説明

β2アドレナリン受容体のアゴニストとしての4−(2−アミノ−1−ヒドロキシエチル)フェノール誘導体

本発明は、式(I):


[式中、
は、−CHOH、−NH(CO)Hから選択される基であり、そして
は、水素原子であるか;または、
は、Rと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成し、
3aおよびR3bは、独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群から選択され、
nは、1ないし3の整数を示し、
Adは、1−アダマンチルまたは2−アダマンチル基である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物または立体異性体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規のβ2アドレナリン受容体アゴニストに関する。本発明はまた、かかる化合物を含む医薬組成物、かかる化合物を用いてβ2アドレナリン受容体活性と関係する疾患を処置する方法、およびかかる化合物の製造に有用な方法および中間体にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
β2アドレナリン受容体アゴニストは、喘息および慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎および肺気腫を含む)のような肺疾患の処置に有効な薬剤であると認識されている。β2アドレナリン受容体アゴニストはまた、早産(pre−term labor)、緑内障の処置にも有用であり、神経障害および心臓障害の処置にも有用である可能性がある。
【0003】
特定のβ2アドレナリン受容体アゴニストによって成功が実現したにもかかわらず、現在使用されている薬剤は、望ましい有効性、選択性、効果の発現および/または作用の持続性が満たされていない。故に、改善された特性を有するさらなるβ2アドレナリン受容体アゴニストが必要とされている。好ましい薬剤は、種々の他の特性のうち、改善された有効性、選択性、効果の発現、改善された安全域、改善された治療域、および/または作用の持続性を有し得る。
【発明の概要】
【0004】
発明の概要
本発明は、β2アドレナリン受容体アゴニスト活性を有する新規な化合物を提供する。従って、式(I):
【化1】


[式中、
は、−CHOHおよび−NH(CO)Hから選択される基であり、そして
は、水素原子であるか;または
はRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成し、
3aおよびR3bは、独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群から選択され、
nは、1ないし3の整数を示し、
Adは、1−アダマンチルまたは2−アダマンチル基である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物または立体異性体である、本発明の化合物を提供する。
【0005】
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、本発明の化合物および1種以上の他の治療剤を含む組合せ剤、ならびにかかる組合せ剤を含む医薬組成物を提供する。
【0006】
本発明はまた、哺乳動物において、β2アドレナリン受容体活性と関連する疾患または状態(例えば、喘息もしくは慢性閉塞性肺疾患のような肺疾患、早産、緑内障、神経疾患、心臓疾患または炎症)を処置する方法であって、治療的有効量の本発明の化合物を該哺乳動物に投与することを含む方法を提供する。本発明はさらに、治療的有効量の本発明の化合物と1種以上の他の治療剤の組合せ剤を投与することを含む処置方法を提供する。
【0007】
別の異なる局面において、本発明はまた、本発明の化合物を製造するのに有用な、本明細書に記載の合成方法および中間体を提供する。
【0008】
本発明はまた、医学的治療における使用、ならびに哺乳動物におけるβ2アドレナリン受容体活性と関連する疾患または状態(例えば、喘息もしくは慢性閉塞性肺疾患のような肺疾患、早産、緑内障、神経障害、心臓障害または炎症)を処置するための製剤または医薬の製造における本発明の化合物の使用のための、本明細書に記載の本発明の化合物を提供する。
【0009】
発明の詳細な説明
本発明の化合物、組成物および方法を記載するとき、他に特記しない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
【0010】
用語“治療的有効量”は、処置を必要とする患者に投与されるとき、処置を有効にするのに十分な量を意味する。
【0011】
本明細書で用いる用語“処置”は、ヒト患者における疾患または病状の処置を意味し、
(a)疾患もしくは病状の発症を阻止すること、すなわち、患者の予防的処置;
(b)疾患もしくは病状を緩和すること、すなわち、患者において該疾患もしくは病状の緩解をもたらすこと;
(c)疾患もしくは病状を抑制すること、すなわち、患者における疾患もしくは病状の進行を遅延すること;または
(d)患者における疾患もしくは病状の症状を軽減すること:
が含まれる。
【0012】
語句“β2アドレナリン受容体活性と関連する疾患または状態”は、β2アドレナリン受容体活性と関係すると現在認められているか、または将来見出される全ての疾患状態および/または状態を含む。かかる疾患状態には、喘息および慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎および肺気腫を含む)のような肺疾患ならびに神経障害および心臓障害が含まれるが、それらに限定されない。β2アドレナリン受容体活性はまた、早産(国際特許出願公開番号第WO98/09632号を参照)、緑内障ならびにいくつかのタイプの炎症(国際特許出願公開番号第WO99/30703号および特許出願公開番号第EP 1078629号を参照)に関連することも知られている。
【0013】
本明細書で用いる用語“C1−4アルキル”は、1ないし4個の炭素原子を有する、所望により置換されていてよい直鎖または分枝鎖ラジカルを包含する。例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルが含まれる。
【0014】
該所望により置換されていてよいアルキル基は、典型的に、非置換であるか、または同一もしくは異なっていてよい1、2または3個の置換基で置換される。置換基は、好ましくはハロゲン原子、好ましくはフッ素原子、ヒドロキシ基および1ないし4個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される。典型的に、アルキル基上の置換基は、それら自体非置換である。好ましい所望により置換されていてよいアルキル基は、非置換か、または1、2もしくは3個のフッ素原子で置換される。
【0015】
用語“薬学的に許容される塩”は、哺乳動物のような対象への投与に許容される塩基または酸から製造される塩を意味する。かかる塩は、薬学的に許容される無機または有機塩基、ならびに薬学的に許容される無機または有機酸から誘導され得る。
【0016】
薬学的に許容される酸から誘導される塩には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸(mucic acid)、硝酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、キシナホ酸(xinafoic acid)(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)、ナパジシル酸(1,5−ナフタレンスルホン酸)などの塩が含まれる。特に好ましくは、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、酢酸、硫酸、メタンスルホン酸、キシナホ酸および酒石酸から誘導される塩である。
【0017】
薬学的に許容される無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩(manganic salt)、マンガン塩(manganous salt)、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが含まれる。特に好ましくは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、およびナトリウム塩である。
【0018】
薬学的に許容される有機塩基から誘導される塩には、置換アミン、環状アミン、天然に生じるアミンなどを含む一級、二級および三級アミン、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩が含まれる。
【0019】
用語“溶媒和物”は、溶質の1個以上の分子、すなわち本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに溶媒の1個以上の分子により形成される複合体または集合体を意味する。かかる溶媒和物は、典型的に、実質的に一定のモル比の溶質および溶媒を有する結晶固体である。代表的な溶媒には、例として、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが含まれる。溶媒が水のとき、形成する溶媒和物は水和物である。
【0020】
用語“またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物または立体異性体”は、塩、溶媒和物および立体異性体、例えば式(I)の化合物の溶媒和物または薬学的に許容される塩または立体異性体の全ての置換体を含むことを意図することが認められ得る。
【0021】
用語“アミノ保護基”は、アミノ窒素での望ましくない反応を防ぐために適当な保護基を意味する。代表的アミノ保護基には、ホルミル;アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)のようなアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)のようなアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル基などが含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
用語“ヒドロキシ保護基”は、ヒドロキシ基での望ましくない反応を防ぐのに適当な保護基を意味する。代表的ヒドロキシ保護基には、メチル、エチルおよびtert−ブチルのようなアルキル基;アシル基、例えばアセチル基のようなアルカノイル基;ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル(PMB)、9−フルオレニルメチル(Fm)およびジフェニルメチル(ベンズヒドリル、DPM)のようなアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)のようなシリル基などが含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
本発明の化合物は、少なくとも1個のキラル中心を含む。従って、本発明は、ラセミ混合物、エナンチオマーおよび1個以上の立体異性体が富化された混合物を含む。記載されかつ特許請求される本発明の範囲は、化合物のラセミ形態ならびに個々のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび立体異性体が富化された混合物を包含する。
【0024】
本発明の一態様において、Rは−NH(CO)H基であり、Rは水素原子であるか;または、RはRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成する。より好ましくは、RはRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成する。
【0025】
本発明の別の態様において、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子およびメチル基からなる群から選択される。より好ましくは、R3aは水素原子であり、そしてR3bは、水素原子およびメチル基からなる群から選択される。
【0026】
式(I)の化合物のさらに別の態様において、nは1または2であり、より好ましくはnは2である。
【0027】
別の態様において、本発明は、式(IA):
【化2】


の化合物を提供する。
【0028】
さらに別の態様において、本発明は、式(IA)[式中、RがRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成し、R3aおよびR3bは、独立して、水素原子およびメチル基からなる群から選択され、そしてnは2である。]で示される化合物を提供する。
【0029】
特定の本発明の個々の化合物には、
5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
(5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
4−{2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
(5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
(5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルエトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
4−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物が含まれる。
【0030】
特に関心があるのは、化合物:
5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルエトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
である。
【0031】
本発明はまた、治療的有効量の上記の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を含む。
【0032】
本発明の態様において、医薬組成物は、治療的有効量の1種以上の他の治療剤をさらに含む。
【0033】
本発明の態様においてはまた、該医薬組成物は、吸入による投与のために製剤される。
【0034】
上記の本発明の化合物はまた、1種以上の他の治療剤、特に、コルチコステロイド、抗コリン薬およびPDE4阻害剤からなる群から選択される1種以上の薬剤と組み合わされ得る。
【0035】
本発明の好ましい態様において、該組合せ剤は、上記の式(I)の化合物と、プロピオン酸フルチカゾン、6α,9α−ジフルオロ−17α−[−(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−フルオロメチルエステル、および6α,9α−ジフルオロ−11β−ヒドロキシ−16α−メチル−3−オキソ−17α−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17β−チオカルボン酸 S−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−3S−イル)エステル、フロン酸モメタゾン、臭化3(R)−(2−ヒドロキシ−2,2−ジチエン−2−イルアセトキシ)−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンおよび臭化(3R)−1−フェネチル−3−(9H−キサンテン−9−カルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される薬剤を含む。
【0036】
本発明はまた、哺乳動物においてβ2アドレナリン受容体活性と関連する疾患または状態の処置方法も対象とし、該方法は、本発明のβ2アドレナリン受容体アゴニストを含む治療的有効量の医薬組成物を該哺乳動物に投与することを含む。肺疾患、好ましくは、喘息または慢性閉塞性肺疾患である疾患または状態の処置に適用される方法に、特に関連する。
【0037】
疾患を処置する方法もまた、本発明の範囲内で、早産、緑内障、神経障害、心臓障害、および炎症からなる群から選択される疾患または状態の処置に適用することができる。
【0038】
一般的合成手順
本発明の化合物は、本明細書に記載の方法および手順を用いて、または同様の方法および手順を用いて、製造することができる。典型的または好ましい方法条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比率、溶媒、圧力等)が与えられることが理解され得る。他に特記しない限り、他の方法条件も使用できる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物もしくは溶媒によって変わってよく、そのような条件を、常套的な最適化手順によって当業者により決定することができる。
【0039】
加えて、当業者に明らかであり得る通り、常套の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けることを防ぐために必要であり得る。特定の官能基に適する保護基の選択ならびに保護および脱保護に適する条件は、当分野で周知である。例えば、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去は、T.W. Greene and G.M. Wutz, Protecting Groups in Organic Synthesis, Third Edition, Wiley, New York, 1999、およびその中に引用される文献に記載されている。
【0040】
本発明の化合物を製造するための方法は、本発明の更なる態様として提供され、以下の手順により説明される。
【0041】
式(I)の化合物の製造に最も常用される方法の1つを図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】式(II)のアミノ出発化合物は、市販されているか、または既報の文献(例えば、Bioorg.Med.Chem. 8 (2000), 1762; J. Med. Chem., 2002, 45 (24), 5276 および US 2005/0043337 製造例84参照)によりそれ自体公知である。 式(II)の中間体は、例えばt−ブチルオキシカルボニル(BOC)誘導体によりN保護されて、式(III)の中間体を得る。この反応は、典型的に、中性または塩基性条件下、ジクロロメタン、THFまたはジオキサンのような溶媒中、0℃ないし室温の温度範囲で、式(II)の中間体を二炭酸ジ−tert−ブチルで処理して、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムを添加することにより行われる。
【0043】
式(III)の保護誘導体は、THF、DMFまたはDMSOのような溶媒中、炭酸セシウム、炭酸カリウムまたは水素化ナトリウムのような塩基を添加して、室温ないし溶媒の沸点の温度範囲で、式(IV)のアダマンチル誘導体(ここで、Xは、トシレート、メシレート、トリフラートまたは臭素のような適当な脱離基を示す)を用いてアルキル化される。
【0044】
式(IV)の中間体は、典型的に、文献(US3678137、WO2002/092606を参照)に記載の通り、対応するアルコールから製造される。
【0045】
式(V)の中間体を式(VI)の対応するアミンにするN−脱保護は、保護基Pの性質に従って起こる。PがBOC基のとき、式(V)の誘導体を、室温ないし40℃からなる温度範囲で、ジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸、またはジオキサン中、塩化水素のような酸性媒体で処理する。
【0046】
式(VIII)の中間体は、式(VI)のアミン誘導体を、式(VII)の中間体(ここで、Xは、臭素のような適当な脱離基であり、Pは、トリアルキルシリル基のような酸素保護基であり、そしてPはまた、ベンジルもしくは(Rと一体となった)アセトニルラジカルのような保護基でもある)でアルキル化することにより得られ得る。反応は、DMF、DMSOまたはN−メチルピロリドンのような溶媒中、80ないし150℃の温度範囲で、炭酸水素ナトリウムまたは三級アミン基のような酸スカベンジャーの存在下で、要すればヨウ化ナトリウムを添加することにより行われる。
【0047】
式(VII)の中間体を文献に従って製造し得る(例えば、US2004059116、実施例9C;WO2004/011416、実施例2、およびWO2004/016578、実施例1ii)。
【0048】
式(VIII)の中間体の酸素脱保護による式(IX)の中間体は、シリル保護基(P)の場合、例えばフッ化テトラブチルアンモニウムまたは三フッ化水素トリエチルアミンのようなフッ化物イオンの存在下、THFのような溶媒中、室温ないし溶媒の沸点の温度範囲で、得られる。
【0049】
別法において、式(IX)の中間体は、還元剤の存在下、式(VI)の中間体と式(X)のグリオキサル誘導体(ここで、Pは上記の通りである)を直接反応させて得られ得る。反応を、DMSOおよびメタノールの混合物のような溶媒中、0℃ないし室温の温度範囲で行う。還元剤は、水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような水素化物であり得る。
【0050】
式(X)の中間体を文献に記載の通りに製造する(例えば、EP147719、実施例2;US4,753,962、記載例54、およびGB1247370、実施例1)。
【0051】
O−ベンジル保護(P)の場合、式(IX)の中間体の脱保護を、メタノール、THFまたは両方の混合物のような溶媒中、触媒としてパラジウム炭素を用いて、式(IX)の中間体の水素化により行い、標的化合物(I)が得られる。
【0052】
図2に記載の別法において、式(VI)の中間体アミン誘導体を、カルボン酸またはエステルのような、官能性前駆体を含む式(XI)のフェノール誘導体のアルキル化により製造し得る。
【0053】
【図2】式(III)の中間体のアルキル化において記載の条件と同じ条件を用いて、式(XI)の中間体を、式(IV)(ここで、Xは上記の通りである)のアルキル化剤で処理して、式(XII)の中間体を得る。エステル官能基の加水分解後、典型的にアルコール媒体中、室温ないし還流温度の温度範囲で、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウムを用いて、得られるカルボン酸を、クルチウス分解により式(VI)の対応するアミン誘導体に変換し得る。この反応は、とりわけ、トルエンまたはキシレンのような不活性溶媒中、加熱還流により行われ、例えば、混合無水物とアジ化ナトリウムの処理によりアシルアジドが得られる。
【実施例】
【0054】
実施例
一般的試薬、出発物質および溶媒は、商業的供給業者から購入し、受け取った状態のままで用いた。濃縮とは、Buechi回転エバポレーターを用いて真空下での蒸発を意味する。必要ならば、反応生成物を、示される溶媒系を用いて、シリカゲル(40−63μm)のフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。分光データを、Varian Gemini 300 分光計およびVarian Inova 400 分光計で記録した。融点を、Buechi 535 装置で記録した。HPLC−MSを、Gilson ピストンポンプ321、Gilson 864 真空脱ガス器、Gilson liquid handler 215、Gilson 189 インジェクションモジュール、Gilson Valvemate 7000、1/1000 スプリッター、Gilson 307 メークアップポンプ、Gilson 170 ダイオードアレイ検出器およびThermoquest Finnigan aQa検出器を備えるGilson装置で行った。準分取精製を、SunFire C18逆相カラム(100Å、5μm、19×100mm、WATERSから購入)を用いて行った。
【0055】
中間体1. 3−[(1E)−2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]フェノール
酢酸(40mL)中、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(20g、0.16mol)の溶液に、ニトロエタン(32mL、0.45mol)および酢酸アンモニウム(8g、0.1mol)を添加した。得られる混合物を80℃で6時間撹拌した。反応混合物を400mLの水の溶液中に注ぎ、沈殿を濾過により集めて、表題化合物を固体として得た(23.68g、81%)。MS (M+): 180。
【0056】
中間体2. 1−(ベンジルオキシ)−3−[(1E)−2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]ベンゼン
ジメチルホルムアミド(175mL)中、中間体1(23.68g、0.13mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、5.29g、0.13mol)をゆっくり添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。その後、臭化ベンジル(15.72mL、0.13mol)を混合物中に添加し、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。表題化合物を得て(26.46g、74%)、さらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 270。
【0057】
中間体3. (1R,S)−1−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]プロパン−2−アミン
テトラヒドロフラン(1L)中、中間体2(26.46g、0.1mol)の溶液を、0℃でテトラヒドロフラン(180mL)中、リチウムアルミニウムハイドライド(12g、0.32mol)の溶液にゆっくり添加した。得られる混合物を、室温で24時間撹拌した。その後、溶液に、0℃にて、水(12mL)、4N水酸化ナトリウム(12mL)および最後に再び水(36mL)を添加した。混合物を数分間撹拌し、得られる塩をセライト(登録商標)パッドを通して酢酸エチル(100mL)で洗浄して濾過した。濾液の有機層を水層と分け、それを1N水酸化ナトリウムで塩基性化し、エーテル、酢酸エチルおよび塩化メチレンで抽出した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を白色固体として得た(14.07g、60%)。MS (M+): 242.
【0058】
中間体4. tert−ブチル{(1R,S)−2−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−1−メチルエチル}−カルバメート
テトラヒドロフラン(200mL)およびメタノール(10mL)の混合物中、中間体3(14.07g、60mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(50mL)中、boc無水物(13.36g、60mmol)の溶液にゆっくり添加した。得られる混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。粗物質を塩化メチレン中に溶解し、有機層を数回水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、油状物(19.91g;98%)を得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 342.
【0059】
中間体5. tert−ブチル[(1R,S)−2−(3−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−カルバメート
メタノール(350mL)中、中間体4(19.91g、60mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、1g)を添加した。混合物を40psiで一晩水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物を油状物として得て(14.6g;99.1%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 252.
【0060】
中間体6. 2−(1−アダマンチル)エチル 4−メチルベンゼンスルホネート
塩化メチレン(30mL)中、1−アダマンタンエタノール(3.06g、16.9mmol)およびトリエチルアミン(2.8mL、20.1mmol)の溶液に、0℃で塩化メチレン(40mL)中、塩化4−メチルベンゼン−1−スルホニル(3.88g、20.3mmol)の懸濁液を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。その後、氷および50%アンモニア水を反応混合物に添加した。混合物をペンタンで抽出し、有機層を水および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を油状物として得た(5.4g、90%)。MS (M+): 335.
【0061】
中間体7. tert−ブチル(2−{3−[(1R,S)−2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)カルバメート
ジメチルホルムアミド(50mL)中、中間体5(3.5g、11.7mmol)の溶液に、ジメチルホルムアミド(50mL)中、中間体6(5.8g、17.5mmol)の溶液および炭酸セシウム(5.7g、17.5mmol)を添加した。得られる反応混合物を、アルゴン下、50℃で一晩撹拌した。反応混合物を水中に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、得られた粗油状物を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出して精製し、表題化合物(4.17g、45%)を無色油状物として得た。MS (M+): 414.
【0062】
中間体8. (1R,S)−1−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}プロパン−2−アミン
ジオキサン(15mL)中、中間体7(5.6g、6.7mmol)の溶液に、塩化水素(ジオキサン中4M、15mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を白色固体として得て(1.9g、81%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 349.
【0063】
中間体9. 5−((1R)−2−[(1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)−キノリン−2(1H)−オン
N−メチルピロリジノン(6mL)中、中間体8(1.54g、4.9mmol)および(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(1.6g、3.2mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.74g、4.9mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.83g、9.8mmol)を添加した。反応混合物を110℃で6時間加熱し、水に注いだ。有機層を酢酸エチルで抽出し、水および塩化アンモニウムで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(3:1ないし1:1)で溶出して精製した。表題化合物を固体として得て(0.81g、34%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 722.
【0064】
中間体10. 5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
テトラヒドロフラン(9mL)中、中間体9(0.81g、1.12mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラン中1M、2mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を塩化メチレンと水との間に分配させた。有機層を水で数回洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物を泡状物として得て(0.68g、99%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 607.
【0065】
実施例1. 5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化3】


メタノール(30mL)および数滴のテトラヒドロフランの混合物中、中間体10(0.68g、1.12mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.07g)を添加した。混合物を、室温で一晩、バルーン圧下で水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をエーテルで処理して、表題化合物を黄色固体として得た(0.48g、85%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.52−1.74 (bs, 17H); 1.96 (bs, 3H); 2.53−2.55 (m, 2H); 2.81−2.91 (m, 2H); 3.98−4.04 (m, 1H); 5.11 (bs, 1H); 6.56 (d, J=9.8 Hz, 1H); 6.72−6.8 (m, 4H); 6.96 (d, J=8.1 Hz, 1H); 7.11 (d, J=8.1 Hz, 1H); 7.2 (q, J=7.14 Hz, 1H); 8.2 (d, J=9Hz, 1H).
MS (M+): 517.
【0066】
中間体11. 4−[(1E)−2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]フェノール
中間体1に記載の方法と同様の方法により、4−ヒドロキシベンズアルデヒド(15g、0.12mol)、ニトロエタン(24mL、0.33mol)および酢酸アンモニウム(5.9g、0.08mol)から得た(反応時間:20時間)。得られた沈殿を濾過により集めて、表題化合物を固体として得た(15.4g、70%)。MS (M+): 180.
【0067】
中間体12. 1−(ベンジルオキシ)−4−[(1E)−2−ニトロプロプ−1−エン−1−イル]ベンゼン
中間体2に記載の方法と同様の方法を用いて、中間体11(15.37g、90mmol)、水素化ナトリウム(60%、3.4g)および臭化ベンジル(10.2g、90mmol)から得た。表題化合物を固体として得て(21.3g、92%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 270.
【0068】
中間体13. (1R,S)−1−[4−(ベンジルオキシ)フェニル]プロパン−2−アミン
中間体3に記載の方法と同様の方法により、中間体12(21.3g、0.08mmol)およびリチウムアルミニウムハイドライド(9g、0.24mol)から得た。表題化合物を固体として得て(19.1g、61%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 242.
【0069】
中間体14. 4−((2R,S)−2−アミノプロピル)フェノール
中間体5に記載の方法と同様の方法により、中間体13(11.6g、48mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.4g)から得た。得られた残渣をエチルエーテルで結晶化して、表題化合物を固体として得た(4.9g、67%)。MS (M+): 152.
【0070】
中間体15. tert−ブチル[(1R,S)−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]カルバメート
ジオキサン(10mL)中、中間体14(4.9g、32.4mmol)の溶液に、炭酸カリウム(9g、64.8mmol)およびジオキサン(10mL)中、二炭酸ジ−tert−ブチル(7.8g、35.6mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、酢酸エチルと水との間に分配させた。有機層を炭酸水素ナトリウム溶液、塩化アンモニウムおよび塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を油状物として得て(8.1g、95%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 252.
【0071】
中間体16. tert−ブチル(2−{4−[(1R,S)−2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)カルバメート
テトラヒドロフラン(6mL)中、中間体15(1g、4.3mmol)の溶液およびテトラヒドロフラン(6mL)中、1−アダマンタンエタノール(0.77g、4.2mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(4mL)中、ジエチルアゾジカルボキシレート(2.9mL、6.4mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.6g、6.4mmol)の溶液を添加した。反応混合物を80℃で48時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、塩化メチレンと水との間に分配させた。有機層を水、炭酸水素ナトリウム(4%)および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(30:1)で溶出して精製した。表題化合物を固体として得た(0.39g、22%)。MS (M+): 414.
【0072】
中間体17. (1R,S)−1−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}プロパン−2−アミン
メタノール中、1.25M塩化水素中、中間体16(0.3g、0.75mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を白色固体として得て(0.23g、97%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 314.
【0073】
中間体18. 5−((1R)−2−[((1R,S)−2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)−キノリン−2(1H)−オン
ジメチルスルホキシド(4.5mL)中、中間体17(0.3g、0.93mmol)および(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.44g、0.9mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.2g、1.3mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.2g、2.7mmol)を添加した。反応混合物をアルゴン下、85℃で6時間加熱し、水に注いだ。有機層を酢酸エチルで抽出して、水および塩化アンモニウムで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(3:1ないし1:1)で溶出して精製した。表題化合物を白色泡状物として得た(0.3g、35%)。MS (M+): 722.
【0074】
中間体19. 5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
テトラヒドロフラン(20mL)中、中間体18(0.21g、0.3mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.155g、0.59mmol)を添加した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を塩化メチレンと水との間に分配させ、有機層を水で数回洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を黄色油状物として得て(0.17g、95%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 607.
【0075】
実施例2. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化4】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体19(0.15g、0.25mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.03g)から得た(反応時間:48時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール/アンモニア(40:4:0.2)で溶出して精製し、表題化合物を黄色固体として得た(0.056g、44%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 0.88 (d, J=5.22 Hz, 3H); 1.55−1.57 (m, 8H); 1.60−1.64 (m, 5H); 1.90−1.93 (m, 3H); 2.39−2.77 (bs, 7H); 3.35 (bs, 3H); 3.90−3.96 (m, 2H); 4.96 (s, 1H); 6.5 (d, J=9.6 Hz, 1H); 6.75−7.05 (m, 6H); 8.15 (d, J=9.6 Hz, 1H).
MS (M+): 517.
【0076】
中間体20. tert−ブチル[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバメート
ジオキサン(12mL)および水(30mL)の混合物中、4−(2−アミノエチル)フェノール(2g、14.5mmol)の溶液に、炭酸カリウム(2g、14.8mmol)を添加した。混合物に、0℃で、ジオキサン(15mL)中、二炭酸ジ−tert−ブチル(3.2g、14.6mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。粗物質を、酢酸エチルと水との間に分配させて、有機層を水および炭酸水素ナトリウム(4%)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を油状物として得て(3.4g、99%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 238.
【0077】
中間体21. tert−ブチル(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−カルバメート
中間体7に記載の方法と同様の方法により、中間体20(0.12g、0.51mmol)、中間体6(0.2g、0.51mmol)および炭酸セシウム(0.165g、0.51mmol)から得た(反応時間:24時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出して精製し、表題化合物(0.167g、80%)を無色油状物として得た。MS (M+): 400.
【0078】
中間体22. (2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、メタノール中、1.25M塩化水素中、中間体21(0.167g、1.42mmol)から得た。溶媒を除去して表題化合物を白色固体塩として得て(0.127g、98%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 300.
【0079】
中間体23. 5−((1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体18に記載の方法と同様の方法により、中間体22(0.26g、0.87mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.4g、0.82mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.18g、1.2mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.2g、2.4mmol)から得た。得られた沈殿を濾過により集め、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(3:1ないし5:1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.157g、27%)。MS (M+): 708.
【0080】
中間体24. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体19に記載の方法と同様の方法により、中間体23(0.15g、0.22mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.092g、0.35mmol)から得た。表題化合物を白色固体として得て(0.1g、78%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 593.
【0081】
実施例3. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化5】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体24(0.1g、0.17mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.02g)から得た(反応時間:一晩)。得られた粗物質を、エーテルで粉末化して、表題化合物を白色固体として得た(0.081g、95%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.48−1.7 (m, 14H); 1.93 (bs, 3H); 2.88−3.18 (m, 7H); 3.98 (t, J=7.1 Hz, 2H); 5.41 (s, 1H); 6.19 (bs, 1H); 6.58 (d, J=10.1 Hz, 1H); 6.89 (d, J=8.2 Hz, 1H); 7.0 (d, J=7.9 Hz, 1H); 7.11−7.17 (m, 3H); 8.2 (d, J=10.1 Hz, 1H); 10.53 (bs, 1H).
MS (M+): 503.
【0082】
中間体25. [5−((1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−(ベンジルオキシ)フェニル]−ホルムアミド
ジメチルスルホキシド(3mL)中、中間体22(0.4g、1.34mmol)および(R)−N−(2−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)フェニル)ホルムアミド(0.62g、0.82mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.59g、3.99mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.67g、8.03mmol)を添加した。反応混合物を、アルゴン下、130℃で1時間加熱した。混合物を水中に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を水および塩水で洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物を黄色泡状物として得て(0.84g、73%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 684.
【0083】
中間体26. [5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ベンジルオキシ)フェニル]ホルムアミド
テトラヒドロフラン(20mL)中、中間体25(1.23g、1.44mmol)の溶液に、シリカゲル上のフッ化テトラブチルアンモニウム(1−1.5mmol/g、2g)を添加した。反応混合物を初めに室温で一晩撹拌し、次いで45℃で3時間撹拌した。シリカを濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を酢酸エチル中に溶解し、有機層を水で数回洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりクロロホルム/メタノール(75:1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.36g、61%)。MS (M+): 569.
【0084】
実施例4. (5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
【化6】


メタノール(5mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)の混合物中、中間体26(0.32g、0.56mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.03g)を添加した。反応混合物を40psiで3日間、水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、クロマトグラフィーによりクロロホルム/メタノール(6:1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.102g、37%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.48−1.7 (m, 16H); 1.92 (bs, 3H); 2.60−2.64 (m, 4H); 2.75 (bs, 2H); 3.97 (t, J=7.14 Hz, 2H); 4.5 (s, 1H); 6.80−6.83 (m, 4H); 7.08 (d, J=8.2 Hz, 2H); 8.03 (s, 1H); 8.26 (s, 1H); 9.56 (s,1H). MS (M+): 479.
【0085】
中間体27. 2−[((2R,S)−2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−[4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]エタノール
テトラヒドロフラン(5mL)およびメタノール(5mL)の混合物中、中間体22(0.32g、1.1mmol)および1−(4−(ベンジルオキシ)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル)−2,2−ジヒドロキシエタノン(0.32g、1.13mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.12g、3.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。粗物質を、酢酸エチルと水との間に分配させ、有機層を水および炭酸水素ナトリウム(4%)で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりクロロホルム/メタノール(75:1ないし25:1)で溶出して精製し、表題化合物を油状物として得た(0.158g、25%)。MS (M+): 556.
【0086】
実施例5. 4−{2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
【化7】


メタノール(16mL)中、中間体27(0.158g、0.26mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.03g)を添加した。反応混合物をバルーン圧下で24時間水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物をフマレートとして得た(0.077g、62%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.48−1.7 (m, 14H); 1.93 (bs, 3H); 2.80−2.99 (m, 6H); 3.98 (t, J=6.59 Hz, 2H); 4.47 (s, 2H); 4.72 (d, J=7.9 Hz, 1H); 6.49 (s, 1H); 6.73 (d, J=8.24 Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.03 (d, J=7.96 Hz, 1H); 7.12 (d, J=7.96 Hz, 1H); 7.3 (s, 1H, fumaric). MS (M+): 466.
【0087】
中間体28. 3−(2−アミノエチル)フェノール
臭化水素酸(bromhydric acid)水溶液(48%、67mL)中、2−(3−メトキシフェニル)エタナミン(10g、66.1mmol)の溶液を、140℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を塩化メチレンおよびヘキサン(1:1)の混合物で洗浄した。表題化合物を灰色油状物として得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 138.
【0088】
中間体29. tert−ブチル[2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバメート
中間体20に記載の方法と同様の方法により、中間体28(11g、80.2mmol)、炭酸カリウム(23.1g)および二炭酸ジ−tert−ブチル(11.2g、51.3mmol)から得た。表題化合物を固体として得て(10.8g)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 238.
【0089】
中間体30. tert−ブチル(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−カルバメート
ジメチルホルムアミド(75mL)中、中間体29(10g、2.37mol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.18g)をゆっくり添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。ジメチルホルムアミド(25mL)中、中間体44(5.9g、22.8mmol)の溶液を、上記混合物に添加した。反応物を60℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を酢酸エチルと水との間に分配させた。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を固体として得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 400.
【0090】
中間体31. (2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミン
ジオキサン(70mL)中、中間体30(7g、17.5mmol)の溶液に、塩化水素(ジオキサン中1.25M、25mL)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。沈殿を濾過し、ジオキサンおよびエーテルで洗浄した。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:4:0.2)で溶出して精製し、表題化合物を油状物として得た(2.6g、50%)。(M+): 300.
【0091】
中間体32. 5−((1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
ジメチルスルホキシド(1.5mL)中、中間体31(0.51g、1.7mmol)の溶液およびジメチルスルホキシド(2mL)中、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(1.06g、2.17mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.53g、6.37mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.970g、6.47mmol)を添加した。反応混合物を120℃で2時間撹拌した。反応物を水に注ぎ、濾過した。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレンで溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.84g、63%)。MS (M+): 708.
【0092】
中間体33. 5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
テトラヒドロフラン(12mL)中、中間体32(0.48g、0.68mmol)の溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.284g、1.09mmol)を添加した。反応混合物を45℃で3.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を酢酸エチルと水との間に分配させた。有機層を水で数回洗浄し、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を黄色固体として得た(0.375g、88%)。MS (M+): 593.
【0093】
実施例6. 5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化8】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体33(0.365g、0.62mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.075g)から得た(反応時間:20時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.113g、65%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.57−1.73 (m, 14H); 1.96 (bs, 3H); 2.84 (bs, 6H); 2.94 (t, J=6.5 Hz, 2H); 4.00 (t, J=7.14 Hz, 2H); 5.11 (bs, 1H); 6.50 (d, J=9.69 Hz, 1H); 6.75 (m, 3H); 6.83 (d, J=8.0 Hz, 1H); 7.07 (d, J=7.96 Hz, 1H); 7.19 (d, J=7.45 Hz, 1H); 8.06 (d, J= 8.69 Hz, 1H).
MS (M+): 503.
【0094】
中間体34. 1−アダマンチルメチル トリフルオロメタンスルホネート
塩化メチレン(23mL)およびエチルジイソプロピルアミン(5.76mL、33.07mmol)中、1−アダマンタンメタノール(5g、30.07mmol)の溶液に、−50℃で、塩化メチレン(5mL)中、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(5.55mL、33.05mmol)を添加した。得られる反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(20:5)で溶出して精製した。表題化合物を無色油状物として得た(5.5g、61%)。
1H−NMR (300 MHz, CDCl3): 4.09 (s, 2H); 2.05 (bs, 3H); 1.59−1.78 (m, 12H).
【0095】
中間体35. tert−ブチル{2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}−カルバメート
無水ジメチルホルムアミド(12mL)中、中間体34(4.2g、14.07mmol)の溶液および無水ジメチルホルムアミド(2mL)中、中間体20(0.98g、4.14mmol)の溶液に、炭酸セシウム(1.8g、5.62mmol)を添加した。反応混合物を65℃で72時間撹拌した。粗物質を水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を、2N水酸化ナトリウム溶液、水および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を油状物として得て(1.3g、67%)、そしてさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 386.
【0096】
中間体36. {2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、メタノール中、1.25M塩化水素中、中間体35(1.3g、3.37mmol)から得た。得られた沈殿を濾過により分けて、表題化合物を黄色固体として得た(0.84g、87%)。MS (M+): 286.
【0097】
中間体37. 5−((1R)−2−({2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体36(0.162g、0.57mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.205g、0.42mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.216g、2.57mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.184g、1.23mmol)から得た(反応時間:3時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(3:1ないし1:1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.104g、32%)。MS (M+): 694.
【0098】
中間体38. 5−[(1R)−2−({2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体33に記載の方法と同様の方法により、テトラヒドロフラン(3mL)中、中間体37(0.243mg、0.35mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.16g、0.61mmol)から得た。ヘキサンで処理して、所望の化合物を黄色固体として得た(0.17g、80%)。MS (M+): 579.
【0099】
実施例7. 5−[(1R)−2−({2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化9】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体38(0.17g、0.32mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.034g)から得た(反応時間:2日間)。得られた粗物質をエーテルで粉末化し、濾過して、表題化合物を黄色固体として得た(0.102g、69%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.66−1.79 (m, 12H); 2.02 (bs, 3H); 2.99 (bs, 2H); 3.19 (bs, 2H); 3.54 (bs, 2H); 5.4 (bs, 1H); 6.61 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.93 (d, J=8.51 Hz, 2H); 7.05 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.19−7.21 (m, 3H); 8.29 (d, J= 9.89 Hz, 1H); 10.57 (d, J=10.4 Hz, 1H).
MS (M+): 489.
【0100】
中間体39. 3−(1−アダマンチルメトキシ)ベンズアルデヒド
ジメチルスルホキシド(5mL)中、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.54g、4.42mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%、0.186g)を少しずつ添加した。混合物を10分間撹拌し、次いでジメチルスルホキシド(2mL)中、中間体34(1.32g、4.42mmol)の溶液を添加した。反応混合物を70℃で48時間撹拌し、混合物を水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機層を2N水酸化ナトリウム水溶液、水および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(10:1)で溶出して精製し、表題化合物を油状物として得た(0.493g、41%)。
【0101】
中間体40. 1−アダマンチルメチル3−[(E)−2−ニトロビニル]フェニルエーテル
中間体1に記載の方法と同様の方法により、中間体39(0.49g、1.81mmol)、酢酸アンモニウム(0.1g、1.3mmol)およびニトロメタン(0.213g、3.48mmol)から得た(反応時間:36時間)。表題化合物を得て(0.54g、58%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 314.
【0102】
中間体41. {2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミン
中間体3に記載の方法と同様の方法により、中間体40(0.165g、0.53mmol)およびリチウムアルミニウムハイドライド(0.066g、1.74mmol)から得た(反応時間:3時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりクロロホルムで溶出して精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.174g、50%)。MS (M+): 286.
【0103】
中間体42. 5−((1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
ジメチルスルホキシド(0.8mL)中、中間体41(0.117g、0.41mmol)の溶液およびジメチルスルホキシド(0.8mL)中、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.2g、0.41mmol)の溶液に、炭酸水素ナトリウム(0.103g、1.23mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.092g、0.61mmol)を添加した。得られた反応混合物を、150℃で1時間撹拌した。混合物を水に注ぎ、沈殿を濾過により集め、エーテルおよび酢酸エチルで洗浄した。表題化合物を褐色固体として得て(0.231g、57%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 694.
【0104】
中間体43. 5−[(1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体33に記載の方法と同様の方法により、テトラヒドロフラン(10mL)中、中間体42(0.231g、0.33mmol)の溶液およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.177g、0.56mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:2.5:0.1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.075g、39%)。MS (M+): 579.
【0105】
実施例8. 5−[(1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化10】


メタノール(3mL)およびテトラヒドロフラン(1mL)の混合物中、中間体43(0.075g、0.13mmol)の溶液に、メタノール中、1.25M塩化水素を数滴およびパラジウム炭素(10%、0.015g)を添加した。反応混合物をバルーン圧下で一晩水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をエーテルで処理して、濾過により集め、表題化合物を黄色固体として得た(0.055g、82%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.62−1.75 (m, 12H); 1.98 (bs, 3H); 2.93−3.20 (m, 4H); 3.51 (s, 2H); 5.42 (bs, 1H); 6.57 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.80−6.82 (m, 3H); 7.00 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.16 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.22 (t, J= 7.96 Hz, 1H); 8.23 (d, J=9.89 Hz, 1H); 10.5 (s, 1H).
MS (M+): 489.
【0106】
中間体44. 2−(1−アダマンチル)エチルメタンスルホネート
塩化メチレン(50mL)およびトリエチルアミン(2.8mL、19.95mmol)中、1−アダマンチルエタノール(3g、16.64mmol)の溶液を、10分間撹拌した。次いで、塩化メタンスルホニル(1.55mL、20.03mmol)を添加し、得られる反応混合物を室温で72時間撹拌した。粗物質を塩化メチレンと炭酸水素ナトリウム水溶液(4%)との間に分配させた。有機層を水および塩水で洗浄し、溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を黄色油状物として得て(4.1g、96%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0107】
中間体45. 3−(1−アダマンチル)プロパンニトリル
ジメチルスルホキシド(18mL)中、中間体44(4.1g、16.01mmol)の溶液に、シアン化ナトリウム(0.98g、20mmol)をゆっくり添加した。反応混合物を100℃で1.5時間撹拌し、室温で一晩撹拌した。粗物質をエーテルと水との間に分配させ、有機層を水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を無色固体として得て(2.9g、98%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0108】
中間体46. 3−(1−アダマンチル)プロパン酸
エタノール(20mL)中、中間体45(2.9g、15.76mmol)の溶液に、窒素下で水酸化カリウム(6.2g、110.5mmol)を添加した。反応混合物を3時間還流し、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を水とエーテルとの間に分配させた。水層をエーテルで2回洗浄し、次いで2N塩酸で酸性化した。沈殿を濾過により集め、表題化合物を黄色固体として得た(2.9g、88%)。
【0109】
中間体47. メチル3−(1−アダマンチル)プロパノエート
メタノール(22.6mL)中、中間体46(2.9g、13.98mmol)の溶液に、0℃で、硫酸(0.4mL、6.94mmol)を15分かけて少しずつ添加した。得られた反応混合物を2時間還流した。溶媒を減圧下で除去して、粗物質を酢酸エチルと水との間に分配させた。有機層を、炭酸水素ナトリウム水溶液(4%)、水および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を赤色油状物として得て(2.9g、95%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0110】
中間体48. 3−(1−アダマンチル)プロパン−1−オール
無水テトラヒドロフラン(5mL)中、中間体47(3.89g、17.49mmol)の溶液を、アルゴン下、0℃で、テトラヒドロフラン(22mL)中、リチウムアルミニウムハイドライド(0.74g、19.5mmol)の溶液にゆっくり添加した。得られた混合物を室温で5時間撹拌した。次いで、水(20mL)、4N水酸化ナトリウム(20mL)および最後に再び水(40mL)を、0℃で該溶液に添加した。混合物を数分間撹拌し、得られた塩をセライト(登録商標)パッドを通して濾過した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を無色固体として得て(3.3g、97%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0111】
中間体49. 3−(1−アダマンチル)プロピルメタンスルホネート
中間体44に記載の方法と同様の方法により、塩化メチレン(40mL)中、中間体48(2.28g、11.73mmol)、トリエチルアミン(4mL、27.9mmol)および塩化メタンスルホニル(2.18mL、28.1mmol)から得た。得られた粗物質を塩化メチレンと水との間に分配させ、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(4%)、水および塩水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を無色油状物として得て(2.4g、99%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0112】
中間体50. tert−ブチル(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)−カルバメート
中間体7に記載の方法と同様の方法により、中間体20(0.62g、2.60mmol)、中間体49(0.92g、3.39mmol)および炭酸セシウム(1.1g、3.38mmol)から得た。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物(1.21g、79%)を得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0113】
中間体51. 2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エタナミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、メタノール中、1.25M塩化水素中、中間体50(1.2g、2.94mmol)から得た。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を塩として得て(0.62g、67%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 314.
【0114】
中間体52. 5−((1R)−2−[(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体51(0.62g、1.97mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.96g、1.97mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.06g、0.4mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.33g、3.94mmol)から得た(反応時間:1.5時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:1ないし90:1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.6g、35%)。MS (M+): 722.
【0115】
中間体53. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体19に記載の方法と同様の方法により、中間体52(0.6g、0.84mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.45g、1.44mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:6)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.4g、78%)。MS (M+): 607
【0116】
実施例9. 5−{(1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化11】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体53(0.33mg、0.55mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.04g)から得た(反応時間:2日間)。得られた粗物質を、エーテルおよび塩化メチレンで粉末化して、表題化合物を黄色固体として得た(0.21g、74%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.10−1.17 (m, 2H); 1.46 (bs, 6H); 1.64 (bs, 8H); 1.92 (bs, 3H); 2.9−3.18 (m, 4H); 3.89 (t, J= 6.6 Hz, 3H); 5.4 (bs, 1H); 6.18 (bs, 1H); 6.57 (d, J=9.9 Hz, 1H); 6.87 (d, J=8.24 Hz, 2H); 7.00 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.15 (dd, J=8.24, 5.77 Hz, 3H); 8.22 (d, J=9.89 Hz, 1H); 10.5 (bs, 1H).
MS (M+): 407.
【0117】
中間体54. tert−ブチル{2−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]エチル}カルバメート
ジオキサン(110mL)中、2−(3−(ベンジルオキシ)フェニルエタナミン(2.87g、12.63mmol)の溶液に、水酸化ナトリウム(0.5g、12.65mmol)の水溶液(5mL)を5℃で添加した。次いで、ジオキサン(20mL)中、二炭酸ジ−tert−ブチル(2.76g、12.65mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を5℃で1時間撹拌し、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗物質を酢酸エチルと水との間に分配させた。有機層を水で洗浄して、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(15:1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(1.43g、34%)。MS (M+): 328.
【0118】
中間体55. tert−ブチル[2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]カルバメート
メタノール(50mL)中、中間体54(1.4g、4.37mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.143g)を添加した。反応混合物を、バルーン圧下、室温で一晩、水素化した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させて、表題化合物を固体として得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 238.
【0119】
中間体56. tert−ブチル(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル−カルバメート
中間体7に記載の方法と同様の方法により、中間体55(0.94g、3.97mmol)、中間体49(1.4g、5.18mmol)および炭酸セシウム(1.6g、5.16mmol)から得た(反応時間:一晩)。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を固体として得て(1.8g、98%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 414.
【0120】
中間体57. 2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エタナミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、メタノール中、1.25M塩化水素中、中間体56(1.8g、4.38mmol)から得た。溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を塩として得て(1g、68%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 314.
【0121】
中間体58. 5−((1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体57(0.64g、2.04mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.99g、2.04mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.34g、4.07mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.06g、0.41mmol)から得た(反応時間:1時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:1ないし90:2)で溶出して精製し、表題化合物を白色固体として得た(0.48g、33%)。MS (M+): 722.
【0122】
中間体59. 5−{(1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体19に記載の方法と同様の方法により、テトラヒドロフラン(10mL)中、中間体58(0.48g、0.67mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.36g、1.13mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:4)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.25g、62%)。MS (M+): 607.
【0123】
実施例10. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化12】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体59(0.25g、0.42mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.025g)から得た(反応時間:3日間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(30:1ないし10:1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.031g、20%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.16−1.24 (m, 2H); 1.47 (bs, 6H); 1.64 (bs, 8H); 2.51 (bs, 3H); 2.85−3.1 (m, 6H); 3.90 (t, J=6.32 Hz, 2H); 5.31 (bs, 1H); 6.56 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.79 (bs, 3H); 6.98 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.13 (d, J=8.24, 1H); 7.21 (t, J=8.52 Hz, 1H); 8.2 (d, J=9.88 Hz, 1H).
MS (M+): 407.
【0124】
中間体60. [5−((1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル−)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−(ベンジルオキシ)フェニル]ホルムアミド
中間体25に記載の方法と同様の方法により、中間体31(0.9g、3.01mmol)、(R)−N−(2−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)フェニル)ホルムアミド(1.4g、3.01mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.5g、3mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.8g、9.05mmol)から得た(反応時間:40分)。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/塩化メチレン:メタノール(1:3)で溶出して精製し、表題化合物を泡状物として得た(1.03g、50%)。
【0125】
中間体61. [5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ベンジルオキシ)フェニル]ホルムアミド
中間体33に記載の方法と同様の方法により、中間体60(1g、1.46mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.69g、2.64mmol)から得た。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/塩化メチレン:メタノール(99:1)で溶出して精製して、表題化合物を油状物として得た(0.8g、96%)。
【0126】
実施例11. (5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
【化13】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体61(0.8g、1.41mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.15g)から得た(反応時間:3時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(98:2ないし9:1)で溶出して精製し、表題化合物を固体として得た(0.32g、47%)。
1H−NMR (300 MHz, CDCl3): 1.51−1.64 (m, 14H); 1.92 (bs, 3H); 2.64−2.80 (m, 6H); 3.97 (bs, 2H); 4.5 (bs, 1H); 6.74−6.85 (m, 5H); 7.15 (bs, 1H); 8.02 (s, 1H); 8.25 (s, 1H); 9.54 (s, 1H).
MS (M+): 479.
【0127】
中間体62. 3−(2R,S)−2−アミノプロピル)フェノール
中間体5に記載の方法と同様の方法により、中間体3(15.2g、62.9mmol)およびパラジウム炭素(10%、1.4g)から得た。得られた粗物質を結晶化して、表題化合物を固体として得た(9.5g、99%)。MS (M+): 152.
【0128】
中間体63. 3−[(2R)−2−アミノプロピル]フェノール
Journal of Medicinal Chemistry (5276) 2002, Vol. 45, No. 24.に記載の方法と同様の方法により、中間体62(9.5g、62.9mmol)およびD−酒石酸(9.4g、62.6mmol)から得た。表題化合物を固体として得た(2.1g、44%)。[α]D=−13.7°[c=1.17、MeOH].
【0129】
中間体64. tert−ブチル[(1R)−2−(3−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−カルバメート
中間体20に記載の方法と同様の方法により、中間体63(2.1g、13.9mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(3.08g、13.7mmol)および炭酸カリウム(3.2g、23.1mmol)から得た。表題化合物を固体として得て(3.5g、99.9%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 252.
【0130】
中間体65. tert−ブチル((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)カルバメート
中間体30に記載の方法と同様の方法により、中間体64(3.5g、13.8mmol)、中間体44(3.5g、13.5mmol)および水素化ナトリウム(60%、0.5g)から得た。表題化合物を固体として得て(5.8g、99.9%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 414.
【0131】
中間体66. ((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)−アミン
中間体8に記載の方法と同様の方法により、中間体65(5.8g、14mmol)および塩化水素(ジオキサン中、4M、20mL)から得た。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール/アンモニウム(40:4:0.2)で溶出して精製し、表題化合物を得た(2.5g、58%)。MS (M+): 314.
【0132】
中間体67. [5−((1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−2−(ベンジルオキシ)−フェニル]ホルムアミド
中間体25に記載の方法と同様の方法により、中間体66(0.3g、0.96mmol)、(R)−N−(2−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)フェニル)ホルムアミド(0.45g、0.97mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.4g、2.94mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.2g、2.86mmol)から得た(反応時間:50分)。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(1:99ないし2:99)で溶出して精製して、表題化合物を油状物として得た(0.3g、45%)。MS (M+): 698.
【0133】
中間体68. [5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ベンジルオキシ)フェニル]ホルムアミド
中間体33に記載の方法と同様の方法により、中間体67(0.3g、0.43mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.24g、0.92mmol)から得た。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(98:2ないし95:5)で溶出して精製して、表題化合物を油状物として得た(0.24g、95%)。MS (M+): 583.
【0134】
実施例12. (5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
【化14】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体68(0.24g、0.41mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.04g)から得た(反応時間:2時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(98:2ないし90:10)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.07g、38%)。1H−NMR (300 MHz, CDCl3): 0.93 (d, J=6.05 Hz; 3H); 1.49−1.7 (m, 14H); 1.92 (bs, 3H); 2.39−2.75 (m, 4H); 2.89 (bs, 1H); 3.9 (t, J=7.14 Hz; 2H); 4.47 (bs, 1H); 6.68−6.88 (m, 6H); 7.14−7.16 (m, 1H); 8.03 (s, 1H); 8.26 (s, 1H); 9.55 (s, 1H).
MS (M+): 493.
【0135】
中間体69. 5−((1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)−キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体66(2.25g、7.18mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(3.5g、7.16mmol)、炭酸水素ナトリウム(1.8g、21.55mmol)およびヨウ化ナトリウム(3.2g、21.48mmol)から得た(反応時間:1時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより、塩化メチレン/塩化メチレン:メタノール(1%ないし3%)で溶出して精製した。表題化合物を油状物として得た(2g、39%)。
MS (M+): 722.
【0136】
中間体70. 5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体33に記載の方法と同様の方法により、中間体69(2g、2.77mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(1.16g、4.44mmol)から得た(反応時間:2時間)。表題化合物を泡状物として得て(1.58g、94%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS (M+): 607.
【0137】
実施例13. 5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化15】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体70(1.58g、2.6mmol)およびパラジウム炭素(10%、0.28g)から得た(反応時間:2時間)。得られた粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(98:2ないし9:1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.83g、62%)。
1H−NMR (300 MHz, CDCl3): 0.92 (d, J=5.77 Hz, 3H); 1.47−1.69 (m, 14H); 1.92 (bs, 3H); 2.37−2.47 (m, 1H); 2.63−2.88 (m, 4H); 3.96 (t, J=7.14 Hz, 2H); 4.96 (bs, 1H); 6.49 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.65 (d, J=7.42 Hz, 1H); 6.71 (d, J=7.14 Hz, 1H); 6.89 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.03 (d, J=8.15 Hz, 1H); 7.11 (t, J=7.25 Hz, 1H); 8.15 (d, J=9.9 Hz, 1H).
MS (M+): 517.
【0138】
中間体71. メチルトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−2−イリデンアセテート
32mLのメタノール中、2−アダマンタノン(5g、33.28mmol)の溶液に、メチル2−(ジエトキシホスホアセテート)(9mL、49.68mmol)を添加した。反応混合物を0℃で冷却し、それにナトリウムメトキシド(30重量%の溶液)をゆっくり添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗物質を酢酸エチルおよび水で処理した。有機層を乾燥させて、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりヘキサン/酢酸エチル(90:1)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(6.41g、90%)。
【0139】
中間体72. メチル2−アダマンチルアセテート
メタノール(100mL)中、中間体71(6.4g、31.07mmol)の溶液に、ギ酸アンモニウム(7.8g、124.33mmol)を添加し、次いで、アルゴン下でパラジウム炭素(0.6g、10%)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。触媒をセライト(登録商標)を通して濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を水および酢酸エチルで処理し、有機層を抽出して、溶媒を減圧下で除去した。表題化合物を無色油状物として得た(6.2g、95%)。
【0140】
中間体73. 2−(2−アダマンチル)エタノール
無水テトラヒドロフラン中、リチウムアルミニウムハイドライド(1.58g、41.63mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン(55mL)中、中間体72(6.2g、29.76mmol)の溶液をゆっくり添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、水(12mL)、4N水酸化ナトリウム(12mL)および最後に再び水(36mL)を、該溶液に0℃で添加した。混合物を数分間撹拌し、得られた塩をセライト(登録商標)パッドを通して濾過して酢酸エチル(100mL)で洗浄した。粗物質を、水および塩化メチレンで処理し、有機層の溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を油状物として得て(4.83g、90%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0141】
中間体74. 2−(2−アダマンチル)エチルメタンスルホネート
中間体44に記載の方法と同様の方法により、中間体73(2.4g、13.31mmol)、トリエチルアミン(2.2mL、15.86mmol)および塩化メタンスルホニル(1.24mL、16.02mmol)から得た(反応時間:一晩)。表題化合物を油状物として得て(3.3g、95%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。
【0142】
中間体75. tert−ブチル (2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−カルバメート
中間体7に記載の方法と同様の方法により、中間体20(0.45g、1.92mmol)、中間体74(0.64g、2.48mmol)および炭酸セシウム(0.82g、2.53mmol)から得た。表題化合物を得て(0.77g、99%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS(M+): 400.
【0143】
中間体76. (2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、中間体75(0.788g、1.97mmol)およびエタノール(26mL)中、1.25M塩化水素から得た。表題化合物を黄色固体(0.5g、84%)として得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS(M+): 300.
【0144】
中間体77. 5−((1R)−2−[(2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体76(0.5g、1.67mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(0.81g、1.67mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.27g、3.33mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.05g、0.33mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:1)で溶出して精製して、表題化合物を黄色固体として得た(0.6g、51%)。MS(M+): 708.
【0145】
中間体78. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体19に記載の方法と同様の方法により、中間体77(0.6g、0.85mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.46g、1.45mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:4)で溶出して精製して、表題化合物を白色泡状物として得た(0.33g、66%)。MS(M+): 593.
【0146】
実施例14. 5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化16】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体78(0.33g、0.57mmol)およびパラジウム炭素(34mg、0.32mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(20:1ないし10:1)で溶出して精製して、表題化合物を白色固体として得た(0.15g、52%)。
1H−NMR (300 MHz, DMSO): 1.49 (d, J=12.09 Hz, 2H); 1.69−1.72 (m, 6H); 1.79−1.9 (m, 10H); 2.67−2.72 (m, 2H); 2.79−2.86 (m, 4H); 3.92−3.96 (m, 2H); 5.12 (bs, 1H); 6.52 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.83 (d, J=8.24 Hz, 2H); 6.93 (d, J=7.96 Hz, 1H); 7.08−7.1 (m, 3H); 8.18 (d, J=9.89 Hz, 1H).
MS(M+): 503.
【0147】
中間体79. tert−ブチル(2−{3−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)−カルバメート
中間体7に記載の方法と同様の方法により、中間体29(0.706g、2.98mmol)、中間体74(0.99g、3.83mmol)および炭酸セシウム(1.2g、3.87mmol)から得た。表題化合物を固体として得て(1.1g、99%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS(M+): 400.
【0148】
中間体80. (2−{3−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミン
中間体17に記載の方法と同様の方法により、中間体79(1.25g、3.13mmol)およびメタノール(40mL)中、1.25M塩化水素から得た(反応時間:一晩)。表題化合物を黄色油状物として得て(0.71g、76%)、それをさらなる精製なしに次工程に用いた。MS(M+): 300.
【0149】
中間体81. 5−((1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体32に記載の方法と同様の方法により、中間体80(0.711g、2.37mmol)、(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(1.1g、2.37mmol)、炭酸水素ナトリウム(0.4g、4.76mmol)およびヨウ化ナトリウム(70mg、0.47mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:1ないし90:2)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.712g、42%)。MS(M+): 708.
【0150】
中間体82. 5−[(1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−(ベンジルオキシ)キノリン−2(1H)−オン
中間体19に記載の方法と同様の方法により、中間体81(0.71g、1.01mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物(0.54g、1.71mmol)から得た。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(90:4)で溶出して精製して、表題化合物を固体として得た(0.48g、81%)。
【0151】
実施例15. 5−[(1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルエトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化17】


実施例1に記載の方法と同様の方法により、中間体82(0.48g、0.82mmol)およびパラジウム炭素(50mg、10%)から得た(反応時間:72時間)。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより塩化メチレン/メタノール(20:1ないし10:1)で溶出して精製して、表題化合物を淡黄色固体として得た(0.19g、46%)。
1H−NMR (300 MHz, DMSO): 1.49 (d, J=11.54 Hz, 2H); 1.69−1.90 (m, 16H); 2.63−2.79 (m, 6H); 3.93−3.97 (m, 2H); 5.01 (bs, 1H); 6.49 (d, J=9.89 Hz, 1H); 6.71−6.76 (m, 3H); 6.90 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.05 (d, J=8.24 Hz, 1H); 7.14 (t, J=7.97 Hz, 1H); 8.16 (d, J=9.89 Hz, 1H).
MS(M+): 503.
【0152】
中間体83. (R)−N−((R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エチル)−1−(3−(1−アダマンチル)−エトキシフェニル)プロパン−2−アミン
8mlのN−メチル−2−ピロリドン中、695mg(2.21mmol)の中間体66、710mg(1.76mmol)の(R)−(2−ブロモ−1−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エトキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン(US2004854829、実施例69e)および186mg(2.21mmol)の炭酸水素ナトリウムの混合物を、120℃で10時間撹拌する。過剰量の水を添加し、混合物を酢酸エチルで2回抽出する。有機層を水で洗浄し、乾燥させて、濃縮する。残渣(1.4g)を、シリカのクロマトグラフィーによりジクロロメタンで溶出して、次いでジクロロメタン/メタノール(100:1)で溶出して精製し、922mg(68%)の黄色油状物を得る。
【0153】
中間体84. N−(2−(ヒドロキシ)−2−(2,2−ジメチル−4H−ベンゾ[d][1,3]ジオキシン−6−イル)エチル)−1−(3−(1−アダマンチル)−エトキシフェニル)プロパン−2−アミン
30mlの無水THF中、928mg(1.26mmol)の中間体83および794mg(2.52mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウム三水和物を室温で一晩撹拌する。溶液を濃縮し、残渣を酢酸エチル/水に分配させる。有機層を水で洗浄し、乾燥させて、濃縮する。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(90:3)を溶離剤として用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、590mg(99.0%収率)の所望の化合物を黄色がかった油状物として得る。
【0154】
実施例16. 4−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
【化18】


5mlの酢酸中、510mg(0.99mmol)の中間体84および2.5mlの水を、80℃で1時間撹拌する。溶液を濃縮し、次いで、微量の酢酸を除去するためにシクロヘキサンを添加する。残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水 90:5:0.5で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを行い、341mg(69%収率)の表題化合物を無色泡状物として得る。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.07−1.10 (m, 3H)1.56−1.70 (m, 15H); 1.97 (bs, 4H); 2.61−2.94 (m, 6H); 4.00 (t, J=6.59 Hz, 2H); 4.43−4.55 (m, 1H); 4.80 (s, 2H); 6.66− 6.82 (m, 5H); 6.95 (bs, 1H); 7.11 (d, J=6.0 Hz, 1H); 7.15−7.21 (m, 2H); 7.26 (s, 2H).
MS (M+): 480.
【0155】
中間体85. メチル2,2−ジメチル−3−(3−(1−アダマンチル)エトキシフェニル)プロパノエート
4.05g(19.45mmol)のメチル3−(3−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジメチルプロパノエート(製造については、WO03/082205の148頁を参照)を、40mlのDMF中に溶解する。0.82gの水素化ナトリウム(60%懸濁液)を少しずつ添加する。室温で30分間撹拌後、10mlのDMF中、5.02g(19.43mmol)の中間体44の溶液をゆっくり添加する。溶液を60℃で16時間撹拌する。溶媒を減圧下で除去して、残渣を酢酸エチルと水との間に分配させる。有機層を水で洗浄し、乾燥させて、濃縮し、7.3gの油状物を得て、それをさらなる精製なしに次工程に用いる。
【0156】
中間体86. 2,2−ジメチル−3−(3−(1−アダマンチル)エトキシフェニル)プロピオン酸
6.68g(18.02mmol)の中間体85を、300mlのメタノール中に溶解する。30mlの水および50mlの2N NaOH溶液を添加し、該系を100℃(浴温度)で4時間撹拌する。メタノールを蒸発させ、過剰な水および2N HClを中性になるまで添加し、化合物を酢酸エチルで抽出する。有機層を水で洗浄し、乾燥させ、濃縮する。残渣(5.0g)を次工程にそれ自体用いる。
【0157】
中間体87. 1,1−ジメチル−2−(3−(1−アダマンチル)エトキシフェニル)エチルアミン
2.17g(6.09mmol)の中間体86を200mlのアセトン中に溶解する。1.95ml(13.99mmol)のトリエチルアミンを添加し、溶液を0℃まで冷却する。15mlのアセトン中、0.89ml(6.84mmol)のクロロギ酸イソブチルの溶液を該系に滴下する。0℃で30分後、10mlの水中、0.99g(15.23mmol)のアジ化ナトリウムの溶液をゆっくり添加し、さらに30分間、0℃で撹拌する。過剰量の水を添加し、該系をエチルエーテルで抽出して、それを水で洗浄し、乾燥させ、室温で濃縮する。残渣を15mlのトルエン中に溶解し、この溶液を150mlの還流トルエン(refluxing toluene)にゆっくり添加する。還流をさらに1時間行い、溶液を濃縮する。残渣を15mlのジオキサン中に溶解し、35mlの5N HClを添加し、該系を100℃で30分間撹拌する。溶液を2N NaOHで中性にして、エチルエーテルで抽出する。エーテル層を水で洗浄し、乾燥させ、濃縮する。残渣を、酢酸エチル/メタノール 10:1、次いで6:1で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを行い、1.46g(72%)の黄色がかった油状物を得る。
【0158】
中間体88. 8−(ベンジルオキシ)−5−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−(2−メチル−1−(3−(2−(1−アダマンチル)エトキシ)フェニル)プロパン−2−イルアミノ)エチル)キノリン−2(1H)−オン
N−メチルピロリジノン(5mL)中、中間体87(0.981g、3.0mmol)および(R)−8−(ベンジルオキシ)−5−(2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル)キノリン−2(1H)−オン(1.463g、2.99mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(0.471g、3.14mmol)および炭酸水素ナトリウム(0.352g、4.19mmol)を添加した。反応混合物を120℃で4時間加熱し、過剰の水に注いだ。有機層をジエチルエーテルで抽出して、水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン/メタノール(90:1ないし90:2)で溶出して精製して、0.748g(34%収率)の表題化合物を得た。
【0159】
中間体89. 8−(ベンジルオキシ)−5−(1−(ヒドロキシ)−2−(2−メチル−1−(3−(2−(1−アダマンチル)エトキシ)フェニル)プロパン−2−イルアミノ)エチル)キノリン−2(1H)−オン
テトラヒドロフラン(15mL)中、中間体88(0.748g、1.02mmol)の溶液に、0.546g(1.73mmol)のフッ化テトラブチルアンモニウムを添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗物質を酢酸エチルと水との間に分配させた。有機層を水で数回洗浄し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによりジクロロメタン/メタノール 90:4で溶出して精製して、0.505g(80%収率)の表題化合物を得た。
【0160】
実施例17. 5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
【化19】


15mlのメタノール中、中間体89(0.505g、0.81mmol)の溶液に、パラジウム炭素(10%、0.05g)を添加した。混合物を、バルーン圧下、室温で一晩水素化した。触媒を濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物質をエーテルで処理して、表題化合物を黄色固体として得た(0.43g、99%)。
1H−NMR (300 MHz, ジメチルスルホキシド−D6): 1.16 (s, 6H); 1.48−1.69 (m, 15H); 1.92 (bs, 2H); 2.50 (s, 1H); 2.87−2.99 (m, 4H); 3.98−4.02 (m, 2H); 5.40 (bs, 1H); 6.56 (d, J=9.8 Hz, 1H); 6.73−6.84 (m, 3H); 7.00 (d, J=8.1 Hz, 1H); 7.18−7.23 (m, 2H); 8.24 (d, J=9Hz, 1H).
MS (M+): 531.
【0161】
試験A
ヒトアドレナリンβおよびβ受容体結合アッセイ
ヒトアドレナリンβ1およびβ2受容体との結合の試験を、それらが過剰発現されているSf9細胞から調製された市販の膜(Perkin Elmer)を用いて実施した。
【0162】
アッセイ用緩衝液、12.5mM MgClおよび2mM EDTAを含む75mM Tris/HCl pH=7.4中の膜懸濁液(βについては16μg/ウェル、βについては5μg/ウェル)を、0.14nM H−CGP12177(Amersham)および異なる濃度の試験化合物と250μlの最終容量で、+0.3%PEIで前処理したGFCマルチスクリーン96ウェルプレート(Millipore)中でインキュベートした。1μMプロパノロール存在下で非特異的結合を測定した。インキュベーションは、穏やかに振とうさせながら、室温で60分間行った。濾過および2.5容量のTris/HCl 50mM pH=7.4での洗浄により結合反応を停止した。受容体に対するそれぞれの試験化合物の親和性を、少なくとも6種の異なる濃度を用いてデュプリケートで行うことにより測定した。IC50値を、SASを用いる非線形回帰により得た。
【0163】
本発明の化合物は、β受容体に対して5nM未満のIC50値およびβ受容体に対しては60nM以上のIC50値を有ことが見出され、β/β比は、12ないし1500であった。
【0164】
試験B
単離モルモット気管リングに対するアゴニスト活性および活性中和(offset of action)の測定(静止状態)
試験化合物および生成物
試験化合物を蒸留水に溶解した。これらのうちいくつかは、10%ポリエチレングリコール300および数滴の0.1N HClを用いて溶解する必要があった。イソプレナリンヘミ硫酸塩(Sigma I 5752)を蒸留水に溶解した。次いでストック溶液をクレーブスヘンゼライト溶液(NaCl 118mM、KCl 4.7mM、CaCl 2.52mM、MgSO 1.66mM、NaHCO 24.9mM、KHPO 1.18mM、グルコース 5.55mM、ピルビン酸ナトリウム 2mM)中に希釈し、それぞれの化合物毎に異なる濃度範囲を調製した。
【0165】
実験手順
気管リング中の化合物の活性を、上記の手順(Cortijo et al., Eur J Pharmacol. 1991, 198, 171−176)に従って評価した。簡単には、雄モルモット成体(400−500g)を、頭部を一撃し直ちに放血させて(腹部大動脈)屠殺した。気管を摘出し、ペトリ皿中のクレブス溶液中に入れた。付着した結合組織を取り除き、管腔(lumen)を静かにクレブス溶液で洗浄した。それぞれの気管を切断し、一つのリングとした。最初に、木綿糸を平滑筋の両側で軟骨に取り付けた。リングを、平滑筋バンドの反対側で、軟骨を切ることによって開いた。次いで、このリングの一端をストレインゲージに取り付け、そして他方の一端を静止張力1gのもとでオーガンバス(organ−bath)に取り付け、そしてこのリングの張力の変化を、アイソメトリックトランスデューサーを用いて測定した。このバスは、37℃で、酸素中5%COでガス化されたクレブス溶液を含んでいた。次いで、この組織を1時間そのままにして安定化させた。
【0166】
本実験のはじめに、試験リング弛緩のためにイソプレナリンを0.1μMの濃度で投与した。次いで、このリングをクレブス溶液で2回洗浄し、そして15−30分間回復させた。各化合物に関して、各投与間の最大間隔を30分にして、増大および累積濃度の範囲を(0.01nM〜0.1μM)投与した。最大濃度(完全な弛緩の達成)後、リング調製物を、1時間、15分毎に洗浄した。この実験の最後に、0.1μMのイソプレナリンを各調製物に投与し、最大の弛緩バック(relaxation back)を生じた。
【0167】
アゴニスト活性および活性中和の測定
アゴニスト活性を、クレブス溶液中で調製された試験化合物の累積的増大濃度をアッセイすることによって決定した。各応答のマグニチュードが測定され、そしてイソプレナリンによって誘発された最大弛緩に対する割合として現された。試験化合物の有効性値を、絶対項で表した(50%弛緩をもたらすのに必要な濃度、EC50)。
【0168】
50%活性中和までの時間を、試験化合物の投与終了から、50%回復を達成するまでの時間として定義する。回復時間は、試験化合物の投与後1時間で達成される回復(弛緩の喪失)の割合として表した。本発明の化合物は、60分で3%未満の回復を有する、5nM未満のEC50値を示した。
【0169】
試験C
モルモットにおけるアセチルコリン誘発性気管支収縮
試験化合物および生成物
試験化合物を蒸留水中に溶解した。それらのいくつかは、最大10%のポリエチレングリコール300を用いて溶解する必要があった。アセチルコリンHClは、Sigma(code A 6625)により供給され、生理食塩水の中に溶解した。
【0170】
実験手順
雄モルモット(450−600g)を、Harlan(Netherlands)により供給され、22±2℃の一定温度、湿度40〜70%、1時間当り10サイクルの室内換気で維持した。それらを、12時間サイクル(午前7時から午後7時まで)の人工照明で照らした。最低5日間の馴化期間後、動物に試験化合物を投与した。動物は実験の前に18時間絶食させ、水は自由摂取とした。
【0171】
モルモットを、試験化合物もしくはビークルのエアロゾルに曝露した。これらのエアロゾルを、Devilbiss噴霧器(Model Ultraneb 2000, Somerset, PA, SA)を用いて水溶液から発生させた。混合ガス(CO=5%、O=21%、N=74%)を3L/分で噴霧器から流した。この噴霧器は、それぞれの実験当り一匹の動物を入れた、メタクリレート製の箱(17×17×25cm)に連結されていた。それぞれのモルモットは、箱の中に合計10分間維持された。エアロゾルを、0分および5分の時にそれぞれ60秒間発生させた(およそ5mLの溶液を噴霧した)。
【0172】
0.1ないし300μg/mlのエアロゾル濃度の化合物を投与した。試験化合物の気管支保護作用を、投与後1時間もしくは24時間にMumed PR 800システムで評価した。
【0173】
気管支保護作用の測定および計算
モルモットを、容量1ml/kgでケタミン(43.75mg/kg)、キシラジン(83.5mg/kg)、およびアセプロマジン(1.05mg/kg)の筋肉内注射で麻酔した。手術部位を剃毛後、頚部の2〜3cmの正中切開を行った。頚静脈を単離して、ポリエチレンカテーテル(Portex Ld.)を挿入し、4分間隔でアセチルコリン(10および30μg/kg iv)のボーラス静注を許容した。頚動脈にカニューレを挿入して、Bentley Tracerトランスデューサーにより血圧を測定した。気管を切開して、テフロンチューブを挿入し、気流測定のためにFleisch呼吸気流計で連結した。動物を、Ugo Basileポンプを用いて容積10ml/kgで、呼吸回数60回/分の速度で人工呼吸した。経肺圧を、Celescoトランスデューサーに連結した食道カニューレ(Venocath−14, Venisystems)で測定した。一旦カニューレ挿入を完了すると、Mumed肺測定コンピュータープログラムによる肺の測定値の収集が可能になった。ベースライン値は、コンプライアンスについては0.3−0.9mL/cm HOの範囲内であり、肺抵抗(RL)については1秒当り0.1−0.199cm HO/mLの範囲内であった。
【0174】
吸入された化合物の気管支保護作用を、30μg/kg ivでのアセチルコリンにより誘発される気管支収縮の50%阻害をもたらしている試験化合物濃度(EC50)を用いて測定した。
【0175】
作用持続時間の決定
本発明の選択化合物は、長期作用を示す。本発明の化合物は、24時間でのED50/4時間でのED50の比が6未満を示す。
【0176】
医薬組成物
製剤は、都合よくは、単位投与量形態で存在していてよく、薬学分野で公知の何れかの方法により製造され得る。全ての方法は、活性成分(複数可)を担体と合わせる工程を含む。一般的に、製剤は均一に製造され、活性成分と液体担体または微粉化固体担体または両方とは密接に結合され、次いで、要すれば、所望の剤形に製品を成形される。
【0177】
経口投与に適する本発明の製剤は、一定量の活性成分をそれぞれ含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤;粉剤もしくは顆粒剤;水性液体もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液;または、油中水液体エマルジョンもしくは水中油液体エマルジョンのような、別個の単位として存在していてよい。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして存在していてもよい。
【0178】
シロップ製剤は、一般的に、液体担体中、例えば風味剤もしくは着色剤と共に、例えばエタノール、ピーナッツ油、オリーブ油、グリセリンまたは水中の、化合物または塩の懸濁液または溶液からなり得る。
【0179】
組成物が錠剤形態であるとき、固体製剤を製造するために常用される何らかの薬学的担体を用いることができる。かかる担体の例には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、アカシア、ステアリン酸、デンプン、ラクトースおよびスクロースが含まれる。
【0180】
錠剤は、圧縮または成形により、所望により1種以上の副成分と共に製造され得る。圧縮錠剤は、所望により、結合剤、滑剤(lubricant)、不活性希釈剤、滑性物質(lubricating)、界面活性剤もしくは分散剤と混合して、粉剤または顆粒剤のような易流動性の活性成分を適当な機械で圧縮することにより製造され得る。
【0181】
成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することにより製造され得る。所望により、錠剤は、コーティングされるか、または割線を入れられてよく、該錠剤中の活性成分の徐放もしくは制御放出を提供するように製剤化され得る。
【0182】
組成物がカプセル形態であるとき、例えば、硬ゼラチンカプセルにおいて上記の担体を用いるような、何らかの常套的な封入法が適当である。組成物が軟ゼラチンカプセル形態であるとき、分散剤もしくは懸濁剤を調製するために常用される何らかの薬学的担体、例えば、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩もしくは油が考慮されてよく、軟ゼラチンカプセル中に組み込まれる。
【0183】
吸入による肺への局所送達用の乾燥粉末組成物は、例えば、吸入器もしくは吹き入れ器(insufflator)での使用のために、例えばゼラチンカプセルおよびカートリッジ、または例えば、はり合わせアルミニウム箔のブリスターの中に提供され得る。製剤は、一般的に、本発明の化合物およびラクトースもしくはデンプンのような適当な粉末ベース(担体物質)の吸入用の粉末ミックスを含む。ラクトースの使用が好ましい。
【0184】
それぞれのカプセルもしくはカートリッジは、一般的に、2μgないし150μgの各治療的活性成分を含み得る。あるいは、活性成分(複数を含む)は、賦形剤を使用せずに提供され得る。
【0185】
製剤の包装は、単位用量または複数回用量の送達のために適当であり得る。複数回用量の送達のときには、製剤を予め計量するか、または使用時に計量することができる。故に、乾燥粉末吸入器は、3つの群:(a)単回用量デバイス、(b)複数の単位用量デバイス、および(c)複数回用量デバイスに分類される。
【0186】
第一のタイプの吸入器については、単回用量は、大抵は硬ゼラチンカプセルである小さい容器中に製造業者により量り入れられている。カプセルは、分離している箱もしくは容器から取り出され、吸入器の受容部位(receptacle area)に挿入されなければならない。次に、カプセルを開封するか、ピンまたは切刃で孔を開けて、吸入の際の遠心力を用いてこれらの孔を通してカプセルから粉剤を飛散させるか、または排出させるために、吸気流がカプセルを通ることを可能にしなければならない。吸入後、空のカプセルを吸入器から再び取り外さなければならない。大抵は、カプセルを挿入し、かつ取り外すために吸入器の分解が必要であり、このことは、ある患者にとって困難であり、かつ負担となり得る操作である。
【0187】
吸入粉末用の硬ゼラチンカプセルの使用に関する他の欠点は、(a)周囲空気からの湿気の取り込みに対する予防が不十分であること、(b)カプセルが以前に極度の相対湿度に暴露されていた後での開封もしくは穿孔に関する問題(破裂もしくは切込み(indenture)を引き起こす)、および(c)カプセル破片の吸入の可能性、である。さらに、多くのカプセル吸入器について、不十分な放出が報告されている(例えば、Nielsen et al, 1997)。
【0188】
カプセル吸入器の中には、WO92/03175に記載の通り、それから個々のカプセルを受入チャンバー(receiving chamber)(その中で穿孔および排出が起こる)へ移動することができる貯蔵庫を有しているものもある。他のカプセル吸入器は、用量放出のための空気路と直線上に並び得るカプセルチャンバーを有する回転式貯蔵庫を有する(例えば、WO91/02558およびGB2242134)。それらには、ディスクまたはストリップ上に供される限定された数の単位用量を有するブリスター吸入器と共に複数回単位用量型の吸入器が含まれる。
【0189】
ブリスター吸入器は、カプセル吸入器と比較して、優れた薬剤の湿気防止を提供する。粉剤の利用は、カバーならびにブリスター箔を穿孔すること、またはカバー箔を剥離することにより可能である。ブリスター細片(blister strip)をディスクの代わりに用いるとき、用量の数を増すことができるが、空の細片(strip)を除去することは患者にとって不便である。故に、そのような装置はしばしば、細片の輸送およびブリスターポケットの開口に用いる技術を含む組み込み用量システムと共に廃棄可能である。
【0190】
複数回用量吸入器は、予め測定された量の粉末製剤を含有していない。それらは、比較的大きい容器および患者によって用いられるべき用量測定方式(dose measuring principle)で構成される。該容器は、容量置換(volumetric displacement)により大量の粉末から個別に単離される複数回用量を含有する。回転膜(例えば、EP0069715)もしくはディスク(例えば、GB2041763;EP0424790;DE4239402およびEP0674533)、回転可能シリンダー(例えば、EP0166294;GB2165159およびWO92/09322)および回転可能錐台(例えば、WO92/00771)を含む様々な用量測定方式が存在し、それらは全て、容器からの粉末で充填されるべき空洞を有している。他の複数回用量デバイスは、測定用スライド(例えば、US5201308およびWO97/00703)、または一定量の粉末を容器から送達チャンバーもしくは空気路(air conduit)に移動させるための局所または周辺のくぼみを持つ測定用プランジャー(例えば、EP0505321、WO92/04068およびWO92/04928)を有している。
【0191】
再現性のある用量測定は、複数回用量吸入デバイスにとって主要な関心の一つである。
【0192】
粉末製剤は、投与量を測定するカップもしくは空洞の充填が大抵は重力の影響下にあるため、良好でかつ安定な流動特性を示さなければならない。
【0193】
再充填された単回用量および複数の単位用量吸入器については、用量測定精度および再現性は、製造業者により保証され得る。他方、複数回用量吸入器は、遥かに多数の用量を含有することができ、投与量を充填するための操作数は、一般的により少ない。
【0194】
複数回用量デバイス中の吸気性気流は、用量を測定する空洞をしばしば真っすぐに横切り、そして複数回用量吸入器の大量かつ厳格な用量測定システムは、この吸気性気流によりかき混ぜられ得ないため、粉末塊は空洞から単に飛沫同伴されて、放出中に解凝集がほとんど得られない。
【0195】
その結果として、個別の崩壊手段が必要である。しかしながら、実際には、それらは必ずしも吸入器のデザインの一部でなくてよい。複数回用量デバイス中の多数の用量のために、空気路の内壁上の粉剤付着および解凝集手段は最小でなければならず、そして/または、これらの部分の定期的な洗浄が、デバイス内の残存用量に影響することなく可能でなければならない。ある複数回用量吸入器は、規定数の用量が利用された後、取り替えられ得る使い捨ての薬物容器を有する(例えば、WO97/000703)。使い捨ての薬物容器を有するそのような半永久的な複数回用量吸入器のために、薬物の蓄積を防止する要求がなお更に厳格である。
【0196】
乾燥粉剤吸入器による利用とは別に、本発明の組成物を、噴射ガスにより、もしくはいわゆる噴霧器により操作するエアロゾルで投与することができ、それを介して薬理学的に活性な物質の溶液を、吸入可能な粒子の霧が生じるように、高圧下で噴霧することができる。これらの噴霧器の利点は、噴射ガスを全く使用しなくてよいことである。
【0197】
かかる噴霧器は、例えば、PCT特許出願番号WO91/14468および国際特許出願番号WO97/12687(参照により、その内容は本明細書中に包含される)に記載されている。
【0198】
吸入による肺への局所送達用の噴霧組成物は、例えば、水性の液剤もしくは懸濁剤として、または適当な液化噴射剤を使用して、定量用量吸入器のような、加圧パックから送達されるエアロゾルとして製剤され得る。吸入に適するエアロゾル組成物は、懸濁剤もしくは液剤のいずれかであり、一般に、活性成分(複数を含む)およびフルオロカーボンまたは水素含有のクロロフルオロカーボンまたはそれらの混合液、特にヒドロフルオロアルカン、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、とりわけ1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパンまたはそれらの混合液のような、適当な噴射剤を含有する。二酸化炭素または他の適当なガスもまた、噴射剤として使用可能である。
【0199】
エアロゾル組成物は、賦形剤不含有か、または所望により界面活性剤、例えばオレイン酸もしくはレシチン、および共溶媒、例えばエタノールのような、当分野で周知のさらなる製剤賦形剤を含有していてよい。加圧式製剤は、一般的に、バルブ(例えば、定量バルブ)で閉じられて、マウスピースを備えたアクチュエーター中に取り付けたキャニスター(例えば、アルミニウムキャニスター)中に保持され得る。
【0200】
吸入による投与用医薬品は、制御された粒子サイズを有することが望ましい。気管支系内に吸入するための最適な粒子サイズは、通常1〜10μ、好ましくは2〜5μである。20μ以上のサイズを有する粒子は、吸入されるときに末梢気道に到達するときには一般的には大き過ぎる。これらの粒子サイズを達成するために、製造される活性成分の粒子を、通常の手段により、例えば微粉化法により、サイズを縮小することができる。望ましい画分を、空気分類(air classification)もしくは篩過により分離し得る。好ましくは、粒子は結晶であり得る。
【0201】
微分化粉剤で高用量の再現性を達成することは、それらの貧弱な流動性および極度に高い凝集化傾向のために困難である。乾燥粉剤組成物の効率を改善するために、粒子は、吸入器中では大きいが、気道中に排出されるときには小さくなければならない。故に、ラクトースもしくはグルコースのような賦形剤が一般的に用いられる。賦形剤の粒子サイズは、通常、本発明内では吸入される薬剤より遥かに大きいであろう。賦形剤がラクトースであるとき、それは、典型的に粉末ラクトース、好ましくは結晶性アルファラクトース一水和物として存在し得る。
【0202】
加圧エアロゾル組成物は、バルブ、とりわけ定量バルブを備えたキャニスター中に一般的に充填され得る。キャニスターは、WO96/32150に記載の通り、所望により,例えばフルオロカーボン高分子であるプラスチック材で被膜され得る。キャニスターは、口腔送達用に適した作動装置の中に組み込まれるであろう。
【0203】
経鼻送達用の典型的な組成物には、吸入用に上記のものが含まれ、そして更に、経鼻ポンプにより投与され得る緩衝剤、抗菌剤、等張性修飾剤および粘膜接着剤のような常用の賦形剤を所望により併用する、水のような不活性ビークル中の溶液もしくは懸濁剤の形態の非加圧性組成物を含む。
【0204】
典型的な皮膚および経皮製剤は、従来の水性または非水性のビークル、例えばクリーム、軟膏、ローションもしくはペーストを含むか、または薬剤添加絆創膏、パッチもしくは膜の形態である。
【0205】
好ましくは、組成物は、単位投与量形態、例えば錠剤、カプセル剤もしくは一定量のエアロゾル用量であって、それにより患者は単一用量を投与し得る。
【0206】
それぞれの投与量単位は、適当には、1μgないし100μg、そして好ましくは5μgないし50μgの本発明のβ2−アゴニストを含む。
【0207】
治療効果を達成するために必要であるそれぞれの活性剤の量は、もちろん、特定の活性剤、投与経路、処置対象、および処置されている特定の障害もしくは疾患によって変わり得る。
【0208】
活性成分を、望ましい活性を呈示するのに十分な、1日1〜6回投与することができる。好ましくは、活性成分を1日1回もしくは2回投与する。
【0209】
本発明の組成物は、所望により、PDE4阻害剤、コルチコステロイドまたはグルココルチコイドおよび/または抗コリン薬のような呼吸器障害の処置に有用であることが知られている1種以上のさらなる活性物質を含んでいてよい。
【0210】
β2アゴニストと組合せ得る適当なPDE4阻害剤の例は、デンブフィリン、ロリプラム、シパムフィリン(cipamfylline)、アロフィリン、フィラミナスト(filaminast)、ピクラミラスト、メソプラム(mesopram)、塩酸ドロタベリン、リリミラスト(Lirimilast)、ロフルミラスト、シロミラスト、オグレミラスト、アプレミラスト(apremilast)、6−[2−(3,4−ジエトキシフェニル)チアゾール−4−イル]ピリジン−2−カルボン酸(テトミラスト)、(R)−(+)−4−[2−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−2−フェニルエチル]ピリジン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−5−ヒドロキシ−1H−インドール−3−イル]−2−オキソアセトアミド(GSK−842470)、9−(2−フルオロベンジル)−N6−メチル−2−(トリフルオロメチル)アデニン、N−(3,5−ジクロロ−4−ピリジニル)−8−メトキシキノリン−5−カルボキサミド、N−[9−メチル−4−オキソ−1−フェニル−3,4,6,7−テトラヒドロピロロ[3,2,1−jk][1,4]ベンゾジアゼピン−3(R)−イル]ピリジン−4−カルボキサミド、3−[3−(シクロペンチルオキシ)−4−メトキシベンジル]−6−(エチルアミノ)−8−イソプロピル−3H−プリン塩酸塩、4−[6,7−ジエトキシ−2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン−1−イル]−1−(2−メトキシエチル)ピリジン−2(1H)−オン、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール、ONO−6126(Eur Respir J 2003, 22(Suppl. 45): Abst 2557)、ならびにPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692において特許請求される化合物である。
【0211】
β2アゴニストと組合され得る適当なコルチコステロイドおよびグルココルチコイドの例は、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメサゾン、デキサメサゾンシペシル酸エステル、ナフロコート(naflocort)、デフラザコート、酢酸ハロプレドン、ブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、トリアムシノロンアセトニド、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、ピバル酸クロコルトロン、アセポン酸メチルプレドニゾロン、パルミチン酸デキサメサゾン(dexamethasone palmitoate)、チプレダン(tipredane)、アセポン酸ヒドロコルチゾン、プレドニカルベート(prednicarbate)、ジプロピオン酸アルクロメタゾン(alclometasone)、プロピオン酸ブチキソコート、RPR−106541、ハロメタゾン、スレプタン酸メチルプレドニゾロン、フロ酸モメタゾン、リメキソロン、ファルネシル酸プレドニゾロン、シクレソニド、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸ハロベタゾール、エタボン酸ロテプレドノール、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、フルニソリド、プレドニゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、トリアムシノロン、17−吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、リン酸プレドニゾロンナトリウム、ならびにヒドロコルチゾンプロブテート(probutate)である。
【0212】
β2アゴニストと組合せ得る適当なM3アンタゴニスト(抗コリン薬)の例は、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、トロスピウム塩、レバトロパート、エスパトロパート、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキナゾリン−3−カルボン酸 エンド−8−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル エステル塩(DAU−5884)、3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−1−シクロブチル−1−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−2−オン(NPC−14695)、N−[1−(6−アミノピリジン−2−イルメチル)ピペリジン−4−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロ−1(R)−シクロペンチル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトアミド(J−104135)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−[4(S)−メチルヘキシル]ピペリジン−4−イル]−2−フェニルアセトアミド(J−106366)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−N−[1−(4−メチル−3−ペンテニル)−4−ピペリジニル]−2−フェニルアセトアミド(J−104129)、1−[4−(2−アミノエチル)ピペリジン−1−イル]−2(R)−[3,3−ジフルオロシクロペント−1(R)−イル]−2−ヒドロキシ−2−フェニルエタン−1−オン(万有−280634)、N−[N−[2−[N−[1−(シクロヘキシルメチル)ピペリジン−3(R)−イルメチル]カルバモイル]エチル]カルバモイルメチル]−3,3,3−トリフェニルプロピオンアミド(万有 CPTP)、2(R)−シクロペンチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸 4−(3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−3−イル)−2−ブチニルエステル(Ranbaxy 364057)、UCB−101333、メルクのOrM3、7−エンド−(2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセトキシ)−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.0(2,4)]ノナン塩、7−(2,2−ジフェニルプロピオニルオキシ)−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン塩、7−ヒドロキシ−7,9,9−トリメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナン 9−メチル−9H−フルオレン−9−カルボン酸エステル塩であり、それらの全ては、所望によりそれらのラセミ体、そのエナンチオマー、そのジアステレオマーおよびそれらの混合物、ならびに所望によりそれらの薬理学的に適合性の酸付加塩形態である。該塩のうち、塩化物、臭化物、ヨウ化物およびメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0213】
特に好ましい本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物、ならびにフロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラスト、およびPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692において特許請求される化合物からなる群から選択される1種以上の付加的治療剤の治療的有効量を含む。
【0214】
故に、本発明の一局面において、該組成物は、式(I)の化合物およびコルチコステロイドを含む。特に好ましいコルチコステロイドは、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択されるものである。
【0215】
本発明の別の局面において、該組成物は、式(I)の化合物および抗コリン薬を含む。特に好ましい抗コリン薬は、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群から選択されるものである。該組成物は、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択されるコルチコステロイドをさらに含み得る。
【0216】
本発明のさらに他の局面において、該組成物は、式(I)の化合物およびPDE4阻害剤を含む。特に好ましいPDE4阻害剤は、ロリプラム、ロフルミラスト、シロミラスト、ならびにPCT特許出願番号WO03/097613、WO2004/058729、WO2005/049581、WO2005/123693およびWO2005/123692に特許請求される化合物からなる群から選択されるものである。該組成物は、フロ酸モメタゾン、シクレソニド、ブデソニド、フロ酸フルチカゾンおよびプロピオン酸フルチカゾンからなる群から選択されるコルチコステロイドをさらに含み得る。本発明の化合物およびPDE4阻害剤に加えて、該組成物は、チオトロピウム塩、グリコピロニウム塩、3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩および1−(2−フェニルエチル)−3−(9H−キサンテン−9−イルカルボニルオキシ)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩からなる群から選択される抗コリン薬をさらに含み得る。
【0217】
本発明の好ましい態様において、該組成物は、式(I)の化合物ならびに治療的有効量の3−[2−ヒドロキシ−2,2−ビス(2−チエニル)アセトキシ]−1−(3−フェノキシプロピル)−1−アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン塩を含む。要すれば、該組成物は、コルチコステロイドおよび/またはPDE4阻害剤をさらに含む。
【0218】
本発明の別の好ましい態様において、該組成物は、式(I)の化合物および治療的有効量のフロ酸モメタゾンを含む。要すれば、該組成物は、抗コリン薬および/またはPDE4阻害剤をさらに含む。
【0219】
本発明の別の態様において、該組成物は、式(I)の化合物、コルチコステロイド、抗コリン薬およびPDE4阻害剤を含む。
【0220】
本発明の組合せ剤は、呼吸器疾患の処置に使用することができ、その際、気管支拡張剤の使用は、例えば喘息、急性もしくは慢性気管支炎、気腫、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対して有益な効果を有すると期待されている。
【0221】
組合せ剤中の活性化合物、すなわち、本発明のβ2アゴニストならびにPDE4阻害剤、コルチコステロイドまたはグルココルチコイドおよび/または抗コリン薬は、同一のもしくは異なる経路により、同一の医薬組成物で、または個別、同時、併用もしくは逐次投与を意図した異なる組成物で、共に投与され得る。
【0222】
全ての活性物質は同時にもしくは非常に近い時間内に投与されることが意図されている。あるいは、1種もしくは2種の活性物質を朝に、そして他のもの(複数を含む)を同日のその後に投与することができる。または、別の計画では、1種もしくは2種の活性物質を1日2回、そして他のもの(複数を含む)を1日2回行われる投与のうちの投与の1回と同時に、または別個に、1日1回投与することができる。好ましくは、少なくとも2種の、より好ましくは全ての活性物質が、同時に共に投与され得る。好ましくは、少なくとも2種の、より好ましくは全ての活性物質を、混合剤として投与し得る。
【0223】
本発明の活性物質組成物は、好ましくは、吸入器、とりわけ乾燥粉剤吸入器を用いて送達される吸入用組成物の形態で投与されるが、しかしながら、非経口または経口適用の何れか他の形態が可能である。ここで、吸入組成物の適用は、とりわけ閉塞性肺疾患の治療もしくは喘息の処置のために、好ましい適用形態を具体化している。
【0224】
本発明の活性化合物の製剤用のさらなる適当な担体は、「レミントン:薬局の科学および実践、第20版」(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition)、Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, Pa., 2000中に見出すことができる。以下の非限定的実施例は、本発明の代表的な医薬組成物を例示する。
【0225】
製剤例1(経口懸濁剤)
【表1】

【0226】
製剤例2(経口投与用の硬ゼラチンカプセル)
【表2】

【0227】
製剤例3(吸入用のゼラチンカートリッジ)
【表3】

【0228】
製剤例4(DPIで吸入用の製剤)
【表4】

【0229】
製剤例5(MDI用の製剤)
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
は、−CHOHおよび−NH(CO)Hから選択される基であり、そして
は、水素原子であるか;または
はRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成し、
3aおよびR3bは、独立して、水素原子およびC1−4アルキル基からなる群から選択され、
nは、1ないし3の整数を示し、
Adは、1−アダマンチルまたは2−アダマンチル基である。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物または立体異性体。
【請求項2】
が−NH(CO)H基であり、Rが水素原子であるか;または、RがRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成する、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
3aおよびR3bが、独立して、水素原子およびメチル基からなる群から選択される、請求項1ないし3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
3aが水素原子であり、R3bが、水素原子およびメチル基からなる群から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
nが1または2である、請求項1ないし5のいずれか一項記載の化合物。
【請求項7】
nが2である、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
式(IA):
【化2】


[式中、R、R、R3a、R3b、nおよびAdが、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の通りである。]
で示される、請求項1ないし7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項9】
式(IA):
【化3】


[式中、
がRと一体となって、基−NH−C(O)−CH=CH−(ここで、窒素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合し、そして炭素原子は、Rを有するフェニル環中の炭素原子と結合する)を形成し、
3aが水素原子であり、そしてR3bが、水素原子およびメチル基からなる群から選択され、そして
nが2である。]
で示される、請求項1ないし8のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
5−{(1R)−2−[((1R,S)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
(5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
4−{2−[(2−{4−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[4−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(1−アダマンチルメトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{3−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[3−(1−アダマンチル)プロポキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
(5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
(5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−ヒドロキシフェニル)ホルムアミド
5−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−{(1R)−2−[(2−{4−[2−(2−アダマンチル)エトキシ]フェニル}エチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
5−[(1R)−2−({2−[3−(2−アダマンチルエトキシ)フェニル]エチル}アミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
4−{(1R)−2−[((1R)−2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1−メチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−2−(ヒドロキシメチル)フェノール
5−{(1R)−2−[(2−{3−[2−(1−アダマンチル)エトキシ]フェニル}−1,1−ジメチルエチル)アミノ]−1−ヒドロキシエチル}−8−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン
のうち1つの化合物、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項11】
治療的有効量の請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項12】
組成物が治療的有効量の1種以上の他の治療剤をさらに含む、請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
他の治療剤がコルチコステロイド、抗コリン薬、またはPDE4阻害剤である、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
組成物が吸入投与用に製剤される、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載の化合物および1種以上の他の治療剤を含んでなる組合せ剤。
【請求項16】
他の治療剤がコルチコステロイド、抗コリン薬、またはPDE4阻害剤である、請求項15に記載の組合せ剤。
【請求項17】
ヒトまたは動物体の処置における使用のための、請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項18】
β2アドレナリン受容体活性に関連する病状または疾患の処置における使用のための、請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項19】
病状または疾患が肺疾患から選択される、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
病状または疾患が、喘息または慢性閉塞性肺疾患である、請求項18記載の化合物。
【請求項21】
病状または疾患が、早産(preterm labor)、緑内障、神経障害、心臓障害、および炎症からなる群から選択される、請求項18に記載の化合物。
【請求項22】
請求項18ないし21のいずれか一項記載の病状または疾患の処置のための医薬の製造における、請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項23】
請求項18ないし21のいずれか一項記載の病状または疾患を有する対象の処置方法であって、該対象に、有効量の請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項24】
治療的有効量の1種以上の他の治療剤を投与することをさらに含む、請求項23記載の方法。
【請求項25】
他の治療剤がコルチコステロイド、抗コリン薬、またはPDE4阻害剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
β2アドレナリン受容体の活性を調節する方法であって、β2アドレナリン受容体を、調節量の請求項1ないし10のいずれか一項記載の化合物を用いて刺激することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−505343(P2011−505343A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535263(P2010−535263)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009469
【国際公開番号】WO2009/068177
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(598032139)アルミラル・ソシエダッド・アノニマ (69)
【氏名又は名称原語表記】Almirall, S.A.
【Fターム(参考)】