説明

ごみ焼却処理装置

【課題】 任意の種類の廃棄物等の可燃性のごみを、処理炉の下部中央部でのみ外気を吹き込んで燃焼処理することで、その燃焼に際して有害ガス等が発生することを極力抑制して、燃焼効率を良くする。
【解決手段】 廃棄物を処理する処理装置1では、燃焼部10の周囲を側部空間13を設けるように、内外の板11,12で囲み、内部に向けて少量の空気を吹き込む給気部材30……から、磁界を通した空気を少量ずつ供給して、蒸し焼き状態で燃焼させる処理を行う。そして、前記燃焼処理部30で発生した燃焼ガスの一部を、燃焼処理部の側部の空間33に通して、再び燃焼部に戻して低温で燃焼させる処理を行うとともに、炉から排出されたガスを脱臭器70を通して無害化し、外気に排出して処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理炉本体の中央部に設けた燃焼部で、可燃性の廃棄物を高温で燃焼させて処理し、その燃焼部の周囲では次第に低温となる環境で加熱する作用と、廃棄物の含有する水分等の揮発成分を分離する廃棄物処理装置に関する。特に、紙ごみのような燃えやすい可燃ごみの他に、落ち葉や水分を少し乾燥させた植物、家庭から発生する生ごみのような廃棄物、小規模事業所で発生するごみ類やプラスチック等の廃棄物を、悪臭や有害ガス等の公害を発生させずに、能率良く焼却処理する装置に関する。
【0002】
そして、可燃ごみをその燃焼部の中心部で高温で燃焼させ、その高温の部分の周囲では低温で燻焼させること、および乾燥させるようにしてから、中央部で燃焼させて処理する方式を用いている。したがって、廃棄物を燃焼させるに際して、ダイオキシンのような有害成分が、排気とともに排出されることがなく、装置の管理と維持が容易な処理装置を提供することを目的としている。
【背景技術】
【0003】
一般の小規模の事業所等から排出される可燃性の可燃ごみは、家庭から排出されるごみとは区別されて、廃棄物処理会社の回収車両等で収集されることが多く、その回収されたものを、産業廃棄物の処分会社の焼却炉等で、まとめて処理されるような方法を用いていることが多い。また、一般の家庭から排出されるごみと合わせて、大規模な焼却処理場に集めて、大量のごみを1か所にまとめた状態で、効率良く焼却処理することが一般的な処分方法として採用されていることであり、その焼却処理により発生する燃え残りの焼却灰や不燃成分を、埋立て処理することも行われている。
【0004】
前記小規模な事業所等から排出される廃棄物は、紙ごみと他の可燃性の可燃ごみをまとめて、自社の敷地内に設置している小型の焼却炉を用いて焼却処理し、焼却灰のみを捨てるような処理方法が採用されていることが多い。そして、前記紙ごみを自社の敷地内で焼却処分することで、社内の秘密を記載した文書が外部に漏れ出すことがなく、秘密を社内に封じ込めることができるものとして、秘密の外部への漏れ出しを防止することも兼ねた処理も同時に行われている。
【0005】
しかしながら、小型の燃焼炉等を用いて、小規模の事業所等から発生する紙ごみ、木屑やその他の可燃性の廃棄物を焼却処理しようとする場合に、従来の燃焼処理装置のような装置を用いると、燃焼の管理が良く行われないことから、ダイオキシンのような有害ガスが発生しやすいといわれている。特に、小型の燃焼炉を用いて、多種類の可燃性の廃棄物を混合したものを焼却処分する場合には、水分の多いごみや燃えにくいもの等が混在することから、不完全燃焼状態が発生しやすく、その結果として悪臭や異臭が多く発生されることがある。
【0006】
さらに、前記従来の小型の焼却炉では、内部に均一に空気を供給する作用が良好に行われずに、一部では高温で燃焼するが、他の部分では低温で蒸し焼き状態となったりして、特に、ダイオキシンが発生されやすい温度で燃焼する部分が形成されやすい。
その他に、紙ごみや木屑に混じって破棄されるプラスチック等が、不完全な蒸し焼き状態で燃焼する部分では、完全に燃焼させることができない状態となり、煙や異臭を放つガスが発生する等して、周囲に迷惑をかけることも多いという問題もある。
【0007】
そこで、前述したような有害ガスが発生することや、悪臭が発生することの問題に対処させるために、特許文献1に開示されているような、処理手段を用いて処分処分することも提案されている。前記従来例においては、低温でごみを焼却処理する技術手段を用いることで、ダイオキシン等のような有害ガスや、悪臭・異臭が発生することをも防止でき、設備の小型化を達成可能で、処理作業を容易にできるという、多くの目的を同時に達成できるものであると説明されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−136249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記従来例に開示されている装置により処分する方法を用いようとする場合でも、その明細書に開示されている技術手段は、実現可能性に疑問がある。つまり、従来例に開示されているところの無酸素燃焼等の燃焼方式は、容易に採用し得るようには開示されてないものである。したがって、前記従来公知の文献からは、実際に他の人がその発明を利用できないという課題が残っているもので、実際に可燃性の廃棄物を無害化処理することは、前記公開されている技術手段を用いることによっては、容易には行い得ないと推定されるのである。また、従来技術によっては、燃焼に用いるガス体の供給機構と排気ガスの排出処理の方法との、そのいずれの方法も、比較的面倒な処理方式を用いて行われるために、その装置の維持管理が容易に行われ難いと考えられるものであり、解決を要する課題が多く残っている。
【0009】
本発明は、可燃ごみをその燃焼部の中央部分で高温で燃焼させ、その高温の部分の周囲では、外側に至るほど低温で蒸し焼きにする状態と、その周囲の低温域では水分を蒸発させる処理とを行うような、熱(燃焼)処理する手段を用いている。そして、燃焼効率を向上させ得るとともに、ダイオキシン等の有害ガス体が発生することを防止できて、小型の装置を用いて可燃ごみの処理を容易に行い得る装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、処理炉の上から可燃性の被処理物を投入し、炉の下部の略中央部に設ける燃焼域で少量の空気を供給しながら熱処理を行い、
燃焼物の残渣を処理炉の下部から排出させるよう構成した処理装置に関する。
請求項1の発明は、前記被処理物を処理する処理炉本体は、燃焼部を囲むように設けた内壁部材と外壁部材とを、一定の間隔を持たせて二重の壁として配置し、前記内外の壁の間に空気を流通させ得る側部空間を設けて構成し、
前記熱処理部と側部空間の間の内壁の上下部に、各々連通部を設けて、被処理物の燃焼により発生するガス体を案内する経路とし、
前記熱処理部の燃焼部で、被処理物の燃焼により発生する燃焼ガスを、前記側部空間を通して燃焼部に向けて再び案内するようにして循環させて、可燃ガス成分が生のままで排出されないように処理するとともに、
前記処理炉本体の排気路に対して浮遊粉塵の処理手段と、未燃焼ガスを加熱処理する手段とを接続して配置し、無害化と無臭処理を施した燃焼ガスを、外部に排出させるように構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、前記処理炉本体の上部に設ける投入口に、開閉扉の開閉に連動して動作する逆風吹き出し防止装置を別に設け、
前記処理炉本体に処理物を追加供給する際に、開閉扉を開く動作に連動させて、前記吹き出し防止装置を動作させ、
炉内の燃焼ガスが投入口から吹き出すことを防止しながら、処理物の追加投入を可能としたことを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、前記処理炉本体は、断面が略六角形状で上部の断面積が広く、下部に至るほど断面積が小さく形成され、その内部に収容する被処理物を加熱しながら、下降させる作用を良好に維持できるようにすることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、前記処理炉本体の燃焼部に向けて外気を供給する給気装置には、炉の下部の中央部に向けて空気を供給するノズルを設け、
前記給気ノズルに対して、磁界を通した外気を供給する給気経路を設け、
前記燃焼部に向けて磁界を通した空気を供給するための給気装置は、炉の中心部に対して2つの方向から、各々の軸線の高さが異なる位置にノズルの給気口を配置し、
前記給気装置には、燃焼部に供給する空気量を調節する手段を設け、
前記給気手段の磁界を通った外気を用いて、熱処理部の燃焼部の略中央部で、被処理物を燃焼させる処理を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、前記処理炉本体から排出される燃焼ガスを処理するために接続される排気処理部においては、燃焼ガスを水に接触させて浮遊物を除去する浮遊粉塵の処理手段と、
燃焼ガスを加熱通路に通して処理する手段とを設け、
燃焼ガス中に含まれる不純物と未燃焼ガスとを、前記2つの処理手段を通してから排出することを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、前記処理炉から排出される燃焼ガスに、水を吹き付けて処理する排気処理手段においては、前記燃焼ガスに含まれる浮遊物と、水に溶け得るガス体とを水に含ませて分離し、前記不純物を含んだ処理水は、処理炉本体内に収容されている処理物に添加して、燃焼物とともに燃焼処理することを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、前記排ガスの処理工程において、燃焼部で処理できなかった汚染水は、貯水槽から取り出して、別個に無害化する処理を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、前記排気処理部から排出されるガス体に対して、不純物と未燃焼ガスとを熱処理するガス処理手段を設け、前記ガス処理手段を通して、炉から排出された不純物と未燃焼ガスとを熱処理して、無害化された燃焼ガスを大気に排出可能とすることを特徴とする。
【0018】
前述したように構成したことにより、本発明の熱処理装置は、小規模の事業所等のように、比較的少量のごみ等の可燃ごみが排出される発生源の近くに設置して、何時でもごみを燃焼させて処理するために用いることができる。そして、大型の大規模な焼却処理設備を無理して設けることなしに、小型の処理装置を用いて、少量ずつ可燃ごみを燃焼させて処理することができる。前記可燃ごみを熱処理するに際しては、燃焼部の中央部では、磁界を通した空気を供給して、1000℃程度の高温で燃焼させ、その中央部から外側に至るほど、次第に低温となるような炉内での燃焼の環境を形成し、可燃ごみを燃焼させる方式を採用することによって、煙や有害ガス等が発生することのない処理を行うことができる。
【0019】
本発明の装置を用いて可燃ごみを処理するに際して、堆積させた可燃物の中央部で燃焼部から発生される熱で、その周囲の部分のごみを加熱して乾燥させるような、燃焼処理形態を用いることができる。そして、装置に投入された可燃ごみは、中央部の燃焼部に達するまでに水分と揮発成分が分離されて、高温で燃焼する部分においては、余分な蒸発・揮発成分が燃焼の邪魔をすることがないようにして処理される。また、燃焼処理を行う対象としての可燃ごみは、特にその種類や性質等が限定されるものではなく、一般の事業所や家庭から排出されるすべての廃棄物を処理対象とすることができる。
【0020】
前記本発明の装置においては、磁界を通した空気を供給する経路を設け、燃焼部に対して磁界を通った空気を注入するようにすることで、有害ガスの発生を抑制して燃焼させることができる。そして、燃焼部を限定して区画し、局部的に燃焼処理させることで、燃焼処理作用を容易にコントロールすることができる。また、前記燃焼部に被処理物が達する前の段階で、燃焼部から発する熱で乾燥させる作用が行われて、揮発成分がなくなった状態の状態のごみが、燃焼処理されるので、空気の酸素を必要とする燃焼には、燃焼作用を阻害する成分が含まれない状態とされる。さらに、被処理物が燃焼部に至るまでに、加熱される部分から大量に発生する揮発成分は、処理炉本体の周囲に区画されている側部空間を通って、炉本体の下部から燃焼部に向けて供給されて、可燃性の成分が直接外に排出されることがないように処理される。
【0021】
そして、前述したようにして、可燃性の非処理物を燃焼させて処理することにより、燃焼部から発生する排ガスは、排気処理部を通して、無害化する処理を行ってから排出させることが可能になる。その排気処理部においては、最初に排気を水に通して浮遊成分や水に溶解可能なガス成分を除去し、その後で、臭気を除去する性質を有する処理装置を通して、悪臭を除き、その後に外気に放出するようにしているので、比較的簡素化された処理手段を用いて、燃焼ガスを処理することができる。
さらに、前記処理管路に電熱ヒータを装備することで、悪臭や有害ガスが生の状態で排出されることを抑止できる。前記作用・効果に加えて、排ガスの処理に際して、発生する液体状の成分は、再び熱処理部に向けて戻し、炉本体の側部空間に向けて送り戻して、燃焼部で再び燃焼処理することで、有害成分が生の状態で、外気に向けて放出されることがないように処理される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図示される例にしたがって、本発明の実施例の構成を説明する。以下に説明する本発明の燃焼処理装置は、比較的少量の可燃ごみを排出する小規模の事業所等で、有害ガスと異臭等を発生させずに、比較的低温で燃焼させて処理可能とする装置として、利用できるように構成した装置を例にして説明している。また、以下の実施例において、燃焼処理装置を用いて処理する対象の可燃性のごみとしては、木の屑、紙ごみや生ごみの他に、可燃性の他の有機物等、多くの可燃性の廃棄物を対象とすることが可能であり、それ等の被処理物をまとめて、以下に可燃ごみと呼んで説明する。
【0023】
なお、本発明の目的とする作用および、効果を奏することができるように、処理機能を設けた装置であれば、以下に図示された実施例に対して、処理場の環境に合わせて、適宜細かい構成を変更した装置として、改良して適用することが可能である。また、以下の説明において、事務部門から排出される紙ごみ等の可燃ごみを、低温で熱処理する作用・状態を「燻焼」と呼んで説明するが、これは、全体として蒸し焼き状態をも含んで、総称していうものである。したがって、オープン状態で燃焼させる場合のように、炎を吹上げて燃焼させる状態とは異なり、少量の空気を供給しながら、閉鎖された環境の下で蒸し焼き状態で処理し、残った可燃成分を中央部で高温で燃焼させて、残った灰分のみの処理を行うのである。
【0024】
前記可燃ごみを燃焼処理するに際しては、一般的なごみ等を燃焼させて処理する装置の例のように、処理炉の中央部の燃焼部分で、1000〜1200℃程度の高温となるようにして、燃焼させる処理を行うものではない。本発明においては、以下に説明する例のように、燃焼部の中心部では前記燃焼温度として、その周囲の部分では燃焼部から離れるにつれて、比較的低温となるような炉内の温度環境を設定して、蒸し焼きにする状態で処理を行うものである。
また、前記燃焼処理を行うに際しては、被処理物から水分やガス体等の揮発しやすい成分を次第に分離させ、残りの炭素成分等の可燃性の部分を、燃焼させる中心部で少量の空気を供給しながら、燃焼部の中央部で燃焼させるような処理を行う。
【0025】
そして、前記中央部の燃焼部から発生される熱で、蒸発または揮発させた成分は、燃焼部の周囲に設けた側部空間を通して冷却して、比重の大きい気体または液体状のものと変化させ、炉本体の下部から燃焼部に向けて供給し、そのまま燃焼処理することを可能としている。このような可燃物の燃焼させる処理を、以下の説明においては、「可燃ごみを燃焼処理する」等のように、一般的な表現を用いて説明する。
【実施例】
【0026】
図示する例において、図1は燃焼処理装置1の1つの実施例に関して、外観図として示す斜視図であり、図2および図3には、側面図および平面図として、その概略を説明している。前記図1〜3においては、ごみ焼却処理装置1の処理炉の本体部9と、排気処理部50、脱臭装置70は、その周囲をカバーで覆って、処理炉本体10内で燃焼させることにより高温となる装置に、直接触れることがないように保護している。本実施例においては、本体部9では、その上部に開閉蓋21を設けた投入口20を設けており、前記処理炉本体10の下部には、燃焼残りの灰を掻き出すための灰掻き出し機構を設けている。
【0027】
さらに、本体部9の正面には、炉内の燃焼状況を監視するために、開閉カバーを設けた点検口17を設け、炉内での燃焼状況を監視出来るようにする他に、最初に点火する際や炉内でトラブルが発生したときに、前記点検口17のカバーを開いて処理できるようにしている。また、本体部9の上部には、非処理物を投入するための開口を投入口20として設けており、この開口部に設けている蓋21は、炉内で燃焼処理している途中に開いたとしても、内部の燃焼ガスが吹き出ることがないようにする機構を設けているが、これに関しては後で説明する。そして、前記処理炉本体の上部に設けた蓋21を開いて、被処理物を投入口から投入して、処理炉本体10の中に廃棄物を層状に積み重ねるようにして堆積させ、燃焼させる処理を行うようにする。
【0028】
前記ごみ焼却処理装置1においては、台盤2上に設けている燃焼機構と、排気ガスの処理装置等に対して、その周囲を覆うようにカバーとしての外板3を組み合わせて立設させて設けており、その所定の位置に開口4を複数設けている。そして、前記各開口を給気装置等の配置位置に設けておくことで、前記カバーを開くことなしに、必要な操作を容易に行い得るようにしている。また、他の操作機構に対しても、それらの機構を外部から操作することが必要なところに対して、外板に設けた開口を配置し、容易に操作できるようにする。
【0029】
さらに、前記処理炉本体10を設けた本体部9の背後部分に、排ガスの処理を行う排気処理部50を設け、その排気処理部に平行に脱臭装置70を配置している。前記脱臭装置70に設けている加熱機構を通して、排ガスに含まれる可燃性ガスの燃焼と、異臭を発生するガス成分に対して、無臭化する処理を行ってから、外部に向けて排出させるようにしている。なお、本実施例の図面においては、説明の都合上、機器の一部がカバーから露出しているように書かれているが、実際には、前述したように装置の全体を覆うように、外板を用いて囲って保護しているのである。
【0030】
前記ごみ焼却処理装置1の構成の例を、図4に説明している。この図4に説明するごみ焼却処理装置1の例において、本体部9に設けて、可燃性の廃棄物を燃焼させて処理する処理炉本体10は、前記図3に説明したように、平面視で略六角形状の断面を有するものとして、所定の形状に加工した板を組み合わせて構成している。前記処理炉本体10は、燃焼処理部を囲むように設けた内板12と、その内板12に対して一定の間隔を持たせて配置した外板11とを組み合わせて、前記内外の板11、12の間に、隙間13を持たせている。前記処理炉本体10を二重の壁で覆うように構成したことにより、内板12に囲まれた燃焼区画で発生する熱は、直接外板11を熱することはなく、隙間に存在するガスを介して遮断して、本体10の外側に熱が放出されないようにされる。
【0031】
前記ごみ焼却処理装置1の構成の例を説明している図4において、可燃性の廃棄物を燃焼させて処理する処理炉本体10は、前記図3に説明したように、平面視で略六角形状の断面を有するものとして構成されている。
前記処理炉本体10の上部に設けている投入口20には、蓋21がヒンジ22を介して開閉可能に設けられ、ハンドル23を用いて開閉する。また、前記蓋21に対して、カウンターウエイト24を設けて、蓋の開閉の動作を補助させている。なお、前記蓋21を開閉する動作に対応させて、安全機構としての吹き出し防止装置40を設けており、被処理物としての可燃ごみを補給するために蓋21を開いた時に、投入口20から煙や炎が直接吹き出すことを防止して、安全に可燃ごみを補給できるように構成している。
【0032】
前記吹き出し防止装置40は、炉の内板12から上部開口14を通って、外板11との間の隙間13の上部から排気を吸引できる位置に、排気系統のパイプを接続して設けている。前記排気系統のパイプ41には、炉との接続部の近傍にバルブ42を設けて、蓋21を開く動作にタイミングを合わせて、前記バルブ42を開き、ファン44を作動させて、炉内の燃焼ガスを排出させる。前記吹き出し防止装置40に設ける排気管41、バルブ42およびフィルター43は、炉内の燃焼ガスに触れるものであるから、耐熱性を有する部材として構成する必要がある。
【0033】
前記吹き出し防止装置40を、可燃ごみ補給時の安全装置として作動させるためには、投入口20の蓋21を開く前に、装置の近傍に設けている吹き出し防止装置40のファン作動のスイッチを手動で押して、処理炉本体10から吹き出し防止装置40に向けて排気する系統を動作させると良い。そして、その排気装置の作動したことを確認してから蓋21を開くようにすれば、処理炉に対して可燃ごみを追加する作業を、安全に行うことができる。その他に、前記蓋21を支持するヒンジ部等に、蓋の開閉を検知するスイッチを設けておき、ハンドルを持って蓋21を開く動作に連動させて、ファン44を作動させても良い。前述したように蓋の開閉に対処させて、煙等が吹き出さないような防護策を設けたことにより、炉の中の燃焼物が少なくなって、全体が燃焼しているような状態でごみを投入する必要があるときでも、中の煙や炎が開口から吹き出すことを防止できて、ごみ投入作業を安全に行うことができる。
【0034】
また、前記処理炉本体10は、図4には開示されていないが、後で説明する図6、7に示すように、上部から下部に向けて次第に小さな断面積になるように構成されると良いものである。そして、炉の上部から投入して中に堆積させた可燃ごみが、炉の下部の中央部の燃焼部分で、給気装置30のノズル33から局部的に空気が供給されて、燃焼される。前記燃焼部の上部と周囲の部分では、燃焼部から伝導される熱を受けて、可燃ごみに含まれる水分や揮発成分が分離されて、可燃ごみの体積が減少し、次第に燃焼部分に向けて圧縮されるようにして下降する。
【0035】
前記給気装置30においては、図示するように、炉の外側に設けているバルブ31の下部に、磁気を付与する磁界路32を設けて、その磁気環境中を通った空気を、炉の中に案内する給気系統を構成している。前記磁界路32は、リング状の磁石を所定の間隔をおいてパイプの長さ方向に配置し、対向させて配置したN−Sの磁界の中に空気を流通させる経路を構成するか、または、パイプ状の磁石の中に、所定の隙間を持たせて異なる極を持つ細長い磁石を位置させて、その磁界の間に空気を通すように構成しても良い。
【0036】
前記炉心部に向けて空気を供給する給気装置30は、処理炉本体10の下部の所定の位置に対して2組を設けており、炉の両側から炉内へ高さを少し異ならせてノズル33を配置しているが、前記ノズルは、2組を組み込む構造のみに限定されるものではない。例えば、4個のノズルを2組の直交するノズルの組として配置して、これらを、高さを異ならせる位置に開口を設けて、必要とされる燃焼部に向けて、必要に応じて大量の空気を供給可能に構成しても良い。
【0037】
前記給気装置30の例において、炉内に排気口を向けたノズル33は、ほぼ炉の中心部に開口させるように、管路を延長した状態で設けており、炉のほぼ中央部まで延長させて配置したカバー34の先端部付近に、そのノズル33の先端部を開口させて設けている。 したがって、前記処理炉本体10の中に堆積収容された被処理物は、それが空気と接して燃焼する部分が、カバー34により保護されているので、炉の中に堆積された被処理物の圧力が直接燃焼している部分に作用しないことになり、燃焼部で圧密されることが防止されて、燃焼作用を良好な状態で行い得るようにしている。
【0038】
前記処理炉本体10の内板12に囲まれる筒状の燃焼部に対して、前記内板12の上部と下部にはガス等を通す開口14、15……を各々設けており、前記上部の開口14は、内外の板の間の隙間13に連通されるのみではなく、前述したような吹き出し防止装置40の排気系統にも接続されている。
前記処理炉本体10において、内外の板の間に形成される隙間では、燃焼部で発生したガス体を、外板11に作用する外気の温度で冷却して、隙間の下部に向けて流下させる。また、前記ガス体に含まれる蒸気成分は、隙間を下降する間に一部が液体となり、隙間の下部に貯留される。
【0039】
そして、炉の下部に溜まった液体成分の一部は、燃焼部から伝達される熱により蒸発したり、毛細管現象により炉内の燃焼物や灰成分を通って、再び燃焼物の中に移動されて、可燃物とともに燃焼処理される。したがって、処理炉本体10の底部に溜まる液体成分では、それに含まれる燃焼可能な成分は、随時燃焼部に供給されて、燃焼処理が行われる状態となる。前述したような処理を行おうとしても、処理し切れずに、炉の底部に大量に溜まった時には、ドレン抜きバルブ29を開いて排出し、次に燃焼させる紙や木屑にふりかけたり、または混入して燃焼させる。あるいは、その液体の性質に応じた薬剤を添加する等の、無害化する処理を行い、そのまま捨てる等の処理すれば良い。
【0040】
前記燃焼装置の本体部に、排気路16を介して排気処理部50を、隣接させて設けており、前記排気処理部50においては、燃焼ガスから粉塵のような浮遊成分と、水に分散して回収可能なガス成分等を除去する機構を設けている。前記粉塵等の処理部に続けて、排気管71の手前部分には脱臭装置70を設けて、排ガスに含まれる異臭成分を高熱で処理し、それと同時に未燃焼ガス成分をも、脱臭装置70の高温部を通すことでで処理できるように構成している。
【0041】
前記排気路に接続する排気処理部50は、下部を水64を満たした部分とし、その上部に空間部65を形成した大きな水槽60に対して、その一端部に排気を案内する排気路16を接続し、他端部からは、脱臭装置70に接続する排気路を、カラー67を介して接続している。前記排気処理部50においては、水槽の上部の一端部に接続している排気管16の延長部と、水槽の上部に立ち上げた状態で、立設している下向きU字状の管路の各々を、処理管52、52a……として設けている。また、前記下向きU字状の管路としての処理管は、立上がり部分を接続管として、中空なパイプのままで接続管53として設け、立ち下がり部分は処理管52aとして設けている。
【0042】
前記下向きのU字状の管路は、図では1組のみを示しているが、実祭には3組の管路を順次配置して、前記下向きの管路の処理管と接続管との間で、空間部65を仕切るように区画板63を設けておき、この区画板63の下部が、所定の深さの位置まで入り込むように、水64を充填している。また、前記管路52から接続管53に至る間は、空間を介して接続されているが、この区間と次の管路52aと接続管との間でも、区画された空間を介して接続され、各区画板63により区画された空間部65では、処理管を通った際にシャワーの水と接触された燃焼ガスから、水が分離されるようになっている。
【0043】
前記排気ガスを案内する管路において、処理管52、52a……では、パイプの中に流体をガイドする案内板を設けており、その上部にはシャワー57を配置して、ガス中に水を散布して、ガス中に含まれる浮遊粉塵成分と、水に溶解するガス成分とを水を用いて分離する。前記シャワー57を設けている処理管路52は、気液接触部55と呼んで説明するが、この気液接触部55においては、例えば、特許第3107857号公報に開示されているような、機構を用いることができるものである。この例においても、金属板を捻った状態でパイプ中に挿入して配置し、パイプ中を流される液に対して、ガスを広い面積で接触させて、燃焼ガス成分から、粉塵やタール成分等を除去させるようにしている。
【0044】
そして、前記処理管路内でガスと接触した水は、水槽60の水と混合されてガス成分と分離され、ガス成分のみが次の処理管路に向けて送られるようになっている。また、前記水槽の水は、ポンプ59により送水管58を介して、各処理管のシャワー57に給水されて、霧状に吹き出されて、ガスの洗浄を行うようにする。
また、前記水槽60に対しては、前記ポンプ69への給水管路の他に、水道等に接続する給水路61と、水の汚れが進行して、繰り返し使用に耐えられない状態となったときに、排水するための管路62等を設けている。前記水槽の水を常時一定の量に維持するためには、給水経路61を用いて、随時一定の水量となるように補給して調整する。
【0045】
前記水槽の他端部には、接続用のパイプ66を介してカラー67を設け、その上に脱臭装置70を配置している。前記脱臭装置70は、図5に説明するように、発熱体ユニット74より構成するもので、中心部に配置するインナー75に対して、同心円状にセラミックパイプ76、ヒータ78、および、外カバーとしての丸管材79を配置している。そして、前記インナー75から放射状に突出させた支えバー76により、各部材の間隔を維持させるように構成する。
【0046】
前記発熱ユニット74のヒータ78に対しては、給電板73からの給電経路を接続し、発熱体に対して給電することで、ヒータ78を所定の温度に加熱し、その温度を維持させるように、給電系統に対するコントロールを行う。そして、前記円筒状の発熱体ユニット74のヒータ78の内外面に、水槽60から排出されるガスを通して、ガス中に含まれる臭気成分や、未燃焼ガス成分を脱臭装置70の熱で分解し、煙突71から脱臭したガスとして排出するので、生ガスを残さないように処理した排ガスを放出させるようにする。
【0047】
前述したように構成された本発明の燃焼処理装置は、図6、7に平面図と側面図として示されるように、各部材が配置される。この実施例において、処理炉10は上部の断面が広くて、下部に至るほどその断面積が狭くなるように構成されている。また、図6に示しているように、断面が6角形(6面体)となるように構成すれば、断面積が次第に小さくなった本体の製作が容易である。
なお、この図6、7に示す例において、各構成部材の位置関係は、その説明の都合上、垂直軸に対して、異なる角度で配置するように記載しているが、実際には、図1ないし図4のような位置関係となっているのである。
【0048】
前述したように構成される処理装置1において、処理炉10に投入されて燃焼処理される可燃ごみは、炉内に略層状に積み重ねられて、その下部のものから順次熱処理されるようになる。前記図示する例において、炉内に積み重ねた可燃ごみは、高温処理層Aで給気装置30から磁界を通って吹き込まれる空気を用いて、高温で燃焼処理される。
そして、上下方向に若干の間隔を持たせて2段に構成されたバーナ(給気ノズル33)の先端部分で、すなわち、処理炉の下部の中央部で、ごみが高温で燃焼されて、その周囲部分の加熱部では、その熱でごみが次第に加熱されて、燃えている部分に近接するごみほど乾留される状態となる。また、前記給気ノズル33の上部分は、図示しているようにカバー34で覆っているのであるから、ごみがノズルに直接当たることがなく、ごみに対して空気を必要最小限の量を供給して、良好な燃焼環境を設定することができる。
【0049】
前記可燃ごみを燃焼処理する炉内の燃焼部Aでは、その中央部の下部に向けて、給気装置30のノズル33を通して、外から取り入れる空気の供給が少ない状態で、1200℃程度の高温で燃焼作用が行われる。そして、その高温燃焼部Aの外側部Bでは、次第に温度が低くなる状態で、低温での燻焼(蒸し焼き状態の処理)が行われるものとされ、少量の酸素が供給される状態で燃焼される。前記低温加熱部Bでは、中央部の高温燃焼部から発生された熱で、被処理物の水分と、揮発成分とが固形物から分離される状態とされ、堆積が減少された固形物として、高温燃焼部Aに向けて供給される。また、燃焼された残りの固形物は、前記燃焼部の下部に堆積されて随時排出される。この燃焼残渣は、一般的な燃えカスであるところの灰成分と、燃えることがない粘土質やセラミックス等の無機物や金属成分等であり、それ等の燃焼出来ない残りカスは、適当な量が溜まったときに、処理炉の下部に設けたスクリュー26を駆動して、底板に設けた開口の蓋28を開いて下部に排出させる。
【0050】
なお、前記燃焼部Aに供給される外気は、給気装置30に設けた磁界路32を通って来るものであり、磁界を通ることで空気の成分の一部が、イオン化された状態で供給されるものとなる。前記磁界を通ってイオン化された酸素を燃焼に使用することで、燃焼効率を向上させることが可能となるとの通説のように、燃焼部から有害ガスが発生することを極力抑制できるという効果を奏する。そこで、その燃焼部の外側に露出している磁界路部分おいて、空気の通るパイプに永久磁石のN、S極を配置して、形成された磁界の間に空気を流すように構成している。そして、前記パイプを通って燃焼処理部の中に吸引される空気を、磁界の中を通して供給させることで、磁界を通って一部がイオン化された空気を燃焼に使用する。
【0051】
前記したように、2つの給気装置30,30aから供給される空気と、炉の周囲空間13の下部から供給される空気(燃焼ガスの一部)を用いて、前記燃焼層Aで可燃ごみを燃焼処理する作用が行われる。前記燃焼層Aにおいては、前記燃焼処理部にノズルの先端部分を位置させて、その燃焼層Aの中央部に空気を供給することで、主として可燃ごみが燃焼されるものと考えられる。なお、この実施例では、前記炉本体10の内部での可燃ごみを燃焼させて処理する作用は、前記磁界を通った外気が集中的に供給される部分で、集中的に行われているものであり、前記各給気部材から供給される空気は、燃焼部Aの中央部に向けて送り込まれ、内部に堆積された可燃ごみに向けて、集中的に外気が供給されるような給気が行われ、燃焼作用が行われるものとされる。
【0052】
さらに、前記燃焼部Aの上部では、燃焼部から発生する熱で、その上部の低温加熱部Bに対して加熱作用を加えて、可燃ごみを乾燥させる処理が行われる。したがって、前記燃焼層Aでは、可燃ごみから水分等を蒸発させてから燃焼させる必要がないので、燃焼層での熱処理作用を効率良く行うことができる。前記燃焼部で燃焼処理されることで、燃え残りの灰成分と不燃成分のみが落下して、下部の空間部に堆積される。前述したようにしてその可燃ごみが燃焼するにしたがって、その上からは順次新たな処理物が下降される。 そして、空気取入部材からの磁界を通した空気が吹き込まれる燃焼層Aでは、可燃ごみを炭化させてから、少量の空気を供給して燃焼させる処理が行われる。
【0053】
また、前記燃焼層Aの上部では、前述したように、加熱部Bで水分を蒸発させる処理とともに、燃焼する温度よりも若干低い温度で乾留させる作用も行われる。さらに、前記加熱部Bの上部の上加熱部Cでは、より低い温度でごみを加熱して、低温で蒸発する水分を燃焼成分から分離する、そして、投入口20から投入されたごみは、処理炉10の最上部の投入域Dに順次追加供給されて、下部で燃焼されるに下がつて、次第に下降されて乾燥作用が付与されて、燃焼区域に向けて供給される。そして、前記熱処理部内で、ダイオキシンのような有害ガス成分が発生することがないように、燃焼の管理が行われる。
【0054】
さらに、そのような有害ガス成分が、燃焼部の一部から発生したとしても、高温で集中的に燃焼される部分を通って、燃焼ガスが排出されることで、タイオキシンが熱で分解されるような、化学的な処理が自然に自動的に行われる。そして、排気ガスを脱臭器70を通して、無害化されたガス成分として、煙突71から排出される。したがって、単純な構成の燃焼装置を用いて、特別に複雑な工程の解決策を講じなくても、熱処理部から発生する未燃焼ガスや有害ガス等が、その周囲のガスを分解するに適した脱臭器70を通して,ガス等の処理に適当な温度の部分に触れる状態で流されることで、自動的に分解処理される作用が加えられる。
【0055】
前記燃焼処理部10の下部には、燃焼カスを貯留するための部分を設けており、燃焼した残りの灰分や、可燃ごみから発生される液体成分を受けて貯留する機能を、前記燃焼部の下部分に負担させている。また、前記燃焼処理部10の周囲を囲むように設ける炉周囲の隙間13では、燃焼ガスや可燃ごみから発生する水分や乾留ガス成分を集めて、そのガスが外壁11の温度の低い部分に接して、比重が大きくなることで次第に下降し、下部分に移動させるようにする。そして、前記下部分で燃焼カスに吸収された状態で一時保持されるが、燃焼部から伝達される熱で再び気化されたり、または、毛細管現象で燃焼部まで吸い上げられたりする状態で、前記下部分に溜まっている液体成分は、その大部分が燃焼層Aに向けて移動されて、熱処理されることになる。
【0056】
したがって、燃焼処理部30の下部には、水分やタール成分、木酢液等のような他の液体成分が溜まったとしても、それらの成分を含んだ燃えカスの処理に困ることはないと考えられる。なお、前記下部分の中に堆積された燃えカスに、前記液体成分が大量に含まれる状態は、その発生頻度が非常に少ないものであると考えられる。そして、燃えカスをそのまま捨てられない状態が発生したときには、もう一度、新たな可燃ごみに混入して、燃え残りのカスを再び燃焼処理させることで、無害化処理したものを捨てるようにすればよいことになる。また、その燃焼部から発生した排気ガスは、炉周囲の空間13に向けて排出されるのみで、その排気ガスの一部が炉周囲空間13から、排気処理部としての脱臭器70に向けて排出される。
【0057】
なお、本発明の装置において、燃焼用の空気を供給する経路で、給気装置に磁気を印加する手段を設けているが、実際には、磁気を印加する部分を通さずに、外気をそのまま燃焼部に供給すると、本装置では燃焼部で良好な燃焼状態とすることができない。これに反して、給気路に4000ガウス程度の磁石を設けておき、そのN−Sの磁極の間を燃焼用の空気を通すことで、明細書に記載したような燃焼状態とすることができたものである。さらに、排気ガスの処理装置として、排気処理部を設けたことで、炉内で発生する粉塵や未燃焼ガス成分を容易に除去して、さらに、そのまま排出すると大きな公害問題とされる硫黄を含むガス成分や、その他の有害なガス成分をも、ほぼ検出させない程度に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の熱処理装置の外観を説明する斜視図である。
【図2】熱処理装置の側面から見た説明図である。
【図3】熱処理装置の平面図である。
【図4】装置の構成部材の関係を示す説明図である。
【図5】排気処理部の構成を示す説明図である。
【図6】燃焼処理部の構成を示す説明図である。
【図7】処理炉の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 燃焼処理装置、 10 装置本体、 11 外板、 12 内板、
13 隙間、 16 排気口、 20 投入口、 21 蓋、
25 排出装置、 26 スクリュー、 30 給気装置 32 磁界路、 40 逆風防止装置、 44 フアン、 50 排気処理部、
52 処理管、 53 接続管、 55 気液接触部、 58 送水管、
60 水槽、 61 給水管、 63 区画板、
70 脱臭器、 71 煙突、 74 発熱体ユニット、 78 ヒータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理炉の上から可燃性の被処理物を投入し、炉の下部の略中央部に設ける燃焼域で少量の空気を供給しながら熱処理を行い、
燃焼物の残渣を処理炉の下部から排出させるよう構成した処理装置であって、
前記被処理物を処理する処理炉本体は、燃焼部を囲むように設けた内壁部材と外壁部材とを、一定の間隔を持たせて二重の壁として配置し、前記内外の壁の間に空気を流通させ得る側部空間を設けて構成し、
前記熱処理部と側部空間の間の内壁の上下部に、各々連通部を設けて、被処理物の燃焼により発生するガス体を案内する経路とし、
前記熱処理部の燃焼部で、被処理物の燃焼により発生する燃焼ガスを、前記側部空間を通して燃焼部に向けて再び案内するようにして循環させて、可燃ガス成分が生のままで排出されないように処理するとともに、
前記処理炉本体の排気路に対して浮遊粉塵の処理手段と、未燃焼ガスを加熱処理する手段とを接続して配置し、
無害化と無臭処理を施した燃焼ガスを、外部に排出させるように構成したことを特徴とするごみ焼却処理装置。
【請求項2】
前記処理炉本体の上部に設ける投入口に、開閉扉の開閉に連動して動作する逆風吹き出し防止装置を別に設け、
前記処理炉本体に処理物を追加供給する際に、開閉扉を開く動作に連動させて、前記吹き出し防止装置を動作させ、
炉内の燃焼ガスが投入口から吹き出すことを防止しながら、処理物の追加投入を可能としたことを特徴とする請求項1に記載のごみ焼却処理装置。
【請求項3】
前記処理炉本体は、断面が略六角形状で上部の断面積が広く、下部に至るほど断面積が小さく形成され、その内部に収容する被処理物を加熱しながら、下降させる作用を良好に維持できるようにすることを特徴とする請求項2に記載のごみ焼却処理装置。
【請求項4】
前記処理炉本体の燃焼部に向けて外気を供給する給気装置には、炉の下部の中央部に向けて空気を供給するノズルを設け、
前記給気ノズルに対して、磁界を通した外気を供給する給気経路を設け、
前記燃焼部に向けて磁界を通した空気を供給するための給気装置は、炉の中心部に対して2つの方向から、各々の軸線の高さが異なる位置にノズルの給気口を配置し、
前記給気装置には、燃焼部に供給する空気量を調節する手段を設け、
前記給気手段の磁界を通った外気を用いて、熱処理部の燃焼部の略中央部で、被処理物を燃焼させる処理を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
【請求項5】
前記処理炉本体から排出される燃焼ガスを処理するために接続される排気処理部においては、燃焼ガスを水に接触させて浮遊物を除去する浮遊粉塵の処理手段と、
燃焼ガスを加熱通路に通して処理する手段とを設け、
燃焼ガス中に含まれる不純物と未燃焼ガスとを、前記2つの処理手段を通してから排出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のごみ焼却処理装置。
【請求項6】
前記処理炉から排出される燃焼ガスに、水を吹き付けて処理する排気処理手段においては、前記燃焼ガスに含まれる浮遊物と、水に溶け得るガス体とを水に含ませて分離し、
前記不純物を含んだ処理水は、処理炉本体内に収容されている処理物に添加して、燃焼物とともに燃焼処理することを特徴とする請求項5に記載のごみ焼却処理装置。
【請求項7】
前記排ガスの処理工程において、燃焼部で処理できなかった汚染水は、
貯水槽から取り出して、別個に無害化する処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のごみ焼却処理装置。
【請求項8】
前記排気処理部から排出されるガス体に対して、不純物と未燃焼ガスとを熱処理するガス処理手段を設け、
前記ガス処理手段を通して、炉から排出された不純物と未燃焼ガスとを熱処理して、無害化された燃焼ガスを大気に排出可能とすることを特徴とする請求項5に記載のごみ焼却処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−30877(P2009−30877A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−195271(P2007−195271)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【出願人】(505194103)富士善工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】