駐車場監視装置及び方法
【課題】駐車場の駐車エリアの利用状況を識別し、その状況を分かりやすく表示する。
【解決手段】カメラ1は、監視するエリアの上方に配置される。制御部2で撮影した画像の処理を行う。第1の射影変換部3は、射影平面を地面として原画像を射影変換する。第2の射影画像変換部4は、射影平面を車両の屋根の位置の高さとして原画像を射影変換する。画像合成部7は、第1の射影画像変換部3と第2の射影画像変換部4の出力側に配置され、出力された画像を合成する。車両位置座標検出部9は、画像合成部7で合成した画像より、車両の位置を合成画像上のある定点を座標原点とした駐車場座標系の位置として検出する。駐車状況判定部11は、車両の位置座標と駐車スペースの位置座標を比較することにより、駐車スペースに車両が停止しているかを判定する。表示制御部8は、判定結果を外部のディスプレイ12に表示する。
【解決手段】カメラ1は、監視するエリアの上方に配置される。制御部2で撮影した画像の処理を行う。第1の射影変換部3は、射影平面を地面として原画像を射影変換する。第2の射影画像変換部4は、射影平面を車両の屋根の位置の高さとして原画像を射影変換する。画像合成部7は、第1の射影画像変換部3と第2の射影画像変換部4の出力側に配置され、出力された画像を合成する。車両位置座標検出部9は、画像合成部7で合成した画像より、車両の位置を合成画像上のある定点を座標原点とした駐車場座標系の位置として検出する。駐車状況判定部11は、車両の位置座標と駐車スペースの位置座標を比較することにより、駐車スペースに車両が停止しているかを判定する。表示制御部8は、判定結果を外部のディスプレイ12に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の駐車エリアの利用状況を識別し、その状況を分かりやすく表示する駐車場監視装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の利用者は、駐車場内に入ると駐車スペースを入口から順にもしくは目的地から近い順に探すため、駐車場内の一部に車両が渋滞するという状況が起こる。この渋滞により、利用者の回転率が大幅に低下するという事態が生じる。このような事態を防止するために、駐車場の管理者は、駐車場内の状況を常時監視する必要がある。
【0003】
さらに、停車位置や空車位置を表示するだけでは、駐車エリアに進入しようとしている先行車両までは表示できない。したがって、ドライバーが目標に定めた駐車エリアに到達したときには、既に先行車両が入庫している可能性もある。
【0004】
そこで、従来技術として、駐車場内の車両位置または空車位置を監視するために、駐車場全体をカメラで撮影して所定時間ごとに差分画像を取る方法が知られている。この差分画像により、移動している車両を検出し、その車が停車した位置を検出する。そして、その車両の停車位置情報を駐車場マップ上にマークを付けるなどして、駐車位置または空車位置を表示し、管理していた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように車両の位置をカメラにより撮影した原画像により判断する場合には、空いているスペースや車両を判断するために高精度のカメラが必要になる。そのために、システムの導入コストが高くなり、普及が難しい問題点があった。また、高精度のカメラを使用しても、原画像をそのまま使用した場合、遠方のものは小さく表示され識別しにくく、実際の状況が確認できないという問題点もあった。更に移動する車両を認識する場合、原画像の差分で行なうと、車両の影までを誤検出する問題もあった。
【0006】
そこで、結果表示だけでなく、カメラで撮影した原画像上に検出した車両位置や空車位置などの判定結果を重ね合わせて表示する方法や、原画像の逆透視変換を行ない、より見やすくする処理が行なわれている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、移動する車両を特定する方法として、撮影した画像からエッジ成分を抽出し、抽出されたエッジ成分のうち、所定の範囲内にあるエッジ成分を統合した結果を変換する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平4−290199号公報
【特許文献2】特開2007−140606号公報
【特許文献3】特開2000−99894号公報
【特許文献4】特開平10−49662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3のように、カメラで撮影した原画像上に検出した車両位置や空車位置などの判定結果を重ね合わせて表示する方法では、カメラで撮影した原画像をそのまま使用しているので、遠方のものは小さく表示され識別しにくいことには変わりは無かった。
【0010】
また、原画像の逆透視変換を行ない領域内の駐車状況を俯瞰するのに近いイメージで表示する場合でも、単に地面に逆透視するため、遠方では、車両が駐車スペースからはみ出ているかどうか判明できないという問題点があった。
【0011】
さらに、移動中の車両を、特許文献4のように画像中のエッジ成分を抽出して車両と判断する場合、画像中のエッジ成分をつかって検出しても、安定して検出することは難しかった。
【0012】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、見やすい画面で、且つ駐車スペースに正しく駐車されているかまで分かるようにする駐車場監視装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明の駐車場監視装置は、駐車場を撮影する撮像装置と、撮像された画像を射影変換する制御部とを備えた駐車場監視装置において、前記制御部は、路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換部と、車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換部と、前記第1の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出部と、前記第2の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出部と、前記第1の射影画像変換部と前記第2の射影画像変換部が変換した射影画像を合成する画像合成部と、前記画像合成部によって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記制御部は、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録部と、この駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成部で合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出部とを備えることもできる。
【0015】
本発明において、前記制御部は、前記車両位置座標検出部が検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定部を備えることもできる。
【0016】
本発明において、前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行い、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合することもできる。
【0017】
本発明において、いずれかの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択部を備え、各撮像装置の合成画像を、この画像選択部の記録に基づいて選択して接合することもできる。
【0018】
本発明において、前記制御部は、合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存部と、前記合成画像保存部に保存された前後の画像の減算を行う差分演算部とを備えることもできる。
【0019】
さらに、前記の各装置において実行される駐車場を監視する方法も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、射影変換して見やすい画像を得ると共に、射影変換によって生ずる歪を補正し、車両の輪郭を正しく表示することができる。特に、カメラから遠方の車両であっても、あたかも車両の真上に近い角度から撮影したかのような画像を得ることができるため、駐車位置を正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(1)第1の実施形態
以下、本発明の実施形態について、図1〜図6に従って具体的に説明する。各図で、同一または類似の構成部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、第1の実施形態は、駐車スペースの枠が表示されている駐車場に対して、カメラで撮影した原画像を射影変換し、その変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としたものである。
【0022】
[第1の実施形態の構成]
図1において、1は駐車場に向けられたカメラで、このカメラ1が本発明の撮像装置に相当する。このカメラ1は、監視するエリアの上方に配置されており、監視エリアを見渡せる位置に配置される。2は前記カメラ1で撮影した画像の処理を行う制御部で、持ち運び可能なパソコンなどのコンピュータ上に設けられ、前記カメラ1とは無線あるいは有線により接続され、情報の授受が行われる。
【0023】
3は、前記制御部2に設けられた第1の射影画像変換部であり、4は、同じく第2の射影画像変換部である。第1の射影変換部3は、射影平面を駐車場の地面としてカメラ1で撮影した原画像を射影変換する変換部である。また、第2の射影画像変換部4は、射影平面を車両Mの屋根の位置の高さ(本実施形態では、一般的な車両Mの平均値である1.5mとする)の平面として原画像を射影変換する変換部である。
【0024】
第1の射影画像変換部3の出力側には第1の画像抽出部5が、第2の射影画像変換部4の出力側には第2の画像抽出部6が設けられている。このうち、第1の画像抽出部5は、第1の射影画像変換部3で射影変換された画像のうち、駐車スペースのカメラ側の部分(前半部分)を抽出する。第2の画像抽出部6は、第2の射影画像変換部4で射影変換された画像のうち、駐車スペースのカメラと反対側の部分(後半部分)を抽出する。
【0025】
7は、前記制御部2に設けられた画像合成部であり、第1の画像抽出部5と第2の画像抽出部6の出力側に配置され、これらより抽出された画像を、第1の射影画像変換部3の画像の一部がカメラ1の近接側に、第2の射影画像変換部の画像の一部がカメラ1の遠方側になるように合成する。8は、表示制御部であり、画像合成部7で合成された画像を、制御部2の外部に設けられた表示装置であるディスプレイ12に出力し表示する。
【0026】
9は、車両位置座標検出部であり、画像合成部7で合成した画像上における車両Mの座標位置を検出する。すなわち、この車両位置座標検出部9は、画像合成部7で合成した画像中における車両Mの輪郭とその駐車スペースの輪郭を抽出する輪郭抽出処理部9aと、輪郭抽出された車両位置と同じく輪郭抽出された駐車スペース位置のずれを検出する差分検出部9bと、輪郭抽出された駐車スペースの座標を、別途用意した駐車スペース座標記録部10から取得する駐車スペース座標取得部9cを備えている。また、この車両位置座標検出部9は、駐車スペース座標取得部9cからの座標と前記差分検出部9bで得られた駐車スペースと車両Mの位置のずれ量に基づいて、車両Mの駐車位置の座標を演算する駐車位置演算部9dを備えている。
【0027】
10は、駐車スペース座標記憶部であり、カメラ1の撮影範囲内にある所定の1点を原点として、各駐車スペースの座標をXY座標で記憶したものである。この場合、各駐車スペースごとに固有の識別番号を付し、その駐車スペースの識別番号とその頂点の座標を記憶する。なお、複数の固定カメラによって広い駐車場を撮影する場合には、駐車場全体を1つの座標系として、その座標系を各カメラで分割して撮影することで、各カメラに撮影された駐車スペースそれぞれの座標をカメラの識別番号と共に記憶する。
【0028】
11は、駐車状況判定部であり、車両位置座標検出部9から出力される車両Mの位置座標と駐車場スペース座標記憶部8に記憶された駐車スペースの位置座標を比較することにより、駐車スペースに車両Mが正確に停止しているかを判定する。そして、この駐車状況判定部11は、その判定結果に伴い、画像合成部7で合成した変換画像上に警告表示その他のマークやアイコンなどを重ね合わせ、前記表示制御部8を介して、外部のディスプレイ12に表示する。
【0029】
[第1の実施形態の作用]
前記のような構成を有する本発明の実施形態の作用を、図2〜図5の原理図及び図6のフローチャートに従って説明する。
【0030】
なお、本実施形態では、各駐車スペースごとに射影変換、画像の分割、合成処理を行うが、その場合に、白線などの枠で区分された駐車スペースごと、その枠を輪郭抽出し、その輪郭抽出された枠を基準として射影変換する画像の範囲を決定する。これにより、駐車スペースが段違いに配置された場合のように、駐車場内において各駐車スペースがランダムに配置されていても、各駐車スペースごとに車両を検出し、その射影画像を得ることができる。
【0031】
カメラ1により撮影された画像は、制御部2に入力される(図6のステップ1)。ここで、原画像と射影変換された変換画像との関係は、図2に示すとおりである。すなわち、図2において、Oは、カメラ1の視点、Lはカメラ1の光軸と直角に配置された撮像面で、x,y平面として定義される。L’は前記撮像面Lに対して所定の角度で配置された射影平面であって、u,vとして定義される。本実施形態では、この射影平面L’は、第1の射影画像変換部3では地面、第2の射影画像変換部4では地面から車両Mの高さである1.5m分高い位置に地面と平行に設定された平面である。
【0032】
撮像面Lに撮影された画像(図2中の中心点P、頂点A,B,C,Dの四角形)は、射影平面L’上の変換画像としては、カメラの視点Oを中心として各点P,A,B,C,Dを通過する放射状の線分が射影平面L’と交わる点を結んだ画像(図2中の中心点P’、頂点A’,B’,C’,D’の四角形)として表される。
【0033】
図3は、第1の射影画像変換部3により、第1の射影平面L’を地面に設定した場合の投影された立方体(車両M)の平面図である(ステップ2)。高さのある立方体は、カメラ位置に対し遠方に押し倒したような画像となる。そのため、射影された立方体の平面図形には、車両Mの手前位置Nは正確な位置を保持できるが、車両Mの遠方部分の位置Fは、正確な位置よりずれてしまうことを示している。一方、射影平面L’上に描かれた図形(駐車スペースを示す枠S)は、正しく射影される。
【0034】
図4は、第2の射影画像変換部4により、第2の射影平面L”を車両Mの屋根部分(地面から1.5mの高さ)に設定した場合の投影された立方体の平面図を表した図である(ステップ3)。第2の射影平面L”では、高さのある立方体は、前記第1の射影平面L’に比較すると、カメラ位置に対し手前に押し倒したような画像となる。そのため、射影された立方体の平面図形には、車両Mの遠方部分の位置Fは正確な位置を保持できるが、車両Mの手前位置Nは、正確な位置よりずれてしまうことを示している。また、第2の射影平面L”上に描かれた図形の中で、駐車スペースを示す枠Sは、カメラ方向にずれて射影されることになる。
【0035】
画像合成部7では、図5で示すように、第1の画像変換部3で変換した第1の射影平面L’の射影画像(b)の中から、地面に描かれた駐車スペースを示す枠Sと、駐車スペースのカメラ近傍部分、すなわち射影画像(b)の2点鎖線部分の画像を抽出する(ステップ4)。抽出する画像の範囲は、カメラ近傍部分の駐車スペース枠Sの外部から、N位置までとすることが望ましい。しかし、実際に、正確なN位置は車両Mの停止位置ごとに異なるからそれを検出することは計算が複雑化する。そこで、本実施形態では、カメラ近傍部分の駐車スペース枠Sの外部から駐車スペース枠Sの手前から1/4とするが、必ずしもこの位置に限らず、例えば、駐車スペース枠Sの外部から駐車スペース枠Sの中央までの部分とすることも可能である。
【0036】
前記画像合成部7では、第2の画像変換部4で変換した第2の射影平面L”の射影画像(c)の中から、カメラ遠方部、すなわち射影画像(c)の2点鎖線部分の画像を抽出する(ステップ5)。抽出する画像の範囲は、車両Mの遠方部分の位置Fから車両Mの手前位置N位置までが好ましいが、第1の画像変換部3で変換した射影画像と同様に、正確なN位置を検出するのは、計算が複雑である。そこで、本実施形態では、車両Mの遠方部分の位置Fから駐車スペース枠Sの手前から1/4までとする。この位置は、合成する第1の射影平面L’の射影画像(b)の切り取り位置に合わせて設定する。
【0037】
なお、画像合成時は、車両Mが駐車枠Sからはみ出していることも想定して、第1の画像変換部3で変換した射影画像(b)から抽出する画像、第2の画像変換部4で変換した射影画像(c)から抽出する画像、共に、駐車スペース枠Sの10%程度外側から使うこともできる。
【0038】
その後、前記画像合成部7によって、第1の射影平面L’の射影画像(b)の一部(カメラに近い前半部分)と、第2の射影平面L”の射影画像(c)の一部(カメラから離れた後半部分)と合成する(ステップ6)。この合成された画像は、図5(d)に示すように、車両Mの前部Nが駐車スペースの前の部分に収まり、車両Mの後部Fが駐車スペースを真上から見た場合の駐車スペース内に収まる位置になる。この画像より駐車状況の判定を行わない場合(ステップ7のN0)は、表示制御部8により、これらの情報がディスプレイ12に表示される(ステップ8)。
【0039】
この場合、駐車スペースの後ろの部分は、第2の射影平面L”の射影画像(c)を使用するため、第1の射影平面L’の射影画像(b)の位置(駐車スペースを真上から見た位置)よりも前方に移動した画像となるが、実際には、駐車スペースの後ろの部分は車両Mの後半の部分に隠れて見えないため、支障はない。すなわち、本実施形態の図では、駐車スペースと車両Mの関係を分かり易くするため、駐車スペースに比較して車両Mを小さく描き、駐車スペースの後半部分が見えるようにしているが、実際には、車両Mと駐車スペースの枠Sとの間にはそれほど間隔がなく、駐車スペースの後半部分が前方に移動していても、車両Mの陰に隠れてしまう。
【0040】
駐車スペースの後半部分を正確に表示する場合には、第1の射影平面L’の射影画像(b)と第2の射影平面L”の射影画像中から、輪郭抽出などの手法により車両Mの画像のみを抽出し、この抽出した車両Mの画像のみを前記と同様な手段で第1の射影平面L’の射影画像(b)に対して合成する。このようにすると、本実施形態の図5(d)中の車両Mの合成画像が得られるので、その車両Mの合成画像を第1の射影平面L’の射影画像(b)の車両Mを抽出した画像(駐車スペースの枠Sのみが表示されている画像)に合成することで、駐車スペースは第1の射影平面L’の射影画像(b)を使用し、車両Mは図5(d)合成画像を使用した図5(e)のような画像を得ることができる。
【0041】
本実施の形態において、予め車両Mが駐車していない駐車スペースのみの画像を別途用意しておき、この駐車スペースのみの画像に、車両Mは図5(d)中の車両Mのみの合成画像を重ね合わせることでも、駐車スペースの枠Sを正確に表示し、しかも車両Mについては第1の射影平面L’と第2の射影平面L”との射影画像の合成画像を表示させることもできる。
【0042】
このようにして、本実施形態では、駐車場の側方に設けられたカメラ1で撮影した画像を、あたかも車両Mの上方(真上に近い位置)から撮影したのと同様な視点で、ディスプレイ12に表示することが可能になる。
【0043】
前記のようにディスプレイ12に表示するだけでなく、本実施形態では、駐車スペース内における車両Mの駐車位置の正確な判定や、駐車スペース内に車両Mが存在するか否かを自動的に判定することもできる(ステップ7のYES)。
【0044】
すなわち、本実施形態では、そのために車両位置座標検出部9により、次のような処理を行う。まず、車両位置座標検出部9の輪郭抽出処理部9aにより、画像合成部7で合成した画像(d)中における車両Mの輪郭とその駐車スペースの輪郭を抽出する(ステップ10)。次いで、差分検出部9bにより、輪郭抽出された車両位置と同じく輪郭抽出された駐車スペース位置のずれを検出する(ステップ11)。その後、駐車スペース座標取得部9cにより、輪郭抽出された駐車スペースの座標を、駐車スペース座標記録部10から取得する(ステップ12)。更に、駐車位置演算部9dにより、駐車スペース座標取得部9cからの座標と前記差分検出部9bで得られた駐車スペースと車両Mの位置のずれ量に基づいて、車両Mの駐車位置の座標を演算する(ステップ13)。
【0045】
このようにすると、車両Mの駐車位置が駐車スペースを基準とする座標系で定まるので、車両Mの駐車位置を正確に判定できる。その結果、車両Mが駐車スペース内に正しく収まっているか、あるいは、駐車スペース内に車両が存在するか否かを自動的に判定することが可能になる。この判定結果は、駐車状況判定部11により、不正駐車に対する警告表示や駐車場に空きがあるか否かの情報掲示が作成され(ステップ14)、これらの情報がディスプレイ12に表示される(ステップ8)。なお、これらの処理は、監視を必要とする間、繰り返され(ステップ9のNO)、監視が不要となると(ステップ9のYES)処理を終了する(END)。
【0046】
[第1の実施形態の効果]
上記の処理を行う本実施形態によれば、カメラ1で撮影した原画像を射影変換することで、変換時に生じる歪みを補正でき車両の輪郭を正しく表示することができるため、見やすい画像による駐車場監視装置及び方法を提供することが可能になる。特に、図示のように、駐車状況の判定を行った場合には、駐車場に関するより多くの情報を表示できる利点がある。
【0047】
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について、図7,8に従って具体的に説明する。各図で、同一または類似の構成部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、第2の実施形態は、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場に対して、カメラで撮影した原画像を射影変換し、その変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としたものである。
【0048】
[第2の実施形態の構成]
前記第1の実施形態では、第1の射影画像変換部3及び第2の射影画像変換部4が、車両と駐車スペースの枠の両方について射影画像を得ていたのに対して、第2の実施形態は、駐車スペースの枠が存在しないので、車両の画像についてのみ第1の射影平面L’と第2の射影平面L”の射影画像を得る点で相違する。
【0049】
また、本実施形態では、第1の射影平面L’のuv座標系と、前記第1実施形態に設けられた駐車スペース座標記憶部10に記憶されている各駐車スペースの座標とを変換する座標変換手段13が設けられている。この座標変換手段13は、第1の射影平面L’に射影されている車両のuv座標値(例えば、車両の手前位置Nのuv座標値)が、駐車場のある地点を原点とする実際の駐車場の座標系のどの座標値に相当するかを演算する。
【0050】
[第2の実施形態の作用]
駐車スペース座標記憶部10を設けた第2の実施形態の駐車場監視装置では、図8のフローチャートに示すように、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場でも車両の駐車位置を判定できる。すなわち、カメラ1で駐車場の画像を撮影した後(ステップ1)、第1の射影画像変換部3により第1の射影平面L’で射影変換することで、車両の前の部分Nが正確に位置決めされた画像を得る(ステップ2)。そして、第2の射影画像変換部4により第2の射影平面L”で射影変換することで、車両の後ろの部分Fが正確に位置決めされた画像を得る(ステップ3)。
【0051】
画像合成部7は、このようにして得られた第1の射影平面L’の射影画像の前半部分を抽出すると共に(ステップ4)、第2の射影平面L”の射影画像の後半部分を抽出し(ステップ5)、両者を合成する(ステップ6)。この画像より駐車状況の判定を行わない場合(ステップ7のN0)は、表示制御部8により、これらの情報がディスプレイ12に表示ことも可能である(ステップ8)。そのようにすると、駐車場を撮影したカメラ1の画像に比較して、より高い位置から車両を撮影した画像がディスプレイ12に表示されることになる。
【0052】
第2の実施形態において、更に、駐車場に関する種々の情報を表示させるには(ステップ7のNO)、前記座標変換部11により、第1の射影平面L’における合成画像の車両の座標(uv座標)を、実際の駐車場の位置座標に変換する(ステップ10)。その結果、実際の駐車場の座標系内における車両の合成画像の座標値が判明するので、駐車状況判定部11により、この車両の座標値と駐車スペースの座標値とを比較して(ステップ11)、車両が駐車スペースに正確に駐車しているか、あるいは駐車スペースの空満を判定することができる(ステップ12)。この判定結果は、表示制御部8を介してディスプレイ12に送られ、表示される(ステップ8)。なお、これらの処理は、監視を必要とする間、繰り返され(ステップ9のNO)、監視が不要となると(ステップ9のYES)処理を終了する(END)。
【0053】
[第2の実施形態の効果]
上記の処理を行う第2の実施形態によれば、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場に対して、カメラ1で撮影した原画像を射影変換することで、変換時に生じる歪みを補正でき車両の輪郭を正しく表示することができる。そのため、見やすい画像による駐車場監視装置及び方法を提供することが可能になる。特に、図示のように、駐車状況の判定を行った場合には、駐車場に関するより多くの情報を表示できる利点がある。
【0054】
(3)第3の実施形態
第3の発明の実施形態は、複数のカメラで撮影した各原画像を射影変換し、複数枚の射影変換後の画像に対して接合処理を行う。そして、接合処理を施した変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としてものである。
【0055】
[第3の実施形態の構成]
第3の実施形態は、第1の実施形態の構成において、制御部2に入力するカメラ1を複数台設けたものである。この複数台のカメラは、設置する向きに制限が無く、駐車場に対して複数の方向から撮影するような向きに配置することもできる。
【0056】
本実施の形態において、制御部2に、各カメラ1からの画像を第1の射影平面L’に射影変換する第1の射影画像変換部3と、第2の射影平面L”に射影変換する第2の射影画像変換部4とが設けられ、これら変換部3,4によって作成された射影画像の一部を抽出して合成する画像合成部7が設けられている点は、前記各実施形態と共通である。
【0057】
一方、本実施の形態においては、各カメラ1が撮影した画像中のどの駐車スペースをディスプレイ12に表示するかを予め記憶したカメラ画像選択部14が設けられている。このカメラ画像選択部14は、各カメラが撮影した駐車スペースの画像が、駐車場のどの座標に位置するかを駐車スペース座標取得部8から取得し、その座標値に基づいて、その駐車スペースがディスプレイ12に表示すべきものであるか否かを決定する。
【0058】
このカメラ画像選択部14は、複数のカメラ1が重複して撮影する駐車スペースとその座標、及び重複して撮影される駐車スペースについては、いずれのカメラの画像を選択して表示するかを定めたデータを記憶するものである。この場合、カメラに近い駐車スペースほど鮮明な撮影画像が得られると共に、射影変換後の画像の変形度も少ないことから、基本的には駐車スペースに近い側のカメラの画像を選択するように指定する。
【0059】
[第3の実施形態の作用]
このような構成を有する第3の実施形態においては、複数のカメラが画像を射影変換した画像を接合する処理として、モザイキング処理が用いられる。このモザイキング処理とは、撮影対象全体を複数の部分領域に分け、複数の撮影画像を取得し、これらを平面状に正しく配置することにより撮影対象全体が映る大きな画像を生成する処理である。
【0060】
モザイキング処理を行う場合、組み合わせる画像は、車両の輪郭位置が正しく抽出されている画像が好ましい。例えば、射影平面を道路面に射影平面を設定した第1の射影変換画像のみでは、図9のようにカメラ1で撮影し射影変換した車両Aの見え方と、カメラ2で撮影し射影変換した車両Aの見え方が異なってしまう。このように、1台の車両Aが異なったサイズや位置で示された画像をモザイキング処理すると、歪んだ合成画像となってしまう。
【0061】
そこで、本実施形態では、単に複数のカメラの画像を直線的な切り口で合成するのではなく、前記カメラ画像選択部14により、駐車スペース単位で表示する駐車スペース及び車両を決定し、これにより各駐車スペースで画像の歪みが生じないように工夫している。
【0062】
[第3の実施形態の効果]
以上のような、第3の実施形態によれば、複数のカメラで駐車場を分割して撮影した原画像を、各原画像ごとに射影変換して合成した画像を、予め定められた駐車スペースごとにどのカメラの画像を選択するかを決めておいて、全体の画像を得るようにしたので、画像の接合部分に歪みが生じることなく、見やすい駐車場の画像を得ることができる。その結果、広大な駐車場であっても、多数のカメラの画像を合成することで、駐車場の利用状況を分かり易く表示することができる。
【0063】
(4)第4の実施形態
第4の発明の実施形態は、カメラで撮影した各原画像を射影変換し、射影変換後の画像の差分を取ることにより、移動車両を検出することを可能としたものである。
【0064】
[第4の実施形態の構成]
図10において、5は画像合成部であり、第1の射影画像変換部3と第2の射影画像変換部4の出力側に配置され、これらより出力された画像を合成する。13は、合成画像保存部であり、合成画像のデータを一定時間(例えば、T1,T2,T3・・・Tn)ごとに保存する。14は、差分演算部であり、合成画像保存部15に保存された前後の画像の減算を行うことにより、移動中の車両或いは移動状態から停止した車両を検出する。差分演算部16の演算結果は、表示制御部8に対して出力する。
【0065】
[第4の実施形態の作用]
このような構成を有する第4の実施形態においては、合成画像保存部11には、カメラ1で撮影され、その後、前記第1、第2実施形態に示したような手順で作成された各時間T1,T2,T3・・・Tnごとの画像データが順に保存されている。そこで、この保存された前後のデータの差分をとることにより、移動する車両があった場合は検出することができる。
【0066】
[第4の実施形態の効果]
以上のような、第4の実施形態によれば、単に移動する車両の画像データの差分を取る従来技術に比較して、車両の画像をカメラの視線よりもより高い位置から見た角度で表示することができるので、カメラから遠い位置を移動する車両であっても明確に表示することができる。その結果、駐車場内を移動する車両を容易かつ正確に把握することができ、車両の案内や不法侵入する車両の発見などに効果的である。
【0067】
(5)第5の実施形態
第5の発明の実施形態は、前記各実施形態が第1の射影平面L’と第2の射影平面L”への射影画像を合成することで、駐車スペース内における車両の位置を分かり易く表示したものであのに対して、第1の射影平面L’に対する射影画像のみを使用して、同様の作用効果を得るものである。すなわち、本実施形態は、第1の射影平面L’における駐車スペースの後半の部分を圧縮することにより、第2の射影平面L”の画像を合成するのと同様な効果を発揮させたものである。
【0068】
[第5の実施形態の構成]
図11において、1は駐車場に向けられたカメラである。このカメラ1は、監視するエリアの上方に配置されており、監視エリアを見渡せる位置に配置される。2は制御部である。持ち運び可能な大きさのカメラで撮影した画像の処理を行う。
【0069】
3は第1の射影画像変換部であり、この第1の射影画像変換部3は、射影平面を地面としてカメラ1で撮影した原画像を射影変換するものである。本実施形態では、この第1の射影画像変換部3の出力側には、画像分割部17が設けられている。この画像分割部17は、この第1の射影画像変換部3によって得られた射影画像を、駐車スペース枠Sのカメラ側に近い部分から、例えば駐車スペースの長さの1/4部分を境界として、前後2つの部分に分割する。この画像分割部17には、画像分割部17によって分割された駐車スペースの後半の部分を圧縮する画像圧縮部18が設けられている。
【0070】
7は画像合成部であり、画像分割部17と画像圧縮部18の出力側に配置され、画像分割部17で分割された前半部分(例えば、1/4部分)の画像と、画像圧縮部18によって圧縮された後半の部分(例えば、3/4部分)の画像を合成する。この画像合成部7は、そこで合成された画像を、表示制御部8を介して制御部2の外部に設けられた表示装置のディスプレイ12に対して出力する。
【0071】
[第5の実施形態の作用]
このような構成を有する第5の実施形態の画像圧縮部18においては、第1の画像変換部3で変換した射影画像から、駐車スペースの後半部分を取り出して、圧縮する。この場合の圧縮率は、次のようにして求める。
【0072】
図11に示すカメラの設置位置の高さHo、車両の長さB、車両の高さGo、カメラの中心軸とカメラ主点を通る垂直線の角度θ、車両後端の射影線とカメラ主点を通る垂直線との角度θo、カメラの中心軸と車両後端の射影線との角度α、カメラの主点から等価撮像面までの距離f、及び図12に示す等価撮像面と車両後端の射影線との交点と等価撮像面とカメラ中心線の交点との距離yとに基づいて、下記の式1より、第1の射影画像で、車両として投影される長さであるS+Bを求める。ここで、Bは投影される車両自体の長さである。一方、Sは、カメラから離れた側の車両の屋根が投影された位置と、実際の車両位置までの距離(車両の影の長さ)である。また、Lは、カメラ主点を通る垂直線と車両後端の投影面の位置との距離である。
【0073】
[数1]
【0074】
また、代表的な車両の長さBoと、高さGoを用いると、射影によって生じる車両の代表的な見掛けの拡張率Rは、
[数2]
R=(S+Bo)/Bo ・・・(6)
となる。以上から、駐車スペースの画像上の位置yによって、式(5)(6)から、車両の拡張率Rが求まるので、y位置に応じて、拡張率Rの逆数を圧縮率として、第1の射影平面L’の射影画像の後半部分を圧縮する。
【0075】
具体例として、図13に示すように、駐車スペース枠の手前から1/4〜1/2の位置Dを基準として、その撮影画面上のy座標から拡張率Rを求め、長さKl、幅Kwの仮想枠内(図13の破線内)の画像の長さ方向を、Kl/Rになるように圧縮することができる。この場合、Kl及びKwは以下のような値にするのが好ましい。
Kl≒駐車スペース枠長さ(E)×1〜1.2
Kw≒駐車スペース幅Ew〜車両幅Bwの範囲
【0076】
[第5の実施形態の効果]
上記の処理を行う第5の実施形態によれば、第1の射影平面L’に対する射影画像の後半部分を圧縮するという簡単な処理により、第2の射影平面L”の画像を合成する前記実施形態と同様に、車両をその上方から見下ろすような角度でディスプレイに表示することが可能になる。
【0077】
(6)他の実施形態
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
【0078】
(a)第1の射影変換部3で変換した射影画像と第2の画像変換部4で変換した射影画像から、車両の輪郭を補正した合成画像を作成したが、第1の射影変換画像のみで合成画像を作成しても良い。例えば、第1の射影変換画像(b)のカメラ遠方の伸び量Kは、カメラの設置条件と、車両の高さ、及び駐車座標位置によって算出されるので、擬似的に圧縮して表示することもできる。
【0079】
(b)第2の射影変換画像は車両の屋根の部分の位置を正確に投影表示することができることから、車両の屋根部分に注目することで正しい車両位置を追跡することができる。
【0080】
(c)制御部2の駐車車両判定部9において、各駐車スペースにおける駐車車両の有無のパターンを示した画像を作成する場合に、合成画像にするものは車両の有無を示すパターンでなくても良い。例えば、第2の射影変換画像を用いると、車両の屋根部分の色を抽出することも可能であるので、車両の有無を示すパターンの代りに、駐車してある車両の色を表示することも可能である。
【0081】
(d)カメラ1は、静止画を撮影するカメラでなくてもよい。例えば、動画に対しても、動画の1コマ、1コマに対して画像の変換処理を行うことで、リアルタイムでも表示することができる。
【0082】
(e)前記各実施形態は、いずれも個々の駐車スペースや車両ごとに射影変換を行ったものであるが、格子状に整然と並んだ駐車場の場合には、横一列の駐車スペースについて、一挙に第1の射影平面L’と第2の射影平面L”との射影変換を行い、その前半部分と後半部分とを抽出して、合成することも可能である。この場合は、個々の駐車スペースや車両の輪郭抽出による検出が不要となり、原画像中の予め定めた範囲について一度に射影変換を行うことで、処理を簡便化することができる。
【0083】
(f)本発明において、「車両の屋根の高さ」とは、必ずしも、射影変換する原画像に表示された車両の屋根の高さをいうものではなく、屋根の高さに近い値として、予め設定された寸法を示すものである。しかし、原画像中から輪郭抽出などの手法により車両の外径を検出し、その外形寸法とカメラの高さ、カメラとの距離などのデータに基づいて、原画像中の個々の車両についてその屋根の高さが判別した場合には、個々の車両ごとに第2の射影平面L”の高さを異ならせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】射影変換の原理図を示す図。
【図3】第1の射影変換部3における立体物の射影変換を示す図。
【図4】第2の射影変換部4における立体物の射影変換を示す図。
【図5】画像合成部6における画像合成の例示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図10】複数のカメラで監視する場合のカメラの配置と、共通視野における車両の見え方を示す図。
【図11】本発明の第4の実施形態の構成を示す図。
【図12】本発明の第5の実施形態の構成を示す図。
【図13】本発明の第5の実施形態のカメラと車両位置を示す図。
【図14】本発明の第5の実施形態のカメラ部分の拡大図。
【図15】本発明の第5の実施形態の射影画像を圧縮の例を示す図。
【符号の説明】
【0085】
1…カメラ
2…制御部
3…第1の画像変換部
4…第2の画像変換部
5…第1の画像抽出部
6…第2の画像抽出部
7…画像合成部
8…表示制御部
9…車両位置座標検出部
10…駐車スペース座標記憶部
11…駐車車両判定部
12…ディスプレイ
13…座標変換部
14…カメラ画像選択部
15…合成画像保存部
16…差分演算部
17…画像分割部
18…画像圧縮部
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の駐車エリアの利用状況を識別し、その状況を分かりやすく表示する駐車場監視装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場の利用者は、駐車場内に入ると駐車スペースを入口から順にもしくは目的地から近い順に探すため、駐車場内の一部に車両が渋滞するという状況が起こる。この渋滞により、利用者の回転率が大幅に低下するという事態が生じる。このような事態を防止するために、駐車場の管理者は、駐車場内の状況を常時監視する必要がある。
【0003】
さらに、停車位置や空車位置を表示するだけでは、駐車エリアに進入しようとしている先行車両までは表示できない。したがって、ドライバーが目標に定めた駐車エリアに到達したときには、既に先行車両が入庫している可能性もある。
【0004】
そこで、従来技術として、駐車場内の車両位置または空車位置を監視するために、駐車場全体をカメラで撮影して所定時間ごとに差分画像を取る方法が知られている。この差分画像により、移動している車両を検出し、その車が停車した位置を検出する。そして、その車両の停車位置情報を駐車場マップ上にマークを付けるなどして、駐車位置または空車位置を表示し、管理していた(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように車両の位置をカメラにより撮影した原画像により判断する場合には、空いているスペースや車両を判断するために高精度のカメラが必要になる。そのために、システムの導入コストが高くなり、普及が難しい問題点があった。また、高精度のカメラを使用しても、原画像をそのまま使用した場合、遠方のものは小さく表示され識別しにくく、実際の状況が確認できないという問題点もあった。更に移動する車両を認識する場合、原画像の差分で行なうと、車両の影までを誤検出する問題もあった。
【0006】
そこで、結果表示だけでなく、カメラで撮影した原画像上に検出した車両位置や空車位置などの判定結果を重ね合わせて表示する方法や、原画像の逆透視変換を行ない、より見やすくする処理が行なわれている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
また、移動する車両を特定する方法として、撮影した画像からエッジ成分を抽出し、抽出されたエッジ成分のうち、所定の範囲内にあるエッジ成分を統合した結果を変換する方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】特開平4−290199号公報
【特許文献2】特開2007−140606号公報
【特許文献3】特開2000−99894号公報
【特許文献4】特開平10−49662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3のように、カメラで撮影した原画像上に検出した車両位置や空車位置などの判定結果を重ね合わせて表示する方法では、カメラで撮影した原画像をそのまま使用しているので、遠方のものは小さく表示され識別しにくいことには変わりは無かった。
【0010】
また、原画像の逆透視変換を行ない領域内の駐車状況を俯瞰するのに近いイメージで表示する場合でも、単に地面に逆透視するため、遠方では、車両が駐車スペースからはみ出ているかどうか判明できないという問題点があった。
【0011】
さらに、移動中の車両を、特許文献4のように画像中のエッジ成分を抽出して車両と判断する場合、画像中のエッジ成分をつかって検出しても、安定して検出することは難しかった。
【0012】
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、その目的は、見やすい画面で、且つ駐車スペースに正しく駐車されているかまで分かるようにする駐車場監視装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明の駐車場監視装置は、駐車場を撮影する撮像装置と、撮像された画像を射影変換する制御部とを備えた駐車場監視装置において、前記制御部は、路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換部と、車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換部と、前記第1の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出部と、前記第2の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出部と、前記第1の射影画像変換部と前記第2の射影画像変換部が変換した射影画像を合成する画像合成部と、前記画像合成部によって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記制御部は、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録部と、この駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成部で合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出部とを備えることもできる。
【0015】
本発明において、前記制御部は、前記車両位置座標検出部が検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定部を備えることもできる。
【0016】
本発明において、前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行い、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合することもできる。
【0017】
本発明において、いずれかの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択部を備え、各撮像装置の合成画像を、この画像選択部の記録に基づいて選択して接合することもできる。
【0018】
本発明において、前記制御部は、合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存部と、前記合成画像保存部に保存された前後の画像の減算を行う差分演算部とを備えることもできる。
【0019】
さらに、前記の各装置において実行される駐車場を監視する方法も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、射影変換して見やすい画像を得ると共に、射影変換によって生ずる歪を補正し、車両の輪郭を正しく表示することができる。特に、カメラから遠方の車両であっても、あたかも車両の真上に近い角度から撮影したかのような画像を得ることができるため、駐車位置を正確に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(1)第1の実施形態
以下、本発明の実施形態について、図1〜図6に従って具体的に説明する。各図で、同一または類似の構成部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、第1の実施形態は、駐車スペースの枠が表示されている駐車場に対して、カメラで撮影した原画像を射影変換し、その変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としたものである。
【0022】
[第1の実施形態の構成]
図1において、1は駐車場に向けられたカメラで、このカメラ1が本発明の撮像装置に相当する。このカメラ1は、監視するエリアの上方に配置されており、監視エリアを見渡せる位置に配置される。2は前記カメラ1で撮影した画像の処理を行う制御部で、持ち運び可能なパソコンなどのコンピュータ上に設けられ、前記カメラ1とは無線あるいは有線により接続され、情報の授受が行われる。
【0023】
3は、前記制御部2に設けられた第1の射影画像変換部であり、4は、同じく第2の射影画像変換部である。第1の射影変換部3は、射影平面を駐車場の地面としてカメラ1で撮影した原画像を射影変換する変換部である。また、第2の射影画像変換部4は、射影平面を車両Mの屋根の位置の高さ(本実施形態では、一般的な車両Mの平均値である1.5mとする)の平面として原画像を射影変換する変換部である。
【0024】
第1の射影画像変換部3の出力側には第1の画像抽出部5が、第2の射影画像変換部4の出力側には第2の画像抽出部6が設けられている。このうち、第1の画像抽出部5は、第1の射影画像変換部3で射影変換された画像のうち、駐車スペースのカメラ側の部分(前半部分)を抽出する。第2の画像抽出部6は、第2の射影画像変換部4で射影変換された画像のうち、駐車スペースのカメラと反対側の部分(後半部分)を抽出する。
【0025】
7は、前記制御部2に設けられた画像合成部であり、第1の画像抽出部5と第2の画像抽出部6の出力側に配置され、これらより抽出された画像を、第1の射影画像変換部3の画像の一部がカメラ1の近接側に、第2の射影画像変換部の画像の一部がカメラ1の遠方側になるように合成する。8は、表示制御部であり、画像合成部7で合成された画像を、制御部2の外部に設けられた表示装置であるディスプレイ12に出力し表示する。
【0026】
9は、車両位置座標検出部であり、画像合成部7で合成した画像上における車両Mの座標位置を検出する。すなわち、この車両位置座標検出部9は、画像合成部7で合成した画像中における車両Mの輪郭とその駐車スペースの輪郭を抽出する輪郭抽出処理部9aと、輪郭抽出された車両位置と同じく輪郭抽出された駐車スペース位置のずれを検出する差分検出部9bと、輪郭抽出された駐車スペースの座標を、別途用意した駐車スペース座標記録部10から取得する駐車スペース座標取得部9cを備えている。また、この車両位置座標検出部9は、駐車スペース座標取得部9cからの座標と前記差分検出部9bで得られた駐車スペースと車両Mの位置のずれ量に基づいて、車両Mの駐車位置の座標を演算する駐車位置演算部9dを備えている。
【0027】
10は、駐車スペース座標記憶部であり、カメラ1の撮影範囲内にある所定の1点を原点として、各駐車スペースの座標をXY座標で記憶したものである。この場合、各駐車スペースごとに固有の識別番号を付し、その駐車スペースの識別番号とその頂点の座標を記憶する。なお、複数の固定カメラによって広い駐車場を撮影する場合には、駐車場全体を1つの座標系として、その座標系を各カメラで分割して撮影することで、各カメラに撮影された駐車スペースそれぞれの座標をカメラの識別番号と共に記憶する。
【0028】
11は、駐車状況判定部であり、車両位置座標検出部9から出力される車両Mの位置座標と駐車場スペース座標記憶部8に記憶された駐車スペースの位置座標を比較することにより、駐車スペースに車両Mが正確に停止しているかを判定する。そして、この駐車状況判定部11は、その判定結果に伴い、画像合成部7で合成した変換画像上に警告表示その他のマークやアイコンなどを重ね合わせ、前記表示制御部8を介して、外部のディスプレイ12に表示する。
【0029】
[第1の実施形態の作用]
前記のような構成を有する本発明の実施形態の作用を、図2〜図5の原理図及び図6のフローチャートに従って説明する。
【0030】
なお、本実施形態では、各駐車スペースごとに射影変換、画像の分割、合成処理を行うが、その場合に、白線などの枠で区分された駐車スペースごと、その枠を輪郭抽出し、その輪郭抽出された枠を基準として射影変換する画像の範囲を決定する。これにより、駐車スペースが段違いに配置された場合のように、駐車場内において各駐車スペースがランダムに配置されていても、各駐車スペースごとに車両を検出し、その射影画像を得ることができる。
【0031】
カメラ1により撮影された画像は、制御部2に入力される(図6のステップ1)。ここで、原画像と射影変換された変換画像との関係は、図2に示すとおりである。すなわち、図2において、Oは、カメラ1の視点、Lはカメラ1の光軸と直角に配置された撮像面で、x,y平面として定義される。L’は前記撮像面Lに対して所定の角度で配置された射影平面であって、u,vとして定義される。本実施形態では、この射影平面L’は、第1の射影画像変換部3では地面、第2の射影画像変換部4では地面から車両Mの高さである1.5m分高い位置に地面と平行に設定された平面である。
【0032】
撮像面Lに撮影された画像(図2中の中心点P、頂点A,B,C,Dの四角形)は、射影平面L’上の変換画像としては、カメラの視点Oを中心として各点P,A,B,C,Dを通過する放射状の線分が射影平面L’と交わる点を結んだ画像(図2中の中心点P’、頂点A’,B’,C’,D’の四角形)として表される。
【0033】
図3は、第1の射影画像変換部3により、第1の射影平面L’を地面に設定した場合の投影された立方体(車両M)の平面図である(ステップ2)。高さのある立方体は、カメラ位置に対し遠方に押し倒したような画像となる。そのため、射影された立方体の平面図形には、車両Mの手前位置Nは正確な位置を保持できるが、車両Mの遠方部分の位置Fは、正確な位置よりずれてしまうことを示している。一方、射影平面L’上に描かれた図形(駐車スペースを示す枠S)は、正しく射影される。
【0034】
図4は、第2の射影画像変換部4により、第2の射影平面L”を車両Mの屋根部分(地面から1.5mの高さ)に設定した場合の投影された立方体の平面図を表した図である(ステップ3)。第2の射影平面L”では、高さのある立方体は、前記第1の射影平面L’に比較すると、カメラ位置に対し手前に押し倒したような画像となる。そのため、射影された立方体の平面図形には、車両Mの遠方部分の位置Fは正確な位置を保持できるが、車両Mの手前位置Nは、正確な位置よりずれてしまうことを示している。また、第2の射影平面L”上に描かれた図形の中で、駐車スペースを示す枠Sは、カメラ方向にずれて射影されることになる。
【0035】
画像合成部7では、図5で示すように、第1の画像変換部3で変換した第1の射影平面L’の射影画像(b)の中から、地面に描かれた駐車スペースを示す枠Sと、駐車スペースのカメラ近傍部分、すなわち射影画像(b)の2点鎖線部分の画像を抽出する(ステップ4)。抽出する画像の範囲は、カメラ近傍部分の駐車スペース枠Sの外部から、N位置までとすることが望ましい。しかし、実際に、正確なN位置は車両Mの停止位置ごとに異なるからそれを検出することは計算が複雑化する。そこで、本実施形態では、カメラ近傍部分の駐車スペース枠Sの外部から駐車スペース枠Sの手前から1/4とするが、必ずしもこの位置に限らず、例えば、駐車スペース枠Sの外部から駐車スペース枠Sの中央までの部分とすることも可能である。
【0036】
前記画像合成部7では、第2の画像変換部4で変換した第2の射影平面L”の射影画像(c)の中から、カメラ遠方部、すなわち射影画像(c)の2点鎖線部分の画像を抽出する(ステップ5)。抽出する画像の範囲は、車両Mの遠方部分の位置Fから車両Mの手前位置N位置までが好ましいが、第1の画像変換部3で変換した射影画像と同様に、正確なN位置を検出するのは、計算が複雑である。そこで、本実施形態では、車両Mの遠方部分の位置Fから駐車スペース枠Sの手前から1/4までとする。この位置は、合成する第1の射影平面L’の射影画像(b)の切り取り位置に合わせて設定する。
【0037】
なお、画像合成時は、車両Mが駐車枠Sからはみ出していることも想定して、第1の画像変換部3で変換した射影画像(b)から抽出する画像、第2の画像変換部4で変換した射影画像(c)から抽出する画像、共に、駐車スペース枠Sの10%程度外側から使うこともできる。
【0038】
その後、前記画像合成部7によって、第1の射影平面L’の射影画像(b)の一部(カメラに近い前半部分)と、第2の射影平面L”の射影画像(c)の一部(カメラから離れた後半部分)と合成する(ステップ6)。この合成された画像は、図5(d)に示すように、車両Mの前部Nが駐車スペースの前の部分に収まり、車両Mの後部Fが駐車スペースを真上から見た場合の駐車スペース内に収まる位置になる。この画像より駐車状況の判定を行わない場合(ステップ7のN0)は、表示制御部8により、これらの情報がディスプレイ12に表示される(ステップ8)。
【0039】
この場合、駐車スペースの後ろの部分は、第2の射影平面L”の射影画像(c)を使用するため、第1の射影平面L’の射影画像(b)の位置(駐車スペースを真上から見た位置)よりも前方に移動した画像となるが、実際には、駐車スペースの後ろの部分は車両Mの後半の部分に隠れて見えないため、支障はない。すなわち、本実施形態の図では、駐車スペースと車両Mの関係を分かり易くするため、駐車スペースに比較して車両Mを小さく描き、駐車スペースの後半部分が見えるようにしているが、実際には、車両Mと駐車スペースの枠Sとの間にはそれほど間隔がなく、駐車スペースの後半部分が前方に移動していても、車両Mの陰に隠れてしまう。
【0040】
駐車スペースの後半部分を正確に表示する場合には、第1の射影平面L’の射影画像(b)と第2の射影平面L”の射影画像中から、輪郭抽出などの手法により車両Mの画像のみを抽出し、この抽出した車両Mの画像のみを前記と同様な手段で第1の射影平面L’の射影画像(b)に対して合成する。このようにすると、本実施形態の図5(d)中の車両Mの合成画像が得られるので、その車両Mの合成画像を第1の射影平面L’の射影画像(b)の車両Mを抽出した画像(駐車スペースの枠Sのみが表示されている画像)に合成することで、駐車スペースは第1の射影平面L’の射影画像(b)を使用し、車両Mは図5(d)合成画像を使用した図5(e)のような画像を得ることができる。
【0041】
本実施の形態において、予め車両Mが駐車していない駐車スペースのみの画像を別途用意しておき、この駐車スペースのみの画像に、車両Mは図5(d)中の車両Mのみの合成画像を重ね合わせることでも、駐車スペースの枠Sを正確に表示し、しかも車両Mについては第1の射影平面L’と第2の射影平面L”との射影画像の合成画像を表示させることもできる。
【0042】
このようにして、本実施形態では、駐車場の側方に設けられたカメラ1で撮影した画像を、あたかも車両Mの上方(真上に近い位置)から撮影したのと同様な視点で、ディスプレイ12に表示することが可能になる。
【0043】
前記のようにディスプレイ12に表示するだけでなく、本実施形態では、駐車スペース内における車両Mの駐車位置の正確な判定や、駐車スペース内に車両Mが存在するか否かを自動的に判定することもできる(ステップ7のYES)。
【0044】
すなわち、本実施形態では、そのために車両位置座標検出部9により、次のような処理を行う。まず、車両位置座標検出部9の輪郭抽出処理部9aにより、画像合成部7で合成した画像(d)中における車両Mの輪郭とその駐車スペースの輪郭を抽出する(ステップ10)。次いで、差分検出部9bにより、輪郭抽出された車両位置と同じく輪郭抽出された駐車スペース位置のずれを検出する(ステップ11)。その後、駐車スペース座標取得部9cにより、輪郭抽出された駐車スペースの座標を、駐車スペース座標記録部10から取得する(ステップ12)。更に、駐車位置演算部9dにより、駐車スペース座標取得部9cからの座標と前記差分検出部9bで得られた駐車スペースと車両Mの位置のずれ量に基づいて、車両Mの駐車位置の座標を演算する(ステップ13)。
【0045】
このようにすると、車両Mの駐車位置が駐車スペースを基準とする座標系で定まるので、車両Mの駐車位置を正確に判定できる。その結果、車両Mが駐車スペース内に正しく収まっているか、あるいは、駐車スペース内に車両が存在するか否かを自動的に判定することが可能になる。この判定結果は、駐車状況判定部11により、不正駐車に対する警告表示や駐車場に空きがあるか否かの情報掲示が作成され(ステップ14)、これらの情報がディスプレイ12に表示される(ステップ8)。なお、これらの処理は、監視を必要とする間、繰り返され(ステップ9のNO)、監視が不要となると(ステップ9のYES)処理を終了する(END)。
【0046】
[第1の実施形態の効果]
上記の処理を行う本実施形態によれば、カメラ1で撮影した原画像を射影変換することで、変換時に生じる歪みを補正でき車両の輪郭を正しく表示することができるため、見やすい画像による駐車場監視装置及び方法を提供することが可能になる。特に、図示のように、駐車状況の判定を行った場合には、駐車場に関するより多くの情報を表示できる利点がある。
【0047】
(2)第2の実施形態
以下、本発明の第2の実施形態について、図7,8に従って具体的に説明する。各図で、同一または類似の構成部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、第2の実施形態は、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場に対して、カメラで撮影した原画像を射影変換し、その変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としたものである。
【0048】
[第2の実施形態の構成]
前記第1の実施形態では、第1の射影画像変換部3及び第2の射影画像変換部4が、車両と駐車スペースの枠の両方について射影画像を得ていたのに対して、第2の実施形態は、駐車スペースの枠が存在しないので、車両の画像についてのみ第1の射影平面L’と第2の射影平面L”の射影画像を得る点で相違する。
【0049】
また、本実施形態では、第1の射影平面L’のuv座標系と、前記第1実施形態に設けられた駐車スペース座標記憶部10に記憶されている各駐車スペースの座標とを変換する座標変換手段13が設けられている。この座標変換手段13は、第1の射影平面L’に射影されている車両のuv座標値(例えば、車両の手前位置Nのuv座標値)が、駐車場のある地点を原点とする実際の駐車場の座標系のどの座標値に相当するかを演算する。
【0050】
[第2の実施形態の作用]
駐車スペース座標記憶部10を設けた第2の実施形態の駐車場監視装置では、図8のフローチャートに示すように、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場でも車両の駐車位置を判定できる。すなわち、カメラ1で駐車場の画像を撮影した後(ステップ1)、第1の射影画像変換部3により第1の射影平面L’で射影変換することで、車両の前の部分Nが正確に位置決めされた画像を得る(ステップ2)。そして、第2の射影画像変換部4により第2の射影平面L”で射影変換することで、車両の後ろの部分Fが正確に位置決めされた画像を得る(ステップ3)。
【0051】
画像合成部7は、このようにして得られた第1の射影平面L’の射影画像の前半部分を抽出すると共に(ステップ4)、第2の射影平面L”の射影画像の後半部分を抽出し(ステップ5)、両者を合成する(ステップ6)。この画像より駐車状況の判定を行わない場合(ステップ7のN0)は、表示制御部8により、これらの情報がディスプレイ12に表示ことも可能である(ステップ8)。そのようにすると、駐車場を撮影したカメラ1の画像に比較して、より高い位置から車両を撮影した画像がディスプレイ12に表示されることになる。
【0052】
第2の実施形態において、更に、駐車場に関する種々の情報を表示させるには(ステップ7のNO)、前記座標変換部11により、第1の射影平面L’における合成画像の車両の座標(uv座標)を、実際の駐車場の位置座標に変換する(ステップ10)。その結果、実際の駐車場の座標系内における車両の合成画像の座標値が判明するので、駐車状況判定部11により、この車両の座標値と駐車スペースの座標値とを比較して(ステップ11)、車両が駐車スペースに正確に駐車しているか、あるいは駐車スペースの空満を判定することができる(ステップ12)。この判定結果は、表示制御部8を介してディスプレイ12に送られ、表示される(ステップ8)。なお、これらの処理は、監視を必要とする間、繰り返され(ステップ9のNO)、監視が不要となると(ステップ9のYES)処理を終了する(END)。
【0053】
[第2の実施形態の効果]
上記の処理を行う第2の実施形態によれば、駐車スペースの枠が表示されていない駐車場に対して、カメラ1で撮影した原画像を射影変換することで、変換時に生じる歪みを補正でき車両の輪郭を正しく表示することができる。そのため、見やすい画像による駐車場監視装置及び方法を提供することが可能になる。特に、図示のように、駐車状況の判定を行った場合には、駐車場に関するより多くの情報を表示できる利点がある。
【0054】
(3)第3の実施形態
第3の発明の実施形態は、複数のカメラで撮影した各原画像を射影変換し、複数枚の射影変換後の画像に対して接合処理を行う。そして、接合処理を施した変換画像により車両の位置の特定を行うことを可能としてものである。
【0055】
[第3の実施形態の構成]
第3の実施形態は、第1の実施形態の構成において、制御部2に入力するカメラ1を複数台設けたものである。この複数台のカメラは、設置する向きに制限が無く、駐車場に対して複数の方向から撮影するような向きに配置することもできる。
【0056】
本実施の形態において、制御部2に、各カメラ1からの画像を第1の射影平面L’に射影変換する第1の射影画像変換部3と、第2の射影平面L”に射影変換する第2の射影画像変換部4とが設けられ、これら変換部3,4によって作成された射影画像の一部を抽出して合成する画像合成部7が設けられている点は、前記各実施形態と共通である。
【0057】
一方、本実施の形態においては、各カメラ1が撮影した画像中のどの駐車スペースをディスプレイ12に表示するかを予め記憶したカメラ画像選択部14が設けられている。このカメラ画像選択部14は、各カメラが撮影した駐車スペースの画像が、駐車場のどの座標に位置するかを駐車スペース座標取得部8から取得し、その座標値に基づいて、その駐車スペースがディスプレイ12に表示すべきものであるか否かを決定する。
【0058】
このカメラ画像選択部14は、複数のカメラ1が重複して撮影する駐車スペースとその座標、及び重複して撮影される駐車スペースについては、いずれのカメラの画像を選択して表示するかを定めたデータを記憶するものである。この場合、カメラに近い駐車スペースほど鮮明な撮影画像が得られると共に、射影変換後の画像の変形度も少ないことから、基本的には駐車スペースに近い側のカメラの画像を選択するように指定する。
【0059】
[第3の実施形態の作用]
このような構成を有する第3の実施形態においては、複数のカメラが画像を射影変換した画像を接合する処理として、モザイキング処理が用いられる。このモザイキング処理とは、撮影対象全体を複数の部分領域に分け、複数の撮影画像を取得し、これらを平面状に正しく配置することにより撮影対象全体が映る大きな画像を生成する処理である。
【0060】
モザイキング処理を行う場合、組み合わせる画像は、車両の輪郭位置が正しく抽出されている画像が好ましい。例えば、射影平面を道路面に射影平面を設定した第1の射影変換画像のみでは、図9のようにカメラ1で撮影し射影変換した車両Aの見え方と、カメラ2で撮影し射影変換した車両Aの見え方が異なってしまう。このように、1台の車両Aが異なったサイズや位置で示された画像をモザイキング処理すると、歪んだ合成画像となってしまう。
【0061】
そこで、本実施形態では、単に複数のカメラの画像を直線的な切り口で合成するのではなく、前記カメラ画像選択部14により、駐車スペース単位で表示する駐車スペース及び車両を決定し、これにより各駐車スペースで画像の歪みが生じないように工夫している。
【0062】
[第3の実施形態の効果]
以上のような、第3の実施形態によれば、複数のカメラで駐車場を分割して撮影した原画像を、各原画像ごとに射影変換して合成した画像を、予め定められた駐車スペースごとにどのカメラの画像を選択するかを決めておいて、全体の画像を得るようにしたので、画像の接合部分に歪みが生じることなく、見やすい駐車場の画像を得ることができる。その結果、広大な駐車場であっても、多数のカメラの画像を合成することで、駐車場の利用状況を分かり易く表示することができる。
【0063】
(4)第4の実施形態
第4の発明の実施形態は、カメラで撮影した各原画像を射影変換し、射影変換後の画像の差分を取ることにより、移動車両を検出することを可能としたものである。
【0064】
[第4の実施形態の構成]
図10において、5は画像合成部であり、第1の射影画像変換部3と第2の射影画像変換部4の出力側に配置され、これらより出力された画像を合成する。13は、合成画像保存部であり、合成画像のデータを一定時間(例えば、T1,T2,T3・・・Tn)ごとに保存する。14は、差分演算部であり、合成画像保存部15に保存された前後の画像の減算を行うことにより、移動中の車両或いは移動状態から停止した車両を検出する。差分演算部16の演算結果は、表示制御部8に対して出力する。
【0065】
[第4の実施形態の作用]
このような構成を有する第4の実施形態においては、合成画像保存部11には、カメラ1で撮影され、その後、前記第1、第2実施形態に示したような手順で作成された各時間T1,T2,T3・・・Tnごとの画像データが順に保存されている。そこで、この保存された前後のデータの差分をとることにより、移動する車両があった場合は検出することができる。
【0066】
[第4の実施形態の効果]
以上のような、第4の実施形態によれば、単に移動する車両の画像データの差分を取る従来技術に比較して、車両の画像をカメラの視線よりもより高い位置から見た角度で表示することができるので、カメラから遠い位置を移動する車両であっても明確に表示することができる。その結果、駐車場内を移動する車両を容易かつ正確に把握することができ、車両の案内や不法侵入する車両の発見などに効果的である。
【0067】
(5)第5の実施形態
第5の発明の実施形態は、前記各実施形態が第1の射影平面L’と第2の射影平面L”への射影画像を合成することで、駐車スペース内における車両の位置を分かり易く表示したものであのに対して、第1の射影平面L’に対する射影画像のみを使用して、同様の作用効果を得るものである。すなわち、本実施形態は、第1の射影平面L’における駐車スペースの後半の部分を圧縮することにより、第2の射影平面L”の画像を合成するのと同様な効果を発揮させたものである。
【0068】
[第5の実施形態の構成]
図11において、1は駐車場に向けられたカメラである。このカメラ1は、監視するエリアの上方に配置されており、監視エリアを見渡せる位置に配置される。2は制御部である。持ち運び可能な大きさのカメラで撮影した画像の処理を行う。
【0069】
3は第1の射影画像変換部であり、この第1の射影画像変換部3は、射影平面を地面としてカメラ1で撮影した原画像を射影変換するものである。本実施形態では、この第1の射影画像変換部3の出力側には、画像分割部17が設けられている。この画像分割部17は、この第1の射影画像変換部3によって得られた射影画像を、駐車スペース枠Sのカメラ側に近い部分から、例えば駐車スペースの長さの1/4部分を境界として、前後2つの部分に分割する。この画像分割部17には、画像分割部17によって分割された駐車スペースの後半の部分を圧縮する画像圧縮部18が設けられている。
【0070】
7は画像合成部であり、画像分割部17と画像圧縮部18の出力側に配置され、画像分割部17で分割された前半部分(例えば、1/4部分)の画像と、画像圧縮部18によって圧縮された後半の部分(例えば、3/4部分)の画像を合成する。この画像合成部7は、そこで合成された画像を、表示制御部8を介して制御部2の外部に設けられた表示装置のディスプレイ12に対して出力する。
【0071】
[第5の実施形態の作用]
このような構成を有する第5の実施形態の画像圧縮部18においては、第1の画像変換部3で変換した射影画像から、駐車スペースの後半部分を取り出して、圧縮する。この場合の圧縮率は、次のようにして求める。
【0072】
図11に示すカメラの設置位置の高さHo、車両の長さB、車両の高さGo、カメラの中心軸とカメラ主点を通る垂直線の角度θ、車両後端の射影線とカメラ主点を通る垂直線との角度θo、カメラの中心軸と車両後端の射影線との角度α、カメラの主点から等価撮像面までの距離f、及び図12に示す等価撮像面と車両後端の射影線との交点と等価撮像面とカメラ中心線の交点との距離yとに基づいて、下記の式1より、第1の射影画像で、車両として投影される長さであるS+Bを求める。ここで、Bは投影される車両自体の長さである。一方、Sは、カメラから離れた側の車両の屋根が投影された位置と、実際の車両位置までの距離(車両の影の長さ)である。また、Lは、カメラ主点を通る垂直線と車両後端の投影面の位置との距離である。
【0073】
[数1]
【0074】
また、代表的な車両の長さBoと、高さGoを用いると、射影によって生じる車両の代表的な見掛けの拡張率Rは、
[数2]
R=(S+Bo)/Bo ・・・(6)
となる。以上から、駐車スペースの画像上の位置yによって、式(5)(6)から、車両の拡張率Rが求まるので、y位置に応じて、拡張率Rの逆数を圧縮率として、第1の射影平面L’の射影画像の後半部分を圧縮する。
【0075】
具体例として、図13に示すように、駐車スペース枠の手前から1/4〜1/2の位置Dを基準として、その撮影画面上のy座標から拡張率Rを求め、長さKl、幅Kwの仮想枠内(図13の破線内)の画像の長さ方向を、Kl/Rになるように圧縮することができる。この場合、Kl及びKwは以下のような値にするのが好ましい。
Kl≒駐車スペース枠長さ(E)×1〜1.2
Kw≒駐車スペース幅Ew〜車両幅Bwの範囲
【0076】
[第5の実施形態の効果]
上記の処理を行う第5の実施形態によれば、第1の射影平面L’に対する射影画像の後半部分を圧縮するという簡単な処理により、第2の射影平面L”の画像を合成する前記実施形態と同様に、車両をその上方から見下ろすような角度でディスプレイに表示することが可能になる。
【0077】
(6)他の実施形態
本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のような他の実施形態も包含する。
【0078】
(a)第1の射影変換部3で変換した射影画像と第2の画像変換部4で変換した射影画像から、車両の輪郭を補正した合成画像を作成したが、第1の射影変換画像のみで合成画像を作成しても良い。例えば、第1の射影変換画像(b)のカメラ遠方の伸び量Kは、カメラの設置条件と、車両の高さ、及び駐車座標位置によって算出されるので、擬似的に圧縮して表示することもできる。
【0079】
(b)第2の射影変換画像は車両の屋根の部分の位置を正確に投影表示することができることから、車両の屋根部分に注目することで正しい車両位置を追跡することができる。
【0080】
(c)制御部2の駐車車両判定部9において、各駐車スペースにおける駐車車両の有無のパターンを示した画像を作成する場合に、合成画像にするものは車両の有無を示すパターンでなくても良い。例えば、第2の射影変換画像を用いると、車両の屋根部分の色を抽出することも可能であるので、車両の有無を示すパターンの代りに、駐車してある車両の色を表示することも可能である。
【0081】
(d)カメラ1は、静止画を撮影するカメラでなくてもよい。例えば、動画に対しても、動画の1コマ、1コマに対して画像の変換処理を行うことで、リアルタイムでも表示することができる。
【0082】
(e)前記各実施形態は、いずれも個々の駐車スペースや車両ごとに射影変換を行ったものであるが、格子状に整然と並んだ駐車場の場合には、横一列の駐車スペースについて、一挙に第1の射影平面L’と第2の射影平面L”との射影変換を行い、その前半部分と後半部分とを抽出して、合成することも可能である。この場合は、個々の駐車スペースや車両の輪郭抽出による検出が不要となり、原画像中の予め定めた範囲について一度に射影変換を行うことで、処理を簡便化することができる。
【0083】
(f)本発明において、「車両の屋根の高さ」とは、必ずしも、射影変換する原画像に表示された車両の屋根の高さをいうものではなく、屋根の高さに近い値として、予め設定された寸法を示すものである。しかし、原画像中から輪郭抽出などの手法により車両の外径を検出し、その外形寸法とカメラの高さ、カメラとの距離などのデータに基づいて、原画像中の個々の車両についてその屋根の高さが判別した場合には、個々の車両ごとに第2の射影平面L”の高さを異ならせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】射影変換の原理図を示す図。
【図3】第1の射影変換部3における立体物の射影変換を示す図。
【図4】第2の射影変換部4における立体物の射影変換を示す図。
【図5】画像合成部6における画像合成の例示す図。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロック図。
【図10】複数のカメラで監視する場合のカメラの配置と、共通視野における車両の見え方を示す図。
【図11】本発明の第4の実施形態の構成を示す図。
【図12】本発明の第5の実施形態の構成を示す図。
【図13】本発明の第5の実施形態のカメラと車両位置を示す図。
【図14】本発明の第5の実施形態のカメラ部分の拡大図。
【図15】本発明の第5の実施形態の射影画像を圧縮の例を示す図。
【符号の説明】
【0085】
1…カメラ
2…制御部
3…第1の画像変換部
4…第2の画像変換部
5…第1の画像抽出部
6…第2の画像抽出部
7…画像合成部
8…表示制御部
9…車両位置座標検出部
10…駐車スペース座標記憶部
11…駐車車両判定部
12…ディスプレイ
13…座標変換部
14…カメラ画像選択部
15…合成画像保存部
16…差分演算部
17…画像分割部
18…画像圧縮部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を撮影する撮像装置と、撮像された画像を射影変換する制御部とを備えた駐車場監視装置において、
前記制御部は、
路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換部と、
車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換部と、
前記第1の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出部と、
前記第2の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出部と、
前記第1の射影画像変換部と前記第2の射影画像変換部が変換した射影画像を合成する画像合成部と、
前記画像合成部によって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御部とを備えることを特徴とする駐車場監視装置。
【請求項2】
前記制御部は、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録部と、この駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成部で合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の駐車場監視装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車両位置座標検出部が検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場監視装置。
【請求項4】
前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行い、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車場監視装置。
【請求項5】
いずれかの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択部を備え、前記画像選択部が各撮像装置の合成画像を、記録に基づいて選択して接合することを特徴とする請求項4に記載の駐車場監視装置。
【請求項6】
前記制御部は、
合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存部と、
前記合成画像保存部に保存された前後の画像の減算を行う差分演算部とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の駐車場監視装置。
【請求項7】
撮像装置によって撮像された画像に基づいて、路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換ステップと、
撮像装置によって撮像された画像に基づいて、車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換ステップと、
前記第1の射影画像変換ステップで射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出ステップと、
前記第2の射影画像変換ステップで射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出ステップと、
前記第1の射影画像変換ステップと前記第2の射影画像変換ステップにおいて変換した射影画像を合成する画像合成ステップと、
前記画像合成ステップによって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御ステップとを備えることを特徴とする駐車場監視方法。
【請求項8】
前記制御ステップは、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録ステップと、この駐車スペース座標記録ステップから取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成ステップで合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出ステップとを備えることを特徴とする請求項7に記載の駐車場監視方法。
【請求項9】
前記制御ステップは、前記車両位置座標検出ステップが検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録ステップから取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定ステップを備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の駐車場監視方法。
【請求項10】
前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行うステップと、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合するステップを備えることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の駐車場監視方法。
【請求項11】
いずれの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択ステップを備え、各撮像装置の合成画像を、この画像選択ステップの記録に基づいて選択して接合することを特徴とする請求項10に記載の駐車場監視方法。
【請求項12】
前記制御ステップは、
合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存ステップと、
前記合成画像保存ステップに保存された前後の画像の減算を行う差分演算ステップとを含むことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の駐車場監視方法。
【請求項1】
駐車場を撮影する撮像装置と、撮像された画像を射影変換する制御部とを備えた駐車場監視装置において、
前記制御部は、
路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換部と、
車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換部と、
前記第1の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出部と、
前記第2の射影画像変換部で射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出部と、
前記第1の射影画像変換部と前記第2の射影画像変換部が変換した射影画像を合成する画像合成部と、
前記画像合成部によって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御部とを備えることを特徴とする駐車場監視装置。
【請求項2】
前記制御部は、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録部と、この駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成部で合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の駐車場監視装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記車両位置座標検出部が検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録部から取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場監視装置。
【請求項4】
前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行い、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車場監視装置。
【請求項5】
いずれかの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択部を備え、前記画像選択部が各撮像装置の合成画像を、記録に基づいて選択して接合することを特徴とする請求項4に記載の駐車場監視装置。
【請求項6】
前記制御部は、
合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存部と、
前記合成画像保存部に保存された前後の画像の減算を行う差分演算部とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の駐車場監視装置。
【請求項7】
撮像装置によって撮像された画像に基づいて、路面上を射影平面とする射影画像を作成する第1の射影画像変換ステップと、
撮像装置によって撮像された画像に基づいて、車両の屋根の高さを射影平面とする射影画像を作成する第2の射影画像変換ステップと、
前記第1の射影画像変換ステップで射影変換した画像中から、カメラに近い部分を抽出する第1の画像抽出ステップと、
前記第2の射影画像変換ステップで射影変換した画像中から、カメラに遠い部分を抽出する第2の画像抽出ステップと、
前記第1の射影画像変換ステップと前記第2の射影画像変換ステップにおいて変換した射影画像を合成する画像合成ステップと、
前記画像合成ステップによって得られた合成画像を表示装置に表示する表示制御ステップとを備えることを特徴とする駐車場監視方法。
【請求項8】
前記制御ステップは、駐車場内における各駐車スペースの座標を記録した駐車スペース座標記録ステップと、この駐車スペース座標記録ステップから取得した駐車スペースの座標に基づいて、前記画像合成ステップで合成した画像上における車両の座標位置を検出する車両位置座標検出ステップとを備えることを特徴とする請求項7に記載の駐車場監視方法。
【請求項9】
前記制御ステップは、前記車両位置座標検出ステップが検出した車両の座標と、駐車スペース座標記録ステップから取得した駐車スペースの座標に基づいて、駐車スペースにおける車両の駐車状況を判定する駐車状況判定ステップを備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の駐車場監視方法。
【請求項10】
前記撮像装置が複数設けられ、複数の撮像装置で得られた原画像に基づいて各駐車スペースごとに画像の合成を行うステップと、いずれかの撮像装置の画像を選択して接合するステップを備えることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の駐車場監視方法。
【請求項11】
いずれの撮像装置の画像を選択するかを予め記録した画像選択ステップを備え、各撮像装置の合成画像を、この画像選択ステップの記録に基づいて選択して接合することを特徴とする請求項10に記載の駐車場監視方法。
【請求項12】
前記制御ステップは、
合成画像のデータを一定時間ごとに保存する合成画像保存ステップと、
前記合成画像保存ステップに保存された前後の画像の減算を行う差分演算ステップとを含むことを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の駐車場監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図10】
【公開番号】特開2010−117800(P2010−117800A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289305(P2008−289305)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(391017540)東芝ITコントロールシステム株式会社 (107)
【Fターム(参考)】
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