説明

アニマトロニクス制御支持式歩行システム

1形態として、ロボット歩行形象物と、ロボット歩行形象物を少なくとも部分的に支持する車輪付き支持体からなる支持式歩行システムが開示されている。支持式歩行システムは、人間のオペレータによって駆動されそして制御される。上記歩行システムが、種々の速度で駆動しかつ回動する間に、前方へ、後方へ、そして側方へカートの運動と同期してステップを進めるように、コンピュータアルゴリズムがロボットの歩行機能を自動的に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
アニマトロニクス制御支持式歩行システムと方法が一般的に開示される。
【0002】
(背景技術)
アニマトロニクス制御支持式形象物は、ロボットに生きた動きをさせるための電子工学又は他の機械的、液圧的、及び空気圧的部品を利用するものである。アニマトロニクス制御のキャラクターは、テーマパークの如き娯楽場所では人気がある。例えば、アニマトロニクス制御のキャラクターはテーマパークで見られるショー又は乗り物にたびたび利用される。しかし、アニマトロニクス制御のキャラクターは一般に固定位置にある。アニマトロニクス制御のキャラクターの頭又は腕は動くことができるが、キャラクターは一般に、1つの場所から他の場所へ自由にぶらつくか、又は歩行することはできない。
【0003】
(発明の要約)
従って、かかるキャラクターが、自由にかつテーマパーク、パレード、又は他の開催地を通して独立して歩行することが望ましい。更に、かかるアニマトロニクス制御のキャラクターは、全く現実的に見えるのが望ましい。しかし、かかるアニマトロニクス制御の歩行形象物を開発するときに解決すべき幾つかの特別な問題がある。
【0004】
先ず、実際の動物はつまずいて転ぶことがあり、そしてそうなるものである。しかし、小さい子供を含む各お客に対する安全性が保証されなければならないテーマパークの如き公共の場所では、アニマトロニクス制御の形象物はつまずいて転ぶべきではない。それ故、動物のように見えるが、つまずいて転んだりお客に怪我をさせることのない歩行ロボットを作るのが目的である。
【0005】
複雑なロボットシステムはまた、機能するためには電子工学及びコンピュータを必要とする。可動システムはまた、動力供給源(バッテリ、エンジン等)を必要とする。これらのシステムを皮膚、(搭載された)実際のロボット形象物の内側に置くのは困難である。もしこれらが形象物の外側に置かれているならば、形象物が実際の動物であるという幻想を維持している間、これらの部品を隠す手法を見つけ出さなければならない。例えば、電気コードが形象物から出ているのを見られることはできない。
【0006】
理想的には、単一のオペレータがアニマトロニクス制御の形象物に前方、後方へ動くよう、また左や右へ回るよう命令すべきである。動物のように見えるロボットは40個を超える個々のモータをもつ。これは単一のオペレータが同時に制御するには多すぎる。それ故、これらの簡単な命令を、システムが歩行するのを可能にする個々の関節軌道に変換させる方法又はコンピュータアルゴリズムが作られなければならない。
【0007】
更に、かかるアニマトロニクス制御の形象物の機械的下部構造は必然的にロボット式となる。即ち、それらは、関節、歯車、アクチュエータ、ホース、電気配線、及び金属、プラスチック、又は複合構造素子から作られる。これらのシステムを生きているように思わせるために、それらは、布地によって又は人工皮膚の何れかによってそれが滑らかであるかどうかには係わらず、又は柔毛、羽毛、又は鱗片で、なんとかして覆われなければならない。
【0008】
これに関して、ロボット式歩行形象物と、ロボット式歩行形象物を部分的に支持する車輪付き支持体からなる支持式歩行システムが開示される。支持式歩行システムは人間のオペレータによって駆動されそして制御される。
【0009】
一実施例では、歩行形象物は、恐竜の様に見えるよう設計されており、車輪付き支持体は旧式の木製カート状に見えるよう特徴的な凝った造りになっている。その結果、実際にカートが歩行機械を部分的に支持しそして人間のドライバー、コンピュータ、電子機器、及びバッテリーを収容しているときには、恐竜が人力車様式でカートを引っ張っているような幻想が生まれる。
【0010】
1実施例では、歩行形象物の皮膚は、繊維ガラス、プラスチック及びアルミニウムのリングからなる独特の骨格支持システムによって支持され、これらのリングは剛性の付属装置及び可撓性ゴム付属装置の組み合わせ体を介してお互いにまた歩行機械の骨格に取り付けられる。その効果は、生きいている動物の外観を与える機械的骨格を覆って浮動する現実的に見える皮膚となる。
【0011】
2脚付きの、自由に歩行するロボットは極めて少数しか造られておらず、これらのすべては、ひっくり返ることがある。ロボット式形象物を可動カートに取り付けることによって、大型の歩行形象物を作ることに関連する多数の問題点が提出される。
【0012】
1実施例では、歩行形象物は更に、“ヨーク”を介してカートに取り付けられる。歩行形象物を“ヨーク”を介してカートに取り付けることによって、ロボットは部分的に支持されそして落下を防止され、その付近の人々の安全を保証する。
【0013】
更に、歩行形象物は多くの個々の作動器、電子機器、コンピュータ、及び動力源を含み、また動力源は歩行ロボット内に置くには大き過ぎる。カートはこれらの部品に便利な場所を提供する。それらの部品はヨーク内に隠される配線によって歩行ロボットに接続される。
【0014】
1実施例では、カートは2つの被動車輪と旋回キャスターをもつ。これはカートがそれ自身の重量を動かすことを可能にし、そして歩行ロボットを支持する安定した基礎を提供する。この形態はまた、人間オペレータが簡単なジョイステックを用いてカートを、前方、後方へ動かし、操縦し、そして適所で回転するためにカートを動かすことを可能にする。
【0015】
コンピュータアルゴリズムは、ロボットの歩行機能を自動的に制御し、ロボットが、変化する速度で駆動しそして回転する間に、カートの動きと同時に前方、後方、及び横向きに、ステップを進めることができるようになす。
【0016】
以下、本発明の例示的なつ予期される実施例を図面を参照して説明するが、これらの実施例は網羅的なものではなく、また本発明を開示した精密な形式に限定することを意図するものでもない。多くの変更や変形が本文に記載された教えに照らして可能である。
【0017】
(詳細な説明)
1態様においては、ロボット式歩行形象物と、ロボット式歩行形象物を少なくとも部分的に支持する車輪付き支持体からなる支持式歩行システムが開示されている。支持式歩行システムは、人間オペレータによって駆動、制御することができる。歩行形象物は現在既知の又は認識可能な何らかの形状に似る必要はない。それは、所望の効果又は該システムに意図される用途に依存して、全く空想的か又は実用的なものとすることができる。図示された実施例はテーマパークにあるかも知れない恐竜であるが、本発明は決してこれに限定するつもりはない。
【0018】
図1は支持式歩行システムの1実施例の骨格である。1実施例では、歩行形象物(100)は恐竜のように見えるよう設計され、そして車輪付き支持体(110)は旧式の木製カートのように見えるよう造られる。恐竜(100)はヨーク(120)によってカートに取り付けられる。結果としてできる車両は、事実、カートが部分的に歩行機械を支持し、そしてまた人間ドライバー、コンピュータ、電子機器及びバッテリーを収容しているときに、恐竜(100)が人力車様式のカート(110)を引張っているような幻想を造るよう設計される。
【0019】
支持式歩行形象物‐運動学
以下には支持式歩行システムの1実施例の簡単な運動学的説明がなされている。かかる実施例では、支持式歩行システムは、3車輪付きカートによって部分的に支持される2脚付き歩行機械からなる。
【0020】
図2は支持式歩行システムの1実施例の運動学的図表である。車輪付きカートは方形フレーム(201)として示されている。第1車輪(202)と第2車輪(203)は両側でカートの側面に据え付けられていて、軸Aの回りに回転する。第1車輪(202)と第2車輪(203)は動力供給される。第3の車輪(205)は、カートの正面に据え付けられている。第3の車輪(205)は垂直軸の回りに自由に転がりそして回転して、任意方向に動くことを可能にする。剛性ヨーク(204a‐c)は、ヨークと歩行形象物が軸Aの回りに自由に旋回できるように、カートに取り付けられる。ヨークは2つの側部ビーム(204aと204b)及び歩行機械の回りに嵌合する湾曲部材(204c)からなる。Uリンク(204d)は湾曲部材に堅固に固定される。このUリンクに取り付けられているのはリンク(205)であり、このリンクはヨークに関して水平軸Bの回りに自由に旋回する。歩行機械の本体(206)はまたそれに取り付けられたUリンク(206a)をもち、それは軸Cによりリンク(205)の回りに自由に旋回する。1実施例では、軸BとCは互いに直角をなす。こうして、本体はヨークに対して2自由度をもつ。本体に対して堅固に取り付けられているのは、2つの追加のUリンク(206b、206c)である。これらのUリンクに夫々取り付けられているのは歩行機械の右と左の脚である。
【0021】
右脚について考えて見れば、リンク(207)はUリンク(206b)を通して本体に取り付けられていて、軸Dの回りに自由に旋回する。最新の実施例では、この関節は動力供給される。リンク(208)は次いで、それが軸Eの回りに自由に旋回するようにリンク(207)に取り付けられる。この関節もまた動力供給される。軸DとEは互いに直角をなす。リンク(209)は、それが軸Fの回りに旋回できるよう、枢軸を介してリンク(208)に取り付けられる。この軸Fは軸DとEに直角をなす。この関節は動力供給される。リンク(210)はそれが軸Gの回りに旋回できるようにリンク(209)に取り付けられる。この関節は動力供給される。リンク(211)はそれが軸Hの回りに旋回することができるようにリンク(210)に取り付けられる。最新の実施例では、このリンクは平行四辺形リンク機構(図示せず)を介して束縛されていて、リンク(209)に関する方位が固定されるようにされている。リンク(212)と(213)はリンク(211)に取り付けられていて、それらが夫々IとJの回りに独立して旋回できるようになしている。これらの関節もまた動力供給される。左脚は右脚の鏡像関係にある。
【0022】
以下の記載は支持式歩行システムの1実施例の機械的構造の更に詳細な説明である。
図3aと3bは支持式歩行システムの1実施例を示す。
【0023】
1形態では、2脚付きロボット式機械(100)はヨーク(308)を介して車輪付きカート(110)に取り付けられる。図3a、3bに示す如く、支持式歩行機械は身体(306)に連結された2つの脚(307)からなる。この身体にはまた、首(305)と尾(303)が取り付けられている。歩行機械の身体は剛性のチューブからなる。各脚は、一連のリンクを作動する6個のコンピュータ制御型の電気モータと、窮屈な容積内で脚をその足を身体に関して何れかの位置と方位に任意に位置決めさせる関節とからなる機構である。(1つの脚のみが図示されていることに注目されたい)。首(305)は、一連のリンクと関節を作動する7個のコンピュータ制御型の電気モータから成る機構である。首は頭(321)を支持し、頭自体は幾つかの追加のモータを含んでいる。これらのモータは、例えば、目、瞼、口、及び他の顔の特徴を作動する。最後に、尾機構は身体チューブ(303)の後端に取り付けられている。首の設計と同様に、尾は一連のリンクと関節を作動する6個の電気モータからなる。
【0024】
カートは鋼フレーム(311)からなり、このフレームに2つの駆動車輪(312)と旋回キャスター(310)が据え付けられる。(1つだけの被動車輪が図示されていることに注目されたい)。駆動車輪は各々、電気モータとベルト減速機構(322)によって動力供給される。また、カートは、囲い構体(317)内に据え付けられた電子機器、バッテリーパック電力源(313)、ジョイスティック(316)、及びパぺッティングインターフェイス(puppeting interface)(315)を収容する。人間オペレータは座席(314)に座り、そしてカートを駆動するためにジョイスティックを使用し、歩行機械の身体、首及び頭の動きを制御するためにパぺッティングインターフェイスを使用する。ここでは円形の車輪について記載したが、それらの車輪は実際には、所望の効果を発揮するために、他の形状(例えば楕円形)をとることができ、更に無限軌道システムとすることもできる。用語、“車輪”はこのように理解すべきである。
【0025】
オペレータがカートを駆動するとき、歩行機械の機能のすべては、カートと同期的に動かすために、一連のコンピュータアルゴリズムによって自動的に制御される。例えば、これらのアルゴリズムは、各足がステップ(step)を進めなければならない時と場所、各ステップの速度と軌道及び身体、首、頭及び尾の運動を計算する。この運動は現実的見える歩行を造り出すステップを進める運動を伴う。オペレータはこれらの自動的に造り出された運動の幾つか、特に、頭と首の運動を、歩行中にパぺッティングインターフェイスを使用することによって、無視する(override)かも知れない。システムに意図された用途に依存して、1つ以上の機能アーム又は他の付属物を含むことができ、これらのアームは、保持すること、押すこと、持ち上げること等の如き機能をもつ。尾と頭は除去すること又は他の構造と置き換えることができる。該システムの操作を簡単にするために、歩行機構は頭に据え付けられたカメラ(319)とマイクロホン(320)を備える。オペレータはビデオイメージを見るためのモニタ(318)及び音を聞くためのヘッドホンをもつ。これらは、オペレータが該システムの近くに立ちそしてシステムに話しかけているお客とより良く影響し合うことを可能ならしめる。また、オペレータは、歩行機構から離れて、遠隔制御機器を用いて遠隔の場所に位置することができる。カートは伝統的カートに過ぎないという幻想を与えるために、木製の装飾フレームがカート全体を覆う。
【0026】
カートと歩行機械は剛性ヨーク(308)によって3つの非動力化関節を経て結合される。このヨークはヒンジ(309)を経てカートに連結され、そして2軸型の“ユニバーサル”関節(304)を経て歩行機械に連結される。カートのヒンジは、歩行機械が、その脚を延ばすことによってその高さを変えることを可能にする。ユニバーサル関節は歩行機械が、その身体をヨークに関して前方に又は後方に傾けることを、また、その身体を左右に転がすことを可能にする。これらの3つの関節の組み合わせは、歩行機械が、実際に見える歩行及び運動に要求される広い運動範囲をもつことを可能にする一方、たとえすべてのモータが完全に止まりそして動力が遮断されても、該システムが左右に、前方に、又は後方に倒れるのを防止することを可能にする。ヨーク付属装置はまた、ばね釣り合わせ機構(322)を合体する。この機構は、歩行機械の重量を部分的に支えるヒンジ(309)の回りの回転トルクをヨークに与える。
【0027】
歩行アルゴリズム
支持式歩行システムを制御しかつ形象物を歩行させるシステムと方法もまた開示される。
【0028】
1実施例では、支持式歩行システムは通常の2軸型ジョイスティックを用いて人間オペレータによって駆動される。支持式歩行システムは2つの被動車輪と、各々が数個の独立作動器をもつ2つの脚とをもつ単一車両として見ることができる。
【0029】
この場合、問題は2つのジョイスティック入力から複数の独立した運動プロフィールを如何にして造るかということである。例えば、該システムを回転している間にかつ変化する速度で、直線上を歩かせる運動を造ることが目的である。
【0030】
オペレータはカートを駆動するためにジョイスティック入力を使用し、そして歩行形象物の脚の運動は、カート運動に応答して、コンピュータアルゴリズムによって計算される。このアルゴリズムの簡単な説明は以下の通りである。
【0031】
1実施例では、左/右又は前方/後方の何れかの2軸に沿って動くことができる標準のジョイスティックが使用される。ジョイスティックは2つのカート車輪の速度を直接制御する。例えば、もしジョイスティックが左にのみ動かされるならば、左のカート車輪は後方に回転し、右の車輪は前方に回転するだろう。その際カートは垂直軸の回りに回転し、上から見て反時計回りに、直接2つの車輪の間で垂直軸の回りに回転するだろう。もしジョイスティックが右にのみ動かされるならば、車輪は、上から見たとき、カートが時計回りに回転するように、反対方向に動く。車輪の速度は、ジョイスティックがその中心位置から動かされる距離によって制御される。
【0032】
もしジョイスティックが前方にのみ動かされるならば、両車輪は同じ速度で前方に動かされ、そしてカートは前方に動くだろう。もしジョイスティックが後ろにのみ動かされるならば、両車輪は同じ速度で後方へ回転するだろう。またカートは後方に動くだろう。
【0033】
もしジョイスティックが或る角度、例えば、前方にかつ右へ動かされるならば、上記運動は、カートが前方へ動きそして同時に右方へ回るように、線状に結合される。また、運動の速度は、ジョイスティックがその中心位置からどれだけ遠く離されるかによって制御される。
【0034】
カートと歩行形象物は3つの自由回転する関節をもつ剛性ヨークによって取り付けられ、そしていつでも、歩行形象物の脚の一方又は両方は地面上に載っている。かくして、カート、ヨーク、歩行形象物、及びシステムが載っている地面は、1つの閉じた運動連鎖を形成する。(閉じた運動連鎖は、ループを形成するためにそれ自体上に閉じる剛性リンクと関節の任意の系列となる)。
【0035】
カートが動くとき(オペレータによって駆動される如くして)、歩行形象物は、運動連鎖の完全性を維持するために、その脚をその身体に関して動かさなければならない。もし脚が適切に動かなければ、典型的には、脚の滑り又は地面との接触を失うことによって、運動連鎖の或る部分は壊れるだろう。例えば、もしカートが前方に動けば、脚は、地面上に置かれたままに留まるために地面に関して回転することなしに、身体に関して後方に動かなければならない。
【0036】
センサーは、カート中のあらゆる動く関節、ヨーク、脚、及び支持式歩行システムの身体上に合体される。該システムの寸法は既知であるので、それ故、運動連鎖の完全性を維持するのに必要な適切な脚運動は計算することができる。このことは、標準のロボット技術を用いてなされる。
【0037】
これらの技術を用いることによって、歩行形象物の身体は、たとえカートが停止している間でも、動かされることができることは注目すべきである。特に、ヨークの非作動関節に対応して、あたかも地面から食べるために前方に曲がるようにして、身体は前方に傾くことができる。身体はまた、長手方向軸の回りに転がることができるか、又は、身体は、歩行形象物をより高く又はより低く立てるために上下に上げられる。身体のかかる運動を命令するために、身体を動かしそしてカート、ヨーク、歩行形象物及び地面によって形成された閉じた運動連鎖の完全性を維持する脚の適切な運動が計算される。
【0038】
歩行形象物の脚は限定された運動範囲をもつので、或る箇所では、カートの移動を提供するために、歩行形象物はステップを進めなければならない。これらのステップを生じるために、コンピュータ処理される歩行アルゴリズムが使用される。基準線が最初に選択される。1実施例では、基準線はヨークを形象物に取り付けるピボットを通過する垂直線である。歩行形象物はこの基準線を使用し、そしてこの線に関して動く。この線は歩行形象物の身体の中心を垂直に通る。
【0039】
1例として、前進ステップについて考えて見る。もしカートが前方へ動かされるならば、歩行形象物の身体もまた、前方へ動き、そして脚は地面上に静止したままに留まるだろうが、基準線に関しては後方へ動くだろう。何れかの足が基準線の後ろを動くとき、アルゴリズムは、最も後ろの足が、基準線の前で特定の距離まで動くよう命令する。この距離はカート速度の関数である。それ故、より大きいカート速度は、より大きいステップを生じるだろう。地面上に留まっている足は、他方の足が安全に地面上に置かれるまで、ステップを進めることはできない。その地点で、もしそれが基準線の後ろにあれば、それは前方へステップを進めるだろう。空気中にある間の脚の軌道は、部分的には予め決められる。ステップの高さは予め決められる一方、ステップ長さとステップ時間はステップが命令されるときのカート速度の関数である。ステップの正確な軌道はこれらのパラメータの関数として計算される。
【0040】
足が地面と接触するステップの終結時に、前もって設定された足/地面力限界値を超えたときに、足の垂直運動が止まる。このことは、形象物が、それが規定された垂直位置の代わりに地面に出会うときに足の垂直運動を止めることによって、凹凸面上を歩行することを可能ならしめる。加えられた力は脚内の作動器に命令された電流を読むことによって間接的に感知される。これらのモータに加えられた電流はモータトルクに比例するので、地面に加えられた力を推定することができる。
【0041】
もしカートが、例えば、前方へ動いているときに、左へ曲がるならば、足は両方とも、再びカート速度の関数として、前方と基準線の左の両方に置かれるだろう。
【0042】
こうして、ステップは、カートと歩行形象物を操縦するために、前方/後方及び左/右の任意の組合せで作ることができる。こうして生じたステップは歩行形象物が実際にカートを引いているという幻想を与える歩行運動をもたらす。
【0043】
もう1つの実施例では、スクリプティングランゲジ(scripting language)が、歩行形象物(100)の運動を調整するために使用されることができる。スクリプティングランゲジは、ユーザーが歩行形象物(100)に1組の命令を提供することを可能ならしめるコンピュータ言語とすることができる。1実施例では、スクリプティングランゲジはあやつり人形(puppetry)と固定ショー(fixed show)の組合せを提供する。あやつり人形(puppetry)は人形に相互作用する命令を提供するユーザーの能力と称される。更に、固定ショーは、ロボット式形象物がユーザーからの相互作用なしに行うようプログラムされることができる予定の一連の運動である。スクリプティングランゲジは、Luckyがユーザーの入力からのプペッティング情報に同時に応答すること及び固定ショーを行うことを可能ならしめる。例えば、歩行形象物(100)は或る一定の時間間隔をおいてくしゃみをするよう前もってプログラムされることができる。同時に、ユーザーは歩行形象物(100)の運動について相互作用する情報を提供することができる。
【0044】
スクリプティングランゲジの1つの潜在的応用は組み立てライン上におけるロボットの使用についてである。多くの製品は組み立てライン上で仕事を行うために、予め決められた運動を行うロボットで製造される。しかし、組み立てプロセスの一部は自動化することができない若干の人間の相互作用を要求するかも知れない。ユーザーはロボットがそれを組み立てているのと同時に製品に品質管理を行う順応性を望むかも知れない。例えば、ロボットの左のアームが製品に予め決められた組み立てルーチンを行うとき、右のアームは、或る品質管理テストを行うために、同時に人間のユーザーから情報を受け入れることができる。
【0045】
更に、スクリプティングランゲジ(scripting language)は、歩行形象物(100)の運動の軌道を滑らかにすることができる。スクリプティングランゲジはロボットに通常提供されることができるよりも滑らかな運動をなす能力を提供する。伝統的ロボットはぎこちない運動をもち、そして時には、不慣れな命令を受けると、不正確な運動をもって応答することさえある。スクリプティングランゲジは、命令が不慣れな場合にさえ、或る軌道を提供することによってこの問題を解決する。1実施例では、スクリプティングランゲジはロボットの精密な運動が生産性と安全性にとって重大であるセッティング(settings)において適用される。例えば、有害廃棄物のセッティングにおいて、ユーザーによるロボットへの不正確な命令が廃棄物の有害なこぼれをもたらすことがある。もしロボットが比較的滑らかな軌道内を動くよう指示されたならば、偶発的にもれる危険性は殆どないだろう。ロボット分野において滑らかな運動を造るためのスクリプティングランゲジの使用は、精密が最重要である広範囲の分野に適用することができる。
【0046】
スクリプティングランゲジはまた、実際時間の最大限活用を提供することができる。以前のスクリプティングランゲジはメモリ及び他のコンピュータ資源を必要に応じてを配分した。これらの配分はコンピュータを任意の時間長さにわたって阻止することがある。もしメモリが適切に配分されなければ、ロボットは機能を停止する。ここでは、スクリプティングランゲジはコンピュータが阻止されるのを防止するメモリ配分方法をもつ。実際の時間性能は、仕事が特定の時間期間内に行われなければならないことを意味する。1実施例では、実際の時間の最大限活用技術は或る時間期間にわたって機能することを不必要に停止しないことを保証するロボットで使用される。例えば、有害廃棄物を運んでいるロボットが機能をたとえ瞬間的に停止しても、こぼれは起こるかも知れない。
【0047】
更に、スクリプティングランゲジは改良された変換技術を含むことができる。ユーザーがロボットに或る一定の路内を動くことを指示する命令をロボットに提供するとき、ユーザーの指示と、ユーザーの指示を実施するのに必要な実際の関節運動との間の数学的変換が行われなければならない。スクリプティングランゲジは、ユーザーがロボットに或る一定の方向に動くよう直感的に指示することを可能にするインターフェイスを提供する。更に、このインターフェイスは垂直と水平の運動の如き運動を組合せる複雑さを簡単化する。例えば、ロボットは、“左脚を垂直にyフィート持ち上げ、左脚を水平にxフィート動かせ”と対照的な、“真っ直ぐ歩け”という指示に応答することができる。
【0048】
普通の当業者の一人は、スクリプティングランゲジによって使用される技術は、他のコンピュータ言語と対照的な、スクリプティングランゲジに限定されないことを認めるだろう。これらの技術はまた、色々な型式のコンピュータ言語に利用することができる。更に、スクリプティングランゲジは特定型式の図表ユーザーインターフェイス(“GUI”)に限定されない。任意の数のGUIsはスクリプティングランゲジに関連して使用することができる。任意の方法、ハードウエア、ソフトウエア、又はコンピュータ化された情報を歩行形象物(100)に提供するのに必要な回路が利用される。普通の当業者の一人は、スクリプティングランゲジを実施するのに必要なコントローラ又はメモリが利用できることを認めるだろう。更に普通の当業者の一人は、スクリプティングランゲジは歩行形象物(100)自体内に、又は情報がそこから歩行形象物(100)に送られる遠隔の場所に記憶することができることを認めるだろう。上述の如く、スクリプティングランゲジは支持式歩行システム以外の他の用途に利用することができる。
【0049】
骨格支持構造及び皮膚
現実的に見えるロボット又はアニマトロニクス制御キャラクターの全体像を更に完成させるのは皮膚と骨格構造である。
【0050】
伝統的に、アニマトロニクス制御形象物は液圧作動器を使用してきた。それは、それらの作動器の動力対寸法比が非常に高いためである。しかし、液圧システムは、幾つかの欠点をもつ。液圧オイルはこれらのシステムから漏れ出たり、繊細な皮膚や他の外側覆いを傷付ける傾向がある。それらはまた、500と6000psi間の圧力に加圧する必要がある。これらの高圧システムは人々から離した状態にしておかなくてはならない。というのは、加圧液圧ラインの破裂は危険な流体噴出を生じることがあるからである。液圧システムはまた、必然的に弾力性である液圧オイルの柱上に力を維持する。この弾力性は液圧システムの応答の帯域幅を制限する。最後に、液圧システムは、ポンプ、オイル溜め、マニホルド、弁及びアキュムレータといった基礎施設を必要とする。
【0051】
それ故、ロボット及びアニマトロニクス制御形象物に電気モータを使用するのが有利である。しかし、電気モータは、典型的には、電力対寸法比が、液圧作動器のものよりも低い。それ故、電気駆動されるロボット又はアニマトロニクス制御システムの重量は重大な問題点になり、そしてできるだけ低く保たれなければならない。
【0052】
アニマトロニクス制御の皮膚を支持する下部構造の開発を困難にする幾つかの他の問題点がある。現実の動物はそれらの関節に非常に大きい運動範囲をもつ。このことは現実的な運動を作ることを意味し、皮膚及びそれらを支持する構造はかなりの引っ張りと圧縮に適応しなければならない。現実の動物は、特に、首又は尾の如き主要部に、多数の自由度をもつ。実際の動物に存在する程多くの関節をアニマトロニクス制御形象物にもたせるのはコストがかかる。そこで、まるで下にある機構にあるよりも多くの関節があるように思わせることによって、皮膚と支持構造が形象物の外観を向上させることができれば有利である。現実の動物は生物学的なものであり、それ故複雑な外側形状をもつ。皮膚と支持構造は、かなりの運動、引張り、及び圧縮にもかかわらず、これらの形状を現実的と思われると同時に、維持しなければならない。
【0053】
それ故、できるだけ小さいスペースを占めることは皮膚及びそ支持構造にとって有利である。ロボット機構の強度はその寸法に関係するので、もし皮膚とその支持構造が多くのスペースを占めるならば、機構のためにはほんの少しだけしか残されず、十分に強くかつ剛性に造るのを困難にする。最後に。皮膚とその支持構造は製造が簡単でなければならない。
【0054】
それ故、かなりの撓みと圧縮をもつ大きい運動範囲を通してアニマトロニクス制御皮膚を支持する機構が必要である。更に、下にあるロボット構造を隠すことは皮膚支持機構にとって望ましい。更に、複雑な形状に適応させることは皮膚支持機構にとって望ましい。更に、極めて軽量にすることは皮膚支持構造にとって望ましい。更に、内部ロボット機構と皮膚自体の間に少量のスペースを占めることは皮膚支持機構にとって望ましい。最後に、皮膚支持機構は製造が簡単であることが望ましい。
【0055】
それ故、機械的又はロボット式形象物用の骨格支持構造もまた開示される。骨格支持構造は、大きな運動範囲を可能にするアニマトロニクス制御形象物の皮膚を支持するシステムであり、寸法がコンパクトであり、軽量であり、複雑な形状に造ることができ、そして製造が簡単である。1実施例では、塗装された発泡ラテックス皮膚が骨格支持構造を覆う。
【0056】
図4乃至8は骨格支持構造と、上に横たわっている皮膚との実施例である。図4は1実施例において皮膚と骨格構造によって得られた現実的に見える結果を示す図である。
【0057】
図4の実施例では、歩行形象物100はカート110を引く恐竜の形をなしている。恐竜はヨーク120を用いてカートに取り付けられている。塗装した発泡ラテックス皮膚130は歩行形象物100の骨格支持構造を覆う。皮膚130は発泡ラテックスを所望のキャラクターの外側形状を表す成形型内に注入することによって作られる。恐竜の場合、恐竜の首と尾部分は多くの方向に撓んで動く。恐竜の運動を実際に見るために、独特の骨格構造が首と尾部分に用いられる。その効果は、生きている動物の外観を与える機械的骨格を覆って浮動している現実に見える皮膚である。
【0058】
骨格支持構造は、互いに取り付けられかつ形象物に色々な箇所で取り付けられる複数のリングからなる。リングは可撓性の付属装置を用いて互いに取り付けられ、そして剛性の又は固定された付属装置を用いて色々な場所で形象物に取り付けられる。
【0059】
1実施例では、皮膚は、繊維ガラス、プラスチック及びアルミニウムのリングからなる骨格支持システムによって支持され、これらのリングは、剛性の付属装置と可撓性ゴムの付属装置の組合せによって互いにそして歩行機械骨格に取り付けられる。
【0060】
図5は図4に示したシステムの下に見られる骨格支持構造を示す図である。頭と尾部分は複数のリングからなる構造で覆われていることに注目されたい。図6は尾の骨格支持構造の拡大図を示す写真である。図7はリング自体の図である。リングは可撓性素子によって互いに取り付けられる。われわれの最新の実施例では、われわれはラテックス製の外科用チューブの部片を使用している。それらはプラスチック製の結び覆い材を用いてリングに簡単に取り付けることができるよう方向付けられている。この方向付けはまた、非常に小さい力でリングをお互いに圧縮したり、膨張させることを可能にする。それらはまた、尾又は首をその縦軸の回りに捩じることを許すために、お互いに関して回転することができる。しかし、チューブの方向付けは、リングが互いに関して位置換えしたり又はせん断変形したりするのを防止する傾向がある。
【0061】
1実施例では、リングは、最初に可撓性皮膚を型成形するのに使用されるツーリング(tolling)のコンピュータスキャンをなすことによって作られる。次いで、CDAプログラムにおいて、リングはコンピュータスキャンされた表面を“スライシング(slicing)”することによって設計される。例えば、リングは、ノメックス(nomex)ハニカムコアにカーボン繊維シートを積層することによって作られたパネルからCNCフライス削りされる。通常これらの型式のパネルは、それらの重量の割には非常に硬いので、航空機産業で使用される。こうして作られたリングから該構造を組み立てることによって、複雑な皮膚形状はそれを支持する構造に合うことが保証される。更に、リングの薄さと、それらを接合するのに使用される可撓性弾性チューブの可撓性に起因して、該構造は下にある関節が大きな運動範囲を通して動くときに要求される大きな撓みと圧縮度に適応することができる。
【0062】
リング構造を、下にある尾機構に据え付けるために、該構造のリンク当たりに1リングが尾機構の各リンクに据え付けられる。こうして、リング構造は尾機構を覆って浮動する。1実施例では、これらのリングは、強さのためにアルミニウムから作られる。
【0063】
図8は示す。3つの関節と4つの機械的リンクで尾に据え付けられたこのシステムの概略図である。リング(801)、(802)、(803)、及び(804)は尾リンク(805)、(806)、(807)及び(808)に夫々据え付けられる。残りのリングの例には(809)を付しているが、これらの残りのリングはお互いに対して据え付けられそして固定リングに据え付けられているが、さもなければ、尾機構を覆って浮動することを許される。皮膚がリング構造を覆って滑らかに摺動することを可能ならしめるためにライクラソックス(lycra sock)がリングの上と皮膚の下に据え付けられる。ライクラで覆われたリングは、尾皮膚を支持するために比較的滑らかな連続した表面を作り、下にある尾機構を隠し、そして3つより多い作動関節があるという幻想を与える。
【0064】
小型ロボット関節
更に、これまで説明してきた支持式歩行システムに従って、寸法が小型であり、互いに直角に2自由度をもち、かつ電気作動器を用いて電力供給されることができる新規なロボット関節が開示される。
【0065】
前述の如く、ロボットとアニマトロニクス制御形象物に電気モータを使用することは有利である。しかし、電気モータは高速で最も有効に作動する。大部分のロボットとアニマトロニクス制御システムはしばしば電気モータの最適作動時間より小さい望ましい関節速度をもつので、減速装置が要求される。また、電気モータの形状ファクターは、それ自体、多くのアニマトロニクス制御形象物に要求される包み内へ嵌るという簡単な包装の解決には役立たない。
【0066】
特に、ほっそりしたアニマトロニクス制御アーム、首又は尾内に電気モータを適切な状態で包装するために、電気モータの出力(output)を90度だけ回すことはしばしば有利である。更に、軸が交差しているか又は殆ど交差しておりそして互いに直角をなしている関節を準備することは有利である。この理由は、動物の背中、首及び尾の関節は少なくとも2つの方向に曲がる椎骨からなっていることにあり、従ってアニマトロニクス制御形象物にあるこれらの関節を説明する必要がある。
【0067】
それ故、小型のロボット関節が提供される。小型のロボット関節は2回転自由度をもち、この場合、回転軸は交差するか又は殆ど交差しておりそして互いに直角をなしている。小型のロボット関節は電気モータを用いて電力供給されることができる。更に、小型のロボット関節は重要な歯車減速を提供する。
【0068】
図9a、9b、9c、及び10は小型のロボット関節の例示的実施例を示す。
【0069】
関節はお互いに関して動くよう作動されることができる3つのリンクからなる。第1のリンク(Link1)は軸Aに沿って第2リンク(Link2)に関して動く。第3リンク(Link3)は軸Bに沿って第2リンクに関して動く。この実施例では、第1と第3リンクは同じであることに注目されたい。こうする必要はないが、これらのリンクを同じにすることは、製造と棚卸のコストを減らし、そしてこの関節の特徴の1つでもある。
【0070】
第1のリンク(Link1)は電気モータ(902)からなり、その後部に取り付けられているのはモータ位置を測定するための回転エンコーダー(901)である。遊星ギヤボックス(903)はモータの正面に取り付けられる。この組立体はアダプタプレート(904)を経てUリンク(908)に取り付けられる。連結器シャフト(905)はギヤボックスのシャフトに堅固に取り付けられ、そして直角かさ歯車ピニオン(907)はドエルピン(図示せず)を用いてカップリングに堅固に固定されている。連結器シャフトは、回転及び推力ブッシング(906)の組合せ体を用いてUリンク内へ回転可能に据え付けられる。
【0071】
第2リンク(Link2)は主ブロック(914)からなり、このブロックに据え付けられているのはかさ歯車セクター(911)と(918)及び運動止め(909)と(019)である。フランジ付きブッシング(910)、(913)、(915)及び(917)もまた第1リンク内へ押し込められる。
【0072】
第1リンクはシャフト(916)を用いて第2リンクへ回転可能に据え付けられている。第3リンクは同様に回転可能に第2リンクにシャフト(912)を用いて据え付けられている。
【0073】
動力は第1リンクから第2リンクへピニオン(907)から歯車(911)を経て伝えられる。モータ(902)の方位を制御することによって、第2リンクは第1リンクに関して制御される。同様に、動力は第3リンクから第2リンクへピニオン(921)から歯車(918)を経て伝えられる。モータ(926)の位置を制御することによって、第3リンクの方位は第2リンクに関して制御される。
【0074】
関節結合構造は一連のこれらの関節を連接することによって造ることができる。図10を参照されたい。
【0075】
該システムを詳細にかつ特定の実施例に関して説明してきたが、種々の変化や変更が発明の精神と範囲を逸脱することなくなし得ることは当業者には明らかであろう。従って、請求の範囲に規定した発明は、上述の特定の説明に限定されるものではなく、請求の範囲とそれらの均等物内に含まれるならば、変更や変形をも含むものとなすものである。
【0076】
他の実施例や完成物は利用することができ、そして構造的及び機能的変化は夫々の請求された発明の範囲から逸脱することなく、なすことができる。例示的及び予想される実施例の付属説明は図示と説明の目的で提示されたものである。それらは、余すところのないものであるとする意図はなく、又は本発明を開示した精密な型式に限定する意図もない。
本文記載の技術に照らして、多くの変更と変形が可能である。本発明には細部の事項においてのみ他と異なっている多くの他の型式がある。本発明は請求の範囲の記載によって決定されるべきものとする。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】支持式歩行システムの実施例の見取り図である。
【図2】支持式歩行システムの運動学的図である。
【図3a】テーマ形成素子なしの支持式歩行形象物のCAD図である。
【図3b】テーマ形成素子なしの支持式歩行形象物の他のCAD図である。
【図4】骨格支持構造の実施例を示す写真である。
【図5】骨格支持構造を形成するリングを示すCAD図である。
【図6】骨格支持構造の1実施例を示すクローズアップ図である。
【図7】骨格支持構造のCAD図である。
【図8】骨格支持構造のスケッチである。
【図9a】小型ロボットの関節の実施例のCAD図である。
【図9b】小型ロボットの関節の実施例の他のCAD図である。
【図9c】小型ロボットの関節の実施例の更に他のCAD図である。
【図10】一連の例示的関節を連接することによって関節結合構造を造る方法を示す図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体と、身体に取り付けられた少なくとも2つの脚をもつ歩行形象物と、
1つ以上の車輪を含む車輪付き部分であって、歩行形象物を少なくとも部分的に支持する車輪付き部分と、
制御システムとを含み、上記制御システムは、1つ以上の車輪の第1の運動と、第1の脚の第2の運動と、第2の脚の第3の運動を決定し、上記制御システムは、第1の運動の第1の情報を車輪に取り付けられた第1セットの回路へ送り、制御器は第2の運動の第2の情報を第1の脚に取り付けられた第2セットの回路へ送り、制御器は第3の運動の第3情報を第2の脚に取り付けられた第3セットの回路へ送ることを含むことを特徴とする支持式歩行システム。
【請求項2】
制御システムは車輪付き部分内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項3】
制御システムは更に、入力装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項4】
入力装置はジョイスティックとすることを特徴とする請求項3に記載の支持式歩行システム。
【請求項5】
1つ以上の第1の運動は、支持式歩行システムの位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載のアニマトロニクス制御歩行システム。
【請求項6】
1つ以上の車輪の第1の運動は支持式歩行システムを動かすことを特徴とする請求項1に記載のアニマトロニクス制御歩行システム。
【請求項7】
制御器は入力装置から命令を受け取り、そして第1、第2及び第3の運動を同時に決定することを特徴とする請求項3に記載のアニマトロニクス制御歩行システム。
【請求項8】
制御器は、車輪の第1命令の運動を決定しそして後で第2と第3の運動を決定するために、入力装置から命令を受け取ることを特徴とする請求項3に記載のアニマトロニクス制御歩行システム。
【請求項9】
少なくとも1つの車輪は駆動車輪とすることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項10】
少なくとも1つの車輪は操縦可能とすることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項11】
少なくとも1つの車輪は動力供給されることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項12】
歩行形象物と車輪モジュ−ルはヨークによって連結され、上記ヨークは車輪モジュ−ルに関する脚の運動を可能ならしめるヒンジをもつことを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項13】
第1の脚の第1の運動と、第2の脚の第2の運動と、車輪の第3の運動は整合させられることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項14】
歩行形象物は恐竜とし、車輪付き部分はカートとすることを特徴とする請求項1に記載の支持式歩行システム。
【請求項15】
オペレータはカートを駆動し、カートは次いで、歩行形象物の脚を動かすことを特徴とする請求項10に記載の支持式歩行システム。
【請求項16】
身体と、
身体に作動可能に取り付けられた第1の脚及び第の2脚と、
少なくとも1つの車輪であって、歩行形象物を少なくとも部分的に支持する車輪と、
制御器とを含み、制御器は少なくとも1つの車輪の第1の運動と、第1の脚の第2の運動と、第2の脚の第3の運動を決定し、制御システムは、第1運動の第1の情報を車輪に取り付けられた第1セットの回路に送り、制御器は、第2の運動の第2の情報を第1脚に取り付けられた第2セットの回路に送り、制御器は、第3の運動の第3の情報を第2の脚に取り付けられた第3セットの回路に送ることを含むことを特徴とするアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項17】
1つ以上の車輪の第1の運動は支持式歩行システムの位置を変化させることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項18】
1つ以上の第1の運動は支持式歩行システムを動かすことを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項19】
入力装置を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項20】
入力装置はジョイスティックとすることを特徴とする請求項19に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項21】
制御器は入力装置から命令を受け取り、そして第1、第2及び第3の運動を同時に決定することを特徴とする請求項19に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項22】
制御器は、車輪の第1命令の運動を決定するために、入力装置から命令を受け取り、そして後で第2と第3の運動を決定することを特徴とする請求項19に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項23】
少なくとも1つの車輪は駆動車輪とすることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項24】
少なくとも1つの車輪は操縦可能とすることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項25】
少なくとも1つの車輪は動力供給されることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項26】
第1と第2の脚及び車輪モジュ−ルの運動は整合させられることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項27】
歩行形象物は恐竜とすることを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の形象物。
【請求項28】
オペレータは少なくとも1つの車輪を駆動し、この車輪は次いで歩行形象物の脚を動かすことを特徴とする請求項16に記載のアニマトロニクス制御の歩行形象物。
【請求項29】
2脚付きの歩行形象物の歩行運動を制御する方法において、
基準線を決定し、
歩行形象物を動かす速度を表す1つの命令を入力装置から受け取り、
上記速度を動く距離に変換し、
第1の脚を基準線に関して特定の距離だけ動かし、そして
第1の脚が一旦地面上に置かれると、第2の脚を動かすこと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項30】
ジョイスティックが車輪の速度を直接制御することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
車輪の速度はジョイスティックがその中心位置から動かされる距離によって制御されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項32】
ジョイスティックの前方又は逆向きへの運動は車輪の前方又は逆向きへの運動を制御することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
ジョイスティックの左又は右への運動は2つの車輪の回転を制御することを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
ジョイスティックが左へ動かされると、左のカート車輪が後方へ回りそして右の車輪が前方へ回るよう直接制御されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
ジョイスティックの左への運動は2つの車輪の反時計回りの回転をもたらすことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項36】
ジョイスティックの右への運動は2つの車輪の時計回りの回転をもたらすことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項37】
ジョイスティックが或る角度動かされると、カートが前方又は後方へ動きそして回転するように、動きが線形的に結合されることを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項38】
脚は地面に接触したときの力を決定するセンサーを含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項39】
アニマトロニクス制御形象物用の骨格支持システムにおいて、
各々が形象物の横断面に一致するよう形作られた複数のリングと、複数の可撓性コネクタとを含み、複数のリングが間にある少なくとも1つの可撓性のコネクタによって互いに連結されていて、全体構造が自由に動いたり曲がったりするが、皮膚又は他の覆いのための構造を提供するようになっている骨格支持システム。
【請求項40】
皮膚は骨格支持システムを覆って張られることを特徴とする請求項39に記載の骨格支持システム.
【請求項41】
皮膚は発泡体ラテックスから造られることを特徴とする請求項40に記載の骨格支持システム.
【請求項42】
リングがアルミニウムから造られことを特徴とする請求項39に記載の骨格支持システム。
【請求項43】
リングは厚紙ハニカム材から造られることを特徴とする請求項39に記載の骨格支持システム。
【請求項44】
可撓性コネクタはゴムから造られることを特徴とする請求項39に記載の骨格支持システム。
【請求項45】
機械的形象物用の可撓性の現実的骨格支持構造を提供する方法において、
形象物のモデルを造り、
形象物のモデルを走査し、
形象物を複数の横断面に分割し、
選択した横断面のためのリングを流し込み成形し、そして
骨格支持構造を造るために可撓性コネクタを用いてリングを互いに取り付けること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項46】
皮膚は骨格支持システムを覆って張られることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
皮膚は発泡体ラテックスから造られることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
リングはアルミニウムから造られることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項49】
リングは厚紙ハニカム材から造られることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項50】
可撓性コネクタはゴムから造られることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項51】
2回転自由度をもつ小型ロボットの関節において、
第1の軸に沿って第2リンクに回転自在に据え付けられそして第2リンクに関して動く第1リンクと、
第2の軸に沿って第2リンクに回転自在に据え付けられそして第2リンク関して動く第3リンクとを含み、
第1と第2のリンクは各々電気モータとギヤボックスを含むことを特徴とする小型ロボットの関節。

【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−521935(P2006−521935A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500961(P2006−500961)
【出願日】平成16年1月14日(2004.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/000970
【国際公開番号】WO2004/066124
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(504399716)ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】