説明

MiAN及びMiAN帯域幅集約方法並びに集約システム

【課題】MiAN及びMiAN帯域幅集約方法並びに集約システムを提供して、MiANのWAN出口リンクの帯域幅の集約と共有を実現すること。
【解決手段】一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANとを備え、プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスし、プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立される。また、プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信するステップAと、トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するステップBと、第1セカンダリMiANが自身に対応するWAN出口リンクを介してプライマリMiANからのトラフィックをWANに送信するように、トラフィックを第1セカンダリMiANに送信するステップCとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ通信技術分野に関し、特にMiAN(Mobile internet Access Node)及びMiAN帯域幅集約方法並びに集約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示されている、MiANを含むアクセスネットワークの構造図を参照する。MiAN(Mobile internet Access Node)は、WANと無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)の両方にアクセス可能なデバイスである。そのWANインタフェースは、無線インタフェースでも有線インタフェースでもよいが、WAN出口リンクを介してあらゆる標準化されたセルラーネットワークシステム(例えばWCDMA、CDMA、WiMAX、LTE、LTE−Aなど)にアクセスする。そのWLANインタフェースは、802.11WiFiに基づいた無線インタフェースであってもよい。
【0003】
MiANは、上記両インタフェースのほか、MiAN同士の通信を実現するための近接インタフェース(Proximity Interface)を更に有してもよい。該インタフェースは、例えばブルートゥース、Zigbee、NFC(Near Field Communication)等の短距離通信技術、又は、802.11WiFi無線通信技術、WiFi direct、又は、イーサネット、RJ45等の有線接続技術等多種類の通信技術に基づいて実現可能である。
【0004】
近接インタフェースは、単独での物理実体インタフェースであってもよいし、例えば物理実体インタフェースをWLANインタフェースと共有する一つのロジックインタフェースのようなロジックインタフェースであってもよい。図2には、近接インタフェースとWLANインタフェースとで物理実体インタフェースを共有するMiANが示されている。
【0005】
WiD(Wireless internet Device)は、例えばスマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機など、WLANインタフェース付きの、多種類の異なるインターネットアプリケーションをサポートする端末設備である。WiDとMiANとは、WLANインタフェースを介して接続される。
【0006】
MiANのWAN出口リンクの帯域幅は限度があり、且つ通常はWLAN側帯域幅より遥かに小さいため、WiDのサービスデータ量の著しく増加につれ、MiANのWAN出口リンクの帯域幅が上記アクセスネットワークシステムのネックとなり、端末ユーザによるネットワークのエクスペリエンスに大きく影響する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術問題は、MiAN及びMiAN帯域幅集約方法並びに集約システムを提供して、MiANのWAN出口リンクの帯域幅の集約と共有を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術問題を解決するために、本発明のある実施例によれば、次の解決案を提供する。
【0009】
一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANとを備え、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスし、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっている集約システムに応用されるMiAN帯域幅集約方法において、プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信するステップAと、プライマリMiANは、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するステップBと、プライマリMiANは、上記第1セカンダリMiANが自身に対応するWAN出口リンクを介して上記プライマリMiANからの上記トラフィックをWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信するステップCとを含む。
【0010】
本発明のある実施例によれば、上記方法のステップAとステップBとの間に、上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているか否かをプライマリMiANが判断し、YESの場合に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従い上記トラフィックを転送してからフローが終了し、NOの場合に上記ステップBに進むステップA1を更に含む。
【0011】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択し、判断結果がNOの場合に、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信してから、フローが終了する。
【0012】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、上記プライマリMiANは、自身に対応するWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記リンク状態パラメータを取得し、上記現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えたかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断することにより、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断する。
【0013】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することにより、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断する。
【0014】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、上記プライマリMiANが上記集約システムにおけるWAN出口リンクの現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することにより、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断する。
【0015】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを受信し、さらに、上記プライマリMiAN自身及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断し、上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む。
【0016】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記一つ以上のセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとすることにより、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択する。
【0017】
本発明のある実施例によれば、上記ステップBにおいて、上記一つ以上のセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとすることにより、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択する。
【0018】
本発明のある実施例によれば、上記近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるインタフェースである。
【0019】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANと各セカンダリMiANとは無線LANインタフェースを介して接続と通信を実現し、上記各セカンダリMiANと上記プライマリMiANとはいずれも同一の無線LAN周波数レンジにおいて稼働し、上記各セカンダリMiANはいずれもアクセスポイントモードではなく移動局モードにおいて稼働し、且ついずれも上記無線LANインタフェースを介して上記プライマリMiANと関連付けられるように、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっている。
【0020】
本発明のある実施例によれば、上記ステップAの前に、更に、上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANのアドレス情報を維持して各セカンダリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続を確立する。
【0021】
本発明のある実施例によれば、WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、少なくとも一つのセカンダリMiANと近接インタフェースを介して通信接続が確立されるプライマリMiANを更に提供し、該プライマリMiANにおいて、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信するための受信手段と、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するための選択手段と、上記第1セカンダリMiANが上記プライマリMiANからの上記トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信するための第1転送手段とを含む。
【0022】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANにおいて、上記受信手段が上記トラフィックを受信した後、上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているかを判断し、YESの場合に、第2転送手段に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送させてからフローが終了し、NOの場合に上記選択手段を動作させるための判断手段と、上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送するための第2転送手段とを更に含む。
【0023】
本発明のある実施例によれば、上記選択手段は、さらに上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択し、上記プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと上記選択手段により判断されると、上記プライマリMiANのWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信するための第3転送手段を更に含む。
【0024】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANにおいて、上記選択手段は、上記プライマリMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記パラメータを取得するためのパラメータ取得手段と、上記現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えたかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断するための閾値判断手段とを含む。
【0025】
本発明のある実施例によれば、上記選択手段は、上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断するためのサービス判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0026】
本発明のある実施例によれば、上記選択手段は、上記プライマリMiANが集約システムにおけるWAN出口リンクの現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断するための状態判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0027】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANにおいて、各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記リンク状態パラメータを収集するパラメータ収集手段を更に含み、上記状態判断手段は、さらに上記プライマリMiAN及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断する。
【0028】
本発明のある実施例によれば、上記選択手段は、各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記一つ以上のセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとするための第1処理手段を更に含む。
【0029】
本発明のある実施例によれば、上記選択手段は、上記一つ以上のセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとするための第2処理手段を含む。
【0030】
本発明のある実施例によれば、上記近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるインタフェースである。
【0031】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANにおいて、各セカンダリMiANと接続するための無線LANインタフェースを更に含み、上記近接インタフェースは、無線LANインタフェースを共有するロジックインタフェースであり、上記各セカンダリMiANと上記プライマリMiANとは同一の無線LAN周波数レンジにおいて稼働し、上記各セカンダリMiANはいずれも移動局モードにおいて稼働し、且ついずれも上記無線LANインタフェースを介して上記プライマリMiANと関連付けられる。
【0032】
本発明のある実施例によれば、上記プライマリMiANにおいて、各セカンダリMiANのアドレス情報を維持して各セカンダリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANと通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールを更に含む。
【0033】
本発明のある実施例によれば、WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続が確立されるセカンダリMiANを更に提供し、該セカンダリMiANにおいて、上記プライマリMiANがWiDから受信した、上記セカンダリMiANを介して転送するべき第1トラフィックであって、上記プライマリMiANからの上記第1トラフィックを受信するための受信手段と、受信した上記第1トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するための転送手段とを含む。
【0034】
本発明のある実施例によれば、上記セカンダリMiANにおいて、プライマリMiANのアドレス情報を維持して上記プライマリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、上記プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールを更に含む。
【0035】
本発明のある実施例によれば、上記セカンダリMiANにおいて、上記プライマリMiANが各MiANの現在のリンク状態パラメータに基づきトラフィックを転送するためのMiANを選択するように、上記プライマリMiANに対して自身が対応するWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを周期的に報告するためのパラメータ報告手段を更に含み、上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む。
【0036】
本発明のある実施例によれば、一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANとを備え、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスし、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっているMiAN帯域幅の集約システムを更に提供し、該MiAN帯域幅の集約システムにおいて、上記プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信し、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択し、それから、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信し、上記第1セカンダリMiANは、上記プライマリMiANからの上記トラフィックを受信し、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信する。
【発明の効果】
【0037】
上記記載から分かるように、本発明によるMiAN及びMiAN帯域幅集約方法並びに集約システムにおいて、プライマリMiANがWANにトラフィックを転送するときに、プライマリMiANのWAN出口リンクを介してWANに送信するのではなく、セカンダリMiANのWAN出口リンクを介してWANに送信することにより、MiAN間のWAN出口リンクの集約と共有を実現できる。例えば、プライマリMiANのWAN出口リンクの帯域幅資源に余裕がない場合に、セカンダリMiANのWAN出口リンクの帯域幅資源を利用してWiDが取得可能な帯域幅とスループット率を増加させ、それにより端末ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。また、本実施例において、いかなる従来のセルラーネットワーク構造とネットワーク設備でも変更を加えられる必要がなく、ネットワーク設備を別途追加する必要がないとともに、従来のMiANハードウェアとファームウェア構造を変更する必要がなく、WiD設備を変更する必要もなく、従来のMiANの機能についてソフトウェアのアップグレードを行なえば実現可能であり、簡単に実現でき、コストが低いといった利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従来技術における、MiANを含むアクセスネットワークの構造を示す図面である。
【図2】従来技術における、近接インタフェースとWLANインタフェースとで物理実体インタフェースを共有するMiANの構造を示す図面である。
【図3】本実施例によるMiAN帯域幅集約方法のフローを示す図面である。
【図4】本実施例による方法を応用するトラフィック転送を示す図面である。
【図5】本実施例による方法を応用する別のトラフィック転送を示す図面である。
【図6】本実施例による方法を応用するトラフィック送信の詳細なフローを示す図面である。
【図7】本実施例によるMiANの構造を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、主として二つ以上のMiANのWAN出口リンクを柔軟に集約することによりMiAN間のWAN出口リンクの共有を実現し、WAN出口リンクによるシステム帯域幅ネック問題を改善し、端末ユーザのエクスペリエンスを向上させる。
【0040】
以下、図面とともに、具体的な実施例を通して本発明の更なる説明をする。
【0041】
本発明の実施例によるMiAN帯域幅集約方法は、集約システムに応用される。上記集約システムは、一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANを含む。上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスする。上記プライマリMiANと各セカンダリMiANとは近接インタフェースを介して通信接続が確立される。具体的に、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介して、対応するプロバイダアクセスゲートウェイに接続することにより、セルラーネットワークコアネットワーク又はインターネット(internet)に接続する。
【0042】
図3に示すように、本実施例による方法は、具体的に下記のステップを含む。
【0043】
ステップ31において、プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信する。ここで、各WiDは、プライマリMiANと関連付けられることにより、プライマリMiANを介してインターネットにアクセスしてもよい。WiDは、インターネットにアクセスするとき、プライマリMiANを介してWANにトラフィックを送信する。ここでのトラフィックがIPパケットであってもよい。
【0044】
ステップ32において、プライマリMiANは、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択する。ここで、ステップ32において上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断したとき、プライマリMiANは、具体的に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、すべてのセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとするか、現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANをすべてのセカンダリMiANから選択して上記第1セカンダリMiANとする。こうして、プライマリMiANは、WANへのトラフィックを転送するとき、従来技術のように直接に自身に対応するWANインタフェース及びWAN出口リンクを介して送信するのではなく、セカンダリMiANを利用して送信するかを予め定められたポリシーに基づいて判断し、それにより、必要となるときにセカンダリMiANのWAN出口リンク帯域幅を利用する。
【0045】
ステップ33において、プライマリMiANは、上記第1セカンダリMiANが上記プライマリMiANからの上記トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信する。
【0046】
上記ステップ33において、上記トラフィックはプライマリMiANのWAN出口リンクを介してWANに送信されるのではなく、プライマリMiAN自身の近接インタフェースを介して上記トラフィックを第1セカンダリMiANに送信され、第1セカンダリMiANがプライマリMiANからのトラフィックを受信すると、自身のMiANを介して該トラフィックをWANに送信し、上記トラフィックは第1セカンダリMiANのMiANを介して転送される。それにより、MiAN間のWAN出口リンクの集約と共有を実現することができる。例えば、プライマリMiANのWAN出口リンクの帯域幅資源に余裕がない場合に、セカンダリMiANのWAN出口リンクの帯域幅資源を利用して、端末ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。
【0047】
上記ステップ32において、プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと所定のポリシーに基づいて判断すると、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信してから、フローが終了する。こうして、該トラフィックは、依然としてプライマリMiANのWAN出口リンクを介してWANに送信される。
【0048】
図4は、本実施例による方法を応用するトラフィック転送を示す図面である。図4には、一つのセカンダリMiANと二つのWiD(WiD1とWiD2)のみ示されている。各WiDは、そのWAN出口リンクを介して、例えば基地局BS/基地局コントローラBSC又はeNB等のネットワーク手段に接続でき、コアネットワーク又はインターネットに接続する。上記プライマリMiANは、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANと通信接続を確立する。
【0049】
本実施例において、MiANは、端末ユーザのアクセス制御、WANへのトラフィックの転送制御をするプライマリMiANと、プライマリMiANからのトラフィックを転送するセカンダリMiANに分類されることが分かる。プライマリMiANは、WiD1からのトラフィックを経路1を介して転送するときに自身に対応するWAN出口リンク上において転送するが、セカンダリMiANによる分流が必要となるとき、WiD1からのトラフィックを経路2を介してWANに転送できる。このとき、セカンダリMiANのWAN出口リンクが使用される。こうして、複数のMiAN間のWAN出口リンクの帯域幅の集約と共有を実現し、端末ユーザのエクスペリエンスを向上させることができる。
【0050】
図5は、本実施例による方法を応用する別のトラフィック転送を示す図面であり、二つのセカンダリMiAN(勿論それ以上のセカンダリMiANを含んでもよい)と三つのWiDが示されている。プライマリMiANは、WiD1からのトラフィックを経路1を介して転送するときに自身に対応するWAN出口リンク上において転送するが、WiD2からのトラフィックを経路2を介して転送するときにセカンダリMiAN1のWAN出口リンク上において転送し、WiD3からのトラフィックを経路3を介して転送するときにセカンダリMiAN2のWAN出口リンク上において転送する。当該図面は、例示するためのものに過ぎない。もちろん、同一WiDからの異なるトラフィックは異なるセカンダリMiANに転送される可能性もある。
【0051】
トラフィックの転送はプライマリMiANとセカンダリMiANにおいて処理され、本実施例では、端末に対していかなる変更であっても必要とせず、上記トラフィックの転送処理は、端末ユーザにとって透明である。
【0052】
上記ステップ31の前に、上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANとの間にバインディング関係を確立され、それにより、自身とバインディングされるセカンダリMiANを特定できるようになる。具体的な確立方式として、プライマリMiANに各セカンダリMiANのアドレス情報(IPアドレスとMACアドレスを含む)を配置すること、セカンダリMiANにプライマリMiANのアドレス情報(IPアドレスとMACアドレスを含む)を配置することによって行なわれる。もちろん、MiAN同士で協商する方式によりプライマリMiANとセカンダリMiANとの間に上記バインディング関係を確立してもよい。
【0053】
同一トラフィックに対する同一の転送処理を更に実現するために、本実施例は、上記ステップ31と32との間に更に下記のステップを有してもよい。
【0054】
ステップ31Aにおいて、上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているか否かをプライマリMiANが判断し、YESの場合に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従い上記トラフィックを転送してからフローが終了し、NOの場合に上記ステップ32に進む。
【0055】
ここで、同一トラフィックは、トラフィックの五元グループ(ソースIPアドレス、ソースポート、宛先IPアドレス、宛先ポート、伝送レイヤプロトコル番号)によって表される。従来技術では、WANへのトラフィックは、プライマリMiANによりルーティングテーブルにおけるデフォルトのルーティングに従って自身のWANインタフェースに転送され、デフォルトのプロバイダアクセスゲートウェイに送信される可能性がある。
【0056】
本実施例は、ステップ31Aにおいて、該トラフィックに対するルーティングテーブルエントリが確立されているか否かが判断される。存在している場合に、今まで同一トラフィックを転送したことがあり且つルーティングテーブルには該トラフィックの転送テーブルエントリが残されていることを意味する。したがって、同一トラフィックの転送経路の同一を保証するために、該ルーティングテーブルエントリに従い引き続き転送をする。存在しない場合に、ステップ32に進み処理をする。しかも、ステップ32において、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択した後、更にルーティングテーブルを修正してもよい。該トラフィックについて新しいルーティングテーブルエントリを作成する。該ルーティングテーブルエントリのネクストホップ(ゲートウェイ)アドレスは、上記第1セカンダリMiANであり、出口となるインタフェースは、プライマリMiAN上の上記第1セカンダリMiANと接続する近接インタフェースである。ルーティングテーブルは、従来技術の保守方法で保守すればよい。
【0057】
本実施例において、プライマリMiANは、上記ステップ32において多種類の予め定義されたポリシーを採用することができ、ネットワークの実際状況に応じて、複数のセカンダリMiANの間でトラフィックをバランスを保ちながら動的に割り当てる。以下、例を挙げて説明する。
【0058】
<ポリシー1>
該ポリシーは、プライマリMiANのWAN出口リンクのリンク状態パラメータに対して、対応する閾値を予め設定するものである。ステップ32において、プライマリMiANがWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを取得し、現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えた場合に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、逆の場合に、送信がセカンダリMiANを介さず、直接プライマリMiANを介して送信できる。
【0059】
具体的に、WAN出口リンクのリンク状態パラメータは、WANインタフェースの送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失などのパラメータのうちのいずれか一つにより表されてもよい。ここで、上記二種類以上のパラメータにより表されてもよい。このとき、各パラメータに対してそれぞれ閾値を予め設定し、いずれのパラメータが対応する閾値を超えた場合に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0060】
<ポリシー2>
該ポリシーは、上記トラフィックの種類に応じて対応する転送方式を特定するものである。具体的に、上記トラフィックが遅延に敏感なサービスである場合に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、このとき直接プライマリMiANを介して送信する。逆の場合に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。こうして、プライマリMiANは、遅延に敏感なサービスを優先的に、好ましくは自身に対応するWAN出口リンクを介して転送し、転送経路のホップ数を減少し、転送遅延を低下させる。遅延に敏感でないサービスについて、セカンダリMiANのWAN出口リンクを介して転送できる。
【0061】
具体的に、遅延に敏感なサービスは、音声サービス、ファクシミリサービス、映像サービス及びTCPアプリケーションサービスなどを含む。通常は、サービス伝送遅延にそれぞれの要求があり、例えば、ファクシミリサービスの最大許容伝送遅延は、通常90msである。遅延に敏感なサービスは、管理員で自ら設定してもよい。
【0062】
<ポリシー3>
該ポリシーでは、すべてのMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態が考慮され、常にすべてのMiANのうち現在のリンク状態が最適なMiANを選択して転送を行なう。このとき、上記ステップ32において、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断することは、具体的に次のように行なわれる。即ち、上記プライマリMiANが上記集約システムにおける現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、このとき直接プライマリMiANを介して送信するが、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0063】
このポリシーに従い、セカンダリMiANは各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを周期的に報告する。プライマリMiANは各セカンダリMiANのリンク状態パラメータを受信し、さらに、プライマリMiAN自身及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、自身が上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断する。上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む。
【0064】
プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANではない場合に、プライマリMiANは、各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、すべてのセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとする。
【0065】
本実施例は、上記二種類以上のポリシーを同時に考慮して判断してもよい。例えば、上記ポリシー1とポリシー2を同時に考慮する。このとき、上記ステップ32において、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断することは、具体的に下記のように行なわれる。
【0066】
プライマリMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを取得し、上記現在のリンク状態パラメータが所定のパラメータ閾値を超えたかを判断する。超えた場合に、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、越えてない場合に、更に上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がプライマリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0067】
上記二種類のポリシーの組み合わせを採用すると、セカンダリMiANのWAN出口帯域幅資源を充分に利用でき、また、プライマリMiANのWAN出口帯域幅が充分である場合に、遅延に敏感なサービスの転送遅延要求を優先的に保証することもできる。
【0068】
以上のように挙げたポリシーは、本実施例において採用可能な一部のポリシーに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。本発明は、その他のポリシーを採用して、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを判断することができ、ここでは逐一説明しない。
【0069】
各セカンダリMiANとプライマリMiANとの間に、近接インタフェースを介して接続が確立され、相互間の通信が実現される。該近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるあらゆるインタフェースであり、例えばブルートゥース、Zigbee、NFC等の短距離通信技術、又は、802.11WiFi無線通信、WiFi direct、又は、イーサネット、RJ45等の有線接続等多種類の通信技術に基づいて実現可能である。即ち、近接インタフェースは、UWBインタフェース、WLANインタフェース、イーサネットインタフェース、RJ45インタフェースなどである。
【0070】
本実施例では、近接インタフェースは、図1に示すような単独での物理実体インタフェースであってもよいし、例えばWLANインタフェースと同一の物理実体インタフェースを共有する一つのロジックインタフェースのようなロジックインタフェースであってもよい(図2参照)。
【0071】
特に、本実施例では、プライマリMiANとセカンダリMiANとは、WLANインタフェースを共有するロジック近接インタフェースを採用して相互間の通信を実現することができる。このとき、各MiAN(プライマリMiANとプライマリMiANとを含む)はいずれも同一のWLAN周波数レンジにおいて稼働する。
【0072】
各セカンダリMiANはいずれも移動局(STA)モードにおいて稼働し、プライマリMiANはアクセスポイント(AP)モードにおいて稼働する。即ち、各セカンダリMiANは、いずれもプライマリMiANの移動局とするように、WLANインタフェースを介してプライマリMiANと関連付けられ、プライマリMiANと接続されるようになる。このとき、各端末(WiD)はいずれもプライマリMiANと関連付けられる。セカンダリMiANは、いかなる端末(WiD)であっても関連付けられず、特別な端末として同じくプライマリMiANと関連付けられる。
【0073】
このような実現案では、プライマリMiANとセカンダリMiANとは、直接に設備に既存のWLANインタフェースを利用して接続と通信を行い、その他の余分の通信インタフェース(例えば二つ目の無線ネットワークカード)又は通信媒体(例えばブルートゥース、UWB(Ultra−Wideband)など)を必要としない。従って、直接に従来設備に対して機能のアップグレードをすれば実現でき、従来MiAN設備のハードウェアとファームウェアを変更しなくても実現でき、該案は、実現のためのコストが低く、実現されやすい。
【0074】
以下、代表的なトラフィック送信及び受信フローを通して、本実施例を更に説明する。
【0075】
該代表的なトラフィック送信フローは、図6に示すように、具体的に下記のステップ601〜610を有する。
【0076】
ステップ601において、端末WiD1がWLAN MACレイヤを介してトラフィック(IPパケット)をプライマリMiANに送信し、プライマリMiANが該トラフィックを受信したとする。
【0077】
ステップ602において、プライマリMiANは、まず自身のルーティングテーブルに該トラフィック専用のルーティングテーブルエントリが存在するかを判断し、存在する場合に、ステップ607に進み、存在しない場合に、ステップ603に進む。
【0078】
ステップ603において、プライマリMiANは、所定ポリシーのマッチングを行い、上記トラフィックの転送がセカンダリMiANを介するかを判断する。具体的なポリシーは、上記のとおりである。セカンダリMiANを介する場合に、ステップ604に進むが、逆の場合ステップ606に進む。
【0079】
ステップ604〜605において、上記トラフィックを転送するための一つのセカンダリMiANを選択する。具体的な選択方式は、上記の記載を参考する。そして、選択したセカンダリMiANに基づいて、該トラフィック専用のルーティングテーブルエントリを作成し、該ルーティングテーブルエントリの出口となるインタフェースをプライマリMiANの近接インタフェースとし、ネクストホップは選択したセカンダリMiANとなり、それからステップ607に進む。
【0080】
ステップ606において、このとき、プライマリMiANのWAN出口リンクを介して該トラフィックを転送すると判断するため、ルーティングテーブルエントリを修正する必要がない。それからステップ607に進む。
【0081】
ステップ607において、上記トラフィックが使用する送信リンク(例えばプライマリMiANのWAN出口リンク又はセカンダリMiANのWAN出口リンク)に基づいて、上記トラフィックを送信する送信リンク上のリンク状態パラメータ、例えば送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率などの統計情報を更新する。
【0082】
ステップ608において、ルーティングテーブルを検索し、最もマッチングした選択に基づき、上記トラフィックに最もマッチングしたルーティングテーブルエントリを選択する。該最もマッチングしたルーティングテーブルエントリに基づき、該トラフィックを対応する出口となるインタフェースに転送する。
【0083】
例えば、プライマリMiANのWAN出口リンクを使用して転送する場合に、上記トラフィックに最もマッチングした転送テーブルエントリがデフォルトのルーティングである可能性があり、出口となるインタフェースがプライマリMiANのWANインタフェースであり、ネクストホップがプロバイダアクセスゲートウェイとなる。セカンダリMiANのWAN出口リンクを使用して転送する場合に、上記トラフィックに最もマッチングした転送テーブルエントリが上記新しく作成されたルーティングテーブルエントリである可能性があり、出口となるインタフェースがプライマリMiANの近接インタフェースであり、ネクストホップが該セカンダリMiANとなる。
【0084】
ステップ609〜610において、該トラフィックが対応する出口となるインタフェースに達すると、従来技術と同一の処理方式に従い、該トラフィックに対してNAPT(Network Address Port Translation)処理を行い、それから、該トラフィックを該出口となるインタフェースのMACレイヤを通して転送する。
【0085】
例えば、出口となるインタフェースがプライマリMiANのWANインタフェースである場合に、該トラフィックは、プライマリMiANのWAN出口リンクを介してプロバイダアクセスゲートウェイ(セルラーネットワーク)に送信され、それから該ゲートウェイを介してインターネットに到達する。
【0086】
出口となるインタフェースがプライマリMiANの近接インタフェースである場合に、該トラフィックは、近接インタフェースを介してセカンダリMiANに送信される。該セカンダリMiANは、該トラフィックを受信すると、自身のデフォルトルーティングに基づいて、該トラフィックを自身のWAN出口に送信する。それから同じくNAPT処理を経て該トラフィックのソースIPアドレスとソースポート番号を修正する。それから該トラフィックを自身のプロバイダアクセスゲートウェイに送信し、該プロバイダアクセスゲートウェイを経由してインターネットに到達する。
【0087】
<トラフィックの受信フロー>
セカンダリMiANは、インターネットからIPパケットを受信すると、NAPTアドレス変換テーブルを検索することにより、該IPパケットの宛先IPアドレスと宛先ポート番号を修正し、それから近接インタフェースのMACレイヤを通して該IPパケットをプライマリMiANに転送する。プライマリMiANは、該IPパケットを受信すると、ローカルのNAPTアドレス変換テーブルを検索することにより、該IPパケットの宛先IPアドレスと宛先ポート番号を修正し、それからWLANインタフェースのMACレイヤを通して該IPパケットを対応する端末、例えばWiDに送信する。
【0088】
プライマリMiANがインターネットから受信したIPパケットについて、その処理フローは従来技術と同一であり、ここでは重複な説明をしない。
【0089】
本実施例による方法の応用環境に対する理論的な分析により、本実施例による方法を応用した場合に、WiDが取得可能な帯域幅とスループット率が大幅に向上し、そのゲインが集約MiAN数の増加につれて略線形的に増加することが分かる。これにより、本実施例による方法によれば、WiDが取得可能な帯域幅とスループット率を向上させることができ、それによりユーザエクスペリエンスを大きく改善できることが分かる。
【0090】
しかも、本実施例による方法は、柔軟に実現でき、いかなる従来のセルラーネットワーク構造とネットワーク設備でも変更を加えられる必要がなく、ネットワーク設備を別途追加する必要がないとともに、従来のMiANハードウェアとファームウェア構造を変更する必要がなく、WiD設備を変更する必要もなく、従来のMiANの機能についてソフトウェアのアップグレードを行なれば実現可能であり、簡単に実現でき、コストが低いといった利点を有する。
【0091】
上記MiAN帯域幅集約方法に基づき、本実施例は、プライマリMiANを更に提供している。該プライマリMiANは、WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、少なくとも一つのセカンダリMiANと接続し、上記プライマリMiANは、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立される。
【0092】
図7に示すように、該プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信するための受信手段と、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するための選択手段と、上記第1セカンダリMiANが上記プライマリMiANからの上記トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信するための第1転送手段とを含む。
【0093】
上記選択手段は、さらに上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択することが好ましい。
【0094】
該プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと上記選択手段により判断されると、上記プライマリMiANのWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信するための第3転送手段を更に含むことが好ましい。
【0095】
上記近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるインタフェースである。特別な実施方式として、上記近接インタフェースがWLANインタフェースを共有するロジックインタフェースである。上記各セカンダリMiANは上記プライマリMiANと同一のWLAN周波数レンジにおいて稼働し、上記各セカンダリMiANはいずれも移動局モードにおいて稼働し、且ついずれも上記WLANインタフェースを介して上記プライマリMiANと関連付けられる。
【0096】
上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANのアドレス情報を維持して各セカンダリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANと通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールを更に含むことが好ましい。
【0097】
同一のトラフィックに対して同一の転送経路を採用するために、該プライマリMiANは、上記受信手段が上記トラフィックを受信した後、上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているかを判断し、YESの場合に、第2転送手段に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送させてからフローが終了し、NOの場合に上記選択手段を動作させるための判断手段と、上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送するための第2転送手段とを更に含むことが好ましい。
【0098】
本実施例によるプライマリMiANは、異なるポリシーに基づき、上記トラフィックの転送がセカンダリMiANのWAN出口リンクを介するかを判断できる。このとき、上記選択手段は、上記プライマリMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記パラメータを取得するためのパラメータ取得手段と、上記現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えたかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断するための閾値判断手段とを含んでもよい。
【0099】
又は、上記選択手段は、上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断するためのサービス判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0100】
又は、上記選択手段は、上記プライマリMiANが集約システムにおけるWAN出口リンクの現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断するための状態判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断する。
【0101】
本実施例のプライマリMiANは、各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記リンク状態パラメータを収集するパラメータ収集手段を更に含んでもよく、上記状態判断手段は、さらに上記プライマリMiAN及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断する。
【0102】
第1セカンダリMiANを選択する方式として、上記選択手段は、セカンダリMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態に基づき適当なセカンダリMiANを選択してもよい。この時、上記選択手段は、各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記一つ以上のセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとするための第1処理手段を更に含んでもよい。
【0103】
第1セカンダリMiANを選択するほかの方式として、上記選択手段は、上記一つ以上のセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとするための第2処理手段を含んでもよい。
【0104】
本実施例は、更にセカンダリMiANを提供する。該セカンダリMiANは、WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続が確立される。該セカンダリMiANは、上記プライマリMiANがWiDから受信した、上記セカンダリMiANを介して転送するべき第1トラフィックであって、上記プライマリMiANからの上記第1トラフィックを受信するための受信手段と、受信した上記第1トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するための転送手段と、プライマリMiANのアドレス情報を維持して上記プライマリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、上記プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールとを含む。
【0105】
上記セカンダリMiANは、上記プライマリMiANが各MiANの現在のリンク状態パラメータに基づきトラフィックを転送するためのMiANを選択するように、上記プライマリMiANに対して自身に対応するWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを周期的に報告するためのパラメータ報告手段を更に含んでもよく、上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む。
【0106】
このように、プライマリMiANは、各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを収集し、さらに上記プライマリMiAN及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、自身が上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断して、自身又はセカンダリMiANによりWiDからのトラフィックを転送することを決定する。ただし、セカンダリMiANにより転送することを決定する場合に、さらに各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択してトラフィックを転送する。
【0107】
本実施例において、セカンダリMiANの構造は、上記のプライマリMiANの構造とはまったく同じであってもよい。具体的な応用時に、MiANの身分(プライマリMiANかセカンダリMiAN)に応じて対応する手段をアクティブ化させる。
【0108】
最後に、本実施例は、一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANとを備え、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスし、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっているMiAN帯域幅の集約システムを更に提供する。該MiAN帯域幅の集約システムにおいて、上記プライマリMiANは、WiDからWANに送信されるトラフィックを受信し、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択し、それから、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信し、上記第1セカンダリMiANは、上記プライマリMiANからの上記トラフィックを受信し、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信する。
【0109】
具体的に、上記プライマリMiANの構造は、図7及び上記記載を参考し、上記第1セカンダリMiANの構造は、上記のセカンダリMiANの構造を参考することができ、ここでは重複な説明を避ける。
【0110】
以上は、本発明の好ましい実施方式に過ぎない。なお、当該分野の当業者にとって、本発明の原理を背離しない前提で、若干の改進や修飾が考えられる。ただし、これらの改進や修飾も本発明の保護範囲にあることが理解されよう。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのプライマリMiAN(Mobile internet Access Node)と一つ以上のセカンダリMiANとを備え、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN(Wide Area Network)出口リンクを介してWANにアクセスし、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっている集約システムに応用されるMiAN帯域幅集約方法において、
プライマリMiANは、WiD(Wireless internet Device)からWANに送信されるトラフィックを受信するステップAと、
プライマリMiANは、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するステップBと、
プライマリMiANは、上記第1セカンダリMiANが自身に対応するWAN出口リンクを介して上記プライマリMiANからの上記トラフィックをWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信するステップCと、
を含むことを特徴とするMiAN帯域幅集約方法。
【請求項2】
上記ステップAとステップBとの間に、
上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているか否かをプライマリMiANが判断し、YESの場合に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従い上記トラフィックを転送してからフローが終了し、NOの場合に上記ステップBに進むステップA1を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項3】
上記ステップBにおいて、
プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択し、判断結果がNOの場合に、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信してから、フローが終了することを特徴とする請求項2に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項4】
上記ステップBにおいて、
上記プライマリMiANは、自身に対応するWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記リンク状態パラメータを取得し、
上記現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えたかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断することにより、
上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断することを特徴とする請求項3に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項5】
上記ステップBにおいて、
上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断し、
YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することにより、
上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断することを特徴とする請求項3に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項6】
上記ステップBにおいて、
上記プライマリMiANが上記集約システムにおけるWAN出口リンクの現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断し、
YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することにより、
上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断することを特徴とする請求項3に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項7】
上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを受信し、さらに、上記プライマリMiAN自身及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断し、
上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含むことを特徴とする請求項6に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項8】
上記ステップBにおいて、
各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記一つ以上のセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとすることにより、
上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択することを特徴とする請求項7に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項9】
上記ステップBにおいて、
上記一つ以上のセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとすることにより、
上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択することを特徴とする請求項3に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項10】
上記近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるインタフェースであることを特徴とする請求項1に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項11】
上記近接インタフェースは、無線LANインタフェースを共有するロジックインタフェースであり、
上記プライマリMiANと各セカンダリMiANとは無線LANインタフェースを介して接続と通信を実現し、上記各セカンダリMiANと上記プライマリMiANとはいずれも同一の無線LAN周波数レンジにおいて稼働し、上記各セカンダリMiANはいずれもアクセスポイントモードではなく移動局モードにおいて稼働し、且ついずれも上記無線LANインタフェースを介して上記プライマリMiANと関連付けられるように、
上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっていることを特徴とする請求項10に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項12】
上記ステップAの前に、更に、
上記プライマリMiANは、各セカンダリMiANのアドレス情報を維持して各セカンダリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続を確立することを含むことを特徴とする請求項1に記載のMiAN帯域幅集約方法。
【請求項13】
WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、少なくとも一つのセカンダリMiANと近接インタフェースを介して通信接続が確立されるプライマリMiANにおいて、
WiDからWANに送信されるトラフィックを受信するための受信手段と、
上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択するための選択手段と、
上記第1セカンダリMiANが上記プライマリMiANからの上記トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するように、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信するための第1転送手段と、
を含むことを特徴とするプライマリMiAN。
【請求項14】
上記受信手段が上記トラフィックを受信した後、上記トラフィックに対するルーティングテーブルエントリがローカルに確立されているかを判断し、YESの場合に、第2転送手段に上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送させてからフローが終了し、NOの場合に上記選択手段を動作させるための判断手段と、
上記トラフィックのルーティングテーブルエントリに従って上記トラフィックを転送するための第2転送手段と、
を更に含むことを特徴とする請求項13に記載のプライマリMiAN。
【請求項15】
上記選択手段は、さらに上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための上記第1セカンダリMiANを選択し、
上記プライマリMiANは、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと上記選択手段により判断されると、上記プライマリMiANのWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信するための第3転送手段を更に含むことを特徴とする請求項14に記載のプライマリMiAN。
【請求項16】
上記選択手段は、
上記プライマリMiANのWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記パラメータを取得するためのパラメータ取得手段と、
上記現在のリンク状態パラメータが所定の閾値を超えたかを判断し、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断するための閾値判断手段と、
を含むことを特徴とする請求項15に記載のプライマリMiAN。
【請求項17】
上記選択手段は、
上記トラフィックが遅延に敏感なサービスであるかを判断するためのサービス判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することを特徴とする請求項15に記載のプライマリMiAN。
【請求項18】
上記選択手段は、
上記プライマリMiANが集約システムにおけるWAN出口リンクの現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断するための状態判断手段を含み、YESの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介さないと判断し、NOの場合に上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介すると判断することを特徴とする請求項15に記載のプライマリMiAN。
【請求項19】
各セカンダリMiANが周期的に報告した各WAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータであって、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含む上記リンク状態パラメータを収集するパラメータ収集手段を更に含み、
上記状態判断手段は、さらに上記プライマリMiAN及び各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記プライマリMiANが上記現在のリンク状態が最適なMiANであるかを判断することを特徴とする請求項18に記載のプライマリMiAN。
【請求項20】
上記選択手段は、
各セカンダリMiANの現在のリンク状態パラメータに基づき、上記一つ以上のセカンダリMiANから現在のリンク状態が最適なセカンダリMiANを選択して上記第1セカンダリMiANとするための第1処理手段を更に含むことを特徴とする請求項19に記載のプライマリMiAN。
【請求項21】
上記選択手段は、
上記一つ以上のセカンダリMiANから一つのセカンダリMiANをランダムに選択して上記第1セカンダリMiANとするための第2処理手段を含むことを特徴とする請求項15に記載のプライマリMiAN。
【請求項22】
上記近接インタフェースは、有線方式又は無線方式で相互通信が実現できるインタフェースであることを特徴とする請求項13に記載のプライマリMiAN。
【請求項23】
各セカンダリMiANと接続するための無線LANインタフェースを更に含み、
上記近接インタフェースは、無線LANインタフェースを共有するロジックインタフェースであり、
上記各セカンダリMiANと上記プライマリMiANとは同一の無線LAN周波数レンジにおいて稼働し、上記各セカンダリMiANはいずれも移動局モードにおいて稼働し、且ついずれも上記無線LANインタフェースを介して上記プライマリMiANと関連付けられることを特徴とする請求項22に記載のプライマリMiAN。
【請求項24】
各セカンダリMiANのアドレス情報を維持して各セカンダリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、近接インタフェースを介して各セカンダリMiANと通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールを更に含むことを特徴とする請求項23に記載のプライマリMiAN。
【請求項25】
WAN出口リンクを介してWANにアクセスし、プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続が確立されるセカンダリMiANにおいて、
上記プライマリMiANがWiDから受信した、上記セカンダリMiANを介して転送するべき第1トラフィックであって、上記プライマリMiANからの上記第1トラフィックを受信するための受信手段と、
受信した上記第1トラフィックを自身に対応するWAN出口リンクを介してWANに送信するための転送手段と、
を含むことを特徴とするセカンダリMiAN。
【請求項26】
プライマリMiANのアドレス情報を維持して上記プライマリMiANとのバインディング関係を確立し、上記アドレス情報に基づいて、上記プライマリMiANと近接インタフェースを介して通信接続を確立するためのバインディング管理モジュールを更に含むことを特徴とする請求項25に記載のセカンダリMiAN。
【請求項27】
上記プライマリMiANが各MiANの現在のリンク状態パラメータに基づきトラフィックを転送するためのMiANを選択するように、上記プライマリMiANに対して自身が対応するWAN出口リンクの現在のリンク状態パラメータを周期的に報告するためのパラメータ報告手段を更に含み、
上記リンク状態パラメータは、少なくとも送信キュー長、パケット送信遅延、スループット率、SNR及び経路損失のうちの一つを含むことを特徴とする請求項25に記載のセカンダリMiAN。
【請求項28】
一つのプライマリMiANと一つ以上のセカンダリMiANとを備え、上記プライマリMiANとセカンダリMiANはいずれも各自に対応するWAN出口リンクを介してWANにアクセスし、上記プライマリMiANは近接インタフェースを介して各セカンダリMiANとの間で通信接続が確立されるようになっているMiAN帯域幅の集約システムにおいて、
上記プライマリMiANは、
WiDからWANに送信されるトラフィックを受信し、上記トラフィックの送信がセカンダリMiANを介するかを所定のポリシーに基づいて判断し、判断結果がYESである場合に、上記トラフィックを送信するための第1セカンダリMiANを選択し、それから、上記トラフィックを上記第1セカンダリMiANに送信し、
上記第1セカンダリMiANは、
上記プライマリMiANからの上記トラフィックを受信し、自身に対応するWAN出口リンクを介して上記トラフィックをWANに送信することを特徴とするMiAN帯域幅の集約システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−253750(P2012−253750A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102740(P2012−102740)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.ZIGBEE
3.イーサネット
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】