説明

ICコイン処理装置

【課題】ICタグを内蔵したICコインの連続投入が可能でセキュリティが高く、糸吊りによる不正防止が可能なICコイン処理装置の提供。
【解決手段】ICコイン110に内蔵されたICタグの記憶情報を読み込み、判別手段で判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、投入口104に連なる投入傾斜通路154に続いて落下通路156とICコインを受入通路148もしくは返却通路152に振り分ける振分通路158を形成し、前記落下通路と前記振分通路との接続部側方にタグリーダを配置して、ICコインに記憶された解読スクランブル情報DSI及び非スクランブル情報NSIに基づいて前記判別手段がICコインの真偽を判別し、判別結果にもとづいてICコインを前記受入通路若しくは返却通路へ振り分ける。受入通路に第1、第2の通過センサ212、214を設け、ICコインの通過状況を検知して異常の有無を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグを内蔵し、当該ICタグの記憶装置に価値情報等を記憶させたコイン形ICコインの処理装置に関する。
特に、不正を防止できると共にICコインの連続投入を可能にしたICコイン処理装置に関する。
さらには、ICコイン処理装置への不正アクセスを検知できるようにしたICコイン処理装置に関する。
本明細書で使用する「ICコイン」は、ICタグ(RFID:Radio frequency
identification)を内蔵したコイン形のトークンであり、ICタグの記憶装置に所定の情報が記憶され、アンテナを介して読込(/書込)装置との間で非接触で記憶情報の送受信が可能である。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、ICコインをICコイン払出口である投入口に投入し、プレイスタートボタンが押された場合、リードライト装置に取り込み、ストッパによりリードライト装置にICコインが相対した位置に保留することによりICコイン内の記憶装置と通信し、記憶内容を読み取り、及び、書き込むようにしたICコイン処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
第2の従来技術として、メダル投入口に投入されたICコインは、ほぼ垂直に落下した後メダル保留部に保留され、電子タグリーダ/ライタによってID情報等が読み込まれ、真偽の判別が行われ、偽ICコインに判別された場合、返却口へ返却され、真正ICコインに判別された場合、ICコインに記憶されている価値情報を読込、かつ、価値情報を電子タグリーダ/ライタによって消去された後、ICコイン収納部に収納されるICコイン受付装置が知られている (例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001-300117 (4―6頁、図1―4)
【特許文献2】特開2006-110391(8−9頁、図4〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1及び第2の従来技術において、ICコインに記憶されている価値情報を不正に改ざんされないよう記憶装置にはISO14443規格によるセキュリティ対策がなされている。
このセキュリティ対策は所定の認証キーが判明すれば認証手順が公開されているためアクセス可能であり、記憶されている価値情報を書き換えることができる。
認証キーは数値の組み合わせであるため、全ての組み合わせを試みることにより、探知可能である。
よって、ISO14443規格によるセキュリティ対策が施されている記憶装置を用いてもセキュリティは万全ではない。
さらに、ISO14443規格による認証手順は複雑であるため、ICコインの記憶装置から記憶情報を読み込むために時間を要し、ICコインの転動中に記憶情報を読み込むことができない。
このため、ICコインを保留部に一時保留せねばならない。
【0005】
近年、多くのメダルを使用するゲーム機が増加しているため、例えば1のICコインによって50枚のメダルの貸出を受けることができる。
ゲームプレイ者は一時に多くのメダルを投入してクレジットしておき、当該クレジットからゲームに必要なメダル数を減じてゲームを連続的に行うことが多く、ICコインを連続的に投入できるICコイン処理装置が望まれていた。
従来の一時保留式のICコイン処理装置においては、1枚のICコインが保留部に保留された場合、連続投入されないよう投入口が閉じられ、当該ICコインからの読込等の処理を終了して保留部へ送り出すまで当該投入口が閉じられるため連続投入することができない。
保留部にICコインが複数枚保留されることによる異常処理を防止するためである。
さらに、ゲーム場では児童もプレイするため、高額の装置の導入はできず、連続投入が可能であり、安価で安全性が高いICコインの出現が望まれている。
【0006】
これを解決するため、ICタグ製造番号の書換不能な記憶領域及び利用者が上方を書込できる記憶領域を有する記憶装置、所謂ICタグ(RFID)をICコインの記憶装置として採用することが考えられる。
ICタグは記憶できる情報量が少なく、また、認証手順も基準化されていないので、高速読込、換言すれば高速真偽判別処理が可能であり、安価にICコインシステムを構築できる利点がある。
しかし、ICタグは記憶情報に何らセキュリティ対策が施されていないので、店舗毎の識別番号(店舗ID)や価値情報等を記憶させるICコインに用いる場合、不正に店舗ID等を書き換えられる恐れがあるので俄に採用できない。
【0007】
本発明の第1の目的は、ICタグを内蔵したICコインのセキュリティを高めたICコイン処理装置を提供することを目的とする。
本発明の第2の目的は、ICタグを内蔵したICコインの連続投入が可能なICコイン処理装置を提供することを目的とする。
本発明の第3の目的は、ICタグを内蔵したICコインの糸吊りによる不正を防止できるICコイン処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明にかかるICコイン処理装置は以下のように構成されている。
ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段により判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、前記ICタグは、少なくともスクランブル処理されたスクランブル情報記憶装置を有し、前記判別手段は前記スクランブル情報の解読スクランブル情報に基づいて真偽判別することを特徴とするICコイン処理装置である。
【0009】
請求項2の発明は、ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段により判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、前記ICタグは、スクランブル処理されたスクランブル情報記憶装置とスクランブル処理されない非スクランブル情報記憶装置を有し、前記判別手段はタグリーダを介して読み込んだスクランブル処理情報の解読スクランブル情報及び非スクランブル情報に基づいて真偽判別することを特徴とするICコイン処理装置である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2のICコイン処理装置において、前記ICタグのスクランブル処理情報が店舗IDであり、非スクランブル処理情報がICタグ毎に個別に付与されるICタグ製造番号であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3のICコイン処理装置において、ICタグ製造番号の重複を判別する装置を含み、当該重複判別手段はICタグ製造番号が投入前所定数の間に読み込んだICタグ製造番号と重複する場合、偽ICコインと判別することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段で判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、前記投入口に連なる投入傾斜通路に続いて略ICコインの直径に相当する量下方へ向かう落下通路を形成し、さらに、前記落下通路に続いて前記投入傾斜通路の下方において下向きに傾斜する振分通路を形成し、前記振分通路に受入通路若しくは返却通路へ前記ICコインを振り分ける振分装置を配置し、前記落下通路と前記振分通路との接続部側方に前記判別手段のための前記タグリーダを配置し、前記タグリーダからのスクランブル情報の解読スクランブル情報及び非スクランブル情報に基づいて前記判別手段がICコインの真偽を判別し、前記判別結果にもとづいて前記振分装置によってICコインを前記受入通路若しくは返却通路へ振り分けることを特徴とするICコイン処理装置である。
【0012】
請求項6の発明は、ICタグを内蔵するICコインの投入口と、前記投入口に連なり、かつ、下向きの投入傾斜通路と、前記投入傾斜通路に連なり、かつ、ほぼ垂直に略ICコインの直径に相当する量下方へ向かう落下通路と、前記落下通路に連なり、かつ、前記投入傾斜通路の下方において前記投入傾斜通路と逆方向へ向かった後前記投入傾斜通路と同方向へ下向きに傾斜する振分通路と、前記振分通路の前記投入傾斜通路と同方向へ下向きの傾斜通路に配置した振分装置と、前記振分通路に連通する受入通路及び返却通路とよりなるICコイン処理装置である。
【0013】
請求項7の発明は、請求項5若しくは6のICコイン処理装置において、前記受入通路における前記振分通路の直ぐ下流にICコインの第1通過センサ及びその下流のICコイン保留部入口に第2通過センサを設け、前記第1通過センサの検知信号から所定時間内に前記第2通過センサから前記ICコインの検知信号が出力されない場合及び前記第2通過センサから所定時間以上継続して検知信号が出力された場合、異常信号を出力する異常判別手段を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
この構成において、ICコインに内蔵されるICタグのスクランブル情報記憶装置にはスクランブル処理された情報が記憶される。
ICコイン処理装置の投入口に投入されたICコインは、転動通路を転動する途上において、当該転動通路の側方に配置されたタグリーダから発信される電波によってICタグの動作用のエネルギを供給し、当該ICタグからの情報を受信・解読し、判別手段によって判別することによってICコインの真偽を判別する。
前記ICコインから受信する情報は、所定の規則にしたがって暗号化されたスクランブル情報である。
判別手段は、暗号化された情報を所定の規則にしたがって解読し、その解読スクランブル情報に基づいてICコインの真偽判別を行う。
よって、暗号化されたスクランブル情報を解読せねば当該ICコインに対し不正情報を書き込むことができないので、ICタグを内蔵したICコインを使用した場合であっても安全性が格段に向上する。
また、ICタグは、認証手順がないので通信時間は極めて短い。
タグリーダによって読み込んだスクランブル情報は、判別手段において判別されるので高速で解読し、真偽判別が可能である。
よって、ICコインを一時保留せずに、転動中においてICタグの記憶情報を読み込み、真偽判別できるので、ICコインを連続的に投入しても正確に真偽判別できる。
【0015】
請求項2の発明において、ICコインに内蔵されるICタグのスクランブル情報記憶装置にはスクランブル処理された情報が記憶され、非スクランブル情報記憶装置にはICタグ製造番号等が記憶される。
ICタグ製造番号は書換不能領域に記憶されている。
ICコイン処理装置の投入口に投入されたICコインは、転動通路を転動する途上において、当該転動通路の側方に配置されたタグリーダから発信される電波によってICタグの動作用のエネルギを供給し、当該ICタグからの情報を受信・解読し、解読スクランブル情報に基づいて判別手段において真偽を判別することによってICコインの真偽を判別する。
前記ICコインから受信する情報には、スクランブル情報と非スクランブル情報が含まれている。
スクランブル情報とは、所定の規則に基づいて暗号化された情報である。
判別手段は、少なくとも、暗号化された情報を所定の規則にしたがって解読し、その解読情報に基づいてICコインの真偽判別を行うことができる。
よって、暗号化された情報を解読せねば当該ICコインに対し不正に情報を書き込むことができないので、ICタグを内蔵したICコインを使用しても、安全性が格段に向上する。
また、ICタグは、認証手順がないので通信時間は極めて短い。
よって、ICコインを一時保留せずとも転動途中においてICタグの記憶情報を読み込み、真偽判別できるので、ICコインを連続的に投入しても正確に真偽判別できる。
【0016】
請求項3の発明において、ICタグ製造番号は各ICタグ毎に個別に付与されている世界中で一つの個別のIDであるので、糸吊り等、一つの真正ICコインを用いて行う不正は、本ICタグ製造番号を判別することにより判別できる。
他店ICコインの使用に対しては、店舗IDを判別することにより対処できる。
店舗IDは、スクランブル処理されていることから、所定の規則に従わねば解読できない。
よって他店のIDに不正に書き換えることは極めて困難でありセキュリティが大幅に向上する。
また、スクランブル情報として価値情報も記憶できる。
よって、価値情報もスクランブル処理で保護されるので、安全性が高い。
【0017】
請求項4の発明において、ICコイン処理装置は判別済みのICコインのICタグ製造番号を所定数記憶している。
ICタグ製造番号はICタグ毎に付与された世界中で一つのIDである。
よって、ICコイン処理装置において読み込んだICタグ製造番号を過去に読み込み、かつ、記憶しているICタグ製造番号と比較して重複している場合、異常であると判別できる。
よって、糸吊り等一つの真正ICコインを使用して複数回真正ICコインと識別させる不正を防止することができる。
【0018】
請求項5の発明において、ICコイン処理装置の投入口に投入されたICコインは投入口に連なる投入傾斜通路を転動し、通路壁に案内されて落下通路においてほぼ垂直下方へ落下する。
換言すれば、転動通路を転動したICコインは転動通路と落下通路との境の壁面に衝突して転動通路における勢いが消滅され、大方、重力によって落下通路を落下する。
さらに換言すれば、投入傾斜通路におけるICコインの転動速度に遅速の大差があっても、その速度差は消滅させられる。
これにより、落下通路においてICコインは重力による加速度によって落下通路を落下し、ほぼ直径分落下した投入傾斜通路の下方において下向きに傾斜する振分通路との境目においては投入された全てのICコインは実質的に同一の落下速度である。
その後、ICコインは投入傾斜通路の下方において下向きに傾斜する振分通路を転動し初める。
そうすると、この位置においては、ICコインの転動速度及び位置は大凡一定になる。
振分通路の側方に配置されたタグリーダは、ICコインのICタグと通信し、そのスクランブル情報記憶装置及び非スクランブル情報記憶装置に記憶された情報は、振分通路の側方に配置されたタグリーダによって読み込まれる。
読み込まれたスクランブル情報は、判別手段において所定の規則に従って解読された解読スクランブル情報として基準スクランブル情報と比較され、非スクランブル情報は基準非スクランブル情報と比較され、両情報が正規情報である場合、真正ICコインと判断し、両情報の少なくとも一つが一致しない場合、偽ICコインと判断する。
投入ICコインが真正と判断された場合、受入通路へ、偽物と判断された場合、返却通路へ振分装置によって振り分けられる。
よって、ICコインが投入口に投入される際の速度にバラツキがあったとしても、タグリーダの側方においてはほぼ同一速度で同一位置を転動する。
これにより、タグリーダによるICタグからのスクランブル記憶情報及び非スクランブル記憶情報の通信が確実に行える。
また、ICコインが一時保留されないのでICコインの連続投入が可能でありゲームプレイ者に快適なゲーム環境を提供でき、さらに、正確に真偽判別をすることができる。
【0019】
請求項6の発明において、ICコインの投入傾斜通路の端部に落下通路が接続し、落下通路に連続して投入傾斜通路の下方に振分通路が配置されている。
よって、請求項5の発明同様ICコインが投入口に投入される際の速度にバラツキがあったとしても、タグリーダの側方においてはほぼ同一速度及び位置を転動し、タグリーダによるICタグとの情報の通信が確実に行える。
また、ICコインの連続投入が可能であり、さらに、コインジャムや誤判別を生じることがない。
さらにまた、ICコインの通路が上下方向に階層状に形成されるので、ICコイン処理装置を小型に構成することができる。
【0020】
請求項7の発明において、振分通路の直ぐ下流の受入通路に配置された第1通過センサによって受入が検知される。
次いで、ICコイン保留部の第2通過センサによって検知される。
正常な場合、ICコインの移動速度は重力によって決定されるので、毎回ほぼ一定である。
よって、ICコインが正常に転動通路を転動する場合、ICコインが第1通過センサによって検知された後、所定時間経過する迄の間に第2通過センサによって検知される。
よって、第1通過センサによって検知された後、所定時間内に第2通過センサが検知信号を出力しない場合、第1通過センサ又は第2通過センサが所定時間以上継続して検知信号を出力している場合、異常であると判別できる。よって、投入口から挿入した器具による不正をも検知できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段により判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、前記投入口に連なる投入傾斜通路に続いて略ICコインの直径に相当する量下方へ向かう落下通路を形成し、さらに、前記落下通路に続いて前記投入傾斜通路の下方において下向きに傾斜する振分通路を形成し、前記振分通路に受入通路若しくは返却通路へ前記ICコインを振り分ける振分装置を配置し、前記落下通路と前記振分通路との接続部側方に前記判別手段のための前記タグリーダを配置し、前記タグリーダからのスクランブル情報の解読スクランブル情報及び非スクランブル情報に基づいて前記判別手段がICコインの真偽を判別し、前記判別結果にもとづいて前記振分装置によってICコインを前記受入通路若しくは返却通路へ振り分けることを特徴とするICコイン処理装置である。
【実施例】
【0022】
図1は、実施例のICコイン処理装置を有するゲーム機の概略正面図である。
図2は、実施例のICコイン処理装置に用いるICコインの縦及び横断面図である。
図3は、実施例のICコイン処理装置のICコイン転動通路を示す断面図である。
図4は、実施例のICコイン処理装置のブロック図である。
図5は、実施例のICコイン処理装置の判別手段のブロック図である。
図6は、実施例のICコイン処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【0023】
図1は、本発明に係る実施例のICコイン処理装置100をゲーム機102の課金装置として適用した例である。
換言すれば、ICコイン処理装置100は投入口104に投入されたICコインの真偽を判別し、真正ICコインであれば所定の価値を有するとしてゲーム機102に作動開始信号を出力し、偽物若しくは判別出来ない場合、返却口106へ返却する機能を有する。
【0024】
まず、本発明に用いるICコイン110を図2を参照して説明する。
ICコイン110は、樹脂製の皿形の一対の外殻112A及び112Bを突き合わせて円板形とし、内部に円盤形の収納空間114が形成されている。
収納空間114にはリング形の金属よりなる錘116が密に収納され、錘116によって囲まれたタグ空間118にICタグ120が配置され、一方の外殻112Bに接着等により固定されている。
ICタグ120は、所謂集積回路等よりなり、少なくともアンテナ122、通信装置124、記憶装置126を含み、記憶装置126は非スクランブル情報を記憶する非スクランブル情報記憶装置128及びスクランブル情報記憶装置130を有する。
非スクランブル情報記憶装置128には、ICタグ製造番号が記憶され、書込できない読込専用記憶装置である。
記憶装置が読込専用である場合、如何なる手段によっても書き換えることが出来ないので不正改ざんが出来ないからである。
また、上記ICタグ製造番号は、原則、世界で唯一のIDであることからICタグの識別性に富んでいるからである。
スクランブル情報記憶装置130は、書込可能型の記憶装置であって、スクランブル情報として、店舗ID、価値情報MI等が記憶される。
店舗IDは、例えば店舗毎若しくは店舗グループ毎に定めたIDであり、我が国で一つのIDとすることが好ましい。
価値情報MIは、例えばICコイン購入時に投入した貨幣に相当する価値情報であり、例えば1000円投入した場合、価値情報MIとして1000が記憶されている。
【0025】
次に、ICコイン処理装置100を主に図3を参照して説明する。
ICコイン処理装置100は、本体132、ICコインの投入口104、ICコインの転動通路136、振分装置138及び返却口106、タグリーダ144及び判別手段146を含んでいる。
【0026】
まず、本体132を説明する。
本体132は、投入口104、転動通路136及び返却口106が形成され、振分装置138、タグリーダ144及び判別手段146を装着するための筐体であり、全体として箱形をしている。
【0027】
次に投入口104を説明する。
投入口104は、ICコイン110を転動通路136に挿入するための開口であり、本体132の前面152の上部に縦長スリット形に形成されている。
投入口104の大きさは、ICコイン110の厚み及び直径よりも僅かに大きな幅及び高さを有している。
ICコイン100よりも大型のコインを投入されないためである。
【0028】
次に転動通路136を説明する。
転動通路136は、投入口104に投入されたICコイン110を大凡転がらせて受入通路148又は返却通路152へ案内する機能を有している。
転動通路136は、投入口104に連なる投入傾斜通路154、落下通路156、及び、振分通路158を含んでいる。
【0029】
まず投入傾斜通路154を説明する。
投入傾斜通路154は、投入口104に投入されたICコイン110を転動させて案内する機能を有する。
投入傾斜通路154は、投入口104に続いて前下がりに傾斜する下向き傾斜通路であり、投入部傾斜ガイドレール162及び当該ガイドレール162の両側にICコイン110の厚みよりも僅かに大きな間隔で配置される側壁によって構成される。
投入傾斜通路154の端部は、本体132のほぼ垂立する衝突壁164によって閉止されている。
投入口104に投入されたICコイン110は、ガイドレール162上を左右の側壁によって案内されつつ転動する。
ガイドレール162の前下がりの傾斜角度は、小角度であり、ガイドレール162の一部162Aの傾斜角度を調整可能とし、ICコイン110の投入傾斜通路154における転動速度を調整可能にすることが好ましい。
【0030】
次に、落下通路156を説明する。
落下通路156は、投入傾斜通路154に続いて略ICコイン110の直径に相当する量、垂直下方へ向かう通路である。
衝突壁164に衝突したICコイン110は、僅かに投入口104側に跳ね返った後、重力により落下通路156内を下方へ落下する。
これにより、投入傾斜通路154におけるICコイン110の転動速度に緩速のバラツキがあっても実質的に打ち消され、落下通路156における重力による落下速度に依存することになり、ほぼ一定速度になる。
落下通路156を略ICコイン110の直径に相当する量に設定することにより、処理装置100の小型化に貢献する。
【0031】
次に振分通路158を説明する。
振分通路158は、落下通路156に続いて下向きに傾斜し、振分通路部ガイドレール166及び当該ガイドレール166の左右にICコイン110の厚みよりも僅かに大きい間隔で位置する左右の側壁で形成される。
本実施例の振分通路158は、投入傾斜通路154の下方において横向きV形に形成されている。
これにより、処理装置100の小型化に貢献する。
振分通路158が横向きV形であるため、ガイドレール166は上ガイドレール166A及び下ガイドレール166Bに分割して形成されている。
上ガイドレール166AのICコイン110が落下する部位には、金属ガイドレール168を固定することが好ましい。
上ガイドレール166Aの磨耗防止のためである。
【0032】
次に振分装置138を説明する。
振分装置138は、振分通路158を転動してきたICコイン110を受入通路148又は返却通路152へ振り分ける機能を有する。
本実施例において、振分装置138は振分通路158の下流端に配置され、揺動軸172に固定された板状の振分体174及びアクチュエータ176、例えばソレノイド178を含んでいる(図4参照)。
通常、ソレノイド178は消磁され、振分体174は付勢手段によりICコイン110を返却通路152へ案内するキャンセル位置CPに保持される。
ICコイン110を受け入れる場合、ソレノイド178は励磁され、振分体174を揺動して振分通路158を受入通路148に連通させる受入位置RP(図4)に保持される。
なお、ソレノイド178が消磁された場合、振分体174はスプリング等の付勢手段によってキャンセル位置CPに移動される。
【0033】
次に受入通路148を説明する。
受入通路148は、振分装置138によって受入通路148に案内されたICコイン110をICコイン保留庫182に案内する機能を有する。
受入通路148は、本体132に形成されたほぼ垂直下方へ伸びる断面矩形の通路である。
受入通路148に案内されたICコイン110は、受入通路148によって案内されて保留庫182へほぼ垂直に落下する。
【0034】
次に返却通路152を説明する。
返却通路152は、振分装置138によって返却通路152に案内されたICコイン110を返却口106に案内する機能を有する。
返却通路152は、返却口106へ向かって下向きに傾斜する返却部ガイドレール184及び当該ガイドレール184の左右に配置された側壁により構成される。
返却通路152に案内されたICコイン110は、ガイドレール184上を転動して返却口106に達する。
【0035】
次に返却口106を説明する。
返却口106は、返却通路152によって返却されたICコイン110を保留する機能を有する。
本実施例においては、返却口106は底壁186と左右の側壁及び前壁188によりICコイン110が立った状態で保持される。
【0036】
次にタグリーダ144を説明する。
タグリーダ144は、転動通路136を転動するICコイン110と無線通信し、ICコイン110に内蔵されるICタグ112に記憶されているスクランブル情報及び非スクランブル情報を読み込む機能を有する。
タグリーダ144は、アンテナ192より電波を発信し、ICタグ112のアンテナ122に起電力を発生させてICタグ112の電子回路の作動電力を与え、情報記憶装置126に記憶されている情報を読み込む機能を有する。
タグリーダ144は、アンテナ192と通信手段194とを含む。
具体的にはタグリーダ144はICコイン110の情報記憶装置126のスクランブル情報記憶装置128及び非スクランブル情報記憶装置130に記憶されている情報を読み込み、判別手段146へ送信する。
タグリーダ144は、ゲーム102の電源がオンの場合、常時アクティブ状態に保持される。
タグリーダ144は、落下通路156と振分通路158との境目の通路側壁裏面に固定されている。
この位置は、ICコイン110が垂直に落下して横方向に転動を開始する位置であるため、ICコイン110の位置が安定するとともに転動速度が安定し、かつ、比較的低速度である。
これにより、ICコイン110との通信を確実に行えるため、タグリーダ144がこの位置に配置される。
【0037】
次に、判別手段146を説明する。
判別手段146は、タグリーダ144によって読み込んだICタグ112の少なくともスクランブル記憶情報のスクランブルを解除して真偽を判別する機能を有し、通常マイクロコンピュータによって構成される。
本実施例において判別手段146は、スクランブル解除手段196、スクランブルを解除した解除スクランブル情報に含まれている店舗ID及び価値情報MI等の情報を基準情報記憶装置198に記憶された基準情報と比較して真偽を判別する真偽判別手段200を含んでいる。
スクランブル解除手段196は、所定の規則に従いICタグ112のスクランブル情報記憶装置130から読み込んだスクランブル情報SIを解読し、解読スクランブル記憶情報DSIとして真偽判別手段200へ出力する。
基準情報記憶回路198は、基準スクランブル情報記憶装置202、基準非スクランブル情報記憶装置204及びICタグ製造番号記憶装置208を含んでいる。
【0038】
本実施例における判別手段146は、糸吊り判別機能を有する糸吊り判別手段206を含んでいる。
ICタグ製造番号記憶装置208は、糸吊り判別機能に使用するため、直前に受け入れた所定数のICコイン110のICタグ製造番号UIDを記憶する。
換言すれば、読み込んだICタグ製造番号UIDのうち、直前に読み込んだUIDから所定数前までに読み込んだICタグ製造番号UIDまでをICタグ製造番号記憶装置208に記憶している。
本実施例では説明の便宜のため、直前の三つのICタグ製造番号UIDを記憶している。
【0039】
次に、糸吊り判別手段206を説明する。
不正検知装置210は、所謂糸吊り等の不正を検知する機能を有し、受入通路148における振分体174の直ぐ下流に配置されたICコイン110の第1通過センサ212及びその下流のICコイン保留庫182の入口に配置された第2通過センサ214を含んでいる。
【0040】
次に第1通過センサ212を説明する。
第1通過センサ212は、ICコイン110が通過したことを検知する機能を有し、投光器216および受入通路148を挟んだ反対側に配置したU形の導光体218と、投光器216に並列配置した受光器220を含んでいる。
ICコイン110が受入通路148を転動した場合、投光器216からの投射光が遮断されるため、通過検知手段222は通過信号PS1を出力する。
【0041】
次に第2通過センサ214を説明する。
第2通過センサ214は、ICコイン110が通過したことを検知する機能を有し、本実施例においては投光器224からの投射光を通路226を挟んで配置した受光器228からなる光電センサ230である。
ICコイン110が投光器224からの投射光を遮断した場合、光電センサ230は第2通過信号PS2を出力する。
第2通過センサ214は、本実施例においては保留庫182のフルセンサ232を兼ねている。
【0042】
フルセンサ232は、保留庫182においてICコイン110が積みあがり、落下できなくなった場合連続して第2通過信号PS2を出力する。
満杯検知手段230は、第2通過信号PS2が所定時間継続して出力されていることを判別して保留庫182が満杯であることを検知する。
換言すれば、満杯検知手段230は、ICコイン110が保留庫182に落下することができず、光電センサ230から所定時間連続して第2通過信号PS2を出力している場合、保留庫182が満杯であると判断し、フル信号FSを出力する。
判別手段146は、第1通過センサ212の第1通過信号PS1から所定時間内に第2通過センサ214から第2通過信号PS2が出力されない場合、異常信号ESを出力する異常判別手段236を含む。
【0043】
本実施例において、判別手段146はマイクロコンピュータ238によってソフトウエア的に構築されている。
ICコイン110から読み込んだ価値情報MIフル信号FS及び異常信号ES等は判別手段146からの指令によって表示手段240に表示される。
【0044】
次に実施例のICコイン処理装置100の作用を図6のフローチャートを参照して説明する。
ICコイン110が投入口104に投入されると、投入傾斜通路154のガイドレール162上を奥へ向かって転動する。
ガイドレール162の傾斜角度は比較的緩傾斜であるので、ICコイン110は比較的緩速度で転動する。
投入傾斜通路154を転動したICコイン110は、衝突壁164にほぼ直角に衝突する。
ICコイン110は衝突により、僅かに投入口104側へ跳ね返り、その後重力により落下通路156を真下に落下する。
これにより、ICコイン110の投入傾斜通路154において転動速度に大小があった場合であっても衝突によりICコイン110の速度はほぼゼロになるので、落下速度は投入傾斜通路154での転動速度に影響を受けることなくほぼ一定になる。
落下通路156を落下したICコイン110は、ガイドレール166上に落下し、その後、重力により上ガイドレール166Aの下向き傾斜によりその上を転動した後、逆方向へ転向されて下ガイドレール166B上を転動し、振分体174に達する。
【0045】
タグリーダ144はゲーム機102に電源が供給されている場合、常時読み取り可能状態にある。
よって、ICコイン110が上ガイドレール166A上に落下する辺りからタグリーダ144の読み取り可能範囲に進入し、アンテナ192からの電波によりICタグ112に起電力が生じ、スクランブル情報記憶装置130に記憶されたスクランブル情報SI及び非スクランブル情報記憶装置128に記憶された非スクランブル情報NSIがタグリーダ144の通信手段194に受信可能になる。
【0046】
まず、ステップS1において、通信手段194によってスクランブル情報SI及び非スクランブル情報NSIが読み込まれ、ステップS2に進む。
なお、非スクランブル情報NSIはそのまま真偽判別手段200に送信される。
【0047】
次いでステップS2において、スクランブル解除手段196において所定の規則にしたがってスクランブル情報SIのスクランブルが解除され解除スクランブル記憶情報DSIとして真偽判別手段200に送信され、ステップS3に進む。
【0048】
ステップS3において、解除スクランブル記憶情報DSIと基準スクランブル情報記憶装置202に記憶されている基準スクランブル情報SSI及び非スクランブル情報NSIと基準非スクランブル情報記憶装置204に記憶されている基準非スクランブル情報SNSIと比較し、所定の情報が一致する場合、「読込成功」と判断してステップS4へ進み、所定の情報が一致しない場合、読込不成功としてステップS1に戻る。
このとき、振分装置138のソレノイド178が励磁されないため、振分体174はキャンセル位置CPを継続する。
これにより、振分通路158を転動してきたICコイン110は、振分体174によって返却通路152へ案内され、返却部ガイドレール184上を転動して返却口106へ案内される。
ICコイン110は、返却口106において前壁188により転動を阻止され、かつ、左右側壁によって立設状態に保持される。
【0049】
ステップS4において、非スクランブル化された店舗ID等が基準スクランブル情報記憶装置202に記憶されている店舗ID等と比較され、一致する場合、真正ICコインであると判別され、ステップS5に進む。
一致しない場合、換言すれば、偽ICコイン110と判別した場合、ステップS1に戻る。
これにより、ICコイン110は前述のように振分体174によって返却通路152へ案内され、返却口106へ戻される。
【0050】
ステップS5において、ICタグ製造番号判別手段234において読み込まれたICタグ製造番号UIDがICタグ製造番号記憶装置208に記憶されている三つのICタグ製造番号UIDと比較され、何れとも一致しない場合、ステップS6へ進む。
記憶されているICタグ製造番号UIDの何れか一つと一致する場合、糸吊り判別手段206は糸吊りによる異常と判断し、ステップS1へ戻る。
これにより、先述同様ICコイン110は振分体174によって返却通路152へ案内され、返却口106へ戻される。
ステップS5が糸吊り判別手段206を構成する。
【0051】
ステップS6において、振分装置138のソレノイド178が励磁され、ステップS7に進む。
これにより、振分体174が振分通路158と受入通路148とを連通する受入位置RPに移動する。
【0052】
ステップS7において、所定時間経過するまでステップS7をループし、所定時間経過後ステップS8に進む。
換言すれば、振分体174が所定時間の間、受入位置RPに保持される。
この所定時間は、ICコイン110が振分通路158から受入通路148へ転動するに十分な時間である。
【0053】
ステップS8において、ソレノイド178が消磁され、ステップS9へ進む。
ソレノイド178の消磁により、スプリング等によって振分体174がキャンセル位置CPに戻される。
【0054】
ステップS9において、第1通過センサ212から通過信号PS1が出力されたか判別し、判別しない場合ステップS10へ進む。
【0055】
ステップS10においてステップS5においてNOとなってから所定時間経過したか判別し、所定時間経過しない場合、ステップS10へ戻って通過信号PS1の出力を待つ。
ステップS10において、所定時間経過した場合、換言すれば、ICコイン110がタグリーダ144の側方を通過した後、第1通過センサ212を通過すべき時間を経過した場合、途中でコインジャムしたものとしてステップS11へ進み、エラー処理を行う。
エラー処理は、例えば表示器240にエラー表示を行い、処理を終了する。
【0056】
ステップS9において、第1通過信号PS1を判別した場合、ステップS12へ進み、第2通過センサ214から第2通過信号PS2が出力されたか判別する。
第2通過信号PS2を判別しない場合、ステップS13へ進み、判別した場合ステップS14へ進む。
【0057】
ステップS13において、第1通過信号PS1が出力されてから所定時間経過したか判別し、経過していない場合、ステップS12へ戻り、所定時間経過した場合、ICコイン110がジャムしたか、若しくは、不正が行われたと判別し、ステップS11へ進み、前述のエラー処理を行う。
【0058】
ステップS14において、今回新たに読み込んだICタグ製造番号UIDを記憶し、記憶数が満杯の場合、最も古いICタグ製造番号UIDを消去する。
【0059】
したがって、ICコイン110に糸を付けて投入口104に投入し、タグリーダ144の側方を通過させた後、引き戻して再度タグリーダ144側方を通過させた場合、ステップS5において、前回通過したICコイン110のICタグ製造番号UIDが同一であることを判別し、プログラムはステップS1へ戻るので、2回目以降は真正ICコイン110として処理されない。
よって、糸吊りによる不正を防止できる。
さらに、第1通過センサ212の第1通過信号PS1の出力から第2通過センサ214の第2通過信号PS2の出力が所定時間以上である場合、器具による不正が行われたと判断してエラー処理をするので、外部からの器具による不正も防止できる。
【0060】
次にステップS15において、ゲーム機にスタート信号SSを出力してステップS1へ戻り、次のICコイン110の投入を待つ。
【0061】
一方、別プログラムにおいて、第2通過信号PS2が所定時間以上継続しているか判別する。
そして、第2通過信号PS2が所定時間以上経過した場合、満杯検知手段236は保留庫182が満杯であると判断し、表示器240に満杯表示を行う。
よって第2通過センサ214を用いて保留庫の満杯を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、実施例のICコイン処理装置を有するゲーム機の概略正面図である。
【図2】図2は、実施例のICコイン処理装置に用いるICコインの断面図である。
【図3】図3は、実施例のICコイン処理装置のICコイン転動通路を示す断面図である。
【図4】図4は、実施例のICコイン処理装置のブロック図である。
【図5】図5は、実施例のICコイン処理装置の判別手段のブロック図である。
【図6】図6は、実施例のコイン処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
DSI 解読スクランブル情報
ES 異常信号
NSI 非スクランブル情報
PS1 第1通過信号
PS2 第2通過信号
104 投入口
110 ICコイン
120 ICタグ
128 非スクランブル情報記憶装置
130 スクランブル情報記憶装置
136 転動通路
138 振分装置
144 タグリーダ
146 判別手段
148 受入通路
152 返却通路
154 投入傾斜通路
156 落下通路
158 振分通路
212 第1通過センサ
214 第2通過センサ
236 異常判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグ(120)を内蔵するICコイン(110)を投入口(104)に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路(136)を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダ(144)によって前記ICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段(146)によって判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、
前記ICタグは、少なくともスクランブル処理されたスクランブル情報記憶装置(130)を有し、
前記判別手段は前記スクランブル情報の解読スクランブル情報(DSI)に基づいて真偽判別することを特徴とするICコイン処理装置。
【請求項2】
ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段により判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、
前記ICタグは、スクランブル処理されたスクランブル情報記憶装置とスクランブル処理されない非スクランブル情報記憶装置(128)を有し、
前記判別手段はタグリーダを介して読み込んだスクランブル処理情報の解読スクランブル情報及び非スクランブル情報(NSI)に基づいて真偽判別することを特徴とするICコイン処理装置。
【請求項3】
請求項2のICコイン処理装置において、前記ICタグのスクランブル処理情報が店舗IDであり、非スクランブル処理情報がICタグ毎に個別に付与されるICタグ製造番号(UID)であることを特徴とする。
【請求項4】
請求項3のICコイン処理装置において、ICタグ製造番号の重複を判別する手段(234)を含み、当該重複判別手段はICタグ製造番号が投入前所定数の間に読み込んだICタグ製造番号と重複する場合、偽ICコインと判別することを特徴とする。
【請求項5】
ICタグを内蔵するICコインを投入口に投入し、当該ICコインが前記投入口に連なる転動通路を転動する途上において転動通路の側方に固定されたタグリーダによってICタグの記憶情報を読み込み、当該読み込んだ記憶情報を判別手段で判別してICコインの真偽を判別するICコイン処理装置において、
前記投入口に連なる投入傾斜通路(154)に続いて略ICコインの直径に相当する量下方へ向かう落下通路(156)を形成し、さらに、前記落下通路に続いて前記投入傾斜通路の下方において下向きに傾斜する振分通路(158)を形成し、前記振分通路に受入通路(148)若しくは返却通路(152)へ前記ICコインを振り分ける振分装置(138)を配置し、
前記落下通路と前記振分通路との接続部側方に前記判別手段のための前記タグリーダを配置し、
前記タグリーダからのスクランブル情報の解読スクランブル情報及び非スクランブル情報に基づいて前記判別手段がICコインの真偽を判別し、
前記判別結果にもとづいて前記振分装置によってICコインを前記受入通路若しくは返却通路へ振り分けることを特徴とするICコイン処理装置。
【請求項6】
ICタグを内蔵するICコインの投入口と、
前記投入口に連なり、かつ、下向きの投入傾斜通路と、
前記投入傾斜通路に連なり、かつ、ほぼ垂直に略ICコインの直径に相当する量下方へ向かう落下通路と、
前記落下通路に連なり、かつ、前記投入傾斜通路の下方において前記投入傾斜通路と逆方向へ向かった後前記投入傾斜通路と同方向へ下向きに傾斜する振分通路(と、
前記振分通路の前記投入傾斜通路と同方向へ下向きの傾斜通路に配置した振分装置と、
前記振分通路に連通する受入通路及び返却通路とよりなるICコイン処理装置。
【請求項7】
請求項5若しくは6のICコイン処理装置において、前記受入通路における前記振分通路の直ぐ下流にICコインの第1通過センサ(212)及びその下流のICコイン保留庫入口に第2通過センサ(214)を設け、前記第1通過センサの検知信号(PS1)から所定時間内に前記第2通過センサから前記ICコインの通過信号(PS2)が出力されない場合及び前記第2通過センサから所定時間以上継続して前記通過信号が出力された場合、異常信号(ES)を出力する異常判別手段(234)を含むことを特徴とする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−165647(P2008−165647A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356684(P2006−356684)
【出願日】平成18年12月29日(2006.12.29)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】