アッセイ装置、方法、および試薬
我々はアッセイを実施するための装置、システム、方法、試薬およびキット、ならびにその処理のプロセスについて記述する。それらは、とりわけ、マルチウェルプレートアッセイのフォーマットにおいて自動化したサンプリング、サンプル処理、およびアッセイを実施するのに非常に適している。例えば、それらは、環境モニタリングにおいて、大気中および/もしくは液体サンプル中の、それらのサンプルに由来する微粒子の自動的なアッセイに用いられ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2008年4月11日出願の米国特許出願第61/123,975の権益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、アッセイを実施するための装置、システム、方法、試薬、およびキットに関する。本発明の装置、システム、方法、試薬、およびキットの特定の実施態様は、マルチウェルプレートアッセイフォーマットにおける自動化したサンプリング、サンプル処理、および/もしくはサンプル分析を実施するのに用いられ得る。たとえば、それらは、大気中および/もしくは液体サンプル中の、それらのサンプルに由来する微粒子の自動化した分析に用いられ得る。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
化学的、生物学的、および/もしくは生化学的アッセイを実施するための数多くの方法およびシステムが開発されてきた。それらの方法およびシステムは医療診断、飲食料品試験、環境モニタリング、製造業の品質管理、創薬、および基礎科学研究を含む様々な用途において重要である。
【0004】
マルチウェルアッセイプレート(マイクロタイタープレートもしくはマイクロプレートとしても知られる)は、複数のサンプルの処理および分析のための標準的なフォーマットになった。マルチウェルアッセイプレートは様々な型、サイズ、および形状をとり得る。便宜上、ハイスループットのアッセイのためのサンプルの処理のために用いられる器具の使用においていくつかの標準が表れてきた。マルチウェルアッセイプレートは、典型的には標準的なサイズおよび形状に作られ、ウェルの標準的な配置を持つ。ウェルの配置は、96ウェルプレート(12×8のウェルの配列)、384ウェルプレート(24×16のウェルの配列)および1536ウェルプレート(48×32のウェルの配列)に見出されるようなものを含む。生物分子スクリーニング学会(Society for Biomolecular Screening)はさまざまなプレートの形状のために推奨できるマイクロプレートの使用を公開している(http://www.sbsonline.orgを参照)。
【0005】
マルチウェルプレート中でアッセイ測定を実施するためのさまざまなプレートリーダー(reader)が利用可能であり、光学的吸収の変化、ルミネッセンスの発光(例えば、蛍光、リン光、化学発光および電気化学発光)、放射線の放出、光散乱の変化、ならびに磁場の変化を測定するリーダーを含む。Wohlstadterらの出願番号10/185,274および10/185,363のそれぞれの米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646は、マルチウェルプレートフォーマットでの単一のおよび多重のECLアッセイを実施するために有用な解決策を記載する。それらはウェルの壁を形成するための貫通孔を持つプレート頂部とウェルの底部を形成するためにプレート頂部に対して密閉されているプレート底部とを含有するプレートを含む。プレート底部は、電極表面を持つウェルを提供するパターン化された導電層を有し、それは結合反応のための固相支持体、ならびに電気化学発光(ECL)を起こさせるための電極の両方として機能する。導電層は、電極表面へと電気エネルギーを加えるための電気接点をもまた含んでも良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アッセイを実施するためのそのような公知の方法およびシステムにも関わらず、マルチウェルプレートアッセイフォーマットにおける自動化したサンプリング、サンプル処理および/もしくはサンプル分析を実施するための改善された装置、システム、方法、試薬およびキットが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このように、本発明はマルチウェルプレートにおいて、ルミネッセンスアッセイを実施するための装置を提供し、該装置は(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置はアッセイサンプルを連続交互プロセスによって処理する。装置はさらにサンプルに集中したグラフィカル・ユーザー・インターフェースを含有する。
【0008】
本発明の装置はプレート操作サブシステムを含み、それは
(a) 遮光筺体であって
(i) 上昇させたり下降させたり出来る、プレートリフティングプラットフォームを持つ一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、
(ii) 前記プレート昇降機および画像化開口部にの上部に配置される一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ遮光筺体頂部であって、ここで前記筺体頂部が前記プレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する遮光筺体頂部、ならびに
(iii) 一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを平行移動させるためのプレート平行移動ステージであって、ここで前記ステージがプレートを支持するためのキャリッジ(carriage)を含有し、該プレートキャリッジの下に配置されたプレート昇降機がプレートに到達し、そしてプレートを持ち上げることが出来るように前記キャリッジが開口部を持ち、そして前記プレート平行移動ステージがプレートを前記画像化開口部の下へと配置し、そして前記プレートを前記プレート昇降機の上へと配置するよう構成されているプレート平行移動ステージ
を含有する遮光筺体;
(b) 前記筺体頂部の前記プレート導入開口部の上に取り付けられた一つもしくはそれ以上のプレートスタッカー(stacker)であって、ここで前記プレートスタッカーが前記プレート昇降機のプレートを受け取るかもしくは受け渡すよう構成されている、プレートスタッカー;ならびに
(c) 前記筺体頂部に取り付けられ、前記画像化開口部へと遮蔽密閉によって連結された光検出器、
を含有する。
【0009】
本発明の装置はまた、液体操作サブシステムを含み、それは前記装置内のアッセイプレートのウェルへと液体を運んだり、前記装置内のアッセイプレートのウェルから液体を取り出したりするためのピペッティングシステムを含有する。
【0010】
さらに本発明の装置は以下の機構を含む:
(a) ピペッティングプローブを垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向へと平行移動させるためのピペット平行移動ステージに取り付けられたピペッティングプローブを含有する、ピペッティングシステム;
(b) 一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つ筐体頂部;
(c) 一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つスライドする遮光ドアであって、ここで前記スライドする遮光ドアが前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部が前記スライドする遮光ドアの前記ピペッティング開口部と一列に並ぶピペッティング位置を持つ;ならびに
(d) 前記筐体頂部へと取り付けられ、前記スライドする遮光ドアが前記ピペッティング位置にいるときに前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部の下に配置されるウェルへと到達するように前記ピペッティングプローブを下降させる、ピペット平行移動ステージ。
【0011】
本発明の装置は、
試薬および/もしくはサンプルのデリバリーステーション(delivery station)、試薬および/もしくはサンプルのチューブラック、プローブ洗浄ステーション、廃液ステーションならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される構成要素をさらに含有でき、前記ピペット平行移動ステージは、液体中に移動し、そして/または液体を前記構成要素へと送るために一つもしくはそれ以上の水平方向へと移動するよう構成されている。プレートシール穴開けプローブもまた含まれ、ここでは、
(i) 前記筐体頂部が、穴開けプローブ開口部を持ち;
(ii) 前記スライドする遮光ドアは、穴開けプローブ開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアは穴開け位置を持ち、前記筐体頂部の前記穴開けプローブ開口部は前記スライドする遮光ドアの前記穴開けプローブと一列に並び;そして
(iii) 前記穴開けプローブが前記筐体頂部に取り付けられ、そして前記スライドする遮光ドアが前記穴開け位置にある時に、前記穴開けプローブを降下させて前記筐体頂部の前記穴開け開口部の下に位置するウェル上のシールを穴開けするように構成されている。
【0012】
本発明の装置はプローブ平行移動要素を含有するピペット平行移動ステージを含み、そして前記ピペット平行移動ステージは水平方向に移動し、そして前記穴開けプローブを前記プローブ平衡移動要素と接触させ、前記プローブ平行移動要素と共に前記穴開けプローブを降下させそして上昇させるように垂直に移動させるように構成されている。
【0013】
さらに、本発明の装置は、前記光検出器の下に配置されるウェルの電極に電気エネルギーを加えるプレート接点をさらに含有する。
【0014】
本発明はまた、ここに記載される装置を用いるアッセイを実施する方法を提供し、ここで該方法は
(a) 前記プレートスタッカーの一つへとマルチウェルプレートを導入するステップ;
(b) 前記一つの前記プレートスタッカーの下のプレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記一つの前記プレートスタッカーから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために、前記プレート昇降機の一つを用いるステップ
(d) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(e) 前記光検出器の下へと一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(f) 少なくとも一つの前記プレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記一つの前記プレート導入開口部の下前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(h) 前記プレートを一つの前記プレートスタッカーへと上昇させるようように前記プレート昇降機の一つを上昇させるステップ
を含有する。
【0015】
上述の方法は更に、一つもしくはそれ以上の下記のステップを含有できる:サンプルおよび/もしくは試薬を前記ウェルの一つへと注入するかもしくは前記ウェルの一つから吸い出すステップ、一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを取り除くステップ、または一つもしくはそれ以上の前記ウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ。
【0016】
本発明の方法は以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す。
【0017】
本発明の方法は、さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す。
【0018】
前記方法の一実施態様において、シールは前記第一のウェルよりステップ(a)において取り除かれる。
【0019】
本発明はまた、本発明の装置を用いてアッセイを実施する方法を提供し、ここでは該方法は:
(a) 前記プレートスタッカーの一つにプレートを導入するステップ;
(b) 前記プレート導入開口部の一つを開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記プレートスタッカーの前記一つから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために前記プレート昇降機の一つを用いるステップ;
(d) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(e) 前記穴開けプローブの下に前記プレートのウェルを並べ、そして前記ウェルのシールを穴開けするステップ;
(f) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを注入するか、ならびに/または前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために前記ピペッティングプローブを用いるステップ;
(h) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(i) 前記光検出器の下に一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(j) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(k) 前記プレート導入開口部を開けるために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(l) 前記プレート昇降機の一つの上に前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(m) 前記プレートスタッカーの一つへと前記プレートを上昇させるために前記プレート昇降機を上昇させるステップ;
を含有し、ここで前記装置は前記マルチウェルプレートの複数のウェルを連続交互プロセスによって処理する。この方法は一つもしくはそれ以上の以下のステップをさらに含有できる:
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するか、または前記ウェルの一つからサンプルおよび/もしくは試薬を取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去するステップ、または前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極へと電気エネルギーを加えるステップ。
【0020】
従って、本発明の方法は以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去する
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルにおいてステップ(a)がが完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す。一実施態様において、該方法は以下のステップ:
(a) 一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを除去するステップ;
(b) 前記マルチウェルプレートの第一のウェルへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極に電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルにおいてステップ(a)がが完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す。任意選択で前記第一のウェルからステップ(a)においてシールが除去される。
【0021】
本発明の方法において、光検出器は画像化システムである。例えば、画像化システムは、前記一つもしくはそれ以上のウェル中の結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するのに用いられ、そして前記装置は前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する。
【0022】
ここに記載される方法は乾燥アッセイ試薬を含有するプレートを含んでも良く、例えば、一つもしくはそれ以上のウェルが乾燥アッセイ試薬を含有し、乾燥試薬を周囲環境から保護するためにシールされている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はマルチウェルプレートリーダー100の組立図を示す。
【図2】図2は光検出器および液体素子の実施態様を顕在化させたプレートリーダー100の図を示す。
【図3】図3はプレートリーダー100の光検出システム160の一実施態様を示す。
【図4】図4は特定の液体およびシール穴開け構成要素の実施態様を示す。
【図5】図5はサンプル/廃液ステーション300の実施態様を示す。
【図6】図6a〜cはバネで留められたピペットプローブ400の実施態様を示す。
【図7】図7a〜bはプレートシール穴開けプローブ225の実施態様を示す。
【図8】図8は集積化プレートシール穴開け/ピペッター500の実施態様を示す。
【図9】図9a〜cはプレートリーダー100の遮光筐体110の実施態様の上面図を示し、スライドする遮光ドア150(斜交平行模様で示される)の操作を図示する。
【図10】図10はプレートリーダー100の遮光筐体100の一実施態様に存在する機械的構成要素の図を示す。
【図11】図11aはマルチウェルプレートリーダー100において使用されるカートリッジの図を示す。図11bはカートリッジの一つのウェルの構成要素の拡大図である。
【図12】図12はマルチウェルプレートリーダー100において使用できるアッセイプロトコールの概要を示す。
【図13】図13aおよび図13bは本発明のマルチウェルプレートリーダーのグラフィック描写である。
【図14】図14a〜cは本発明のマルチウェルプレートリーダーの一実施態様のグラフィック描写である。図14aは装置の詳細な概要である。図14bは任意選択の場合の装置を示す。図14cはサンプルチューブラックが96ウェルマルチプレートで置き換えられた装置の代替的な図である。
【図15】図15aおよび図15bは本発明のマルチウェルプレートリーダーの頂部組立部のグラフィック描写である。図15aは任意選択の場合の装置を示す。図15bは、液体感受可能なピペッティングプローブを含み、そして、バッファーの混入を防ぐための二つのチャンネル、アッセイプレートのシールされていないウェルのための集積化ツール、コンパクトCCDカメラおよびレンズ組立部、5つまでのアッセイプレートを保持できるプレートスタッカー、ならびに導入されたスタック中のアッセイプレートを読み取り跡をたどることが出来るバーコードリーダーを含む頂部組立部の詳細な図を示す。
【図16】図16aおよび図16bは本発明のプレートリーダーの一実施態様において用いられる遮光筐体(LTE)のグラフィック描写である。図16aは、任意選択の場合の装置を示す。図16bは、X−Yテーブル、昇降機および接点メカニズムを含む遮光筐体の詳細な図である。
【図17】図17aおよび図17bは本発明のプレートリーダーの一実施態様において用いられるサンプルステーションのグラフィック描写である。サンプルステーションは、チューブをピペッターの下に配置するライナーガイド、サンプルもしくは液体試薬のために使用できる常設のチューブラック、2412×75mmチューブのための交換可能なチューブラックもしくは96ウェルのソースプレート、ならびに任意選択で除去可能で任意選択でブロー成形された廃液コンテナーであって、廃液処理のために除去可能である廃液コンテナーを含んで良い。廃液コンテナーはまた、サンプルの持ちこしを最小限にするためのピペット洗浄ステーションを含む。
【図18】図18は本発明のプレートリーダーにおいて使用し得るサンプル交互プロセスの図式的概観である。
【図19】図19aおよび図19bは本発明のプレートリーダーと連携させて用い得る代替的なグラフィカルユーザーインターフェースのスクリーンショットを示す。図19aはプレートに焦点を当てたインターフェースを示し、一方図19bはサンプル行列に焦点を当てたインターフェースを示す。
【図20】図20はサンプルの行列に焦点をあてたグラフィカルユーザーインターフェースのスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明セクションは、限定と見なされるべきではないが、特定の発明的な態様を例示することを意図されている本発明の特定の実施態様の記述を提供する。
【0025】
マルチウェルプレートフォーマットにおいてアッセイを実施するための装置がここに記載され、それは一つもしくはそれ以上の以下の望ましい特性を持つ:i)高感度、ii)広いダイナミックレンジ、iii)小さいサイズおよび軽い重量、iv)配列に基づいた多重化能力、v)自動化操作(サンプルおよび/もしくは試薬の移送を含む)、vi)複数のプレートを操作する能力、ならびにvii)シールされたプレートを操作する能力。我々はまた、そのような装置において有用な構成要素、ならびにそのような装置および構成要素を用いるための方法を記載する。それらは特に環境、医療もしくは食料のサンプルの自動的な分析のための使用によく適しているが、それらには限定されない。装置および方法は、一つもしくはそれ以上の検出可能なシグナルを測定する技術を含むがそれらには限定されない様々なアッセイ検出技術と共に用いる事ができる。それらのいくつかは電気化学発光測定、そして特にWohlstadterらの米国特許出願番号10/185,274および米国特許出願番号10/185,363のそれぞれ米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646、ならびにGlezerらの米国特許出願第11/642,970に記載されるもののような集積化した電極を持つマルチウェルプレート(およびそれらプレートを用いるアッセイ方法)との使用に適した実施態様に適している。
【0026】
a)マルチウェルプレートのウェルからシールを除去するためのシール除去ツールおよびb)前記マルチウェルプレートのウェルからのシグナルを測定するための検出システムを含有するシールされたマルチウェルアッセイプレートのウェルからのシグナルを測定するための装置が提供される。シール除去ツールは、i)シール穴開けチップを持つプローブによってシールフィルムを穴開けすること、ii)ウェルのキャップを掴んで除去すること、iii)ウェルの頂部からシールフィルムを引き裂くこと、またはiv)コア堀りツールによってシールを除去する事によって機能する。
【0027】
一実施態様において、シール除去ツールは、i)頂上に向かって徐々に細くなり、穴開け方向(穴開け操作中に平行移動する軸)の一端に穴開けチップを形成する外部表面を持つ穴開けセクション、およびii)穴開け方向に沿って穴開けセクション近接に配置されるシール除去セクションを含有する穴開けプローブである。特定の具体的な実施態様において、シール除去セクションは穴開け方向に対して垂直であり、プローブが操作されるウェルの開口の形状に実質的に適合するように選択される断面形状を有する。プローブは、プローブがウェルの中をスライドし、引き裂かれたシールをウェルの壁に対して押し付けるかもしくはたたむためにウェルの開口と比べて少しサイズが小さい。そのようなアプローチは、ウェル上部に配置される検出器(例えば光検出器および/もしくは光画像化システム)を用いてウェル中のアッセイシグナルを検出するための障害物としてのシールを除去するために用いられ得る。適切な撤去は具体的なフィルムの厚さに基づいて選択されて良いか、ならびに/または約2.54ミリメートル(0.1インチ)未満、約5.08ミリメートル(0.2インチ)未満、もしくは約7.62ミリメートル(0.3インチ)未満から選択されて良い。
【0028】
穴開けツールの一例として、シール除去セクションの断面形状は円である。他の例において、それは四角もしくは丸角を持つ四角である。穴開けセクションは形状として円錐であってよい。代替的にそれは、例えば、チップから放射状方向に広がり、穴開け中にシールを切断するように作用し、そして植えるの壁に対してシールを再現可能にたたむのを助ける露出した刃先を含んで良い。一具体例において、チップは形状としてピラミッド状であり、ピラミッドの端は露出した刃先を提供する。
【0029】
特定の実施態様において、前記穴開け方向に沿ったプローブシール上のプローブの最大の下方への力が、バネのバネ定数によって規定されるように、穴開けプローブがバネで留められている。プローブは、前記シール除去セクション近接に、前記穴開けプローブの前記ウェルへの移動距離を定義するプレート停止セクションをさらに含有しても良い。一具体例において、停止セクションはウェルに入るには大きすぎる幅を持つプローブの領域であり、そして最大の距離は停止セクションがウェルの頂部へと当たる距離によって定義される。
【0030】
装置はピペッティングプローブをさらに含有してよい。一実施態様において、穴開けプローブは穴開け方向に平行な貫通孔を持つ。貫通孔は、任意選択で、穴開けチップから離れて配置され、ピペッティングプローブは、穴開けプローブがウェルのシールを除去するために用いられるとき、穴開けプローブへと引き込まれることができ、そしてピペッティング操作中に穴開けプローブから伸びることができるように貫通孔に動作可能に配置される。穴開けプローブおよびピペッティングプローブは、例えば別々のモーターによって独立して操作できる。代替的に一つのモーターが両方のプローブを駆動するのに用いられ得る。一例において、穴開けプローブは上述のプレート停止セクションを含有し、そしてピペッティングプローブはバネによって穴開けプローブと連携される。バネは、i)プローブが対象物へと力を発揮しないとき、ピペッティングプローブが穴開けプローブ中の貫通孔へと引き込まれ、ii)穴開けプローブのウェルへの平行移動が穴開けプローブの共平行移動をもたらし、ウェル上のシールの除去に十分な力の伝達を可能にし、そしてiii)穴開けプローブの最大移動距離を越えての連続した平行移動がバネの収縮と穴開けプローブからの前記ウェルへのピペッティングプローブの拡張をもたらし、ここでそれが液体のウェルへ注入および液体のウェルからの除去のために用いられるようなバネ係数を持つように選択される。代替的な実施態様において、ピペッティングプローブは穴開けプローブと別々であり、それぞれ独立して操作される。ピペッティングプローブはまた、液体センサーを含んで良い。
【0031】
シール除去ツールを含有する装置を用いる方法が提供され、該方法はマルチウェルプレートのウェルからシールを除去するステップと前記ウェルからの前記シグナルを検出するステップを含有する。シールを除去するステップは、マルチウェルプレートのウェル上のシールを引き裂くことを含有し、そして任意選択でシールをセクションへと切り刻むステップ(例えば切り裂きチップ上の刃先を用いて)、そしてセクションをウェルの内部壁に対して折りたたむステップを含有する。方法はさらに一つもしくはそれ以上の、サンプルをウェルへと注入するステップ、アッセイ試薬をウェルへと注入するステップ、ウェルから液体を除去するステップ、ウェルを洗浄するステップ、ウェルに光を当てるステップ、またはウェル内の電極に電圧を加えるステップをさらに含んでよい。代替的に、方法はプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェル上で、上述のプロセスのいくらかの部分もしくは全てを繰り返す事をさらに含有する。
【0032】
さらに、方法は、一つもしくはそれ以上のウェルで、上述のプロセスのいくらかの部分もしくは全てを並行的に実施する事を含有して良い。このように装置は、マルチウェルプレートの一つ以上のウェル、例えば、10ウェルまで、または5ウェルまでを並行的に同時に処理することができる。そのような並行的な処理はここではサンプル交互処理と呼び、それはサンプルのスループットを向上させるように設計される。
【0033】
用いられる試薬を送り、そしてマルチウェルプレート分析装置によって発生する配液を貯蔵するのに用いられ得る試薬カートリッジが提供される。一実施態様によると、試薬カートリッジは内部容積を持つカートリッジ本体を含有する。カートリッジ本体は、試薬を送り、そして配液を受け取る試薬ポートと廃液ポートを持つ。試薬カートリッジはまた、カートリッジ本体中に、それぞれ試薬ポートおよび廃液ポートへと接続している試薬コンパートメントと廃液コンパートメントを含有する。コンパートメントの容量は、例えば、試薬がアッセイにおいて消費され、そして廃液としてカートリッジへと帰ってくるように、試薬および廃液によって占められるカートリッジ本体の容積の比率が調節できるように調節可能である。カートリッジ本体の全内部容積は、例えば、カートリッジに予めもたらされる試薬の容量のような本体に貯蔵される液体の容量の約2、約1.75、約1.5、もしくは約1.25倍容量であって良く、このように廃液および試薬の貯蔵に必要とされる空間を最小化でき、そして便利な1ステップの試薬の補充および廃液の除去を可能にする。特定の実施態様において、装置はカートリッジを受け入れ、そして廃液ポートと試薬ポートとの液体の接続をもたらす試薬カートリッジスロットを持つよう構成されており、それは、任意選択で「押し込み式接続」もしくは「急速接続」取り付けを介してである。
【0034】
任意選択で、試薬および/もしくは廃液コンパートメントは除去可能である。一実施態様において、試薬および/もしくは廃液コンパートメントは除去可能であり、そして装置はさらに試薬および/もしくは廃液コンパートメント中の液体レベルを監視するための、例えば光学センサーのようなセンサーを含む。試薬および/もしくは廃液コンパートメントが特定の最小もしくは最大の限度容量に到達するとセンサーによって検出されると、装置はユーザーに、試薬もしくは廃液コンパートメントを除去し、内容物を補充するか、および/もしくは内容物を空にするように警告する。一実施態様において、ピペッティングプローブのモーターがセンサーと連動しており、そして、試薬および/もしくは廃液コンパートメントが最小もしくは最大限度容量へと到達すると、ピペッティングプローブのモーターは装置によって動作を停止される。例えば、プローブセンサーがコンパートメントの限度容量に関する情報を装置のソフトウェアへと伝達し、それは、さらなるピペッティング動作を中断させる。
【0035】
試薬および廃液コンパートメントは、カートリッジ本体に配置される折りたたみ可能なバッグとして供給されてもよい。試薬および廃液コンパートメントの一方が折りたたみ可能なバッグとして提供され、他方がカートリッジ本体それ自体として提供されても良い(すなわち、カートリッジ本体の容量が。カートリッジ本体のいずれかの折りたたみ可能なバッグによって定義される容量を排除する)。第一の試薬および廃液コンパートメントに加えて、試薬カートリッジは、一つもしくはそれ以上の追加の試薬および/もしくは廃液ポートに接続した一つもしくはそれ以上の折りたたみ可能な試薬および/もしくは廃液コンパートメントをさらに含有して良い。代替的に、試薬および廃液コンパートメントの一方もしくは他方はブロー成形されたプラスチックから作られても良い。
【0036】
試薬カートリッジを用いる方法も提供される。方法は、試薬コンパートメントから試薬を取り出すステップと、廃液コンパートメントへと廃液を導入するステップとを含有する。特定の実施態様において、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の試薬の容量が廃液として試薬カートリッジへと再導入される。
【0037】
液体ディスペンサーが提供される。ディスペンサーは液体をマルチウェルプレートのウェルへと注入するか、またはウェルより除去するのに用いられて良い。アッセイ装置はディスペンサーを含んで提供される。液体ディスペンサーの一実施態様は、垂直チューブ要素を含有するピペッティングプローブを含有する。ディスペンサーはまた、チューブ要素を垂直方向に支持し、そして前記チューブ要素をガイドの中の完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間で垂直に移動できるように構成されるプローブガイドを含有する。ディスペンサーは垂直チューブ要素とプローブガイドとを接続し、チューブ要素を完全に伸びた位置(例えば下向きに伸びた)に偏らせるバネ要素をさらに含有する。垂直平行移動ステージはプローブガイドに接続され、プローブを上昇させたり降下させたりする。
【0038】
チューブ要素は下部の開口部を持ち、そこを通じて液体が注入されたり吸引されたりする。一実施態様において、下部の開口部は、平滑チューブ末端である。任意選択で、開口部が平の表面に対して押さえつけられているときに、液体が開口部を介して移動できるように、端にはスロットが作られている。特定の実施態様において、ディスペンサーは二つもしくはそれ以上のチューブ要素を含有する。一具体例において、異なる試薬は異なるチューブ要素を介して注入される。他の実施態様において、一チューブ要素が、試薬を注入するのに用いられ、他のチューブ要素が配液を吸引するのに用いられる。複数のチューブ要素は、例えば並行チューブもしくは同心チューブとしてのように、さまざまな配列に構成されてよい。
【0039】
例えばマルチウェルプレートのウェルのようなコンテナーへ溶液を添加したりコンテナーから引き抜くために液体ディスペンサーを用いる方法が提供される。一つの方法はa)プローブがコンテナーの底部表面に触れるまで平行移動ステージを降下させることによってピペッティングプローブをコンテナー内へと降下させるステップ、b)前記チューブ要素がバネを押し付け、プローブガイドの前記完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間の位置へと引き込まれるように平行移動ステージを降下させる事を続けるステップ、c)ピペッティングプローブを介して前記コンテナーへと液体を添加するか、および/もしくは前記コンテナーから液体を引き抜くステップ、ならびにd)前記平行移動ステージを上昇させることによって前記コンテナーの外へとピペッティングプローブを上昇させるステップを含有する。
【0040】
穴開け可能なシールを持つコンテナーを用いる具体的な実施態様において、方法は、プローブがシールと接触して穴開けするまで平行移動ステージを降下させるステップをさらに含有しても良い。さらにシールを穴開けすることは、e)ピペッティングプローブがプレートシールに接触するまで平行移動ステージを降下させるステップ、f)チューブ要素がバネを押し付け、プローブガイド中の完全に縮んだ位置まで引き込まれるように平行移動ステージを降下させることを続けるステップ、そしてg)ピペッティングプローブがプレートシールを穴開けし、そしてチューブ要素が完全に伸びた位置になるまで帰ってくるように平行移動ステージを降下させる事を続けるステップをさらに含有してもよい。
【0041】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置が提供される。一実施態様は、その中でルミネッセンス測定が実施できる無光の環境を提供する遮光筐体を含有する。筐体は、筐体中で具体的なアッセイのプロセスおよび/もしくは検出ステップが実施される場所へとプレートを水平に平行移動させるためのプレート平行移動ステージを含む。筐体はまた、そこからプレートが、(手動でもしくは機械的に)プレート水平移動ステージへと降下されたり、プレート平行移動ステージから取り出されたりする、一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ筐体頂部を含む。スライドする遮光ドアは、ルミネッセンス測定を実施する前に、プレート導入開口部を周囲の光から密閉するために用いられる。
【0042】
装置は遮光筐体中に取り付けられる光検出器をもまた含有してよく、代替的にそれは(例えば密閉コネクターもしくはバッフルを介して)筐体頂部の検出開口部に取り付けられても良い。特定の実施態様において、光検出器はCCDカメラのような画像化光検出器であり、レンズもまた含んでいて良い。装置はまた、ピペッティングシステム、シール穴開けシステム、試薬および廃液貯蔵コンテナー、サンプルもしくは試薬チューブのためのチューブホルダー、サンプル/試薬/廃液を送り/除去するための液体ステーションなどをもまた含有してよい。それらの構成要素は当分野に公知の構成要素のように汎用の構成要素であろう。代替的に、装置はここに記載される具体的な構成要素を使用できる。さらに装置は、操作を調節するためのコンピュータもしくは他の電子的なシステムを含有でき、装置は例えば、電動の機械的システムを操作するための、ならびにルミネッセンスシグナルを起こすか、および/または分析するためのものを含む。
【0043】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスを実施するための装置の他の実施態様は、i)プレートリフティングプラットフォームを持つ、上昇させたり降下させたりできる、一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、ii)プレート昇降機の上に位置する一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部と検出開口部を持つ密閉筐体頂部であって、該筐体頂部はプレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する密閉筐体頂部、iii)一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを水平移動させるプレート水平移動ステージを含有する密閉筐体を含有する。プレート平行移動ステージは、プレートホルダーの下に配置されるプレート昇降機がプレートに到達してプレートを持ち上げることができるようにプレートの下に開口部を持つプレートを支持するためのプレートホルダーを含有する。さらにプレート平行移動ステージは、検出開口部の下にプレートを配置し、そしてプレートをプレート昇降機の上に配置するように構成される。
【0044】
装置は、一つもしくはそれ以上のプレートスタッカーおよび光検出器をさらに含有する。プレートスタッカーはプレート導入開口部の上で筐体頂部に取り付けられ、プレート昇降機からプレートを受け取りプレート昇降機へとプレートを受け渡すよう構成されている。光検出器は筐体頂部に取り付けられ、画像化開口部へと遮光シールによって接続されている。
【0045】
装置の特定の具体的な実施態様は、装置内のアッセイプレートのウェルへと液体を送ったりウェルから液体を除去したりするためのピペッティングシステムをさらに含有する。具体的な一実施態様において、ピペッティングシステムは、垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向に、前記ピペッティングプローブを平行移動させるためのぴぺってお平行移動ステージ上に取り付けられるピペッティングプローブをさらに含有する。さらに筐体頂部は一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち、スライドする遮光ドアは一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つ。スライドする遮光ドアは筐体頂部のピペッティング開口部とスライドする遮光ドアのピペッティング開口部とが一列に並ぶピペッティング位置を持つ。ピペット平行移動ステージは筐体頂部に取り付けられ、スライドする遮光ドアがピペッティング位置にあるとき、ピペッティングプローブが筐体頂部のピペッティング開口部のしに配置されるウェルへと到達するように降下できるように構成されている。
【0046】
装置の他の任意選択の構成要素は、プレートシール穴開けプローブのようなシール除去ツールである。一例において、筐体頂部とスライドする遮光ドアは穴開けプローブ開口部を持ち、そして、遮光ドアは、ドアと頂部の穴開け開口部が一列に並ぶ穴開け位置を持つ。穴開けプローブは筐体頂部に取り付けられ、スライドする遮光ドアが穴開けポジションにあるとき、筐体頂部の穴開け開口部の下に配置されるウェルのシールに穴を開けるように穴開けプローブが降下させられるように構成されている。有利なことに、穴開けプローブとピペットプローブの両方が存在するとき、例えば上述の集積化ピペッティング/穴開けツールのように、両方は単一の平行移動ステージで駆動されても良い。代替的な実施態様において、ピペットプローブを支持するピペット平行移動ステージはプローブ平行移動要素を含有し、ピペット平行移動ステージは水平に移動してプローブ平行移動要素で穴開けプローブを掴み、そして前記穴開けプローブを下降させたり上昇させたりするように構成されている。
【0047】
装置のさらなる任意選択の構成要素は、プレとに電気的接点を作り、そして前記光検出器の下に配置されるウェルの電極に電気エネルギーをもたらすためのプレート接点である(例えばECLを誘起するためのもの)。
【0048】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置を用いる方法もまた提供される。プレートは汎用のマルチウェルプレートであってよい。特定の実施態様において、電気化学発光圧制での使用に適したプレートは、米国特許出願番号10/185,274、10/185,363および10/238,391に記載されるように用いられる。一度に一つのウェルからECLを検出するアッセイ方法において、これらのウェルにおける電極と電極接点は一度に一つのウェルの電極のみに対して電気エネルギーを加えるように適合している。装置は、例えばGlezerらの米国特許出願番号11/642,970に記載されるように、乾燥試薬および/もしくはシールされたウェルを含有するプレートでアッセイを実施するのに特に良く適合していても良い。
【0049】
一実施態様において、方法はa)プレートをプレートスタッカーに導入するステップ、b)遮光ドアを開けるステップ、c)プレートスタッカーからプレート水平移動ステージ上のプレートホルダーへとプレートを降下させるステップ、d)遮光ドアを密閉するステップ、e)一つもしくはそれ以上のウェルを光検出器の下に配置するためにプレートを平行移動させるステップ、e)一つもしくはそれ以上のウェルからのルミネッセンスを検出するステップ、f)遮光ドアを開けるステップ、g)プレートスタッカーの下に配置するためにプレートを平行移動させるステップ、ならびにh)プレートをプレートスタッカーまで上昇させるステップを含有する。方法は、前記光検出器の下のい一つもしくはそれ以上の追加のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップと前記一つもしくはそれ以上の追加のウェルからのルミネッセンスを検出するステップとをさらに含有しても良い。方法はまた、任意選択で、i)サンプルおよび/もしくは試薬を前記ウェルの一つへと注入するかもしくは前記ウェルから取り出すステップ、ii)一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを除去するステップ、iii)一つもしくはそれ以上の前記ウェル中の電極へと電気エネルギーを加えるステップ(例えば、電気化学発光を誘起するために)の一つもしくはそれ以上を含有しても良い。
【0050】
装置がピペッティングプローブを含有し、そして筐体頂部とスライドするドアがピペッティング開口部を含むとき、方法は:スライドする遮光ドアをピペッティング位置へとスライドさせるステップと、プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを導入するおよび/もしくはプレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために、ピペッティングプローブを用いるステップとをさらに含有してもよい。装置がシール穴開けプローブを含有し、そして筐体頂部とスライドするドアとが穴開け開口部を含むとき、方法は、スライドするドアを穴開け位置へとスライドするステップ、穴開けプローブの下にプレートのウェルを並べるステップ、ならびにウェルのシールを穴開けするステップをもまた含有してもよい。それらはプレートの追加のウェルを穴開けするために繰り返しても良い。一実施態様において、プレートのウェルのシールは、ピペッティングプローブが到達する前に、シール穴開けツールによって穴開けされる。他の実施態様において、最初にピペッティングプローブ(これはシールに一つもしくはそれ以上の小さい穴を穴開けするかもしくはシールを引き裂く)がウェルに到達する。ウェルはその後、完全にシールを除去するために穴開けプローブによって穴開けされ、そしてウェルからのシグナルの邪魔の無い検出を可能にする。
【0051】
検出器は、光ダイオード、アバランシェ光ダイオード、光電子増倍管などのような汎用の光検出器であってよい。好適な光検出器はまた、そのような光検出器の配列を含む。使用可能な光検出器はまた、CCDおよびCMOSカメラのような画像化システムを含む。光検出器はまた、検出器上での、光の指向、光の焦点化および/もしくは光の画像化のために、レンズ、ライトガイド(light guide)などを含んで良い。特定の具体的な実施態様において、アッセイプレートの一つもしくはそれ以上のウェルにおける結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するために画像化システムが用いられ、そしてアッセイ装置は、前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する。
【0052】
分析物検出モジュールと大気サンプリングシステムとを含有する環境モニタリングシステムが提供される。大気サンプリングシステムは大気中の粒子物質を濃縮し、そして粒子を液体懸濁液へと懸濁するために大気を処理する。検出モジュールは、ここで開示されるようにマルチウェルプレートにおけるルミネッセンスアッセイを実施するための装置である。操作中、大気サンプリングシステムは、大気を一定の期間処理し、サンプルを分析物検出モジュールへと送り、その後それは、アッセイプレートの一つもしくはそれ以上のウェルの一つもしくはそれ以上の標的分析物に対してアッセイを実施し、アッセイが完了すると結果を報告する。大気サンプリングシステム、検出モジュール、および二つの構成要素の間のインターフェースは、好ましくは自律的な様式で操作するように設計されている。選択された時間の間隔において、追加のサンプルが大気サンプリングシステムから検出モジュールへと送られ、アッセイプレートの使用されていないウェルにおいて分析される。アッセイは連続した様式において実施されるように計画されても良い。代替的に、アッセイはいくつかのステップが重なる交互の様式において実行されるように計画されても良い。マルチウェルプレートの使用(および複数のマルチウェルプレートを保持するプレートスタッカー)を通じて、消耗品の補充を必要とすること無く、長期間の自動操作が達成される。
【実施例】
【0053】
図1は、マルチウェルプレートリーダー100の一実施態様の等角図を示す。プレートリーダー100は遮光筐体110および液体/画像化システム筐体130を持つ。インプットプレートスタッカー122およびアウトプットプレートスタッカー122は、アッセイに用いるプレート105(プレートは任意選択のプレートシールを持つように示されている)を保持する。プレートスタッカー120および122は、バネで留められていて(この図において示されていないプレート昇降機を用いて)下の遮蔽筐体から上昇したプレートがスタックに捕捉されるようにするプレートリリースラッチ125を持つ。インプットスタック122のラッチはスタックから下のプレート昇降機(示されていない)へとプレートを放つようにすることも出来る。窓140は、インプットスタッカー122中のプレート上のバーコードを読むために、液体/画像化システム筐体130中のバーコードリーダーに対して光学的な経路をもたらす。任意選択で、スタック中のプレートを周囲環境から守るためにプレートスタックカバー(示されていない)がプレートスタック上に取り付けられても良い。プレートスタックを調整された温度および/もしくは湿度に維持しておくために、プレートスタックカバーは、加熱器および/もしくは冷却器(例えば、熱電気的加熱器/冷却器)、ならびに/または乾燥室を含んでもよい。
【0054】
図2は、液体/画像化システム筐体130のカバーととプレート105を含まないプレートリーダー100の図である。図は、プレートスタッカー120および122の下に配置される遮光筐体100の頂部のプレート導入開口部のための遮光密閉を提供するスライドする遮光ドア150を示す。モーター155はベルトを介して直線のねじ回し(示されていない)と連結し、ドア150を開く。プレートリーダー100の図は、ドア150を含む装置の様々な構成要素を動かすための特定の具体的な平行移動のメカニズムを図示し、選択される具体的なメカニズムは特定の発明の利点を持つかも知れないが、この記述は限定を意味しておらず、当業者なら様々な汎用の単一のもしくは複数の軸の平行移動メカニズムから選択できる。図を単純にするために、電子回路ボードは示されていないことは着目すべきである。
【0055】
画像化システム160は遮光筐体110の頂部の画像化開口部に取り付けられ、そして筐体110内でプレートからのルミネッセンスを画像化できる。ポンプ170は集積化ピペッティングシステムを介して液体を駆動するために用いられる。当業者なら、隔膜ポンプ、蠕動ポンプ、シリンジ(もしくはピストン)ポンプ(示されるように)を含むがそれらに限定されない、システムに用いるのに適切なポンプを選択できる。ポンプ170は、異なる液体ラインへと液体を流したり、異なる液体ラインから液体を引っ張ったりするために多重ポートバルブを含有する。代替的に、異なる液体ラインの液体を独立して制御するために多重ポンプが用いられる。バーコードリーダー180および回転鏡185は、インプットプレートスタッカー122中のプレートからバーコードをスキャンするために用いられる。液体ステーション200は、サンプルを装置へと送り、集積化ピペッターを洗浄し、およびピペッターからの廃液の廃棄のために用いられる。穴開けツール225はシールされたプレートのウェルのシールの穴開けと除去のために用いられ、ウェルの障害の無い画像化を可能にする。ピペッティングプローブ平行移動ステージ250は、二重ピペッティングプローブ260の水平および垂直の平行移動をもたらす。
【0056】
図3はプレートリーダー100の他の図であり、画像化システム160の構成要素に焦点を当て、そして遮光筐体110の頂部にカメラブラケット164を介して取り付けられたカメラ162を示す。カメラ162に連結されたレンズ166は筐体110中のプレートから発生するルミネッセンスの焦点を当てた画像をもたらす。レンズ166と筐体110の頂部の開口部とに密着された絞り168は、筐体110を環境光から守られた遮光環境に保ちつつ、画像化システム160が筐体110からの光を画像化できるようにする。画像化システム160における使用に好適なカメラは、フィルムカメラ、CCDカメラ、CMOSカメラなどのような汎用のカメラを含むがそれらには限定されない。CCDカメラは電子雑音を減らすために冷やしても良い。レンズ166は、ガラスもしくは射出成形プラスチックから製造できる高開口数のレンズである。画像化システムは一度にプレートの一つのウェルもしくは複数のウェルを画像化するのに用いられて良い。一つのウェルからの光の画像化のための集光効率は、CCDチップのサイズと画像化される領域のより近い一致のためにウェルのグループの画像化よりも高い。画像化される領域の縮小集光効率の増加は、検出における高感度を維持しつつ小さくて安価なCCDカメラおよびレンズを使用できるようにする。その低いコストとサイズにとって特に有利なのは、非冷却のカメラもしくは最小の冷却(好ましくは約−20℃まで、約−10°、約0°もしくはより高い温度)でのカメラの使用である。
【0057】
図4は、プレートシール穴開けツール225、ピペッター平行移動ステージ250、ならびにサンプル/廃液ステーション300の拡大図を示す。ピペッター平行移動ステージ250は、モーター駆動の垂直平行移動ステージ280に取り付けられ、その結果、水平平行移動ステージ270へと取り付けられている二重プローブピペッター260を含有する。水平平行移動ステージ270は、垂直平行移動ステージ280を直線ガイドレールに沿って移動させ、ピペッター260を穴開けツール225とサンプル/廃液ステーション300との間で水平に移動させるよう駆動するモーターとベルトを用いる。垂直平行移動ステージ280は、二重プローブピペッター260を上昇させ効果させるのにモーター駆動の直線のねじ回しを用いる。移動の範囲は、プローブ260をサンプル/廃液ステーション中の液体に到達させ(遮光筐体110の頂部の開口部を通じて、示されていない)、そして筐体110に配置されるプレートのウェルへと到達できるようにする。二重プローブピペッター260は、プローブと液体ラインの両方をつなげるための液体接続を含む。二つのプローブの使用は、一つのプローブを液体をウェルへと送るために用い、一つのプローブを配液を除去すために用いるようにできる。代替的に、二つのプローブを、二つの異なった液体ラインからの別々の試薬を送るのに用いてもよい。垂直平行移動ステージ280は、穴開けツール225のスロット227へとスライドできるよう成形された穴開けプローブ平行移動要素265を含む。ピペッター平行移動ステージ270を用いることにより、プローブ平行移動要素を、スロット227において、ヨーク265を介して穴開けプローブ225と接触させて掴むように移動しても良い。垂直ステージ280の上昇および下降の移動は、穴開けプローブ225の垂直位置を制御するのに用いられて良い。
【0058】
図5は、サンプル/廃液ステーション300の二つの図を示す。ステーション300は、その上部表面によって画定される3つの開口コンパートメント:サンプルコンパートメント310、廃液コンパートメント320、および洗浄コンパートメント330を持つ。サンプルコンパートメント310は液体コネクター310と液体接続している。液体接続312(例えば大気サンプリングシステムから)に送られるサンプルは、サンプルコンパートメント310を満たし、そしてピペッター260から利用可能になる。廃液コンパートメント320は液体接続322へと流れ出て、そしてピペッター260が廃液を送るための貯蔵庫を提供する。洗浄コンパートメント330はピペッター260の表面を洗浄するために用いられ;ピペッター260はコンパートメント330に挿入され、液体システムは、廃液コンパートメント320へとあふれ出る前にピペッター260の表面に沿って流れる洗浄液体を注入するために指向される。コンパートメント310、320および330は、コンパートメント310および330のいずれのオーバーフローも廃液を指向するように、そしてステーション300を溢れでないようにウェル305へと皿穴で配置される。液体センサー314および324は、コンパートメント310および320の液体レベルをモニターするために含められ、適切な操作を確かにする。好適な液体センサーは、光反射率および静電容量センサを含むがそれらに限定されない。
【0059】
試薬ブロック340は、外部液体試薬源(液体コネクター344と接続されている)とポンプ170(液体コネクター342へと接続されている)との間の接続を提供するために用いられる。試薬ブロック340は、液体試薬の送達を確かにするために液体センサー346を用いて監視される。液体試薬は、特定の用途のために必要とされないのなら無くても良い。液体試薬として使用可能性のある非限定的な例は、ポンプおよび液体ラインのためのワーキング液体として、アッセイウェルの洗浄のための洗浄バッファーとして、そして/またはルミネッセンス測定の最適な環境をもたらすためのリードバッファーとしての使用を含む。一実施態様において、それは電気化学発光リードバッファーである。廃液および液体バッファーは外部もしくは内部のビン中に貯蔵できる。代替的にそれらは、例えばここに記載されるような試薬カートリッジに貯蔵できる。
【0060】
サンプル/廃液ステーション300の一つもしくはそれ以上の機能的構成要素(例えば、コンパートメントの一つ、試薬ブロック、センサーなど)は、省略しても良いし、または分離した部分として提供されても良いことは、当業者は理解するであろう。さらに、サンプルコンパートメントはサンプルを提供する他の方法によって補完されたり置き換えられたりしても良い。例えば、チューブラックおよび/もしくはソースプレートステーションは装置中に組み込まれても良い。そのような実施態様は、プローブ260の移動がそのようなチューブもしくはそのようなソースプレートのウェルへと到達するのに十分なように構成されている。ラックもしくはプレートホルダーは、すべてのチューブおよびウェルへの到達をもたらすのを助けるための移動の軸を持っても良い。一実施態様において、横方向(すなわち装置の底面に対して横から横への)におけるプローブの水平の移動ならびに縦方向(すなわち前面から背面への)におけるチューブもしくはプレートホルダーの移動は、チューブラック中のチューブの配列および/もしくはプレートホルダー中のソースプレートに保持されるウェルへの到達を提供する。
【0061】
一実施態様において、装置はアッセイサンプル、試薬もしくはその両方のための試験管を受け入れる常設のサンプルラックを含む。装置は、試験管、マルチウェルプレートもしくはその両方のための取り外し可能なサンプルラックを含んでいても良い。一実施態様において、取り外し可能なサンプルラックは、少なくとも24の試験管および/もしくは96ウェルマルチウェルプレートまたは96深底マルチウェルプレートを受け入れる。ラックもしくはプレートホルダーは、サンプルラックを装置の前方向および後方向へと動かすための単一の移動軸を持っていても良い。さらに、二重プローブピペッター260は、試験管の深い底にまで垂直に伸びるのに十分な長さである。
【0062】
図6aは、ピペッター260のプローブの一つもしくは両方において用いることのできるピペッティングプローブチップ400の詳細図を示す。プローブ400は、プローブの外周のチップへと切り込まれたスロット410のある平滑の末端を持つ中空のチューブであり、プローブが表面と接触しているとき、液体をプローブから吸引したりプローブへと注入したりできる。長方形のスロットが示されるが、三角もしくは半円の開口を含む、代替的な幾何学的図形を用いても良いことは明らかである。プローブの外周に一つもしくはそれ以上のスロットが存在しても良い。スロットは左右対称なパターンに配置されても良いし、液体が好ましい方向から吸引される、すなわちウェルの底縁の周りのメニスカスから液体を吸引するためにプローブの特定の側に配置されても良い(非対称)。
【0063】
任意選択で、装置において用いられるピペッティングプローブはバネで留められており、表面もしくはプローブを傷つけることなく表面と接触できる。図6bおよび6cは、液体ディスペンサー420を示し、それは用いられ得る代替的なプローブの実施態様を示す。液体ディスペンサー420は、垂直チューブ要素425を持つピペッティングプローブ424と、チューブ要素425をガイド430中を完全に伸びた位置(図6b)と完全に縮んだ位置(図6c)の間で垂直に移動させるよう構成されているプローブガイド430とを含有する。示されるように、プローブ424の大口径部は、ガイド430の内部表面によって画定される二つの位置の停止部の間に制限されているが、当業者は位置停止部の代替的な構成を設計できるであろう。ディスペンサー420はまた、垂直チューブ要素上でガイド430の表面とレッジ(もしくはカラー)435の間に圧縮されているバネ要素440を含有し、プローブの底で外部の力がないときに前記チューブ要素が伸びた位置にとどまるようになっている。ディスペンサーはまた、ガイド430に結合した垂直平行移動ステージ(示されていない)を含有し、それはガイド430を上昇させたり降下させたりする。
【0064】
ディスペンサー420を用いるピペッティング操作の位置実施態様において、プローブ424が底部表面に触れるまでコンテナーの中に降下されるようにガイドが降下される。チューブ要素425がバネ440を押し付けるように降下は続き、そして、プローブガイド430中の、完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間の位置に引き込まれる。液体はウェルへと添加されるかもしくはウェルから取り除かれ、プローブ424はウェルから上昇して出る。穴開け可能なシールを持つコンテナーを用いる具体例において、方法はプローブ424がシールと接触してシールに穴開けするまで平行移動ステージを降下させるステップを含んでも良い。さらにシールの穴開けは、e)ピペッティングプローブ424がプレートシールに接触するまで平行移動ステージを降下させるステップと、f)チューブ要素425がバネ440を押し付け、プローブガイド430中の完全に縮んだ位置に引き込まれるまで平行移動ステージの降下を続けるステップ、ならびにg)ピペッティングプローブ424がプレートシールに穴を開け、チューブ要素425が完全に伸びた位置にまで戻るように水平移動ステージの下降を続けるステップをさらに含有する。
【0065】
図7a−7bは、装置100からの穴開けプローブ225の2つの図を示す。穴開けプローブ225は、穴開け方向(プローブがウェルを穴開けするように動く方向であって、この場合、プローブの長軸である)の一端において穴開けチップ451から頂点に向けて先細になっている外部表面を持つ穴開けセクション450を含有する。穴開けプローブ225はまた、穴開け次元に沿って穴開けセクション450に近接して配置されるシール除去セクション452を含有する。除去セクション452は、穴開けを意図しているウェルの開口の形状(この場合、丸角の四角いウェル)と一致するが、しかしながら比較してほんの少し小さい。穴開けセクション450がシールを穴開けしたのち、除去セクション452はプレートのシールをウェルの壁に向かって押し付け、シールがウェル中のシグナルの検出と干渉するのを防ぐ。穴開けプローブ225はまた、除去セクション452近傍にプレート停止セクション454を含有する。停止セクション45は、それがターゲットウェルに入る事ができないようなサイズであり、それによってプローブ225の標的のウェルへの最大移動を決める。
【0066】
上述のように、除去セクション452は穴開けを意図するウェルの形状と一致する。断面(垂直面から穴開け方向に向けて)は、丸、楕円、多角形(正もしくは正でない)、および丸角の多角形を含むがそれらには限定されない、いずれのウェルの形をも取り得る。一具体例において、それは四角もしくは丸角の四角である。穴開けセクション450は、円錐形もしくはピラミッド型を含むがそれらに限定されない形を取ってよい。図7aに示されるように、それは、チップ451から放射方向へと伸びている縁53を持つ四角のピラミッド型形状を持つ。ピラミッドの縁は、有利にも穴開け操作の間にシールをカットしてセクションに入れるのを助ける刃先を形成する。例えば、図7a−7bに示される穴開けプローブは、丸まった四角のウェルのシールの穴あけをし、4つの三角のシールセクションを形成するようにシールを対角線上に切断し、そしてそれらのセクションをウェルの壁に対して折りたたむように構成されている。刃先はまた表面より隆起しても良く、例えば穴開けシステムは基本的に円錐形であってよいが、円錐表面から伸びた隆起した刃先を持っていて良い。マルチウェルプレートを分析するための装置は、穴開けプローブとシールされたプレートを含んで提供される。好適なプレートは、シーリングフィルム(例えば、接着性、ヒートシールされている、またはソニック溶接フィルム)によってシールされたプレートを含む。フィルムはプラスチックおよび金属フィルムまたは両者の組み合わせを含むがそれらに限定されない。具体的な一実施態様において、シールは、熱シール可能なもしくは接着性のアルミニウムホイルのような金属ホイル(熱シール可能なまたは接着性のコートもしくはフィルムのようなシーリング層によってコートされても良い)である。
【0067】
図7bに示されるように、穴開けプローブ225はバネで留められていて復元力をもたらし、プレートに加えられ得る最大の力を制限する。穴開けプローブ225は、プローブガイド470中の開口部中にスライドするプローブシャフト460を含有し、プローブガイド470は遮光筐体110の頂部に固定して取り付けられる(図2を参照)。圧縮バネ461は、プローブシャフト460がプローブガイド470までに完全に上昇するように力を加える復元力をもたらす。復元力は、i)シャフト460中に固定的に保持されるピン464とii)ガイド470と筐体110の頂部との間に固定的に保持されるが、シャフト460のスロット463(スロット463は、ガイド470に対してプローブシャフト460の移動範囲を定義する)中を自由に動作可能であるピン462の間にもたらされる。プローブ225は、プランジャー465への力の印加によって穴開け方向に移動するように構成されている(例えば、スロット277をプローブ除去要素265による捕捉(図4を参照)、およびプローブ除去要素265の垂直方向への平行移動による)。プランジャー465とピン464の間の第二の圧縮バネ(示されない)は穴開けプローブ225に加えられ得る力を制限する;もし過剰の力が加えられると、プランジャーは、ガイド470に対してシャフト460を移動させる代わりに第二の圧縮バネを押し付ける。スロット467中のピン466はシャフト460中のプランジャー465の最大移動を定義する。
【0068】
図8は、一つのユニットに集積化された穴開けおよびピペッティングプローブの代替的な実施態様を示す。図8は、シール穴開けチップ521を伴うシール穴開けセクション520を持つシール穴開けプローブ510、シール除去セクション、ならびにプレート停止セクション524を含有するシール穴開け/ピペッター500を示す。穴開け/ピペッター500はまた、プローブ510が穴開け方向に沿ってスライドできるシリンダー状の開口を持つ穴開けプローブガイド540を含有する。穴開けプローブ510は穴開け方向に並行する貫通孔525を持ち、一例において、穴開けチップ521からは離れている。ガイド540から離れる穴開けプローブ510の移動がピペッティングプローブ530による穴開けプローブ510から伸長をもたらし、そして穴開けプローブ510のガイド540へ向けての移動がピペッティングプローブ530による穴開けプローブ510中に引き込みをもたらすように、ピペットプローブ530が貫通孔525に動作可能に配置され、ガイド540に固定して結合する。ガイド540中の圧縮バネ545は穴開けプローブ510をガイド540から離れるように押し、そしてピペッティングプローブ530を引っ張るように作動する(穴開けプローブ510の最大変異は、物理的な停止部、特にプローブ510上のカラー526およびガイド540上のレッジ547によって制限される)。
【0069】
操作中、穴開けプローブ510がウェル上のシールを穴開けして除去するように、プレートガイド540がシールされたウェルへと向かって下降する。圧縮バネ545のバネ定数は、バネ545の実質的な圧縮なし(そしてピペッティングプローブ530が貫通孔525に引き込まれ、穴開けプローブ510と共平行移動する)にシールを穴開けできるように選択される。ガイド540の継続的な下降はプレート停止セクション524のウェルの頂部表面への接触をもたらし、穴開けプローブ510のさらなる平行移動を防ぎ、そしてバネ545の圧縮とピペッティングプローブ530のウェル中への伸長とをもたらす。
【0070】
図9a−9cは、筐体110頂部に取り付けられた大部分の構成要素を取り除いた後の装置100(図1〜2を参照)の遮蔽筐体110の上面図を示す。図9は、スライドする遮光ドア150が3つの異なった位置にある3つの図(a〜c)を示す(詳細には、ドア150の露出した表面は斜行平行模様で示される)。図9aにおいて、ドア150は、筐体110の頂部のプレート導入開口部626、穴開けプローブ開口部630、およびピペッティングプローブ開口部640を完全に密閉するように完全に密閉された位置にある。光検出開口部610は、開口部610の下に位置するウェルからの発光の検出および/もしくは画像化を可能にするようにブロックされていない。この図はまた、開口部610の下の筐体110の底部に取り付けられたプレート接点メカニズム615を示す。プレート接点メカニズム615はウェル内に電極を持つプレートとの使用のために構成され、そして電極がプレートの底部上にパターン化されているそれら電極と接触し、プレート接点メカニズム615は、開口部610の下に配置されたウェルの電極接点に対して電気接点を提供する。
【0071】
図9bにおいて、スライドするドア150は、スライドするドア150中の穴開けプローブおよびピペッティングプローブの開口部を、筐体110の頂部中の対応する開口部630および640と一列にするために部分的に開かれている。ドアがこの位置にいることによって、穴開けおよびピペッティングプローブは適切な開口部の下に配置されるウェルへと到達できる。ピペッティングプローブがプレートを再配置することなくプレート中のウェルもしくは複数のウェルの複数の位置へと到達できるように、多重ピペッティング開口部は提供される。図9cにおいて、スライドするドア150は完全に開いており、プレート導入開口部626を完全に開け、そしてプレートスタッカー120および122、ならびにプレート昇降機625の間のプレートの移動を可能にする。
【0072】
図10は、遮光筐体110に存在する機械的な構成要素を示す。プレート平行移動ステージ710は筐体110中の昇降する位置に取り付けられ、そしてプレートホルダー720を提供し、そしてプレート730を保持する。平行移動ステージ710は、プレートホルダー720に対し2つの水平軸の平行移動をもたらし、プレートホルダー720が筐体110の水平領域の大部分に及ぶのを可能にする直線ガイドおよびモーターを含有する。プレート昇降機740および接点メカニズム750がプレート730の底部とプレートホルダー730を通り抜けて接触できるように、プレートホルダー720はプレート730を縁で支持し、中心部が開口である。プレートホルダー720が昇降機740上のプラットフォーム745の一つの上に配置されるとき、昇降機740のモーター駆動のハサミメカニズムがプラットフォームを上昇させるように操作し、プレートホルダー720から筐体110の頂部に取り付けられたプレートスタッカーへとプレート730を持ち上げる。同様に、プレートホルダー720が接点メカニズム750上に配置されるとき、接点メカニズム750のモーター駆動のハサミメカニズムが接点電極がプレート730の底部へと接触するように電機接点755を上昇させるように操作し、そして、例えばそれらの電極で電気化学発光を誘起するように、前記接点を通じて電気エネルギーをプレート730のウェル中の電極へと加えることを可能にする。プレートを移動させるように記載される移動システム、電気接点、プローブなどは、たとえそれらが特定の利点を持っていたとしても、ここに描写される具体的なメカニズムに限定されない。構成要素の所望の動作を達成するために他の汎用のメカニズムを選択する事は、当業者の行う範囲のことである。
【0073】
一実施態様において、平行移動ステージ710は、プローブホルダー720の一つもしくは二つの軸の急速な振動をし、それによってプレートホルダー上のプレートの内容物を攪拌し混合するために用いられ得る。攪拌のプロファイルは連続した単軸の攪拌から負荷サイクルの軌道攪拌までの範囲であり得る。一例は2つの異なる周波数での軸での攪拌を含む。システムは、例えばWohlstadterらへの米国特許第6,413,783号に記載されるような、サンプルの放置中の混合を向上させるために超音波処理を提供できる。
【0074】
一実施態様において、遮光筐体は画像化開口部の下でかつ、プレートホルダーの昇降より下に位置する光源を含む。この構成は、プレート中でのプレートの配置のエラーを正すのに用いられる基準穴もしくは窓の使用を可能にする。光源からの光は基準を介して通り抜け、プレートの配置を観測して補正するために画像化システム上で画像化される。有利にも、プレート頂部と対になってプレート底部から形成されるプレート(例えば、米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052645に記載されるような、射出成型されたプレート頂部と対になったスクリーン印刷されたプレート底部を持つプレート)は、プレート頂部と比較してプレート底部のずれた配置を補正するために、有利にもプレート底部へとパターン化されたかまたは切り刻まれた基準(例えばスクリーンが印刷されている)を含む。具体的な一実施態様において、そのようなプレートの上のプレート頂部は、プレート底部上の基準と一列に並ぶ穴(例えば、プレート頂部の外部フレーム中に)を含み、基準の画像化を可能にする。従って、プレートの下で発生する光の画像化は、プレートの正確な位置を画像化処理ソフトウェアへと伝えるのに用いられ、そしてカメラの焦点おチェックをもまたもたらす。プレートはそして、二軸の配置システムによって再調整される。このように、プレート配置方法は(1)光通過開口部を持つプレートを提供するステップ;(2)底部からプレートを照らすステップ;(3)光通過開口部を通って来る光を検出するステップ;および(4)任意選択でプレートを再調整するステップを含有して提供される。
【0075】
本発明の装置は、図11に描写されるもののようなマルチウェルアッセイプレートを用いる。マルチウェルプレートの一例は、図11aおよび11bに示され、それは射出成型プレート頂部上にホイルプレートシールおよびスクリーン印刷されたマイラープレート底部を含む。プレートはアッセイウェルと乾燥ウェルの両方を含む。図11bは、アッセイプレートの一つのウェルの拡大図を提供する。ウェルのプレート底部は作用電極、対電極および誘電層を含む。物質の配列、例えば、標的の分析物に特異的な抗体の配列は作用電極に結合し、そしてウェルはアッセイのための凍結乾燥した検出抗体および/もしくは陽性対照をプレート底部の上部のレッジ(ledge)に含む。図11に描写されるようなプレートを用いるアッセイのプロトコールの概要は、図12に概略的に示される。
【0076】
本発明の装置のさまざまな実施態様はここで検討される。図13は、2つの非限定的な例を描写する。図13aは大気モニタリングシステムの検出の構成要素を含む装置のバージョンを描写する。図13aの装置のサンプルソースはサンプルステーションへとポンプ注入される液体であり、装置は連続処理可能である。他の実施態様は図13bに示される。図13bは、例えば野外研究の設置におけるような自動化サンプル処理が可能であり、それはチューブの列を保持するサンプルラックもしくはソースプレートを含む。図13bに示される実施態様はここでより詳細に記載されるような交互サンプル処理を可能にする。
【0077】
図14は、図13bに描写され、概要が記載される装置の詳細図である。図14aの装置は取り外し可能なサンプルチューブラックに加えて常設のチューブラックを含む。常設のチューブラックは、サンプル、試薬、もしくはその両方のために使用可能な複数のテストチューブを収容できる(図14aに示される実施態様において、8テストチューブである)。取り外し可能なサンプルラックは、例えば、24本までのテストチューブ、96ウェルプレートもしくは96深穴プレートのような複数のテストチューブおよび/もしくはマルチプレートウェルを収納可能である(これの代替的な配置は図14cに示される)。さらに、装置は、どのような型のサンプルラックが装置中に導入されているかを検出するセンサーを含む。図14の装置はまた、取り外し可能な廃液コンパートメントと廃液コンパートメントと通信する液体センサーとを含む。廃液コンパートメントは、図14aに示されるウェストカートリッジリリースによって取り出されてもよい。代替的な実施態様において、廃液コンパートメントは装置の外部に配置されるが、配液を外部廃液コンパートメントへと輸送する装置および装置のソフトウェアと液体ポンプを介して通信をとっている。図14bの装置はまた、例えばLED光もしくは他の指標またはロッキングメカニズムのような、サンプルラックが移動中もしくは他のアクセス不可能な状態にあるときにユーザーのアクセスを防ぐためのサンプルアクセスドアを含む。一実施態様において、このメカニズムはソフトウェアにより調節されるロックを含む。図15は、図14に示される装置の上面図を描写する。
【0078】
図16は、図14に示される装置において用いられる遮光筐体(LTE)の詳細図を提供する。LTEは、装置中のプレートスタック、ウェル穴開け、ピペッティングもしくはECL測定ステーションへとマルチウェルプレートを配置する事の出来るX−Yテーブルを含む。LTEはまた、X−Yテーブルとインプット/アウトプットスタックとの間でプレートを移動させる昇降機、ならびにCCDカメラの下のプレートウェル中の電極に電気接点を作る接点メカニズムを含む。
【0079】
図17は図14に示される装置のサンプルステーションの詳細図を提供する。サンプルステーションは、ピペッティングプローブの下にチューブを配置する直線ガイド、常設および取り外し可能なチューブラック、ならびに廃液コンテナーを含む。
【0080】
図18に示されるように、本発明はマルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置を提供し、該装置は(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置は連続的交互処理によってアッセイサンプルを処理する。このように、本発明は、本発明の装置を用いる方法を提供し、ここで個々のウェルの処理は連続して:
(a) 第一のサンプル添加フェーズ(図中の「前端」)であって、ここでピペッティングプローブは個々のウェルへのサンプル添加に従事し、ここで前記第一のサンプル添加フェーズは期間nを含有する;
(b) 第一の放置フェーズであって、ここでピペッティングプローブは個々のウェルへと到達および/もしくは操作する必要が無いが、任意選択で、他のウェルをアクセスおよび/もしくは操作し、そして該第一の放置フェーズは期間mを含有する;
(c) 第一の試薬添加フェーズであって(図中の「後端」)であって、ここでピペッティングプローブは個々のウェル(任意選択で一部のウェルが洗浄ステップであってよい)へと試薬を添加するのに従事し、第一の試薬添加フェーズは期間pを含有する;
を含有する。
【0081】
第一のサンプル添加フェーズは、シールの穴開け、試薬添加およびアッセイのためのウェルを準備する他のステップを含んでよい。試薬添加フェーズにおける第一の試薬添加は、個々のウェルから液体を吸引するステップを含み得るウェル洗浄ステップの一部であってよい。第一の試薬添加フェーズは個々のウェルの検出プロセスの実行をまた含んで良い(例えば個々のウェルでのECLの誘起および測定を含む)。第一のサンプル添加フェーズおよび第一の試薬添加フェーズの両方は、ピペッティングプローブの準備と洗浄を含んで良い(例えば液体ラインの洗浄開始、ピペットチップの洗浄など)。
【0082】
任意選択で、個々のウェルでのプロセスは追加の放置フェーズもしくは試薬添加フェーズを含んで良い。例えば、限定することなく、「2ステップ」結合アッセイは第二の放置フェーズおよび第二の試薬添加フェーズを含み得る。
【0083】
マルチウェルプレート中の第一のウェルへとステップ(a)〜(c)がもたらされ、そしてそれらのステップは、先のウェルにおいてステップ(a)が完了した後、マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいて繰り返される。例えば、プレートの第一のウェルにおいてステップ(a)が完了すると、該第一のウェルは続いてステップ(b)〜(c)で処理される。ウェルにおいて一つステップが完了すると、先のウェルが次のステップへ進む一方でそのステップはプレートの追加のウェルにおいて完了する。同様に、追加のウェルが残りのステップへともたらされる。一つのウェルがプロセスの第一のステップにもたらされ(プロセスの残りのステップが後に続く)、そして近傍のウェルがそのステップへともたらされ、プロセスの続きのステップが後の続くようにプレートの個々のウェル、すなわちプレートの近傍のもしくは隣接するウェルでプロセスが実行されて良い。代替的に、プロセスは近傍ではないウェルで実行されてもよく、すなわち一つのウェルがプロセスの第一のステップ(プロセスの続きのステップが後に続く)にもたらされ、そしてプレートの離れたウェルがそのステップにもたらされ、プロセスの続きのステップが後に続く。
【0084】
図18に示されるように、複数のサンプルを測定するための一つのアプローチは、連続サンプル処理であり、次のサンプルの分析を開始する前に一つのサンプルのサンプル分析を完了する事を含み、プロセスは低いサンプルスループットを提供する。スループットを増大させるために、先のサンプルのための放置期間中にサンプル処理を開始する事が可能であり、これはこの時間に先のサンプルのためにピペッターは必要としないという事象の利点を活用する。このようなアプローチの一実施態様は連続交互プロセスであり、動作が個々のウェルにおいて取られるときの異なるフェーズのために交互の期間を割り当てる(例えば、上述期間nおよびpはフェーズ(a)および(c)中である)。割り当てられるサンプル添加期間において、サンプルが利用可能なら(サンプルが利用可能でないとき、ピペッターはその期間に待機でいる)装置はサンプルをウェルへと添加する。サンプル添加期間に続いて、試薬添加期間が始まりその期間に放置フェーズの終わりに到達したウェルが処理される(もし放置中のサンプルが無い時、またはサンプルが放置期間の終わりに到達していないとき、ピペッターはその期間待機でいつづける)。この代替的なサンプルの処理および試薬添加の期間はその後続く。ソフトウェアのスケジューラーは、装置によって単一のプレート上で実施される全てのアッセイの状態を常にトラックする。上述のスケジュールのアプローチは、非常に単純なスケジュールのアルゴリズムに従って全てのウェルが実質的に同一のアッセイプロトコールとタイミングを用いて処理されることを確実にする。代替的に、ソフトウェアのスケジューラーは、プロトコールの一つもしくはそれ以上のステップをユーザーによって決められるように調整できるようにプログラムされていてよい。交互プロセスにおいて、ピペッティングプローブがウェルに到達したりECLシグナルが測定されたりしていないかぎり装置がプレートを連続的に攪拌するようにサンプルを放置する間の攪拌時間は最大化されている。
【0085】
交互プロセスは、それが装置のスループットを有意に向上させるので、単一のピペッティングプローブを含有する装置、とりわけアッセイプロセスにおける異なる時間での複数の動作を実施するように単一のプローブが使用されるときに利点がある。プロセスは、一つ以上のピペッティングプローブを含有する装置においてもまた利点がある。一つ以上のピペッティングプローブが持ちいられるとき、それぞれのプローブは与えられた期間においてアッセイタスクが与えられ、そして単一のピペッティングプローブで実施されるプロセスと比べて、アッセイステップがさらに凝縮される。
【0086】
装置のスループットの増加に加えて、サンプル交互処理は、最初のテストが予め定められた閾値から外れるシグナルを持つときに、例えばシグナルが予め定められた閾値よりも高いかもしくは低いときに、サンプルの自動再テストの導入を促す。例えば、様々なサンプルウェル(典型的に、最初のテストウェルおよび少なくとも一つ以上の再テストウェル)の平均値もしくはメディアン値が特定のアッセイのための閾値を越えるとき、サンプルは自動再テストに供されてもよい。代替的に、プログラムは、概して「陽性」と呼ばれるサンプルに対して、与えられたサンプルの全てのアッセイが陽性であることを要求し得る。
【0087】
図19は、本発明の装置と共に使用可能な2つのバージョンのグラフィカルユーザーインターフェースを示す。図19bに描写されるバージョンにおいて、ユーザーインターフェースはアッセイプレートに焦点を当て、ユーザーはプレートおよびプレート中のそれぞれのウェルのアッセイ結果を全体として外観しそして視覚化できる。対照的に、図19bに示されるバージョンはサンプルに焦点を当てる。サンプルに焦点を当てたユーザーインターフェースは、ユーザーがサンプル行列へとサンプルの情報、例えば名前およびラックの位置を入力し、そしてユーザーが与えられたアッセイサンプルならびにそれぞれのサンプルのアッセイの結果を視覚化できるようにする。図20は、サンプルに焦点を当てたグラフィカルユーザーインターフェースのさらに他の図を提供する。
【0088】
装置、システム、方法、試薬およびキットを、環境サンプルのアッセイを実施するのに用いても良い。それらはマルチウェルプレートアッセイフォーマットでの自動化サンプリング、サンプル処理、および分析に特に適している。
【0089】
一実施様態は、(1)サンプルコレクションモジュール;(2)任意選択で、サンプル処理モジュール;および(3)生物因子検出モジュールを含有し、ここでモジュール群が液体的に接続されるか、もしくは一例において、サンプルがモジュール間を移動可能なように接続可能である、自動化環境モニタリングシステムである。一実施態様によると、自動化環境システムはヒトの干渉を減らすことが要求される複数の週間の期間の固定した操作を可能にする。
【0090】
検出できる生物因子はウイルス、バクテリア、真菌、および寄生性病原体ならびに生物学的毒素を含む。因子それ自体が検出されてもよいし、またはそれらが、細胞断片、タンパク質、核酸、脂質、多糖および毒素を含むそれら因子由来の物質の測定によって検出されてもよい。
【0091】
一実施態様において、自動環境モニタリングシステムは大気をサンプリングし、大気サンプルからの粒子物質を回収液体へと懸濁し、それによって液体サンプルを作り、そしてウイルス、バクテリアおよび毒素を含む一つもしくはそれ以上の生物因子のアッセイを実施する。アッセイは単一もしくは多重アッセイフォーマットで実施できる。
【0092】
生物因子のいくつかの例は、ワクシニアウイルス、ブルセラ種、ボツリヌス毒素、リシン、ブドウ球菌エンテロトキシン、ベネズエラウマ脳炎(VEE)、ペスト菌(YP)、炭疽菌(BA)、コクシエラ・バーネッティ(CB)、および野兎病菌、ならびにそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0093】
一実施態様において、システムはまた、生物因子検出モジュールからのデータを受け取り処理するためのコンピュータを含有する。コンピュータはデータ中から陽性の識別をし、そして任意選択でテストの実施の頻度を上昇させ、適切な機関に警告を発し、そしてさらに、任意選択で近接の追加の自動環境モニタリングシステムに自動的に警告を発して、分析の頻度を上昇させ、そして/または生物因子の存在を識別する検出感度を下げるようにする。
【0094】
自動化環境モニタリングシステムのネットワークがまた提供される。一実施態様によると、ネットワーク中のそれぞれの自動化環境モニタリングシステムは、操作期間にわたる個別の場所のバックグランドのサンプルの取得を通じて個別の場所のバックグランドデータによって個別の検出限界の閾値を決定できる。取得されたバックグランドのレベルの情報は平均的なバックグランドのレベルとバックグランドレベルの標準偏差とをトラックするのに用いられ、そして個別の自動化環境モニタリングシステムの位置に対する検出限界の閾値を調整できる。
【0095】
一実施態様によると、サンプル収集モジュールは、大気のサンプルからろ過されるか、または他に濃縮された粒子の懸濁液のような環境サンプルの収集と処理を可能にする。使用可能な大気サンプリングシステムは、フィルターに基づいたサンプル収集機、衝撃部材、事実上の衝撃部材、および湿潤サイクロンを含む。使用可能な標準的なサンプル収集モジュールの例は、米国特許第6,888,085号、6,887,710号、6,867,044号、および6,567,008号に記載されるようなシステムを含む。さらに、または代替的に、サンプル収集モジュールは、水サンプル、土壌サンプル、医療サンプル、環境スワイプ、環境スラッジ、食品サンプル、飲料、排泄物の懸濁液を含有するサンプル、または生物学的サンプルのような他のクラスのサンプルを収集して、濃縮し、そして/または、処理するよう構成されていてもよい。分析し得る医療サンプルは、排せつ物、粘膜スワブ、生理液、細胞の懸濁液を含むサンプル、ならびにそれあの組み合わせを含むがそれらには限定されない。生物学的サンプルの具体例は、血液、血清、血しょう、組織吸引物、組織ホモジネート、細胞培養、細胞培養上清(真核細胞および原核細胞の培養を含む)、尿、および脳脊髄液を含む。
【0096】
収集液体中で噴霧される粒子流中に含まれる粒子を懸濁するための装置は、ソニケーター、ボルテックスミキサー、攪拌機、単純ミキサー、または溶液と待機サンプルの間の接触を最適化する他の手段を用いてよい。
【0097】
一実施態様によると、収集機の溶液における生物因子から(紙、破片、およびゴミを含むがそれらに限定されない)粒子への損失を防ぐために界面活性剤が収集液体へと添加できる。有用な界面活性剤は、イオンもしくは非イオン洗剤もしくは界面活性剤(例えば、非イオン洗剤/界面活性剤の種類はBRIJ、TRITON、TWEEN、THESIT、LUBROL、GENAPOL、PLURONIC、TETRONICおよびSPANの商標で知られる)を含むがそれらには限定されない。他の実施態様によると、粒子、例えば、セルロース系の破片に吸着する生物因子は、例えば酢酸もしくはクエン酸のようなカルボン酸処理によって溶液中に再び戻る。
【0098】
一実施態様によると、生物因子の検出は、サンプルの物理的もしくは化学的処理によって向上される。(1)サンプル中の生物因子の濃縮、(2)生物因子の溶解および/もしくは断片化、ならびに(3)アクセスできる状態にない結合部位の露出化の処理を利用できる。一つもしくはそれ以上の処理ステップを、本発明の方法に含め得る。
【0099】
装置は、液体サンプル中に懸濁された生物因子をろ過、親和性分離および/もしくは遠心によって濃縮するための濃縮機システムを含んで良い。ろ過濃縮システムはバクテリアおよびウイルス粒子を残らせる一方で過剰の液体を除去するために選択されるフィルターを採用できる。一例において、ろ過濃縮システムは、タンパク質、毒素、核酸、多糖および脂質のような生物学的分子を残すようなフィルターを採用する。システムはまた、例えば、逆方向にバッファーを流すおよび/もしくはソニケーションによって生物因子をフィルターから取り出し、液体に再懸濁するために提供される。
【0100】
遠心濃縮システムは、遠心の後に過剰の液体を除去することによって生物因子を液体と分離する。システムはまた、過剰の液体の除去の後に、濃縮された生物因子を少量の液体に再懸濁する事を提供する。
【0101】
一実施態様によると、システムは、生物因子を結合可能な親和性樹脂を含有する親和性濃縮ユニットを採用する。親和性樹脂の例は、疎水相互作用樹脂(C4−C18、ポリ−、ポリエチル、およびポリメチルアスパルトアミド)を含むがそれらに限定されない。樹脂は、便利にもカラム、カートリッジに便利に詰められていても良く、または遊離ビーズとして使用されても良い。システムには、放出溶媒によって親和性基体から生物因子を溶出することによって取り出すことが提供される。
【0102】
一実施態様によると、少なくとも一つの分析物は、受動的(例えば非特異的結合)な反応または分析物の結合パートナー(例えば分析物へと結合する抗体)との結合相互反応を介して、または共有結合介するような化学的結合(例えばNHS−エステルとの反応)を介して、および/もしくは適切なリンカーとの反応によって、または、一つもしくはそれ以上の得意的な結合試薬、および/もしくはそれらの組み合わせによる、少なくとも一つの微粒子、もしくは複数の微粒子(例えば複数の磁気反応性微粒子)の表面上への固定化を通じて濃縮できる。
【0103】
一実施態様によると、例えばWohlstadterらへの米国特許第6,413,873号に記載されるような超音波溶解システムがサンプル処理モジュールへと組み込まれる。代替的に、サンプル処理モジュールは化学溶解システムを含有できる。洗剤、酸、塩基、もしくは他の溶解試薬による化学溶解が植物性バクテリア、胞子およびウイルス性粒子を壊して開けるのに使用できる。化学溶解のための酸性もしくは塩基性溶液は、分析物検出モジュールへとサンプルを送る前に中和できる。一実施態様によると、溶解システムは、濃縮システムを含有する分離機の上流に組み込まれる。代替的に、溶解は濃縮ユニットからの生物因子の取り出しの後に続く。
【0104】
サンプル処理モジュールはさらに、望まないもの、そして一部の例において干渉物質の除去が可能な部分精製システムを含んで良い。例えば、部分精製システムは、生物因子が通過可能であるが、大きい粒子を通さないフィルターを含んで良い。モジュールは化学部分精製システム(例えば、アルコールを用いて核酸を沈殿させるシステム)もまた含んで良い。
【0105】
一実施態様によると、生物因子検出モジュールは、マルチウェルプレートから電気化学発光(ECL)を読み取るためのリーダーを含有する。例えば、ECLに基づいた多重試験は、米国特許出願番号10/185,274および米国特許出願番号10/185,363のそれぞれ米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2004/0052646;米国特許出願番号10/238,960の米国特許公開2003/0207290;米国特許出願番号10/238、391の米国特許公開2003/0113713;米国特許出願番号10/744,726の米国特許公開2004/0189311、米国特許出願番号10/980,198の米国特許公開2005/0142033に記載される。
【0106】
一実施態様において、生物因子検出モジュールは、サンプルおよびバッファーを受け入れ、そしてそれらをプレートのウェルへと分注するための、集積化ピペッターと液体多岐管とを持つ。一つの好ましい実施態様によると、モジュールは、一時に一つのウェルのみからECLの誘起と測定とができる。
【0107】
分析物検出モジュールの一例である、図1の図は、プレートを貯蔵し移動させるメカニカルシステム、ルミネッセンス(ECLを含む)を測定するための光検出器、サンプルをプレートへ移動する液体連絡およびピペッティングシステム、およびモジュールを駆動する電気ボードの小型の装置の構成を例示する。そのようなモジュールの代替的な実施態様は図14に描写される。
【0108】
一実施態様によると、分析物の検出モジュールは3つのサブシステム(1)光検出、(2)液体操作、(3)プレート操作を持つ。それぞれのサブシステムは、任意選択で、信頼できる操作を確かにし、偽陽性の可能性を減らすための内蔵のエラー検出構成要素を持つ。
【0109】
生物兵器因子を含むがそれらには限定されない生物因子のアッセイを実施するための方法が提供される。一実施態様において、方法は結合アッセイである。他の実施態様において、方法は固相結合アッセイ(一例において、固相イムノアッセイ)であり、アッセイ組成物を、アッセイ組成物に存在する興味のある分析物(もしくはその結合競合物)と結合する一つもしくはそれ以上の結合表面と接触させる事を含有する。方法はまた、アッセイ組成物を、興味のある分析物と特異的に結合可能な一つもしくはそれ以上の検出試薬と接触させる事を含んでも良い。好ましい実施態様による多重結合アッセイ方法は、当分野において利用可能な数多くのフォーマットを含む。好適なアッセイ方法はサンドイッチ法もしくは競合結合アッセイフォーマットを含む。サンドイッチイムノアッセイの例は米国特許第4,168,146号および米国特許第4,366,241号に記載される。競合的イムノアッセイの例は、Buechlerらへの米国特許第4,235,601号、米国特許第4,442,204号および米国特許第5,208,535号に開示されるものを含む。一例において、魚介毒素およびカビ毒素のような小分子毒素が、競合的イムノアッセイフォーマットにおいて有利にも測定できる。
【0110】
検出試薬として利用可能な結合試薬である結合表面および/もしくは架橋試薬の結合要素は、抗体、受容体、リガンド、ハプテン、抗原、エピトープ、ミミトープ、アプタマー、ハイブリダイゼーションパートナー、およびインターカレーターを含むがそれらに限定されない。好適な結合試薬組成物は、タンパク質、核酸、薬剤、ステロイド、ホルモン、脂質、多糖、およびそれらの組み合わせを含むがそれらには限定されない。用語「抗体」は、完全なままの抗体分子(抗体のサブユニットのインビトロ(in vitro)の再構成によって組立てたれたハイブリッド抗体を含む)、抗体フラグメント、および抗体の抗原結合部位を含有する組変えタンパク質コンストラクト(例えばPorter&Weir,J. Cell Physiol.、67(Suppl);51−64、1966、;HochmanらのBiochemistry 12:1130−1135、1973)を含む。該用語はまた、完全なままの抗体分子、抗体フラグメント、および化学的に修飾された抗体コンストラクト、例えば、標識を導入されたものを含む。
【0111】
ここで用いるとき、測定は定量的および定性的測定を包含し、そしてサンプル中に、分析物の存在を検出する、分析物の量を検出する、既知の分析物を同定する、および/もしくは未知の分析物の招待を決定することを含むがそれらには限定されない数多くの目的のために実施される測定を包含すると理解される。一実施態様によると、一つもしくはそれ以上の結合表面へと結合する第一の結合試薬および第二の結合試薬の量は、サンプル中の分析物の濃度、すなわちサンプルの容量当たりのそれぞれの分析物の量として存在できる
【0112】
分析物は電気化学発光に基づいたアッセイフォーマットを用いて検出できる。電気化学発光測定は、好ましくは電極表面に固定されるかもしくは収集された結合試薬を用いて実施される。特に好ましい電極は、具体的に設計されたカートリッジおよび/もしくはマルチウェルプレート(例えば24、96、384などのウェルプレート)の底にパターン化されたスクリーンプリントされたカーボンインク電極を含む。炭素電極表面上のECLラベルからの電気化学発光は、米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646に記載されるような画像化プレートリーダーを用いて誘起され測定される。自動化プレートおよびプレートリーダーは現在市販されている(MULTI−SPOT(登録商標)およびMULTI−ARRAY(登録商標)プレートならびにSECTOR(登録商標)装置、Meso Scale Discovery、Meso Scale Dignostics部門、LLC、Gaithersburg、MD)。
【0113】
一実施態様において、プレート中の電極上に固定された抗体はサンドイッチイムノアッセイフォーマットにおいて選択された生物因子を検出するのに用い得る。他の実施態様において、プレート中の集積された電極上にパターン化された抗体のマイクロアレイは、サンドイッチイムノアッセイフォーマット中で選択された複数の生物因子を検出するのに用いられる。従って、それぞれのウェルはプレートの作用電極上に固定された一つもしくはそれ以上の捕捉抗体を含み、任意選択で、乾燥状態の標識された検出抗体と、サンプルの分析と陽性対照および陰性対照の実施に必要なすべての追加の試薬とを含む。一例において、単一のウェルに多重の結合表面を持つ配列は、偽陽性の同定を有意に減少させるための多重検定を可能にする
【0114】
陽性対照方法は、シグナル発生と干渉することによって偽陰性の測定を引き起こすかもしれない条件もしくはサンプルを同定するために提供される。この様態によると、陽性対象方法は、サンプルと環境サンプルにおいて観測されることが予想されていない陽性対照の物質(例えば非毒素の陽性対照物質)への結合試薬(例えば抗体)とを接触させ;その後、サンプルと陽性対照物質および調節された量の陽性対照物質に対する標識された検出試薬(例えば抗体)を接触させ、そしてシグナルを測定する。陽性対照はそれゆえサンプルがなにであろうと常に陽性のシグナルを提供するべきである。有意に減少したシグナルはサンプルが抗体結合反応もしくはシグナル発生プロセスと干渉していることか、プレートもしくは装置の動作が不良であることを示すかもしれない。
【0115】
陰性対照方法は、検出試薬と一致していない捕捉試薬(例えば抗体)を用いて提供される。方法は、サンプルを不一致の検出試薬の存在下で捕捉試薬と接触させ、そして測定する。それゆえ、陰性対照は、サンプルがなんであれ陰性のシグナルを提供する。陰性対照からの有意に上昇したシグナルは、非一致の検出試薬の陰性対照捕捉試薬への非特異的な結合を引き起こす架橋剤のような物質のサンプル中の存在を示す。
【0116】
方法は、偽陽性の同定をもたらす任意の非特異的な結合効果を同定するために、特異的な捕捉抗体として同じ種(例えばポリクローナルなマウス、ウサギ、ヤギなど)からの非特異敵な抗体の混合物を用いて提供される。この混合物は実際の試験測定において用いられる抗体の種を含むように選択され得る。
【0117】
方法は、代替的に独立してアクセス可能なウェルにおいて偽陽性の同定の頻度を減少させるために、少なくとも二つの異なる捕捉試薬と検出試薬(例えば抗体)の対を用いて提供される。従って、第一の結合試薬の対は第一の同定として使用され、そして、もし陽性なら第二の結合試薬の対を用いた確認試験を実施する。対は生物因子の同一のマーカーもしくはエピトープを標的とし、または代替的に、生物因子の異なるマーカーもしくはエピトープを標的とすることによって二つの測定の直交性をさらに増加させる。代替的なウェルにおける少なくとも二つの異なる交代の対の配置は特に有利であり得る。この様態によると、対を第一の同定セットとして用いると、それによって確認試験用のウェルを用意する必要性がなくなる。代わりに、もしサンプルが(第一のもしくは第二の対に基づいた)最近の試験の結果に基づいて陽性であることが予想されるとき、確認は続くテストウェルを実施することによって単純に実施される。
【0118】
検出の信頼性は、単一のウェルにおいて二つもしくはそれ以上の異なる捕捉抗体を提供する事によってさらに向上し、ここで(a)二つもしくはそれ以上の異なる抗体は、同じ生物学的標的の同じマーカーおよび/もしくはエピトープを認識する、および/もしくは(b)二つもしくはそれ以上の抗体は同じ生物拓的標的の異なるマーカーおよび/もしくはエピトープを認識する。
【0119】
生物因子を検出するための一つの方法は、(1)サンプル収集モジュールを用いて大気サンプルを収集するステップ(例として、集積化アエロゾルサンプリングシステムを用いて大気サンプル中のアエロゾルを収集する);(2)アエロゾルを液体に懸濁するステップ;(3)任意選択でアエロゾル懸濁液をサンプル処理モジュールへと移動するステップ;(4)任意選択で、サンプル処理モジュール中でアエロゾルを濃縮するか、および/もしくは精製するステップ(例として、大きい粒子を除去することによる部分的な精製);(5)液体サンプルをマルチウェルプレートのウェルへと移動するステップ;(6)同じ対象に対する少なくとも一つの検出抗体を添加するステップ;(7)アッセイ測定を実施して、生物因子が陽性なサンプルを同定するステップ;(8)任意選択で(5)〜(7)を繰り返す事によって確認テストを実施するステップ;(9)警告を発するステップを含有する。任意選択で検出試薬は、ウェル中に乾燥状態で存在し(6)は省略しても良い。この場合、サンプルの添加は乾燥試薬の再構成をもたらす。一実施態様において、ステップ(5)は集積化ピペッティングシステムの使用を通じてサンプルをウェルへと移動する事を含む。
【0120】
ステップ(5)はリキッドサンプルをサンプルチェンバー(例えば装置100のサンプルコンパートメント310)へとポンプ注入することを含有し、プレート(例えば装置100の遮光筐体110中のプレート)のウェルへとサンプルを移動するのにピペッティングシステム(例えば、装置100のプローブ260)を用いる事を含有する。一実施態様において、この操作、ならびに一つもしくはそれ以上(またはすべての)後に続く分析ステップ((6)〜(9))を実施するために上述の装置100が用いられる。
【0121】
一実施態様において、結合試薬の固相化配列を持ち、そしてサンプル中の生物因子は対応する固相化された試薬および対応する標識された検出試薬と結合し、サンドイッチ複合体を形成する。一例において、配列は電極上に形成され、検出はECL測定を用いて実施される。一実施態様において、ECL読み取りバッファーの添加後、電極上の標識は作用電極に電話津を加えることによってECLを発光するように誘起され、そして発光したECLはCCDカメラ上で画像化される。任意選択で、特に汚れた環境におけるアエロゾルサンプルによって精製する光学的に濁ったサンプルに対するアッセイ感度の利点のためにECL測定の前に洗浄が追加される。画像分析が配列上の発光の位置を決定するために用いられ、それによってサンプル中の因子を同定する。画像分析はまた、抗体配列上のそれぞれの因子からの発光を同定をもたらし、それぞれの生物因子の正確な定量を可能にする。
【0122】
本開示に引用される特許、特許出願、文献、および試験方法は、参照によりその全てをここに組みいれる。
【0123】
本発明はここに記載される特定の実施態様によって範囲を限定されない。ここに記載される物に加えての多くの発明の修正は、上述の記述および添付される図から当業者にとって明らかであろう。そのような修正は請求項の範囲に含まれる。
【0124】
「含有する(comprising)」を用いる請求項は、他の要素も請求項の範囲内に含む事を可能にする。本発明はまた、「含有する(comprising)」の代わりに移行句「実質的に〜からなる」(すなわち、他の要素が、発明の実施に実質的に影響を与えない場合、請求項の範囲内に含むことが可能である)もしくは「からなる」(すなわち、発明と通常関連する不純物もしくは重要で無い活性物を除いて、請求項に列挙された要素のみ許される)を用いるような請求項によって記載される。それらの3つの移行句の任意のものが本発明を請求するのに使用できる。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2008年4月11日出願の米国特許出願第61/123,975の権益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、アッセイを実施するための装置、システム、方法、試薬、およびキットに関する。本発明の装置、システム、方法、試薬、およびキットの特定の実施態様は、マルチウェルプレートアッセイフォーマットにおける自動化したサンプリング、サンプル処理、および/もしくはサンプル分析を実施するのに用いられ得る。たとえば、それらは、大気中および/もしくは液体サンプル中の、それらのサンプルに由来する微粒子の自動化した分析に用いられ得る。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
化学的、生物学的、および/もしくは生化学的アッセイを実施するための数多くの方法およびシステムが開発されてきた。それらの方法およびシステムは医療診断、飲食料品試験、環境モニタリング、製造業の品質管理、創薬、および基礎科学研究を含む様々な用途において重要である。
【0004】
マルチウェルアッセイプレート(マイクロタイタープレートもしくはマイクロプレートとしても知られる)は、複数のサンプルの処理および分析のための標準的なフォーマットになった。マルチウェルアッセイプレートは様々な型、サイズ、および形状をとり得る。便宜上、ハイスループットのアッセイのためのサンプルの処理のために用いられる器具の使用においていくつかの標準が表れてきた。マルチウェルアッセイプレートは、典型的には標準的なサイズおよび形状に作られ、ウェルの標準的な配置を持つ。ウェルの配置は、96ウェルプレート(12×8のウェルの配列)、384ウェルプレート(24×16のウェルの配列)および1536ウェルプレート(48×32のウェルの配列)に見出されるようなものを含む。生物分子スクリーニング学会(Society for Biomolecular Screening)はさまざまなプレートの形状のために推奨できるマイクロプレートの使用を公開している(http://www.sbsonline.orgを参照)。
【0005】
マルチウェルプレート中でアッセイ測定を実施するためのさまざまなプレートリーダー(reader)が利用可能であり、光学的吸収の変化、ルミネッセンスの発光(例えば、蛍光、リン光、化学発光および電気化学発光)、放射線の放出、光散乱の変化、ならびに磁場の変化を測定するリーダーを含む。Wohlstadterらの出願番号10/185,274および10/185,363のそれぞれの米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646は、マルチウェルプレートフォーマットでの単一のおよび多重のECLアッセイを実施するために有用な解決策を記載する。それらはウェルの壁を形成するための貫通孔を持つプレート頂部とウェルの底部を形成するためにプレート頂部に対して密閉されているプレート底部とを含有するプレートを含む。プレート底部は、電極表面を持つウェルを提供するパターン化された導電層を有し、それは結合反応のための固相支持体、ならびに電気化学発光(ECL)を起こさせるための電極の両方として機能する。導電層は、電極表面へと電気エネルギーを加えるための電気接点をもまた含んでも良い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アッセイを実施するためのそのような公知の方法およびシステムにも関わらず、マルチウェルプレートアッセイフォーマットにおける自動化したサンプリング、サンプル処理および/もしくはサンプル分析を実施するための改善された装置、システム、方法、試薬およびキットが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このように、本発明はマルチウェルプレートにおいて、ルミネッセンスアッセイを実施するための装置を提供し、該装置は(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置はアッセイサンプルを連続交互プロセスによって処理する。装置はさらにサンプルに集中したグラフィカル・ユーザー・インターフェースを含有する。
【0008】
本発明の装置はプレート操作サブシステムを含み、それは
(a) 遮光筺体であって
(i) 上昇させたり下降させたり出来る、プレートリフティングプラットフォームを持つ一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、
(ii) 前記プレート昇降機および画像化開口部にの上部に配置される一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ遮光筺体頂部であって、ここで前記筺体頂部が前記プレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する遮光筺体頂部、ならびに
(iii) 一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを平行移動させるためのプレート平行移動ステージであって、ここで前記ステージがプレートを支持するためのキャリッジ(carriage)を含有し、該プレートキャリッジの下に配置されたプレート昇降機がプレートに到達し、そしてプレートを持ち上げることが出来るように前記キャリッジが開口部を持ち、そして前記プレート平行移動ステージがプレートを前記画像化開口部の下へと配置し、そして前記プレートを前記プレート昇降機の上へと配置するよう構成されているプレート平行移動ステージ
を含有する遮光筺体;
(b) 前記筺体頂部の前記プレート導入開口部の上に取り付けられた一つもしくはそれ以上のプレートスタッカー(stacker)であって、ここで前記プレートスタッカーが前記プレート昇降機のプレートを受け取るかもしくは受け渡すよう構成されている、プレートスタッカー;ならびに
(c) 前記筺体頂部に取り付けられ、前記画像化開口部へと遮蔽密閉によって連結された光検出器、
を含有する。
【0009】
本発明の装置はまた、液体操作サブシステムを含み、それは前記装置内のアッセイプレートのウェルへと液体を運んだり、前記装置内のアッセイプレートのウェルから液体を取り出したりするためのピペッティングシステムを含有する。
【0010】
さらに本発明の装置は以下の機構を含む:
(a) ピペッティングプローブを垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向へと平行移動させるためのピペット平行移動ステージに取り付けられたピペッティングプローブを含有する、ピペッティングシステム;
(b) 一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つ筐体頂部;
(c) 一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つスライドする遮光ドアであって、ここで前記スライドする遮光ドアが前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部が前記スライドする遮光ドアの前記ピペッティング開口部と一列に並ぶピペッティング位置を持つ;ならびに
(d) 前記筐体頂部へと取り付けられ、前記スライドする遮光ドアが前記ピペッティング位置にいるときに前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部の下に配置されるウェルへと到達するように前記ピペッティングプローブを下降させる、ピペット平行移動ステージ。
【0011】
本発明の装置は、
試薬および/もしくはサンプルのデリバリーステーション(delivery station)、試薬および/もしくはサンプルのチューブラック、プローブ洗浄ステーション、廃液ステーションならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される構成要素をさらに含有でき、前記ピペット平行移動ステージは、液体中に移動し、そして/または液体を前記構成要素へと送るために一つもしくはそれ以上の水平方向へと移動するよう構成されている。プレートシール穴開けプローブもまた含まれ、ここでは、
(i) 前記筐体頂部が、穴開けプローブ開口部を持ち;
(ii) 前記スライドする遮光ドアは、穴開けプローブ開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアは穴開け位置を持ち、前記筐体頂部の前記穴開けプローブ開口部は前記スライドする遮光ドアの前記穴開けプローブと一列に並び;そして
(iii) 前記穴開けプローブが前記筐体頂部に取り付けられ、そして前記スライドする遮光ドアが前記穴開け位置にある時に、前記穴開けプローブを降下させて前記筐体頂部の前記穴開け開口部の下に位置するウェル上のシールを穴開けするように構成されている。
【0012】
本発明の装置はプローブ平行移動要素を含有するピペット平行移動ステージを含み、そして前記ピペット平行移動ステージは水平方向に移動し、そして前記穴開けプローブを前記プローブ平衡移動要素と接触させ、前記プローブ平行移動要素と共に前記穴開けプローブを降下させそして上昇させるように垂直に移動させるように構成されている。
【0013】
さらに、本発明の装置は、前記光検出器の下に配置されるウェルの電極に電気エネルギーを加えるプレート接点をさらに含有する。
【0014】
本発明はまた、ここに記載される装置を用いるアッセイを実施する方法を提供し、ここで該方法は
(a) 前記プレートスタッカーの一つへとマルチウェルプレートを導入するステップ;
(b) 前記一つの前記プレートスタッカーの下のプレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記一つの前記プレートスタッカーから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために、前記プレート昇降機の一つを用いるステップ
(d) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(e) 前記光検出器の下へと一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(f) 少なくとも一つの前記プレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記一つの前記プレート導入開口部の下前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(h) 前記プレートを一つの前記プレートスタッカーへと上昇させるようように前記プレート昇降機の一つを上昇させるステップ
を含有する。
【0015】
上述の方法は更に、一つもしくはそれ以上の下記のステップを含有できる:サンプルおよび/もしくは試薬を前記ウェルの一つへと注入するかもしくは前記ウェルの一つから吸い出すステップ、一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを取り除くステップ、または一つもしくはそれ以上の前記ウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ。
【0016】
本発明の方法は以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す。
【0017】
本発明の方法は、さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す。
【0018】
前記方法の一実施態様において、シールは前記第一のウェルよりステップ(a)において取り除かれる。
【0019】
本発明はまた、本発明の装置を用いてアッセイを実施する方法を提供し、ここでは該方法は:
(a) 前記プレートスタッカーの一つにプレートを導入するステップ;
(b) 前記プレート導入開口部の一つを開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記プレートスタッカーの前記一つから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために前記プレート昇降機の一つを用いるステップ;
(d) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(e) 前記穴開けプローブの下に前記プレートのウェルを並べ、そして前記ウェルのシールを穴開けするステップ;
(f) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを注入するか、ならびに/または前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために前記ピペッティングプローブを用いるステップ;
(h) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(i) 前記光検出器の下に一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(j) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(k) 前記プレート導入開口部を開けるために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(l) 前記プレート昇降機の一つの上に前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(m) 前記プレートスタッカーの一つへと前記プレートを上昇させるために前記プレート昇降機を上昇させるステップ;
を含有し、ここで前記装置は前記マルチウェルプレートの複数のウェルを連続交互プロセスによって処理する。この方法は一つもしくはそれ以上の以下のステップをさらに含有できる:
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するか、または前記ウェルの一つからサンプルおよび/もしくは試薬を取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去するステップ、または前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極へと電気エネルギーを加えるステップ。
【0020】
従って、本発明の方法は以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去する
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルにおいてステップ(a)がが完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す。一実施態様において、該方法は以下のステップ:
(a) 一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを除去するステップ;
(b) 前記マルチウェルプレートの第一のウェルへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極に電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルにおいてステップ(a)がが完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す。任意選択で前記第一のウェルからステップ(a)においてシールが除去される。
【0021】
本発明の方法において、光検出器は画像化システムである。例えば、画像化システムは、前記一つもしくはそれ以上のウェル中の結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するのに用いられ、そして前記装置は前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する。
【0022】
ここに記載される方法は乾燥アッセイ試薬を含有するプレートを含んでも良く、例えば、一つもしくはそれ以上のウェルが乾燥アッセイ試薬を含有し、乾燥試薬を周囲環境から保護するためにシールされている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1はマルチウェルプレートリーダー100の組立図を示す。
【図2】図2は光検出器および液体素子の実施態様を顕在化させたプレートリーダー100の図を示す。
【図3】図3はプレートリーダー100の光検出システム160の一実施態様を示す。
【図4】図4は特定の液体およびシール穴開け構成要素の実施態様を示す。
【図5】図5はサンプル/廃液ステーション300の実施態様を示す。
【図6】図6a〜cはバネで留められたピペットプローブ400の実施態様を示す。
【図7】図7a〜bはプレートシール穴開けプローブ225の実施態様を示す。
【図8】図8は集積化プレートシール穴開け/ピペッター500の実施態様を示す。
【図9】図9a〜cはプレートリーダー100の遮光筐体110の実施態様の上面図を示し、スライドする遮光ドア150(斜交平行模様で示される)の操作を図示する。
【図10】図10はプレートリーダー100の遮光筐体100の一実施態様に存在する機械的構成要素の図を示す。
【図11】図11aはマルチウェルプレートリーダー100において使用されるカートリッジの図を示す。図11bはカートリッジの一つのウェルの構成要素の拡大図である。
【図12】図12はマルチウェルプレートリーダー100において使用できるアッセイプロトコールの概要を示す。
【図13】図13aおよび図13bは本発明のマルチウェルプレートリーダーのグラフィック描写である。
【図14】図14a〜cは本発明のマルチウェルプレートリーダーの一実施態様のグラフィック描写である。図14aは装置の詳細な概要である。図14bは任意選択の場合の装置を示す。図14cはサンプルチューブラックが96ウェルマルチプレートで置き換えられた装置の代替的な図である。
【図15】図15aおよび図15bは本発明のマルチウェルプレートリーダーの頂部組立部のグラフィック描写である。図15aは任意選択の場合の装置を示す。図15bは、液体感受可能なピペッティングプローブを含み、そして、バッファーの混入を防ぐための二つのチャンネル、アッセイプレートのシールされていないウェルのための集積化ツール、コンパクトCCDカメラおよびレンズ組立部、5つまでのアッセイプレートを保持できるプレートスタッカー、ならびに導入されたスタック中のアッセイプレートを読み取り跡をたどることが出来るバーコードリーダーを含む頂部組立部の詳細な図を示す。
【図16】図16aおよび図16bは本発明のプレートリーダーの一実施態様において用いられる遮光筐体(LTE)のグラフィック描写である。図16aは、任意選択の場合の装置を示す。図16bは、X−Yテーブル、昇降機および接点メカニズムを含む遮光筐体の詳細な図である。
【図17】図17aおよび図17bは本発明のプレートリーダーの一実施態様において用いられるサンプルステーションのグラフィック描写である。サンプルステーションは、チューブをピペッターの下に配置するライナーガイド、サンプルもしくは液体試薬のために使用できる常設のチューブラック、2412×75mmチューブのための交換可能なチューブラックもしくは96ウェルのソースプレート、ならびに任意選択で除去可能で任意選択でブロー成形された廃液コンテナーであって、廃液処理のために除去可能である廃液コンテナーを含んで良い。廃液コンテナーはまた、サンプルの持ちこしを最小限にするためのピペット洗浄ステーションを含む。
【図18】図18は本発明のプレートリーダーにおいて使用し得るサンプル交互プロセスの図式的概観である。
【図19】図19aおよび図19bは本発明のプレートリーダーと連携させて用い得る代替的なグラフィカルユーザーインターフェースのスクリーンショットを示す。図19aはプレートに焦点を当てたインターフェースを示し、一方図19bはサンプル行列に焦点を当てたインターフェースを示す。
【図20】図20はサンプルの行列に焦点をあてたグラフィカルユーザーインターフェースのスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明セクションは、限定と見なされるべきではないが、特定の発明的な態様を例示することを意図されている本発明の特定の実施態様の記述を提供する。
【0025】
マルチウェルプレートフォーマットにおいてアッセイを実施するための装置がここに記載され、それは一つもしくはそれ以上の以下の望ましい特性を持つ:i)高感度、ii)広いダイナミックレンジ、iii)小さいサイズおよび軽い重量、iv)配列に基づいた多重化能力、v)自動化操作(サンプルおよび/もしくは試薬の移送を含む)、vi)複数のプレートを操作する能力、ならびにvii)シールされたプレートを操作する能力。我々はまた、そのような装置において有用な構成要素、ならびにそのような装置および構成要素を用いるための方法を記載する。それらは特に環境、医療もしくは食料のサンプルの自動的な分析のための使用によく適しているが、それらには限定されない。装置および方法は、一つもしくはそれ以上の検出可能なシグナルを測定する技術を含むがそれらには限定されない様々なアッセイ検出技術と共に用いる事ができる。それらのいくつかは電気化学発光測定、そして特にWohlstadterらの米国特許出願番号10/185,274および米国特許出願番号10/185,363のそれぞれ米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646、ならびにGlezerらの米国特許出願第11/642,970に記載されるもののような集積化した電極を持つマルチウェルプレート(およびそれらプレートを用いるアッセイ方法)との使用に適した実施態様に適している。
【0026】
a)マルチウェルプレートのウェルからシールを除去するためのシール除去ツールおよびb)前記マルチウェルプレートのウェルからのシグナルを測定するための検出システムを含有するシールされたマルチウェルアッセイプレートのウェルからのシグナルを測定するための装置が提供される。シール除去ツールは、i)シール穴開けチップを持つプローブによってシールフィルムを穴開けすること、ii)ウェルのキャップを掴んで除去すること、iii)ウェルの頂部からシールフィルムを引き裂くこと、またはiv)コア堀りツールによってシールを除去する事によって機能する。
【0027】
一実施態様において、シール除去ツールは、i)頂上に向かって徐々に細くなり、穴開け方向(穴開け操作中に平行移動する軸)の一端に穴開けチップを形成する外部表面を持つ穴開けセクション、およびii)穴開け方向に沿って穴開けセクション近接に配置されるシール除去セクションを含有する穴開けプローブである。特定の具体的な実施態様において、シール除去セクションは穴開け方向に対して垂直であり、プローブが操作されるウェルの開口の形状に実質的に適合するように選択される断面形状を有する。プローブは、プローブがウェルの中をスライドし、引き裂かれたシールをウェルの壁に対して押し付けるかもしくはたたむためにウェルの開口と比べて少しサイズが小さい。そのようなアプローチは、ウェル上部に配置される検出器(例えば光検出器および/もしくは光画像化システム)を用いてウェル中のアッセイシグナルを検出するための障害物としてのシールを除去するために用いられ得る。適切な撤去は具体的なフィルムの厚さに基づいて選択されて良いか、ならびに/または約2.54ミリメートル(0.1インチ)未満、約5.08ミリメートル(0.2インチ)未満、もしくは約7.62ミリメートル(0.3インチ)未満から選択されて良い。
【0028】
穴開けツールの一例として、シール除去セクションの断面形状は円である。他の例において、それは四角もしくは丸角を持つ四角である。穴開けセクションは形状として円錐であってよい。代替的にそれは、例えば、チップから放射状方向に広がり、穴開け中にシールを切断するように作用し、そして植えるの壁に対してシールを再現可能にたたむのを助ける露出した刃先を含んで良い。一具体例において、チップは形状としてピラミッド状であり、ピラミッドの端は露出した刃先を提供する。
【0029】
特定の実施態様において、前記穴開け方向に沿ったプローブシール上のプローブの最大の下方への力が、バネのバネ定数によって規定されるように、穴開けプローブがバネで留められている。プローブは、前記シール除去セクション近接に、前記穴開けプローブの前記ウェルへの移動距離を定義するプレート停止セクションをさらに含有しても良い。一具体例において、停止セクションはウェルに入るには大きすぎる幅を持つプローブの領域であり、そして最大の距離は停止セクションがウェルの頂部へと当たる距離によって定義される。
【0030】
装置はピペッティングプローブをさらに含有してよい。一実施態様において、穴開けプローブは穴開け方向に平行な貫通孔を持つ。貫通孔は、任意選択で、穴開けチップから離れて配置され、ピペッティングプローブは、穴開けプローブがウェルのシールを除去するために用いられるとき、穴開けプローブへと引き込まれることができ、そしてピペッティング操作中に穴開けプローブから伸びることができるように貫通孔に動作可能に配置される。穴開けプローブおよびピペッティングプローブは、例えば別々のモーターによって独立して操作できる。代替的に一つのモーターが両方のプローブを駆動するのに用いられ得る。一例において、穴開けプローブは上述のプレート停止セクションを含有し、そしてピペッティングプローブはバネによって穴開けプローブと連携される。バネは、i)プローブが対象物へと力を発揮しないとき、ピペッティングプローブが穴開けプローブ中の貫通孔へと引き込まれ、ii)穴開けプローブのウェルへの平行移動が穴開けプローブの共平行移動をもたらし、ウェル上のシールの除去に十分な力の伝達を可能にし、そしてiii)穴開けプローブの最大移動距離を越えての連続した平行移動がバネの収縮と穴開けプローブからの前記ウェルへのピペッティングプローブの拡張をもたらし、ここでそれが液体のウェルへ注入および液体のウェルからの除去のために用いられるようなバネ係数を持つように選択される。代替的な実施態様において、ピペッティングプローブは穴開けプローブと別々であり、それぞれ独立して操作される。ピペッティングプローブはまた、液体センサーを含んで良い。
【0031】
シール除去ツールを含有する装置を用いる方法が提供され、該方法はマルチウェルプレートのウェルからシールを除去するステップと前記ウェルからの前記シグナルを検出するステップを含有する。シールを除去するステップは、マルチウェルプレートのウェル上のシールを引き裂くことを含有し、そして任意選択でシールをセクションへと切り刻むステップ(例えば切り裂きチップ上の刃先を用いて)、そしてセクションをウェルの内部壁に対して折りたたむステップを含有する。方法はさらに一つもしくはそれ以上の、サンプルをウェルへと注入するステップ、アッセイ試薬をウェルへと注入するステップ、ウェルから液体を除去するステップ、ウェルを洗浄するステップ、ウェルに光を当てるステップ、またはウェル内の電極に電圧を加えるステップをさらに含んでよい。代替的に、方法はプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェル上で、上述のプロセスのいくらかの部分もしくは全てを繰り返す事をさらに含有する。
【0032】
さらに、方法は、一つもしくはそれ以上のウェルで、上述のプロセスのいくらかの部分もしくは全てを並行的に実施する事を含有して良い。このように装置は、マルチウェルプレートの一つ以上のウェル、例えば、10ウェルまで、または5ウェルまでを並行的に同時に処理することができる。そのような並行的な処理はここではサンプル交互処理と呼び、それはサンプルのスループットを向上させるように設計される。
【0033】
用いられる試薬を送り、そしてマルチウェルプレート分析装置によって発生する配液を貯蔵するのに用いられ得る試薬カートリッジが提供される。一実施態様によると、試薬カートリッジは内部容積を持つカートリッジ本体を含有する。カートリッジ本体は、試薬を送り、そして配液を受け取る試薬ポートと廃液ポートを持つ。試薬カートリッジはまた、カートリッジ本体中に、それぞれ試薬ポートおよび廃液ポートへと接続している試薬コンパートメントと廃液コンパートメントを含有する。コンパートメントの容量は、例えば、試薬がアッセイにおいて消費され、そして廃液としてカートリッジへと帰ってくるように、試薬および廃液によって占められるカートリッジ本体の容積の比率が調節できるように調節可能である。カートリッジ本体の全内部容積は、例えば、カートリッジに予めもたらされる試薬の容量のような本体に貯蔵される液体の容量の約2、約1.75、約1.5、もしくは約1.25倍容量であって良く、このように廃液および試薬の貯蔵に必要とされる空間を最小化でき、そして便利な1ステップの試薬の補充および廃液の除去を可能にする。特定の実施態様において、装置はカートリッジを受け入れ、そして廃液ポートと試薬ポートとの液体の接続をもたらす試薬カートリッジスロットを持つよう構成されており、それは、任意選択で「押し込み式接続」もしくは「急速接続」取り付けを介してである。
【0034】
任意選択で、試薬および/もしくは廃液コンパートメントは除去可能である。一実施態様において、試薬および/もしくは廃液コンパートメントは除去可能であり、そして装置はさらに試薬および/もしくは廃液コンパートメント中の液体レベルを監視するための、例えば光学センサーのようなセンサーを含む。試薬および/もしくは廃液コンパートメントが特定の最小もしくは最大の限度容量に到達するとセンサーによって検出されると、装置はユーザーに、試薬もしくは廃液コンパートメントを除去し、内容物を補充するか、および/もしくは内容物を空にするように警告する。一実施態様において、ピペッティングプローブのモーターがセンサーと連動しており、そして、試薬および/もしくは廃液コンパートメントが最小もしくは最大限度容量へと到達すると、ピペッティングプローブのモーターは装置によって動作を停止される。例えば、プローブセンサーがコンパートメントの限度容量に関する情報を装置のソフトウェアへと伝達し、それは、さらなるピペッティング動作を中断させる。
【0035】
試薬および廃液コンパートメントは、カートリッジ本体に配置される折りたたみ可能なバッグとして供給されてもよい。試薬および廃液コンパートメントの一方が折りたたみ可能なバッグとして提供され、他方がカートリッジ本体それ自体として提供されても良い(すなわち、カートリッジ本体の容量が。カートリッジ本体のいずれかの折りたたみ可能なバッグによって定義される容量を排除する)。第一の試薬および廃液コンパートメントに加えて、試薬カートリッジは、一つもしくはそれ以上の追加の試薬および/もしくは廃液ポートに接続した一つもしくはそれ以上の折りたたみ可能な試薬および/もしくは廃液コンパートメントをさらに含有して良い。代替的に、試薬および廃液コンパートメントの一方もしくは他方はブロー成形されたプラスチックから作られても良い。
【0036】
試薬カートリッジを用いる方法も提供される。方法は、試薬コンパートメントから試薬を取り出すステップと、廃液コンパートメントへと廃液を導入するステップとを含有する。特定の実施態様において、少なくとも約70%、少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の試薬の容量が廃液として試薬カートリッジへと再導入される。
【0037】
液体ディスペンサーが提供される。ディスペンサーは液体をマルチウェルプレートのウェルへと注入するか、またはウェルより除去するのに用いられて良い。アッセイ装置はディスペンサーを含んで提供される。液体ディスペンサーの一実施態様は、垂直チューブ要素を含有するピペッティングプローブを含有する。ディスペンサーはまた、チューブ要素を垂直方向に支持し、そして前記チューブ要素をガイドの中の完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間で垂直に移動できるように構成されるプローブガイドを含有する。ディスペンサーは垂直チューブ要素とプローブガイドとを接続し、チューブ要素を完全に伸びた位置(例えば下向きに伸びた)に偏らせるバネ要素をさらに含有する。垂直平行移動ステージはプローブガイドに接続され、プローブを上昇させたり降下させたりする。
【0038】
チューブ要素は下部の開口部を持ち、そこを通じて液体が注入されたり吸引されたりする。一実施態様において、下部の開口部は、平滑チューブ末端である。任意選択で、開口部が平の表面に対して押さえつけられているときに、液体が開口部を介して移動できるように、端にはスロットが作られている。特定の実施態様において、ディスペンサーは二つもしくはそれ以上のチューブ要素を含有する。一具体例において、異なる試薬は異なるチューブ要素を介して注入される。他の実施態様において、一チューブ要素が、試薬を注入するのに用いられ、他のチューブ要素が配液を吸引するのに用いられる。複数のチューブ要素は、例えば並行チューブもしくは同心チューブとしてのように、さまざまな配列に構成されてよい。
【0039】
例えばマルチウェルプレートのウェルのようなコンテナーへ溶液を添加したりコンテナーから引き抜くために液体ディスペンサーを用いる方法が提供される。一つの方法はa)プローブがコンテナーの底部表面に触れるまで平行移動ステージを降下させることによってピペッティングプローブをコンテナー内へと降下させるステップ、b)前記チューブ要素がバネを押し付け、プローブガイドの前記完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間の位置へと引き込まれるように平行移動ステージを降下させる事を続けるステップ、c)ピペッティングプローブを介して前記コンテナーへと液体を添加するか、および/もしくは前記コンテナーから液体を引き抜くステップ、ならびにd)前記平行移動ステージを上昇させることによって前記コンテナーの外へとピペッティングプローブを上昇させるステップを含有する。
【0040】
穴開け可能なシールを持つコンテナーを用いる具体的な実施態様において、方法は、プローブがシールと接触して穴開けするまで平行移動ステージを降下させるステップをさらに含有しても良い。さらにシールを穴開けすることは、e)ピペッティングプローブがプレートシールに接触するまで平行移動ステージを降下させるステップ、f)チューブ要素がバネを押し付け、プローブガイド中の完全に縮んだ位置まで引き込まれるように平行移動ステージを降下させることを続けるステップ、そしてg)ピペッティングプローブがプレートシールを穴開けし、そしてチューブ要素が完全に伸びた位置になるまで帰ってくるように平行移動ステージを降下させる事を続けるステップをさらに含有してもよい。
【0041】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置が提供される。一実施態様は、その中でルミネッセンス測定が実施できる無光の環境を提供する遮光筐体を含有する。筐体は、筐体中で具体的なアッセイのプロセスおよび/もしくは検出ステップが実施される場所へとプレートを水平に平行移動させるためのプレート平行移動ステージを含む。筐体はまた、そこからプレートが、(手動でもしくは機械的に)プレート水平移動ステージへと降下されたり、プレート平行移動ステージから取り出されたりする、一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ筐体頂部を含む。スライドする遮光ドアは、ルミネッセンス測定を実施する前に、プレート導入開口部を周囲の光から密閉するために用いられる。
【0042】
装置は遮光筐体中に取り付けられる光検出器をもまた含有してよく、代替的にそれは(例えば密閉コネクターもしくはバッフルを介して)筐体頂部の検出開口部に取り付けられても良い。特定の実施態様において、光検出器はCCDカメラのような画像化光検出器であり、レンズもまた含んでいて良い。装置はまた、ピペッティングシステム、シール穴開けシステム、試薬および廃液貯蔵コンテナー、サンプルもしくは試薬チューブのためのチューブホルダー、サンプル/試薬/廃液を送り/除去するための液体ステーションなどをもまた含有してよい。それらの構成要素は当分野に公知の構成要素のように汎用の構成要素であろう。代替的に、装置はここに記載される具体的な構成要素を使用できる。さらに装置は、操作を調節するためのコンピュータもしくは他の電子的なシステムを含有でき、装置は例えば、電動の機械的システムを操作するための、ならびにルミネッセンスシグナルを起こすか、および/または分析するためのものを含む。
【0043】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスを実施するための装置の他の実施態様は、i)プレートリフティングプラットフォームを持つ、上昇させたり降下させたりできる、一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、ii)プレート昇降機の上に位置する一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部と検出開口部を持つ密閉筐体頂部であって、該筐体頂部はプレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する密閉筐体頂部、iii)一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを水平移動させるプレート水平移動ステージを含有する密閉筐体を含有する。プレート平行移動ステージは、プレートホルダーの下に配置されるプレート昇降機がプレートに到達してプレートを持ち上げることができるようにプレートの下に開口部を持つプレートを支持するためのプレートホルダーを含有する。さらにプレート平行移動ステージは、検出開口部の下にプレートを配置し、そしてプレートをプレート昇降機の上に配置するように構成される。
【0044】
装置は、一つもしくはそれ以上のプレートスタッカーおよび光検出器をさらに含有する。プレートスタッカーはプレート導入開口部の上で筐体頂部に取り付けられ、プレート昇降機からプレートを受け取りプレート昇降機へとプレートを受け渡すよう構成されている。光検出器は筐体頂部に取り付けられ、画像化開口部へと遮光シールによって接続されている。
【0045】
装置の特定の具体的な実施態様は、装置内のアッセイプレートのウェルへと液体を送ったりウェルから液体を除去したりするためのピペッティングシステムをさらに含有する。具体的な一実施態様において、ピペッティングシステムは、垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向に、前記ピペッティングプローブを平行移動させるためのぴぺってお平行移動ステージ上に取り付けられるピペッティングプローブをさらに含有する。さらに筐体頂部は一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち、スライドする遮光ドアは一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持つ。スライドする遮光ドアは筐体頂部のピペッティング開口部とスライドする遮光ドアのピペッティング開口部とが一列に並ぶピペッティング位置を持つ。ピペット平行移動ステージは筐体頂部に取り付けられ、スライドする遮光ドアがピペッティング位置にあるとき、ピペッティングプローブが筐体頂部のピペッティング開口部のしに配置されるウェルへと到達するように降下できるように構成されている。
【0046】
装置の他の任意選択の構成要素は、プレートシール穴開けプローブのようなシール除去ツールである。一例において、筐体頂部とスライドする遮光ドアは穴開けプローブ開口部を持ち、そして、遮光ドアは、ドアと頂部の穴開け開口部が一列に並ぶ穴開け位置を持つ。穴開けプローブは筐体頂部に取り付けられ、スライドする遮光ドアが穴開けポジションにあるとき、筐体頂部の穴開け開口部の下に配置されるウェルのシールに穴を開けるように穴開けプローブが降下させられるように構成されている。有利なことに、穴開けプローブとピペットプローブの両方が存在するとき、例えば上述の集積化ピペッティング/穴開けツールのように、両方は単一の平行移動ステージで駆動されても良い。代替的な実施態様において、ピペットプローブを支持するピペット平行移動ステージはプローブ平行移動要素を含有し、ピペット平行移動ステージは水平に移動してプローブ平行移動要素で穴開けプローブを掴み、そして前記穴開けプローブを下降させたり上昇させたりするように構成されている。
【0047】
装置のさらなる任意選択の構成要素は、プレとに電気的接点を作り、そして前記光検出器の下に配置されるウェルの電極に電気エネルギーをもたらすためのプレート接点である(例えばECLを誘起するためのもの)。
【0048】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置を用いる方法もまた提供される。プレートは汎用のマルチウェルプレートであってよい。特定の実施態様において、電気化学発光圧制での使用に適したプレートは、米国特許出願番号10/185,274、10/185,363および10/238,391に記載されるように用いられる。一度に一つのウェルからECLを検出するアッセイ方法において、これらのウェルにおける電極と電極接点は一度に一つのウェルの電極のみに対して電気エネルギーを加えるように適合している。装置は、例えばGlezerらの米国特許出願番号11/642,970に記載されるように、乾燥試薬および/もしくはシールされたウェルを含有するプレートでアッセイを実施するのに特に良く適合していても良い。
【0049】
一実施態様において、方法はa)プレートをプレートスタッカーに導入するステップ、b)遮光ドアを開けるステップ、c)プレートスタッカーからプレート水平移動ステージ上のプレートホルダーへとプレートを降下させるステップ、d)遮光ドアを密閉するステップ、e)一つもしくはそれ以上のウェルを光検出器の下に配置するためにプレートを平行移動させるステップ、e)一つもしくはそれ以上のウェルからのルミネッセンスを検出するステップ、f)遮光ドアを開けるステップ、g)プレートスタッカーの下に配置するためにプレートを平行移動させるステップ、ならびにh)プレートをプレートスタッカーまで上昇させるステップを含有する。方法は、前記光検出器の下のい一つもしくはそれ以上の追加のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップと前記一つもしくはそれ以上の追加のウェルからのルミネッセンスを検出するステップとをさらに含有しても良い。方法はまた、任意選択で、i)サンプルおよび/もしくは試薬を前記ウェルの一つへと注入するかもしくは前記ウェルから取り出すステップ、ii)一つもしくはそれ以上の前記ウェルからシールを除去するステップ、iii)一つもしくはそれ以上の前記ウェル中の電極へと電気エネルギーを加えるステップ(例えば、電気化学発光を誘起するために)の一つもしくはそれ以上を含有しても良い。
【0050】
装置がピペッティングプローブを含有し、そして筐体頂部とスライドするドアがピペッティング開口部を含むとき、方法は:スライドする遮光ドアをピペッティング位置へとスライドさせるステップと、プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを導入するおよび/もしくはプレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために、ピペッティングプローブを用いるステップとをさらに含有してもよい。装置がシール穴開けプローブを含有し、そして筐体頂部とスライドするドアとが穴開け開口部を含むとき、方法は、スライドするドアを穴開け位置へとスライドするステップ、穴開けプローブの下にプレートのウェルを並べるステップ、ならびにウェルのシールを穴開けするステップをもまた含有してもよい。それらはプレートの追加のウェルを穴開けするために繰り返しても良い。一実施態様において、プレートのウェルのシールは、ピペッティングプローブが到達する前に、シール穴開けツールによって穴開けされる。他の実施態様において、最初にピペッティングプローブ(これはシールに一つもしくはそれ以上の小さい穴を穴開けするかもしくはシールを引き裂く)がウェルに到達する。ウェルはその後、完全にシールを除去するために穴開けプローブによって穴開けされ、そしてウェルからのシグナルの邪魔の無い検出を可能にする。
【0051】
検出器は、光ダイオード、アバランシェ光ダイオード、光電子増倍管などのような汎用の光検出器であってよい。好適な光検出器はまた、そのような光検出器の配列を含む。使用可能な光検出器はまた、CCDおよびCMOSカメラのような画像化システムを含む。光検出器はまた、検出器上での、光の指向、光の焦点化および/もしくは光の画像化のために、レンズ、ライトガイド(light guide)などを含んで良い。特定の具体的な実施態様において、アッセイプレートの一つもしくはそれ以上のウェルにおける結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するために画像化システムが用いられ、そしてアッセイ装置は、前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する。
【0052】
分析物検出モジュールと大気サンプリングシステムとを含有する環境モニタリングシステムが提供される。大気サンプリングシステムは大気中の粒子物質を濃縮し、そして粒子を液体懸濁液へと懸濁するために大気を処理する。検出モジュールは、ここで開示されるようにマルチウェルプレートにおけるルミネッセンスアッセイを実施するための装置である。操作中、大気サンプリングシステムは、大気を一定の期間処理し、サンプルを分析物検出モジュールへと送り、その後それは、アッセイプレートの一つもしくはそれ以上のウェルの一つもしくはそれ以上の標的分析物に対してアッセイを実施し、アッセイが完了すると結果を報告する。大気サンプリングシステム、検出モジュール、および二つの構成要素の間のインターフェースは、好ましくは自律的な様式で操作するように設計されている。選択された時間の間隔において、追加のサンプルが大気サンプリングシステムから検出モジュールへと送られ、アッセイプレートの使用されていないウェルにおいて分析される。アッセイは連続した様式において実施されるように計画されても良い。代替的に、アッセイはいくつかのステップが重なる交互の様式において実行されるように計画されても良い。マルチウェルプレートの使用(および複数のマルチウェルプレートを保持するプレートスタッカー)を通じて、消耗品の補充を必要とすること無く、長期間の自動操作が達成される。
【実施例】
【0053】
図1は、マルチウェルプレートリーダー100の一実施態様の等角図を示す。プレートリーダー100は遮光筐体110および液体/画像化システム筐体130を持つ。インプットプレートスタッカー122およびアウトプットプレートスタッカー122は、アッセイに用いるプレート105(プレートは任意選択のプレートシールを持つように示されている)を保持する。プレートスタッカー120および122は、バネで留められていて(この図において示されていないプレート昇降機を用いて)下の遮蔽筐体から上昇したプレートがスタックに捕捉されるようにするプレートリリースラッチ125を持つ。インプットスタック122のラッチはスタックから下のプレート昇降機(示されていない)へとプレートを放つようにすることも出来る。窓140は、インプットスタッカー122中のプレート上のバーコードを読むために、液体/画像化システム筐体130中のバーコードリーダーに対して光学的な経路をもたらす。任意選択で、スタック中のプレートを周囲環境から守るためにプレートスタックカバー(示されていない)がプレートスタック上に取り付けられても良い。プレートスタックを調整された温度および/もしくは湿度に維持しておくために、プレートスタックカバーは、加熱器および/もしくは冷却器(例えば、熱電気的加熱器/冷却器)、ならびに/または乾燥室を含んでもよい。
【0054】
図2は、液体/画像化システム筐体130のカバーととプレート105を含まないプレートリーダー100の図である。図は、プレートスタッカー120および122の下に配置される遮光筐体100の頂部のプレート導入開口部のための遮光密閉を提供するスライドする遮光ドア150を示す。モーター155はベルトを介して直線のねじ回し(示されていない)と連結し、ドア150を開く。プレートリーダー100の図は、ドア150を含む装置の様々な構成要素を動かすための特定の具体的な平行移動のメカニズムを図示し、選択される具体的なメカニズムは特定の発明の利点を持つかも知れないが、この記述は限定を意味しておらず、当業者なら様々な汎用の単一のもしくは複数の軸の平行移動メカニズムから選択できる。図を単純にするために、電子回路ボードは示されていないことは着目すべきである。
【0055】
画像化システム160は遮光筐体110の頂部の画像化開口部に取り付けられ、そして筐体110内でプレートからのルミネッセンスを画像化できる。ポンプ170は集積化ピペッティングシステムを介して液体を駆動するために用いられる。当業者なら、隔膜ポンプ、蠕動ポンプ、シリンジ(もしくはピストン)ポンプ(示されるように)を含むがそれらに限定されない、システムに用いるのに適切なポンプを選択できる。ポンプ170は、異なる液体ラインへと液体を流したり、異なる液体ラインから液体を引っ張ったりするために多重ポートバルブを含有する。代替的に、異なる液体ラインの液体を独立して制御するために多重ポンプが用いられる。バーコードリーダー180および回転鏡185は、インプットプレートスタッカー122中のプレートからバーコードをスキャンするために用いられる。液体ステーション200は、サンプルを装置へと送り、集積化ピペッターを洗浄し、およびピペッターからの廃液の廃棄のために用いられる。穴開けツール225はシールされたプレートのウェルのシールの穴開けと除去のために用いられ、ウェルの障害の無い画像化を可能にする。ピペッティングプローブ平行移動ステージ250は、二重ピペッティングプローブ260の水平および垂直の平行移動をもたらす。
【0056】
図3はプレートリーダー100の他の図であり、画像化システム160の構成要素に焦点を当て、そして遮光筐体110の頂部にカメラブラケット164を介して取り付けられたカメラ162を示す。カメラ162に連結されたレンズ166は筐体110中のプレートから発生するルミネッセンスの焦点を当てた画像をもたらす。レンズ166と筐体110の頂部の開口部とに密着された絞り168は、筐体110を環境光から守られた遮光環境に保ちつつ、画像化システム160が筐体110からの光を画像化できるようにする。画像化システム160における使用に好適なカメラは、フィルムカメラ、CCDカメラ、CMOSカメラなどのような汎用のカメラを含むがそれらには限定されない。CCDカメラは電子雑音を減らすために冷やしても良い。レンズ166は、ガラスもしくは射出成形プラスチックから製造できる高開口数のレンズである。画像化システムは一度にプレートの一つのウェルもしくは複数のウェルを画像化するのに用いられて良い。一つのウェルからの光の画像化のための集光効率は、CCDチップのサイズと画像化される領域のより近い一致のためにウェルのグループの画像化よりも高い。画像化される領域の縮小集光効率の増加は、検出における高感度を維持しつつ小さくて安価なCCDカメラおよびレンズを使用できるようにする。その低いコストとサイズにとって特に有利なのは、非冷却のカメラもしくは最小の冷却(好ましくは約−20℃まで、約−10°、約0°もしくはより高い温度)でのカメラの使用である。
【0057】
図4は、プレートシール穴開けツール225、ピペッター平行移動ステージ250、ならびにサンプル/廃液ステーション300の拡大図を示す。ピペッター平行移動ステージ250は、モーター駆動の垂直平行移動ステージ280に取り付けられ、その結果、水平平行移動ステージ270へと取り付けられている二重プローブピペッター260を含有する。水平平行移動ステージ270は、垂直平行移動ステージ280を直線ガイドレールに沿って移動させ、ピペッター260を穴開けツール225とサンプル/廃液ステーション300との間で水平に移動させるよう駆動するモーターとベルトを用いる。垂直平行移動ステージ280は、二重プローブピペッター260を上昇させ効果させるのにモーター駆動の直線のねじ回しを用いる。移動の範囲は、プローブ260をサンプル/廃液ステーション中の液体に到達させ(遮光筐体110の頂部の開口部を通じて、示されていない)、そして筐体110に配置されるプレートのウェルへと到達できるようにする。二重プローブピペッター260は、プローブと液体ラインの両方をつなげるための液体接続を含む。二つのプローブの使用は、一つのプローブを液体をウェルへと送るために用い、一つのプローブを配液を除去すために用いるようにできる。代替的に、二つのプローブを、二つの異なった液体ラインからの別々の試薬を送るのに用いてもよい。垂直平行移動ステージ280は、穴開けツール225のスロット227へとスライドできるよう成形された穴開けプローブ平行移動要素265を含む。ピペッター平行移動ステージ270を用いることにより、プローブ平行移動要素を、スロット227において、ヨーク265を介して穴開けプローブ225と接触させて掴むように移動しても良い。垂直ステージ280の上昇および下降の移動は、穴開けプローブ225の垂直位置を制御するのに用いられて良い。
【0058】
図5は、サンプル/廃液ステーション300の二つの図を示す。ステーション300は、その上部表面によって画定される3つの開口コンパートメント:サンプルコンパートメント310、廃液コンパートメント320、および洗浄コンパートメント330を持つ。サンプルコンパートメント310は液体コネクター310と液体接続している。液体接続312(例えば大気サンプリングシステムから)に送られるサンプルは、サンプルコンパートメント310を満たし、そしてピペッター260から利用可能になる。廃液コンパートメント320は液体接続322へと流れ出て、そしてピペッター260が廃液を送るための貯蔵庫を提供する。洗浄コンパートメント330はピペッター260の表面を洗浄するために用いられ;ピペッター260はコンパートメント330に挿入され、液体システムは、廃液コンパートメント320へとあふれ出る前にピペッター260の表面に沿って流れる洗浄液体を注入するために指向される。コンパートメント310、320および330は、コンパートメント310および330のいずれのオーバーフローも廃液を指向するように、そしてステーション300を溢れでないようにウェル305へと皿穴で配置される。液体センサー314および324は、コンパートメント310および320の液体レベルをモニターするために含められ、適切な操作を確かにする。好適な液体センサーは、光反射率および静電容量センサを含むがそれらに限定されない。
【0059】
試薬ブロック340は、外部液体試薬源(液体コネクター344と接続されている)とポンプ170(液体コネクター342へと接続されている)との間の接続を提供するために用いられる。試薬ブロック340は、液体試薬の送達を確かにするために液体センサー346を用いて監視される。液体試薬は、特定の用途のために必要とされないのなら無くても良い。液体試薬として使用可能性のある非限定的な例は、ポンプおよび液体ラインのためのワーキング液体として、アッセイウェルの洗浄のための洗浄バッファーとして、そして/またはルミネッセンス測定の最適な環境をもたらすためのリードバッファーとしての使用を含む。一実施態様において、それは電気化学発光リードバッファーである。廃液および液体バッファーは外部もしくは内部のビン中に貯蔵できる。代替的にそれらは、例えばここに記載されるような試薬カートリッジに貯蔵できる。
【0060】
サンプル/廃液ステーション300の一つもしくはそれ以上の機能的構成要素(例えば、コンパートメントの一つ、試薬ブロック、センサーなど)は、省略しても良いし、または分離した部分として提供されても良いことは、当業者は理解するであろう。さらに、サンプルコンパートメントはサンプルを提供する他の方法によって補完されたり置き換えられたりしても良い。例えば、チューブラックおよび/もしくはソースプレートステーションは装置中に組み込まれても良い。そのような実施態様は、プローブ260の移動がそのようなチューブもしくはそのようなソースプレートのウェルへと到達するのに十分なように構成されている。ラックもしくはプレートホルダーは、すべてのチューブおよびウェルへの到達をもたらすのを助けるための移動の軸を持っても良い。一実施態様において、横方向(すなわち装置の底面に対して横から横への)におけるプローブの水平の移動ならびに縦方向(すなわち前面から背面への)におけるチューブもしくはプレートホルダーの移動は、チューブラック中のチューブの配列および/もしくはプレートホルダー中のソースプレートに保持されるウェルへの到達を提供する。
【0061】
一実施態様において、装置はアッセイサンプル、試薬もしくはその両方のための試験管を受け入れる常設のサンプルラックを含む。装置は、試験管、マルチウェルプレートもしくはその両方のための取り外し可能なサンプルラックを含んでいても良い。一実施態様において、取り外し可能なサンプルラックは、少なくとも24の試験管および/もしくは96ウェルマルチウェルプレートまたは96深底マルチウェルプレートを受け入れる。ラックもしくはプレートホルダーは、サンプルラックを装置の前方向および後方向へと動かすための単一の移動軸を持っていても良い。さらに、二重プローブピペッター260は、試験管の深い底にまで垂直に伸びるのに十分な長さである。
【0062】
図6aは、ピペッター260のプローブの一つもしくは両方において用いることのできるピペッティングプローブチップ400の詳細図を示す。プローブ400は、プローブの外周のチップへと切り込まれたスロット410のある平滑の末端を持つ中空のチューブであり、プローブが表面と接触しているとき、液体をプローブから吸引したりプローブへと注入したりできる。長方形のスロットが示されるが、三角もしくは半円の開口を含む、代替的な幾何学的図形を用いても良いことは明らかである。プローブの外周に一つもしくはそれ以上のスロットが存在しても良い。スロットは左右対称なパターンに配置されても良いし、液体が好ましい方向から吸引される、すなわちウェルの底縁の周りのメニスカスから液体を吸引するためにプローブの特定の側に配置されても良い(非対称)。
【0063】
任意選択で、装置において用いられるピペッティングプローブはバネで留められており、表面もしくはプローブを傷つけることなく表面と接触できる。図6bおよび6cは、液体ディスペンサー420を示し、それは用いられ得る代替的なプローブの実施態様を示す。液体ディスペンサー420は、垂直チューブ要素425を持つピペッティングプローブ424と、チューブ要素425をガイド430中を完全に伸びた位置(図6b)と完全に縮んだ位置(図6c)の間で垂直に移動させるよう構成されているプローブガイド430とを含有する。示されるように、プローブ424の大口径部は、ガイド430の内部表面によって画定される二つの位置の停止部の間に制限されているが、当業者は位置停止部の代替的な構成を設計できるであろう。ディスペンサー420はまた、垂直チューブ要素上でガイド430の表面とレッジ(もしくはカラー)435の間に圧縮されているバネ要素440を含有し、プローブの底で外部の力がないときに前記チューブ要素が伸びた位置にとどまるようになっている。ディスペンサーはまた、ガイド430に結合した垂直平行移動ステージ(示されていない)を含有し、それはガイド430を上昇させたり降下させたりする。
【0064】
ディスペンサー420を用いるピペッティング操作の位置実施態様において、プローブ424が底部表面に触れるまでコンテナーの中に降下されるようにガイドが降下される。チューブ要素425がバネ440を押し付けるように降下は続き、そして、プローブガイド430中の、完全に伸びた位置と完全に縮んだ位置の間の位置に引き込まれる。液体はウェルへと添加されるかもしくはウェルから取り除かれ、プローブ424はウェルから上昇して出る。穴開け可能なシールを持つコンテナーを用いる具体例において、方法はプローブ424がシールと接触してシールに穴開けするまで平行移動ステージを降下させるステップを含んでも良い。さらにシールの穴開けは、e)ピペッティングプローブ424がプレートシールに接触するまで平行移動ステージを降下させるステップと、f)チューブ要素425がバネ440を押し付け、プローブガイド430中の完全に縮んだ位置に引き込まれるまで平行移動ステージの降下を続けるステップ、ならびにg)ピペッティングプローブ424がプレートシールに穴を開け、チューブ要素425が完全に伸びた位置にまで戻るように水平移動ステージの下降を続けるステップをさらに含有する。
【0065】
図7a−7bは、装置100からの穴開けプローブ225の2つの図を示す。穴開けプローブ225は、穴開け方向(プローブがウェルを穴開けするように動く方向であって、この場合、プローブの長軸である)の一端において穴開けチップ451から頂点に向けて先細になっている外部表面を持つ穴開けセクション450を含有する。穴開けプローブ225はまた、穴開け次元に沿って穴開けセクション450に近接して配置されるシール除去セクション452を含有する。除去セクション452は、穴開けを意図しているウェルの開口の形状(この場合、丸角の四角いウェル)と一致するが、しかしながら比較してほんの少し小さい。穴開けセクション450がシールを穴開けしたのち、除去セクション452はプレートのシールをウェルの壁に向かって押し付け、シールがウェル中のシグナルの検出と干渉するのを防ぐ。穴開けプローブ225はまた、除去セクション452近傍にプレート停止セクション454を含有する。停止セクション45は、それがターゲットウェルに入る事ができないようなサイズであり、それによってプローブ225の標的のウェルへの最大移動を決める。
【0066】
上述のように、除去セクション452は穴開けを意図するウェルの形状と一致する。断面(垂直面から穴開け方向に向けて)は、丸、楕円、多角形(正もしくは正でない)、および丸角の多角形を含むがそれらには限定されない、いずれのウェルの形をも取り得る。一具体例において、それは四角もしくは丸角の四角である。穴開けセクション450は、円錐形もしくはピラミッド型を含むがそれらに限定されない形を取ってよい。図7aに示されるように、それは、チップ451から放射方向へと伸びている縁53を持つ四角のピラミッド型形状を持つ。ピラミッドの縁は、有利にも穴開け操作の間にシールをカットしてセクションに入れるのを助ける刃先を形成する。例えば、図7a−7bに示される穴開けプローブは、丸まった四角のウェルのシールの穴あけをし、4つの三角のシールセクションを形成するようにシールを対角線上に切断し、そしてそれらのセクションをウェルの壁に対して折りたたむように構成されている。刃先はまた表面より隆起しても良く、例えば穴開けシステムは基本的に円錐形であってよいが、円錐表面から伸びた隆起した刃先を持っていて良い。マルチウェルプレートを分析するための装置は、穴開けプローブとシールされたプレートを含んで提供される。好適なプレートは、シーリングフィルム(例えば、接着性、ヒートシールされている、またはソニック溶接フィルム)によってシールされたプレートを含む。フィルムはプラスチックおよび金属フィルムまたは両者の組み合わせを含むがそれらに限定されない。具体的な一実施態様において、シールは、熱シール可能なもしくは接着性のアルミニウムホイルのような金属ホイル(熱シール可能なまたは接着性のコートもしくはフィルムのようなシーリング層によってコートされても良い)である。
【0067】
図7bに示されるように、穴開けプローブ225はバネで留められていて復元力をもたらし、プレートに加えられ得る最大の力を制限する。穴開けプローブ225は、プローブガイド470中の開口部中にスライドするプローブシャフト460を含有し、プローブガイド470は遮光筐体110の頂部に固定して取り付けられる(図2を参照)。圧縮バネ461は、プローブシャフト460がプローブガイド470までに完全に上昇するように力を加える復元力をもたらす。復元力は、i)シャフト460中に固定的に保持されるピン464とii)ガイド470と筐体110の頂部との間に固定的に保持されるが、シャフト460のスロット463(スロット463は、ガイド470に対してプローブシャフト460の移動範囲を定義する)中を自由に動作可能であるピン462の間にもたらされる。プローブ225は、プランジャー465への力の印加によって穴開け方向に移動するように構成されている(例えば、スロット277をプローブ除去要素265による捕捉(図4を参照)、およびプローブ除去要素265の垂直方向への平行移動による)。プランジャー465とピン464の間の第二の圧縮バネ(示されない)は穴開けプローブ225に加えられ得る力を制限する;もし過剰の力が加えられると、プランジャーは、ガイド470に対してシャフト460を移動させる代わりに第二の圧縮バネを押し付ける。スロット467中のピン466はシャフト460中のプランジャー465の最大移動を定義する。
【0068】
図8は、一つのユニットに集積化された穴開けおよびピペッティングプローブの代替的な実施態様を示す。図8は、シール穴開けチップ521を伴うシール穴開けセクション520を持つシール穴開けプローブ510、シール除去セクション、ならびにプレート停止セクション524を含有するシール穴開け/ピペッター500を示す。穴開け/ピペッター500はまた、プローブ510が穴開け方向に沿ってスライドできるシリンダー状の開口を持つ穴開けプローブガイド540を含有する。穴開けプローブ510は穴開け方向に並行する貫通孔525を持ち、一例において、穴開けチップ521からは離れている。ガイド540から離れる穴開けプローブ510の移動がピペッティングプローブ530による穴開けプローブ510から伸長をもたらし、そして穴開けプローブ510のガイド540へ向けての移動がピペッティングプローブ530による穴開けプローブ510中に引き込みをもたらすように、ピペットプローブ530が貫通孔525に動作可能に配置され、ガイド540に固定して結合する。ガイド540中の圧縮バネ545は穴開けプローブ510をガイド540から離れるように押し、そしてピペッティングプローブ530を引っ張るように作動する(穴開けプローブ510の最大変異は、物理的な停止部、特にプローブ510上のカラー526およびガイド540上のレッジ547によって制限される)。
【0069】
操作中、穴開けプローブ510がウェル上のシールを穴開けして除去するように、プレートガイド540がシールされたウェルへと向かって下降する。圧縮バネ545のバネ定数は、バネ545の実質的な圧縮なし(そしてピペッティングプローブ530が貫通孔525に引き込まれ、穴開けプローブ510と共平行移動する)にシールを穴開けできるように選択される。ガイド540の継続的な下降はプレート停止セクション524のウェルの頂部表面への接触をもたらし、穴開けプローブ510のさらなる平行移動を防ぎ、そしてバネ545の圧縮とピペッティングプローブ530のウェル中への伸長とをもたらす。
【0070】
図9a−9cは、筐体110頂部に取り付けられた大部分の構成要素を取り除いた後の装置100(図1〜2を参照)の遮蔽筐体110の上面図を示す。図9は、スライドする遮光ドア150が3つの異なった位置にある3つの図(a〜c)を示す(詳細には、ドア150の露出した表面は斜行平行模様で示される)。図9aにおいて、ドア150は、筐体110の頂部のプレート導入開口部626、穴開けプローブ開口部630、およびピペッティングプローブ開口部640を完全に密閉するように完全に密閉された位置にある。光検出開口部610は、開口部610の下に位置するウェルからの発光の検出および/もしくは画像化を可能にするようにブロックされていない。この図はまた、開口部610の下の筐体110の底部に取り付けられたプレート接点メカニズム615を示す。プレート接点メカニズム615はウェル内に電極を持つプレートとの使用のために構成され、そして電極がプレートの底部上にパターン化されているそれら電極と接触し、プレート接点メカニズム615は、開口部610の下に配置されたウェルの電極接点に対して電気接点を提供する。
【0071】
図9bにおいて、スライドするドア150は、スライドするドア150中の穴開けプローブおよびピペッティングプローブの開口部を、筐体110の頂部中の対応する開口部630および640と一列にするために部分的に開かれている。ドアがこの位置にいることによって、穴開けおよびピペッティングプローブは適切な開口部の下に配置されるウェルへと到達できる。ピペッティングプローブがプレートを再配置することなくプレート中のウェルもしくは複数のウェルの複数の位置へと到達できるように、多重ピペッティング開口部は提供される。図9cにおいて、スライドするドア150は完全に開いており、プレート導入開口部626を完全に開け、そしてプレートスタッカー120および122、ならびにプレート昇降機625の間のプレートの移動を可能にする。
【0072】
図10は、遮光筐体110に存在する機械的な構成要素を示す。プレート平行移動ステージ710は筐体110中の昇降する位置に取り付けられ、そしてプレートホルダー720を提供し、そしてプレート730を保持する。平行移動ステージ710は、プレートホルダー720に対し2つの水平軸の平行移動をもたらし、プレートホルダー720が筐体110の水平領域の大部分に及ぶのを可能にする直線ガイドおよびモーターを含有する。プレート昇降機740および接点メカニズム750がプレート730の底部とプレートホルダー730を通り抜けて接触できるように、プレートホルダー720はプレート730を縁で支持し、中心部が開口である。プレートホルダー720が昇降機740上のプラットフォーム745の一つの上に配置されるとき、昇降機740のモーター駆動のハサミメカニズムがプラットフォームを上昇させるように操作し、プレートホルダー720から筐体110の頂部に取り付けられたプレートスタッカーへとプレート730を持ち上げる。同様に、プレートホルダー720が接点メカニズム750上に配置されるとき、接点メカニズム750のモーター駆動のハサミメカニズムが接点電極がプレート730の底部へと接触するように電機接点755を上昇させるように操作し、そして、例えばそれらの電極で電気化学発光を誘起するように、前記接点を通じて電気エネルギーをプレート730のウェル中の電極へと加えることを可能にする。プレートを移動させるように記載される移動システム、電気接点、プローブなどは、たとえそれらが特定の利点を持っていたとしても、ここに描写される具体的なメカニズムに限定されない。構成要素の所望の動作を達成するために他の汎用のメカニズムを選択する事は、当業者の行う範囲のことである。
【0073】
一実施態様において、平行移動ステージ710は、プローブホルダー720の一つもしくは二つの軸の急速な振動をし、それによってプレートホルダー上のプレートの内容物を攪拌し混合するために用いられ得る。攪拌のプロファイルは連続した単軸の攪拌から負荷サイクルの軌道攪拌までの範囲であり得る。一例は2つの異なる周波数での軸での攪拌を含む。システムは、例えばWohlstadterらへの米国特許第6,413,783号に記載されるような、サンプルの放置中の混合を向上させるために超音波処理を提供できる。
【0074】
一実施態様において、遮光筐体は画像化開口部の下でかつ、プレートホルダーの昇降より下に位置する光源を含む。この構成は、プレート中でのプレートの配置のエラーを正すのに用いられる基準穴もしくは窓の使用を可能にする。光源からの光は基準を介して通り抜け、プレートの配置を観測して補正するために画像化システム上で画像化される。有利にも、プレート頂部と対になってプレート底部から形成されるプレート(例えば、米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052645に記載されるような、射出成型されたプレート頂部と対になったスクリーン印刷されたプレート底部を持つプレート)は、プレート頂部と比較してプレート底部のずれた配置を補正するために、有利にもプレート底部へとパターン化されたかまたは切り刻まれた基準(例えばスクリーンが印刷されている)を含む。具体的な一実施態様において、そのようなプレートの上のプレート頂部は、プレート底部上の基準と一列に並ぶ穴(例えば、プレート頂部の外部フレーム中に)を含み、基準の画像化を可能にする。従って、プレートの下で発生する光の画像化は、プレートの正確な位置を画像化処理ソフトウェアへと伝えるのに用いられ、そしてカメラの焦点おチェックをもまたもたらす。プレートはそして、二軸の配置システムによって再調整される。このように、プレート配置方法は(1)光通過開口部を持つプレートを提供するステップ;(2)底部からプレートを照らすステップ;(3)光通過開口部を通って来る光を検出するステップ;および(4)任意選択でプレートを再調整するステップを含有して提供される。
【0075】
本発明の装置は、図11に描写されるもののようなマルチウェルアッセイプレートを用いる。マルチウェルプレートの一例は、図11aおよび11bに示され、それは射出成型プレート頂部上にホイルプレートシールおよびスクリーン印刷されたマイラープレート底部を含む。プレートはアッセイウェルと乾燥ウェルの両方を含む。図11bは、アッセイプレートの一つのウェルの拡大図を提供する。ウェルのプレート底部は作用電極、対電極および誘電層を含む。物質の配列、例えば、標的の分析物に特異的な抗体の配列は作用電極に結合し、そしてウェルはアッセイのための凍結乾燥した検出抗体および/もしくは陽性対照をプレート底部の上部のレッジ(ledge)に含む。図11に描写されるようなプレートを用いるアッセイのプロトコールの概要は、図12に概略的に示される。
【0076】
本発明の装置のさまざまな実施態様はここで検討される。図13は、2つの非限定的な例を描写する。図13aは大気モニタリングシステムの検出の構成要素を含む装置のバージョンを描写する。図13aの装置のサンプルソースはサンプルステーションへとポンプ注入される液体であり、装置は連続処理可能である。他の実施態様は図13bに示される。図13bは、例えば野外研究の設置におけるような自動化サンプル処理が可能であり、それはチューブの列を保持するサンプルラックもしくはソースプレートを含む。図13bに示される実施態様はここでより詳細に記載されるような交互サンプル処理を可能にする。
【0077】
図14は、図13bに描写され、概要が記載される装置の詳細図である。図14aの装置は取り外し可能なサンプルチューブラックに加えて常設のチューブラックを含む。常設のチューブラックは、サンプル、試薬、もしくはその両方のために使用可能な複数のテストチューブを収容できる(図14aに示される実施態様において、8テストチューブである)。取り外し可能なサンプルラックは、例えば、24本までのテストチューブ、96ウェルプレートもしくは96深穴プレートのような複数のテストチューブおよび/もしくはマルチプレートウェルを収納可能である(これの代替的な配置は図14cに示される)。さらに、装置は、どのような型のサンプルラックが装置中に導入されているかを検出するセンサーを含む。図14の装置はまた、取り外し可能な廃液コンパートメントと廃液コンパートメントと通信する液体センサーとを含む。廃液コンパートメントは、図14aに示されるウェストカートリッジリリースによって取り出されてもよい。代替的な実施態様において、廃液コンパートメントは装置の外部に配置されるが、配液を外部廃液コンパートメントへと輸送する装置および装置のソフトウェアと液体ポンプを介して通信をとっている。図14bの装置はまた、例えばLED光もしくは他の指標またはロッキングメカニズムのような、サンプルラックが移動中もしくは他のアクセス不可能な状態にあるときにユーザーのアクセスを防ぐためのサンプルアクセスドアを含む。一実施態様において、このメカニズムはソフトウェアにより調節されるロックを含む。図15は、図14に示される装置の上面図を描写する。
【0078】
図16は、図14に示される装置において用いられる遮光筐体(LTE)の詳細図を提供する。LTEは、装置中のプレートスタック、ウェル穴開け、ピペッティングもしくはECL測定ステーションへとマルチウェルプレートを配置する事の出来るX−Yテーブルを含む。LTEはまた、X−Yテーブルとインプット/アウトプットスタックとの間でプレートを移動させる昇降機、ならびにCCDカメラの下のプレートウェル中の電極に電気接点を作る接点メカニズムを含む。
【0079】
図17は図14に示される装置のサンプルステーションの詳細図を提供する。サンプルステーションは、ピペッティングプローブの下にチューブを配置する直線ガイド、常設および取り外し可能なチューブラック、ならびに廃液コンテナーを含む。
【0080】
図18に示されるように、本発明はマルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置を提供し、該装置は(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置は連続的交互処理によってアッセイサンプルを処理する。このように、本発明は、本発明の装置を用いる方法を提供し、ここで個々のウェルの処理は連続して:
(a) 第一のサンプル添加フェーズ(図中の「前端」)であって、ここでピペッティングプローブは個々のウェルへのサンプル添加に従事し、ここで前記第一のサンプル添加フェーズは期間nを含有する;
(b) 第一の放置フェーズであって、ここでピペッティングプローブは個々のウェルへと到達および/もしくは操作する必要が無いが、任意選択で、他のウェルをアクセスおよび/もしくは操作し、そして該第一の放置フェーズは期間mを含有する;
(c) 第一の試薬添加フェーズであって(図中の「後端」)であって、ここでピペッティングプローブは個々のウェル(任意選択で一部のウェルが洗浄ステップであってよい)へと試薬を添加するのに従事し、第一の試薬添加フェーズは期間pを含有する;
を含有する。
【0081】
第一のサンプル添加フェーズは、シールの穴開け、試薬添加およびアッセイのためのウェルを準備する他のステップを含んでよい。試薬添加フェーズにおける第一の試薬添加は、個々のウェルから液体を吸引するステップを含み得るウェル洗浄ステップの一部であってよい。第一の試薬添加フェーズは個々のウェルの検出プロセスの実行をまた含んで良い(例えば個々のウェルでのECLの誘起および測定を含む)。第一のサンプル添加フェーズおよび第一の試薬添加フェーズの両方は、ピペッティングプローブの準備と洗浄を含んで良い(例えば液体ラインの洗浄開始、ピペットチップの洗浄など)。
【0082】
任意選択で、個々のウェルでのプロセスは追加の放置フェーズもしくは試薬添加フェーズを含んで良い。例えば、限定することなく、「2ステップ」結合アッセイは第二の放置フェーズおよび第二の試薬添加フェーズを含み得る。
【0083】
マルチウェルプレート中の第一のウェルへとステップ(a)〜(c)がもたらされ、そしてそれらのステップは、先のウェルにおいてステップ(a)が完了した後、マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいて繰り返される。例えば、プレートの第一のウェルにおいてステップ(a)が完了すると、該第一のウェルは続いてステップ(b)〜(c)で処理される。ウェルにおいて一つステップが完了すると、先のウェルが次のステップへ進む一方でそのステップはプレートの追加のウェルにおいて完了する。同様に、追加のウェルが残りのステップへともたらされる。一つのウェルがプロセスの第一のステップにもたらされ(プロセスの残りのステップが後に続く)、そして近傍のウェルがそのステップへともたらされ、プロセスの続きのステップが後の続くようにプレートの個々のウェル、すなわちプレートの近傍のもしくは隣接するウェルでプロセスが実行されて良い。代替的に、プロセスは近傍ではないウェルで実行されてもよく、すなわち一つのウェルがプロセスの第一のステップ(プロセスの続きのステップが後に続く)にもたらされ、そしてプレートの離れたウェルがそのステップにもたらされ、プロセスの続きのステップが後に続く。
【0084】
図18に示されるように、複数のサンプルを測定するための一つのアプローチは、連続サンプル処理であり、次のサンプルの分析を開始する前に一つのサンプルのサンプル分析を完了する事を含み、プロセスは低いサンプルスループットを提供する。スループットを増大させるために、先のサンプルのための放置期間中にサンプル処理を開始する事が可能であり、これはこの時間に先のサンプルのためにピペッターは必要としないという事象の利点を活用する。このようなアプローチの一実施態様は連続交互プロセスであり、動作が個々のウェルにおいて取られるときの異なるフェーズのために交互の期間を割り当てる(例えば、上述期間nおよびpはフェーズ(a)および(c)中である)。割り当てられるサンプル添加期間において、サンプルが利用可能なら(サンプルが利用可能でないとき、ピペッターはその期間に待機でいる)装置はサンプルをウェルへと添加する。サンプル添加期間に続いて、試薬添加期間が始まりその期間に放置フェーズの終わりに到達したウェルが処理される(もし放置中のサンプルが無い時、またはサンプルが放置期間の終わりに到達していないとき、ピペッターはその期間待機でいつづける)。この代替的なサンプルの処理および試薬添加の期間はその後続く。ソフトウェアのスケジューラーは、装置によって単一のプレート上で実施される全てのアッセイの状態を常にトラックする。上述のスケジュールのアプローチは、非常に単純なスケジュールのアルゴリズムに従って全てのウェルが実質的に同一のアッセイプロトコールとタイミングを用いて処理されることを確実にする。代替的に、ソフトウェアのスケジューラーは、プロトコールの一つもしくはそれ以上のステップをユーザーによって決められるように調整できるようにプログラムされていてよい。交互プロセスにおいて、ピペッティングプローブがウェルに到達したりECLシグナルが測定されたりしていないかぎり装置がプレートを連続的に攪拌するようにサンプルを放置する間の攪拌時間は最大化されている。
【0085】
交互プロセスは、それが装置のスループットを有意に向上させるので、単一のピペッティングプローブを含有する装置、とりわけアッセイプロセスにおける異なる時間での複数の動作を実施するように単一のプローブが使用されるときに利点がある。プロセスは、一つ以上のピペッティングプローブを含有する装置においてもまた利点がある。一つ以上のピペッティングプローブが持ちいられるとき、それぞれのプローブは与えられた期間においてアッセイタスクが与えられ、そして単一のピペッティングプローブで実施されるプロセスと比べて、アッセイステップがさらに凝縮される。
【0086】
装置のスループットの増加に加えて、サンプル交互処理は、最初のテストが予め定められた閾値から外れるシグナルを持つときに、例えばシグナルが予め定められた閾値よりも高いかもしくは低いときに、サンプルの自動再テストの導入を促す。例えば、様々なサンプルウェル(典型的に、最初のテストウェルおよび少なくとも一つ以上の再テストウェル)の平均値もしくはメディアン値が特定のアッセイのための閾値を越えるとき、サンプルは自動再テストに供されてもよい。代替的に、プログラムは、概して「陽性」と呼ばれるサンプルに対して、与えられたサンプルの全てのアッセイが陽性であることを要求し得る。
【0087】
図19は、本発明の装置と共に使用可能な2つのバージョンのグラフィカルユーザーインターフェースを示す。図19bに描写されるバージョンにおいて、ユーザーインターフェースはアッセイプレートに焦点を当て、ユーザーはプレートおよびプレート中のそれぞれのウェルのアッセイ結果を全体として外観しそして視覚化できる。対照的に、図19bに示されるバージョンはサンプルに焦点を当てる。サンプルに焦点を当てたユーザーインターフェースは、ユーザーがサンプル行列へとサンプルの情報、例えば名前およびラックの位置を入力し、そしてユーザーが与えられたアッセイサンプルならびにそれぞれのサンプルのアッセイの結果を視覚化できるようにする。図20は、サンプルに焦点を当てたグラフィカルユーザーインターフェースのさらに他の図を提供する。
【0088】
装置、システム、方法、試薬およびキットを、環境サンプルのアッセイを実施するのに用いても良い。それらはマルチウェルプレートアッセイフォーマットでの自動化サンプリング、サンプル処理、および分析に特に適している。
【0089】
一実施様態は、(1)サンプルコレクションモジュール;(2)任意選択で、サンプル処理モジュール;および(3)生物因子検出モジュールを含有し、ここでモジュール群が液体的に接続されるか、もしくは一例において、サンプルがモジュール間を移動可能なように接続可能である、自動化環境モニタリングシステムである。一実施態様によると、自動化環境システムはヒトの干渉を減らすことが要求される複数の週間の期間の固定した操作を可能にする。
【0090】
検出できる生物因子はウイルス、バクテリア、真菌、および寄生性病原体ならびに生物学的毒素を含む。因子それ自体が検出されてもよいし、またはそれらが、細胞断片、タンパク質、核酸、脂質、多糖および毒素を含むそれら因子由来の物質の測定によって検出されてもよい。
【0091】
一実施態様において、自動環境モニタリングシステムは大気をサンプリングし、大気サンプルからの粒子物質を回収液体へと懸濁し、それによって液体サンプルを作り、そしてウイルス、バクテリアおよび毒素を含む一つもしくはそれ以上の生物因子のアッセイを実施する。アッセイは単一もしくは多重アッセイフォーマットで実施できる。
【0092】
生物因子のいくつかの例は、ワクシニアウイルス、ブルセラ種、ボツリヌス毒素、リシン、ブドウ球菌エンテロトキシン、ベネズエラウマ脳炎(VEE)、ペスト菌(YP)、炭疽菌(BA)、コクシエラ・バーネッティ(CB)、および野兎病菌、ならびにそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
【0093】
一実施態様において、システムはまた、生物因子検出モジュールからのデータを受け取り処理するためのコンピュータを含有する。コンピュータはデータ中から陽性の識別をし、そして任意選択でテストの実施の頻度を上昇させ、適切な機関に警告を発し、そしてさらに、任意選択で近接の追加の自動環境モニタリングシステムに自動的に警告を発して、分析の頻度を上昇させ、そして/または生物因子の存在を識別する検出感度を下げるようにする。
【0094】
自動化環境モニタリングシステムのネットワークがまた提供される。一実施態様によると、ネットワーク中のそれぞれの自動化環境モニタリングシステムは、操作期間にわたる個別の場所のバックグランドのサンプルの取得を通じて個別の場所のバックグランドデータによって個別の検出限界の閾値を決定できる。取得されたバックグランドのレベルの情報は平均的なバックグランドのレベルとバックグランドレベルの標準偏差とをトラックするのに用いられ、そして個別の自動化環境モニタリングシステムの位置に対する検出限界の閾値を調整できる。
【0095】
一実施態様によると、サンプル収集モジュールは、大気のサンプルからろ過されるか、または他に濃縮された粒子の懸濁液のような環境サンプルの収集と処理を可能にする。使用可能な大気サンプリングシステムは、フィルターに基づいたサンプル収集機、衝撃部材、事実上の衝撃部材、および湿潤サイクロンを含む。使用可能な標準的なサンプル収集モジュールの例は、米国特許第6,888,085号、6,887,710号、6,867,044号、および6,567,008号に記載されるようなシステムを含む。さらに、または代替的に、サンプル収集モジュールは、水サンプル、土壌サンプル、医療サンプル、環境スワイプ、環境スラッジ、食品サンプル、飲料、排泄物の懸濁液を含有するサンプル、または生物学的サンプルのような他のクラスのサンプルを収集して、濃縮し、そして/または、処理するよう構成されていてもよい。分析し得る医療サンプルは、排せつ物、粘膜スワブ、生理液、細胞の懸濁液を含むサンプル、ならびにそれあの組み合わせを含むがそれらには限定されない。生物学的サンプルの具体例は、血液、血清、血しょう、組織吸引物、組織ホモジネート、細胞培養、細胞培養上清(真核細胞および原核細胞の培養を含む)、尿、および脳脊髄液を含む。
【0096】
収集液体中で噴霧される粒子流中に含まれる粒子を懸濁するための装置は、ソニケーター、ボルテックスミキサー、攪拌機、単純ミキサー、または溶液と待機サンプルの間の接触を最適化する他の手段を用いてよい。
【0097】
一実施態様によると、収集機の溶液における生物因子から(紙、破片、およびゴミを含むがそれらに限定されない)粒子への損失を防ぐために界面活性剤が収集液体へと添加できる。有用な界面活性剤は、イオンもしくは非イオン洗剤もしくは界面活性剤(例えば、非イオン洗剤/界面活性剤の種類はBRIJ、TRITON、TWEEN、THESIT、LUBROL、GENAPOL、PLURONIC、TETRONICおよびSPANの商標で知られる)を含むがそれらには限定されない。他の実施態様によると、粒子、例えば、セルロース系の破片に吸着する生物因子は、例えば酢酸もしくはクエン酸のようなカルボン酸処理によって溶液中に再び戻る。
【0098】
一実施態様によると、生物因子の検出は、サンプルの物理的もしくは化学的処理によって向上される。(1)サンプル中の生物因子の濃縮、(2)生物因子の溶解および/もしくは断片化、ならびに(3)アクセスできる状態にない結合部位の露出化の処理を利用できる。一つもしくはそれ以上の処理ステップを、本発明の方法に含め得る。
【0099】
装置は、液体サンプル中に懸濁された生物因子をろ過、親和性分離および/もしくは遠心によって濃縮するための濃縮機システムを含んで良い。ろ過濃縮システムはバクテリアおよびウイルス粒子を残らせる一方で過剰の液体を除去するために選択されるフィルターを採用できる。一例において、ろ過濃縮システムは、タンパク質、毒素、核酸、多糖および脂質のような生物学的分子を残すようなフィルターを採用する。システムはまた、例えば、逆方向にバッファーを流すおよび/もしくはソニケーションによって生物因子をフィルターから取り出し、液体に再懸濁するために提供される。
【0100】
遠心濃縮システムは、遠心の後に過剰の液体を除去することによって生物因子を液体と分離する。システムはまた、過剰の液体の除去の後に、濃縮された生物因子を少量の液体に再懸濁する事を提供する。
【0101】
一実施態様によると、システムは、生物因子を結合可能な親和性樹脂を含有する親和性濃縮ユニットを採用する。親和性樹脂の例は、疎水相互作用樹脂(C4−C18、ポリ−、ポリエチル、およびポリメチルアスパルトアミド)を含むがそれらに限定されない。樹脂は、便利にもカラム、カートリッジに便利に詰められていても良く、または遊離ビーズとして使用されても良い。システムには、放出溶媒によって親和性基体から生物因子を溶出することによって取り出すことが提供される。
【0102】
一実施態様によると、少なくとも一つの分析物は、受動的(例えば非特異的結合)な反応または分析物の結合パートナー(例えば分析物へと結合する抗体)との結合相互反応を介して、または共有結合介するような化学的結合(例えばNHS−エステルとの反応)を介して、および/もしくは適切なリンカーとの反応によって、または、一つもしくはそれ以上の得意的な結合試薬、および/もしくはそれらの組み合わせによる、少なくとも一つの微粒子、もしくは複数の微粒子(例えば複数の磁気反応性微粒子)の表面上への固定化を通じて濃縮できる。
【0103】
一実施態様によると、例えばWohlstadterらへの米国特許第6,413,873号に記載されるような超音波溶解システムがサンプル処理モジュールへと組み込まれる。代替的に、サンプル処理モジュールは化学溶解システムを含有できる。洗剤、酸、塩基、もしくは他の溶解試薬による化学溶解が植物性バクテリア、胞子およびウイルス性粒子を壊して開けるのに使用できる。化学溶解のための酸性もしくは塩基性溶液は、分析物検出モジュールへとサンプルを送る前に中和できる。一実施態様によると、溶解システムは、濃縮システムを含有する分離機の上流に組み込まれる。代替的に、溶解は濃縮ユニットからの生物因子の取り出しの後に続く。
【0104】
サンプル処理モジュールはさらに、望まないもの、そして一部の例において干渉物質の除去が可能な部分精製システムを含んで良い。例えば、部分精製システムは、生物因子が通過可能であるが、大きい粒子を通さないフィルターを含んで良い。モジュールは化学部分精製システム(例えば、アルコールを用いて核酸を沈殿させるシステム)もまた含んで良い。
【0105】
一実施態様によると、生物因子検出モジュールは、マルチウェルプレートから電気化学発光(ECL)を読み取るためのリーダーを含有する。例えば、ECLに基づいた多重試験は、米国特許出願番号10/185,274および米国特許出願番号10/185,363のそれぞれ米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2004/0052646;米国特許出願番号10/238,960の米国特許公開2003/0207290;米国特許出願番号10/238、391の米国特許公開2003/0113713;米国特許出願番号10/744,726の米国特許公開2004/0189311、米国特許出願番号10/980,198の米国特許公開2005/0142033に記載される。
【0106】
一実施態様において、生物因子検出モジュールは、サンプルおよびバッファーを受け入れ、そしてそれらをプレートのウェルへと分注するための、集積化ピペッターと液体多岐管とを持つ。一つの好ましい実施態様によると、モジュールは、一時に一つのウェルのみからECLの誘起と測定とができる。
【0107】
分析物検出モジュールの一例である、図1の図は、プレートを貯蔵し移動させるメカニカルシステム、ルミネッセンス(ECLを含む)を測定するための光検出器、サンプルをプレートへ移動する液体連絡およびピペッティングシステム、およびモジュールを駆動する電気ボードの小型の装置の構成を例示する。そのようなモジュールの代替的な実施態様は図14に描写される。
【0108】
一実施態様によると、分析物の検出モジュールは3つのサブシステム(1)光検出、(2)液体操作、(3)プレート操作を持つ。それぞれのサブシステムは、任意選択で、信頼できる操作を確かにし、偽陽性の可能性を減らすための内蔵のエラー検出構成要素を持つ。
【0109】
生物兵器因子を含むがそれらには限定されない生物因子のアッセイを実施するための方法が提供される。一実施態様において、方法は結合アッセイである。他の実施態様において、方法は固相結合アッセイ(一例において、固相イムノアッセイ)であり、アッセイ組成物を、アッセイ組成物に存在する興味のある分析物(もしくはその結合競合物)と結合する一つもしくはそれ以上の結合表面と接触させる事を含有する。方法はまた、アッセイ組成物を、興味のある分析物と特異的に結合可能な一つもしくはそれ以上の検出試薬と接触させる事を含んでも良い。好ましい実施態様による多重結合アッセイ方法は、当分野において利用可能な数多くのフォーマットを含む。好適なアッセイ方法はサンドイッチ法もしくは競合結合アッセイフォーマットを含む。サンドイッチイムノアッセイの例は米国特許第4,168,146号および米国特許第4,366,241号に記載される。競合的イムノアッセイの例は、Buechlerらへの米国特許第4,235,601号、米国特許第4,442,204号および米国特許第5,208,535号に開示されるものを含む。一例において、魚介毒素およびカビ毒素のような小分子毒素が、競合的イムノアッセイフォーマットにおいて有利にも測定できる。
【0110】
検出試薬として利用可能な結合試薬である結合表面および/もしくは架橋試薬の結合要素は、抗体、受容体、リガンド、ハプテン、抗原、エピトープ、ミミトープ、アプタマー、ハイブリダイゼーションパートナー、およびインターカレーターを含むがそれらに限定されない。好適な結合試薬組成物は、タンパク質、核酸、薬剤、ステロイド、ホルモン、脂質、多糖、およびそれらの組み合わせを含むがそれらには限定されない。用語「抗体」は、完全なままの抗体分子(抗体のサブユニットのインビトロ(in vitro)の再構成によって組立てたれたハイブリッド抗体を含む)、抗体フラグメント、および抗体の抗原結合部位を含有する組変えタンパク質コンストラクト(例えばPorter&Weir,J. Cell Physiol.、67(Suppl);51−64、1966、;HochmanらのBiochemistry 12:1130−1135、1973)を含む。該用語はまた、完全なままの抗体分子、抗体フラグメント、および化学的に修飾された抗体コンストラクト、例えば、標識を導入されたものを含む。
【0111】
ここで用いるとき、測定は定量的および定性的測定を包含し、そしてサンプル中に、分析物の存在を検出する、分析物の量を検出する、既知の分析物を同定する、および/もしくは未知の分析物の招待を決定することを含むがそれらには限定されない数多くの目的のために実施される測定を包含すると理解される。一実施態様によると、一つもしくはそれ以上の結合表面へと結合する第一の結合試薬および第二の結合試薬の量は、サンプル中の分析物の濃度、すなわちサンプルの容量当たりのそれぞれの分析物の量として存在できる
【0112】
分析物は電気化学発光に基づいたアッセイフォーマットを用いて検出できる。電気化学発光測定は、好ましくは電極表面に固定されるかもしくは収集された結合試薬を用いて実施される。特に好ましい電極は、具体的に設計されたカートリッジおよび/もしくはマルチウェルプレート(例えば24、96、384などのウェルプレート)の底にパターン化されたスクリーンプリントされたカーボンインク電極を含む。炭素電極表面上のECLラベルからの電気化学発光は、米国特許公開2004/0022677および米国特許公開2005/0052646に記載されるような画像化プレートリーダーを用いて誘起され測定される。自動化プレートおよびプレートリーダーは現在市販されている(MULTI−SPOT(登録商標)およびMULTI−ARRAY(登録商標)プレートならびにSECTOR(登録商標)装置、Meso Scale Discovery、Meso Scale Dignostics部門、LLC、Gaithersburg、MD)。
【0113】
一実施態様において、プレート中の電極上に固定された抗体はサンドイッチイムノアッセイフォーマットにおいて選択された生物因子を検出するのに用い得る。他の実施態様において、プレート中の集積された電極上にパターン化された抗体のマイクロアレイは、サンドイッチイムノアッセイフォーマット中で選択された複数の生物因子を検出するのに用いられる。従って、それぞれのウェルはプレートの作用電極上に固定された一つもしくはそれ以上の捕捉抗体を含み、任意選択で、乾燥状態の標識された検出抗体と、サンプルの分析と陽性対照および陰性対照の実施に必要なすべての追加の試薬とを含む。一例において、単一のウェルに多重の結合表面を持つ配列は、偽陽性の同定を有意に減少させるための多重検定を可能にする
【0114】
陽性対照方法は、シグナル発生と干渉することによって偽陰性の測定を引き起こすかもしれない条件もしくはサンプルを同定するために提供される。この様態によると、陽性対象方法は、サンプルと環境サンプルにおいて観測されることが予想されていない陽性対照の物質(例えば非毒素の陽性対照物質)への結合試薬(例えば抗体)とを接触させ;その後、サンプルと陽性対照物質および調節された量の陽性対照物質に対する標識された検出試薬(例えば抗体)を接触させ、そしてシグナルを測定する。陽性対照はそれゆえサンプルがなにであろうと常に陽性のシグナルを提供するべきである。有意に減少したシグナルはサンプルが抗体結合反応もしくはシグナル発生プロセスと干渉していることか、プレートもしくは装置の動作が不良であることを示すかもしれない。
【0115】
陰性対照方法は、検出試薬と一致していない捕捉試薬(例えば抗体)を用いて提供される。方法は、サンプルを不一致の検出試薬の存在下で捕捉試薬と接触させ、そして測定する。それゆえ、陰性対照は、サンプルがなんであれ陰性のシグナルを提供する。陰性対照からの有意に上昇したシグナルは、非一致の検出試薬の陰性対照捕捉試薬への非特異的な結合を引き起こす架橋剤のような物質のサンプル中の存在を示す。
【0116】
方法は、偽陽性の同定をもたらす任意の非特異的な結合効果を同定するために、特異的な捕捉抗体として同じ種(例えばポリクローナルなマウス、ウサギ、ヤギなど)からの非特異敵な抗体の混合物を用いて提供される。この混合物は実際の試験測定において用いられる抗体の種を含むように選択され得る。
【0117】
方法は、代替的に独立してアクセス可能なウェルにおいて偽陽性の同定の頻度を減少させるために、少なくとも二つの異なる捕捉試薬と検出試薬(例えば抗体)の対を用いて提供される。従って、第一の結合試薬の対は第一の同定として使用され、そして、もし陽性なら第二の結合試薬の対を用いた確認試験を実施する。対は生物因子の同一のマーカーもしくはエピトープを標的とし、または代替的に、生物因子の異なるマーカーもしくはエピトープを標的とすることによって二つの測定の直交性をさらに増加させる。代替的なウェルにおける少なくとも二つの異なる交代の対の配置は特に有利であり得る。この様態によると、対を第一の同定セットとして用いると、それによって確認試験用のウェルを用意する必要性がなくなる。代わりに、もしサンプルが(第一のもしくは第二の対に基づいた)最近の試験の結果に基づいて陽性であることが予想されるとき、確認は続くテストウェルを実施することによって単純に実施される。
【0118】
検出の信頼性は、単一のウェルにおいて二つもしくはそれ以上の異なる捕捉抗体を提供する事によってさらに向上し、ここで(a)二つもしくはそれ以上の異なる抗体は、同じ生物学的標的の同じマーカーおよび/もしくはエピトープを認識する、および/もしくは(b)二つもしくはそれ以上の抗体は同じ生物拓的標的の異なるマーカーおよび/もしくはエピトープを認識する。
【0119】
生物因子を検出するための一つの方法は、(1)サンプル収集モジュールを用いて大気サンプルを収集するステップ(例として、集積化アエロゾルサンプリングシステムを用いて大気サンプル中のアエロゾルを収集する);(2)アエロゾルを液体に懸濁するステップ;(3)任意選択でアエロゾル懸濁液をサンプル処理モジュールへと移動するステップ;(4)任意選択で、サンプル処理モジュール中でアエロゾルを濃縮するか、および/もしくは精製するステップ(例として、大きい粒子を除去することによる部分的な精製);(5)液体サンプルをマルチウェルプレートのウェルへと移動するステップ;(6)同じ対象に対する少なくとも一つの検出抗体を添加するステップ;(7)アッセイ測定を実施して、生物因子が陽性なサンプルを同定するステップ;(8)任意選択で(5)〜(7)を繰り返す事によって確認テストを実施するステップ;(9)警告を発するステップを含有する。任意選択で検出試薬は、ウェル中に乾燥状態で存在し(6)は省略しても良い。この場合、サンプルの添加は乾燥試薬の再構成をもたらす。一実施態様において、ステップ(5)は集積化ピペッティングシステムの使用を通じてサンプルをウェルへと移動する事を含む。
【0120】
ステップ(5)はリキッドサンプルをサンプルチェンバー(例えば装置100のサンプルコンパートメント310)へとポンプ注入することを含有し、プレート(例えば装置100の遮光筐体110中のプレート)のウェルへとサンプルを移動するのにピペッティングシステム(例えば、装置100のプローブ260)を用いる事を含有する。一実施態様において、この操作、ならびに一つもしくはそれ以上(またはすべての)後に続く分析ステップ((6)〜(9))を実施するために上述の装置100が用いられる。
【0121】
一実施態様において、結合試薬の固相化配列を持ち、そしてサンプル中の生物因子は対応する固相化された試薬および対応する標識された検出試薬と結合し、サンドイッチ複合体を形成する。一例において、配列は電極上に形成され、検出はECL測定を用いて実施される。一実施態様において、ECL読み取りバッファーの添加後、電極上の標識は作用電極に電話津を加えることによってECLを発光するように誘起され、そして発光したECLはCCDカメラ上で画像化される。任意選択で、特に汚れた環境におけるアエロゾルサンプルによって精製する光学的に濁ったサンプルに対するアッセイ感度の利点のためにECL測定の前に洗浄が追加される。画像分析が配列上の発光の位置を決定するために用いられ、それによってサンプル中の因子を同定する。画像分析はまた、抗体配列上のそれぞれの因子からの発光を同定をもたらし、それぞれの生物因子の正確な定量を可能にする。
【0122】
本開示に引用される特許、特許出願、文献、および試験方法は、参照によりその全てをここに組みいれる。
【0123】
本発明はここに記載される特定の実施態様によって範囲を限定されない。ここに記載される物に加えての多くの発明の修正は、上述の記述および添付される図から当業者にとって明らかであろう。そのような修正は請求項の範囲に含まれる。
【0124】
「含有する(comprising)」を用いる請求項は、他の要素も請求項の範囲内に含む事を可能にする。本発明はまた、「含有する(comprising)」の代わりに移行句「実質的に〜からなる」(すなわち、他の要素が、発明の実施に実質的に影響を与えない場合、請求項の範囲内に含むことが可能である)もしくは「からなる」(すなわち、発明と通常関連する不純物もしくは重要で無い活性物を除いて、請求項に列挙された要素のみ許される)を用いるような請求項によって記載される。それらの3つの移行句の任意のものが本発明を請求するのに使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置であって、(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置がアッセイサンプルを連続交互プロセスによって処理する、装置。
【請求項2】
サンプルに集中したグラフィカル・ユーザー・インターフェースをさらに含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プレート操作サブシステムが、
(a) 遮光筺体であって
(i) 上昇させたり下降させたり出来る、プレートリフティングプラットフォームを持つ一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、
(ii) 前記プレート昇降機および画像化開口部にの上部に配置される一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ遮光筺体頂部であって、ここで前記筺体頂部が前記プレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する遮光筺体頂部、ならびに
(iii) 一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを平行移動させるためのプレート平行移動ステージであって、ここで前記ステージがプレートを支持するためのキャリッジを含有し、前記プレートキャリッジの下に配置されたプレート昇降機がプレートに到達し、そしてプレートを持ち上げることが出来るように前記キャリッジが開口部を持ち、そして前記プレート平行移動ステージがプレートを前記画像化開口部の下へと配置し、そして前記プレートを前記プレート昇降機の上へと配置するよう構成されているプレート平行移動ステージ
を含有する遮光筺体;
(b) 前記筺体頂部の前記プレート導入開口部の上に取り付けられた一つもしくはそれ以上のプレートスタッカーであって、ここで前記プレートスタッカーが前記プレート昇降機のプレートを受け取るかもしくは受け渡すよう構成されている、プレートスタッカー;ならびに
(c) 前記筺体頂部に取り付けられ、前記画像化開口部へと遮蔽密閉によって連結された光検出器、
を含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記液体操作サブシステムが、前記装置のアッセイプレートのウェルへと液体を送るためのか、もしくは前記装置のアッセイプレートのウェルから液体を取り出すための、ピペッティングシステムをさらに含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
(a) 前記ピペッティングシステムがピペッティングプローブを垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向へと平行移動させるためのピペット平行移動ステージに取り付けられたピペッティングプローブを含有し;
(b) 前記筐体頂部一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち;
(c) 前記スライドする遮光ドアが一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアが前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部が前記スライドする遮光ドアの前記ピペッティング開口部と一列に並ぶピペッティング位置を持ち;そして、
(d) 前記ピペット平行移動ステージが前記筐体頂部へと取り付けられ、前記スライドする遮光ドアが前記ピペッティング位置にいるときに前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部の下に配置されるウェルへと到達するように前記ピペッティングプローブを下降させる、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
試薬および/もしくはサンプルデリバリーステーション、試薬および/もしくはサンプルチューブラック、プローブ洗浄ステーション、廃液ステーション、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される構成要素をさらに含有し、ここで前記ピペット平行移動ステージが一つもしくはそれ以上の水平方向へ移動して液体に到達するか、ならびに/または前記構成要素へと液体を送るように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
プレートシール穴開けプローブをさらに含有する、請求項3〜6にいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
(i) 前記筐体頂部が、穴開けプローブ開口部を持ち;
(ii) 前記スライドする遮光ドアが、穴開けプローブ開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアが穴開け位置を持ち、前記筐体頂部の前記穴開けプローブ開口部は前記スライドする遮光ドアの前記穴開けプローブと一列に並び;そして
(iii) 前記穴開けプローブが前記筐体頂部に取り付けられ、そして前記スライドする遮光ドアが前記穴開け位置にある時に、前記穴開けプローブを降下させて前記筐体頂部の前記穴開け開口部の下に位置するウェル上のシールを穴開けするように構成されている、
プレートシール穴開けプローブをさらに含有する、請求項3〜6にいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ピペット平行移動ステージがプローブ平行移動要素を含有し、前記ピペット平行移動ステージを水平に移動して、前記穴開けプローブを前記プローブ平行移動要素と接触させ、そして前記穴開けプローブと前記プローブ平行移動要素とを降下したり上昇させたり垂直に移動させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光検出器の下に配置されるウェルの電極へと電気エネルギーを加えるためのプレート接点をさらに含有する、請求項3〜9にいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1〜10にいずれか1項に記載の装置を用いてアッセイを実施するための方法であって、ここで前記方法は
(a) 前記プレートスタッカーの一つへとマルチウェルプレートを導入するステップ;
(b) 前記一つの前記プレートスタッカーの下のプレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記一つの前記プレートスタッカーから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために、前記プレート昇降機の一つを用いるステップ
(d) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(e) 前記光検出器の下へと一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(f) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(g) 少なくとも一つの前記プレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(h) 前記一つの前記プレート導入開口部の下前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(i) 前記プレートを一つの前記プレートスタッカーへと上昇させるようように前記プレート昇降機の一つを上昇させるステップ
を含有し、ここで前記措置が連続交互処理によって前記マルチウェルプレートの複数のウェルの処理をする、方法。
【請求項12】
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するかもしくは前記ウェルの一つからサンプルを取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上のシールを除去するステップ、または、前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極へと電気エネルギーを加えるステップの一つもしくはそれ以上をさらに含有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記シールが前記第一のウェルよりステップ(a)において除去される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜10にいずれか1項に記載の装置を用いてアッセイを実施するための方法であって、ここで前記方法は:
(a) 前記プレートスタッカーの一つにプレートを導入するステップ;
(b) 前記プレート導入開口部の一つを開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記プレートスタッカーの前記一つから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために前記プレート昇降機の一つを用いるステップ;
(d) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(e) 前記穴開けプローブの下に前記プレートのウェルを並べ、そして前記ウェルのシールを穴開けするステップ;
(f) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを注入するか、ならびに/または前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために前記ピペッティングプローブを用いるステップ;
(h) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(i) 前記光検出器の下に一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(j) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(k) 前記プレート導入開口部を開けるために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(l) 前記プレート昇降機の一つの上に前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(m) 前記プレートスタッカーの一つへと前記プレートを上昇させるために前記プレート昇降機を上昇させるステップ;
を含有し、ここで前記装置は前記マルチウェルプレートの複数のウェルを連続交互プロセスによって処理する、方法。
【請求項17】
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するか、または前記ウェルの一つからサンプルおよび/もしくは試薬を取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去するステップ、または前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極に電気エネルギーを加えるステップの一つもしくはそれ以上をさらに含有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記シールが前記第一のウェルよりステップ(a)において除去される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記光検出器が画像化システムである、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記画像化システムが、前記一つもしくはそれ以上のウェルの結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するのに用いられ、そして前記装置が前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルが乾燥アッセイ試薬を含有する、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記乾燥アッセイ試薬を含有する一つもしくはそれ以上のウェルが、前記乾燥試薬を環境より守るためにシールされている、請求項23に記載の方法。
【請求項1】
マルチウェルプレートにおいてルミネッセンスアッセイを実施するための装置であって、(a)光検出サブシステム;(b)液体操作サブシステム;および(c)プレート操作サブシステムを含有し、ここで前記装置がアッセイサンプルを連続交互プロセスによって処理する、装置。
【請求項2】
サンプルに集中したグラフィカル・ユーザー・インターフェースをさらに含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プレート操作サブシステムが、
(a) 遮光筺体であって
(i) 上昇させたり下降させたり出来る、プレートリフティングプラットフォームを持つ一つもしくはそれ以上のプレート昇降機、
(ii) 前記プレート昇降機および画像化開口部にの上部に配置される一つもしくはそれ以上のプレート導入開口部を持つ遮光筺体頂部であって、ここで前記筺体頂部が前記プレート導入開口部を密閉するためのスライドする遮光ドアを含有する遮光筺体頂部、ならびに
(iii) 一つもしくはそれ以上の水平方向へとプレートを平行移動させるためのプレート平行移動ステージであって、ここで前記ステージがプレートを支持するためのキャリッジを含有し、前記プレートキャリッジの下に配置されたプレート昇降機がプレートに到達し、そしてプレートを持ち上げることが出来るように前記キャリッジが開口部を持ち、そして前記プレート平行移動ステージがプレートを前記画像化開口部の下へと配置し、そして前記プレートを前記プレート昇降機の上へと配置するよう構成されているプレート平行移動ステージ
を含有する遮光筺体;
(b) 前記筺体頂部の前記プレート導入開口部の上に取り付けられた一つもしくはそれ以上のプレートスタッカーであって、ここで前記プレートスタッカーが前記プレート昇降機のプレートを受け取るかもしくは受け渡すよう構成されている、プレートスタッカー;ならびに
(c) 前記筺体頂部に取り付けられ、前記画像化開口部へと遮蔽密閉によって連結された光検出器、
を含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記液体操作サブシステムが、前記装置のアッセイプレートのウェルへと液体を送るためのか、もしくは前記装置のアッセイプレートのウェルから液体を取り出すための、ピペッティングシステムをさらに含有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
(a) 前記ピペッティングシステムがピペッティングプローブを垂直方向に、そして任意選択で一つもしくはそれ以上の水平方向へと平行移動させるためのピペット平行移動ステージに取り付けられたピペッティングプローブを含有し;
(b) 前記筐体頂部一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち;
(c) 前記スライドする遮光ドアが一つもしくはそれ以上のピペッティング開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアが前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部が前記スライドする遮光ドアの前記ピペッティング開口部と一列に並ぶピペッティング位置を持ち;そして、
(d) 前記ピペット平行移動ステージが前記筐体頂部へと取り付けられ、前記スライドする遮光ドアが前記ピペッティング位置にいるときに前記筐体頂部の前記ピペッティング開口部の下に配置されるウェルへと到達するように前記ピペッティングプローブを下降させる、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
試薬および/もしくはサンプルデリバリーステーション、試薬および/もしくはサンプルチューブラック、プローブ洗浄ステーション、廃液ステーション、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される構成要素をさらに含有し、ここで前記ピペット平行移動ステージが一つもしくはそれ以上の水平方向へ移動して液体に到達するか、ならびに/または前記構成要素へと液体を送るように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
プレートシール穴開けプローブをさらに含有する、請求項3〜6にいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
(i) 前記筐体頂部が、穴開けプローブ開口部を持ち;
(ii) 前記スライドする遮光ドアが、穴開けプローブ開口部を持ち、ここで前記スライドする遮光ドアが穴開け位置を持ち、前記筐体頂部の前記穴開けプローブ開口部は前記スライドする遮光ドアの前記穴開けプローブと一列に並び;そして
(iii) 前記穴開けプローブが前記筐体頂部に取り付けられ、そして前記スライドする遮光ドアが前記穴開け位置にある時に、前記穴開けプローブを降下させて前記筐体頂部の前記穴開け開口部の下に位置するウェル上のシールを穴開けするように構成されている、
プレートシール穴開けプローブをさらに含有する、請求項3〜6にいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ピペット平行移動ステージがプローブ平行移動要素を含有し、前記ピペット平行移動ステージを水平に移動して、前記穴開けプローブを前記プローブ平行移動要素と接触させ、そして前記穴開けプローブと前記プローブ平行移動要素とを降下したり上昇させたり垂直に移動させる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記光検出器の下に配置されるウェルの電極へと電気エネルギーを加えるためのプレート接点をさらに含有する、請求項3〜9にいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1〜10にいずれか1項に記載の装置を用いてアッセイを実施するための方法であって、ここで前記方法は
(a) 前記プレートスタッカーの一つへとマルチウェルプレートを導入するステップ;
(b) 前記一つの前記プレートスタッカーの下のプレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記一つの前記プレートスタッカーから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために、前記プレート昇降機の一つを用いるステップ
(d) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(e) 前記光検出器の下へと一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(f) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(g) 少なくとも一つの前記プレート導入開口部を開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(h) 前記一つの前記プレート導入開口部の下前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(i) 前記プレートを一つの前記プレートスタッカーへと上昇させるようように前記プレート昇降機の一つを上昇させるステップ
を含有し、ここで前記措置が連続交互処理によって前記マルチウェルプレートの複数のウェルの処理をする、方法。
【請求項12】
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するかもしくは前記ウェルの一つからサンプルを取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上のシールを除去するステップ、または、前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極へと電気エネルギーを加えるステップの一つもしくはそれ以上をさらに含有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記シールが前記第一のウェルよりステップ(a)において除去される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1〜10にいずれか1項に記載の装置を用いてアッセイを実施するための方法であって、ここで前記方法は:
(a) 前記プレートスタッカーの一つにプレートを導入するステップ;
(b) 前記プレート導入開口部の一つを開くために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(c) 前記プレートスタッカーの前記一つから前記プレートキャリッジへと前記プレートを降下させるために前記プレート昇降機の一つを用いるステップ;
(d) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(e) 前記穴開けプローブの下に前記プレートのウェルを並べ、そして前記ウェルのシールを穴開けするステップ;
(f) 前記穴開け位置へと前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(g) 前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルへと試薬および/もしくはサンプルを注入するか、ならびに/または前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルから試薬および/もしくはサンプルを取り出すために前記ピペッティングプローブを用いるステップ;
(h) 前記プレート導入開口部を密閉するために前記スライドする遮光ドアをスライドさせるステップ;
(i) 前記光検出器の下に一つもしくはそれ以上のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(j) 前記一つもしくはそれ以上のウェルからルミネッセンスを検出するステップ;
(k) 前記プレート導入開口部を開けるために前記スライドする遮光ドアをスライドするステップ;
(l) 前記プレート昇降機の一つの上に前記プレートを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;ならびに
(m) 前記プレートスタッカーの一つへと前記プレートを上昇させるために前記プレート昇降機を上昇させるステップ;
を含有し、ここで前記装置は前記マルチウェルプレートの複数のウェルを連続交互プロセスによって処理する、方法。
【請求項17】
前記ウェルの一つへとサンプルおよび/もしくは試薬を注入するか、または前記ウェルの一つからサンプルおよび/もしくは試薬を取り出すステップ、前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを除去するステップ、または前記ウェルの一つもしくはそれ以上の電極に電気エネルギーを加えるステップの一つもしくはそれ以上をさらに含有する請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに以下のステップ:
(a) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(b) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(c) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(d) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(d)を繰り返す、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
さらに以下のステップ:
(a) 前記ウェルの一つもしくはそれ以上からシールを取り除くステップ;
(b) サンプルおよび/もしくは試薬を前記マルチウェルプレートの第一のウェルへと注入するステップ;
(c) 前記第一のウェルの電極へと電気エネルギーを加えるステップ;
(d) 前記光検出器の下に前記マルチウェルプレートの前記第一のウェルを配置するために前記プレートキャリッジを平行移動させるステップ;
(e) 前記第一のウェルからルミネッセンスを検出するステップ
を順に含有し、そして前記第一のウェルでステップ(a)が完了したのち、前記マルチウェルプレートの一つもしくはそれ以上の追加のウェルにおいてステップ(a)〜(e)を繰り返す、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記シールが前記第一のウェルよりステップ(a)において除去される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記光検出器が画像化システムである、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記画像化システムが、前記一つもしくはそれ以上のウェルの結合ドメインの配列からのルミネッセンスを画像化するのに用いられ、そして前記装置が前記配列の個々の要素から発光するルミネッセンスのルミネッセンス値を報告する、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記プレートの一つもしくはそれ以上のウェルが乾燥アッセイ試薬を含有する、請求項10〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記乾燥アッセイ試薬を含有する一つもしくはそれ以上のウェルが、前記乾燥試薬を環境より守るためにシールされている、請求項23に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図7a】
【図7b】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2011−518323(P2011−518323A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504004(P2011−504004)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/002244
【国際公開番号】WO2009/126303
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(505243216)メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/002244
【国際公開番号】WO2009/126303
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(505243216)メソ スケール テクノロジーズ エルエルシー (8)
【Fターム(参考)】
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