説明

p38キナーゼ阻害剤としてのインドール系誘導体

【課題】 上昇されたp38−α活性によって特徴付けられる(疾患)状態の治療に有用な方法及び化合物。
【解決手段】 ピペリジン又はピペラジン核を介してインドール残基に結合したフェニル又はチエニルを含むと共に、該インドール残基が、環窒素原子上にアミノ基又は置換アミノ基である置換基を必然的に有する化合物。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2002年9月3日に出願された米国仮特許出願第60/408,493号に基づく優先権を主張する。この米国仮出願は引用を以って本書に繰り込みここに記載されたものとみなす。
【技術分野】
【0002】
本発明は、キナーゼp38−αの上昇された活性と関連する種々の疾患の治療に関する。より具体的には、本発明は、これらの方法で有用なピペラジン系又はピペリジン系成分と結合し、1位においてアミンで置換されたインドール誘導体に関連する化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
極めて多くの慢性及び急性(疾患)状態が、炎症反応の撹乱と関連することが認識されている。極めて多様なサイトカインがこの反応に関与する。例えば、IL−1、IL−6、IL−8及びTNFが該当する。炎症の調節におけるこれらサイトカインの活性は、細胞情報伝達経路に関する酵素、即ち一般的にp38として知られている或いはCSBP及びRKとして知られているMAPキナーゼファミリーのメンバーの活性に少なくとも部分的に依存しているものと思われる。このキナーゼは、生理化学的ストレス、リポ多糖による処置又はIL−1及びTNFのような炎症誘発性サイトカインによる処置による刺激後の二重(dual)リン酸化によって活性化される。従って、p38のキナーゼ活性の阻害剤は、有用な抗炎症剤であるといえる。
【0004】
国際特許出願(PCT出願)WO98/06715、WO98/07425及びWO96/40143は、種々の疾患状態とp38キナーゼ阻害剤との関係について記載している。これら国際特許出願は引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとみなす。これらの出願において言及されているように、p38キナーゼの阻害剤は、慢性炎症と関連する種々の疾患の治療に有用である。これらの出願は、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形関節炎、通風性関節炎、その他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、グラム陰性敗血症、毒物ショック症候群、喘息、成人呼吸窮迫症候群、脳卒中、再灌流損傷、神経性外傷及び虚血のようなCNS損傷、乾癬、再狭窄、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、慢性閉塞性肺疾患、膵嚢胞性繊維症、珪肺症、肺サルコシス(sarcosis)、骨折治癒(bone fracture healing)、骨粗鬆症のような骨吸収疾患、柔組織損傷、移植片対宿主反応、クローン病、炎症性腸疾患(IBD)を含む潰瘍性大腸炎及びピレシス(pyresis)を列記している。
【0005】
上記PCT出願は、上記疾患状態の治療に有用であると言及されたp38キナーゼ阻害剤である複数の化合物を開示している。これらの化合物は、イミダゾールであるか、又はカルボキサミド結合によって結合されるピペラジン環によって3位又は4位において置換を受けたインドールである。ピペラジンとインドールとのコンジュゲートである化合物は他にもあり、それら化合物はWO97/26252に殺虫剤として記載されている。この国際特許出願も引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとみなす。
【0006】
p38−αキナーゼを阻害するアロイル/フェニル置換ピペラジン及びピペリジンが、2000年3月9日に公開されたPCT公報WO00/12074に幾つか記載されている。更に、当該酵素を阻害するインドリル置換ピペリジン及びピペラジンが1999年12月2日に公開されたPCT公報WO99/61426に記載されている。p38−α阻害剤としてのピペリジン及びピペラジンのカルボレン(carbolene)誘導体が2000年3月24日に出願されたPCT/US00/07934に記載されている。
【0007】
インドール誘導成分の特定の置換基に注目された一群の化合物が(これらもまたピペリジン又はピペラジンを介して芳香系に結合されている)、2000年11月30日に公開されたPCT公報WO00/71535に記載されている。この刊行物の内容も引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとみなす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上昇されたp38−α活性によって特徴付けられる(疾患)状態の治療に有用な方法及び化合物を提供する。これらの状態には、後述するような炎症、増殖性疾患及びある種の循環器障害並びにアルツハイマー病等が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の化合物は、とりわけα−アイソフォームのp38キナーゼを阻害することが見出され、従ってこれらキナーゼの活性によって媒介される疾患の治療に有用である。本発明の化合物は、式

で表されるもの及びその医薬的に許容可能な塩であり、
但し、
は一方がCAでかつ他方がCR、但しRは水素又は非妨害性置換基であり、
Aは−W−COXY、但しYはCORで、Rは水素又は非妨害性置換基、WとXはそれぞれ好ましくは2〜6Åのスペーサ、iとjは互いに独立に0、1又は2であり、
はそれぞれ互いに独立にH、又は非妨害性置換基、ただし2つのRは、任意的に、該2つのRと結合する窒素を含む5〜7員環を形成してもよく、
はそれぞれ互いに独立に非妨害性置換基であり、
nは0〜3であり、
及びLはそれぞれリンカーであり、
はそれぞれ互いに独立に非妨害性置換基であり、
mは0〜4であり、
はCR又はN、但しRは水素又は非妨害性置換基であり、
Arは0〜5個の非妨害性置換基で置換されたフェニル又はチエニル基、但し2つの非妨害性置換基が融合環を形成してもよく、及び
に結合するArの原子とα環の中心との間の距離は、好ましくは4.5〜24Åである。
【0010】
他の側面では、本発明は、少なくとも1つの式(1)の化合物又はその塩を含有する医薬組成物に関する。更に他の側面では、本発明は、本発明の化合物を用いた炎症又は増殖性状態を治療する方法に関する。また、本発明は、本発明の化合物を用いた心不全及びアルツハイマー病と関連する状態の治療に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
式(1)の化合物は、とりわけα−アイソフォーム(α−イソ型)のp38キナーゼの過剰活性によって特徴付けられる状態の治療に有効である。「上昇されたp38−α活性によって特徴付けられた」状態には、当該酵素が増加された量で存在する状態又は当該酵素がその本来の活性が上昇するよう修飾された状態又は前二者が同時に生起した状態が含まれる。従って、「上昇された活性」は、その原因に関わらず、当該タンパク質の有効性が不所望に大きい任意の状態をいう。
【0012】
本発明の化合物は、p38−αキナーゼが上昇された活性を示す状態において有用である。これらの状態は、線維症及び器官硬化症が、炎症、酸化傷害、低酸素、変動された温度又は容積モル浸透圧濃度によって引き起こされる状態又はそれらを伴う状態、細胞ストレス、アポトーシス又はネクローシスを引き起こす状態である。これらの状態には、虚血−再灌流傷害、鬱血性心不全、進行性肺及び気管支繊維症、肝炎、関節炎、炎症性腸疾患、糸球体硬化症、間質性副腎線維症、眼、膀胱及び生殖系の慢性瘢痕疾患、骨髄異形成症、慢性感染性又は自己免疫性状態、及び外傷性又は手術起因創傷が含まれる。これらの状態は、p38−αを阻害する化合物によって治癒され得ることはもちろんである。更に、本発明の化合物による治療方法は、後述のとおりである。
【0013】
本発明の化合物
【0014】
本発明において有用な化合物は、2つの必須的置換基を含むインドール系化合物誘導体である。当該置換基の一方、即ちAは、インドールの2位又は3位に相応する部位に位置する。当該必須的置換基の他方は、インドール窒素におけるアミノ置換基である。
【0015】
上記の説明中には、分子の所定の位置が「非妨害性置換基」を許容すると記載してある。この術語を使用した理由は、当該置換基が、当該位置においては、一般的に言って、全体として呈する当該分子の本質的な活性に関連しないということである。当該位置においては極めて多様な置換基を適用することができ、また、特定された任意の置換基が「非妨害性」であるか否かを決定することは、当業者であれば容易に実行できる。
【0016】
本書において、「非妨害性置換基」とは、p38−α活性を阻害する式(1)の化合物の能力を質的に損なわれない状態に維持する置換基をいうものとする。従って、この置換基は、p38−αの阻害の程度を変化させることもあり得る。しかしながら、式(1)の化合物p38−α活性を阻害する能力を維持する限り、該置換基は「非妨害性」であると分類される。任意の化合物のp38−α活性を阻害する能力を求めるためのアッセイは多々存在し、当業者であれば容易に利用できる。この評価のための全血アッセイを以下に説明する:p38−αに対する遺伝子をクローン化した。タンパク質は、組換え的手法により調製することができる。その活性の評価には、任意に選択された化合物の当該活性を妨害する能力の評価も含まれる。分子の本質的特徴は厳格に規定される。「非妨害性置換基」によって占有される位置は、当業者に知られている通常の有機成分によって置換することも可能である。そのような置換基の外延(outer limits)を調べることは本発明には関係が無い。本化合物の本質的特徴は、本書に詳細に示されるとおりである。
【0017】
更に、L及びLは、本書においては、リンカーとして記載されており、本分子の部分間に距離を付与することを目的としている。典型的なリンカーには、アルキレン、即ちアルケニレン−即ち二重結合(一方の末端における二重結合を含む。)を含有するアルキレン成分が含まれる。他の好適なリンカーには、例えば、置換アルキレン又はアルケニレン(カルボニル成分を含む。)等が含まれる。好ましい一実施形態では、Lはカルボキシル基である。他の好ましい一実施形態では、Lはアルキレン、又はフェニル又はメチル基で置換されたアルキレンである。
【0018】
本書において、「ハイドロカルビル(hydrocarbyl)残基」とは、炭素及び水素のみを含有する残基をいうものとする。この残基は、脂肪族又は芳香族、直鎖状、環状、分枝状、飽和又は不飽和の何れであってもよい。しかしながら、ハイドロカルビル残基は、そのように指称される場合、置換残基の構成要素として炭素及び水素の他にヘテロ原子を含有することもある。従って、そのようなヘテロ原子を含有すると特に言及された場合、ハイドロカルビル残基は、カルボニル基、アミノ基、水酸基等を含有し得、又はハイドロカルビル残基の「骨格」の内部に(「骨格」の一部として)ヘテロ原子を含有し得る。
【0019】
本書において、「無機残基」とは、炭素を含有しない残基をいうものとする。例えば、ハロ、ヒドロキシ、NO又はNHが該当するが、これらに限定されない。
【0020】
本書において、術語「アルキル」、「アルケニル」及び「アルキニル」には、直鎖状、分枝状及び環状の一価の置換基が含まれる。例えば、メチル、エチル、イソブチル、シクロヘキシル、シクロペンチルエチル、2−プロペニル、3−ブチニル等が該当する。典型的には、アルキル、アルケニル及びアルキニル置換基は、1−10C(アルキル)又は2−10C(アルケニル又はアルキニル)を含有するが、好ましくは、1−6C(アルキル)又は2−6C(アルケニル又はアルキニル)を含有する。ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニルも同様に定義されるが、骨格残基内部に1−2個のへテロ原子O、S又はN又はそれらの任意の組合せを含有し得る。
【0021】
本書において、「アシル」は、カルボニル基を介して更なる他の残基と結合されたアルキル、アルケニル、アルキニル及びそれらの関連するヘテロ型の定義を含む。
【0022】
「芳香族」成分とは、フェニル又はナフチルのような単環又は融合二環成分をいうが、1又は2以上のヘテロ原子を含有するものも含まれるものとする。「複素芳香族」自体は、O、S及びNから選択される1又は2以上のヘテロ原子を含有する単環又は融合二環系をいうものとする。ヘテロ原子の包含は、5員環及び6員環の包含を可能にする。従って、典型的な芳香族系には、フェニル、ナフチル、ピリジル、ピリミジル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、イソキノリル、キノリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル等が含まれる。環系全体に亘る電子分布の観点から芳香族の性質を有する任意の単環又は融合二環系はこの定義に含まれる。典型的には、該環系は、5−12環員原子を含有する。
【0023】
同様に、「アリールアルキル」及び「ヘテロアリールアルキル」とは、置換又は非置換型、飽和又は不飽和型の、典型的には1−6Cの炭素鎖等の炭素鎖を介して他の残基と結合した芳香族及びヘテロ芳香族系をいうものとする。当該炭素鎖は、これらの置換基をアシル成分としてアリールアルキル等に付与することを可能とするカルボニル基を含むことも可能である。
【0024】
式(1)の化合物が1又は2以上のキラル中心を有する場合、本発明は、付加的に、純粋な形態及び混合型のステレオアイソマー又はエナンチオマーを含む。
【0025】
一実施形態において、本化合物のLに結合するArの原子とα環との間の部分に関し、L及びLは、置換基Arとα環との間に4.5〜24Å、好ましくは6〜20Å、より好ましくは7.5〜10Åの間隔(距離)を形成するリンカーであることが好ましい。この間隔は、α環の中心と、リンカーLが結合するArの原子との間で測定される。典型的には、勿論限定されるべきではないが、L及びLの或る実施形態は、CO及びその同配体(アイソスター)、又は置換同配体、又はより長い炭素の形態をなす。L及び/又はLは、任意的に非妨害性置換基で置換されたアルキレン又はアルケニレンであってよく、又はL又はLは、N、S又はOのようなヘテロ原子であるかヘテロ原子を含んでいてもよい。そのような置換には、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアリールアルキル、NH−アロイル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOからなる群から選択される成分が含まれるが、それらに限定されない。但し、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ型であり、該2つの置換基は結合してカルボニル成分又は該カルボニル成分のオキシム、オキシムエーテル、オキシムエステル若しくはケタールを形成してもよい。
【0026】
CO及びCHの同配体は、SO、SO又はCHOHを含む。CO及びCHが好ましい。
【0027】
Arは、フェニル又はチエニルであり、これらは任意的に置換されていてもよい。
【0028】
Ar上の置換基は、それぞれ互いに独立に、O、S及びNから選択される0〜5個のヘテロ原子を含有するハイドロカルビル残基(1−20C)であるか、又は有機残基である。好ましい置換基には、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアルキルアリール、NH−アロイル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOからなる群から選択されるものが含まれる。但し、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ型であり、隣接する部位に位置する該任意的な置換基の2つは結合して、任意的に置換された芳香性又は非芳香性、飽和又は不飽和の融合3−8員環を形成してもよい。より好ましい置換基には、ハロ、アルキル(1−4C)、アルコキシ(1−6C)が含まれ、一層好ましくは、フルオロ、クロロ及びメチルが含まれる。これらの置換基は、Arのアリール環の利用可能な全ての部位、好ましくは1〜2ヶ所、最も好ましくは1ヵ所を占有してもよく、又はフェニル若しくはチエニルは非置換であってもよい。ハロのようなある種の置換基は、当業者には既知のように、更に置換を受けることはないことは勿論である。
【0029】
とLの間には、以下の式のピペリジン又はピペラジン残基が介在する:

【0030】
はCR又はNであり、RはH又は非妨害性置換基である。非妨害性置換基Rには、ハロ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、アシル、カルボキシ、又はヒドロキシが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、ZがCH又はNである化合物が含まれる。
【0031】
は、O、S及びNから選択される0〜5個のヘテロ原子を含有するヒドロカルビル残基(1−20C)のような非妨害性置換基を表す。好ましくは、Rは、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、アリールオキシ、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、RCO、アシル、ハロ、CN、OR、NRCOR又はNRである。但し、RはH、アルキル(好ましくは1−4C)、アリール、又はそれらのヘテロ型である。個々の適切な置換基は、それ自体、非置換であるか又は1−3置換基によって置換されている。これらの置換基は、好ましくは互いに独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアルキルアリール、NH−アロイル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOを含む群から選択される。但し、Rは互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ型である。隣接する部位に位置する2つのRは結合して任意的に置換された芳香性又は非芳香性、飽和又は不飽和の融合3−8員環を形成してもよく、又はRは、=O又はそのオキシム、オキシムエーテル、オキシムエステル又はケタールである。Rは環にm個存在してもよい。mは0〜4の整数である。Rは、好ましい実施形態では、アルキル(1−4C)とりわけ2つのアルキル置換基と、カルボニルである。Rは、最も好ましくは、ピペリジニル又はピペラジニル環の2位及び5位又は3位及び6位に位置する2つのメチル基、又は該環の好ましくは5位に位置する=Oである。置換型はキラルであってもよい。単離された1つのエナンチオマーが好ましいであろう。
【0032】
も非妨害性置換基を表す。そのような置換基には、O、S及び/又はNから選択される0〜2個のヘテロ原子を含有するヒドロカルビル残基(1−6C)、及び無機残基が含まれる。nは0〜3の整数であり、0又は1が好ましい。Rで表される置換基は、好ましくは、互いに独立に、ハロ、アルキル、ヘテロアルキル、OCOR、OR、NRCOR、SR又はNRである。但し、RはH、アルキル、アリール、又はそれらのヘテロ型である。Rは、より好ましくは、アルキル、アルコキシ又はハロから選択され、最も好ましくはメトキシ、メチル、及びクロロから選択される。最も好ましくは、nが0でα環が非置換(但しLを除く)であるか、nが1でRがハロ、アルコキシ又は低級アルキルである。
【0033】
はそれぞれ互いに独立にH、アルキル(1−6C)、アルケニル(2−6C)、アルキニル(2−6C)、アシル(1−6C)、アリール、アリールアルキル又はアリールアシルであるが、これらは全て1又は2以上のヘテロ原子を含有してもよい。Rとしてのこれら置換基は全て、水素を除き、任意的に、ハロ、OCOR、OR、NRCOR、SR、又はNRによって置換を受けてもよい。但しRはH、アルキル、アルケニル又はアシル、又はそれらのヘテロ原子含有型である。更に、R置換基は、当該R置換基上の任意の置換基も含めて、環状窒素含有環(cyclic nitrogen containing ring)を形成してもよい。好ましくは、Rは、それぞれ、水素、アルキル(1−4C)又はアミノアルキルであり、2つのR置換基を架橋することにより得られる環型を含む。好ましい実施形態では、アミノ、ジメチルアミノ、ピペラジニル、ピペリジニル、オキサゾリル等のインドール窒素の置換基も含まれる。他の好ましい一実施形態では、一方のRがHでありかつ他方のRがCORであるか(但しRがメチルであると好ましい)、又は各Rがアルキル、より好ましくはメチルである。他の一実施形態では、一方のRがHでありかつ他方のRがH以外の置換基である。
【0034】
必須的置換基NRは、本発明の化合物の優れた活性特性に寄与する。
【0035】
必須的置換基CAは3位に位置するのが好ましい。この置換基が占有する部位が何れであっても、他方の部位はCRである(が位置する)。好ましい実施形態では、Rには水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアルキルアリール、NH−アロイル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOが含まれる。但し、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ型である。最も好ましくは、Rは、H、アルキル、例えばメチルである。Rの他の好ましい形態には、H、アルキル、アシル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ハロ、OR、NR、SR、NRCOR、アルキル−OOR、RCO、COOR及びCNが含まれる。但し、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、又はアリール、又はそれらのヘテロ型である。
【0036】
Aは−W−COXYであり、YはCORで、Rは非妨害性置換基である。WとXはそれぞれスペーサであり、例えば、任意的に置換されたアルキル、アルケニル、又はアルキニルであってよく、iとjはそれぞれ0又は1である。WとXは非置換であると好ましい。2つのカルボニル基が隣り合うようjが0であると好ましい。好ましくはiも0であり、これにより近位のCOが環に隣接(直結)する。しかしながら、近位のCOが環から離隔された化合物は、最初にグリオキサル置換されたβ環の選択的還元によって容易に調製することができる。本発明の最も好ましい実施形態では、α/β環系は3位にCAを有するインドールであり、かつAはCOCORである。
【0037】
によって表される非妨害性置換基は、RがH以外の場合、O、S及び/又はNから選択される0〜5個のヘテロ原子を含有するハイドロカルビル残基(1−20C)であるか又は無機残基である。好ましい実施形態では、RはH、又は直鎖状又は分枝状のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであって、それぞれ更に任意的にハロ、アルキル、ヘテロアルキル、OR、NR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRSOR、NRSONR、OCONR、CONR、又はRSiで置換されてもよく、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、或いは、Rは、OR、NR、SR、NRCONR、OCONR、又はNRSONRであり、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、及び同じ原子に結合した2つのRが3−8員環を形成してもよく、該環が、更に、それぞれ任意的にハロ、SR、OR、NR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRSOR、NRSONR、OCONR、又はRSiで置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルによって置換されてもよく、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル又はアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、同じ原子に結合した2つのRが、任意的に上記のように置換された3−8員環を形成してもよい。より好ましい実施形態では、RはNRであり、一層より好ましくは、NRの一方のRがメチルであり、他方がメチル以外の置換基である。例えば、NRはNHCH、N(CH)CHCHCH又はN(CH)OCHである。他の好ましい一実施形態では、RはNRであるが、各Rはメチル以外、好ましくは

(A)

より好ましくは
(B)

又は
(C)

とりわけ
(D)

である。
【0038】
他の好ましい実施形態では、Rは、H、アルキル、ヘテロアリールアルキル、−NR、アリール、ヘテロアリール、−COOR、−NHRNR、ヘテロアリール−COOR、ヘテロアリールオキシ、−OR、ヘテロアリール−NR、−NRORであり、RはH又はアルキルである。最も好ましくは、Rは、イソプロピルピペラジニル、メチルピペラジニル、ジメチルアミン、ピペラジニル、イソブチルカルボキシレート、オキシカルボニルエチル、モルフォリニル、アミノエチルジメチルアミン、イソブチルカルボキシレートピペラジニル、オキシピペラジニル、エチルカルボキシレートピペラジニル、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシ、メチル、アミン、アミノエチル、ピロリジニル、アミノプロパンジオール、ピペリジニル、ピロリジニル−ピペリジニル、又はメチルピペリジニルである。
【0039】
式(1)の化合物は、塩酸、硫酸、臭化水素酸、又はリン酸のような無機酸の塩又は酢酸、酒石酸、琥珀酸、安息香酸、サリチル酸等のような有機酸の塩を含む当該化合物の医薬的に許容可能な酸付加塩(acid-addition salts)の形態で提供されてもよい。式(1)の化合物中にカルボキシル成分が存在する場合、該化合物は、医薬的に許容可能なカチオンを有する塩として提供されてもよい。
【0040】
本発明の化合物の合成
【0041】
以下の反応スキームは、4−ベンジルピペリジニル−インドール−5−カルボキサミドの、本発明のグリオキサル酸化合物及びその誘導体への変換についての説明図である。
【0042】

【0043】
勿論、図中5位の4−ベンジルピペリジニルカルボニルは、

のように一般化することができ、3位のグリオキサル型置換基は、WCOXYと一般化することができる。
【0044】
本発明の化合物の合成方法は、一般に、当業者には既知である。
【0045】
以下の一般的スキームは、そのような方法の説明である。
【0046】

スキーム1
【0047】
Iのような置換アミノ安息香酸エステルは、低温下メチレンクロリド中でチオメチルアセトアルデヒドジメチルアセタール及びN−クロロサクシンアミドのような試薬で処理し、次いでメチレンクロリド、ジクロロエタン又はクロロホルム中で還流下トリエチレンアミンのような塩基で処理し、スキームIのインドールIIを生成することができる。エタノール、メタノール又はイソプロパノールのような適切な溶媒中でレーニーニッケルのような試薬によって処理することにより、対応するインドールカルボン酸エステルが得られる。該エステルを塩基性条件下で加水分解すると、所望の置換インドールカルボン酸が得られる。
【0048】

スキーム2
【0049】
また、置換アミノ安息香酸エステルIは、硫酸ナトリウムの存在下酢酸中のトリアセトキシホウ化水素ナトリウムのような試薬による還元性アルキル化の条件下適切なアルデヒドにより、スキーム2のケタールIVに変換可能である。次いで、このアミンを環流下ジクロロメタン又はジクロロエタン中で塩化アルミニウム、塩化チタン、BF−エーテル化合物のようなルイス酸で処理することにより、対応する置換インドールメチルエステルが、適切な置換により得られる。
【0050】

スキーム3
【0051】
他の方法では、ジメチルホルムアルデヒドのような適切な溶媒中で置換アミノ安息香酸エステルIをヨウ素及び過ヨウ素酸ナトリウムで処理することにより、スキーム3の対応するヨードアニリンVが得られるであろう。このアニリンを、パラジウム及び銅のような適切な触媒及びトリエチルアミンのような塩基の存在下、トリメチルシリルアセチレン又はエチルエチニルエーテルのようなアセチレンと結合することにより、VIのようなシリル結合産物が得られる。次いで、ジメチルホルムアミドのような溶媒中かつヨウ化銅のような触媒の存在下で環化することにより、適切に置換されたインドールVIIが得られるであろう。
【0052】

スキーム4
【0053】
スキーム4のVIIIのような適切なピペリドンを、水素化ナトリウムのような塩基の存在下置換ベンジルホスホン酸エステルで処理することにより、IXのような対応する置換4−ベンジルピペリジンに還元可能なアルケンを生成することにより、必要なピペリジンの合成を行うことができる。水素化は、通常、メタノール、エタノール及び酢酸エチルのような溶媒中触媒金属の存在下で実行される。
【0054】

スキーム5
【0055】
他の方法の1つでは、塩化アルミニウムのようなルイス酸の存在下における適切に置換されたベンゼン(ArH)のアシル化に使用可能なXのような塩化イソニペコトイルを用いて、スキーム5のケトンXIを生成することができるであろう。次いで、一般的に知られている方法及び経路を用いてXIのカルボニル成分を更に修飾することにより、所望の化合物XIIを生成することができる。
【0056】

スキーム6
【0057】
置換ピペラジンを、塩基又は他の触媒試薬の存在又は不存在下種々のかつ適切なArLXと反応させることにより、スキーム6の置換ピペラジンXVを生成することができる。これらの置換ピペラジンを、更に、酒石酸のようなキラル分離剤を用いてキラル成分(複数)に分離することにより、置換ピペラジンXVの任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0058】

スキーム7
【0059】
化合物IIIを、異なる複数の溶媒中で水素化ナトリウムのような塩基の存在下異なる複数の置換基を含有するスキーム7のハロゲン化物、酸塩化物及び他の求電子試薬(BX)で処理することにより、XVI型の化合物を生成することができる。次いで、この化合物を、水性塩基のような適切な試薬で処理することにより、対応する酸XVIIに変換することができる。次いで、この酸を、塩化メチレン、ジメチルホルムアミドを含む種々の溶媒中でEDAC.HClのようなカップリング剤を用いて置換アミンIX、XII又はXVと結合することにより、化合物XVIIIが得られる。
【0060】

スキーム8
【0061】
化合物XVIIIを、まず、無水条件下で塩化メチレン中の塩化オキサリルのような酸塩化物で処理し、次いで、種々の求核試薬WHで処理することにより、スキーム8のXIX型の化合物を生成することができる。
【0062】

スキーム9
【0063】
インドール窒素は、2002年7月11日に出願された「N−アミノ化のための改良された試薬(Improved Reagents for N-Amination)」という表題の米国仮特許出願第60/395,693号、2003年7月11日に出願された「N−アミノ化のための改良された試薬(Improved Reagents for N-Amination)」という表題の米国特許出願第 号(代理人整理番号第219002030100号)及びテトラへドロンレット(Tetrahadron Lett.), vol.23, No.37, 3835−3836頁、1982年(これらの文献は全て引用を以って本書に繰り込みここに記載されているものとみなす。)に記載されたもののようなN−アミノ化試薬によってアミノ化することができ、化合物XXはN−アミノ化試薬と反応してインドールN−置換化合物XXIを生成する。
【0064】
アミノ化のスキーム

【0065】
N−アミノ化試薬RONHの例には、Rが、

であるものが含まれる。ここに、aとbはCF、NO、CN又は他の電子吸引基である。
【0066】
p38−αキナーゼ阻害のアッセイ
【0067】
後述するアッセイ方法の何れに対しても、TNF−α生産はp38−αキナーゼの活性と関連する。
【0068】
A. p38キナーゼ阻害に関するヒト全血アッセイ
【0069】
健康な男性のボランティアから静脈血をヘパリン処置したシリンジに採取し、採取後2時間以内に使用する。試験化合物を100%DMSOに溶解し、0〜1mMの範囲の薬物濃度の1μlアリコートを24ウェルマイクロタイタープレート(ヌンクロン・デルタ・エスアイ(Nunclon Delta SI)、アプライド・サイエンティフィック、サウス(So.)・サンフランシスコ、カリフォルニア州)の四つ組のウェルに施与する。全血を1ml/ウェルの体積で添加し、得られた混合物を37℃、5%COの加湿雰囲気下一定の振盪(タイター・プレート・シェイカー、ラブ−ライン(Lab-Line)・インスツルメント、インク、メルローズパーク、イリノイ州)を加えながら15分間インキュベートする。全血は希釈しないか、又はRPMI 1640(ギブコ(Gibco)31800+NaHCO、ライフ・テクノロジーズ、ロックヴィル、メリーランド州、及びエムディー・アンド・サイオス(MD and Scios)、インク、サニーヴェール、カリフォルニア州)で最終希釈度1:10で培養する。インキュベーションの終了時に、10μlのLPS(大腸菌0111:B4、シグマ・ケミカル・コー、セントルイス、ミズーリ州)を各ウェルに添加し、非希釈全血及び1:10希釈全血に対し、それぞれ、最終濃度1μg/ml及び0.1μg/mlとする。インキュベーションを更に2時間続行する。マイクロタイタープレートを氷浴に置くことにより反応を停止し、4℃10分間3000rpmの遠心分離により血漿又は無細胞上清を収集する。血漿試料は、キアンチキン(Quantikine)・ヒューマン・TNF−α・アッセイ・キット(アールアンドディー(R&D)・システムズ、ミネアポリス、ミネソタ州)の指示に従うELISAによるTNF−αレベルのアッセイをするまで−80℃で保存する。
【0070】
対照と比較して50%の低下を引き起こす阻害剤の濃度を用いてIC50値を計算する。
【0071】
B. p38キナーゼ阻害に関する濃縮単核細胞アッセイ
【0072】
濃縮単核細胞アッセイ(その手順は後述する)は、凍結保存ヒト末梢血単核細胞(HPBMCs)(クローンティクス(Clonetics)・コープ)をリンスし、細胞成長培地の温混合物中に再懸濁することにより開始する。次いで、再懸濁細胞をカウントし、24ウェルマイクロタイタープレートに1×10細胞/ウェルで播種する。次いで、マイクロタイタープレートをインキュベーターにセットして1時間おき、各ウェルにおいて細胞を定着(沈降)させる。
【0073】
細胞を定着(沈降)させた後、培地を吸引し、100ng/mlのサイトカイン刺激因子リポ多糖(LPS)と試験化合物とを含む新鮮培地をマイクロタイタープレートの各ウェルに添加する。このため、各ウェルは、HPBMCs、LPS及び試験化合物が含有することとなる。次いで、細胞を2時間インキュベートし、酵素結合免疫測定法(ELISA)を用いてサイトカイン:腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)を定量する。TNF−αのレベルを検出するためのそのようなELISA(キット)の1つは、R&Dシステムズにより市販されている。次いで、HPBMCsによるTNF−α産生量をウェル毎に対照ウェルと比較し、問題の化合物がサイトカイン産生の阻害剤として作用しているか否かを決定する。
【0074】
HPBMCsにおけるLPS誘導サイトカイン合成
凍結保存HPBMC(カタログ番号(cat#)CC−2702、クローンティクス・コープ)
LGM−3培地(カタログ番号(cat#)CC−3212、クローンティクス・コープ)
LPSストック10μg/ml(カタログ番号L2630、血清型0111:B4、シグマ)
ヒトTNF−αELISA(R&Dシステムズ)
DNaseI(10mg/mlストック)


細胞の調製
LGM−3培地を37℃に加温
DNaseIストック 5μlを10mlの培地に添加
細胞を急速解凍し上記(培地)に分散
室温で10分間200×gの遠心分離
ペレットに10ml滅菌PBSを添加
室温で10分間200×gの遠心分離
ペレットを10mlのLGM−3に再懸濁し、LGM−3で50mlに希釈
細胞数のカウント
1×10細胞/ウェルに調節
24ウェルプレートに1ml/ウェルで播種
プレートをインキュベーターにセットし、1時間培養(plate down)


インキュベーション培地の調製
LPS100ng/mlを含有するLGM−3(例えば培地50mlとLPSストック0.5ml)
2mlアリコートに分注し、1000×阻害剤希釈を添加


インキュベーション
【0075】
細胞の沈降培養後、培地を吸引し、1mlの関連インキュベーション培地で被覆する。プレートをインキュベーターに戻し、2時間〜24時間おく。インキュベーション後除去した上清をラベルを付したチューブに移し、直ちにTNF(その他の)ELISAを実行するか、又は後のアッセイのために凍結保存する。
【0076】
対照と比べて50%の低下を引き起こす阻害剤の濃度を用いてIC50を計算する。
【0077】
投与及び使用
【0078】
本発明の化合物は、他の適応症(indications)の中でも炎症と関連する状態の治療に関し有用である。従って、式(1)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩は、サイトカインの過剰産生及び/又は心筋細胞、心線維芽細胞及びマクロファージのような細胞に対する不適切なないし統制されないサイトカイン活性によって特徴付けられる状態に関し、人間を含む哺乳類の予防又は治療処置のための薬物の製造に使用される。
【0079】
本発明の化合物は、TNF、IL−1、IL−6及びIL−8のようなサイトカイン、即ち多くの異なる疾患状態及び症候群において重要な炎症誘発性成分であるサイトカインの産生を阻害する。従って、これらサイトカインの阻害は、多くの疾患の制御及び緩和に利点を有する。本発明の化合物は、p38MAPK(又はp38)、CSBP、又はSAPK−2等様々に称されるMAPキナーゼファミリーのメンバーを阻害することが本書に示される。このタンパク質の活性化は、例えば、リポ多糖やTNF及びIL−1のよなサイトカインによる治療によって引き起こされるストレスに応答した疾患の悪化を伴うことが示されている。従って、p38活性の阻害は、アルツハイマー病、冠動脈疾患、鬱血性心不全、心筋症、心筋炎、血管炎、再狭窄、冠動脈形成後に発症するような疾患、アテローム性動脈硬化症、IBD、関節リウマチ、リウマチ性脊椎炎、骨関節炎、通風性関節炎及びその他の関節炎状態、多発性硬化症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、珪肺症、肺サルコシス(sarcosis)、敗血症、敗血症ショック、内毒素ショック、グラム陰性敗血症、毒素ショック症候群、虚血及び再灌流傷害によって特徴付けられる心不全及び脳不全(脳卒中)、移植処置及び移植片除去のような外科処置、心肺バイパス、冠動脈バイパス移植片、開放性及び非開放性頭部損傷を含むCNS傷害、結膜炎及びブドウ膜炎のような炎症性眼状態、急性腎不全、糸球体腎炎、クローン病又は潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患、移植片対宿主疾患、骨粗鬆症のような骨吸収疾患、II型糖尿病、ピレシス(pyresis)、乾癬、悪液質、HIV、CMV及びヘルペスによって引き起こされるもののようなウイルス性疾患、及び大脳マラリアのような疾患の治療に有利な効果を付与する薬物の能力を示唆する。
【0080】
ここ数年の間に、p38は、p38−α、p38−β、p38−γ及びp38−δと称される一群のMAPキナーゼであることが示された。ヤング(Jiang), Y., et. al. J Biol Chem (1996) 271:17920-17926は、p38−αと密接に関連する372アミノ酸タンパク質としてのp38−βの性質決定を報告した。ヤングらは、p38−αの活性とp38−βの活性とを比較することにより、両者とも炎症誘発性サイトカイン及び環境性ストレスによって活性化されるが、p38−βは、優先的に、MAPキナーゼキナーゼ−6(MKK6)及び(より)優先的に活性化転写因子2によって活性化されたと述べているが、これは、別個の作用機構がこれら(2つ)の(アイソ)フォームに関係していることを示唆している。
【0081】
クマー(Kumar), S., et al., Biochem Biophys Res Comm (1997) 235:533-538及びシュタイン(Stein), B., et al., J Biol Chem (1997) 272:19509-19517は、p38−αと73%同一性を有する364個のアミノ酸を含有するp38−βの第2のアイソフォーム、p38−β2を報告した。これらの報告は全て、p38−αがより広範な組織で発現するのに対し、報告されたp38−βの第2のアイソフォームp38−β2はCNS、心筋及び骨格筋において優先的に発現されるように思われるにも関わらず、p38−βは炎症誘発性サイトカイン及び環境性ストレスによって活性化されることの証拠を示している。更に、活性化転写因子−2(ATF−2)は、p38−αに対するよりもp38−β2に対してよりよい基質であることが観察された。これは、別個の作用機構がこれら2つの(アイソ)フォームに関係していることを示唆している。p38−β1の生理学的役割は、人間の組織中では見出すことができずかつp38−αの基質による適切なキナーゼ活性を示さないので、後二者の報告によって疑問を呈された。
【0082】
p38−γの同定は、リ(Li), Z., et al., Biochem Biophys Res Comm (1996) 228:334-340によって報告され、p38−δの同定は、ウォング(Wang), X., et al., J Biol Chem (1997) 272: 23668-23674とクマー,S., et al., Biochem Biophys Res Comm (1997) 235:533-538によって報告された。データは、これら2つのp38アイソフォーム(γ及びδ)は、その組織発現パターン、基質利用、直接的間接的刺激に対する応答、及びキナーゼ阻害剤に対する感受性の観点から、MAPKファミリーの独特なサブセットを構成すること示唆している。
【0083】
従って、本発明は、p38−αの活性と関連する状態、とりわけ心肥大、虚血又は酸化的傷害のような他の環境性ストレス、高浸透圧性又はp38−αキナーゼを活性化する他の剤ないし因子、又は心不全、例えば鬱血性心不全、心筋症及び心筋炎と関連する状態を治療するための、p38−αの活性を阻害する化合物の使用を含む。
【0084】
本発明において有用な化合物及びその関連化合物の投与及び処方物(剤形)の態様は、(疾患)状態の性質、(疾患)状態の重症度、特定の被検体、及び医師の判断に依存する。また、処方物は、投与の態様に依存する。本発明の化合物は小分子なので、タブレット、カプセル、シロップ等を作成するために好適な医薬賦形剤を配合することにより、容易に経口投与することができる。経口投与のための好適な処方物は、緩衝剤、香料等のような微量成分を含有してもよい。処方物中の活性成分の量は、通常は、処方物全量に対し5%〜95%の範囲にあるが、基材に応じて大幅に変更することができる。好適な基材としては、スクロース、ペクチン、ステアリン酸マグネシウム、ラクトース、落花生油、オリーブ油、水等が該当する。
【0085】
本発明において有用な化合物は、座薬又はその他の経粘膜媒体によって投与することもできる。そのような処方物は、通常は、医薬的に許容可能な界面活性剤のような、粘膜を介した化合物の通過を促進する賦形剤を含む。
【0086】
本発明の化合物は、乾癬のような局所的(疾患)状態に対し、局所的に投与すること、又は皮膚に浸透することを意図した処方物に配合することも可能である。例えば、既知の方法で処方可能なローション、クリーム、軟膏等が該当する。
【0087】
本発明の化合物は、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射又は腹腔内注射等のような注射によって投与することも可能である。このような使用のための典型的な処方物は、ハンクス液又はリンガー液のような等張性媒体中の液体処方物である。
【0088】
その他の処方物としては、当業者に知られているような点鼻薬、リポソーム処方物、徐放性処方物等がある。
【0089】
好適な処方物であれな任意のものが使用できる。当業者に知られている処方物の一覧は、レミントン薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、最新版、マック(Mack)・パプリッシング・カンパニー、イーストン、ペンシルヴェニア州に記載されている。この文献の参照は、当業者が通常行っていることである。
【0090】
本発明の化合物の投与量は、患者に応じて異なる幾つかの因子に依存する。しかしながら、一般的には、経口投与の一日量は、0.001〜100mg/kg全体重、好ましくは0.01〜50mg/kg全体重、より好ましくは0.01〜10mg/kg全体重である。しかしながら、投与計画は、治療されるべき(疾患)状態及び医師の判断に応じて変化する。
【0091】
ここで、式(1)の化合物は、単独の(当該式に該当する化合物の内の1つの)活性成分として又は当該式に該当する複数の化合物の混合物として投与することができることに注意すべきである。更に、このp38キナーゼの阻害剤は、唯一の治療剤として又は他の治療剤と組合せて使用することも可能である。これら化合物と有効に組合せることができる薬物としては、例えば、天然又は合成副腎皮質ステロイド、とりわけプレドニゾン及びその誘導体、免疫系の細胞を標的するモノクローナル抗体、免疫性又は非免疫性サイトカインを標的する抗体又は可溶レセプター又はレセプター融合タンパク質、及び細胞分割、タンパク質合成、又はmRNA転写若しくは翻訳の小分子阻害剤、又は免疫細胞の分化若しくは活性化の阻害剤が該当する。
【0092】
上述のとおり、本発明の化合物は人間に使用できるのであるが、動物被検体の治療における獣医学的使用にも利用することができる。
【0093】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明を限定することを意図したものではない。また、以下の実施例は、上記反応スキームの使用を説明することを意図している。
【実施例1】
【0094】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドの調製

【0095】
ステップA

【0096】
無水CHCl(500ml)中の6−クロロインドール−5−カルボン酸(8.5g、43.6mmol)の懸濁液に、4−フルオロベンジルピペリジン塩酸塩(12g、52.3mmol)とジイソプロピルエチレンアミン(9mL、52.3mmol)を添加した。この混合物を10分間撹拌した後、EDC(10g、52.3mmol)とDMAP(1.45g、11.9mmol)とを添加した。反応混合物は透明(清澄)になったが、引き続き終夜撹拌した。次いで、反応混合物を10%HCl溶液で処理し、CHClで抽出した。化合した有機抽出物をNaHCO及びブラインで洗浄した後、乾燥・濃縮した。CHCl:EtOAc(9:1)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィで残渣を精製したところ、13g(81%)の目的生成物が白色の泡として得られた。M+H(371)。
【0097】
ステップB

【0098】
(得られた)インドール(7.92g、21.5mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(21.5mL、42.9mmol、CHClで2M)を0℃で滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温に加温し、5時間撹拌したところ、黄色の懸濁液が得られた。溶媒と過剰な塩化オキサリルを減圧下で除去した。黄色の固体を減圧下で乾燥した後、CHClに溶解し、0℃で静置した。次に、ジメチルアミン(43mL、85.9mmol、TMFで2M)を添加した。30分後、反応混合物を水で処理し、CHClで抽出した。この有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。CHClの3%MeOHで溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィで残渣を精製したところ、8.7g(87%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(470)。
【0099】
ステップC

【0100】
(得られた)インドール(500mg、1.07mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(10mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.6mL、1.6mmol、TMFで1.0M)を−10℃で添加した後、o−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン(298mg、1.28mmol)を加えた。反応混合物を室温に加温し、引き続き6時間撹拌した後、水(50mL)で急冷(反応停止)した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、(NaSOで)乾燥し濃縮した。ヘキサンの75%EtOAcで溶出を行うラジアル(radial)クロマトグラフィで残渣を精製したところ、420mg(81%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(485)。
【実施例2】
【0101】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドの調製

【0102】
ステップA

【0103】
無水CHCl(200ml)中の6−メトキシインドール−5−カルボン酸(3.65g、19.1mmol)の懸濁液に、4−フルオロベンジルピペリジン(6.14g、26.7mmol)とジイソプロピルエチレンアミン(4.64mL、26.7mmol)を添加した。この混合物を10分間撹拌した後、EDC(4.37g、22.9mmol)を添加した。反応混合物は透明(清澄)になったが、引き続き終夜撹拌した。次いで、反応混合物を10%HCl溶液で処理し、CHClで抽出した。有機層をNaHCO、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。残渣を回収してCHCl及びMeOHに加えた。この混合物を超音波処理したところ固体が得られた。濾過及び乾燥により、6.32g(90%)の化合物が得られた。M+H(367)。
【0104】
ステップB

【0105】
[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノン(2.5g、6.83mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(6.8mL、13.6mmol、CHClで2M)を氷浴で冷却しながら滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温に加温し、5時間撹拌したところ、反応中に黄色の懸濁液が得られた。溶媒と過剰な塩化オキサリルを除去した。生じた黄色の固体を減圧下で乾燥した。この固体をCHClに再溶解し、氷浴で冷却した。混合物をジメチルアミン(13.7mL、27.3mmol、水で40%)で急冷(反応停止)した。30分後、反応混合物を水で処理し、CHClで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄した後、乾燥・濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィで残渣を精製したところ、2.29g(72%)の目的生成物が得られた。M+H(466)。
【0106】
ステップC

【0107】
2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド(620mg、1.33mmol)の1−メチル−2−ピロリジノン(20mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(2.1mL、2.1mmol、TMFで1.0M)を−10℃で添加した後、o−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン(350mg、1.5mmol)を加えた。反応混合物を室温に加温し、引き続き6時間撹拌した後、水(50mL)で急冷(反応停止)した。得られた混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、(NaSOで)乾燥し濃縮した。CHClの2%MeOHで溶出を行うラジアルクロマトグラフィで残渣を精製したところ、300mg(47%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(481)。
【実施例3】
【0108】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン1−イル−エタン−1,2−ジオンの調製

【0109】
ステップA

【0110】
440mLのDMF中の2−クロロ−4−アミノ安息香酸メチル(109g、587mmol)の溶液に、NaIO(50g)とヨウ素(119g)を添加した。この混合物を50℃で2時間加温した。次いで、これを冷却し、水で希釈して濾過した。(得られた)固体を水(110mL)中の亜硫酸水素ナトリウム(19g)で40℃で1時間処理した。この混合物を再び濾過し、水で洗浄し、更にイソプロパノールで洗浄した。乾燥により、生成物が収率56%で得られた。M+H(312)。
【0111】
ステップB

【0112】
330mLのTHF中の4−アミノ−5−ヨード−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(104g、330mmol)の溶液に、ピリジン(40mL)を加えた。この溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(35mL)を穏やかに加えた。撹拌を4時間行った。この混合物を冷却し、HO(800mL)を滴下した。濾過し、水で洗浄した後、更にMeOH/HO(1:1)で洗浄した。乾燥により、生成物が収率81%で得られた。M+H(354)。
【0113】
ステップC

【0114】
51mLのEtN及び290mLのCHCl中の4−アセチルアミノ−5−ヨード−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(95g、269mmol)の溶液に、CuI(0.5g)及び(PhP)PdCl(1.05g)を加えた。次いで、これを0℃に冷却し、トリメチルシリルアセチレン(30.0g)を穏やかに加えた。温度を室温に上昇し、12時間撹拌を行った。この混合物をEtOAcに注ぎ、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、生成物が得られた。M+H(324)。
【0115】
ステップD

【0116】
50mLのTHF中の4−アセチルアミノ−2−クロロ−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(10g、30.9mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(14.0g)を加え、この混合物を4時間環流した後、MTBEで抽出し、水とブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、生成物が収率96%で得られた。M+H(210)。
【0117】
ステップE

【0118】
200mLのMeOH及び200mLの水中の6−クロロ−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(6.0g、28.7mmol)の溶液に、NaOH(6.0g)を加え、この混合物を50℃で4時間加熱した。この溶液を冷却し、水で希釈し、酸性化してpH2〜3とし、EtOAcで抽出し、水とブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮したところ、生成物が得られた。M+H(196)。
【0119】
ステップF

【0120】
ジメチルホルムアミド(DMF)中の6−クロロインドール−5−カルボン酸(1.0g、5.11mmol)及び4−フルオロベンジル−2S,5R−ジメチルピペラジン(1.14g、5.11mmol)の溶液に、TBTU(1.64g、5.11mmol)を加え、更にトリエチレンアミン(1.55g、15.3mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、次いで氷水に注いだ。この混合物をジクロロメタンで抽出した。化合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAc:ヘキサン(2:3)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、1.89g(92%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(400)。
【0121】
ステップG

【0122】
無水CHCl(250mL)中の(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノン(21g、53mmol)の溶液に、塩化オキサリル(53mL、106mmol、CHClで2M)を、氷浴で冷却しながら滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温に加温し、5時間撹拌した。反応中に黄色の懸濁液が生成した。溶媒と過剰な塩化オキサリルを除去した。得られた黄色の固体を減圧乾燥した。この固体をCHClに再溶解し、氷浴で冷却した。過剰量のピロリジン(11.9g、160mmol)を反応混合物に加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を水(200mL)で処理した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。CHCl:MeOH(95:5)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、目的生成物(19.8g)が収率71%で白色の固体として得られた。M+H(526)。
【0123】
ステップH(方法1)

【0124】
無水THF(50mL)中のインドール1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン(2.4g、4.6mmol)の溶液に、NaH(274mL、6.86mmol、ミネラルオイルで60%分散)を、室温で加えた。生じた混合物を室温で30分間撹拌した。O−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン(1.61g、6.86mmol)を加え、反応混合物を10時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水(200mL)で処理した。混合物をジクロロメタンで抽出した(30mL×3)。化合した有機層をブラインで洗浄し、(NaSOで)乾燥した後、濃縮した。CHClの3%MeOHで溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、2.0g(80%)の目的生成物が白色の固体として得られた。なお、ナトリウム水素化物の代わりに、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド又はカリウムtert−ブトキシドを使用することができ、同じ結果が得られる。M+H(541)。
【0125】
ステップH(方法2)

【0126】
DMF(22mL)中のインドール1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン(2.4g、4.6mmol)及び微粉末KCO(1.9g、13.7mmol)懸濁液を、室温で3時間撹拌した。2,4−ジニトロフェニルヒドロキシアミン(1.2g、6mmol)を加え、生じた混合物を室温で10時間撹拌した。次いで、水(200mL)に注ぎ、この混合物をジクロロメタンで抽出した(50mL×4)。化合した有機層を(NaSOで)乾燥した後、濃縮した。CHClの3%MeOHで溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、1.6g(66%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(541)。
【実施例4】
【0127】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0128】
ステップA

【0129】
ピロリジンの代わりにメチルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。M+H(485)。
【0130】
ステップB

【0131】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(500)。
【実施例5】
【0132】
2−(1−アミノ−6−クロロ−5−{4−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミド

【0133】
ステップA

【0134】
ピロリジンの代わりにジオキサン中のアンモニアを用いたことを除き、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−{4−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。M+H(471)。
【0135】
ステップB

【0136】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に、2−(6−クロロ−5−{4−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(486)。
【実施例6】
【0137】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドの調製

【0138】
ステップA

【0139】
ジメチルホルムアミド(DMF)中の6−メトキシインドール−5−カルボン酸(1.0g、5.25mmol)及び4−フルオロベンジル−2R,5S−ジメチルピペラジン(1.2g、5.25mmol)の溶液に、TBTU(1.7g、5.25mmol)を加えた後、トリエチルアミン(2.2mL、15.6mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、氷水に注いだ。混合物をジクロロメタンで抽出した。化合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAc:ヘキサン(2:3)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、1.3g(63%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(396)。
【0140】
ステップB

【0141】
無水CHCl(15mL)中の[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノン(650mg、1.65mmol)の溶液に、氷浴で冷却しながら塩化オキサリル(2.5mL、5mmol、CHClで2M)を滴下した。反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、室温に加温し、5時間撹拌した。反応中に黄色の懸濁液が得られた。溶媒と過剰の塩化オキサリルを除去した。生じた黄色の固体を減圧乾燥した。固体をCHClに再溶解し、氷浴で冷却した。過剰量のジメチルアミン(5mL、10mmol、THFで2M)を反応混合物に加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を水(20mL)で処理した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。CHCl:MeOH(95:5)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、収率93%で目的生成物(760mg)が白色の固体として得られた。M+H(495)。
【0142】
ステップC

【0143】
DMF(10mL)中のインドール2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド(500mg、1mmol)の溶液に、0℃でリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(3mL、3mmol、TMFで1.0M)を加えた。反応混合物を1時間撹拌した後、o−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン(700mg、3mmol)を加えた。反応混合物を室温に加温し、引き続き6時間撹拌した後、水(50mL)で急冷(反応停止)した。生じた混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥(NaSO)・濃縮した。CHClの3%MeOHで溶出を行うラジアルクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、360mg(47%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(510)。
【実施例7】
【0144】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0145】
ステップA

【0146】
実施例3ステップGと同様に、[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(521)。
【0147】
ステップB

【0148】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に、1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(536)。
【実施例8】
【0149】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0150】
ステップA

【0151】
ピロリジンの代わりにメチルアミンを使用したことを除き、実施例3ステップGと同様に、[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(481)。
【0152】
ステップB

【0153】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に、2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(496)。
【実施例9】
【0154】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンの調製

【0155】
ステップA

【0156】
ジメチルアミンの代わりにピロリジンを使用したことを除き、実施例2ステップBと同様に、[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから収率68%で調製した。M+H(491)。
【0157】
ステップB

【0158】
実施例2ステップCと同様に、1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから収率48%で調製した。M+H(507)。
【実施例10】
【0159】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンの調製

【0160】
ステップA

【0161】
ジメチルアミンの代わりにR−(+)−3−ヒドロキシピロリジンを使用したことを除き、実施例2ステップBと同様に、[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから収率67%で調製した。M+H(508)。
【0162】
ステップB

【0163】
実施例2ステップCと同様に、1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンから収率32%で調製した。M+H(523)。
【実施例11】
【0164】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(S−(−)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンの調製

【0165】
ステップA

【0166】
ピロリジンの代わりにS−(−)−3−ヒドロキシピロリジンを使用したことを除き、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから収率68%で調製した。M+H(542)。
【0167】
ステップB

【0168】
実施例2ステップCと同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−S−(−)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンから収率73%で調製した。M+H(557)。
【実施例12】
【0169】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンの調製

【0170】
ステップA

【0171】
ピロリジンの代わりにR−(+)−3−ヒドロキシピロリジンを使用したことを除き、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから収率62%で調製した。M+H(542)。
【0172】
ステップB

【0173】
実施例2ステップCと同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンから収率6%で調製した。M+H(557)。
【実施例13】
【0174】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0175】
ステップA

【0176】
ピロリジンの代わりにジメチルアミンを使用したことを除き、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。M+H(499)。
【0177】
ステップB

【0178】
実施例2ステップCと同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(514)。
【実施例14】
【0179】
2−{6−クロロ−1−ジメチルアミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0180】
ステップA

【0181】
o−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシジメチルアミンを使用したことを除き、実施例2ステップCと同様に調製した。ラジアルクロマトグラフィで残渣を精製したところ160mg(29%)の目的化合物が得られた。M+H(443)。
【0182】
ステップB

【0183】
実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1−ジメチルアミノ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。CHClの3〜5%MeOHを用いたラジアルクロマトグラフィで粗製物を精製したところ、30mg(9.2%)の目的生成物が得られた。M+H(542)。
【実施例15】
【0184】
1−{6−クロロ−1−ジメチルアミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンの調製

【0185】

【0186】
R−(+)−3−ヒドロキシピロリジンを使用したことを除き、実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1−ジメチルアミノ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。調製用HPLCで粗製物を精製したところ、3.4mg(1.7%)の目的生成物が得られた。M+H(584)。
【実施例16】
【0187】
{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−オキソ−酢酸メチルエステルの調製

【0188】
ステップA

【0189】
ジメチルアミンの代わりにメタノールを使用したことを除き、実施例2ステップBと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。
【0190】
ステップB

【0191】
実施例2ステップCと同様に、{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−オキソ−酢酸メチルエステルから調製した。まず、CHClの5%MeOHを用いたラジアルクロマトグラフィで粗製物を精製し、次いでCHClの1%MeOHを用いたシリカゲルカラムで再精製したところ、17mg(5.2%)の目的生成物が得られた。M+H(501)。
【実施例17】
【0192】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0193】
ステップA

【0194】
実施例3ステップFと同様に6−エトキシ−1H−インドール−5−カルボン酸から調製した。M+H(410)。
【0195】
ステップB

【0196】
実施例3ステップGと同様に、[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−エトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率51%)。M+H(535)。
【0197】
ステップC

【0198】
実施例3ステップH方法2と同様に、1−{5−[4−(2−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した(収率74%)。M+H(550)。
【実施例18】
【0199】
1−{1−アミノ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0200】
ステップA

【0201】
MeOH(250mL)及び氷酢酸(30mL)中の4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(37.8g、117.4mmol)の溶液を撹拌し、2L水素化フラスコ中において10分間Nでパージした。この混合物に、水酸化パラジウム(3.8g、20wt%)を添加し、40psiのHの下で室温で48時間振盪した。生じた混合物をセライトで濾過し、MeOHで洗浄した。濾液をロータヴァップ(rotavap)で蒸発乾固させたところ、37.64g(100%)の目的生成物が得られた。M+H(215)。
【0202】
ステップB

【0203】
エタノール(100mL)中の2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.34g、37.74mmol)の溶液に、3−クロロ−臭化ベンジル(4.96mL、37.74mmol)及びトリエチルアミン(21mL、150mmol)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した。反応物をロータヴァップで蒸発させ、EtOHで水から抽出した。ヘキサンの0〜5%EtOAcを用いてシリカゲルで粗製物を精製したところ、8.4g(66%)の目的生成物が得られた。M+H(339)。
【0204】
ステップC

【0205】
4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(5.8g、17.2mmol)を、1,4−ジオキサン中の4M HCl 30mLに溶解した。反応混合物を室温で終夜撹拌した。粗製物を濾過し、エーテルで洗浄した。固体を20%NaOH水溶液に溶解した。この水溶液をEtOAcで抽出した。化合した有機物をブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。生成物は、白色の固体として得られた(4.0g、98%)。M+H(239)。
【0206】
ステップD

【0207】
無水DMF(700mL)中のメチルエステル(30g、126mmol)、ヨウ素(32g、126mmol)及び過ヨウ素酸ナトリウム(13.5g、63mmol)の混合物を70℃に加熱し24時間置いた。反応混合物を氷水に注ぎ、チオ硫酸ナトリウムの溶液(10%水溶液)を添加して過剰のヨウ素を無効化した。生成した黄色の沈殿を濾過し、乾燥したところ、35gの目的生成物が収率76%で得られた。この粗製物は、更に精製することなく、次の反応に用いた。M+H(364)。
【0208】
ステップE

【0209】
無水ジクロロメタン(300mL)中の4−アセチルアミノ−2−エトキシ−5−ヨード−安息香酸メチルエステル(35g、96.4mmol)、パラジウムビス(トリフェニルホスファン)ジクロリド(3.38g、4.82mmol)及びヨウ化銅(918mg、4.82mmol)の溶液に、トリメチルシリ(ル)アセチレン(15mL、10.6mmol)を0℃で滴下した。黒色の反応混合物を、室温に加温し、終夜撹拌し、セライトのプラグを通して濾過し、濃縮した。残渣を酢酸エチルに取り込み、水及びブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。残渣をシリカゲルカラムにドライロードし、EtOAc:ヘキサン(1:4)での溶出によって精製を行ったところ、28g(67%)の目的生成物が得られた。M+H(334)。
【0210】
ステップF

【0211】
無水THF中の4−アセチルアミノ−2−エトキシ−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(28g、84mmol)及びフッ化テトラブチルアンモニウム(168mL、168mmol、THFで1.0M)の混合物を、4時間環流加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣を酢酸エチルに取り込んだ。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。酢酸エチルから生成物を晶出し、濾過・乾燥した。濾液をシリカゲルのプラグを通して濾過した。M+H(220)。
【0212】
ステップG

【0213】
NaOH(17.7g、10%水溶液)を、インドールメチルエステル(19.4g、88.6mmol)のMeOH(350mL)溶液に加えた。反応混合物を2時間加熱環流した後、溶媒を除去した。生じた混合物を10%HCl溶液で酸性化したところ、沈殿が生じた。懸濁液をEtOAcで抽出した。化合した有機層をブラインで洗浄し、乾燥・濃縮したところ、18g(89%)の表題の化合物が黄色の固体として得られた。
【0214】
ステップH

【0215】
実施例3ステップFと同様に6−エトキシ−1H−インドール−5−カルボン酸から調製した(収率72%)。M+H(426)。
【0216】
ステップI

【0217】
実施例3ステップGと同様に、[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−エトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率71%)。M+H(551)。
【0218】
ステップJ

【0219】
実施例4ステップCと同様に、1−{5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した(収率60%)。M+H(567)。
【実施例19】
【0220】
1−{1−アミノ−5−[4−(2−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0221】
ステップA

【0222】
実施例3ステップFと同様に6−エトキシ−1H−インドール−5−カルボン酸から調製した。M+H(426)。
【0223】
ステップB

【0224】
実施例3ステップGと同様に、[4−(2−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−エトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率53%)。M+H(551)。
【0225】
ステップC

【0226】
実施例3ステップH方法2と同様に、1−{5−[4−(2−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した(収率58%)。M+H(567)。
【実施例20】
【0227】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミド

【0228】
ステップA

【0229】
実施例3ステップGにおいて、ピロリジンの代わりにジオキサン中のアンモニウムを用いたことを除いて、実施例3と同様に、[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率62%)。M+H(488)。
【0230】
ステップB

【0231】
実施例3ステップH方法1と同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率54%)。M+H(503)。
【実施例21】
【0232】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0233】
ステップA

【0234】
ピロリジンの代わりにメチルアミンを用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率88%)。M+H(502)。
【0235】
ステップB

【0236】
実施例3ステップH方法1と同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率32%)。M+H(517)。
【実施例22】
【0237】
2−{1−アミノ−5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0238】
ステップA

【0239】
実施例2ステップBと同様に、[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−エトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノン及びジメチルアミンから調製した。M+H(526)。
【0240】
ステップB

【0241】
実施例4ステップCと同様に、2−{5−[4−(3−クロロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(541)。
【実施例23】
【0242】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−トランス−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンの調製

【0243】
ステップA

【0244】
6−クロロインドール−5−カルボン酸(3.9g、19.8mmol)及び4−フルオロベンジル−トランス−2,5−ジメチルピペラジン(4.4g、19.8mmol)のTHF溶液に、TBTU(6.4g、19.8mmol)を加え、更にトリエチルアミン(6.1g、60mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、氷水に注いだ。混合物をジクロロメタンで抽出した。化合した有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAc:ヘキサン(2:3)での溶出によるシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣の精製を行ったところ、6.1g(77%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(400)。
【0245】
ステップB

【0246】
実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−トランス−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンを用いて実行した(収率80%)。M+H(526)。
【0247】
ステップC

【0248】
実施例3ステップH(方法1)と同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−トランス−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率98%)。M+H(541)。
【実施例24】
【0249】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(R−(+)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0250】
ステップA

【0251】
(R)−1−ベンジル−3−ピロリジノール(500mg、2.82mmol)のDMF(10mL)溶液を、NaH(135mg、5.65mmol)のDMF懸濁液に、室温で滴下した。反応混合物を30分間撹拌した。ヨウ化メチルを滴下した。反応混合物を引き続き2時間撹拌し、NaCOで急冷(反応停止)し、EtOAcで抽出した。化合した有機層を、水、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAcでの溶出によるシリカゲルでのクロマトグラフィにより残渣の精製を行ったところ、240mg(44%)の目的生成物が得られた。M+H(192)。
【0252】
ステップB

【0253】
エタノール(20mL)中の1−ベンジル−3−(R)−メトキシ−3−ピロリジン(240mg)、Pd(OH)(75mg)及びHOAc(0.1mL)の混合物を、50℃、40psiで3時間水素化した。反応混合物をセライトのプラグを通して濾過した。濾液を濃縮して乾燥したところ、100mg(79%)の目的生成物が得られた。
【0254】
ステップC

【0255】
ピロリジンの代わりにR−(+)−3−メトキシピロリジンを用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。M+H(556)。
【0256】
ステップD

【0257】
実施例2ステップCと同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(R−(+)−3−メトキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(571)。
【実施例25】
【0258】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−アゼチジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンの調製

【0259】
ステップA

【0260】
ピロリジンの代わりにアゼチジン(azetidine)を用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した(収率88%)。M+H(511)。
【0261】
ステップB

【0262】
実施例3ステップHと同様に、1−アゼチジン−1−イル−2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(527)。
【実施例26】
【0263】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0264】
ステップA

【0265】
実施例3ステップFと同様に、1−(4−フルオロ−ベンジル)−3R−メチル−ピペラジン及び6−クロロインドール−5−カルボン酸(から)調製した。M+H(386)。
【0266】
ステップB

【0267】
実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンを用いて実行した。M+H(511)。
【0268】
ステップC

【0269】
実施例3ステップH(方法1)と同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。M+H(526)。
【実施例27】
【0270】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メトキシ−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0271】
ステップA

【0272】
ピロリジンの代わりにN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンを用いて実行した。M+H(501)。
【0273】
ステップB

【0274】
実施例3ステップH(方法1)と同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−N−メトキシ−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した。M+H(516)。
【実施例28】
【0275】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0276】
ステップA

【0277】
ピロリジンの代わりにS−(−)−3−ヒドロキシピロリジンを用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンを用いて実行した。M+H(527)。
【0278】
ステップB

【0279】
実施例3ステップH(方法1)と同様に、1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−(S−(−)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。M+H(542)。
【実施例29】
【0280】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0281】
ステップA

【0282】
5−メチル−4−アミノ安息香酸メチル(1.1g、6.7mmol)の4mL DMF溶液にNaIO(573mg、2.68mmol)及びヨウ素(1.35g、5.3mmol)を加えた。この混合物を50℃で4時間加温した。次いで、これを冷却し、水で希釈したものを酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。10%EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、2.2gの生成物が褐色の固体として得られた。M+H(292)。
【0283】
ステップB

【0284】
4−アミノ−5−ヨード−2−メチル−安息香酸メチルエステル(2.2g、7.5mmol)の20mL THF溶液にピリジン(888mg、11.25mmol)を加えた。この溶液を0℃に冷却し、塩化アセチル(765mg、9.75mmol)を穏やかに加えた。3時間撹拌した後、混合物をEtOAcに注ぎ、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。25%EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、目的生成物が得られた。M+H(334)。
【0285】
ステップC

【0286】
4−アセチルアミノ−5−ヨード−2−メチル−安息香酸メチルエステル(850mg、2.56mmol)の10mL EtN及び10mL CHCl溶液に、CuI(20mg、0.11mmol)及び(PhP)PdCl(77mg、0.11mmol)を加えた。これを0℃に冷却し、トリメチルシリルアセチレン(276mg、2.81mmol)を穏やかに加えた。温度を室温に上昇し、2時間撹拌した後、混合物をEtOAcに注ぎ、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、720mg(93%)の生成物が得られた。M+H(304)。
【0287】
ステップD

【0288】
化合物4−アセチルアミノ−2−メチル−5−トリメチルシラニルエチニル−安息香酸メチルエステル(720mg、2.37mmol)の2mL THF溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウムの1M THF溶液5mLを加え、2時間環流した。EtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。EtOAc及びヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィにより残渣を精製したところ、108mg(25%)の生成物が白色の固体として得られた。M+H(190)。
【0289】
ステップE

【0290】
5mL MeOH及び5mL水中の6−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(108mg、0.57mmol)の溶液に、NaOH(116mg、2.9mmol)を加え、この混合物を50℃で終夜加温した。この溶液を冷却し、水で希釈し、酸性化してpH3とし、EtOAcで抽出し、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮したところ、80mg(80%)の生成物が白色の固体として得られた。
【0291】
ステップF

【0292】
実施例3ステップFと同様に6−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸から調製した。M+H(380)。
【0293】
ステップG

【0294】
実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(505)。
【0295】
ステップH

【0296】
実施例6ステップCと同様に1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(520)。
【実施例30】
【0297】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0298】
ステップA

【0299】
1−(4−フルオロ−ベンジル)−2S,5R−ジメチル−ピペラジン(3.34g、15.05mmol)のジオキサン溶液に、順に、無水Boc(4.92g、22.6mmol)と、炭酸ナトリウム(1.59g、15.05mmol)を加えた。次いで、反応物を室温で終夜撹拌した。反応溶媒を除去した後、残渣を200mL酢酸エチルに溶解した。次いで、このエチルアセテート懸濁液を水200mLで洗浄した。分離後、水層を酢酸エチルで抽出した(200mL×2)。(2つの)有機層を混合し、水(200mL×2)、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。濃縮後、5〜10%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出を行うフラッシュ(flash)カラムで残渣を精製した。油状生成物(2.21g)が得られた。
【0300】
ステップB

【0301】
4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルのエタノール溶液に、500mgのPd/C(10%wet)を加え、反応物を40psiで終夜水素化した。濾過及び溶媒の蒸発後、1.75gの2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルが得られた。減圧乾燥後、この化合物を20mLのDMFに溶解した。このDMF溶液に、水素化ナトリウム(656mg、16.4mmol、60%油分散)を加えた。15分間撹拌した後、臭化ベンジル(2.1g、12.3mmol)を反応物に加えた。更に、終夜撹拌した後、反応物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、水(100mL)を加えて反応物を急冷した(反応を停止した)。次いで、水層を酢酸エチルで抽出した(100mL×2)。(2つの)有機層を混合し、水(100mL×2)及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発した。3.8gの油状粗製物が得られたが、その純度は次の反応に使用するためには十分なものであった。
【0302】
4−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの10mLジクロロメタン溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(20mL)を加えた。次いで、反応物を室温に加温し、終夜撹拌した。溶媒を除去し、生成物を減圧乾燥した。5.6gの1−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジンが得られた。これは、反応の次のステップに直接(そのまま)用いた。
【0303】
ステップC

【0304】
実施例3ステップFと同様に6−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸及び1−ベンジル−2S,5R−ジメチル−ピペラジンから調製した。M+H(382)。
【0305】
ステップD

【0306】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンジル−2S,5R−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(508)。
【0307】
ステップE

【0308】
実施例6ステップCと同様に1−[5−(4−ベンジル−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(523)。
【実施例31】
【0309】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0310】
ステップA

【0311】
実施例3ステップFと同様に、6−エトキシ−1H−インドール−5−カルボン酸から調製した。M+H(392)。
【0312】
ステップB

【0313】
実施例3ステップGと同様に、(4−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−エトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した(収率78%)。M+H(517)。
【0314】
ステップC

【0315】
実施例3ステップH方法2と同様に、1−[5−(4−ベンジル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−エトキシ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した(収率50%)。M+H(532)。
【実施例32】
【0316】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミド

【0317】
ステップA

【0318】
ピロリジンの代わりにジオキサン中のアンモニアを用いたことを除いて、実施例3ステップGと同様に、(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノンから調製した。M+H(471)。
【0319】
ステップB

【0320】
実施例3ステップH(方法1)と同様に、2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した。M+H(486)。
【実施例33】
【0321】
1−(1−アミノ−6−クロロ−5−{4−[1−(4−フルオロ−フェニル)−エチル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル]−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

+R,Sジアステレオマー
【0322】
ステップA

【0323】
4−フルオロ−α−メチルベンジルアルコール(7g、50mmol)を、HBrの48%水溶液50mLに0℃で加えた。この溶液を室温で3時間撹拌した後、ヘキサンで抽出した。乾燥・濃縮後、10gの無色の油が得られた。M+H(203)。
【0324】
ステップB

【0325】
100mLのDMF中の1−(4−フルオロフェニル)−臭化エチルに、ピペラジンを加えた。次いで、この混合物を室温で終夜撹拌した。溶液を蒸発した後、残渣を少量のシリカゲルで濾過し、酢酸エチル及びメタノールで洗浄した。フラッシュクロマトグラフィ、CHCl/MeOH/EtN=90/8/2(AcOEt/MeOH=90/10)を用いて精製を行った。6.2g(90%)の純粋な化合物(2つのジアステレオマーの非分離混合物)が得られた。M+H(223)。
【0326】
ステップC

ジアステレオマーの分離
【0327】
メタノール(2.5mL)中の2つのジアステレオマー(1g、4.5mmol)の混合物に、L−酒石酸(1.4g、9mmol)のメタノール(2.5mL)溶液を添加した。生じた混合物を0℃で30時間置くことにより晶出を行った。析出物を濾過した後、15%NaOHを母液に加えた。遊離塩基を酢酸エチルで抽出した。濃縮により生じた無色の油を、所望の純度(プロトンNMRで決定した)を得られるまで、ヘキサン中で2回ないし3回再結晶した。M+H(223)。
【0328】
他方のジアステレオマーは、D−酒石酸を使用する以外は同じ手順によって得ることができる。
【0329】
ステップD

【0330】
実施例3ステップFと同様に6−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸及び1−[1−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−3R−メチル−ピペラジンから調製した。M+H(400)。
【0331】
ステップE

【0332】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−{4−[1−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−2R−メチル−ピペラジン−1−イル}−メタノンから調製した。M+H(526)。
【0333】
ステップF

【0334】
実施例4ステップCと同様に1−(6−クロロ−5−{4−[1−(4−フルオロ−フェニル)−エチル]−2−メチル−ピペラジン−1−カルボニル}−1H−インドール−3−イル)−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンから調製した。M+H(541)。
【0335】
他方のジアステレオマーは、D−酒石酸による晶出によって得られるピペラジンを用い、かつ上記ステップD〜Fを使用することにより調製される。ラセミ体は、(2つの)ピペラジンジアステレオマーの50:50混合物を用いることにより得ることができる。
【実施例34】
【0336】
2−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0337】
ステップA

【0338】
2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、アセトニトリル(600mL)及びヨウ化カリウム(45.2g、272mmol)、炭酸カリウム(37.7g、272mmol)及びα−ブロモジフェニルメタン(73.9g、299mmol)に溶解した。この混合物を室温で終夜撹拌し、溶媒を除去した。残渣をEtOAcに取り込み、5%炭酸カリウム、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。この物質をジオキサン中の4M HClに溶解し、1時間撹拌した。溶媒を除去した後、残渣をEtOAcに溶解し、10%NaOH、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮することにより、粗製1−ベンズヒドリル−2S,5R−ジメチル−ピペラジンが得られ、これを更にフラッシュクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、37gの純粋1−ベンズヒドリル−2S,5R−ジメチル−ピペラジンが得られた。M+H(281)。
【0339】
ステップB

【0340】
実施例3ステップFと同様に1−ベンズヒドリル−2S,5R−ジメチル−ピペラジンと6−クロロインドール−5−カルボン酸を用いて調製した(収率86%)。M+H(458)。
【0341】
ステップC

【0342】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンとジメチルアミンを用いて実行した(収率89%)。M+H(558)。
【0343】
ステップD

【0344】
実施例3ステップH(方法1)と同様に2−[5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率49%)。M+H(573)。
【実施例35】
【0345】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0346】
ステップA

【0347】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンを用いて実行した(収率91%)。M+H(583)。
【0348】
ステップB

【0349】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率67%)。M+H(599)。
【実施例36】
【0350】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0351】
ステップA

【0352】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンを用いて実行した(収率63%)。M+H(599)。
【0353】
ステップB

【0354】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率63%)。M+H(614)。
【実施例37】
【0355】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0356】
ステップA

【0357】
α−ブロモジフェニルメタン(1.23g、4.99mmol)を、[R]−2−メチルピペラジン(500mg、4.99mmol)のDMF(20mL)溶液に加え、終夜撹拌した。EtOAc及び15%NaOHを加え、(2つの)層を分離した。EtOAc層は、15%NaOH、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をラジアルクロマトグラフィ(EtOAc/ヘキサン)で精製したところ、565mgの1−ベンズヒドリル−5R−メチル−ピペラジンが得られた。M+H(267)。
【0358】
ステップB

【0359】
実施例3ステップFと同様に1−ベンズヒドリル−5R−メチル−ピペラジンと6−クロロインドール−5−カルボン酸を用いて調製した(収率95%)。M+H(444)。
【0360】
ステップC

【0361】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンを用いて実行した(収率93%)。M+H(585)。
【0362】

【0363】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率73%)。M+H(600)。
【実施例38】
【0364】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0365】
ステップA

【0366】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンを用いて実行した(収率96%)。M+H(569)。
【0367】
ステップB

【0368】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率60%)。M+H(584)。
【実施例39】
【0369】
2−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0370】
ステップA

【0371】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンとジメチルアミンとを用いて実行した(収率69%)。M+H(543)。
【0372】
ステップB

【0373】
実施例3ステップH(方法1)と同様に2−[5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率46%)。M+H(558)。
【実施例40】
【0374】
N−アリル−2−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0375】
ステップA

【0376】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R−メチル−ピペラジン−1−イル)−(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−メタノンとN−メチルアリルアミンとを用いて実行した(収率86%)。M+H(568)。
【0377】
ステップB

【0378】
実施例3ステップH(方法1)と同様にN−アリル−2−[5−(4−ベンズヒドリル−2−メチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−クロロ−1H−インドール−3−イル]−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率49%)。M+H(584)。
【実施例41】
【0379】
2−[1−アミノ−6−メトキシ−5−(4−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0380】
ステップA

【0381】
ブチルリチウム(18.8mL、47mmol)を、無水エーテル(100mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロマイド(16.8g、60mmol)の懸濁液に、室温で滴下した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。この反応混合物に、エーテル(30mL)中のBoc−ピペリドン(8g、50mmol)を滴下した。滴下中、白色の懸濁が生成した。反応混合物を引き続き2時間撹拌した後、固体を濾過除去した。濾液を水、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAc:ヘキサン(1:9)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィによって残渣を精製したところ、7.2g(72%)の目的生成物が得られた。M+H(198)。
【0382】
ステップB

【0383】
9−BBN(10mL、5.1mmol、THFで0.5M)を、4−メチレン−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1g、5.1mmol)の無水THF(5mL)溶液に加えた。反応混合物を1時間環流した。次いで、水(1mL)及びDMF(10mL)中の2−チオフェン−ブロマイド(759mg、4.66mmol)、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)ジクロリド、ジクロロメタン(125mg、0.15mmol)及び炭酸カリウム(952mg)の混合物を加えた。反応混合物を60℃で3時間加熱した。この反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。化合した有機層を水及びブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。EtOAc:ヘキサン(1:9)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィによって残渣を精製したところ、600mg(42%)の目的生成物が得られた。M+H(281)。
【0384】
ステップC

【0385】
HCl(5mL、ジオキサンで4M)を、4−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(600mg、2.13mmol)の溶液に加えた。反応混合物を終夜撹拌した。白沈を濾過し、エーテルで洗浄した。生成物をEtOAcに溶解し、NaCO溶液で洗浄し、乾燥・濃縮した。収率67%で得られた生成物(260mg)は、更に精製を行うことなく、次の反応に用いた。M+H(182)。
【0386】
ステップD

【0387】
実施例2ステップAと同様に6−メトキシインドール−5−カルボン酸及び4−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジンから調製した。M+H(355)。
【0388】
ステップE

【0389】
実施例2ステップBと同様に(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−(4−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジン−1−イル)−メタノンから調製した。M+H(454)。
【0390】
ステップF

【0391】
実施例2ステップCと同様に2−[6−メトキシ−5−(4−チオフェン−3−イルメチル−ピペリジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した。M+H(469)。
【実施例42】
【0392】
1−[1−アミノ−6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0393】
ステップA

【0394】
3−チオフェンカルボキシアルデヒド(1.2mL、12mmol)と、2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.0g、10mmol)とTi(OiPr)(6mL、14.8mmol)とを混合し、室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、これに、予め冷却していたNaCNBH3(1.76g、28mmol)のMeOH(12mL)溶液を添加した。反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水60mL及び濃NHOH20mLで急冷(反応停止)した。次いで、混合物を1時間撹拌した。この溶液をセライトを通して濾過し、メタノールで洗浄した。メタノールを減圧下で除去した。生じた生成物をEtOAcに溶解し、MgSOで乾燥し、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(2:1)で溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィによって精製した。生成物は、収率97%で得られた(2.8g、9.03mmol)。M+H(311)。
【0395】
ステップB

【0396】
2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.84g、6mmol)をジオキサン(20mL)中の4.0M HClに溶解し、1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、15%KOHで希釈し、EtOAcで洗浄し、NaSOで乾燥し、真空で濃縮したところ、目的生成物が収率87%(1.10g、5.24mmol)で得られた。M+H(211)。
【0397】
ステップC

【0398】
窒素雰囲気下における無水DMF(20mL)中の6−クロロインドール−5−カルボン酸(1g、5.12mmol)の懸濁液に、3−チオフェンピペラジン(1.40g、6.66mmol)及びTBTU(2g、6.14mmol)を加えた。混合物を室温で10分間撹拌した後、トリエチルアミンを加えた(2.30mL、15.36mmol)。反応混合物を室温で6時間撹拌した後、この反応混合物に対し、水(40mL)による希釈、酢酸エチルによる抽出(2×40mL)、乾燥(NaSO)、重力濾過、蒸発を行った。得られた固体を、EtOAc:ヘキサン(1:1)で溶出を行うシリカゲルでのカラムクロマトグラフィによって精製したところ、1.8g(収率89%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(388)。
【0399】
ステップD

【0400】
無水DCM(15mL)中の(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(600mg、1.55mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(1.63mL、3.85mmol、DCMで2M)0℃で滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、更に室温で1時間撹拌した。溶媒と過剰の塩化オキサリルを減圧下で除去した。生じた黄色の固体を減圧乾燥し、無水DCMに溶解した後、氷浴で冷却した。ピロリジン(33mg、4.65mmol)を添加した。30分後、反応混合物を水で処理し、DCMで抽出した。有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥・濃縮した。DCM中の2%MeOHで溶出を行うシリカゲルでのクロマトグラフィによって残渣を精製したところ、650mg(82%)の目的生成物が白色の固体として得られた。M+H(513)。
【0401】
ステップE

【0402】
1−[6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン(200mg、0.40mmol)のDMF(10mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0mL、0.710mmol、TMFで1.0M)を0℃で添加した。20分後、反応混合物に、o−(ジフェニルホスフィニル)ヒドロキシルアミン(470mg、2.0mmol)を添加した。1時間後、反応混合物を室温に加温し、3時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(10mL)で急冷(反応停止)し、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。生じた生成物を、調製用HPLC(アセトニトリル5%及び水95%、0.1%TFAバッファ)で精製した。95mg(45%)の生成固体の遊離塩基が得られた。M+H(528)。
【実施例43】
【0403】
1−[1−アミノ−6−クロロ−5−(2S,5R−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0404】
ステップA

【0405】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノンを用いて実行した(収率64%)。M+H(529)。
【0406】
ステップB

【0407】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−3−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した(収率51%)。M+H(544)。
【実施例44】
【0408】
2−[1−アミノ−6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0409】
ステップA

【0410】
実施例42ステップAと同様に実行した。収率48%。M+H(311)。
【0411】
ステップB

【0412】
実施例42ステップBと同様に2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを用いて実行した(収率89%)。M+H(211)。
【0413】
ステップC

【0414】
実施例42ステップCと同様に2S,5R−ジメチル−1−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン及び6−クロロインドール−5−カルボン酸を用いて実行した(収率74%)。M+H(487)。
【0415】
ステップD

【0416】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン及びジメチルアミンを用いて実行した(収率74%)。M+H(487)。
【0417】
ステップE

【0418】
実施例3ステップH(方法1)と同様に2−[6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率48%)。M+H(502)。
【実施例45】
【0419】
1−[1−アミノ−6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0420】
ステップA

【0421】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノンを用いて実行した。M+H(513)。
【0422】
ステップB

【0423】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。M+H(528)。
【実施例46】
【0424】
1−[1−アミノ−6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−(R(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0425】
ステップA

【0426】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−メタノンを用いて実行した。M+H(529)。
【0427】
ステップB

【0428】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[6−クロロ−5−(2R,5S−ジメチル−4−チオフェン−2−イルメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−1H−インドール−3−イル]−2−(R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。M+H(544)。
【実施例47】
【0429】
2−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0430】
ステップA

【0431】
4−アミノ−2−クロロ安息香酸(12g、67.84mmol)の200mL MeOH溶液に、2当量のSOCl(11mL、135.7mmol)を0℃で加えた。添加後氷水浴を外し、LC−MSで示されるように、開始物質が消失するまで、反応混合物を加熱環流した。反応物を再び室温に冷却した後、溶媒と過剰のSOClを減圧下で除去した。10%NaCO水溶液に残渣を懸濁した。生じた沈殿を濾過し、洗液が中性を示すまで水で洗浄した。次いで、濾過ケークを200mLの酢酸エチルに再溶解し、酢酸エチル層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥した。減圧下で濃縮し、真空乾燥することにより、12.27gの生成物が得られた(97.4%)。M+H(186)。
【0432】
ステップB

【0433】
4−アミノ−2−クロロ−安息香酸メチルエステル(12.27g、66.11mmol)及びピルビンアルデヒドジメチルアセタール(15.62g、132.22mmol)の260mL氷酢酸溶液に、無水NaSO(93.9g、661.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、粉末トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(42g、198.33mmol)を10分間の間に何回かに分けて添加した。終夜撹拌した。酢酸を減圧下で除去した後、十分な量の飽和NaCO溶液を添加することにより、残留物を塩基性にした。次いで、生成物を酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィ分離(30%酢酸エチル/ヘキサン)を行うことにより、16.5gの生成物が無色の油として得られた(87%)。M+H(288)。
【0434】
ステップC

【0435】
2−クロロ−4−(2,2−ジメトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−安息香酸メチルエステル(7.06g、24.55mmol)の100mL無水CHCl溶液に、0℃で、無水AlCl(9.8g、73.7mmol)を少量ずつ添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌した後、室温に加温し終夜撹拌した。氷冷水を慎重に加えて過剰のAlClを急冷(反応停止)し、有機層を分離し、飽和NaHCO溶液、水、及びブラインで洗浄した。次いで、有機層をNaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ分離(10〜30%酢酸エチル/ヘキサン)を行うことにより、0.659gの目的生成物が得られた(12%)。M+H(224)。
【0436】
ステップD

【0437】
0.56gの6−クロロ−2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(2.5mmol)を15mLのMeOHに溶解した。この溶液に、水5mL中の4当量のNaOHを加えた。反応混合物を4時間加熱環流した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を水に再溶解し、10%HCl水溶液で酸性化した。生成物を酢酸エチルで抽出した。次いで、有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。0.524gの生成物が得られた(100%)。M+H(210)。
【0438】
ステップE

【0439】
実施例3ステップFと同様に1−(4−フルオロ−ベンジル)−2S,5R−ジメチル−ピペラジン及び6−クロロ−2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸を用いて実行した(収率76%)。M+H(414)。
【0440】
ステップF

【0441】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノン及びジメチルアミンを用いて実行した(収率95%)。M+H(529)。
【0442】
ステップG

【0443】
実施例3ステップH(方法1)と同様に2−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した(収率97%)。M+H(529)。
【実施例48】
【0444】
1−{1−アミノ−6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0445】
ステップA

【0446】
実施例3ステップGと同様に(6−クロロ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−メタノン及びピロリジンを用いて実行した(収率93%)。M+H(540)。
【0447】
ステップB

【0448】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−{6−クロロ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。収率95%。M+H(555)。
【実施例49】
【0449】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド

【0450】
ステップA

【0451】
15.2gの2−メトキシ−4−ニトロ−安息香酸(75.6mmol)を200mLのMeOHに溶解した。この溶液に、N保護下でPd/C(10%、20mg/per mmol)を添加した。溶液を5分間脱気した。30psi Hでの水素化を終夜実行した。セライトを通す濾過により、パラジウム触媒を除去した。化合した有機層を濃縮・乾燥したところ、13gの生成物が得られた(100%)。M+H(168)。
【0452】
ステップB

【0453】
2.9gの4−アミノ−2−メトキシ−安息香酸(77.17mmol)を200mLのMeOHに溶解した。この溶液に、0℃で、2当量のSOCl(12.5mL、154.24mmol)を添加した。反応混合物を環流温度に終夜加熱した。減圧下で溶媒と過剰のSOClを除去した後、残渣を10%NaCOに懸濁した。生じた沈殿を濾過し、濾過ケークを、洗水が中性を示すまで、冷水で洗浄した。次いで、生成物を減圧下50℃で乾燥した。乾燥後、凡そ12.04gの生成物が得られた(86%)。M+H(182)。
【0454】
ステップC

【0455】
12.04gの4−アミノ−2−メトキシ−安息香酸メチルエステル(66.45mmol)、ピルビンアルデヒドジメチルアセタール(132.9mmol)の460mL氷酢酸溶液に、無水NaSO(94.4g、664.5mmol)を添加した。生成した混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、粉末トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(199.35mmol)を10分間の間に何回かに分けて添加した。反応混合物を更に3時間撹拌した。LC−MSが開始物質の完了(消滅)を示した後、減圧下で酢酸を除去した。十分な量の飽和NaHCO溶液を添加して、残渣を塩基性にした。次いで、生成物を酢酸エチル層に抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮したところ、15.6gの粗製物(83%)が得られた。M+H(284)。
【0456】
ステップD

【0457】
10.03gの4−(2,2−ジメトキシ−1−メチル−エチルアミノ)−2−メトキシ−安息香酸メチルエステル(35.4mmol)を120mLの乾燥CHClに溶解した。N保護下、この溶液に、1.7当量のBFOEt溶液を0℃で滴下した。添加後、氷水浴を外し、混合物を室温に加熱した後、終夜環流温度に加熱した。減圧下、溶媒を除去した。残渣を酢酸エチルに取り込み、5%NaSO、水、及びブラインで洗浄した。次いで、有機層を無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィ分離(50%(酢酸)エチル/ヘキサン)により、3.9gの生成物(50%)が得られた。M+H(220)。
【0458】
ステップE

【0459】
3.89gの6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル(17.74mmol)を30mLのMeOHに溶解した。この溶液に、水10mL中の4当量のKOHを添加した。次いで、反応混合物を6時間加熱環流した。減圧下で、溶媒を除去した。残渣を水に再溶解し、10%HCl水溶液で酸性化した。酢酸エチルを用いて、生成物を抽出した。次いで、有機層を水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した(100%)。M+H(206)。
【0460】
ステップF

【0461】
実施例3ステップFと同様に1−(4−フルオロ−ベンジル)−2S,5R−ジメチル−ピペラジン及び6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸を用いて実行した。収率83%。M+H(410)。
【0462】
ステップG

【0463】
実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノン及びジメチルアミンを用いて実行した(収率98%)。M+H(509)。
【0464】
ステップH

【0465】
実施例3ステップH(方法1)と同様に2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドを用いて実行した。収率95%。M+H(524)。
【実施例50】
【0466】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0467】
ステップA

【0468】
実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノン及びピロリジンを用いて実行した(収率87%)。M+H(534)。
【0469】
ステップB

【0470】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。収率96%。M+H(550)。
【実施例51】
【0471】
1−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−(R−(+)−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオン

【0472】
ステップA

【0473】
実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノン及びR−(+)−ヒドロキシピロリジンを用いて実行した(収率73%)。M+H(551)。
【0474】
ステップB

【0475】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−R−(+)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。収率65%。M+H(566)。
【実施例52】
【0476】
1−[1−アミノ−5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオン

【0477】
ステップA

【0478】
実施例3ステップFと同様に1−ベンズヒドリル−2S,5R−ジメチル−ピペラジン及び6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸を用いて実行した。収率82%。M+H(468)。
【0479】
ステップB

【0480】
実施例3ステップGと同様に(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル)−(6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノン及びピロリジンを用いて実行した(収率94%)。M+H(593)。
【0481】
ステップC

【0482】
実施例3ステップH(方法1)と同様に1−[5−(4−ベンズヒドリル−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インドール−3−イル]−2−ピロリジン−1−イル−エタン−1,2−ジオンを用いて実行した。収率97%。M+H(608)。
【実施例53】
【0483】
2−{1−アセチルアミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミドの調製

【0484】
無水THF(3mL)中の2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−ピペリジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−N,N−ジメチル−2−オキソ−アセトアミド(100mg、0.21mmol)の懸濁液に、ピリジン(60μL、0.63mmol)と塩化アセチル(45μL、0.63mmol)を0℃で添加した。この混合物は清澄した。これを室温で72時間撹拌した。反応混合物を真空で蒸発した。粗製物を水に入れ、これをCHClで抽出した。有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。0〜3%MeOH/CHClによるラジアルクロマトグラフィで残渣を精製したところ、30mg(28%)の目的生成物が得られた。M+H(523)。
【実施例54】
【0485】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミド

【0486】
ステップA

【0487】
ピロリジンの代わりにジオキサン中のアンモニアを用いたこと以外は、実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メトキシ−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(468)。
【0488】
ステップB

【0489】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メトキシ−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミドから調製した(収率47%)。M+H(483)。
【実施例55】
【0490】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミド

【0491】
ステップA

【0492】
ピロリジンの代わりにジオキサン中のアンモニアを用いたこと以外は、実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(452)。
【0493】
ステップB

【0494】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−2−オキソ−アセトアミドから調製した(収率63%)。M+H(467)。
【実施例56】
【0495】
2−{1−アミノ−5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミド

【0496】
ステップA

【0497】
ピロリジンの代わりにメチルアミンを用いたこと以外は、実施例3ステップGと同様に[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−イル]−(6−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノンから調製した。M+H(466)。
【0498】
ステップB

【0499】
アミノ化剤としてO−(2−ニトロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−ヒドロキシルアミンを用いたことを除き、実施例3ステップH方法2と同様に2−{5−[4−(4−フルオロ−ベンジル)−2R,5S−ジメチル−ピペラジン−1−カルボニル]−6−メチル−1H−インドール−3−イル}−N−メチル−2−オキソ−アセトアミドから調製した(収率67%)。M+H(481)。
【0500】
調製した化合物の多くは、そのp38−αキナーゼ阻害能に関して試験した。その結果、本書に示した実施例において開示した化合物(複数)は、p38−αの阻害に関し1.5μM以下の範囲のIC50値を有することが分かった。
【実施例57】
【0501】
2−ニトロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルヒドロキシルアミンの合成

【0502】
鉱油(2.00g、49.9mmol)中の水素化ナトリウム60%分散系を、ヒドロキシアセトイミド酸エチル(2)(4.29g、41.6mmol)のDMF(100mL)撹拌溶液に、乾燥窒素雰囲気下0℃で添加した。0℃で15分間撹拌した後、4−フルオロ−2−ニトロベンゾトリフルオリド(1)(8.70g、41.6mmol)を滴下した。溶液を0℃で更に1時間撹拌したのち、ゆっくりと室温に加温した。酢酸エチルと水を加えて反応を停止した(反応物を急冷した)。層分離を行い、有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるISCOクロマトグラフィシステムによって精製を行ったところ、10.45gの上記化合物3が得られた。NMR(CDCL3)δs, 1H, 8.3;d, 1H, 7.9;d, 1H, 7.8;q, 2H, 4.2;s, 3H, 2.3;t, 3H, 1.4。
【0503】
過塩素酸(20mL)の70%溶液を、上記化合物3(10.45g、43.2mmol)のジオキサン(30mL)撹拌溶液に0℃でゆっくりと加えた。反応物を更に1時間撹拌した後、酢酸エチルを添加した。溶液を水、5%KCOで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。酢酸エチル/ヘキサン勾配を用いるISCOクロマトグラフィシステムによって精製を行ったところ、6.55gの上記化合物4が得られた。NMR(CDCL3)δs, 1H, 8.2;d, 1H, 78.0;d, 1H, 7.8;3, 2H, 6.3。
【実施例58】
【0504】
4−ニトロ−2−(トリフルオロメチル)フェニルヒドロキシルアミンの合成

【0505】
固体KOH(4.8g、86.4mmol)をエタノール60mLに加え、溶液が透明になるまで撹拌した。この溶液に、3.2g(24.0mmol)のBoc−ヒドロキシルアミンを加え、反応混合物を0℃に冷却した。この反応混合物に、2−フルオロ−5−ニトロ−トリフルオロメチルベンゼン5.0g(30.0mmol)の30mLエタノール溶液を滴下し(30分間)、0℃で3時間撹拌した。水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、乾燥・蒸発したところ、生成物6が白色の固体として得られた。H NMR(CDCl)δ 1.45(s, 9H), 7.61(d, 1H), 7.95(s, 1H), 8.45(d, 1H), 8.61(s, 1H)。
【0506】
化合物(上記6)をトリフルオロ酢酸(30mL)に溶解し、反応混合物を外界温度で1時間撹拌した。TCL(10%酢酸エチル/ヘキサン)により、開始物質が全て消失したことを確認した後、トリフルオロ酢酸を真空下で除去した。固体を酢酸エチルに溶解し、10%炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥・蒸発したところ、生成物が多少黄みを帯びた固体として得られた。酢酸エチル中の10%ヘキサンから再結晶したところ、4.3g(80%)のフェニルヒドロキシルアミン7が白色の固体として得られた。H NMR(CDCl)δ 2.25(s, 2H), 7.42(d, 1H), 8.41(d, 1H), 8.51(s, 1H)。
【実施例59】
【0507】
インドール−3−カルボン酸メチルのアミノ化

【0508】
インドール(上記8)(175.2mg、1.0mmol)の3mL DMF溶液に、微粉末KCO(415.0mg、3.0mmol)を加え、1時間撹拌した。アミノ化剤(上記7)(288.0mg、1.3mmol)を一度に全部加え、反応混合物を24時間撹拌した。水で希釈し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥・蒸発した。ヘキサン中の20%酢酸エチルを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィで生成物を精製したところ、95mg(50%)の化合物(上記9)が白色の固体MS(M+1 191)として得られた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:

の化合物及びその医薬的に許容可能な塩、又はその医薬的に許容可能な組成物であって、
は一方がCAでかつ他方がCR、但しRは水素又は非妨害性置換基であり、
Aは−W−COXY、但しYはCORで、Rは水素又は非妨害性置換基、WとXはそれぞれ好ましくは2〜6Åのスペーサ、iとjは互いに独立に0又は1であり、
はそれぞれ互いに独立にH、又は非妨害性置換基、ただし2つのRは、任意的に、該2つのRと結合する窒素を含む5ないし6員環を形成してもよく、
はそれぞれ互いに独立に非妨害性置換基であり、
nは0〜3であり、
及びLはそれぞれリンカーであり、
はそれぞれ互いに独立に非妨害性置換基であり、
mは0〜4であり、
はCR又はN、但しRは水素又は非妨害性置換基であり、
Arは0〜5個の非妨害性置換基で置換されたフェニル基又はチエニル、但し2つの非妨害性置換基が融合環を形成してもよい、化合物。
【請求項2】
は、それぞれ互いに独立に、H、アルキル(1−6C)、アルケニル(2−6C)、アルキニル(2−6C)、アシル(1−6C)、アリールアルキル若しくはアリールアシル、又はそれらのヘテロ原子型であり、又は2つのRが結合して該2つのRと結合する窒素を含む環を形成し、但しR環は、任意的に、アルキル、ハロ、又はアルコキシで置換されてもよい、請求項1の化合物。
【請求項3】
2つのRは、何れも、H又はアルキル(1−4C)である、請求項2の化合物。
【請求項4】
は、一方がHでありかつ他方がアシルである、請求項2の化合物。
【請求項5】
2つのRが結合して環を形成している、請求項2の化合物。
【請求項6】
は、一方がHであり、他方がH以外である、請求項2の化合物。
【請求項7】
前記環は、ピペラジン環、ピペリジン環、又はモルフォリン環である、請求項5の化合物。
【請求項8】
AがCOXCOR、但し
は、H、又は直鎖型若しくは分枝型のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルであってそれぞれ任意的にハロ、アルキル、ヘテロアルキル、OR、NR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRSOR、NRSONR、OCONR、CONR又はRSiによって置換されたものであり、但しRはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、
又は、
は、OR、NR、SR、NRCONR、OCONR、又はNRSONR、但しRはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、及び同じ原子と結合する2つのRは3〜8員環を形成してもよく、及び該環は、更に、それぞれ任意的にハロ、SR、OR、NR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRSOR、NRSONR、OCONR又はRSiで置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルで置換されてもよく、但しRはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ原子含有型であり、同じ原子と結合する2つのRは3〜8員環を形成してもよく、更に任意的に上記のように置換されてもよく、及び
Xは、含有される場合は、アルキレンである、請求項1の化合物。
【請求項9】
はNRである、請求項8の化合物。
【請求項10】
NRは、

からなる群から選択されるか、又は一方のRはメチルであり、他方のRは非メチルである、請求項9の化合物。
【請求項11】
NRは、NHCH、N(CH)CHCHCH又はN(CH)OCHである、請求項10の化合物。
【請求項12】
jは0である、請求項10の化合物。
【請求項13】
は、CO、CHOH又はCHである、請求項1の化合物。
【請求項14】
は、COである、請求項13の化合物。
【請求項15】
は、Nである、請求項1の化合物。
【請求項16】
は、CRである、但しRはH、OR、NR、SR又はハロであり、Rはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ原子含有型である、請求項1の化合物。
【請求項17】
は、アルキレン(1−4C)又はアルケニレン(2−4C)である、請求項1の化合物。
【請求項18】
は、メチレンである、請求項17の化合物。
【請求項19】
Arは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアルキルアリール、NH−アロイル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOからなる群から選択される0〜5置換基で任意的に置換されたフェニル又はチエニルであり、但しRはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ型であり、及び隣接する位置にある前記任意的な置換基の2つが結合して、任意的に置換された芳香性又は非芳香性で飽和又は不飽和の融合3〜8員環を形成してもよい、請求項1の化合物。
【請求項20】
前記フェニル又はチエニルは、未置換であるか又はただ1つの置換基を有する、請求項18の化合物。
【請求項21】
前記任意的置換基は、ハロ、OR、又はアルキルである、請求項20の化合物。
【請求項22】
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アシル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロアルキルアリール、NH−アロイル、ハロ、OR、NR、SR、SOR、SOR、OCOR、NRCOR、NRCONR、NRCOOR、OCONR、RCO、COOR、アルキル−OOR、SOR、CONR、SONR、NRSONR、CN、CF、RSi及びNOからなる群から選択され、但しRはそれぞれ互いに独立にH、アルキル、アルケニル若しくはアリール又はそれらのヘテロ型であり、及び隣接する位置にある2つのRが結合して、任意的に置換された芳香性又は非芳香性で飽和又は不飽和の融合3〜8員環を形成してもよく、又はRは=O又は該=Oのオキシム、オキシムエーテル、オキシムエステル若しくはケタールである、請求項1の化合物。
【請求項23】
は、それぞれ、ハロ、OR、又はアルキルである、請求項22の化合物。
【請求項24】
mは、0、1、又は2である、請求項23の化合物。
【請求項25】
mは2であり、かつ2つのRはアルキルである、請求項24の化合物。
【請求項26】
は、それぞれ、ハロ、アルキル、ヘテロアルキル、OCOR、OR、NRCOR、SR、又はNRであり、但しRはH、アルキル、アリール、又はそれらのヘテロ型である、請求項1の化合物。
【請求項27】
は、ハロ、又はアルコキシである、請求項26の化合物。
【請求項28】
nは、0、1、又は2である、請求項27の化合物。
【請求項29】
は、α環の4位、5位又は6位に結合する、請求項1の化合物。
【請求項30】
3位のZはCAであり、2位のZはCHである、請求項1の化合物。
【請求項31】
式(1)の化合物は、表1に記載された複数の化合物からなる群から選択される、請求項1の化合物。
【請求項32】
上昇されたp38−α活性によって特徴付けられる状態を治療するための医薬組成物であって、
治療有効量の請求項1の化合物と許容可能な医薬賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項33】
付加的治療剤を更に含む、請求項32の組成物。
【請求項34】
前記付加的治療剤は、コルチコステロイド、モノクローナル抗体、又は細胞分割阻害剤である、請求項33の組成物。
【請求項35】
p38−αキナーゼによって媒介される状態を治療するための方法であって、
当該治療の必要のある被検体に、請求項1の化合物又はその医薬組成物を投与することを含む、治療方法。
【請求項36】
前記状態は、炎症誘発反応である、請求項35の方法。
【請求項37】
前記炎症促進反応は、多発性硬化症、IBD、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形関節炎、通風性関節炎、その他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、グラム陰性敗血症、毒物ショック症候群、喘息、成人呼吸窮迫症候群、脳卒中、再灌流損傷、CNS損傷、乾癬、再狭窄、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコシス(sarcosis)、骨吸収疾患、移植片対宿主反応、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病又はピレシス(pyresis)である、請求項36の方法。
【請求項38】
は、アリール、ヘテロ環、アルキル又はヘテロアルキル置換基を有するメチレンである、請求項1の化合物。
【請求項39】
は、メチル又はフェニル置換基を有するメチレンである、請求項38の化合物。
【請求項40】
哺乳動物の炎症誘発反応を治療するための薬剤を調製するためのp38キナーゼ阻害剤の使用。
【請求項41】
前記p38キナーゼ阻害剤は、請求項1〜21の何れか一の化合物である、請求項40の使用。
【請求項42】
前記炎症誘発反応は、多発性硬化症、IBD、慢性関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、変形関節炎、通風性関節炎、その他の関節炎状態、敗血症、敗血症性ショック、内毒素ショック、グラム陰性敗血症、毒物ショック症候群、喘息、成人呼吸窮迫症候群、脳卒中、再灌流損傷、CNS損傷、乾癬、再狭窄、脳マラリア、慢性肺炎症性疾患、珪肺症、肺サルコシス(sarcosis)、骨吸収疾患、移植片対宿主反応、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病又はピレシス(pyresis)である、請求項40の使用。

【公表番号】特表2006−506346(P2006−506346A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−534595(P2004−534595)
【出願日】平成15年9月3日(2003.9.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/027761
【国際公開番号】WO2004/022712
【国際公開日】平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願人】(504177206)サイオス インク. (5)
【Fターム(参考)】