説明

アンギュラ玉軸受の差幅研削方法及び差幅研削装置

【課題】サイクルタイムの短縮による生産性の向上と、製品歩留まりの向上を図ることのできるアンギュラ玉軸受の差幅研削方法及び装置を得る。
【解決手段】 回転軸21に連動して回転する内輪14又は外輪13の回転軸21とは逆側の端面の実際の差幅を差幅検出手段51によって検出しつつ、回転軸21とは逆側からその端面に当接される砥石61で内輪14又は外輪13の端面研削を行う際には、回転軸21内に穿設された研削水流路24を介してアンギュラ玉軸受11の回転軸側端面に供給される研削水により、アンギュラ玉軸受11の内部洗浄を行いつつ研削を実施することで、研削くずが軸受内部に進入することを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンギュラ玉軸受の差幅研削方法及び差幅研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アンギュラ玉軸受は、転動体である玉とこの玉を保持する内輪・外輪とが所定の接触角を持つように構成された軸受で、ラジアル荷重とアキシャル荷重との双方を負荷することができる。
このようなアンギュラ玉軸受は、組み合わせて使用し、アキシャル方向(スラスト方向)に予圧をかけることで所定の剛性を得るが、その際、内輪と外輪との間の差幅が予圧等級に相応した許容範囲内にない時には耐荷重や振動特性等の軸受性能が損なわれるため、差幅を基準値から許容範囲内に揃える差幅研削が必須になっている。
【0003】
アンギュラ玉軸受の差幅研削方法としては、まず、組立状態で、軸受の一方のリング端面を基準面に押し当てて、他方の端面側から内外輪の差幅を測定して研削代を算出した後、軸受を分解して、各内輪及び外輪に個別に算出した分量の研削を実施した後、再度組立した後差幅測定を実施するという工程を繰り返す方法が知られているが、このように、分解して研削する方法は、分解・組立に手間がかかるためサイクルタイムの長大化を招き、生産性が悪いという問題があった。
また、分解・組立時に、玉や、内外輪の転動面を傷つけて、これらの軸受部品の傷つきにより製品歩留まりを低下させる虞もあった。
【0004】
そこで、これらの問題を解消するべく、アンギュラ玉軸受を組立状態のまま差幅研削する差幅研削方法及び装置が提案された。
この差幅研削方法及び装置は、回転軸端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受はその内外輪に所定のアキシャル方向荷重を付与して、内外輪間に差幅を生じさせておき、回転軸の回転に連動して回転する内輪又は外輪の回転軸とは逆側の端面に当接される差幅検出手段によって実際の差幅を検出して、その差幅が基準値から許容範囲内に収まるように、回転軸とは逆側からその端面に当接される砥石で内輪又は外輪の端面研削を行うようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開昭58−171258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の差幅研削方法及び装置では、歯車等を研削加工する場合と同様に、砥石の接触側から研削箇所に冷却液や洗浄液を噴射する。そのため、研削くずが軸受内部に進入し易く、研削処理の直後では、玉軸受に付着した100μm以上の研削くずの数量が200〜500個程度になることが確認されている。
そのため、研削処理後、装置から取り外したアンギュラ玉軸受を別の洗浄工程に回して軸受内部を念入りに洗浄する必要があった。
【0007】
また、研削処理時に軸受内部に進入した微細な研削くずを完全に除去することが難しく、残留する研削くずのために、軸受軌道面に圧痕がつくこともあり、製品歩留まりが低下する虞もあった。
【0008】
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、アンギュラ玉軸受を組立状態のまま差幅研削することができ、しかも、差幅研削後に改めて洗浄処理を実施せずとも切削くずの付着のない清浄なアンギュラ玉軸受を確保でき、サイクルタイムの短縮による生産性の向上と、製品歩留まりの向上を図ることのできるアンギュラ玉軸受の差幅研削方法及び差幅研削装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は下記構成により達成される。
(1)回転軸端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受の内外輪に所定のアキシャル方向荷重を付与して、前記内外輪間に差幅を生じさせておき、前記回転軸の回転に連動して回転する内輪又は外輪の実際の差幅を差幅検出手段によって検出しつつ、その差幅が基準値から許容範囲内になるように、前記回転軸とは逆側からその端面に当接される砥石で前記内輪又は外輪の端面研削を行うアンギュラ玉軸受の差幅研削方法であって、
前記回転軸内に穿設された研削水流路を介して前記アンギュラ玉軸受の回転軸側端面に供給される研削水により、前記アンギュラ玉軸受の内部洗浄を行いつつ、前記砥石による研削を実施することを特徴とするアンギュラ玉軸受の差幅研削方法。
【0010】
(2)回転軸端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受はその内外輪に所定のアキシャル方向荷重を付与して、前記内外輪間に差幅を生じさせておき、前記回転軸の回転に連動して回転する内輪又は外輪の実際の差幅を差幅検出手段によって検出しつつ、その差幅が基準値から許容範囲内になるように、前記回転軸とは逆側からその端面に当接される砥石で前記内輪又は外輪の端面研削を行うアンギュラ玉軸受の差幅研削装置であって、
前記回転軸と、アンギュラ玉軸受を前記回転軸端に固定する軸受保持部材とに、前記アンギュラ玉軸受の回転軸側の端面に研削水を供給する研削水流路が穿設されると共に、
前記回転軸の研削水流路には、研削水を供給する研削水供給手段が接続され、
前記研削水流路を介して供給される研削水により前記アンギュラ玉軸受の内部洗浄を行いつつ、前記砥石による研削を実施することを特徴とするアンギュラ玉軸受の差幅研削装置。
【発明の効果】
【0011】
上記(1)に記載のアンギュラ玉軸受の差幅研削方法は、上記(2)に記載のアンギュラ玉軸受の差幅研削装置により実施できる。
そして、上記(1)に記載のアンギュラ玉軸受の差幅研削方法では、アンギュラ玉軸受を組立状態のまま差幅研削するため、玉軸受の分解や再組立の手間が不要になる。また、玉軸受の分解や再組立の工程が不要になるため、玉や、内外輪の転動面を傷つけて歩留まりが低下するという問題も解消することができる。
【0012】
しかも、差幅研削時には、アンギュラ玉軸受を回転駆動する回転軸や軸受保持部材に穿設された研削水流路を介して、砥石の当接側とは逆の端面側から軸受内に研削水が注入されて砥石側に流出するため、研削くずが速やかに軸受外部に洗い落とされ、軸受内部には入らない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係るアンギュラ玉軸受の差幅研削方法及び差幅研削装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るアンギュラ玉軸受の差幅研削方法を実施する差幅研削装置の第1の実施の形態の一部を断面した要部の平面図である。
【0014】
図1に示したアンギュラ玉軸受の差幅研削装置1は、アンギュラ玉軸受11の外輪13に対して差幅研削を実施するもので、ハウジング20内の不図示の支持機構により回転可能に支持された回転軸21と、この回転軸21の端部に組み付けられて組立状態のアンギュラ玉軸受11を保持する外輪軸受保持部材31と、回転軸21の回転に連動して回転するアンギュラ玉軸受11の外輪13の端面に当接される差幅検出手段51と、外輪13の端面に当接される砥石61とを備えている。
【0015】
アンギュラ玉軸受11は、外輪13と内輪14との間の環状の隙間に所定のピッチで複数個の玉15を保持させたもので、玉15と内輪14及び外輪13とが所定の接触角を持つように構成されている。
【0016】
外輪軸受保持部材31は、外輪13の一端面に当接させる基準面32aを有して回転軸端に固定された略筒状の基準板32と、内輪14の内周に嵌合する小径円筒部34aにより内輪14を保持する内輪アーバ34と、小径円筒部34aの外周部に嵌合して小径円筒部34a上の内輪14端面を位置決めする間座35とを備えている。
【0017】
外輪軸受保持部材31は、内輪アーバ34の小径円筒部34aに嵌合させたアンギュラ玉軸受11の内輪14の端面を間座35によって位置決めした後、該内輪アーバ34を基準板32内に引き込んで、アンギュラ玉軸受11の外輪13を基準面32aに押し付けることによって、内外輪14,13に所定のアキシャル方向荷重を付与して、これらの内外輪14,13間に差幅を生じさせる。
【0018】
差幅検出手段51は、研削面である外輪13の端面に検出端子51aを突き当てることで、回転する外輪13の端面の実際の差幅方向の寸法を測定し、基準値との差分を検出して、出力する。
差幅検出手段51が検出した基準値との差分は、砥石61による研削代の設定に使用される。
なお、別ポジションで差幅測定を行う場合には、差幅検出手段51の装備箇所は図示の1箇所で良いが、差幅を測定しながら同時に研削を実施する場合には、差幅検出手段51と同様の構成による図示しない内輪位置検出手段が使用される。
【0019】
砥石61は、研削機の回転軸63に支持されていて、所定の回転速度で駆動された際に、その外周面によって、外輪13の端面を研削する。
回転軸63は、その中心軸方向と、該中心軸に直交する方向に位置調整可能に装備されていて、差幅検出手段51が検出した研削代に基づいて、中心軸と直交する方向の移動量が自動制御可能になっている。
即ち、砥石61は、外輪13の実際の差幅が基準値から許容範囲内になるように、回転軸21とは逆側からその外輪13の端面研削を行う。
砥石軸は、図中の矢印C方向にオシレーション(微小往復運動)を行い、研削面の目つぶし効果を狙ってもよい。
【0020】
本実施の形態の場合、回転軸21の中心軸上には、研削水流路24が穿設されている。この研削水流路24は、一端が内輪アーバ34に繋がる回転軸端に開口していて、他端が回転軸21の他端側に連結される不図示の研削水供給手段に接続されている。
回転軸21端に固定される内輪アーバ34には、研削水流路24に連通する第1の研削水流路34cと、第1の研削水流路34cから分岐してアンギュラ玉軸受11の回転軸端側の端面の内外輪間に研削水を導く第2の研削水流路34dとが形成されている。
【0021】
以上の回転軸21及び外輪軸受保持部材31に形成された研削水流路24,34c,34dにより、アンギュラ玉軸受11の内部を研削水で洗浄可能になっている。
【0022】
以上の差幅研削装置1でアンギュラ玉軸受11の外輪13に対して差幅研削する方法について、次に説明する。
外輪軸受保持部材31により回転軸21端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受11は、内輪アーバ34の基準板32内への引き込みによって、その内外輪14,13に所定のアキシャル方向荷重を付与して、内外輪14,13間に差幅を生じさせておく。
【0023】
次いで、回転軸21を回転駆動して、アンギュラ玉軸受11の外輪13を回転させる一方、外輪13の回転軸21とは逆側の端面に差幅検出手段51の検出端子51aを接触させて、外輪13における実際の差幅を検出させる。
【0024】
そして、回転軸21及び外輪軸受保持部材31内に穿設された研削水流路24,34c,34dを介してアンギュラ玉軸受11の回転軸側端面からアンギュラ玉軸受11内に研削水を供給して、アンギュラ玉軸受11の内部洗浄を行いつつ、差幅検出手段51が検出する差幅が基準値から許容範囲内になるように、回転軸21とは逆側からアンギュラ玉軸受11の外輪13の端面に当接される砥石61で外輪13の端面研削を行う。
【0025】
以上に説明した差幅研削装置1によって実施するアンギュラ玉軸受の差幅研削方法では、アンギュラ玉軸受11を組立状態のまま差幅研削するため、玉軸受11の分解や再組立の手間が不要になる。また、玉軸受11の分解や再組立の工程が不要になるため、玉15や内外輪14,13の転動面を傷つけて歩留まりが低下するという問題も解消することができる。
【0026】
しかも、差幅研削時には、アンギュラ玉軸受11を回転駆動する回転軸21や外輪軸受保持部材31に穿設された研削水流路24,34c,34dを介して、砥石61の当接側とは逆の端面側から軸受内に研削水が注入されて砥石61側に流出するため、研削くずが速やかに軸受外部に洗い落とされ、軸受内部には入らない。
そのため、差幅研削後に実施する洗浄処理工程の軽減につながり、切削くずの付着のない清浄なアンギュラ玉軸受11を確実に確保できる。
【0027】
従って、玉軸受の分解や再組立の工程の省略、差幅研削後の洗浄処理工程の軽減により、アンギュラ玉軸受11の差幅研削時におけるサイクルタイムを大幅に短縮して、生産性を向上させることができ、また、差幅研削工程中における軸受部品の傷つきを無くして、製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0028】
なお、上記の差幅研削方法で研削直後の玉軸受に付着している100μm以上の研削くずの数量を計数したところ、0〜10個程度であり、従来の研削方法の場合に確認された200〜500個程度から大幅に低減して、清浄しながら研削処理を実施できることが確認できた。
【0029】
図2は、本発明に係るアンギュラ玉軸受の差幅研削方法を実施する差幅研削装置の第2の実施の形態の一部を断面した要部の平面図である。
なお、第2の実施の形態において、既に図1の第1の実施の形態において説明した部材と同一の構成については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0030】
この第2の実施の形態の差幅研削装置2は、アンギュラ玉軸受11の内輪14に対して差幅研削を実施するもので、この回転軸21の端部に組み付けられて組立状態のアンギュラ玉軸受11を保持する外輪軸受保持部材31の構成が、内輪研削用に変更されている。
【0031】
この差幅研削装置2における外輪軸受保持部材31は、回転軸21端に固定された略筒状の基準板36と、内輪14の内周に嵌合する小径円筒部37aと内輪14の回転軸側端面に当接する基準面37cとを備えて内輪14を保持する内輪アーバ37と、外輪13の外周に遊嵌する円筒状を成して基準板36の先端部外周にインローで嵌合装着されるカップ38とを備えている。
カップ38の先端には、外輪13の回転軸21とは逆側の端面を押える外輪押え39とが装備されている。
【0032】
この外輪軸受保持部材31は、カップ38及び外輪押え39による外輪13の引きつけと、内輪アーバ37に設けた基準面37cによる内輪14の位置規制によって、内外輪14,13に所定のアキシャル方向荷重を付与して、これらの内外輪14,13間に差幅を生じさせる。
【0033】
この外輪軸受保持部材31の場合も、回転軸21側からアンギュラ玉軸受11の内部に洗浄液を供給するために、内輪アーバ37には、回転軸21に穿設された研削水流路24に連通する第1の研削水流路37eと、この第1の研削水流路37eから分岐してアンギュラ玉軸受11の回転軸端側の端面の内外輪間に研削水を導く第2の研削水流路37fとが形成されている。
【0034】
本実施の形態の差幅研削装置2は、内輪14を研削するために外輪軸受保持部材31の構成を変更したもので、差幅検出手段51の検出端子51aは外輪軸受保持部材31により固定された内輪14の端面に当接されている。また、砥石61も内輪14の端面に当接するようになっている。
【0035】
以上の差幅研削装置2の場合も、第1の実施の形態の差幅研削装置1の場合と同様に、回転軸21及び外輪軸受保持部材31内に穿設された研削水流路24,37e,37fを介してアンギュラ玉軸受11の回転軸側端面からアンギュラ玉軸受11内に研削水を供給して、アンギュラ玉軸受11の内部洗浄を行いつつ、差幅検出手段51が検出する差幅が基準値から許容範囲内になるように、回転軸21とは逆側からアンギュラ玉軸受11の内輪14の端面に当接される砥石61で内輪14の端面研削を行う。
【0036】
以上に説明した差幅研削装置2によって実施するアンギュラ玉軸受の差幅研削方法の場合も、第1の実施の形態の場合と同様に、アンギュラ玉軸受11を組立状態のまま差幅研削するため、玉軸受の分解や再組立の手間が不要になり、また、砥石61の当接側とは逆の端面側から軸受内に研削水を注入して洗浄しながら研削を実施するため、研削くずが速やかに軸受外部に洗い落とされ、軸受内部には入らない。
【0037】
従って、玉軸受の分解や再組立の工程の省略、差幅研削後の洗浄処理工程の軽減により、アンギュラ玉軸受11の差幅研削時におけるサイクルタイムを大幅に短縮して、生産性を向上させることができ、また、差幅研削工程中における軸受部品の傷つきを無くして、製品歩留まりの向上を図ることができる。
また、この差幅研削装置2は、既述したとおり、アンギュラ玉軸受11を保持する外輪軸受保持部材31の構成が、第1の実施の形態の場合と変更されているだけであり、従って、外輪軸受保持部材を交換するのみで簡単に外輪及び内輪のいずれの差幅研削にも適用される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るアンギュラ玉軸受の差幅研削装置の第1の実施の形態の一部を断面した要部の平面図である。
【図2】本発明に係るアンギュラ玉軸受の差幅研削装置の第2の実施の形態の一部を断面した要部の平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1、2 差幅研削装置
11 アンギュラ玉軸受
13 外輪
14 内輪
15 玉
21、63 回転軸
24 研削水流路
31 外輪軸受保持部材
32、36 基準板
32a、37c 基準面
34、37 内輪アーバ
34c、37e 第1の研削水流路
34d、37f 第2の研削水流路
35 間座
38 カップ
51 差幅検出手段
51a 検出端子
61 砥石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受の内外輪に所定のアキシャル方向荷重を付与して、前記内外輪間に差幅を生じさせておき、前記回転軸の回転に連動して回転する内輪又は外輪の実際の差幅を差幅検出手段によって検出しつつ、その差幅が基準値から許容範囲内になるように、前記回転軸とは逆側からその端面に当接される砥石で前記内輪又は外輪の端面研削を行うアンギュラ玉軸受の差幅研削方法であって、
前記回転軸内に穿設された研削水流路を介して前記アンギュラ玉軸受の回転軸側端面に供給される研削水により、前記アンギュラ玉軸受の内部洗浄を行いつつ、前記砥石による研削を実施することを特徴とするアンギュラ玉軸受の差幅研削方法。
【請求項2】
回転軸端に組立状態で取り付けたアンギュラ玉軸受はその内外輪に所定のアキシャル方向荷重を付与して、前記内外輪間に差幅を生じさせておき、前記回転軸の回転に連動して回転する内輪又は外輪の実際の差幅を差幅検出手段によって検出しつつ、その差幅が基準値から許容範囲内になるように、前記回転軸とは逆側からその端面に当接される砥石で前記内輪又は外輪の端面研削を行うアンギュラ玉軸受の差幅研削装置であって、
前記回転軸と、アンギュラ玉軸受を前記回転軸端に固定する軸受保持部材とに、前記アンギュラ玉軸受の回転軸側の端面に研削水を供給する研削水流路が穿設されると共に、
前記回転軸の研削水流路には、研削水を供給する研削水供給手段が接続され、
前記研削水流路を介して供給される研削水により前記アンギュラ玉軸受の内部洗浄を行いつつ、前記砥石による研削を実施することを特徴とするアンギュラ玉軸受の差幅研削装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−290205(P2008−290205A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139283(P2007−139283)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】