説明

インビボ撮像装置から受信した画像を表示する装置およびその方法

【課題】 インビボ撮像装置から受信した画像を表示する装置およびその方法を提供する。
【解決手段】 インビボ撮像装置の撮像装置によって取得された患者の胃腸管、または他の身体の管腔または体腔の画像を表示する装置およびその方法。表示ボタンを操作することにより、白色光照明を用いて取得された画像を狭帯域照明を用いて取得された画像と比較する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インビボ撮像装置から受信した画像を表示することに関する。特に、本発明は、単一の表示画面に二つ以上のこのような画像を並べて表示することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば摂取可能な撮像カプセルなど、患者の胃腸(GI)管または他の身体の管腔を診断するためのインビボ検出器が、画像データを外部データレコーダに無線で送信してもよい。データレコーダはストラップまたはベルトによって患者に貼り付けられるため、患者は、インビボ撮像装置を飲み込んだ後開始されこれを排泄する際に終了するという診察期間に自然な動作を自由に行うことができる。データレコーダは無線通信が可能であり、インビボ撮像装置によって送信された画像データを受信するためのその一つ以上のアンテナに接続されており、受信した画像データを格納するための記憶装置を有している。診察期間の後、患者は、オペレータ、例えば、処理するためかつ診断を目的としたGI管の分析を行うために格納された画像データをダウンロードする医療従事者に、データレコーダを引き渡す。
【0003】
画像データは、インビボ撮像装置がGI管を通過しながらその撮像装置により取得した(captured)GI管の画像を含んでいる。画像データは、データレコーダからワークステーション等にダウンロードされ、ここで、診断のためのGI管の画像の分析に先立って様々な様式の画像処理を受ける。画像は、求められる情報によって、広域スペクトルの白色光照明または所定のスペクトル域の狭帯域照明を用いて得られる。一定の状況では、分析を高めるために、白色照明を用いて得られた画像と狭帯域照明を用いて得られた画像とを比較することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態によれば、インビボ撮像装置の撮像装置によって取得された画像を表示するための表示装置が提供され、その表示装置は、
取得された画像を表示するための表示画面を含む表示ユニットと、
白色光照明を用いて取得された画像を表示するための白色光照明表示ボタンと、
所定のスペクトル域の狭帯域照明を用いて取得された画像を表示するための狭帯域照明表示ボタンとを備えている。
【0005】
一部の実施形態によれば、表示装置は、取得された画像(captured image)を格納するためのデータプロセッサ格納装置と、格納された画像を処理するためのデータプロセッサとを備えている。
【0006】
一部の実施形態によれば、白色光照明表示ボタンおよび狭帯域照明表示ボタンはソフトウェアボタンである。
【0007】
本発明の実施形態によれば、インビボ撮像装置の撮像装置によって取得された画像を表示する方法も提供され、その方法は、
インビボ撮像装置から、異なる照明条件で取得された画像フレームを含む画像データを受信するステップと、
表示ユニットの画面に、第1の照明条件で取得された少なくとも一つの第1の画像フレームを表示するステップと、
画面に、第2の照明条件で取得された少なくとも一つの第2の画像フレームを少なくとも一つの第1の画像フレームとともに表示するステップとを含む。
【0008】
一部の実施形態によれば、第1の照明条件は、画像フレームが取得される対象領域を白色光によって照明することからなる。
【0009】
一部の実施形態によれば、第2の照明条件は、画像フレームが得られる対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなる。
【0010】
一部の実施形態によれば、第1の照明条件および第2の照明条件は、画像フレームが取得される対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなり、第1の照明条件用の所定のスペクトル域は第2の照明条件用の所定のスペクトル域と異なっている。
【0011】
一部の実施形態によれば、所定のスペクトル域は、紫外線、赤外線、青色光、赤色光からなる群から選択される。
【0012】
一部の実施形態によれば、少なくとも一つの第1の画像フレームおよび少なくとも一つの第2の画像フレームは、相互に隣り合って表示される。
【0013】
一部の実施形態によれば、少なくとも一つの第1の画像フレームは、第1の照明条件で取得された受信した画像データの第1の画像データストリームからのものである。
【0014】
一部の実施形態によれば、少なくとも一つの第2の画像フレームは、第2の照明条件で取得された受信した画像データの第2の画像データストリームからのものである。
【0015】
一部の実施形態によれば、方法は、受信した画像データを画像データストリームに分割するステップを含んでおり、各画像データストリームは所定の照明条件で取得された画像フレームに相当する。
【0016】
本発明は、図面と併せた以下の詳細な説明によりさらに完全に理解され認識されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図を簡略化し明確にするため、図に示した要素は、必ずしも正確にあるいは一定の率で縮尺して描いたものではないことが理解されるものとする。例えば、要素のなかにはその寸法が、明確化のために他の要素に対して非常に大きくなっているものもあり、あるいは数個の物理的な構成要素が一つの機能ブロックまたは機能要素に含まれているものもある。さらに、対応する要素または類似の要素を表すために、適切と思われる場合には、参照番号を図間で繰り返す。
【0018】
以下の説明では、本発明の種々の態様を説明する。説明上、本発明を十分に理解してもらうために特定の構成および詳細を提供する。しかし、ここに示した特定の詳細の範囲を超えて本発明を実施できることも、当業者には自明であると考える。さらに、本発明を不明瞭にしないために、周知の特徴を省略するかまたは簡略化する。
【0019】
本発明の装置および方法は、参照によって本明細書に援用される「In Vivo Video Camera System」という題名の米国特許第5,604,531号に記載されているような撮像システムまたは撮像装置を用いて使用するものである。本発明の装置および方法に使用する撮像システムおよび撮像装置の別の例が、参照によって本明細書に援用される「Device for In Vivo Imaging」という題名の米国特許第7,009,634に記載されている。本発明では、例えば、米国特許第7,009,634に記載されているような嚥下可能な撮像カプセルを使用する。本発明の装置および方法を用いて使用される嚥下可能な撮像カプセルの別の例が、参照によって本明細書に援用される「System and Method Wide Field Imaging of Body Lumens」という題名の米国特許出願公開第2002/0109774号に記載されているものである。
【0020】
本発明の実施形態によるインビボ撮像システム10を示した図1を参照する。インビボ撮像システム10は、インビボ撮像装置12、データレコーダ14、ワークステーション16を含む。一部の実施形態では、インビボ撮像装置12は無線装置である。一部の実施形態では、インビボ撮像装置12は自律的である。一部の実施形態では、インビボ撮像装置12は、患者の胃腸管を撮像するための嚥下可能なカプセルである。しかし、インビボ撮像装置12により、他の身体の管腔または体腔を撮像するか、または検査してもよい。
【0021】
インビボ撮像装置12は、ドーム状の端部を有する円筒の形状をしており、胃腸管または他の身体の管腔または体腔の画像の画像フレームの形で画像データを撮像するための少なくとも一つの撮像装置18、両端のうち一端に位置する覗き窓20、一つ以上の照明源22、光学系24、バッテリ26などの電源、プロセッサ28、送信機30、送信機30に接続されたアンテナ32を含むものである。インビボ撮像装置12は、患者の胃腸管または他の身体の管腔を通過するとき、その一連の画像を得る。画像は、所定の率、つまり、毎秒所定数のフレームで撮られる。インビボ撮像装置12の撮像装置18によって取得された一連の画像はデータストリームを形成し、ビデオ動画のフレームを形成する。撮像装置18はCMOS撮像装置であり、および/またはこれを含むものである。代わりに、例えば、CCD撮像装置または他の撮像装置などの他の撮像装置を用いてもよい。
【0022】
インビボ撮像装置12によって取得された画像データおよび/または他のデータは、インビボ撮像装置12から、送信機30によりアンテナ32を介して、無線接続、例えば無線通信路によってデータ信号として送信され、一つ以上の受信アンテナ34、例えば、少なくとも部分的に患者を取り囲むアンテナ列を介してデータレコーダ14によって受信される。受信されたデータ信号は、データレコーダ格納ユニット36に格納される。受信されたデータ信号は、例えば、ワークステーションプロセッサ38により処理するためおよび分析するために、表示装置37のワークステーション16にダウンロードされ、例えば、表示装置37の表示ユニット42の表示画面40に表示される。受信された処理データは、ワークステーション格納ユニット44に格納される。ワークステーション16でのダウンロードおよび/または処理は、例えば、データレコーダ14がインビボ撮像装置12から受信したデータ信号を受信し記録するのを完了した後にオフラインの状態で行われるか、またはリアルタイムで行われる。本発明の一実施形態では、データレコーダ14およびワークステーション16は、単一のユニット、例えば、持ち運びが可能な単一のユニットに組み込まれている。本発明のさらに別の実施形態では、データレコーダ14は表示が可能であり、例えば、データレコーダ14は、情報および/または画像、例えばインビボ撮像装置12によって送信された情報および/または画像を見るためのビューア46を含んでいる。別の実施形態では、処理および/または分析は、データレコーダ14内でデータレコーダプロセッサ48によって少なくとも部分的に実行される。
【0023】
ここで、図2を参照する。照明源22(22a、22b)は発光ダイオード(LED)であり、画像フレームが撮られる対象領域を照明するために、インビボ撮像装置12の一端に位置している。対象領域は、患者の胃腸管または他の身体の管腔または体腔の一領域である。一部の実施形態によれば、照明源22は、白色光照明源22aであるものと、狭帯域照明源22bであるものとがある。白色光照明源22aおよび狭帯域照明源22bは、所定の時間間隔で交互に操作される。このため、取得された画像フレームのデータストリームは、白色光照明条件および狭帯域照明条件下で取得された両方の画像フレームを含む。一部の実施形態によれば、取得された画像フレームのデータストリームは個々の画像データストリームに分割され、各画像データストリームは所定の照明条件下で取得された画像フレームに相当する。取得された画像フレームのデータストリームの、各照明条件下での画像データストリームへの分割は、ワークステーション16内、例えば、ワークステーションプロセッサ38、によって実行される。
【0024】
一部の実施形態によれば、狭帯域照明源22bは所定のスペクトル域のものであり、これにより、特定の種類の放射または特定の光の色の所定の狭帯域照明を発生させる。一部の実施形態によれば、狭帯域照明源22bの一部は、紫外線または赤外線を用いて照明する。用語「照明する」は、明細書および請求項において、可視光についてのみでなく、光学スペクトルの可視領域以外の放射を含む一般化された用法で使用するものである。一部の実施形態によれば、狭帯域照明源22bの一部は、青色光または赤色光を用いて照明してもよい。
【0025】
特定の実施形態によれば、インビボ撮像装置12はその両端部の一つに四つの照明源22を含み、照明源のうち二つは白色光照明源22aであり、他の二つの照明源は狭帯域照明源22bである。一部の実施形態では、二つの狭帯域照明源22bは、同一の狭いスペクトル域を有する狭帯域照明源である。例えば、二つの狭帯域照明源22bはいずれも赤外線源であり、またはいずれも紫外線源であり、またはいずれも赤色光源であり、またはいずれも青色光源であってもよい。一部の実施形態では、二つの狭帯域照明源22bは、異なる狭いスペクトル域を有する。例えば、二つの狭帯域照明源22bのうち一つが紫外線源であり、他方のものは、赤外線源、青色光源、赤色光源のうちのいずれでもよい。
【0026】
ここで、図3および図4に注目する。一部の実施形態によれば、インビボ撮像装置12は、その両端に照明源を有しており、患者の胃腸管または他の身体の管腔を通過するとき、移動方向の前方および後方の双方で画像を取得することを可能にしている。インビボ撮像装置12の一端にある照明源は白色光照明源22aであり、他端にある照明源は狭帯域照明源22bである。一部の実施形態では、狭帯域照明源22bは、同一の狭いスペクトル域を有する狭帯域照明源である。例えば、狭帯域照明源22bはすべて赤外線源であり、またはすべて紫外線源であり、またはすべて赤色光源であり、またはすべて青色光源であってもよい。一部の実施形態では、狭帯域照明源22bは異なる狭いスペクトル域を有している。例えば、狭帯域照明源22bの一部は紫外線源であり、その他は赤外線源、青色光源、赤色光源のうちのいずれでもよい。他の組み合わせが可能であり、例えば、狭帯域照明源22bの一部は青色光源であり、その他は赤色光源である。
【0027】
他の実施形態によれば、撮像装置12は他の形状を有しており、照明源は装置の一端に位置する必要はなく、これらはむしろ側面の窓または他の窓を介して照明する。
【0028】
ここで、本発明の一部の実施形態に従う表示ユニット42の表示画面40に表示された画像50を示した図5を参照する。表示される画像50は、インビボ撮像装置12の撮像装置18によって取得された画像の単一の静止画像(つまり、単一の画像フレーム)またはそのデータストリームの動画のうちのいずれでもよい。図5にはまた、ビデオ動画を見ることを制御するための一組の制御ボタン52も示されている。一組の制御ボタン52は、表示画面40に現れる一組のソフトウェアボタンである。一部の実施形態によれば、一組の制御ボタン52は、高速順送り制御ボタン54、高速逆送り(巻き戻し)制御ボタン56、再生制御ボタン58、逆再生制御ボタン60、停止制御ボタン62を含む。一部の実施形態によれば、照明表示ボタンである白色光照明表示ボタン64および狭帯域照明表示ボタン66も設けられている。照明表示ボタン64、66は、表示画面40に現れるソフトウェアボタンである。
【0029】
一部の実施形態によれば、再生制御ボタン58を操作すると(例えば、マウスを用いて、カーソルを表示画面40の再生制御ボタン58上に位置させ、マウスを左クリックする。)、第1の照明条件で取得された少なくとも一つの第1の画像フレーム50’が表示画面40に表示される。少なくとも一つの第1の画像フレーム50’は、第1の照明条件で取得された画像のデータストリームの最初の動画の画像フレームである。
【0030】
ここで、図6に注目する。一部の実施形態によれば、照明表示ボタン64、66のうち一つを操作することにより、表示画面40に、第1の照明条件で取得された少なくとも一つの第1の画像フレーム50’に加えて、第2の照明条件で取得された少なくとも一つの第2の画像フレーム50”が表示される。一部の実施形態によれば、第1の照明条件は、画像フレームが撮られる対象領域を白色光によって照明することからなる。一部の実施形態によれば、第2の照明条件は、画像フレームが撮られる対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなる。一部の実施形態によれば、第1の照明条件および第2の照明条件は、画像フレームが撮られる対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなり、第1の照明条件用の所定のスペクトル域は第2の照明条件用の所定のスペクトル域と異なっている。
【0031】
一部の実施形態によれば、狭帯域照明の所定のスペクトル域は、紫外線、赤外線、青色光、赤色光からなる群から選択される。
【0032】
したがって、医療従事者などのオペレータは、表示画面40上で、インビボ撮像装置12が患者の胃腸管または他の身体の管腔を通過しながらその撮像装置18によって白色光照明を用いて取得された画像のデータストリームのビデオ動画を調べる。オペレータは、白色光照明を用いて取得されたある対象領域の画像を、狭帯域照明を用いて取得された同一の対象領域の画像と比較することを切に望む。本発明の実施形態によれば、狭帯域照明表示ボタン66を操作すると、狭帯域照明を用いて取得された同一の対象領域の所望の画像が白色光を用いて取得された同一の対象領域の画像の横に現れる。一部の実施形態によれば、狭帯域照明を用いて取得された患者の胃腸管または他の身体の管腔のビデオ動画が表示画面40に表示され、白色光照明表示ボタン64を操作することによって、白色光照明を用いて取得されたビデオ動画(または特定の対象領域のフレーム)を狭帯域照明を用いて取得されたビデオ動画(または特定の対象領域のフレーム)の横に表示することにより、白色光照明を用いて取得されたビデオ動画(または特定の対象領域のフレーム)との比較がなされる。
【0033】
本発明はまた、インビボ撮像装置12の撮像装置18によって取得された画像50を表示する方法をも提供する。一部の実施形態によれば、インビボ撮像装置から画像データを受信する(ボックス68)。画像データは、異なる照明条件で取得された画像フレームを含む。表示ユニット42の表示画面40に第1の照明条件下で取得された少なくとも一つの第1の画像フレームを表示し(ボックス70)、表示ユニット42の表示画面40に第2の照明条件下で取得された少なくとも一つの第2の画像フレームを表示する(ボックス72)。少なくとも一つの第2の画像フレームは、特定の照明表示ボタン64、66を操作することにより表示する。
【0034】
観察者は、例えば医療診断のために、インビボ撮像装置12が患者の胃腸管または他の身体の管腔を通過しながらその撮像装置18によって撮った画像のデータストリームのビデオ動画を見る際、ある部分またはフレームに関する注釈を記録することを切に望むか、または、例えば、参照によって本明細書に援用されている「System and Method for annotation on a moving image」という題名の米国特許出願公開第2002/0171669号に記載されているように、ある部分またはフレームを「ブックマーク」することを望む。
【0035】
代表的な実施形態では、使用者は動画の一部に注釈をつける。動画の「一部」とは、ここで使用する場合、単一の静止画像、一組の静止画像、または動画として表示される一連の静止画像を含むものである。「注釈」およびその派生語は、ここで使用する場合、動画の動画像またはその一部に追加されるかまたはリンクされた情報またはデータのコメントまたは任意の追加項目を指すものである。例えば、注釈は、限定はされないが、動画の一部に関連付けされたテキストのメモ、音声のメモ、または他のメモ、動画の一部に関連付けされたブックマーク、タブ、またはラベル、またはその部分の医療診断または医療説明を含むものである。注釈は、ワークステーション格納ユニット44に格納される。
【0036】
ブックマークは、例えば、動画像の重要な部分を使用者に示す、印またはマーク、または索引項目である。例えば、使用者が、GI管で病状を表しているフレームをブックマークする。注釈は、多数の画像フレームが格納され、かつそのなかで一定数のもののみが診断に適するというシステムにおいては有用である。使用者は、画像シーケンスを格納し、適した部分を見つけるため、かつこれらの部分についての重要な事実を記録するために注釈を使用する。使用者または他の使用者達は、動画の重要な部分を見つたいと望む場合、ブックマークまたは注釈を参照する。
【0037】
代表的な実施形態では、注釈は、数組の画像(一つのみの画像を含むこともある)、画像(または一組の画像のうち最も早いもの)について経過時間を示す時間、テキストを含むか、またはこれらを指し示すものである。代わりの実施形態では、時間は、過ぎ去ったフレームなどの別の適した方法に置き換えられる。各画像は、周知の形式で格納された実画像、または画像ファイル内の画像へのリンクのうちのいずれでもよい。代わりの実施形態では、注釈には、例えば非テキスト形式のデータを含めた情報の他の組み合わせが含まれる。動画に関連付けされた注釈はシステムからエクスポートされるか、またはファイルとして保存され、注釈内の情報を要約したレポートまたはこれを別の方法で構成したレポートが生成されることが好ましい。
【0038】
一部の実施形態では、表示画面40上のタイムラインウインドウが、動画について経過した合計時間の表示であるタイムラインを提供し、動画の合計時間などの他の情報を提供する。代表的な実施形態では、タイムラインは時間単位で表示されたバーであり、注釈の要約が、注釈に関連付けられた部分についての経過時間を示すタイムラインの部分に視覚的に付されている。
【0039】
注釈および/またはブックマークおよびタイムラインウインドウは、白色光照明条件および狭帯域照明条件で得られた動画のいずれにも別々に適用される。
【0040】
図5および図6に示した制御ボタンに加えて、患者の状態の評価に割り当てられるボタンもある。例えば、血液の検出のため、または潰瘍性大腸炎およびクローン病など、炎症性疾患の存在の検出のためのものである。このようなボタンは、患者の胃腸管の状態の変化を評価できるようにするために、選択された画像についての得点または番号を計算するため、パラメータ値、典型では粘膜障害を定義するパラメータに重みを割り当てるのに用いられる。
【0041】
本発明を一つ以上の特定の実施形態を参照して説明したが、説明は、全体として例示であることを意図するものであり、示した実施形態に本発明を限定することを意図するものではない。ここに具体的に示してはいないが、それでも本発明の範囲内にある種々の変形例が当業者に想到されることは理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態によるインビボ撮像システムの簡略概念図である。
【図2】本発明の実施形態による図1に示したインビボ撮像装置の例示となる端面図である。
【図3】照明源を両端に有するインビボ撮像装置の例示となる簡略側面図である。
【図4】本発明の実施形態による図3のインビボ撮像装置の例示となる端面図である。
【図5】本発明の一部の実施形態による第1の照明条件で取得された第1の画像フレームを表示する表示ユニットの例示となる図である。
【図6】本発明の一部の実施形態による第1の照明条件で取得された第1の画像フレームと第2の照明条件で取得された第2の画像フレームとを表示する表示ユニットの例示となる図である。
【図7】本発明の実施形態による方法を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0043】
10 インビボ撮像システム
12 インビボ撮像装置
14 データレコーダ
16 ワークステーション
18 撮像装置
22 照明源
22a 白色光照明源
22b 狭帯域照明源
24 光学系
36 データレコーダ格納ユニット
37 表示装置
38 ワークステーションプロセッサ
40 表示画面
42 表示ユニット
44 ワークステーション格納ユニット
48 データレコーダプロセッサ
50 画像
50’ 第1の画像フレーム
50” 第2の画像フレーム
64 白色光照明表示ボタン
66 狭帯域照明表示ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インビボ撮像装置の撮像装置によって取得された画像を表示するための表示装置であって、
取得された前記画像を表示するための表示画面を含む表示ユニットと、
白色光照明を用いて取得された画像を表示するための白色光照明表示ボタンと、
所定のスペクトル域の狭帯域照明を用いて取得された画像を表示するための狭帯域照明表示ボタンとを備える表示装置。
【請求項2】
取得された前記画像を格納するためのデータプロセッサ格納ユニットと、格納された前記画像を処理するためのデータプロセッサとを備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記白色光照明表示ボタンおよび前記狭帯域照明表示ボタンがソフトウェアボタンである請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
インビボ撮像装置の撮像装置によって取得された画像を表示する方法であって、
前記インビボ撮像装置から、異なる照明条件で取得された画像フレームを含む画像データを受信するステップと、
表示ユニットの画面に、第1の照明条件で取得された少なくとも一つの第1の画像フレームを表示するステップと、
前記画面に、第2の照明条件で取得された少なくとも一つの第2の画像フレームを前記少なくとも一つの第1の画像フレームとともに表示するステップとを含む方法。
【請求項5】
前記第1の照明条件が、前記画像フレームが撮られる対象領域を白色光によって照明することからなる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の照明条件が、前記画像フレームが撮られる前記対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の照明条件および前記第2の照明条件が、前記画像フレームが取得される前記対象領域を所定のスペクトル域の狭帯域照明によって照明することからなり、前記第1の照明条件用の所定のスペクトル域が、前記第2の照明条件用の所定のスペクトル域と異なっている請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記所定のスペクトル域が、紫外線、赤外線、青色光、赤色光からなる群から選択される請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも一つの第1の画像フレームおよび前記少なくとも一つの第2の画像フレームが相互に隣り合って表示される請求項4に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも一つの前記第1の画像フレームが、前記第1の照明条件で取得され受信した前記画像データの第1の画像データストリームからのものである請求項4に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの第2の前記画像フレームが、前記第2の照明条件で取得された前記受信した画像データの第2の画像データストリームからのものである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
受信した前記画像データを画像データストリームに分割するステップを含み、各画像データストリームが所定の照明条件で取得された画像フレームに相当する請求項4に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−86759(P2008−86759A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−237875(P2007−237875)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(500277630)ギブン・イメージング・リミテツド (44)
【Fターム(参考)】