説明

Magnoliidae化合物を製造する方法

Magnoliidae化合物を、Magnoliidae植物の部分を得ることによって産生する。そのMagnoliidae植物の部分を、アルコールおよび水と混合する。そのMagnoliidae植物の部分、アルコールおよび水の混合物を加熱し、そして液体混合物が残るようにMagnoliidae植物の部分を除去する。その液体混合物を乾燥して、固体組成物を形成する。アルコールおよび水をその固体組成物に加えて、固体組成物を液体組成物へ再構成する。その液体組成物を加熱して固体材料を形成する。その固体材料を乾燥して、Magnoliidae化合物の精製組成物を得る。Magnoliidae化合物の用量は、減量を促進し、そして液体形態で、舌下に、静脈内に、薬学的に受容可能なキャリア中で、代謝物解毒剤と組み合わせて、栄養補助剤と組み合わせて、またはチューインガム中で投与し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、減量を補助するために、人の食欲を低減させるための方法、およびより具体的には、人を、CorydalisおよびStephaniaのような、Magnoliidae上目(superorder)の植物から単離された、テトラヒドロベルベリン(THB)およびそのアナログのような天然化合物の種類で処置することによって、その人の食欲を低減させるための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
肥満は、30より大きいボディマス指数として定義され、一方過体重は25より大きいボディマス指数を有するとして定義される。約19%のアメリカ人が肥満であり、そして35%が過体重である。過体重および肥満の発生率は、直近の10年で劇的に増加した。米国において、毎年減量製品に330億ドル以上が費やされ(薬物のみに5億ドル)、14%の成人が減量のために処方薬を使用し、そして7%が一般市販薬を使用している。
【0003】
肥満は、遺伝的、代謝、心理社会的、ライフスタイル、栄養、運動、および環境因子を含む、疾患に寄与する複数の因子に関与する。肥満症例の大部分は、おそらくエネルギーの摂取および利用を調節する多くの因子の間の複雑な関係に起因する。肥満は、有害な健康上の結果を有する生涯の疾患である。肥満は、米国において死因の第2位であると考えられ、そして1年あたり少なくとも300,000例の死亡に寄与する。それは、糖尿病(80%のII型糖尿病患者は肥満である)、高血圧、胆石、呼吸器の問題、およびある型の癌の死亡率を含む、多くの疾患に関連する。
【0004】
大きな肥満人口および関連する問題を考慮して、肥満研究および肥満の管理のための製品開発の分野は、広範囲に探索されたが、その問題は依然としてある。現在利用可能な体重管理プログラムは、ほとんど全てが患者による生涯の献身を必要とし、そして苦しいライフスタイルの変化を含む。
【0005】
減量および脂肪低減のためにデザインされた多くの公知の医薬品は、顕著な副作用を有する。例えば、アドレナリン作動性薬の副作用は、不眠症、神経質、被刺激性、頭痛、悪心、および便秘を含む。いくつかのアドレナリン作動性薬はさらに、血圧を上昇させ、そして狭心症を突然引き起こし得る。リパーゼ阻害剤の副作用は、悪心、嘔吐、腹痛、油斑(oily spotting)、脂肪油性便(fatty oily stool)、放屁、便意切迫(fecal urgency)、排便増加、および便失禁を含む。食事の脂肪が抑制されない場合、胃腸の副作用はより悪化し得る。シブトラミンは、血圧および脈拍数の増加と同様、頭痛、不眠症、便秘、および口腔乾燥症を引き起こし得る。エフェドリン、テオフィリン、および甲状腺ホルモンのような、エネルギー消費を増加させる薬剤は、高血圧および心拍数の増加由来の、心臓の合併症のリスクを有する。コレシストキニンは、胃迷走神経線維(gastric vagal fiber)を活性化し、そして満腹を引き起こすペプチドである。しかし、それは非経口的に投与されなければならず、その使用を劇的に制限する。セロトニン作動性薬剤は、フェンフルラミンおよびフェンテルミンの組み合わせを使用した患者において心臓弁膜症が報告された後、市場から撤退した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの実施形態において、本発明は、Magnoliidae植物の部分を得る工程、およびそのMagnoliidae植物の部分をアルコールおよび水と混合し、続いてそのMagnoliidae植物の部分、アルコール、および水の混合物を加熱する工程を含む、Magnoliidae化合物を製造する方法である。その方法はさらに、液体混合物が残るようにMagnoliidae植物の部分を除去する工程、その液体混合物を乾燥させて固体組成物を形成する工程、その固体組成物にアルコールおよび水を加えて、固体組成物を液体組成物に再構成する工程、その液体組成物を加熱して固体材料を形成する工程、そしてその固体材料を乾燥してMagnoliidae化合物の精製組成物を得る工程を含む。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、ヒトにおける減量を補助するための、活性成分としてMagnoliidae植物からの草本抽出物の混合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物である。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、ヒトにおいて体重および体脂肪を低減させる方法であり、それはMagnoliidae化合物の用量をヒトへ投与して、そのヒトの体重を低減させる工程を含む。そのMagnoliidae化合物の用量は、1mg/日より多い量のMagnoliidae化合物を提供する。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、ヒトにおける減量を促進するための、活性成分としてMagnoliidae植物からの草本抽出物の混合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物である。その草本抽出物の混合物は、その薬学的組成物の全重量に基づいて、少なくとも1%のTHBおよび少なくとも1%のTHPを含む。
【0010】
生存している生物において体重および体脂肪を低減させるための方法の、他の独立した特徴および利点が、例として本発明の原理を説明する添付の図面と組み合わせて、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、Corydalis ambigua植物の図である。
【図2】図2は、Corydalis ambigua植物の塊茎の図である。
【図3】図3A〜3Bは、Stephania植物およびStephania植物の塊茎の図である。
【図4】図4A〜4Cは、THBおよびテトラヒドロベルベリンの2つのアナログ(THBアナログ)の化学構造を示す。
【図5】図5A〜5Bは、Magnoliidae化合物を製造する方法を示す。
【図6】図6A〜6Bは、Magnoliidae化合物を投与する方法、およびMagnoliidae化合物を投与する容器の図を示す。
【図7】図7A〜7Jは、Magnoliidae化合物を投与する容器の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を、図と関連して以下の説明において、1つまたはそれ以上の実施形態において説明し、ここで同様の数字は、同じまたは同様の要素を示す。本発明を、本発明の目的を達成するための最良の様式に関して説明するが、代替物、改変物、および同等物を含むよう意図されることが、当業者によって認識される。なぜなら、それらは、以下の開示および図面によって支持されるように、添付の特許請求の範囲およびその同等物によって規定されるような本発明の意図および範囲内に含まれ得るからである。
【0013】
以下の説明は、Magnoliidae上目の植物から単離された、化学的アナログのグループの1つでヒトを処置することによって、食欲を低減させるための方法を示す。
【0014】
図1は、Corydalisの1種、具体的にはCorydalis ambigua12の図である。Corydalis ambigua12は、草本のCorydalis属の1種であり、主に東アジア、すなわち中国および日本において見出される。成熟したCorydalis ambigua12は、高さ約150.0cm、および幅約80.0cmである。Corydalis ambigua12は、多年生草本である。Corydalisは、Fumariaceae亜科、Papaveraceae科、Papaverales目、およびMagnoliidae上目の植物の属である。
【0015】
図2は、Corydalis ambigua植物の塊茎22の描写である。1つの実施形態は、具体的にambigua種を使用することに言及するが、THBまたはそのアナログを含む任意のCorydalisの種を使用し得る。従って、Corydalisという用語は、Corydalis ambiguaを含む、THBまたはそのアナログを含む全てのCorydalisの種を指す。1つの実施形態は具体的に、THBおよびそのアナログを、Corydalis ambiguaの塊茎22から抽出することを想定するが、THBおよびそのアナログを、葉、茎、および塊茎を含む任意の植物の部分を精製することによって抽出し得る。さらに、2番目の実施形態は、前もってTHBまたはそのアナログを精製することなく、Corydalisを投与することを想定する。従って、Corydalisという用語は、Corydalis植物全体、およびまたCorydalis植物由来の全ての抽出物を含む。
【0016】
図3Aは、これも草木植物の属であり、主に東アジアにおいて見出される、Stephania属の植物30の1種の図である。図3Bは、Stephania植物の塊茎32の描写である。Stephania属の植物30は、Stephania intermedia、Stephania hainanensis、およびStephania yunnanensisを含む。Stephania属の植物30は、THBのアナログを含む。具体的には、Stephania intermedia、hainanensis、およびyunnanensisは、l−テトラヒドロパルマチン(l−THPまたはdl−THP)を含み、一方Stephania intermediaおよびyunnanensisはどちらも、l−ステホリジン(l−SPD)を含む。L−THPも、Fibraurea recisa Pierreにおいて見出され、そしてそれから精製し得る。StephaniaおよびFibraureaはどちらも、Menispermaceae科およびRanunculales目の植物である。Corydalisと同様、StephaniaおよびFibraureaはどちらも、Magnoliidae上目の植物に属する。
【0017】
Corydalisと同様、1つの実施形態は、具体的にl−THPおよびl−SPDを、FibraureaまたはStephania植物の塊茎から抽出することを想定する。2番目の実施形態において、l−THPおよびl−SPDを、葉、茎、および塊茎を含む、植物の任意の部分を精製することによって抽出し得る。さらに別の実施形態は、前もってl−THPまたはl−SPDを精製することなく、StephaniaまたはFibraureaの任意の種を投与することを想定する。
【0018】
図4A−4Cは、Magnoliidae植物から単離された化合物40の化学構造を示す。Magnoliidaeという用語を、THB、l−THP、l−SPD、またはTHB、l−THP、もしくはl−SPDの任意のアナログを含む、Magnoliidae上目の植物の全ての種を指して使用する。化合物40を、集合的に「Magnoliidae化合物(Magnoliidae compounds)」、またはそれぞれ単数形で「Magnoliidae化合物(a Magnoliidae compound)」と呼び得る。Magnoliidae化合物40はまた、Magnoliidae化合物40の任意のアナログを含む。Magnoliidae化合物40のアナログは、保存された4環構造によって特徴付けられ得る。例えば、そのアナログは、全てのMagnoliidae化合物40において示される、保存されたベンゼン−ヘキサン−ヘキサン−ベンゼン構造を有し得る。
【0019】
図4Aは、THB42の化学構造を示す。図4Bは、THB42の1つのアナログ、l−テトラヒドロパルマチン(l−THP)44の化学構造を示す。図4Cは、THB42の2番目のアナログ、l−ステホリジン(Stepholidine)(l−SPD)46の化学構造を示す。l−THP44およびl−SPD46は、THBのホモログアナログであり、そして集合的に「THBアナログ」と呼ばれる。Magnoliidae化合物40を、伝統的なアルカロイド化学精製方法によって、任意のMagnoliidae種の1つまたはそれ以上の部分から抽出する。そのMagnoliidae植物を、アルカリ性溶液に浸し、ベンゼンを用いて抽出し、次いで結晶化および精製して、THB42、l−THP44、およびl−SPD46の少なくとも1つを得る。もしMagnoliidae化合物が、Magnoliidae植物において見出される、または抽出されるように事実上入手可能でないなら、Magnoliidae化合物を合成し得る、または他の供給源から得ることができる。
【0020】
図5Aに示すように、Magnoliidae化合物38を塊茎、茎、葉、または植物の任意の他の部分から抽出することによって、Magnoliidae化合物を得ることができる。工程50において、その植物の部分を、使用する植物の部分の重量に依存した割当量で、アルコールおよび水と合わせる。工程51において、その溶液を加熱して、植物の部分からのMagnoliidae化合物の抽出を促進する。工程52において、その植物の部分を溶液から除去する。工程53において、その溶液を次いで乾燥させ、そのMagnoliidae化合物は、ここで他の混入物と共に固体形態になる。工程54において、その乾燥した固体を次いで水およびアルコールと混合する。工程55において、その新しい溶液を、次いで加熱してさらにMagnoliidae化合物40を他の化合物から分離する。工程56において、その乾燥した固体は、完全に精製されていないにしても、大部分精製された、Magnoliidae化合物40を含む。
【0021】
図5Bは、Magnoliidae化合物を製造する別の方法を示す。工程57において、図5Aで説明および示された工程を行う。工程58において、そのMagnoliidae化合物をさらに、乾燥した固体を溶液へ再混合することによって分離し得る。工程59において、その液体溶液を、カラムクロマトグラフィー処理にかける。工程60において、そのカラムクロマトグラフィー処理はさらに、分子量によって化合物を分離して、さらにMagnoliidae化合物40を精製する。Magnoliidae化合物の分子量を、カラムクロマトグラフィーによって分離した後にMagnoliidae化合物を得るために決定し得る。
【0022】
天然の供給源から得られたMagnoliidae化合物40はある利点を有するが、Magnoliidae化合物40をまた化学合成によって形成し得る。Magnoliidae化合物40を、必要な開始化合物を組み合わせて、そして様々な化学反応を行ってMagnoliidae化合物40を開始化合物から産生することによって形成し得る。Magnoliidae化合物40を産生するために必要な化学構造を提供するために、さらなる化合物を合成過程の間に加え得る。
【0023】
Magnoliidae化合物40は、鎮静、催眠、および痛覚脱失のような中枢神経系における著しい抑制効果を示す。THBおよびそのアナログの薬理学的メカニズムは、脳ドパミン(DA)受容体機能を阻害する1種のアンタゴニストとして作用すること、α−アドレナリン作用性受容体および5−TH受容体機能の遮断、およびイオンチャネル機能の直接的な調節を含む。
【0024】
THBおよびそのアナログは、DAアンタゴニストの特徴の全てを示す。伝統的なDA受容体アンタゴニストと比較して、Magnoliidae化合物40は、2つの独特な性質を示す。最初に、THBはD1−型およびD2−型DA受容体結合に対して、等効力の効果を有する。2番目に、正常ラットにおいて、l−SPDはD2受容体アンタゴニストの特徴を示すが、一側性の黒質病変を有する(線条におけるDA受容体過剰感受性)ラットにおいて、l−SPDはアゴニストとしてD1受容体に作用する。従って、DA受容体機能を遮断することによって、Magnoliidae化合物40はドパミンの放出を遮断し、それは報酬および依存性の主な細胞メカニズムである。
【0025】
図6Aにおいて、ヒト62において肥満を処置する方法は、医療専門家による処方として、Magnoliidae化合物40を投与することにより得る。その投与は、丸剤64を含む、下記で記載するような様々な形態であり得る。丸剤64を、医療専門家66によって投与し得る。丸剤64をまた、小売店から一般市販薬として得ることができる。丸剤64は、100%のMagnoliidae化合物40を含み得る。別の実施形態において、丸剤64は、あるパーセンテージで受容可能な薬学的キャリアを含み得、残りのパーセンテージはMagnoliidae化合物40である。例えば、丸剤64は、5%のMagnoliidae化合物40および95%の受容可能な薬学的キャリアを有し得る。そのパーセンテージは、Magnoliidae化合物40の意図される使用に依存して変動し得る。
【0026】
図6Bにおいて、Magnoliidae化合物40を投与するために使用される容器は、カプセル68の形態であり得る。カプセル68は、100%のMagnoliidae化合物40を含み得る。カプセル68は、あるパーセンテージで受容可能な薬学的キャリアを含み得、残りのパーセンテージはMagnoliidae化合物40である。例えば、カプセル68は、5%のMagnoliidae化合物40および95%の受容可能な薬学的キャリアを有し得る。そのパーセンテージは、Magnoliidae化合物40の意図される使用に依存して変動し得る。
【0027】
Magnoliidae化合物40の投与の方法を、様々な形態で行い得る。図7A−7Jは、Magnoliidae化合物を投与する様々な方法を描写する。その形態は、化合物を、図7Fにおけるようなロゼンジ、図7Hにおけるような錠剤、図7Aにおけるような粉末、図7Cにおけるような液体、図7Gにおけるようなバー、図7Bにおけるようなチューインガム(過量投与の可能性が低いので安全)、シェイク、キャンディーまたは他の糖菓、ティーバッグ、または任意の形態の食物の形態で調製された、ヒトが消費する食物と混合することのような方法を含み得る。Magnoliidae化合物40を、図7Aに示すように、粉末形態で投与し得る。粉末処方物の利点は、Magnoliidae化合物40を容易に任意の型の食品と混合し得ること、そしてかなり多い投与量で投与し得ることである。
【0028】
図7Fにおいて見られるように、Magnoliidae化合物40を、携帯の容易さおよび摂取の容易さのために、ロゼンジの形態で調製し得る。活性成分の量は、必要な投与量に依存して変動し得る。1つの実施形態において、そのロゼンジは3%のTHB、3%のTHP、および94%の薬学的に受容可能なキャリアを含む。活性なTHBおよびTHPの量は、望ましい治療および対象の人の体重に依存して、より高いまたはより低いパーセンテージにさせるために変動し得る。例えば、ロゼンジは100%のTHBを含み得るが薬学的に受容可能なキャリアは含み得ない。その処方物は、100%のTHPも同様に含み得る。肥満である対象の人に関して、カプセル中の投与量を、1%のTHPおよび/または1%のTHBから、100%のいずれかの化合物に増加させ得る。処置の過程の間に、標的患者のために最適な投与量に達するために、各化合物のパーセンテージを変化させ得る。例えば、ロゼンジを、15%のTHBおよび10%のTHPおよび75%の薬学的に受容可能なキャリアで作成し得る。THBおよびTHPの量は、同じである必要はない。THBまたはTHPのいずれかが、他方より高いパーセンテージを有し得る。それぞれの量は、対象の人に依存し得る。
【0029】
さらに、Magnoliidae化合物40の投与は、図7Cで描写するように、液体形態であり得る。Magnoliidae化合物40を、コーヒー、茶、栄養補助飲料および食事補助飲料(nutritional and dietary supplement drink)、ミルクセーキ、およびプロテインシェイク(protein shake)のような飲料として投与し得る。その液体化合物により魅力的な味を与えるために、その液体に甘味料を加え得る。その甘味料は、スクロースのような天然糖であり得る、またはアスパルテーム、サッカリン、およびアセスルファームのような合成甘味料であり得る。Magnoliidae化合物40は、特に高い投与量ではそれほど魅力的な味を有さないので、より良い味をその液体に与えるために、その甘味料を使用し得る。カプセルに関して上記で記載した、Magnoliidae化合物40のパーセンテージを、液体形態におけるMagnoliidae化合物40の投与のために利用し得る。
【0030】
図7Bにおいて、Magnoliidae化合物40を、チューインガムの形態で、舌下に投与し得る。Magnoliidae化合物40を投与することの利点は、より高い安全性(過量投与は困難)、使用が容易(いつでもかむことができる)、投与量を調節することが容易(チューインガムは、1片あたり0.1グラムのMagnoliidae化合物40または1グラムのMagnoliidae化合物40のような、低い単位投与量を含み得る)、およびより標的化した使用(空腹である場合いつでもかむことができる)であり得る。ロゼンジに関して上記で記載した、Magnoliidae化合物40のパーセンテージを、チューインガムにおけるMagnoliidae化合物40の投与のために利用し得る。
【0031】
図7Iにおいて、Magnoliidae化合物40の投与の方法はまた、肝臓代謝を回避するために舌下に送達するためのスプレーに化合物を組込むことにより得る。ロゼンジに関して上記で記載した、Magnoliidae化合物40のパーセンテージを、スプレー形態におけるMagnoliidae化合物40の投与のために利用し得る。
【0032】
図7Jにおいて、Magnoliidae化合物40の投与の方法はまた、肝臓代謝を回避するために、そしてより速くかつより強力な作用のために、非経口的に送達するための注射形態に化合物を組込むことにより得る。ロゼンジに関して上記で記載した、Magnoliidae化合物40のパーセンテージを、注射形態におけるMagnoliidae化合物40の投与のために利用し得る。
【0033】
あるいは、Magnoliidae化合物40を、図7Gにおいて描写するように、食物バー形態で投与する。その投与形態は、潜在的な栄養失調を予防するために、ビタミン、ミネラル、およびアミノ酸のような必須の栄養素の適切な摂取を確実にするために、複数の栄養素を添加することを可能にする。矯味矯臭薬および甘味料の添加は、嗜好性(palatability)を増強する。Magnoliidae化合物40を、シェイク形態で投与することも有用であり得る。その投与形態は、潜在的な栄養失調を予防するために、ビタミン、ミネラル、およびアミノ酸のような必須の栄養素の適切な摂取を確実にするために、複数の栄養素を添加することを可能にする。矯味矯臭薬および甘味料の添加は、嗜好性を増強し得る。Magnoliidae化合物40を投与するためのさらに別の好ましい方法は、キャンディーのような糖菓によるものであり得る。その投与形態は、広い範囲の人々による高い嗜好性のために、非常に使用が容易であり得る。ロゼンジに関して上記で記載した、Magnoliidae化合物40のパーセンテージを、食物形態におけるMagnoliidae化合物40の投与のために利用し得る。
【0034】
食物摂取の減少は、栄養素(タンパク質、炭水化物、および脂肪酸)摂取の減少を引き起こし得るので、Magnoliidae化合物40を、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、多量ミネラル(macro mineral)および微量ミネラル、またはその混合物のような、必須栄養素および栄養補助剤(nutritional supplement)と共に投与することが有用であり得る。クレアチンのような他の栄養物質の添加は、体が筋肉を作るのを補助し得る。さらに、多くの栄養薬用植物(nutritional herb)、植物由来の植物栄養素、および他の任意の供給源由来の栄養素が、エネルギーを高める、疲労を最小限にする、アシドーシスを予防する、代謝速度を増加する等のようなさらなる利点を提供し得るので、上記で述べたMagnoliidae化合物40と共に投与する場合に有用であり得る。Magnoliidae化合物40をタンパク質と組み合わせることは、減少した食物摂取に起因して失ったタンパク質の摂取を補うことを補助し得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、チューインガムの調製した形態、または食物の任意の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0035】
Magnoliidae化合物40の投与方法はまた、減少した食物摂取に起因して失ったビタミン摂取を補うために、その化合物を、補助的な用量のビタミンと組み合わせることにより得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、またはチューインガム(過量投与の可能性が低いので安全)の調製した形態、または食物の任意の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0036】
Magnoliidae化合物40の投与方法はまた、減少した食物摂取に起因して失ったミネラル摂取を補うために、その化合物を、補助的な用量の多量ミネラルおよび微量ミネラルと組み合わせることにより得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、チューインガムの調製した形態、または食物の任意の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0037】
Magnoliidae化合物40の投与方法をまた、嗜好性およびコンプライアンスを増強するために、補助的な用量の草本成分と混合し得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、チューインガムの調製した形態、または食物の任意の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0038】
Magnoliidae化合物40の投与方法はまた、筋肉量の増加を補助するために、その化合物を補助的な用量のクレアチンと組み合わせることにより得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、チューインガムの調製した形態、または食物の任意の他の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0039】
食物摂取の減少は、栄養素(タンパク質、炭水化物、および脂肪酸)摂取の減少を引き起こし得るので、Magnoliidae化合物40を、タンパク質、アミノ酸、ビタミン、多量ミネラルおよび微量ミネラル、またはその混合物のような、必須栄養素または栄養補助食品(dietary supplement)と共に投与することが有用であり得る。その組み合わせを、カプセル、錠剤、粉末、液体、シェイク、バー、キャンディー、ティーバッグ、チューインガムの調製した形態、または食物の任意の他の形態のような、その人が消費し得る食物とも混合し得る。
【0040】
さらに、多くの薬用植物、植物由来の植物栄養素、および他の任意の供給源由来の栄養素が、エネルギーを高める、疲労を最小限にする、アシドーシスを予防する、および代謝速度を増加するようなさらなる利点を提供し得るので、上記で述べたMagnoliidae化合物40と共に投与する場合に有用であり得る。
【0041】
他の実施形態は、Magnoliidae化合物40を代謝物解毒剤と組み合わせることを含み得る。D−グルカル酸カルシウム、グルカル酸カリウム、またはグルカル酸の任意の塩、またはグルカル酸を、代謝物解毒剤として添加することは、身体が任意の毒性の代謝物を排泄することを補助する。代謝物毒素は、主にヒトの脂肪組織に貯蔵されるので、毒性代謝物の解毒は、脂肪を低減させることにおいて身体を補助し、そして新しい脂肪組織の産生を予防する。
【0042】
以下の分子もまた有効な代謝物解毒剤である:N−アセチルシステイン(NAC)、グルタチオン、インドール−3−カルビノール、ジインドリル(diindoly)−3−メタン(DIM)、共役リノール酸(CLA)、グアノシン3リン酸(GTP)、セレン、ニンニク、Rosox、マリアアザミ(シリマリン)、混合ビタミンE、混合カロテノイド、ビタミンC/ビオフラボノイド、リポ酸/ジヒドロリポ酸塩、ダイズイソフラボン、モノテルペン、ジテルペン、トリテルペン(Triperpenes)、およびアブラナ科の植物の硫黄化合物。
【0043】
別の実施形態は、非常に強力な処方物を開発するために、またはMagnoliidae化合物40の独特の脂肪低減特性から利益を得る、増強された体重低減組成物を作成するために、Magnoliidae化合物40を、他の体重低減剤と組み合わせることを想定する。Magnoliidae化合物40を、食事、運動プログラム、または減量を促進するために使用される他の方法のような、他の体重低減処置と組み合わせ得る。
【0044】
時間をかけて減量および脂肪の低減を達成する方法は、所定の期間の間、変動する投与量のMagnoliidae化合物40を投与することを含む。Magnoliidae化合物40を用いた減量および脂肪低減方法の以下の説明は、ヒトにおいて減量および脂肪低減を生じるためのMagnoliidae化合物40の使用を説明するための例として与えられる。
【0045】
人において食欲を低減させるための最適な投与量は、体重1kgあたり1−50mgの用量の、THB、l−THP、l−SPD、または任意の他のTHBアナログを含む、1つまたはそれ以上のMagnoliidae化合物40を投与することにより、そしてその効果は2〜3時間維持され得る。しかし、Magnoliidae化合物40は、容易に血液−脳関門を通過するので、その化合物は脳組織において迅速かつ容易にピーク濃度に達する。従って、体重1kgあたり1mgと低い用量が、人の食欲の減少を引き起こし得る。
【0046】
Magnoliidae化合物40をまた、睡眠を助けるための方法として使用し得る。Magnoliidae化合物40の薬理学的メカニズムは、脳DA受容体機能を阻害する1種のアンタゴニストとして作用すること、α−アドレナリン作用性受容体および5−TH受容体機能の遮断、およびイオンチャネル機能の直接的調節を含む。アンタゴニストメカニズムは、被験体が寝入り、そして睡眠を維持することを助けることを補助する。ドパミンの放出は、脳内の報酬システムと関連しており、ドパミン放出の遮断は、被験体の脳の刺激を制限して、被験体が寝入り、そして睡眠を維持することを可能にすることを補助し得る。
【0047】
Magnoliidae化合物40をまた、不安を処置するための方法として使用し得る。Magnoliidae化合物40の薬理学的メカニズムは、脳DA受容体機能を阻害する1種のアンタゴニストとして作用すること、α−アドレナリン作用性受容体および5−TH受容体機能の遮断、およびイオンチャネル機能の直接的調節を含む。アンタゴニストメカニズムは、被験体において不安の低減を助けることを補助する。ドパミンの放出は、脳内の報酬システムと関連しており、ドパミン放出の遮断は、被験体の脳の刺激を制限して、被験体がより少ない不安を経験することを可能にすることを補助し得る。
【0048】
本発明の1つまたはそれ以上の実施形態が詳細に説明されたが、当業者は、以下の請求において述べるような本発明の範囲から離れることなく、それらの実施形態に対する改変および適応を行い得ることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Magnoliidae化合物を製造する方法であって、該方法は:
Magnoliidae植物の部分を得る工程;
該Magnoliidae植物の部分と、アルコールおよび水とを混合する工程;
該Magnoliidae植物の部分、アルコールおよび水の混合物を加熱する工程;
液体混合物が残るように該Magnoliidae植物の部分を除去する工程;
該液体混合物を乾燥させて、固体組成物を形成する工程;
アルコールおよび水を該固体組成物に添加し、該固体組成物を液体組成物に再構成する工程;
該液体組成物を加熱して、固体物質を形成する工程;ならびに
該固体物質を乾燥させて、該Magnoliidae化合物の精製組成物を得る工程
を包含する、方法。
【請求項2】
前記固体物質が99%のMagnoliidae化合物となるまで該固体物質を精製する工程をさらに包含する、請求項1に記載の製造する方法。
【請求項3】
前記Magnoliidae化合物の前記精製組成物を、カラムクロマトグラフィによってさらに精製する、請求項1に記載の製造する方法。
【請求項4】
前記固体物質が99%のMagnoliidae化合物となるまで該固体物質を精製する工程をさらに包含する、請求項3に記載の製造する方法。
【請求項5】
前記Magnoliidae化合物が、THB、l−THP、l−SPDおよびそれらのアナログからなる群より選択される、請求項1に記載の製造する方法。
【請求項6】
前記Magnoliidae植物の部分(plant part)が、塊茎、茎および葉を含む、請求項1に記載の製造する方法。
【請求項7】
ヒトにおいて減量を補助するための薬学的組成物であって、活性成分としてのMagnoliidae植物からの草本抽出物の混合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
【請求項8】
前記草本抽出物の混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約100%のTHBである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
前記草本抽出物の混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約100%のTHPである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
前記草本抽出物の混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約3%のTHB、約3%のTHPであり、約94%が前記薬学的に受容可能なキャリアである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
前記草本抽出物の混合物が、前記組成物の総重量に基づいて少なくとも1%のTHBである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
前記草本抽出物の混合物が、前記組成物の総重量に基づいて少なくとも1%のTHPである、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
ヒトにおいて体重および体脂肪を低減させる方法であって、該方法は、Magnoliidae化合物の用量を該ヒトに投与して、該ヒトの体重を低減させる工程を包含し、ここで、Magnoliidae化合物の該用量は、該ヒト1キログラムあたり該Magnoliidae化合物1ミリグラムよりも多い量を提供する、方法。
【請求項14】
液体形態でのMagnoliidae化合物の前記用量を投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
Magnoliidae化合物の前記用量を舌下に投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
Magnoliidae化合物の前記用量を静脈内に投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
薬学的に受容可能なキャリア中のMagnoliidae化合物の前記用量を投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
代謝物解毒剤と組み合わせてMagnoliidae化合物の前記用量を投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
栄養補助剤または栄養補助食品と組み合わせてMagnoliidae化合物の前記用量を投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
チューインガム中でMagnoliidae化合物の前記用量を投与する工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
Magnoliidae化合物の前記用量が、THB、l−THP、l−SPDおよびそれらのアナログからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
ヒトにおいて減量を促進するための薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、活性成分としてMagnoliidae植物からの草本抽出物の混合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含み、草本抽出物の該混合物は、該薬学的組成物の総重量に基づいて少なくとも1%のTHBおよび少なくとも1%のTHPを含む、薬学的組成物。
【請求項23】
草本抽出物の前記混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約100%のTHBである、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
草本抽出物の前記混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約100%のTHPである、請求項22に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
草本抽出物の前記混合物が、前記組成物の総重量に基づいて約3%のTHB、約3%のTHPであり、約94%が前記薬学的に受容可能なキャリアである、請求項22に記載の薬学的組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【公表番号】特表2013−510089(P2013−510089A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537216(P2012−537216)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2010/055310
【国際公開番号】WO2011/056882
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512112585)アリゾナ ヘルス コンサルティング, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】