説明

アクティブフォトセンサーピクセル、アクティブフォトセンサーアレイ及びフォトセンシング方法

【課題】 アクティブフォトセンサーピクセル、アクティブフォトセンサーアレイ及びフォトセンシング方法を提供する。
【解決手段】 本発明は二端子フォトセンサートランジスタと駆動トランジスタとを含むアクティブフォトセンサーピクセルを提供し、二端子フォトセンサートランジスタは第一ノードに結合する第一ターミナルと、選択信号線に接続する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。駆動トランジスタは第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、出力信号線に結合する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器に関し、特に、アクティブフォトセンサーピクセルを使用する表示器に関するものであり、アクティブフォトセンサーピクセルが選択信号線において選ばれた時に、露光と読取を同時に実行する。
【背景技術】
【0002】
近年来、電子ブック(e−book)は次第に発展され、且つ商業化された。電子ブックの実行可能な表示フレームワークは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)を使用した表示フレームワークである。言い換えれば、電子ブックは、バックプレーン(backplane)に電子素子(例えば、TFT、またはフォトセンサー)を設置することによって、画像を表示することができる。電子ブックの表示画面上に標記をするために、電子ブックは光を必ず検出しなければならない。フォトセンサー機能を有する電子ブックを例にすると、フォトセンサーはバックプレーンに設置されたため、透光度が好ましくない。よって、従来の電子ブックの欠点は、電子ブックの表示画面(display screen)上に標記するために、非常に長い露光時間が必要である。
【0003】
よって、電子ブックに迅速に標記させるために、アクティブフォトセンサーピクセルが極めて必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、アクティブフォトセンサーピクセル、アクティブフォトセンサーアレイ及びフォトセンシング方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は二端子フォトセンサートランジスタと駆動トランジスタとを含むアクティブフォトセンサーピクセルを提供し、二端子フォトセンサートランジスタは第一ノードに結合する第一ターミナルと、選択信号線に接続する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。駆動トランジスタは第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、出力信号線に結合する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。
【0006】
本発明は複数の信号選択線と、複数の出力信号線と、複数のアクティブフォトセンサーピクセルとを含むアクティブフォトセンサーアレイを提供する。各アクティブフォトセンサーピクセルは、二端子フォトセンサートランジスタと駆動トランジスタとを含む。二端子フォトセンサートランジスタは第一ノードに結合する第一ターミナルと、対応する選択信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。駆動トランジスタは第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、対応する出力信号線に結合する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。
【0007】
本発明はアクティブフォトセンサーピクセルを応用するフォトセンシング方法を提供し、アクティブフォトセンサーピクセルは二端子フォトセンサートランジスタと駆動トランジスタとを含む。二端子フォトセンサートランジスタは第一ノードに結合する第一ターミナルと、選択信号線に結合する第二ターミナルと、第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。駆動トランジスタは第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、出力信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する。フォトセンシング方法は、露光及び読取周期において、二端子フォトセンサートランジスタを感光レジスタとして動作させるのに、選択信号線に第一電圧レベルを提供するステップと、二端子フォトセンサートランジスタが入射光を受取った時、フォトセンサー電流を発生し、第一ノードに対して充電することによって、駆動トランジスタは第一ノード上の電圧レベルに基づいて導通され、前記出力信号線までの出力電流を発生するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアクティブフォトセンサーピクセルとそのフォトセンシング方法によれば、本発明のフォトセンサーピクセルは更に高い信号対雑音比と駆動能力を有するので、大面積の表示器の要求を満足することができる。また、本発明のフォトセンサートランジスタQの制御ターミナルは第二ターミナルに接続するので、表示器は駆動フォトセンサートランジスタQの臨界電圧の変動の影響を受けない。本発明のフォトセンサーピクセルとアレイは表示器のバックプレーン(backplane)に設置することができ、且つ従来の電荷結合素子(charge coupled device,CCD)とCMOSセンサーに取って代わることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明の二端子フォトセンサートランジスタを第一動作モードで動作した図を表している。
【図1B】二端子フォトセンサートランジスタを第一動作モードで動作した時の第一ターミナルの電圧とフォトセンサー電流の関係を表している。
【図2A】本発明の二端子フォトセンサートランジスタを第二動作モードで動作した図である。
【図2B】二端子フォトセンサートランジスタを第二動作モードで動作した時の第二ターミナルの電圧とダイオード電流の関係を表している。
【図3】本発明のアクティブフォトセンサーピクセルの図を表している。
【図4】図3の選択信号線のタイミング図を表している。
【図5】本発明のアクティブフォトセンサーピクセルのもう一つの概略図を表している。
【図6】本発明のアクティブフォトセンサーアレイの図と信号線に対するタイミング図を表している。
【図7】本発明のアクティブフォトセンサー及び表示アレイの図と信号線に対するタイミング図を表している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明についての目的、特徴、長所が一層明確に理解されるよう、以下に実施形態を例示し、図面を参照にしながら、詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
図1Aは本発明の二端子フォトセンサートランジスタを第一動作モード(first operation mode)で動作した概略図である。本実施例において、二端子フォトセンサートランジスタQはN型水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(N−type a−Si:H TFT)であるが、これに限らない。二端子フォトセンサートランジスタQは第一ターミナルNと、第二ターミナルNと、制御ターミナルとを有する。注意すべきことは、二端子フォトセンサートランジスタQの制御ターミナルを第二ターミナルNに接続することによって、二端子フォトセンサートランジスタQは、二つのターミナルを形成する。即ち、第一ターミナルNと第二ターミナルNに接続する制御ターミナルである。第一動作モードにおいて、二端子フォトセンサートランジスタQの第一ターミナルNには、高電圧Vが印加され、第二ターミナルNには、低電圧Vが印加される。入射光hvが第一動作モードに動作される二端子フォトセンサートランジスタQに照射した時、二端子フォトセンサートランジスタQはフォトセンサー電流Iphotoを発生し、第一ターミナルNから第二ターミナルNに流れる。一般的に言えば、フォトセンサー電流Iphotoの大きさは二端子フォトセンサートランジスタQの半導体層の面積と材料特性から決められる。また、フォトセンサー電流Iphotoの大きさは入射光hvの強度から決められる。言い換えれば、仮に、入射光の強度が強ければ、フォトセンサー電流Iphotoも大きくなる。よって、二端子フォトセンサートランジスタQは第一動作モードにおいて、感光レジスタ(photosensitive resistor)として動作する。もう一つの実施例において、二端子フォトセンサートランジスタQはP型シリコン薄膜トランジスタ(P−type Si TFT)であるが、これに限らない。その他の実施例において、二端子フォトセンサートランジスタQはバイポーラ接合トランジスタ(BJT)、またはその他のスイッチ素子である。
【0012】
図1Bは二端子フォトセンサートランジスタを第一動作モードで動作した時の第一ターミナルの電圧VN1とフォトセンサー電流Iphotoの関係を表している。図1Bに示すように、入射光hvが照射しない時(菱形スポットライン)、フォトセンサー電流I’photoはゼロ(または遮断領域と称する)である。逆に、入射光hvが照射する時(スクエアスポットライン)、従来の電界効果トランジスタ(FET)と類似しており、フォトセンサー電流Iphotoは、初めは、直線性(linearly)の増加を呈し、そして、増加する幅が次第に小さくなり(または三極管領域と称する)、且つ最後は飽和(または飽和領域と称する)に近い状態になる。一つの実施例において、仮に、二端子フォトセンサートランジスタQに、入射光が照射され、且つ第一ターミナルの電圧VN1は16Vである場合、フォトセンサー電流Iphotoは約7.5E−09アンペアである。仮に、二端子フォトセンサートランジスタQに、入射光が照射されず、且つ第一ターミナルの電圧VN1は16Vである場合、フォトセンサー電流I’photoは0アンペアである。二端子フォトセンサートランジスタQが第一動作モードにおいて、動作する時、フォトセンサー電流Iphotoを検出することで、二端子フォトセンサートランジスタQに入射光が照射されたかどうかを判断することができる。
【0013】
図2Aは本発明の二端子フォトセンサートランジスタを第二動作モード(second operation mode)で動作した概略図である。図1Aに類似しており、二端子フォトセンサートランジスタQの制御ターミナルは第二ターミナルNに接続する。第一動作モードと比べて、二端子フォトセンサートランジスタQの第一ターミナルNは、低電圧Vが印加され、第二ターミナルNには、高電圧Vが印加される。二端子フォトセンサートランジスタQの制御ターミナルと第二ターミナルは高電圧V(通常、『ダイオード接続』と称する)に結合するため、第二動作モードにおいて、二端子フォトセンサートランジスタQをダイオードとすると同時に、ダイオード電流Idiode(即ち、順方向導通電流)を発生し、第二ターミナルNから第一ターミナルNに流れる。
【0014】
図2Bは二端子フォトセンサートランジスタQを第二動作モードで動作した時の第二ターミナルの電圧VN2とダイオード電流の関係を表している。従来のダイオードに類似しており、二端子フォトセンサートランジスタQのダイオード電流Idiodeの初めは、零であり、導通した後、指数関数的の増加を呈する。二端子フォトセンサートランジスタQが導通した後(VN2>10V)、入射光hvの照射があるか否かに関わらず、いずれもダイオード電流が第二ターミナルNから第一ターミナルNに流れる。注意すべきことは、入射光hvが照射(スクエアスポットライン)した時のダイオード電流Idiodeは、入射光hvが照射(菱形スポットライン)していないダイオード電流I’diodeより大きい。一つの実施例において、仮に、二端子フォトセンサートランジスタQに、入射光が照射され、且つ第二ターミナルの電圧VN2は15Vである場合、ダイオード電流Idiodeは、は約1.0E−09アンペアである。逆に、仮に、二端子フォトセンサートランジスタQに、入射光が照射されず、且つ第二ターミナルの電圧VN2は15Vである場合、ダイオード電流I’diodeは、約0.5E−09アンペアである。よって、第二動作モードは二つの用途があり、一つは、ダイオード電流の数値/大きさを検出/判断することで、二端子フォトセンサートランジスタQに入射光が照射されたかどうかを判断することができる。もう一つは、ダイオード電流を利用して第二ターミナルNが第一ターミナルNに対して放電する。一般的に言えば、ダイオード電流Idiodeの数値はフォトセンサー電流Iphotoの数値より遥かに大きい(約1.0E+03〜1.0E+04桁)ので、第一動作モードにおいて、フォトセンサー電流Iphotoが第一ターミナルNを充電する過程に対して、第二動作モードにおいて、ダイオード電流Idiodeが第二ターミナルNを放電する過程は、更に速いのである。
【0015】
図3は本発明のアクティブフォトセンサーピクセルの概略図である。本実施例において、アクティブフォトセンサーピクセルP22は二端子フォトセンサートランジスタQと駆動トランジスタQを含む。アクティブフォトセンサーピクセルP22は、選択信号線Sel_2及び選択信号線Sel_2に対して垂直に位置する出力信号線Out_2に結合する。
【0016】
図3において、二端子フォトセンサートランジスタQは、第一ノードXに結合する第一ターミナルNと、選択信号線Sel_2に結合する第二ターミナルNと、第一ノードXに接続する制御ターミナルとを有する。駆動トランジスタQは、第一参考電圧Vref1に結合する第一ターミナルと、出力信号線Out_2に結合する第二ターミナルと、第一ノードXに接続する制御ターミナルとを有する。
【0017】
本発明のフォトセンサーピクセルのフォトセンシング方法は、以下の説明の通りである。図4は選択信号線のタイミング図と第一ノードXの電圧波形を表し、第一ノードXの電圧波形はフォトセンサーピクセルP22に入射光hvが照射された状態である。図4において、実線はスキャナ信号線Sel_2のタイミング図を表しており、破線はフォトセンサーピクセルP22に入射光hvが照射された時の第一ノードXの電圧VX1の波形をそれぞれ表している。
【0018】
以下は、二端子フォトセンサートランジスタの動作モードを説明する。第一周期T(通常、露光及び読取周期と称する)において、選択信号線Sel_2の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(高レベル駆動電圧VGHのように)より高く引っ張られ、且つフォトセンサーピクセルP22に入射光が照射され、二端子フォトセンサートランジスタQは感光レジスタとして動作すると同時に、入射光hvに基づいてフォトセンサー電流Iphotoを発生し、且つフォトセンサー電流Iphotoは、第一ノードXを高レベルの電圧VX1に充電する。電圧VX1が駆動トランジスタQ2の臨界電圧より高い時、駆動トランジスタQ2は導通され、且つ出力信号線Out_2までの出力電流を発生するので、第一周期Tは読取周期である。もう一つは、第一周期Tにおいて、選択信号線Sel_2の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(高レベル駆動電圧VGHのように)より高く引っ張られるが、フォトセンサーピクセルP22に入射光が照射されないので、二端子フォトセンサートランジスタQはフォトセンサー電流Iphotoを発生しない。段落0011の説明より、ここでは二端子フォトセンサートランジスタQの第一動作モードを用いたことがわかる。よって、二端子フォトセンサートランジスタQを感光レジスタとして動作する時、駆動トランジスタQ2の臨界電圧の設計を、入射光が照射されたときのフォトセンサー電流Iphotoが第一ノード上に発生させる対応電圧より小さく(または等しい)するので、駆動トランジスタQ2はフォトセンサー電流Iphotoにより導通され、且つ出力電流を発生する。よって、フォトセンサーピクセルが出力電流を発生するかどうかを判断することで、入射光hvが照射されたかどうかを判断することができる。
【0019】
第二周期T(通常、リセット周期と称する)において、選択信号線Sel_2の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(低レベル駆動電圧VGLのように)より低く引っ張られ、二端子フォトセンサートランジスタQをダイオードとして動作すると同時に、ダイオード電流Idiodeによって、第一ノードXの電圧VX1を選択信号線Sel_2に『迅速的』に放電する。第一ノードXの電圧VX1が駆動トランジスタQ2の臨界電圧より低く放電された時、駆動トランジスタQ2は遮断する。
【0020】
第二周期Tにおいて、駆動トランジスタQ2は遮断されたため、仮に、二端子フォトセンサートランジスタQに入射光hvを照射しても二端子フォトセンサートランジスタQはフォトセンサー電流を発生しない。注意すべきことは、本発明は第一ノードの電圧VX1のリセットは、主に、二端子フォトセンサートランジスタQのダイオード電流Idiode(即ち、第二動作モード)によって完成される。本実施例において、選択信号線の高レベル駆動電圧VGHは10Vであり、選択信号線の低レベル駆動電圧VGLは0Vである。第一ノードXの電圧波形VX1は、低レベル駆動電圧VGLより少なくともVth_Q1高く、Vth_Q1は、二端子フォトセンサートランジスタQの臨界電圧である。
【0021】
図5は本発明のアクティブフォトセンサーピクセルの概略図である。本実施例は概ね図3の実施例に類似しており、説明を簡略化するために、その回路の接続方式と選択信号線のタイミング図は繰り返して述べない。注意すべきことは、アクティブフォトセンサーピクセルP22は第一ノードXに接続する第一ターミナルと第二参考電圧Vref2に接続する第二ターミナルとを有する感度調整コンデンサCsensitivityを更に含む。
【0022】
次に、感度調整コンデンサCsensitivityの作用を説明する。上記のように、駆動トランジスタQ2のゲート電圧(即ち、第一ノードXの電圧VX1)を調整することによって、アクティブフォトセンサーピクセルP22に入射光hvが照射されたかどうかを判断することができる。本実施例において、フォトセンサー電流Iphotoが非常に大きい時(即ち、△VX1が非常に大きい)、比較的に大きな静電容量を有する感度調整コンデンサCsensitivityを使用する。フォトセンサー電流Iphotoが非常に小さい時(即ち、△VX1が非常に小さい)、比較的に小さな静電容量を有する感度調整コンデンサCsensitivityを使用する。よって、仮に、入射光が非常に微弱で、フォトセンサー電流Iphotoが小さい時に、静電容量が比較的に小さい感度調整コンデンサCsensitivityを使用することによって、相変わらず、微弱な入射光hvを検知することができる。これによって、本発明は比較的に高い信号対雑音比を有する。
【0023】
図6は本発明のアクティブフォトセンサーアレイの図と信号線に対するタイミング図である。アクティブフォトセンサーアレイMphoto-sensingは複数信号の選択信号線Sel_1−Sel_4と、複数の出力信号線Out_1−Out_3と、複数のアクティブフォトセンサーピクセルP11−P43と、駆動回路50と、検知回路51とを含む。本実施例において、複数のアクティブフォトセンサーピクセルP11−P43のいずれかは、概ね図5の実施例に類似するが、これに限らない。幾つかの実施例において、アクティブフォトセンサーピクセルP11−P43のいずれかは、図3の実施例に類似することができる。説明を簡略化するために、その回路の接続方式と選択信号線Sel_1−Sel_4のタイミング図は繰り返して述べない。駆動回路50はイネイブル(enabling)の順に信号を複数の選択信号線Sel_1−Sel_4に選択する。例を挙げると、第一周期T(露光及び読取周期)において、選択信号線Sel_2の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(高レベル駆動電圧VGHのように)より高く引っ張られ、二端子フォトセンサートランジスタQを感光レジスタとして動作すると同時に、入射光hvに基づいて、フォトセンサー電流Iphotoを発生し、且つフォトセンサー電流Iphotoは、第一ノードXに対して、高レベルの電圧VX1までに充電する。この実施例において、二端子フォトセンサートランジスタQに入射光hvが照射されない時は、フォトセンサー電流Iphotoを発生しない。第一ノードX上の電圧が充電され、駆動トランジスタQ2の臨界電圧より高い時、駆動トランジスタQ2は導通され、且つ出力信号線Out_2までの出力電流を発生する。検知回路51は出力電流の数値/大きさを検出/判断することで、アクティブフォトセンサーピクセルP22に入射光hvが照射されたか否かを決定することができる。よって、第一周期Tも読取周期である。次に、第二周期Tにおいて、選択信号線Sel_2の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(低レベル駆動電圧VGLのように)より低く引っ張られ、二端子フォトセンサートランジスタQのダイオード電流Idiodeによって、第一ノードの電圧VX1をリセットすることで、駆動トランジスタQ2は遮断される。注意すべきことは、選択信号線Sel_2が第一周期Tの時、選択信号線Sel_1、Sel_3、Sel_4は第二周期Tである。言い換えれば、選択信号線Sel_1、Sel_3、Sel_4に対する走査列は遮断しているため、選択信号線Sel_2に隣接する選択信号線Sel_1とSel_3は選択信号線Sel_2に対して妨害を招くことはない。その他の実施例において、アクティブフォトセンサーアレイMphoto-sensingは4本以上の選択信号線と、3本以上の走査信号線と、12個以上のフォトセンサーピクセルを含む。従来の当業者は製品の要求に基づいて、アクティブフォトセンサーアレイMphoto-sensingを設計する。
【0024】
図7は本発明のアクティブフォトセンサー及び表示アレイの図と信号線に対するタイミング図である。アクティブフォトセンサー及び表示アレイMsensing-displayは複数の選択信号線Sel_1−Sel_4と、複数の出力信号線Out_0−Out_3と、複数のデータ信号線data_1−data_4と、複数のアクティブフォトセンサー及び表示ピクセルU11−U43と、駆動回路50と、検知回路51と、データ駆動回路52とを含む。図7において、各アクティブフォトセンサー及び表示ピクセルU11−U43のいずれもアクティブフォトセンサーピクセル(例えば、P22)と表示ピクセル(例えば、S22)を含み、各アクティブフォトセンサーピクセルは本発明の上記実施例のアクティブフォトセンサーピクセルで設置されることができるので、ここで繰り返しで述べない。表示ピクセルS22を参照し、表示ピクセルS22は、スイッチトランジスタQと液晶コンデンサCLCを含み、スイッチトランジスタQは、第二データ線data_2に結合する第一ターミナルと、第二ターミナルと、第二選択信号線Sel_2に結合する制御ターミナルとを有し、且つ液晶コンデンサCLCはスイッチトランジスタQの第二ターミナルに接続する第一ターミナルと、第三参考電圧Vref3に結合する第二ターミナルとを有する。
【0025】
以下は、アクティブフォトセンサー及び表示アレイの動作を説明する。例を挙げると、第一周期Tにおいて、選択信号線Sel_1の電圧レベルはフォトセンサーピクセルP22の第一ノードXの電圧レベル(高レベル駆動電圧VGHのように)より高く引っ張られ、二端子フォトセンサートランジスタQを感光レジスタとして動作すると同時に、入射光hvに基づいてフォトセンサー電流Iphotoを発生し、且つフォトセンサー電流Iphotoは、第一ノードXに対して高レベルの電圧VX1までに充電する。第一ノードX上の電圧が駆動トランジスタQ2の臨界電圧より高い時、駆動トランジスタQ2は導通され、且つ出力信号線Out _2までの出力電流を発生し、検知回路51は出力電流の数値/大きさを検出/判断することで、フォトセンサーピクセルP22に入射光hvが照射されたか否かを決定することができる。よって、第一周期Tも読取周期である。この実施例において、第一ノードX上の電圧VX1が駆動トランジスタQ2の臨界電圧より高い時、駆動トランジスタQ2は、導通する。逆に、二端子フォトセンサートランジスタQに、入射光が照射されない場合は、フォトセンサー電流Iphotoは発生されず、第一ノードX上の電圧VX1は駆動トランジスタQ2の臨界電圧より低いため、駆動トランジスタQ2は、導通しない。
【0026】
次に、第二周期Tにおいて、選択信号線Sel_1の電圧レベルは第一ノードXの電圧レベル(低レベル駆動電圧VGLのように)より低く引っ張られ、第一ノードの電圧VX1は二端子フォトセンサートランジスタQのダイオード電流Idiodeによって、リセットされることで、駆動トランジスタQ2は遮断される。この時、選択信号線Sel_2は駆動回路50にイネイブルされたため、表示ピクセルS22のスイッチトランジスタQは導通する。よって、表示ピクセルS22は、第二データ信号線data_2から受けたデータ信号に基づいて、アクティブフォトセンサー及び表示ピクセルU22に入射光が照射されたか否かを表示する。
【0027】
本発明はアクティブフォトセンサーピクセルとそのフォトセンシング方法を提供し、従来の受動式(passive)フォトセンサーピクセルと比べて、本発明のフォトセンサーピクセルは更に高い信号対雑音比と駆動能力を有するので、大面積の表示器の要求を満足することができる。また、本発明のフォトセンサートランジスタQの制御ターミナルは第二ターミナルに接続するので、表示器はフォトセンサートランジスタQの臨界電圧の変動の影響を受けない。本発明のフォトセンサーピクセルとアレイは表示器のバックプレーン(backplane)に設置することができ、且つ従来の電荷結合素子(charge coupled device,CCD)フォトセンサー器とCMOSフォトセンサー器に取って代わることができる。
【0028】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限りにおいては、当業者であれば行い得る少々の変更や修飾を付加することが可能である。従って、本発明が請求する保護範囲は、特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0029】
…二端子フォトセンサートランジスタ
…駆動トランジスタ
…スイッチトランジスタ
hv…入射光
…高電圧
…低電圧
Iphoto 、I’photo…フォトセンサー電流
Idiode、I’ diode…ダイオード電流
11、U12、U13、U21、U22、U23、U31、U32、U33、U41、U42、U43…アクティブフォトセンサー及び表示ピクセル
11、P12、P13、P21、P22、P23、P31、P32、P33、P41、P42、P43…アクティブフォトセンサーピクセル
22…表示ピクセル
Sel_1〜Sel_4…選択信号線
Out_1〜Out_3…出力信号線
data_1〜data_4…データ信号線
ref1…第一参考電圧
ref2…第二参考電圧
ref3…第三参考電圧
…第一ノード
X1、VN1、VN2…電圧
GH…高レベル駆動電圧
GL…低レベル駆動電圧
th_Q…臨界電圧
…第一周期
…第二周期
sensitivity…感度調整コンデンサ
LC…液晶コンデンサ
photo-sensing…フォトセンサーアレイ
sensing-display…フォトセンサー及び表示アレイ
N1…第一ターミナル
N2…第二ターミナル
50…駆動回路
51…検知回路
52…データ駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ノードに結合する第一ターミナルと、選択信号線に接続する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する二端子フォトセンサートランジスタと、
第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、出力信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する駆動トランジスタとを含むアクティブフォトセンサーピクセル。
【請求項2】
前記第一ノードに接続する第一ターミナルと第二参考電圧に接続する第二ターミナルとを有する感度調整コンデンサを更に含む請求項1に記載のアクティブフォトセンサーピクセル。
【請求項3】
露光及び読取周期において、前記選択信号線上の電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより高く引っ張られ、前記二端子フォトセンサートランジスタを感光レジスタとして動作すると同時に、入射光に基づいてフォトセンサー電流を発生し、且つ前記フォトセンサー電流は、前記第一ノードに対して充電することによって、前記駆動トランジスタは導通され、且つ前記出力信号線までの出力電流を発生する請求項1または請求項2に記載のアクティブフォトセンサーピクセル。
【請求項4】
前記露光及び読取周期の次のリセット周期において、前記選択信号線上の電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより低く引っ張られ、前記二端子フォトセンサートランジスタをダイオードとして動作すると同時に、ダイオード電流を発生することによって、前記第一ノードは放電され、且つ、前記駆動トランジスタは遮断される請求項3に記載のアクティブフォトセンサーピクセル。
【請求項5】
前記二端子フォトセンサートランジスタはN型水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(N−type a−Si:H TFT)である請求項1〜4の何れかに記載のアクティブフォトセンサーピクセル。
【請求項6】
複数の信号選択線と、
複数の出力信号線と、
複数のアクティブフォトセンサーピクセルとを含み、
前記各アクティブフォトセンサーピクセルは、第一ノードに結合する第一ターミナルと、対応する選択信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する二端子フォトセンサートランジスタと、第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、対応する出力信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する駆動トランジスタとを含むアクティブフォトセンサーアレイ。
【請求項7】
前記各アクティブフォトセンサーピクセルは、前記第一ノードに接続する第一ターミナルと第二参考電圧に接続する第二ターミナルとを有する感度調整コンデンサを更に含む請求項6に記載のアクティブフォトセンサーアレイ。
【請求項8】
露光及び読取周期において、前記対応する選択信号線上の電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより高く引っ張られ、前記二端子フォトセンサートランジスタを感光レジスタとして動作すると同時に、入射光に基づいてフォトセンサー電流を発生し、且つ前記フォトセンサー電流は、前記第一ノードに対して充電することによって、前記駆動トランジスタは導通され、且つ前記対応する出力信号線までの出力電流を発生する請求項6または請求項7に記載のアクティブフォトセンサーアレイ。
【請求項9】
前記露光及び読取周期の次のリセット周期において、前記対応する選択信号線上の電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより低く引っ張られた時、前記二端子フォトセンサートランジスタをダイオードとして動作すると同時に、ダイオード電流を発生することによって、前記第一ノードは放電され、且つ前記駆動トランジスタは遮断される請求項8に記載のアクティブフォトセンサーアレイ。
【請求項10】
前記二端子フォトセンサートランジスタはN型水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(N−type a−Si:H TFT)である請求項6〜9の何れかに記載のアクティブフォトセンサーアレイ。
【請求項11】
アクティブフォトセンサーピクセルを応用するフォトセンシング方法であって、
前記アクティブフォトセンサーピクセルは第一ノードに結合する第一ターミナルと、選択信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する二端子フォトセンサートランジスタと、
第一参考電圧に結合する第一ターミナルと、出力信号線に結合する第二ターミナルと、前記第一ノードに接続する制御ターミナルとを有する駆動トランジスタとを含み、
前記フォトセンシング方法は、露光及び読取周期において、前記二端子フォトセンサートランジスタを感光レジスタとして動作させるのに、前記選択信号線に第一電圧レベルを提供するステップと、
前記二端子フォトセンサートランジスタが入射光を受取った時、フォトセンサー電流を発生し、前記第一ノードに対して充電することによって、前記駆動トランジスタは前記第一ノード上の電圧レベルに基づいて導通され、前記出力信号線までの出力電流を発生するステップとを含むフォトセンシング方法。
【請求項12】
前記露光及び読取周期の次に提供するリセット周期を更に含み、前記選択信号線に第二電圧レベルを提供することによって、前記二端子フォトセンサートランジスタをダイオードとして動作させ、ダイオード電流を発生すると同時に、前記ダイオード電流に基づいて、前記第一ノードは放電され、且つ前記駆動トランジスタは遮断される請求項11に記載のフォトセンシング方法。
【請求項13】
前記第一電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより高い請求項11または請求項12に記載のフォトセンシング方法。
【請求項14】
前記第二電圧レベルは前記第一ノード上の電圧レベルより低い請求項12または請求項13に記載のフォトセンシング方法。
【請求項15】
前記二端子フォトセンサートランジスタはN型水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(N−type a−Si:H TFT)である請求項11〜14の何れかに記載のフォトセンシング方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−5102(P2012−5102A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278151(P2010−278151)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】