説明

CCR9活性阻害剤

医薬として有用な、式
【化1】


〔式中、残基は様々な意味を有する〕
の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCR9活性阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
胸腺発現ケモカイン(TECK)と従来記載されていたCCケモカインリガンド25(CCL25)は、CCケモカイン受容体9(CCR9)によるシグナル伝達を通じて、小腸へのT細胞帰巣(homing)に重要な役割を果たす。CCL25は、本来的に、小腸、とりわけ上皮陰窩において発現されるが、結腸および他の粘膜表面では弱いかまたはほとんど発現されない。CCR9はTECK/CCL25についての唯一の既知の受容体である。CCR9の発現は、末梢Tリンパ球の小腸への帰巣能力に強く相関する。小腸上皮内リンパ球(IEL)および固有層Tリンパ球(LPL)の大部分はCCR9であるが、血液中に循環するT細胞のごくわずかな割合がCCR9である。末梢血で見出されるCCR9T細胞は、殆ど排他的に小腸帰巣受容体αβを提示する。TECK/CCL25に対する抗体でCCR9をブロックすると、Tリンパ球の小腸への帰巣が顕著に阻害される。さらに、TECK/CCL25およびCCR9LPLの厳密な局在化は大腸よりもむしろ小腸において存在し、このことは胃腸管の異なる部分におけるリンパ球動員の異なるメカニズムを示唆している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
研究によって、炎症性腸粘膜におけるTリンパ球−内皮相互作用でのTECK/CCL25の役割も示唆されている。TNFα刺激後、TECK/CCL25発現の増加および小腸粘膜へのLPL接着の上昇が存在する。CCR9または抗−TECK/CCL25の脱感作は、小腸の微細血管へのリンパ球動員を減衰し得る。したがって、CCL25−CCR9の標的ブロックは、免疫介在性疾患、例えば腸障害、例えば自己免疫性疾患および炎症性疾患または状態における有効な治療処置を提供し得る。小腸および結腸へのTリンパ球(T細胞)浸潤は、セリアック病、食物アレルギー、リウマチ性関節炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を含むヒト炎症性腸疾患(IBD)、例えば潰瘍性直腸炎の病因と明確に関連している。CCR9によって調節されるとも記載されている疾患には、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、繊維性疾患、移植によって生じるかまたは介在される障害および疾患、例えば移植片拒絶、ならびにがん、例えば白血病(急性リンパ性白血病)、固形腫瘍、胸腺腫、胸腺癌腫が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、CCR9阻害剤としての驚くべき活性を示す化合物を見出した。
1つの局面において本発明は、化合物
【化1】

〔式中、
はチエニル、例えばチエン−2−イル、またはハロフェニル、例えばフルオロフェニルであり、
はHまたはハロ(C1−6)アルキル、例えばトリフルオロメチルであり、
はハロゲン、例えばクロロ、または(C1−6)アルコキシ、例えばメトキシであり、そして
AはOまたはCOである〕
を提供する。
【0005】
式Iの化合物において、各定義の置換基1個は、例えば互いに他の定義の置換基と独立して、好ましい置換基であってもよい。
【0006】
他の局面において本発明は、下記群から選択される式Iの化合物を提供する:
チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、および4−クロロ−N−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド。
【0007】
特に定義がない限り、本明細書においてチエニルはチエン−2−イルまたはチエン−3−イル、例えばチエン−2−イルを含む。
ハロフェニルには、1個以上のハロゲンによって置換されたフェニル、例えばハロゲン、例えばクロロでフェニル環の4位が置換されたフェニルが含まれる。
は好ましくは、フェニル環の4位に存在する。フェニル環のオルトまたはパラ位が好ましい。Rは好ましくはフェニル環のメタ位に存在する。
【0008】
本発明によって提供される化合物を、以後「本発明の化合物」と称する。本発明の化合物には、あらゆる形態、例えば遊離形、塩形、溶媒和物形、および塩かつ溶媒和物形の化合物が含まれる。
【0009】
他の局面において本発明は、塩形の本発明の化合物を提供する。
【0010】
かかる塩には好ましくは薬学的に許容される塩が含まれるが、薬学的に許容されない塩は、例えば製造/単離/精製目的で含まれる。
【0011】
本発明には、異性体形態および任意の異性体混合物の本発明の化合物が含まれる。本発明はまた、互変異性体が存在するとき、本発明の化合物の互変異性体を含む。
【0012】
他の局面において本発明は、式Iの化合物の製造法であって、下記工程
a.式
【化2】

〔式中、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物を、式
Cl−SO−R III
〔式中、Rは上記定義の通りである〕
の化合物と反応させ、反応混合物から得られる式Iの化合物を単離する工程
を含んでなる方法を提供する。
【0013】
式IIおよび式IIIの中間体(出発物質)において、官能基は、存在するとき、所望により、保護形態または塩形成基が存在するとき塩の形態で存在していてもよい。所望により存在する保護基は、適当な段階で、例えば常套の方法で、例えばそれと同様の方法で、除去することができる。
【0014】
かくして得られる本発明の化合物は、他の本発明の化合物に変換することができ、例えば遊離形で得られた本発明の化合物を本発明の化合物の塩に変換することができ、その逆も可能である。
上記反応はアミンスルホニル化反応であり、適当に、例えば常套の方法と同様に、または本明細書に記載の通りに行うことができる。
【0015】
式IIおよび式IIIの中間体(出発物質)は、既知であるか、常套の方法によって、例えば同様に、または本明細書に記載の通りに製造することができる。
本明細書に記載の全ての化合物、例えば本発明の化合物および式IIおよびIIIの中間体を、例えば常套の方法で、例えば同様に、または本明細書に記載の通りに製造することができる。
【発明の効果】
【0016】
例えば式Iの化合物を含む本発明の化合物は、薬理学的活性を示し、したがって医薬として有用である。本発明の化合物は、
−シンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPAアッセイ)
−Eu−GTP−結合アッセイ
−カルシウム可動化アッセイ(FLIPRアッセイ)
において、例えば常套の条件下で、例えば本明細書に記載の条件下で、例えばナノモルから低マイクロモルの範囲のIC50で、用量依存的阻害作用を示す。
【0017】
炎症性腸疾患処置における活性は、例えば炎症性腸疾患のSCIDマウスモデルで測定される。
【0018】
シンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPA)
SPAの原理
ケモカインは、標的細胞上の7回膜貫通Gタンパク質共役受容体(GPCR)を介してそれらの作用を調節する。GPCRへのリガンド結合は、α、βおよびγサブユニットからなるヘテロ3量体Gタンパク質でGTP/GDP交換を刺激する。アゴニスト結合GPCRは、内因性GTPの結合を可能にするαサブユニットからGDPの分離およびβγ複合体の分離を触媒することによって、グアニンヌクレオチドサイクルを開始する。Gα−GTPおよびGβγサブユニットは、アデニリルシクラーゼ、ホスホリパーゼCおよびイオンチャネルのようなエフェクターを各々活性化し得る(例えばNeer EJ, Cell; 80:249-57 (1995)参照)。Gα−GTPは、GTPをGDPに加水分解する内因性GTPアーゼ活性によって不活性化され;その後GDP含有Gタンパク質が次の活性化サイクルのために用意される。このプロセスは、加水分解抵抗性GTPアナログ、例えば5’−O−(3−[35S]チオホスフェート([35S]−GTPγS)の、目的の受容体を含む細胞膜への結合を測定することによってインビトロでモニターすることができる。GTPγSシンチレーションプロキシミティーアッセイ(SPA)は、TECKによってCCR9の活性化をモニターするための有用な機能的アッセイであることが示される。
【0019】
SPAは、生物学的プロセスの広い範囲の迅速かつ高感度のアッセイのための、均質で多目的なアッセイ技術である。アッセイフォーマットは分離工程を必要とせず、自動化可能である。受容体を有する膜は、糖タンパク部分を介して蛍光コムギ胚アグルチニン被覆ビーズ(Amersham Bioscience, #RNPQ 0001)と結合している。一旦不動化されると、受容体はビーズに十分近くに位置しているため、アゴニストに結合したGPCRがグアニンヌクレオチドサイクルを開始すると、[35S]GTPγS(Amersham Bioscience, # SJ1308)は膜に結合する。放射活性分子は、崩壊粒子がビーズのシンチラントを刺激して、発光するように十分近接して保持されており、その光はPMTに基づくシンチレーションカウンターで測定される。未結合放射性リガンドは、エネルギーを移転するにはビーズから遠すぎて、検出されない。
【0020】
細胞および細胞培養
ヒトCCR9受容体でトランスフェクトしたマウス前B細胞300−19を、細胞培養フラスコ中懸濁液(162cm細胞培養フラスコ中100mlの懸濁液)で、37℃で5%CO2を含む湿潤環境で、ペニシリン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(0.1mg/ml)、L−グルタミン(最終濃度4.5mM)、10%FBS、1mM ピルビン酸ナトリウム、0.05μM 2−メルカプトエタノール、1.5μg/ml プロマイシンおよび20mM HEPESを補ったRPMI 1640培地で培養する。細胞は、膜製造のために12代まで使用可能である(すなわち、CCR受容体密度は許容できる程に十分に高い)。CCR9発現をFACS分析で、Alexa Fluor 647−結合マウス抗ヒトCCR9抗体を用いてモニターする。CCR9発現は、Alexa Fluorアイソタイプ対照に対してFACSで50%以上陽性細胞でなければならない。概算によると、1:30〜1:50希釈を用いた10×10細胞/mlの培養物を分割してもよく、2〜3日後に出発細胞密度に到達する(スピナーフラスコ培養では4〜5日)。細胞を8〜10×10細胞/mlの密度で、300〜1000gで10分間の遠心分離によって収穫する。一般的に細胞を、約1×1010細胞に達するまで培養および拡大する。合併した細胞ペレットを冷PBS(カルシウムおよびマグネシウムなし)で1回洗浄し、ピペッティングで冷膜バッファーに、約2×10細胞/mlで再懸濁し、ドライアイスで凍結し、−80℃で貯蔵する。
【0021】
膜バッファー
膜バッファー pH=7.5(1000ml):7.5mM Tris、12.5mM MgCl2、0.3mM EDTA、1mM EGTA、250mM ショ糖、滅菌ろ過し、+4℃で貯蔵する。
ホモジナイゼーションバッファー(50ml):
膜バッファー45ml+10%グリセロール
【0022】
膜の製造
細胞懸濁溶液を丈夫な管に取り、各溶液をホモジナイズする。ホモジネートを遠沈管に移し、10分間1000gで遠心分離する。上清を回収する。新しい膜バッファー20mlを各ペレットに加え、元の丈夫な管に移し、ホモジナイズし、もう一度遠心分離する。合併した上清を40000gで30分間遠心分離する。各ペレットを冷ホモジナイゼーションバッファー3mlに、加圧型ホモジナイザーで再懸濁する。均一な懸濁液(BIO RADアッセイ、BSA参照)中のタンパク質濃度を測定する。ブラッドフォード法(Microassay Procedure)。概算によると、1×1010細胞が膜中10〜20mgのタンパク質をもたらす。アリコートを−80℃で貯蔵する。
【0023】
化合物試験に最適のバッファーおよび溶液
HEPES/BSAバッファー:50mM HEPES(pH7.4)、50μg/ml BSA
2.5×アッセイバッファー:50mM HEPES pH7.4、50μg/ml BSA、25mM MgCl、25μM GDP、250mM NaCl、375μg/mlサポニン
TECK:PBS中0.1%BSAで製造して、GTP結合アッセイ用の20倍TECK溶液を得る。化合物試験のために、7.4μMのTECKの濃度を用いて、反応中0.37μMの最終濃度を得る。
【0024】
化合物希釈:試験化合物を、アッセイ中最終濃度が最高で100倍で、DMSに溶解する。これらの濃化合物溶液の連続希釈をDMSOで行い、これをHEPES/BSAバッファーで5倍希釈して20%(v/v)の濃度のDMSOを含む20倍濃度化合物溶液を製造する。アッセイ中DMSO最終濃度は1%(v/v)である。
膜希釈:使用前に、膜(原液2.4mg/ml;バッチCCR9−1)をHEPES/BSAバッファーで希釈して60μg/mlとする。この膜50μlを各ウェルに加える。(膜バッチCCR9−1について、3μg/ウェルの最終アッセイ濃度)。
化合物試験の最終アッセイ条件:50mM HEPES pH7.4、50μg/ml BSA、100mM NaCl、10mM MgCl、10μM GDP、150μg/ml サポニン、0.37μM TECKおよび3μg/ウェル膜。
【0025】
アッセイプロトコル
アッセイを、0時点フォーマットで行い、これはそれぞれ、試験サンプル、膜、放射性リガンドおよびビーズを個別に、プレインキュベーションを行なうことなく順次添加することを含む。
【0026】
簡単に説明すると、膜をアゴニストおよび化合物の存在下で、[35S]GTPγSおよびシンチレーションビーズと共に、1時間室温で、振動ミキサーでインキュベートする。液体操作ロボットを用いて下記試薬を下記順で、96ウェルWhite&Clear Isoplate(Wallac, #1450-515)に加える:
40μl アッセイバッファー(20mM HEPES pH7.5、100mM NaCl、10mM MgCl、1μ MGDP、10μg/ml サポニン、50μg/ml BSA)
10μl アゴニストHuman TECK/CCL25,25μg/ml(R&D Systems, #334-TK-025)
50% DMSO中10μl サンプル
アッセイバッファー中50μl 膜、60μg/ml
アッセイバッファー中50μl [35S]GTPγS、1nM
アッセイバッファー中40μl ビーズ懸濁液 18.75mg/ml。
インキュベーション後、プレートを5分間1000×gで遠心分離し、MicroBeta Counter(EG&G Wallac)でParaLux SPAカウンティングモードで測定する。
【0027】
データ分析
データ分析をExcel fit 4.0ソフトウェアパッケージ(Microsoft)で行う。アッセイの実験窓の質を決定するために、Z’因子を対照データ(基礎値および刺激値)のみを用いて計算する。このアッセイについて、Z’は0.73と見積もられ、これは大きな分離バンドおよび全体に優れたアッセイ品質であることを示す。
【0028】
Eu−GTP結合アッセイ
Eu−GTP結合アッセイの原理
Gタンパク質活性化を測定するための、非放射性、非加水分解性ユーロピウム標識GTPアナログ、Eu−GTPを用いた時間分解蛍光分析法。
【0029】
材料
RPMI 1640培地(粉末から製造、Gibco #074-01800)
ペニシリン/ストレプトマイシン溶液、液体(Gibco #15140-122)
FBS(認証(certified)、Gibco[#16000]から入手し、加熱不活性化する)
ピルビン酸ナトリウム(Gibco #11360-039)
プロマイシン(選択マーカーとして使用する;Sigma #P-8833)
完全プロテアーゼ阻害剤(Roche #1697498)
Alexa Fluor 647−結合マウス抗ヒトCCR9抗体(Pharmingen #557975)
Alexa Fluor 647−結合IgG2アイソタイプ対照(BD Pharmingen #557715)
TECK(aa24-150-his6, BMP Tool Protein Data base #BTP04-005213、TECK原液溶液(5mg/ml;〜350μM)のアリコート、−80℃で貯蔵。
BSA(Roche Diagnostics GmbH #775827)
Eu−GTP(Perkin-Elmer Life Sciences, Wallac, Turku, Finland;製品コード:AD0260)キット、下記成分を含む:
Eu−GTP(1.65nmol)、凍結乾燥Eu−GTPを蒸留水に再構成してEu−GTP濃度10μMを得た。再構成Eu−GTPのアリコートを−20℃で貯蔵した。
GDP(2.3μmol)
凍結乾燥GDPを蒸留水で再構成してGFP濃度2mMを得た。再構成GDPのアリコートを−20℃で貯蔵した。
VICTOR(商標)V Multilabel Counter(Perkin-Elmer Life Sciences, Wallac, Turku, Finland)
MultiScreen Vacuum Manifold(Millipore #MAVM 096OR)
【0030】
細胞および細胞培養
「シンチレーション近接アッセイ(SPA)」の「細胞および細胞培養」に記載の通りに行う。
膜バッファーおよびホモジナイゼーションバッファー
「シンチレーション近接アッセイ(SPA)」の「膜バッファーおよびホモジナイゼーションバッファー」に記載の通りに行う。
膜の製造
「シンチレーション近接アッセイ(SPA)」の「膜の製造」に記載の通りに行う。
化合物試験に最適のバッファーおよび溶液
「シンチレーション近接アッセイ(SPA)」の「化合物試験に最適のバッファーおよび溶液」に記載の通りに行う。
Eu−GTP:使用前にEu−GTP原液をHEPES/BSAバッファーで100nMに希釈する。GTP洗浄液:10×GTP洗浄液を蒸留水で1:10に希釈し、氷で冷却する。
【0031】
化合物試験のためのEu−GTP結合アッセイプロトコル
Eu−GTP結合アッセイを、最終体積100μlで、Acro−Wellフィルタープレートで行う。アッセイ成分をウェルに、下記順で加える:
40μl アッセイバッファー(2.5×)を各ウェルに加える(ウェルB2からG12)。5μl TECK(7.4μM)を列2〜11のウェルに加え、アッセイ中TECKの最終濃度は0.37μMである。5μl 0.1% BSAを列12のカラムに加え、これを基礎対照として使用する。5μl 各化合物濃度(20%DMSOの最終濃度の20倍)を3連で、列3〜11に加える(すなわち濃度あたり3ウェル)。5μl 20% DMSOを列2および12のウェルに加え、これを各々刺激および基礎対照として使用する。全ウェルにおいて最終DMSO濃度は1%(v/v)である。50μl 膜(3μg/サンプル)を全ウェルに加え、マイクロタイタープレートシェーカー(MS1 Minishaker)で800rpmで短時間混合する。プレートを30分間、300rpmでゆっくりと軌道プレートシェーカー(MTS 2/4 デジタルマイクロタイターシェーカー)で攪拌しながらインキュベートする。ウェルあたり10μlの100nM Eu−GTPを加えて最終濃度10nMとする。プレートをさらに30分間、300rpmでゆっくりと軌道プレートシェーカーで攪拌しながらインキュベートする。反応を真空ろ過で終了し、フィルタープレートを2回、真空ろ過によって、ウェルあたり300μlの氷冷GTP洗浄バッファーで洗浄する。フィルターに保持されているEu−GTPを、VICTOR(商標) V Multilabel Counter(340nm励起/615nm発光、0.4msディレイ、0.4msウィンドウ)で、洗浄工程後30分以内に測定する。
【0032】
表A(プレートレイアウト)
【表1】

【0033】
データ分析
アゴニスト刺激によって引き起こされる実際のEu−GTP結合シグナル(=a)を、基礎結合(=b)と比較し、そして最終的な結果を基礎結合に対する割合として計算する
[基礎に対する割合=(a/b×100)−100]。
【0034】
各試験化合物についての基礎結合に対して計算されたパーセント刺激に対する用量応答曲線を、ExcelアドオンプログラムXLfit(商標)(ID Business Solutions, Guilford, Surrey, UK)を用いて、4パラメーターロジスティック方程式(Model205)にフィッティングする:
y=A+((B−A)/(1+((C/x))))
ここで、xは濃度値であり、yはx値に対応する基礎結合に対するパーセント刺激である。
【0035】
フィットするパラメーターは:
A:曲線の底平坦部、B:曲線の上平坦部、C:曲線の中央でのxの値(すなわち、平坦部の上と下の中間)、D:傾斜因子(Hill係数とも知られる)である。
アッセイのIC50を、TECKを含む溶媒対照と、刺激なしの溶媒対照の中間点と定義する。
【0036】
Z’値を、各実験の対照データのみを用いて計算する(6個の基礎値よび6個の刺激値)。Z’は全アッセイにおいて0.56〜0.79の間で変化する。
【0037】
カルシウム移動アッセイ
a)カルシウム移動アッセイの原理
ケモカイン受容体は百日咳毒素(PTX)感受性Gαiタンパク質共役7−膜貫通受容体である。多くの研究は、ほとんどのケモカインおよび複数の細胞タイプにおいて、細胞質性細胞内カルシウム濃度([Ca2+)の上昇を含む様々なシグナル伝達経路の活性化を示す。このプロセスをインビトロで、([Ca2+レベルをカルシウム感受性蛍光染料を介して、蛍光分析イメージングプレートリーダー(FLIPR)を用いてモニターすることができる。MOLT−4細胞における細胞内カルシウム移動は、FLIPR技術を用いて測定されるとおり、CCR9のTECKによる活性化をモニターするための有用な機能的アッセイであることが示される。
【0038】
b)細胞および細胞培養
ヒトT細胞白血病系MOLT−4をAmerican Type Culture Collection(ATCC, Manassas, VA)から得る。MOLT−4細胞を、10% FCS、2mM L−グルタミン、100U/ml ペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを補ったRPMI−1640である培地中で、37℃、5%COで培養する。ヒト血清アルブミン(HSA)をZLB Behring(Vienna, Austria)から20%溶液として得る。
【0039】
c)カルシウム移動アッセイプロトコル
下記溶液を製造する:
・ HPSS:7.01g NaCl、0.4g KCl、0.2g MgSO.7HO、4.76g HEPES、2g グルコース. HO(1L)
・ ワークバッファー(WB):600ml HPSS+0.9ml 1M CaCl+12ml 1M HEPES。
・ %BSA/WB:60ml WB+0.06g ウシ血清アルブミン(BSA; Sigma A7906)。
・ プロベニシド(Probenicid)原液:356mg プロベニシド+2.5ml 1N NaOH+2.5ml WB。
・ プロベニシドバッファー:350ml WB+3.5ml プロベニシド原液。
・ Fluo−4溶液:50μg Fluo−4、AM+0.025ml DMSO+0.025ml Pluronic F−127(Invitrogen/Molecular Probes # P3000MP;DMSO中20%として供給)。
・ 染料溶液:105ml 培地+1.05ml プロベニシド原液+2.1ml 1M HEPES+0.21ml Fluo−4溶液。
・ TECK:0.1%BSA/WBで製造する。
【0040】
MOLT−4細胞を収穫し、製造業者の指示書に従ってFluo−4/アセトキシメチルエステル(Fluo−4/AM)でロードする(Invitrogen/Molecular Probes, Eugene, OR)。簡単に説明すると、細胞を染料溶液中で60分間、37℃、5%COでインキュベートする(3mlあたり1×10細胞)。その後、細胞をプロベニシドバッファーで2回洗浄し、96ウェルアッセイプレート(透明な底、黒色ポリスチレンプレート;Corning Costar #3603)に2×10細胞でウェルあたり0.075mlピペットで取り、1分あたり1200回転で3〜4分間遠心分離して、細胞をプレートの底に均一に分散させる。プレートを60分間、暗所で室温(RT)でインキュベートして、細胞内AMエステルを脱エステル化する。試験化合物を第1にDMSOに溶解し、細胞プレートに注入した後(0.025ml/ウェル)0.006mlのこれらのDMSO原液を0.194ml WB(±HSA)に希釈する。30分間暗所、RTでインキュベーションした後、細胞内Ca2+移動を、FLIPR装置(Molecular Devices, Ismaning/Munich, Germany)を用いてTECKを注入した後(少なくともEC80の最大有効濃度近くにする)、モニターする。基底線リーディングを25秒間回収し(3.5秒インターバル)、その後TECK(0.025ml/ウェル)を加え、TECK注入後に80秒間、1秒インターバルで回収する。蛍光リーディングを標準的な設定で行い、全てのデータを式を用いて正規化する:
【0041】
d)計算
カルシウム応答=[Fmax−Fmin]/Fmin
ここで、Fmaxは最大蛍光応答を意味し、Fminは最小、基底線蛍光を意味する。各試験化合物についてのカルシウム応答データの用量応答曲線を、ExcelアドオンプログラムXLfit(商標)(ID Business Solutions, Guilford, Surrey, UK)を用いて、4パラメーターロジスティック方程式(Model205)にフィッティングして、IC50値を決定する。
【0042】
本発明の化合物は、本明細書に記載のアッセイにおいて活性を示し、そして本発明の化合物はCCR9活性によって調節される障害の処置に治療活性を示す傾向がある。
CCR9活性によって調節される障害およびCCR9阻害剤によって成功裏に処置される傾向がある障害には、例えばCCR9活性が原因的または寄与的な役割を果たす障害、例えばCCR9のCCL25との結合が関係する障害、例えば対象におけるCCR9介在性白血球帰巣によって調節される疾患が含まれる。
本明細書で使用される障害には、疾患が含まれる。
【0043】
CCR9活性によって調節される傾向がある障害には例えば、下記のものが含まれる:−炎症に関係する障害
例えば(慢性)炎症性障害、例えば気管支炎を含む気管支の炎症に関連する障害、例えば子宮頸管炎を含む頸部の炎症に関連する障害、結膜の炎症に関連する障害、例えば結膜炎、食道の炎症に関連する障害、例えば食道炎、心筋の炎症に関連する障害、例えば心筋炎、直腸の炎症に関連する障害、例えば直腸炎、強膜の炎症に関連する障害、例えば強膜炎、骨を含む歯肉炎、肺炎(肺胞炎)、気道の炎症、例えば喘息、例えば気管支喘息、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、炎症性皮膚障害、例えば接触過敏症、アトピー性皮膚炎;繊維性疾患(例えば、肺線維症)、脳炎、炎症性骨溶解、
【0044】
−免疫系の状態に関係する障害
免疫障害、例えば自己免疫性障害、例えばグレーブス病、橋本病(慢性甲状腺炎)、多発性硬化症、リウマチ性関節炎、関節炎、痛風、骨関節炎、強皮症、狼瘡症候群、全身性紅斑性狼瘡、シェーグレン症候群、乾癬、クローン病を含む炎症性腸疾患、大腸炎、例えば潰瘍性大腸炎;敗血症、感染性ショック、自己免疫性溶血性貧血(AHA)、自己抗体誘発性じんま疹、天疱瘡、腎炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、強直性脊椎炎、ライター症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、サイトカイン介在性毒性、インターロイキン2毒性、円形脱毛症、ブドウ膜炎、扁平苔癬、類天疱瘡、重症筋無力症、I型糖尿病、免疫介在性不妊症、例えば早期閉経、多内分泌腺機能低下、甲状腺機能低下、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡(pemphigus l-oliaceus)、腫瘍随伴性天疱瘡、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)に関連するものを含む自己免疫性肝炎、アジソン病、自己免疫性皮膚疾患、例えば乾癬、疱疹状皮膚炎、表皮水疱症、線状IgA水疱性皮膚疾患、後天性表皮水疱症、子供の慢性水疱性疾患、悪性貧血、溶血性貧血、白斑、1型、2型および3型自己免疫性多内分泌腺症候群、自己免疫性副甲状腺機能低下、自己免疫性下垂体炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性睾丸炎、妊娠性類天疱瘡、瘢痕性類天疱瘡、混合型本態性クリオグロブリン血症、免疫血小板減少性紫斑病、グッドパスチャー症候群、自己免疫性好中球減少症、イートン−ランバート筋無力症候群、スティッフマン症候群、脳脊髄炎、急性播種性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、小脳変性、網膜症、原発性硬化性胆管炎、硬化性胆管炎自己免疫性肝炎、グルテン感受性腸疾患、反応性関節炎(arthritides)、多発性筋炎/皮膚筋炎、混合性結合組織疾患、ベーチェット症候群、結節性動脈炎、アレルギー性血管炎(anguitis)および肉腫芽症(チャーグ−ストラウス疾患)、重複多発性血管炎症候群(過敏症)脈管炎、ウェグナー肉腫芽症、側頭動脈炎、川崎病、サルコイドーシス、寒冷症、セリアック病、
【0045】
−サイトカイン介在性毒性に関係する障害、
例えばインターロイキン2毒性、
−骨に関係する障害、
例えば骨粗鬆症、骨関節炎、
−脳および神経に関係する障害、
−神経変性障害、例えば中枢神経系の障害および末梢神経系の障害、例えば中枢神経感染、脳傷害、脳血管障害およびそれらの結果を含むCNS障害、パーキンソン病、大脳皮質基底核変性症、運動ニューロン疾患、ALSを含む認知症、多発性硬化症、外傷および外傷の炎症性結果を含む外傷性障害、外傷性脳損傷、卒中、卒中後、外傷後脳損傷、
小血管脳血管疾患、摂食障害;さらなる認知症、例えばアルツハイマー病、血管性痴呆、レヴィー小体認知症、前頭側頭骨性痴呆およびクロモソーム17に結合したパーキンソニズム、ピック病を含む前頭側頭骨性痴呆、進行性神経麻痺、大脳皮質基底核変性症、ハンチントン病、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症、コルサコフ精神病、
認知関係障害、例えば軽度認識障害、加齢性記憶障害、加齢性認知欠損、血管性認識障害、注意欠損症、注意欠損多動性障害、および子供における学習障害を伴う記憶障害;視床下部・下垂体・副腎系軸に関係する状態、
【0046】
−神経障害、例えばニューロン移動障害、低血圧(筋緊張減少)、筋力低下、発作、発育遅延(肉体的または精神的発育障害)、精神遅滞、成長障害、採餌困難、リンパ水腫、小頭症、頭部および脳に影響する症状、運動機能障害;
−眼に関係する障害、
例えばぶどう膜網膜炎、硝子体網膜症、角膜疾患、虹彩炎、虹彩毛様体炎、白内障、ブドウ膜炎、糖尿病性網膜症、網膜色素変性、結膜炎、角膜炎、
【0047】
−胃腸管に関係する障害
例えば大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、胃炎、食道炎、
−心臓および血管状態に関係する障害
−例えば心臓血管障害、例えば心不全、心臓梗塞、心臓肥大、心不全、例えば、基礎疾患とは関係なく、急性および慢性の、右側または左側の、収縮期または拡張期の高拍出量および低拍出量のような全ての形態の心臓拍出不全;心筋梗塞(MI)、MI予防(1次または2次的予防)、MIの急性処置、合併症の予防;心臓障害、増殖性血管障害、脈管炎、結節性多発性動脈炎、虚血の炎症性結果、虚血性心臓疾患、心筋梗塞、卒中、末梢血管疾患、肺高血圧、
虚血性障害、例えば心筋虚血、例えば安定狭心症、不安定狭心症、狭心症、気管支炎;無症候性不整脈、例えば全ての形態の動脈及び静脈不整脈、心房性頻脈、心房粗動、心房細動、房室リエントリー性頻脈、早期興奮症候群、心室性頻脈、心室粗動、心室細動、徐脈形態の不整脈;不整脈、慢性閉塞性肺疾患、
収縮期または拡張期高血圧のような高血圧、例えば本態性および二次性高血圧、例えば高血圧性血管障害、例えば本態性および腎臓、内分泌系、神経性および他の全ての種類の二次性動脈高血圧;
動脈および/または静脈流量が減少して血液供給と組織の酸素要求のアンバランスをもたらす末梢血管障害、例えば動脈硬化、慢性末梢動脈閉塞疾患(PAOD)、急性動脈血栓症および塞栓症、炎症性血管障害、レイノー現象および静脈障害;アテローム性動脈硬化症、血管壁がリモデルされる疾患、例えば血管壁内膜における細胞蓄積、平滑筋細胞および単球/マクロファージ炎症性細胞;
高血圧、
【0048】
−肝臓および腎臓に関係する障害、
例えば腎障害、腎臓障害、例えば急性腎不全、急性腎疾患、肝臓障害、例えば肝硬変、肝炎、肝不全、胆汁うっ帯、急性/慢性肝炎、硬化性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変、急性/慢性間質性/糸球体腎炎、肉芽腫疾患、
−胃または膵臓状態に関係する障害
例えば、胃障害、例えば胃潰瘍、消化器潰瘍、膵臓障害、膵臓疲労、
【0049】
−呼吸管および肺に関係する障害
例えば肺の障害、慢性肺疾患、急性(成人)呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、喘息性気管支炎、気管支拡張症、びまん性間質性肺障害、塵肺症、繊維化性肺胞炎、肺線維症、
−皮膚および結合組織状態に関係する障害
例えば湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、乾癬、ざ瘡、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、チャーグ−ストラウス症候群、日焼け、皮膚がん、創傷治癒、じんま疹、中毒性表皮剥離症、
【0050】
−アレルギー状態に関係する障害、
例えば遅延型過敏症、アレルギー性結膜炎、薬剤アレルギー、鼻炎、アレルギー性鼻炎、脈管炎、接触性皮膚炎;
−血管新生に関係する障害、
例えば血液供給能力の不足、修飾血管新生によって特徴付けられる障害、血管新生が関係する腫瘍、
【0051】
−がんおよび細胞過増殖に関係する障害
例えば前がん状態、過増殖性障害、原発性または転移性がん、子宮頸部転移性がん、制御されない細胞増殖によってもたらされるがん、例えばWO02066019に記載の、固形腫瘍、例えば非小細胞肺がん、子宮頸部がん;腫瘍増殖、リンパ腫、B細胞またはT細胞リンパ腫、良性腫瘍、良性非増殖性障害、腎臓がん、食道がん、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、乳がん、結腸がん、肺がん、黒色腫、鼻咽頭がん、骨がん、卵巣がん、子宮がん;前立腺癌、皮膚がん、白血病、腫瘍新血管形成、血管腫、骨髄異形性障害、通常死誘導シグナルに対する無応答(不死化)、細胞運動性および侵襲性高進、遺伝的不安定、脱制御遺伝子発現、(神経)内分泌系がん(カルチノイド)、血液がん、リンパ性白血病、神経芽腫;軟組織がん、転移の予防、
−糖尿病状態に関係する障害、
例えば、糖尿病(I型糖尿病、II型糖尿病)、糖尿病性網膜症、インシュリン依存性糖尿病、糖尿病、妊娠性糖尿病)、インシュリン分泌不全、肥満;
【0052】
−子宮内膜症(endiometriosis)精巣機能障害に関係する障害、
−感染性障害、例えば慢性感染性状態に関係する障害、
例えば細菌性障害、中耳炎、ライム病、甲状腺炎、ウイルス性障害、寄生性障害、真菌性障害、マラリア、例えばマラリア貧血、敗血症、重症敗血症、感染性ショック、例えば内毒素誘導性感染性ショック、外毒素誘導性毒性ショック、感染性(真性敗血性)ショック、グラム陰性菌によって引き起こされる感染性ショック、骨盤炎症性疾患、AIDS、腸炎、肺炎;髄膜炎、脳炎、リンパフィラリア感染、
−重症筋無力症に関係する障害、
−腎炎に関係する障害、
例えば糸球体腎炎、腸腎炎、ウェグナー肉腫芽症、線維症、
【0053】
−疼痛に関係する障害、
例えばCNS障害に関係する障害、例えば多発性硬化症、脊髄損傷、坐骨神経痛、腰部手術不成功症候群、外傷性脳損傷、てんかん、パーキンソン病、卒中後、ならびに脳および脊髄の血管損傷(例えば、梗塞、出血、血管奇形);
非中枢神経因性疼痛、例えば乳房切除後疼痛に関係するもの、幻感覚、反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)、三叉神経痛神経根障害(radioculopathy)、術後疼痛、HIV/AIDS関連疼痛、がん疼痛、代謝性神経障害(例えば、糖尿病性神経障害、脈管ニューロパシー二次的ないし結合性組織疾患)、例えば肺がんまたは白血病、またはリンパ腫、または前立腺がん、結腸がんまたは胃がんに関係する腫瘍随伴性多発性神経障害、三叉神経痛、頭部神経痛、およびヘルペス後神経痛;
末梢神経損傷に関係する疼痛、中心性疼痛(すなわち脳虚血のための)および様々な慢性疼痛、すなわち、腰痛、背中疼痛(腰部疼痛)、炎症性および/またはリウマチ性疼痛;
頭痛疼痛(例えば、前兆を伴う偏頭痛、前兆のない偏頭痛、および他の偏頭痛障害)、一過性および慢性緊張性頭痛、緊張性様頭痛、群発性頭痛、および慢性発作性偏頭痛;
内臓疼痛、例えば膵臓炎、腸炎、膀胱炎、月経困難症、過敏性腸症候群、クローン病、胆石疝痛、尿管疝痛、心筋梗塞および骨盤腔疼痛症候群、例えば外陰部疼痛、精巣痛、尿道症候群15および前立腺痛;
急性疼痛、例えば術後疼痛、および外傷後疼痛;
【0054】
−リウマチ性障害に関係する障害
例えば関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節炎、乾癬性関節炎、結晶性関節炎、痛風、偽痛風、ピロリン酸カルシウム沈着症、狼瘡症候群、全身性エリテマトーデス、硬化症、強皮症、多発性硬化症、関節硬化症、動脈硬化症、脊椎関節症、全身性硬化症、反応性関節炎、ライター症候群、強直性脊椎炎、多発性筋炎、
−サルコイドーシスに関係する障害、
−移植に関係する障害、
例えば移植片拒絶および移植後の他の障害、例えば臓器または組織(異種)移植片拒絶、例えば例えば心臓、肺、心肺、肝臓、腎臓、膵臓、皮膚の受容者の処置、角膜移植、移植片対宿主病、例えば骨髄移植後、虚血性再灌流障害、
【0055】
−受胎調節(排卵抑制による)。
排卵の抑制は障害ではないが、受胎調節(排卵抑制による)は、本発明の「CCR9活性によって調節される傾向がある障害」の定義に含まれることを意味する。
【0056】
CCR9活性によって調節される傾向がある障害には、例えば好ましくは、下記のものが含まれる:
−自己免疫性障害、
−炎症性障害、
−アレルギー性障害、
−移植後障害、
−がん;
より好ましくは自己免疫性障害、炎症性障害、移植後障害;
例えばセリアック病、食物アレルギー、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、繊維性疾患、移植後の疾患、GVH拒絶、がん、白血病(急性リンパ性白血病)、固形腫瘍、カルチノイド、胸腺腫、胸腺がん、
好ましくはIBD、例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、例えば潰瘍性直腸炎。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
他の局面において本発明は、下記のものを提供する:
−医薬として使用するための本発明の化合物、
−医薬としての本発明の化合物の使用、
−例えばCCR9活性によって調節される障害の処置用医薬の製造のための本発明の化合物の使用;
例えばCCR9活性によって調節される障害、例えばCCRのCCL25との結合の妨害に関係する障害、例えば対象における白血球のCCR9介在性帰巣によって調節される障害の処置のための、本発明の化合物。
CCR9活性によって調節される障害の処置用。
【0058】
他の局面において、本発明は炎症性腸疾患の処置用医薬の製造のための本発明の化合物を提供する。
【0059】
医薬的使用のために、1個以上の本発明の化合物を、例えば2個以上の本発明の化合物の組合せを使用することができ、好ましくは1個の本発明の化合物を使用する。
【0060】
本発明の化合物は医薬組成物の形態で医薬として使用することができる。
【0061】
他の局面において本発明は、本発明の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、例えば適当な担体および/または希釈剤、例えば増量剤、結合剤、崩壊剤、流動調節剤、滑沢剤、糖または甘味剤、芳香剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調節のための塩、および/またはバッファーと共に含んでいる医薬組成物を提供する。
【0062】
他の局面において本発明は、下記のものを提供する:
−CCR9活性によって調節される障害の処置に使用するための、本発明の医薬組成物。
−CCR9活性によって調節される障害の処置のための、本発明の医薬組成物の使用;
−炎症性腸疾患の処置のための、本発明の化合物を含む医薬組成物の使用。
−CCR9活性によって調節される障害の処置のための、本発明の化合物を含む医薬組成物の使用。
【0063】
障害(疾患)の処置は、本明細書において使用するとき、予防(防止)を含む。
かかる処置のための、適当な投与量は、当然、例えば使用する本発明の化合物の化学的性質および薬物動力学データ、個々の宿主、投与形態ならびに処置する状態の性質および重症度に依存して変化する。しかし、一般的に、大型哺乳類、例えばヒトにおける満足のいく結果のために、適用される1日用量は、
−約0.0001g〜約1.5g、例えば0.001g〜1.5g、
−約0.001mg/kg体重〜約20mg/kg体重、例えば0.01mg/kg体重〜20mg/kg体重、
の範囲の本発明の化合物が含まれ、例えば1日4回までの別個の投与量で投与する。
本発明の化合物を大型哺乳類、例えばヒトに、CCR9活性の他のメディエーター、例えば低分子量阻害剤で通常使用されるものと同様の投与形態で投与することができる。
【0064】
さらなる局面において、本発明は、CCR9活性によって調節される障害、例えば上記障害の処置法であって、かかる処置を必要とする対象に治療上有効量の本発明の化合物を、例えば医薬組成物の形態で、投与することを含んでなる方法を提供する。
【0065】
他の局面において本発明は、下記のものを提供する:
CCR9活性によって調節障害の処置用
−医薬、例えば医薬組成物の製造のための本発明の化合物、
−医薬、例えば医薬組成物の製造のための本発明の化合物の使用。
【0066】
さらなる局面において本発明は、炎症性腸疾患の処置法であって、かかる処置を必要とする対象に治療上有効量の本発明の化合物を、例えば医薬組成物の形態で、投与することを含んでなる方法を提供する。
【0067】
本発明の化合物をあらゆる常套の経路、例えば経腸、例えば経鼻、頬側、直腸、経口投与;非経腸、例えば静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、皮下、骨内輸液、経皮(表皮を通じた分散)、経粘膜(粘膜を通じた分散)、吸入投与;局所;例えば皮膚上、鼻腔内、気管内投与;腹腔内(腹腔への輸液または注射);硬膜外(硬膜外)(硬膜空間への注射または輸液);髄腔内(脳脊髄液への注射または輸液);硝子体内(眼を通じた投与);または医薬デバイスを通じて、例えば局所送達のために、例えばステントで、例えばコーティング錠剤または非コーティング錠剤、カプセル剤、(注射用)溶液、輸液溶液、固体溶液、懸濁剤、分散剤、固体分散剤の形態で;例えばアンプル、バイアルの形態で、クリーム、ゲル、ペースト、吸入粉末、泡、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレーの形態で、または座薬の形態で投与することができる。
局所的使用、例えば眼への投与について、満足のいく結果を、0.5〜10%、例えば1〜3%の濃度の活性物質の、1日複数回、例えば1日2〜5回の局所投与で得ることができる。
【0068】
本発明の化合物を薬学的に許容される塩の形態で、例えば酸付加塩または金属塩;または遊離形;所望により溶媒和物形態で、投与することができる。塩形の本発明の化合物は、遊離形の、所望により溶媒和物形の本発明の化合物と同程度の活性を示す。
【0069】
本発明の化合物を、本明細書に記載のあらゆる方法または使用のために、単独で、または1種以上の、少なくとも1種の、他の第2の薬剤物質との組合せで使用することができる。
【0070】
他の局面において本発明は下記のものを提供する:
−本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質の組合せ剤;
−本発明の化合物を、少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せで含む医薬組合せ剤;
−本発明の化合物を、少なくとも1種の第2の薬剤物質と1種以上の薬学的に許容される賦形剤との組合せで含む医薬組成物;
−例えば本明細書に定義のあらゆる方法において使用するための、例えば医薬組合せ剤または組成物の形態で、少なくとも1種の第2の薬剤物質と組み合わせられる本発明の化合物
−本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質を含む、医薬として使用するための組合せ剤、医薬組合せ剤または医薬組成物;
−例えば医薬組合せ剤または組成物の形態で、少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せにおける本発明の化合物の、医薬としての使用;
−第2の薬剤物質との組合せにおける使用のための例えば本明細書に記載のあらゆる治療処置用医薬の製造のための、本発明の化合物の使用;
−必要とする対象におけるCCR9活性によって調節される障害の処置法であって、治療上有効量の本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質を医薬組合せ剤または組成物の形態で、同時にまたは逐次的に共投与することを含んでなる方法;
−CCR9活性によって調節される障害に使用する医薬の製造における使用のための、医薬組合せ剤または組成物の形態で少なくとも1種の第2の薬剤物質と組合せられる本発明の化合物。
【0071】
組合せ剤には、本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が同じ製剤である固定された組合せ剤;本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が異なる製剤で同じパッケージで、例えば共投与のための指示書と共に提供される、キット;および本発明の化合物と少なくとも1種の第2の薬剤物質が別個にパッケージされているが、同時または逐次投与のための指示書が与えられる、自由組合せ剤が含まれる。
【0072】
他の局面において本発明は、下記のものを提供する:
−本発明の化合物である第1の薬剤物質と、少なくとも1種の第2の薬剤物質、そして組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−本発明の化合物、そして少なくとも1種の第2の薬剤物質との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ;
−少なくとも1種の第2の薬剤物質、そして本発明の化合物との組合せ投与のための指示書を含む医薬パッケージ。
【0073】
本発明の組合せ剤での処置は、1個での処置と比較して改善を提供し得る。
【0074】
他の局面において本発明は、下記のものを提供する:
−相乗的治療効果を生み出すのに適当な量の本発明の化合物と、当該量の第2の薬剤物質を含む医薬組合せ剤;
−本発明の化合物の治療有用性を改善するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物と第2の薬剤物質を例えば同時に、または逐次的に共投与することを含んでなる方法。
−第2の薬剤物質の治療有用性を改善するための方法であって、治療上有効量の本発明の化合物と第2の薬剤物質を例えば同時に、または逐次的に共投与することを含んでなる方法。
【0075】
本発明の組合せ剤および組合せパートナーとしての第2の薬剤物質を、あらゆる常套の経路で、例えば本発明の化合物について記載のとおりに、投与することができる。第2の薬剤を適当な投与量で、例えば1個の処置について使用されるものと同じ投与量で、または例えば相乗効果の場合、常套の投与量以下で、投与することができる。
【0076】
本発明の医薬組成物を、例えば常套の方法で、例えば同様に、例えば混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥方法によって製造することができる。単位投与形態は、例えば約0.1mg〜約1500mg、例えば1mg〜1000mg含む。
本発明の組合せ剤を含む医薬組成物および本明細書に記載の第2の薬剤物質を含む医薬組成物を、適当に、例えば常套の方法で、例えば同様に、または本発明の医薬組成物について記載のように、提供することができる。
【0077】
「第2の薬剤物質」なる用語は、化学治療薬剤、とりわけ本発明の薬剤以外のあらゆる化学治療薬剤を意味する。
例えば、第2の薬剤物質は、本明細書において使用するとき、下記のものを含む:
−本発明の化合物以外の他のCCR9阻害剤、例えば抗体および低分子量化合物、
−抗炎症剤および/または免疫調節剤、
−抗アレルギー剤、
−抗がん剤、
−麻酔薬、
−止痢薬。
【0078】
IBD処置について、「第2の薬剤物質」なる用語は、抗炎症剤および/または免疫調節剤、例えばIBD予防もしくは処置に活性である薬剤、および/またはIBDの発現、例えばIBD症状の処置に活性である薬剤、例えば麻酔薬または止痢薬を含むことを意味する。
【0079】
本発明の化合物との組合せで有用である傾向がある抗炎症剤および/または免疫調節剤には、例えば下記のものが含まれる:
−mTOR活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えば式
【化3】

のラパマイシンおよびラパマイシン誘導体、例えば
40−O−アルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−ヒドロキシアルキル−ラパマイシン誘導体、例えば40−O−(2−ヒドロキシ)−エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、
32−デオキソ−ラパマイシン誘導体および32−ヒドロキシ−ラパマイシン誘導体、例えば32−デオキソラパマイシン、
16−O−置換ラパマイシン誘導体、例えば16−ペント−2−イニルオキシ−32−デオキソラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−ラパマイシン、16−ペント−2−イニルオキシ−32(SまたはR)−ジヒドロ−40−O−(2−ヒドロキシエチル)−ラパマイシン、
40位の酸素機でアシル化されているラパマイシン誘導体、例えば40−[3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)−2−メチルプロパノエート]−ラパマイシン(CCI779とも知られている)、
40位でヘテロシクリルで置換されているラパマイシン誘導体、例えば40−エピ−(テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT578とも知られている)、
いわゆるラパログ、例えばWO9802441、WO0114387およびWO0364383、例えばAP23573、および
TAFA−93、AP23464、AP23675、AP23841およびビオリムス(例えばビオリムスA9)という名称で開示されている化合物;
【0080】
−カルシニューリンのメディエーター、例えば阻害剤、例えば.シクロスポリンA、FK506;
−免疫抑制特性を有するアスコマイシン、例えばABT−281、ASM981;
−コルチコステロイド;シクロホスファミド;アザチオプレン;レフルノミド;ミゾリビン;
−ミコフェノール酸または塩;例えばナトリウム、ミコフェノール酸モフェチル;
−15−デオキシスペルグアリンまたはその免疫抑制ホモログ、アナログまたは誘導体;
【0081】
−bcr−ablチロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
−c−kit受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤;
−PDGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばGleevec(イマチニブ);
−p38 MAPキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−VEGF受容体チロシンキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−PKC活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばWO0238561またはWO0382859に記載のもの、例えば実施例56または70の化合物;
−JAK3キナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形の、N−ベンジル−3,4−ジヒドロキシ−ベンジリデン−シアノアセトアミドα−シアノ−(3,4−ジヒドロキシ)−]N−ベンジルシンナモアミド(Tyrphostin AG 490)、プロジギオシン25−C(PNU156804)、[4−(4’−ヒドロキシフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P131)、[4−(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン](WHI−P154)、[4−(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒドロキシルフェニル)−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン]WHI−P97、KRX−211、例えばモノサイトレートの、3−{(3R,4R)−4−メチル−3−[メチル−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−アミノ]−ピペリジン−1−イル}−3−オキソ−プロピオニトリル(CP−690,550とも呼ばれる)、またはWO2004052359もしくはWO2005066156に記載の化合物;
【0082】
−S1P受容体活性のメディエーター、例えばアゴニストまたは調節剤、例えば所望によりリン酸化されたFTY720またはそのアナログ、例えば所望によりリン酸化された2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチル−1,3−プロパンジオールまたは1−{4−[1−(4−シクロヘキシル−3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシイミノ)−エチル]−2−エチル−ベンジル}−アゼチジン−3−カルボン酸またはその薬学的に許容される塩;
−免疫抑制性モノクローナル抗体、例えば白血球受容体、例えばBlys/BAFF受容体、MHC、CD2、CD3、CD4、CD7、CD8、CD25、CD28、CD40、CD45、CD52、CD58、CD80、CD86、IL−12受容体、IL−17受容体、IL−23受容体またはそれらのリガンドに対するモノクローナル抗体;
−他の免疫調節化合物、例えばCTLA4またはその変異体の細胞外ドメインの少なくとも一部、例えば少なくともCTLA4またはその変異体の非CTLA4タンパク質配列、例えばCTLA4Ig(例えばATCC 68629)またはその変異体、例えばLEA29Yと結合している細胞外部分を有する組換え結合分子;
【0083】
−接着分子活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばLFA−1アンタゴニスト、ICAM−1または−3アンタゴニスト、VCAM−4アンタゴニストまたはVLA−4アンタゴニスト、
−MIF活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−5−アミノサリチル酸塩(5−ASA)剤、例えばスルファサラジン、Azulfidine(登録商標)、Asacol(登録商標)、Dipentum(登録商標)、Pentasa(登録商標)、Rowasa(登録商標)、Canasa(登録商標)、Colazal(登録商標)、例えばメサラミンを含む薬剤;例えばヘパリンと組み合わせるメサラジン;
−TNFアルファ活性のメディエーター、例えば阻害剤、例えばTNFアルファと結合する抗体、例えばインフリキシマブ(Remicade(登録商標))、サリドマイド、レナリドマイド、
−酸化窒素放出性非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、例えばCOX阻害NO供与薬剤(CINOD);
【0084】
−ホスホジエステラーゼ、例えばPDE4B活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−カスパーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−タンパク質共役受容体GPBAR1のメディエーター、例えばアゴニスト、
−セラミドキナーゼ活性のメディエーター、例えば阻害剤、
−多機能抗炎症剤(MFAID)、例えば細胞質型ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害剤、例えばグリコサミノグリカンと結合した膜アンカーホスホリパーゼA2阻害剤;
【0085】
−抗生物質、例えばペニシリン、セファロスポリン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、スルホンアミド、例えばスルファジアジン、スルホイソキサゾール;スルホン、例えばダプソン;プレウロムチリン(pleuromutilin)、フルオロキノロン、例えばメトロニダゾール、キノロン、例えばシプロフロキサシン;レボフロキサシン;プロバイオティクスおよび共生細菌、例えば乳酸菌、乳酸菌ロイテリ菌(Lactobacillus reuteri);
−抗ウイルス剤、例えばリビビリン、ビダラビン、アシクロビル、ガンシクロビル、ザナミビル、リン酸オセルタミビル、ファムシクロビル、アタザナビル、アマンタジン、ジダノシン、エファビレンツ、ホスカネット、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ジドブジン。
【0086】
本発明の化合物との組合せで有用である傾向がある抗炎症剤には、例えば非ステロイド抗炎症剤(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシン酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロフェン、オキサプロフェン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、およびチオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、フェンクロジン酸(fenclozic acid)、フェンチアザク、フロフェナク、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナク、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタジンおよびゾメピラク)、フェナミン酸誘導体(フルフェナミン酸、メクロフェナミン酸、メフェナミン酸、ニフルミン酸およびトルフェナミン酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサルおよびフルフェニサル)、オキシカム(oxicam)(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカムおよびテノキシカム)、サリチル酸塩(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)およびピラゾロン(アパゾン、ベンズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン);シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害剤、例えばセレコキシブ;ホスホジエステラーゼタイプIV(PDE−IV)の阻害剤;ケモカイン受容体アンタゴニスト、とりわけCCR1、CCR2、およびCCR3;コレステロール低下剤、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチンおよびプラバスタチン、フルバスタチンアトルバスタチンおよび他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(sequestrant)(コレスチルアミンおよびコレスチポール)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラト、フェノフィブレートおよびベンズアフィブラート)、およびプロブコール;抗コリン作動性薬剤、例えばムスカリンアンタゴニスト(イプラトロピウムブロマイド);他の化合物、例えばテオフィリン、スルファサラジンおよびサリチル酸アミノ、例えば5−アミノサリチル酸およびそのプロドラッグ、抗リウマチ剤が含まれる。
【0087】
本発明の化合物との組合せで有用である傾向がある抗アレルギー剤には、例えば抗ヒスタミン剤(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えばブロモフェニルアミン、クロロフェニルアミン、デキシコールフェニルアミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニルアミンピリルアミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、および非ステロイド性抗喘息剤、例えばβ2−アゴニスト(テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロールおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロマイド、ロイコトリエンアンタゴニスト(ザフィルルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカスト、SKB−106,203)、ロイコトリエン生合成阻害剤(ジレウトン、BAY−1005);気管支拡張剤、抗喘息剤(マスト細胞安定化剤)が含まれる。
【0088】
本発明の化合物との組合せ剤として有用である傾向がある抗がん剤には、例えば
i.ステロイド;例えばプレドニゾン。
ii.アデノシンキナーゼ阻害剤;核塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸代謝を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えば7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン,5−ヨード−7−β−D−リボフラノシルとしても知られている5−ロドツベルシジン(lodotubercidin)。
iii.アジュバント;5−FU−TS結合を高進するもの、およびアルカリンホスファターゼを標的とする、減少するまたは阻害する化合物、例えばロイコボリン、レバミソール。
【0089】
iv.副腎皮質アンタゴニスト;副腎皮質の活性を標的とする、減少するまたは阻害し、そしてコルチコステロイドの末梢代謝を変化して17−ヒドロキシコルチコステロイドを減少するもの、例えばミトタン。
v.AKT経路阻害剤;例えばタンパク質キナーゼB(PKB)としても知られているAktを標的とする、減少するまたは阻害する化合物、例えば3H−ビス[1]ベンゾピラノ[3,4−b:6’,5’−e]ピラン−7(7aH)−オン,13,13a−ジヒドロ−9,10−ジメトキシ−3,3−ジメチル−,(7a、13aS)としても知られるデグエリン;および1,4,5,6,8−ペンタアザエースナフチレン−3−アミン,1,5−ジヒドロ−5−メチル−1−β−D−リボフラノシルとしても知られているトリシリビン。
【0090】
vi.アルキル化剤;DNAのアルキル化を引き起こしてDNA分子を破壊し、および二本鎖と架橋してDNA複製およびRNA転写に干渉するもの、例えばナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファラン、エストラムスチン(Emcyt(登録商標));ニトロソウレア、例えばカルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(ストレプトゾシン、STZ、Zanosar(登録商標))、BCNU;Gliadel;デカルバジン、例えば塩酸形のメクロレタミン、例えば塩酸形のプロカルバジン、チオテパ、テモゾロミド(TEMODAR(登録商標))、ミトマイシン、アルトレタミン、ブスルファン、エストラムスチン、ウラムスチン。シクロホスファミドは例えば、CYCLOSTIN(登録商標)の商標名で;そしてイフォスファミドはHOLOXAN(登録商標)として、例えば市販されている形態で投与することができる。
【0091】
vii.血管新生阻害剤;新血管形成を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばメチオニンアミノペプチダーゼ−2(MetAP−2)、マクロファージ炎症性タンパク質−1(MIP−1アルファ)、CCL5、TGF−ベータ、リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼおよびトポイソメラーゼを標的とするもの、またはp21、p53、CDK2およびコラーゲン合成酵素を間接的に標的とするもの、例えば2,4,6,8−デカテトラエンジオン酸モノ[(3R,4S,5S,6R)−5−メトキシ−4−[(2R,3R)−2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2.5]オクト−6−イル]エステル,(2E,4E,6E,8E)−(9CI)としても知られているフマギリン;1,4−ナフタレンジオン,5,8−ジヒドロキシ−2−[(1R)−1−ヒドロキシ−4−メチル−3−ペンテニル]−(9CI)としても知られているシコニン;安息香酸2−[[3−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−オキソ−2−プロペニル]アミノ]としても知られているトラニラスト;ウルソール酸;スラミン;ベンガミドまたはその誘導体、サリドマイド、TNP−470。
【0092】
viii.抗アンドロゲン剤;正常および悪性前立腺組織の増殖を刺激する副腎および睾丸臓器のアンドロゲン作用をブロックするもの、例えばニルタミド;ビカルタミド(CASODEX(登録商標))、これは例えばUS4636505に記載のとおりに製剤することができる。
【0093】
ix.抗エストロゲン剤;エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの効果に拮抗するもの、例えばエストロゲン生産、すなわち基質のアンドロステンジオンおよびテストステロンのそれぞれエストロンおよびエストラジオールへの変換を阻害する、アロマターゼインヒビター、
例えばアタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、アタメスタン、エキセメスタン、フォルメスタン、アミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、トレミフェン;ビカルタミド;フルタミド;タモキシフェン、タモキシフェンサイトレート;タモキシフェン;フルベストラント;ラロキシフェン、ラロキシフェンヒドロクロライド。タモキシフェンは例えば市販されている形態、例えばNOLVADEX(登録商標)で;そしてラロキシフェンヒドロクロライドはEVISTA(登録商標)として市販されている形態で投与することができる。フルベストラントはUS4659516に記載されているとおりに製剤することができ、FASLODEX(登録商標)として市販されている。
x.抗高カルシウム血症剤;高カルシウム血症の処置に使用するもの、例えばガリウム(III)ナイトレート水和物;およびパミドロネートジナトリウム。
【0094】
xi.代謝拮抗剤;DNAの合成を阻害または妨害して細胞死をもたらすもの、例えば葉酸、例えばメトトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド;プリン、例えば6−メルカプトプリン、クラドリビン、クロファラビン;フルダラビン、チオグアニン(チオグアニン)、6−チオグアニン、ペントスタチン(デオキシコフォルマイシン);シタラビン;フレクスウリジン;フルオロウラシル;5−フルオロウラシル(5−FU)、フロクスウリジン(5−FUdR)、カペシタビン;ゲムシタビン;ゲムシタビンヒドロクロライド;ヒドロキシウレア(例えばHydrea(登録商標));DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;エダトレキサート。カペシタビンおよびゲムシタビンは、例えばXELODA(登録商標)およびGEMZAR(登録商標)のような市販の形態で投与することができる。
xii.アポトーシス誘導剤;細胞死を導く細胞の通常の連続事象を誘導するもの、例えば選択的誘導性X架橋哺乳類アポトーシスタンパク質XIAPの阻害剤、または例えば下方制御BCL−xL;例えばエタノール、2−[[3−(2,3−ジクロロフェノキシ)プロピル]アミノ];ガンボギン酸;2,5−シクロヘキサジエン−1,4−ジオン,2,5−ジヒドロキシ−3−ウンデシル−(9CI)としても知られているエムベリン;アルセン酸トリオキシド。
【0095】
xiii.オーロラキナーゼ阻害剤;G2/Mチェックポイントから有糸分列チェックポイントおよび分裂後期までの全体の細胞サイクル後期を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばメタンイミドアミド、N’−[1−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−シアノ−1H−ピラゾール−5−イル]−N,N−ジメチル−(9CI)としても知られているビヌクレイン2。
xiv.ブルートン(Bruton)チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤;ヒトおよびマウスB細胞成長を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばテルレ酸(terreic acid)。
xv.カルシニューリン阻害剤;T細胞活性化経路を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばシクロプロパンカルボン酸、3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチル−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても知られているシペルメトリン;プロパンカルボン酸、3−(2,2−ジブロモエテニル)−2,2−ジメチル−(S)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステル,(1R,3R)としても知られているデルタメトリン;ベンゼン酢酸、4−クロロ−α−(1−メチルエチル)−シアノ(3−フェノキシフェニル)メチルエステルとしても知られているフェンバレレート;およびチルホスチン8;ただしシクロスポリンまたはFK506を除く。
【0096】
xvi.CaMキナーゼII阻害剤;CaMキナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;これはホスホリラーゼキナーゼ、ミオシン軽鎖キナーゼ、およびCaMキナーゼI−IVを含む構造的に関連する酵素のファミリーを構成する;例えば5−イソキノリンスルホン酸、4−[(2S)−2−[(5−イソキノリニルスルホニル)メチルアミノ]−3−オキソ−3−(4−フェニル−1−ピペラジニル)プロピル]フェニルエステル(9CI);ベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。
xvii.CD45チロシンホスファターゼ阻害剤;様々な炎症性および免疫障害の処置に有用である、Srcファミリータンパク質チロシンキナーゼの脱リン酸化制御pTyr残基を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばホスホン酸、[[2−(4−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル]ヒドロキシメチル]。
xviii.CDC25ホスファターゼ阻害剤;腫瘍において過剰に発現した脱リン酸サイクリン依存性キナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば1,4−ナフタレンジオン、2,3−ビス[(2−ヒドロエチル)チオ]。
【0097】
xix.CHKキナーゼ阻害剤;抗アポトーシスタンパク質Bcl−2の過剰発現を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばデブロモヒメニアルジシン(hymenialdisine)。CHKキナーゼ阻害剤の標的はCHK1および/またはCHK2である。
xx.ゲニステイン、オロムシンおよび/またはチルホスチンを制御する調節薬剤;例えば4H−1−ベンゾピラン−4−オンとして知られているダイドゼイン、7−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニル);Iso−OlomoucineおよびTyrphostin1。
xxi.シクロオキシゲナーゼ阻害剤;例えばCox−2阻害剤;酵素Cox−2(シクロオキシゲナーゼ−2)を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば1H−インドール−3−アセトアミド、1−(4−クロロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチル−N−(2−フェニルエチル);5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX(登録商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(登録商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ;または5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブ;およびセレコキシブ。
【0098】
xxii.cRAFキナーゼ阻害剤;E−セレクチンおよびTNFによって誘導される血管接着分子−1の上方制御を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば3−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシベンジリデン)−5−ヨード−1,3−ジヒドロインドール−2−オン;およびベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]。Rafキナーゼは、細胞分化、増殖およびアポトーシスにおける細胞外シグナル制御キナーゼとして重要な役割を果たす。cRAFキナーゼ阻害剤の標的には、これに限定されないが、RAF1が含まれる。
【0099】
xxiii.サイクリン依存性キナーゼ阻害剤;哺乳類細胞サイクルの制御に関与するサイクリン依存性キナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばN9−イソプロピル−オロモウシン(olomoucine);オロモウシン;安息香酸、2−クロロ−4−[[2−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル]アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−6−イル]アミノ]−(9CI)としても知られているプルバラノールB;ロアスコビチン;2H−インドール−2−オン,3−(1,3−ジヒドロ−3−オキソ−2H−インドール−2−イリデン)−1,3−ジヒドロ−(9CI)としても知られているインジルビン;インドロ[3,2−d][1]ベンズアゼピン−6(5H)−オン,9−ブロモ−7,12−ジヒドロ−(9CI)としても知られているケンパウロン;1−ブタノール、2−[[6−[(3−クロロフェニル)アミノ]−9−(1−メチルエチル)−9H−プリン−2−イル]アミノ]−3−メチル−(2R)−(9CI)としても知られているプルバラノールA;インジルビン−3’−モノオキシム。細胞サイクル進行は、サイクリン依存性キナーゼ(Cdk)およびサイクリンの活性化および続く不活性化を含む一連の連続事象によって制御される。Cdkは、活性ヘテロダイマー複合体をそれらの制御サブユニット、サイクリンと結合することによって形成するセリン/スレオニンキナーゼのグループである。サイクリン依存性キナーゼ阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、CDK、AHR、CDK1、CDK2、CDK5、CDK4/6、GSK3ベータおよびERKが含まれる。
【0100】
xxiv.システインプロテアーゼ阻害剤;哺乳類細胞代謝回転およびアポトーシスに極めて重要な役割を果たすシステインプロテアーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば4−モルホリンカルボキサミド,N−[(1S)−3−フルオロ−2−オキソ−1−(2−フェニルエチル)プロピル]アミノ]−2−オキソ−1−(フェニルメチル)エチル]。
xxv.DNA挿入剤;DNAと結合してDNA、RNAおよびタンパク質合成を阻害するもの;例えばプリカマイシン、デクチノマイシン。
【0101】
xxvi.DNA螺旋崩壊剤;DNA螺旋切断を引き起こして、DNA合成を阻害、RNAおよびタンパク質合成を阻害するもの;例えばブレオマイシン。
xxvii.E3リガーゼ阻害剤;プロテアソームにおける分解のためにそれらをマーキングするユビキチン鎖のタンパク質への転移を阻害するE3リガーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばN−((3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル)プロピオニル)スルファニルアミド。
xxviii.内分泌系ホルモン;主に下垂体で作用することによってオスのホルモンの抑制(正味の影響はテストステロンの去勢レベルへの減少である)を引き起こし、メスにおいては卵巣エストロゲンおよびアンドロゲン合成を阻害するもの;例えばロイプロリド;メゲストロール、酢酸メゲストロール。
【0102】
xxix.上皮増殖因子ファミリー受容体チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロダイマーとしてのEGFR、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物、例えばEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンドと結合する化合物、タンパク質または抗体、およびとりわけ、一般的かつ具体的に下記開示の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体:WO 9702266、例えば実施例39の化合物、EP0564409、WO9903854、EP0520722、EP0566226、EP0787722、EP0837063、US5747498、WO9810767、WO9730034、WO9749688、WO9738983、およびとりわけ、WO9630347、例えばCP358774と知られている化合物、WO9633980、例えばZD1839と知られている化合物;およびWO 9503283、例えばZM105180と知られている化合物、例えば二重作用チロシンキナーゼ阻害剤(ErbB1およびErbB2)ラパチニブ(GSK572016)、例えばラパチニブジトシレート;パニツズマブ、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、セツキシマブ、イレッサ、OSI−774、CI1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3またはE7.6.3、7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体、例えばWO03013541に開示のもの、エルロチニブ、ゲフィチニブ。エルロチニブは例えばTARCEVA(登録商標)として、そしてゲフィチニブはIRESSA(登録商標)として、市販されている形態で投与することができる。上皮増殖因子受容体に対するヒトモノクローナル抗体には、ABX−EGFRが含まれる。
【0103】
xxx.EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;例えばチルホスチン23、チルホスチン25、チルホスチン47、チルホスチン51およびとりわけAG825を含むEGFRキナーゼ阻害剤;2−プロペンアミド、2−シアノ−3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−N−フェニル−(2E);チルホスチンAg1478;ラベンズスチンA;3−ピリジンアセトニトリル、α−[(3,5−ジクロロフェニル)メチレン]−、(αZ);EGFR、PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、例えばチルホスチン46が含まれる。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤にはチルホスチン46が含まれる。EGFRキナーゼ阻害剤の標的には、グアニリルシクラーゼ(GC−C)、HER2、EGFR、PTKおよびチューブリンが含まれる。
【0104】
xxxi.ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;Rasタンパク質を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばa−ヒドロキシファルネシルホスホン酸;ブタン酸、2−[[(2S)−2−[[(2S,3S)−2−[[(2R)−2−アミノ−3−メルカプトプロピル]アミノ]−3−メチルペンチル]オキシ]−1−オキソ−3−フェニルプロピル]アミノ]−4−(メチルスルホニル)−,1−メチルエチルエステル、(2S);マヌマイシンA;L−744,832またはDK8G557、チピファルニブ(R115777)、SCH66336(ロナファルニブ)、BMS−214662、
xxxii.Flk−1キナーゼ阻害剤;Flk−1チロシンキナーゼ活性を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば2−プロペンアミド、2−シアノ−3−[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(1−メチルエチル)フェニル]−N−(3−フェニルプロピル)−(2E)。Flk−1キナーゼ阻害剤の標的には、これに限定されないが、KDRが含まれる。
【0105】
xxxiii.グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)阻害剤;グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK3)を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばインジルビン−3’−モノオキシム。グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3;タウタンパク質キナーゼI)、高度に保存され、偏在的に発現しているセリン/スレオニンタンパク質キナーゼが、多数の細胞プロセスのシグナル変換カスケードに関与する。タンパク質キナーゼは、タンパク質合成、細胞増殖、細胞分化、微小管凝集/解離、およびアポトーシスを含む様々な細胞機能アレイの制御に関与することが示されている。
【0106】
xxxiv.ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤;ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖性活性を有するもの;例えばWO0222577に記載の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびN−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、およびそれらの薬学的に許容される塩;スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA);[4−(2−アミノ−フェニルカルバモイル)−ベンジル]−カルバミン酸ピリジン−3−イルメチルエステルおよびその誘導体;ブチル酸、ピロキサミド、トリコスタチンA、オキサムフラチン、アピシジン、デプシペプチド;デプデシン;トラポキシン、シクロ[L−アラニル−D−アラニル−(□S,2S)−□−アミノ−□−オキソオキシランオクタノイル−D−プロリル](9CI)としても知られているHCトキシン;フェニルブチレートナトリウム、スベロイルビス−ヒドロキサム酸;Trichostatin A、BMS−27275、ピロキサミド、FR−901228、バルプロン酸。
【0107】
xxxv.HSP90阻害剤;HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とする、減少するまたは阻害するもの;HSP90クライアントタンパク質をユビキチンプロテアーゼ経路を介して分解する、標的とする、減少するまたは阻害するもの。HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物は、とりわけHSP90のATPアーゼ活性を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば17−アリルアミノ,17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。HSP90阻害剤の他の例には、ゲルダナマイシン、17−デメトキシ−17−(2−プロペニルアミノ)が含まれる。HSP90阻害剤の潜在的な間接標的には、FLT3、BCR−ABL、CHK1、CYP3A5*3および/またはNQ01*2が含まれる。ニロチニブはBCR−ABLチロシンキナーゼ阻害剤の例である。
【0108】
xxxvi.I−カッパB−アルファキナーゼ阻害剤(IKK);NF−カッパBを標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えば2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−(2E)。
xxxvii.インシュリン受容体チロシンキナーゼ阻害剤;ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ、微小管関連タンパク質、およびS6キナーゼの活性を調節するもの;例えばヒドロキシル−2−ナフタレニルメチルホスホン酸、LY294002。
xxxviii.c−Jun N末端キナーゼ(JNK)キナーゼ阻害剤;Jun N末端キナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばピラゾールアントロンおよび/またはエピガロカテキンガラート。Jun N末端キナーゼ(JNK)、セリン指向タンパク質キナーゼがリン酸化およびc−JunおよびATF2の活性化に関与し、そして代謝、増殖、細胞分化およびアポトーシス代謝における重要な役割を有する。JNKキナーゼ阻害剤の標的は、これに限定されないが、DNMTが含まれる。
【0109】
xxxix.微小管結合剤;有糸分列および中間期細胞機能に必須である微小管ネットワークの妨害によって作用するもの;例えばビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、硫酸ビンブラスチン;ビンクリスチン、硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;ビノレルビン;タキサン、例えばドセタキセル;パクリタキセル;ディスコデルモリド;コヒチン、エポチロンおよびその誘導体、例えばエポチロンBまたはその誘導体。パクリタキセルはTAXOL(登録商標)として;ドセタキセルは例えばTAXOTERE(登録商標);硫酸ビンブラスチンは例えばVINBLASTIN R.P(登録商標);そして硫酸ビンクリスチンは例えばFARMISTIN(登録商標)として市販されている。また、パクリタキセルのガレヌス製剤およびパクリタキセルの様々な形態が含まれる。パクリタキセルのガレヌス形態には、これに限定されないが、塩酸ベタキソロールが含まれる。パクリタキセルの様々な投与形態には、これらに限定されないが、ABRAXANE(登録商標)として市販されているアルブミンナノパーティクルパクリタキセル;ONXOL(登録商標)、CYTOTAX(登録商標)が含まれる。ディスコデルモリドを例えばUS5010099に記載の通りに得ることができる。また、US6194181、WO98/0121、WO9825929、WO9808849、WO9943653、WO9822461およびWO0031247に記載のエポチロン誘導体を含む。エポチロンAおよび/またはBがとりわけ好ましい。
【0110】
xl.マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ阻害剤;マイトジェン活性化タンパク質を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばベンゼンスルホンアミド、N−[2−[[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロペニル]メチル]アミノ]メチル]フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−メトキシ。マイトジェン活性化タンパク質(MAP)キナーゼは、様々な細胞外刺激に応答して活性化され、細胞表面から核へのシグナル伝達を仲介するタンパク質セリン/スレオニンキナーゼのグループである。それらは、炎症、アポトーシス性細胞死、発がん遺伝子形性、腫瘍細胞侵襲および転移を含む様々な生理的および病的細胞減少を制御する。
【0111】
xli.MDM2阻害剤;MDM2とp53腫瘍サプレッサーの相互作用を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばトランス−4−ヨード,4’−ボラニル−カルコン。
xlii.MEK阻害剤;MAPキナーゼMEKのキナーゼ活性を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばソラフェニブ、例えばNexavar(登録商標)(ソラフェニブトシレート)、ブタンジニトリル、ビス[アミノ[2−アミノフェニル)チオ]メチレン]。MEK阻害剤の標的には、これに限定されないが、ERKが含まれる。MEK阻害剤の間接的な標的には、これに限定されないが、サイクリンD1が含まれる。
【0112】
xliii:マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMP)阻害剤;ポリペプチド結合の加水分解を選択的に触媒するプロテアーゼ酵素のクラス(腫瘍周辺の組織構造の喪失を促進し、腫瘍増殖、血管新生および転移を促進する酵素MMP−2およびMMP−9を含む)を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばブタンジアミド、N−4−ヒドロキシ−N1−[(1S)−1−[[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−メチルプロピル]−2−ペンチル−、(2R)−(9CI)としても知られているアクチノニン;エピガロカテキンガラート;コラーゲンペプチド模倣物、および非ペプチド模倣阻害剤;テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣阻害剤、バチマスタト;およびその経口的に生物利用可能なアナログ、マリマスタト、プリマスタト,メタスタト、ネオバスタト、タノマスタト、TAA211、BMS−279251、BAY12−9566、MMI270BまたはAAJ996。MMP阻害剤の標的には、これに限定されないが、ポリペプチドデホルミラーゼが含まれる。
【0113】
xliv.NGFRチロシンキナーゼ阻害剤;神経増殖因子依存性p140c−trkチロシンリン酸化反応を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばチルホスチンAG879。NGFRチロシンキナーゼ阻害剤の標的には、これらに限定されないが、HER2、FLK1、FAK、TrkA、および/またはTrkCが含まれる。間接的標的はRAF1の発現を阻害する。
xlv.SAPK2/p38キナーゼ阻害剤を含むp38MAPキナーゼ阻害剤;MAPKファミリーのメンバーであるp38−MAPKを標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばフェノール、4−[4−(4−フルオロフェニル)−5−(4−ピリジニル)−1H−イミダゾール−2−イル]。SAPK2/p38キナーゼ阻害剤の例には、これに限定されないが、ベンズアミド、3−(ジメチルアミノ)−N−[3−[(4−ヒドロキシベンゾイル)アミノ]−4−メチルフェニル]が含まれる。MAPKファミリーのメンバーは、チロシンおよびスレオニン残基のリン酸化によって活性化されるセリン/スレオニンキナーゼである。このキナーゼは、様々な細胞ストレスおよび炎症性刺激によってリン酸化および活性化され、アポトーシスおよび炎症性応答のような重要な細胞応答の制御に関与すると考えられている。
【0114】
xlvi.p56チロシンキナーゼ阻害剤;T細胞発生および活性化に重要なリンパ特異的srcファミリーチロシンキナーゼである、p56チロシンキナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば2−アントラセンカルボキシアルデヒド,9,10−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1メトキシ−9,10−ジオキソ、Tyrphostin46としても知られているダムナカンタール(damnacanthal)。p56チロシンキナーゼ阻害剤の標的は、これに限定されないが、Lckである。LckはCD4、CD8およびIL−2受容体のベータ鎖の細胞質ドメインに関係し、TCR介在性T細胞活性化の初期段階に関与すると考えられている。
【0115】
xlvii.PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤;C−kit受容体チロシンキナーゼ(PDGFRファミリーの一部)の活性を標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばc−Kit受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とする、減少するまたは阻害するもの、とりわけc−Kit受容体を阻害するもの。PDGFRチロシンキナーゼ阻害剤(例えばチルホスチンAG1296;チルホスチン9;1,3−ブタジエン−1,1,3−トリカルボニトリル,2−アミノ−4−(1H−インドール−5−イル);N−フェニル−2−ピリミジン−アミン誘導体、例えばイマチニブ、IRESSA(登録商標))の標的の例には、これらに限定されないが、PDGFR、FLT3および/またはc−KITが含まれる。PDGFは細胞増殖、走化性、および正常細胞における生存の制御、ならびにがん、アテローム性動脈硬化症、および繊維性疾患のような様々な疾患状態において重要な役割を果たしている。PDGFファミリーは二量体アイソフォーム(PDGF−AA、PDGF−BB、PDGF−AB、PDGF−CC、およびPDGF−DD)を構成し、これは2個の受容体チロシンキナーゼと異なって結合することによって細胞硬化を発揮する。PDGFR−αおよびPDGFR−βはそれぞれ170および180kDaの分子量を有する。
【0116】
xlviii.ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤;PI 3キナーゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば3H−フロ[4,3,2−デ]インデノ[4,5−h]−2−ベンゾピラン−3,6,9−トリオン,11−(アセチルオキシ)−1,6b,7,8,9a,10,11,11b−オクタヒドロ−1−(メトキシメチル)−9a,11b−ジメチル−,(1S,6bR,9aS,11R,11bR)−(9CI)としても知られているウォルトマンニン(wortmannin);8−フェニル−2−(モルホリン−4−イル)−クロメン−4−オン;クエルセチン、クエルセチン2水和物。PI 3キナーゼ活性は、インシュリン、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、上皮増殖因子、コロニー刺激因子および肝細胞増殖因子を含むホルモンおよび増殖因子に応答して増加し、そして細胞増殖および形質転換に関連するプロセスに関与することが示されている。ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ阻害剤の標的の例には、これに限定されないが、Pi3Kが含まれる。
【0117】
xlix.ホスファターゼ阻害剤;ホスファターゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばカンタリド酸;カンタリジン;およびL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。ホスファターゼはホスホリル基を除去し、元の脱リン酸化状態にタンパク質を復元する。したがって、リン酸化−脱リン酸サイクルは分子の「オン−オフ」スイッチと見なすことができる。
【0118】
l.プラチナ薬剤;プラチナを含み、ストランド内およびストランド間にDNA分子の架橋を形成することによってDNA合成を阻害するもの;例えばカルボプラチン;シスプラチン;オキサリプラチン;シスプラチナム;サトラプラチンおよびプラチナ薬剤、例えばZD0473、BBR3464。カルボプラチンは例えば、CARBOPLAT(登録商標)として;そしてオキサリプラチンはELOXATIN(登録商標)として、例えば市販されている形態で投与することができる。
【0119】
li.PP1およびPP2阻害剤ならびにチロシンホスファターゼ阻害剤を含むタンパク質ホスファターゼ阻害剤;タンパク質ホスファターゼを標的とする、減少するまたは阻害するもの。PP1およびPP2A阻害剤の例には、カンタリド酸および/またはカンタリジンが含まれる。チロシンホスファターゼ阻害剤の例には、これらに限定されないが、L−P−ブロモテトラミソールオキサレート;2(5H)−フラノン4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−(1−オキソヘキサデシル)−,(5R);およびベンジルホスホン酸が含まれる。
【0120】
「PP1およびPP2阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。PP1を含むI型ホスファターゼは、阻害剤−1(I−1)および阻害剤−2(I−2)として知られている2個の熱安定タンパク質によって阻害され得る。それらは、ホスホリラーゼキナーゼのサブユニットを優先的に脱リン酸化する。II型ホスファターゼはホスファターゼのクラス、自発的に活性な(PP2A)、CA2+依存性(PP2B)、およびMg2+依存性(PP2C)に分けられる。
【0121】
「チロシンホスファターゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、チロシンホスファターゼを標的とする、減少するまたは阻害するものに関する。タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)は比較的最近ホスファターゼファミリーに加えられている。それらはタンパク質のリン酸化チロシン残基からリン酸基を除去する。PTPは様々な構造的特徴を示し、細胞増殖、分化、細胞接着および運動性、ならびに細胞骨格機能に重要な役割を果たしている。チロシンホスファターゼの標的の例には、これらに限定されないが、アルカリホスファターゼ(ALP)、ヘパラナーゼ、PTPアーゼ、および/またはプロスタト酸ホスファターゼを含む。
【0122】
lii.PKC阻害剤およびPKCデルタキナーゼ阻害剤:「PKC阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、タンパク質キナーゼおよびアイソザイムを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。偏在性リン脂質依存性酵素であるタンパク質キナーゼC(PKC)は、細胞増殖、分化およびアポトーシスに関係するシグナル伝達に関与する。PKC阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、MAPKおよび/またはNF−カッパBが含まれる。PKC阻害剤の例には、これらに限定されないが、1−H−ピロロ−2,5−ジオン,3−[1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−インドール−3−イル]−4−(1H−インドール−3−イル);ビスインドリルマレイミドIX;4−オクタデセン−1,3−ジオール,2−アミノ−,(2S,3R,4E)−(9CI)として知られているスフィンゴシン;、9,13−エポキシ−1H,9H−ジインドロ[1,2,3−gh:3’,2’,1’−lm]ピロロ[3,4−j][1,7]ベンゾジアゾニン−1−オンとして知られているスタウロスポリン、例えばEP0296110に記載されているスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;2,3,10,11,12,13−ヘキサヒドロ−10−メトキシ−9−メチル−11−(メチルアミノ)−,(9S,10R,11R,13R)−(9CI);チルホスチン51;およびフェナントロ[1,10,9,8−opqra]ペリレン−7,14−ジオン,1,3,4,6,8,13−ヘキサヒドロキシ−10,11−ジメチル−,立体異性体(6CI,7CI,8CI,9CI)としても知られているハイペリシン、UCN−01,サフィンゴル、BAY43−9006、ブリオスタチン1、ペリフォシン;ルモフォシン;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196が含まれる。「PKCデルタキナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、PKCのデルタアイソザイムを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。デルタアイソザイムは常套のPKCアイソザイムであり、Ca2+依存性である。PKCデルタキナーゼ阻害剤の例には、これに限定されないが、2−プロペン−1−オン,1−[6−[(3−アセチル−2,4,6−トリヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−5,7−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラン−8−イル]−3−フェニル−(2E)−(9CI)としても知られているRottlerinが含まれる。
【0123】
liii.ポリアミン合成阻害剤;ポリアミンスペルミジンを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば(−)−2−ジフルオロメチルオルニチンとしても知られているDMFO;N1,N12−ジエチルスペルミン4HCl。ポリアミンスペルミジンおよびスペルミンは細胞増殖にとって極めて重要であるが、それらの正確なメカニズムは不明である。腫瘍細胞は、生合成酵素の活性上昇および上昇したポリアミンプールを反映した、変化したポリアミンホメオスタシスを有する。
【0124】
liv.プロテオソーム阻害剤;プロテオソームを標的とする、減少するまたは阻害するもの、例えばアクラシノマイシンA;グリオトキシン;PS−341;MLN341;ブルテゾミブ;ベルケード。プロテオソーム阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、O(2)(−)−産生NADPHオキシダーゼ、NF−カッパB、および/またはファルネシルトランスフェラーゼ、ゲラニルトランスフェラーゼIが含まれる。
lv.PTP1B阻害剤;タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤であるPTP1Bを標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばL−ロイシンアミド、N−[4−(2−カルボキシエテニル)ベンゾイル]グリシル−L−α−グルタミル−(E)。
lvi.SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤を含むタンパク質チロシンキナーゼ阻害剤;Sykチロシンキナーゼ阻害剤;およびJAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤;
【0125】
「タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、タンパク質チロシンキナーゼを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、細胞増殖、分化、代謝、移動および生存の制御に重要な役割を果たしている。それらは受容体PTKと非受容体PTKに分類される。受容体PTKは膜貫通セグメントを有する1個のポリペプチド鎖を含む。このセグメントの細胞外末端は高親和性リガンド結合ドメインを含むが、細胞質末端は触媒核および制御配列を含む。チロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、ERK1、ERK2、ブルートンチロシンキナーゼ(Btk)、JAK2、ERK1/2、PDGFR、および/またはFLT3が含まれる。間接的標的の例には、これらに限定されないが、TNFアルファ、NO、PGE2、IRAK、iNO、ICAM−1、および/またはE−セレクチンが含まれる。チロシンキナーゼ阻害剤の例には、これらに限定されないが、チルホスチンAG126;チルホスチンAg1288;チルホスチンAg1295;ゲルダナマイシン;およびゲニステインが含まれる。
【0126】
非受容体チロシンキナーゼには、Src、Tec、JAK、Fe、Abl、FAK、Csk、およびSykファミリーのメンバーが含まれる。それらは細胞質および核に局在している。それらは異なるキナーゼ制御、基質リン酸化および機能を示す。これらのキナーゼの脱制御は、様々なヒト疾患ともリンクしている。
【0127】
「SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、SRCを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。SRCファミリーチロシンキナーゼ阻害剤の例には、これらに限定されないが、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン,1−(1,1−ジメチルエチル)−3−(1−ナフタレニル)−(9CI)としても知られているPP1;および1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン,3−(4−クロロフェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−(9CI)としても知られているPP2が含まれる。
【0128】
「Sykチロシンキナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、Sykを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、Syk、STAT3、および/またはSTAT5が含まれる。Sykチロシンキナーゼ阻害剤の例には、これに限定されないが、1,2−ベンゼンジオール,4−[(1E)−2−(3,5−ジヒドロキシフェニル)エテニル]−(9CI)としても知られているピセアタンノール(piceatannol)が含まれる。
【0129】
「Janus(JAK−2および/またはJAK−3)チロシンキナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、ジャヌス(janus)チロシンキナーゼを標的とする、減少するまたは阻害する化合物に関する。Janusチロシンキナーゼ阻害剤は、抗血栓、抗アレルギーおよび免疫抑制特性を有する抗白血病薬剤を示す。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の標的には、これらに限定されないが、JAK2、JAK3、STAT3が含まれる。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の間接的な標的には、これに限定されないが、CDK2が含まれる。JAK−2および/またはJAK−3チロシンキナーゼ阻害剤の例には、これらに限定されないが、Tyrphostin AG490;および2−ナフチルビニルケトンが含まれる。
c−Ablファミリーメンバーおよびそれらの遺伝子融合生成物の活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物には、例えばPD180970;AG957;またはNSC680410が含まれる。
【0130】
lvii.レチノイド;レチノイド依存性受容体を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えばイソトレチノイン、トレチノイン、アリトレチノリン、ベキサロテン。
【0131】
lviii.RNAポリメラーゼII伸長阻害剤;CHO細胞におけるインシュリン刺激性核および細胞質p70S6キナーゼを標的とする、減少するまたは阻害する;およびウシ卵母細胞において卵核胞崩壊を標的とする、減少するまたは阻害するもの;例えば5,6−ジクロロ−1−ベータ−D−リボフラノシルベンゾイミダゾール。
【0132】
lvix.セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;セリン/スレオニンキナーゼを阻害するもの;例えば2−アミノプリン。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の標的の例には、これに限定されないが、dsRNA依存性タンパク質キナーゼ(PKR)が含まれる。セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤の間接的な標的の例には、これらに限定されないが、MCP−1、NF−カッパB、elF2アルファ、COX2、RANTE、IL8、CYP2A5、IGF−1、CYP2B1、CYP2B2、CYP2H1、ALAS−1、HIF−1、エリスロポイエチン、および/またはCYP1A1が含まれる。
【0133】
lx.ステロール生合成阻害剤;コレステロールのようなステロールの生合成を阻害するもの;例えばテルビナジン。ステロール生合成阻害剤の標的の例には、これらに限定されないが、スクアレンエポキシダーゼ、およびCYP2D6が含まれる。
【0134】
lxi.トポイソメラーゼ阻害剤;トポイソメラーゼI阻害剤およびトポイソメラーゼII阻害剤を含む。トポイソメラーゼI阻害剤の例には、これらに限定されないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテカンおよびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン結合PNU−166148(WO9917804の化合物A1);10−ヒドロキシカンプトテシン、例えばその酢酸塩;イダルビシン、例えばその塩酸塩;イリノテカン、例えばその塩酸塩;エトポシド;テニポシド;トポテカン、トポテカン塩酸塩;ドキソルビシン;エピルビシン、塩酸エピルビシン;ミトキサントロン、例えば塩酸ミトキサントロン;ダウノルビシン、塩酸ダウノルビシン、バルルビシン、ダサチニブ(BMS−354825)が含まれる。イリノテカンは例えば、CAMPTOSAR(登録商標)の商品名で、例えば市販されている形態で投与することができる。トポテカンは例えば、HYCAMTIN(登録商標)の商品名で、例えば市販されている形態で投与することができる。「トポイソメラーゼII阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、アントラサイクリン、例えばリポソーム製剤を含むドキソルビシン、例えばCAELYX(登録商標)、リポソーム製剤を含むダウノルビシン、例えばDAUNOSOME(登録商標)、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン;アントラキノンミトキサントロンおよびロソキサントロン;およびポドフィロトキシンエトポシドおよびテニポシドが含まれる。エトポシドはETOPOPHOS(登録商標)として;テニポシドはVM26−BRISTOL(登録商標)として;ドキソルビシンはADRIBLASTIN(登録商標)またはADRIAMYCIN(登録商標)として;エピルビシンはFARMORUBICIN(登録商標)として;イダルビシンはZAVEDOS(登録商標)として;そしてミトキサントロンはNOVANTRON(登録商標)として、市販されている。
【0135】
lxii.VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤;正常および病的血管新生の調節に関与する既知の血管形成増殖因子およびサイトカインを標的とする、減少するおよび/または阻害するもの。VEGFファミリー(VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D)およびそれらの対応する受容体チロシンキナーゼ[VEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1、KDR)、およびVEGFR−3(Flt−4)]は、血管形成およびリンパ管形成プロセスの多くの局面で極めて重要かつ必須の役割を果たしている。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤の例には、3−(4−ジメチルアミノベンジリデニル)−2−インドリノンが含まれる。VEGFRの活性を標的とする、減少するまたは阻害する化合物は、とりわけVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害する、VEGF受容体を阻害する、もしくはVEGFと結合する化合物、タンパク質または抗体であり、そしてとりわけ、WO9835958に一般的かつ具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体、例えば1−(4−クロロアニリノ)−4−(4−ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩、例えばコハク酸塩、またはWO0009495、WO0027820、WO0059509、WO9811223、WO0027819およびEP0769947に記載のもの;例えばM. Prewett et al の Cancer Research 59 (1999) 5209-5218、F. Yuan et al の Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 93, pp. 14765-14770, Dec. 1996、Z. Zhu et al の Cancer Res. 58,1998,3209-3214、および J. Mordenti et al の Toxicologic Pathology, Vol. 27, no. 1, pp 14-21,1999に記載のもの;WO0037502およびWO9410202に記載のもの; M. S. O’Reilly et al の Cell 79,1994,315-328に記載のアンギオスタチン; M. S. O’Reilly et al の Cell 88,1997,277-285に記載のエンドスタチン;アントラニル酸アミド;ZD4190;ZD6474(バンデタニブ);SU5416;SU6668;または抗VEGF抗体または抗VEGF受容体抗体、例えばRhuMab(ベバシズマブ)である。抗体とは、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2個の無傷の抗体から形成される多特異的な抗体、および記載の生物学的活性を示す程度の長さの抗体フラグメントを意味する。VEGF−R2阻害剤の例には、例えばアクシチニブが含まれる。
【0136】
lxiii.ゴナドレリンアゴニスト、例えばアバレリクス、ゴセレリン、酢酸ゴセレリン、
lxiv.細胞分化プロセスを誘導する化合物、例えばレチノイン酸、アルファ−、ガンマ−もしくは8−トコフェロール、またはアルファ−、ガンマ−または8−トコトリエノール。
【0137】
lxv.ビスホスホネート、例えばエトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸。
lxvi.ヘパラン硫酸分解を阻止するヘパラナーゼ阻害剤、例えばPI−88、
lxvii.生物学的応答調節剤、好ましくはリンホカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンアルファ、
lxviii.テロメラーゼ阻害剤、例えばテロメスタチン、
lxix.メディエーター、例えばカテコール−O−メチルトランスフェラーゼの阻害剤、例えばエンタカポン、
lxx:イスピネシブ、ペルメトレキシド(Alimta(登録商標))、スニチニブ(SU11248)、ジエチルスチルベストロール(DES)、BMS224818(LEA29Y)、
【0138】
lxxi.ソマトスタチンまたはソマトスタチンアナログ、例えばオクトレオチド(Sandostatin(登録商標)またはSandostatin LAR(登録商標))。
lxxii.成長ホルモン受容体アンタゴニスト、例えばペグビソマント、フィルグラスチムまたはペグフィルグラスチムまたはインターフェロンアルファ:
lxxiii.例えば白血病(AML)処置に有用なモノクローナル抗体、例えばアレムツズマブ(Campath(登録商標))、リツキシマブ/Rituxan(登録商標))、ゲムツズマブ、(オゾガミシン、Mylotarg(登録商標))、エプラツズマブ。
lxxiv.アルトレタミン、アムサクリン、アスパルギナーゼ(Elspar(登録商標))、デニロイキンジフチトクス、マソプロコール、ペグアスパルガーゼ。
lxxv.ホスホジエステラーゼ阻害剤、例えばアナグレリド(Agrylin(登録商標)、Xagrid(登録商標))。
lxxvi.がんワクチン、例えばMDX−1379。
【0139】
所望により本明細書に記載のような抗がん剤との組合せにおける、本発明の化合物でのがん処置は、放射性治療と組み合わせることができる。所望により抗がん剤との組合せにおける本発明の化合物でのがん処置は、他の抗がん剤または他のがん治療の後の第2処置であり得る。
【0140】
本発明の化合物との組合せパートナーとして有用である傾向がある麻酔薬には、例えばエタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォル、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、マルカイン、メペリジン、メタドン、モルフィン、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾカイン、ジブカイン、エチルクロライド、キシロカインおよびフェナゾピリジンが含まれる。
【0141】
本発明の薬剤またはIBD薬剤との組合せパートナーとして有用である傾向がある止痢薬物質には、ジフェノキシレート、ロペラミド、コデインが含まれる。
【0142】
本発明の化合物を他の薬剤物質との組合せで投与するとき、共投与される第2薬剤物質の投与量は当然、本発明の化合物の場合と同様に、使用する共薬剤のタイプ、使用する具体的な薬剤、処置する状態に依存して変化する。一般的に、第2薬剤の供給者によって提供されるものと同様の投与量が適当であり得る。
【0143】
本明細書に記載の本発明の化合物の化学名は、ISI、バージョン2.5(AutoNom 2000 Name)から転記している。第2の薬剤物質および他の物質の化学名は、インターネット、例えばSCI FINDERのような調査プログラムに由来し得る。
【0144】
下記実施例において、温度は全て摂氏度である。
下記略語を使用する:
EtAc 酢酸エチル
RT 室温
【実施例】
【0145】
実施例
4−tert.ブチル−N−(4−クロロ−2−シアノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
2−アミノ−5−クロロ−ベンゾニトリル 0.15gおよび4−tert.ブチル−ベンゼンスルホニルクロライド 0.23gの溶液を、NMP(N−メチル2−ピロリドン)2mlに溶解し、氷バス中で5℃に冷却する。カリウム−tert.ブチレート(THF中1N)溶液2.5mlを加え、得られた混合物を30分間攪拌し、水でクエンチし、得られた混合物から溶媒を蒸発する。蒸発残渣をEtAcに溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥する。溶媒を蒸発し、蒸発残渣を逆相カラムクロマトグラフィーに供する。4−tert.ブチル−N−(4−クロロ−2−シアノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミドを得る。
1H-NMR (DMSO): 1.27 (, 9 H), 7.06 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.57-7.70 (m, 5 H), 7.99 (d, J = 2 Hz, 1H), 10.6 (broad , 1H, NH).
【0146】
実施例に記載の方法と同様に、適当な出発物質(中間体)を用いて、式
【化4】

および式
【化5】

の化合物を得る。
H−NMRデータは記載の構造の通りである。マススペクトル:化合物1:MH+: 390。化合物2:MH+: 430。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

〔式中、
はチエニルまたはハロフェニルであり、
はHまたはハロ(C1−6)アルキルであり、
はハロゲンまたは(C1−6)アルコキシであり、そして
AはOまたはCOである〕
の化合物。
【請求項2】
チオフェン−2−スルホン酸[2−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、および
4−クロロ−N−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミドからなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項3】
塩形の請求項1または2の化合物。
【請求項4】
医薬として使用するための請求項1〜3のいずれかの化合物。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかの化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤と共に含む医薬組成物。
【請求項6】
CCR9活性によって調節される障害の処置用医薬の製造のための、請求項1〜3のいずれかの化合物の使用。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかの化合物または請求項5の医薬組成物と、さらに第2の薬剤物質を含む医薬組合せ剤。
【請求項8】
CCR9活性によって調節される障害の処置法であって、かかる処置を必要とする対象に治療上有効量の請求項1〜3のいずれかの化合物または請求項5の医薬組成物を、所望により第2の薬剤物質との組合せで投与することを含んでなる、方法。

【公表番号】特表2009−520737(P2009−520737A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546281(P2008−546281)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012474
【国際公開番号】WO2007/071441
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】