説明

インスリン抵抗性改善剤及びそのスクリーニング方法

本発明は、安全性の高い糖尿病治療又は予防効果を有する化合物のスクリーニング方法、及び安全性の高い糖尿病治療又は予防用医薬組成物を提供する。具体的には、PPARγ活性化作用及びPTP阻害作用を有する化合物を有効成分として含有する糖尿病の予防薬又は治療薬、及び該予防薬又は治療薬のスクリーニング方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)γ活性化作用及びPTP(プロテイン・チロシン・ホスファターゼ)阻害作用を有することにより、高い薬効を有し、かつPPARγ活性化作用に起因する副作用(例えば、浮腫、心肥大、体液貯留、胸水貯留等)が抑制された化合物を有効成分として含有する、安全性の高い糖尿病の予防薬又は治療薬、及び該予防薬又は治療薬のスクリーニング方法に関する。
【背景技術】
PPARγは、主に脂肪細胞に発現する核内受容体の一つである。PPARγの活性化は、脂肪細胞の分化・成熟を促進するだけでなく、糖尿病におけるインスリン抵抗性の改善や動脈硬化におけるマクロファージの泡沫化などにも関与するとされている。例えば、PPARγを活性化し脂肪細胞の分化を促進することにより、TNF−αや遊離脂肪酸などによるインスリン抵抗性を解除し、II型糖尿病に対して血糖降下作用などの作用を示すと考えられている。よって、優れたPPARγ活性化作用を有する化合物は、抗高血糖剤、抗高脂血症剤、インスリン抵抗性改善剤、糖尿病治療剤、糖尿病合併症治療剤、耐糖能不全改善剤、抗動脈硬化症剤、抗肥満症剤、抗炎症剤、PPAR媒介疾患の予防・治療剤およびX症候群の予防・治療剤として有用であることが知られている。しかし、PPARγ活性化剤は、臨床で用いられた際に副作用として、心臓重量の増加、心肥大、浮腫、胸水貯留等のような有害事象を発現することがある。このような副作用は、PPARγが活性化されたことによって生じる体液の貯留に関連した事象と考えられている。
PTPは、たんぱく質のリン酸化チロシンに対する脱リン酸化反応を触媒する酵素であり、PTP−1B、LAR(leukocyte antigen−related)PTP、LRP等が知られている。また、PTPは、例えばインスリン受容体などの脱リン酸化を行うホスファターゼとされている。そして、インスリン受容体の脱リン酸化を行うことにより、インスリン受容体の抑制性の調節に関ることが知られている。従って、PTP(好適にはPTP−1B)を選択的に阻害する薬剤は、インスリンの受容体への結合後の情報伝達を高めることになるため、その作用により、例えば、糖尿病、高血糖症、耐糖能不全、肥満症、高脂血症、糖尿病合併症、妊娠糖尿病、多嚢胞卵巣症候群、悪性腫瘍、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、免疫不全、炎症性疾患、神経障害、神経変性疾患、感染症等の治療薬及び予防薬(特に糖尿病の治療薬及び予防薬)となる可能性があることが知られている(Biochemical Journal、1992、vol.284、p.569及びScience、1999、vol.283、p.1544を参照)。
現在、PTP−1B阻害剤としては、バナジウム誘導体やホスホチロシン誘導体などが知られているが、阻害活性の特異性や細胞内への透過性、毒性などに問題があり、実用化には至っていない。
国際公開第02/096880号パンフレットにはPPARγ活性化作用を有する化合物が開示されているが、それら化合物がPTP阻害作用を有することは全く知られていない。
【発明の開示】
本発明者らは、PPARγ活性化作用に基づく優れた薬効を維持し、かつ副作用(例えば、浮腫等)が抑制された安全性の高いPPARγ活性化剤の開発を目的として鋭意研究を行った結果、PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物が、そのPPARγ活性化作用の強さにもかかわらず、副作用が顕著に抑制されることから、安全性の高い優れた抗糖尿病薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明はPPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物のスクリーニング方法並びに糖尿病の予防薬及び治療薬を提供する。
具体的には、本発明は、
(1) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程、
(2) 下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPPARγ活性化作用を有する物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程、
(3) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程、
(4) 下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPTP−1B阻害作用を有する物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程、
(5) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質を含有する、インスリン抵抗性改善剤、
(6) 上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質を投与することによる、糖尿病の予防又は治療方法、
(7) インスリン抵抗性改善剤の製造のための、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質の使用、
(8) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程、
(9) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程、
(10) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する、被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程、
(11) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程、
(12) 上記(8)乃至(11)のいずれかに記載の選抜方法によって得られた物質を含有する、PPARγ活性化剤、
(13) インスリン抵抗性改善剤の製造のための、PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物の使用、
(14) PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、副作用の発現が抑制されたインスリン抵抗性改善剤、
(15) PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたインスリン抵抗性改善剤、
(16) PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、PPARγの活性化に起因する副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤、
(17) PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有することによりインスリン抵抗性改善作用が増強された化合物を含有する、PTP−1B阻害剤、
(18) PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、安全性の高い糖尿病の予防薬又は治療薬、
(19) 下記一般式(I)

{式中、Rは水素原子又はC1−6アルキルを示し、Rは水素原子、
−CO−R(式中、Rはハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルを示す)、
−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)、

(式中、mは2−7の整数を示す。)、アリール、置換されていてもよいアリールC1−3アルキル、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC3−8シクロアルキルC1−3アルキルを示し、Yは、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC5−8アルキル、C4−8シクロアルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル、
10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−8アルケニル、アリール、芳香族複素環、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキルC1−3アルキル、C1−4アルコキシC1−6アルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル又は(RN−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示す)で置換されたC1−6アルキルを示す)、R12−CO−N(R11)−(式中、R11は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R12はC1−6アルキル又はアリールを示す)、R13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zは酸素原子又はイオウ原子を示す)、又は

(式中、kは2−7の整数を示す。)を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す]又はR15−C(R14)=N−O−(式中、R14は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R15はアリール又は芳香族複素環を示す)を示し、
Y−(CH−O−はテトラヒドロイソキノリン骨格の6位又は7位に結合し、nは1−4の整数を示す}で表される複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤、
(20) 一般式(I)において、Rが、水素原子、−CO−R(式中、Rはハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルを示す)、−COC(R)=C(R)−R(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)又はアリールである複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)に記載のPTP−1B阻害剤、
(21) 一般式(I)において、Rが、−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは水素原子を示し、RはC1−8アルキル又はC2−8アルケニルを示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)又は(20)に記載のPTP−1B阻害剤、
(22) 一般式(I)において、Yが、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC5−8アルキル、C4−8シクロアルキル、R10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、R12−CO−N(R11)−(式中、R11は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R12はC1−6アルキル又はアリールを示す)又はR13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zは酸素原子又はイオウ原子を示す)を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す]又はR15−C(R14)=N−O−(式中、R14は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R15はアリール又は芳香族複素環を示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(21)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(23) 一般式(I)において、Y−(CH)n−O−が、テトラヒドロイソキノリン骨格の7位に結合し、nが2である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(22)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(24) 一般式(I)において、Yが、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキル、C2−8アルケニル又はアリールを示す)]である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(23)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(25) 一般式(I)において、Yが、

(式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、RはC5−8アルキル又はC4−8シクロアルキルを示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(23)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(26) 一般式(I)において、Yが、

[式中、RはC1−4アルキルを示し、
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキルを示す)を示し、Xは酸素原子を示す]である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(23)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(27) 一般式(I)において、Yが、下記式(a)〜(n)


から選ばれるいずれかである複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、上記(19)乃至(21)のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤、
(28) 2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘキセノイル)−7−{2−〔5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル〕エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(3−ブテニル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(4−ペンテニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤、
(29) 7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[2−(5−フルオロ−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤である。
【図面の簡単な説明】
図1は、縦軸にヘモグロビン濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフを示す。
図2は、縦軸に血中インスリン濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフを示す。
図3は、縦軸に赤血球濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフを示す。
発明の詳細な説明
本発明において、「PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物」とは、「PPARγ活性化作用」及び「PTP−1B阻害作用」の両方の作用を併せ持つ化合物であれば特に限定は無く、例えば、以下の(1)〜(6)から選択されるスクリーニング方法によって選択される化合物である。
(1) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
(2) 下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPPARγ活性化作用を有する物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する物質を選択する工程。
(3) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
(4) 下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPTP−1B阻害作用を有する物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する物質を選択する工程。
(5) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、PPARγ活性化剤のスクリーニング方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
(6) 下記の工程1)及び2)を含むことからなる、PTP−1B阻害剤のスクリーニング方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
上記(1)乃至(6)において、「被験物質」とは、本発明のスクリーニング方法でPPARγ活性化作用やPTP−1B阻害作用を測定する対象となる物質をいう。被験物質としては、化合物、微生物の代謝産物、植物や動物組織の抽出物、それらの誘導体又はそれらの混合物等が挙げられる。
被験物質の投与量や濃度は適宜設定するか、又は例えば希釈系列を作製するなどして複数種の投与量を設定してもよく、固体、液体等適当な状態で投与することができ、適当なバッファーに溶解したり、安定化剤等を加えてもよい。培養細胞を用いるスクリーニング方法の場合には、培地に添加して培養することができる。培地に添加する場合には培養開始時から添加してもよいし、培養途中で添加しても良く、また、添加の回数も1回に限らない。被験物質存在下で培養する期間も適宜設定してよいが、好ましくは30分乃至2週間であり、より好ましくは、30分乃至48時間である。哺乳動物個体に被験物質を投与する場合は、被験物質の物性等により経口投与、静脈注射、腹腔内注射、経皮投与、皮下注射等の投与形態を使い分ける。
PPARγの活性化作用は、例えば、以下の方法によって測定できる。
PPARγは脂肪細胞分化に関与しており(Cell.1994 Dec 30,vol.79(7),p.1147−56、Genes Dev.1996 Apr 15,vol.10(8),p.974−84)、PPARγを活性化できる化合物は脂肪細胞分化を促進することが知られている(J Cell Physiol.1988 Jan,vol.134(1),p.124−30、Endocrinology.1994 Nov,vol.135(5),p.2279−82、J.Biol.Chem.1995 Jun2,vol.270(22),p.12953−6)。従って、マウス3T3−L1細胞株(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションCCL 92.1)やC3H10T1/2細胞株(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションCCL−226)あるいはマウスやラットやヒトなどに由来する前駆脂肪細胞の培養系に、被験化合物を添加し、脂肪細胞分化が促進される場合、PPARγ活性化作用があるものと判断される。
PPARγを活性化する化合物は、細胞内で、aP2やCD36など一群の遺伝子の発現を増加させることが知られている(Cell.1994 Dec 30,vol.79(7),p.1147−56、Cell.1998 Apr 17,vol.93(2),p.229−40、Annu.Rev.Nutr.2002,vol.22,p.167−97)。従って、PPARγを発現する細胞に、被験化合物を添加し、aP2やCD36の発現が増加する場合、PPARγ活性化作用を有すると判断される。
PPARγを活性化する化合物は、PPARγ蛋白質と直接に結合できることが知られている(J.Biol.Chem.1995 Jun2,vol.276(22),p.12953−6、Cell.1995 Dec 1,vol.83(5),p.803−12)。従って、動物の組織から一般的手法によりPPARγ蛋白を精製取得するか、もしくは遺伝子組換えの手法により大腸菌や昆虫細胞や哺乳動物細胞においてPPARγ蛋白を生産させ取得し、被験化合物のPPARγ蛋白に対する結合能を試験することができ、特異的な結合能を持つ場合は、PPARγ活性化作用を有すると判断される。
PPARγ蛋白は、PPARγを活性化する化合物と結合すると、コアクチベーターと呼ばれるSRC−1やTRAP220などの細胞内蛋白質との結合能が高くなることが知られている(Mol.Endocrinol.1997 Jun,vol.11(6),p.779−91、Proc.Natl.Acad.Sci.U S A.1998 Jul 7,vol.95(14),p.7939−44、Cytometry.2001 Aug 1,vol.44(4),p.326−37、Cell Biochem.Biophys.2000,vol.32 Spring,p.187−204)。従って、PPARγ蛋白と、SRC−1やTRAP220などのコアクチベーター蛋白もしくはその一部となるペプチドを一般的手法によって調製し、被験化合物をPPARγ蛋白に作用させ、コアクチベーター蛋白またはペプチドとPPARγ蛋白との結合能を調べることができ、化合物の作用で結合能が高くなる場合は、PPARγ活性化作用を有すると判断される。
PPARγの活性化の程度を調べる方法としては、いわゆるレポーターアッセイとよばれる方法が行われている。たとえばPPARγ活性化によって発現が増加することが知られるaP2遺伝子のプロモーター領域を、ルシフェラーゼ遺伝子と接続してレポーター遺伝子を作製し、PPARγ遺伝子とともに、細胞に導入し、PPARγを活性化する化合物を作用させると、細胞内ルシフェラーゼの活性量が増加することが知られる(J.Biol.Chem.1995 Jun 2,vol.270(22),p.12953−6)。従って、同様の試験系を用いて、被験化合物を作用させ、細胞内のレポーター遺伝子産物の量を測定し、対照より増加している場合は、PPARγ活性化作用を有すると判断される。同様な原理に基づくレポーターアッセイとして、さらに次のような方法も知られている。すなわち、PPARγのリガンド結合ドメインと、PPARではない転写因子たとえば酵母転写因子GAL4のDNA結合領域の、両者が融合した蛋白質を細胞内に発現させ、用いた転写因子たとえばGAL4に応答するように作製されたレポーター遺伝子たとえばルシフェラーゼ遺伝子を、細胞に導入し、PPARγ活性化作用を有する化合物を作用させると、細胞内のルシフェラーゼ活性が増加することが知られる(J.Biol.Chem.1995 Jun 2,vol.270(22),p.12953−6)。従って、同様な試験法で被験化合物を作用させ、細胞内ルシフェラーゼ活性を測定し、対照より増加している場合、PPARγ活性化作用を有すると判断される。
PPARγ活性化作用を有する化合物としては、米国特許第4,687,777号明細書、米国特許第5,002,953号明細書、国際公開第00/71540号明細書に記載の化合物を挙げることができるが、上記測定方法によってPPARγ活性化作用を有すると判定される限りにおいて、上記化合物に限定されない。
本発明において「PPARγ活性化剤」とは、上記「PPARγ活性化作用」を有する化合物及びPPARγ活性化作用を有する化合物を含有する医薬組成物である。
PTPの阻害活性は例えば、以下の方法によって測定することができる。
組織や細胞から一般的手法によってPTP−1BなどのPTPを精製取得する方法が知られており(Mol.Cell Biol.1984 Jun,vol.4(6),p.1003−12、J.Biol.Chem.1988 May 15,vol.263(14),p.6722−30)、また遺伝子工学的手法によって大腸菌などにPTPを生産させ取得する方法が知られている(Eur.J.Biochem.1994 Aug 1,vol.223(3),p.1069−77、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1997 Dec 9,vol.94(25),p.13420−5、Biochemistry.1991 Jun 25,vol.30(25),p.6210−6)。そのようにして得たPTPを、リン酸化チロシンもしくはリン酸化チロシンを含むペプチドや蛋白質と反応させると、PTPの働きによってリン酸が遊離するので、生じたリン酸を定量することによって、PTPの活性が測定される(J.Biol.Chem.1988 May 15,vol.263(14),p.6722−30、FEBS Lett.1988 Sep 12,vol.237(1−2),p.137−40)。また、リン酸化チロシンのかわりに、脱リン酸体が吸光あるいは蛍光を示すp−ニトロフェニルリン酸あるいはフルオレスセインリン酸などを用いることもでき、PTPの反応によって生じた脱リン酸体を、吸光や蛍光の測定によって定量する方法も知られる(Eur.J.Biochem.1994 Aug 1,vol.223(3),p.1069−77、Biochim.Biophys.Acta.1999 Apr 12,vol.1431(1),p.14−23)。このようにしてPTP活性を測定することができ、被験化合物を共存させてPTP反応を行わせ、PTPの活性が対照より低下する場合、PTPの阻害活性があるものと判断される。
また、細胞においてPTPは、インスリン受容体などにより代表される、細胞内チロシンリン酸化蛋白を、脱リン酸化および不活性化すると考えられている(Biochem J.1988 Dec 1,vol.256(2),p.493−500、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.1990 Jul,vol.87(14),p.5514−8、J.Biol.Chem.2000Mar 3,vol.275(9),p.6308−12)。たとえばPTP阻害活性をもつバナジル酸やある種の有機化合物は、インスリン受容体のチロシンリン酸化を増加させ、インスリン様の作用を示すことが知られている(Biochem.Biophys.Res.Commun.1983 May 31,vol.113(1),p.80−6、J.Biol.Chem.2001 Jul 20,vol.276(29),p.27511−8)。従って、たとえばインスリン受容体を発現する細胞を培養し、被験化合物を作用させた結果、インスリン受容体のチロシンリン酸化が増加しインスリン様の作用が認められる場合、PTP阻害活性があるものと判断される。
PTP−1B阻害作用を有する化合物としては、Journal of Medicinal Chemistry,1999,vol.42,p.3199−3202、Journal of Medicinal Chemistry,2000,vol.43,p.146−155、Journal of Biological Chemistry,2000,vol.275(10),p.7101−7108、Journal of Biological Chemistry,2000,vol.275(14),p.10300−10307、Journal of Medicinal Chemistry,2000,vol.43,p.995−1010及びJournal of Medicinal Chemistry,2000,vol.43,p.1293−1310に記載の化合物を挙げることができるが、上記測定方法によってPTP−1B阻害作用を有すると判定される限りにおいて、上記化合物に限定されない。
本発明において「PTP−1B阻害剤」とは、上記「PTP−1B阻害作用」を有する化合物及び「PTP−1B阻害作用」を有する化合物を含有する医薬組成物である。
上記(1)乃至(6)から選択されるいずれかの方法で選択される被験物質の例としては、化合物では、例えば、国際公開第02/096880号パンフレットに記載の化合物、国際公開第99/58521号パンフレットに記載の化合物、国際公開第02/18363号パンフレットに記載の化合物及び国際公開第99/61435号パンフレットに記載の化合物などが挙げられる。
好適には下記一般式(I)

{式中、Rは水素原子又はC1−6アルキルを示し、Rは水素原子、
−CO−R(式中、Rはハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルを示す)、
−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)、

(式中、mは2−7の整数を示す。)、アリール、置換されていてもよいアリールC1−3アルキル、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC3−8シクロアルキルC1−3アルキルを示し、Yは

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC5−8アルキル、C4−8シクロアルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル、
10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−8アルケニル、アリール、芳香族複素環、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキルC1−3アルキル、C1−4アルコキシC1−6アルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル又は(RN−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示す)で置換されたC1−6アルキルを示す)、R12−CO−N(R11)−(式中、R11は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R12はC1−6アルキル又はアリールを示す)、R13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zは酸素原子又はイオウ原子を示す)、又は

(式中、kは2−7の整数を示す。)を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す]又はR15−C(R14)=N−O−(式中、R14は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R15はアリール又は芳香族複素環を示す)を示し、
Y−(CH−O−はテトラヒドロイソキノリン骨格の6位又は7位に結合し、nは1−4の整数を示す}で表される複素環化合物が挙げられる。更に好適には、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘキセノイル)−7−{2−〔5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル〕エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(3−ブテニル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(4−ペンテニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸又はこれらの医薬上許容される塩が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩は、国際公開第02/096880号公報に記載されており、製造することができる。
本発明において、C1−4アルキルとは、炭素数1−4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられ、R、R、R、R11およびR14において好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。
一般式(I)において、C1−6アルキルとは、炭素数1−6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなどが挙げられ、R、R10およびR12において好ましくは、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、ブチル、イソブチル、イソペンチルである。
一般式(I)において、C1−8アルキルとは、炭素数1−8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられ、R、RおよびR13において好ましくは、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、ブチル、ペンチル、ヘキシルである。
一般式(I)において、C5−8アルキルとは、炭素数5−8の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えばペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが挙げられ、Rにおいて好ましくは、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルである。
一般式(I)において、ハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルにおいて、ハロゲンは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はフッ素原子であり、C2−6アルキルは炭素数2−6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキルであり、具体的には上述したエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルが挙げられる。ハロゲンで置換された場合のC2−6アルキルとしては、例えば2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,6,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられ、Rにおいて好ましくは、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルである。
一般式(I)において、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキルにおいて、ハロゲンは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はフッ素原子であり、C1−6アルキルは炭素数1−6の直鎖状又は分枝鎖状のアルキルであり、具体的には上述したメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシルが挙げられる。ハロゲンで置換された場合のC1−6アルキルとしては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、3−フルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられ、R、R10において好ましくは、3−フルオロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2−2ジフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピルである。
一般式(I)において、C3−8シクロアルキルとは、炭素数3−8のシクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられ、R、R10において好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
一般式(I)において、C4−8シクロアルキルとは、炭素数4−8のシクロアルキルであり、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられ、Rにおいて好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
一般式(I)において、C2−8アルケニルとは、炭素数2−8の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニルであり、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニル、1−オクテニル、2−オクテニル、3−オクテニル、4−オクテニル、5−オクテニル、6−オクテニル、7−オクテニルなどが挙げられ、RおよびR10において好ましくは、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニルである。
一般式(I)において、C2−6アルケニルとは、炭素数2−6の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニルであり、例えばビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ、Rにおいて好ましくは、3−ブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニルである。
一般式(I)において、アリールとしては、例えばフェニル、ナフチルなどが挙げられ、R、R、R10、R12、R13およびR15において好ましくは、フェニルである。
一般式(I)において、芳香族複素環としては、R、R10およびR15において好ましくは、酸素原子、窒素原子およびイオウ原子からなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1つ含有する単環式複素環および縮合複素環が挙げられる。本発明における縮合複素環は2環系であり、両環にヘテロ原子を有する場合も包含する。好ましい単環式複素環としては、5又は6員環が挙げられる。好ましい縮合複素環を構成する複素環としては5又は6員環の複素環が挙げられ、好ましい縮合複素環を構成するヘテロ原子を有さない環としては5又は6員環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えばフリル、チエニル、ピリジル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル又はピラジニルなどの単環式複素環;インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、フロ[2,3−b]ピリジル、チエノ[2,3−b]ピリジル、ナフチリジニル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジルなどの縮合複素環が挙げられ、好ましくはフリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリルである。
一般式(I)において、C3−8シクロアルキルC1−3アルキルとしては、そのシクロアルキル部が炭素数3−8であり、そのアルキル部が炭素1−3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルエチル、シクロヘプチルエチル、シクロオクチルエチル、シクロプロピルプロピル、シクロブチルプロピル、シクロペンチルプロピル、シクロヘキシルプロピル、シクロヘプチルプロピル、シクロオクチルプロピル、1−メチルシクロペンチル−1−イル、1−メチルシクロヘキシル−1−イルなどが挙げられ、R、R10において好ましくは、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、1−メチルシクロペンチル−1−イル、1−メチルシクロヘキシル−1−イル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルである。
一般式(I)において、C1−4アルコキシC1−6アルキルとは、炭素数1−4のアルコキシ基が、炭素数1−6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基に結合した基であり、例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、プロピルオキシメチル、イソプロピルオキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロピルオキシエチル、ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、プロピルオキシプロピル、ブトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシブチル、プロピルオキシブチル、ブトキシブチル、メトキシペンチル、エトキシペンチル、プロピルオキシペンチル、ブトキシペンチル、メトキシヘキシル、エトキシヘキシル、プロピルオキシヘキシル、ブトキシヘキシルなどが挙げられ、R10において好ましくは、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロピルオキシメチル、イソプロピルオキシメチル、エトキシエチルである。
一般式(I)において、置換されていてもよいアリールC1−3アルキルとしては、Rにおいて少なくとも1つの炭素数1−3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルで置換されたアリールであり、アリール部が例えばフェニル、ナフチルなどであり、アルキル部が炭素数1−3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルが挙げられる。上記の置換基で置換されていない場合、たとえば、ベンジル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2−フェニルエチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、3−フェニルプロピル、3−(1−ナフチル)プロピル、3−(2−ナフチル)プロピル、1−フェニルエチル、2−フェニルプロピル、1−(1−ナフチル)エチル、1−(2−ナフチル)エチル、1−(1−ナフチル)プロピル、1−(2−ナフチル)プロピル、2−(1−ナフチル)プロピル、2−(2−ナフチル)プロピルなどが挙げられ、好ましくは、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルである。該置換基としては、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、ニトロ、アミノなどが挙げられる。置換数は1又は2が好ましい。
一般式(I)において、C1−4アルキルチオC1−6アルキルとしては、そのアルキルチオ部のアルキル部が炭素数1−4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、アルキル部が炭素数1−6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルであり、例えば、メチルチオメチル、メチルチオエチル、メチルチオプロピル、メチルチオブチル、メチルチオペンチル、メチルチオヘキシル、エチルチオメチル、エチルチオエチル、エチルチオプロピル、エチルチオブチル、エチルチオペンチル、エチルチオヘキシル、プロピルチオメチル、プロピルチオエチル、プロピルチオプロピル、プロピルチオブチル、プロピルチオペンチル、プロピルチオヘキシル、イソプロピルチオメチル、ブチルチオメチル、ブチルチオエチル、ブチルチオプロピル、ブチルチオブチル、ブチルチオペンチル、ブチルチオヘキシルなどが挙げられ、R、R10において好ましくは、メチルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオメチル、エチルチオエチル、イソプロピルチオメチル、メチルチオプロピルである。
一般式(I)において、(RN−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示す)で置換されたC1−6アルキルとしては、炭素数1−6のアルキルであるアルキル部が、上記(RN−にて置換されたものである。R10においてこのような(RN−で置換されたC1−6アルキルとしては、例えば、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、アミノプロピル、ジメチルアミノプロピル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、エチルアミノエチルなどが挙げられ、アミノメチル、メチルアミノメチル、ジメチルアミノメチル、アミノエチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、アミノプロピル、ジメチルアミノプロピルが好ましい。
一般式(I)において、Rは、好ましくは水素原子である。
一般式(I)において、好ましいRとしては、−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは水素原子を示し、RはC1−8アルキル又はC2−8アルケニルを示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)、C2−6アルケニルが挙げられる。
一般式(I)において、Y−(CH)n−O−がテトラヒドロイソキノリン骨格の7位に結合することが好ましい。また、Y−(CH)n−O−において、nが2である場合が好ましい。Yとしては、式

(式中、各記号の定義は上記と同意義である)
で表される基が好ましい。より好ましいYとしては、上記式中、
(1)Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、かつ
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキル、C2−8アルケニル又はアリールを示す)である場合、
(2)Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、かつ
はR13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zはイオウ原子を示す)である場合、
(3)Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、かつRはC5−8アルキル又はC4−8シクロアルキルを示す場合、および
(4)Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、かつ
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは水素原子を示し、R10はC3−8シクロアルキルを示す)である場合が挙げられる。
さらにより好ましいYとしては、上記式中、
(5)RはC1−4アルキルを示し、RはR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキルを示す)を示し、かつXは酸素原子を示す場合、
(6)RはC1−4アルキルを示し、RはR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは水素原子を示し、R10はアリールを示す)を示し、かつXは酸素原子を示す場合が挙げられる。
一般式(I)において、YにおけるXは、酸素原子が好ましい。
一般式(I)において、特に好ましいYとしては、以下の(a)〜(n)から選ばれるいずれかが挙げられる。



尚、一般式(I)で表される化合物は、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン環の3位の炭素が不斉炭素であるため立体異性体が存在する。最も好ましい立体配置は

(式中、R、R、Yおよびnは前記と同意義である)である。
さらに、一般式(I)中、Rが−CO−C(R)=C(R)−R(式中、RおよびRは前記と同意義である)、RがR10−C(R)=C(R)−(式中、RおよびR10は前記と同意義である)又はYがR15−C(R14)=N−O−(式中、R14およびR15は前記と同意義である)の場合、二重結合部又はオキシム部において立体異性体(Z体およびE体)が存在するが、両異性体とも本発明に包含される。
本発明の化合物は、医薬上許容される塩を形成していてもよい。複素環化合物(I)は、自体既知の方法によって、その医薬上許容される塩にすることができる。
本発明の化合物が、塩基性の基を有する場合は酸付加塩を形成することができるが、かかる酸付加塩を形成するための酸としては、塩基性部分と塩を形成し得、かつ医薬上許容される酸であれば特に制限はない。かかる酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。
また、本発明の化合物がカルボキシル基などの酸性の基を有する場合は、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、有機塩基塩(例えば、tert−ブチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ピリジン塩など)などを形成することができる。
本発明の化合物又はその医薬上許容される塩を含有してなる医薬組成物には、添加剤などを配合することができる。添加剤としては、例えば賦形剤(例えば、デンプン、乳糖、砂糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロースなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、崩壊剤(例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルクなど)などが挙げられる。
上記諸成分を混合した後、混合物を自体公知の手段に従い、例えばカプセル剤、錠剤、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップなどの経口投与用、又は注射剤、座剤などの非経口投与用の製剤とすることができる。
本発明の化合物又はその医薬上許容される塩の投与量は、投与対象、症状、その他の要因によって異なるが、例えば糖尿病、糖尿病合併症又は高脂血症の患者に対して、成人に経口投与する場合、1回量1−500mg程度を1日1−3回程度与える。
本発明の化合物およびその医薬上許容される塩は、哺乳動物(ヒト、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスターなど)に対して、優れた血糖低下作用、血中脂質低下作用、インスリン抵抗性改善作用およびPPAR活性化作用を示し、抗高血糖剤、抗高脂血症剤、インスリン抵抗性改善剤、糖尿病治療剤、糖尿病合併症治療剤、耐糖能不全改善剤、抗動脈硬化症剤、抗肥満症剤、抗炎症剤、PPAR媒介疾患の予防・治療剤、PTP媒介疾患の予防・治療剤およびX症候群の予防・治療剤として有用である。即ち、本発明の化合物およびその医薬上許容される塩は、糖尿病、糖尿病の合併症、高脂血症、動脈硬化症、高血糖症、インスリン抵抗性耐糖能不全に起因する疾病、インスリン抵抗性に起因する疾病、肥満症、炎症、PPAR媒介疾患、PTP媒介疾患およびX症候群の予防および治療に有用である。
【実施例】
次に実施例および参考例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中で用いたロシグリタゾンは、市販されているPPARγ活性化剤であり、米国特許第5,002,953号公報に記載された化合物であり、該公報の方法に従って製造することができる。
【実施例1】
PTP−1B阻害活性の測定
(1)PTP−1B酵素の調製
ヒトPTP−1BのcDNAのヌクレオチド配列は配列表の配列番号1に記載されている。また、遺伝子データベースであるGenBankに登録番号NM 002827で登録されており、アミノ酸配列は配列表の配列番号2に記載されている。このうち活性領域を含む第1番目から第321アミノ酸までをコードする蛋白質を取得するために、ヒト肝ガン由来細胞株HepG2から総RNA(total RNA)を抽出し、これを鋳型として逆転写ポリメラーゼチェインリアクション(reverse transcript polymerase chain reaction,RT−PCR)法によって相補DNA(cDNA)を取得し、これを大腸菌発現ベクターに組み込み、大腸菌によって発現させ、精製した。詳細を以下に示す。
(1−1)細胞株HepG2からの総RNA取得
大日本製薬株式会社から、細胞株HepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションHB−8065)を購入し、培養面積75平方センチメートルの組織培養フラスコ(BD バイオサイエンセズ社製)に培養した。培地として、ダルベッコ改変イーグル培地(Gibco D−MEM、インビトロジェン株式会社製)に、ウシ胎児血清(ハイクロン社製)を体積比10%、抗生物質溶液[Antibiotic Antimycotic Solution,stabilized(100x),シグマ社製]を体積比1%、それぞれ添加したものを用いた。
炭酸ガスインキュベーター内で37℃、95%炭酸ガス下で3日間培養し、おおよそ半コンフルエントの状態に生育したところで、フラスコ内の培地を吸引して除き、氷冷しておいたリン酸緩衝生理食塩水(Gibco Dulbecco’s Phosphate−Buffered Saline,インビトロジェン社製)を10ml添加して細胞を洗浄したのち同食塩水を吸引して除いた。その後フラスコ内の細胞に、7.5mlのトリゾール試薬(Gibco TRIZOL reagent,インビトロジェン社製)を添加しピペッテイングを繰り返し、さらに室温で5分間ほど放置して、細胞を溶解させた。
この細胞溶解液を、トリゾール試薬の説明書に概ね従いながら、イソプロピルアルコール沈殿などを行い、RNAの沈殿を得て、これを純水に溶解させ、約マイナス20℃の冷凍庫に保存した。このときのRNA溶液は0.22mlあり、一部を取って純水で100倍希釈した試料の260nmにおける吸光度は0.562であった。吸光度1のとき39.5μg/mlのRNAが存在するとして計算し、総RNAの収量は、0.562×100×39.5×0.22=488μgとした。
(1−2)PTP−1BのcDNAクローニング
Puius,YAらの方法(プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ザ・ユー・エス・エー、第94巻、13420−13425、1997年)を参考に、PTP−1B cDNAのPCRによる増幅用プライマーとして、以下の2つのオリゴデオキシヌクレオチドを、アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社(東京)に委託して化学合成した。

次に、先に得たHepG2総RNAを鋳型とし、上記のプライマーNo.1およびプライマーNo.2をプライマーとして、Ready−To−Go RT−PCR Beads(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社)を用いたRT−PCR法によって、PTP−1BのcDNA増幅を行った。反応生成物を1.5%アガロース電気泳動にかけ、増幅した断片を切り出して精製し、pCR2.1ベクタープラスミド(インビトロジェン株式会社製)にクローニングした。増幅されたDNA断片は、配列表の配列番号1のヌクレオチド番号73からヌクレオチド番号1035までのヌクレオチド配列を含んでいる。
pCR2.1ベクタープラスミドにクローニングされたPTP−1BのcDNAの塩基配列を調べ、正しい塩基配列断片を有したプラスミドクローンの中で、pCR2.1が元来持つBamHI切断サイトが3’以降に位置する向きにPTP−1B相補DNAが挿入されていたクローンを選択し、これを制限酵素NdeIおよびBamHIで処理することで、PTP−1BのcDNAを含む断片を生成させた。これをアガロース電気泳動で精製し、同じくNdeIおよびBamHIで処理し精製しておいた大腸菌発現ベクターpET−11c(Novagen,Inc.製)に挿入しクローニングした。以上により、ヒトPTP−1Bの配列表の配列番号2のアミノ酸番号1からアミノ酸番号321までからなるポリペプチドを大腸菌において発現するプラスミドである、pET−hPTP1B(1−321)を構築した。
(1−3)ヒトPTP−1B(1−321)の大腸菌による発現と精製
プラスミドpET−hPTP1B(1−321)を大腸菌BL21 DE3株(Novagen,Inc.製)に形質転換し、アンピシリン(100μg/ml)耐性菌を取得した。アンピシリン(100μg/ml)を含む2xYT培地(イーストエキス1%、トリプトン1.6%、塩化ナトリウム0.5%)2リットルを用い、37℃で培養し、OD600nmが0.6に達したときに、IPTG(Isopropyl β−D−Thiogalactoside)を0.1mMとなるよう添加して、さらに37℃で6時間培養することにより、組換え蛋白の発現を誘導した。
菌体を遠心分離(6,000rpm、15分間、4℃)で集めた後、30mlの溶解バッファー[20mMTrisHCl(pH7.5)、1mM DTT、1mM EDTA、Complete protease inhibitor cocktail(Roche Diagnostics社製、1錠/50ml)]に懸濁した。懸濁液を4等分して4本の50ml容遠心チューブ(Falcon社製2070チューブ)に入れ、5,000rpm、4℃で15分間遠心分離し、上澄を捨て、それぞれ5mlの溶解バッファーを加え、菌体を懸濁させた。これをマイナス80℃冷凍庫に保存した。
凍結保存していた菌体懸濁液チューブの1本(培養液500ml分)に、22mlの溶解バッファーを加え、超音波により菌体を破砕した。破砕液を遠心分離(14,000rpm、90分間、4℃)し、上清を0.45μmのフィルターでろ過した。ろ液をHiTrap Q FFカラム(カラム容積約5ml、アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社)に吸着させ、緩衝液A[10mMTrisHCl(pH7.5)、1mM DTT、1mM EDTA]で洗浄後、緩衝液Aおよび1M NaClを含む緩衝液Aを用いた直線的NaCl濃度勾配で溶出した。
計算上のNaCl濃度がおよそ0.2Mから0.33Mに相当する溶出液画分に、SDS−PAGEで分子量約37,000の蛋白のバンドが確認され、PTP−1B酵素活性が認められた。この活性画分(12.5ml)を集め、緩衝液B[10mMMES(pH6.5)、1mM DTT、1mM EDTA]に対して一夜透析した後、HiTrap CM FFカラム(カラム容積約1ml、アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社)に吸着させ、緩衝液Bで洗浄後、緩衝液Bおよび1M NaClを含む緩衝液Bを用いた直線的NaCl濃度勾配で溶出した。
計算上のNaCl濃度がおよそ0.25Mから0.4Mに相当する溶出液画分に、SDS−PAGEで分子量約37,000の蛋白のバンドが確認され、PTP−1B酵素活性が認められた。この活性画分(3ml)を集め、HiLoad 26/60 Superdex 75pgカラム(カラム容積約320ml、アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社)にかけ、緩衝液C[10mM Tris−HCl(pH7.5)、3mM DTT、0.2mM EDTA]を用いてゲルろ過した。溶出液の蛋白質ピーク部分(18ml)を集め、Centriprep−10(ミリポア社)を用いて遠心濃縮した。
得られたPTP−1Bタンパク質[PTP−1B(1−321)]の溶液は約0.7ml、濃度25mg/ml、収量は18mgであった。Micromass社製の質量分析器Q−TOF2を用いた質量分析において、理論質量37312.75Daに対し観察質量37310.5±4.3Daであった。
(2)PTP−1B酵素阻害活性の測定
PTP−1B酵素反応の基質として、3箇所のチロシンがすべてリン酸化されている、以下のアミノ酸配列からなる合成ペプチド:

((株)島津総合科学研究所(東京都千代田区)に委託合成)を使用した。[このアミノ酸配列は、Ullrichらの報告(ネイチャー、第313巻、756−761頁、1985年)に基づくアミノ酸番号によれば、インスリン受容体の第1142番から第1153番に相当する配列であり、Genbank No.X02160に登録されているインスリン受容体前駆体のアミノ酸配列においては、第1169番から第1180番に相当する。]
この基質ペプチドとPTP−1B酵素を反応させ、反応によって基質から遊離した無機リン酸を定量することによって、酵素活性の測定を行った。酵素反応中に被験化合物を共存させた際の酵素活性の低下を、酵素阻害活性とした。具体的には、以下の方法で行った。
基質ペプチド((株)島津総合科学研究所に委託合成)を、20mMイミダゾール(pH7.0)、50mM NaCl、5mM DTT、2.5mM EDTAからなる緩衝液に、300μMになるよう溶解し、冷凍保存した。
先に得たPTP−1B溶液を、200ng/mlとなるように、20mMイミダゾール(pH7.0)、50mM NaCl、5mM DTT、2.5mM EDTA、0.05% Nonidet P−40からなる緩衝液で希釈した。
96穴ミクロタイタープレート[Costar 3695(ハーフエリア)、コーニング社]を用い、各穴に緩衝液[20mMイミダゾール(pH7.0)、50mM NaCl、5mM DTT、2.5mM EDTA](39μl)、PTP−1B酵素溶液(5μl)、及び被験化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(5mM、1μl)を添加した。対照には、溶媒(DMSO、1μl)を被験化合物のDMSO溶液のかわりに添加した。37℃で約10分間プレインキュベートした後、基質ペプチド溶液(300μM、5μl)を添加して、10分間37℃でインキュベートした。
その後、遊離した無機リン酸の量を定量するため、各穴にマラカイトグリーン溶液(90μl、BIOMOL Research Laboratories,Inc.製)を添加し、室温で約10分間放置した後、ミクロプレートリーダーで650nmにおける吸光度を測定した。この条件下では、吸光度が概ね0.05から0.6の範囲(リン酸約0.05から1.0nM/穴)で吸光度とリン酸濃度との間にほぼ直線性が認められた。
被験化合物のPTP−1B阻害活性は、以下の計算式によって求めた。
阻害活性(%)
={{吸光度[各化合物(100μM)存在下]}/[吸光度(対照)]}×100
得られた結果を表1に示す。


表1から、一般式(I)で表される化合物は優れたPTP−1B酵素阻害活性を有することがわかる。一方、既知のPPARγ活性化剤であるロシグリタゾンは、ほとんどPTP−1B酵素阻害活性が無いことがわかる。
【実施例2】
PPARγ活性化能の測定
化合物がPPARγを活性化させる能力(以下、PPARγ活性化能)を測定する方法として、Kliewerらの報告(Journal of Biological Chemistry,1995.vol.270(22),p.12953−12956)を参考にして、レポーターアッセイ法による試験を行った。詳細を以下に示す。
(1)PPARγ受容体発現プラスミドの作成
Kliewerらの報告を参考に、酵母転写因子GAL4のDNA結合領域(アミノ末端部位147アミノ酸が相当する)にヒトPPARγのリガンド結合領域(カルボキシ末端約300アミノ酸が相当する)を結合させた、GAL4−PPARγ受容体を発現する遺伝子を作成した。
ヒトPPARγ遺伝子の塩基配列は、遺伝子データベースGenBankにAccession番号X90563で記載されており、アミノ酸配列は配列表の配列番号6に記載されている。
(1−1)細胞株HepG2からの総RNAの取得
前記PTP−1B阻害活性の測定、(1−1)細胞株HepG2からの総RNAの取得に記載の方法と同様にして、大日本製薬株式会社より購入したヒト肝癌由来細胞株HepG2(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションHB−8065)を培養して、トリゾール試薬(Gibco Trizol Reagent、インビトロジェン社製)を用いて、添付の説明書に従い、総RNAを抽出した。
(1−2)PPARγリガンド結合領域のcDNAのクローニング
PPARγリガンド結合領域のcDNAの逆転写ポリメラーゼチェインリアクション法(reverse transcript polymerase chain reaction,以下RT−PCR)による増幅用プライマーとして、ヒトPPARγの遺伝子配列を元に設計した、以下に示す2つのデオキシオリゴヌクレオチド(プライマーNo.3およびプライマーNo.4)を、Beckman Oligo 1000(Beckman社製)を使用して化学合成した。

先に得たHepG2総RNAを鋳型とし、上記のプライマーNo.3およびNo.4をプライマーとして、Ready−To−Go RT−PCR Beads(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会社製)を用いたRT−PCR法によって、PPARγのcDNAの増幅を行った。反応生成物を1.5%アガロース電気泳動にかけ、増幅した約900塩基対のバンドを切り出して精製し、プラスミドpCRII(インビトロジェン社製)にクローニングした。増幅されたDNA断片は、ヒトPPARγのリガンド結合領域すなわち第175番から第475番までをコードする配列を含み、かつ5’側および3’側にそれぞれ制限酵素BamHI切断サイトおよび制限酵素HindIIIサイトが付加された、配列表の配列番号9に示したヌクレオチド配列を有していると考えられ、ヌクレオチド配列を確認して、配列番号9に示した配列を正しく含むプラスミドクローンを選択した。
(1−3)プラスミドpM−PPARγの取得
次に、選択したプラスミドを制限酵素BamHI及びHindIIIで処理し、PPARγリガンド結合領域の遺伝子を含む約900塩基対断片を得た。これを、酵母転写因子GAL4のDNA結合領域の遺伝子を有しているプラスミドpM(クローンテック社(CLONTECH Laboratories,Inc.)製)の、BamHI−HindIIIサイトに挿入してクローニングした。
以上の操作によって得られたプラスミドpM−PPARγは、その中に配列表の配列番号10に示したヌクレオチド配列を含んでおり、アミノ末端部に酵母転写因子GAL4のアミノ酸番号1番から147番までを含み、かつカルボキシ末端部にヒトPPARγの第175番から475番および終始コドンを含む、配列表の配列番号11に示したアミノ酸配列を持つ、GAL4−PPARγキメラ受容体を、哺乳細胞において発現し得る遺伝子である。
(2)PPARγ活性化能の測定
先に取得したプラスミドpM−PPARγ、およびストラタジーン・クローニング・システムズ(STRATAGENE CLONING SYSTEMS)社から購入したプラスミドpFR−Lucについて、それぞれ1mlあたり1mgの濃度となるよう脱塩水に溶解した。
ヒト胎児腎由来細胞株HEK293(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションCRL−1573)を75平方センチメートル培養フラスコに播き、10%のウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(以下、培地)を用いて、おおよそ80%コンフルエントになるまで、37℃、5%炭酸ガスの条件下で培養した。
フラスコ当り7.5μgのプラスミドpM−PPARγと7.5μgのプラスミドpFR−Lucを用いて、FuGENE6トランスフェクション試薬(ロシュ・ダイアグノスティクス社製)を使用して、HEK293細胞へのトランスフェクションを行い、一夜培養した。
翌日、細胞をトリプシン処置して回収した。ポリ−L−リジンでコートされた96穴プレート(IWAKI poly−L−lisine coated 96 well plate、旭テクノグラス社製)を用意し、1穴当り細胞を約50,000個、90μlの用量で培地を用いて播き、一夜培養した。
被験化合物は10mM濃度でDMSOに溶解した。これを、培地を用いて1,000倍に希釈し、その10μlを、細胞の成育している穴に添加した。細胞への処理濃度は1μM濃度となる。添加後、一夜培養した。
翌日、培地を除き、1mM濃度の塩化マグネシウムと1mM濃度の塩化カルシウムを含むリン酸緩衝生理食塩水で細胞を洗浄した後、和光純薬工業株式会社製のPicaGene LT FRを同食塩水で二倍に希釈した液を、各穴に200μlずつ添加した。約1時間放置した後、攪拌し、各穴から180μlをとって白色96穴プレート(OptiPlate 96、パッカード社製)に移し、TopCount(パッカード社製)にかけ、各穴の発光量を6秒間測定した。
被験化合物のPPARγ活性化能は、以下の計算式によって求めた。
PPARγ活性化能
={発光量[各化合物(1μM濃度)存在下]}/[発光量(対照)]
上式で算出された値が、1より大きい場合、被験化合物がPPARγ活性化能を有すると判断できる。
得られた結果を表2に示す。、


表2から、ロシグリダゾンおよび一般式(I)で表される化合物は、いずれもPPARγ活性化能を有することがわかる。
【実施例3】
PTP−1B阻害作用及びPPARγ活性化作用を有する化合物A(2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸tert−ブチルアミン塩:参考例番号30)による浮腫等の発現抑制作用
試験には雄性Zucker Fatty rat(6週齢、日本SLC)を用いた。1週間の馴化期間および試験期間中、餌(FR−2(船橋農場))および水は自由摂取とした。
ヘパリンコートされたヘマトクリット管およびEDTA添加したヘマトクリット管で尾静脈より採血し、一部を全血のまま保存し、残りは遠心分離後血漿を採取し生化学パラメーター(インスリン)の測定に供した。インスリンの測定はrat Insulin RIA kit(米国Linco社)を用い、投与終了後にすべてのサンプルをまとめて測定した。全血サンプルは自動血球測定装置(KX−21N、シスメックス)を用いて血球パラメーター(赤血球濃度、ヘモグロビン濃度)の測定に供した。
試験開始にあたりすべてのラットから採血し、パラメーター(体重、赤血球、ヘモグロビンなど)がなるべく等しくなるように無作為に群分けをおこなった。動物は、対照群、化合物A(0.3,1,3,10,30mg/kg,po,once−daily)投与群、ロシグリタゾン(0.3,1,3,10,30mg/kg,po,once−daily)投与群に分けられ2週間連投(各群n=5)をおこなった。投与開始日を0日目とし、13日目の夕方から約16時間絶食させた後、採血をおこない各パラメーターを測定した。
結果を図1〜図3に示す。
図1〜図3は、それぞれ
図1:縦軸にヘモグロビン濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフである。
図2:縦軸に血中インスリン濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフである。
図3:縦軸に赤血球濃度を、横軸に被験化合物の投与量をとってプロットしたグラフである。
図1、図2及び図3からわかるように、化合物A投与群は30mg/kgにおいて、市販されているPPARγ活性化剤であるロシグリタゾン投与群と同等のインスリン低下作用を示している。つまり、化合物Aはロシグリタゾンと同用量において同程度かそれ以上の薬効を有しているといえる。次に、化合物A投与群のヘモグロビン及び赤血球の結果をみてみると、30mg/kgにおいてヘモグロビン及び赤血球の濃度は対照群に比べると多少減少しているものの、ロシグリタゾン投与群に比べると顕著に高い濃度を維持している。つまり、ロシグリタゾンのようなPPARγ活性化剤によって通常生じると考えられる血液希釈(ヘモグロビン及び赤血球の濃度の低下)が、化合物A投与群においては顕著に抑えられていることがわかる。血液の希釈は血漿量の増加によるものであり、長期的な余分な体液(血漿、胸水など)の増加は浮腫、心臓重量の増加、心肥大、胸水貯留等の副作用の原因となることが知られている。
以上より、化合物Aは一般的なPPARγ活性化剤と同等またはそれ以上の薬効を有しているにもかかわらず、PPARγ活性化剤特有の副作用(特に血液希釈)がほとんど生じないことがわかる。
PPARγ活性化作用が強いにもかかわらずPPARγ活性化剤に特有の副作用が生じない理由としては、本発明の化合物がPPARγ活性化作用及びPTP阻害作用を併せ持っていることが挙げられ、PTP−1Bを阻害することにより生じるインスリン抵抗性改善作用が付加されることにより、PPARγ活性化に由来する副作用を減弱させる効果があると考えられる。
ゆえに、PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物は、非常に安全性の高い優れた糖尿病薬として有用である。
参考例
〔参考例1〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸ナトリウム塩
(1)2−(2−ヘプテノイル)−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル500mgおよび2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エチルメタンスルホン酸エステル650mgをトルエン15mlに溶解し、炭酸カリウム650mgおよびテトラエチルアンモニウムフルオリドハイドレート100mgを加え、80℃で10時間撹拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、水30ml、飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル620mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(6H,br−t),1.15−1.75(6H,m),2.00−2.45(4H,m),2.27(3H,s),2.87(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.30(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.8Hz),4.50−5.70(3H,m),6.18(1H,d,J=15.8Hz),6.35−7.20(5H,m),7.04(1H,d,J=8.2Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物200mgをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液5mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液1.2mlを加え、50℃で30分間撹拌した。10%クエン酸水にて酸性とし、溶液を減圧下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル20mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水10mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸170mgを得た。これをメタノール2mlに溶解後、0.586M水酸化ナトリウムメタノール溶液0.62mlを加え、減圧下メタノールを留去した。得られた残渣を水1mlに溶解後、凍結乾燥し、表題化合物170mgを得た。
IR ν(KBr)cm−1;1653,1595,1506.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);0.89(6H,br−t),1.10−1.75(6H,m),1.90−2.20(4H,m),2.25(3H,s),2.79(2H,br−t),3.00−3.30(2H,br),4.07(2H,br−t),4.20−5.15(3H,m),6.19(1H,d,J=16.7Hz),6.30−6.80(5H,m),6.96(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例2〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
(1)2−tert−ブトキシカルボニル−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル0.5gおよび2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エチルメタンスルホン酸エステル0.67gをトルエン5mlに溶解し、炭酸カリウム0.68gおよびテトラエチルアンモニウムフルオリドハイドレート0.12gを加え、80℃で18時間撹拌した。反応液に酢酸エチル26mlを加え、水20ml、飽和食塩水20mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−tert−ブトキシカルボニル−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル0.57gを得た。
IR ν(neat)cm−1;1746,1698,1615,1533,1505.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.89(3H,t,J=7.0Hz),1.20−1.80(11H,m),2.00−2.40(2H,m),2.28(3H,s),2.89(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.20(2H,m),3.61(3H,s),4.15(2H,t,J=6.8Hz),4.40−4.90(2H,m),5.00−5.20(1H,m),6.18(1H,d,J=16.1Hz),6.73(1H,dt,J=16.1,6.8Hz),6.50−6.80(2H,m),7.01(1H,d,J=8.4Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物0.55gをギ酸3mlに溶解し、氷冷下8.78M塩化水素2−プロパノール溶液0.39mlを加え、室温で30分間撹拌した。反応液に酢酸エチル20mlを加え、飽和重曹水で中和後、二層を分離した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水10mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ぺンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル0.39gを得た。
IR ν(neat)cm−1;1743,1505.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(3H,t,J=7.0Hz),1.20−1.70(2H,m),2.00−2.40(3H,m),2.27(3H,s),2.50−3.20(2H,m),2.86(2H,t,J=6.7Hz),3.60−3.90(1H,m),3.76(3H,s),4.05(2H,s),4.14(2H,t,J=6.7Hz),6.17(1H,d,J=16.0Hz),6.40−6.80(1H,m),6.54(1H,d,J=2.6Hz),6.69(1H,dd,J=8.3,2.6Hz),6.99(1H,d,J=8.3Hz).
(3)上記(2)で得られた化合物0.36gを塩化メチレン5mlに溶解し、ソルビン酸クロリド0.13gおよびトリエチルアミン0.17mlを加え、室温で30分間撹拌した。酢酸エチル30mlを加え、10%クエン酸水15ml、飽和食塩水15mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル0.4gを得た。
IR ν(neat)cm−1;1740,1655,1628,1605,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(3H,t,J=6.8Hz),1.20−1.70(2H,m),1.85(3H,d,J=5.0Hz),2.00−2.40(2H,m),2.04(3H,s),2.87(2H,t,J=6.7Hz),3.00−3.25(2H,m),3.59(3H,s),4.15(2H,t,J=6.7Hz),4.50−5.65(3H,m),6.00−6.90(7H,m),7.03(1H,d,J=8.2Hz),7.15−7.55(1H,m).
(4)上記(3)で得られた化合物0.37gをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液9.4mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液2.35mlを加え、50℃で30分間撹拌した。10%クエン酸水にて酸性とし、溶液を減庄下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル50mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物0.28gを得た。
IR ν(nujol)cm−1;1728,1651,1616,1531,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.92(3H,t,J=6.8Hz),1.20−1.75(2H,m),1.84(3H,d,J=4.8Hz),2.14(2H,m),2.22(3H,s),2.65(2H,br−t),2.80−3.50(2H,m),3.95(2H,br−t),4.60−5.10(3H,m),5.40−5.65(1H,m),6.00−6.80(5H,m),7.02(1H,d,J=8.4Hz),7.15−7.55(1H,m),9.80−10.50(1H,br).
〔参考例3〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
参考例2(2)で得られた化合物210mgを塩化メチレン2.1mlに溶解し、2−ヘプテン酸105mgおよび1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩160mgを加え、室温で1時間撹拌した。酢酸エチル30mlを加え、10%クエン酸水15ml、飽和食塩水15mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル200mgを得た。
H−NMRデータは参考例1(1)の化合物と一致した。
参考例1−3に準じて参考例4−15の化合物を合成した。
〔参考例4〕
2−(2−ヘキシノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;2237,1717,1684,1616,1576,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.85−1.20(6H,m),1.25−1.90(4H,m),2.00−2.50(4H,m),2.24(3H,s),2.60−3.50(4H,m),3.80−4.10(2H,m),4.35−5.20(2H,m),5.30−5.65(1H,m),6.18(1H,d,J=16.0Hz),6.45−6.85(3H,m),7.02(1H,d,J=7.9Hz),8.80−9.40(1H,br).
〔参考例5〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−スチリルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1729,1652,1615,1575.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.83(3H,br−d),2.28(3H,s),2.82(2H,br−t),2.90−3.50(2H,m),4.03(2H,br−t),4.60−5.10(3H,m),5.40−5.65(1H,m),6.00−6.80(5H,m),6.84(1H,d,J=16.5Hz),7.04(1H,d,J=8.4Hz),7.15−7.65(7H,m),9.40−10.20(1H,br).
〔参考例6〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−スチリルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1740,1653,1612,1553,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.70−1.00(3H,br),1.10−1.75(4H,m),1.90−2.40(2H,br),2.29(3H,s),2.60−3.40(4H,m),3.75−4.20(2H,m),4.55−5.10(2H,m),5.40−5.70(1H,m),6.33(1H,d,J=15.7Hz),6.55−7.25(5H,m),7.30−7.70(6H,m),8.00−8.80(1H,br).
〔参考例7〕
2−(2−ヘキシノイル)−7−[2−(5−メチル−2−スチリルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;2235,1734,1630,1580,1528,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.96,1.04(3H,t,t,J=6.7Hz),1.35−1.80(2H,m),2.20−2.50(2H,m),2.29(3H,s),2.70−3.50(4H,m),3.80−4.15(2H,m),4.55−5.20(2H,m),5.30−5.60(2H,m),6.45−6.70(2H,m),7.85(1H,d,J=16.5Hz),7.25−7.65(6H,m),7.90−8.60(1H,br).
〔参考例8〕
7−[2−(5−メチル−2−スチリルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−2−ペンタフルオロプロピオニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1732,1680,1647,1614,1578,1531.1506.
H−NMR(CDCl+DMSO−d)δ(ppm);2.34(3H,s),2.91(2H,t,J=6.6Hz),3.10−3.30(2H,m),4.18(2H,t,J=6.6Hz),4.40−5.30(3H,m),6.50−6.90(2H,m),6.84(1H,d,J=16.5Hz),6.90−7.25(2H,m),7.30−7.60(5H,m).
〔参考例9〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(5−メチル−2−スチリルチアゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1732,1657,1614,1585,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−1.05(3H,br),1.10−1.75(4H,br),2.00−2.50(4H,m),2.38(3H,s),2.70−3.40(4H,m),3.90−4.30(2H,m),4.50−5.10(2H,m),5.35−5.70(1H,m),6.10−7.70(13H,m).
〔参考例10〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(1,3−ペンタジエン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1730,1648,1616,1456,1377,990.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);1.83(6H,br−s),2.27(3H,s),2.6−3.4(4H,m),4.12(2H,br−t),4.2−5.0(2H,m),5.18(1H,br−t),5.9−7.4(11H,m).
〔参考例11〕
2−(2,4−へキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−ペンチルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1728,1653,1616,1574,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.87(3H,t,J=5.9Hz),1.10−1.40(4H,m),1.45−1.80(2H,m),1.84(3H,d,J=4.6Hz),2.20(3H,s),2.65(2H,t,J=8.1Hz),2.73(2H,br−t),3.93(2H,br−t),4.40−5.10(3H,m),5.45−5.70(1H,m),6.10−6.80(5H,m),7.03(1H,d,J=8.6Hz),7.10−7.50(1H,m),9.10−10.00(1H,br).
〔参考例12〕
7−[2−(2−シクロペンチル−5−メチルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1733,1652,1615,1568.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.0−2.0(11H;m),2.20(3H,s),2.77(2H,t,J=6.0Hz),2.8−3.4(3H,m),3.93(2H,t,J=6.4Hz),4.6−5.0(2H,m),5.54(1H,br−t),6.0−6.8(5H,m),7.02(1H,d,J=8.4Hz),7.1−7.6(1H,m),8.8−9.6(1H,br).
〔参考例13〕
7−[2−(2−シクロヘキシル−5−メチルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1733,1652,1616,1456,1377,1260,999.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);1.0−2.0(13H,m),2.20(3H,s),2.77(2H,t,J=6.4Hz),2.8−3.4(3H,m),4.09(2H,t,J=6.4Hz),4.2−5.0(2H,m),5.17(1H,br−t),5.9−7.3(7H,m).
〔参考例14〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(1−フェニルエチリデンアミノキシ)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1732,1716,1651,1574,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−1.05(3H,m),−1.10−1.70(4H,m),2.00−2.40(2H,m),2.21(3H,s),2.80−3.30(2H,m),4.10−4.30(2H,m),4.40−5.10(4H,m),5.30−5.60(1H,m),6.15−7.15(6H,m),7.25−7.50(3H,m),7.60−7.80(2H,m).
〔参考例15〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−[2−(4−メチル−2−フェニルスルファニルチアゾール−5−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1726,1612,1582,1502.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);0.70−1.10(3H,m),1.20−1.70(4H,m),2.00−2.30(2H,m),2.29(3H,s),2.90−3.60(5H,m),4.04(2H,t,J=5.9Hz),4.35−4.95(2H,m),5.00−5.30(1H,m),6.35−6.90(4H,m),7.09(1H,d,J=7.9Hz),7.35−7.70(5H,m).
〔参考例16〕
7−[2−(2−ベンゾイルアミノチアゾール−5−イル)エトキシ]−2−(2−ヘプテノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
(1)2−(2−アミノチアゾール−5−イル)エチルメタンスルホン酸エステル2.43gおよび2−tert−ブトキシカルボニル−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル2.17gをN,N−ジメチルホルムアミド50mlに溶解し、炭酸セシウム5.20gを加え、55℃で15時間撹拌した。反応液に水200mlを加え、酢酸エチル100mlで3回抽出した。酢酸エチル層を水100mlで2回、次いで飽和食塩水100mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2−アミノチアゾール−5−イル)エトキシ−2−tert−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル2.20gを得た。
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.46,1.51(9H,s,s),2.80−3.30(4H,m),3.61(3H,s),4.07(2H,t,J=6.3Hz),4.30−4.90(4H,m),4.95−5.25(1H,m),6.55−6.90(3H,m),7.03(1H,d,j=8.4Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物500mgをN,N−ジメチルホルムアミド5.0mlに溶解し、トリエチルアミン0.25mlおよびベンゾイルクロリド0.16mlを加え、55℃で15時間撹拌した。反応液に水20mlを加え、酢酸エチル10mlで3回抽出した。酢酸エチル層を水20mlで2回、次いで飽和食塩水20mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2−ベンゾイルアミノチアゾール−5−イル)エトキシ−2−tert−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル535mgを得た。
IR ν(nujol)cm−1;1746,1684,1605,1582,1555,1535,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.46,1.51(9H,s,s),2.90−3.30(5H,m),3.61(3H,s),4.11(2H,t,J=6.1Hz),4.20−4.90(2H,m),4.95−5.25(1H,m),6.55−6.90(3H,m),7.04(1H,d,J=7.9Hz),7.30−7.70(3H,m),7.90−8.20(2H,m).
(3)上記(2)で得られた化合物535mgをギ酸2.0mlに溶解し、氷冷下8.78M塩化水素2−プロパノール溶液0.30mlを加え、同温で15分間撹拌した。反応液を飽和重曹水で中和後、クロロホルム30mlで抽出した。乾燥(NaSOによる)後、減圧下クロロホルムを留去し、Z−(2−ベンゾイルアミノチアゾール−5−イル)エトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル401mgを得た。
IR ν(nujol)cm−1;3161,1744,1659,1603,1582,1558,1535,1501.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);2.90−3.10(2H,m),3.19(2H,t,J=6.1Hz),3.60−3.80(1H,m),3.77(3H,s),4.00−4.30(4H,m),6.58(1H,d,J=2.2Hz),6.74(1H,dd,J=2.2,8.4Hz),6.95−7.10(2H,m),7.30−7.60(3H,m),7.85−8.10(2H,m).
(4)上記(3)で得られた化合物400mgを塩化メチレン5.0mlに溶解し、氷冷下、2−ヘプテン酸0.19mlおよび1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩265mgを加え、室温で1時間撹拌した。10%クエン酸水10ml次いで飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下塩化メチレンを留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−(2−ベンゾイルアミノチアゾール−5−イル)エトキシ−2−(2−ヘプテノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル495mgを得た。
IR ν(neat)cm−1;3165,1740,1661,1616,1558,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.80−1.10(3H,m),1.20−1.70(4H,m),2.00−2.50(2H,m),3.00−3.45(4H,m),3.60(3H,s),4.12(2H,t,J=5.9Hz),4.50−5.00(2H,m),5.40−5.60(1H,m),6.35(1H,d,J=15.1Hz),6.65−7.20(4H,m),7.35−7.70(3H,m),7.80−8.15(2H,m).
(5)上記(4)で得られた化合物490mgをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液20mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液3.0mlを加え、50℃で30分間撹拌した。10%クエン酸水で酸性とし、減圧下で溶媒を留去した。析出した結晶をろ取し、表題化合物342mgを得た。
IR ν(nujol)cm−1;1734,1655,1603,1560,1541,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.80−1.10(3H,m),1.20−1.70(4H,m),2.00−2.50(2H,m),2.80−3.40(4H,m),3.80−4.20(2H,m),4.50−5.05(2H,m),5.50−5.80(1H,m),6.05−7.20(6H,m),7.30−7.70(3H,m),7.80−8.15(2H,m),9.60−11.20(1H,br).
参考例16に準じて参考例17の化合物を合成した。
〔参考例17〕
7−[2−(2−ブチリルアミノチアゾール−5−イル)エトキシ]−2−(2−ヘプテノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;3172,1734,1692,1655,1612,1562,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,t,J=7.0Hz),1.10−1.90(6H,m),2.10−2.60(2H,m),2.80−3.50(4H,m),3.80−4.30(2H,m),4.40−5.10(2H,m),5.55−5.80(1H,m),6.10−7.30(6H,m),9.60−11.20(2H,br).
〔参考例18〕
7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
(1)2−tert−ブトキシカルボニル−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル1.0gおよび2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エチルメタンスルホン酸エステル1.4gをトルエン30mlに溶解し、炭酸カリウム1.35gおよびテトラエチルアンモニウムフルオリドハイドレート0.2gを加え、80℃で13時間撹拌した。反応液に酢酸エチル50mlを加え、水50ml、飽和食塩水30mlで順次洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−tert−ブトキシカルボニル−7−[2−(5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル1.6gを得た。
IR ν(neat)cm−1;2957,2928,2872,1746,1701,1614,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.3Hz),1.46,1.50(9H,s,s),1.50−2.00(1H,m),2.11(2H,t,J=6.8Hz),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.00−3.25(2H,m),3.61(3H,s),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.45−5.25(3H,m),6.15(1H,d,J=15.8Hz),6.45−6.80(3H,m),7.01(1H,d,J=8.8Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物1.6gをギ酸8mlに溶解し、氷冷下8.78M塩化水素2−プロパノール溶液1.1mlを加え、室温で15分撹拌した。反応液に酢酸エチル、水各50mlを加え、重曹で中和後、二層を分離した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、表題化合物1.17gを得た。
IR ν(neat)cm−1;3344,2955,2926,2870,1738,1661,1641,1612,1533,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.3Hz),1.50−1.95(1H,m),2.11(2H,t,J=6.6Hz),2.12(1H,br−s),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.10(2H,m),3.55−3.90(1H,m),3.77(3H,s),4.06(2H,s),4.14(2H,t,J=6.8Hz),6.16(1H,d,J=15.8Hz),6.40−6.80(3H,m),7.00(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例19〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
(1)参考例18で得られた化合物1.15gを塩化メチレン20mlに溶解し、ソルビン酸クロリド0.45gおよびトリエチルアミン0.6mlを加え、室温で15分撹拌した。塩化メチレン30mlを加え、水、飽和食塩水各30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下塩化メチレンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル1.36gを得た。
IR ν(neat)cm−1;1740,1655,1628,1533,1508.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.4Hz),1.50−1.95(4H,m),2.11(2H,t,J=7.0Hz),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.00−3.30(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.50−5.15(2H,m),5.40−5.70(1H,m),6.00−6.90(7H,m),7.04(1H,d,J=8.2Hz),7.15−7.55(1H,m).
(2)上記(1)で得られた化合物1.36gをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液16mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液8.3mlを加え、室温で30分間撹拌した。10%クエン酸水にて酸性とし、溶液を減圧下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル50mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)した。減圧下酢酸エチルを留去し、表題化合物1.26gを得た。
IR ν(neat)cm−1;2959,2930,2872,1738,1651,1620,1583,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.92(6H,d,J=6.4Hz),1.45−2.00(1H,m),1.84(3H,d,J=4.9Hz),2.09(2H,t,J=7.0Hz),2.23(3H,s),2.78(2H,t,J=6.4Hz),2.95−3.40(2H,m),4.00(2H,t,J=6.4Hz),4.30−5.65(3H,m),5.95−7.55(9H,m).
〔参考例20〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)―カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
参考例19で得られた化合物1.25gをメタノール7.0mlに溶解し、tert−ブチルアミン0.55mlを滴下後、ジイソプロピルエーテル70mlを加え、室温にて30分撹拌した。析出晶をろ取し、表題化合物1.15gを得た。
IR ν(neat)cm−1;2741,2633,2544,1653,1628,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.6Hz),0.99(9H,s),1.60−2.00(4H,m),2.10(2H,t,J=6.8Hz),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.40(2H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.30−5.25(3H,m),6.00−7.50(12H,m).
〔参考例21〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
(1)2−tert−ブトキシカルボニル−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル2.93gおよび2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エチルメタンスルホン酸エステル4.29gをトルエン90mlに溶解し,炭酸カリウム3.95gおよびテトラエチルアンモニウムフルオリドハイドレート0.75gを加え、90℃で16時間撹拌した。反応液に酢酸エチル30mlを加え、水50ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−tert−ブトキシカルボニル−7−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル3.9gを得た。
IR ν(neat)cm−1;2955,2970,1742,1699,1614,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.20−2.00(17H,m),2.27(3H,s),2.34−2.74(1H,m),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.99−3.20(2H,m),3.61(3H,s),4.12(2H,t,J=6.6Hz),4.24−5.20(3H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.61(1H,dd,J=16.1,7.5Hz),6.53−6.80(2H,m),7.01(1H,d,J=8.3Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物3.89gをギ酸9.7mlに溶解し、氷冷下10M塩化水素2−プロパノール溶液2.28mlを加え、室温で35分撹拌した。氷冷下反応液をジイソプロピルエーテル−n−ヘキサン(1:1)の混液200mlに注加し、生成する油状物をデカンテーションにて分離した。得られた油状物を酢酸エチル100mlに溶解し、水100mlを加え、重曹で中和後、二層を分離した。酢酸エチル層を水、飽和食塩水各50mlで順次洗浄し、乾燥(NaSOによる)した。減圧下酢酸エチルを留去し、表題化合物3.07gを得た。
IR ν(neat)cm−1;3344,2951,2870,2777,2740,1659,1643,1612,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.20−1.97(8H,m),1.99(1H,s),2.27(3H,s),2.30−2.77(1H,m),2.86(2H,t,J=6.7Hz),2.80−3.10(2H,m),3.60−3.83(1H,m),3.76(3H,s),3.95−4.34(4H,m),6.15(1H,d,J=16.0Hz),6.41−6.80(3H,m),6.99(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例22〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
(1)参考例21で得られた化合物3.05gを塩化メチレン30mlに溶解し、氷冷下ソルビン酸クロリド1.12gおよびトリエチルアミン1.35mlを加え、同温で20分撹拌した。10%クエン酸水、飽和食塩水各20mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下塩化メチレンを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル2.49gを得た。
IR ν(neat)cm−1;3464,2953,2870,1740,1657,1628,1605,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.20−1.97(8H,m),1.85(3H,d,J=4.8Hz),2.27(3H,s),2.40−2.75(1H,m),2.86(2H,t,J=6.5Hz),3.00−3.22(2H,m),3.59(3H,s),4.14(2H,t,J=6.5Hz),4.36−5.00(2H,m),5.40−5.60(1H,m),6.07−6.80(5H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.61(1H,dd,J=16.1,7.2Hz),7.03(1H,d,J=8.4Hz),7.13−7.50(1H,m).
(2)上記(1)で得られた化合物2.48gをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液60mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液14.7mlを加え、室温で50分間撹拌した。6M塩酸にて酸性とし、溶液を減圧下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル30mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水30mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をメタノール2.4mlに溶解し、tert−ブチルアミン1.0mlを滴下後、ジイソプロピルエーテル30mlを加え、氷冷下1時間20分撹拌した。析出晶をろ取し、表題化合物2.41gを得た。
IR ν(nujol)cm−1;2731,2631,2544,1653,1626,1553,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.20−2.05(11H,m),2.27(3H,s),2.38−2.73(1H,m),2.85(2H,t,J=6.5Hz),2.90−3.40(2H,m),4.10(2H,t,J=6.5Hz),4.26−5.20(3H,m),5.86−7.38(12H,m).
〔参考例23〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(nujol)cm−1;2955,2928,2872,1740,1661,1622,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−2.15(3H,m),0.94(6H,d,J=6.4Hz),1.20−2.00(5H,m),2.20−2.45(2H,m),2.11(2H,t,J=6.6Hz),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.325(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.8Hz),4.40−5.60(3H,m),6.16(1H,d,J=16.0Hz),6.35−7.20(6H,m).
〔参考例24〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;1661,1616,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−2.20(3H,m),0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.02(9H,s),1.20−1.60(4H,m),1.60−1.95(1H,m),1.95−2.30(2H,m),2.10(2H,t,J=6.6Hz),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.40(2H,m),4.10(2H,t,J=6.8Hz),4.40−5.20(3H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.10−7.20(9H,m).
〔参考例25〕
7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3346,2955,2928,2872,1742,1661,1612,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.72−1.06(3H,m),1.06−1.65(4H,m),1.96−2.40(3H,m),2.27(3H,s),2.80−3.02(2H,m),2.86(2H,t,J=6.7Hz),3.57−3.74(1H,m),3.76(3H,s),3.91−4.10(2H,m),4.14(2H,t,J=6.7Hz),6.16(1H,d,J=16.0Hz),6.39−6.79(3H,m),6.99(1H,d,J=7.5Hz).
〔参考例26〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3468,3020,2957,2930,2872,1740,1657,1629,1605,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−1.07(3H,m),1.20−1.60(4H,m),1.85(3H,d,J=5.0Hz),2.08−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.00−3.25(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.35−5.10(2H,m),5.52(1H,br−t),5.96−6.84(7H,m),7.01(1H,d,J=8.4Hz),7.15−7.50(1H,m).
〔参考例27〕
2―(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3400,2745,2637,2548,2220,1651,1626,1556,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−1.16(3H,m),0.98(9H,s),1.20−1.60(4H,m),1.70−2.00(3H,m),2.07−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.86(2H,t,J=6.5Hz),2.88−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.5Hz),4.25−5.20(3H,m),5.90−7.40(12H,m).
〔参考例28〕
7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3346,2953,2926,2870,2849,1742,1641,1612,1533,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.90(6H,d,J=6.1Hz),1.15−1.73(3H,m),1.86(1H,br−s),2.04−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.90−3.06(2H,m),3.55−3.75(1H,m),3.77(3H,s),3.90−4.10(2H,m),4.22(2H,t,J=6.6Hz),6.17(1H,d,J=16.0Hz),6.39−6.81(3H,m),6.99(1H,d,J=8.3Hz).
〔参考例29〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3462,2955,2928,2870,1740,1653,1630,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.90(6H,d,J=6.2Hz),1.14−1.72(3H,m),1.86(3H,d,J=5.0Hz),2.05−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.00−3.25(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.39−5.20(2H,m),5.42−5.65(1H,m),6.00−6.87(7H,m),7.04(1H,d,J=8.1Hz),7.18−7.51(1H,m).
〔参考例30〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3400,2735,2635,2550,1657,1634,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.90(6H,d,J=6.3Hz),0.97(9H,s),1.20−1.70(3H,m),1.70−1.98(3H,m),2.06−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.86(2H,t,J=6.4Hz),2.90−3.25(2H,m),4.10(2H,t,J=6.4Hz),4.25−5.20(3H,m),5.72−7.38(12H,m).
〔参考例31〕
7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3344,2957,2930,2872,1742,1647,1612,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(3H,t,J=7.2Hz),1.20−1.72(2H,m),2.02(3H,s),2.03−2.30(3H,m),2.27(3H,s),2.88(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.10(2H,m),3.60−3.80(1H,m),3.76(3H,s),4.05(2H,s),4.14(2H,t,J=6.8Hz),6.30−6.80(3H,m),6.99(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例32〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3462,2957,2930,2872,1740,1655,1628,1612,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(3H,t,J=7.0Hz),1.20−1.75(2H,m),1.86(3H,d,J=5.0Hz),2.00−2.30(2H,m),2.04(3H,s),2.28(3H,s),2.89(2H,t,J=6.5Hz),3.02−3.25(2H,m),3.60(3H,s),4.15(2H,t,J=6.5Hz),4.36−5.00(2H,m),5.50(1H,br−t),5.92−6.85(6H,m),7.03(1H,d,J=8.1Hz),7.15−7.53(1H,m).
〔参考例33〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2748,2637,2544,2220,1651,1624,1600,1553.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.80−1.08(3H,m),0.97(9H,s),1.11−1.70(2H,m),1.70−1.93(3H,m),1.93−2.35(2H,m),2.01(3H,s),2.27(3H,s),2.87(2H,t,J=6.7Hz),2.90−3.40(2H,m),4.10(2H,t,J=6.7Hz),4.24−5.20(3H,m),5.92−7.38(11H,m).
〔参考例34〕
7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;2956,2932,2875,1739,1646,1611,1582,1533,1505.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.06(3H,t,J=7.5Hz),2.01(3H,s),2.10−2.45(3H,m),2.27(3H,s),2.70−3.20(4H,m),3.55−3.90(1H,m),3.76(3H,s),4.05(2H,s),4.14(2H,t,J=6.8Hz),6.25−6.85(3H,m),6.99(1H,d,J=8.6Hz).
〔参考例35〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;2961,2933,2875,1739,1652,1627,1606,1534,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.06(3H,t,J=7.5Hz),1.85(3H,d,J=5.0Hz),2.01(3H,s),2.05−2.45(2H,m),2.28(3H,s),2.89(2H,t,J=6.4Hz),3.00−3.40(2H,m),4.15(2H,t,J=6.4Hz),4.30−5.65(3H,m),7.03(1H,d,J=8.4Hz),5.90−7.60(7H,m).
〔参考例36〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2733,2635,2550,1657,1634,1611,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.05(3H,t,J=7.5Hz),1.65−1.95(3H,m),2.01(3H,s),2.05−2.45(2H,m),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.7Hz),2.90−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.7Hz),4.25−5.20(3H,m),5.90−8.30(12H,m).
〔参考例37〕
7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;2725,2509,1917,1732,1682,1614,1589,1531.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(3H,t,J=7.1Hz),1.20−1.70(2H,m),2.00−2.38(2H,m),2.23(3H,s),2.59−2.87(2H,m),2.91−3.52(2H,m),3.64−4.00(2H,m),4.21−5.03(2H,m),5.03−5.47(1H,m),6.18(1H,d,J=16.3Hz),6.42−6.85(3H,m),7.05(1H,d,J=8.4Hz),7.14−7.68(1H,br).
〔参考例38〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;2926,2851,1740,1641,1612,1582,1533,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.80−2.45(11H,m),2.27(3H,s),2.70−3.20(2H,m),2.86(2H,t,J=7.0Hz),3.55−3.85(1H,m),3.76(3H,s),4.04(2H,s),4.14(2H,t,J=6.8Hz),6.12(1H,d,J=16.0Hz),6.40−6.80(3H,m),6.99(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例39〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(nujol)cm−1;1745,1614,1531,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.85−2.45(14H,m),2.27(3H,s),2.87(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.35(2H,m),3.59(3H,s),4.15(2H,t,J=6.8Hz),4.30−5.65(3H,m),6.00−7.55(7H,m),6.50(1H,d,J=6.4Hz),7.03(1H,d,J=8.4Hz).
〔参考例40〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2739,2635,2548,1655,1630,1560,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.98(9H,s),1.00−2.40(14H,m),2.27(3H,s),2.85(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.30(2H,m),4.10(2H,t,J=6.8Hz),4.20−5.20(3H,m),5.80−7.45(12H,m).
〔参考例41〕
2−シンナモイル−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1728,1647,1612,1578,1533,1506.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.20−1.70(2H,m),1.95−2.25(2H,m),2.26(3H,s),2.65−2.95(2H,m),2.95−3.15(2H,m),3.60−5.80(1H,br),3.95−4.35(2H,m),4.40−5.60(3H,m),6.19(1H,d,J=16.5Hz),6.33−6.90(3H,m),7.11(1H,d,J=8.4Hz),7.30−7.95(7H,m).
〔参考例42〕
7−{2−[2−(3−エチル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2735,2633,2544,1653,1624,1599,1551,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.87(6H,t,J=7.2Hz),0.96(9H,s),1.20−1.63(4H,m),1.63−2.10(4H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.40−5.30(3H,m),5.80−7.60(12H,m).
〔参考例43〕
7−{2−[2−(3,3−ジメチル−trans−1−ブテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3568,2745,2637,2216,1653,1553.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.97(18H,s),1.60−2.00(3H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.5Hz),2.90−3.35(2H,m),4.11(2H,t,J=6.5Hz),4.28−5.20(3H,m),5.90−7.48(12H,m).
〔参考例44〕
7−{2−[2−(3,3−ジメチル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3400,2745,2635,2544,2220,1651,1622,1553.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.82(3H,t,J=7.3Hz),0.98(9H,s),1.05(6H,s),1.41(2H,q,J=7.3Hz),1.63−1.94(3H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.37(2H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.23−5.20(3H,m),6.09(1H,d,J=16.3Hz),6.00−7.39(11H,m).
〔参考例45〕
7−{2−[2−(4,4−ジメチル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2733,2635,2550,1657,1634,1611,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(9H,s),1.01(9H,s),1.65−1.95(3H,m),2.09(2H,d,J=7.5Hz),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.90−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20(3H,m),5.90−7.35(12H,m).
〔参考例46〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(3−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2741,2633,2544,1651,1622,1553,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.01(9H,s),1.08(6H,d,J=6.7Hz),1.65−1.95(3H,m),2.28(3H,s),2.35−2.70(1H,m),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.85−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20(3H,m),5.85−8.00(12H,m).
〔参考例47〕
2−(5−メチル−2−ヘキセノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4―イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3398,2741,2635,2548,1661,1614,1553.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.70−1.14(18H,m),1.14−2.20(7H,m),2.27(3H,s),2.85(2H,br−t),2.90−3.40(2H,m),4.10(2H,br−t),4.40−5.20(3H,m),5.80−7.10(10H,m).
〔参考例48〕
2−(4,4−ジメチル−2−ペンテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2741,2633,1622,1556,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(3H,t,J=7.5Hz),1.05(9H,s),1.10(9H,s),1.20−1.70(2H,m),2.05−2.45(2H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.3Hz),2.95−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.3Hz),4.30−5.20(3H,m),5.00−6.00(3H,br),6.00−7.20(7H,m).
〔参考例49〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(trans−2−チオフェン−2−イルビニル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3420,2737,2633,2548,1651,1622,1558,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.97(9H,s),1.83(3H,br−d),2.31(3H,s),2.89(2H,t,J=6.3Hz),2.90−3.23(2H,m),4.13(2H,t,J=6.3Hz),4.30−5.20(3H,m),6.00−6.78(10H,m),6.85−7.37(2H,m),7.49(1H,d,J=16.4Hz).
〔参考例50〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−フェニルスルファニルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;2571,1732,1657,1614,1583,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.91(3H,br−t),1.10−1.70(4H,m),2.82(2H,t,J=6.8Hz),1.90−2.40(2H,m),2.22(3H,s),2.95−3.40(2H,m),4.07(2H,t,J=6.8Hz),4.20−5.65(3H,m),6.32(1H,d,J=16.2Hz),6.50−6.85(4H,m),7.04(1H,d,J=7.7Hz),7.20−7.65(5H,m).
〔参考例51〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ペンテン−1−イル)−5−プロピルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2731,2633,2546,1630,1553,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.91(6H,t,J=7.0Hz),0.96(9H,s),1.25−2.00(7H,m),2.20(2H,q,J=7.0Hz),2.60(2H,t,J=7.0Hz),2.87(2H,t,J=6.6Hz),2.90−3.30(2H,m),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20(3H,m),5.80−7.40(12H,m).
〔参考例52〕
2−(2,2−ジフルオロブチリル)−7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2745,2638,2552,1661,1614,1564,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−2.20(6H,m),1.25−1.70(2H,m),1.85−2.45(4H,m),0.93(9H,s),1.26−2.70(11H,m),2.27(3H,s),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.95−3.25(2H,m),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.30−5.15(3H,m),6.17(1H,d,J=16.3Hz),6.35−7.50(7H,m).
〔参考例53〕
2−(4,4−ジフルオロペンタノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3398,2745,2637,2550,1645,1556.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(3H,t,J=7.5Hz),0.99(3H,s),1.26−2.70(11H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,br−t),3.00−3.41(2H,m),4.11(2H,br−t),4.36−4.70(2H,m),4.80−5.10(1H,m),5.57−6.14(3H,br),6.16(1H,d,J=16.3Hz),6.41−6.80(3H,m),6.83−7.08(1H,m).
〔参考例54〕
7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(3,3,3−トリフルオロプロピオニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;2723,2621,1732,1661,1614,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.95(3H,t,J=7.5Hz),1.20−1.75(2H,m),2.23(2H,t,J=6.8Hz),2.34(3H,s),2.94(2H,br−t),3.00−3.60(4H,m),4.09(2H,br−t),4.30−5.50(3H,m),6.36(1H,d,J=16.0Hz),7.04(1H,d,J=7.7Hz),6.50−6.95(3H,m),8.93(1H,br−s).
〔参考例55〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(2−メチルスルファニルエチル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2745,2637,2548,1651,1624,1601,1553,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.97(9H,s),1.65−2.00(3H,m),2.11(3H,s),2.25(3H,s),2.70−5.40(6H,m),2.85(2H,t,J=6.8Hz),4.10(2H,t,J=6.8Hz),4.25−5.20(3H,m),5.80−7.40(12H,m).
〔参考例56〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−(2−{5−メチル−2−[2−trans−(1−メチルシクロヘキサン−1−イル)ビニル]オキサゾール−4−イル}エトキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2739,2631,2548,1651,1622,1599,1585,1547,1508.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.97(9H,s),1.05(3H,s),1.15−2.00(13H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.6Hz),2.90−3.40(2H,m),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20.(3H,m),5.85−7.50(12H,m).
〔参考例57〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−(2−{5−メチル−2−[2−trans−(1−メチルシクロペンタン−1−イル)ビニル]オキサゾール−4−イル}エトキシ)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2739,2633,2544,1634,1549,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.14(3H,s),1.30−2.05(11H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.402H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.25−5.20(3H,m),5.80−7.45(12H,m).
〔参考例58〕
7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(4−ペンテニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
(1)7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル1.0gをN,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解し、トリエチルアミン1.4mlおよび5−ブロモ−1−ペンテン1.2mlを加え、室温にて40時間撹拌後、トリエチルアミン1.05mlおよび5−ブロモ−1−ペンテン0.89mlを加え、さらに26時間撹拌した。酢酸エチル20mlを加え、水50mlにて2回、10%クエン酸水次いで飽和食塩水各々10mlにて洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(4−ペンテニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステルの油状物0.89gを得た。
IR ν(neat)cm−1;3449,2953,2928,2870,1738,1641,1614,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.3Hz),1.40−1.90(3H,m),1.90−2.33(4H,m),2.27(3H,s),2.50−3.17(6H,m),3.65(3H,s),3.70−4.25(5H,m),4.80−5.13(2H,m),5.45−6.00(1H,m),6.16(1H,d,J=16.0Hz),6.36−6.79(3H,m),6.97(1H,d,J=8.4Hz).
(2)上記(1)で得られた化合物0.8gをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液23mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液5.66mlを加え、室温で40分間撹拌した。10%クエン酸水にて酸性とし、溶液を減圧下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル20mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水20mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)した。減圧下酢酸エチルを留去し、残渣にn−ヘキサンを加え、析出晶をろ取し、表題化合物0.74gを得た。
IR ν(nujol)cm−1;3400,3057,2725,2664,2565,2494,1626,1551,1508.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.48−2.30(7H,m),2.28(3H,s),2.60−3.33(6H,m),3.72(1H,br−t),3.82−4.46(4H,m),4.80−5.20(2H,m),5.42−5.97(1H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.40−6.90(3H,m),7.08(1H,d,J=8.4Hz),8.55−9.05(1H,br).
〔参考例59〕
2−ベンジル−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
(1)2−ベンジル−7−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル483mgおよび2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エチルメタンスルホン酸エステル700mgをトルエン15mlに溶解し、炭酸カリウム674mgおよびテトラエチルアンモニウムフルオリドハイドレート100mgを加え、90℃で18時間撹拌した。反応液に酢酸エチル10mlを加え、水20ml、飽和食塩水20mlで順次洗浄、乾燥(NaSOによる)後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、2−ベンジル−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル560mgを得た。
IR ν(neat)cm−1;3443,3027,2953,2926,2871,2841,1739,1613,1534,1505.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.48−2.00(1H,m),2.10(2H,t,J=6.8Hz),2.26(3H,s),2.84(2H,t,J=6.8Hz),3.08(2H,d,J=4.6Hz),3.66(3H,s),3.70−4.30(5H,m),3.90(2H,s),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.38−6.78(3H,m),6.98(1H,d,J=8.2Hz),7.16−7.50(5H,m).
(2)上記(1)で得られた(1)の化合物570mgをテトラヒドロフラン−メタノール(3:1)の混液14mlに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液3.5mlを加え、40℃で1.5時間撹拌した。6M塩酸にて酸性とし、溶液を減圧下濃縮した。析出するガム状物を酢酸エチル15mlで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水10mlで洗浄、乾燥(NaSOによる)した。減圧下酢酸エチルを留去した。得られた残渣にn−ヘキサンを加え、氷冷下30分撹拌後、析出晶をろ取し、表題化合物445mgを得た。
IR ν(nujol)cm−1;3385,3047,1718,1636,1585,1549,1533,1501.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.46−1.99(1H,m),2.10(2H,t,J=6.7Hz),2.27(3H,s),2.85(2H,t,J=6.8Hz),3.19(2H,d,J=6.1Hz),3.63−4.40(5H,m),4.03(2H,s),6.15(1H,d,J=15.8Hz),6.36−6.85(3H,m),7.06(1H,d,J=8.6Hz),7.20−7.60(5H,m),9.37(1H,br−s).
〔参考例60〕
2−ベンジル−7−{2−[2−(3,3−ジメチル−trans−1−ブテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;3420,1680,1614,1506.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);1.07(9H,s),2.23(3H,s),2.77(2H,t,J=6.3Hz),2.80−3.10(2H,m),3.20−4.60(8H,m),6.07(1H,d,J=16.5Hz),6.59(1H,d,J=16.5Hz),6.40−6.80(2H,m),7.01(1H,J=8.4Hz),7.32(5H,br−s).
〔参考例61〕
2−(2,2−ジメチルプロピル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3398,2746,2637,2554,1641,1612,1543.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.87(9H,s),0.93(6H,d,J=6.6Hz),1.02(9H,s),1.48−2.00(1H,m),2.11(2H,t,J=6.8Hz),2.28(3H,s),2.48(2H,d,J=7.9Hz),2.60−3.20(2H,m),2.86(2H,t,J=6.8Hz),3.30−3.53(1H,m),4.00(2H,dd,J=16.6Hz,52.7Hz),4.11(2H,t,J=6.8Hz),6.16(1H,d,J=16.0Hz),6.37−7.00(6H,m),6.90(1H,d,J=8.1Hz).
〔参考例62〕
7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1697,1610,1529,1508.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);0.89(3H,t,J=7.3Hz),1.20−1.70(2H,m),1.95−2.25(2H,m),2.25(3H,s),2.00−4.40(1H,br),2.79(2H,m),2.95−3.15(2H,m),3.30−4.40(7H,m),6.19(1H,d,J=16.5Hz),6.33−6.90(3H,m),7.02(1H,d,J=8.1Hz).
〔参考例63〕
7−{2−[5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;1616,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(3H,t,J=6.8Hz),1.30−1.75(2H,m),2.10−2.70(4H,m),2.27,(3H,s),2.75−3.40(6H,m),3.60−4.20(5H,m),5.80−8.00(1H,br),6.10−6.80(4H,m),7.02(1H,d,J=8.1Hz).
〔参考例64〕
2−(3−ブテニル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸
IR ν(nujol)cm−1;3385,3080,2725,2583,1717,1614,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.48−1.99(1H,m),2.11(2H,t,J=6.7Hz),2.28(3H,s),2.35−2.62(2H,m),2.70−3.35(6H,m),3.76(1H,br−t),3.85−4.46(4H,m),4.90−5.25(2H,m),5.45−5.98(1H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.40−6.86(3H,m),7.08(1H,d,J=8.2Hz),8.60−9.00(1H,br).
〔参考例65〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(3−メトキシ−trans−1−プロペン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2737,1652,1624,1599,1555,1587,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.00(9H,s),1.85−2.00(3H,m),2.29(3H,s),2.87(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.25(2H,m),3.38(3H,s),3.95−4.20(2H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.30−5.20(3H,m),5.90−8.40(12H,m).
〔参考例66〕
7−{2−[2−(5−フルオロ−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2735,2631,2544,2432,2365,2212,1651,1624,1599,1553,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.50−2.16(5H,m),2.15−2.55(2H,m),2.28(3H,s),2.80−3.40(2H,m),2.86(2H,t,J=6.6Hz),4.11(2H,t,J=6.6Hz),4.47(2H,dt,J=47.0.5.7Hz),4.50−5.20(3H,m),5.80−6.80(9H,m),6.85−7.25(2H,m).
〔参考例67〕
7−[2−(2−シクロペンチリデンメチル−5−メチルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2737,2631,2544,1653,1624,1587,1553,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.96(9H,s),1.50−2.65(7H,m),2.28(3H,s),2.25−2.55(2H,m),2.55−3.30(4H,m),2.87(2H,t,J=6.8Hz),4.12(2H,t,J=6.8Hz),4.25−5.20(3H,m),5.80−7.40(11H,m).
〔参考例68〕
7−[2−(2−シクロヘキシリデンメチル−5−メチルオキサゾール−4−イル)エトキシ]−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2739,2631,2542,1653,1624,1549,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.01(9H,s),1.40−2.00(9H,m),2.10−2.40(2H,m),2.27(3H,s)2.65−3.40(6H,m),2.86(2H,t,J=6.6Hz),4.12(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20(3H,m),5.80−7.40(11H,m),5.93(1H,s).
〔参考例69〕
2−シクロペンチリデンアセチル−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2745,2638,2554,1655,1556,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.8Hz),0.97(9H,s),1.43−2.00(5H,m),2.11(2H,t,J=6.7Hz),2.28(3H,s),2.30−2.8(4H,m),2.86(2H,t,J=6.8Hz),2.90−3.40(2H,m),4.11(2H,t,J=6.8Hz),4.20−5.20(3H,m),5.93−6.28(1H,m),6.40−6.80(3H,m),6.80−7.20(4H,m).
〔参考例70〕
2−シクロヘキシリデンアセチル−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2743,2637,2554,2216,1636,1556,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.02(9H,s),1.33−1.80(7H,m),2.00−2.50(6H,m),2.28(3H,s),2.86(2H,t,J=6.7Hz),2.95−3.42(2H,m),4.11(2H,t,J=6.7Hz),4.27−5.20(3H,m),5.64(1H,d,J=7.7Hz),6.16(1H,d,J=14.8Hz),6.40−6.80(3H,m),6.80−7.30(4H,m).
〔参考例71〕
7−{2−[2−(5−tert−ブチルスルファニル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;2928,2864,1740,1638,1612,1578,1533,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.32(9H,s),1.60−2.00(2H,m),1.98(1H,br−s),2.15−2.40(2H,m),2.27(3H,s),2.56(2H,t,J=7.2Hz),2.80−3.05(2H,m),2.86(2H,t,J=6.7Hz),3.55−3.80(1H,m),3.76(3H,s),4.04(2H,br−s),4.16(2H,t,J=6.7Hz),6.17(1H,d,J=16.0Hz),6.40−6.80(3H,m),6.99(1H,d,J=8.3Hz).
〔参考例72〕
7−{2−[2−(5−tert−ブチルスルファニル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;2957,2926,2862,1740,1655,1612,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.32(9H,s),1.60−2.00(5H,m),2.15−2.40(2H,m),2.28(3H,s),2.57(2H,t,J=7.5Hz),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.00−3.25(2H,m),3.59(3H,s),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.35−5.60(3H,m),5.90−6.85(7H,m),7.04(1H,d,J=8.4Hz),7.15−7.50(1H,m).
〔参考例73〕
7−{2−[2−(5−tert−ブチルスルファニル−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;2743,2635,2548,1742,1655,1628,1601,1555,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.00(9H,s),1.32(9H,s),1.60−2.00(5H,m),2.15−2.40(2H,m),2.28(3H,s),2.56(2H,t,J=7.2Hz),2.86(2H,t,J=6.3Hz),2.90−3.35(2H,m),4.11(2H,t,J=6.3Hz),4.30−5.15(3H,m),5.90−7.35(12H,m).
〔参考例74〕
7−{2−[2−(5−ジメチルアミノ−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸メチルエステル
IR ν(neat)cm−1;3404,2949,2860,2818,2770,1743,1655,1626,1603,1533,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.40−1.95(5H,m),2.10−2.40(4H,m),2.23(6H,s),2.28(3H,s),2.87(2H,t,J=6.6Hz),3.05−3.25(2H,m),3.59(3H,m),4.14(2H,t,J=6.6Hz),4.60−5.00(2H,m),5.40−5.70(1H,m),6.00−6.80(7H,m),6.90−7.35(2H,m).
〔参考例75〕
7−{2−[2−(5−ジメチルアミノ−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸 ナトリウム塩
IR ν(nujol)cm−1;3381,2766,2725,1651,1595,1535,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);1.40−1.95(5H,m),2.05−2.60(4H,m),2.25(9H,s),2.65−3.10(4H,m),3.90−4.10(2H,m),4.40−4.80(2H,m),5.05−5.55(1H,m),5.80−6.75(7H,m),6.80−7.25(2H,m).
〔参考例76〕
2−(2−ヘキセノイル)−7−{2−〔5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル〕エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;1661,1616,1558,1506.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.76−2.20(3H,m),0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.02(9H,s),1.20−1.60(2H,m),1.60−1.95(1H,m),1.95−2.30(4H,m),2.10(2H,t,J=6.6Hz),2.27(3H,s),2.86(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.40(2H,m),4.10(2H,t,J=6.8Hz),4.40−5.20(3H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.10−7.20(9H,m).
〔参考例77〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3435,2729,2633,2548,2214,1657,1630,1551,1504.
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.94(6H,d,J=6.6Hz),0.97(9H,s),1.60−1.90(4H,m),2.13(2H,t,J=6.8Hz),2.80−3.20(2H,m),3.03(2H,t,J=6.6Hz),4.15(2H,t,J=6.6Hz),4.25−5.20(3H,m),6.00−7.30(12H,m),7.38(1H,s).
〔参考例78〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.20−2.05(11H,m),2.38−2.73(1H,m),2.90−3.40(2H,m),2.94(2H,t,J=6.5Hz),4.14(2H,t,J=6.5Hz),4.26−5.20(3H,m),5.86−7.38(12H,m),7.50(1H,s).
〔参考例79〕
7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.98(9H,s),1.00−2.40(14H,m),2.90−3.30(2H,m),2.94(2H,t,J=6.8Hz),4.14(2H,t,J=6.8Hz),4.20−5.20(3H,m),5.80−7.47(12H,m),7.49(1H,s).
〔参考例80〕
2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−2.20(3H,m),0.93(6H,d,J=6.4Hz),1.02(9H,s),1.20−1.60(4H,m),1.60−1.95(1H,m),1.95−2.30(2H,m),2.10(2H,t,J=6.6Hz),2.95(2H,t,J=6.8Hz),3.00−3.40(2H,m),4.15(2H,t,J=6.8Hz),4.40−5.20(3H,m),6.15(1H,d,J=16.1Hz),6.10−7.20(9H,m),7.48(1H,s).
〔参考例81〕
2−(2−ヘキセノイル)−7−{2−[2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
IR ν(nujol)cm−1;3435,2729,2633,2548,2214,1661,1622,1553,1504.
H−NMR(DMSO−d)δ(ppm);0.80−1.00(3H,m),0.90(6H,d,J=6.2Hz),1.14(9H,s),1.20−1.90(6H,m),1.95−2.25(2H,m),2.70−3.40(3H,m),4.10−5.20(8H,m),6.10−6.85(6H,m),7.00(1H,d,J=8.4Hz),7.78(1H,s).
〔参考例82〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.75−1.16(3H,m),0.98(9H,s),1.20−1.60(4H,m),1.70−2.00(3H,m),2.07−2.40(2H,m),2.88−3.30(2H,m),2.95(2H,t,J=6.5Hz),4.16(2H,t,J=6.5Hz),4.25−5.20(3H,m),5.90−7.40(12H,m),7.49(1H,s).
〔参考例83〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.80−1.08(3H,m),0.97(9H,s),1.11−1.70(2H,m),1.70−1.93(3H,m),1.93−2.35(2H,m),2.01(3H,s),2.90−3.40(2H,m),2.96(2H,t,J=6.7Hz),4.14(2H,t,J=6.7Hz),4.24−5.20(3H,m),5.92−7.38(11H,m),7.50(1H,s).
〔参考例84〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.99(9H,s),1.05(3H,t,J=7.5Hz),1.65−1.95(3H,m),2.01(3H,s),2.05−2.45(2H,m),2.90−3.30(2H,m),2.96(2H,t,J=6.7Hz),4.15(2H,t,J=6.7Hz),4.25−5.20(3H,m),5.90−8.30(13H,m).
〔参考例85〕
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸−tert−ブチルアミン塩
H−NMR(CDCl)δ(ppm);0.90(6H,d,J=6.3Hz),0.97(9H,s),1.20−1.70(3H,m),1.70−1.98(3H,m)2.06−2.40(2H,m),2.90−3.25(2H,m),2.95(2H,t,J=6.4Hz),4.15(2H,t,J=6.4Hz),4.25−5.20(3H,m),5.72−7.38(12H,m),7.50(1H,s).
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、PPARγ活性化作用及びPTP阻害作用(好適にはPPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用)を有する化合物は、優れた薬効を有し、かつPPARγ活性化作用に起因する副作用(例えば、浮腫、心肥大、体液貯留、胸水貯留等)が抑制されるため、糖尿病の予防剤又は治療剤として有用である。
【配列表フリーテキスト】
配列番号3:PCRセンスプライマー
配列番号4:PCRアンチセンスプライマー
配列番号5:合成ペプチド1(アミノ酸番号、5、9および10のXaaはリン酸化チロシンを示す。)
配列番号7:PCRセンスプライマー
配列番号8:PCRアンチセンスプライマー
配列番号9:合成ヒトPPARγのcDNAのヌクレオチド配列
配列番号10:GAL4キメラPPARγ受容体の遺伝子のヌクレオチド配列
配列番号11:GAL4キメラPPARγ受容体のアミノ酸配列
本出願は、日本で出願された特願2003−152544(出願日:平成15年5月29日)を基礎としており、それらの内容は全て本明細書に包含されるものとする。
【配列表】


























【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項2】
下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPPARγ活性化作用を有する物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項3】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項4】
下記の工程1)乃至4)を含むことからなる、インスリン抵抗性改善剤のスクリーニング方法:
工程1)被験物質の、PTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程;
工程3)上記工程2)によって選択されたPTP−1B阻害作用を有する物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程4)上記工程3)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質を含有する、インスリン抵抗性改善剤。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質を投与することによる、糖尿病の予防又は治療方法。
【請求項7】
インスリン抵抗性改善剤の製造のための、請求項1乃至4のいずれかに記載のスクリーニング方法によって得られた物質の使用。
【請求項8】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項9】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PPARγ活性化作用を有する被験物質のPTP−1B阻害活性を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPTP−1B阻害活性に基づいて、PTP−1B阻害作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項10】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項11】
下記の工程1)及び2)を含むことからなる、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたPPARγ活性化剤を選抜する方法:
工程1)PTP−1B阻害活性を有する被験物質のPPARγ活性化作用を測定する工程;
工程2)上記工程1)によって測定されたPPARγ活性化作用に基づいて、PPARγ活性化作用を有する被験物質を選択する工程。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかに記載の選抜方法によって得られた物質を含有する、PPARγ活性化剤。
【請求項13】
インスリン抵抗性改善剤の製造のための、PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物の使用。
【請求項14】
PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、副作用の発現が抑制されたインスリン抵抗性改善剤。
【請求項15】
PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、浮腫、心肥大、体液貯留又は胸水貯留の発現が抑制されたインスリン抵抗性改善剤。
【請求項16】
PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、PPARγの活性化に起因する副作用の発現が抑制されたPPARγ活性化剤。
【請求項17】
PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有することによりインスリン抵抗性改善作用が増強された化合物を含有する、PTP−1B阻害剤。
【請求項18】
PPARγ活性化作用及びPTP−1B阻害作用を有する化合物を含有する、安全性の高い糖尿病の予防薬又は治療薬。
【請求項19】
下記一般式(I)

{式中、Rは水素原子又はC1−6アルキルを示し、Rは水素原子、
−CO−R(式中、Rはハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルを示す)、
−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)、

(式中、mは2−7の整数を示す。)、アリール、置換されていてもよいアリールC1−3アルキル、ハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−8シクロアルキル、又はC3−8シクロアルキルC1−3アルキルを示し、Yは、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC5−8アルキル、C4−8シクロアルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル、
10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はハロゲンで置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−8アルケニル、アリール、芳香族複素環、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルキルC1−3アルキル、C1−4アルコキシC1−6アルキル、C1−4アルキルチオC1−6アルキル又は(RN−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示す)で置換されたC1−6アルキルを示す)、R12−CO−N(R11)−(式中、R11は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R12はC1−6アルキル又はアリールを示す)、R13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zは酸素原子又はイオウ原子を示す)、又は

(式中、kは2−7の整数を示す。)を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す]又はR15−C(R14)=N−O−(式中、R14は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R15はアリール又は芳香族複素環を示す)を示し、Y−(CH−O−はテトラヒドロイソキノリン骨格の6位又は7位に結合し、nは1−4の整数を示す}で表される複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤。
【請求項20】
一般式(I)において、Rが、水素原子、−CO−R(式中、Rはハロゲンで置換されていてもよいC2−6アルキルを示す)、−COC(R)=C(R)−R(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC1−8アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、−CO−C≡C−R(式中、RはC1−8アルキルを示す)又はアリールである複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19に記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項21】
一般式(I)において、Rが、−CO−C(R)=C(R)−R(式中、Rは水素原子を示し、RはC1−8アルキル又はC2−8アルケニルを示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19又は20に記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項22】
一般式(I)において、Yが、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルを示し、RはC5−8アルキル、C4−8シクロアルキル、R10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキル、C2−8アルケニル、アリール又は芳香族複素環を示す)、R12−CO−N(R11)−(式中、R11は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R12はC1−6アルキル又はアリールを示す)又はR13−Z−(式中、R13はC1−8アルキル又はアリールを示し、Zは酸素原子又はイオウ原子を示す)を示し、Xは酸素原子又はイオウ原子を示す]又はR15−C(R14)=N−O−(式中、R14は水素原子又はC1−4アルキルを示し、R15はアリール又は芳香族複素環を示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至21のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項23】
一般式(I)において、Y−(CH)n−O−が、テトラヒドロイソキノリン骨格の7位に結合し、nが2である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至22のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項24】
一般式(I)において、Yが、

[式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキル、C2−8アルケニル又はアリールを示す)]である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至23のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項25】
一般式(I)において、Yが、

(式中、Rは水素原子又はC1−4アルキルであり、RはC5−8アルキル又はC4−8シクロアルキルを示す)である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至23のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項26】
一般式(I)において、Yが、

[式中、RはC1−4アルキルを示し、
はR10−C(R)=C(R)−(式中、Rは同一又は異なって、水素原子又はC1−4アルキルを示し、R10はC1−6アルキルを示す)を示し、Xは酸素原子を示す]である複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至23のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項27】
一般式(I)において、Yが、下記式(a)〜(n)



から選ばれるいずれかである複素環化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、請求項19乃至21のいずれかに記載のPTP−1B阻害剤。
【請求項28】
2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−[2−(5−メチル−2−(trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル)エトキシ]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘプテノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(trans−1−ヘキセン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(5−メチル−trans−1−ヘキセン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[5−メチル−2−(1−メチル−trans−1−ブテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2−ヘキセノイル)−7−{2−〔5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン―1−イル)オキサゾール−4−イル〕エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(3−ブテニル)−7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[5−メチル−2−(4−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(4−ペンテニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤。
【請求項29】
7−{2−[2−(trans−2−シクロヘキシルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[2−(trans−2−シクロペンチルビニル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、7−{2−[2−(5−フルオロ−trans−1−ペンテン−1−イル)−5−メチルオキサゾール−4−イル]エトキシ}−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸、2−(2,4−ヘキサジエノイル)−7−{2−[2−(1−メチル−trans−1−ペンテン−1−イル)オキサゾール−4−イル]エトキシ}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−(3S)−カルボン酸又はその医薬上許容される塩を含有する、PTP−1B阻害剤。

【国際公開番号】WO2004/106542
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【発行日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−506580(P2005−506580)
【国際出願番号】PCT/JP2004/007787
【国際出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【出願人】(000001856)三共株式会社 (98)
【出願人】(000161965)京都薬品工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】