルキル、場合により置換されてもよいヘテロアリール、または場合により置換されてもよいヘテロシクリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
mが1であり、Yが-(CH2)-であり、かつR3が場合により置換されてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
mが1であり、Yが-C(O)O-であり、かつR3が場合により置換されてもよいアルキルまたは場合により置換されてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
mが0であり、R3が場合により置換されてもよいヘテロアリールまたは場合により置換されてもよいヘテロシクリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Xが-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、または-(CH2-CH2-CH2)-である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
Xが場合により1個以上のハロゲンまたはオキソで置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
Xがハロゲンでジ置換されている、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Xがフルオロでジ置換されている、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Xが-(CF2-CH2)-である、請求項15に記載の化合物
【請求項17】
Xが場合により酸素、リン、硫黄または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、請求項13に記載の化合物。
【請求項18】
A環が以下から選択され、ここでアスタリスク(*)は、好適なしかし非限定的な置換の位置を示す、請求項1に記載の化合物。
【化4】

【請求項19】
各R2が独立に以下から選択され、ここでアスタリスクは環Aからの置換の位置を示す、請求項18に記載の化合物。
【化5】



【請求項20】
2個のジェミナルなR2を有する環Aが、以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【化6】

【請求項21】
A環がトロパンまたはピペリジンであり、それぞれが場合により1個以上のR2で置換されてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
R2と組み合わさったA環が以下から選択される、請求項21に記載の化合物。
【化7】





【請求項23】
A環が少なくとも1個の追加の窒素原子を含有し、かつA環は場合によりN置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
A環が、-(CH2)a-(Vb-R+)でN置換されている、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
環Bが以下からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【化8】

【請求項26】
抗ウイルス有効量の請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染の治療法。
【請求項27】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
有効量の請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における細菌感染の治療法。
【請求項29】
細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
医薬として有効な量の請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性疾患、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症および免疫性障害の治療法。
【請求項31】
薬物療法で使用するための、請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項32】
ウイルス感染を治療または予防するための医薬の製造における請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項33】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項31に記載の使用。
【請求項34】
細菌感染を治療または予防するための医薬の製造における請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項35】
細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項34に記載の使用。
【請求項36】
多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性疾患、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症および免疫性障害の治療または予防のための医薬の製造における請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項37】
医薬として有効な量の請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物を製薬上許容される担体とともに含む、医薬組成物。
【請求項38】
錠剤またはカプセルの形態である、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項39】
液体の形態である、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項40】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物および別の治療剤を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物のウイルス感染の治療または予防法。
【請求項41】
組成物が、以下からなる群より選択される別の治療剤を含む、請求項40に記載の方法。(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環式ヌクレオシドホスホネート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビル ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン (イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン5-イル)-シトシン(ラミブジン)、cis-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-cis-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、インディナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニルメチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン、α-インターフェロン、腎排出阻害剤、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害剤、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調整剤、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子操作された誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、グリコプロテイン120拮抗剤、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗剤、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害剤、ならびに融合阻害剤。
【請求項42】
請求項1〜24のいずれか1項に記載の化合物およびリトナビルを含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染の治療法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその製薬上許容される誘導体。
【化1】

[式中、
XはC1-5 アルキレン鎖であり、ここでXは場合により1個以上の=O、=S、-S(O)t-、アルキル、またはハロゲンで置換されてもよく、また前記C1-5 アルキレン鎖は場合により酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有してもよく;
環Aは、飽和、部分飽和、または芳香族の、1個の環員窒素原子および0〜4個の酸素、リン、硫黄または窒素から選択される追加のヘテロ原子を有する3〜7員単環式または8〜10員二環式環であり;
環Bは、図に示す窒素原子に加え、酸素原子を有し;
R1は、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、もしくは場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリールであるか、あるいは、R1およびXが一緒になって、環Aと縮合している、酸素、リン、硫黄または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和、部分飽和もしくは芳香族の5〜6員環を形成し;
各R2は独立に、-OR0、-C(O)-R0、-S(O)2-R0、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-(CH2)a-N(R0)(-Vb-R+)、-(CH2)a-(-Vb-R+)、ハロゲン、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルケニル、場合により1個以上のR7で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキル、および場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルからなる群より選択され;また、環A上の2個の隣接するR2は場合により一緒になって、縮合された、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成するか、あるいは2個のジェミナルなR2は場合により一緒になって、スピロの、飽和、部分飽和もしくは芳香族の、酸素、リン、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員環を形成し、前記縮合環またはスピロ環は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
各aは独立に0〜3であり;
各bは独立に0または1であり;
Vは-C(O)-、-C(O)O-、-S(O)2-、または-C(O)-N(R0)-であり;
R+はアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり、ただしR+は場合により1個以上のR8で置換されてもよく;
mは0または1であり;
nは0〜5であり;
R3はH、-N(R0)2、-N(R0)C(O)R0、-CN、ハロゲン、CF3、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルケニル、場合によりR7もしくは-S-アリール(場合により-(CH2)1-6-N(R0)SO2(R0)で置換されてもよい)からなる群より選択される1個以上の基で置換されてもよいアルキニル、場合により1個以上のR8で置換されてもよいシクロアルキルまたは炭素環式基、場合により1個以上のR6で置換されてもよいアリール、場合により1個以上のR6で置換されてもよいヘテロアリール、または場合により1個以上のR8で置換されてもよいヘテロシクリルであり;
Yはアルキル、アルケニル、アルキニル、-(CR4R5)p-、-C(O)-、-C(O)C(O)-、-C(S)-、-O-(CH2)0-4-C(O)-、-(CH2)0-4-C(O)-O-、-N(R0)-C(O)-、-C(O)-N(R0)-、-N(R0)-C(S)-、-S(O)t-、-O-C(=N-CN)-、-O-C(=N-R0)-、-C(=N-CN)-O-、-C(=N-R0)-O-、-C(=N-CN)-S-、-S-C(=N-CN)-、-N(R0)-C(=N-CN)-、-C(=N-CN)-、-N(R0)-C[=N-C(O)-R0]、-N(R0)-C[=N-S(O)t-R0]、-N(R0)-C(=N-OR0)-、-N(R0)-C(=N-R0)-、または-C(=N-R0)-であり;
各R4は独立にH、場合によりR7で置換されてもよいアルキル、場合によりR7で置換されてもよいアルケニル、または場合によりR7で置換されてもよいアルキニルであり;
各R5は独立にH、-C(O)-OR6、-C(O)-N(R0)2、-S(O)2-N(R0)2、-S(O)2-R0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、または場合によりR6で置換されてもよいヘテロアリールから選択され;
pは1〜5であり;
各tは独立に1または2であり;
各R6は独立にハロゲン、-CF3、-OCF3、-OR0、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-(CH2)1-6-SR0、-SCF3、-R0、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0(CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-NR0C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6CO2R0、-O-C(O)R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素または硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R7は独立にハロゲン、-CF3、-R0、-OR0、-OCF3、-(CH2)1-6-OR0、-SR0、-SCF3、-(CH2)1-6-SR0、場合によりR6で置換されてもよいアリール、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、-NO2、-CN、-(CH2)1-6-CN、-N(R0)2、-(CH2)1-6-N(R0)2、-NR0C(O)R0、-NR0 (CN)、-NR0C(O)N(R0)2、-N(R0)C(S)N(R0)2、-NR0CO2R0、-NR0NR0C(O)R0、-NR0NR0C(O)N(R0)2、-NR0NR0CO2R0、-C(O)C(O)R0、-C(O)CH2C(O)R0、-(CH2)0-6-CO2R0、-C(O)R0、-C(O)N(R0)N(R0)2、-C(O)N(R0)2、-C(O)N(R0)OH、-OC(O)R0、-C(O)N(R0)SO2R0、-OC(O)N(R0)2、-S(O)tR0、-S(O)t-OR0、-S(O)tN(R0)C(O)R0、-S(O)tN(R0)OR0、-NR0SO2N(R0)2、-NR0SO2R0、-C(=S)N(R0)2、-C(=NH)-N(R0)2、-(CH2)1-6-C(O)R0、-C(=N-OR0)-N(R0)2、-O-(CH2)0-6-SO2N(R0)2、-(CH2)1-6-NHC(O)R0、および-SO2N(R0)2からなる群より選択され、ただし同一窒素原子上の2個のR0は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;
各R8は独立にR7、=O、=S、=N(R0)、および=N(CN)から選択され;
各R0は独立に水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、炭素環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルからなる群より選択され、ここでR0のH以外の各メンバーは場合により1個以上のR*、OR*、N(R*)2、=O、=S、ハロ、CF3、NO2、CN、-C(O)R*、-CO2R*、-C(O)-アリール、-C(O)-ヘテロアリール、-C(O)-アラルキル、-S(O)t-アリール、-S(O)t-ヘテロアリール、-NR*SO2R*、-NR*C(O)R*、-NR*C(O)N(R*)2、-N(R*)C(S)N(R*)2、-NR*CO2R*、-NR*NR*C(O)R*、-NR*NR*C(O)N(R*)2、-NR*NR*CO2R*、-C(O)C(O)R*、-C(O)CH2C(O)R*、-C(O)N(R*)N(R*)2、-C(O)N(R*)2、-C(O)NR*SO2R*、-OC(O)N(R*)2、-S(O)tR*、-NR*SO2N(R*)2、および-SO2N(R*)2で置換されてもよく、ここで同一窒素原子上の2個のR*は場合により一緒になって、酸素、リン、窒素もしくは硫黄から選択される0〜4個の追加のヘテロ原子を有する5〜8員の飽和、部分飽和もしくは芳香族の環を形成し;ならびに
各R*は独立にH、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。]
【請求項2】
薬物療法で使用するための、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物および1種以上の許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項4】
薬物療法で使用するための、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
ウイルス感染を治療または予防するための医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項6】
ウイルス感染がHIV感染である、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
細菌感染を治療または予防するための医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項8】
細菌がペスト菌(Yersinia pestis)である、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
多発性硬化症、慢性関節リウマチ、自己免疫性糖尿病、慢性移植片拒絶、ぜん息、クローン病、炎症性腸疾患、慢性炎症疾患、糸球疾患、腎毒素血清腎炎、腎臓病、アルツハイマー病、自己免疫脳脊髄炎、動脈性血栓症、アレルギー性鼻炎、動脈硬化、シェーグレン症候群(皮膚筋炎)、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶、皮膚もしくは臓器の白血球浸潤を伴う癌、腺ペストおよび肺ペストを含む感染性疾患、ヒトパピローマウイルス感染症、前立腺癌、創傷治癒、筋萎縮性側索硬化症および免疫性障害の治療または予防のための医薬の製造における請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
医薬として有効な量の請求項1に記載の化合物を製薬上許容される担体とともに含む、医薬組成物。
【請求項11】
錠剤またはカプセル剤の形態である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
液体の形態である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物および別の治療剤を含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物のウイルス感染の治療または予防法。
【請求項14】
組成物が、以下からなる群より選択される別の治療剤を含む、請求項13に記載の方法。(1-α,2-β,3-α)-9-[2,3-ビス(ヒドロキシメチル)シクロブチル]グアニン[(-)BHCG、SQ-34514、ロブカビル]、9-[(2R,3R,4S)-3,4-ビス(ヒドロキシメチル)-2-オキセタノシル]アデニン(オキセタノシン-G)、非環式ヌクレオシド、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、非環式ヌクレオシドホスホネート、(S)-1-(3-ヒドロキシ-2-ホスホニル-メトキシプロピル)シトシン(HPMPC)、[[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスフィニリデン]ビス(オキシメチレン)-2,2-ジメチルプロパン酸(ビス-POM PMEA、アデフォビル ジピボキシル)、[[(1R)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸(テノフォビル)、(R)-[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-1-メチルエトキシ]メチル]ホスホン酸ビス-(イソプロポキシカルボニルオキシメチル)エステル(ビス-POC-PMPA)、リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤、2-アセチルピリジン5-[(2-クロロアニリノ)チオカルボニル)チオカルボノヒドラゾンおよびヒドロキシウレア、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT、ジドブジン)、2',3'-ジデオキシシチジン(ddC、ザルシタビン)、2',3'-ジデオキシアデノシン、2',3'-ジデオキシイノシン(ddI、ジダノシン)、2',3'-ジデヒドロチミジン(d4T、スタブジン)、(-)-β-D-2,6-ジアミノプリンジオキソラン(DAPD)、3'-アジド-2',3'-ジデオキシチミジン-5'-H-ホスホネート(ホスホノビル)、2'-デオキシ-5-ヨード-ウリジン (イドクスウリジン)、(-)-cis-1-(2-ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン5-イル)-シトシン(ラミブジン)、cis-1-(2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル)-5-フルオロシトシン(FTC)、3'-デオキシ-3'-フルオロチミジン、5-クロロ-2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロウリジン、(-)-cis-4-[2-アミノ-6-(シクロプロピルアミノ)-9H-プリン-9-イル]-2-シクロペンテン-1-メタノール(アバカビル)、9-[4-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)ブタ-1-イル]-グアニン(H2G)、ABT-606(2HM-H2G)、リバビリン、プロテアーゼ阻害剤、インディナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アンプレナビル、サキナビル、ホスアンプレナビル、(R)-N-tert-ブチル-3-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-N-[(R)-2-N-(イソキノリン-5-イルオキシアセチル)アミノ-3-メチルチオプロパノイル]アミノ-4-フェニルブタノイル]-5,5-ジメチル-1,3-チアゾリジン-4-カルボキサミド(KNI-272)、4R-(4α,5α,6β)]-1,3-ビス[(3-アミノフェニル)メチル]ヘキサヒドロ-5,6-ジヒドロキシ-4,7-ビス(フェニルメチル)-2H-1,3-ジアゼピン-2-オンジメタンスルホネート(モゼナビル)、3-[1-[3-[2-(5-トリフルオロメチルピリジニル)-スルホニルアミノ]フェニル]プロピル]-4-ヒドロキシ-6α-フェネチル-6β-プロピル-5,6-ジヒドロ-2-ピラノン(チプラナビル)、N'-[2(S)-ヒドロキシ-3(S)-[N-(メトキシカルボニル)-l-tert-ロイシルアミノ]-4-フェニルブチル-Nα-(メトキシカルボニル)-N'-[4-(2-ピリジル)ベンジル]-L-tert-ロイシルヒドラジド(BMS-232632)、3-(2(S)-ヒドロキシ-3(S)-(3-ヒドロキシ-2-メチルベンズアミド)-4-フェニルブタノイル)-5,5-ジメチル-N-(2-メチルベンジル)チアゾリジン-4(R)-カルボキサミド(AG-1776)、N-(2(R)-ヒドロキシ-1(S)-インダニル)-2(R)-フェニルメチル-4(S)-ヒドロキシ-5-(1-(1-(4-ベンゾ[b]フラニルメチル)-2(S)-N'-(tert-ブチルカルボキサミド)ピペラジニル)ペンタンアミド(MK-944A)、インターフェロン、α-インターフェロン、腎排出阻害剤、プロベネシド、ヌクレオシド輸送阻害剤、ジピリダモール、ペントキシフィリン、N-アセチルシステイン(NAC)、プロシステイン、α-トリコサンチン、ホスホノギ酸、免疫調整剤、インターロイキンII、チモシン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、エリスロポエチン、可溶性CD4およびその遺伝子操作された誘導体、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ネビラピン(BI-RG-587)、α-((2-アセチル-5-メチルフェニル)アミノ)-2,6-ジクロロ-ベンゼンアセトアミド(ロビリド)、1-[3-(イソプロピルアミノ)-2-ピリジル]-4-[5-(メタンスルホンアミド)-1H-インドール-2-イルカルボニル]ピペラジンモノメタンスルホネート(デラビルジン)、(10R,11S,12S)-12-ヒドロキシ-6,6,10,11-テトラメチル-4-プロピル-11,12-ジヒドロ-2H,6H,10H-ベンゾ(1,2-b:3,4-b':5,6-b'')トリピラン-2-オン((+)カラノリドA)、(4S)-6-クロロ-4-[1E)-シクロプロピルエテニル)-3,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2(1H)-キナゾリノン(DPC-083)、(S)-6-クロロ-4-(シクロプロピルエチニル)-1,4-ジヒドロ-4-(トリフルオロメチル)-2H-3,1-ベンズオキサジン-2-オン(エファビレンツ、DMP 266)、1-(エトキシメチル)-5-(1-メチルエチル)-6-(フェニルメチル)-2,4(1H,3H)-ピリミジンジオン(MKC-442)、および5-(3,5-ジクロロフェニル)チオ-4-イソプロピル-1-(4-ピリジル)メチル-1H-イミダゾール-2-イルメチルカルバメート(カプラビリン)、グリコプロテイン120拮抗剤、PRO-2000、PRO-542、1,4-ビス[3-[(2,4-ジクロロフェニル)カルボニルアミノ]-2-オキソ-5,8-ジナトリウムスルファニル]ナフタリル-2,5-ジメトキシフェニル-1,4-ジヒドラゾン(FP-21399)、サイトカイン拮抗剤、レチクロース(Product-R)、1,1'-アゾビス-ホルムアミド(ADA)、1,11-(1,4-フェニレンビス(メチレン))ビス-1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン八塩酸(AMD-3100)、インテグラーゼ阻害剤、ならびに融合阻害剤。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物およびリトナビルを含有する組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染の治療法。

【公表番号】特表2006−511555(P2006−511555A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−560858(P2004−560858)
【出願日】平成15年12月12日(2003.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/039740
【国際公開番号】WO2004/055011
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】