説明

β−セクレターゼを阻害するためのアミノ−5,5−ジフェニルイミダゾロン誘導体

本発明は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するための式(I)の化合物、もしくは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩およびそれらの使用を提供する。本発明の式Iの化合物において、Wは、CO、CSまたはCHであり;Xは、N、NOまたはCR10であり;Yは、N、NOまたはCR11であり;Zは、N、NOまたはCR19であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない、化合物である。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
アルツハイマー病(AD)は、主に加齢に関連する脳の進行性変性疾患であり、ヘルスケアの深刻な問題である。臨床的に、ADは、記憶、認識、理論、判断および見当識の喪失によって特徴付けられる。この疾患が進行するにつれて、複数の認識機能の全般的な障害が起こるまで、運動能力、知覚能力、および言語能力もまた影響される。これらの認識の喪失は徐々に生じるが、代表的には4〜12年の間に深刻な障害が起こり結果として死に至る。ADを有する患者は、脳および大脳の血管(β−アミロイド脈管障害)における特徴的なβ−アミロイド沈着、ならびに神経原線維変化を示す。アミロイド生成(amyloidogenic)斑および脈管アミロイド脈管障害はまた、21トリソミー(ダウン症候群)、オランダ型のアミロイドーシスによる遺伝性脳出血(HCHWA−D)、および他の神経変性障害を有する患者の脳を特徴付ける。神経原線維変化は、他の痴呆を誘導する障害においても生じる。
【0002】
β−アミロイドとして公知のタンパク質ファミリーは、アルツハイマー病の病理および引き続く認識低下の原因であると考えられる。アミロイド前駆体タンパク質(APP)のタンパク質分解プロセシングは、アミロイドβ(A−β)ペプチドを産生する;詳細には、A−βは、APPのβ−セクレターゼによるN末端での切断および1種以上のγ−セクレターゼによるC末端での切断によって生成される。アスパルチルプロテアーゼ酵素、またはβセクレターゼ酵素(BACE)の活性は、APPからのA−βペプチドの産生に直接的に相関する(非特許文献1)。ますます、研究によって、β−セクレターゼ酵素の阻害が、A−βペプチドの生成を阻害することが示されている。β−セクレターゼを阻害して、その結果A−βペプチドが低下すると、脳におけるβ−アミロイド沈着および大脳血管におけるβ−アミロイドレベルの低下と、それによって引き起こされる疾患または障害の有効な処置とをもたらし得る。従って、本発明の目的は、β−セクレターゼのインヒビターであって、患者においてβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルが上昇することによって特徴付けられる疾患もしくは障害の処置、予防または改善において、治療剤として有用である化合物を提供することである。
【0003】
本発明の別の目的は、患者においてβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルが上昇することによって特徴付けられる疾患もしくは障害の処置、予防または改善のために有用な治療方法および薬学的組成物を提供することである。
【0004】
提供された化合物がβ−セクレターゼ酵素をさらに研究し解明するためにも有用であり得ることは、本発明の特徴である。
【0005】
本発明のこれらの目的および特徴、ならびに他の目的および特徴は、以下に記載される詳細な説明によってより明らかになる。
【非特許文献1】Sinhaら,「Nature」1999年,第402号,537−540
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、式Iの化合物、あるいは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0007】
【化9】

ここで、Wは、CO、CSまたはCHである;
Xは、N、NOまたはCR10である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR19であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、COR20、CO21または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
は、H、OR12またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール(C〜C)アルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R、R10、R11およびR19それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
nは、0または1である;
【0008】
【化10】

は、nが0であるとき、単結合であり、またはnが1であるとき、二重結合である;
12、R13、R16、R20およびR21は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである。
【0009】
本発明はまた、患者における増加したβ−アミロイド沈着または増加したβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する治療方法および医薬組成物を提供する。
【0010】
(発明の詳細な説明)
アルツハイマー病(AD)は、脳の重大な変性疾患であり、これは、臨床的に、記憶、認知、推理、判断および情動安定性の進行的な喪失を示し、徐々に、深い痴呆および死に至る。ADの正確な原因は知られていないが、この疾患の病因において、アミロイドベータペプチド(A−ベータ)が中心的な役割を果たすという証拠が増えている(D.B.Schenk;R.E.Rydelら、Journal of Medicinal Chemistry,1995,21,4141およびD.J.Selkoe,Physiology Review,2001,81,741)。ADに罹った患者は、特徴的な神経病理学的マーカー(例えば、神経突起プラーク)(およびβ−アミロイド血管症においては、脳血管における沈着)だけでなく、解剖において脳で検出される神経原線維のもつれを示す。A−ベータは、ADの脳における神経突起プラークの主成分である。それに加えて、β−アミロイド沈着および血管β−アミロイド血管症はまた、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血、ならびに他の神経変性および痴呆誘発障害に罹った患者の特徴である。アミロイド前駆体タンパク質(APP)の過剰発現、APPのA−ベータへの変化した開裂または患者の脳からのA−ベータのクリアランスの減少は、脳における可溶形状または繊維形状のA−ベータのレベルを高め得る。β−部位APP開裂酵素BACE1(これはまた、メマプシン−2またはAsp−2とも呼ばれる)は、1999に確認された(R.Vassar,B.D.Bennettら、Nature,1999,402,537)。BACE1は、膜結合アスパラギン酸プロテアーゼであり、これは、β−セクレターゼの全ての公知の特性および特徴を備えている。BACE1と平行して、BACE2と命名された第二の相同アスパルチルプロテアーゼは、インビトロで、β−セクレターゼ活性を有することが発見された。BACE1またはβ−セクレターゼの低分子量の非ペプチド非基質関連阻害剤は、β−セクレターゼ酵素の研究を助けるものとして、また、潜在的な治療薬として、両方として、熱心に探求されている。
【0011】
驚くべきことに、現在、式Iのアミノ−5,5−ジフェニルイミダゾロン、−イミダゾチオンおよび−イミダゾール化合物は、β−セクレターゼの阻害およびBACE1の選択的な阻害を示すことが発見された。有利なことに、該化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するのに有効な治療薬として、使用され得る。従って、本発明は、式Iの化合物、あるいは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を提供する:
【0012】
【化11】

ここで、Wは、CO、CSまたはCHである;
Xは、N、NOまたはCR10である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR19であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、COR20、CO21または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
は、H、OR12またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール(C〜C)アルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R、R10、R11およびR19それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
nは、0または1である;
【0013】
【化12】

は、nが0であるとき、単結合であり、またはnが1であるとき、二重結合である;
12、R13、R16、R20およびR21は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである。
【0014】
Xは、N、NOまたはCR10である;好ましくは、NまたはCR10である。Yは、N、NOまたはCR11である;好ましくは、CR11である。Zは、N、NOまたはCR19である;好ましくは、CR19である。記号nは、0または1、好ましくは、1である。R、R、R、R、R10、R11およびR19は、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;好ましくは、H、ハロゲン、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである。X、YおよびZを含む環は、好ましくは、その3位置で、このフェニル基を置換する。このフェニル基に連結されたX、YおよびZを含む環の環員は、好ましくは、YおよびZに連結された炭素原子である。
【0015】
およびRは、それぞれ別個に、H、COR20、CO21または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;好ましくは、Hまたは必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;さらに好ましくは、H、C〜Cアルキル基またはC〜Cハロアルキル基である;有利には、Hである。
【0016】
Wは、好ましくは、COである。
【0017】
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される。好ましくは、RおよびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、CN、OR13、あるいはC〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、該隣接炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され、該環は、好ましくは、ヘテロ原子として、2個の酸素原子を含有する。さらに好ましくは、RおよびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、CN、OR13、あるいはC〜Cアルキル、C〜CハロアルキルまたはC〜Cシクロアルキル基であるか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、該隣接炭素原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択され、該環は、必要に応じて、1個、2個または3個のハロゲン原子で置換されている。有利には、RおよびRの少なくとも1個は、OR13であるか、またはRおよびRは、一緒になるとき、二価ラジカルを示し、これは、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシラジカルであり、このラジカルは、必要に応じて、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されている。R13は、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;好ましくは、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアナト、シアナト、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミド、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルおよびシクロアルキル基から別個に選択される0個、1個、2個または3個の置換基で置換されたC〜Cアルキルである。
【0018】
本明細書および請求の範囲で使用するハロゲンとの用語は、F、Cl、BrまたはIを示し、そしてシクロヘテロアルキルとの用語は、1個または2個のヘテロ原子および必要に応じて1個の二重結合を含有する5員〜7員シクロアルキル環系を示し、このヘテロ原子は、同一または異なり得、N、OまたはSから選択される。本明細書中で指定された用語に含まれるシクロヘテロアルキル環系の代表例は、以下の環であり、ここで、Xは、NR、OまたはSである;そしてRは、Hまたは以下で記述する任意の置換基である:
【0019】
【化13】

同様に、本明細書および請求の範囲で使用するヘテロアリールとの用語は、1個、2個または3個のヘテロ原子を含有する5員〜10員芳香環系を示し、このヘテロ原子は、同一または異なり得、N、OまたはSから選択される。このようなヘテロアリール環系には、ピロリル、アゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソキサゾリルなどが挙げられる。アリールとの用語は、炭素環式芳香環系(例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニルなど)を示す。アリール(C〜C)アルキルとの用語は、C〜Cアルキル基(これは、直鎖または分枝であり得る)に結合されたアリール基(これは、この上で定義された)を示す。該アリール(C〜C)アルキル基には、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが挙げられる。本明細書中で使用するハロアルキルとの用語は、1個〜2n+1個のハロゲン原子(これらは、同一または異なり得る)を有するC2n+1基を示し、そして本明細書中で使用するハロアルコキシとの用語は、1個〜2n+1個のハロゲン原子(これらは、同一または異なり得る)を有するOC2n+1基を示す。好ましくは、ハロアルキルとの用語は、CFを示し、そしてハロアルコキシとの用語は、OCFを示す。
【0020】
本明細書および請求の範囲において、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリール(C〜C)アルキルまたはヘテロアリールとの用語が必要に応じて置換したと示されるとき、必要に応じて存在している置換基は、それらの構造/活性、持続性、吸収性、安定性または他の有益な特性に影響を与えるために、医薬化合物の開発またはこのような化合物の改良において通例使用されるものの1つまたはそれ以上であり得る。このような置換基の具体例には、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、チオシアナト、シアナト、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アルカノイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルアミド、フェニル、フェノキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、ヘテロシクリルまたはシクロアルキル基、好ましくは、ハロゲン原子あるいは低級アルキルまたは低級アルコキシ基が挙げられる。典型的には、0個〜3個の置換基が存在し得る。前述の置換基のいずれかがアルキル置換基を表わすかそれを含むとき、これは、直鎖または分枝であり得、そして、12個まで、好ましくは、6個まで、さらに好ましくは、4個までの炭素原子を含有し得る。
【0021】
薬学的に受容可能な塩は、式Iの化合物と薬学的に受容可能な酸(例えば、リン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、クエン酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、乳酸、硝酸、スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸など)とにより形成される任意の酸付加塩であり得る。
【0022】
本発明の化合物には、アミド、エステル、カーバメートまたは他の通常のプロドラッグ形態が挙げられ、これらは、一般に、本発明の化合物の機能性誘導体であり、そしてインビボで、本発明の活性部分に容易に変換される。それに対応して、本発明の方法は、この上で記述した種々の病態を、式Iの化合物、または具体的には開示されていないが投与するとインビボで式Iの化合物に変換する化合物で治療することを包含する。また、本発明の化合物の代謝物も含まれ、それらは、これらの化合物を生体系に導入するとすぐに産生される活性種として、定義される。
【0023】
本発明の化合物は、1種またはそれ以上の互変異性体として存在し得る。当業者は、式Iの化合物がまた以下で示すような互変異性体Itとして存在し得ることを認識する。
【0024】
【化14】

互変異性体は、しばしば、互いに平衡状態で存在している。これらの互変異性体は、環境および生理学的条件下にて相互変換するとき、同じ有用な生物学的効果を与える。本発明は、式Iおよび式Itの個々の互変異性体だけでなく、このような互変異性体の混合物を包含する。
【0025】
本発明の化合物は、1個またはそれ以上の非対称炭素原子または1個またはそれ以上の額使用(キラル)中心を含み得、それゆえ、光学異性体およびジアステレオマーを生じ得る。それゆえ、本発明は、このような光学異性体およびジアステレオマー;ならびにラセミおよび分割された鏡像異性体的に純粋な立体異性体;ならびにRおよびS立体異性体の他の混合物を包含する。当業者は、ある立体異性体が、他の立体異性体と比べて富ませたとき、または他の立体異性体から分離したとき、より活性であり得るか、または有益な効果を示し得ることを理解する。さらに、当業者は、該立体異性体をいかにして分離し、富ませ、または選択的に調製するかを知っている。従って、本発明は、式Iの化合物、それらの立体異性体、それらの互変異性体およびそれらの薬学的に受容可能な塩を包含する。本発明の化合物は、立体異性体の混合物として、個々の立体異性体として、あるいは光学活性または鏡像異性体的に純粋な形状として、存在し得る。
【0026】
本発明の好ましい化合物は、WがCOである式Iの化合物である。本発明の好ましい化合物の他の群は、RおよびRがHであり、そしてRがC〜Cアルキルである式Iの化合物である。nが1である式Iの化合物もまた、好ましい。本発明の好ましい化合物のさらに別の群は、窒素含有5員または6員ヘテロアリール環がフェニル環の3位置でフェニル環に結合された式Iの化合物である;この好ましい群の式Iの化合物は、本明細書および請求の範囲において、式Iaとして示されている。式Iaの化合物は、以下で示す。
【0027】
【化15】

本発明のさらに好ましい化合物は、窒素含有ヘテロアリール環が6員環であり、そして該ヘテロアリール環の3位置でフェニル環に結合された式Iaの化合物である;このさらに好ましい群の式Iの化合物は、本明細書および請求の範囲において、式Ibとして示されている。式Ibの化合物は、以下で示す。
【0028】
【化16】

本発明のさらに好ましい化合物の他の群は、Rがメチルである式Ibの化合物である。本発明のさらに好ましい化合物のさらに別の群は、YがCR11である;RおよびRがHである;そしてRがメチルである式Ibの化合物である。
【0029】
式Iの好ましい化合物の例には、以下が挙げられる:
2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
4−[2−アミノ−4−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−2−ピリジン−3−イルベンゾニトリル;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(4−メチル−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−エチル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−シクロペンチル−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−プロポキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−[2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−2−メトキシベンゾニトリル;
2−アミノ−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−4−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−[(4−トリフルオロメトキシ−3−トリフルオロメチル)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−(4−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−5−(4−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
それらの互変異性体;それらの立体異性体;またはそれらの薬学的に受容可能な塩。
【0030】
有利には、本発明は、式Iの化合物を調製する方法を提供し、該方法は、パラジウム触媒および無機塩基の存在下にて、必要に応じて、溶媒の存在下にて、式II(ここで、Halは、ClまたはBrである)と式IIIの化合物(ここで、Qは、B(OH)、Sn(Bu)またはSn(CHである)とを反応させる工程を包含する。この方法は、流れ図Iで示されており、ここで、HalおよびQは、この上で定義したとおりである。
【0031】
(流れ図I)
【0032】
【化17】

本発明の方法で使用するのに適当なパラジウム触媒には、Pd(0)またはPd(II)触媒(例えば、ジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)、Pd(OCOCH/トリ−o−トリルホスフィン、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)トリフェニルホスフィンなど)が挙げられる。
【0033】
本発明の方法で使用するのに適当な無機塩基には、NaまたはKの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、好ましくは、NaCOまたはKCOが挙げられる。
【0034】
本発明の方法で適当な溶媒には、非極性有機溶媒(例えば、トルエン、ジエトキシエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル)、あるいは式IIまたは式IIIの化合物を可溶化できる任意の非反応性有機溶媒が挙げられる。
【0035】
式IIの化合物は、通常の合成方法を使用し、もし必要なら、標準的な分離または単離技術を使用して、調製され得る。例えば、WがCOであり、そしてRおよびRがHである式IIの化合物(IIa)は、塩基(例えば、NaCO)の存在下にて、式IVのジケトンと式Vの置換グアニジンとを反応させて、式IIaの所望化合物を得ることにより、調製され得る。この反応は、流れ図IIで示されており、ここで、Halは、ClまたはBrである。
【0036】
(流れ図II)
【0037】
【化18】

式IVの化合物は、塩基(例えば、NaCO)の存在下にて、式VIのトリフェニルホスホニウム塩と式VIIの塩化ベンゾイルとを反応させて、対応するトリフェニルホスフィンイリドを得ることにより、そして該イリドを、MgSOの存在下にて、KMnOで酸化して、式IVの所望のジケトンを得ることにより、調製され得る。この反応は、流れ図IIIで示されており、ここで、HalおよびHal’は、それぞれ別個に、ClまたはBrであり、そしてPhは、フェニル基を表わす。
【0038】
(流れ図III)
【0039】
【化19】

あるいは、WがCOであり、そしてRおよびRがHである式Iの化合物(Ic)は、パラジウム触媒および無機塩基の存在下にて、式IVのジケトンと式IIIの化合物とを反応させて、式VIIIのジケトンを得ることにより、そして(この上の流れ図IIで示すように)該式VIIIのジケトンと式Vの置換グアニジンとを反応させて、式Icの所望化合物を得ることにより、調製され得る。RがH以外のものである式Iの化合物(Id)は、標準的なアルキル化技術を使用して、例えば、式Icの化合物とハロゲン化アルキルR−Halとを反応させて、RがH以外のものであり、そしてRがHである式Iの化合物(Id)を得ることにより、調製され得る。この反応は、流れ図IVで示されており、ここで、Qは、B(OH)、Sn(Bu)またはSn(CHであり、そしてHalは、ClまたはBrである。
【0040】
(流れ図IV)
【0041】
【化20】

WがCOであり、そしてRおよびRがH以外のものである式Iの化合物は、該式Idの化合物と第二ハロゲン化アルキルR−Halとを反応させて、RおよびRがH以外のものである所望の式Iの化合物を得ることにより、調製され得る。
【0042】
有利には、本発明の化合物は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善するのに有用であり、これらの疾患または障害には、アルツハイマー病、ダウン症候群、オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血または他の神経変性障害、あるいは変性誘発障害が挙げられる。従って、本発明は、患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する方法を提供し、該方法は、該患者に、この上で記述した式Iの化合物の治療有効量を供給する工程を包含する。この化合物は、経口または非経口投与により、あるいは治療薬の有効な投与であることが公知の任意の一般的な様式で、それを必要とする患者に供給され得る。
【0043】
本発明に包含される化合物または物質を供給することに関して、本明細書中で使用する「供給する」との用語は、このような化合物または物質を直接投与すること、または体内で同じ量の化合物または物質を形成するプロドラッグ、誘導体または類似物を投与することのいずれかを示す。
【0044】
本明細書中で記述する本発明の化合物の治療的または予防的に有用な量とは、疾患(例えば、AD)の症状を軽減するか、あるいは症状の発症またはより重い症状の発症を防止する化合物の量である。化合物の有用な量は、その処方および送達経路に依存して、変わり得る。例えば、生物学的に同じ量の薬剤を送達するためには、この化合物を注射または吸入用に処方するときよりも多い量が経口的に送達され得る。適切には、本発明の化合物の個々の用量(すなわち、単位あたりの用量)は、約1μg/kg〜約10g/kgの範囲である。望ましくは、これらの量は、毎日ベースで供給される。しかしながら、特定の認知欠損または他の病態を治療または予防するのに使用される投薬量は、担当医により、主観的に決定され得る。関係している変数には、特定の認知欠損、ならびに患者の体格、年齢および応答パターンが挙げられる。例えば、本発明の化合物の活性プロフィールおよび効力に基づいて、ヒトにおいては、約375〜500mg/日の開始用量から、毎日用量で、約1000mg/日まで徐々に増加させると、所望の投薬レベルが供給され得る。
【0045】
実際には、本発明の化合物は、この化合物またはそれらの前駆体を、固体または液体形状で、純粋状態で、あるいは1種またはそれ以上の通常の医薬担体または賦形剤と併用して、いずれかで、投与することにより、供給される。従って、本発明は、薬学的に受容可能な担体と、この上で記述した式Iの化合物の有効量とを含有する医薬組成物を提供する。
【0046】
本発明の組成物で使用するのに適当な固体担体には、香味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁剤、充填剤、グライダント(glidants)、圧縮助剤、結合剤、錠剤崩壊剤またはカプセル化物質としても作用し得る1種またはそれ以上の物質が挙げられる。粉末では、この担体は、細かく分割された固形物であり、これは、式Iの細かく分割された化合物と混合されている。錠剤では、式Iの化合物は、適当な割合で、必要な圧縮特性を有する担体と混合され得、そして所望の形状および大きさで緻密化され得る。該粉末および錠剤は、99重量%までの式Iの化合物を含有し得る。本発明の組成物で使用するのに適当な固体担体には、リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低融解ワックスおよびイオン交換樹脂が挙げられる。
【0047】
溶液、懸濁液、乳濁液、シロップおよびエリキシル剤を調製するのに適当な任意の薬学的に受容可能な液体担体は、本発明の組成物中で使用され得る。式Iの化合物は、薬学的に受容可能な液体担体(例えば、水、有機溶媒、または薬学的に受容可能な油脂)、またはそれらの混合物に溶解または懸濁され得る。該液状組成物は、他の適当な医薬添加剤(例えば、可溶化剤、乳化剤、緩衝液、防腐剤、甘味料、香味料、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調節剤、安定剤、浸透調節剤など)を含有し得る。経口投与および非経口投与に適当な液体担体の例には、水(これは、特に、上記のような添加剤(例えば、セルロース誘導体、好ましくは、カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液)を含有する)、アルコール(これには、一価アルコールおよび多価アルコール(例えば、グリコール)が挙げられる)またはそれらの誘導体、あるいはオイル(例えば、分別したやし油および落花生油)が挙げられる。非経口投与には、この担体はまた、油性エステル(例えば、オレイン酸エチルまたはミリスチン酸イソプロピル)であり得る。
【0048】
無菌溶液または懸濁液である本発明の組成物は、筋肉内注射、腹腔内注射または皮下注射に適当である。無菌溶液はまた、静脈内に投与され得る。経口投与に適当な本発明の組成物は、液体または固体のいずれかの組成物形状であり得る。
【0049】
あるいは、毎日ベースで患者が医薬を取り混む必要性を回避するために、持続送達装置の使用もまた望まれ得る。「持続送達」とは、送達環境に配置した後まで、活性剤(すなわち、本発明の化合物)の放出を遅らせること、続いて、この薬剤を後で持続的に放出することとして、定義される。当業者は、適当な持続送達装置を知っている。適当な持続送達装置の例には、例えば、ヒドロゲル(例えば、米国特許第5,266,325号;第4,959,217号;および第5,292,515号を参照)、浸透圧ポンプ(例えば、とりわけ、Alza(米国特許第4,295,987号および第5,273,752号)またはMerck(ヨーロッパ特許第314,206号)で記載されたもの);疎水性膜材料(例えば、エチレンメタクリレート(EMA)およびエチレンビニルアセテート(EVA));生物再吸収可能ポリマー系(例えば,国際特許公報第WO 98/44964号、Bioxid and Cellomeda;米国特許第5,756,127号および第5,854,388号を参照)が挙げられる;他の生物再吸収可能移植装置は、例えば、ポリエステル、ポリ無水物、または乳酸/グリコール酸共重合体から構成されると記載されている(例えば,米国特許第5,817,343号(Alkermes Inc.)を参照)。このような持続送達装置で使用するために、本発明の化合物は、本明細書中で記述したように処方され得る。
【0050】
別の局面では、本発明は、製品を送達するための医薬キットを提供する。適切には、このキットは、所望の送達経路用に処方された化合物と共に、包装または容器を含む。例えば、もし、このキットが吸入投与用に設計されるなら、それは、吸入による所定用量のエアロゾルまたは噴霧送達のために処方された本発明の化合物を含有する懸濁液を含み得る。適切には、このキットは、投薬に関する取扱説明書、および活性剤に関する差し込みを含む。必要に応じて、このキットは、さらに、製品が循環しているレベルをモニターする取扱説明書、およびこのようなアッセイを実行する材料(これには、例えば、試薬、ウェルプレート、容器、マーカーまたはラベルなどが挙げられる)を含み得る。このようなキットは、所望の適応症を治療するのに適当な様式で、容易に包装される。例えば、このキットはまた、噴霧ポンプまたは他の送達装置を使用するための取扱説明書を含み得る。
【0051】
このようなキットの他の適当な部品は、所望の適応症および送達経路を考慮して、当業者に容易に明らかとなる。その投薬は、所定時間または規定されているように、毎日、毎週または毎月、繰り返され得る。
【0052】
さらに明白に理解するために、また、本発明をさらに明瞭に説明するために、それらの特定の実施例を以下に示す。以下の実施例は、単に例示であり、いずれの様式でも、本発明の範囲およびその基礎となる原理を限定するものと理解すべきではない。実際、本明細書中で示し記述したものに加えて、本発明の種々の改良は、以下で示した実施例および前述の記述から、当業者に明らかとなる。このような改良はまた、添付の請求の範囲の範囲内に入ると解釈される。
【0053】
特に明記しない限り、全ての部は、重量部である。HNMRおよびHPLCとの用語は、それぞれ、核磁気共鳴および高速液体クロマトグラフィーを示す。EtOAcおよびTHFとの用語は、それぞれ、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランを示す。構造において、Phとの用語は、フェニル基を示す。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
(4−アミノ−3−ブロモ安息香酸エチルの調製)
【0055】
【化21】

4−アミノ安息香酸エチル(22.0g、133.3mmol)のジクロロメタン冷却(−10℃)溶液に、臭素(7.0mL、137.3mmol)のジクロロメタン溶液を加える。その反応混合物を室温にし、18時間撹拌し、そして水で希釈する。有機相を分離し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離液として8/1のヘキサン/EtOAc)で精製して、白色固形物28.6g(収率88%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0056】
【数1】

(実施例2)
(3−ブロモ−4−シアノ安息香酸の調製)
【0057】
【化22】

4−アミノ−3−ブロモ安息香酸エチル(23.5g、96.3mmol)の塩化メチレン溶液を、−10℃で、亜硝酸第三級ブチル(14.0mL、118.4mmol)に続いて三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(18.4mL、146.5mmol)で滴下処理する。その反応混合物を室温にし、4時間撹拌し、エチルエーテルで希釈し、そして濾過する。その濾過ケーキを乾燥し、トルエンに分散し、0℃まで冷却し、シアン化銅(I)(11.5g、129.2mmol)およびシアン化ナトリウム(15.8g、323.1mmol)の水溶液で処理し、0℃で、30分間撹拌し、60℃まで温め、1時間撹拌し、室温まで冷却し、そしてEtOAcおよび水で希釈する。有機相を分離し、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣をエチルエーテル/ヘキサンから結晶化して、灰白色固形物18.6g(収率76%)として、表題化合物のエチルエステルを得る。このエステル(8.5g、33.6mmol)のTHF溶液を、NaOH(30mL、2.5N)およびエタノールの溶液で処理し、20時間撹拌し、2N HClで酸性化し、そしてエチルエーテルで抽出する。エーテル抽出物を合わせ、MgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をエチルエーテル/ヘキサンから結晶化して、ベージュ色固形物6.81g(収率90%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0058】
【数2】

(実施例3)
(2−ブロモ−4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)(オキソ)アセチル]ベンゾニトリルの調製)
【0059】
【化23】

3−ブロモ−4−シアノ安息香酸(1.65g、7.28mmol)の塩化チオニル(10mL)懸濁液をN,N−ジメチルホルムアミド3滴で処理し、還流温度で1時間加熱し、そして真空中で濃縮する。この酸塩基物残渣をトルエンと共に3回再蒸発させて、全ての残留している塩化チオニルを除去する。トルエン中の3−メチル−4−メトキシベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(6.3g、14.55mmol)の混合物を、0℃で、n−ブチルリチウム(6.1mL、ヘキサン中で2.5M)で滴下処理し、室温にし、2時間撹拌し、0℃まで冷却し、上で得た塩化物のトルエン溶液で滴下処理し、室温にし、2時間撹拌し、水でクエンチし、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をアセトンおよび水に分散させ、MgSO(7.5g、62.5mmol)およびKMnO(2.18g、13.8mmol)で処理し、45℃で、18時間激しく撹拌し、そして濾過する。その濾液をEtOAcで希釈し、水およびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、そして乾燥状態まで蒸発させる。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離液として2/1のヘキサン/EtOAc)で精製して、黄色固形物1.8g(収率69%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0060】
【数3】

(実施例4)
(4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)(オキソ)アセチル]−2−ピリジン−3−イルベンゾニトリルの調製)
【0061】
【化24】

1,2−ジエトキシエタン中の2−ブロモ−4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)(オキソ)アセチル]ベンゾニトリル(200mg、0.56mmol)および3−(トリブチルスタニル)ピリジン(268mg、0.73mmol)の混合物をジクロロビス(トリ−o−トリルホスフィン)パラジウム(II)(39.6mg、0.05mmol)で処理し、145℃で加熱し、30分間撹拌し、そして濾過して、この触媒を除去する。その濾液を乾燥状態まで蒸発させる。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離液として2/1のヘキサン/EtOAc)で精製して、そしてエチルエーテル/ヘキサンから結晶化して、黄色固形物181mg(収率91%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0062】
【数4】

(実施例5)
(4−[2−アミノ−4−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−2−ピリジン−3−イルベンゾニトリルの調製)
【0063】
【化25】

ジオキサンおよびエチルアルコール中の4−[(4−メトキシ−3−メチルフェニル)(オキソ)アセチル]−2−ピリジン−3−イルベンゾニトリル(160mg、0.45mmol)および1−メチルグアニジン塩酸塩(222mg、2.02mmol)の混合物を、水中のNaCO(214mg、2.02mmol)で処理し、85℃で、3時間撹拌し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をクロロホルムと水の間で分配する。相分離し、そして有機相をMgSOで乾燥し、そして真空中で濃縮する。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、溶離液として15/1のEtOAc/メタノール)で精製して、そしてCHCl/ヘキサンから結晶化して、白色固形物138mg(収率75%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0064】
【数5】

(実施例6〜33)
(アミノ−5,5−ジフェニルイミダゾロン誘導体の調製)
【0065】
【化26】

実施例4および5で記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして適当なジオン基質、トリブチルスタニル−ピリジンまたは−ピリミジン中間体および所望のグアニジン試薬を使用して、表Iで示した化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0066】
【化27】

【0067】
【化28】

(実施例34)
(2−アミノ−3−ジフルオロメチル−5−[4−フルオロ−3−(ピリミジン−5−イル)フェニル]−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0068】
【化29】

2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(ピリミジン−5−イル)フェニル]−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(0.398g、0.92mmol)のジメチルホルムアミド溶液をKOH(0.057g、1.01mmol)で処理し、−45℃まで冷却し、そしてクロロジフルオロメタン(1.40g、17.6mmol)を泡立たせる。反応容器を密封し、そして70℃で、18時間加熱する。その反応物を室温まで冷却し、水を慎重に加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出し、ブラインで希釈し、そして酢酸エチルで再度抽出する。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.5〜90:10:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウムおよび100:0〜98:2の塩化メチレン/メタノール)で2回精製して、白色固形物0.064g(収率14%、融点82〜94℃)として、表題化合物を得、これを、HNMR、赤外分析および質量スペクトル分析で同定する。
【0069】
【数6】

(実施例35)
(1−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2−(3−ピリジン−4−イルフェニル)エタン−1,2−ジオンの調製)
【0070】
【化30】

1−(3−ブロモ−フェニル)−2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)エタン−1,2−ジオン(0.25g、0.75mmol)のジオキサン溶液を、トリ−o−トリルホスフィン(57mg、0.187mmol)、酢酸パラジウム(II)(21mg、0.093mmol)、ピリジン−4−ボロン酸(139mg、1.125mmol)およびHOで連続的に処理し、100℃で、4時間撹拌し、室温まで冷却し、そして濾過する。その濾液を真空中で蒸発させる。得られた残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶離液としてヘキサン/EtOAc 3/7)で精製して、黄色固形物0.145g(収率58%)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0071】
【数7】

(実施例36)
(2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−4−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0072】
【化31】

この上の実施例5で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして反応物として1−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−2−(3−ピリジン−4−イルフェニル)エタン−1,2−ジオンおよび1−メチルグアニジン塩酸塩を使用して、白色固形物0.15g(収率90%、融点175℃)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0073】
【数8】

(実施例37)
(2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0074】
【化32】

この上の実施例36で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして反応物として1−(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エタン−1,2−ジオンおよびメチルグアニジン塩酸塩を使用して、白色固形物として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0075】
【数9】

(実施例38)
((5R)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(A)および(5S)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(B)の調製)
【0076】
【化33】

Chiralcel AD(2×25cm)にて、キラルHPLC技術を使用し、そして10mL/分の流速で、移動相として、7200/DEA中の50%IPA/DEAを使用して、ラセミ化合物である2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分割する。クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(98%ee)として、R−異性体である表題化合物Aを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0077】
【数10】

クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(95%ee)として、S−異性体である表題化合物Bを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0078】
【数11】

表題化合物AおよびBについての絶対配置は、X線結晶構造解析によって、決定する。
【0079】
(実施例39)
(2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロイミダゾール−4−オンの調製)
【0080】
【化34】

ジオキサンおよびエタノール中の1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−2−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]エタン−1,2−ジオン(0.594g、1.45mmol)および1−メチルグアニジン塩酸塩(0.716g、6.53mmol)の混合物を、室温で、5分間撹拌し、炭酸ナトリウム(0.692g、6.53mmol)の水(5mL)溶液で処理し、45分間撹拌しつつ85℃で加熱し、室温まで冷却し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣を塩化メチレンと水の間で分配する。有機相を分離し、水およびブラインで連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮する。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、粘稠油状物を得る。この油状物を最小量の塩化メチレンに溶解し、ヘキサンで処理し、次いで、濃縮して、灰白色固形物0.30g(収率45%)として、表題生成物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0081】
【数12】

(実施例40)
(2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0082】
【化35】

エチレングリコールジメチルエーテル、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(0.015g、16.5μmol)およびトリフェニルホスフィン(0.008g、32.0μmol)の混合物を、窒素下にて、5分間撹拌し、2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロイミダゾール−4−オン(0.154g、0.33mmol)、5−ピリミジンボロン酸(0.046g、0.37mmol)、炭酸ナトリウム(0.105g、0.99mmol)および水で処理し、還流温度で、1.25時間加熱し、室温まで冷却し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として95:5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、粘稠油状物を得る。この油状物を塩化メチレン/ヘキサンの混合物に懸濁し、そして濃縮して、灰白色固形物0.045g(収率29%、融点102〜110℃)として、表題化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0083】
【数13】

(実施例41)
(2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0084】
【化36】

ジメチルホルムアミド中の2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−5−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロイミダゾール−4−オン(0.17g、0.366mmol)、スズ酸5−フルオロピリジン−3−イル−トリ(n−ブチル)(0.212g、0.55mmol)および塩化ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)(0.013g、0.018mmol)の混合物を脱気し、150℃で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして酢酸エチルおよび2%塩化リチウム水溶液で希釈する。有機相を分離し、2%塩化リチウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、溶離液として97:3:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物0.130g(収率74%、融点91〜97℃)として、表題化合物が得られる;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0085】
【数14】

(実施例42〜99)
(2−アミノ−5,5−ジフェニルイミダゾロン誘導体の調製)
【0086】
【化37】

実施例40および41についてこの上で記述した手順とほぼ同じ手順を用い、そして適当な2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−5−(置換フェニル)イミダゾロン基質およびピリジニルまたはピリミジニル試薬を使用して、表IIで示した化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定した。
【0087】
(表II)
【0088】
【化38】

【0089】
【化39】

【0090】
【化40】

(実施例100)
(2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0091】
【化41】

この上の実施例41で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして反応物として、2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンおよび1−メチル−4−(トリブチルスタニル)−1H−ピラゾールを使用して、白色固形物として、表題生成物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0092】
【数15−1】

(実施例101)
((5S)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(A)および(5R)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(B)の調製)
【0093】
【化42】

Chiralcel AD(2×25cm)にて、キラルHPLC技術を使用し、そして11mL/分の流速で、移動相として、EtOHを使用して、ラセミ化合物である2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分割する。クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(98.8%ee)として、S−異性体である表題化合物Aを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0094】
【数15−2】

クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(98.4%ee)として、R−異性体である表題化合物Bを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0095】
【数16】

(実施例102)
((5R)−2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(A)および(5S)−2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(B)の調製)
【0096】
【化43】

Chiralcel AD(2×25cm)にて、キラルHPLC技術を使用し、そして25mL/分の流速で、移動相として、ヘキサン/DEA中の9%EtOH/DEAを使用して、ラセミ化合物である2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分割する。クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(100%ee)として、R−異性体である表題化合物Aを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0097】
【数17】

クロロホルム/ヘキサンから結晶化した後、白色固形物(98%ee)として、S−異性体である表題化合物Bを得る;これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0098】
【数18】

(実施例103)
((5R)−2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(A)および(5S)−2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(B)の調製)
【0099】
【化44】

Chiralcel AD(0.46×25cm)にて、キラルHPLC技術を使用し、そして移動相として、ヘキサン/DEA中の25%EtOHを使用して、ラセミ化合物である2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分割する。R−異性体である表題化合物Aを得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0100】
【数19】

S−異性体である表題化合物Bを得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定する。
【0101】
【数20】

(実施例104)
(2−アミノ−5−[3,4−ビス−(2−フルオロ−エトキシ)−フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0102】
【化45】

(工程a)
(化合物2の調製)
水素化ナトリウム(オイル中の60%分散液1.82g、45.5mmol)をヘキサンで洗浄し、DMF(5mL)に懸濁し、そして室温で、10分間にわたって、1(2.0g、13.0mmol)のDMF(15mL)溶液を滴下処理した。室温で、さらに1.5時間撹拌した後、その混合物を1−ブロモ−2−フルオロエタンのDMF(15mL)溶液で処理し、この混合物を、室温で、18時間撹拌し、次いで、60℃で、さらに4時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(100mL)および水(100mL)で希釈した。有機層を分離し、そして1N NaOH(100mL)、5%塩化リチウム水溶液(2×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:3の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色固形物として、2(1.00g、26%)が得られた:
【0103】
【数21】

(工程b)
(化合物3の調製)
エタノール(10mL)および1N NaOH(10mL)中の2(1.00g、3.42mmol)の混合物を、75℃で、1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、濃縮し、水(10mL)で希釈し、そして6N HClで酸性化した。形成された固形物を濾過により集め、そして乾燥して、白色固形物として、3(0.76g、90%)を得た:
【0104】
【数22】

(工程c)
(化合物4の調製)
3(0.76g、3.09mmol)、塩化チオニル(8mL)およびDMF(1滴)の混合物を、還流状態で、4時間加熱した。次いで、この混合物を室温まで冷却し、そして濃縮した。その残渣をトルエンに溶解し、そして再度濃縮して、白色固形物として、4(0.82g、100%)を得た:
【0105】
【数23】

(工程d)
(化合物6の調製)
(3−ブロモ−4−フルオロベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイド(1.72g、3.25mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)撹拌懸濁液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0Mテトラヒドロフラン(3.25mL、3.25mmol)溶液を加えた。その混合物を、室温で、25分間撹拌し、次いで、−40℃まで冷却し、4(0.82g、3.10mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液で処理し、そして室温までゆっくりと温めつつ、さらに2時間撹拌した。次いで、その反応物を水(5mL)および過ヨウ素酸ナトリウム(0.69g、3.25mmol)で処理し、次いで、50℃で、19時間加熱した。この時点の後、その混合物を室温まで冷却し、そして酢酸エチル(25mL)で希釈した。有機層を分離し、水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:3の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、淡黄色固形物として、6(0.27g、20%)が得られた:
【0106】
【数24】

(工程e)
(化合物7の調製)
ジオキサン(8mL)およびエタノール(5.3mL)中の6(0.26g、0.603mmol)および1−メチルグアニジン塩酸塩(0.30g、2.71mmol)の混合物を、室温で、5分間撹拌した。次いで、炭酸ナトリウム(0.29g、2.71mmol)の水(2.3mL)溶液を加え、その混合物を85℃の油浴に浸け、そして30分間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、その残渣を、塩化メチレン(50mL)と水(20mL)の間で分配した。有機層を分離し、水(20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、白色固形物として、7(0.154g、53%)が得られた:
【0107】
【数25】

(工程f)
(2−アミノ−5−[3,4−ビス−(2−フルオロ−エトキシ)−フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
1:1のトルエン/エタノール(8mL)中の7(0.140g、0.288mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.061g、0.430mmol)、炭酸ナトリウム(0.092g、0.860mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロライド(0.010g、0.014mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.008g、0.028mmol)の混合を脱気し、そして110℃で、1.5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:3:0.25の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、白色固形物(融点85〜95℃)として、8(0.055g、39%)を得た;
【0108】
【数26】

(実施例105)
((5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0109】
【化46】

Chiralcel OJ(2×25cm、移動相 ヘキサン中の15%EtOH/DEAおよび21mL/分の流速)を使用するHPLCにより、ラセミ化合物である2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分離して、表題S異性体(A)
【0110】
【数27】

を得た。
【0111】
(実施例106)
((5S)2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0112】
【化47】

Chiralcel OD(2×25cm、移動相 CO(100バール)中のMeOH(0.1%DEAと共に、30%)および50mL/分の流速を使用する移動相cm)を使用するHPLCにより、ラセミ化合物である2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分離して、表題S異性体(A)
【0113】
【数28】

を得た。
【0114】
(実施例107)
((5S)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0115】
【化48】

Chiralcel OD(2×25cm、移動相 EtOH/ヘキサン(15/85)および20mL/分の流速を使用する移動相cm)を使用するHPLCにより、ラセミ混合物である2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンを分離して、表題S異性体(A)
【0116】
【数29】

を得た。
【0117】
(実施例108)
(2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0118】
【化49】

(工程a)
(4−(2−フルオロエトキシ)安息香酸メチルの調製)
窒素雰囲気下にて、4−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステル(7g、46mmol)の冷(5℃)DMF(30mL)溶液に、20分間にわたって、NaH(60%;2.2g)を少しずつ加えた。この添加が完了した後、氷浴を取り除き、得られた白色懸濁液を室温までカル津市、そして3時間撹拌した。1−ブロモ−2−フルオロ−エタン(6.42g、50 56mmol)のDMF(20mL)調製溶液を加え、新しい混合物を、50℃で、18時間撹拌した。室温まで冷却した後、この混合物を、氷および1N HCl(1:1)の混合物に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。蒸発させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 9/1)で精製すると、白色固形物(7.75.収率85%)が得られた;
【0119】
【数30】

(工程b)
(4−(2−フルオロエトキシ)安息香酸の調製)
4−(2−フルオロエトキシ)安息香酸メチル(7.7g、38.85mmol)のジオキサン(100mL)溶液に、LiOH(2M、39mL)を加えた。その反応混合物を、室温で、18時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。その残渣をHO(30mL)に溶解し、そしてエーテルで抽出した。冷却すると、水相をHCl(6N)で酸性化し、そしてCHClで抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥した。蒸発させ、そして酢酸エチルおよび塩化メチレンから再結晶すると、白色固形物(5g、収率71%)として、表題化合物が得られた;
【0120】
【数31】

(工程c)
(1−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−2−[4−(2−フルオロエトキシ)−フェニル]エタン−1,2−ジオンの調製)
(3−ブロモ−4−フルオロ−ベンジル)トリフェニルホスホニウムブロマイド(10.6g、20mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)撹拌懸濁液に、室温で、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0Mテトラヒドロフラン(20mL、20mmol)溶液を加えた。その混合物を40分間撹拌し、次いで、−20℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(40mL)中の4−(2−フルオロエトキシ)塩化ベンゾイル(4.1g、20mmol)で処理し、そして室温までほゆっくりと温めつつ、さらに2時間撹拌した。その混合物を水(20mL)および過ヨウ素酸ナトリウム(4.3g、20mmol)で処理し、次いで、50℃で、18時間撹拌した。室温まで冷却した後、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥した。蒸発させ、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル 9/1)で精製すると、黄色固形物(3g、収率41%)が得られた;
【0121】
【数32】

(工程d)
(2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
実施例39および40で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、それぞれ、メチルアミノグアニジンおよび2−フルオロピリジン−3−ボロン酸を使用して、白色固形物(融点135℃)として、表題生成物を得た。
【0122】
【数33】

(実施例109〜124)
(2−アミノ−5−アルコキシフェニル−5−(3−ヘテロアリール)フェニル−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0123】
【化50】

実施例108で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして適当なボロン酸および5−(3−ブロモフェニル)ヒダントイン基質を使用して、表IIIで示した化合物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定した。
【0124】
(表III)
【0125】
【化51】

(実施例125)
(2−アミノ−5−(3−ブロモ−4−フルオロフェニル)−3−(2−フルオロエチル)−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンの調製)
【0126】
【化52】

DMF中の2−フルオロエチルアミン塩酸塩(1.50g;15.1mmol)および1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(1.77g;12.1mmol)の撹拌混合物に、ジイソプロピルエチルアミン(3.58g;27.7mmol)を加えた。その混合物を、窒素雰囲気下にて、3時間撹拌した。ジエチルエーテル(35mL)を加え、この混合物を振盪し、そしてフラスコの底部に油状生成物を沈降させ、それから、このエーテルをデカントした。これを繰り返し、そして透明油状物を、高真空下にて、周囲温度で、24時間乾燥した。N−(2−フルオロエチル)−グアニジン生成物(1.6g)を、さらに精製することなく、使用した。
【0127】
ジオキサン、水およびエタノールの混合物中の1−(3−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エタン−1,2−ジオン(0.181g;0.46mmol)およびN−(2−フルオロエチル)−グアニジン(0.105g;0.74mmol)の溶液を固形炭酸ナトリウムで処理し、90℃で、5時間加熱し、そして乾燥状態まで蒸発させた。得られた残渣をクロロホルムに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして蒸発させて、淡緑色固形物(116mg、収率52%)として、表題化合物を得た。MS(API−ES)480.3[M+H]
【0128】
(実施例126〜128)
(2−アミノ−3−置換−5−(3−ヘテロアリール)フェニル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0129】
【化53】

実施例108で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして適当なボロン酸および3−アルキル−2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)ヒダントイン基質を使用して、表IVで示した化合物を得、これを、NMRおよび質量スペクトル分析で同定した。
【0130】
(表IV)
【0131】
【化54】

(実施例129)
(3−メチル−5−(3−メチル−4−プロポキシフェニル)−2−(プロピルアミノ)−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0132】
【化55】

2−アミノ−5−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン(74.6mg、0.2mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、室温で、2−ヨードプロパン(31.2mg、0.4mmol)およびCsCO(130mg、0.4mmol)で処理し、室温で、一晩撹拌し、そしてHOでクエンチした。相分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を抽出物と合わせ、HOおよびブラインで連続的に洗浄し、MgSOで乾燥し、そして乾燥状態まで蒸発させた。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(これは、溶離液として、酢酸エチル/エタノール(2Mアンモニア)(90/10)を使う)で精製して、白色固形物60mg(収率65%)として、表題化合物を得た。融点64〜66℃;MS(+)ES:458(M+H)
【0133】
(実施例130)
(4−ヨード−2−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエトキシ]ベンゼンの調製)
【0134】
【化56】

PPh(262mg、10mmol)のTHF冷却溶液を、0℃で、アゾジカルボン酸ジエチル(1.74g、10mmol)で処理し、5分間撹拌し、室温まで温め、4−ヨード−2−メチルフェノール(1.17g、5mmol)およびR(+)−1−フェニルエタノール(1.22g、10mmol)で処理し、室温で、24時間撹拌し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、100%ヘキサン)で精製して、透明油状物2.5g(50%)として、表題化合物を得た。MS(+):EI 338 M
【0135】
(実施例131)
(2−アミノ−3−メチル−5−{3−メチル−4−[(1R)−1−フェニルエトキシ]フェニル}−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0136】
【化57】

4−ヨード−2−メチル−1−[(1R)−1−フェニルエトキシ]ベンゼン(10mmol)のトリエチルアミン溶液を、室温で、テトラキス(トリフェニルホスフィン)Pd(0.69mmol)、ヨウ化銅(0.97mmol)、および3−(ピリミジン−5−イル)エチニルベンゼン(10mmol)のアセトニトリル溶液で処理する。その反応混合物を、80℃で、1時間加熱し、冷却し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製して、油状物として、5−[3−({3−メチル−4−[(1R)−1−フェニル}エチニル)フェニル]ピリミジンを得る。MS(+)ES:391(M+H)。5−[3−({3−メチル−4−[(1R)−1−フェニル}エチニル)フェニル]ピリミジン(8.3mmol)のアセトン溶液を、NaHCO(4.98mmol)およびMgSO(12.45mmol)の温水(約40℃)(80mmol)溶液で処理し、続いて、固形KMnO(8.3mmol)の単一部分で処理し、室温で、40分間撹拌し、そして1:1のエーテル:ヘキサンで抽出する。抽出物を合わせ、MgSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮して、発泡体として、1−{3−メチル−4−[(1R)−1−フェニルエトキシ]フェニル}−2−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)エタン−1,2−ジオンを得る。MS(+)ES:423(M+H)。1−{3−メチル−4−[(1R)−1−フェニルエトキシ]フェニル}−2−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)エタン−1,2−ジオン(5.0mmol)のエタノール溶液を、N−メチルグアニジン塩酸塩(5.5mmol)およびNaCO水溶液(10.0mmol)で処理し、還流温度で、1時間加熱し、そして真空中で濃縮する。得られた残渣をクロマトグラフィーで精製して、白色固形物(融点112〜114℃)として、表題生成物を得る。MS(+)ES:478(M+H)
【0137】
(実施例132)
((5R)−2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンの調製)
【0138】
【化58】

キラルHPLC(これは、ヘキサン中の9%EtOH(0.1%ジエチルアミン)の移動相を有するChiralcel AD(2×25cm)(カラム)を使用する)により、2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、表題R−異性体を得た:[a]25=−13.4(MeOH中で1%);
【0139】
【数34】

(実施例133)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0140】
【化59】

キラルHPLC(ヘキサン/TFA中の9%EtOHの移動相を有するChiralcel AD(2×25cm)(カラム))により、2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、表題生成物A、[a]25=+11.4(MeOH中で1%)
【0141】
【数35】

を得た。
【0142】
(実施例134)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0143】
【化60】

キラルHPLC(ヘキサン中の15%EtOHの移動相を有するChiralcel OJ、0.46×10cm(カラム))により、2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[4−フルオロ−3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、表題S−異性体(A)、[a]25=+6(MeOH中で1%)
【0144】
【数36】

を得た。
【0145】
(実施例135)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0146】
【化61】

キラルHPLC(ヘキサン中の15%EtOHの移動相を有するChiralcel OJ、0.46×10cm(カラム))により、2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(6−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、表題S−異性体(A)、[a]25=−7.4(MeOH中で1%);
【0147】
【数37】

を得た。
【0148】
(実施例136)
((5S)−2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0149】
【化62】

WhelkO(2×25cm)キラルHPLCカラムおよび溶離液として1%トリエチルアミンと共にヘプタン中の20%EtOHを使用して、2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、白色固形物として、表題S−異性体(A)、[a]25=−22.2(メタノール中で1%);
【0150】
【数38】

を得た。
【0151】
(実施例137)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(2,5−ジフルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(2,5−ジフルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0152】
【化63】

キラルHPLC(ヘキサン/DEA中の35%EtOHの移動相を使うChiralcel OJ(2×25cm)(カラム))により、2−アミノ−5−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−5−[3−(2,5−ジフルオロピリジン−3−イル)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を調製して、表題S−異性体(A):[a]25=+2.8(MeOH中で1%);
【0153】
【数39】

を得た。
【0154】
(実施例138)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)−3−メチルフェニル]−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)−3−メチルフェニル]−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0155】
【化64】

実施例133〜137で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)−3−メチルフェニル]−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を使用して、白色固形物として、表題S−異性体(A)を得た、融点116〜118℃;[a]25=−31.46(DMSO中で1%);MS(+)ES:438(M+H);および白色固形物として、表題R−異性体を得た、融点112〜114℃;[a]25=+35(DMSO中で1%);MS(+)ES:438(M+H)
【0156】
(実施例139)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0157】
【化65】

EtOH:ヘキサン(15:85)の移動相および20mL/分の流速を使用するキラルHPLC(Chiralcel AD、2×25cm)により、2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を分離して、白色固形物として、表題S−異性体(A)、融点120℃;[a]25=−35.09(MeOH中で0.53%);
【0158】
【数40】

を得た。
【0159】
(実施例140および141)
((5S)−2−アミノ−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−3−メチル−5−(3−ヘテロアリールフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン化合物の調製)
【0160】
【化66】

実施例40で記述された手順とほぼ同じ手順を用い、そして(5S)−2−アミノ−5−(3−ブロモフェニル)−5−[4−(2−フルオロエトキシ)フェニル]−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンおよび適当なヘテロアリールボロン酸を使用して、表Vで示した化合物を得、これを、HNMRおよび質量スペクトル分析で同定した。
【0161】
(表V)
【0162】
【化67】

(実施例142)
((5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0163】
【化68】

キラルHPLC(ヘキサン(0.1%ジエチルアミン)中の30%EtOHの移動相を使うChiralcel OJ(2×25cm)(カラム))により、2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(5−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を調製して、表題S−異性体(A):[a]25=−37.6(MeOH中で1%);
【0164】
【数41】

を得た。
【0165】
(実施例143)
((5S)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[A]および(5R)−2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン[B]の調製)
【0166】
【化69】

キラルHPLC(ヘキサン(0.1%ジエチルアミン)中の80%EtOHの移動相を使うChiralcel OJ(0.46×25cm)(カラム))により、2−アミノ−5−[4−フルオロ−3−(4−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オンのラセミ混合物を調製して、表題S−異性体(A):[a]25=−40(MeOH中で1%);
【0167】
【数42】

を得た。
【0168】
(実施例144)
(4−[4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−1−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミンの調製)
【0169】
【化70】

(工程a)
(化合物2の調製)
エタノール(50mL)およびジオキサン(50mL)中の1(2.00g、5.1mmol)および1−メチル−2−チオ尿素(2.07g、23.0mmol)の混合物を、室温で、5分間撹拌した。炭酸ナトリウム(2.44g、23.0mmol)の水(20mL)溶液を加え、その反応物を、85℃で、15分間撹拌した。次いで、この反応物を室温まで冷却し、濃縮し、そして酢酸エチル(100mL)およびブライン(20mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:9の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、黄色固形物として、2(2.30g、97%)が得られた:
【0170】
【数43】

(工程b)
(化合物3の調製)
テトラヒドロフラン(66mL)中の2(2.20g、4.75mmol)および1.0Mボラン−テトラヒドロフラン錯体(テトラヒドロフラン(47.5mL、47.5mmol)中)の混合物を、還流状態で、一晩加熱し、次いで、6N HCl(24mL、143mmol)と反応させ、そして80℃で、1時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム固形物(12.0g、143mmol)で中和し、そして酢酸エチル(200mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:9〜2:8の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、無色油状物として、3(0.73g、34%)が得られた:
【0171】
【数44】

(工程c)
(化合物4の調製)
イソプロパノール(10mL)中の3(0.73g、1.63mmol)、ヨウ化メチル(0.25g、1.79mmol)の混合物を、80℃で、1時間加熱し、濃縮し、イソプロパノール(20mL)に再溶解し、0℃まで冷却し、そしてアンモニアガス(2.0g)を充填した。反応容器を密封し、そして80℃で、48時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、濃縮し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(100:0:0〜80:20:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製して、無色シロップとして、4(0.62g、88%)を得た:
【0172】
【数45】

(工程d)
(化合物5の調製)
テトラヒドロフラン(5mL)中の4(0.52g、1.20mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.77g、6.32mmol)および二炭酸ジ第三級ブチル(1.38g、6.32mmol)の混合物を、室温で、1時間撹拌し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:9〜2:8の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色固形物として、5(0.49g、65%)が得られた:
【0173】
【数46】

(工程e)
(化合物6の調製)
1:1のトルエン/EtOH(10mL)中の5(0.19g、0.300mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.064g、0.451mmol)、炭酸ナトリウム(0.096g、0.900mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)ジクロライド(0.021g、0.030mmol)およびトリフェニルホスフィン(0.016g、0.060mmol)の混合物を脱気し、そして110℃で、20分間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そして濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、1:9〜4:6の酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、白色固形物として、6(0.055g、28%)が得られた:
【0174】
【数47】

(工程f)
(4−[4−フルオロ−3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−1−メチル−4−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミンの調製)
ジオキサン(5mL)中の6(0.055g、0.085mmol)および4M塩化水素の混合物を、50℃で、1時間加熱し、室温まで冷却し、そして濃縮した。次いで、その反応混合物を、クロロホルム(50mL)および炭酸水素ナトリウム(10mL)で希釈した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。分取HPLCで精製すると、白色固形物0.031g(収率82%)として、表題生成物が得られた。融点65〜70℃;
【0175】
【数48】

(実施例145)
(2−アミノ−5−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−チオンの調製)
【0176】
【化71】

(工程a)
(化合物2の調製)
エタノール中のメチルアミン塩酸塩(0.210g、3.18mmol)、トリエチルアミン(0.320g、3.18mmol)および1(0.470g、1.06mmol)の混合物を、70℃で、1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残渣を酢酸エチルと水との間で分配した。有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、黄色固形物として、2(0.460g、99%)を得た:
【0177】
【数49】

(工程b)
(化合物3の調製)
メタノール(50mL)および濃水酸化アンモニウム水溶液(10mL)の2(0.458g、1.05mmol)およびt−ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液1.88g、21.0mmol)の混合物を、室温で、一晩撹拌した。この時点の後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(30mL)を加えた;この混合物を濃縮して、殆どのメタノールを除去し、その水性混合物を塩化メチレンで希釈した。有機層を分離し、ブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、95:5の塩化メチレン/メタノール)で精製すると、白色固形物として、3(0.250g、57%)が得られた:
【0178】
【数50】

(工程c)
(2−アミノ−5−[3−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−3−メチル−5−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−チオンの調製)
3:1のDME/水(6.0mL)中の3(0.16g、0.38mmol)、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(0.075g、0.530mmol)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)クロライド(0.013g、0.019mmol)、トリフェニルホスフィン(0.010g、0.038mmol)および炭酸ナトリウム(0.121g、1.14mmol)の混合物を、80℃で、1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そして真空中で濃縮した。得られた残渣を酢酸エチルおよび水で希釈した。有機層を分離し、ブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、97:2.5:0.5の塩化メチレン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)で精製すると、0.087gの淡黄色固形物が得られた。この物質を1:1のアセトニトリル/水(6mL)から凍結乾燥して、淡黄色固形物0.069g(収率39%)として、表題生成物を得た。融点89〜99℃;
【0179】
【数51】

(実施例146)
(試験化合物によるhBACE1、MuBACE1およびhBACE2の阻害の評価)
(アッセイ条件)
10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1、1.5nMヒトBACE2)25μM基質(WABC−6,MW 1549.6,AnaSpecから入手);最終緩衝液濃度:50mM Na−酢酸,pH4.5,0.05% CHAPS,25% PBS;温度:室温;試薬情報:Na−酢酸:Aldrich,カタログ番号24,124−5 CHAPS:Research Organics,カタログ番号1304C 1×PBS:Mediatech(Cellgro),カタログ番号21−031−CV;ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpa:AnaSpec,ペプチドの名称:WABC−6;ストック基質の決定(AbzSEVNLDAEFRDpa)濃度:ジメチルスルホキシド(DMSO)中に25mMストック溶液を、ペプチドの質量およびMWを使用して調製し、25μMまで希釈した。この濃度を、18172M−1cm−1の消衰係数εを使用して354nmでの吸光度によって決定する。基質ストックを少量のアリコート中に−80℃で保存する。[基質ストック]=ABS354nm*10/18172(mM)である。
【0180】
(ストック酵素濃度の決定)
6M塩酸グアニジウム(Research Organicsから入手、カタログ番号5134G−2)(pH6)中、hBACE1およびMuBACE1についての64150M−1cm−1、hBACE2についての62870M−1cm−1のεを使用した280nmにおけるABSによって、各酵素のストック濃度を決定する。各酵素についての消衰係数ε280nmを、既知のアミノ酸組成物およびTrp残基(5.69M−1cm−1)およびTyr残基(1.28M−1cm−1)(Anal.Biochem.182,319−326)について公開された消衰係数に基づいて計算する。
【0181】
(希釈および混合の工程)
総反応容積:100μL
1.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に2×インヒビター希釈液を調製する、
2.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に4×酵素希釈液を調製する、
3.1×PBS中に100μM基質希釈液を調製する、
4.50μLの2×インヒビターおよび25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologiesから入手,VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、即座に25μLの4×酵素をインヒビターおよび基質のミキサーに添加し、蛍光読み取りを開始する。
【0182】
(蛍光読み取り)
λex320nmおよびλem420nmでの読み取りを、室温で30分間40秒ごとに行い、基質の切断速度(v)についての線形勾配を決定する。
【0183】
(阻害%の計算)
阻害%=100(1−v/v
(v=インヒビターの存在下における基質切断速度、v=インヒビターの非存在下における基質切断速度)
IC50決定:阻害%=[(BIC50)+(100)]/(IC50+I)。
【0184】
(ヒト組換えBACE2についての蛍光反応速度アッセイ)
本アッセイを使用して、試験化合物を分析するための反応速度パラメーターおよび選択パラメーターが提供される。
【0185】
(材料および方法)
最終アッセイ濃度:10nMヒトBACE1(または10nMマウスBACE1,1.5nMヒトBACE2)25μM基質(WABC−6,MW 1549.6,AnaSpecから入手)。最終緩衝液濃度:50mM Na−酢酸,pH4.5,0.05% CHAPS,25% PBS。温度:室温。試薬情報:Na−酢酸:Aldrich,カタログ番号24,124−5 CHAPS:Research Organics,カタログ番号1304C 1×PBS:Mediatech(Cellgro),カタログ番号21−031−CV ペプチド基質AbzSEVNLDAEFRDpa:AnaSpec,ペプチドの名称:WABC−6。
【0186】
(ストック基質(AbzSEVNLDAEFRDpa)の決定)
濃度:DMSO中の25mMストック溶液を、ペプチドの質量およびMWを使用して調製し、25μMまで希釈する。この濃度を、18172M−1cm−1の消衰係数εを使用して354nmでの吸光度によって決定する。基質ストックを少量のアリコート中に−80℃で保存する。[基質ストック]=ABS354nm*10/18172(mM)である。
【0187】
(ストック酵素濃度の決定)
6M塩酸グアニジウム(Research Organicsから入手、カタログ番号5134G−2)(pH6)中、hBACE1およびMuBACE1についての64150M−1cm−1、hBACE2についての62870M−1cm−1のεを使用した280nmにおけるABSによって、各酵素のストック濃度を決定する。(各酵素についての消衰係数ε280nmを、既知のアミノ酸組成物およびTrp残基(5.69M−1cm−1)およびTyr残基(1.28M−1cm−1)(Anal.Biochem.182,319−326)について公開された消衰係数に基づいて計算する。)
(希釈および混合の工程)
総反応容積:100μL
1.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に2×インヒビター希釈液を調製する、
2.緩衝液A(66.7mM Na−酢酸,pH4.5,0.0667% CHAPS)中に4×酵素希釈液を調製する、
3.1×PBS中の100μM基質希釈液、50μLの2×インヒビターおよび25μLの100μM基質を、96ウェルプレート(DYNEX Technologiesから入手,VWR #:11311−046)の各ウェルに添加し、次いで即座に25μLの4×酵素をインヒビターおよび基質のミキサーに添加し、蛍光読み取りを開始する。
【0188】
(蛍光読み取り)
λex320nmおよびλem420nmでの読み取りを、室温で30分間40秒ごとに行い、基質の切断速度(v)についての線形勾配を決定する。
【0189】
(阻害%の計算の分析)
阻害%=100(1−v/v
=インヒビターの存在下における基質切断速度、v=インヒビターの非存在下における基質切断速度
IC50決定:阻害%=((BIC50)+(100))/(IC50+I)。
得たデータを、表VIに示す。
【0190】
【化72】

【0191】
【化73】

【0192】
【化74】

【0193】
【化75】

【0194】
【化76】

【0195】
【化77】

(結果および考察)
上に記載した表VIに示されるデータから考慮され得るように、本発明の化合物は、BACE1の強力かつ選択的なインヒビターである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、あるいは、それらの互変異性体、それらの立体異性体、またはそれらの薬学的に受容可能な塩:
【化1】

ここで、Wは、CO、CSまたはCHである;
Xは、N、NOまたはCR10である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR19であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、COR20、CO21または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
は、H、OR12またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール(C〜C)アルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R、R10、R11およびR19それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
nは、0または1である;
【化2】

は、nが0であるとき、単結合であり、またはnが1であるとき、二重結合である;
12、R13、R16、R20およびR21は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである、
化合物。
【請求項2】
Wが、COである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRが、Hであり、そしRが、C〜Cアルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
nが、1である、請求項1、2または3に記載の化合物。
【請求項5】
式が、構造Iaを有する、請求項1、2、3および4に記載の化合物:
【化3】

【請求項6】
式Iが、構造Ibを有する、請求項に記載の化合物:
【化4】

【請求項7】
が、メチルである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Yが、CR11であり、そしてRおよびRが、Hである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−2−アミノ−5−[3−(2−フルオロピリジン−3−イル)フェニル]−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5S)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−2−アミノ−5−(4−フルオロ−3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3−メチル−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
4−[2−アミノ−4−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−1−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−2−ピリジン−3−イルベンゾニトリル;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(4−メチル−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−エチル−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリミジン−2−イルフェニル)−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−メチル−5−(3−ピラジン−2−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
(5R)−2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリミジン−5−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−シクロペンチル−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−プロポキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−ブトキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−イソプロポキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
5−[2−アミノ−1−メチル−5−オキソ−4−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−イル]−2−メトキシベンゾニトリル;
2−アミノ−5−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−4−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−エトキシ−4−メトキシフェニル)−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−3−メチル−5−(3−ピリジン−3−イルフェニル)−5−[(4−トリフルオロメトキシ−3−トリフルオロメチル)フェニル]−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3,4−ジエトキシフェニル)−5−(4−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
2−アミノ−5−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル)−5−(4−フルオロ−3−ピリジン−3−イルフェニル)−3−メチル−3,5−ジヒドロ−4H−イミダゾール−4−オン;
それらの互変異性体;それらの立体異性体;およびそれらの薬学的に受容可能な塩。
【請求項10】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する方法であって、該患者に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の治療有効量を供給する工程を包含する、方法。
【請求項11】
前記疾患または障害が、アルツハイマー病;軽度認知障害;ダウン症候群;オランダ型のアミロイド症を伴う遺伝性脳出血;脳アミロイド血管症;および変性痴呆からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記疾患が、アルツハイマー病である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
薬学的に受容可能な担体と、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の有効量とを含有する、医薬組成物。
【請求項14】
式Iの化合物を調製する方法:
【化5】

ここで、Wは、CO、CSまたはCHである;
Xは、N、NOまたはCR10である;
Yは、N、NOまたはCR11である;
Zは、N、NOまたはCR19であるが、但し、X、YまたはZの2つより多くは、NまたはNOになり得ない;
およびRは、それぞれ別個に、H、COR20、CO21または必要に応じて置換したC〜Cアルキル基である;
は、H、OR12またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール(C〜C)アルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR13、NR1415またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されているか、または隣接炭素原子と結合するとき、RおよびRは、それらが結合する原子と一緒になって、必要に応じて置換した5員〜7員環を形成し得、該環は、必要に応じて、1個または2個のヘテロ原子を含有し、該ヘテロ原子は、O、NまたはSから選択される;
、R、R、R、R10、R11およびR19それぞれ別個に、H、ハロゲン、NO、CN、OR16、NR1718またはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜Cシクロアルキル基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;
nは、0または1である;
【化6】

は、nが0であるとき、単結合であり、またはnが1であるとき、二重結合である;
12、R13、R16、R20およびR21は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜Cシクロアルキルまたはアリール基であり、各々は、必要に応じて、置換されている;そして
14、R15、R17およびR18は、それぞれ別個に、HまたはC〜Cアルキルである;
該方法は、パラジウム触媒の存在下にて、必要に応じて、溶媒の存在下にて、式IIの化合物と式IIIの化合物とを反応させる工程を包含する:
【化7】

ここで、Halは、ClまたはBrであり、そしてR、R、R、R、R、RおよびRは、式Iについてこの上で記述したとおりである:
【化8】

ここで、Qは、B(OH)、Sn(nBu)またはSn(CHであり、そしてX、Y、Z、R、Rおよびnは、式Iについてこの上で記述したとおりである、
方法。
【請求項15】
患者における高いβ−アミロイド沈着またはβ−アミロイドレベルに特徴がある疾患または障害を治療、予防または改善する医薬を製造するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−503459(P2008−503459A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516599(P2007−516599)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2005/020720
【国際公開番号】WO2006/009653
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502161704)ワイス (51)
【Fターム(参考)】