説明

CRTH2受容体拮抗薬としての複素環化合物

本出願は、本出願に定義する式Iの化合物(又はその薬学的に許容される塩)、その医薬組成物及びそのCRTH2受容体拮抗薬としての使用、並びその調製方法、その中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
プロスタグランジンD(PGD)は、アラキドン酸のシクロオキシゲナ−ゼ代謝産物である。当該プロスタグランジンDは、免疫学的攻撃に応答して肥満細胞やTH2細胞から放出され、且つ、睡眠やアレルギ−反応など種々の生理学的事象において役割を演じている。
【0002】
PGDの受容体は、「DP」受容体、TH2細胞上に発現される化学誘引物質受容体相同分子(「CRTH2」)、及び「FP」受容体を含む。これらの受容体は、PGDにより活性化されるG蛋白質共役型合受容体である。CRTH2受容体及びそのヘルパ−T細胞、好塩基球及び好酸球を含む種々の細胞における発現は、既にAbeら、「Gene 227:71−77, 1999」、Nagataら、「FEBS Letters 459:195−199, 1999」及びNagataら「The Journal of Immunology 162:1278−1286, 1999」に記載されており、これらの文献はCRTH2受容体について開示した。Hiraiら、「J.Exp.Med. 193:255−261,2001」は、CRTH2がPGDの受容体であることを確認した。
【0003】
Th2分極はアレルギ−性疾患で見られ、アレルギ−性疾患としては、例えば、ぜんそく、アレルギ−性鼻炎、アトピ−性皮膚炎、及びアレルギ−性結膜炎が挙げられる(Romagnani S. Immunology Today, 18, 263−266, 1997; Hammad H. et al., Blood, 98, 1135−1141, 2001)。Th2細胞は、IL−4やIL−5やIL−13などのTh2サイトカインを産出することで、アレルギ−性疾患を調節する(Oriss et al., J. Immunol., 162, 1999−2007, 1999; Viola et al., Blood, 91, 2223−2230, 1998; Webb et al., J. Immunol., 165, 108−113, 2000; Dumont F.J., Exp. Opin. Ther. Pat., 12, 341−367, 2002)。これらのTh2サイトカインは、アレルギ−性疾患の中で、好酸球や好塩基球などのエフェクタ−細胞の移動、活性化、プライミング、生存期間の延長を直接又は間接的に誘発する(Sanz et al., J. Immunol., 160, 5637−5645, 1998; Pope et al., J. Allergy Clin. Immunol., 108, 594−601, 2001; Teran L. M., Clin. Exp. Allergy, 29, 287−290, 1999)。
【0004】
従って、CRTH2とPGD2の結合を阻害する拮抗薬は、ぜんそく、アレルギ−性鼻炎、アトピ−性皮膚炎、アレルギ−性結膜炎などのアレルギ−性疾患の治療に用いることができると、考えられる。
【0005】
UlvenとKostenis, 「J. Med. Chem., 2005, 48(4): 897−900」には、選択的強力CRTH2拮抗薬であるラマトロバン類似体の合成が開示されている。また、CRTH2拮抗薬は下記の特許文献において報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第WO2003/097598号パンフレット
【特許文献2】米国特許第7220760号明細書
【特許文献3】米国特許第7211672号明細書
【特許文献4】米国特許第7166607号明細書
【特許文献5】米国特許出願第2007/0232681号明細書
【特許文献6】米国特許出願第2007/0208004号明細書
【特許文献7】米国特許出願第2007/0191416号明細書
【特許文献8】米国特許出願第2007/0203209号明細書
【特許文献9】米国特許出願第2007/0197587号明細書
【特許文献10】米国特許出願第2007/0161698号明細書
【特許文献11】米国特許出願第2007/0129355号明細書
【特許文献12】米国特許出願第2006/0241109号明細書
【特許文献13】米国特許出願第2006/0135591号明細書
【特許文献14】米国特許出願第2006/0111426号明細書
【特許文献15】米国特許出願第2006/0106081号明細書
【特許文献16】米国特許出願第2006/0100425号明細書
【特許文献17】米国特許出願第2006/0106061号明細書
【特許文献18】米国特許出願第2005/0256158号明細書
【特許文献19】米国特許出願第2006/0004030号明細書
【特許文献20】米国特許出願第2005/0165033号明細書
【特許文献21】米国特許出願第2005/0119268号明細書
【特許文献22】欧州特許第1471057号明細書
【特許文献23】欧州特許第1556356号明細書
【特許文献24】欧州特許第1784182号明細書
【特許文献25】欧州特許第1833791号明細書
【特許文献26】欧州特許第1814865号明細書
【特許文献27】欧州特許第1828172号明細書
【特許文献28】欧州特許第1761529号明細書
【特許文献29】欧州特許第1758874号明細書
【特許文献30】欧州特許第1756032号明細書
【特許文献31】欧州特許第1718649号明細書
【特許文献32】欧州特許第1675826号明細書
【特許文献33】欧州特許第1633726号明細書
【特許文献34】欧州特許第1556356号明細書
【特許文献35】国際公開第WO2006034419号パンフレット
【特許文献36】国際公開第WO2007062678号パンフレット
【特許文献37】国際公開第WO2007062677号パンフレット
【特許文献38】国際公開第WO2006111560号パンフレット
【特許文献39】国際公開第WO2007019675号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、CRTH2受容体拮抗薬である新規化合物を提供するものである。本発明の化合物は、種々のプロスタグランジン介在疾患及び障害の治療に有用であり、従って、本発明は、本明細書に記載されている新規化合物を使用するプロスタグランジン介在疾患の治療のための方法、及び、それらを含む医薬組成物を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩に関するものである。
【0009】
【化1】

(式中、A、B、C及びDの一つはNであり、且つ、残りの基は、互いに独立して、N、CH、及びC(R)から選択され;
mは1、2、3又は4であり、好ましくは1又は2であり;
nは0、1、2、3又は4であり、好ましくは1又は2であり;
は、本明細書に定義される置換基であり、又はH、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロゲン化アルキル、OC1−6ハロゲン化アルキル、SC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、S(O)NR、−NRS(O)アルキル、−NRS(O)アリ−ル、CN、C(O)アルキル、C(O)アリ−ル、C(O)ヘテロアリ−ル、C(O)NR、NRC(O)アルキル、NRC(O)アリ−ル、アリ−ル及びヘテロアリ−ルから選択され、tは0、1又は2であり、複数のRは前記群から選ばれる異なる基であってもよく、即ち、一つのR基はハロゲンで、もう一つのR基はC1−4アルキルであってもよく;
、Rは、本明細書に定義される置換基であり、又は、独立してH、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロゲン化アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フッ化アルコキシ及びアセチルから選択され;
はH、C1−6アルキル又はハロゲン化C1−6アルキルから選択され;
Arは、本明細書に定義される置換基、又はH、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロゲン化アルキル、OC1−6ハロゲン化アルキル、SC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、S(O)NR、−NRS(O)アルキル、−NRS(O)アリ−ル、CN、C(O)アルキル、C(O)アリ−ル、C(O)ヘテロアリ−ル、C(O)NR、NRC(O)アルキル、NRC(O)アリ−ル、アリ−ル及びヘテロアリ−ルから選択される基により置換されてもよいアリ−ル又はヘテロアリ−ルであり、tは0、1又は2であり;
Xは、−C(R)(R)−、−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)=C(R)−、−OC(R)(R)−及び−SC(R)(R)−、−NHC(R)(R)又は−NRC(R)(R)から選択され;
Yは−S(O)−又は−C(O)−であり;
及びRは独立してH、ハロゲン、アリ−ル、ヘテロアリ−ル、C1−6アルキル又はハロゲン化C1−6アルキルであり;又は
及びRは、該R及びRに同時に結合する炭素原子とC3−6シクロアルキル環を形成し;又は
及びRは、該R及びRに結合する隣接する複数の炭素原子とC3−6シクロアルキル環を形成する。)
また、式Iの1つのサブセット(subset)において、前記化合物は、nが1または2のものである。
【0010】
また、式Iのサブセットにおいて、前記化合物は、mが1又は2のものである。
【0011】
また、式Iのサブセットにおいて、前記化合物は、Arが1〜3の置換基により置換されてもよいフェニル基である。その中、前記置換基は、独立して本明細書に定義される置換基から選択され、又はH、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロゲン化アルキル、OC1−6ハロゲン化アルキル、SC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、S(O)NR、−NRS(O)アルキル、−NRS(O)アリ−ル、CN、C(O)アルキル、C(O)アリ−ル、C(O)ヘテロアリ−ル、C(O)NR、NRC(O)アルキル、NRC(O)アリ−ル、アリ−ル及びヘテロアリ−ルから選択され、tは0、1又は2である。その一つの実施形態において、Arは、ハロゲン及びC1−6アルコキシ基から独立して選択された1つ又は2つの基により置換されたフェニル基である。
【0012】
また、式Iのサブセットにおいて、前記化合物は、Xが−C(R)(R)−のものである。本発明の1つの実施形態において、R及びRは独立してH、ハロゲン、アリ−ル、ヘテロアリ−ル、C1−6アルキル及びハロゲン化C1−6アルキルから選択される基であってもよい。また、本発明の1つの実施形態において、R及びRは、該R及びRに同時に結合する炭素原子と一緒になって、C3−6シクロアルキル環を形成する。また、本発明のもう1つの実施形態において、R及びRは、それぞれ該R及びRに結合する隣接する複数の炭素原子と一緒になって、C3−6シクロアルキル環を形成する。また、本発明の1つの実施形態において、Xはメチレン(−CH−)である。また、本発明のもう1つのサブセットにおいて、Xは−SC(R)(R)−である。
【0013】
本発明の他の態様によれば、式Iの化合物は、式IAで表される化合物を含む。
【0014】
【化2】


(式中、A、B、C及びDの一つはNであり、且つ、残りの基は、独立してCH及びC(R)から選択され;RはH又はC1−3アルキルであり;XはCH又はSCHであり;ArはPh又はハロゲン化Phであり;nは1又は2であり;且つ、mは1であり;その中、前記RはC1−3アルキル、C1−3シクロアルキル、C1−3ハロゲン化アルキル及びSC1−3アルキルから選択される。)
式IAで表される化合物の1つのサブセットにおいて、前記化合物は、例えばRがMe、i−Pr、c−Pr、CF及びSCHから選択されたものである。式IAで表される化合物のもう1つのサブセットにおいて、前記化合物は、A、B、C及びDがそれぞれN又はCHであるものである。本発明の二つの異なる態様は、1)合計でA、B、C及びDのうち一つがNである、2)合計でA、B、C及びDのうち二つがNである(例えば、後述する表1を参照)。
【0015】
式Iで表される化合物の好ましいサブセットは、式IIAで表すことができる。
【0016】
【化3】


(例えば、式中、nは2であり;mは1であり;XはCHであり;R及びRはHであり;RはMeであり;Arはフェニル又は置換されたフェニルであり;AはNであり;B、C及びDは−CH−又はC(R)−であり;。Rは水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロゲン化アルキルである。)
また、式Iで表される化合物のもう1つの好ましいサブセットは、式IIBで表すことができる。
【0017】
【化4】


(例えば、式中、nは2であり;mは1であり;XはCHであり;R及びRはHであり;RはMeであり;Arはフェニル又は置換されたフェニルであり;BはNであり;A、C及びDは−CH−又はC(R)−であり;且つ、Rは水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロゲン化アルキルである。)
また、式Iで表される化合物のもう1つの好ましいサブセットは、式IICで表すことができる。
【0018】
【化5】


(例えば、式中、nは2であり;mは1であり;XはCHであり;R及びRはHであり;RはMeであり;Arはフェニル又は置換されたフェニルであり;CはNであり;A、B及びDは−CH−又はC(R)−であり;且つ、Rは水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロゲン化アルキルである。)
また、式Iで表される化合物のもう1つの好ましいサブセットは、式IIDで表することができる。
【0019】
【化6】



(例えば、式中、nは2であり;mは1であり;XはCHであり;R及びRはHであり;RはMeであり;Arはフェニル又は置換されたフェニルであり;DはNであり;A、B及びCは−CH−又はC(R)−であり;且つ、Rは水素、ハロゲン、C1−6アルキル又はC1−6ハロゲン化アルキルである。)
本発明の好ましい態様において、式Iの化合物は、{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸のラセミ混合物、又はその何れの光学異性体の純粋な形を含むことができる。
【0020】
本発明のもう一つの好ましい態様において、式Iの化合物は、{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b] インドリジン−5−イル}−酢酸のラセミ混合物、又はその何れの光学異性体の純粋な形を含むことができる。
【0021】
また、本発明は、式Iの化合物を含む医薬組成物、及び式Iの化合物を用いたプロスタグランジン介在疾患の治療又は予防のための方法を提供する。

定義
本発明は、特別な記載がない限り以下の定義により説明される。
用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、F、Cl、Br及びIを含む。
【0022】
用語「アルキル」は、所定炭素数の直鎖状アルキル又は分岐鎖状アルキル鎖を指す。アルキル基として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
「ハロゲン化アルキル」は、上述したアルキル基のうち、一つ又は複数の水素原子が既にハロゲン原子により置換されたアルキル基、乃至全ての水素原子がハロゲン基により完全に置換されたアルキル基を意味する。例えば、C1−6ハロゲン化アルキルは、−CF、−CFCFなどを含む。
【0024】
「アルコキシ」は、所定炭素数の直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を含むアルコキシ基を意味する。例えば、C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなどを含む。
【0025】
「ハロゲン化アルコキシ」は、上述したアルコキシのうち、一つ又は複数の水素原子が既にハロゲン原子により置換されたアルコキシ基、乃至全ての水素原子がハロゲン基により完全に置換されたアルコキシ基を意味する。例えば、C1−6ハロゲン化アルコキシは、−OCF、−OCFCFなどを含む。
【0026】
「アリ−ル」は、1〜3個のベンゼン環を含む、6〜14員の炭素環式芳香族環系を意味する。2つ以上の芳香族環が存在する場合、当該複数の環が融合して、隣接する環が共通の結合を共用することになる。アリ−ルの例としては、フェニル及びナフチルが含まれる。
【0027】
本明細書において使用される用語「ヘテロアリ−ル」(Het)は、1つの環又は2つの融合した環を含み、且つO、SとNから選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、5〜10員の芳香族環系を表す。ヘテロアリ−ル(Het)の例としては、フラニル、ジアジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピロリル、テトラジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエニル、トリアジニル、トリアゾリル、1H−ピロ−ル−2,5−ジオニル、2−ピロン、4−ピロン、ピロロピリジン、フロピリジン及びチエノピリジンが挙げられるが、これらに限定されるものでもない。
【0028】
本明細書において使用される「置換基」は、以下の基から選択された基を示す:
(A) −OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、オキソ、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル基、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(B)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの置換基により置換される:
(i)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(ii)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基は以下の置換基から選択される少なくとも一つの置換基により置換される:
(a)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(b)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル又はヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの置換基により置換される:オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル及び非置換のヘテロアリ−ル。
【0029】
「治療的有効量」とは、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医師が探求している、組織、系、動物又はヒトの生物的又は医学的反応を引き出すための薬物又は医薬品の量を意味する。
【0030】
用語「治療」又は「治療すること」は、疾患又は障害に関連する徴候と症状を軽減すること、改善すること、緩和すること又は低減することを含む。
【0031】
用語「予防」は、疾患又は障害の、又はそのような疾患又は障害に関連する徴候及び症状の発症又は進行を予防すること又は遅らせることを意味する。
【0032】
用語「組成物」は、例えば、医薬組成物において、活性成分と担体を構成する不活性成分(薬学的に許容される賦形剤)を含む生成物、並びに、成分のいずれか2つ以上のものの結合、錯体化又は凝集から直接的又は間接的に生成される生成物、又は成分の1つ以上のものの解離から直接的又は間接的に生成される生成物、或いは成分の1つ以上のものの他の種類の反応又は相互作用により直接的又は間接的に生成される生成物のいずれかを意図している。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物及び1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を混合することにより製造される何れかの組成物をその範囲に含む。
【0033】
本明細書では便宜上、以下の略語は、所定の意味を有している。Ac =アセチル、AcO =アセテ−ト、BOC = tert−ブチルオキシカルボニル;CBZ =カルボベンゾキシ;CDI =カルボニルジイミダゾ−ル;DCC = 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、DCE = 1,2−ジクロロエタン、DIBAL =水素化ジイソブチルアルミニウム、DIEA = N,N−ジイソプロピルエチルアミン、DMAP = 4−(ジメチルアミノ) ピリジン、DMF =ジメチルホルムアミド、EDC = l−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドHCl、EDTA =エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム水和物、FAB =高速原子衝撃、FMOC = 9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、HMPA =ヘキサメチルリン酸アミド、HATU = O−(7−アザベンゾトリアゾ−ル−1−イル)N,N,N’,N’−ヘキサフルオロリン酸テトラメチルウロニウム、HOBt = 1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル、HRMS =高分解能質量分析、ICBF =イソブチルクロロホルメ−ト、KHMDS =ヘキサメチルジシラザンカリウム 、LDA =リチウムジイソプロピルアミド、MCPBA =メタクロロ過安息香酸、MMPP =モノペルオキシフタル酸マグネシウム六水和物、Ms =メタンスルホニル =メシル、MsO =メタンスルホン酸塩=メシラ−ト、NBS = N−ブロモコハク酸イミド、NMM = 4−メチルモルホリン、PCC =クロロクロム酸ピリジニウム、PDC =重クロム酸ピリジニウム、Ph = フェニル、PPTS =ピリジニウムp−トルエンスルホナ−ト、pTSA = p−トルエンスルホン酸、PyH・Br =ピリジンヒドロブロミドパ−ブロミド、r.t. = 室温、rac. =ラセミ、TFA =トリフルオロ酢酸、TfO =トリフルオロメタンスルホン酸=トリフラ−ト、THF =テトラヒドロフラン、TLC =薄層クロマトグラフィ−。アルキル基の略語としては、Me = メチル、Et =エチル、n−Pr = n−プロピル、i−Pr = イソプロピル、c−Pr =シクロプロピル、n−Bu = n−ブチル、i−Bu = イソブチル、c−Bu =シクロブチル、s−Bu = sec−ブチル、t−Bu = tert−ブチル、を含む。

光学異性体、ジアステレオマ−、幾何異性体、互変異性体
式Iの化合物は、1つ以上の不斉中心を含み、これによりラセミ化合物及びラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマ−混合物、及び単一のジアステレオマ−として存在し得る。本発明は、式I及び式IAの化合物の、上記異性体のすべての形態を包含することを意味する。
【0034】
本明細書中に記載の化合物のいくつかは、オレフィン性二重結合を含み、特別な説明がない限り、E幾何異性体及びZ幾何異性体を含むことを意味する。
【0035】
本明細書中に記載の化合物のいくつかには、異なる水素結合点が存在し得、互変異性体と称される。これらの具体的な例としては、ケトン及びそのエノ−ル型が挙げられ、ケト−エノ−ル互変異性体と称される。式Iの化合物は、単一の互変異性体及びその混合物を含む。
【0036】
式I及び式IAの化合物は、例えば、適切な溶媒(メタノ−ル、酢酸エチル又はそれらの混合物)からの分別結晶化により、鏡像異性体のジアステレオ異性体対に分離され得る。このようにして得られた光学異性体対は、通常の方法により、例えば分割剤として光学活性酸を用いることにより、個々の立体異性体に分離され得る。
【0037】
或は、式I及び式IAの化合物の何れかの鏡像異性体は、配置が公知の光学的に純粋な出発原料又は試薬を用いる、立体特異的合成により得られる。


用語「薬学的に許容される塩」は、無機塩基及び有機塩基を含む、薬学的に許容される無毒性塩基から調製された塩を指す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、第二マンガン塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩などが含まれる。特に、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、及びナトリウム塩が好ましい。薬学的に許容される無毒性有機塩基から誘導される塩としては、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩を含み、具体的には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノ−ル、2−ジメチルアミノエタノ−ル、エタノ−ルアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ハイドロバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0038】
本発明の化合物が塩基性である場合、当該塩は、無機酸と有機酸を含む薬学的に許容される無毒性酸から調製され得る。これらの酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファ−スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。特に、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が好ましい。
【0039】
特別な説明がない限り、本明細書において、式I及び式IAの化合物と言う場合、薬学的に許容される塩も含まれると理解すべきである。

用途と治療的使用
式Iの化合物は、プロスタグランジン受容体との相互作用能により、哺乳類の動物、特にヒト対象において、プロスタグランジンが原因となって引き起こされる望ましくない症状を予防する又は改善するために有用となる。プロスタグランジンに対するこの類似の作用又は拮抗作用は、本発明の化合物及びその医薬組成物が、哺乳類の動物、特にヒトの呼吸器症状、アレルギ−症状、疼痛、炎症、、粘液分泌疾患、骨疾患、睡眠障害、、受胎障害、血液凝固障害、視力障害、免疫病及び自己免疫疾患の治療、予防又は改善に有用であることを示す。加えて、当該化合物は、細胞の腫瘍性形質転換及び転移性腫瘍増殖を抑制することができるため、各種腫瘍の治療に使用され得る。式Iの化合物は、糖尿病性網膜症及び腫瘍血管新生において起こり得る増殖疾患などの、プロスタグランジン介在の増殖疾患の治療及び/又は予防においても有用であり得る。式Iの化合物は、収縮性プロスタノイドに拮抗することにより又は弛緩プロスタノイドと類似の作用をすることにより、プロスタノイドによる平滑筋収縮を抑制することができ、それゆえ、月経困難症、早産及び好酸球に関連する疾患の治療において使用され得る。より具体的には、式Iの化合物は、プロスタグランジンD受容体、CRTH2の拮抗剤である。
【0040】
本発明のもう1つの態様は、CRTH2受容体を含むPGD2受容体に拮抗する方法を提供し、該方法は、このような治療を必要とする哺乳類の患者に、式Iの化合物を有効量で投与することを含む。
【0041】
本発明のもう1つの態様は、プロスタグランジン介在疾患を治療又は予防する方法を提供し、該方法は、このような治療を必要とする哺乳類の患者に、前記プロスタグランジン介在疾患を治療又は予防するために有効な量で式Iの化合物を投与することを含む。本発明の化合物及び組成物は、プロスタグランジン介在疾患の治療のために用いることができる。前記プロスタグランジン介在疾患としては、アレルギ−性鼻炎、鼻詰まり、鼻漏、通年性鼻炎、鼻炎、アレルギ−を含む喘息、慢性閉塞性肺疾患及び肺炎のその他の形態;睡眠障害及び睡眠・覚醒周期障害;プロスタノイドによる平滑筋収縮と関連する月経困難症と早産;好酸球関連障害;血栓症;緑内障及び視力障害;血管閉塞性疾患;鬱血性心不全;受傷後又は手術後治療などの抗凝血治療を要する疾患又は病症;炎症;壊疽;レイノ−病;細胞保護作用を含む粘液分泌障害;疼痛及び片頭痛;例えば骨粗しょう症などの、骨形成及び再吸収の制御を要する疾患;ショック;熱病などの熱調節;及び免疫調整が望ましい免疫障害又は病症が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、治療すべき疾患は、鼻詰まり、肺の鬱血、アレルギ−ぜんそくを含む喘息などの、プロスタグランジンD2介在の疾患である。
【0042】
本発明の1つの実施形態はプロスタグランジン介在疾患を治療又は予防する方法であり、当該方法は、このような治療を必要とする哺乳類の患者に、式Iの化合物を、プロスタグランジン介在疾患を治療又は予防するために有効な量で投与することを含む。ここで前記プロスタグランジン介在疾患は、鼻詰まり、アレルギ−性鼻炎及び通年性鼻炎を含む鼻炎、並びにアレルギ−ぜんそくを含む喘息である。
【0043】
本発明のもう1つの実施態様はプロスタグランジンD2介在疾患を治療又は予防する方法であり、当該方法は、このような治療を必要とする哺乳類の患者に、式Iの化合物を、プロスタグランジンD2介在疾患を治療又は予防するために有効な量で投与することを含む。、ここで前記プロスタグランジンD2介在疾患は、鼻詰まり又は喘息である。
【0044】
本発明のもう1つの実施態様は、鼻詰まりの治療のための方法であり、当該方法は、そのような治療を必要とする患者に、治療的有効量で式Iの化合物を投与することを含む。
【0045】
本発明のもう1つの実施態様は、喘息、特にアレルギ−喘息の治療のための方法であり、当該方法は、そのような治療を必要とする患者、治療的有効量で式Iの化合物を投与することを含む。
【0046】
当業者にとって、本出願に開示された化合物の投与は、当該分野で周知の薬学的に許容された賦形剤と混合し得ることは容易に理解できる。具体的には、全身的に投与される薬物として、経口投与又は非経口投与或は吸入投与のための散剤、、丸剤、錠剤など、または液剤、乳剤、懸濁剤、エアロゾ−ル、シロップ剤またはエリキシル剤の形で、調製し得る。
【0047】
非経口投与は、一般的に、皮下注射、筋肉注射又は静脈注射を指しを特徴する。注射剤は、注射剤は、従来型の形で調製され、前記従来型としては、溶液、懸濁剤、用時溶解して液状や懸濁状にして用いる固体、又は乳剤が挙げられる。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、ブドウ糖、グリセロ−ル、エタノ−ルなどがある。さらに、投与される注射用医薬組成物は、必要に応じて、例えば湿潤剤や乳化剤やpH緩衝剤などの無毒補助物質を少量含有することもできる。
【0048】
式Iの化合物は、経口又は非経口により投与され、例えば、静脈内注射(iv)、筋肉注射(im)又は皮下注射(sc)を通して投与される。

投与量の範囲
式Iの化合物の予防的又は治療的投与量は、当然のことながら、治療すべき疾患の性質及び重症度により、並びに式Iの特定の化合物及びその投与経路により変わる。また、式Iの化合物の投与量は、患者の年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、排泄の頻度、薬物の組み合わせ及び反応を含む因子の多様性によって変わる。一般的に、1日用量は、哺乳類動物の体重1kg当たり約0.01mg以上且つ約100mg以下であり、1kg当たり約0.01mg以上且つ約10mg以下が好ましい。一方、これらの範囲以外の用量を用いることが必要である、又は好ましい場合もある。
【0049】
担体材料と組み合わせて単回用量を製造し得る活性成分の量は、治療されるホスト及び投与の特定の方法により変わる。例えば、ヒトの経口投与のために意図される製剤は、約0.05mg以上且つ約5g以下の活性成分と適当量の担体材料を含むことができ、その中、前記担体材料の用量は、組成物全体の約5%〜99.95%の範囲で変動し得る。投与単位形態は、一般的に、式Iの化合物を活性成分として約0.1 mg以上約0.4 g以下を含み、通常は0.5 mg、1 mg、2 mg、5 mg、10 mg、25 mg、50 mg、100 mg、200 mg又は400 mgを含む。

医薬組成物
本発明のもう1つの態様によれば、式Iの化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。上述したプロスタノイド介在疾患の何れかを治療するために、式Iの化合物は、従来の薬学的に許容される無毒担体、補助剤、賦形剤を含む投与単位製剤で、吸入噴霧による経口的に、局所的に、非経口的に、或は、経直腸的に投与され得る。本明細書において使用される用語「非経口投与」としては、皮下注射、静脈注射、筋肉注射、胸骨内注射又は注入法が挙げられる。本発明の化合物は、マウス、ラット、馬、牛、羊、犬、猫などの温血動物の治療に加えて、ヒトの治療において有効である。
【0050】
活性成分を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トロ−チ、薬用キャンディ−、水性懸濁液、油性懸濁液、分散性粉末や顆粒、乳剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ、エリキシル剤などの、経口用途に適した剤型であり得る。経口用途のために意図される組成物は、医薬組成物の製造のための当分野で公知の何れかの方法により調製され得、且つ、当該組成物には、甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤からなる群より選択される1つ以上の薬剤を含むことができ、これにより医薬的に有効で美味な製剤を提供することができる。本発明により調製される錠剤は、錠剤の製造に適した無毒の薬学的に許容される賦形剤と混合された式Iの活性成分を含む。これら賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤;コ−ンスタ−チ、アルギン酸などの造粒剤及び崩壊剤;澱粉、ゼラチン又はアカシアなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの滑剤などであり得る。錠剤は素錠でもよく、又は、公知の方法に従って被覆されて消化管における崩壊及び吸収を遅延させ、これにより、より長期間にわたる持続的作用を提供することができる。例えば、時間を遅らせる材料としては、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリルを採用することができる。また、錠剤は、米国特許第4,256,108号、第4,166,452号及び第4,265,874号に記載の方法により被覆されることで、前記活性成分の放出を制御するための浸透圧治療錠剤を形成し得る。
【0051】
経口投与のための式Iの化合物の製剤は、活性成分を例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどの不活性固体希釈剤と混ぜた硬ゼラチンカプセル剤として、或は、活性成分を例えば、プロピレングリコ−ル、PEGs及びエタノ−ルなどの水混和性溶媒、又は、ピ−ナッツ油、流動パラフィン、オリ−ブ油などの油性媒体と混ぜた軟ゼラチンカプセル剤として提供され得る。
【0052】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混ぜた式Iの活性物質を含む。このような賦形剤は、例えば、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、メチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカント及びアラビアゴムなどの懸濁化剤である。分散剤または又は湿潤剤は、例えば、レシチンなどの天然に存在するリン脂質、又は、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又は、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコ−ルとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノ−ル)、又は、エチレンオキシドと、長鎖脂肪族アルコ−ル及びヘキシト−ルから誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビト−ルモノオレエ−ト)、又は、チレンオキシドと、長鎖脂肪族アルコ−ル及びヘキシト−ル無水物から誘導される部分エステルとの縮合生成物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレア−ト)であり得る。また、水性懸濁液は、例えば1つ以上のp−ヒドロキシ安息香酸エチル又はp−ヒドロキシ安息香酸n−プロピルなどの防腐剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤及び、例えば1つ以上の蔗糖、サッカリン又はアスパルテ−ムなどの甘味剤を含み得る。
【0053】
油性懸濁液は、活性成分を、例えば落花生油、オリ−ブ油、ごま油又はココナツオイルなどの植物油、又は流動パラフィンなどの鉱油中に懸濁させることにより製剤され得る。油性懸濁液は、例えば、蜜ろう、固形パラフィン又はセチルアルコ−ルなどの増粘剤を含み得る。上述した甘味剤及び香味剤を添加して、美味な経口調製物を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより保存され得る。
【0054】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1つ以上の防腐剤と混合された状態の活性成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤としては、既に上記したものにより例示されている。また、ほかの賦形剤を含むこともできる。例えば甘味剤、香味剤及び着色剤などの追加の賦形剤も、含まれ得る。
【0055】
また、本発明の医薬組成物は、水中油型エマルションの形態にすることもできる。その油相としては、例えば、オリ−ブ油又は落花生油などの植物油、流動パラフィンなどの鉱油、或はそれらの混合物であることができる。適切な乳化剤としては、天然に存在するリン脂質(例えば、大豆、レシチン)、脂肪酸及びヘキシト−ル無水物から誘導されるエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレア−ト)、及び、前記部分エステルのエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレア−ト)が挙げられる。乳化剤としては、甘味剤及び香味剤を含むことができる。
【0056】
本発明の化合物を含むシロップ剤及びエリキシル剤は、例えば、グリセロ−ル、ポリエチレングリセロ−ル、ソルビト−ル又は蔗糖などの甘味剤を含めて製剤され得る。また、このような剤型は、粘滑剤、防腐剤、香味剤及び着色剤を含むことができる。医薬組成物は、無菌の注射可能な水性又は油性の懸濁剤の形態であり得る。この懸濁剤は、上述した適切な分散剤や湿潤剤及び懸濁剤を用いる公知の方法に従って製剤され得る。また、本発明による医薬品製剤は、無毒の非経口に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液又は懸濁液、例えば、1,3−ブタンジオ−ル溶液であることができる。許容される賦形剤及び溶媒のうちで使用可能なものは、水、リンゲル液及び等張性塩化ナトリウム溶液が挙げられる。また、使用可能な共溶媒としては、例えば、エタノ−ル、プロピレングリコ−ル、又はポリエチレングリコ−ルが挙げられる。また、無菌の不揮発性油を、溶媒又は懸濁媒体として従来通り利用され得る。合成したモノグリセリド又はジグリセリドを含む、無菌性の不揮発性油が採用され得る。また、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に用いられ得る。
【0057】
また、式Iの化合物は、前記活性成分又は薬剤の直腸投与のための坐剤の形態でも投与され得る。これらの組成物は、前記薬剤を適切な無刺激性の賦形剤と混ぜることにより調製し得る。前記無刺激性の賦形剤は、室温では固体であるが、直腸の温度下では液体になり、これにより直腸内で溶解して前記薬剤を放出する。このような賦形剤としては、ココアバタ−、ポリエチレングリコ−ルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
局所的用途のために、前記式Iの化合物を含むクリ−ム、軟膏や懸濁剤が利用される(本出願の目的に応じて、局所投与は洗口剤及びうがい薬を含む)。局所用製剤は、一般的に、医薬担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、防腐系、皮膚軟化剤を含むことができる。本出願の目的に応じて、用語「局所使用」は洗口液やうがい薬などの利用を含み得る。
【0059】
このような剤型を調製するための実際方法は既に知られており、或は、当業者にとって自明なものである。例えば、文献「Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PA, 16th Ed., 1980」を参照することができる。

他の薬剤との組み合わせ
プロスタグランジン介在疾患の治療及び予防のために、式Iの化合物を、他の治療薬とともに併用投与することができる。従って、本発明のもう1つの態様において、式Iの化合物の治療的有効量及び1つ以上のその他の治療薬を含む、プロスタグランジン介在疾患を治療するための医薬組成物を提供する。式Iの化合物との併用療法に適切な治療薬としては、(1)DP受容体拮抗薬、例えばS−5751又はラロピプラントなど;(2)コルチコステロイド、例えばトリアムシノロンアセトニドなど;(3)β−作動薬、例えばサルメテロ−ル、フォルモテロ−ル、テルブタリン、メタプロテレノ−ル、アルブテロ−ルなど;(4)ロイコトリエン修飾薬、例えばロイコトリエン受容体拮抗薬又はリポキシナ−ゼ阻害薬(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト又はジロ−トンなど)を含む;(5)抗ヒスタミン剤、例えばブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾ−ル、テルフェナジン、ロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジンなど;(6)うっ血除去薬、例えばフェニレフリン、フェニルプロパノ−ルアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又は左旋性のデソキシエフェドリンを含む;(7)鎮咳薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン又はデキストロメトルファンを含む;(8)プロスタグランジンF作動薬を含むもう1つのプロスタグランジンリガンド、例えば、ラタノプロスト、ミソプロスト−ル、エンプロスチル、リオプロスチル、オルノプロスト−ルやロサプロストルなど;(9)利尿薬;(10)非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、例えばプロピオン酸誘導体(アルミノプロフェン、ベノキサプロフェン、ブクロキシ酸、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドプロフェン、ケトプロフェン、ミロプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピルプロフェン、プラノプロフェン、スプロフェン、チアプロフェン酸、チオキサプロフェン)、酢酸誘導体(インドメタシン、アセメタシン、アルクロフェナク、クリダナク、ジクロフェナク、フェンクロフェナック、フェンクロジック酸、フェンチアザク、フロフェナック、イブフェナク、イソキセパク、オキシピナック、スリンダク、チオピナク、トルメチン、ジドメタシン、ゾメピラック)、フェナミック酸誘導体(フルフェナム酸、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ニフルミン酸、トルフェナム酸)、ビフェニルカルボン酸誘導体(ジフルニサル、フルフェニサ−ル)、オキシカム(イソキシカム、ピロキシカム、スドキシカム、テノキシカム)、サリチル酸類(アセチルサリチル酸、スルファサラジン)、ピラゾロン(アパゾン、ベズピペリロン、フェプラゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン)など;(11)シクロオキシゲナ−ゼ2(COX−2)阻害剤、例えばセレコクシブ、ロフェコキシブなど;(12)ホスホジエステラ−ゼIV型(PDE−IV)阻害剤、例えば、アリフロ、ロフルミラストなど;(13)ケモカイン受容体、特にCCR−I、CCR−2及びCCR−3の拮抗薬;(14)コレステロ−ル降下薬、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤(ロバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及び他のスタチン)、金属イオン封鎖剤(コレスチラミン、コレスチポ−ル)、ニコチン酸、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラ−ト、フェノフィブラ−ト、ベンザフィブレ−ト)、及び、プロブコ−ルなど;(15)抗糖尿病薬、例えば、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド(メトホルミン)、α−グルコシダ−ゼ阻害剤(アカルボ−ス)、及びグリタゾン類(トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリダゾン、ロシグリタゾンなど)など;(16)インタ−フェロンβ(インタ−フェロンβ−1a、インタ−フェロンβ−1b)の製剤;(17)抗コリン剤、例えば、ムスカリン拮抗薬(臭化イプラトロピウム及び臭化チオトロピウム)及び選択的ムスカリンM3拮抗薬など;(18)ステロイド、例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメサゾン、及びヒドロコルチゾンなど;(19)通常片頭痛の治療に使用されるトリプタン類、例えば、スミトリプタン及びリザトリプタン;(20)アレンドロネ−ト及び他の骨粗鬆症の治療薬;(21)他の化合物、例えば、5−アミノサリチル酸及びそのプロドラッグ、アザチオプリン及び6−メルカプトプリンなどの代謝拮抗物質、細胞傷害性癌化学療法剤、FK−3657などのブラジキニン(BK2)拮抗薬、セラトロダストなどのTP受容体拮抗薬、、ニュ−ロキニン拮抗薬(NK1/NK2)、VLA−4拮抗薬(例えば、US 5,510,332、WO97/03094、WO97/02289、WO96/40781、WO96/22966、WO96/20216、WO96/01644、WO96/06108、WO95/15973とWO96/31206に記載のものなど)を含む。
【0060】
さらに、本発明はプロスタグランジンD2介在疾患を治療する方法を含み、該方法は、このような治療を必要とする患者に対し、式Iの化合物の無毒な治療的有効量を、上記に例示したような成分のいずれか1つ以上と併用して投与することを含む。

化合物の調製
本発明の化合物は、公知の化学法により調製される。本発明の式Iの化合物は、例えば、下記の図式に示す一般的合成経路に従って調製され得る。式Iの化合物を調製するために必要な出発原料を市場から入手できない場合、式Iの化合物の調製に必要な出発原料は、有機化学の標準的技術(芳香族及び複素環式芳香族の置換及び転換を含む)、既知の構造的に類似した化合物の合成と近似している合成技術、上述した方法又は実施例に記載の方法と近似している方法から選択される方法により調製され得る。種々の順序が出発原料の調製に用いられることは、当業者にとって明らかなことである。
【0061】
【化7】



【0062】
【化8】



【0063】
【化9】

【0064】
【化10】



【0065】
【化11】



【0066】
【化12】



【0067】
【化13】


代表的化合物
本発明の代表的な(これに限定されない)化合物を式(IA)を参照しつつ表1に示す。
【0068】
【化14】

【0069】
【表1】

【0070】
【表2】


生物学的評価
実施例B1:放射性リガンド結合アッセイ
放射性リガンド結合アッセイを、室温で、HEPES/KOH (10mM、pH7.4)、10mM MnClを含むEDTA 1mM 、及び[H]PGD (NEN, 172 Ci mmol−1) 0.4 nM、最終容量0.2 mlにおいて実施した。競合リガンドを、最終インキュベ−ション容量が1% (v/v)に一定に維持されたジメチルスルホキシド(MeSO)に希釈した。HEK−hCRTH2細胞株から調製した膜蛋白質23μgを添加することにより、反応を開始した。全体の及び非特異的結合を、10μM PGDの非存在下及び存在下で、それぞれ測定した。このような条件下で、放射性リガンドの受容体への非特異的結合(非特異的結合を全体の結合から引く)は、50分内に平衡に達し、180分まで安定であった。反応を、室温で60分間恒常的に行い、Tomtec MachIII半自動ハ−べスタ−(HEK−hCRTH2用)を用いて、予湿したunifilter GF/C(Packard製)を通して、急速ろ過することにより停止させた。次に、同じバッファ−4 mlでフィルタ−を洗浄し、フィルタ−と結合した残留放射性リガンドを、Ultima Gold(商標)(GF/C)5 ml又はUltima Gold F(商標)(Unifilter)(Packard製)50 μL中にて平衡にさせた後、液体シンチレ−ション計数により定量した。
【0071】
実施例B2:[cAMP]測定
HEK−hCRTH2細胞を、アッセイ当日に飽和密度に達するように増殖させた。細胞をPBSにより洗浄し、細胞解離バッファ−中で3分間インキュベ−トし、室温で6分間の300gで遠心分離により細胞を収集し、HEPES pH7.4(HBSS/HEPES)25mMを含むHanks’平衡塩類溶液に10細胞数/mLで再懸濁した。アッセイは、100000細胞数、5μMフォルスコリン(Sigma製)、100 μM RO 20−1724(Biomol製)、及び種々の濃度の試験化合物を含むHBSS/HEPES 0.2mLで行った。細胞と試験化合物を37℃で10分間前インキュベ−ションを行った後、PGDを3 μMの濃度で添加して反応を開始させた。37℃で10分間インキュベ−ションを行った後、沸騰水浴における3分間のインキュベ−ションにより反応を停止させた。サンプルを500gで10分間遠心分離し、上澄みにおけるcAMP含有量を、[125I]−cAMPシンチレ−ション近接アッセイ(Amersham製)を用いて定量した。CRTH2の活性化によるホルスコリン刺激cAMP生成の最大阻害を、1μM PGDの存在下で定量した。全ての化合物を、最終インキュベ−ション容量が1% (v/v) に一定に維持されたMeSO中で調製した。

実施例B3:CRTH2結合アッセイ
式Iの化合物のCRTH2への結合親和性を、以下の試薬と条件で、MDSPharma Serviceを用いて測定した。
【0072】
MDSプロスタノイドCRTH2結合アッセイ(目録号268030):
ソ−ス:ヒト組み換えCHO−Kl細胞
リガンド:1 nM [H] プロスタグランジンD(PGD
賦形剤:1% DMSO
インキュベ−ション時間/温度:2時間/25℃
インキュベ−ションバッファ−:50 mM Tris−HCl、pH 7.4、40 mM MgCl、0.1% BSA、0.1% NaN
非特異的リガンド:1 mM プロスタグランジンD(PGD
:4.1 nM *
MAX:13 pmole/mg 蛋白質*
特異的結合:88% *
定量法:放射性リガンド結合
(*歴史的値)
例えば、Sugimoto H, Shichijo M, Iino T, Manabe Y, Watanabe A, Shimazaki M, Gantner F及びBacon KB.(2003), 「An orally bioavailable small molecule antagonist of CRTH2, ramatroban (BAY u3405), inhibits prostaglandin D2−induced eosinophil migration in vitro」, J Pharmacol Exp Ther. 305(1): 347−352の文献を参照する。
【0073】
【表3】


以下の合成実施例は、説明のために提供されるものであり、本発明の請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0074】
(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b] インドリジン−5−イル}−酢酸
【0075】
【化15】


ステップ1: アジド−酢酸メチルエステル

【0076】
【化16】


ブロモ酢酸メチル115 gを含むメタノ−ル1 L溶液に、アジ化ナトリウム71 gを含む水溶液200 mLを、室温で1時間をかけて加入した。該反応は僅かな発熱反応で、反応混合物を3時間撹拌し、メタノ−ルを減圧下で除去した。残りの水性混合物を3 x 1 Lのエ−テルにより抽出し、得られた抽出物をNaSOで乾燥し、ろ過及び濃縮により標題化合物の粗製物を得た。得られた化合物を、さらに精製することなく、次のステップのために用いる。

ステップ2: 6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【0077】
【化17】


NaOMe(35 mL、MeOH中4.37 M)及びMeOH(70 mL)の冷却(−20℃)溶液に、(6−クロロ−ピリジン−3−カルバルデヒド(10.9 g,77 mmol)及びアジド−酢酸メチルエステル(22 g,192.5 mmol)を含む40 mLのMeOH溶液を、機械式のオ−バ−ヘッド式撹拌器で撹拌しながら10分間ゆっくり滴下した。得られた溶液を0℃で5時間撹拌しながら、淡黄色固体を含む混濁混合物を500 gの氷に投入し、該固体を濾集し、真空乾燥により13 gの中間体を得た。該中間体を200 mLのキシレンに溶解し、100 mLの沸騰させたキシレンに20分間かけてゆっくり滴下した。該混合物をさらに4時間還流して濃縮した。50 mLのEtOAc/ヘキサン(1:1)から、残留物を移出することにより所望の産物2.6gを得た。NMRにより、〜30%位置異性体インド−ル(6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c] ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル)の存在が確認された。
【0078】
6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b] ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
H NMR (500 MHz, DMSO−d): ・ 12.80 (1H, bs), 8.18 (1H, d), 7.23 (1H, d), 7.21 (1H, s), 3.88 (3H, s)。
【0079】
6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c] ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
H NMR (500 MHz, DMSO−d): ・ 12.53 (1H, bs), 8.80 (1H, s), 7.42 (1H, s), 7.35 (1H, s), 3.90 (3H, s)。

ステップ3: 1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
【0080】
【化18】


DMF15 mL中にステップ2の生成物0.63g(〜30%の位置異性体を含む)、ブロモ酢酸t−ブチル0.8 g及びCsCO1.5 gを含む混合物を、60℃の下で2時間撹拌した。該混合物を30 mLのEtOAcで希釈し、シリカゲルのパッドにてろ過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−30%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.55 gの所望の産物(高速溶離、白い固体)を0.2 gの異性体(低速溶離、白い固体):1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c] ピリジン−2−カルボン酸メチルエステルとともに得た。
【0081】
1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 8.22 (1H, d), 7.38 (1H, s), 7.28 (1H, d), 5.30 (2H, s), 3.91 (3H, s), 1.46 (9H, s)。
【0082】
1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2 −c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 8.82 (1H, s), 7.73 (1H, s), 7.50 (1H, s), 5.34 (2H, s), 3.92 (3H, s), 1.44 (9H, s)。

ステップ4: (6−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
【0083】
【化19】


−50℃で冷却した、0.5 gの6−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステルを含むTHF溶液10 mL中に、1.5 Mジイソブチルアルミニウム水素化物溶液を含む3.3 mLのトルエンをゆっくり滴下した。−50℃から0℃の間で、該反応混合物を2時間撹拌した後、10 mLの25% 酒石酸K Na水性溶液と25 mLのEtOAcを添加することにより反応を停止した。室温で1時間撹拌した後、有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−50%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.3 gの所望の産物をシロップとして得た。
【0084】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 7.95 (1H, d), 7.12 (1H, d), 6.48 (1H, s), 5.08 (2H, s), 4.77 (2H, bs), 4.42 (1H, bs), 1.46 (9H, s)。

ステップ5: 3−(1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル
【0085】
【化20】


6−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ピロロ[2,3−b]ピリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル0.75 g を含むCHCl溶液50mL中に、1 g のDess−Martin試薬を添加した。該混合物を室温で30分間撹拌し、30 mLのCHClで希釈し、シリカゲルのパッドにてろ過した。濃縮後、該粗アルデヒド中間体を40 mLのTHFに溶解し、1.2 gのPhP=CHCOEtで処理した。該反応混合物を55℃で2時間撹拌し、30 mLのへキサンで希釈し、シリカゲルのパッドにてろ過した。濾液を濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−30%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.9gの標題化合物を淡黄色の固体として得た。
【0086】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 8.06 (1H, d), 7.70 (1H, d), 7.22 (1H, s), 7.21 (1H, d), 6.65 (1H, d), 5.23 (2H, s), 4.24 (2H, q), 1.49 (9H, s), 1.31 (3H, t)。

ステップ6: 3−(1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−プロピオン酸エチルエステル
【0087】
【化21】


EtOAc60mL中に3−(1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル0.8g及びPtO80 mgを含む混合物を、Hのバル−ン圧下で、1時間撹拌した。該混合物をセライト(celite)にてろ過し濃縮して、粗産物(0.8 g,白い固体)を得た。
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 7.90 (1H, d), 7.10 (1H, d), 6.36 (1H, s), 5.03 (2H, s), 4.13 (2H, q), 3.08 (2H, t), 2.80 (2H, t), 1.50 (9H, s), 1.22 (3H, t)。
【0088】
ステップ7: 2−クロロ−6,7−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−8−オン
【0089】
【化22】


1M KOtBu THF溶液2.5 mLをTHF20 mLに添加したものを−10℃で冷却した。3−(l−tert−ブトキシカボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−プロピオン酸エチルエステル(0.73 g)を含むTHF溶液 4 mLを、2分間かけて添加した。−10℃で15分間撹拌した後、1N HCl(3mL)を添加し、次に、塩水10 mLを添加した。該混合物を40 mLの EtOAcにより抽出し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮した。残留物を30 mLのトルエンに溶解し、1 gのシリカゲルを添加し、得られた混合物を3時間加熱還流させた。冷却後、反応混合物をろ過し濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−40%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製し、0.3gの標題化合物をベ−ジュ色の固体として得た。
【0090】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・ 7.92 (1H, d), 7.10 (1H, d), 6.48 (1H, s), 4.78 (2H, s), 3.34 (2H, q), 2.78 (2H, t)。

ステップ8: (±)−N−(2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−8−イル)−4−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【0091】
【化23】


2−クロロ−6,7−ジヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−8−オン(0.3 g)を含むジクロロエタン溶液8mL中に、2 Mのメチルアミンを含むTHF溶液1.5 mL、AcOH 0.18 mL及びNaB(AcO)H 0.75gを添加した。該混合物を室温で2時間撹拌した後、弱塩基性になるまで0〜7 mLの1N LiOH水溶液で処理した。得られた混合物を3×20 mLのCHClにより抽出し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮した。残留物を10 mLのCHClに溶解し、0.5 mLのEtN、5 mgのDMAP及び0.3 gの4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドで処理した。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、0.2 mLの水で処理した。10分間撹拌した後、該混合物をシリカゲルのパッドにてろ過し濃縮した。残留物、をシリカゲルクロマトグラフィ−40%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.4gの標題化合物を白い固体として得た。
【0092】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 8.06 (2H, dd), 7.84 (1H, d), 7.45 (2H, t), 7.08 (1H, d), 6.22 (1H, s), 4.55 (1H, m), 4.32 (1H, dd), 3.92 (1H, t), 3.12 (1H, m), 3.05 (1H, m), 2.98 (3H, s), 2.03 (1H, m), 1.73 (1H, m)。

【0093】
ステップ9: (±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−オキソ−酢酸メチルエステル
【0094】
【化24】


0℃で冷却した、(±)−N−(2−クロロ−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−8−イル)−4−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(0.31 g)を含むCHCl溶液15mL中に、塩化オキサリル0.15 mLを添加した。0℃で30分間撹拌した後、6 mLの無水MeOHを添加し、引き続き20分間撹拌した。得られた固体を濾集して、0.28gの標題化合物を白い固体(微量MeOH含有)として得た。
【0095】
H NMR (500 MHz, DMSO−d): ・ 8.18 (2H, d), 8.01 (1H, dd), 7.50 (2H, t), 7.42 (1H, d), 4.55 (1H, m), 4.20 (1H, dd), 4.08 (1H, t), 3.95 (3H, s), 3.62 (1H, dd), 3.18 (1H, m), 2.83 (3H, s), 2.00 (1H, m), 1.62 (1H, m)。

ステップ10: (±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸メチルエステル
【0096】
【化25】


(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−オキソ−酢酸メチルエステル(0.26 g)を含むCHCl溶液4mL中に、4mLのトリフルオロ酢酸と4mLのEtSiHを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で全ての揮発性成分を除去した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−40%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製し、180mgの標題化合物を白い固体として得た。
【0097】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・・ 8.08 (2H, dd), 7.89 (1H, d), 7.45 (2H, t), 7.10 (1H, d), 4.52 (1H, m), 4.32 (1H, dd), 3.92 (1H, t), 3.72 (1H, d, A of AB), 3.65 (1H, d, B of AB), 3.61 (3H, s), 3.17 (1H, dd), 2.98 (3H, s), 2.92 (1H, m), 2.02 (1H, m), 1.79 (1H, m)。

ステップ11: (±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸
【0098】
【化26】


(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸メチルエステル20 mg を含むTHF1.2mL溶液中に、1.5 mLの水を添加し、次に、0.2 mLの1N LiOH水溶液を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、0.1 mLのAcOHを添加した後、3 mLの塩水を添加した。該混合物を2×10 mLのEtOAcにより抽出し、合わせた抽出物をNaSOで乾燥し濃縮して、18 mgの所望の産物を白い固体として得た。
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・ 8.08 (2H, dd), 7.90 (1H, d), 7.45 (2H, t), 7.10 (1H, d), 4.53 (1H, m), 4.32 (1H, dd), 3.92 (1H, t), 3.70 (1H, d, A of AB), 3.62 (1H, d, B of AB), 3.20 (1H, dd), 3.00 (3H, s), 2.92 (1H, m), 2.02 (1H, m), 1.78 (1H, m)。
【実施例2】
【0099】
(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸のHPLCキラル分割
(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸(実施例1)を、0.05% TFAを含むメタノ−ルで溶離させたChiralcel OJ−RHコラム(4.6×150 mm, Chiral Technologies, Cat. No. 17724, Lot No. OJRHCD−LL028)で分割した。保持時間をそれぞれ2.397分と2.955分として、二つの鏡像異性体を分離した。

実施例2A:高速溶離した2−クロロ−8−[(4−フルオロベンゼンスルホニル−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸鏡像異性体
実施例2B:高速溶離した2−クロロ−8−[(4−フルオロベンゼンスルホニル−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸鏡像異性体
【実施例3】
【0100】
(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸
【0101】
【化27】


ステップ1: (±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸メチルエステル
【0102】
【化28】


(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸メチルエステルの産物(50 mg)及びPd/C(20%)40 mgを含むMeOH溶液 50mLを、Hのバル−ン圧下で、16時間撹拌した。セライトにて懸濁液をろ過し、該濾液を濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−40%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、30mgの所望の産物を白い固体として得た。
【0103】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・ 8.17 (1H, d), 8.10 (2H, dd), 7.85 (1H, d), 7.46 (2H, t), 7.05 (1H, dd), 4.53 (1H, m), 4.38 (1H, dd), 3.89 (1H, t), 3.70 (1H, d, AB的A), 3.64 (1H, d, ABのB), 3.62 (3H, s), 3.17 (1H, dd), 2.98 (3H, s), 2.92 (1H, m), 2.02 (1H, m), 1.78 (1H, m)。

ステップ2: (±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸
【0104】
【化29】

(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸メチルエステル(28mg)を含むTHF/水(1 :1)溶液4 mL 中に、0.2 mLの1N LiOH水溶液を添加した。室温で1時間撹拌した後、AcOH(0.2 mL)及び4 mLの塩水を添加し、混合物を2×10 mLのEAにより抽出し、NaSOで乾燥した。ろ過し濃縮した後、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−5% AcOHを含む50%EtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、20mgの所望の産物を白い固体として得た。
【0105】
H NMR (500 MHz, アセトン−d): ・ 8.17 (1H, d), 8.10 (2H, dd), 7.88 (1H, d), 7.45 (2H, t), 7.05 (1H, dd), 4.53 (1H, m), 4.40 (1H, dd), 3.88 (1H, t), 3.67 (1H, d, ABのA), 3.60 (1H, d, ABのB), 3.18 (1H, dd), 2.98 (3H, s), 2.92 (1H, m), 2.01 (1H, m), 1.77 (1H, m)。
【実施例4】
【0106】
(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸のHPLCキラル分割:
(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸(実施例3)を、Chiralcel OJ−RHコラム(4.6×150 mm, Chiral Technologies, Cat. No. 17724, Lot No. OJRHCD−LL028)0.05% TFAを含むメタノ−ルで溶離で分割した。保持時間をそれぞれ2.041分と2.669分として、二つの鏡像異性体を分離した。
【0107】
実施例4A:高速溶離した8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸鏡像異性体
実施例4B:低速溶離した8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸鏡像異性体

【実施例5】
【0108】
(±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−酢酸
【0109】
【化30】


ステップ1: (6−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ピリド[3,2−c]ピリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
【0110】
【化31】


−50℃で冷却した、0.51gのl− tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル(実施例1のステップ2の低速溶離産物)を含むTHF溶液15 mL中に、1.5 M のDIBAL−H を含むトルエン溶液3.2 mLを滴下した。反応混合物を−50℃〜0℃で2時間撹拌し、TLCにより〜80%転換(60% EtOAc/H,Rf 0〜0.3)が示され、30 mLの25% 酒石酸K Na水溶液と65 mLのEtOAcを添加することにより反応を停止させた。1時間撹拌した後、有機層を分離し、水相を60 mLのEtOAcにより抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−70%のEtOAc/Hで溶離で精製して、0.27gの所望の産物をシロップとして得た。
【0111】
ステップ2: 3−(1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−アクリル酸エチルエステル
【0112】
【化32】


(6−クロロ−2−ヒドロキシメチル−ピロロ[3,2−c]ピリジン−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(0.075 g)を5mLのCHClに溶解し、0.15gのDess−Martin試薬で処理した。混合物を室温で30分間撹拌し、10 mLのCHClで希釈し、シリカゲルのパッドにてろ過した。濃縮後、残留物を10mLのTHFに溶解し、0.3g のPhP=CHCOEtで処理した。反応混合物を55℃で2時間撹拌し、10 mLのへキサンで希釈し、シリカゲルのパッドにてろ過した。濾液を濃縮し、残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−40%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製し、0.09gの標題産物を淡黄色の固体として得た。MS (ESI): 365.2 (M+1)。

ステップ3: 3−(1−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−プロピオン酸エチルエステル
【0113】
【化33】


EtOAc12mL中の、3−(l− tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−プロピオン酸エチルエステル0.08g及びPtO0.015 gの混合物を、Hのバル−ン圧下で、16時間撹拌した。該混合物をセライトにてろ過し濃縮して、粗産物(0.08 g,白い固体)を得た。MS (ESI): 367.2 (M+l)。

ステップ4: 3−クロロ−7,8−ジヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−6−オン
【0114】
【化34】


0.25mlの1M KOtBu THF溶液と2mLのTHFの溶液を−10℃で冷却した。3−(l−tert−ブトキシカルボニルメチル−6−クロロ−1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−プロピオン酸エチルエステル(0.07 g)を含むTHF溶液0.5mLを、1分間かけて添加した。−10℃で15分攪拌した後、0.3mLの1N HCl及び3 mLの塩水を添加した。混合物を10 mLのEtOAcにより抽出し、抽出物をNaSOで乾燥し、ろ過し濃縮した。残留物を10 mLのトルエンに溶解し、0.3 gのシリカゲルを添加し、該混合物を3時間加熱還流した。冷却後、反応混合物をろ過し濃縮した。更なる精製無しに、残留物をそのまま次のステップに用いた。MS (ESI): 221.1 (M+l)。

ステップ5: (±)−N−(3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−6−イル)−4−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【0115】
【化35】



3−クロロ−7,8−ジヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−6−オン(0〜0.055g)を含むジクロロエタン溶液4mL中に、2 Mメチルアミンを含む0.2 mLのTHF溶液、0.02 mLのAcOHと0.11 gのNaB(AcO)Hを添加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物を弱塩基性になるまで0〜1mLの1N NaOH水溶液で処理し、3×7 mLのCHClにより抽出し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮した。残留物を2 mLのCHClに溶解し、0.1 mLのEtN、1mgのDMAP及び0.1 gの4−フルオロベンゼンスルホニルクロリドで処理した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物に0.1mLの水を添加し30分間撹拌した後、該混合物をシリカゲルのパッドにてろ過し濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−50%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.008gの標題化合物を白い固体として得た。MS(ESI): 394.1(M+l)。

ステップ6: (±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−オキソ−酢酸メチルエステル
【0116】
【化36】


(±)−N−(3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−6−イル)−4−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド(0.008 g)を0.4 mL のClCOCOMeに溶解し、該溶液を45℃で3日撹拌した。その後、反応混合物を真空下で濃縮して、0.009gの標題化合物を得た。MS(ESI):480.1(M+l)。

ステップ7: (±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−酢酸メチルエステル
【0117】
【化37】


(±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−オキソ−酢酸メチルエステル(0.006 g)を含むCHCl溶液0.2mLに、0.2 mL のTFAと0.2 mL のEtSiHを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した後、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルクロマトグラフィ−50%のEtOAc/ヘキサンで溶離で精製して、0.005gの所望の産物を白い固体として得た。MS (ESI): 466.1(M+l)。

ステップ8: (±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−酢酸
【0118】
【化38】


4 mgの(±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−酢酸メチルエステルを含むTHF溶液0.2 mLに、0.1 mLの水を添加し、次に、0.02 mLの1 N LiOH水溶液を添加した。室温で1時間撹拌した後、0.05 mLのAcOHを添加した。反応混合物を窒素噴流で乾燥した。残留物を0.3 mLのEtOAcに懸濁させ、シリカゲルにてろ過した。濾液を濃縮して、2 mgの標題化合物を白い固体として得た。MS(ESI):452.1(M+l)。
【実施例6】
【0119】
(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸
【0120】
【化39】


(±)−{3−クロロ−6−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−2,4b−ジアザ−フルオレン−9−イル}−酢酸(2 mg)及び2 mgのPd/C(20%)を含むMeOH溶液0.5 mLを、Hのバル−ン圧下で、8時間撹拌した。懸濁液をセライトにてろ過し、濾液を濃縮して、標題化合物を得た。MS (ESI):418.0(M+1)。

本出願に引用された全ての特許、特許出願及び公開物は、本発明の全ての目的を達成するために、参照として引用され、その引用の程度はそれぞれの特許、特許出願又は公開物を単独に引用する場合と同じである。
【0121】
本発明の実施形態は、本文に記載された実施形態の例示以外に、他の形態が存在することができる。本文に開示された全ての実施例は、本発明を限定するものではない。請求範囲に定義された本発明の主旨と範囲を逸脱しない限り、変更と改良を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化40】


(式中、A、B、CとDの一つはNであり、且つ、残りの基は独立してN、CH、C(R)から選択され;
mは1〜4の整数であり;
nは0〜4の整数であり;
は、以下の基から選択される:
(a)−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、オキソ、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(b)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基は以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(i)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(ii)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基が以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(aa)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(bb)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル又はヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル及び非置換のヘテロアリ−ル;及び
(c)H、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロゲン化アルキル、OC1−6ハロゲン化アルキル、SC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、S(O)NR、−NRS(O)アルキル、−NRS(O)アリ−ル、CN、C(O)アルキル、C(O)アリ−ル、C(O)ヘテロアリ−ル、C(O)NR、NRC(O)アルキル、NRC(O)アリ−ル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル;
tは0〜2の整数であり;
及びRは、以下の基から選択される基であり:
(a)−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、オキソ、水素、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル基、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(b)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基が以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(i)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(ii)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基が以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(aa)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(bb)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル又はヘテロアリ−ル、但し、前記基が以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル及び非置換のヘテロアリ−ル;及び
(c)H、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4ハロゲン化アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フッ化アルコキシ及びアセチル;
は、H、C1−6アルキル又はハロゲン化C1−6アルキルから選択され;
Arは、それぞれ以下の基から選択される1つ以上の基ににより置換されてもよいアリ−ル又はヘテロアリ−ルであり:
(a)−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、オキソ、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(b)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(i)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(ii)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:
(aa)オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル、非置換のヘテロアリ−ル、及び
(bb)アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリ−ル又はヘテロアリ−ル、但し、前記基は、以下の置換基から選択される少なくとも一つの基により置換される:オキソ、−OH、−NH、−SH、−CN、−CF、−NO、ハロゲン、非置換のアルキル、非置換のヘテロアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のヘテロシクロアルキル、非置換のアリ−ル及び非置換のヘテロアリ−ル;及び
(c)H、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6ハロゲン化アルキル、OC1−6ハロゲン化アルキル、SC1−6アルキル、S(O)1−6アルキル、S(O)NR、−NRS(O)アルキル、−NRS(O)アリ−ル、CN、C(O)アルキル、C(O)アリ−ル、C(O)ヘテロアリ−ル、C(O)NR、NRC(O)アルキル、NRC(O)アリ−ル、アリ−ル及びヘテロアリ−ル;
Xは、−C(R)(R)−、−C(R)(R)−C(R)(R)−、−C(R)=C(R)−、−OC(R)(R)−及び−SC(R)(R)−、−NHC(R)(R)又は−NRC(R)(R)からなる群より選択され;
Yは、−S(O)−又は−C(O)−であり;
及びRは、該R及びRに同時に結合する炭素原子とC3−6シクロアルキル環を形成し;又は
及びRは、該R及びRに結合する隣接する複数の炭素原子とC3−6シクロアルキル環を形成する。)
【請求項2】
n及びmが1である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
nが2であり、且つ、mが1である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
nが2であり、mが1であり、且つ、R及びRがHである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
nが2であり、mが1であり、R及びRがHであり、且つ、Rがメチルである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
nが2であり、mが1であり、且つ、Xが−CH−である、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
Arがフェニル又は置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
nが2であり、mが1であり、Xが−CH−であり、R及びRがHであり、Rがメチルであり、Arがフェニル又は置換されたフェニルであり、且つ、AがNである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
nが2であり、mが1であり、Xが−CH−であり、R及びRがHであり、RがMeであり、Arがフェニル又は置換されたフェニルであり、且つ、BがNである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
nが2であり、mが1であり、Xが−CH−であり、R及びRがHであり、Rがメチルであり、Arがフェニル又は置換されたフェニルであり、且つ、CがNである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
nが2であり、mが1であり、Xが−CH−であり、R及びRがHであり、Rがメチルであり、Arがフェニル又は置換されたフェニルであり、且つ、DがNである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
B、C及びDが−CH−又は−C(R)−であり、Rが水素、ハロゲン、C1−6アルキル及びC1−6ハロゲン化アルキルであり、且つ、Yが−S(O)−である、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
A、C及びDが−CH−又は−C(R)−であり、Rが水素、ハロゲン、C1−6アルキル及びC1−6ハロゲン化アルキルであり、且つ、Yが−S(O)−である、請求項9に記載の化合物。
【請求項14】
A、B及びDが−CH−又は−C(R)−であり、Rが水素、ハロゲン、C1−6アルキル及びC1−6ハロゲン化アルキルであり、且つ、Yが−S(O)−である、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
A、B及びCが−CH−又は−C(R)−であり、Rが水素、ハロゲン、C1−6アルキル及びC1−6ハロゲン化アルキルであり、且つ、Yが−S(O)−である、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
(±)−{2−クロロ−8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸を含有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
Chiralcel OJ−RHコラムで高速溶離した、請求項16に記載の化合物の高活性鏡像体。
【請求項18】
(±)−{8−[(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−6,7,8,9−テトラヒドロ−ピリド[3,2−b]インドリジン−5−イル}−酢酸を含有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
Chiralcel OJ−RHコラムで高速溶離した、請求項18に記載の化合物の高活性鏡像体。
【請求項20】
請求項1に記載の式1の化合物(又はその薬学的に許容される塩)を、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項21】
プロドラッグが請求項1に記載の化合物のエステル又はアミド誘導体である、請求項1に記載の化合物のプロドラッグ。
【請求項22】
CRTH2介在疾患を治療又は予防するための薬物の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項23】
呼吸器疾患及び炎症性疾患の治療のために、コルチコステロイドとβ−アゴニストから選択される1つ以上の別の治療薬と併用する、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項24】
請求項1に記載の化合物と、5−リポキシゲナ−ゼ及び/又は5−リポキシゲナ−ゼ活性化蛋白質の阻害剤とを含む、組成物。
【請求項25】
請求項1に記載の化合物と、ロイコトリエン受容体拮抗薬とを含む、組成物。
【請求項26】
前記ロイコトリエン受容体拮抗薬がモンテルカストである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
請求項1に記載の化合物と、DP拮抗薬とを含む、組成物。
【請求項28】
前記DP拮抗薬がラロピプラントである、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
治療を必要とする哺乳動物に、治療的有効量で、請求項1に記載の式Iの化合物(又は塩)を投与することを含む、哺乳動物におけるCRTH2受容体に拮抗する方法
【請求項30】
請求項1に記載の化合物と、臭化チオトロピウム、イプラトロピウム臭化物及び臭化グリコピロニウムからなる群より選択されるがこれらに限定されないムスカリン受容体拮抗薬とを含む、組成物。
【請求項31】
請求項1に記載の化合物と、ヒスタミンH1受容体とを含む、組成物。
【請求項32】
請求項1に記載の化合物と、Sykチロシンキナ−ゼ阻害剤とを含む、組成物。
【請求項33】
請求項1に記載の化合物と、CXCR2拮抗薬とを含む、組成物。


【公表番号】特表2011−500584(P2011−500584A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529022(P2010−529022)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/079303
【国際公開番号】WO2009/049021
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(510100461)
【Fターム(参考)】