説明

NF−κB阻害薬(プロテアソーム阻害薬)としてのチアゾール

本発明は、一般式(Ig)(式中、Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;Rは、独立して、-NR、(式II)を表わし;Rは、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミン、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;Rは、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミン、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミン、アリールまたはヘテロアリールを表わし;Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;pは、0または1であり;qは、0または1であり;Xは、COまたはSOである)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその立体異性体、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはこれらの化合物の製薬上許容可能なプロドラッグに関する。本発明の化合物は薬剤として用いられ得るし、そして哺乳類における、特にヒトにおける細胞の異常および過剰増殖と関連した疾患の治療のために特に有用である。特にそれらは、T細胞の過剰増殖により特性化される疾患の治療のために有用である。本発明は、真核生物における細胞性経路を調整することにより治療され得る疾患、例えば癌、免疫学的または炎症性障害、ならびにウイルス感染症の治療のために適している化合物に、これらの化合物の製造方法に、そしてそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
T細胞恒常性は、免疫寛容の維持のために重要である。T細胞恒常性の欠陥は、自己免疫病態をもたらし得る。自己免疫疾患は、一般的病因、誤った自己決定性免疫応答を共有する広範囲の臨床的に異なる実体を包含する。証拠は、自己免疫疾患におけるT細胞反応性の主要な役割を示唆する。Tリンパ球における増殖性応答の測定は、免疫適格を測定するために広範に用いられる検定である(Killestein, J. et al. J. Neuroimmunol. 133, 217-24, 2002)。
【0003】
in vitroT細胞増殖の測定のための非放射性技法を、われわれは用いた(Messele, T. et al. Clinical and Diagnostic Laboratory Immunology 687-692, 2000)。末梢血単核球(PBMC)は、有志ドナーから採取されたヒト血液から単離された。PBMCは、HISTOPAQUEを用いてACCUSPIN管中での遠心分離により単離された。PBMCはPHAで刺激され、そしてRoche colorimetric BromUridin incorporationELISAキットで細胞増殖が測定された。
【0004】
免疫応答の調節は、種々のシグナル伝達経路、例えばT細胞またはTNF受容体シグナル伝達により制御される(Chen, G. et al. Science 296, 1634-1635, 2002)。T細胞増殖検定において活性であることをわれわれが見出した化合物の標的をさらに特性化するために、ヒトプロテアソームを阻害するそれらの能力に関して、われわれは化合物を試験した。
【0005】
サイトゾルおよび核中の主要中性タンパク質分解活性は、多重ペプチダーゼ活性を有する20S(700 kDa)粒子であるプロテアソームである。ユビキチン-プロテアソーム経路による細胞性タンパク質の連続代謝回転は、異常細胞内タンパク質の存在に関してスクリーニングするために免疫系により用いられる(Dantuma, N.P. et al. Nat. Biotechnol. 2000, 18(5), 538-43;Goldberg, AL. et al. Nature 357, 375, 1993)。ユビキチン-プロテアソーム経路は、NF-κB活性の調節において本質的役割を演じ、阻害薬IκB-αの分解に関与する。プロテアソームによる分解に関して標的化されるために、IκB-αは、先ず、セリン残基32および36での選択的リン酸化と、その後のユビキチン化を受けねばならない(Chen, ZJ. Et al. Cell 84, 853-862, 1996;Brown, K. et al. Science 267, 1485, 1995)。転写因子であるNF-κBは、炎症性応答に関与する重要な一組の遺伝子の転写を調節する(Baeuerle, PA. et al. Cell 87, 1, 13-20, 1996)。プロテアソーム阻害薬は、IκB-α分解およびNF-κB活性化を遮断する(Traeckner et al. EMBO J. 13, 5433, 1994)。プロテアソーム阻害薬を記載している文献は、概説に(Adams, J. et al. Ann. Rev. Med. Chem. 31, 279-288, 1996)、ならびに特許US 6117887、US 5834487、WO 00/004954、WO 00/04954、WO 00/170204、WO 00/33654、WO 00/64863、WO 00/114324、WO 99/15183、WO 99/37666に記載されている。
【0006】
ここでは、プロテアソーム阻害活性を有する新規の化学的存在をわれわれは記載する。
NF-κB(核因子-κB)は、relファミリーの真核生物転写因子であって、これは、ホモ-またはヘテロ二量体として、不活性複合体で細胞質中に位置する。主にそれは、IκBファミリーの、通常はIκB-αの阻害タンパク質と結合されるp50およびp65サブユニットからなるヘテロ二量体として存在する(D. Thanos et al., Cell 80, 529, 1995)。NF-κBは、異なる刺激、特に炎症性サイトカイン、UV線、フォルボールエステル、細菌およびウイルス感染に応答して活性化される。刺激は、リン酸化の結果としてのIκBからのNF-κBの放出と、その後の、プロテアソームによるIκB-αタンパク質の分解(P.A. Baeuerle et al., Annu. Rev. Immunol. 12, 141, 1995)を誘発する。一旦刺激が解かれると、NF-κBは核中で転位し、そこで特定κB部位でDNAと結合し、そして免疫および炎症性応答を制御するのに関与するタンパク質、とりわけインターロイキン、TNF-α、NO-シンターゼおよびシクロオキシゲナーゼ2をコードする種々の遺伝子の転写を誘導する(S. Grimm et al., J. Biochem. 290, 297, 1993)。したがってNF-κBは免疫および炎症性応答の初期媒介物質であるとみなされ、そして、細胞増殖の制御に、ならびに種々のヒト疾患、例えば慢性関節リウマチ(H. Beker et al., Clin. Exp. Immunol. 99, 325, 1995)、虚血(A. Salminen et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 212. 939, 1995)、動脈硬化症(A.S. Baldwin, Annals Rev. Immunol. 212, 649, 1996)の病因に、ならびにAIDSの病因に関与する。NF-κB媒介性遺伝子転写の阻害は、阻害タンパク質IκBのリン酸化の阻害、IκB分解の阻害、NF-κB(p50/p65)核転位の阻害、NF-κB-DNA結合またはNF-κB媒介性DNA転写の阻害により成し遂げられ得る(J.C. Epinat et al., Oncogene 18, 6896, 1999)。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、一般式(Id)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化1】

(式中、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、
【化2】

を表わし;
【0008】
は、独立して、チアジアゾール、オキサゾール-2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール‐2‐イル、ベンゾオキサゾール‐4‐イル、ベンゾオキサゾール‐5‐イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5‐トリアゾール‐6‐イル、2,4‐ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6‐イル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、1-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、シンノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピリダジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシ-ピリミジン-3-イルおよび2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルから成る群のうちの一成員(任意にR’により置換される)を表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、CO、CSまたはSOであって;
【0009】
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C-C-アルキル、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する線状または分枝鎖、線状または分枝鎖C-C-アルケニル、あるいは線状または分枝鎖C-C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’により置換され得るし;
-C-アルキル、C-C-アルケニルおよびC-C-アルキニル残基は、-CH、-C、-CH=CH、-C≡CH、‐C、‐CH(CH、‐CH‐CH=CH、‐CH(CH)=CH、‐CH=CH‐CH、‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡CH、‐C、‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐C(CH、‐C11、‐C13、‐C(R’)、‐C(R’)、‐CH‐C(R’)、‐C(R’)、‐C‐C(R’)、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐CH=C(CH、‐CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH=CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH=CH、‐CH=CH‐C≡CH、‐C≡C‐C≡CH、‐C‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH(CH、‐C(CH‐C、‐CH‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐CH‐CH=CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH‐CH=CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐CH‐CH=C(CH、C(CH)=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH=CH、‐CH‐CH=CH‐C≡CH、‐CH‐C≡C‐C≡CH、‐C≡C‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH‐C≡CH、‐C≡C‐CH‐C≡CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐C(CH)=CH‐C≡CH、‐CH=C(CH)‐C≡CH、‐C≡C‐C(CH)=CH、‐C‐CH(CH、‐C‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐CH(CH、‐CH‐C(CH‐C、‐C(CH‐C、‐C(CH‐CH(CH、‐C‐C(CH、‐CH(CH)‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐C、‐CH‐C(CH)=C(CH、‐C‐CH=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐Cから成る群から選択され得るし;
【0010】
R’は、独立して、H、‐COR”、‐CONHR”、‐CR”O、‐SONR”、‐NR”‐CO‐ハロアルキル、‐NO、‐NR”‐SO‐ハロアルキル、‐NR”‐SO‐アルキル、‐SO‐アルキル、‐NR”‐CO‐アルキル、‐CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、‐OH、‐SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
【0011】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、この場合、環中の1つまたは複数の炭素原子は基Eにより置換され得るし、EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記と同様であり;C〜C‐シクロアルキル残基は、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C11、‐シクロ‐C13、‐シクロ‐C15、モルホリン‐4‐イル、ピペラジニルおよび1‐アルキルピペラジン‐4‐イルから成る群から選択され得るし;
アルコキシ基はO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;アルコキシ基は好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t‐ブトキシまたはペントキシ基であり;
【0012】
アルキルチオ基はS‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐C(R10、‐CR10(R10’、‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10、‐CH‐(R10、‐CH‐CR10(R10’、‐CH‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10または‐C‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキル基はHO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
【0013】
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐OC(R10、‐OCR10(R10’、‐OCR10(R10’)R10”、‐OC(R10、‐OCH‐(R10、‐OCH‐CR10(R10’、‐OCH‐CR10(R10’)R10”、‐OC(R10または‐OC‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は(HO‐アルキル)‐N‐基またはHO‐アルキル‐NH‐基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルアミノ基はHN‐アルキルまたはN‐ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
【0014】
ハロゲン基は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり;
アリール基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により任意に置換され得る5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し;アリール基は、好ましくはベンジル基、フェニル基、‐o‐C‐R’、‐m‐C‐R’、‐p‐C‐R’、1‐ナフチル、2‐ナフチル、1‐アントラセニルまたは2‐アントラセニルであり;
【0015】
ヘテロアリール基は、少なくとも1つの異種原子、例えばO、N、Sを含有する5‐または6員複素環式基を意味する。この複素環式基は別の環と融合され得る。例えばこの基は、チアジアゾール、チアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、オキサゾール‐2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、1‐イソインドリル、3‐イソインドリル、4‐イソインドリル、5‐イソインドリル、6‐イソインドリル、7‐イソインドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-4-イル、テトラヒドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イルおよびトリアゾロピリダジン基から選択され得る。この複素環基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により置換され得る)に関する。
【0016】
本発明は、一般式(Ie)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化3】

(式中、Rは、独立して、チアジアゾール、オキサゾール-2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール‐2‐イル、ベンゾオキサゾール‐4‐イル、ベンゾオキサゾール‐5‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐3‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐4‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐5‐イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5‐トリアゾール‐6‐イル、2,4‐ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6‐イル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、1-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、シンノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピリダジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシ-ピリミジン-3-イルおよび2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルから成る群のうちの一成員(任意にR’により置換される)を表わし;
【0017】
は、独立して、-NR
【化4】

を表わし;
は、独立して、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミン、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
【0018】
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミン、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリール、またはチアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オンおよびピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジンから成る群から選択される一成員(R’により任意に置換される)を表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミン、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
【0019】
Xは、COまたはSOであって;
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C-C-アルキル、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する線状または分枝鎖、線状または分枝鎖C-C-アルケニル、あるいは線状または分枝鎖C-C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’により置換され得るし;
【0020】
-C-アルキル、C-C-アルケニルおよびC-C-アルキニル残基は、-CH、-C、-CH=CH、-C≡CH、‐C、‐CH(CH、‐CH‐CH=CH、‐CH(CH)=CH、‐CH=CH‐CH、‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡CH、‐C、‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐C(CH、‐C11、‐C13、‐C(R’)、‐C(R’)、‐CH‐C(R’)、‐C(R’)、‐C‐C(R’)、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐CH=C(CH、‐CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH=CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH=CH、‐CH=CH‐C≡CH、‐C≡C‐C≡CH、‐C‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH(CH、‐C(CH‐C、‐CH‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐CH‐CH=CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH‐CH=CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐CH‐CH=C(CH、C(CH)=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH=CH、‐CH‐CH=CH‐C≡CH、‐CH‐C≡C‐C≡CH、‐C≡C‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH‐C≡CH、‐C≡C‐CH‐C≡CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐C(CH)=CH‐C≡CH、‐CH=C(CH)‐C≡CH、‐C≡C‐C(CH)=CH、‐C‐CH(CH、‐C‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐CH(CH、‐CH‐C(CH‐C、‐C(CH‐C、‐C(CH‐CH(CH、‐C‐C(CH、‐CH(CH)‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐C、‐CH‐C(CH)=C(CH、‐C‐CH=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐Cから成る群から選択され得るし;
【0021】
R’は、独立して、H、‐COR”、‐CONHR”、‐CR”O、‐SONR”、‐NR”‐CO‐ハロアルキル、‐NO、‐NR”‐SO‐ハロアルキル、‐NR”‐SO‐アルキル、‐SO‐アルキル、‐NR”‐CO‐アルキル、‐CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、‐OH、‐SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
【0022】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、この場合、環中の1つまたは複数の炭素原子は基Eにより置換され得るし、EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記と同様であり;C〜C‐シクロアルキル残基は、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C11、‐シクロ‐C13、‐シクロ‐C15、モルホリン‐4‐イル、ピペラジニルおよび1‐アルキルピペラジン‐4‐イルから成る群から選択され得るし;
アルコキシ基はO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;アルコキシ基は好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t‐ブトキシまたはペントキシ基であり;
【0023】
アルキルチオ基はS‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐C(R10、‐CR10(R10’、‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10、‐CH‐(R10、‐CH‐CR10(R10’、‐CH‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10または‐C‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキル基はHO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐OC(R10、‐OCR10(R10’、‐OCR10(R10’)R10”、‐OC(R10、‐OCH‐(R10、‐OCH‐CR10(R10’、‐OCH‐CR10(R10’)R10”、‐OC(R10または‐OC‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
【0024】
ヒドロキシアルキルアミノ基は(HO‐アルキル)‐N‐基またはHO‐アルキル‐NH‐基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルアミノ基はHN‐アルキルまたはN‐ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロゲン基は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり;
アリール基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により任意に置換され得る5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し;アリール基は、好ましくはベンジル基、フェニル基、‐o‐C‐R’、‐m‐C‐R’、‐p‐C‐R’、1‐ナフチル、2‐ナフチル、1‐アントラセニルまたは2‐アントラセニルであり;
【0025】
ヘテロアリール基は、少なくとも1つの異種原子、例えばO、N、Sを含有する5‐または6員複素環式基を意味する。この複素環式基は別の環と融合され得る。例えばこの基は、チアジアゾール、チアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、オキサゾール‐2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、1‐イソインドリル、3‐イソインドリル、4‐イソインドリル、5‐イソインドリル、6‐イソインドリル、7‐イソインドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-4-イル、テトラヒドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イルおよびトリアゾロピリダジン基から選択され得る。この複素環基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により置換され得る)に関する。
【0026】
本発明は、一般式(If)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化5】

(式中、Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
【0027】
は、独立して、
【化6】

を表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
【0028】
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、COまたはSOであり;
は、独立して、OH、SH、NR4’OR5’、NH、アルキルアミノ、ハロゲン、CONR、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
4’、R4”、R5’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、ハロゲン、ヘテロアリールまたはアリールを表わし;
【0029】
rは、1〜6であり;
tは、1〜6であり;
は、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
、R7’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、H、NH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
【0030】
は、独立して、H、-CN、-OH、-SH、-CO4’、-C(O)R4’、-SONR4’、-NR4’5’、-C(O)NR、-SO-アルキル、-SO4’、SO4’、-N=CR4’5’、-NR4’C(O)R4”、-NR4’-CO-ハロアルキル、-NO、-NR4’-SO-ハロアルキル、-NR4’-SO-アルキル、-NR4’-CO-アルキル、-NR4’-(CHヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、-O(CH[O(CHOCH、-C(NR4”)NR4’ベンズイミダゾリル、-C(NR4”)NR4’-ベンズチアゾリル、-C(NR4”)NR4’ベンズオキサゾリル、ハロゲン、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
【0031】
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C-C-アルキル、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する線状または分枝鎖、線状または分枝鎖C-C-アルケニル、あるいは線状または分枝鎖C-C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基Rにより置換され得るし;
-C-アルキル、C-C-アルケニルおよびC-C-アルキニル残基は、-CH、-C、-CH=CH、-C≡CH、‐C、‐CH(CH、‐CH‐CH=CH、‐CH(CH)=CH、‐CH=CH‐CH、‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡CH、‐C、‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐C(CH、‐C11、‐C13、‐C(R’)、‐C(R’)、‐CH‐C(R’)、‐C(R’)、‐C‐C(R’)、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐CH=C(CH、‐CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH=CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH=CH、‐CH=CH‐C≡CH、‐C≡C‐C≡CH、‐C‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH(CH、‐C(CH‐C、‐CH‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐CH‐CH=CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH‐CH=CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐CH‐CH=C(CH、C(CH)=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH=CH、‐CH‐CH=CH‐C≡CH、‐CH‐C≡C‐C≡CH、‐C≡C‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH‐C≡CH、‐C≡C‐CH‐C≡CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐C(CH)=CH‐C≡CH、‐CH=C(CH)‐C≡CH、‐C≡C‐C(CH)=CH、‐C‐CH(CH、‐C‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐CH(CH、‐CH‐C(CH‐C、‐C(CH‐C、‐C(CH‐CH(CH、‐C‐C(CH、‐CH(CH)‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐C、‐CH‐C(CH)=C(CH、‐C‐CH=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐Cから成る群から選択され得るし;
【0032】
R’は、独立して、H、‐COR”、‐CONHR”、‐CR”O、‐SONR”、‐NR”‐CO‐ハロアルキル、‐NO、‐NR”‐SO‐ハロアルキル、‐NR”‐SO‐アルキル、‐SO‐アルキル、‐NR”‐CO‐アルキル、‐CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、‐OH、‐SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
【0033】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、この場合、環中の1つまたは複数の炭素原子は基Eにより置換され得るし、EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記と同様であり;C〜C‐シクロアルキル残基は、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C11、‐シクロ‐C13、‐シクロ‐C15、モルホリン‐4‐イル、ピペラジニルおよび1‐アルキルピペラジン‐4‐イルから成る群から選択され得るし;
【0034】
アルコキシ基はO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;アルコキシ基は好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t‐ブトキシまたはペントキシ基であり;
アルキルチオ基はS‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐C(R10、‐CR10(R10’、‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10、‐CH‐(R10、‐CH‐CR10(R10’、‐CH‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10または‐C‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキル基はHO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
【0035】
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐OC(R10、‐OCR10(R10’、‐OCR10(R10’)R10”、‐OC(R10、‐OCH‐(R10、‐OCH‐CR10(R10’、‐OCH‐CR10(R10’)R10”、‐OC(R10または‐OC‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は(HO‐アルキル)‐N‐基またはHO‐アルキル‐NH‐基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルアミノ基はHN‐アルキルまたはN‐ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
【0036】
ハロゲン基は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり;
アリール基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により任意に置換され得る5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し;アリール基は、好ましくはベンジル基、フェニル基、‐o‐C‐R’、‐m‐C‐R’、‐p‐C‐R’、1‐ナフチル、2‐ナフチル、1‐アントラセニルまたは2‐アントラセニルであり;
【0037】
ヘテロアリール基は、少なくとも1つの異種原子、例えばO、N、Sを含有する5‐または6員複素環式基を意味する。この複素環式基は別の環と融合され得る。例えばこの基は、チアジアゾール、チアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、オキサゾール‐2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、1‐イソインドリル、3‐イソインドリル、4‐イソインドリル、5‐イソインドリル、6‐イソインドリル、7‐イソインドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-4-イル、テトラヒドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イルおよびトリアゾロピリダジン基から選択され得る。この複素環基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により置換され得る)に関する。
【0038】
本発明は、一般式(Ig)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化7】

(式中、Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、-NR
【化8】

を表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
【0039】
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、COまたはSOであり;
【0040】
は、独立して、H、OH、SH、NR4’OR5’、NH、アルキルアミノ、ハロゲン、CONR、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
4’、R4”、R5’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、ハロゲン、ヘテロアリールまたはアリールを表わし;
rは、1〜6であり;
tは、1〜6であり;
【0041】
は、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
7’は、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、H、NH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、独立して、H、-CN、-OH、-SH、-CO4’、-C(O)R4’、-SONR4’、-NR4’5’、-C(O)NR、-SO-アルキル、-SO4’、SO4’、-N=CR4’5’、-NR4’C(O)R4”、-NR4’-CO-ハロアルキル、-NO、-NR4’-SO-ハロアルキル、-NR4’-SO-アルキル、-NR4’-CO-アルキル、-NR4’-(CHヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、-O(CH[O(CHOCH、-C(NR4”)NR4’ベンズイミダゾリル、-C(NR4”)NR4’-ベンズチアゾリル、-C(NR4”)NR4’ベンズオキサゾリル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
【0042】
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C-C-アルキル、好ましくは1〜5個の炭素原子を有する線状または分枝鎖、線状または分枝鎖C-C-アルケニル、あるいは線状または分枝鎖C-C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基Rにより置換され得るし;
-C-アルキル、C-C-アルケニルおよびC-C-アルキニル残基は、-CH、-C、-CH=CH、-C≡CH、‐C、‐CH(CH、‐CH‐CH=CH、‐CH(CH)=CH、‐CH=CH‐CH、‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡CH、‐C、‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐C(CH、‐C11、‐C13、‐C(R’)、‐C(R’)、‐CH‐C(R’)、‐C(R’)、‐C‐C(R’)、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐CH=C(CH、‐CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH=CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH=CH、‐CH=CH‐C≡CH、‐C≡C‐C≡CH、‐C‐CH(CH、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH(CH、‐C(CH‐C、‐CH‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐CH‐CH=CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐CH‐CH=CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐CH‐CH=C(CH、C(CH)=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐CH‐C≡C‐CH=CH、‐CH‐CH=CH‐C≡CH、‐CH‐C≡C‐C≡CH、‐C≡C‐CH=CH‐CH、‐CH=CH‐C≡C‐CH、‐C≡C‐C≡C‐CH、‐C≡C‐CH‐CH=CH、‐CH=CH‐CH‐C≡CH、‐C≡C‐CH‐C≡CH、‐C(CH)=CH‐CH=CH、‐CH=C(CH)‐CH=CH、‐CH=CH‐C(CH)=CH、‐C(CH)=CH‐C≡CH、‐CH=C(CH)‐C≡CH、‐C≡C‐C(CH)=CH、‐C‐CH(CH、‐C‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐C、‐CH(CH)‐CH‐CH(CH、‐CH(CH)‐CH(CH)‐C、‐CH‐CH(CH)‐CH(CH、‐CH‐C(CH‐C、‐C(CH‐C、‐C(CH‐CH(CH、‐C‐C(CH、‐CH(CH)‐C(CH、‐C‐CH=CH、‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐CH、‐CH‐CH=CH‐C、‐C‐CH=CH‐C、‐CH‐C(CH)=C(CH、‐C‐CH=C(CH、‐C‐C≡CH、‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐CH、‐CH‐C≡C‐C、‐C‐C≡C‐Cから成る群から選択され得るし;
R’は、独立して、H、‐COR”、‐CONHR”、‐CR”O、‐SONR”、‐NR”‐CO‐ハロアルキル、‐NO、‐NR”‐SO‐ハロアルキル、‐NR”‐SO‐アルキル、‐SO‐アルキル、‐NR”‐CO‐アルキル、‐CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、‐OH、‐SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
【0043】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、この場合、環中の1つまたは複数の炭素原子は基Eにより置換され得るし、EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記と同様であり;C〜C‐シクロアルキル残基は、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C、‐シクロ‐C11、‐シクロ‐C13、‐シクロ‐C15、モルホリン‐4‐イル、ピペラジニルおよび1‐アルキルピペラジン‐4‐イルから成る群から選択され得るし;
アルコキシ基はO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;アルコキシ基は好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t‐ブトキシまたはペントキシ基であり;
【0044】
アルキルチオ基はS‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐C(R10、‐CR10(R10’、‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10、‐CH‐(R10、‐CH‐CR10(R10’、‐CH‐CR10(R10’)R10”、‐C(R10または‐C‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
ヒドロキシアルキル基はHO‐アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;ハロアルキル基は、好ましくは‐OC(R10、‐OCR10(R10’、‐OCR10(R10’)R10”、‐OC(R10、‐OCH‐(R10、‐OCH‐CR10(R10’、‐OCH‐CR10(R10’)R10”、‐OC(R10または‐OC‐C(R10(ここで、R10、R10’、R10”はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わす)であり;
【0045】
ヒドロキシアルキルアミノ基は(HO‐アルキル)‐N‐基またはHO‐アルキル‐NH‐基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルアミノ基はHN‐アルキルまたはN‐ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロゲン基は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり;
アリール基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により任意に置換され得る5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し;アリール基は、好ましくはベンジル基、フェニル基、‐o‐C‐R’、‐m‐C‐R’、‐p‐C‐R’、1‐ナフチル、2‐ナフチル、1‐アントラセニルまたは2‐アントラセニルであり;
【0046】
ヘテロアリール基は、少なくとも1つの異種原子、例えばO、N、Sを含有する5‐または6員複素環式基を意味する。この複素環式基は別の環と融合され得る。例えばこの基は、チアジアゾール、チアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、オキサゾール‐2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾオキサゾール-4-イル、ベンゾオキサゾール-5-イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、ベンゾイミダゾール-4-イル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、1‐イソインドリル、3‐イソインドリル、4‐イソインドリル、5‐イソインドリル、6‐イソインドリル、7‐イソインドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、シンノリン、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イル、2,6-ジメトキシピリミジン-4-イル、テトラヒドロイソキノリニル、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イルおよびトリアゾロピリダジン基から選択され得る。この複素環基は、1つまたは複数の置換基R’(ここで、R’は上記と同様である)により置換され得る)に関する。
【0047】
式(Id)においては、以下の実施形態が好ましい:
pは好ましくは0である。
好ましい実施形態では、qは0である。別の好ましい実施形態では、qは1である。
Xは好ましくはCOである。
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
は、好ましくはベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、ベンゾトリアゾール-1-イル、ベンゾトリアゾール-4-イル、ベンゾトリアゾール-5-イル、ベンゾトリアゾール-6-イル、ベンゾトリアゾール-7-イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、プリン、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イルまたは2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルである(各々、任意にR’により置換される)。さらに好ましくは、Rは、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾトリアゾール-1-イルまたは1H-ベンズイミダゾリルである(各々、任意にR’により置換される)。さらに好ましくは、Rはベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾトリアゾール-1-イルまたは1H-ベンズイミダゾリルである。
【0048】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Id)の化合物において、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化9】

である。
【0049】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Id)の化合物において、pは0であり、qは0であり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化10】

である。
【0050】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Id)の化合物において、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化11】

である。
【0051】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Id)の化合物において、pは0であり、qは0であり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化12】

である。
【0052】
式(Ie)では、以下の実施形態が好ましい:
pは好ましくは0である。
好ましい一実施形態では、qは0である。別の好ましい実施形態では、qは1である。
Xは好ましくはCOである。
【0053】
は、好ましくはベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール‐4‐イル、1,2,3‐トリアゾール‐5‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5-トリアゾール-6-イル、2,4-ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6-イル、ベンゾトリアゾール-1-イル、ベンゾトリアゾール-4-イル、ベンゾトリアゾール-5-イル、ベンゾトリアゾール-6-イル、ベンゾトリアゾール-7-イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、プリン、2,6-ジメトキシピリミジン-3-イルまたは2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルである(各々、任意にR’により置換される)。さらに好ましくは、Rは、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾトリアゾール-1-イルまたは1H-ベンズイミダゾリルである(各々、任意にR’により置換される)。さらに好ましくは、Rはベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾトリアゾール-1-イルまたは1H-ベンズイミダゾリルである。
【0054】
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニルまたは7‐インドリニルである。さらに好ましくはRは、任意置換フェニルである。
【0055】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化13】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0056】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは0であり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化14】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0057】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化15】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0058】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは0であり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、そしてRは:
【化16】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0059】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは、NRであり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0060】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ie)の化合物において、pは0であり、qは0であり、Rは、任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、RはNRであり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0061】
式(If)では、以下の実施形態が好ましい:
pは好ましくは0である。
好ましい一実施形態では、qは0である。別の好ましい実施形態では、qは1である。
Xは好ましくはCOである。
は、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFである。
【0062】
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(If)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、そしてRはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化17】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0063】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(If)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは0であり、そしてRはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化18】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0064】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(If)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、そしてRはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化19】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0065】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(If)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは0であり、そしてRはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化20】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0066】
式(Ig)では、以下の実施形態が好ましい:
pは好ましくは0である。
好ましい一実施形態では、qは0である。別の好ましい実施形態では、qは1である。
Xは好ましくはCOである。
【0067】
は、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFである。別の好ましい実施形態では、RはHである。
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
は、好ましくは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化21】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0068】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは0であり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化22】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0069】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化23】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0070】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは0であり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、Rは:
【化24】

であり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0071】
本発明の特に好ましい一実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは1であり、XはCOであり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、RはNRであり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0072】
本発明の別の特に好ましい実施形態では、式(Ig)の化合物において、Rは、任意置換アリール、ヘテロアリールまたはベンジルであり、pは0であり、qは0であり、RはH、メチル、エチル、メトキシ、アルキルアミノ、モルホリノ、N-メチルピペラジン、CFまたはOCFであり、RはHであり、ZはSであり、Rは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールであり、RはNRであり、そしてRは任意置換アリール、ベンジルまたはヘテロアリールである。
【0073】
さらに本発明は、本発明の化合物、例えば式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物の製造方法を提供する。
式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、種々の方法により得られる。
ピペリジン-4イル-チアゾール-4-カルボキサミドは、文献に記載された種々の方法により調製され得る。このような一例は、Houben-Weyl, 2002, 730に記載されたような適切な2,5-ジヒドロチアゾールの酸化である。ジヒドロチアゾールは、同一文献に記載された、あるいはYou, S., Razavi, H., Kelly, J.W. Angew. Chem. 2003, 115, 87またはKatritzky, AR., Cai, C., Suzuki, K., Singh, SK. J. Org. Chem. 2004, 69, 811-814そして両方の論文の参考文献に記載された方法によっても合成され得る。代替的方法は、Yasuchika, S. et al. Heterocycles, Vol. 57, No.5, 2002により記載された。
【0074】
複素環上にさらなる置換基を保有する式(If)または(Ig)の化合物は、Organic Syntheses, Coll. Vol.9, p.155;and Vol.74, p.229;J. Org. Chem., 1975, Vol.40, No.10, page 1521;J. Am. Chem. Soc. 96: 19/September 18, 1974;J. Org. Chem., 1990, 55, 4484-4487;Chemische Berichte 1968, 101(1), 302-307;Agricultural Chemistry and Biotechnology, 2002, 45(1), page37-42に記載された種々の方法により得られる。
【0075】
上記の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物に関して、「立体異性体」という用語は、シス/トランスまたはE/Z異性を意味する。さらに特定的には、本発明の化合物の種々の置換基中に存在する考え得る二重結合(単数または複数)は、EまたはZ立体配置である。これらの純粋または不純幾何異性体は、単独でまたは混合物として、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物の構成部分を形成する。
「立体異性体」という用語は、分子中の対称の1つまたは複数の軸および/または中心の存在に起因し、そして偏光の光線の回転を生じるすべての異性体形態(単独でまたは混合物として)も包含する。さらに特定的には、それは、純粋形態でまたは混合物として、エナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0076】
本発明により用いられるべき式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、無機または有機酸または塩基との塩を形成し得る。製薬上許容可能な塩の例は、非毒性無機または有機塩、例えば酢酸から得られる酢酸塩、アコニチン酸から得られるアコニチン酸塩、アスコルビン酸から得られるアスコルビン酸塩、安息香酸から得られる安息香酸塩、桂皮酸から得られる桂皮酸塩、クエン酸から得られるクエン酸塩、エンボン酸から得られるエンボン酸塩、ヘプタン酸から得られるエナンテート、蟻酸から得られる蟻酸塩、フマル酸から得られるフマル酸塩、グルタミン酸から得られるグルタミン酸塩、グリコール酸から得られるグリコール酸塩、塩酸から得られる塩化物、臭化水素酸から得られる臭化物、乳酸から得られる乳酸塩、マレイン酸から得られるマレイン酸塩、マロン酸から得られるマロン酸塩、マンデル酸から得られるマンデル酸塩、メタンスルホン酸から得られるメタンスルホン酸塩、ナフタリン-2-スルホン酸から得られるナフタリン-2-スルホン酸塩、硝酸から得られる硝酸塩、過塩素酸から得られる過塩素酸塩、リン酸から得られるリン酸塩、フタル酸から得られるフタル酸塩、サリチル酸から得られるサリチル酸塩、ソルビン酸から得られるソルビン酸塩、ステアリン酸から得られるステアリン酸塩、コハク酸から得られるコハク酸塩、硫酸から得られる硫酸塩、酒石酸から得られる酒石酸塩、p-トルエン-スルホン酸から得られるトルエン-p-硫酸塩等から成るが、これらに限定されない。このような塩は、当業者に既知の、そして従来技術に記載された方法により製造され得る。
【0077】
その他の塩、例えばシュウ酸から得られるシュウ酸塩(これは製薬上許容可能とみなされていない)は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体の製造のための中間体として適切であり得る。
【0078】
本発明は、上記のような製薬上許容可能な塩を網羅するが、しかし式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物の適切な分離または結晶化を可能にする塩、例えばキラルアミンから得られる塩にも及ぶ。
【0079】
上記の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、これらの化合物のプロドラッグも含む。「プロドラッグ」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者に一旦投与された時はそれ自体薬学的に活性でない(「プロドラッグ」)が、しかしin vivoでは、即ち化合物が投与される被験者中ではそれらの薬学的活性形態(式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物)に化学的および/または生物学的に転換される化合物を指す。プロドラッグとしては、例えばヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、患者に投与された場合に、付着して、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基を形成する任意の基に結合される本発明の化合物が挙げられる。したがってプロドラッグの代表例としては、本発明の化合物のアルコール、スルフヒドリルおよびアミン官能基の酢酸塩、蟻酸塩および安息香酸塩誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、カルボン酸(-COOH)の場合、エステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、二重エステル等が用いられ得る。エステルは、他に依存せずに活性であり得るし、および/またはヒト身体中のin vivo条件下で加水分解可能であり得る。
【0080】
本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、一般的に、細胞増殖障害の治療のために、免疫学的疾患および症状(例えば炎症性疾患、神経免疫学的疾患、自己免疫疾患等のような)の治療または予防のために、有用である。
本発明の化合物は、悪性細胞増殖により引き起こされる疾患、例えばすべての形態の固形腫瘍、白血病およびリンパ腫の治療のために有用である。したがって本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、一般的に、細胞活性化、細胞増殖、細胞生存、細胞分化、細胞周期、細胞成熟および細胞死を調節するために、あるいは代謝の全身性変化、例えば糖、脂質またはタンパク質代謝の変化を誘導するために有用である。それらは、細胞世代形成、例えば毒性作用物質、放射線、免疫療法、成長欠陥、栄養失調、吸収不良、免疫調節不全、貧血等により引き起こされるような細胞の枯渇または破壊後の血球成長および生成(前造血作用)を支持するために、あるいは組織形成および分解の治療的制御、ならびに細胞および組織維持ならびに血球恒常性の治療的修正を提供するためにも用いられ得る。
【0081】
これらの疾患および症状としては、血液学的腫瘍(例えば白血病、リンパ腫、骨髄腫)または固形腫瘍(例えば乳房、前立腺、肝臓、膀胱、肺、食道、胃、結腸直腸、尿生殖器、胃腸、皮膚、膵臓、脳、子宮、結腸、頭および首、子宮頚部および卵巣の癌、黒色腫、星状細胞腫、小細胞肺癌、神経膠腫、基底および扁平細胞癌、肉腫、例えばカポジ肉腫および骨肉腫)のような癌、あるいは1または数個のキナーゼおよび/またはホスファターゼの阻害により治癒されるかまたは軽減される疾患が挙げられるが、これらに限定されない。本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、前立腺癌、黒色腫、卵巣癌および多発性骨髄腫の治療のために特に有用である。
【0082】
本発明による「治療」は、疾患の完全または部分治癒、疾患の防止、または疾患の緩和、あるいは所定の疾患の進行の停止を意味するよう意図される。
【0083】
したがって、一実施形態では、本発明は、好ましくは、アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、溶血性貧血(anemia haemolytica)、悪性貧血(anemia perniciosa)、鵞口瘡、アフタ性口内炎、関節炎、動脈硬化障害、骨関節炎、慢性関節リウマチ、精子形成欠如、気管支喘息、自己免疫性喘息、自己免疫性溶血、ベーチェット病、ベック病、炎症性腸疾患、バーキットリンパ腫、クローン病、脈絡膜炎、潰瘍性大腸炎、腹腔病、低温型グロブリン血症、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、インスリン依存性I型糖尿病、若年性糖尿病、特発性尿崩症、インスリン依存性真性糖尿病、自己免疫性脱髄疾患、デュピュイトラン拘縮、脳脊髄炎、アレルギー性脳脊髄炎、眼内炎、水晶体アナフィラキシー、アレルギー性腸炎、自己免疫性腸症候群、癩性結節性紅斑、特発性顔面神経麻痺、慢性疲労症候群、リウマチ熱、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ハマン・リッチ病、橋本病、橋本甲状腺炎、突然聴力損失、感覚神経性聴力損失、慢性肝炎、ホジキン病、発作性ヘモグロビン尿症、性機能低下症、局部性回腸炎、虹彩炎、白血球減少症、白血病、播種性紅斑性狼瘡、全身性紅斑性狼瘡、皮膚紅斑性狼瘡、悪性リンパ肉芽腫、単核球症感染、重症筋無力症、横断性脊髄炎、原発性特発性粘液水腫、ネフローゼ、交感神経性眼炎、肉芽性睾丸炎、膵炎、天疱瘡、尋常性天疱瘡、結節性多発性動脈炎、原発性慢性多発性関節炎、多発性筋炎、急性多発性神経根炎、乾癬、紫斑病、壊疽性膿皮症、ケルバン甲状腺炎、ライター症候群、類肉腫、運動失調性硬化症、進行性全身性硬化症、強膜炎、強皮症、多発性硬化症、散在性硬化症、後天性脾臓萎縮、抗精子抗体のための不妊症、血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、胸腺腫、急性前部ブドウ膜炎、白斑、エイズ、HIV、SCID、ならびにエプスタイン・バーウイルス関連疾患、例えばシェーグレン症候群、ウイルス(エイズまたはEBV)関連B細胞リンパ腫、寄生生物疾患、例えばリーシュマニア、ならびに免疫抑制疾患状態、例えば異系移植片移植、エイズ、癌、慢性活動性肝炎糖尿病、毒素ショック症候群および食中毒後のウイルス感染症から成る群から選択される、ケラチノサイトおよび/またはT細胞の過剰増殖により特性化される疾患、特に炎症性障害および免疫障害の治療または予防のための薬剤の製造のための、所望により適切なアジュバントおよび添加剤を伴う、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩または生理学的に機能的な誘導体または立体異性体の使用に関する。
【0084】
本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、自己免疫疾患および炎症性疾患、例えば慢性関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患(特に結腸炎およびクローン病)、炎症性皮膚疾患(特に神経性皮膚炎および乾癬)、ならびに紅斑性狼瘡の治療のために特に有用である。
【0085】
さらに本発明は、有効量の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩または生理学的に機能的な誘導体または立体異性体の投与を包含する疾患の治療または予防の方法に関する。
【0086】
好ましい一実施形態では、本発明は、T細胞が一役を演じる皮膚疾患;特に好ましくは、乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、完全脱毛症、亜完全脱毛症、全身性脱毛症、散在性脱毛症、皮膚の紅斑性狼瘡、扁平苔癬、皮膚の皮膚筋炎、アトピー性湿疹、限局性強皮症、強皮症、尋常性乾癬、頭部乾癬、滴状乾癬、逆位乾癬、蛇行型円形脱毛症、男性型脱毛症、アレルギー性接触性湿疹、刺激性接触性湿疹、接触性湿疹、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、増殖性天疱瘡、瘢痕性粘液性類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、粘液性類天疱瘡、皮膚炎、デューリング疱疹状皮膚炎、蕁麻疹、リポイド類壊死症、結節性紅斑、ビダール苔癬、単純性痒疹、結節性痒疹、急性湿疹、線状IgA皮膚症、多形日光皮膚症、日光紅斑、硬化性萎縮性苔癬、皮膚の発疹、薬剤発疹、慢性進行性紫斑病、異汗性湿疹、湿疹、固定薬剤発疹、光アレルギー性皮膚反応、単純性eriorale苔癬(lichen simplex eriorale)、皮膚炎および「移植片対宿主疾患」、アクネ、酒さ、瘢痕、ケロイドおよび白斑から成る群から選択される皮膚疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための、所望により適切なアジュバントおよび添加剤を伴う、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩または生理学的に機能性の誘導体または立体異性体の使用に関する。
【0087】
さらに本発明の化合物は、心臓、脳、末梢性四肢、腎臓、肝臓、脾臓および肺から成る群から選択される器官および/または身体の一部の虚血および/または再還流損傷に起因する疾患の治療または予防のために用いられ得るし、この場合、内皮性機能障害は、梗塞、例えば心筋梗塞および重篤四肢虚血からなる群から選択される疾患と関連するか、および/または内皮性機能障害は、虚血性疾患、例えば末梢動脈閉塞性疾患、例えば重篤な足の虚血、心筋梗塞および器官の、例えば腎臓、脾臓、脳および肺の虚血性疾患から成る群から選択される疾患と関連する。
【0088】
本発明の化合物は、神経学的疾患または障害(脳および神経系に関連した疾患または障害)、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、レービー小体型痴呆、筋萎縮性側索硬化症、卒中、癲癇、多発性硬化症、重症筋無力症、ハンチントン病、ダウン症候群、神経性難聴およびメニエール病(これらに限定されない)の治療または予防のためにも適用され得る。その他の神経学的疾患および障害は当業者には明らかであり、そして本発明において用いられるような定義に包含される。本発明による化合物ならびにそれを用いて調製される薬剤は、卒中、再還流損傷およびアルツハイマー病の治療のために特に有用である。
【0089】
本発明の化合物はさらに、ヒトおよび動物における原生動物外寄生により引き起こされる疾患のために用いられ得る。このような獣医学的およびヒト病原性原生動物は、好ましくはアピコンプレクサ門または有毛根足虫門、特にトリパノソーマ、マラリア原虫、リーシュマニア、バベシアおよびタイレリア、クリプトスポリジウム、サルコシスト、アメーバ、コクシジウムおよびトリコモナジウム類の細胞内活性寄生生物である。これらの活性物質または対応する薬剤は、熱帯熱マラリア(熱帯熱マラリア原虫Plasmodium falciparumにより引き起こされる)、三日熱マラリア(三日熱マラリア原虫Plasmodium vivaxまたは卵形マラリア原虫Plasmodium ovaleにより引き起こされる)の治療に、そして四日熱マラリア(四日熱マラリア原虫Plasmodium malariaeにより引き起こされる)の治療に特に適している。それらは、トキソプラズマ症、(トキソプラズマToxoplasma gondiiにより引き起こされる)、コクシジウム症(例えばインスポラIsospora belli, intestinalにより引き起こされる)、肉胞子虫症(ブタ肉胞子虫Sarcocystis suihominisにより引き起こされる)、赤痢(赤痢アメーバEntamoeba histolyticaにより引き起こされる)、クリプトスポリジウム症(クリプトスポリジウム・パルブムCryptosporidium parvumにより引き起こされる)、シャーガス病(トリパノソーマ・クルジTrypanosoma cruziにより引き起こされる)、睡眠病(ローデシア・トリパノソーマTrypanosoma brucei rhodesienseおよびガンビア・トリパノソーマTrypanosoma brucei gambienseにより引き起こされる)、皮膚および内臓ならびにその他の形態のリーシュマニア病の治療にも適している。それらは、獣医学的病原性原生動物、例えばウシ・タイレリア病を引き起こす病原体であるタイレリア・パルバTheileria parva、アフリカにおけるウシのナガナ病を引き起こす病原体であるトリパノソーマ・コンゴレンスTrypanosoma congolens congolenseまたはトリパノソーマ・ビバックス・ビバックスTrypanosoma vivax vivax、トリパノソーマ・ブルセイ・ブルセイTrypanosoma brucei brucei、スーラ病を引き起こすトリパノソーマ・ブルセイ・エバンシTrypanosoma brucei evansi、畜牛および野牛におけるテキサス熱を引き起こす病原体であるバベシア・ビゲミナBasesia bigemina、ヨーロッパのウシのバベシア病ならびにイヌ、ネコおよびヒツジにおけるバベシア病を引き起こす病原体であるバベシア・ボビスBabesia bovis、ヒツジ、畜牛およびブタにおける肉胞子虫症を引き起こす病原体であるサルコシスチス・オビカニスSarcocystis ovicanisおよびオビフェリスovifelis、畜牛および鳥類におけるクリプトスポリジウム症を引き起こす病原体であるクリプトスポリジウムCryptosporidia、ウサギ、畜牛、ヒツジ、ヤギ、ブタおよび鳥類、特にニワトリおよびシチメンチョウにおけるコクシジウム症を引き起こす病原体であるエイメリアEimeriaおよびイソスポラIsospora種に感染した動物の治療にも適している。本発明の化合物の使用は、特に、コクシジウム症またはマラリア感染症の治療のために、あるいはこれらの疾患の治療のための薬剤または食物の調製のために選択される。この治療は、予防的または治癒的であり得る。マラリアの治療において、本発明の化合物は他の抗マラリア薬と組合せされ得る。
【0090】
本発明の化合物はさらに、特に細菌およびウイルスにより引き起こされる感染性疾患、例えば哺乳類における、例えばヒトにおける日和見感染の予防および/または治療のために用いられ得る。上記の方法は、上記の感染性疾患および/または日和見感染を予防するかおよび/または治療するために有効な量の一般式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の少なくとも1つの化合物および/またはその製薬上許容可能な塩を哺乳類に投与することを包含する。
【0091】
感染性疾患は、エイズ、多包虫病(AHD、エキノコックス病)、アメーバ症(赤痢アメーバ感染)、住血線虫感染症、アニサキス症、炭疽、バベシア症(バベシア感染)、バランチジウム感染症(バランチジウム病)、回虫感染症(アライグマ回虫)、ビルハルツ住血吸虫(住血吸虫症)、ブラストシスティス・ホミニス感染症(ブラストミセス症)、ライム病、ボツリヌス症、Brainerd下痢症、ブルセラ症、BSE(ウシ海綿状脳症)、カンジダ症、毛頭虫症(毛頭虫感染)、CFS(慢性疲労症候群)、シャーガス病(アメリカ・トリパノソーマ症)、水痘(水痘帯状疱疹ウイルス)、肺炎クラミジア感染症、コレラ、慢性疲労症候群、CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病)、肝ジストマ症(肝臓吸虫感染)、CLM(皮膚幼虫移行症、鉤虫感染)、コクシジウム症、結膜炎、コクサッキーウイルスA16(手足口病)、クリプトコッカス症、クリプトスポリジウム感染症(クリプトスポリジウム症)、イエカ(西ナイルウイルスの媒介動物)、皮膚幼虫移行症(CLM)、サイクロスポーラ症(サイクロスポーラ感染)、嚢虫症(神経嚢虫症)、サイトメガロウイルス感染症(CMV)、デング/デング熱、瓜実条虫感染症(イヌおよびネコ蚤条虫)、エボラウイルス出血熱、エキノコッカス症(多包虫病)、脳炎、大腸アメーバ感染症、非病原性赤痢アメーバ感染症、ハルトマン・アメーバ感染症、赤痢アメーバ感染症(アメーバ症)、ポレック・アメーバ感染症、ギョウチュウ症(ギョウチュウ感染)、エンテロウイルス感染症(非ポリオ)、エプスタイン・バーウイルス感染症、大腸菌感染症、食品媒介性感染症、足口病、真菌性皮膚炎、胃腸炎、A群連鎖球菌病、B群連鎖球菌病、ブドウ球菌感染(黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureusおよびその他のブドウ球菌種)により引き起こされる疾患、緑膿菌Pseudomonas aeruginosaおよびその他のシュードモナス種に感染することにより引き起こされる疾患、セパシア菌感染症、ハンセン病(ライ病)、ハンタウイルス肺症候群、頭ジラミ感染症(シラミ症)、ピロリ菌感染症、血液学的疾患、ヘンドラ・ウイルス感染症、肝炎、帯状ヘルペス(帯状疱疹)、HIV感染症、ヒト・エーリキア症、ヒト・パラインフルエンザウイルス感染症、インフルエンザ、イソスポラ症(イソスポラ感染)、ラッサ熱、リーシュマニア症、内臓型リーシュマニア症(カラ・アザール、リーシュマニア感染)、ライ病、シラミ(コロモジラミ、アタマジラミ、ケジラミ)、ライム病、マルブルク出血熱、麻疹、髄膜炎、蚊媒介性疾患、鳥型結核菌複合体(MAC)感染症、ネグレリア感染症、院内感染症、非病原性腸アメーバ感染症、回旋糸状虫症(河川盲目症)、オピストルキス症(オピストルキス感染)、パルボウイルス感染症、悪疫、PCP(カリニ肺炎)、ポリオ、Q熱、狂犬病、呼吸器多核体ウイルス(RSV)感染症、リウマチ熱、リフトバレー熱、河川盲目症(回旋糸状虫症)、ロタウイルス感染症、回虫感染症、サルモネラ症、腸炎菌症、疥癬、細菌性赤痢、帯状疱疹、睡眠病、痘瘡、連鎖球菌感染症、条虫感染症(テニア属感染)、破傷風、毒物ショック症候群、結核症、潰瘍(消化性潰瘍疾患)、渓谷熱、腸炎ビブリオ感染症、ビブリオ・バルニフィカス感染症、ウイルス性出血熱、疣、水系感染性疾患、西ナイルウイルス感染症(西ナイル脳炎)、百日咳、黄熱病からなる群から選択され得る。本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、ウイルス性疾患、例えばB型肝炎、C型肝炎、インフルエンザウイルス感染症(特にA型ウイルス感染)、エイズ(HIV感染)およびヒトパピローマウイルス感染症の治療のために特に有用である。
【0092】
本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、動脈硬化症の治療のためにも特に有用である。
本発明による化合物およびそれを用いて調製される薬剤は、骨粗鬆症の治療のためにも特に有用である。
一実施形態では、本発明は、細胞の過剰増殖により特性化される疾患の治療または予防のための薬剤の調製のための本発明の化合物または組成物の使用に関する。
【0093】
一実施形態では、本発明は、心臓、脳、末梢性四肢、腎臓、肝臓、脾臓および肺から成る群から選択される器官および/または身体の一部の虚血および/または再還流損傷に起因する疾患の治療または予防のための薬剤の調製のための本発明の化合物または組成物であって、内皮性機能障害が梗塞、例えば心筋梗塞および重篤四肢虚血からなる群から選択される疾患と関連するか、および/または内皮性機能障害が虚血性疾患、心筋梗塞および器官の虚血性障害から成る群から選択される疾患と関連する化合物または組成物の使用に関する。
【0094】
一実施形態では、本発明は、アルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、レービー小体型痴呆、筋萎縮性側索硬化症、卒中、癲癇、多発性硬化症、重症筋無力症、ハンチントン病、ダウン症候群、神経性難聴およびメニエール病から成る群から選択される神経学的疾患または障害の治療または予防のための薬剤の調製のための本発明の化合物または組成物の使用に関する。式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、ならびにそれらの製薬上許容可能な塩は、それ自体治療薬として、互いとの混合物として、あるいは経腸的または非経口的使用を可能にする、そして活性構成成分として有効用量の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の少なくとも1つの化合物またはその塩を、通例の薬学的に無害の賦形剤および添加剤に加えて含有する薬学的調製物の形態で、動物に、好ましくは哺乳類に、特にヒト、イヌおよびニワトリに投与され得る。式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、それぞれの化合物を生理学的に許容可能な酸および塩基と反応させることにより得られるそれらの塩の形態でも投与され得る。
【0095】
本発明の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物を含有する薬剤の製造、ならびにそれらの適用は、周知の製薬方法に従って実施され得る。
治療に用いるための本発明の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は未精製化学化合物の形態で投与され得るが、一方、活性成分を、任意に製剤組成物中の生理学的に許容可能な塩の形態で、1つまたは複数のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤および/またはその他の通例の薬学的補助剤と一緒に、導入するのが好ましい。化合物のこのような塩は、無水であるかまたは溶媒和化され得る。
【0096】
好ましい一実施形態では、本発明は、本発明の式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩または生理学的機能性誘導体またはその立体異性体を、1つまたは複数のその製薬上許容可能な担体、ならびに任意にその他の治療的および/または予防的成分と一緒に含む薬剤を提供する。担体(単数または複数)は、処方物の他の成分と相溶性であり、そしてそのレシピエントに有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。
【0097】
本発明の薬剤は、経口、直腸、気管支、鼻、局所、頬、舌下、経皮、膣または非経口(例えば皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内注射または注入)投与に適したもの、あるいは吸入または吹送による投与に適した形態のもの、例えば粉末および液体エーロゾル投与に適したもの、あるいは徐放性系による投与に適したものであり得る。徐放性系の適切な例としては、本発明の化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、造形品、例えばフィルムまたはマイクロカプセルの形態であり得る。
【0098】
したがって本発明の化合物は、慣用的アジュバント、担体または希釈剤と一緒に、薬剤およびその単位投与量の形態中に入れられる。このような形態としては、固体、特に錠剤、充填カプセル、粉末およびペレット形態、ならびに液体、特に水性または非水性溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ならびにそれらを充填したカプセル(すべて、経口使用)、直腸投与のための座薬、そして非経口使用のための滅菌注射溶液が挙げられる。このような薬剤およびその単位剤形は、慣用的比率の慣用的成分を、付加的活性化合物または成分とともにまたは伴わずに含み得るし、そしてこのような単位剤形は、用いられるべき意図された1日投与量範囲に対応する任意の適切有効量の活性成分を含有し得る。
【0099】
本発明により使用可能な化合物は、広範な種々の経口および非経口剤形で投与され得る。以下の剤形が、活性構成成分として、本発明による式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物、あるいはその製薬上許容可能な塩または立体異性体を含み得る、ということは当業者に明らかである。
【0100】
式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物から薬剤を調製するために、製薬上許容可能な担体は、固体または液体であり得る。固体形態調製物としては、粉末、錠剤、ピル、カプセル、カシェー剤、座薬および分散性顆粒が挙げられる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑剤、沈殿防止剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤または封入材としても作用し得る1つまたは複数の物質であり得る。
【0101】
粉末の場合、担体は、微粉砕活性構成成分との混合物中に存在する微粉砕固体である。錠剤の場合、活性構成成分は、適切な比率で必要な結合能力を有する担体と混合され、そして所望の形状およびサイズに圧縮される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点蝋、ココアバター等である。「調製物」という用語は、活性構成成分(担体とともにまたは伴わずに)が担体により取り囲まれ、したがってこれはそれと関連して存在する担体としての封入材を伴う活性化合物の処方物を含むよう意図される。同様に、カシェー剤およびロゼンジが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、ピル、カシェー剤およびロゼンジは、経口投与に適した固体形態として用いられ得る。
【0102】
座薬を調製するためには、低融点蝋、例えば脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物が、先ず融解され、そして活性構成成分がその中に均質に、例えば撹拌することにより、分散される。融解均質混合物は次に、便利なサイズの金型に注ぎ入れられて、冷却され、それにより固化される。膣投与に適した組成物は、活性成分のほかに、適切であることが当業界で既知であるような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体または噴霧剤として提供され得る。液体調製物としては、溶液、懸濁液および乳濁液、例えば水または水-プロピレングリコール溶液が挙げられる。例えば非経口注射液調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として処方され得る。
【0103】
したがって本発明による式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の化合物は、非経口投与(例えば注射、例えばボーラス注射または連続注入による)のために処方され、そして単位剤形で、アンプル、薬剤充填済み注射器、小容量注入または付加防腐剤を含有する多数回投与容器中で、提供され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳濁液のような形態をとり、そして沈殿防止剤、安定剤および/または分散剤のような処方剤を含有し得る。代替的には、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌無発熱物質を用いて構成するための、滅菌固体の無菌性単離によりまたは溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態であり得る。
【0104】
経口使用に適した水性溶液は、活性構成成分を水中に溶解し、そして望ましい場合は、適切な着色剤、風味剤、安定剤および増粘剤を付加することにより調製され得る。経口使用に適した水性懸濁液は、粘性材料、例えば天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはその他の周知の沈殿防止剤とともに、水中に微粉砕活性構成成分を分散することにより製造され得る。
【0105】
使用の直前に、経口投与のための液体形態調製物に変換されるよう意図される固体形態調製物も包含される。このような液体形態としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。これらの調製物は、活性構成成分のほかに、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有し得る。
本発明の一実施形態では、薬剤は、局所的に、または全身的に、または2つの経路の組合せにより、適用される。
【0106】
本発明の特に好ましい一実施形態では、薬剤は局所的に適用される。これは考え得る副作用を低減し、そして必要な処置を罹患領域に限定する。
好ましくは薬剤は、軟膏、ゲル、プラスター、乳濁液、ローション、発泡体、混合相または両親媒性乳濁液系(油/水〜水/油混合相)のクリーム、リポソーム、トランスフェルソーム、ペーストまたは粉末の形態で調製される。
【0107】
例えば軟膏およびクリームは、水性または油性基剤を用いて、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を付加して、処方され得る。ローションは、水性または油性基剤を用いて処方され、そして、概して、1つまたは複数の乳化剤、安定剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤または着色剤も含有する。
【0108】
口腔中に局所投与するのに適した組成物としては、風味付けした基剤(通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカントゴム)中に活性作用物質を含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含む香錠;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含むマウスウォッシュが挙げられる。
【0109】
溶液または懸濁液は、慣用的手段により、例えばスポイト、ピペットまたは噴霧器を用いて、鼻腔に直接適用される。組成物は、1回または多数回用量投与形態で提供され得る。スポイトまたはピペットのうち後者の場合、これは、適切な予定容量の溶液または懸濁液を投与する患者により達成され得る。噴霧器の場合、これは、例えば計量霧化噴霧ポンプにより達成され得る。
【0110】
適切な噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切なガスを用いた加圧パック中に活性成分が提供されるエーロゾル処方物により、気道への投与も達成され得る。エーロゾルは、界面活性剤、例えばレシチンを含有するのも便利であり得る。薬剤の用量は、計量弁を提供することにより制御され得る。
【0111】
代替的には、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えばラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で、提供され得る。粉末担体が鼻腔中でゲルを形成する、というのが便利である。粉末組成物は、単位剤形で、例えばゼラチンのカプセルまたはカートリッジで、あるいは吸入器により粉末が投与され得るブリスター包装で、提供され得る。
【0112】
気道への投与のために意図された組成物、例えば鼻内組成物では、化合物は一般的に、例えば5μまたはそれ以下のオーダーの小粒子サイズを有する。このような粒子サイズは、当業界で既知の手段により、例えば微粉化により得られる。
望ましい場合、活性成分の持続性放出を生じるよう適合される組成物が用いられ得る。
【0113】
薬学的調製物は、好ましくは単位剤形で存在する。このような形態では、調製物は、適量の活性構成成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装された調製物、異なる量の調製物を含有するパッケージ、例えば包装された錠剤、カプセル、ならびにバイアルまたはアンプル中の粉末であり得る。さらにまた単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェー剤またはロゼンジそれ自体であり得るし、あるいはそれは、適切な数のこれらの包装形態のいずれかであり得る。経口投与のための錠剤またはカプセル、ならびに静脈内投与および連続注入のための液体は、好ましい組成物である。
処方物および投与のための技術に関するさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co. Easton, Pa.)の最終版に見出され得る。
【0114】
製剤組成物は、式(Id)、(Ie)、(If)または(Ig)の2またはそれより多くの化合物、あるいはそれらの製薬上許容可能な塩を、そしてその他の治療的活性物質も含有し得る。
したがって本発明の化合物は、一化合物単独の形態で、あるいは他の活性化合物と、例えば上記の疾患の治療のために既知の薬剤と組合せた形態で用いられ、それにより、後者の場合、好ましい付加的増幅作用が注目される。ヒトに投与されるべき適切な量は、5〜500 mgの範囲であり得る。
【0115】
薬学的調製物を調製するために、薬学的に不活性な無機または有機の賦形剤が用いられ得る。ピル、錠剤、糖衣錠および硬質ゼラチンカプセルを調製するためには、例えばラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩等が用いられ得る。軟質ゼラチンカプセルおよび座薬のための賦形剤は、例えば脂肪、蝋、半固体および液体ポリオール、天然または硬化油等である。溶液およびシロップの製造のための適切な賦形剤は、例えば水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオール等である。注射溶液の製造のための適切な賦形剤は、例えば水、アルコール、グリセロール、ポリオールまたは植物油である。
【0116】
用量は、広範な限度内で変わり得るし、そして各々の個々の症例における個々の症状に適合されるべきものである。上記の使用に関して、適切な投与量は、投与方式、治療されるべき特定症状、および所望される作用によって変わる。しかしながら、概して、約1〜100 mg/動物体重1 kg、好ましくは1〜50 mg/kgの投与量レートで、申し分ない結果が達成される。概して大型哺乳類、例えばヒトのための適切な投与量レートは、約10 mg〜3 g/日のオーダーで、1回、または1日2〜4回に分けて、あるいは持続放出形態で投与されるのが便利である。
【0117】
概して、ヒト個体当たり約10 mg〜5000 mg、好ましくは50〜500 mgの1日用量が、経口投与の場合は適切である。他の投与形態の場合も、1日用量は同様の範囲である。局所送達に関しては、皮膚の透過性、疾患の種類および重症度によって、ならびに処方物の種類および適用頻度によって、薬剤内の異なる濃度の活性化合物が、局所適用により治療効果を引き出すために十分であり得る。好ましくは本発明による薬剤内の活性化合物またはその製薬上許容可能な塩あるいはその生理学的機能性誘導体または立体異性体の濃度は、1 μmol/l〜100 mmol/lの範囲である。
【0118】
以下の実施例および図面は、本発明の好ましい実施形態を実証するために包含される。以下の実施例中に開示される技法は、本発明の実施において十分に機能するよう本発明人等により発見された技法を表わしており、したがってその実施のための好ましい方式であるとみなされ得る、と当業者により理解されるべきである。しかしながら当業者は、本発明の開示にかんがみて、添付の特許請求の範囲に記述されるような本発明の本質および範囲を逸脱しない限り、多数の変更が開示された特定の実施形態において成され得る、と理解すべきである。引用された参考文献はすべて、参照により本明細書中で援用される。
【実施例】
【0119】
実施例
略号: min 分(単数または複数);h 時間(単数または複数);r.t. 室温;t- tert‐。
NMRスペクトル: Bruker Avance 300 MHz. 内部標準として残留溶媒ピークを用いて、それぞれ300 MHz(H-NMR)でスペクトルを記録した(DMSO-d、δ=2.49;CDOD、δ=3.31;CDCl、δ=7.26;CDCN、δ=1.93;(CDCO、δ=2.05)。分析的LC/ESI-MS:2×Waters 600多溶媒送達系。50 μl試料ループ。カラム Chromolith Speed ROD RP18e(Merck, Darmstadt)、50×4.6 mm、2 μmプレフィルター(Merck)使用。溶離液A、HO+0.1%HCOH;溶離液B、MeCN、勾配 5%B〜100%B、5分以内;流量3 ml/分。エレクトロスプレー源を有するWaters LCZ単一四極子質量分光計。MS方法、MS8minPM-80-800-20V;陽/陰イオンモード走査、m/s 80〜800(1 sで);キャピラリー、3.5 kV;コーン電圧、20 V;マルチプライヤ電圧、400 V;プローブおよび脱溶媒和ガス温度、それぞれ120℃および350℃。Waters 2487 デュアルλ吸光度検出器(254 nmに設定)。
【0120】
分取HPLC-MS:Waters 600多溶媒送達系(分取ポンプヘッドを有する)。2000 μlまたは5000 μl試料ループ。カラム Waters X-Terra RP18, 7 μm、19×150 mm、X-Terra RP18ガード・カートリッジ 7 μm、19×10 mmで;流速20 ml/分で使用、あるいはYMC ODS-A, 120Å、40×150 mm、X-Terra RP18ガード・カートリッジ 7 μm、19×10 mmで;流速50 ml/分で使用。補給溶媒:MeCN-HO-HCOH80:20:0.05(v:v:v)。溶離液A、HO+0.1%HCOH;溶離液B、MeCN。異なる線状勾配 5〜100%溶離液B、試料に適合。注入容積:試料によって500 μl〜2000 μl。エレクトロスプレー源を有するWaters ZQ単一四極子質量分光計。陽/陰イオンモード走査、m/s 80〜800(1 sで);キャピラリー、3.5 kVまたは3.0 kV;コーン電圧、20 V;マルチプライヤ電圧、400 V;プローブおよび脱溶媒和ガス温度、それぞれ120℃および350℃。Waters 分画収集器II(マストリガー分画収集)。Waters 996フォトダイオード・アレイ検出器。
【0121】
4-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステルの合成
ピペリジン-1,4-ジカルボン酸モノ-tert‐ブチルエステル(1.0当量, 21.8 mmol)を、不活性条件下で、35 mlの乾燥N,N-ジメチルホルムアミド中に溶解した。O,N-ジメチル-ヒドロキシルアミン塩酸塩(1.03当量, 22.5 mmol)、ベンゾトリアゾール-1-オール一水和物(1.03当量, 22.5 mmol)およびトリエチルアミン(1.5当量, 32.7 mmol)を付加した。反応混合物を0℃に冷却し、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N-エチルカルボジイミド塩酸塩(1.0当量, 21.8 mmol)を10分間に亘って付加し、混合物を0℃で1時間、そして室温で18時間、激しく撹拌した。
【0122】
溶媒を真空除去し、残渣を400 mlの酢酸エチル中に懸濁した。有機層を100 mlの1 Mクエン酸、水性炭酸ナトリウムで3回、そして100 mlのブラインで2回抽出し、MgSO上で乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、残渣を蒸留により精製して、80%の収率を生じた。
【0123】
4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステルの合成
4-(メトキシ-メチル-カルバモイル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert‐ブチルエステル(1.0当量,16.4 mmol)を、不活性大気下で、100 mlの乾燥テトラヒドロフラン中に溶解した。この溶液を1時間に亘って、−50℃Cで70 mlの乾燥テトラヒドロフラン中のリチウムアラネート(3.0当量, 49.6 mmol)の懸濁液に滴下した。混合物の付加中、温度を−50℃Cに保持して、次に、3時間以内に0℃に上げさせた。混合物を−78℃に冷却し、100 mlの1 Mクエン酸で注意深くクエンチした。混合物を室温に上げて、400 mlの酢酸エチルで希釈した。相を分離し、水性相を70 mlの酢酸エチルで3回抽出した。併合有機層を100 mlの1 Mクエン酸、水性炭酸ナトリウムで3回、そして100 mlのブラインで2回抽出し、MgSO上で乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、残渣を蒸留により精製して、85%の収率を生じた。
【0124】
4-(4-エトキシカルボニル-4,5-ジヒドロ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステルの合成
4-ホルミル-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステル(1.0当量, 13 mmol)を、不活性条件下で40 mlのトルエン中に溶解した。この溶液に、L-システインエチルエステル塩酸塩(1.6当量, 21 mmol)およびトリエチルアミン(1.6当量, 21 mmol)を付加した。混合物を14時間還流した。生成された水を、ディーン&スターク・トラップで除去した。溶媒を除去し、残渣を100 mlの酢酸エチル中に溶解した。有機層を50 mlの1 Mクエン酸、水性炭酸水素カリウムで3回、そして50 mlのブラインで2回抽出し、MgSO上で乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、残渣をPE/EA4:1勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:75%。
【0125】
4-(4-エトキシカルボニル-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸t-ブチルエステルの合成
4-(4-エトキシカルボニル-4,5-ジヒドロ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert‐ブチルエステル(1.0当量, 8.7 mmol)を、不活性条件下で160 mlのトルエン中に溶解した。この溶液に、MnO(15.0当量, 130 mmol)を付加した。反応を、撹拌しながら5時間、70℃に加熱した。混合物をセライト上で濾過し、濾過剤を30 mlのトルエンおよび酢酸エチルで3回洗浄した。併合有機層を真空蒸留した。残渣をDCM/MeOH95:5勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:30%。
【0126】
C末端官能基化
4-(4-エトキシカルボニル-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert‐ブチルエステル(1.0当量, 2.9 mmol)を、不活性ガス下で、40 mlのジオキサン中に溶解した。撹拌しながら、1.5 mlの水性2 NNaOHを10分間に亘って滴下した。その後、混合物を室温で2時間撹拌した。
【0127】
反応を2 NHClで中和し、溶媒を真空蒸発させた。残渣を50 mlの酢酸エチル中に溶解した。有機層を10 mlの1 Mクエン酸および水で3回抽出し、MgSO上で乾燥して、濾過した。溶媒を除去し、残渣を真空乾燥した。収率95%。
4-(4-カルボキシ-チアゾール-2-イル)-ピペリジン-1-カルボン酸tert‐ブチルエステル(1当量)を、不活性条件下で、乾燥ジメチルアセトアミド(0.03 mmol/ml)中に溶解した。この溶液に、ピペリジノまたはピペリジノヘテロアロメート(市販供給元から入手されるか、または文献手法に従って合成される)、ジイソプロピルエチルアミン(2当量)およびO-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2当量)を付加した。反応混合物を、室温で12時間撹拌した。
【0128】
溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチル中に溶解した。有機層を1 Mクエン酸、水性炭酸水素カリウムで3回、ブラインで2回抽出して、MgSO上で乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、残渣をDCM/MeOH95:5勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:40〜80%。
【0129】
N末端官能基化
N保護化基質を、不活性条件下で、4 MHCl/ジオキサン(1 mLHCl/ジオキサン中濃縮0.03 mmol基質)で処理して、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空除去して、さらに精製することなく遊離アミンのHCl塩を得た。
遊離アミノ化合物(1当量)を、不活性条件下で乾燥ジメチルアセトアミド(0.03 mmol/ml)中に溶解した。この溶液に、アリール-またはアルキルカルボン酸、またはヒドロキシピリジン(1当量)、ジイソプロピルエチルアミン(2当量)およびO-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2当量)をこの順序で付加し、反応混合物を、室温で12時間撹拌した。
【0130】
溶媒を真空除去し、残渣を酢酸エチル中に溶解した。有機層を1 Mクエン酸、水性炭酸水素カリウムで3回、ブラインで2回抽出して、MgSO上で乾燥し、濾過した。溶媒を除去し、残渣をDCM/MeOH95:5勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:40〜80%。
【0131】
化合物1、2および3のN末端修飾
N保護化基質を、不活性条件下で、4 MHCl/ジオキサン(1 mLHCl/ジオキサン中濃縮0.03 mmol基質)で処理して、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空除去して、さらに精製することなく遊離アミンのHCl塩を得た。遊離アミノ化合物(1当量)を、不活性条件下で乾燥ジメチルアセトアミド(0.03 mmol/ml)中に溶解した。次に、臭化シアノベンジル(1.2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3当量)を付加し、混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0132】
化合物5、6、7および8のN末端修飾
N保護化基質を、不活性条件下で、4 MHCl/ジオキサン(1 mLHCl/ジオキサン中濃縮0.03 mmol基質)で処理して、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空除去して、さらに精製することなく遊離アミンのHCl塩を得た。遊離アミノ化合物(1当量)を、不活性条件下で乾燥ジメチルアセトアミド(0.03 mmol/ml)中に溶解した。chloroheterocyles(1.2当量)およびジイソプロピルエチルアミン(3当量)を付加し、混合物を100℃で12時間撹拌した。溶媒を真空除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。
【0133】
本発明の式(Id)の例示的化合物としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:
【0134】
【表1】

【0135】
【表2】

【0136】
【表3】

【0137】
1)生物学的データは、NF-κB炎症検定から得られた結果を示す。
[「+」は50〜80%阻害を意味し、「++」は80〜90%を意味し、そして「+++」は90〜100%阻害を意味する]
【0138】
プロテアソーム検定:
20Sプロテアソーム(Immatics, Tubingen)のキモトリプシン活性を、Tecan Ultraプレート読取機および基質としてのSuc-LLVT-AMC(Bachem)を用いて確定した。黒色96ウエル・ポリプロピレンプレートのウエル中で、DMSO中に溶解したそれぞれの阻害薬2 μlを50 μlの基質溶液(25 mMHEPES、20℃でpH7.5、0.5 mMEDTAおよびSuc-LLVT-AMC(適切な濃度で))と混合し、そしてプロテアソーム溶液(25 mMHEPES(20℃でpH7.5)、0.5 mMEDTA、0.033%(w/v)SDS中の1.3 μg/ml 20Sプロテアソーム)150 μlを付加することにより、反応を開始させた。基質加水分解を蛍光分光分析(励起波長:360 nm;発光波長;465 nm)により30℃で20分間追跡調査して、初期速度を算定し、そして相対蛍光単位(RFU)/秒での変化として表わした。
IC50値(50%阻害のために必要とされる阻害薬の濃度)の確定のために、少なくとも4つの異なる阻害薬濃度を適用した。各データ点を、三重反復実験で記録した。曲線を適切なプログラムと適合させた。
【0139】
T-リンパ球増殖検定:
刺激化末梢血単球(PBMC)の阻害
ACCUSPINTMSystem Histopaque(登録商標)-1077管の助けを借りて健常有志の血液からPBMCを単離し、洗浄して、10%ウシ胎仔血清および2 mMグルタミンを含有するダルベッコ変法イーグル培地中に10細胞/mlで再懸濁した。試験化合物またはブランク・ビヒクルの存在下で72時間、2 μg/mlフィトへモアアグルチニンで細胞を刺激した。インキュベーション期間の終了の4時間前に、5-ブロモ-2’-デソキシウリジン(BrdU)を付加して、増殖中細胞を標識した。インキュベーション後、細胞を遠心分離により分離し、培養上清を除去した。酵素結合免疫吸着検定を用いて、混入BrdUを定量した。
【0140】
IC50値(50%阻害のために必要とされる阻害薬の濃度)の確定のために、少なくとも4つの異なる阻害薬濃度を適用した。各データ点を、三重反復実験で記録した。曲線を適切なプログラムと適合させた。
【0141】
Tリンパ球増殖検定で得られた結果に基づいて、本発明の化合物は、炎症性疾患またはT細胞に関連した疾患を治療するのに適している。
【0142】
NF-κB誘導性炎症の抑制:
化合物の抗炎症活性の確定のために、PRINCESS(登録商標)NINA即時検定(Cell Culture Service GmBH)を用いた。この検定は、96ウエル平底プレート中に予め播種された組換えA549-NF-κB-SEAPレポーター細胞に基づいている。SEAP(分泌型胚性アルカリ性ホスファターゼ)に関するトランスフェクト化レポーター遺伝子はNF-κB応答性素子の転写制御下にあるので、このレポーターの発現は、TNF-αによる刺激時に活性化される。培養上清中へのSEAP分泌は、化学発光基質CSPD(登録商標)により検出され得る。NF-κB活性化を阻害する試験化合物は、SEAP活性低減および冷光読出低減を示す。
【0143】
37℃で5%COおよび90%相対湿度で18時間の再活性化後、細胞を、0.01から100 μMまでの試験化合物とともに4.5時間インキュベートした後、2 ng/mlTNF-αで刺激した。TNF-αで22時間刺激後、内因性ホスファターゼを不活性化し、CSPD(登録商標)基質を40分間供給した。次に、Tecan Ultra読取機を用いて、相対光単位(RLU)として発光を測定することにより、SEAP活性を定量した。各データ点を四重反復実験で記録し、そして適合関数およびMicrosoft Excel Solverにより、EC50値を算定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(Id)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化1】

(式中、Rは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、
【化2】

を表わし;
は、独立して、チアジアゾール、オキサゾール-2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール‐2‐イル、ベンゾオキサゾール‐4‐イル、ベンゾオキサゾール‐5‐イル、ベンゾイソオキサゾール-3-イル、ベンゾイソオキサゾール-4-イル、ベンゾイソオキサゾール-5-イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5‐トリアゾール‐6‐イル、2,4‐ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6‐イル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、1-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、シンノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピリダジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシ-ピリミジン-3-イルおよび2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルから成る群のうちの一成員(任意にR’により置換される)を表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、CO、CSまたはSOであって;
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C〜C-アルキル、線状または分枝鎖C〜C-アルケニルあるいは線状または分枝鎖C〜C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’により置換され得るし;
R’は、独立して、H、-COR”、-CONHR”、-CR”O、-SONR”、-NR”-CO-、ハロアルキル、-NO、-NR”-SO-ハロアルキル、-NR”-SO-アルキル、-SO-アルキル、-NR”-CO-アルキル、-CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、ここで、環中の炭素原子のうちの1つまたは複数は基Eにより置換され得るし;EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記のように定義され;
アルコキシ基はO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルチオ基は、S-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキル基は、HO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO-アルキル)-N-基またはHO-アルキル-NH-基を意味し、アルキルは上記と同様であり;
アルキルアミノ基は、HN-アルキルまたはN-ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり;
アリール基は、5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により置換され得るし;
ヘテロアリール基は、O、NおよびSから選択される少なくとも1つの異種原子を含有する5〜10員芳香族複素環式基を意味し、ここで、複素環式基は別の環および複素環式基と縮合され得るか、あるいは縮合環はともに1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により独立して置換され得る)。
【請求項2】
一般式(Ie)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化3】

(式中、Rは、独立して、チアジアゾール、オキサゾール-2‐イル、オキサゾール‐4‐イル、オキサゾール‐5‐イル、イソオキサゾール‐3‐イル、イソオキサゾール‐4‐イル、イソオキサゾール‐5‐イル、ベンゾオキサゾール‐2‐イル、ベンゾオキサゾール‐4‐イル、ベンゾオキサゾール‐5‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐3‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐4‐イル、ベンゾイソオキサゾール‐5‐イル、イソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イル、イソチアゾール-5-イル、ベンゾイソチアゾール-3-イル、ベンゾイソチアゾール-4-イル、ベンゾイソチアゾール-5-イル、ベンゾイミダゾール-4-イル、6-ピリミジニル、2,4-ジメトキシ-6-ピリミジニル、1,2,3-トリアゾール-4-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル、1,2,4‐トリアゾール‐5‐イル、1,3,5‐トリアゾール‐6‐イル、2,4‐ジメトキシ-1,3,5-トリアゾール-6‐イル、アクリジル、フラザン、インダゾリル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、インドリジン、1-イソインドリル、3-イソインドリル、4-イソインドリル、5-イソインドリル、6-イソインドリル、7-イソインドリル、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、ベンゾトリアゾール‐1‐イル、ベンゾトリアゾール‐4‐イル、ベンゾトリアゾール‐5‐イル、ベンゾトリアゾール‐6‐イル、ベンゾトリアゾール‐7‐イル、ベンゾトリアジン、ベンズイミダゾール-2-イル、1H-ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾール-4-イル、ベンズイミダゾール-5-イル、ベンズイミダゾール-6-イル、ベンズイミダゾール-7-イル、シンノリン、プリン、フタラジン、プテリジン、チアテトラアザインデン、チアトリアザインデン、イソチアゾロピラジン、イソチアゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾロトリアジン、トリアゾロトリアジン、トリアゾロピリジン、トリアゾロピラジン、トリアゾロピリミジン、トリアゾロピリダジン、4-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-3-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-5-イル、1-フロ[2,3-c]ピリジン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-2-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-3-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]-ジオキシン-6-イル、2,6-ジメトキシ-ピリミジン-3-イルおよび2,6-ジメトキシピリミジン-4-イルから成る群のうちの一成員(任意にR’により置換される)を表わし;
は、独立して、-NR
【化4】

を表わし;
は、独立して、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはチアゾール‐2‐イル、チアゾール‐4‐イル、チアゾール‐5‐イル、イソチアゾール‐3‐イル、イソチアゾール‐4‐イル、イソチアゾール‐5‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐オキサジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐3‐イル、1,2,5‐オキサジアゾール‐4‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐3‐イル、1,2,4‐チアジアゾール‐5‐イル、1,2,5‐チアジアゾール‐3‐イル、1‐イミダゾリル、2‐イミダゾリル、1,2,5‐チアジアゾール‐4‐イル、4‐イミダゾリル、1‐ピロリル、2‐ピロリル、3‐ピロリル、2‐フラニル、3‐フラニル、2‐チエニル、3‐チエニル、2‐ピリジル、3‐ピリジル、4‐ピリジル、2‐ピラニル、3‐ピラニル、4‐ピラニル、2‐ピリミジニル、4‐ピリミジニル、5‐ピリミジニル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピラジニル、1-ピラゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、1H‐テトラゾール‐2‐イル、1H‐テトラゾール‐3‐イル、テトラゾリル、2‐インドリル、3‐インドリル、4‐インドリル、5‐インドリル、6‐インドリル、7‐インドリル、2‐インドリニル、3‐インドリニル、4‐インドリニル、5‐インドリニル、6‐インドリニル、7‐インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾール-2-オンおよびピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジンから成る群から選択される一成員(R’により任意に置換される)を表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、COまたはSOであって;
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C〜C-アルキル、線状または分枝鎖C〜C-アルケニルあるいは線状または分枝鎖C〜C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’により置換され得るし;
R’は、独立して、H、-COR”、-CONHR”、-CR”O、-SONR”、-NR”-CO-、ハロアルキル、-NO、-NR”-SO-ハロアルキル、-NR”-SO-アルキル、-SO-アルキル、-NR”-CO-アルキル、-CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、ここで、環中の炭素原子のうちの1つまたは複数は基Eにより置換され得るし;EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記のように定義され;
アルコキシ基はO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルチオ基は、S-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキル基は、HO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO-アルキル)-N-基またはHO-アルキル-NH-基を意味し、アルキルは上記と同様であり;
アルキルアミノ基は、HN-アルキルまたはN-ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり;
アリール基は、5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により置換され得るし;
ヘテロアリール基は、O、NおよびSから選択される少なくとも1つの異種原子を含有する5〜10員芳香族複素環式基を意味し、ここで、複素環式基は別の環および複素環式基と縮合され得るか、あるいは縮合環はともに1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により独立して置換され得る)。
【請求項3】
一般式(If)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化5】

(式中、Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、
【化6】

を表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、COまたはSOであり;
は、独立して、OH、SH、NR4’OR5’、NH、アルキルアミノ、ハロゲン、CONR、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
4’、R4”、R5’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、ハロゲン、ヘテロアリールまたはアリールを表わし;
rは、1〜6であり;
tは、1〜6であり;
は、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
、R7’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、H、NH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、独立して、H、-CN、-OH、-SH、-CO4’、-C(O)R4’、-SONR4’、-NR4’5’、-C(O)NR、-SO-アルキル、-SO4’、SO4’、-N=CR4’5’、-NR4’C(O)R4”、-NR4’-CO-ハロアルキル、-NO、-NR4’-SO-ハロアルキル、-NR4’-SO-アルキル、-NR4’-CO-アルキル、-NR4’-(CHヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、-O(CH[O(CHOCH、-C(NR4”)NR4’ベンズイミダゾリル、-C(NR4”)NR4’-ベンズチアゾリル、-C(NR4”)NR4’ベンズオキサゾリル、ハロゲン、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
この場合、アルキル基は、別記しない限り、線状または分枝鎖C-C-アルキル、線状または分枝鎖C-C-アルケニル、あるいは線状または分枝鎖C-C-アルキニル基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’により置換され得るし;
R’は、独立して、H、-COR”、-CONHR”、-CR”O、-SONR”、-NR”-CO-、ハロアルキル、-NO、-NR”-SO-ハロアルキル、-NR”-SO-アルキル、-SO-アルキル、-NR”-CO-アルキル、-CN、アルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
R”は、独立して、H、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり;
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を含有する非芳香族環系を意味し、ここで、環中の炭素原子のうちの1つまたは複数は基Eにより置換され得るし;EはO、S、SO、SO、NまたはNR”であり、R”は上記のように定義され;
アルコキシ基はO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
アルキルチオ基は、S-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキル基は、HO-アルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロアルキルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されるアルコキシ基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ヒドロキシアルキルアミノ基は、(HO-アルキル)-N-基またはHO-アルキル-NH-基を意味し、アルキルは上記と同様であり;
アルキルアミノ基は、HN-アルキルまたはN-ジアルキル基を意味し、アルキル基は上記と同様であり;
ハロゲン基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり;
アリール基は、5〜15個の炭素原子を有する芳香族基を意味し、これは1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により置換され得るし;
ヘテロアリール基は、O、NおよびSから選択される少なくとも1つの異種原子を含有する5〜10員芳香族複素環式基を意味し、ここで、複素環式基は別の環および複素環式基と縮合され得るか、あるいは縮合環はともに1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により独立して置換され得る)。
【請求項4】
一般式(Ig)の化合物、あるいは酸または塩基とのその製薬上許容可能な塩、あるいはその製薬上許容可能なプロドラッグまたは立体異性体:
【化7】

(式中、Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、-NR
【化8】

を表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、COR、CO、SOR、SO、SO、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-NH、アルキルアミノ、-NRCOR、ハロゲン、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、-NH、アルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、-OH、-SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
pは、0または1であり;
qは、0または1であり;
Xは、COまたはSOであり;
は、独立して、H、OH、SH、NR4’OR5’、NH、アルキルアミノ、ハロゲン、CONR、アルコキシ、アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールであり;
4’、R4”、R5’は、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、-C(NR)NR7’、-(CHrアリール、-(CHrNR、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、ハロゲン、ヘテロアリールまたはアリールを表わし;
rは、1〜6であり;
tは、1〜6であり;
は、H、ハロゲン、アルキル、-C(NR)NR7’、-(CHアリール、-(CHNR、ヘテロアリール、-C(O)NR、-N=CR、-NRC(O)R、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノまたはアリールであり;
7’は、H、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、H、NH、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、アルキルアミノ、ヘテロアリールまたはアリールであり;
は、独立して、H、-CN、-OH、-SH、-CO4’、-C(O)R4’、-SONR4’、-NR4’5’、-C(O)NR、-SO-アルキル、-SO4’、SO4’、-N=CR4’5’、-NR4’C(O)R4”、-NR4’-CO-ハロアルキル、-NO、-NR4’-SO-ハロアルキル、-NR4’-SO-アルキル、-NR4’-CO-アルキル、-NR4’-(CHヘテロアリール、アルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルチオ、-O(CH[O(CHOCH、-C(NR4”)NR4’ベンズイミダゾリル、-C(NR4”)NR4’-ベンズチアゾリル、-C(NR4”)NR4’ベンズオキサゾリル、アリールまたはヘテロアリールを表わし;
複素環式基は別の環および複素環式基と縮合され得るか、あるいは縮合環はともに1つまたは複数の置換基R’(R’は上記と同様である)により独立して置換され得る)。
【請求項5】
薬剤としての使用のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物および製薬上許容可能な担体または希釈剤を含有する組成物。
【請求項7】
細胞の過剰増殖により特性化される疾患の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または請求項6記載の組成物。
【請求項8】
心臓、脳、末梢性四肢、腎臓、肝臓、脾臓および肺から成る群から選択される器官および/または身体の一部の虚血および/または再還流損傷に起因する疾患の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または請求項6記載の組成物であって、内皮性機能障害が梗塞、例えば心筋梗塞および重篤四肢虚血からなる群から選択される疾患と関連するか、および/または内皮性機能障害が虚血性疾患、心筋梗塞および器官の虚血性障害から成る群から選択される疾患と関連する化合物または組成物。
【請求項9】
アルツハイマー病、パーキンソン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、レービー小体型痴呆、筋萎縮性側索硬化症、卒中、癲癇、多発性硬化症、重症筋無力症、ハンチントン病、ダウン症候群、神経性難聴およびメニエール病から成る群から選択される神経学的疾患または障害の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または請求項6記載の組成物。
【請求項10】
前記疾患が乾癬、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、完全脱毛症、亜完全脱毛症、全身性脱毛症、び慢性脱毛症、皮膚の紅斑性狼瘡、扁平苔癬、皮膚の皮膚筋炎、アトピー性湿疹、限局性強皮症、強皮症、尋常性乾癬、頭部乾癬、滴状乾癬、逆位乾癬、蛇行型円形脱毛症、男性型脱毛症、アレルギー性接触性湿疹、刺激性接触性湿疹、接触性湿疹、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、増殖性天疱瘡、瘢痕性粘液性類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、粘液性類天疱瘡、皮膚炎、デューリング疱疹状皮膚炎、蕁麻疹、リポイド類壊死症、結節性紅斑、ビダール苔癬、単純性痒疹、結節性痒疹、急性湿疹、線状IgA皮膚症、多形日光皮膚症、日光紅斑、硬化性萎縮性苔癬、皮膚の発疹、薬剤発疹、慢性進行性紫斑病、異汗性湿疹、湿疹、固定薬剤発疹、光アレルギー性皮膚反応、単純性eriorale苔癬(lichen simplex eriorale)、皮膚炎および「移植片対宿主疾患」、アクネ、酒さ、瘢痕、ケロイド、白斑、光線性角化症、角質増殖症、例えば表皮剥離性角質増殖症、恒久性レンズ形角質増殖症、毛孔性角化症および魚鱗癬から成る群から選択される請求項7記載の化合物または組成物。
【請求項11】
前記疾患が血液学的または固形腫瘍から成る群から選択される請求項7記載の化合物または組成物。
【請求項12】
前記疾患が前立腺癌、黒色腫、卵巣癌および多発性骨髄腫から成る群から選択される請求項11記載の化合物または組成物。
【請求項13】
自己免疫疾患または炎症性疾患の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物あるいは請求項6記載の組成物。
【請求項14】
前記疾患が慢性関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患、炎症性皮膚疾患または紅斑性狼瘡である請求項13記載の化合物または組成物。
【請求項15】
卒中、再還流損傷およびアルツハイマー病の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物あるいは請求項6記載の組成物。
【請求項16】
ウイルス性疾患の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物あるいは請求項6記載の組成物。
【請求項17】
前記ウイルス性疾患がB型肝炎、C型肝炎、インフルエンザウイルス感染症、AIDS(HIV感染症)およびヒトパピローマウイルス感染症である請求項16記載の化合物または組成物。
【請求項18】
動脈硬化症の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物あるいは請求項6記載の組成物。
【請求項19】
骨粗鬆症の治療または予防のための請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物あるいは請求項6記載の組成物。

【公表番号】特表2009−529556(P2009−529556A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558719(P2008−558719)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002266
【国際公開番号】WO2007/104558
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(507208200)4エスツェー アクチェンゲゼルシャフト (17)
【Fターム(参考)】