ウエハ位置合わせ装置を有する半導体処理装置及び方法
【課題】ウエハ搬入精度の高い半導体処理装置を少ない部品点数及び低コストで実現する。
【解決手段】半導体処理装置は、ウエハ搬送機チャンバと、ウエハ処理チャンバと、ウエハ搬送機と、第1光センサであって、ウエハは搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第1光センサにより受光される光を完全に遮断する位置に配置された第1光センサと、第2光センサであって、ウエハは搬入準備位置で第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第2光センサにより受光される光を部分的に遮断する位置に配置された第2光センサを含む。
【解決手段】半導体処理装置は、ウエハ搬送機チャンバと、ウエハ処理チャンバと、ウエハ搬送機と、第1光センサであって、ウエハは搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第1光センサにより受光される光を完全に遮断する位置に配置された第1光センサと、第2光センサであって、ウエハは搬入準備位置で第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第2光センサにより受光される光を部分的に遮断する位置に配置された第2光センサを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は概して、ウエハ位置合わせ装置を備えた半導体処理装置に関し、特に、ウエハの偏位を補償するウエハ搬送機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単位時間当たりに処理されるウエハの枚数(=スループット)は、半導体の製造の際に使用される半導体製造装置に関して、重要な関心事となってきている。スループットを改善するために、半導体製造装置においてさまざまなアイデアが試行されてきた。例えば、ウエハ処理チャンバの数を増加させること、ウエハ搬送機に複数のアームを取付けること、及びウエハ搬送機のウエハ搬入スピードを上げることなどである。
【0003】
しかし、ウエハの搬入速度を上げることにより生じるウエハ搬送機上でのウエハの偏位の問題は、大きな問題として残されている。特に、ウエハがウエハ処理チャンバ内の特定の位置からずれた位置に載置されると、膜の均一性の低下などのさまざまなプロセス上の問題が発生する。また、ウエハ格納チャンバへウエハを戻す処理中にウエハがそのウエハ格納チャンバ内に落ちたり、チャンバに当たりダメージを受けることもあり得る。
【0004】
ウエハのこの偏位の問題を解決するための周知の方法は、ウエハ搬入方向前方の位置にひとつまたは複数の光センサを配置し、ウエハ搬送機がウエハを目標方向に搬入する際に、該光センサによって受光される光が遮断される時間間隔または搬送機のエンコーダからのパルスの数を測定して、測定した値を正しいウエハ位置に対応する予め登録した値と比較して、ウエハ位置の偏位を検出し、ウエハ位置を補正する、というものである。
【0005】
上記方法にも採用されるが、出力信号のデジタルサンプリングはウエハ搬送機が動作中にセンサ出力を検出するのに使用される一般的な方法である。特に、この方法は、信号値が古い順にデジタル値に変換され、その変換された一連のデジタルデータが最大値及び最小値を得るのに使用されるものである。近年、信号サンプリング及びデータ解析はEES(イクイップメント・エンジニアリング・システム)のようなシステムを使って実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このサンプリングの方法では、高速なウエハ搬送機の動作を捉えることが難しく、EESで使用される一般的なサンプリング周波数である100ミリ秒のサンプリング周波数において、ウエハ搬送機のアーム動作を追跡するのはほとんど不可能である。この問題を解消するためにウエハ搬送機の動作速度が低下すると、半導体製造装置のスループットは低下する。一方、サンプリング周波数が上がれば、データの量が増加し、データを保存する記憶装置が必要となる。その結果、必然的にコストが上昇する。
【0007】
また、ウエハ搬送機のアームの伸長方向の偏位はセンサ出力のみから検出することができない。アーム伸長方向の偏位を検出するために、搬送機制御器は、ウエハ搬送機自身の動作をモニターし、かつ、センサにより受光される光が遮断される間の時間間隔にわたって搬送機のエンコーダからのパルス数をカウントするように専ら設計された、ビルトイン型のウエハ偏位検出部を具備しなければならない。この検出部の使用は検出精度及びコスト増加などの問題をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題の少なくともひとつを解決するために、本願発明のひとつの態様に従う半導体製造装置は、ウエハ搬送機に載置されたウエハの前方または側方に配置された光センサを有し、前方光センサからの出力信号はウエハ搬送機が静止している間に検出され、側方光センサからの出力信号はウエハ搬送機がウエハを処理チャンバへ搬入する際にウエハがセンサを通過する時間に検出され、これら2つの検出信号はウエハの偏位量を計算し該偏位量を補正するために、正しいウエハ位置に対応する予め登録された信号と比較され、それによりウエハは処理チャンバ内の正しい位置に搬入される。
【0009】
本願発明のひとつの態様において、ウエハの側方に配置された光センサは、ウエハにより遮断されているセンサにより受光される光の最大量を保存することができるピークホールド回路に接続されている。こうして、ウエハ搬送機の速度を減速する必要がなくなり、光センサ出力信号または搬送機からのパルス数の高速サンプリングの必要もなくなる。さらに、専用のビルトインウエハ偏位検出部を搬送機制御器内部に設ける必要がなくなる。上記すべての利益が組み合わされるとき、コスト的に有効な方法で、ウエハ偏位の検出及び補正の機能を与えることが可能となる。
【0010】
本発明の態様及び従来技術に対する利点を要約する目的で、本発明のある目的及び利点が開示される。もちろん、本発明の特定の実施形態に従ってこれらすべての目的または利点が必ずしも達成されるものではない。よって、例えば、ここに教示または示唆されるような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、ここに教示されるような利点のひとつまたは集合を達成しまたは最適化する方法で本発明が実施または実行され得ることは当業者の知るところである。
【0011】
本発明の他の態様、特徴及び利点は以下の好適実施形態の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、4つのウエハ処理チャンバ、2つのウエハ入/出チャンバ、2つのロボットアーム、及び本発明の実施形態において使用可能なひとつのウエハ搬送機チャンバを含む半導体処理装置を概略的に示したものである。
【図2】図2は、本発明の実施形態において使用可能なウエハ搬送機を概略的に示したものである。
【図3】図3は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハが第1光センサを覆うところの搬入準備位置のウエハ搬送機に載置されたウエハを示す。
【図4】図4は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機チャンバ内での光センサの位置を示す。
【図5】図5は、本発明のひとつの実施形態に従い、光センサを覆うウエハを概略的に示す。
【図6】図6は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機の動きと第1光センサからの出力との関係を概略的に示したものである。
【図7】図7は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機の動きと第2光センサからの出力との関係を概略的に示したものである。
【図8】図8は、本発明のひとつの実施形態に従い、第2光センサ内で使用されるピークホールド回路を概略的に示したものである。
【図9】図9は、本発明のひとつの実施形態に従い、位置ずれしたウエハ及び標準位置に位置合わせされたウエハに対するセンサ出力に基づいてX軸方向の偏位を計算するための方法を概略的に示したものである。
【図10】図10は、本発明のひとつの実施形態に従い、第1光センサを覆う位置ずれしたウエハを概略的に示したものである。
【図11】図11は、本発明のひとつの実施形態に従い、第2光センサを覆う位置ずれしたウエハを概略的に示したものである。
【図12】図12は、本発明のひとつの実施形態に従い、第1及び第2光センサを覆うウエハを概略的に示したものである。
【図13】図13は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハクランパを備えたエンドエフェクタを概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適実施形態を詳細に説明する。好適実施形態及び図面は本願発明を限定するものではない。
【0014】
ひとつの実施形態において、半導体処理装置は、(I)ウエハ搬送機チャンバと、(II)少なくともひとつのウエハ処理チャンバであって、各々が該ウエハ搬送機チャンバに結合されるところのウエハ処理チャンバと、(III)該ウエハ処理チャンバ内にウエハを搬入するための、該ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機であって、前記ウエハ搬送機はウエハを載置するためのエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタは搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ、ウエハ搬入方向であるX軸線方向及びウエハ搬入面内で該X軸線方向に垂直のY軸線方向に移動可能であるところのウエハ搬送機と、(IV)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された少なくともひとつの第1光センサであって、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からX軸線方向に沿ってウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき、第1光センサにより受光される光を実質的に完全に遮断するところの位置に配置された第1光センサと、(V)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された少なくともひとつの第2光センサであって、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からX軸線方向に沿ってウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき、第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置された第2光センサを含む。
【0015】
上記したひとつの実施形態において、第1光センサは搬入準備位置で第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力するように適応され、第2光センサはウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき第2光センサにより感知される光量の最小値を示す第2信号を出力するよう適応される。
【0016】
上記いずれかの実施形態において、半導体処理装置は、さらに、X軸線方向またはY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハが偏位していないことを示す標準第1信号及び標準第2信号を保存する制御装置を含み、該制御装置は第1及び第2光センサから第1及び第2信号を受光し、第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較して、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定する。ひとつの実施形態において、ウエハの決定された偏位に基づいて制御装置はウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するようにウエハ搬送機を制御しエンドエフェクタを移動する。ひとつの実施形態において、制御装置は第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路を含む。ひとつの実施形態において、第1及び第2信号はアナログ信号であってもよい。他の実施形態において、信号は8ビット信号から構成されてもよい。
【0017】
上記いずれかの実施形態において、エンドエフェクタの上から見た場合、第1光センサは、ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心へ向けて引かれたX軸線と位置合わせされて配置される。ひとつの実施形態において、第1及び第2光センサはウエハ処理チャンバの付近に配置される。
【0018】
上記いずれかの実施形態において、第1光センサはX軸線方向に伸長した形状を有し、第2光センサはY軸線方向に伸長した形状を有する。
【0019】
上記いずれかの実施形態において、第1光センサはウエハ処理チャンバの前方の障害物を検出するためのセンサとしても機能する。
【0020】
上記いずれかの実施形態において、ウエハ搬送機は、搬入準備位置にエンドエフェクタを配置するようウエハ搬送機の軸線の周りにエンドエフェクタを回転させるように適応される。
【0021】
上記いずれかの実施形態において、少なくともひとつのウエハ処理チャンバは、ウエハ搬送機チャンバの周りに配置された2つ以上のウエハ処理チャンバを含む。
【0022】
ある実施形態において、ウエハ搬送機は、各々がエンドエフェクタを有するダブルアームを持つ。
【0023】
上記いずれかの実施形態において、ウエハ搬送機はさらにウエハをクランプするためのウエハクランパを含む。
【0024】
上記いずれかの実施形態において、第1及び第2光センサの各々はウエハ搬送機の軸線方向でエンドエフェクタの下側に配置された光エミッタ、及び軸線方向でエンドエフェクタの上側に配置された光センサを含む。ひとつの実施形態において、該光センサはCCD素子により構成される。
【0025】
本発明の他の態様に従い、ウエハ搬送機チャンバに結合されたウエハ処理チャンバへウエハを搬入するための方法は、(i)ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機のエンドエフェクタ上にウエハを載置する工程と、(ii)搬入準備位置にウエハとともにエンドエフェクタを移動する工程と、(iii)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された第1光センサにより、ウエハ搬入方向であるX軸線方向でのエンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、当該第1光センサは、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバに向けてX軸線方向へ移動するとき、第1光センサにより受光される光を実質的に完全に遮断するところの位置に配置される、ところの工程と、(iv)搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向にウエハとともにエンドエフェクタを移動する工程と、(v)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された第2光センサにより、ウエハ搬入面上でX軸線方向と垂直なY軸線方向でのエンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記第2光センサは、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置において第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置される、ところの工程と、(vi)ウエハ処理チャンバ内へウエハを搬入する際、X軸線及びY軸線方向での検出された偏位に基づいてエンドエフェクタの動きを調節する工程を含む。
【0026】
上記ひとつの実施形態において、第1光センサは工程(iii)において搬入準備位置で第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力し、第2光センサは工程(v)においてウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動するとき、第2光センサにより感知される光量の最小値を示す第2信号を出力する。
【0027】
上記いずれかの実施形態において、工程(vi)は、第1及び第2光センサから第1及び第2信号を受光する工程と、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するべく第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較する工程であって、前記標準第1信号及び標準第2信号はX軸線方向またはY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハの偏位がないことを示すところの工程を含む。
【0028】
上記いずれかの実施形態において、工程(vi)は、ウエハの決定された偏位に基づいてウエハ搬送機を制御し、ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するようにエンドエフェクタを移動する工程を含む。
【0029】
上記いずれかの実施形態において、工程(iii)において、偏位は、エンドエフェクタの上から見て、ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心へ引かれたX軸線上で測定される。ひとつの実施形態において、第1及び第2光センサはウエハ処理チャンバの付近に配置される。ひとつの実施形態において、偏位は第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路により測定される。
【0030】
上記いずれかの実施形態において、工程(ii)は搬入準備位置にエンドエフェクタを配置するべく、ウエハ搬送機の軸線の周りにエンドエフェクタを回転する工程を含む。
【0031】
上記いずれかの実施形態において、工程(iii)及び(v)は第1及び第2信号としてアナログ信号を使用する。
【0032】
以下、図面を参照して、本願発明をさらに詳細に説明する。本願発明は、これらの図面に限定されるものではない。
【0033】
本明細書の開示において条件及び/または構造が特定されていない場合、当業者は通常の実験的事項として本発明の開示を参照してこれらの条件及び/または構造を容易に与えることができる。
【0034】
図1は、従来の半導体製造装置の一例を概略的に示したものである。この装置は以下に挙げた別々のチャンバ(モジュール)を含む。
【0035】
IOC1、IOC2(入/出チャンバ):ウエハ入/出チャンバ3、4
WHC(ウエハ搬送機チャンバ):ウエハ搬送機チャンバ2
RC1、RC2、RC3、RC4(リアクタチャンバ):ウエハ処理チャンバ5、6、7、8
図1において、ウエハ搬送機1(真空ロボットまたはVR)がウエハ搬送機チャンバ2内に配置されている。このウエハ搬送機1はスループットを改善するために2本のアームを有する。これら2本のアームは、例えば、ウエハ処理チャンバ内で処理が完了したウエハがピックアップされると同時に次のウエハが処理チャンバ内に運ばれるようにすることにより、スループットを改善する。すなわち、処理済みのウエハをピックアップする動作のすぐ後の動作により新しいウエハが処理チャンバ内に配置されるので、ウエハ搬入時間が短縮され、その結果スループットが改善されるのである。
【0036】
次に、図2は、図1のウエハ搬送機を拡大して示したものである。図2において、単純化のために一本のアームのみが示されている。
【0037】
ウエハ搬送機1は、ジョイントを有するアーム22に枢着されたエンドエフェクタ21を含む。アーム22は回転可能な支持台23に枢着されている。エンドエフェクタ21は、前方端部に配置された突起24及び後方端部に配置された突起25から成るウエハロケータを備える。該エンドエフェクタはひとつ以上のエンドエフェクタを含んでもよい。
【0038】
次に、図3は、ウエハ33を載置した状態のウエハ搬送機1を示したものである。図3に示すように、ウエハ33がウエハ搬送機に載置されているとき、ウエハ搬送機上のウエハ33の先端は、ウエハ搬送機チャンバ内の特定位置に配置された第1光センサ31により受光される光を遮断する。ウエハ搬送機が図3の左側に位置するウエハ処理チャンバ(図示せず)にウエハ33を搬入するときも、図3に示すウエハ33の底端は該底端が通過する位置に配置された第2光センサにより受光される光を遮断する。言い換えれば、ウエハ搬送機がウエハを正しい位置に配置した場合、ウエハの左端部(図3)が第1光センサ31により受光される光を遮断し、矢印34で示されるX軸線方向にウエハ33が処理チャンバへ搬入されるとき、ウエハの底端が第2光センサ32を通過し、光センサにより受光される光を遮断するように、2つの光センサはウエハ搬送機チャンバ内に配置されなければならない(ウエハ搬送機チャンバ、ウエハ搬送機等の構造に応じて、2つ以上の光センサを配置することも可能である)。図3において、ウエハを上から見た場合、Y軸はX軸と直角に延びている。
【0039】
ここで、ウエハ搬送機チャンバ上での光センサ31、32の配置が図4において黒丸で示されている。図3で上記したように、第1光センサ31はウエハ搬送機の回転中心軸を通過する直線に沿って、各ウエハ処理チャンバ5、6、7若しくは8または入/出チャンバの前に配置される。センサは各処理チャンバに対するゲートバルブ42の前に配置されるため、このセンサはゲートバルブ42に対する障害物センサとしても使用可能であり、それがセンサ数の減少及び低コスト装置の実現に寄与する。図3で説明したように、第2光センサは、ウエハ搬送機が処理チャンバへウエハを搬入する際に、ウエハの側方端がセンサを通過する位置に配置される。このセンサもまた、各ウエハ処理チャンバまたはウエハ入/出チャンバの前に配置される。第1光センサは搬送機が回転する際のウエハの外周端のトラック41に沿って配置されるが、第2光センサはこのトラック41に沿って配置される必要はない(しかし、このセンサがトラックに沿って配置されてもよい)。
【0040】
第2光センサは、ウエハ搬送機の旋回が終わりウエハを処理チャンバ内にX軸線方向に搬入できる状態(搬入位置)のときに遮光せず、搬入が開始され処理チャンバ内に搬入されるまでの過程で部分的に遮光される位置に配置されていればよい。また、第1光センサもX軸線上でなく、X軸線から若干外れた位置に配置してもよく、搬入位置においてウエハが第1光センサを部分的に遮光し、搬入が開始され処理チャンバ内に搬入されるまでの過程で(一時的に)ほぼ完全に遮光される位置に配置されていればよい。
【0041】
第1光センサ31’及び第2光センサ32’がまた、入/出チャンバ内部のウエハ位置を最適化するように、ウエハ入/出チャンバ(またはロードロックチャンバ)3、4の前に配置されてもよい。
【0042】
次に、光センサの動作原理を図5に示す。ここで使用される光センサは発光部51及び受光部52を含み、これらは特定の寸法で互いに離隔されている。センサにより受光される光がウエハ33により遮断されたとき、光量が変化し、それによりセンサ出力が変化する(本発明のひとつの実施形態において、ウエハ位置はウエハにより遮断される光量に基づいて約1ミクロンの精度(反復精度)で検出可能である)。発光部51は半導体レーザビーム(例えば、波長670nm)のソースである単一光源であり、受光部52はラインに沿って配置されたCCD素子を含む。好適には、光センサは幅及び長さが異なる寸法を有し、特に、受光部52はウエハ偏位を適切に検出することができるよう長手方向を有する(好適には、受光部52及び発光部51は一対で与えられ、ほぼ同じ形状を有する)。例えば、発光部は9mm×3mmの発光面積を有し、受光部は7mm×0.085mmの有効受光面積を有する(有効受光面積のアスペクト比は、その10倍から100倍である)。発光部51は底部に配置され、受光部52は天部に配置される。これにより、受光センサ位置の調節が容易となる。本発明のひとつの実施形態において好適に使用可能な光センサは、PBZ-CL007V(Yamatake社製のレーザ型ラインCCD)を含む。
なお、受光部52からの信号は制御部53に入力されるが、制御部53には、ウエハが適正位置にあった場合の信号の値(基準値)が登録されており、入力信号の値と比較できるようになっている。比較結果により制御部53は、ウエハ搬送機起動装置54に是正量にかかる制御信号を出力しウエハ搬送機を制御し、処理チャンバに搬入されるウエハの位置を是正する。
【0043】
次に、ウエハ搬送機の実際の動作及びいかにしてウエハ偏位が検出され補正されるかを説明する。最初に、ウエハ偏位検出の例を図3及び図12を参照して説明する。ウエハ入/出チャンバからウエハ33をピックアップした後、ウエハ搬送機は回転し、目標の処理チャンバのちょうど正面(搬入準備位置)にウエハを移動する(図12(a))。ウエハ搬送機及びウエハが目標のウエハ処理チャンバの前で静止したとき、第1光センサ31の出力が検出される。この検出された出力は図3に従いX軸線方向でのウエハ位置を表す。次に、図12(b)に示すように、ウエハが搬入準備位置から目標のウエハ処理チャンバ内にまっすぐ移動したとき、第2光センサ32の出力が検出される。この検出された出力は、図3に従いY軸線方向でのウエハ位置を表す。図6及び図7はそれぞれX軸線方向及びY軸線方向でのウエハ位置の動きを示す。
【0044】
図6は、第1光センサ31の出力がウエハ搬送機の動作時間に対してどのように変化するかを示すグラフである。横軸は時間(t)を示し、縦軸はセンサにより受光される光量(QL)を示す。図6の左側において、ウエハ搬送機は回転し、目標のウエハ処理チャンバに徐々に近づき、結果として第1光センサ31により受光される光は徐々に遮られ、光量が減少する。図6の中央付近において、ウエハ搬送機は回転を完了し、しばらくの間静止状態となる。その後、ウエハが目標のウエハ処理チャンバ内に搬入されたとき、第1光センサ31により受光される光はウエハにより完全に遮断され、光量はゼロになる。これは、図6の右側で生じる。
【0045】
ここで、実線A及び点線Bを含む、光量の変化を示す2本の線が図6に示されている。実線Aは、ウエハがウエハ搬送機上に正しく配置されているときの光量の変化を表し、点線Bはウエハがウエハ搬送機上で偏位したときの光量の変化を表している。これらの2つの光量の間の差は、正しい位置からのウエハの偏位の度合いを示す量を与える。本発明のひとつの実施形態において、ウエハ搬送機が回転を停止しかつウエハ処理チャンバの前でしばらく静止したとき得られた2つの光量の間の差が偏位量として与えられる。また、ウエハがウエハ搬送機上で正しく配置されているときの光量はまえもって装置制御器53に登録される必要があり、ウエハの偏位量を検出するのにその登録値が実際のセンサ出力(光量)と比較される。図6において、ウエハは光センサにより受光される光をより遮断する方向へ偏位している。言うまでもなく、ウエハは反対方向へも偏位可能であり、その場合、点線は図6の実線Aの上を通ることになる。
【0046】
次に、第2光センサ32の出力がウエハ搬送機の動作時間に関してどのように変化するかを図6と同様の方法で図7に示す。図7の左側において、ウエハの側端が第2光センサ32により受光される光を徐々に遮断し、図7の中央付近でウエハは第2光センサ32により受光される光を最大に遮断する。その後、センサにより受光される光量はウエハがセンサから離れるに従い増加する。これは、図7の右側で生じる。
【0047】
ここでも、図6の説明と同様に、光量の2つの変化が実線A及び点線Cにより示されている。実線Aはウエハがウエハ搬送機上に正しく配置されているときの光量の変化を表し、点線Cはウエハがウエハ搬送機上で偏位しているときの光量の変化を表している。ウエハが第2光センサ32により受光される光を最大に遮っているときの2つの光量間の差は、ウエハの偏位量を与える。ウエハ搬送機が高速で動作中に、遮断された光量の最大値を検出する方法を以下で説明する。図6の場合と同様に、ウエハがウエハ搬送機上で正しく配置されているときの光量はまえもって装置制御器53に登録される必要があり、ウエハの偏位量を検出するために、この登録値が実際のセンサ出力(光量)と比較される。図7において、ウエハは光センサにより受光される光をより遮断する方向へ偏位してもよい。言うまでもなく、ウエハは反対方向に偏位することもでき、その場合、点線は図7の実線Aの上を通ることになる。
【0048】
上記した動作原理をわかりやすく説明するために、図10及び図11は、それぞれ図6及び図7の状態でのウエハ搬送機と光センサの位置関係を表している。特に、ウエハ33が図10において正しい位置Aにあるとき、ウエハの先端は光センサ31の中央付近に配置されている。一方、ウエハ位置がX軸線方向に変位したとき(位置B)、光センサにより受光される光はより遮断される。図11において、ウエハ32が正しい位置Aにあるとき、ウエハの先端は光センサ32の中央付近に配置されている。一方ウエハがY軸線方向に移動したとき(位置C)、光センサにより受光される光はより遮断される。したがって、図6及び図7に示すように、受光側のセンサにより受光される光量が減少する。言うまでもなく、上記したように、ウエハは受光量の増加する方向(図10及び図11で示す偏位方向と反対方向)に偏位してもよい。
【0049】
次に、図7に関して言及した遮断光量の最大値を検出する方法のひとつの実施形態を説明する。センサ出力は図8に示す回路に入力される。出力電圧が降下するに従い、電流の方向が逆転してキャパシタCが充電する。次に、出力電圧が遮断光量の最大値を超えて上昇する場合を考える。これは、図7の右側に示す状態に対応する。この状態において、電荷はダイオードDのために後方には流れることができない。したがって、キャパシタCにより保持された電荷の量は、光を最大に遮断しているときに達成された値と等しいままである。言い換えれば、図8に示すのは、一般的なピークホールド回路である。この回路は一例に過ぎず、同様の目的を達成することができる限り、他の回路を使用してもよい。
【0050】
センサ出力信号をデジタル信号に変換しかつ変換した信号をサンプリングする上記した方法に比べ、図8に示すようなピークホールド回路を使って最大遮断状態に対応する出力値のみを保持する方法によれば、必要な出力値のみを、高信頼性かつ低コストで取得することが可能となる。
【0051】
ここで、図6及び図7に示すようなウエハ偏位を補正する動作を、図9を参照し要約して説明する。本発明のひとつの実施形態において、動作は概ね以下の通りである。
【0052】
1)ウエハ搬送機が回転した後、第1光センサ31がX軸線方向の偏位a’の量を検出する。ウエハはX軸線方向だけでなくY軸線方向にも偏位しているため、第1光センサ31により検出された位置P’はウエハの先端の替わりに第1光センサを覆うウエハの位置を表す。したがって、位置Pと位置P’との間の差はX軸線方向での偏位を直接与えるものではない。X軸線方向の実際の偏位は偏位したウエハ(その中心はO’にある)の先端Qと適当な位置でのウエハ(その中心はOにある)の先端Pとの間の差a(=P’とPとの間の距離及びQ’とQとの間の距離の和)により与えられる。ここでaは以下で説明するように計算できる。
【0053】
2)装置制御器の記憶領域内にa’を登録する。
【0054】
3)ウエハ搬送機がウエハ処理チャンバへウエハの搬入を開始する。
【0055】
4)ウエハにより遮断される光量の最大値を検出するためのピークホールド回路及び第2光センサ32を使用し、Y軸線方向での偏位bの量を検出する。(ちなみに、この偏位は図示の都合上拡大されている。また、図9において、第2光センサ32はウエハの底端から偏位しているが、ウエハは第2センサ32上にありセンサにより受光される光を遮断している。)
【0056】
5)装置制御器の記憶領域内にbを登録する。
【0057】
6)記憶領域からX軸線方向の検出した偏位量a’及びY軸線方向の検出した偏位量bを読み出し、以下の式に基づいて装置制御器を使ってX軸線方向の実際の偏位量aを計算する(Rはウエハ半径を示す)。
【0058】
a=a’+(R−SQRT(R2−b2)) (1)
【0059】
7)ウエハ処理チャンバ内でウエハ搬送機のアーム軸を使って、X軸線方向の偏位量aを補正する。
【0060】
8)ウエハ処理チャンバ内でウエハ搬送機の回転軸を使って、Y軸線方向の偏位量bを補正する。
【0061】
9)ウエハ搬送機のZ軸線方向動作(下方動作)を通じてウエハ搬入を完了する。
【0062】
上記した式(1)の実際のX軸線方向の偏位量の計算を図9を参照してさらに説明する。図9において、実線は正しいウエハ位置を表し、点線は偏位したウエハ位置を表す。図の点線で示すウエハ位置は、ウエハが第2センサ上に全くないほど偏位している。この状態では、実際に偏位の検出は不可能である。ここで、状態は、見やすいように故意に拡大して示されている。
【0063】
まず、第1センサ31上で正しく配置されたウエハのX軸線方向の位置Pと第1センサ31上で偏位したウエハのX軸線方向の位置P’との間の距離は、X軸線方向で検出した偏位量を与える。次に、第2センサ32上で正しく配置されたウエハのY軸線方向位置と、第2センサ32上で偏位したウエハのY軸線方向位置との間の距離bは、Y軸線方向で検出した偏位量を与える(上記したように、図9において偏位したウエハは第2センサ上にはないが、説明の都合上、Y軸線方向位置が検出されたと仮定する)。X軸線に沿って偏位したウエハの先端位置がQで与えられると、ウエハのX軸線方向の実際の偏位量はX軸線に沿ってPとQとの間の距離aで与えられる。このaを得るために、ポイントP’から延長する線がX軸と直角で交わるところのポイントQ’と、偏位したウエハの原点O’との間の距離cを求める必要がある。しかしここで、距離cは三角形O’P’Q’の一辺O’Q’である。また、辺O’P’はウエハの半径Rを表し(ウエハサイズが300mmであれば、R=150mm)、辺P’Q’はY軸線方向の偏位量bを示す。辺P’Q’と辺O’Q’により形成される角度は90°であるから、辺O’Q’または距離cはピタゴラスの定理を使って得られる。特に、ピタゴラスの定理は以下の関係をもたらす。
【0064】
(O’Q’)2+(P’Q’)2=(O’P’)2 (2)
O’Q’=c、P’Q’=b、O’P’=Rであるから、以下の関係が成り立つ。
【0065】
c=SQRT(R2−b2) (3)
式(3)において、SQRTは平方根である。
【0066】
こうしてcが得られ、図9より以下の関係を利用することができる。
【0067】
a=a’+(R−c) (4)
結果として、以下の関係が成り立つ。
【0068】
a=a’+(R−SQRT(R2−b2))
こうして最終的に式(1)が導出される。
【0069】
本発明において、ウエハ搬送機は、上記したウエハ偏位の検出及び補正を達成するために、搬送機に取付けられたウエハクランパを有しても有しなくともよい。図13に示すように、ウエハクランパ131が搬送機に取付けられれば、本発明の方法は、ウエハからの放熱のためにウエハ搬送機のアームの熱膨張から生じるアーム伸長方向のウエハ偏位を検出し補正するのに使用することも可能である。
【0070】
上記に基づき、本発明のひとつの実施形態は、ウエハ偏位を検出し、ウエハ位置を補正することができる半導体製造装置を与え、特にウエハ搬送機上でのウエハの偏位が検出されかつ補正される。ピークホールド回路を光センサに接続することにより、ウエハ偏位を検出しかつ補正する機能が低コストな方法で実現可能である。
【0071】
本発明は上記した実施形態及び以下に示す他のさまざまな実施形態を包含する。
【0072】
1)半導体ウエハ搬送機チャンバ、半導体ウエハ処理チャンバ及び半導体ウエハ搬送機を含む半導体製造装置であって、当該半導体製造装置は、半導体ウエハ搬送機チャンバは特定の位置に少なくとも2つの光センサを有し、半導体ウエハ搬送機がウエハを載置したとき、ウエハは第1光センサにより受光される光を遮断し、ウエハ搬送機が半導体ウエハ処理チャンバへウエハを搬入するとき、ウエハは第2光センサにより受光される光を遮断し、該第2光センサは特定の時間間隔の間遮断された光量の最大値を格納することができる電気回路に接続され、そうしてウエハがウエハ搬送機上で正しい位置に配置されているか否かを検出し、光センサの遮断された光量から正しいウエハ位置を計算するために、第1光センサの遮断された光量及び第2光センサの遮断された光量の最大値は正しいウエハ位置に対応する予め登録された遮断された光量と比較され、結果として半導体ウエハ搬送機は半導体処理チャンバ内部においてウエハを計算された正しい位置に搬入することができることを特徴とする。
【0073】
2)上記1)に記載の半導体製造装置であって、該電気回路はピークホールド回路であることを特徴とする。
【0074】
3)上記1)に記載の半導体製造装置であって、ウエハが正しい位置に配置されているか否かを検出することができる第1光センサは、センサ数を削減するために他の目的用の光センサとしも機能することができ、それにより、低コストの装置が実現可能であることを特徴とする。
【0075】
本発明の思想及び態様から離れることなく多くのさまざまな修正が可能であることは当業者の知るところである。したがって、言うまでもなく、本発明の形式は例示に過ぎず、本発明の態様を限定するものではない。
【技術分野】
【0001】
本願発明は概して、ウエハ位置合わせ装置を備えた半導体処理装置に関し、特に、ウエハの偏位を補償するウエハ搬送機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単位時間当たりに処理されるウエハの枚数(=スループット)は、半導体の製造の際に使用される半導体製造装置に関して、重要な関心事となってきている。スループットを改善するために、半導体製造装置においてさまざまなアイデアが試行されてきた。例えば、ウエハ処理チャンバの数を増加させること、ウエハ搬送機に複数のアームを取付けること、及びウエハ搬送機のウエハ搬入スピードを上げることなどである。
【0003】
しかし、ウエハの搬入速度を上げることにより生じるウエハ搬送機上でのウエハの偏位の問題は、大きな問題として残されている。特に、ウエハがウエハ処理チャンバ内の特定の位置からずれた位置に載置されると、膜の均一性の低下などのさまざまなプロセス上の問題が発生する。また、ウエハ格納チャンバへウエハを戻す処理中にウエハがそのウエハ格納チャンバ内に落ちたり、チャンバに当たりダメージを受けることもあり得る。
【0004】
ウエハのこの偏位の問題を解決するための周知の方法は、ウエハ搬入方向前方の位置にひとつまたは複数の光センサを配置し、ウエハ搬送機がウエハを目標方向に搬入する際に、該光センサによって受光される光が遮断される時間間隔または搬送機のエンコーダからのパルスの数を測定して、測定した値を正しいウエハ位置に対応する予め登録した値と比較して、ウエハ位置の偏位を検出し、ウエハ位置を補正する、というものである。
【0005】
上記方法にも採用されるが、出力信号のデジタルサンプリングはウエハ搬送機が動作中にセンサ出力を検出するのに使用される一般的な方法である。特に、この方法は、信号値が古い順にデジタル値に変換され、その変換された一連のデジタルデータが最大値及び最小値を得るのに使用されるものである。近年、信号サンプリング及びデータ解析はEES(イクイップメント・エンジニアリング・システム)のようなシステムを使って実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このサンプリングの方法では、高速なウエハ搬送機の動作を捉えることが難しく、EESで使用される一般的なサンプリング周波数である100ミリ秒のサンプリング周波数において、ウエハ搬送機のアーム動作を追跡するのはほとんど不可能である。この問題を解消するためにウエハ搬送機の動作速度が低下すると、半導体製造装置のスループットは低下する。一方、サンプリング周波数が上がれば、データの量が増加し、データを保存する記憶装置が必要となる。その結果、必然的にコストが上昇する。
【0007】
また、ウエハ搬送機のアームの伸長方向の偏位はセンサ出力のみから検出することができない。アーム伸長方向の偏位を検出するために、搬送機制御器は、ウエハ搬送機自身の動作をモニターし、かつ、センサにより受光される光が遮断される間の時間間隔にわたって搬送機のエンコーダからのパルス数をカウントするように専ら設計された、ビルトイン型のウエハ偏位検出部を具備しなければならない。この検出部の使用は検出精度及びコスト増加などの問題をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題の少なくともひとつを解決するために、本願発明のひとつの態様に従う半導体製造装置は、ウエハ搬送機に載置されたウエハの前方または側方に配置された光センサを有し、前方光センサからの出力信号はウエハ搬送機が静止している間に検出され、側方光センサからの出力信号はウエハ搬送機がウエハを処理チャンバへ搬入する際にウエハがセンサを通過する時間に検出され、これら2つの検出信号はウエハの偏位量を計算し該偏位量を補正するために、正しいウエハ位置に対応する予め登録された信号と比較され、それによりウエハは処理チャンバ内の正しい位置に搬入される。
【0009】
本願発明のひとつの態様において、ウエハの側方に配置された光センサは、ウエハにより遮断されているセンサにより受光される光の最大量を保存することができるピークホールド回路に接続されている。こうして、ウエハ搬送機の速度を減速する必要がなくなり、光センサ出力信号または搬送機からのパルス数の高速サンプリングの必要もなくなる。さらに、専用のビルトインウエハ偏位検出部を搬送機制御器内部に設ける必要がなくなる。上記すべての利益が組み合わされるとき、コスト的に有効な方法で、ウエハ偏位の検出及び補正の機能を与えることが可能となる。
【0010】
本発明の態様及び従来技術に対する利点を要約する目的で、本発明のある目的及び利点が開示される。もちろん、本発明の特定の実施形態に従ってこれらすべての目的または利点が必ずしも達成されるものではない。よって、例えば、ここに教示または示唆されるような他の目的または利点を必ずしも達成することなく、ここに教示されるような利点のひとつまたは集合を達成しまたは最適化する方法で本発明が実施または実行され得ることは当業者の知るところである。
【0011】
本発明の他の態様、特徴及び利点は以下の好適実施形態の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、4つのウエハ処理チャンバ、2つのウエハ入/出チャンバ、2つのロボットアーム、及び本発明の実施形態において使用可能なひとつのウエハ搬送機チャンバを含む半導体処理装置を概略的に示したものである。
【図2】図2は、本発明の実施形態において使用可能なウエハ搬送機を概略的に示したものである。
【図3】図3は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハが第1光センサを覆うところの搬入準備位置のウエハ搬送機に載置されたウエハを示す。
【図4】図4は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機チャンバ内での光センサの位置を示す。
【図5】図5は、本発明のひとつの実施形態に従い、光センサを覆うウエハを概略的に示す。
【図6】図6は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機の動きと第1光センサからの出力との関係を概略的に示したものである。
【図7】図7は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハ搬送機の動きと第2光センサからの出力との関係を概略的に示したものである。
【図8】図8は、本発明のひとつの実施形態に従い、第2光センサ内で使用されるピークホールド回路を概略的に示したものである。
【図9】図9は、本発明のひとつの実施形態に従い、位置ずれしたウエハ及び標準位置に位置合わせされたウエハに対するセンサ出力に基づいてX軸方向の偏位を計算するための方法を概略的に示したものである。
【図10】図10は、本発明のひとつの実施形態に従い、第1光センサを覆う位置ずれしたウエハを概略的に示したものである。
【図11】図11は、本発明のひとつの実施形態に従い、第2光センサを覆う位置ずれしたウエハを概略的に示したものである。
【図12】図12は、本発明のひとつの実施形態に従い、第1及び第2光センサを覆うウエハを概略的に示したものである。
【図13】図13は、本発明のひとつの実施形態に従い、ウエハクランパを備えたエンドエフェクタを概略的に示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の好適実施形態を詳細に説明する。好適実施形態及び図面は本願発明を限定するものではない。
【0014】
ひとつの実施形態において、半導体処理装置は、(I)ウエハ搬送機チャンバと、(II)少なくともひとつのウエハ処理チャンバであって、各々が該ウエハ搬送機チャンバに結合されるところのウエハ処理チャンバと、(III)該ウエハ処理チャンバ内にウエハを搬入するための、該ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機であって、前記ウエハ搬送機はウエハを載置するためのエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタは搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ、ウエハ搬入方向であるX軸線方向及びウエハ搬入面内で該X軸線方向に垂直のY軸線方向に移動可能であるところのウエハ搬送機と、(IV)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された少なくともひとつの第1光センサであって、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からX軸線方向に沿ってウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき、第1光センサにより受光される光を実質的に完全に遮断するところの位置に配置された第1光センサと、(V)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された少なくともひとつの第2光センサであって、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からX軸線方向に沿ってウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき、第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置された第2光センサを含む。
【0015】
上記したひとつの実施形態において、第1光センサは搬入準備位置で第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力するように適応され、第2光センサはウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバ方向へ移動するとき第2光センサにより感知される光量の最小値を示す第2信号を出力するよう適応される。
【0016】
上記いずれかの実施形態において、半導体処理装置は、さらに、X軸線方向またはY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハが偏位していないことを示す標準第1信号及び標準第2信号を保存する制御装置を含み、該制御装置は第1及び第2光センサから第1及び第2信号を受光し、第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較して、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定する。ひとつの実施形態において、ウエハの決定された偏位に基づいて制御装置はウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するようにウエハ搬送機を制御しエンドエフェクタを移動する。ひとつの実施形態において、制御装置は第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路を含む。ひとつの実施形態において、第1及び第2信号はアナログ信号であってもよい。他の実施形態において、信号は8ビット信号から構成されてもよい。
【0017】
上記いずれかの実施形態において、エンドエフェクタの上から見た場合、第1光センサは、ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心へ向けて引かれたX軸線と位置合わせされて配置される。ひとつの実施形態において、第1及び第2光センサはウエハ処理チャンバの付近に配置される。
【0018】
上記いずれかの実施形態において、第1光センサはX軸線方向に伸長した形状を有し、第2光センサはY軸線方向に伸長した形状を有する。
【0019】
上記いずれかの実施形態において、第1光センサはウエハ処理チャンバの前方の障害物を検出するためのセンサとしても機能する。
【0020】
上記いずれかの実施形態において、ウエハ搬送機は、搬入準備位置にエンドエフェクタを配置するようウエハ搬送機の軸線の周りにエンドエフェクタを回転させるように適応される。
【0021】
上記いずれかの実施形態において、少なくともひとつのウエハ処理チャンバは、ウエハ搬送機チャンバの周りに配置された2つ以上のウエハ処理チャンバを含む。
【0022】
ある実施形態において、ウエハ搬送機は、各々がエンドエフェクタを有するダブルアームを持つ。
【0023】
上記いずれかの実施形態において、ウエハ搬送機はさらにウエハをクランプするためのウエハクランパを含む。
【0024】
上記いずれかの実施形態において、第1及び第2光センサの各々はウエハ搬送機の軸線方向でエンドエフェクタの下側に配置された光エミッタ、及び軸線方向でエンドエフェクタの上側に配置された光センサを含む。ひとつの実施形態において、該光センサはCCD素子により構成される。
【0025】
本発明の他の態様に従い、ウエハ搬送機チャンバに結合されたウエハ処理チャンバへウエハを搬入するための方法は、(i)ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機のエンドエフェクタ上にウエハを載置する工程と、(ii)搬入準備位置にウエハとともにエンドエフェクタを移動する工程と、(iii)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された第1光センサにより、ウエハ搬入方向であるX軸線方向でのエンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、当該第1光センサは、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置で第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバに向けてX軸線方向へ移動するとき、第1光センサにより受光される光を実質的に完全に遮断するところの位置に配置される、ところの工程と、(iv)搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向にウエハとともにエンドエフェクタを移動する工程と、(v)ウエハ搬送機チャンバ内でウエハ処理チャンバの前に配置された第2光センサにより、ウエハ搬入面上でX軸線方向と垂直なY軸線方向でのエンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記第2光センサは、エンドエフェクタ上に載置されたウエハが搬入準備位置において第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置される、ところの工程と、(vi)ウエハ処理チャンバ内へウエハを搬入する際、X軸線及びY軸線方向での検出された偏位に基づいてエンドエフェクタの動きを調節する工程を含む。
【0026】
上記ひとつの実施形態において、第1光センサは工程(iii)において搬入準備位置で第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力し、第2光センサは工程(v)においてウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動するとき、第2光センサにより感知される光量の最小値を示す第2信号を出力する。
【0027】
上記いずれかの実施形態において、工程(vi)は、第1及び第2光センサから第1及び第2信号を受光する工程と、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するべく第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較する工程であって、前記標準第1信号及び標準第2信号はX軸線方向またはY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハの偏位がないことを示すところの工程を含む。
【0028】
上記いずれかの実施形態において、工程(vi)は、ウエハの決定された偏位に基づいてウエハ搬送機を制御し、ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するようにエンドエフェクタを移動する工程を含む。
【0029】
上記いずれかの実施形態において、工程(iii)において、偏位は、エンドエフェクタの上から見て、ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心へ引かれたX軸線上で測定される。ひとつの実施形態において、第1及び第2光センサはウエハ処理チャンバの付近に配置される。ひとつの実施形態において、偏位は第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路により測定される。
【0030】
上記いずれかの実施形態において、工程(ii)は搬入準備位置にエンドエフェクタを配置するべく、ウエハ搬送機の軸線の周りにエンドエフェクタを回転する工程を含む。
【0031】
上記いずれかの実施形態において、工程(iii)及び(v)は第1及び第2信号としてアナログ信号を使用する。
【0032】
以下、図面を参照して、本願発明をさらに詳細に説明する。本願発明は、これらの図面に限定されるものではない。
【0033】
本明細書の開示において条件及び/または構造が特定されていない場合、当業者は通常の実験的事項として本発明の開示を参照してこれらの条件及び/または構造を容易に与えることができる。
【0034】
図1は、従来の半導体製造装置の一例を概略的に示したものである。この装置は以下に挙げた別々のチャンバ(モジュール)を含む。
【0035】
IOC1、IOC2(入/出チャンバ):ウエハ入/出チャンバ3、4
WHC(ウエハ搬送機チャンバ):ウエハ搬送機チャンバ2
RC1、RC2、RC3、RC4(リアクタチャンバ):ウエハ処理チャンバ5、6、7、8
図1において、ウエハ搬送機1(真空ロボットまたはVR)がウエハ搬送機チャンバ2内に配置されている。このウエハ搬送機1はスループットを改善するために2本のアームを有する。これら2本のアームは、例えば、ウエハ処理チャンバ内で処理が完了したウエハがピックアップされると同時に次のウエハが処理チャンバ内に運ばれるようにすることにより、スループットを改善する。すなわち、処理済みのウエハをピックアップする動作のすぐ後の動作により新しいウエハが処理チャンバ内に配置されるので、ウエハ搬入時間が短縮され、その結果スループットが改善されるのである。
【0036】
次に、図2は、図1のウエハ搬送機を拡大して示したものである。図2において、単純化のために一本のアームのみが示されている。
【0037】
ウエハ搬送機1は、ジョイントを有するアーム22に枢着されたエンドエフェクタ21を含む。アーム22は回転可能な支持台23に枢着されている。エンドエフェクタ21は、前方端部に配置された突起24及び後方端部に配置された突起25から成るウエハロケータを備える。該エンドエフェクタはひとつ以上のエンドエフェクタを含んでもよい。
【0038】
次に、図3は、ウエハ33を載置した状態のウエハ搬送機1を示したものである。図3に示すように、ウエハ33がウエハ搬送機に載置されているとき、ウエハ搬送機上のウエハ33の先端は、ウエハ搬送機チャンバ内の特定位置に配置された第1光センサ31により受光される光を遮断する。ウエハ搬送機が図3の左側に位置するウエハ処理チャンバ(図示せず)にウエハ33を搬入するときも、図3に示すウエハ33の底端は該底端が通過する位置に配置された第2光センサにより受光される光を遮断する。言い換えれば、ウエハ搬送機がウエハを正しい位置に配置した場合、ウエハの左端部(図3)が第1光センサ31により受光される光を遮断し、矢印34で示されるX軸線方向にウエハ33が処理チャンバへ搬入されるとき、ウエハの底端が第2光センサ32を通過し、光センサにより受光される光を遮断するように、2つの光センサはウエハ搬送機チャンバ内に配置されなければならない(ウエハ搬送機チャンバ、ウエハ搬送機等の構造に応じて、2つ以上の光センサを配置することも可能である)。図3において、ウエハを上から見た場合、Y軸はX軸と直角に延びている。
【0039】
ここで、ウエハ搬送機チャンバ上での光センサ31、32の配置が図4において黒丸で示されている。図3で上記したように、第1光センサ31はウエハ搬送機の回転中心軸を通過する直線に沿って、各ウエハ処理チャンバ5、6、7若しくは8または入/出チャンバの前に配置される。センサは各処理チャンバに対するゲートバルブ42の前に配置されるため、このセンサはゲートバルブ42に対する障害物センサとしても使用可能であり、それがセンサ数の減少及び低コスト装置の実現に寄与する。図3で説明したように、第2光センサは、ウエハ搬送機が処理チャンバへウエハを搬入する際に、ウエハの側方端がセンサを通過する位置に配置される。このセンサもまた、各ウエハ処理チャンバまたはウエハ入/出チャンバの前に配置される。第1光センサは搬送機が回転する際のウエハの外周端のトラック41に沿って配置されるが、第2光センサはこのトラック41に沿って配置される必要はない(しかし、このセンサがトラックに沿って配置されてもよい)。
【0040】
第2光センサは、ウエハ搬送機の旋回が終わりウエハを処理チャンバ内にX軸線方向に搬入できる状態(搬入位置)のときに遮光せず、搬入が開始され処理チャンバ内に搬入されるまでの過程で部分的に遮光される位置に配置されていればよい。また、第1光センサもX軸線上でなく、X軸線から若干外れた位置に配置してもよく、搬入位置においてウエハが第1光センサを部分的に遮光し、搬入が開始され処理チャンバ内に搬入されるまでの過程で(一時的に)ほぼ完全に遮光される位置に配置されていればよい。
【0041】
第1光センサ31’及び第2光センサ32’がまた、入/出チャンバ内部のウエハ位置を最適化するように、ウエハ入/出チャンバ(またはロードロックチャンバ)3、4の前に配置されてもよい。
【0042】
次に、光センサの動作原理を図5に示す。ここで使用される光センサは発光部51及び受光部52を含み、これらは特定の寸法で互いに離隔されている。センサにより受光される光がウエハ33により遮断されたとき、光量が変化し、それによりセンサ出力が変化する(本発明のひとつの実施形態において、ウエハ位置はウエハにより遮断される光量に基づいて約1ミクロンの精度(反復精度)で検出可能である)。発光部51は半導体レーザビーム(例えば、波長670nm)のソースである単一光源であり、受光部52はラインに沿って配置されたCCD素子を含む。好適には、光センサは幅及び長さが異なる寸法を有し、特に、受光部52はウエハ偏位を適切に検出することができるよう長手方向を有する(好適には、受光部52及び発光部51は一対で与えられ、ほぼ同じ形状を有する)。例えば、発光部は9mm×3mmの発光面積を有し、受光部は7mm×0.085mmの有効受光面積を有する(有効受光面積のアスペクト比は、その10倍から100倍である)。発光部51は底部に配置され、受光部52は天部に配置される。これにより、受光センサ位置の調節が容易となる。本発明のひとつの実施形態において好適に使用可能な光センサは、PBZ-CL007V(Yamatake社製のレーザ型ラインCCD)を含む。
なお、受光部52からの信号は制御部53に入力されるが、制御部53には、ウエハが適正位置にあった場合の信号の値(基準値)が登録されており、入力信号の値と比較できるようになっている。比較結果により制御部53は、ウエハ搬送機起動装置54に是正量にかかる制御信号を出力しウエハ搬送機を制御し、処理チャンバに搬入されるウエハの位置を是正する。
【0043】
次に、ウエハ搬送機の実際の動作及びいかにしてウエハ偏位が検出され補正されるかを説明する。最初に、ウエハ偏位検出の例を図3及び図12を参照して説明する。ウエハ入/出チャンバからウエハ33をピックアップした後、ウエハ搬送機は回転し、目標の処理チャンバのちょうど正面(搬入準備位置)にウエハを移動する(図12(a))。ウエハ搬送機及びウエハが目標のウエハ処理チャンバの前で静止したとき、第1光センサ31の出力が検出される。この検出された出力は図3に従いX軸線方向でのウエハ位置を表す。次に、図12(b)に示すように、ウエハが搬入準備位置から目標のウエハ処理チャンバ内にまっすぐ移動したとき、第2光センサ32の出力が検出される。この検出された出力は、図3に従いY軸線方向でのウエハ位置を表す。図6及び図7はそれぞれX軸線方向及びY軸線方向でのウエハ位置の動きを示す。
【0044】
図6は、第1光センサ31の出力がウエハ搬送機の動作時間に対してどのように変化するかを示すグラフである。横軸は時間(t)を示し、縦軸はセンサにより受光される光量(QL)を示す。図6の左側において、ウエハ搬送機は回転し、目標のウエハ処理チャンバに徐々に近づき、結果として第1光センサ31により受光される光は徐々に遮られ、光量が減少する。図6の中央付近において、ウエハ搬送機は回転を完了し、しばらくの間静止状態となる。その後、ウエハが目標のウエハ処理チャンバ内に搬入されたとき、第1光センサ31により受光される光はウエハにより完全に遮断され、光量はゼロになる。これは、図6の右側で生じる。
【0045】
ここで、実線A及び点線Bを含む、光量の変化を示す2本の線が図6に示されている。実線Aは、ウエハがウエハ搬送機上に正しく配置されているときの光量の変化を表し、点線Bはウエハがウエハ搬送機上で偏位したときの光量の変化を表している。これらの2つの光量の間の差は、正しい位置からのウエハの偏位の度合いを示す量を与える。本発明のひとつの実施形態において、ウエハ搬送機が回転を停止しかつウエハ処理チャンバの前でしばらく静止したとき得られた2つの光量の間の差が偏位量として与えられる。また、ウエハがウエハ搬送機上で正しく配置されているときの光量はまえもって装置制御器53に登録される必要があり、ウエハの偏位量を検出するのにその登録値が実際のセンサ出力(光量)と比較される。図6において、ウエハは光センサにより受光される光をより遮断する方向へ偏位している。言うまでもなく、ウエハは反対方向へも偏位可能であり、その場合、点線は図6の実線Aの上を通ることになる。
【0046】
次に、第2光センサ32の出力がウエハ搬送機の動作時間に関してどのように変化するかを図6と同様の方法で図7に示す。図7の左側において、ウエハの側端が第2光センサ32により受光される光を徐々に遮断し、図7の中央付近でウエハは第2光センサ32により受光される光を最大に遮断する。その後、センサにより受光される光量はウエハがセンサから離れるに従い増加する。これは、図7の右側で生じる。
【0047】
ここでも、図6の説明と同様に、光量の2つの変化が実線A及び点線Cにより示されている。実線Aはウエハがウエハ搬送機上に正しく配置されているときの光量の変化を表し、点線Cはウエハがウエハ搬送機上で偏位しているときの光量の変化を表している。ウエハが第2光センサ32により受光される光を最大に遮っているときの2つの光量間の差は、ウエハの偏位量を与える。ウエハ搬送機が高速で動作中に、遮断された光量の最大値を検出する方法を以下で説明する。図6の場合と同様に、ウエハがウエハ搬送機上で正しく配置されているときの光量はまえもって装置制御器53に登録される必要があり、ウエハの偏位量を検出するために、この登録値が実際のセンサ出力(光量)と比較される。図7において、ウエハは光センサにより受光される光をより遮断する方向へ偏位してもよい。言うまでもなく、ウエハは反対方向に偏位することもでき、その場合、点線は図7の実線Aの上を通ることになる。
【0048】
上記した動作原理をわかりやすく説明するために、図10及び図11は、それぞれ図6及び図7の状態でのウエハ搬送機と光センサの位置関係を表している。特に、ウエハ33が図10において正しい位置Aにあるとき、ウエハの先端は光センサ31の中央付近に配置されている。一方、ウエハ位置がX軸線方向に変位したとき(位置B)、光センサにより受光される光はより遮断される。図11において、ウエハ32が正しい位置Aにあるとき、ウエハの先端は光センサ32の中央付近に配置されている。一方ウエハがY軸線方向に移動したとき(位置C)、光センサにより受光される光はより遮断される。したがって、図6及び図7に示すように、受光側のセンサにより受光される光量が減少する。言うまでもなく、上記したように、ウエハは受光量の増加する方向(図10及び図11で示す偏位方向と反対方向)に偏位してもよい。
【0049】
次に、図7に関して言及した遮断光量の最大値を検出する方法のひとつの実施形態を説明する。センサ出力は図8に示す回路に入力される。出力電圧が降下するに従い、電流の方向が逆転してキャパシタCが充電する。次に、出力電圧が遮断光量の最大値を超えて上昇する場合を考える。これは、図7の右側に示す状態に対応する。この状態において、電荷はダイオードDのために後方には流れることができない。したがって、キャパシタCにより保持された電荷の量は、光を最大に遮断しているときに達成された値と等しいままである。言い換えれば、図8に示すのは、一般的なピークホールド回路である。この回路は一例に過ぎず、同様の目的を達成することができる限り、他の回路を使用してもよい。
【0050】
センサ出力信号をデジタル信号に変換しかつ変換した信号をサンプリングする上記した方法に比べ、図8に示すようなピークホールド回路を使って最大遮断状態に対応する出力値のみを保持する方法によれば、必要な出力値のみを、高信頼性かつ低コストで取得することが可能となる。
【0051】
ここで、図6及び図7に示すようなウエハ偏位を補正する動作を、図9を参照し要約して説明する。本発明のひとつの実施形態において、動作は概ね以下の通りである。
【0052】
1)ウエハ搬送機が回転した後、第1光センサ31がX軸線方向の偏位a’の量を検出する。ウエハはX軸線方向だけでなくY軸線方向にも偏位しているため、第1光センサ31により検出された位置P’はウエハの先端の替わりに第1光センサを覆うウエハの位置を表す。したがって、位置Pと位置P’との間の差はX軸線方向での偏位を直接与えるものではない。X軸線方向の実際の偏位は偏位したウエハ(その中心はO’にある)の先端Qと適当な位置でのウエハ(その中心はOにある)の先端Pとの間の差a(=P’とPとの間の距離及びQ’とQとの間の距離の和)により与えられる。ここでaは以下で説明するように計算できる。
【0053】
2)装置制御器の記憶領域内にa’を登録する。
【0054】
3)ウエハ搬送機がウエハ処理チャンバへウエハの搬入を開始する。
【0055】
4)ウエハにより遮断される光量の最大値を検出するためのピークホールド回路及び第2光センサ32を使用し、Y軸線方向での偏位bの量を検出する。(ちなみに、この偏位は図示の都合上拡大されている。また、図9において、第2光センサ32はウエハの底端から偏位しているが、ウエハは第2センサ32上にありセンサにより受光される光を遮断している。)
【0056】
5)装置制御器の記憶領域内にbを登録する。
【0057】
6)記憶領域からX軸線方向の検出した偏位量a’及びY軸線方向の検出した偏位量bを読み出し、以下の式に基づいて装置制御器を使ってX軸線方向の実際の偏位量aを計算する(Rはウエハ半径を示す)。
【0058】
a=a’+(R−SQRT(R2−b2)) (1)
【0059】
7)ウエハ処理チャンバ内でウエハ搬送機のアーム軸を使って、X軸線方向の偏位量aを補正する。
【0060】
8)ウエハ処理チャンバ内でウエハ搬送機の回転軸を使って、Y軸線方向の偏位量bを補正する。
【0061】
9)ウエハ搬送機のZ軸線方向動作(下方動作)を通じてウエハ搬入を完了する。
【0062】
上記した式(1)の実際のX軸線方向の偏位量の計算を図9を参照してさらに説明する。図9において、実線は正しいウエハ位置を表し、点線は偏位したウエハ位置を表す。図の点線で示すウエハ位置は、ウエハが第2センサ上に全くないほど偏位している。この状態では、実際に偏位の検出は不可能である。ここで、状態は、見やすいように故意に拡大して示されている。
【0063】
まず、第1センサ31上で正しく配置されたウエハのX軸線方向の位置Pと第1センサ31上で偏位したウエハのX軸線方向の位置P’との間の距離は、X軸線方向で検出した偏位量を与える。次に、第2センサ32上で正しく配置されたウエハのY軸線方向位置と、第2センサ32上で偏位したウエハのY軸線方向位置との間の距離bは、Y軸線方向で検出した偏位量を与える(上記したように、図9において偏位したウエハは第2センサ上にはないが、説明の都合上、Y軸線方向位置が検出されたと仮定する)。X軸線に沿って偏位したウエハの先端位置がQで与えられると、ウエハのX軸線方向の実際の偏位量はX軸線に沿ってPとQとの間の距離aで与えられる。このaを得るために、ポイントP’から延長する線がX軸と直角で交わるところのポイントQ’と、偏位したウエハの原点O’との間の距離cを求める必要がある。しかしここで、距離cは三角形O’P’Q’の一辺O’Q’である。また、辺O’P’はウエハの半径Rを表し(ウエハサイズが300mmであれば、R=150mm)、辺P’Q’はY軸線方向の偏位量bを示す。辺P’Q’と辺O’Q’により形成される角度は90°であるから、辺O’Q’または距離cはピタゴラスの定理を使って得られる。特に、ピタゴラスの定理は以下の関係をもたらす。
【0064】
(O’Q’)2+(P’Q’)2=(O’P’)2 (2)
O’Q’=c、P’Q’=b、O’P’=Rであるから、以下の関係が成り立つ。
【0065】
c=SQRT(R2−b2) (3)
式(3)において、SQRTは平方根である。
【0066】
こうしてcが得られ、図9より以下の関係を利用することができる。
【0067】
a=a’+(R−c) (4)
結果として、以下の関係が成り立つ。
【0068】
a=a’+(R−SQRT(R2−b2))
こうして最終的に式(1)が導出される。
【0069】
本発明において、ウエハ搬送機は、上記したウエハ偏位の検出及び補正を達成するために、搬送機に取付けられたウエハクランパを有しても有しなくともよい。図13に示すように、ウエハクランパ131が搬送機に取付けられれば、本発明の方法は、ウエハからの放熱のためにウエハ搬送機のアームの熱膨張から生じるアーム伸長方向のウエハ偏位を検出し補正するのに使用することも可能である。
【0070】
上記に基づき、本発明のひとつの実施形態は、ウエハ偏位を検出し、ウエハ位置を補正することができる半導体製造装置を与え、特にウエハ搬送機上でのウエハの偏位が検出されかつ補正される。ピークホールド回路を光センサに接続することにより、ウエハ偏位を検出しかつ補正する機能が低コストな方法で実現可能である。
【0071】
本発明は上記した実施形態及び以下に示す他のさまざまな実施形態を包含する。
【0072】
1)半導体ウエハ搬送機チャンバ、半導体ウエハ処理チャンバ及び半導体ウエハ搬送機を含む半導体製造装置であって、当該半導体製造装置は、半導体ウエハ搬送機チャンバは特定の位置に少なくとも2つの光センサを有し、半導体ウエハ搬送機がウエハを載置したとき、ウエハは第1光センサにより受光される光を遮断し、ウエハ搬送機が半導体ウエハ処理チャンバへウエハを搬入するとき、ウエハは第2光センサにより受光される光を遮断し、該第2光センサは特定の時間間隔の間遮断された光量の最大値を格納することができる電気回路に接続され、そうしてウエハがウエハ搬送機上で正しい位置に配置されているか否かを検出し、光センサの遮断された光量から正しいウエハ位置を計算するために、第1光センサの遮断された光量及び第2光センサの遮断された光量の最大値は正しいウエハ位置に対応する予め登録された遮断された光量と比較され、結果として半導体ウエハ搬送機は半導体処理チャンバ内部においてウエハを計算された正しい位置に搬入することができることを特徴とする。
【0073】
2)上記1)に記載の半導体製造装置であって、該電気回路はピークホールド回路であることを特徴とする。
【0074】
3)上記1)に記載の半導体製造装置であって、ウエハが正しい位置に配置されているか否かを検出することができる第1光センサは、センサ数を削減するために他の目的用の光センサとしも機能することができ、それにより、低コストの装置が実現可能であることを特徴とする。
【0075】
本発明の思想及び態様から離れることなく多くのさまざまな修正が可能であることは当業者の知るところである。したがって、言うまでもなく、本発明の形式は例示に過ぎず、本発明の態様を限定するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置であって、
ウエハ搬送機チャンバと、
少なくともひとつのウエハ処理チャンバであって、各々が前記ウエハ搬送機チャンバと結合するところのウエハ処理チャンバと、
前記ウエハ処理チャンバの内部にウエハを搬入するための前記ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機であって、前記ウエハ搬送機はウエハを載置するためのエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタはウエハ搬入方向であるX軸線方向及びウエハ搬入面内で前記X軸線方向と垂直であるY軸線方向で搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動可能であるところのウエハ搬送機と、
前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された少なくとも1つの第1光センサであって、搬入準備位置において前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハが前記第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置から前記ウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき前記第1光センサにより受光される光を完全に遮断するところの位置に配置された第1光センサと、
前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された少なくとも1つの第2光センサであって、搬入準備位置において前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハが前記第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき前記第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置された第2光センサと、
を含むことを特徴とする半導体処理装置。
【請求項2】
前記第1光センサは搬入準備位置で前記第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力するよう適応され、前記第2光センサはウエハが搬入準備位置から前記ウエハ処理チャンバへ移動するとき、前記第2光センサにより感知される光量の最低値を示す第2信号を出力するよう適応されている、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項3】
さらに、X軸線方向またはY軸線方向のいずれにも前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハの偏位が無いことを示す標準第1信号及び標準第2信号を格納する制御装置を含み、前記制御装置は前記第1及び第2光センサから前記第1及び第2信号を受光し、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するために前記第1及び第2信号を前記標準第1及び標準第2信号と比較する、
ことを特徴とする請求項2記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、ウエハの決定された偏位に基づいて前記ウエハ搬送機を制御し、前記ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するように前記エンドエフェクタを移動する、
ことを特徴とする請求項3記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記第1光センサは、前記エンドエフェクタの上から見て、前記ウエハ搬送機の軸線から前記ウエハ処理チャンバの中心に引かれたX軸線と位置合わせして配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記第1及び第2光センサは前記ウエハ処理チャンバの付近に配置される、
ことを特徴とする請求項5記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記第1光センサはX軸線方向に伸長した形状を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記第2光センサはY軸線方向に伸長した形状を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項9】
前記制御装置は前記第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路を含む、
ことを特徴とする請求項3記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記第1光センサは前記ウエハ処理チャンバの前の障害物を検出するためのセンサとしても機能する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項11】
前記ウエハ搬送機は搬入準備位置に前記エンドエフェクタを位置させるよう前記ウエハ搬送機の軸線の周りに前記エンドエフェクタを回転するよう適応されている、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項12】
前記少なくともひとつのウエハ処理チャンバは、前記ウエハ搬送機チャンバの周りに配置された2つ以上のウエハ処理チャンバを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項13】
前記ウエハ搬送機は、2つのアームを備え、各々のアームがエンドエフェクタを有する、
ことを特徴とする請求項12記載の半導体処理装置。
【請求項14】
前記ウエハ搬送機は、さらに、ウエハをクランプするためのウエハクランパを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項15】
前記第1及び第2光センサの各々は、前記ウエハ搬送機の軸線方向で前記エンドエフェクタの下側に配置された発エミッタ及び前記軸線方向で前記エンドエフェクタの上側に配置された光センサを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記第1及び第2信号はアナログ信号である、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項17】
前記光センサはCCD素子により構成される、
ことを特徴とする請求項15記載の半導体処理装置。
【請求項18】
ウエハ搬送機チャンバへ結合されたウエハ処理チャンバへウエハを搬入するための方法であって、
(i)前記ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機のエンドエフェクタ上にウエハを配置する工程と、
(ii)ウエハとともに前記エンドエフェクタを搬入準備位置に移動する工程と、
(iii)前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された第1光センサによりウエハ搬入方向であるX軸線方向で前記エンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハは、搬入準備位置で前記第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき、前記第1光センサにより受光される光を完全に遮断するところの位置に前記第1光センサが配置されるところの工程と、
(iv)ウエハとともに前記エンドエフェクタを搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動する工程と、
(v)前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された第2光センサによりウエハ搬入面上でX軸線方向と垂直のY軸線方向で前記エンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハは、搬入準備位置で前記第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき、前記第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に前記第2光センサが配置されるところの工程と、
(vi)前記ウエハ処理チャンバ内にウエハを搬入する際、X軸線及びY軸線方向での検出された偏位に基づいて、前記エンドエフェクタの動きを調節する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記光センサは工程(iii)において搬入準備位置で第1光センサにより感知された光量を示す第1信号を出力し、前記第2光センサは工程(v)においてウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動するとき前記第2光センサにより感知される光量の最低値を示す第2信号を出力する、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記工程(vi)は、前記第1及び第2光センサから前記第1及び第2信号を受光する工程と、X軸線方向での前記エンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向での前記エンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するために、前記第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較する工程を含み、前記標準第1及び標準第2信号はX軸線方向及びY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハが偏位していないことを示す、
ことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記工程(vi)は、ウエハの決定された偏位に基づいてウエハ搬送機を制御し、前記ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するように前記エンドエフェクタを移動する工程を含む、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記工程(iii)において、偏位は、前記エンドエフェクタの上から見て、前記ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心に引かれたX軸線上で測定される、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2光センサは前記ウエハ処理チャンバの付近に配置されている、
ことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
偏位は、前記第2光センサから出力された前記第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路により測定される、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記工程(ii)は、搬入準備位置に前記エンドエフェクタを位置させるよう前記ウエハ搬送機の軸線の周りに前記エンドエフェクタを回転させる工程を含む、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項26】
前記工程(iii)及び工程(v)は、第1及び第2信号としてアナログ信号を使用する、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項1】
半導体製造装置であって、
ウエハ搬送機チャンバと、
少なくともひとつのウエハ処理チャンバであって、各々が前記ウエハ搬送機チャンバと結合するところのウエハ処理チャンバと、
前記ウエハ処理チャンバの内部にウエハを搬入するための前記ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機であって、前記ウエハ搬送機はウエハを載置するためのエンドエフェクタを含み、前記エンドエフェクタはウエハ搬入方向であるX軸線方向及びウエハ搬入面内で前記X軸線方向と垂直であるY軸線方向で搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動可能であるところのウエハ搬送機と、
前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された少なくとも1つの第1光センサであって、搬入準備位置において前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハが前記第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置から前記ウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき前記第1光センサにより受光される光を完全に遮断するところの位置に配置された第1光センサと、
前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された少なくとも1つの第2光センサであって、搬入準備位置において前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハが前記第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき前記第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に配置された第2光センサと、
を含むことを特徴とする半導体処理装置。
【請求項2】
前記第1光センサは搬入準備位置で前記第1光センサにより感知される光量を示す第1信号を出力するよう適応され、前記第2光センサはウエハが搬入準備位置から前記ウエハ処理チャンバへ移動するとき、前記第2光センサにより感知される光量の最低値を示す第2信号を出力するよう適応されている、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項3】
さらに、X軸線方向またはY軸線方向のいずれにも前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハの偏位が無いことを示す標準第1信号及び標準第2信号を格納する制御装置を含み、前記制御装置は前記第1及び第2光センサから前記第1及び第2信号を受光し、X軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向でのエンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するために前記第1及び第2信号を前記標準第1及び標準第2信号と比較する、
ことを特徴とする請求項2記載の半導体処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、ウエハの決定された偏位に基づいて前記ウエハ搬送機を制御し、前記ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するように前記エンドエフェクタを移動する、
ことを特徴とする請求項3記載の半導体処理装置。
【請求項5】
前記第1光センサは、前記エンドエフェクタの上から見て、前記ウエハ搬送機の軸線から前記ウエハ処理チャンバの中心に引かれたX軸線と位置合わせして配置される、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項6】
前記第1及び第2光センサは前記ウエハ処理チャンバの付近に配置される、
ことを特徴とする請求項5記載の半導体処理装置。
【請求項7】
前記第1光センサはX軸線方向に伸長した形状を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項8】
前記第2光センサはY軸線方向に伸長した形状を有する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項9】
前記制御装置は前記第2光センサから出力された第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路を含む、
ことを特徴とする請求項3記載の半導体処理装置。
【請求項10】
前記第1光センサは前記ウエハ処理チャンバの前の障害物を検出するためのセンサとしても機能する、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項11】
前記ウエハ搬送機は搬入準備位置に前記エンドエフェクタを位置させるよう前記ウエハ搬送機の軸線の周りに前記エンドエフェクタを回転するよう適応されている、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項12】
前記少なくともひとつのウエハ処理チャンバは、前記ウエハ搬送機チャンバの周りに配置された2つ以上のウエハ処理チャンバを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項13】
前記ウエハ搬送機は、2つのアームを備え、各々のアームがエンドエフェクタを有する、
ことを特徴とする請求項12記載の半導体処理装置。
【請求項14】
前記ウエハ搬送機は、さらに、ウエハをクランプするためのウエハクランパを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項15】
前記第1及び第2光センサの各々は、前記ウエハ搬送機の軸線方向で前記エンドエフェクタの下側に配置された発エミッタ及び前記軸線方向で前記エンドエフェクタの上側に配置された光センサを含む、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項16】
前記第1及び第2信号はアナログ信号である、
ことを特徴とする請求項1記載の半導体処理装置。
【請求項17】
前記光センサはCCD素子により構成される、
ことを特徴とする請求項15記載の半導体処理装置。
【請求項18】
ウエハ搬送機チャンバへ結合されたウエハ処理チャンバへウエハを搬入するための方法であって、
(i)前記ウエハ搬送機チャンバ内に配置されたウエハ搬送機のエンドエフェクタ上にウエハを配置する工程と、
(ii)ウエハとともに前記エンドエフェクタを搬入準備位置に移動する工程と、
(iii)前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された第1光センサによりウエハ搬入方向であるX軸線方向で前記エンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハは、搬入準備位置で前記第1光センサにより受光される光を部分的に遮断し、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき、前記第1光センサにより受光される光を完全に遮断するところの位置に前記第1光センサが配置されるところの工程と、
(iv)ウエハとともに前記エンドエフェクタを搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動する工程と、
(v)前記ウエハ搬送機チャンバ内で前記ウエハ処理チャンバの前に配置された第2光センサによりウエハ搬入面上でX軸線方向と垂直のY軸線方向で前記エンドエフェクタ上の標準位置からのウエハの偏位を検出する工程であって、前記エンドエフェクタ上に載置されたウエハは、搬入準備位置で前記第2光センサにより受光される光を遮断せず、ウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへX軸線方向に移動するとき、前記第2光センサにより受光される光を部分的に遮断するところの位置に前記第2光センサが配置されるところの工程と、
(vi)前記ウエハ処理チャンバ内にウエハを搬入する際、X軸線及びY軸線方向での検出された偏位に基づいて、前記エンドエフェクタの動きを調節する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記光センサは工程(iii)において搬入準備位置で第1光センサにより感知された光量を示す第1信号を出力し、前記第2光センサは工程(v)においてウエハが搬入準備位置からウエハ処理チャンバへ移動するとき前記第2光センサにより感知される光量の最低値を示す第2信号を出力する、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記工程(vi)は、前記第1及び第2光センサから前記第1及び第2信号を受光する工程と、X軸線方向での前記エンドエフェクタ上のウエハの偏位及びY軸線方向での前記エンドエフェクタ上のウエハの偏位を決定するために、前記第1及び第2信号を標準第1及び標準第2信号と比較する工程を含み、前記標準第1及び標準第2信号はX軸線方向及びY軸線方向のいずれにもエンドエフェクタ上に載置されたウエハが偏位していないことを示す、
ことを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記工程(vi)は、ウエハの決定された偏位に基づいてウエハ搬送機を制御し、前記ウエハ処理チャンバに対する偏位を補償するように前記エンドエフェクタを移動する工程を含む、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記工程(iii)において、偏位は、前記エンドエフェクタの上から見て、前記ウエハ搬送機の軸線からウエハ処理チャンバの中心に引かれたX軸線上で測定される、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記第1及び第2光センサは前記ウエハ処理チャンバの付近に配置されている、
ことを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
偏位は、前記第2光センサから出力された前記第2信号を一時的に保持するためのピークホールド回路により測定される、
ことを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
前記工程(ii)は、搬入準備位置に前記エンドエフェクタを位置させるよう前記ウエハ搬送機の軸線の周りに前記エンドエフェクタを回転させる工程を含む、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項26】
前記工程(iii)及び工程(v)は、第1及び第2信号としてアナログ信号を使用する、
ことを特徴とする請求項18記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−253286(P2009−253286A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86828(P2009−86828)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000227973)日本エー・エス・エム株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000227973)日本エー・エス・エム株式会社 (68)
【Fターム(参考)】
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