説明

プリフォームの射出成形装置

【課題】 本発明は中間層樹脂が流動する中流路の下流側の端部に遮断縦リブ片を配設して中間層樹脂を周方向に分断するようにしたノズル部を使用するプリフォームの射出成形装置において、プリフォームにおける中間層のリーディングエッジの高さ位置の周方向での変動を小さくすることを技術的課題とする。
【解決手段】 ノズル部は、基体層を形成する内流路及び外流路と、中間層を形成する中流路の3ケの円筒状の層形成流路を配設したものとし、中流路は下流側の端部に周方向に並列状にこの中流路を横断する遮断縦リブ片を配設し、この遮断縦リブ片により中流路を周方向に所定の数の流路に分断する構成とし、また、プリフォームに現出する中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の高低差が小さくなるように、遮断縦リブ片の周方向の配設位置により中流路における中間層樹脂の流動挙動を調整する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主材樹脂による基体層中に中間層を積層した試験管状のプリフォームと、このプリフォームを成形するための射出成形装置、特にこの射出成形装置に用いるノズルに関する。

【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)樹脂製等の2軸延伸ブロー成形による壜体は、飲料用、食品用、化粧料等のさまざまな分野に使用されている。特にガスバリア性を必要とする用途では、主材樹脂であるPET樹脂からなる基体層中にナイロン系樹脂やエチレンビニルアルコール共重合樹脂等のガスバリア性樹脂から成る中間層を積層した壜体が用いられている。
特許文献1にはPET樹脂製の基体層中にナイロン樹脂製の中間層を積層した2軸延伸ブロー成形による積層壜体、その一次成形品である試験管状の積層プリフォームの成形方法が記載されている。
【0003】
このようにPET樹脂製の基体層中にナイロン樹脂等のガスバリア性樹脂製の中間層を積層した2軸延伸ブロー壜体では、PET樹脂製の基体層とガスバリア性樹脂層製の中間層は密着しているものの、多くの場合接着しているわけではない。
このため、落下等の衝撃に起因する剪断力の作用により両層が部分的に剥離する恐れがある。
そして、たとえば炭酸飲料用の用途では、上記のように部分的に層間剥離した箇所が一旦できると、この剥離した部分でPET樹脂製の内層を透過して、内層とガスバリア性樹脂製の中間層の間に炭酸ガスが進入し、この進入した炭酸ガスの圧力により剥離がさらに大きく進行し、剥離界面で光が散乱あるいは反射して剥離していることが外側からも認められ外観を損ねてしまう、あるいは消費者に品質に係る不安を与えてしまうと云う問題が生じる。
【0004】
この点、本願の出願人による特許文献2には、上記のような中間層を有する壜体における剥離の問題を解消した積層壜体に係る発明が記載されている。
図11、12は特許文献2に記載される壜体の例を示すもので、この壜体601は、口筒部602、ネックリング603、肩部604、胴部605、底部606を有し、所定の高さ領域h2では、図12の平断面図に示されるようにPET樹脂製の基体層611である外層611aと内層611bの間にナイロン樹脂製の中間層613を積層した積層構造を有する。
ここで、この壜体601の特徴は、中間層613が、内外両側に積層する外層611aと内層611bを連結して形成される縦帯状連結部614により周方向に、この例では16ケの領域に分断されている点、にある。
【0005】
そして、この壜体601では落下等の衝撃により縦帯状連結部614により周方向に分断された一つの領域で層間剥離が発生したとしても、縦帯状連結部614によりこの層間剥離が隣接する領域へ進行することを防ぐことができ、層間剥離の発生を限定した領域に留めて、壜体の外観を良好に、また透明な状態で維持することができる。
【0006】
図13は上記壜体601を2軸延伸ブロー成形するのに使用する試験管状のプリフォームの例を示す(a)は部分的に縦断した正面図、(b)は(a)中のD−D線に沿って示す平断面図である。
このプリフォーム501は壜体601と同様に、PET樹脂製の基体層511中にナイロン樹脂製の中間層513を積層した積層構造を有し、周方向に並列状に配設した16ケの縦帯状連結部514により中間層513が分断されている。
【0007】
そして、このプリフォーム501は、基体層511を形成するPET樹脂中に中間層513を形成するナイロン樹脂を積層するための流路を形成したノズル部を有する射出成形装置を用いて成形するが、
このノズル部でナイロン樹脂が流動する円筒状の中流路の下流側の端部に周方向に等中心角度の間隔をおいて遮断縦リブ片を16ケ配設することにより、ナイロン樹脂の流動を周方向に分断し、上記のようにプリフォーム501におい16ケの縦帯状連結部514を形成することができる。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平1−254539号公報
【特許文献2】特開2010−012605公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、図13(a)に示されるプリフォーム501の左半分では中間層513の積層領域をクロスハッチングして示しているが、この中間層513の最上端であるリーディングエッジLE、および最下端であるトレーリングエッジTEがそれぞれ一定の高さ位置にあるように簡略化して示している。
しかし、実際にはこれらリーディングエッジLEとトレーリングエッジTEの高さ位置は周方向に大なり小なり変動しており、リーディングエッジLEの最上端と最下端の高低差は、成形装置や成形条件によって、10mm以上にも達する場合がある。
【0010】
一方、図11、12に示される壜体601の口筒部602は、キャップでのシール性が損なわれないようにするため、高度な寸法精度が必要な部位であり、
図13に示すプリフォーム501を射出成形する際には、中間層513が積層することに起因する口筒部502の成形収縮や熱結晶化処理による歪な変形を抑制するため、中間層513が口筒部502の高さ範囲に進入しないように、
たとえば、成形における振れも含めてリーディングエッジLEの最上端を平均でネッククリング503の位置より下になるように成形条件を設定する場合がある。
【0011】
このため、リーディングエッジLEの高さ位置に上記したような大きな変動があると最上端以外の部分ではリーディングエッジLEが、ネックリング503からかなり下位に位置することになり、
たとえば、リーディングエッジLEが最上端以外の部分でネックリング503から10mm下位に位置する場合には、2軸延伸ブロー成形ではプリフォーム501は縦方向に3倍程度延伸されるので、壜体601ではネックリング603の下位30mm程度に位置することになり、十分なガスバリア性を発揮させることができなくなってしまうと云う問題を有する。
【0012】
そこで、本発明は中間層を積層した2軸延伸ブロー成形壜体用のプリフォームの射出成形装置、特に中間層樹脂が流動する中流路の下流側の端部に周方向に所定の数、並列状に遮断縦リブ片を配設して中間層樹脂を周方向に分断するようにしたノズル部を使用する射出成形装置において、プリフォームにおける中間層のリーディングエッジの高さ位置の周方向での変動を小さくすることを技術的課題とするものである。

【課題を解決するための手段】
【0013】
上記技術的課題を解決する本発明の射出成形装置の主たる構成は、主材樹脂による基体層中に、少なくとも1層の中間層を積層した2軸延伸ブロー成形用の試験管状のプリフォームを射出成形するためのものであり、主材樹脂と中間層を形成する中間層樹脂を積層するノズル部を有する射出成形装置において、
ノズル部は、
少なくとも、主材樹脂による基体層を形成する内流路及び外流路と、この内流路と外流路の間に位置し中間層樹脂による中間層を形成する中流路の3ケの円筒状の層形成流路を同軸心状に配設したものとし、
中流路は、
溝状の流路であるマニホールドを介して円筒状の流路に溶融樹脂を分配し、
下流側の端部に周方向に並列状にこの中流路を横断する所定の数の遮断縦リブ片を配設し、この遮断縦リブ片により中流路を周方向に前記所定の数の流路に分断する構成とし、
また、プリフォームに現出する中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の高低差が小さくなるように、遮断縦リブ片の周方向の配設位置により中流路における中間層樹脂の流動挙動を調整する構成とする、
と云うものである。
【0014】
上記構成の射出成形装置によれば、基体層中に中間層を積層した積層領域を形成すると共に、この積層領域で中間層がない、中間層の内外両側に積層する基体層が連結した縦帯状連結部を周方向に所定の数、並列状に中心軸方向に沿って形成し、この縦帯状連結部により周方向に中間層を分断した2軸延伸ブロー成形用の積層プリフォームを成形することができる。
そして、この積層プリフォームを2軸延伸ブロー成形することにより、縦帯状連結部により中間層を周方向に多数の領域に分断した合成樹脂製積層壜体を得ることができ、
落下等の衝撃により、一つの領域で層間剥離が発生したとしても、縦帯状連結部より、この層間剥離が隣接する領域へ進行することを防ぐことができ、層間剥離の発生を限定した領域に留めて、壜体の外観を良好に、また透明な状態で維持することができる。
【0015】
ここで、中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の高低差が小さくなるようにするためには、中流路における中間層樹脂の流動挙動を調整する、特に円筒状流路の下流端への中間層樹脂の到達時間の周方向のバラツキを抑制することが必要であるが、
プリフォームにおいて、たとえばガスバリア性の中間層を形成する場合、中間層の層厚は高々1mm程度であるので、円筒状の流路のクリアランスの調整やマンドレルの溝形状により、樹脂の流動挙動が均一になるように調整すること、特に上記円筒状流路での下流端への樹脂の到達時間の周方向のバラツキを効果的に抑制することは技術的に難しい問題である。
【0016】
そこで、上記主たる構成中の「プリフォームに現出する中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の差が小さくなるように、遮断縦リブ片の周方向の配設位置を設定する。」と云う構成は、
中間層を周方向に分断するために配設した遮断縦リブ片を利用し、更に云えば遮断縦リブ片が配設される位置と、隣接する遮断縦リブ片間の位置での樹脂の流動挙動の差異を利用し、円筒状流路における中間層樹脂の流動挙動を調整し、上記した円筒状流路での樹脂の下流端への到達時間の周方向でのバラツキを抑制しようとするものであり、
遮断縦リブ片の周方向の配置位置により中間層樹脂の流動挙動に係る調整機能が発揮され、円筒状流路での樹脂の下流端への到達時間の周方向のバラツキを抑制することができ、プリフォームにピーク状に現出する中間層のリーディングエッジの最上端のピーク高さを抑制して、最上端と最下端の高低差を小さくすることが可能となる。
【0017】
ここで、遮断縦リブ片の個数や、その形状は壜体における基体層と中間層の層間剥離の進行の抑制効果、プリフォームの成形性やプリフォームの2軸延伸ブロー成形性、そして壜体のガスバリア性等を考慮して決めることができるものである。
またプリフォームの成形性やこのプリフォームの2軸延伸ブロー成形性を考慮すると、遮断縦リブ片は等中心角度の間隔を於いて周方向に均等に配設させることが好ましい。
【0018】
そして、上記のように層間剥離の進行の抑制効果等から遮断縦リブ片の配設個数が決まると、周方向に一定間隔に並べた所定の数の遮断縦リブ片を、中流路の中心軸に対してどの中心角度位置に配設するのがリーディングエッジの高低差を小さくするのに有効であるかは、コンピュータシミュレーションにより流動状態を計算し、この計算結果に基づいてノズルの中流路を形成する部位を試作して実験することにより、比較的容易に決めることができる。
【0019】
また、本発明の射出成形装置の構成によれば、中間層の両側を基体層で積層すると云う構成範囲の中で、適宜、ノズルで円筒状の流路を追加することにより、プリフォームの積層構造を2種3層、2種5層、3種4層、3種5層等の積層構造とすることもできる。
【0020】
射出成形装置に係る他の構成は、上記主たる構成において、プリフォームでリーディングエッジの最上端が現出する位置に対応する周方向位置に、所定の数の遮断縦リブ片のうちの一つが配設されるように、この所定の数の遮断縦リブ片の周方向の配設位置を設定する、と云うものである。
【0021】
前述したように、中流路の円筒状流路はそのクリアランスが小さく、クリアランスやマンドレルの溝形状を調整して樹脂の流動挙動を均一になるように、特に上記した到達時間の周方向のバラツキを効果的に抑制することは難しく、
遮断縦リブ片を配設しないノズルで成形する場合にも、リーディングエッジは、プリフォームの周方向の一つの位置で最上端がピーク状に現出する傾向にある。
【0022】
ここで、多くの場合、上記のようにプリフォームでリーディングエッジの最上端となる周方向位置と、中流路で樹脂が最も早くその下流端に到達する周方向位置が対応しており、上記構成によりプリフォームでリーディングエッジの最上端が現出する周方向位置に対応する周方向位置に遮断縦リブ片のうちの一つが配設されるようにすることにより、
樹脂が最も早くその下流端に到達する周方向位置での到達時間を遅らせて、全周に亘る到達時間のバラツキを全体に抑制することができ、その結果、特にリーディングエッジの最上端部分のピークの高さを抑制することができ、プリフォームに現出する中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の高低差を小さくすることが可能となる。
【0023】
なお、中流路で層形成される中間層は、内流路および外流路で層形成される内外の基体層と合流する際、これら内外の基体層の流動により影響を受けるため、
上記した、樹脂が最も早くその下流端に到達する周方向位置とプリフォームにおいてリーディングエッジの最上端となる周方向位置がずれる場合があるが、このような場合も両位置は一対一の対応関係があるので、まず、最初にリーディングエッジの最上端となる周方向位置と同じ周方向位置に遮断縦リブ片のうちの一つが配設する構成を検討し、その後、この角度位置を微調整することにより、確実に、リーディングエッジの最上端と最下端の高低差を小さくする所定の数の遮断縦リブ片の配置位置を設定することが可能となる。
【0024】
射出成形装置に係るさらに他の構成は、上記主たる構成において、
中流路において、マニホールドの上流側の端部に配設される、この中流路への中間層樹脂の流入口の配設位置に対して、180度反対側の周方向位置に、所定の数の遮断縦リブ片のうちの一つが配設されるように遮断縦リブ片の周方向での配設位置を設定する、と云うものである。
【0025】
本願の発明者らは、多くの場合、マニホールドの上流側の端部に配設される中間層樹脂の中流路への流入口の配設位置に対して180度反対側の周方向位置で、樹脂が最も早く円筒状の下流端に到達し、当該周方向位置に対応するプリフォームの周方向位置で、ピーク状にリーディングエッジの最上端が現出することを見出し、上記構成を想起するに到った。
【0026】
上記構成により、マニホールドの上流側の端部に配設される中間層樹脂の流入口の配設位置に対して、180度反対側の周方向位置に遮断縦リブ片のうちの一つが位置するように、遮断縦リブ片の周方向での配設位置を調整することにより、多くの場合、リーディングエッジの最上端のピーク高さを抑制することができ、リーディングエッジの最上端と最下端の高低差を小さくすることが可能となる。
因みに、中間層樹脂の流入口の配設位置に対して180度反対側の周方向位置が隣接する遮断縦リブ片の間になる場合には、最上端と最下端の高低差が大きくなる場合が多い。
さらに言及すると、上記構成はリーディングエッジの高低差を小さくするために遮断縦リブ片を配設する周方向位置を設定する上で、最初に検討すべき配設態様とすることができる。

【発明の効果】
【0027】
本発明は、上記した構成であり以下に示す効果を奏する。
本発明の射出成形装置に係る発明にあっては、「プリフォームに現出する中間層のリーディングエッジの最上端と最下端の高低差が小さくなるように、遮断縦リブ片の周方向の配設位置を設定する。」と云う構成は、中間層を周方向に分断するために配設した遮断縦リブ片を利用し、円筒状流路における中間層樹脂の流動挙動を調整して円筒状流路での樹脂の下流端への到達時間の周方向でのバラツキを抑制しようとするためのものであり、
遮断縦リブ片の周方向の配置位置により中間層樹脂の流動挙動に係る調整機能が発揮され、円筒状流路での樹脂の下流端への到達時間の周方向のバラツキを抑制することができ、プリフォームにピーク状に現出する中間層のリーディングエッジの最上端のピーク高さを抑制して、最上端と最下端の高低差を小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の射出成形装置により成形されたプリフォーム実施例を示す(a)は部分的に縦断した正面図、(b)は(a)中のA−A線に沿って示す平断面図である。
【図2】(a)は図1の実施例のプリフォーム、(b)は比較例のプリフォームにおける中間層のリーディングエッジの変動態様を示す概略説明図である。
【図3】図1のプリフォームを二軸延伸ブロー成形した壜体の正面図である。
【図4】図3中のB−B線に沿って示す平断面図である。
【図5】本発明の射出成形装置のノズル部の一例を示す断面図である。
【図6】図5のノズル部にホットランナーブロックを組付けた状態を示す断面図である。
【図7】図6中のノズル部の中流路を形成する第1リングマンドレルの正面図ある。
【図8】図7に示す第1リングマンドレルの下端部を斜め下方からみた斜視図である。
【図9】(a)は図7に示す第1リングマンドレルの底面図、(b)は比較例のプリフォームの射出成形に使用した第1リングマンドレルの底面図である。
【図10】図1のプリフォームを成形するための射出パターンの一例を示す説明図である。
【図11】従来の壜体の例を示す正面図である。
【図12】図11のC−C線に沿って示す平断面図である。
【図13】図11の壜体を成形するのに使用したプリフォームの(a)は部分的に縦断した正面図、(b)は(a)中のD−D線に沿って示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の射出成形装置、この射出成形装置を使用して成形したプリフォームの実施形態について、実施例に沿って図面を参照しながら説明する。
図1、図2(a)は後述する本発明の射出成形装置により成形したプリフォーム101の一実施例を示すもので、図1(a)は部分的に縦断した正面図、図1(b)は平断面図、図2(a)は中間層113のリーディングエッジLEの周方向での変動態様を示す概略説明図である。
このプリフォーム101はPET樹脂を主材樹脂とした試験管状の形状をしたもので、口筒部102、ネックリング103、円筒状の胴部105、底部106から成っている。
なお、図1(a)と図2(a)では中間層113の積層領域をクロスハッチングで示している。
【0030】
このプリフォーム101の積層構造を見ると、
所定の高さ領域h1(本実施例ではネックリング103の下端直下から底部106の上端に至る高さ領域)では、図1(b)の平断面図に示されるように主材樹脂であるPET樹脂製の基体層111である外層111aと内層111bの間にガスバリア性樹脂であるポリキシリレンジアミンアジパミド(MXD6ナイロン)樹脂(以下、ナイロン樹脂と略記する。)製の中間層113を積層した積層構造を有するが、
図1(a)、(b)に見られるように中間層113は、周方向に8ケ、並列状に中心軸方向に沿って縦方向に延設される、基体層111である外層111aと内層111bが連結した縦帯状連結部114により周方向に分断されている。
【0031】
ここで、図1(a)では中間層113の最上端であるリーディングエッジLE、および最下端であるトレーリングエッジTEがそれぞれ一定の高さ位置にあるように簡略化して示しているが、実際にはこの高さ位置は周方向に変動している。
図2(a)は、図1(a)に示されるプリフォーム101の上半分部を拡大した正面図で、中間層113のリーディングエッジLEが周方向に変動する様子を示した概略説明図である。
この図2(a)で示されるように、縦帯状連結部114により周方向に8ケに分割された中間層113の各領域では左右中心位置でリーディングエッジLEがピークを有し、また各領域でのピークを包絡状に連結し、一点鎖線で表した包絡線L1(背面では点線で示している。)で全体的に見ると、
図中、プリフォーム101の正面にリーディングエッジLEの最上端Pmaxがピーク状に位置し、180度反対側の背面に最下端Pminが位置し、この最上端Pmaxと最下端Pminの間で周方向に沿って、その高さ位置が変化している。
【0032】
そして、本実施例のプリフォーム101では、最上端Pmaxと最下端Pminの差から求められる、両者の高低差hdの、多数成形したプリフォームの平均値は6.0mmである。
一方、図2(b)は別途用意した比較例のプリフォーム101でのリーディングエッジLEの周方向での変動態様を、実施例のプリフォームに係る図2(a)と同様に示す概略説明図であり、
包絡線L2の最上端Pmaxと最下端Pmin差から求められる両者の高低差hdは10.0mmにも達する。
【0033】
なお、図2(a)、(b)では、プリフォーム101の正面に最上端Pmaxがピーク状に位置し、180度反対側の背面に最下端Pminが位置し、この最上端Pmaxと最下端Pminの間で周方向に沿って、その高さ位置が徐々に変化すると云う、リーディングエッジLEの周方向での変動態様の代表的な例を示したが、
マニホールド14bの溝形状によって、リーディングエッジLEの高さ位置が全周に亘って周方向に略平坦状で、周方向の一箇所で最上端Pmaxがピーク状に現出する例も多くみられる。
【0034】
次に図3、4は図1のプリフォーム101を2軸延伸ブロー成形した壜体の一例を示すものであり、図3は正面図、図4は図3中のB−B線に沿って示す平断面図である。
この壜体201はPET樹脂を主材樹脂とし、炭酸成分を含む飲料用の容器として使用される、所謂、耐圧PETボトルで、口筒部202、ネックリング203、肩部204、円筒状の胴部205、複数の脚を突出して所謂ペタロイド状の形状とした底部206から成っている。
【0035】
この壜体201の所定の高さ領域h2(本実施例ではネックリング203の下端直下から底部206の上端部直上に至る高さ領域)では、図4の平断面図に示されるように主材樹脂であるPET樹脂製の基体層211である外層211aと内層211bの間にナイロン樹脂製の中間層213を積層した積層構造を有する。さらに、中間層213は、両側に積層する外層211aと内層211bを連結して壜体201の周方向に8ケ、並列状に中心軸方向に沿って縦方向に延設される縦帯状連結部214により周方向に分断されている。
なお、図3の正面図では中間層213が積層されている領域を分り易いようにクロスハッチングして示しているが、実際には中間層213と基体層である外層211aあるいは内層211bは密着状態にあり、外観上は透明な壜体である。
【0036】
ここで、従来のこの種の耐熱圧性のPETボトルでは、落下等の衝撃により中間層と外層あるいは内層の層間に剪断力が作用し、部分的に層間剥離が発生し、
特に、炭酸飲料用の用途では、上記のように部分的に層間剥離した箇所が一旦できると、この剥離した部分でPET樹脂製の内層を透過して、内層とガスバリア性樹脂製の中間層の間に炭酸ガスが進入し、この進入した炭酸ガスの圧力により剥離がさらに大きく進行し、剥離界面で光が散乱あるいは反射して剥離していることが外側からも認められ外観を損ねてしまう、あるいは消費者に品質に係る不安を与えてしまうと云う問題が生じる。
一方、本実施例の壜体201では、中間層213を周方向に多数の(本実施例では8ケの)領域に分断する縦帯状連結部214の作用効果が発揮され、一つの領域で部分的に層間剥離が発生したとしても、縦帯状連結部214より、この層間剥離が隣接する領域へ進行することを防ぐことができ、層間剥離の発生を限定した領域に留めて、壜体201の外観を良好に、また透明な状態で維持することができる。
【0037】
次に、図5〜9は本発明の射出成形装置の一実施例を示すものであり、
図5はノズル部11の一例を示す断面図で下流側に金型1を取り付けた状態を示し、図6は図5のノズル部11の上流側にホットランナーブロック21を組付けた状態を示す断面図である。
また、図7、8、9(a)はそれぞれ中流路16を形成する第1リングマンドレル24cの正面図、斜め下方から見た斜視図、底面図である。
この、射出成形装置は図1に示すプリフォーム101を射出成形するためのもので、2種類の異なる樹脂を個別に溶融状態で供給する樹脂供給部A、Bと、2種の溶融樹脂を積層するノズル部11と、プリフォームを形成する金型1を有する。
【0038】
このうち、ノズル部11は、図6に示されるように同軸心状に配設される、シャットオフピン20、第1リングマンドレル24c、第2リングマンドレル24d、第3リングマンドレル24eにより、プリフォーム101の基体層111である内層111bと外層111aを形成する円筒状の内流路15および外流路17と、中間層113を形成する円筒状の中流路16の3ケの層形成流路が形成されている。
また、これら3ケの円筒状の層形成流路の下流側の端部では流路が縮径してテーパー筒状の流路となっており、このテーパー筒状の流路の下流側に、各層形成流路を流動する樹脂が合流する合流点18を介して円柱状の合流路19を配設している。
また、中流路16の円筒状流路の下流側の端部でテーパー筒状となった部分には、この中流路16を周方向に8ケの流路に分断するように、中流路16を横断する遮断縦リブ片16Rを周方向に8ケ、並列状に等中心角度の間隔で配設している。
【0039】
図7、8、9(a)は中流路16の内周壁を形成する第1リングマンドレル24cの詳細な形状を示すものであるが、図7の正面図に示されるように、溶融樹脂の流入口13b(図6も参照)から円筒状の流路に溶融樹脂を分配する、溝状の流路であるマニホールド14bを左右対称状に配設しており、下流側の端部であるテーパー状の部分に、8ケの遮断縦リブ片16Rが周方向に、並列状に等中心角度の間隔で配設されている。
【0040】
ここで、図9(a)に示されるよう、マニホールド14bの基端部に相当する位置に配設される流入口13bの配設位置に対して、周方向で180度反対側の位置に、8ケの遮断縦リブ片16Rのうちの一つ(遮断縦リブ片16Rb)が位置するように、等中心角度間隔に配設される8ケの遮断縦リブ片16Rの周方向の配設位置を設定している。
なお、図中樹脂の流入方向を矢印で示している。
【0041】
一方、図9(b)示されるのは、図2(b)に示した比較例のプリフォームを成形するのに使用した第1リングマンドレル24cの底面図で、図2(a)に示した実施例のプリフォームを成形するのに使用した第1リングマンドレル24cの底面図9(a)に対して、8ケの遮断縦リブ片16Rの周方向の配設位置を22.5度ずらし、流入口13bの配設位置に対して、周方向で180度反対側の周方向位置に隣接する遮断縦リブ片16R間の間隙Sが位置するようにしたものである。
【0042】
ここで、前述した図2(a)に示される実施例のプリフォーム101と図2(b)に示される比較例のプリフォーム101は、図9(a)、(b)に示されるように8ケの遮断縦リブ片16Rの周方向の配設位置を22.5度ずらした点を除いて、同じ成形装置、および成形条件で射出成形したものであるが、
この両プリフォームを比較することにより、図2(a)に示される実施例のプリフォーム101では、比較例のプリフォーム101に対して、遮断縦リブ片16Rの周方向の適宜な配設により、リーディングエッジLEの高低差hdを大幅に小さくできることが確認された。
【0043】
図9(a)に示されるように、流入口13bの配設位置に対して、周方向で180度反対側の位置に、8ケの遮断縦リブ片16Rのうちの一つ(遮断縦リブ片16Rb)を位置させることにより、この遮断縦リブ片16Rbが樹脂の流動に対する、所謂、邪魔板として作用し、当該周方向位置、すなわち樹脂が最も早くその下流端に到達する周方向位置で、その到達時間を遅延させて、プリフォーム101でピーク状に現出するリーディングエッジLEの最上端のピーク高さが抑制され、その高低差を小さくすることができたものと推定される。
一方、図9(b)の構成では、樹脂が最も早くその下流端に到達する周方向位置には隣接する遮断縦リブ片16R間の間隙Sが位置するため、リーディングエッジLEの最上端のピーク高さが高くなってしまう。
なお、図2(a)、(b)で示すプリフォーム101の背面側の左右中央部、すなわち、最下端Pminが現出する周方向位置が、図9(a)、(b)で流入口13bが位置する矢印で示した周方向位置に対応する。
【0044】
次に、上記説明した射出成形装置を使用した、図1、2に示される積層プリフォーム101の成形工程の概略を説明する。
図5、6に示されるように、樹脂供給部Aから供給される主材樹脂であるPET樹脂を供給口22a、ホットランナーである流路23aを経て、そして樹脂供給部Bから供給される中間層樹脂であるナイロン樹脂を供給口22b、流路23bを経て、予め設定されたタイミングでノズル部11に供給し、このノズル部11内でこれら2種の樹脂を合流させて金型1のキャビティ1a内に充填する。
中間層樹脂が供給される流路23bのノズル部11への接続点近傍には、中間層樹脂の供給開始と停止を、短時間に高精度で実施することができるように、ボール弁による逆流防止機能を有するチェックバルブ25が付設されている。
【0045】
そして、主材樹脂は流路23aに連通する導入路12aを通って2つのマニホールド14a1、14a2によりそれぞれ内流路15および外流路17の円筒状流路に分配供給される。
また、中間層樹脂は流路23bに連通する導入路12bを通って流入口13bからマニホールド14bより中流路16の円筒状流路に供給される。
【0046】
そして、合流点18で中流路16からの円筒状に層形成された中間層樹脂を内流路15と外流路17からの主材樹脂の間に流動させて、合流路19内で一定の時間範囲に亘って主材樹脂の間に中間層樹脂を同軸心状の中間層とした多層溶融樹脂流体を形成し、金型1のキャビティ1a内に射出し(図5参照)、充填する。
ここで、中流路16内で円筒状に層形成された中間層樹脂は、下流側の端部に周方向に8ケ、並列状に配設される遮断縦リブ片16Rにより周方向に分断され、この分断された状態で主材樹脂の間に積層される。
【0047】
図10は主材樹脂および中間層樹脂の射出パターンの一例であり、横軸を時間軸、縦軸を射出速度として概略的に示したものである。
この射出パターンは所謂、同時射出成形の一つのパタンーンであり、上記説明した射出成形装置を使用し、主材樹脂が射出されるC〜D間中のE〜F間で中間層樹脂を同時に射出して、図1に示されるプリフォーム101を成形することができる。ここでE点、F点における中間層樹脂の供給開始と停止は流路23bに付設されているチェックバルブ25により実施する。
【0048】
以上、実施例に沿って、本発明の射出成形装置およびプリフォームの実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
上記、射出成形装置の実施例では中流路16で樹脂の流入口13bの反対側に遮断縦リブ片16Rの一つが位置する構成としてリーディングエッジLEの高低差を小さくした例を説明したが、
マニホールド14bの溝形状等の影響により中流路16において樹脂が最も早く円筒状の下流端に到達する周方向位置が流入口13bの反対側に一致しない場合にも、
樹脂が最も早く円筒状の下流端に到達する周方向位置を、プリフォームでリーディングエッジLEの最上端Pmaxが現出する周方向位置から、さらには中流路16のマニホールド14bの溝形状を含めた円筒状の流路において樹脂が最も早く下流端に到達する周方向位置をコンピュータシミュレーションや、実験により予測し、この予測結果に基づいて遮断縦リブ片16Rの周方向の配設位置を設定することができる。
【0049】
たとえば、図7中に示したマニホールド14bでは、上流側から下流側にかけて溝の断面積が漸減するような構成としているが、ここでマニホールド14bの構成を上流側から下流側にかけて溝の断面積を一定とした場合には、流入口13bと同じ周方向位置で樹脂が最も早く円筒状の下流端に到達するので、
上記実施例と同様に図9(a)示されるように遮断縦リブ片16Rの周方向の配設位置を設定すれば、図中の遮断縦リブ片16Rfにより当該位置での樹脂の下流端への到達時間を遅延させて、その結果としてリーディングエッジLEの高低差を小さくすることができる。
【0050】
また、図5、6に示した射出成形装置は一例として示したものであり、本発明の内容を実施可能な範疇で、様々なバリエーションのものとすることができる。
また、図7等に示される中流路16の構成についてみると、たとえばマニホールド14bの形状は上記実施例のように流入口13bから溝状の流路を左右方向に左右対称に配置したものに限定されるものではなく、流入口13bから一方向に向けて溝状の流路を延設する構成とする等、中間層樹脂の溶融粘度等も考慮しながら様々なバリエーションのものを適宜採用することができる。
また、配設個数、形状、中流路16の下流側の端部のどの領域に配設するか等の遮断縦リブ片16Rに係る構成についても、壜体における基体層と中間層の層間剥離の進行の抑制効果、プリフォームの成形性やプリフォームの2軸延伸ブロー成形性、そして壜体のガスバリア性等を考慮して適宜決めることができるものである。
【0051】
また、上記実施例のプリフォームでは図1(b)の平断面図に示したように、その積層構造を2種3層としたが、本発明の射出成形装置の構成によれば、中間層の内外両側を基体層で積層すると云う構成範囲の中で、適宜、ノズルに流路を追加することにより、プリフォームの積層構造を2種3層、2種5層、3種4層、3種5層と云うように必要に応じてさまざまな積層構造とすることができる。
また、上記実施例では主体樹脂をPET樹脂、中間層樹脂をナイロン樹脂製としたが、壜体の使用目的や、成形性、そして中間層に期待する機能を考慮して、勿論、さまざまな合成樹脂の組み合わせとすることができる。
また、図3、4では丸形壜体の例を示したが、角形壜体とすることもでき、この場合はその形状が等方ではないので、周方に沿った複数の縦帯状連結部の形成位置を、図3、4に示す例のように等中心角度にではなく層間剥離の発生し易すい角度位置を考慮して決めることができる。

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の射出成形装置、そしてこの射出成形装置によるプリフォームによれば、層間剥離の進行が抑制される共に、中間層のリーディングエッジの高低差の小さな積層構造を有する壜体を提供することができ、炭酸飲料用の用途等での幅広い使用展開が期待される。

【符号の説明】
【0053】
1 ;金型
1a;キャビティ
11;ノズル部
12a;(主材樹脂)導入路
12b;(中間層樹脂)導入路
13b;(中間層樹脂)流入口
14a1、14a2、14b;マニホールド
15;内流路
16;中流路
16R;遮断縦リブ片
17;外流路
18;合流点
19;合流路
20;シャットオフピン
21;ホットランナーブロック
22a;(主材樹脂)供給口
22b;(中間層樹脂)供給口
23a;流路
23b;流路
24c;第1リングマンドレル
24d;第2リングマンドレル
24e;第3リングマンドレル
25;チェックバルブ
A ;樹脂供給部(主材樹脂用)
B ;樹脂供給部(中間層樹脂用)
101、501;プリフォーム
102、502;口筒部
103、503;ネックリング
105、505;胴部
106、506;底部
111、511;基体層
111a、511a;外層(基体層)
111b、511b;内層(基体層)
113、513;中間層
114、514;縦帯状連結部
h1;高さ領域
hd;高低差
L1、L2;包絡線
LE;リーディングエッジ
TE;トレーリングエッジ
Pmax;最上端
Pmin;最下端
201、601;壜体
202、602;口筒部
203、603;ネックリング
204、604;肩部
205、605;胴部
206、606;底部
211、611;基体層
211a、611a;外層(基体層)
211b、611b;内層(基体層)
213、613;中間層
214、614;縦帯状連結部
h2;高さ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主材樹脂による基体層(111)中に、少なくとも1層の中間層(113)を積層した2軸延伸ブロー成形用の試験管状のプリフォーム(101)を射出成形するためのものであり、前記主材樹脂と中間層(111)を形成する中間層樹脂を積層するノズル部(11)を有する射出成形装置であって、前記ノズル部(11)は、少なくとも、前記主材樹脂による基体層(111)を形成する内流路(15)及び外流路(17)と、該内流路(15)と外流路(17)の間に位置し中間層樹脂による中間層(113)を形成する中流路(16)の3ケの円筒状の層形成流路を同軸心状に配設したものとし、
前記中流路(16)は、溝状の流路であるマニホールド(14b)を介して円筒状の流路に溶融樹脂を分配し、下流側の端部に周方向に並列状に該中流路(16)を横断する所定の数の遮断縦リブ片(16R)を配設し、該遮断縦リブ片(16R)により中流路(16)を周方向に前記所定の数の流路に分断する構成とし、また、前記プリフォーム(101)に現出する中間層(113)のリーディングエッジ(LE)の最上端(Pmax)と最下端(Pmin)の高低差(hd)が小さくなるように、前記遮断縦リブ片(16R)の周方向の配設位置により、前記中流路(16)における中間層樹脂の流動挙動を調整する構成とした射出成形装置。
【請求項2】
プリフォーム(101)でリーディングエッジ(LE)の最上端が現出する位置に対応する周方向位置に、所定の数の遮断縦リブ片(16R)のうちの一つが位置するように、該所定の数の遮断縦リブ片(16R)の周方向の配設位置を設定した請求項1記載の射出成形装置。
【請求項3】
中流路(16)において、マニホールド(14b)の上流側の端部に配設される前記中流路(16)への中間層樹脂の流入口(13b)の配設位置に対して反対側の周方向位置に、所定の数の遮断縦リブ片(16R)のうちの一つが配設されるように、該所定の数の遮断縦リブ片(16R)の周方向の配設位置を設定した請求項1記載の射出成形装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−95035(P2013−95035A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239216(P2011−239216)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】