説明

PPARモジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、化合物、かかる化合物を含む医薬組成物、およびペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)ファミリーの活性、特にPPARδの活性と関係する疾患または障害を処置または予防するためのかかる化合物の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2005年2月3日に出願された米国仮特許出願第60/649,962号に優先権の利益を主張する。この出願の開示内容全体は、全ての目的に関してその全体を参照により本明細書に包含される。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、化合物、かかる化合物を含む医薬組成物、およびペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)ファミリーの活性、特にPPARδの活性と関係する疾患または障害を処置または予防するためのかかる化合物の使用方法を提供する。
【0003】
背景
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)は、遺伝子発現を調節するリガンドにより活性化される転写因子である、核内ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーである。任意のPPARは、異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む多くの疾患状態と関係がある。従って、PPAR、特にPPARδの活性を調節する分子は、そのような疾患の処置において治療剤として有用である。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
1つの局面において、本発明は、式I:
【化1】

[式中、
qは、0ないし3から選択される整数であり;
およびZは、CHおよびNから独立して選択され;
は、−XOX−、−XS(O)0−2X−および−XS(O)0−2XO−から選択され;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;ここで、Lの任意のアルキレンは、所望により、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1ないし3個のラジカルにより置換されていてよく;
13は、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、R13の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;
14は、−XOXC(O)OR17および−XC(O)OR17から選択され;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;そして、R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
15およびR16は、−R18および−YR18から独立して選択され;ここで、Yは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン、−C(O)NR17−および−OX−から選択され;Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R18は、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択されるか;または、R15およびR16は、それらが結合する原子と一体となって、縮合二環式または三環式C5−14ヘテロアリールを形成し;
ここで、R18の、またはR15およびR16の組み合わせの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−217、−XS(O)0−2XR19、−XNR1717、−XNR17S(O)0−217、−XNR17C(O)R17、−XC(O)NR1717、−XNR17C(O)R19、−XC(O)NR1719、−XC(O)R19、−XNR17XR19および−XOXR19から独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、さらに、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R19は、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R19の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよい。]
で示される化合物、およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体の混合物;ならびに、かかる化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば、水和物)を提供する。
【0005】
第二の局面において、本発明は、式Iの化合物、またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物;または、それらの薬学的に許容される塩を、1個以上の適する賦形剤と混合して含む医薬組成物を提供する。
【0006】
第三の局面において、本発明は、PPAR活性、特にPPARδ活性の調節が、疾患の病理および/または症状を予防、阻止または改善し得る動物における疾患の処置方法であって、治療的有効量の式Iの化合物、またはそのN−オキシド誘導体、個々の異性体および異性体の混合物、またはそれらの薬学的に許容される塩を該動物に投与することを含む方法を提供する。
【0007】
第四の局面において、本発明は、PPAR活性、特にPPARδ活性が、疾患の病理および/または症状の一因となる動物における疾患を処置するための医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0008】
第五の局面において、本発明は、式Iの化合物、およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体の混合物、ならびにそれらの薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
定義
基および他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構造要素としての“アルキル”は、直鎖または分枝鎖であり得る。C1−6アルコキシには、メトキシ、エトキシなどが含まれる。ハロ−置換アルキルには、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが含まれる。
【0010】
“アリール”は、6ないし10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基に由来する二価ラジカルを意味する。“ヘテロアリール”は、1個以上の環メンバーがヘテロ原子であるアリールを定義する。例えば、ヘテロアリールには、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどが含まれる。“C6−10アリールC0−4アルキル”は、アルキレン基により結合した上記のアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルには、フェネチル、ベンジルなどが含まれる。
【0011】
“シクロアルキル”は、示される数の環原子を含む、飽和または部分的不飽和の、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれる。“ヘテロシクロアルキル”は、本明細書中上記のシクロアルキルである。ただし、示される1個以上の環炭素が、−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは、水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である。)から選択される部分により置換されている。例えば、本発明の化合物を記載するために本明細書で用いるC3−8ヘテロシクロアルキルには、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イルなどが含まれる。
【0012】
“ハロゲン”(または、ハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを意味するが、ブロモまたはヨードであってもよい。
【0013】
“処置する”、“処置し”および“処置”は、疾患および/またはそれに付随する症状の軽減または除去のための方法を意味する。
【0014】
好ましい態様の記載
本発明は、PPARδ活性の調節が、疾患の病理および/または症状を予防、阻止または改善し得る疾患の処置のための、化合物、組成物、および治療的有効量の式Iの化合物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0015】
1つの態様において、式Iの化合物に関して、qは、0ないし3から選択される整数であり;Lは、−XOX−、−XS(O)0−2X−および−XS(O)0−2XO−から選択され;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;ここで、Lの任意のアルキレンは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1ないし3個のラジカルにより置換されていてよく;R13は、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロゲンであり;R14は、−XOXC(O)OR17および−XC(O)OR17から選択され;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;そして、R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;R15およびR16は、−R18および−YR18から独立して選択され;ここで、Yは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、−C(O)NR17−および−OX−から選択され;Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R18は、C6−10アリール、C3−12シクロアルキルおよびC5−13ヘテロアリールから選択されるか;または、R15およびR16は、それらが結合する原子と一体となって、縮合二環式または三環式C5−14ヘテロアリールを形成し;ここで、R18の、またはR15およびR16の組み合わせの任意のアリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、所望によりC1−6アルコキシで置換されていてよいC6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−217、−XS(O)0−2XR19、−XNR1717、−XNR17S(O)0−217、−XNR17C(O)R17、−XC(O)NR1717、−XNR17C(O)R19、−XC(O)NR1719、−XC(O)R19、−XNR17XR19および−XOXR19から独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R19は、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC3−12シクロアルキルから選択され;ここで、R19の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよい。
【0016】
別の態様において、化合物は、式Ia、Ib、IcおよびId:
【化2】


(式中:m、nおよびpは、0、1、2および3から独立して選択され;各Yは、CHおよびNから独立して選択され;Rは、XOXC(O)ORおよびXC(O)ORから選択され;ここで、Xは、結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;Rは、C1−6アルキルであり;Rは、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルキルチオから選択され;そして、Rは、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルチオおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択される。)
から選択される。
【0017】
別の態様において、m、nおよびpは、0、1および2から独立して選択され;Yは、CHおよびNから選択され;Rは、XOXC(O)ORであり;ここで、Xは、結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;Rは、C1−6アルキルから選択され;Rは、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択され;そして、Rは、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択される。
【0018】
さらなる態様において、m、nおよびpは、1であり;Rは、−OCHC(O)OHであり;そして、Rは、メチルである。
【0019】
別の態様において、Rは、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびモルホリノから選択される。
【0020】
別の態様において、Rは、トリフルオロメチル、メトキシ、イソプロピルオキシおよびトリフルオロメトキシから選択される。
【0021】
本発明の好ましい化合物は、{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1,2−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;
【0022】
{4−[1,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1,5−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;
【0023】
{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(5−クロロ−ベンゾフラン−2−イル)−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−キノリン−3−イル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−[1−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−ナフタレン−2−イル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−tert−ブチル−フェニル)−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−プロピル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−p−トリル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;および、{2−メチル−4−[5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸から選択される。
【0024】
式Iのこれらの化合物を、下記の実施例および表1に詳しく記載する。
【0025】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、PPAR類の活性を調節し、そのようなものとして、PPAR類が、疾患の病理および/または症状の一因となる疾患または障害の処置に有用である。本発明はさらに、PPAR類が、疾患の病理および/または症状の一因となる疾患または障害の処置のための医薬の製造における使用のための、本発明の化合物を提供する。
【0026】
故に、かかる化合物は、予防的処置、異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、高コレステロール血症、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、悪液質、HIV消耗症候群、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、拒食症、神経性拒食症、過食症、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置のために用いられ得る。好ましくは、異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、癌、皮膚疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置のために用いられる。
【0027】
本発明の化合物を、長期的重症疾患の処置、筋肉量および/または筋力の増加、除脂肪体重の増加、高齢者の筋力および筋機能の維持、筋持久性および筋機能の増強、ならびに高齢者の脆弱性の回復または予防にも用いることができる。
【0028】
さらに、本発明の化合物を、耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関係する状態、例えば、1型および2型糖尿病、グルコース代謝異常(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、およびシンドロームX、好ましくは、1型および2型糖尿病、グルコース代謝異常(IGM)、耐糖能異常(IGT)および空腹時血糖異常(IFG)の処置および予防のための血糖降下薬として動物において用いることができる。
【0029】
上記に従い、本発明はさらに、そのような処置を必要とする対象において上記の疾患または障害の何れかを予防または処置するための方法であって、治療的有効量(下記の“投与および医薬組成物”を参照のこと)の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を該対象に投与することを含む方法を提供する。上記の使用のいずれかに関して、必要な投与量は、投与の方法、処置すべき特定の状態および所望の効果に依存して変化し得る。本発明はまた、i)医薬としての使用のための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;および、ii)上記の疾患または障害の何れかを予防または処置するための医薬の製造のための、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用、に関する。
【0030】
投与および医薬組成物
一般的に、本発明の化合物は、当技術分野で公知の常套法および許容される方法の何れかにより、単独でまたは1個以上の治療剤との組み合わせで治療的有効量を投与され得る。治療的有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および関連する健康状態、用いる化合物の効果および他の因子に依存して広範に変化し得る。一般的に、満足のいく結果は、体重1kg当たり約0.03ないし2.5mgの1日投与量で漸進的に得られることが示される。大型の哺乳動物、例えばヒトにおいて指示された1日投与量は、約0.5mgないしら約100mgの範囲であり、都合よくは、例えば、1日4回までの分割用量でまたは遅延形態で投与される。経口投与に適する単位投与量形態には、約1ないし50mgの活性成分が含まれる。
【0031】
本発明の化合物は、医薬組成物として、何れかの常套経路で、特に経腸的に、例えば錠剤またはカプセルの形態で、例えば経口で、または例えば、注射溶液または懸濁液の形態で非経腸的に、例えばローション、ジェル、軟膏またはクリームの形態で、または経鼻または坐剤形態で局所的に投与され得る。遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物を、少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物を、混合法、造粒法またはコーティング法により常套的に製造することができる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えばシリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム塩またはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤については、c)結合剤、例えばケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドンもまた;要すれば、d)崩壊剤、例えばデンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または発泡性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤と共に含む、錠剤またはゼラチンカプセルであり得る。注射可能組成物は、等張の水溶液または懸濁液であり得、坐剤は、脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造され得る。組成物は、滅菌可能であり、および/またはアジュバント、例えば保存剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶液プロモーター、浸透圧を調節するための塩、および/または緩衝剤を含んでいてよい。加えて、それらはまた、他の治療的に価値のある物質を含んでいてよい。経皮的適用に適する製剤には、有効量の本発明の化合物と担体が含まれる。担体には、宿主の皮膚を通過するのを補助する吸収性の薬理学的に許容される溶媒が含まれ得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物を所望により担体と含む貯蔵部、所望により、化合物の宿主の皮膚への送達を制御されかつ予定された速度で長時間送達するための速度制御バリアおよび、皮膚にデバイスを固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用し得る。例えば皮膚および眼への、局所適用に適する製剤は、好ましくは当技術分野で周知の水溶液、軟膏、クリームまたはゲルを含む。これらは可溶化剤、安定化剤、張性増強剤(tonicity enhancing agent)、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
【0032】
本発明はまた、治療的有効量の本明細書に記載の化合物を、1個以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0033】
本発明の化合物は、1個以上の治療剤との組み合わせで、治療的有効量で投与できる(医薬的組み合わせ)。
【0034】
故に、本発明はまた、1)上記の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;および、2)a)インスリン、インスリン誘導体および模倣物のような抗糖尿病薬;スルホニル尿素、例えばグリピザイド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えばナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン抵抗改善薬;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤;メトホルミンのようなビグアニド;アカルボースのようなα−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1模倣物;DPP728、LAF237(ビルダグリプチン−WO00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなDPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤;AGE遮断剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または特許出願WO03/043985に記載の実施例4の化合物19である(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸のようなチアゾリゾン誘導体(グリタゾン);非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570;
【0035】
b)3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチンのような脂質低下薬;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
c)フェンタミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンタミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラマート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、プソイドエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満薬または食欲調節薬;
【0036】
d)血圧降下薬、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿薬;チアジド誘導体、クロリチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿薬;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプの阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤、例えばSLV306;オマパトリラト、サムパトリラトおよびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンのようなアンジオテンシンIIアンタゴニスト、特にバルサルタン;アリスキレン、テルラキレン、ジテキレン、RO66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体遮断剤;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような強心剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断剤;アルドステロン受容体アンタゴニスト;ならびに、アルドステロンシンターゼ阻害剤;
【0037】
e)HDL増加化合物;
f)ゼチーア(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および模倣物;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
i)アナストラゾール、ファドロゾール、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)アロマターゼ阻害剤のような化学療法剤、例えば、フェマーラ、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、抗新生物性代謝拮抗剤、白金化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤のようなタンパク質活性を低下する化合物、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409の実施例21に記載のイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281の実施例92に記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および、
【0038】
m)US特許番号第5510353号の実施例13に記載のテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロンのような、5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
から選択される少なくとも1個の活性成分、またはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬的組み合わせ、例えば組み合わせ製剤または医薬組成物(固定された組み合わせ)に関する。
【0039】
最も好ましい組み合わせパートナーは、テガセロド、イマチニブ、ビルダグリプチン、メトホルミン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンもしくは(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸のようなチアゾリゾン誘導体(グリタゾン)、スルホニル尿素受容体リガンド、アリスキレン、バルサルタン、オーリスタット、またはピタバスタチン、シムバスタチン、フルバスタチンもしくはプラバスタチンのようなスタチンである。
【0040】
好ましくは、医薬的組み合わせは、治療的有効量の上記の本発明の化合物を、治療的有効量の上記の別の治療剤と組み合わせて、例えばそれぞれを当技術分野で報告されている有効な治療的用量で含む。組み合わせパートナー(1)および(2)は、1個の組み合わせた単位投与量形態でかまたは2個の別個の単位用量形態で、一緒に、一方の後に他方を、または個別に投与され得る。該単位投与量形態は、固定された形態でもあり得る。
【0041】
一般名または商品名により同定される活性成分の構造は、標準的概論“The Merck Index”の現行版または医師用処方薬参考書(Physician’s Desk Reference)、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)またはCurrent Drugsから入手され得る。これらの対応する内容を、参照により本願の一部とする。
当業者は、これらの引用文献に基づき活性成分を同定すること、同様に製造すること、およびインビトロおよびインビボの両方の標準的試験モデルにおいて薬学的適用および特性を試験することが十分に可能である。
【0042】
別の好ましい局面において、本発明は、治療的有効量の本明細書に記載の化合物を、治療的有効量の上記の群a)ないしm)から選択される活性成分の少なくとも1個、またはそれぞれの場合において、その薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物(固定された組み合わせ)に関する。
【0043】
本明細書に記載の医薬組成物または組み合わせは、異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関係する状態、例えば1型および2型糖尿病、グルコース代謝異常(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、およびシンドロームXの処置のための医薬の製造を目的とする。
【0044】
そのような治療剤には、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、インスリン、インスリン誘導体および模倣物;スルホニル尿素、例えばグリピザイドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えばナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド;タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤またはRXRリガンドのようなインスリン抵抗改善薬;メトホルミンのようなビグアニド;アカルボースのようなα−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、GLP−1類似体、例えばエキセンディン−4およびGLP−1模倣物;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばイソロイシン−チアゾリジド;DPP728およびLAF237、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤のような脂質低下薬、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチンおよびリバスタチン、スクアレンシンターゼ阻害剤またはFXR(肝臓X受容体)およびLXR(ファルネソイドX受容体)リガンド、コレスチラミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリンが含まれる。本発明の化合物は、同時に、他の活性成分の前または後に、同じまたは異なる投与経路により個別に、または同じ医薬製剤で共に投与され得る。
【0045】
本発明はまた、a)本明細書に記載の、遊離形または薬学的に許容される塩形態の本発明の化合物である第一剤、およびb)少なくとも1種の併用剤を含む、医薬的組み合わせ、例えばキットを提供する。該キットはその投与のための指示書を含み得る。
【0046】
本明細書で利用する“併用投与”または“組み合わせ投与”などの用語は、選択した複数の治療剤の患者への単独投与を包含することを意味し、薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0047】
本明細書で用いる“医薬的組み合わせ”なる用語は、2種以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する製品を意味し、活性成分の固定されたまたは固定されていない組み合わせの両方を含む。用語“固定された組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に同時に単一の要素(entity)または投与量として投与することを意味する。用語“固定されていない組み合わせ”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、患者に、別個の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続的に投与し、ここで、このような投与が患者の体内で2種の化合物の治療的有効レベルを提供することを意味する。後者はまたカクテル療法、例えば、3種またはそれ以上の活性成分の投与にも適用できる。
【0048】
本発明の化合物の製造法
本発明はまた、本発明の化合物の製造方法を包含する。記載の反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終産物で望まれるとき、反応へのそれらの望ましくない参加を避けるために保護する必要があり得る。慣用の保護基を、標準的技法に従い用いることができ、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0049】
式Iの化合物は、下記反応スキームIの通りに進行して製造できる:
【化3】


(式中、q、Z、Z、R13、R14、R15およびR16は、発明の概要に定義の通りであり、Qは、ハロゲン、−OS(O)30など(ここで、R30は、例えばメチルである。)のような脱離基である。)。式Iの化合物は、式2の化合物と式3の化合物を、適する塩基(例えば、炭酸セシウムなど)および適する溶媒(例えば、シアノメチル、DMF、DMSO、THF、ジオキサンなど)の存在下で反応させることにより製造される。要すれば、該反応に続けて、何れかのR14カルボキシレートエステルを対応する酸に鹸化を実施し得る。該反応は、約0℃ないし約60℃の範囲の温度で行われ、終了まで約10時間かかる。
【0050】
式Ia、Ib、IcおよびIdの化合物の合成を、下記の実施例に詳しく記載する。
【0051】
本発明の化合物を製造するための付加的方法
本発明の化合物は、遊離塩基形の化合物と、薬学的に許容される無機または有機酸の反応により、薬学的に許容される酸付加塩として製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形の化合物と、薬学的に許容される無機または有機塩基の反応により製造できる。
【0052】
あるいは、塩形態の本発明の化合物を、塩の出発物質または中間体を使用して製造できる。
【0053】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形は、対応する塩基付加塩または酸付加塩形態から各々製造できる。例えば酸付加塩形態の本発明の化合物は、対応する遊離塩基に、適する塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより変換できる。塩基付加塩形態の本発明の化合物は、対応する遊離酸に、適する酸(例えば、塩酸など)で処理することにより変換できる。
【0054】
非酸化形態の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、リントリクロライド、トリブロマイドなど)で、適する不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0ないし80℃で処理することにより製造できる。
【0055】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体を、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細はSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグは、誘導体化していない本発明の化合物と、適するカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)を反応させることにより製造できる。
【0056】
本発明の化合物の被保護誘導体は、当業者に既知の手段により製造できる。保護基の構築およびそれらの除去に適用できる技術の詳述は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見出し得る。
【0057】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として、簡便に製造できるかまたは本発明の工程中に形成される。本発明の化合物の水和物は、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を用いる、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により簡便に製造できる。
【0058】
本発明の化合物は、該化合物のラセミ混合物と光学活性分割剤を反応させ、ジアステレオ異性体化合物のペアを形成させ、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、それらの個々の立体異性体として製造できる。エナンチオマーの分割を、本発明の化合物の共有結合的ジアステレオマー誘導体を用いて行うことができるが、分離可能な複合体(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)が好ましい。ジアステレオマーは、異なる物理特性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィー、または好ましくは、溶解度の差異を利用した分離/分割法により分離できる。次いで、光学的に純粋なエナンチオマーを、ラセミ化をもたらさない任意の実用的手段により、分割剤と共に回収する。それらのラセミ混合物からの化合物の立体異性体の分離に適用可能な技術のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolution”, John Wiley and Sons, Inc., 1981に見出し得る。
【0059】
まとめると、式Iの化合物は、下記を含む方法により製造できる:
(a)反応スキーム1のもの;および
(b)所望により、本発明の化合物の薬学的に許容される塩への変換;
(c)所望により、塩形態の本発明の化合物の非塩形態への変換;
(d)所望により、酸化されていない本発明の化合物の薬学的に許容されるN−オキシドへの変換;
(e)所望により、本発明の化合物のN−オキシド形態の、その酸化されていない形態への変換;
(f)所望により、異性体の混合物からの本発明の化合物の個々の異性体への分割;
(g)所望により、誘導体化されていない本発明の化合物の、薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体への変換;および
(h)所望により、本発明の化合物のプロドラッグ誘導体の、その誘導体化されていない形態への変換。
【0060】
出発物質の製造法が具体的に記載されていない限り、該化合物は既知であるか、当技術分野で既知の方法と同様の方法により製造できるか、または、下記の実施例に記載の通りに製造できる。
【0061】
当業者には、上記の変換が本発明の化合物の製造法の代表的な方法であるだけであって、他の既知の方法を同様に使用できることは明白であろう。
【実施例】
【0062】
実施例
本発明を、本発明の式Iの化合物の製造法を説明する下記中間体および実施例によりさらに例示するが、限定するものではない。
【化4】

【0063】
中間体4
4−ヒドロキシ−(2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル
【化5】

【0064】
段階A:4’−ヒドロキシ−3’−メチルアセトフェノン(1)(25g、166.4mmol)およびメチル−ブロモアセテート(25.5g、166.4mmol)を、MeCN(600mL)中に溶解する。CsCO(117.8g、332.9mmol)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌する。不溶性の塩をろ過し、MeCNで洗浄後、溶媒を除去し、残渣をEtOAc中に溶解し、次いで1M HCl(3×500mL)およびHO(2×500mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、2(35.9g、161.4mmol)を白色固体として得る。
【0065】
段階B:DCM(650mL)中、(4−アセチル−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(2)(33g、151.3mmol)、77%mCPBA(54.9g、264.8mmol)およびp−TsOH(2.9g、15.1mmol)を、減圧下で48時間加熱する。その後、反応混合物を1M KI(2×500mL)およびNaHSO(2×500mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、3(28.8g、121.0mmol)を褐色シロップとして得る。
【0066】
段階C:乾燥MeOH(400mL)中、(4−アセトキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル(3)(25g、105.0mmol)の溶液を、MeOH中0.5MのNaOMe溶液(210mL、105.0mmol)と合わせ、室温で1時間撹拌する。溶液を1M HClを用いて中和し、HOで洗浄する(2×500mL)。有機層を乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、4(17.5g、89.3mmol)を褐色固体として得る:1H-NMR (400MHz, CD3OD) δ=6.65-6.51 (m, 3H), 4.60 (s, 2H), 3.75 (s, 3H), 2.19 (s, 3H);C1013のMS計算値(M+H)197.1、実測値197.2。
【0067】
【化6】

【0068】
中間体11a
4−クロロメチル−2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール
【化7】

【0069】
段階A:4−トリフルオロアニリン(1.0g、6.2mmol)を、無水トルエン(50mL)中に溶解し、0℃まで冷却する。トリメチル−アルミニウム(トルエン中2.0Nを4.3mL、8.7mmol)をゆっくり添加し、混合物を0℃で3時間撹拌する。無水トルエン(20mL)中4−メトキシベンゾニトリル(1.0g、7.8mmol)の溶液を添加し、混合物を70℃で16時間加熱する。溶液を冷却し、シリカゲルプラグを通してろ過し、酢酸エチル(200mL)で洗浄し、濃縮し、粗製8aを得、それをさらなる精製なしに段階Bに用いる:C1514OのMS計算値(M+H)294.1、実測値294.1。
【0070】
段階B:4−メトキシ−N−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ベンズアミジン(8a)および重炭酸ナトリウム(1.0g、12.4mmol)を、イソプロパノール(40mL)中で混合し(スラリー)、40℃まで加熱する。ブロモピルビン酸エチル(1.1mL、8.7mmol)を滴下し、混合物を48時間70℃で加熱し、その後、冷却し、1N HCl(30mL)を用いて酸性化する。反応混合物をEtOAcで抽出し(2×40mL)、有機層を分離させ、乾燥させ(MgSO)、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%ないし40%酢酸エチル)により、9a(0.80g、2.03mmol)を白色粉末として得る:C2018のMS計算値(M+H)391.1、実測値391.1。
【0071】
段階C:2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−カルボン酸エチルエステル(9a)(0.80g、2.03mmol)を、無水THF(10mL)中に溶解し、その後LiAlH(THF中1.0Nを3.1mL、3.1mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。混合物を1N HCl(5mL)の添加により酸性化し、酢酸エチル中に抽出し(2×10mL)、乾燥させ(MgSO)、シリカゲルプラグを通してろ過し、EtOAc(40mL)で洗浄する。真空濃縮により、粗製10a(0.21g、0.59mmol)を得、それをさらなる精製なしに次工程に用いる:C1816のMS計算値(M+H) 348.1、実測値348.1。
【0072】
段階D:[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イル]−メタノール(10a)(0.1g、0.28mmol)を、ジクロロメタン(5mL)中に溶解する。ジイソプロピル−エチルアミン(0.072mL、0.44mmol)を添加し、次いで塩化チオニル(0.030mL、0.40mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。混合物を1N HCl(5mL)で希釈し、ジクロロメタン中に抽出し(2×5mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、11aを得、それを直接次工程に用いる:C1815ClFOのMS計算値(M+H)367.1、実測値367.1。
【0073】
【化8】


【化9】


【化10】

【0074】
【化11】

【0075】
中間体15a
5−[3−クロロメチル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−2−メトキシ−ピリジン
【化12】

【0076】
段階A:4’−トリフルオロメトキシアセトフェノン(9.3g、45.4mmol)を、無水THF(200mL)中に溶解する。水素化ナトリウム(油中60%分散を3.0g、75mmol)を添加し、混合物を40℃で3時間加熱する。シュウ酸ジメチル(10.75g、91mmol)を、無水THF(100mL)中に溶解し、混合物に添加し、40℃で1時間撹拌する。混合物を冷却し、1N HCl(100mL)で酸性化し、酢酸エチル中に抽出する(2×300mL)。有機層を合わせ、1N HCl(100mL)および塩水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮する。残渣をヘキサンで粉末化し、ろ過し、12aを淡黄色結晶として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.96 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.26 (d, J=8.8 Hz, 2H) 6.97 (s, 1H), 3.87 (s, 3H);C1210のMS計算値(M+H)291.0、実測値291.0。
【0077】
段階B:2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ブト−2−エン酸メチルエステル(12a)(7.5g、25.8mmol)および(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−ヒドラジン塩酸塩(5.43g、31.0mmol)を、メタノール(100mL)中に溶解し、3時間加熱還流する。混合物を蒸発させ、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%ないし40%酢酸エチル)により精製し、13a(4.70g、11.9mmol)を白色粉末として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=8.09 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.57 (dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.19 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.06 (s, 1H), 6.76 (d, J=8.8 Hz, 1H), 3.98 (s, 3H), 3.95 (s, 3H);C1815のMS計算値(M+H)394.1、実測値394.1。
【0078】
段階C:1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(13a)(4.7g、11.95mmol)を、無水THF(10mL)中に溶解し、0℃に冷却し、その後LiAlH(THF中1.0Nを17.9mL、17.9mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。混合物を、1N HCl(150mL)をゆっくり添加して酸性にし、EtOAc中に抽出し(2×200mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、14aを得、それをさらなる精製なしに次工程に用いる:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=8.04 (d, J=2.8 Hz, 1H), 7.52 (dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1H), 7.24 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.17 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.73 (dd, J=4.0, 8.4 Hz, 1H), 6.52 (d, J=3.6 Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.93 (s, 3H);C1715のMS計算値(M+H)366.1、実測値366.1。
【0079】
段階D:[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イル]−メタノール(14a)(3.68g、10.1mmol)を、ジクロロメタン(100mL)中に溶解し、0℃に冷却する。ジイソプロピルエチルアミン(2.63mL、15.1mmol)を添加し、次いで塩化チオニル(1.1mL、15.1mmol)を添加し、混合物を0℃で2時間撹拌する。混合物を、飽和NaHCO溶液(100mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×100mL)中に抽出し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%ないし40%酢酸エチル)により、15aを得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.93 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.41 (dd, J=2.4, 8.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.05 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.63 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.48 (s, 1H), 4.56 (s, 2H), 3.82 (s, 3H);C1714ClFのMS計算値(M+H)384.1、実測値384.1。
【0080】
【化13】


【化14】

【0081】
中間体15j
メタンスルホン酸5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメチルエステル
【化15】

【0082】
段階Aにおける4−メトキシアセトフェノンを4’−モルホリノ−アセトフェノンに置換すること以外、中間体15aの方法に従い、段階Eによる塩化物の代わりにメシレートを形成する:
【0083】
段階E:アルコール(14e)(0.47mmol)を、ジクロロメタン(5mL)およびトリエチルアミン(232μL、1.65mmol)の混合物中に溶解し、その後塩化メタンスルホニル(47μL、0.6mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌する。混合物を1N HCl(10mL)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出し(2×10mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、濃縮し、15eを得、それを精製なしに次工程に用いる:C2223SのMS計算値(M+H)482.1、実測値482.1。
【0084】
【化16】

【化17】

【0085】
【化18】

【0086】
中間体19a
3−クロロメチル−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール
【化19】

【0087】
段階A:4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸(8g、38.8mmol)を、塩化チオニル(50mL)中で1時間加熱還流する。残渣を真空下で濃縮し、ジクロロメタン(2×50mL)で洗浄し、蒸発させる。残渣をジクロロメタン(100mL)中に再溶解し、アミノマロン酸ジメチル(8.55g、46.6mmol)を添加し、混合物を40℃で24時間加熱する。混合物を、飽和NaHCO溶液(20mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、水(10mL)および塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、蒸発させ、16aを結晶性物質として得、それをさらなる精製なしに次工程に用いる:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.89 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.28 (d, J=8.0 Hz, 2H), 7.16 (d, J=5.4 Hz, 1H), 5.37 (d, J=6.0 Hz, 1H), 3.85 (s, 6H);C1313NOのMS計算値(M+H)336.1、実測値336.0。
【0088】
段階B:4−イソプロポキシアニリン(7.04g、46.6mmol)を、酢酸(50mL)および濃HCl(10mL)の混合物中に溶解し、その後、亜硝酸ナトリウム(3.35g、48.5mmol)の水溶液(20mL)を0℃で滴下し、15分間撹拌する。混合物を−10℃まで冷却し、その後、2−(4−トリフルオロメトキシ−ベンゾイルアミノ)−マロン酸ジメチルエステル(16a)(13g、38.8mmol)のアセトン溶液(100mL)を滴下し、次いで、炭酸カリウム(52g、380mmol)の水溶液(150mL)を滴下する。得られる溶液を0℃で1時間撹拌し、その後、EtOAcで抽出し(2×300mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、真空下で濃縮する。残渣を無水MeOH(100mL)中に溶解し、その後ナトリウムメトキシド(MeOH中0.5Nを155mL、77.6mmol)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌する。反応物を、1N HCl(200mL)中に注ぎ、EtOAc中に抽出し(2×300mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過し、蒸発させ、酸およびエステルの混合物(17a)を得、その大部分をさらなる精製なしに段階Cに用いる。少量の試料を逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、該酸を黄色油として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.63 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.29 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.18 (d, J=8.0 Hz, 2H), 6.92 (d, J=8.4 Hz, 2H), 4.58 (m, 1H), 1.36 (s, 3H), 1.35 (s, 3H);C1917のMS計算値(M+H)408.1、実測値408.0。
【0089】
段階C:粗製1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸(17a)(38.8mmol)を、無水THF(100mL)中に溶解し、その後LiAlH(THF中1.0Nを58.2mL、58.2mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌する。混合物を、1N HCl(50mL)をゆっくり添加して酸性にし、酢酸エチル中に抽出し(3×100mL)、乾燥させ(MgSO)、シリカゲルプラグを通してろ過し、EtOAc(100mL)で洗浄する。真空下で濃縮し、18aを得、その大部分をさらなる精製なしに次工程に用いる。少量の試料を逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、該酸を黄色油として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.53 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.21 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.16 (d, J=8.0 Hz, 2H), 6.90 (d, J=8.8 Hz, 2H), 4.82 (s, 2H), 4.57 (m, 1H), 1.36 (s, 3H), 1.34 (s, 3H);C1919のMS計算値(M+H)394.1、実測値394.1。
【0090】
段階D:[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イル]−メタノール(18a)(38mmol)を、ジクロロメタン(150mL)中に溶解し、0℃まで冷却する。ジイソプロピルエチルアミン(10mL、57mmol)を添加し、次いで塩化チオニル(4.2mL、57mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌する。混合物を1N HCl(50mL)で希釈し、ジクロロメタン中に抽出し(2×100mL)、乾燥させ(MgSO)、ろ過する。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0%ないし40%酢酸エチル)により、19aを黄色油として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.57 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.17 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.92 (d, J=8.8 Hz, 2H), 4.71 (s, 2H), 4.58 (m, 1H), 1.37 (s, 3H), 1.35 (s, 3H);C1918ClFのMS計算値(M+H)412.1、実測値412.1。
【0091】
【化20】


【化21】

【0092】
【化22】

【化23】

【0093】
【化24】

【0094】
実施例1
{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸
【化25】

【0095】
段階A:2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル(4)(54mg、0.27mmol)およびCsCO(269mg、0.825mmol)を、中間体11a(92mg、0.25mmol)のMeCN溶液(5mL)に添加する。混合物を室温で3時間撹拌する。混合物をろ過後、有機溶液を濃縮し、粗製{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸メチルエステルを得、それをさらなる精製なしに次工程に用いる。
【0096】
段階B:THF(2mL)および1N LiOH(0.5mL)を、段階Bからの粗生成物に添加する。混合物を70℃で加熱し、2時間撹拌し、その後1N HCl(1mL)で酸性化する。反応混合物をEtOAc(3mL)で抽出し、有機層を分離し、真空下で濃縮する。残りをDMSO(1mL)中に取り出し、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、表題化合物(1)(36mg、0.07mmol、28%)を白色固体として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.72 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.57 (m, 2H), 7.40 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.4 Hz, 2H), 7.25 (s, 1H), 6.84 (d, J=8.8 Hz, 2H), 6.80 (s, 1H), 6.64 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.58 (d, J=8.8 Hz, 1H), 5.08 (s, 2H), 4.50 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.2 (s, 3H);C2724のMS計算値(M+H)512.2、実測値512.1。
【0097】
実施例2
{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸
【化26】

【0098】
段階A:2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル(4)(273mg、1.39mmol)およびCsCO(828mg、2.54mmol)を、中間体15a(485mg、1.27mmol)のMeCN溶液(40mL)に添加する。混合物を3時間加熱還流する。
【0099】
段階B:1N LiOH(5mL)を、段階Aからの反応混合物に直接添加し、混合物を80℃で2時間加熱し、その後冷却し、1N HCl(30mL)で酸性化する。反応混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、真空下で濃縮する。残りをDMSO(6mL)中に取り出し、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)で精製し、表題化合物(2)を白色固体として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=8.01 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.47 (dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1H), 7.19 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.10 (d, J=8.4 Hz, 2H), 6.82 (d, J=2.8 Hz, 1H), 6.74 (dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1H), 6.69 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.64 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.55 (s, 1H), 5.04 (s, 2H), 4.55 (s, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.21 (s, 3H);C2623のMS計算値(M+H)530.2、実測値530.1。
【0100】
実施例3
{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸
【化27】

【0101】
段階A:2−(4−ヒドロキシ−フェノキシ)−プロピオン酸メチルエステル(4)(477mg、2.43mmol)およびCsCO(1.6g、4.86mmol)を、中間体19a(1g、2.43mmol)のMeCN溶液(50mL)に添加する。混合物を3時間加熱還流する。
【0102】
段階B:1N LiOH(10mL)を、段階Aからの反応混合物に直接添加し、混合物を80℃で2時間加熱し、その後冷却し、1N HCl(50mL)で酸性化する。反応混合物をEtOAcで抽出し(2×100mL)、有機層を合わせ、真空下で濃縮する。残りをDMSO(6mL)中に取り出し、逆相HPLC(HO/MeCN勾配)により、表題化合物を白色固体として得る:1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ=7.57 (d, J=8.8 Hz, 2H), 7.24 (d, J=9.2 Hz, 2H), 7.19 (d, J=8.0 Hz, 2H), 6.93 (m, 3H), 6.79 (dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1H), 6.65 (d, J=8.8 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.58 (m, 3H), 2.27 (s, 3H), 1.38 (s, 3H), 1.36 (s, 3H);C2827のMS計算値(M+H)558.2、実測値558.2。
【0103】
適当な出発物質を用いて上記の実施例に記載の方法を繰り返し、表1に定義する下記の式Iの化合物を得る。
【0104】
【表1】


【表2】


【表3】


【表4】

【0105】
【表5】


【表6】


【表7】

【0106】
【表8】


【表9】


【表10】


【表11】

【0107】
転写アッセイ
トランスフェクションアッセイを用いて、本発明の化合物のPPARの転写活性を調節する能力を評価する。簡単には、PPARδ、PPARαまたはPPARγの何れかのリガンド結合ドメイン(LBD)と結合した酵母GAL4のDNA結合ドメインを含むキメラタンパク質の発現ベクターを、ルシフェラーゼ遺伝子がGAL4結合部位の制御下にあるレポータープラスミドと共に、哺乳動物細胞中に一過性トランスフェクションにより導入する。PPARモジュレーターへの暴露により、PPAR転写活性が変化し、このことは、ルシフェラーゼレベルの変化により観察され得る。トランスフェクトされた細胞を、PPARアゴニストに暴露すると、PPAR依存的転写活性が増加し、ルシフェラーゼレベルが上昇する。
【0108】
293Tヒト胚性腎臓細胞(8x10)を、175cmフラスコ中に播種し、1日後に、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/抗真菌剤(Fungizome)、DMEM培地中での実験を開始する。該細胞をPBS(30ml)で洗浄して集め、その後トリプシン(0.05%;3ml)を用いて分離する。トリプシンは、アッセイ培地(DMEM、CA−デキストランウシ胎仔血清(5%))の添加により不活性化する。該細胞をスピンダウンし、170,000細胞/mlに再懸濁する。GAL4−PPAR LBD発現プラスミド(1μg)、UAS−ルシフェラーゼレポータープラスミド(1μg)、Fugene(3:1比;6μL)および血清不含有培地(200μL)のトランスフェクション混合物を調製し、室温で15−40分間インキュベートする。トランスフェクション混合物を細胞に添加して0.16M細胞/mLにし、その後、細胞(50μl/ウェル)を、384の白色、硬い底の、TC処理プレート中に播種する。該細胞を、37℃、5.0%COにてさらに5−7時間インキュベートする。12個の一連の希釈物(3倍連続希釈物)を、10μM濃度の出発化合物を含むDMSO中各試験化合物について調製する。試験化合物(500nl)をアッセイプレートの各ウェルの細胞に添加し、該細胞を、37℃、5.0%COで18−24時間インキュベートする。細胞溶解/ルシフェラーゼアッセイ緩衝液、Bright−GloTM(25%;25μl;Promega)を各ウェルに添加する。室温でさらに5分間インキュベーション後、ルシフェラーゼ活性を測定する。
【0109】
原発光値(Raw luminescence value)を、各プレートで認められるDMSO対照の値でそれらを割ることによって標準化する。標準化したデータを分析し、用量応答曲線を、Prizmグラフフィッティングプログラムを用いて適合させる。EC50は、該化合物が、最大値と最小値の中間の応答を誘導する濃度として定義される。相対的効果(または、効果パーセント)を、基準PPARモジュレーターについて得られる最大値を有する化合物により誘導される応答と比較することにより計算する。
【0110】
遊離形または薬学的に許容される塩形態の式Iの化合物は、例えば本明細書で記載のインビトロ試験により示される通り、有益な薬理学的特性を示す。
【0111】
本明細書に記載の例および態様は、説明の目的のためのみであり、それに照らした様々な修飾または変形が当業者に示唆され、それらは本発明の精神および範囲の範囲内、ならびに添付の特許請求の範囲内に包含されることは理解されるべきである。本明細書で引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的に関して参照により本明細書中に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
qは、0ないし3から選択される整数であり;
およびZは、CHおよびNから独立して選択され;
は、−XOX−、−XS(O)0−2X−および−XS(O)0−2XO−から選択され;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;ここで、Lの任意のアルキレンは、所望により、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1ないし3個のラジカルにより置換されていてよく;
13は、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、R13の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;
14は、−XOXC(O)OR17および−XC(O)OR17から選択され;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;そして、R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
15およびR16は、−R18および−YR18から独立して選択され;ここで、Yは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン、−C(O)NR17−および−OX−から選択され;Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R18は、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択されるか;または、R15およびR16は、それらが結合する原子と一体となって、縮合二環式または三環式C5−14ヘテロアリールを形成し;
ここで、R18の、またはR15およびR16の組み合わせの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−217、−XS(O)0−2XR19、−XNR1717、−XNR17S(O)0−217、−XNR17C(O)R17、−XC(O)NR1717、−XNR17C(O)R19、−XC(O)NR1719、−XC(O)R19、−XNR17XR19および−XOXR19から独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル置換基は、さらに、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R19は、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R19の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよい。]
で示される化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体およびプロドラッグ。
【請求項2】
qが、0ないし3から選択される整数であり;
が、−XOX−、−XS(O)0−2X−および−XS(O)0−2XO−から選択され;ここで、Xは、結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;ここで、Lの任意のアルキレンは、所望により、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1ないし3個のラジカルにより置換されていてよく;
13が、C1−6アルキル、C1−6アルコキシおよびハロゲンであり;そして
14が、−XOXC(O)OR17および−XC(O)OR17から選択され;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;そして、R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;
15およびR16が、−R18および−YR18から独立して選択され;ここで、Yは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、−C(O)NR17−および−OX−から選択され;Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R18は、C6−10アリール、C3−12シクロアルキルおよびC5−13ヘテロアリールから選択されるか;または、R15およびR16が、それらが結合する原子と一体となって、縮合二環式または三環式C5−14ヘテロアリールを形成し;
ここで、R18の、またはR15およびR16の組み合わせの任意のアリール、ヘテロアリールおよびシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、所望によりC1−6アルコキシで置換されていてよいC6−10アリール、C5−13ヘテロアリール、−XS(O)0−217、−XS(O)0−2XR19、−XNR1717、−XNR17S(O)0−217、−XNR17C(O)R17、−XC(O)NR1717、−XNR17C(O)R19、−XC(O)NR1719、−XC(O)R19、−XNR17XR19および−XOXR19から独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは、結合またはC1−4アルキレンであり;R17は、水素およびC1−6アルキルから選択され;そして、R19は、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−8ヘテロシクロアルキルおよびC3−12シクロアルキルから選択され;ここで、R19の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルは、所望により、ハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから独立して選択される1ないし3個のラジカルで置換されていてよい、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式Ia、Ib、IcおよびId:
【化2】

[式中、
m、nおよびpは、0、1、2および3から独立して選択され;それぞれ、
Yは、CHおよびNから独立して選択され;
は、XOXC(O)ORおよびXC(O)ORから選択され;ここで、Xは、結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Rは、水素およびC1−6アルキルから選択され;
は、C1−6アルキルであり;
は、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびハロ−置換−C1−6アルキルチオから選択され;
は、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルチオおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択される。]
から選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
m、nおよびpが、0、1および2から独立して選択され;
Yが、CHおよびNから選択され;
が、XOXC(O)ORであり;ここで、Xが、結合、C1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そして、Rが、水素およびC1−6アルキルから選択され;
が、C1−6アルキルであり;
が、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択され;そして、
が、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択される、
請求項3記載の化合物。
【請求項5】
m、nおよびpが、1であり;Rが、−OCHC(O)OHであり;そして、Rがメチルである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、メトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルおよびモルホリノから選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、トリフルオロメチル、メトキシ、イソプロピルオキシおよびトリフルオロメトキシから選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1,2−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−イミダゾール−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1,5−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1,5−ビス−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;
{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−メトキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(5−クロロ−ベンゾフラン−2−イル)−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−キノリン−3−イル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−[1−(4−フルオロ−フェニル)−5−メチル−1H−ピラゾール−4−イル]−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−ナフタレン−2−イル−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[5−(4−tert−ブチル−フェニル)−1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(4−プロピル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{4−[1−(4−イソプロポキシ−フェニル)−5−(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−p−トリル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;{2−メチル−4−[1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸;および、{2−メチル−4−[5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−1−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−3−イルメトキシ]−フェノキシ}−酢酸から選択される、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
治療的有効量の請求項1記載の化合物を薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項10】
PPAR活性の調節が疾患の病理および/または症状を予防、阻止または改善し得る動物における疾患または障害を処置するための方法であって、治療的有効量の請求項1記載の化合物を該動物に投与することを含む、方法。
【請求項11】
PPAR活性が、PPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1種のPPARである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
PPAR活性が、PPARαおよびPPARδの両方である、請求項11記載の方法。
【請求項13】
疾患または障害が、予防的処置、異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、悪液質、炎症、関節炎、癌、拒食症、神経性拒食症、過食症、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、過敏性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型糖尿病、2型糖尿病、およびシンドロームXから選択される、請求項10記載の方法。
【請求項14】
疾患または障害が、HIV消耗症候群、長期的重症疾患、減少した筋肉量および/または筋力、減少した除脂肪体重、高齢者の筋力および筋機能の維持、減少した筋持久性および筋機能、ならびに高齢者の脆弱性から選択される、請求項10記載の方法。
【請求項15】
PPAR活性が疾患の病理および/または症状の原因である動物における疾患の処置のための医薬の製造を目的とした、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
PPAR活性が、PPARα、PPARδおよびPPARγから選択される少なくとも1種のPPARである、請求項15記載の使用。
【請求項17】
PPAR活性が、PPARαおよびPPARδの両方である、請求項16記載の使用。
【請求項18】
治療的有効量の請求項1ないし9のいずれか一項に記載の化合物を1個以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項19】
(なし)
【請求項20】
以下に記載するもの:
1)請求項1ないし5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;および、
2)a)インスリン、インスリン誘導体および模倣物のような抗糖尿病薬;スルホニル尿素、例えばグリピザイド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えばナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌促進性スルホニル尿素受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン抵抗改善薬;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼA阻害剤;メトホルミンのようなビグアニド;アカルボースのようなα−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、エキセンディン−4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1模倣物;DPP728、ビルダグリプチン、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;AGE遮断剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸のようなチアゾリゾン誘導体(グリタゾン);非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570;
b)3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素A(HMG−CoA)還元酵素阻害剤、例えばロバスタチン、ピタバスタチン、シムバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン、フルバスタチン、ダルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチンのような脂質低下薬;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリン;
c)フェンタミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンタミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラマート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、プソイドエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満薬または食欲調節薬;
d)血圧降下薬、例えばエタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿薬;チアジド誘導体、クロリチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿薬;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプの阻害剤;中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、例えばチオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072;ECE阻害剤、例えばSLV306;オマパトリラト、サムパトリラトおよびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンのようなアンジオテンシンIIアンタゴニスト、特にバルサルタン;アリスキレン、テルラキレン、ジテキレン、RO66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体遮断剤;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような強心剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネル遮断剤;アルドステロン受容体アンタゴニスト;ならびに、アルドステロンシンターゼ阻害剤;
e)HDL増加化合物;
f)ゼチーア(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および模倣物;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
i)アナストラゾール、ファドロゾール、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)アロマターゼ阻害剤のような化学療法剤、例えば、フェマーラ、抗エストロゲン剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性剤、アルキル化剤、抗新生物性代謝拮抗剤、白金化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤のようなタンパク質活性を低下する化合物、好ましくはイマチニブまたは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド;および、
m)テガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロンのような、5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;または、それぞれの場合において、それらの薬学的に許容される塩から選択される、少なくとも1個の活性成分;
および、所望により、薬学的に許容される担体
を含む、医薬的組み合わせ、とりわけ医薬組成物。
【請求項21】
異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型および2型糖尿病、グルコース代謝異常(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、およびシンドロームXのような、耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置または予防のための、請求項19記載の医薬組成物、または請求項20記載の組み合わせ。
【請求項22】
医薬としての使用のための、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の化合物、請求項20記載の医薬組成物、または請求項21記載の組み合わせ。
【請求項23】
異常脂質血症、脂質異常症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚疾患、呼吸器疾患、眼科疾患、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型および2型糖尿病、グルコース代謝異常(IGM)、耐糖能異常(IGT)、空腹時血糖異常(IFG)、およびシンドロームXのような、耐糖能異常、高血糖症およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置または予防のための医薬の製造を目的とした、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の化合物、請求項20記載の医薬組成物、または請求項21記載の組み合わせの使用。

【公表番号】特表2008−528700(P2008−528700A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−554257(P2007−554257)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/003924
【国際公開番号】WO2006/084176
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】