説明

MEMSデバイスとMEMSデバイスの製造方法

【課題】 垂直方向のみから荷重をかけることで、接合強度を向上させることができ、さらにX−Y位置精度を高く維持することができるMEMSデバイスとMEMSデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】 MEMSデバイス10は、マイクロミラーチップ1と、マイクロミラーチップ1に対向し、積層する電極基板2と、マイクロミラーチップ1と電極基板2に介在し、厚み方向に貫通する貫通孔4を有する複数の中間部材3と、電極基板2に形成され、貫通孔4を貫通することでマイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる金バンプ8を有し、貫通孔4は、垂直方向からの荷重と熱によって金バンプ8が接合パッド6によって垂直方向につぶれると同時に貫通孔4に沿って水平方向にも広がるように変形できる大きさを有し、そのため貫通孔4は、例えば端面3aに向かって径が大きくなるテーパ形状の段差部5を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合強度を向上させ、基板の位置精度を高精度に維持するMEMSデバイスとMEMSデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、常温接合の接合強度を向上させた実装方法について開示されている。この実装方法は、常温接合において、金バンプを導電部に接合するために、基板に対して垂直方向から荷重をかけ、さらに水平方向から荷重をかける。この実装方法は、水平方向から荷重をかけ、基板を水平方向に変位させることで、新しい接合面を露出させ、接合強度を向上させている。
【特許文献1】特開2006−032791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
静電駆動で動作する例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等において、MEMSデバイスを構成する基板には、例えば駆動電極が設けられる。この駆動電極の水平方向の位置精度(以下、X−Y位置精度)は、駆動特性や光学特性に影響を与える。
【0004】
上述した実装方法は、金バンプと導電部の接合強度を上げることができるが、低温接合が必要な熱に弱い。そのため低温接合の際に、上述したMEMSデバイスを構成する基板に対して水平方向に荷重がかかると、駆動電極の水平方向の位置が変位する虞が生じる。駆動電極の水平方向の位置が変位すると、例えば駆動電極のX−Y位置精度が低下し、上述したような所望する駆動特性や光学特性を得ることが困難である。
【0005】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、垂直方向のみから荷重をかけることで、接合強度を向上させることができ、さらにX−Y位置精度を高く維持することができるMEMSデバイスとMEMSデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は目的を達成するために、第1の部材と、前記第1の部材に対向し積層する第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材に介在し、厚み方向に貫通する貫通孔を有する中間部材と、前記第1の部材と前記第2の部材の少なくとも一方に形成され、前記貫通孔を貫通し、前記第1の部材と前記第2の部材を接合させる接合部材と、を具備し、前記貫通孔は、前記中間部材が前記第1の部材に接する第1の端面と前記第2の部材に接する第2の端面の少なくとも一方側に段差部を有し、前記接合部材は、前記貫通孔を貫通した際に、前記段差部に沿って変形することで、第1の部材と前記第2の部材を接合させることを特徴とするMEMSデバイスを提供する。
【0007】
また本発明は目的を達成するために、第1の部材と、前記第1の部材に対向する第2の部材と、の少なくとも一方に、前記第1の部材と前記第2の部材を接合させる接合部材を形成する第1の工程と、前記接合部材が貫通可能な貫通孔を有する中間部材を前記第1の部材、または前記第2の部材に固定し、前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記中間部材を介在させる第2の工程と、前記接合部材を前記貫通孔に貫通させ、前記接合部材を前記貫通孔に設けられた段差部に当接させ、前記第1の部材と前記中間部材と前記第2の部材を積層させた際、熱と垂直方向から掛かる荷重によって前記接合部材を前記段差部に沿って変形させる第3の工程と、変形している前記接合部材と前記第1の部材または前記第2の部材を固相拡散接合させる、または変形している前記接合部材同士を固相拡散接合させる第4の工程と、を具備することを特徴とするMEMSデバイスの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、垂直方向のみから荷重をかけることで、接合強度を向上させることができ、さらにX−Y位置精度を高く維持することができるMEMSデバイスとMEMSデバイスの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1乃至図4を参照して第1の実施形態について説明する。
MEMSデバイス10は、第1の部材であるMEMS基板(マイクロミラーチップ)1と、マイクロミラーチップ1に対向し、積層する第2の部材である電極基板2と、マイクロミラーチップ1と電極基板2に介在し、厚み方向に貫通する貫通孔4を有する複数の中間部材3と、電極基板2に形成され、貫通孔4を貫通することでマイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる接合部材(接合パッド)である金バンプ8を有している。マイクロミラーチップ1と電極基板2は、所望する熱と例えばマイクロミラーチップ1に対する垂直方向からのみ荷重が加えられた金バンプ8が変形し、固相拡散接合することによって電気的、且つ機械的に接合する。
【0010】
マイクロミラーチップ1は、平板状の接合パッド6を有している。電極基板2は、接合パッド6と対向するように配置されている平板状の接合パッド7を有している。接合パッド6,7は、対向し同数であれば数は限定されなく、また対向すれば所望に配置される。接合パッド7には、所望する熱と垂直方向からの荷重によって変形し、接合パッド6と固相拡散接合する金バンプ8が形成されている。
【0011】
接合パッド6と接合パッド7は、例えば金パッド等が好適である。これにより接合パッド6,7と金バンプ8は、Au/Au接合を形成できる。金バンプ8の詳細は、後述する。
【0012】
中間部材3は、例えば、平坦度が良く均一な厚さを有し、金バンプ8より硬度が高い例えばガラス基板等であり、例えばシリコンと線膨張係数が近いホウケイ酸ガラス等が好適である。中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド6の中心位置と重なるように、マイクロミラーチップ1に接着材などで固定されている。この接着材は、例えばエポキシ樹脂などである。本実施形態における中間部材3は、接合パッド6と同数であるため、マイクロミラーチップ1側に複数配置される。本実施形態において各中間部材3は、1つの貫通孔4を有する。
【0013】
中間部材3の厚みは、所望であり、マイクロミラーチップ1と電極基板2との間隔である。つまりマイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔は、中間部材3の厚みによって所望に調整できる。このように中間部材3は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔を所望に調整する間隔調整部材である。
【0014】
マイクロミラーチップ1が電極基板2に向かって移動することで、中間部材3が金バンプ8に向かって移動した際、貫通孔4には金バンプ8が挿入される。貫通孔4において、金バンプ8が挿入される挿入部4aの大きさ(開口面積)は、金バンプ8と略同一である。また図2Aと図3Aに示すように、移動したマイクロミラーチップ1が、接合パッド6を介して金バンプ8に所望する垂直方向から荷重をかけ、金バンプ8が所望する垂直方向からの荷重と所望する熱によって変形した際、貫通孔4は、金バンプ8が接合パッド6によって図2Bに示すように矢印のように垂直方向につぶれると同時に、図3Bに示す矢印のように貫通孔4に沿って垂直方向に直交する方向である水平方向にも広がるように変形できる大きさを有している。言い換えると貫通孔4は、金バンプ8が接合パッド6と固相拡散接合する際に、接合パッド6に対する金バンプ8の接合面8aが水平方向に増加する大きさを有している。また貫通孔4は、金バンプ8が垂直方向につぶれると同時に水平方向にも広がった際、金バンプ8が中間部材3とマイクロミラーチップ1の間及び中間部材3と電極基板2の間にはみ出すことを防止できる大きさを有している。
【0015】
そのため例えば貫通孔4は、異なる開口径を有し、中間部材3がマイクロミラーチップ1に接する端面3a側に向かって拡開している段差部5を有している。端面3aは、マイクロミラーチップ1に対向する中間部材3の面である。段差部5は挿入部4aと連設しており、段差部5には例えばテーパが形成されている。テーパが形成されている段差部5は、端面3aに向かって径が大きくなっており、端面3aに向かって大口径になるように傾斜5aを有している。段差部5は、テーパにアール(円弧)が形成された形状でもよく、また貫通孔4全体がすり鉢形状でも良い。このように貫通孔4は、金バンプ8が形成される部材(例えば図1では電極基板2)に対向する部材(例えば図1ではマイクロミラーチップ1)に向かって、拡開している(大口径が形成される)段差部5を有していればよい。
【0016】
なお段差部5の形状は、金バンプ8が接合パッド6と固相拡散接合する際に接合パッド6に対する金バンプ8の接合面8aが水平方向に増加する大きさを有していればよく、段差部5は、凸形状を有していても良い。この場合、段差部5において、金バンプ8が接合する部材(例えば図1ではマイクロミラーチップ1)側の開口面積は、金バンプ8が形成される部材(例えば図1では電極基板2であり、挿入部4a)側の開口面積よりも大きいことになる。もちろん後述する図5Aに示すように金バンプ8が接合する部材(例えば図5Aではマイクロミラーチップ1)側の開口面積は、金バンプ8が形成される部材(例えば図5Aでは電極基板2であり、挿入部4a)側の開口面積よりも小さくても良い。
【0017】
また中間部材3の高さは、金バンプ8の高さよりも低いことが好適である。
【0018】
このように中間部材3は、金バンプ8が配置される部材(例えば図1では電極基板2)に対向する部材(例えば図1ではマイクロミラーチップ1)に向かって径が拡大する大口径が形成されるように配置されている。
【0019】
金バンプ8は、所望する熱と垂直方向からかかる荷重によって、貫通孔4の形状に合わせて変形する。本実施形態において、金バンプ8は、垂直方向の荷重がかけられ、所望する熱によってやわらかくなることで、段差部5に沿って変形する。詳細には金バンプ8は、段差部5と接合パッド6によって図2Aと図2Bに示すように垂直方向につぶれ、図3Aと図3Bに示すように水平方向にも広がる。このように金バンプ8は、垂直方向と水平方向に変形する。変形した後、金バンプ8は、接合パッド6と固相拡散接合する。これにより金バンプ8は、マイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる。なお金バンプ8は、アルミパッドでも良い。
【0020】
なおマイクロミラーチップ1は、図示しない例えば可動ミラー部と、可動ミラー部を支持するミラー支持部と、可動ミラー部及びミラー支持部と機械的・連続的に接合しているヒンジ部を有している。
【0021】
電極基板2は、図示しない例えば可動ミラー部を静電駆動させ、可動ミラー部に対向して配置されている駆動電極を複数有している。
【0022】
次に本実施形態の作用について説明する。
(STEP1)
金バンプ8が、接合パッド7に形成される。
【0023】
(STEP2)
中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド6の中心位置と重なるように、接着材などでマイクロミラーチップ1に固定される。
【0024】
(STEP3)
マイクロミラーチップ1は、電極基板2に向かって移動する。これにより中間部材3は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間に挟まれる。また金バンプ8は、挿入部4aに挿入され、貫通孔4を被せられて貫通孔4を貫通し、段差部5と接合パッド6に当接する。その際、所望する熱がマイクロミラーチップ1に加わると、熱はマイクロミラーチップ1と接合パッド6と中間部材3を介して金バンプ8に伝達する。これにより金バンプ8はやわらかくなる。また図2Aに示すように垂直方向から荷重がマイクロミラーチップ1にかけられると、金バンプ8は図2Bに示す矢印のように垂直方向につぶれて変形する。またさらに荷重がかけられると、図3Aと図3Bに示すように金バンプ8は段差部5と接合パッド6に沿って水平方向に広がるように変形する。
【0025】
中間部材3がマイクロミラーチップ1と電極基板2の間に挟まれる際、中間部材3の厚みによってマイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔が制御される。
【0026】
なお金バンプ8は、中間部材3と同じ高さになるように変形する。金バンプ8が水平方向に広がることで、新生面が形成され、新生面の分だけ接合パッド6に対する金バンプ8の接合面8aが増える。
【0027】
(STEP4)
接合面8aと接合パッド6は、原子レベルで密着することにより、固相拡散接合する。
これにより図4に示すようにマイクロミラーチップ1と電極基板2は、金バンプ8によって接合する。
【0028】
なお例えばSTEP1において、電極基板2は図示しないプラズマ活性化装置内部に配置され、金バンプ8の表面の有機物や酸化物がプラズマ等により取り除かれ、STEP2以降の動作が行われても良い。
【0029】
またSTEP3と図3Aと図3Bに示すように、金バンプ8が垂直方向と水平方向に変形しているならば、金バンプ8が中間部材3と同じ高さになるまで荷重はかけず、この状態のままで固相拡散接合が完了し、マイクロミラーチップ1と電極基板2の基板間隔が制御されても良い。
【0030】
このように中間部材3は、異なる開口径を有する貫通孔4を有し、接合時に、接合部材である金バンプ8が荷重負荷方向に対し垂直な方向に対して変形しても許容できる許容空間を有しており、本実施形態は、中間部材3(貫通孔4)を金バンプ8の上から被せ、垂直方向からのみ荷重を加えることで、中間部材3によって金バンプ8を垂直方向と水平方向に変形させ、金バンプ8における接合パッド6との接合面積を増やすことができる。よって本実施形態は、垂直方向からのみ荷重を加えることで、接合強度を向上させることができ、駆動電極を含む電極基板2のX−Y位置精度を高く維持することができる。
【0031】
また本実施形態は、中間部材3の厚みによって、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔を所望に調整することができる。また本実施形態は、貫通孔4の大きさによって中間部材3とマイクロミラーチップ1の間及び中間部材3と電極基板2の間における金バンプ8のはみ出しを防止している。よって本実施形態は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔を所望に調整することができる。
【0032】
また本実施形態は、中間部材3を金バンプ8が配置される部材(例えば図1では電極基板2)に対向する部材(例えば図1ではマイクロミラーチップ1)に向かって、大口径が形成されるように配置している。よって本実施形態は、金バンプ8と接合パッド6との接合範囲を広げることができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2の接合強度を向上することができる。
【0033】
また本実施形態は、1つの中間部材3に1つの貫通孔4が形成されているため、中間部材3を選択的に配置することで、金バンプ8にて接合強度を向上させたい箇所を選択的することができる。
【0034】
なお本実施形態において、金バンプ8は、接合パッド6,7の少なくとも一方に形成されていれば良い。なお接合パッド6,7の両方に形成される金バンプ8同士は、固相拡散接合し、マイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる。
【0035】
また図5Aに示すように段差部5は中間部材3が電極基板2に接する端面3b側に形成され、段差部5は挿入部4aを兼ねていてもよい。この場合、段差部5は、端面3bに向かって拡開しており、例えばテーパが形成されている場合、端面3bに向かって大口径になるように傾斜5aを有している。このように貫通孔4は、金バンプ8が形成される部材(例えば図5Aでは電極基板2)に向かって大口径が形成される段差部5を有していても良い。
【0036】
つまり図1や図5Aに示すように段差部5は、端面3aと端面3bのどちらか一方に向かって拡開していればよい。言い換えると、段差部5において、端面3aと端面3bのどちらか一方側の開口面積が他方側の開口面積よりも小さく、どちらか一方側の開口面積(挿入部4aの大きさ)が金バンプ8の大きさと略同一であればよい。
【0037】
また図5Bに示すように段差部5は、端面3a側と端面3b側に形成され、端面3a,3bの両方に向かって拡開しており、例えばテーパは形成されている場合、端面3a,3bに向かって大口径になるように傾斜5aを有している。このように貫通孔4は、金バンプ8が形成される部材(例えば図5Aでは電極基板2)と、金バンプ8が形成される部材(例えば図1では電極基板2)に対向する部材(例えば図1ではマイクロミラーチップ1)に向かって、大口径が形成される段差部5を有していても良い。また貫通孔4は、段差部5の間にて、端面3a,3b側の開口面積よりも小さい開口面積を有し、段差部5と連設し金バンプ8が挿通する挿通部11を有している。
【0038】
また図1や図5Aや図5Bに示す段差部5を有する中間部材が図5Cに示すように配置されていても良い。
【0039】
次に第1の実施形態に関する変形例について図6乃至図9を参照して説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本変形例における中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド7の中心位置と重なるように、電極基板2に接着材などで固定されている。そのため本変形例における貫通孔4には、予め金バンプ8が貫通している。接着材は、例えばエポキシ樹脂などである。本実施形態における中間部材3は、接合パッド7と同数であるため、電極基板2側に複数配置される。
【0040】
次に本変形例の作用について簡単に説明する。
(STEP21)
上述した第1の実施形態において、STEP1の動作が行われる。
【0041】
(STEP22)
中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド7の中心位置と重なるように、接着材などで電極基板2に固定される。その際、金バンプ8は、挿入部4aに挿入され、図6に示すように貫通孔4を被せられて貫通孔4を貫通し、段差部5と接合パッド6に当接する。
この後の動作(図7乃至図9参照)は、図2Aと図2Bと図3Aと図3Bと図4に示す第1の実施形態と略同様である。なお図7において金バンプ8が接合パッド6によって垂直方向につぶれる状態は、図2Bに示す状態と略同様である。また図8において金バンプが水平方向に広がる状態は、図3Bに示す状態と略同様である。
【0042】
これにより本変形例は、中間部材3を電極基板2に固定しても第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
次に図10乃至図11を参照して第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態における中間部材3は、1枚のアレイ状の基板、例えば、平坦度の良く、厚みが均一な1枚のガラス基板等で形成されている。
中間部材3に形成される各貫通孔4は、第1の実施形態と略同様である。つまり中間部材3は、接合パッド6,7に対向し、少なくとも接合パッド6,7と同数の複数の貫通孔4を有している。中間部材3は、各貫通孔4の中心が各接合パッド6の中心位置と重なるように、マイクロミラーチップ1に接着材などで固定されている。各貫通孔4は、第1の実施形態と同様である。
【0044】
本実施形態における作用は、第1の実施形態と略同様であるため詳細な説明は省略する。
これにより本実施形態は、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができ、また中間部材3をマイクロミラーチップ1に一度に固定できるため、組立工数を削減でき、実装工数のタクト短縮を行うことができる。
【0045】
また本実施形態における中間部材3は、図6乃至図9に示す第1の実施形態の変形例のように、また図12に示すように電極基板2に固定されていても良い。
【0046】
次に図13乃至図14を参照して第3の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
【0047】
本実施形態における接合パッド6には金バンプ31が形成され、接合パッド7には金バンプ32が形成されている。接合パッド6と接合パッド7は、例えば金パッド、またはアルミパッド等が好適である。金バンプ31,32同士は、Au/Au接合を形成できる。金バンプ31,32は、金バンプ8と同様であり、互いに固相拡散接合する。これにより金バンプ31,32は、マイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる。
【0048】
中間部材3は、第1の実施形態の変形例と同様に貫通孔4の中心が接合パッド7の中心位置と重なるように、例えば電極基板2に接着材などで固定される。
【0049】
貫通孔4には、中間部材3が電極基板2に固定された際、金バンプ32が貫通孔4の下口(挿入部4a)側から挿入される。貫通孔4において、金バンプ32が挿入される挿入部4aの大きさ(段差部34における端面3b側の開口面積)は、金バンプ32よりも大きい。またマイクロミラーチップ1が電極基板2に向かって移動した際、貫通孔4には金バンプ31が貫通孔4の上口(挿入部4b)側から挿入される。貫通孔4において、金バンプ31が挿入される挿入部4bの大きさ(段差部33における端面3a側の開口面積)は、金バンプ31よりも大きい。
【0050】
貫通孔4は、中間部材3がマイクロミラーチップ1に接する端面3a側に拡開している段差部33と、中間部材3が電極基板2に接する端面3b側に向かって拡開している段差部34を有している。段差部33,34は、図5Bに示す段差部5と同様である。例えばテーパが段差部33,34に形成されている場合、段差部33は端面3aに向かって大口径になるように傾斜33aを有し、段差部34は端面3bに向かって大口径になるように傾斜34aを有している。このように貫通孔4は、金バンプ31,32が形成される部材(例えば図13ではマイクロミラーチップ1と電極基板2)に向かって、大口径が形成される段差部33,34を有している。
【0051】
段差部33,34は、段差部5と同様に凸形状を有していても良い。
【0052】
また貫通孔4は、段差部33,34の間、且つ金バンプ31,32が互いに当接する例えば中央部にて、金バンプ31,32同士が固相拡散接合する際に、互いの接合面31a,32aが水平方向に増加する大きさを有する段差部35を有している。
【0053】
段差部35は、図13に示すように段差部33,34の間にて段差部33,34と連設しており、例えば貫通孔4の外周方向に向かって先細なテーパ形状を有している。テーパが形成されている段差部35は、貫通孔4の外縁に向かって大口径になるように傾斜35aを有している。
【0054】
なお段差部35の形状は上記に限定される必要はなく、段差部35は先太なテーパ形状を有していてもよく、また段差部35は貫通孔4の径方向に向かって突き出ている凸部を有していても良い。
【0055】
中間部材3の高さは、変形する前の金バンプ31の高さと、変形する前の金バンプ32の高さを合わせた値よりも小さいことが好適である。
【0056】
このように中間部材3は、金バンプ31,32が形成される部材(例えば図13ではマイクロミラーチップ1と電極基板2)に向かって径が拡大する大口径がそれぞれ形成され、大口径の間に、中間部材3の外縁に向かって径が拡大する大口径が形成されるように配置されている。
【0057】
次に本実施形態の作用について説明する。
(STEP31)
金バンプ31が接合パッド6に形成され、金バンプ32が接合パッド7に形成される。
【0058】
(STEP32)
STEP22と同様に、中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド7の中心位置と重なるように、接着材などで電極基板2に固定される。その際、金バンプ32は、挿入部4aに挿入され、図6に示すように貫通孔4を被せられて貫通孔4を貫通する。
【0059】
なおSTEP2と同様に、中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド6の中心位置と重なるように、接着材などでマイクロミラーチップ1に固定されてもよい。その際、金バンプ31は、挿入部4bに挿入され、貫通孔4を被せられて貫通孔4を貫通する。
【0060】
(STEP33)
マイクロミラーチップ1は、電極基板2に向かって移動する。これにより中間部材3は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間に挟まれる。また金バンプ31は、挿入部4bに挿入され、金バンプ32と当接する。その際、所望する熱がマイクロミラーチップ1に加わると、熱はマイクロミラーチップ1と接合パッド6と中間部材3を介して金バンプ31,32に伝達する。これにより金バンプ31,32はやわらかくなり、変形しやすくなる。また垂直方向から荷重がマイクロミラーチップ1にかけられると、金バンプ31,32は垂直方向につぶれて変形する。またさらに荷重がかけられると、図14に示すように金バンプ31,32は段差部33,34,35と接合パッド6,7に沿って水平方向に広がるように変形する。
【0061】
(STEP34)
段差部33において、金バンプ31が水平方向に広がることで、新生面が形成され、新生面の分だけ接合パッド6に対する金バンプ31の接合面31bが増える。
【0062】
また段差部34において、金バンプ32が水平方向に広がることで、新生面が形成され、新生面の分だけ接合パッド7に対する金バンプ32の接合面32bが増える。
【0063】
また段差部35において、金バンプ31,32が水平方向に広がることで、それぞれに新生面が形成され、新生面の分だけ金バンプ31に対する金バンプ32の接合面32aが増え、また新生面の分だけ金バンプ32に対する金バンプ31の接合面31aが増える。なお段差部35はテーパを有しているため、金バンプ31,32は水平方向に容易に広がる。
【0064】
(STEP35)
接合面31bと接合パッド6と、接合面32bと接合パッド7と、接合面31aと接合面32aは、原子レベルで密着することにより、固相拡散接合する。
これにより図14に示すようにマイクロミラーチップ1と電極基板2は、金バンプ31,32によって接合される。
【0065】
このように本実施形態は、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また本実施形態は、段差部35にて金バンプ31,32同士を固相拡散接合させることができる。よって本実施形態は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の接合強度をより向上させることができる。
【0066】
また本実施形態は、2つの金バンプ31,32を固相拡散接合させることができるため、金バンプ31,32の高さに合わせて中間部材3の厚くすることができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔をより拡げるように所望に調整することができる。
【0067】
また本実施形態は、挿入部4a,4bを金バンプ31,32よりも大きくしている。よって本実施形態は、接合面31b,32bを増加させることができ、金バンプ31と接合パッド6の接合強度と、金バンプ32と接合パッド7の接合強度を向上させることができる。これにより本実施形態は、マイクロミラーチップ1と電極基板2の接合強度をより向上させることができる。
【0068】
次に第3の実施形態に関する変形例について図15乃至図16を参照して説明する。第3の実施形態と同一の構成については第3の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本変形例において、接合パッド7に形成される金バンプ32には金バンプ31が形成されており、金バンプ31は金バンプ32に積層し、接合パッド6と固相拡散接合する。このように金バンプは、多段に積層している。なお接合パッド6に形成される金バンプ31に金バンプ32が形成され、金バンプ32は金バンプ31に積層し、接合パッド7と固相拡散接合してもよい。このように接合パッド6,7のどちらか一方(図15では接合パッド7)に、多段に積層している金バンプが形成され、多段に積層している金バンプは接合パッド6,7の他方(図15では接合パッド6)と固相拡散接合する。
【0069】
また本変形例において、中間部材3は、段差部35の代わりに図5Bに示す挿通部11を有していても良い。
【0070】
これにより本変形例は、予め金バンプ31,32同士を積層させることができるため、金バンプ全体の高さを高く保持することができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2の間隔をより拡げるように所望に調整することができる。
【0071】
次に図17乃至図20を参照して第4の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
マイクロミラーチップ1は、電極基板2に対向する接合面1aにうねりや反り等を有している。電極基板2も同様にマイクロミラーチップ1に対向する接合面2aにうねりや反り等を有している。
【0072】
中間部材3は、貫通孔4の中心が接合パッド6の中心位置と重なるように、マイクロミラーチップ1の接合面に接着材などで固定されている。この中間部材3は、図17に示すように接合面1aと接する端面3aと、接合面2aと接する端面3bに例えばポリイミドによる膜状の弾性部材40を有している。弾性部材40は、図18に示すようにマイクロミラーチップ1と電極基板2が接合する際に、接合面1a,2aにおけるうねり等を吸収する。
【0073】
これによりマイクロミラーチップ1と電極基板2が接合する際に、弾性部材40は、図19と図20に示すようにうねり等によって例えば中間部材3と接合面2aとに形成される隙間41の発生を防止し、変形した金バンプ8が隙間41(中間部材3と電極基板2の間)にはみ出すことを防止し、図18に示すように金バンプ8にマイクロミラーチップ1と電極基板2を強固に接合させる。
【0074】
また接合面1a,2aにうねりが存在すると、図19に示すように弾性部材40が設けられていない中間部材3がマイクロミラーチップ1に固定される際に、中間部材3は接合面1aのうねりに沿って傾く。この状態で図20に示すように、荷重が垂直方向からかかり、金バンプ8がつぶれると、中間部材3は傾いているため、また隙間41が形成されるため、荷重がかかっても中間部材3が動いてしまう。そのため荷重は逃げてしまい、図20に示すようにマイクロミラーチップ1と電極基板2を強固に接合できない虞が生じる。
【0075】
このような場合において、弾性部材40は、接合面1a,2aにうねりが存在しても、図17と図18に示すようにうねりに沿った中間部材3の傾きを防止し、荷重の逃げを防止する。
【0076】
なお中間部材3は、マイクロミラーチップ1と電極基板2が接合する際に、マイクロミラーチップ1に接する端面3aと、電極基板2に接する端面3bの少なくとも一方に弾性部材40を有していても良い。
【0077】
このように本実施形態は、弾性部材40を設けることで、うねりや反り等を有するマイクロミラーチップ1と電極基板2を接合させる際に、うねりや反り等によって形成される隙間41の発生や中間部材3の傾き配置を防止することができ、マイクロミラーチップ1と電極基板2を強固に接合させることができる。
【0078】
次に図21乃至図22を参照して第5の実施形態について説明する。第1の実施形態と同一の構成については第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
【0079】
中間部材3は、マイクロミラーチップ1と電極基板2を電気的に導通させる接合膜50を有している。接合膜50は、例えば金メッキなどであり、段差部5を含む貫通孔4内部と、端面3bに形成されている。
【0080】
なお中間部材3が図10乃至図12に示すように第1の実施形態の変形例のように電極基板2に固定されている場合、接合膜50は、段差部5を含む貫通孔4内部と、端面3aに形成されている。
【0081】
また接合膜50は、段差部5を含む貫通孔4内部と、端面3a,3bの少なくとも一方と、に形成されていてもよい。このように中間部材3は、マイクロミラーチップ1に接する端面3aと電極基板2に接する端面3bの少なくとも一方と、段差部5を含む貫通孔4内部に形成される接合膜50を有する。
【0082】
これにより本実施形態は、接合膜50によってマイクロミラーチップ1と電極基板2(貫通孔4と金バンプ6と接合パッド7)における導通面積を増加させることができる。よって本実施形態は、安定した接合抵抗を得ることができる。
【0083】
なお図13乃至図22に示す第3の実施形態とその変形例と第4,第5の実施形態における中間部材3は、図10と図11に示す第2の実施形態における中間部材3のように1枚のガラス基板等で形成されても良く、また図6に示す第1の実施形態における変形例のように電極基板2に固定されていても良い。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図2A】図2Aは、図1に示すMEMSデバイスに垂直方向のみから荷重がかけられ、金バンプがつぶれた際の断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに示す金バンプ周辺の拡大図である。
【図3A】図3Aは、図1に示すMEMSデバイスに垂直方向のみから荷重がかけられ、金バンプが水平方向に広がる際の断面図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示す金バンプ周辺の拡大図である。
【図4】図4は、図1に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図5A】図5Aは、段差部の変形例を示す図である。
【図5B】図5Bは、段差部の変形例を示す図である。
【図5C】図5Cは、段差部の変形例を示す図である。
【図6】図6は、第1の実施形態の変形例におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図7】図7は、図6に示すMEMSデバイスに垂直方向のみから荷重がかけられ、金バンプがつぶれた際の断面図である。
【図8】図8は、図6に示すMEMSデバイスに垂直方向のみから荷重がかけられ、金バンプが水平方向に広がる際の断面図である。
【図9】図9は、図6に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施形態のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図11】図11は、図10に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図12】図12は、第2の実施形態の変形例におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図13】図13は、本発明の第3の実施形態のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図14】図14は、図13に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図15】図15は、第3の実施形態の変形例におけるMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図16】図16は、図15に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図17】図17は、本発明の第4の実施形態のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図18】図18は、図17に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図19】図19は、弾性部材が配置されていない状態の図17に示すMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図20】図20は、図19に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【図21】図21は、本発明の第5の実施形態のMEMSデバイスの接合構造の接合前の断面図である。
【図22】図22は、図21に示すMEMSデバイスの接合構造の接合後の断面図である。
【符号の説明】
【0085】
1…MEMS基板(マイクロミラーチップ)、1a,2a…接合面、2…電極基板、3…中間部材、3a,3b…端面、4…貫通孔、4a,4b…挿入部、5…段差部、5a…傾斜、6,7…接合パッド、8…金バンプ、8a…接合面、10…MEMSデバイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部材と、
前記第1の部材に対向し積層する第2の部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材に介在し、厚み方向に貫通する貫通孔を有する中間部材と、
前記第1の部材と前記第2の部材の少なくとも一方に形成され、前記貫通孔を貫通し、前記第1の部材と前記第2の部材を接合させる接合部材と、
を具備し、
前記貫通孔は、前記中間部材が前記第1の部材に接する第1の端面と前記第2の部材に接する第2の端面の少なくとも一方側に段差部を有し、
前記接合部材は、前記貫通孔を貫通した際に、前記段差部に沿って変形することで、第1の部材と前記第2の部材を接合させることを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記接合部材は、前記第1の部材に対する垂直方向の荷重をかけられ、加熱された際、前記段差部によって、前記垂直方向と前記垂直方向に直交する水平方向に変形することを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記中間部材は、平坦で均一な厚さを有することを特徴とする請求項2に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記段差部は、前記第1の端面と前記第2の端面のどちらか一方側に向かって拡開することを特徴とする請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記段差部は、テーパ形状を有することを特徴とする請求項4に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記段差部において、前記第1の端面と前記第2の端面のどちらか一方側の開口面積は、他方側の開口面積よりも小さく、前記接合部材と略同一であることを特徴とする請求項5に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
前記段差部が前記第1の端面側と前記第2の端面側の両方に向かって拡開している場合、前記第1の端面側に拡開している一方の前記段差部と、前記第2の端面側に拡開している他方の前記段差部の間には、一方の前記段差部と他方の前記段差部と連設し、前記接合部材を挿通させる挿通部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
前記段差部は、テーパ形状を有することを特徴とする請求項7に記載のMEMSデバイス。
【請求項9】
前記段差部は、前記第1の端面側に向かって拡開する第1の段差部と、前記第2の端面側に向かって拡開する第2の段差部と、前記第1の段差部と前記第2の段差部の間において前記第1の段差部と前記第2の段差部と連設し、前記貫通孔の外周に向かって先細な第3の段差部と、を有することを特徴とする請求項3に記載のMEMSデバイス。
【請求項10】
前記第1の段差部と前記第2の段差部と前記第3の段差部は、テーパ形状を有することを特徴とする請求項9に記載のMEMSデバイス。
【請求項11】
前記第1の段差部における前記第1の端面側の開口面積と、前記第2の段差部における前記第2の端面側の開口面積は、前記接合部材よりも大きいことを特徴とする請求項10に記載のMEMSデバイス。
【請求項12】
前記接合部材が前記第1の部材と前記第2の部材のそれぞれに形成された際、前記第1の部材に形成される前記接合部材と前記第2の部材に形成される前記接合部材同士は、固相拡散接合することを特徴とする請求項1乃至11に記載のMEMSデバイス。
【請求項13】
前記接合部材が前記第1の部材と前記第2の部材のどちらか一方に形成された際、
複数の前記接合部材は、多段に積層し、前記第1の部材と前記第2の部材の他方と接合することを特徴とする請求項1乃至11に記載のMEMSデバイス。
【請求項14】
前記中間部材は、前記第1の端面と、前記第2の端面の少なくとも一方に弾性部材を有することを特徴とする請求項1乃至13に記載のMEMSデバイス。
【請求項15】
前記中間部材は、前記第1の端面と、前記第2の端面の少なくとも一方と、前記段差部を含む前記貫通孔内部と、に前記第1の部材と前記第2の部材を電気的に導通させる接合膜を有することを特徴とする請求項1乃至13に記載のMEMSデバイス。
【請求項16】
前記中間部材は、1つの前記貫通孔を有することを特徴とする請求項1乃至15に記載のMEMSデバイス。
【請求項17】
前記中間部材は、1枚の基板状であり、前記接合部材と少なくとも同数の前記貫通孔を有することを特徴とする請求項1乃至15に記載のMEMSデバイス。
【請求項18】
第1の部材と、前記第1の部材に対向する第2の部材と、の少なくとも一方に、前記第1の部材と前記第2の部材を接合させる接合部材を形成する第1の工程と、
前記接合部材が貫通可能な貫通孔を有する中間部材を前記第1の部材、または前記第2の部材に固定し、前記第1の部材と前記第2の部材の間に前記中間部材を介在させる第2の工程と、
前記接合部材を前記貫通孔に貫通させ、前記接合部材を前記貫通孔に設けられた段差部に当接させ、前記第1の部材と前記中間部材と前記第2の部材を積層させた際、熱と垂直方向から掛かる荷重によって前記接合部材を前記段差部に沿って変形させる第3の工程と、
変形している前記接合部材と前記第1の部材または前記第2の部材を固相拡散接合させる、または変形している前記接合部材同士を固相拡散接合させる第4の工程と、
を具備することを特徴とするMEMSデバイスの製造方法。
【請求項19】
前記第2の工程は、
前記第1の部材と前記第2の部材の間に平坦で均一な厚さを有する前記中間部材を介在させる際に、前記中間部材の厚みによって前記第1の基板と前記第2の基板の間隔を制御させることを含むことを特徴とする請求項18に記載のMEMSデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−184070(P2009−184070A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26668(P2008−26668)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】