説明

インクジェット記録装置

【課題】クリーニング動作を必要最小限、且つユーザにとって判り易いタイミングで実行することによって、総合的に、クリーニングによるインク消費の削減およびクリーニング動作時間の短縮を図るとともに、生産性が見積もりやすい安心感のあるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置は、記録ヘッドの前回のクリーニング実行時からの経過時間を測定するとともに、1日の中でクリーニングを実行することが許容されるクリーニング実行時刻を設定している。所定の時点で、前回のクリーニング実行時からの経過時間と現在の時刻とに基づいて、クリーニングを実行するための条件が成立しているか否かを判断し、条件が成立しているときクリーニングを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方式を採用した記録ヘッドを用いて画像の記録を行うインクジェット記録装置に関し、特に記録ヘッドのクリーニング動作の実行タイミングの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インクジェット記録装置では、記録品位を確保するために、記録枚数や記録デューティ(Duty)などに依存する記録量(インク吐出量)や、記録ヘッドの大気中への暴露時間、使用環境などに応じて、記録ヘッドのクリーニング処理を実行する必要がある。このクリーニング処理は、その実行内容によって幾つかの種類があり、また実行するタイミングも、電源ON/OFF時や記録開始前、記録中など、幾つかの実行タイミングがある。
【0003】
従来の記録装置では、これらのクリーニング処理を必要最小限にする手法として、前回の印刷終了時からの経過時間をホストコンピュータに内蔵された時計に基づいて計測し、電源ON/OFFが繰り返された場合でも、前回の印刷終了時からの経過時間が所定値に満たない場合には電源ON時クリーニングを実行せず、所定時間が経過した後の記録開始前にクリーニングを実行することによって、無駄なクリーニングの実行を防止する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、ホストPCから記録装置へ次回の印刷時期を予告する予告コマンドを発行し、予告された時期の直前に自動的にクリーニング動作を実行する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平08−252927号公報
【特許文献2】特開2005−196327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置では、前回の印刷終了時からの経過時間に応じて、記録開始前にクリーニングが実行される為、前回の印刷終了時からの経過時間を記憶したり意識したりしていないユーザにとっては、いつクリーニングが実行されるか分らない、という問題があった。特に、一般的に最も時間を要する電源ON時クリーニングの内容が、あるタイミングで突然記録開始前に実行されると、ユーザは生産性が見積もれない、判り難い動作をする装置ということで安心感という点で疑問の余地もあった。また、ホストコンピュータで時間計測を行う場合、複数のホストコンピュータで共有して利用される記録装置では一括した時間管理が困難となるという問題もある。
【0006】
特許文献2に記載の記録装置では、長い期間、例えば数週間記録動作を行わないような場合には実効があるが、ほぼ毎日使用するような場合にはあまり有効ではない。
【0007】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、クリーニング動作を必要最小限、且つユーザにとって判り易いタイミングで実行することによって、総合的に、クリーニングによるインク消費の削減およびクリーニング動作時間の短縮を図るとともに、生産性が見積もりやすい安心感のあるインクジェット記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
記録媒体を搬送させ、画像データを前記記録媒体に記録するインクジェット記録装置において、インクを吐出するノズル列を有する記録ヘッドと、画像データに基づいて前記記録ヘッドのノズル列からインクを吐出させる記録手段と、前記記録ヘッドのインク吐出状態を適正に保つためのクリーニング動作を制御するクリーニング手段と、前回のクリーニング実行時からの経過時間および1日の中でクリーニングを実行することが許容されるクリーニング実行時刻に基づいてクリーニングを実行するための条件が成立しているか否かを判断し、条件が成立しているとき前記クリーニング手段によりクリーニングを実行するクリーニング制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
これによって、クリーニングが実行される場合には、1日のうちで許容される時刻またはその時刻を過ぎた時点でクリーニングが実行されるようにすることが可能である。これによって、時間を要する大きなクリーニングが許容されない時刻に実行されることがなくなり、ユーザにとって判り易い動作となる。
【0010】
前記クリーニング制御手段は、前回のクリーニング実行からの経過時間を計測するクリーニング経過時間計測手段と、現在時刻を確認する手段と、前記クリーニング実行時刻を記憶する手段とにより構成することができる。
【0011】
前記クリーニング実行時刻は記録装置が保持する予め定められた時刻であってもよいし、ユーザが設定した時刻であってもよい。後者の場合、記録装置の操作パネルにより設定してもよいし、ホストコンピュータで動作するプリンタドライバやアプリケーションプログラムにより設定してもよい。
【0012】
前記クリーニング実行時刻をユーザが設定できるようにすれば、ユーザの勤務時間に合わせたクリーニング実行のタイミングの設定が可能となる。
【0013】
前記クリーニング制御手段は、記録装置の電源ON時、記録データの受信時、予め設定された周期の到来時の少なくとも一つの時点で前記条件の判断を行い、前記クリーニング経過時間計測手段によって計測した前回のクリーニング実行時からの経過時間が規定時間を超過し、且つ現在時刻が前記1日の中でクリーニングを実行することが許容されるクリーニング実行時刻と一致するかその時刻を過ぎているとき、前記クリーニング制御手段は、前記条件が成立していると判断することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クリーニング動作を必要最小限、且つユーザにとって判り易いタイミングで実行することが可能であり、クリーニングによるインク消費の削減、クリーニング動作時間の短縮、且つ生産性が見積もりやすい安心感のあるインクジェット記録装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施の形態>
まず、図1から図5を参照して、本発明の第1の実施の形態によるインクジェット記録装置(すなわち画像形成装置)の概略構成について説明する。この例では、インクジェット記録装置として、熱エネルギーを利用したインク吐出方式を採用したプリントモジュール(プリントユニット)が組み込まれたラインプリンタについて説明する。
【0017】
図1は、プリントモジュールが組み込まれたラインプリンタ10の概略構成を示す正面図である。図2は、図1のラインプリンタ10の概略斜視図である。
【0018】
ラインプリンタ10には、記録紙などの記録媒体にインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドK1,K2,K3,K4,K5,K6が搭載された記録ヘッドユニット20と、記録媒体を矢印A方向(記録媒体搬送方向)に搬送する搬送ユニット40とが備えられている。記録ヘッドK1,K2,K3,K4,K5,K6は、用紙幅と略同幅またはそれ以上の幅に亘ってインクを吐出するノズル列を有するライン記録ヘッドであり、全て黒色のインクが吐出される。記録ヘッドユニット20は、各記録ヘッドK1〜K6をキャップ位置、記録位置、ワイプ位置に移動させるヘッドアップダウンモータ118(図5参照)等を備えている。記録ヘッドユニット20は板状のエンジンベース30に固定されており、後述するようにエンジンベース30と共に上下動(昇降)する。
【0019】
記録ヘッドユニット20が固定されているエンジンベース30は長方形状のものであり、その四隅はナット32に固定されている。これらナット32はねじ軸34に嵌め込まれており、ねじ軸34が回転することによりナット32は上下動する。4本のねじ軸34の下部にはスプロケット36が固定されており、これら4つのスプロケット36にはチェーン38が掛け渡されている。このチェーン38を駆動モータ41で回転させることによってねじ軸34が同期して回転し、エンジンベース30と共に記録ヘッドユニット20が上下動する。
【0020】
搬送ユニット40は、記録ヘッドユニット20の下方を、記録媒体を通過させる4本の搬送ベルト42を備えている。搬送ベルト42は、従動ローラ44,45,46とエンコーダローラ47、駆動ローラ48とに掛け渡されており、テンショナ49によって張力が与えられている。この搬送ベルト42は、駆動モータ41によって周回運動するタイミングベルト43が駆動ローラ48を回転させることによって、記録媒体搬送方向(矢印A方向)に周回運動するように構成されている。
【0021】
また、ラインプリンタ10には、記録ヘッドユニット20にインクを供給するインク供給ユニット50が備えられている。インク供給ユニット50の内部には、各記録ヘッドK1〜K6に供給するインクが貯められたサブタンク52a〜52fと、各サブタンク52a〜52fに供給されるインクが貯められたインクタンク53a等(図4参照)が配置されている。サブタンク52aに貯められたインクは記録ヘッドK1に供給され、サブタンク52bに貯められたインクは記録ヘッドK2に供給される。他の記録ヘッドについても、同様である。各インクタンクと各サブタンク52a〜52fとはチューブ56(図4参照)で接続されており、各インクタンク53a等から各サブタンク52a等にインクが供給される。インク供給ユニット50から記録ヘッドユニット20までは、インク供給チューブ60a〜60fとインク回帰チューブ62a〜62fを束ねて構成されたインク流路によって着脱自在に繋がれて(接続されて)いる。インク供給チューブ60a〜60fには、各サブタンク52a〜52fから各記録ヘッドK1〜K6に供給されるインクが通過する。インク回帰チューブ62a〜62fには、各記録ヘッドK1〜K6から各サブタンク52a〜52fに回帰される(戻される)インクが通過する。なお、記録ヘッドユニット20には、各記録ヘッドK1〜K6からのインク吐出状態を初期の状態に回復させる回復ユニット22(図4参照)が組み込まれている。
【0022】
図3を参照して、記録ヘッドユニット20とインク供給ユニット50の接続について説明する。
【0023】
図3は、記録ヘッドユニット20とインク供給ユニット50を接続したインク供給チューブ60a〜60fとインク回帰チューブ62a〜62fを示す斜視図である。インク供給ユニット50は記録ヘッドユニット20から離れて配置されており、インク供給ユニット50の各サブタンク52a〜52fと記録ヘッドユニット20の各記録ヘッドK1〜K6は、インク供給チューブ60a〜60fとインク回帰チューブ62a〜62fによって接続されている。
【0024】
記録ヘッドユニット20とインク供給ユニット50をチューブで接続して一体化したものをプリントモジュールという。このプリントモジュールには、図5で説明する制御系が組み込まれている。記録ヘッドユニット20には、記録画像の幅に相当するインク吐出口が並んで形成された記録ヘッドK1〜K6(図1参照)が搭載されている。各記録ヘッドK1〜K6は、それぞれのインク吐出口の列が記録媒体搬送方向(図1の矢印A方向)に直交する向きに順次に並ぶように搭載されている。画像を記録する際は、各記録ヘッドK1〜K6が記録媒体搬送方向上流側(矢印A方向の上流側)からそれぞれ黒色のインクを吐出する。
【0025】
図4を参照して、記録ヘッドユニット20とインク供給ユニット50のインク流路について説明する。図4は、記録ヘッドユニット20とインク供給ユニット50のインク流路を示す模式図であり、ここでは、記録ヘッドK1とサブタンク52aを例として挙げるが、他の記録ヘッドK2〜K6でも同様である。
【0026】
黒色のインクが貯められたインクタンク53aはインク吸引チューブ56によってサブタンク52aに接続されており、インク吸引チューブ56の途中部分には、インクタンク53aのインクを吸引してサブタンク52aに送り込む吸引ポンプ58が配置されている。図4に示す状態では、弁81,85を閉じて弁82,83,84を開けて吸引ポンプ58を駆動することによりインクタンク53aのインクが吸引されてサブタンク52aに送り込まれる。なお、図示の例では、弁84,86は圧力バランスを保つとともにインクの蒸発を防止するためのものである。インクタンク53aは、記録中にインク切れを起こさないように2セット搭載されており、一方のインクタンク53aのインクが無くなったときは弁83,84,85,86を適宜に切り換えてインク吸引チューブ56を他方のインクタンク53aに接続させる。
【0027】
サブタンク52aの内部は大気連通孔88aに接続されており、弁88を開くことによりサブタンク52aの内部は外気につながって大気圧となる。また、サブタンク52aには、インクの有無およびインク水位を検知するための電極51a,51b,51cを備えたインク水位センサ(液面検知センサ)51が取り付けられている。これらの電極51a,51b,51c間の抵抗の変化に基づいてインクの有無を検知してインク水位が常に一定になるように制御されている。サブタンク52aと記録ヘッドK1は水頭差によって記録ヘッドK1のインク吐出口に最適な負圧を与えるような位置に配置されている。
【0028】
サブタンク52aと記録ヘッドK1は、これらの間でインクを循環できるようにインク供給チューブ60aとインク回帰チューブ62aによって接続されている。サブタンク52aとインク供給チューブ60aはインク供給ポンプ59を介して接続されており、インク供給ポンプ59を駆動させることによりサブタンク52a内のインクが記録ヘッドK1に供給される。記録ヘッドK1の下方には回復ユニット22が位置しており、記録ヘッドK1から押し出されたインクは回復ユニット22に受けられる。回復ユニット22とサブタンク52aはインク回収チューブ57とインク吸引チューブ56の一部によって接続されており、弁82を閉じて弁81を開いて吸引ポンプ58を駆動させることにより回復ユニット22が受けたインクはサブタンク52aに回収される。
【0029】
ラインプリンタ10を新たに設置したときに、各インクタンク53a等から各記録ヘッドK1〜K6にインクを充填するインク初期充填作業について説明する。
【0030】
インクの初期充填作業は、プリンタ10が初期の立ち上げ状態と判断されたときに実行される。ラインプリンタ10が初期の立ち上げ状態であるときは、サブタンク52a、インク吸引チューブ56、インク供給チューブ60a、インク回帰チューブ62a、記録ヘッドK1にはインクが全く無い。このインク初期充填作業では、サブタンク52a、インク供給チューブ60a、およびインク回帰チューブ62aにインクを充填する作業、または、サブタンク52aのみにインクを充填する作業のいずれかが実行される。
【0031】
サブタンク52a、インク供給チューブ60a、およびインク回帰チューブ62aにインクを充填するインク充填作業では、サブタンク52aから記録ヘッドK1にインクを供給するに先立って、インク供給チューブ60aと記録ヘッドK1とを非接続にしておき(離しておき)、サブタンク52aとインク供給チューブ60aを、インクタンク53aからのインクで満たす。その後、インク供給チューブ60aを記録ヘッドK1に接続して、インク供給チューブ60a内のインクを記録ヘッドK1に供給する。なお、インクが付着しているフェイス面は、インク初期充填作業の終了後に、クリーニングブレード(図示せず)によって拭き取られる。
【0032】
インク供給チューブ60aと記録ヘッドK1とを非接続にしておきインク供給チューブ60aをインクで満たすために、インク供給チューブ60aの一端部60atとインク回帰チューブ62aの一端部62atとを直接的または間接的に接続してインク供給ポンプ59、インク吸引ポイント58を駆動させ、インクタンク53aからサブタンク52a、インク供給チューブ60a、インク回帰チューブ62aを経由させてこれらの間でインクを循環させる。これにより、インク供給チューブ60aに存在する空気がインクに置換されてインク供給チューブ60a内はインクでほぼ満たされる。続いて、インク供給チューブ60aとインク回帰チューブ62aとの接続を解除してインク供給チューブ60aを記録ヘッドK1に接続し、インク供給チューブ60a内のインクを記録ヘッドK1に供給する。これにより、インク供給チューブ60aから記録ヘッドK1に空気が入り込むことはない。この結果、記録ヘッドK1内では気泡の発生が抑制されるので、記録ヘッドK1から回復ユニット22のキャップにインクを押し出す際に、多量の気泡と共にインクが押し出されることはなく、キャップからのインク漏れを防止できる。なお、上述したようにインクの初期充填作業では、インクタンク53aからサブタンク52aのみにインクを充填してもよい。この場合は、弁81、87を閉じて弁82を開放しておき、吸引ポンプ58を駆動させる。
【0033】
図5を参照して、プリンタ10の制御系100を説明する。図5は、図1に示したラインプリンタの制御系100の構成を示すブロック図であり、この制御系100は、上述したようにプリントモジュールに内蔵されている。
【0034】
ホストPC11から制御系100に送信された記録データやコマンドは、インタフェースコントローラ102を介してCPU101に受信される。CPU101は、プリンタ10における記録データの受信、記録動作等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU101では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。イメージメモリ106は画像展開部として使用される。記録前の動作処理としては、入出力ポート114やモータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各記録ヘッドK1〜K6をキャップから離して記録位置(画像形成位置)に移動させる。
【0035】
続いて、搬送される記録媒体にインクを吐出し始めるタイミング(記録タイミング)を決定するための先端検知センサ(図示せず)で記録媒体の先端位置を検出する。その後、エンコーダローラ47(図1参照)からのエンコーダ出力信号によって記録媒体の搬送に同期して、CPU101はイメージメモリ106から対応する色の記録データを順次に読み出し、この読み出したデータを各記録ヘッドK1〜K6に記録ヘッド制御回路112を経由して(介して)転送する。
【0036】
CPU101の動作はプログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラムおよびテーブルなどが記憶されている。また、作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。ワークRAM108には、本実施の形態において利用する情報として、このプリンタにおいてインク吐出状態を適正に保つためのクリーニング動作を前回実行した時刻(ここでは日時分)である「前回クリーニング実行時刻」131、このプリンタに固有に設定されたクリーニング実行時刻である「プリンタ固有クリーニング実行時刻」132およびこのプリンタにおいてクリーニングを実行する条件である「クリーニング実行条件」133を記憶する領域が確保される。少なくともこれらの記憶領域は、プリンタの電源がOFFされている状態でもデータが消えないような不揮発性のメモリで構成されるか、または、バッテリでバックアップされる。「プリンタ固有クリーニング実行時刻」132は、1日の中でクリーニングを実行することが許容される(または好ましい)クリーニング実行時刻(ここでは時分)である。「クリーニング実行条件」133は、クリーニングを実行するための条件をさだめたものであり、本実施の形態では前回のクリーニング実行からの経過時間が規定時間を超過しているかという条件と、所定の時点の現在時刻がクリーニング実行の許可された時刻に該当するかという条件を含む。
【0037】
本発明における「クリーニング経過時間計測手段」として、クリーニングの種類毎に計測用カウンタが用意される。このようなカウンタ140としては、例えば、図12に示すように、インク循環回復に関する上位カウンタ141、ワイプ回復に関する中位カウンタ142、および予備吐出回復に関する下位カウンタ143を有する。「ワイプ回復」とは、インクが付着している記録ヘッドのフェイス面をクリーニングブレードによって拭き取る動作である。これらのカウンタは、例えば不揮発性の記憶領域を利用して構成することができる。「予備吐出回復」とは記録ヘッドのノズルにおけるインクの乾燥や増粘を防止するために、所定の時点で記録に寄与しないインク滴を強制的に吐出させる動作である。「インク循環回復」とは、インクの供給側から記録ヘッドを経由してインクの回収側までのインク流路全体にインクを強制的にインクを循環させる動作である。具体的には、チューブ内の泡の除去等を目的として、サブタンクと記録ヘッドの間の流路(チューブ)内のインクを循環させる。さらに詳細には、サブタンクから記録ヘッドへの方向にインクを流すと同時に、記録ヘッドからサブタンクにインクを戻す、また記録ヘッドのノズルから吐出されたインク(回復桶に溜まる)をサブタンクに戻す。この循環動作後、ノズルのメニスカスを整える為に、予備吐出やワイプ回復も行なう。したがって、本明細書では、循環動作/ワイプ動作/予備吐出動作の一連のシーケンスを含めて循環回復と呼んでいる。
【0038】
上位、中位、下位とは、クリーニングの効果の程度を表し、上位の方が効果が高い反面、クリーニングの負荷や所要時間が大きい。予備吐出回復に関する下位カウンタ143は、予備吐出回復の実行に伴ってクリアされ、その後のインクの吐出数をカウントする。このカウント値が予備吐出回復用の目標値に達したとき、再度、予備吐出回復が行われる。ワイプ回復に関する中位カウンタ142はワイプ回復の実行に伴ってクリアされ、その後の経過時間をカウントする。この経過時間がワイプ回復用の目標値に達したとき、再度、ワイプ回復が実行される。中位カウンタ142のクリア時にはその下位の下位カウンタ143もクリアされる。循環回復に関する上位カウンタ141は、循環回復の実行に伴ってクリアされ、その後の経過時間をカウントする。このカウント値が循環回復用の目標値に達したとき、再度、循環回復が実行される。上位の回復動作時にはその下位の回復動作も併せて実行するので、上位カウンタ141のクリア時にはその下位の中位カウンタ142および下位カウンタ143もクリアされる。上位、中位、下位の各カウンタは1個のみ示したが、クリーニングの種類によって複数存在しうる。
【0039】
各記録ヘッドK1〜K6のクリーニングや回復動作時に、CPU101は、入出力ポート114およびモータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動させてインクの加圧や吸引等の制御を行う。なお、記録媒体の搬送に同期した記録水平同期信号に基づいて記録媒体に画像が記録される。CPU101で画像データのラスタ分割を実行し、6つの記録ヘッドK1〜K6で描画するデータとしてイメージメモリ106に割り当てる。CPU101が水平同期信号を受信したときは、イメージメモリ106に格納されている1ラスタ分の画像データが記録ヘッド制御回路112に送信され、この送信されてきた画像データに基づいて、対応する記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像が記録される。時計部126は、基準クロックに基づいて動作し、プリンタ自身に現在時刻情報を提供したり、タイマー機能を提供したりする。
【0040】
図6から図8を参照して、本実施の形態のクリーニング動作の実行タイミングについて詳細に説明する。
【0041】
図6は、電源ON時のクリーニング実行条件判別処理のフローチャートである。この処理は、CPU101がROM104に記憶されている処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。後続の他のフローチャートの処理についても同様である。
【0042】
プリンタ10が電源ONされると、プリンタ10が内蔵している時計部126(図5)により現在の時刻を取得する(S601)とともに、プリンタ10が記憶している前回クリーニング実行時刻を取得する(S602)。さらに、プリンタ固有クリーニング実行時刻を取得するとともに(S603)、クリーニング実行条件を取得する(S604)。そこで、ステップS601からS604で得た情報からクリーニング実行条件が成立しているか否かを判断する(S605)。この場合、前回クリーニング実行から24時間が経過し、かつ、プリンタ固有クリーニング実行時刻に現在時刻が一致しているか、または、現在時刻の方が進んでいる(24時間表示で時刻値が大きい)場合に条件成立と判断される。本明細書では、このように1日の中での現在時刻が設定時刻と同じかそれより大きい場合を、現在時刻が設定時刻に「該当」するという。
【0043】
ステップS605でクリーニング実行条件が成立していると判断された場合にはクリーニングを実行し(S606)、前回クリーニング実行時刻を更新する(S607)。その後、各種カウンタをクリアして(S608)、本処理を終了する。ステップS605でクリーニング実行条件が成立していないと判断された場合は、クリーニングは実行せずに本処理を終了する。
【0044】
ここで、具体的な例を考える。例えば、ステップS601〜S604で取得された情報が以下のとおりであるとする。
【0045】
(第1例)
現在時刻=“2007年3月10日8:00”(601a)
前回クリーニング実行時刻=“2007年3月9日9:00”(602a)
プリンタ固有クリーニング実行時刻=“8:00”(603a)
クリーニング実行条件=“前回のクリーニングから24時間経過し、且つ現在時刻がプリンタ固有実行時刻に該当する”(604a)
【0046】
このような情報が取得された場合、判定ステップS605では、前回のクリーニングからの経過時間が23時間(602aおよび601aから算出)であり、現在時刻の如何にかかわらず、クリーニング実行条件604aが満たされていないと判断し、クリーニングは実行せずにこの処理を終了する。
【0047】
(第2例)
現在時刻=“2007年3月11日8:00”(601b)
前回クリーニング実行時刻=“2007年3月9日9:00”(602a)
プリンタ固有クリーニング実行時刻=“8:00”(603a)
クリーニング実行条件=“前回のクリーニングから24時間経過し、且つ現在時刻がプリンタ固有実行時刻に該当する”(604a)
【0048】
このような情報が取得された場合、判定ステップS605では、前回のクリーニングからの経過時間が47時間(601bおよび602aから算出)、実行時刻8:00(601bおよび603a)とクリーニング実行条件605aを共に満たすと判断し、クリーニングを実行する(S606)。その後、前回クリーニング実行時刻を“2007年3月11日8:00”(608b)に更新し(S607)、当該カウンタを、より下位の小カウンタも含めてクリアする(S608)。
【0049】
図7は、記録開始前のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。
【0050】
記録ユニットが記録データを受信すると(S701)、現在時刻を取得し(S702)、上述した電源ON時に取得した前回クリーニング実行時刻およびクリーニング実行時刻に基づいてクリーニング実行条件を判断し、クリーニング実行条件が成立しているか否かを判断する(S703)。クリーニング実行条件が成立している場合には、クリーニングを実行し(S704)、前回クリーニング実行時刻を更新し(S705)、各種カウンタをクリアする(S706)。その後、記録動作を開始する(S707)。判定ステップS703で、クリーニング実行条件が成立していないと判断された場合には、クリーニングを実行することなく、記録動作を開始する。
【0051】
図8は、待機時のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。
【0052】
記録データの受信待ちなどの待機中には(S801)、予め設定された周期(時間間隔:例えば1分)の到来時に現在時刻を取得し(S802)、電源ON時に取得した前回クリーニング実行時刻およびクリーニング実行時刻に基づいてクリーニング実行条件を判断し、クリーニング実行条件が成立しているか否かを判定する(S803)。予め設定された周期は予め定められた固定値であってもよいが、ユーザが可変設定できるようにしてもよい。クリーニング実行条件が成立している場合にはクリーニングを実行し(S804)、前回クリーニング実行時刻を更新し(S805)、各種カウンタをクリアする(S806)。その後、ステップS801へ戻り、上記の処理を繰り返す。判定ステップS803でクリーニング実行条件が成立していないと判断された場合、クリーニングを実行することなくステップS801へ戻る。
【0053】
図6,図7,図8の処理は、任意の組み合わせで併用することができる。すべてを併用した場合には、前回のクリーニング実行時からの経過時間が規定時間を超過した後は、プリンタ固有クリーニング実行時刻以降に、電源ON、記録データの受信、周期時間の到来のいずれか最初に発生した時刻にクリーニングが実行されることになる。
【0054】
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。その構成は上記第1の実施の形態と同様であり、以下に第1の実施の形態と異なる点のみを記載する。
【0055】
第1の実施の形態では、プリンタ固有クリーニング実行時刻を固定としたものであるが、第2の実施の形態においては、任意に指定することを可能とした場合の例である。
【0056】
図9は、第2の実施の形態におけるクリーニング実行時刻のユーザ設定画面の一例を示す説明図である。ホストコンピュータ11上で動作するアプリケーションプログラム903は、プリンタ固有クリーニング実行時刻をユーザが任意に指定するための入力欄904を有し、その入力を受けてホストコンピュータ11内の所定の記憶部に記憶する。また、ユーザがその入力値をラインプリンタ10に転送して、設定させるための指示ボタン905を有している。
【0057】
図10は、第2の実施の形態における記録開始前のクリーニング実行条件判別処理を示したフローチャートである。この図において、図7に示した要素と同様の要素には同じ参照番号を付してある。
【0058】
記録データを受信すると(S701)、現在時刻を取得するとともに(S702)、プリンタ固有クリーニング実行時刻として、図9で説明したユーザが指定したクリーニング実行時刻(ユーザ指定クリーニング実行時刻)を取得し(S702a)、電源ON時に取得した前回クリーニング実行時刻およびクリーニング実行条件に基づいて、クリーニング実行条件が成立しているか否かを判断し(S703)、クリーニング実行条件が成立している場合にはクリーニングを実行し(S704)、前回クリーニング実行時刻を更新し(S705)、各種カウンタをクリアする(S706)。その後、記録動作を開始する(S707)。ステップS703でクリーニング実行条件が成立していないと判定された場合には、クリーニングを実行することなく、ステップS705へ移行し、記録動作を開始する。
【0059】
図11は、第2の実施の形態における待機時のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。この図において、図8に示した要素と同様の要素には同じ参照番号を付してある。
【0060】
記録データの受信待ちなどの待機中には(S801)、予め設定された周期(時間間隔:例えば1分)の到来時に現在時刻を取得する(S802)。上記と同様、予め設定された周期は予め定められた固定値であってもよいが、ホストコンピュータまたは記録装置の操作パネルからユーザが可変設定できるようにしてもよい。ついで、図9で説明したユーザが指定したクリーニング実行時刻を取得し(S802a)、電源ON時に取得した前回クリーニング実行時刻およびクリーニング実行時刻に基づいてクリーニング実行条件を判断し、クリーニング実行条件が成立しているか否かを判定する(S803)。クリーニング実行条件が成立している場合にはクリーニングを実行し(S804)、前回クリーニング実行時刻を更新し(S805)、各種カウンタをクリアする(S806)。ステップS803でクリーニング実行条件が成立していないと判定された場合には、クリーニングを実行することなく、ステップS801へ戻る。
【0061】
図示しないが、第2の実施の形態において、第1の実施の形態の図6の電源ON時の処理においても、そのステップS602の「プリンタ固有クリーニング実行時刻取得」の代わりに「ユーザ指定クリーニング実行時刻取得」としてもよい。
【0062】
図6(または図6の上記変形例),図10,図11の処理は、任意の組み合わせで併用することができる。すべてを併用した場合には、前回のクリーニング実行時からの経過時間が規定時間を超過した後は、ユーザ指定クリーニング実行時刻以降に、電源ON、記録データの受信、周期時間の到来のいずれか最初に発生した時刻にクリーニングが実行されることになる。
【0063】
本実施の形態により、クリーニング実行時刻をユーザの勤務形態に合わせて、例えば朝9時の仕事開始であれば、クリーニング実行時刻を8時半と設定しておけば、朝9時前に出勤して電源を投入したときに、前回のクリーニング実行からの経過時間の条件が満たされていれば、電源ONによりクリーニング実行の条件が成立する。また、電源ONが8時半前であっても、前回のクリーニング実行からの経過時間の条件が満たされていれば、8時半後の記録データ受信時または周期到来時のいずれか早い時点にクリーニング実行の条件が成立することになる。
【0064】
したがって、時間を要する大きなクリーニングを実施する可能性があるのは、電源ON時、または一日の最初の記録開始前、のどちらか一方だけという運用形態をとることができ、どちらの場合にせよ『毎朝仕事始めに1回だけ自動的に実施』という判り易いクリーニング動作が実現できる。
【0065】
また、上記の設定例で何日も電源OFFしない使い方をした場合でも、一日の最初の記録開始前にクリーニングが実行されるので、ユーザにとっては同じ動作である『毎朝仕事始めに1回だけ自動的に実行』という運用形態となる。
【0066】
さらに、クリーニング実行時刻を昼食等の休憩時間に設定し、電源ONのまま休憩時間を過ごせば、前回のクリーニング実行からの経過時間の条件が満たされた後に、周期(昼休みの時間より十分短い時間)の到来の時点でクリーニングが自動的に実行され、電源ON時や記録開始前のクリーニング実行待ち時間を回避できる。
【0067】
<その他の実施の形態>
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。
【0068】
例えば、上記実施の形態では、クリーニング実行時刻のユーザ設定方法として、アプリケーションプログラムを例に挙げて説明したが、プリンタドライバやオペレーションパネルから設定する構成であってもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、最も時間を要する(最も効果の高い)クリーニングの実行時刻を固定とするかまたは任意に設定可能にしたが、クリーニングの種類毎に実行時刻を設定するようにしてもよい。
【0070】
上記実施の形態では、多くとも1日に1回実行するクリーニングを例に挙げて説明したが、クリーニングの種類に応じて“分”を参照することで1時間に1回実行や、日付や曜日を参照して3日に1回、週に1回、月に1回なども設定可能である。
【0071】
記録装置はライン記録ヘッドを備えたラインプリンタについて説明したが、本発明はラインプリンタに限るものではない。また、記録ヘッドの個数やその使用するインクの色も特に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】プリントモジュールが組み込まれたラインプリンタの概略構成を示す正面図である。
【図2】図1のラインプリンタの概略斜視図である。
【図3】図1に示したラインプリンタのインク供給チューブとインク回帰チューブを示す斜視図である。
【図4】図1に示したラインプリンタの記録ヘッドユニットとインク供給ユニットのインク流路を示す模式図である。
【図5】図1に示したプリンタの制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態における電源ON時のクリーニング実行条件判別処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態における記録開始前のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態における待機時のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態におけるクリーニング実行時刻のユーザ設定方法の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における記録開始前のクリーニング実行条件判別処理を示したフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施の形態における待機時のクリーニング実行条件を判別する処理例を表したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態において使用される複数のカウンタについての説明図である。
【符号の説明】
【0073】
10…ラインプリンタ
11…ホストコンピュータ
20…記録ヘッドユニット
22…回復ユニット
50…インク供給ユニット
51a,51b,51c…電極
52a…サブタンク
52b…サブタンク
53a…インクタンク
56…インク吸引チューブ
57…インク回収チューブ
58…吸引ポンプ
59…インク供給ポンプ
60a…インク供給チューブ
62a…インク回帰チューブ
100…制御系
102…インタフェースコントローラ
106…イメージメモリ
112…記録ヘッド制御回路
114…入出力ポート
116…モータ駆動部
118…ヘッドアップダウンモータ
122…キャッピングモータ
124…ポンプモータ
126…時計部
140…カウンタ
141…上位カウンタ
142…中位カウンタ
143…下位カウンタ
604a…クリーニング実行条件
903…アプリケーションプログラム
904…入力欄
905…指示ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を搬送させ、画像データを前記記録媒体に記録するインクジェット記録装置において、
インクを吐出するノズル列を有する記録ヘッドと、
画像データに基づいて前記記録ヘッドのノズル列からインクを吐出させる記録手段と、
前記記録ヘッドのインク吐出状態を適正に保つためのクリーニング動作を制御するクリーニング手段と、
前回のクリーニング実行時からの経過時間および1日の中でクリーニングを実行することが許容されるクリーニング実行時刻に基づいてクリーニングを実行するための条件が成立しているか否かを判断し、条件が成立しているとき前記クリーニング手段によりクリーニングを実行するクリーニング制御手段と
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
前記クリーニング制御手段は、前回のクリーニング実行からの経過時間を計測するクリーニング経過時間計測手段と、現在時刻を確認する手段と、前記クリーニング実行時刻を記憶する手段とを備えた請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
前記クリーニング実行時刻は記録装置が保持する予め定められた時刻である請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
前記クリーニング実行時刻はユーザが設定した時刻である請求項2に記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
前記クリーニング制御手段は、記録装置の電源ON時、記録データの受信時、予め設定された周期の到来時の少なくとも一つの時点で前記条件の判断を行い、前記クリーニング経過時間計測手段によって計測した前回のクリーニング実行時からの経過時間が規定時間を超過し、且つ現在時刻が前記1日の中でクリーニングを実行することが許容されるクリーニング実行時刻と一致するかその時刻を過ぎているとき、前記クリーニング制御手段は、前記条件が成立していると判断する請求項1に記載のインクジェット記録装置。
【請求項6】
前記クリーニング制御手段は、記録装置の電源ON時に前記条件が成立していると判断したとき、直ちにクリーニング動作を実行する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
前記クリーニング制御手段は、記録データの受信時に前記条件が成立していると判断したとき、記録開始前にクリーニング動作を実行する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
前記クリーニング制御手段は、予め設定された周期の到来時に前記条件が成立していると判断したとき、直ちにクリーニング動作を実行する請求項5に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記記録ヘッドとして、用紙幅と略同幅のライン記録ヘッドを用いる請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記クリーニング経過時間計測手段は、複数種類のクリーニングのうち最も回復効果の大きい種類のクリーニングについて時間を計測するためのカウンタを有し、当該最も回復効果の大きい種類のクリーニング実行に伴って自カウンタをクリアするとともに、より回復効果の小さい種類のクリーニングのためのカウンタをクリアする請求項1に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−290262(P2008−290262A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135199(P2007−135199)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】