説明

エネルギー線検出装置の製造方法

【課題】 信号電荷の収集効率を向上する。
【解決手段】 半導体基板の表面1000の第1区域1001の下に設けられた第1半導体領域131と、表面1000の第2区域1002の下に設けられ、接続部300に接続された第2半導体領域132と、表面1000の第1区域1001と第2区域1002との間の第3区域1003の下に設けられた第3半導体領域133とを有するエネルギー線変換装置の製造方法において、
第1半導体領域131及び第3半導体領域131を、第1区域1001及び第3区域1003を覆い、且つ、第3区域1003を覆う部分203の厚さが第1区域1001を覆う部分201の厚さよりも薄い緩衝膜200を介して、半導体基板100にイオン注入を行うことによって形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー線検出装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー線検出装置には、広く用いられている半導体プロセスを用いて、半導体装置として製造されたものが知られている。
かかるエネルギー線検出装置は、信号電荷を発生する電荷発生素子が形成された活性部と、この活性部に接続された導電性の接続部とを備え、この接続部を介して信号電荷を検知する。具体的には、この接続部を、例えば増幅回路の増幅トランジスタのゲートに電気的に接続することによって、信号電荷の量に応じた増幅信号を得ることができる。高精度にエネルギー線を検出する上では、活性部において、接続部の近傍に信号電荷を効率的に収集することが有効である。
特許文献1には、半導体領域に不純物濃度が異なる複数の領域(第2半導体領域および内部領域)を形成することにより、電極領域に向けて電荷を移動させ得る電位勾配を形成することが開示されている。
特許文献2には、第2不純物領域が、第1部分と、第1部分の外側に配置された第2部分とを含み、第1部分が、第2部分の不純物濃度に比して高い不純物濃度を有するラインセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−312024号公報
【特許文献2】特開2007−81083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、第2半導体領域と内部領域を、フォトレジストマスクを2回形成して、各フォトレジストをマスクとしてイオン注入を行うことによって形成している。このような方法では、良好な電位勾配を形成することが難しく、電極領域に信号電荷を十分に収集することができない場合があった。
そこで本発明は、エネルギー線検出装置において、信号電荷の収集効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の第1は、エネルギー線の照射に応じて信号電荷が発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域を有する半導体基板と、前記電荷発生領域の一部に接続された接続部と備え、前記電荷発生領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域と、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域と、前記表面の、第1区域と第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域とを有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とする。
【0006】
また、上記課題を解決するための本発明の第2は、エネルギー線の照射に応じて信号電荷を発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域と、前記信号電荷を多数キャリアとする浮遊拡散領域と、前記電荷発生領域と前記浮遊拡散領域との間に設けられ、前記電荷発生領域から前記浮遊拡散領域に前記信号電荷を転送するチャネルが形成されるチャネル領域と、を有する半導体基板と、前記浮遊拡散領域の一部に接続された接続部と、を備え、前記電荷発生領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域を有し、前記浮遊拡散領域が、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域を有し、前記電荷発生領域が、前記表面の、前記第1区域と前記第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域をさらに有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とする。
【0007】
また、上記課題を解決するための本発明の第3は、エネルギー線の照射に応じて信号電荷を発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域と、前記信号電荷を多数キャリアとする浮遊拡散領域と、前記電荷発生領域と前記浮遊拡散領域との間に設けられ、前記電荷発生領域から前記浮遊拡散領域に前記信号電荷を転送するチャネルが形成されるチャネル領域と、を有する半導体基板と、前記浮遊拡散領域の一部に接続された接続部と、を備え、前記浮遊拡散領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域と、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域と、前記表面の、前記第1区域と前記第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域とを有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信号電荷の収集効率が向上したエネルギー線検出装置を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の電気回路図、(b)第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の平面模式図。(b)第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の断面模式図。
【図2】第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程a〜工程e)を説明する断面模式図。
【図3】第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程f、工程g)を説明する断面模式図。
【図4】第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程h)を説明する断面模式図。
【図5】第1実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程i〜工程k)を説明する断面模式図。
【図6】イオン注入による不純物濃度分布を説明する模式図。
【図7】緩衝膜の形成方法の一例を説明する模式図。
【図8】(a)第2実施形態におけるエネルギー線検出装置の電気回路図、(b)第2実施形態におけるエネルギー線検出装置の平面模式図。(b)第2実施形態におけるエネルギー線検出装置の断面模式図。
【図9】第2実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造工程(工程n〜p)を説明する断面模式図。
【図10】第2実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造工程(工程q〜s)を説明する断面模式図。
【図11】(a)第3実施形態におけるエネルギー線検出装置の平面模式図、(b)第3実施形態におけるエネルギー線検出装置の断面模式図、(c)第3実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程u)を説明する断面模式図。
【図12】(a)第4実施形態におけるエネルギー線検出装置の平面模式図、(b)第4実施形態におけるエネルギー線検出装置の断面模式図、(c)第4実施形態におけるエネルギー線検出装置の製造方法(工程w)を説明する断面模式図。
【図13】(a)第5実施形態におけるエネルギー線検出装置の電気回路図、(b)第5実施形態におけるエネルギー線検出装置の平面模式図、(c)第5実施形態におけるエネルギー線検出装置の断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のエネルギー線検出装置(以下、単純に検出装置と呼ぶ)の概要を説明する。検出装置は、エネルギー線を信号電荷に変換する変換手段を有している。変換手段は、検出装置へのエネルギー線の照射に応じて信号電荷を発生する電荷発生素子を有する。当然ながら、検出装置へ照射されるエネルギー線は少なくとも変換手段に照射される必要がある。検出装置へ照射されるエネルギー線としては可視光(波長360〜730nm)や赤外光、紫外光などの光線や、X線やγ線などの放射線、電子ビームやイオンビームなどの粒子線が挙げられる。しかし、電荷発生素子が反応する物理量が、変換手段に照射されるエネルギー線(すなわち、検出装置で検出されるエネルギー線)と全く同じである必要はない。例えば、電荷発生素子が反応する物理量が、変換手段に照射されるエネルギー線の一部であってもよいし、変換手段に照射されるエネルギー線とは異種のエネルギー線であってもよい。例えば、変換手段は、検出装置に照射されたエネルギー線から電荷発生素子が反応する波長を選択する波長選択部材を含むことができる。また、変換手段は、検出装置に照射されたエネルギー線の波長を、電荷発生素子が反応する波長のエネルギー線に変換する波長変換部材を含むことができる。
【0011】
検出装置は変換手段によって生成された信号電荷を検出する検出手段を備える。検出手段は、信号電荷の量に応じた信号を生成するが、信号電荷の量はエネルギー線の強度に依存するため、この信号はエネルギー線の強度を示す強度信号であると云える。そのため、この強度信号でもって、照射されたエネルギー線を検出することができる。検出手段は、例えば、増幅信号を生成する増幅回路や、増幅信号からノイズ低減等の信号処理を行う信号処理回路を含むことができる。強度信号は、典型的には電圧信号又は電流信号である。
【0012】
検出装置としては、単純にエネルギー線の強度を検出する測定装置も挙げられるが、エネルギー線の強度分布を画像として取得する撮像装置(イメージセンサ)には、本発明を特に好ましく適用することができる。エリアセンサ等の撮像装置は、多数の電荷発生素子を2次元状に配列することで得られる。また、ラインセンサ等の撮像装置は、多数の電荷発生素子を1次元状に配列し、撮影対象と相対移動することにより、撮影対象の画像を生成することができる。
【0013】
検出装置は半導体基板を有しており、変換手段を構成する電荷発生素子は、半導体基板に半導体素子として形成される。典型的には、検出手段もまた、電荷発生素子が形成された半導体基板と同一の半導体基板に集積回路として形成することができる。ただし、検出手段を電荷発生素子が設けられた半導体基板とは別に設けることもできる。半導体基板は、典型的には、単結晶Si基板であるが、単結晶Ge基板や単結晶GaAs基板などであってもよい。
【0014】
電荷発生素子としては、PN接合を有するフォトダイオードが好適に用いられるが、MIS接合を有するフォトゲートを用いてもよい。フォトダイオードは、PN接合を成す第1導電型の半導体領域と第2導電型の半導体領域を有するが、以下の説明では、信号電荷として用いる電荷を多数キャリアとする半導体領域を、第1導電型の半導体領域と定義する。信号電荷として用いる電荷を少数キャリアとする導電型の半導体領域を第2導電型の半導体領域と定義する。なお、信号電荷として用いる電荷は、信号電荷そのものの場合もあれば、信号電荷ではなく、例えばノイズとして振る舞う電荷であるが信号電荷と同極性の電荷である場合もある。
【0015】
例えば、フォトダイオードで生じた電子を信号電荷として用いる場合には、フォトダイオードを構成するN型半導体領域とP型半導体領域のうち、N型半導体領域を第1導電型の半導体領域と呼び、P型半導体領域を第2導電型の半導体領域と呼ぶ。信号電荷が正孔であってもよく、その場合には、N型半導体領域を第1導電型の半導体領域と呼び、P型半導体領域を第2導電型の半導体領域と呼ぶ。フォトダイオードでは、第1導電型の半導体領域だけでなく、第2導電型の半導体領域でも信号電荷が発生され得るが、本発明では、第1導電型の半導体領域に着目する。第2導電型の半導体領域で発生された信号電荷は、第2導電型の半導体領域から第1導電型の半導体領域へ空乏層を介して移動する。そのため、結果的に電荷発生素子に存在する信号電荷の大部分は第1導電型の半導体領域に存在することになる。したがって、電荷発生素子を有する検出装置において、第1導電型の半導体領域に着目することは、信号電荷の振る舞いを理解する上で有用である。なお、フォトゲートの場合は、MIS接合を構成する(絶縁体に接する)半導体領域を、第1導電型の半導体領域とする。
【0016】
そして、本発明に係る検出装置は次のような構成を有している。半導体基板の表面は第1区域と第2区域と、第1区域と第2区域の間の第3区域を含んでいる。そして、第1区域の下には第1導電型の第1半導体領域が設けられている。第2区域の下には第1導電型の第2半導体領域が設けられている。第3区域の下には第1導電型の第3半導体領域が設けられている。第1乃至3半導体領域は変換手段の一部を成す。変換手段と検出手段とを接続する接続部は、第2半導体領域に接続される。
【0017】
本発明では、このような半導体装置である検出装置を、第1半導体領域及び第3半導体領域を、緩衝膜を介して、半導体基板に、第1導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成するのである。この時用いる緩衝膜は、第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、緩衝膜の第3区域を覆う部分の厚さが第1区域を覆う部分の厚さよりも薄くなっている。
【0018】
以上のようにして検出装置を製造することにより、第3半導体領域の不純物濃度を、第1半導体領域の不純物濃度よりも容易に高くすることが可能になる。これに伴い、第1半導体領域に存在する信号電荷は、第3半導体領域へ容易に移動可能になる。したがって、第1半導体領域にとって第3半導体領域の向こう側に位置する第2半導体領域に集まる信号電荷の収集効率が向上し、第2半導体領域に接続された接続部の近傍に現れる信号電荷が多くなる。その結果、エネルギー線の検出精度が向上した検出装置を得ることができる。
【0019】
以下、電荷発生素子がフォトダイオードであり、信号電荷が電子であり、半導体基板が単結晶シリコンである例を挙げて、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0020】
<第1実施形態>
図1(a)は検出装置の第1実施形態における電気回路図である。本実施形態では、フォトダイオードである電荷発生素子160のカソードに、接続部300が接続されている。この接続部300は増幅回路500に接続されている。増幅回路500は少なくとも増幅トランジスタ510を有している。本例では、増幅回路500は、リセットトランジスタ520と選択トランジスタ530をさらに有している。そして接続部300は、増幅トランジスタ510のゲート電極と、リセットトランジスタ520の主電極(ソースまたはドレイン)に接続されている。増幅トランジスタ510のソースには選択トランジスタ530の主電極(ソース・ドレイン)を介して定電流源が接続されている。
【0021】
リセットトランジスタ520をONにすることにより、電荷発生素子160のカソードの電位がリセット電位Vresに規定される。リセットトランジスタ520をOFFにした後、エネルギー線の強度に応じた電荷が、電荷発生素子160で発生し、電荷発生素子160に蓄積される。接続部300に接続された増幅トランジスタ510のゲート電極は、電荷発生素子160で生じた電荷量に応じた電位に接続部300を介して規定される。選択トランジスタ530をONにすることにより、選択トランジスタ530の主電極に接続されたノードには増幅トランジスタ510のゲート電極の電位に応じた電圧が現れ、この電圧を増幅信号として得ることができる。増幅信号は信号処理回路540に入力され、ノイズ除去等の処理が行われ、エネルギー線の強度を示す強度信号として取り出される。
【0022】
かかる電気回路は半導体基板に集積回路として形成されている。電荷発生素子160は半導体基板の或る活性部120(第1の活性部)に設けられ、増幅回路500の少なくとも増幅トランジスタ510は、半導体基板の別の活性部125(第2の活性部)に設けられている。なお、本例では、リセットトランジスタ520と選択トランジスタ530を別の活性部125に設けているが、これらの少なくとも一方を活性部120及び活性部125とはさらに別の活性部に設けてもよい。また、選択トランジスタ530を省略して、増幅トランジスタ510の主電極を直接、定電流源に接続してもよい。
【0023】
図1(b)は半導体基板100において、電荷発生素子160が設けられた活性部120の近傍の平面模式図であり、図1(c)は活性部120の近傍の断面模式図である。活性部120は、半導体基板100の表面1000の下(半導体基板100の内部)に設けられている。本例では、平面的に見て活性部120の大部分が、電荷発生素子160で占められている。すなわち、活性部120のほぼ全域に渡って、電荷発生素子160のPN接合部が延在している。以下、図1(b)と図1(c)を相互に参照しながら、活性部120について説明する。
【0024】
電荷発生素子160は第1導電型の半導体領域である第1電荷発生領域130と第2導電型の半導体領域である第2電荷発生領域140を有しており、第1電荷発生領域130と第2電荷発生領域140とがPN接合を成している。第1電荷発生領域130は半導体基板100の表面1000と第2電荷発生領域140との間に配されている。第1電荷発生領域130と第2電荷発生領域140で発生した電荷は、第1電荷発生領域130に蓄積される。すなわち、第1電荷発生領域130は蓄積領域としても機能する。
【0025】
第1電荷発生領域130は、それぞれが第1導電型の半導体領域である、第1半導体領域131と、第2半導体領域132と、第3半導体領域133とを有している。
【0026】
ここで、半導体基板100の表面1000について説明する。表面1000を便宜的に、第1区域1001、第2区域1002、第3区域1003を含む複数の区域に区分する。第3区域1003は、第1区域1001と第2区域1002との間に位置する。本実施形態においては、第1区域1001は第3区域1003を囲んでおり、第2区域1002は第3区域1003に囲まれている。本例では、第3区域1003は、第1区域1001に連続しており、第2区域1002にも連続している。
【0027】
第1半導体領域131は第1区域1001の下に設けられており、第2半導体領域132は第2区域1002の下に設けられており、第3半導体領域133は第3区域1003の下に設けられている。第3半導体領域133は、第1半導体領域131と第2半導体領域132との間に配されている。そのため、第3半導体領域133を中間半導体領域と呼ぶこともできる。本実施形態においては、第1半導体領域131は第3半導体領域133を囲んでおり、第2半導体領域132は第3半導体領域133に囲まれている。本例では、第3半導体領域133は、第1半導体領域131に連続しており、第2半導体領域132にも連続している。
【0028】
さらに詳細に第1電荷発生領域130について説明する。
【0029】
第1電荷発生領域130は、それぞれが第1導電型の半導体領域である、第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303と第4濃度部分1304と第5濃度部分1305と第6濃度部分1306とを有している。
【0030】
第1半導体領域131は第1濃度部分1301を有している。第1濃度部分1301が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0031】
第2半導体領域132は、第2電荷発生領域140側から第2区域1002側に向かって、第3濃度部分1303と第5濃度部分1305と第6濃度部分1306をこの順で有している。第3濃度部分1303が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0032】
第3半導体領域133は第2電荷発生領域140側から第2区域1002側に向かって、第2濃度部分1302と第4濃度部分1304をこの順で有している。第2濃度部分1302が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0033】
第1〜第6濃度部分の不純物濃度について説明する。第4濃度部分1304と第5濃度部分1305の不純物濃度は、第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303の不純物濃度よりも高く、第6濃度部分1306の不純物濃度よりも低い。
【0034】
第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303はそれぞれ同程度の不純物濃度を有する。ただし、第3濃度部分1303の不純物濃度が、第1濃度部分1301の不純物濃度よりも高く、第2濃度部分1302の不純物濃度が、第1濃度部分1301と第3濃度部分1303の間の不純物濃度を有することが好ましい。
【0035】
また、第4濃度部分1304と第5濃度部分1305はそれぞれ同程度の不純物濃度を有する。ただし、第5濃度部分1305の不純物濃度が第4濃度部分の不純物濃度よりも高いことが好ましい。
【0036】
以上をまとめると、不純物濃度は、第1濃度部分1301≦第2濃度部分1302≦第3濃度部分1303<<第4濃度部分1304≦第5濃度部分1305<<第6濃度部分1306の関係となっている。
【0037】
本例では、第2半導体領域132の第6濃度部分1306は、低濃度部1321と高濃度部1322とを有している。低濃度部1321と高濃度部1322の不純物濃度は、いずれも第4濃度部分1304および第5濃度部分1305の不純物濃度よりも高い。低濃度部1321は、高濃度部1322と、第4濃度部分1304及び第5濃度部分1305との間に位置しており、高濃度部1322接している。なお、第6濃度部分1306が低濃度部1321と高濃度部1322を有さずに、均一な不純物濃度分布を有していてもよい。
【0038】
また、本例における電荷発生素子160は、半導体基板100の表面1000と第1電荷発生領域130との間に第2導電型の半導体領域である表面領域150を有している。半導体基板100の表面1000近傍には結晶欠陥が多く暗電流などのノイズ源となりやすいが、表面領域150を設けることにより、ノイズの影響を低減できる。このように、本例の電荷発生素子160はいわゆる埋め込み型のフォトダイオードとなっている。
【0039】
なお、第2電荷発生領域140が、不純物濃度が異なる複数の第2導電型の半導体領域を有していてもよい。例えば、第2電荷発生領域140を、第2導電型の第4半導体領域と、第2導電型の第5半導体領域と、第4半導体領域と第5半導体領域との間に位置する第6半導体領域と、で構成することができる。ここで、第4半導体領域は第6半導体領域よりも半導体基板100の深部に配される。そして、第2導電型の第5半導体領域が第2導電型の第2半導体領域132とPN接合を成す。このような構造の第2電荷発生領域140において、第4半導体領域の不純物濃度をC4、第5半導体領域の不純物濃度をC5、第6半導体領域の不純物濃度をC6として、C6<C5<C4を満たすことが好ましい。このような構成は、特開2005−197674号公報を参考にすることができる。第2電荷発生領域140の不純物濃度は、1015〜1018atoms/cmであることが好ましい。
【0040】
活性部120は別の活性部125から分離するための分離部110で囲まれている。本例では分離部110としてLOCOS(Local Oxdation Silicon)によって形成した分離絶縁体111(酸化シリコン膜)を有する構造を例示している。代わりに、半導体基板100に形成された凹部に分離絶縁体111を埋め込んだ構造(STI:Shallow Trench Isolation)を採用してもよいし、PN接合によって分離(拡散分離)してもよい。本例の分離部110は、分離絶縁体111と、分離絶縁体111に近接して配された第2導電型の半導体領域である分離領域112を含んでいる。分離領域112の不純物濃度は第2電荷発生領域140の不純物濃度より高い。分離領域112は第1分離領域1121と第2分離領域1122を有しており、第1分離領域1121は分離絶縁体111の下面に、第2分離領域1122は分離絶縁体111の側面(バーズビークの下面)に接してそれぞれ配されている。分離絶縁体111の近傍には半導体の結晶欠陥が多くノイズ源(暗電流源)となりやすいが、第2分離領域1122を設けることにより、ノイズの影響を低減できる。なお、分離部110と活性部120については、分離部110の一部(分離絶縁体111のバーズビークと第2分離領域1122)が平面的に見て活性部120と重なって配置されている。ここで、第1分離領域1121と第2分離領域1122の不純物濃度を、第2電荷発生領域140の不純物濃度よりも高くする。これにより、分離領域112と第2電荷発生領域140とが同一導電型(第2導電型)であっても、第2電荷発生領域140と分離領域112の間での電荷の移動を抑制することができる。第1分離領域1121と第2分離領域1122の不純物濃度は、1015〜1020atoms/cmであることが好ましい。
【0041】
これら分離部110と活性部120を覆う層間絶縁膜320が基板上に設けられている。層間絶縁膜320にはコンタクトホールが設けられており、コンタクトホール内には、タングステンからなるコンタクトプラグ310が形成されている。このコンタクトプラグ310は第1半導体領域131に接続されており、コンタクトプラグ310と第1半導体領域131はMS(Metal−Semiconductor)接合を成している。このMS接合はオーミック接合であることが望ましいが、ショットキー接合であってもよい。なお、MS接合とは慣用的に用いられる用語であって、Metalに対応するコンタクトプラグ310が金属であることに限定されることはない。すなわち、コンタクトプラグ310は実用的な導電性を有する材料(導体)であればポリシリコンであってもよいし、窒化物等の金属化合物であってもよい。
【0042】
本例では、コンタクトプラグ310は第2半導体領域132の一部を成す第6濃度部分1306の、高濃度部1322と接続している。コンタクトプラグ310が高濃度部1322のみならず、低濃度部1321あるいは、第6濃度部分1306を貫通して第5濃度部分1305と接続していてもよい。第2半導体領域132の、コンタクトプラグ310が接続される部分(本例では第6濃度部分1306の高濃度部1322)の不純物濃度は、1017〜1020atoms/cmであることが好ましい。
【0043】
コンタクトプラグ310は、絶縁膜上に配された接続配線330に接続されている。コンタクトプラグ310と接続配線330とが、電荷発生素子160に接続された接続部300を成す。接続配線330は分離部110の上方に配され、分離部110の上方を横切って、増幅回路500に接続されている。詳細には、接続配線330は増幅トランジスタ510のゲート電極に接続された、接続部300の一部を成すコンタクトプラグに接続されている。このようにして、接続部300は、分離部110を跨いで、第1の活性部120と第2の活性部125とを接続している。
【0044】
第1電荷発生領域130で発生された電荷は第1電荷発生領域130内に生じる電位分布に従って、第1電荷発生領域130内を移動する。本実施形態によれば、第1半導体領域131と第3半導体領域133の不純物濃度は、接続部300が接続された第1半導体領域131に近づくにしたがって高くなっている。そのため、第1電荷発生領域130内には、不純物濃度分布に起因した電位分布が生じる。この電位分布の電位は、第3半導体領域133が第2半導体領域132よりも高くなっている。そのため、第1電荷発生領域130の或る位置に存在する信号電荷は、接続部300に移動しやすくなっている。よって、電荷発生素子160に発生した信号電荷を接続部300の近傍(第2半導体領域132)へ迅速かつ効率的に集めることができ、信号電荷によって増幅トランジスタ510のゲート電極に現れる電位の精度を高めることができる。その結果、第1電荷発生領域130が不純物濃度分布を有しない場合に比べて、エネルギー線を高精度に検出可能な検出装置を得ることができる。なお、本例においては、第3半導体領域133と第1半導体領域133の不純物濃度も、接続部300が接続された第1半導体領域131に近づくにしたがって高くなっている。そのため、第1電荷発生領域130に存在する信号電荷である電子は、第3半導体領域133から、第1電荷発生領域130と接続部300とのMS接合部へ向かう方向に移動しやすくなっている。このように第1電荷発生領域130のほぼ全域に亘って信号電荷が接続部300の近傍へ移動しやすくなる濃度分布が存在することが望ましい。しかしながら、本実施形態はこれに限定されることない。すなわち、少なくとも第1電荷発生領域130内の一部に信号電荷が接続部300の近傍へ移動しやすくなる濃度分布が、第1半導体領域131と第3半導体領域133とで形成されていればよい。
【0045】
以下、上記構成を有する検出装置の製造方法について、特に活性部120の形成方法を中心に説明する。なお、イオン注入について、N型半導体領域は、P(リン)やAs(ヒ素)、Sb(アンチモン)などのドナーとなる、N型の不純物を半導体基板へイオン注入等によってドープすることにより形成される。P型半導体領域はB(ホウ素)やAl(アルミニウム)、In(インジウム)などアクセプターとなるP型の不純物を半導体基板へイオン注入等によってドープすることにより形成される。なお、第1導電型の半導体領域を形成する際に不純物が注入される領域は、第1導電型の半導体領域であってもよいし第2導電型の半導体領域であってもよし、真性半導体領域であってもよい。以下、いくつかのイオン注入において、ドーパントと注入エネルギー、ドーズ量などの注入条件を例示する。ただし、例示した条件によって形成される半導体領域と、実質的に同じ機能を有する半導体領域を、例示した注入条件とは異なる注入条件を用いても形成可能であることは、容易に理解できよう。
【0046】
(工程a):本工程を、図2(a)を用いて説明する。第1導電型の基体層101(ウエハ)の上に、エピタキシャル成長によって第1導電型の半導体層102を形成する。これにより、図2(a)に示す様に、基体層101と半導体層102とを有する第1導電型の半導体基板100が得られる。半導体基板100の表面1000は、本工程における半導体層102の表面1000と一致する。半導体層102は半導体基板100の表面1000の結晶欠陥を低減する機能を有する。なお、エピタキシャル成長を行わずに、ウエハ自体を半導体基板100として用いてもよい。また、半導体基板100はSOI(Silicon On Insurator)構造を有していてもよい。なお、以下の説明では、基体層101と半導体層102の区別なく、半導体基板100として説明する。
【0047】
(工程b):本工程を、図2(b)を用いて説明する。半導体基板100上に第1のマスクとして窒化シリコン膜(不図示)を形成し、LOCOS法により分離部110の分離絶縁体111としての酸化シリコン膜を形成する。その後、第1のマスクを除去する。
【0048】
(工程c):本工程を、図2(c)を用いて説明する。分離部110の分離絶縁体111が形成されていない領域を覆う第2のマスク(不図示)を形成し、分離絶縁体111を介してイオン注入を行う。これにより、第1分離領域1121として第2導電型の半導体領域を形成する。その後、第2のマスクを除去する。第1分離領域1121を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、 ドーパントがBの場合には、典型的には100Kev〜3MeVである。第1分離領域1121を注入エネルギーの異なる複数回のイオン注入によって形成してもよい。ドーズ量は1012〜1014ions/cmであることが好ましい。
【0049】
(工程d):本工程を、図2(d)を用いて説明する。酸化シリコン膜の側面(バーズビーク)の近傍にイオン注入を行う。これにより、第2分離領域1122として第2導電型の半導体領域を形成する。これにより分離部110が形成される。第2分離領域1122を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがBの場合には、典型的には10KeV〜500KeVである。第2分離領域1122を注入エネルギーの異なる複数回のイオン注入によって形成してもよい。ドーズ量は1012〜1014ions/cmであることが好ましい。以上のようにして、分離部110が形成される。
【0050】
(工程e):本工程を、図2(e)を用いて説明する。分離部110を覆う第3のマスク(不図示)を形成し、イオン注入を行う。これにより、第2導電型のウェル領域40が形成される。その後、第3のマスクを除去する。なお、工程a〜工程eでは、第2導電型のウェル領域40を第1導電型の半導体基板100にイオン注入を行って形成した例を説明したが、第2導電型の半導体基板100自体をウェル領域40として用いてもよい。ウェル領域40を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがBの場合には、典型的には10KeV〜3MeVである。ドーズ量は1011〜1014ions/cmであることが好ましい。ウェル領域40の一部は、後述する工程によって、上述した第2導電型の第2電荷発生領域140を成す。なお、異なる注入エネルギー、ドーズ量にて複数回のイオン注入を行うことによって、第2電荷発生領域140が上述したような第2導電型の第4〜第6半導体領域を有するように、ウェル領域40を形成してもよい。
【0051】
工程b〜eは、これらの順番を入れ替えてもよい。例えば、工程bを行った後の工程cと工程dの順序を逆にしてもよい。また、例えば、工程c、工程dの後に、工程bを行ってもよい。この場合には、分離領域112を形成するイオン注入は、分離絶縁体111を介さずに行われることになる。
【0052】
(工程f):本工程を、図3(f)を用いて説明する。半導体基板100を覆う感光性樹脂膜210(フォトレジスト)を形成する。そして、階調フォトマスクPMを用いた階調露光法によって感光性樹脂膜210を露光する。本例では、ポジ型感光性樹脂を用いているが、ネガ型感光性樹脂を用いてもよい。感光性樹脂膜210の厚みは、後の工程(特に工程h、工程g)に応じて適宜決定されるべきであるが、典型的には5μm〜10μmである。
【0053】
(工程g):本工程を、図3(g)を用いて説明する。露光された感光性樹脂膜210を現像する。これにより、工程fで行った階調露光の露光量に応じて、図3(g)に示す様に厚み分布を有する緩衝膜200が形成される。工程fではポジ型の感光性樹脂膜210を用いているため、現像すると階調露光による露光量が多い部分の厚みが薄くなる。
【0054】
ここで、後の工程h〜kの説明のために、半導体基板100の表面1000を便宜的に、第1区域1001、第2区域1002、第3区域1003および保護区域1005を含む複数の区域に区分する。第3区域1003は、第1区域1001と第2区域1002との間に位置する。本実施形態においては、第1区域1001は第3区域1003を囲んでおり、第2区域1002は第3区域1003に囲まれている。本例では、第3区域1003は、第1区域1001に連続しており、第2区域1002にも連続している。保護区域1005は第1区域1001に連続している。
【0055】
図3(g)に示す様に、緩衝膜200は、半導体基板100の表面1000を覆っている。ここで、後の工程hの説明のために、緩衝膜200を便宜的に、第1部分201、第2部分202、第3部分203および保護部分205を含む複数の部分に区分する。第1部分201は第1区域1001を覆い、第2部分202は第2区域1002を覆い、第3部分203は第3区域1003を覆い、保護部分205は保護区域1005を覆っている。第1部分201及び第1区域1001、第2部分202および第2区域1002、そして、第3部分203および第3区域1003の下には、ウェル領域40が位置している。保護部分205および保護区域1005の直下には、分離領域112が位置している。保護部分205と保護区域1005との間には、分離絶縁体111が位置しており、保護部分205は分離絶縁体111を覆っている。
【0056】
第3部分203は、第1部分01と第2部分202との間に位置する。本実施形態においては、第1部分201は第3部分203を囲んでおり、第2部分202は第3部分203に囲まれている。本例では、第3部分203は、第1部分201に連続しており、第2部分202にも連続している。保護部分205は第1部分201に連続している。
【0057】
本工程において、第3部分203の厚みは第1部分201の厚みよりも薄くなっている。また、第2部分202の厚みは第3部分203の厚みよりも薄くなっている。保護部分205の厚みは第1部分201の厚みよりも厚くなっている。本例では、第1部分201、第3部分203、第2部分202の厚みは、連続的に変化しており、この順で厚みが単調減少する凹形状の表面を有している。先の工程fにおける階調露光は、現像することによってこのような厚み分布が生じるように行われる。
【0058】
(工程h):本工程を、図4(h1)〜図4(h3)を用いて説明する。
【0059】
本工程では、緩衝膜200を介して半導体基板100にイオン注入を行う。これにより、第1電荷発生領域130を形成する。本例では、イオン注入を3回に分けて行っている。図4(h1)に示すのは、1回目のイオン注入である第1イオン注入であり、図4(h2)に示すのは、2回目のイオン注入である第2イオン注入であり、図4(h3)に示すのは、3回目のイオン注入である第3イオン注入である。第2イオン注入は第1イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行われ、第3イオン注入は第2イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行われる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して1回のイオン注入で行ってもよいが、このように、異なる注入エネルギーにて複数回のイオン注入で行うことが望ましい。また、注入エネルギーの異なる複数回のイオン注入のドーズ量(ビーム電流)を、それぞれ異ならせることも好ましい。本例では、第2イオン注入は第1イオン注入よりも高いドーズ量にて行われ、第3イオン注入は第2イオン注入よりも高いドーズ量にて行われる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して単一のドーズ量にて行ってもよいが、このように、異なるドーズ量にて複数回のイオン注入で行うことが望ましい。
【0060】
図4(h1)〜図4(h3)では、第1〜3イオン注入におけるイオンの軌跡を矢印で示している。実線の矢印がウェル領域40に注入されるイオンの軌跡を示しており、破線の矢印が緩衝膜200によって注入が妨げられるイオンの軌跡を示している。
【0061】
第1イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205はマスクとして機能する。一方、保護部分205よりも薄い第1部分201と第2部分202、第3部分203を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは、保護区域1005を通過せず、第1区域1001と第2区域1002、第3区域1003を通過する。
【0062】
これにより、第1部分201および第1区域1001と、第2部分202および第2区域1002、第3部分203および第3区域1003のそれぞれの下に第1導電型の第1不純物層31が形成される。
【0063】
第2イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205と第1部分201はマスクとして機能する。一方、第1部分201よりも薄い第3部分203と第2部分202を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは、保護区域1005と第1区域1001を通過せず、第2区域1002と第3区域1003を通過する。これにより、第3部分203および第3区域1003と、第2部分202および第2区域1002の下に、第1導電型の第2不純物層32が形成される。第3部分203及び第2部分202の下においては、第2不純物層32は第1不純物層31よりも浅い位置に形成される。
【0064】
第3イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205と第1部分201と第3部分203はマスクとして機能する。一方、第3部分203よりも薄い第2部分202を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは保護区域1005と第1区域1001と第3区域1003を通過せず、第2区域1002を通過する。これにより、第2部分202および第2区域の下に第1導電型の第3不純物層33が形成される。第2部分202の下においては、第3不純物層33は第2不純物層32よりも浅い位置に形成される。
【0065】
本工程のイオン注入の注入条件について、第1導電型の半導体領域のドーパントをAsとする場合の典型例を説明する。第1イオン注入の注入エネルギーは1MeV〜5MeVであり、ドーズ量は1011〜1013ions/cmである。第2イオン注入の注入エネルギーは500KeV〜3MeVであり、ドーズ量は1012〜1014ions/cmである。第3イオン注入の注入エネルギーは100KeV〜1MeVであり、ドーズ量は1013〜1015ions/cmである。以上の範囲内で、注入エネルギー、ドーズ量が第1イオン注入、第2イオン注入、第3イオン注入との間で、上記した大小関係を満足することが好ましい。
【0066】
複数のイオン注入の順番は、本例とは異なる順番であってもよい。しかしながら、後のイオン注入の注入エネルギーを先のイオン注入の注入エネルギーよりも高くすると、先のイオン注入で形成された半導体領域を通過して、後のイオン注入を行うことになる。そのため、先のイオン注入で形成された半導体猟奇の不純物濃度が、設計値と異なる場合が生じる。これに対して、複数回のイオン注入を、注入ネルギーの高い順に行うことにより、先のイオン注入で形成された半導体領域に後のイオン注入が与える影響を低減することがでる。そのため、より好適な不純物濃度分布を形成することができる。
【0067】
本工程によって形成される不純物濃度分布を、図6を用いて説明する。図6(a)は、本工程における半導体基板100の断面図であり、図6(b)は第1導電型の半導体領域の表面1000の一部に平行な方向における不純物濃度分布を示している。
【0068】
なお、図6(b)における実線A、実線B、実線Cは、半導体基板100側からこの順の深さの位置における不純物濃度分布である。実線Aが図6(a)の破線Aの深さにおける不純物濃度分布を、実線Bが図6(a)の破線Bの深さにおける不純物濃度分布を、実線Cが図6(a)の破線Cの深さにおける不純物濃度分布を、それぞれ示している。
【0069】
第1区域1001の下と第3区域1003の下の破線Bの深さでは、第1部分201と第3部分203の厚みの違いに応じて第1不純物層31に濃度分布が生じている。この濃度分布では、第1不純物層31の第3区域1003の下に位置する部分の不純物濃度が、第1不純物層31の第1区域1001の下に位置する部分の不純物濃度よりも高くなっている。
【0070】
第1区域1001の下と第3区域1003の下の破線Aの深さでは、第1部分201と第3部分203の厚みの違いに加え、第1イオン注入と第2イオン注入のドーズ量の違いに応じて第1不純物層31と第2不純物層32との間で濃度差が生じている。この濃度差は、第2不純物層32の第3区域1003の下に位置する部分の不純物濃度が、第1不純物層31の第1区域1001の下に位置する部分の不純物濃度よりも高くなっている。
【0071】
同様に、第3区域1003の下と第2区域1002の下の破線Bの深さでは、第3部分203と第2部分202の厚みの違いに応じて第2不純物層32に濃度分布が生じている。また、第3区域1003の下と第2区域1002の下の破線Cの深さでは、第3部分203と第2部分202の厚みの違いに応じて第1不純物層31に濃度分布が生じている。また、第3区域1003の下と第2区域1002の下の破線Aの深さでは、第3部分203と第2部分202の厚みの違いに応じて第3不純物層33に濃度分布が生じている。
【0072】
(工程i):本工程を、図5(i)を用いて説明する。第2区域1002の一部を覆い、第2区域1002の一部と、第1区域1001、第3区域1003を露出させる第4のマスク240を形成し、イオン注入を行う。これにより、第2導電型の表面領域150が形成される。その後、第4のマスク240を除去する。表面領域150を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがBの場合には、典型的には1KeV〜100KeVである。ドーズ量は1012〜1014ions/cmであることが好ましい。
【0073】
(工程j):本工程を、図5(j)を用いて説明する。第2区域1002の一部と、第1区域1001、第3区域1003、保護区域1005を覆い、第2区域1002の一部を露出させる第5のマスク250を形成し、第3不純物層33にイオン注入を行う。これにより、第1導電型の低濃度部33aと第1導電型の高濃度部33bを有する第3不純物層33’が形成される。その後、第5のマスク250を除去する。なお、第1導電型の低濃度部33aは、図4(h3)で説明したように、工程hで第3不純物層33としてすでに形成されている。なお、工程iと工程jの順序を逆にしてもよい。高濃度部33bを形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがAsの場合には、典型的には1KeV〜200KeVである。ドーズ量は1012〜1015ions/cmであることが好ましい。なお、工程iにおいて緩衝膜200が第2区域1002を覆わないようにして、工程hにおいて第3不純物層33を、高濃度部33bと同程度の不純物濃度を有するように形成してもよい。
【0074】
(工程k):本工程を、図5(k)を用いて説明する。半導体基板100上に絶縁膜を形成し、絶縁膜の、第2区域1002の上の部分にコンタクトホールを形成する。絶縁膜上からタングステンなどの金属からなる導体膜を成膜して、導体でコンタクトホールを埋める。その後、CMP法により、絶縁膜上の不要な導体膜を除去する。これにより、層間絶縁膜320のコンタクトホールにコンタクトプラグ310が形成される。層間絶縁膜320の材料としては、酸化シリコン、BSG、PSG,BPSGを好ましく用いることができる。なお、工程jで説明した、高濃度部33bを、第5マスク250ではなく、コンタクトホールが形成された層間絶縁膜320をマスクとして、コンタクトホールを介してイオン注入を行うことにより形成してもよい。
【0075】
なお、半導体基板100には、工程kの前までに公知の形成方法によって不図示の増幅トランジスタ510や、リセットトランジスタ520、選択トランジスタ530等の増幅回路500、定電流源、信号処理回路540等が形成される。本工程において、増幅トランジスタ510のゲート電極およびリセットトランジスタ520の主電極に接続する、コンタクトプラグ310とは別のコンタクトプラグを形成する。
【0076】
コンタクトプラグ310に接続するように、コンタクトプラグ310上に接続配線330を形成する。これにより、コンタクトプラグ310と接続配線330を有する接続部300は、第1電荷発生領域130の第2半導体領域132に接続されることになる。この時、接続配線330を増幅トランジスタ510のゲート電極およびリセットトランジスタ520の主電極に接続されたコンタクトプラグにも接続するように形成する。これにより、第2半導体領域132と増幅回路500を接続する接続部300が得られる。
【0077】
(工程l):層間絶縁膜320の上にさらに層間絶縁膜を形成して、さらにこの層間絶縁膜の上に配線層を形成する。すなわち、多層配線構造を形成する。そして、必要に応じて、エネルギー線の波長を制限する波長選択部材を、半導体基板100の上に配置する。検出するエネルギー線が可視光の場合には、波長選択部材としては原色系あるいは補色系のカラーフィルターを用いることができる。また、必要に応じて、マイクロレンズを半導体基板100の上に配置してもよい。
【0078】
(工程m):本工程を、再び図6を用いて説明する。半導体基板100を加熱(アニール)して活性化する。活性化に要する温度は例えば800℃〜1100℃である。
【0079】
工程hの状態では第1不純物層31、第2不純物層32、第3不純物層33は、図6(b)に示す様に、注入エネルギーに強く依存した不純物濃度分布となっている。本工程を行うことによって、イオン注入によって半導体基板100内へ導入された不純物が適切に拡散して、図6(c)のように滑らかな不純物濃度分布を有する第1電荷発生領域130が得られる。
【0080】
詳細には、図1(c)を用いて説明したように、主に第1不純物層31が第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303を構成するように拡散する。主に第2不純物層32が第4濃度部分1304と第5濃度部分1305を構成するように拡散する。主に第3不純物層33’が第6濃度部分1306を構成するように拡散する。なお、第6濃度部分1306の低濃度部1321と高濃度部1322は、工程jで形成された低濃度部33aと高濃度部33bがそれぞれ適当に拡散することによって形成される。
【0081】
なお、本工程は緩衝膜200を介してイオン注入を行う工程hの後であれば任意のタイミングで行ってよく、異なるタイミングで複数回に渡って加熱を繰り返してもよい。なお、活性化を行わずに、第1電荷発生領域130を、第1不純物層31と第2不純物層32と第3不純物層33(あるいは第3不純物層33’)で構成することもできる。
【0082】
次に、本実施形態の工程f、工程gで説明した緩衝膜200の形成工程について、他の方法を図7を用いて説明する。
【0083】
図3(f)、(g)では緩衝膜200として、加工された感光性樹脂膜210を用いた例であったが、図7(a)〜(c)は、緩衝膜200として無機絶縁膜220を用いた例である。図7(a)の例では、まず、ウェル領域40および分離部110を覆う無機絶縁膜220を形成し、無機絶縁膜220をCMP法やエッチバック法などにより平坦化する。次いで無機絶縁膜220の上に感光性樹脂膜を形成する。感光性樹脂膜を図3(f)、(g)で説明したのと同様にして階調露光法を用いて露光、現像を行う。これにより、厚み分布を有する感光性樹脂膜230が得られる。プラズマエッチング等の異方性エッチング法を用いて感光性樹脂膜230および無機絶縁膜220をエッチングにする。このとき、異方性エッチングの無機絶縁膜220に対するエッチングレートを、感光性樹脂膜230と同程度にしておくか、感光性樹脂膜230よりも高くしておく。これにより、無機絶縁膜220には現像によって得られた感光性樹脂膜230の厚み分布を反映した厚み分布が生じる。このように加工された厚み分布を有する無機絶縁膜220を、緩衝膜200として用いることができる。なお、無機絶縁膜220の加工に用いられた感光性樹脂膜230は、除去することが好ましいが、緩衝膜200の一部として用いてもよい。
【0084】
図7(b)の例では、まず、ウェル領域40および分離部110を覆う無機絶縁膜220を形成し、無機絶縁膜220をCMP法やエッチバック法などにより平坦化する。次いで無機絶縁膜220の上に感光性樹脂膜を形成する。感光性樹脂膜を通常の露光法を用いて貫通孔231を有するようにパターニングする。ウェットエッチングやベイパーエッチング等の等方性エッチング法を用いて貫通孔231を有する感光性樹脂膜230をマスクとして、貫通孔231から無機絶縁膜220をエッチングする。これにより、無機絶縁膜220には感光性樹脂膜230の貫通孔231周辺の直下でのアンダーエッチによって厚み分布が生じる。感光性樹脂膜230を除去したのち、この厚み分布を有する無機絶縁膜220を緩衝膜200として用いることができる。
【0085】
なお、図7(b)、(c)の例において、半導体基板100を覆う無機絶縁膜220の平坦性が十分に高い場合には、無機絶縁膜220を平坦化する必要はない。
【0086】
図7(c)、(d)の例は、分離部110の形成にLOCOS法を用いた場合など、ウェル領域40の表面に対して分離部(本例では分離絶縁体111)が突出する場合に採用することができる。
【0087】
図7(c)の例では、まず、ウェル領域40および分離部110を覆う無機絶縁膜220を形成する。この時、無機絶縁膜220はLOCOSによって形成された分離絶縁体111(酸化シリコン膜)の厚みに応じた凹凸を有することになる。その後、無機絶縁膜220を加熱して流動(リフロー)させることにより、無機絶縁膜220のウェル領域40上の部分には厚み分布が生じる。このように加工された、厚み分布を有する無機絶縁膜220を緩衝膜200として用いることができる。
【0088】
工程f、工程gでは、緩衝膜200を感光性樹脂膜(有機絶縁膜)としたが、有機絶縁膜を介して工程hでイオン注入を行うと、イオン注入の衝撃を受けて、有機絶縁膜中の炭素が半導体基板100の中に混入してしまう可能性がある。このような炭素は検出装置の性能を低下させる場合がある。そのため、上記のような手法により、緩衝膜200を有機絶縁膜ではなく無機絶縁膜とすることで、炭素の混入を避けることができる。
【0089】
図7(d)の例では、ウェル領域40および分離絶縁体111を覆う、感光性樹脂等の樹脂膜を塗布法によって形成する。この時、樹脂膜の粘度を通常よりも高くしておく。これにより、樹脂膜のウェル領域40上の部分には厚み分布が生じる。この厚み分布を有する樹脂膜を緩衝膜200として用いることができる。
【0090】
厚み分布を有する緩衝膜200は、上記以外でも様々な方法で形成することができる。なお、このような緩衝膜200の形成方法は、第1実施形態のみならず、後述する第2〜第5実施形態にも適用可能である。
【0091】
<第2実施形態>
図8(a)は検出装置の第2実施形態における電気回路図である。本実施形態では、フォトダイオードである電荷発生素子160のカソードには転送ゲート400を介して容量素子180が接続されており、この容量素子180が接続部300に接続されている。増幅回路500の構成と、接続部300と増幅回路500との接続は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0092】
リセットトランジスタ520をONにすることにより、フォトダイオードの電位がリセット電位Vresに規定される。リセットトランジスタ520をOFFにした後、エネルギー線の強度に応じた電荷が、電荷発生素子160で発生し、電荷発生素子160に蓄積される。転送ゲート400をONにすることにより、電荷発生素子160に蓄積された電荷が、容量素子180に転送される。接続部300に接続された増幅トランジスタ510のゲート電極は、容量素子180に転送された電荷量に応じた電位に接続部300を介して規定される。電気回路図における他の構成の動作は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
かかる電気回路は半導体基板に集積回路として形成されている。電荷発生素子160と容量素子180は、半導体基板100の或る活性部120に設けられている。増幅回路500の少なくとも増幅トランジスタ510は、半導体基板の別の活性部125(第2の活性部)に設けられている。増幅回路500の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0094】
図8(b)は電荷発生素子160が設けられた活性部120の近傍の平面模式図であり、図1(c)は活性部120の近傍の断面模式図である。活性部120は、半導体基板100の表面1000の下(半導体基板100の内部)に設けられている。本例では、平面的に見て活性部120の大部分が、電荷発生素子160と容量素子180で占められている。以下、図8(b)と図8(c)を相互に参照しながら、活性部120について説明する。
【0095】
電荷発生素子160は第1導電型の半導体領域である第1電荷発生領域130と第2導電型の半導体領域である第2電荷発生領域140を有しており、第1電荷発生領域130と第2電荷発生領域140とがPN接合を成している。第1電荷発生領域130は半導体基板100の表面1000と第2電荷発生領域140との間に配されている。第1電荷発生領域130と第2電荷発生領域140で発生した電荷は、第1電荷発生領域130に蓄積される。すなわち、第1電荷発生領域130は蓄積領域としても機能する。
【0096】
容量素子180は、第1導電型の半導体領域である浮遊拡散領域170と第2導電型の半導体領域であるウェル領域142を有しており、浮遊拡散領域170とウェル領域142とがPN接合を成している。
【0097】
転送ゲート400は、第2導電型のチャネル領域144と、ゲート絶縁膜420と、ポリシリコンからなる転送ゲート電極410を有している。これらのうち、チャネル領域144は第2導電型の半導体領域として、活性部120に配されている。そして転送ゲート電極410とゲート絶縁膜420とチャネル領域144とで、MIS(Metal−Insulator−Semiconductor)型のゲート構造(転送ゲート)を成している。なお、MIS型とは慣用的に用いられる用語であって、Metalに対応するゲート電極が金属に限定されることはない。すなわち、転送ゲート電極410はチャネル領域144にチャネルを形成する(転送ゲート400をONにする)ために十分な導電性を有する材料(導体)であれば上述のようにポリシリコンであってもよいし、窒化物等の金属化合物であってもよい。
【0098】
チャネル領域144は、第1電荷発生領域130と浮遊拡散領域170と間に設けられている。転送ゲート400をONにすることにより、第2導電型のチャネル領域144には、第1導電型のチャネルが形成され、このチャネルを介して信号電荷が第1電荷発生領域130から浮遊拡散領域170へ転送される。
【0099】
第1電荷発生領域130は、それぞれが第1導電型の半導体領域である、第1半導体領域131と、第3半導体領域133とを有している。
【0100】
浮遊拡散領域170は、第1導電型の半導体領域である、第2半導体領域132を有している。
【0101】
このように、活性部120は、第1導電型の半導体領域として、第1半導体領域131と、第2半導体領域132と、第3半導体領域133を有している。
【0102】
ここで、半導体基板100の表面1000について説明する。表面1000を便宜的に、第1区域1001、第2区域1002、第3区域1003、第4区域1004を含む複数の区域に区分する。第3区域1003は、第1区域1001と第2区域1002との間に位置する。第4区域1004は第3区域1003と第2区域1002との間に位置する。
【0103】
本例では、第3区域1003は、第1区域1001に連続しており、第4区域1004にも連続している。また、第4区域1004は第2区域1002に連続している。
【0104】
第1半導体領域131は第1区域1001の下に設けられており、第2半導体領域132は第2区域1002の下に設けられており、第3半導体領域133は第3区域1003の下に設けられている。チャネル領域144は第4区域1004の下に設けられており、第4区域1004の上には、ゲート絶縁膜420を介して転送ゲート電極410が設けられている。第3半導体領域133は、第1半導体領域131と第2半導体領域132との間に配されている。そのため、第3半導体領域133を中間半導体領域と呼ぶこともできる。チャネル領域144は、第3半導体領域133と第2半導体領域132との間に配されている。本例では、第3半導体領域133は、第1半導体領域131に連続しており、チャネル領域144に接している。第2半導体領域132はチャネル領域144に接している。
【0105】
なお、第2電荷発生領域140とチャネル領域144とウェル領域142は、いずれも第2導電型の半導体領域であるため、それぞれの境界の区別が難しい場合があるが、便宜的に、表面1000のどの区域の下にあるかで区別をつけることができる。
【0106】
ここでは、第2半導体領域132と第3半導体領域133がそれぞれチャネル領域144に接している例を示したが、チャネル領域144と第3半導体領域133との間に、第3半導体領域133よりも不純物濃度の低い第1導電型の半導体領域を設けてもよい。同様にチャネル領域144と第2半導体領域132との間に、第2半導体領域132よりも不純物濃度の低い第1導電型の半導体領域を設けてもよい。これらチャネル領域144の近傍に配される不純物濃度の低い第1導電型の半導体領域は、慣用的にLDD(Lightly Doped Drain)領域と呼ばれる。
【0107】
さらに詳細に第1電荷発生領域130について説明する。
【0108】
第1電荷発生領域130は、それぞれが第1導電型の半導体領域である、第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303と第4濃度部分1304と第5濃度部分1305と第6濃度部分1306とを有している。
【0109】
第1半導体領域131は第1濃度部分1301を有している。第1濃度部分1301が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0110】
第2半導体領域132は、第2電荷発生領域140側から第2区域1002側に向かって、第3濃度部分1303と第5濃度部分1305と第6濃度部分1306をこの順で有している。第3濃度部分1303が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0111】
第3半導体領域133は第2電荷発生領域140側から第2区域1002側に向かって、第2濃度部分1302と第4濃度部分1304をこの順で有している。第2濃度部分1302が第2電荷発生領域140とPN接合を成している。
【0112】
第1〜第6濃度部分の不純物濃度について説明する。第4濃度部分1304と第5濃度部分1305の不純物濃度は、第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303の不純物濃度よりも高く、第6濃度部分1306の不純物濃度よりも低い。
【0113】
第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303はそれぞれ同程度の不純物濃度を有する。ただし、第3濃度部分1303の不純物濃度が、第1濃度部分1301の不純物濃度よりも高く、第2濃度部分1302の不純物濃度が、第1濃度部分1301と第3濃度部分1303の間の不純物濃度を有することが好ましい。
【0114】
また、第4濃度部分1304と第5濃度部分1305はそれぞれ同程度の不純物濃度を有する。ただし、第5濃度部分1305の不純物濃度が第4濃度部分の不純物濃度よりも高いことが好ましい。
【0115】
以上をまとめると、不純物濃度は、第1濃度部分1301≦第2濃度部分1302≦第3濃度部分1303<<第4濃度部分1304≦第5濃度部分1305<<第6濃度部分1306の関係となっている。
【0116】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、電荷発生素子160は半導体基板100の表面1000と第1電荷発生領域130との間に第2導電型の半導体領域である表面領域150を有している。また、第1実施形態と同様に、第2電荷発生領域140が、不純物濃度が異なる複数の第2導電型の半導体領域を有していてもよい。分離部110の構成については、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0117】
本実施形態では、浮遊拡散領域170の少なくとも一部を成す、第2半導体領域132に接続部300が接続されている。接続部300の構成は、第1実施形態と同様に、コンタクトプラグ310と接続配線330を用いることができるため、詳細な説明を省略する。コンタクトプラグ310が接続される第2半導体領域132の不純物濃度は、1015〜1020atoms/cmであることが好ましい。
【0118】
第1電荷発生領域130で発生された電荷は第1電荷発生領域130内に生じる電位分布に従って、第1電荷発生領域130内を移動する。本実施形態によれば、第1導電型の第1半導体領域131と第3半導体領域133の不純物濃度は、接続部300が接続された第2半導体領域132に近づくにしたがって高くなっている。そのため、第1電荷発生領域130内には、不純物濃度分布に起因した電位分布が生じる。この電位分布の電位は、第3半導体領域133が第2半導体領域132よりも高くなっている。そのため、第1電荷発生領域130の或る位置に存在する信号電荷は、チャネル領域144に形成されるチャネルを介して接続部300に移動しやすくなっている。よって、電荷発生素子160に発生した信号電荷を接続部300の近傍へ迅速かつ効率的に集めることができ、信号電荷によって増幅トランジスタ510のゲート電極に現れる電位の精度を高めることができる。その結果、第1電荷発生領域130が不純物濃度分布を有しない場合に比べて、エネルギー線を高精度に検出可能な検出装置を得ることができる。
【0119】
以下、上記構成を有する検出装置の製造方法について、特に活性部120の形成方法を中心に説明する。なお、本実施形態の検出装置は、第1実施形態で説明した工程a〜工程eまでは同様の工程で製造が可能である。したがって、これらの説明を省略し、第1実施形態の工程f〜工程mの代わりに、工程eの後に行われる工程n〜工程tを説明する。
【0120】
(工程n) 本工程を、図9(n)を用いて説明する。ウェル領域40上にドライ酸化(熱酸化)またはウェット酸化によってゲート絶縁膜420を形成する。ゲート絶縁膜420の上にポリシリコン膜を成膜し、ポリシリコン膜をフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて転送ゲート電極410の形状にパターニングする。
【0121】
(工程o) 本工程を、図9(o)を用いて説明する。半導体基板100の表面1000を覆うように、ゲート絶縁膜420及び転送ゲート電極410の上に、感光性樹脂膜210を形成する。階調露光法によって感光性樹脂膜210を露光する。本例では、ポジ型レジストを用いていが、ネガ型レジストを用いてもよい。
【0122】
(工程p):本工程を、図9(p)を用いて説明する。工程oで露光された感光性樹脂膜210を現像することにより、厚み分布を有する緩衝膜200を形成する。これにより、工程oで行った階調露光の露光量に応じて、図9(p)に示す様に厚み分布を有する緩衝膜200が形成される。工程oではポジ型の感光性樹脂膜210を用いているため、現像すると階調露光による露光量が多い部分の厚みが薄くなる。
【0123】
ここで、本工程p及び後の工程q、rの説明のために、表面1000を便宜的に、第1区域1001、第2区域1002、第3区域1003、第4区域1004を含む複数の区域に区分する。第3区域1003は、第1区域1001と第2区域1002との間に位置する。第4区域1004は第3区域1003と第2区域1002との間に位置する。
【0124】
本例では、第3区域1003は、第1区域1001に連続しており、第4区域1004にも連続している。また、第4区域1004は第2区域1002に連続している。
【0125】
緩衝膜200は、半導体基板100の表面1000を覆っている。ここで、本工程pの説明のために、緩衝膜200を便宜的に、第1部分201、第2部分202、第3部分203、第4部分204および保護部分205を含む複数の部分に区分する。第1部分201は第1区域1001を覆い、第2部分202は第2区域1002を覆い、第3部分203は第3区域1003を覆っている。第4部分204は第4区域1004の一部を覆い、保護部分205は保護区域1005を覆っている。第1部分201及び第1区域1001、第2部分202および第2区域1002、そして、第3部分203および第3区域1003、第4部分204および第4区域1004の下には、第2導電型のウェル領域40が位置している。第4部分204と第4区域1004との間には、転送ゲート電極410とゲート絶縁膜420が位置しており、第4部分204は転送ゲート電極410の一部を覆っている。保護部分205および保護区域1005の直下には、分離領域112が位置している。保護部分205と保護区域1005との間には、分離絶縁体111が位置しており、保護部分205は分離絶縁体111を覆っている。
【0126】
第3部分203は、第1部分01と第2部分202との間に位置する。第4部分204は第3部分203と第2部分202との間に位置する。本例では、第3部分203は第1部分201に連続しており、第4部分204は第2部分202に連続している。保護部分205は第1部分201と第2部分202に連続している。
【0127】
現像によって、第3部分203の厚みは第1部分201の厚みよりも薄くなっている。また、第2部分202の厚みは第3部分203の厚みよりも厚くなっている。保護部分205の厚みは第1部分201の厚みよりも厚くなっている。本例では、第1部分201と第3部分203の厚みは、連続的に変化しており、この順で厚みが単調減少する凹形状の表面を有している。先の工程oにおける階調露光は、現像することによってこのような厚み分布が生じるように行われる。
【0128】
なお、上述したように、LDD領域を設ける場合には、例えば、緩衝膜200を形成する前に、低ドーズ量でイオン注入を行ってLDD領域を形成する。その後、ゲート電極の側壁を覆うサイドスペーサを第3区域1003の端部上に形成し、さらに、緩衝膜200を形成する。
【0129】
緩衝膜200を形成した後、第1実施形態の工程hと同様に、緩衝膜200を介して、ウェル領域40にイオン注入を行う。これにより、第1電荷発生領域130を形成する。本例でも、イオン注入を3回に分けて行っている。なお、図9(p)に示すのは、1回目のイオン注入である第1イオン注入と、2回目のイオン注入である第2イオン注入とを経た後の、3回目のイオン注入である第3イオン注入である。
【0130】
第2イオン注入は第1イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行われ、第3イオン注入は第2イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行われる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して1回のイオン注入で行ってもよいが、このように、異なる注入エネルギーにて複数回のイオン注入で行うことが望ましい。また、注入エネルギーの異なる複数回のイオン注入のドーズ量(ビーム電流)を、それぞれ異ならせることも好ましい。本例では、第2イオン注入は第1イオン注入よりも高いドーズ量にて行われ、第3イオン注入は第2イオン注入よりも高いドーズ量にて行われる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して単一のドーズ量にて行ってもよいが、このように、異なるドーズ量にて複数回のイオン注入で行うことが
望ましい。
【0131】
図9(p)では、第1〜3イオン注入におけるイオンの軌跡を矢印で示している。実線の矢印がウェル領域40に注入されるイオンの軌跡を示しており、破線の矢印が緩衝膜200によって注入が妨げられるイオンの軌跡を示している。
【0132】
第1イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205と第2部分202、第4部分204はマスクとして機能する。一方、保護部分205よりも薄い第1部分201と第3部分203を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは、保護区域1005と第2区域1002と第4区域1004とを通過せず、第1区域1001と第3区域1003を通過する。これにより、第1部分201および第1区域1001と、第3部分203および第3区域1003とのそれぞれの下に第1導電型の第1不純物層31が形成される。
【0133】
第2イオン注入では、緩衝膜200の第2部分202と第4部分204、保護部分205はマスクとして機能する。一方、第3部分203を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは、保護区域1005と第1区域1001と第2区域1002を通過せず、第3区域1003を通過する。これにより、第3部分203および第3区域1003の下に、第1導電型の第2不純物層32が形成される。第3部分203の下においては、第2不純物層32は第1不純物層31よりも浅い位置に形成される。
【0134】
第3イオン注入では、緩衝膜200の第3部分203の比較的厚い部分と、保護部分205と第1部分201と第2部分202はマスクとして機能する。一方、第3部分203の比較的薄い部分を介して、ウェル領域40にイオンが注入される。イオンは第3区域1003の一部と保護区域1005と第1区域1001と第3区域1003を通過せず、第3区域1003の一部を通過する。これにより、第3部分203および第3区域1003の一部の下に第1導電型の第3不純物層33が形成される。第3部分203の一部の下においては、第3不純物層33は第2不純物層32よりも浅い位置に形成される。
【0135】
本工程のイオン注入の注入条件については、第1実施形態の工程hと同様に行うことができるため、説明を省略する。
【0136】
なお、第3イオン注入では、第3不純物層33が第4区域1004の下、すなわち、転送ゲート電極410の下に潜り込むように、斜めイオン注入を用いることが好ましい。第1イオン注入と第2イオン注入においても斜めイオン注入を用いてもよい。
【0137】
(工程q) 本工程を、図10(q)を用いて説明する。第1区域1001と第4区域1004と保護区域1005を覆い、第2区域1002と第3区域1003を露出させる第4のマスク240を形成し、イオン注入を行う。これにより、第2導電型の表面領域150が形成される。その後、第4のマスク240を除去する。
【0138】
(工程r) 本工程を、図10(r)を用いて説明する。第1区域1001と第3区域1003と保護区域1005と第4区域1004を覆い、第1区域1001を露出させる第5のマスク250を形成し、ウェル領域40へイオン注入を行う。これにより、第1導電型の半導体領域である、第2半導体領域132を有する浮遊拡散領域170が形成される。その後、第5のマスク250を除去する。浮遊拡散領域170を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがAsの場合には、典型的には1KeV〜200KeVである。ドーズ量は1012〜1015ions/cmであることが好ましい。
【0139】
なお、工程pと工程qと工程rをこの順に行うことが好ましいが、これらの順序を入れ替えてもよい。
【0140】
(工程q) 本工程を、図10(q)を用いて説明する。第1区域1001と保護区域1005を覆い、第2区域1002と第3区域1003を露出させる第4のマスク240を形成し、イオン注入を行う。これにより、第2導電型の表面領域150が形成される。その後、第4のマスク240を除去する。
【0141】
(工程r) 本工程を、図10(r)を用いて説明する。第2区域1002と第3区域1003と保護区域1005を覆い、第1区域1001を露出させる第5のマスク250を形成し、第1区域1001を通過するイオン注入を行う。これにより、第1導電型の第2半導体領域132である浮遊拡散領域170が形成される。その後、第5のマスク250を除去する。浮遊拡散領域170を形成するためのイオン注入の注入エネルギーは、ドーパントがAsの場合には、典型的には1KeV〜200KeVである。ドーズ量は1012〜1015ions/cm2であることが好ましい。
【0142】
なお、工程pと工程qと工程rをこの順に行うことが好ましいが、これらの順序を入れ替えてもよい。
【0143】
(工程s):本工程を、図10(s)を用いて説明する。半導体基板100上に絶縁膜を形成し、絶縁膜の第2区域1002の上の部分にコンタクトホールを形成する。絶縁膜上からタングステンなどの金属膜を成膜して、金属でコンタクトホールを埋める。その後、CMP法により、絶縁膜上の不要な金属膜を除去する。これにより、層間絶縁膜320のコンタクトホールにコンタクトプラグ310としてのコンタクトプラグが形成される。コンタクトプラグに接続するように、コンタクトプラグ上に接続配線330を形成する。これにより、コンタクトプラグ310と接続配線330を有する接続部300は、第1電荷発生素子160の第2半導体領域132に接続されることになる。これ以外の点は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0144】
(工程t):本工程は、第1実施形態の工程lと工程mと同様に行うことができる。本実施形態の場合は、活性化によって、第1不純物層31と第2不純物層32と第3不純物層33が適当に拡散して、第1〜第6濃度部分を有する第1電荷発生領域130が形成される。詳細には、図8(c)を用いて説明したように、主に第1不純物層31が第1濃度部分1301と第2濃度部分1302と第3濃度部分1303を構成するように拡散する。主に第2不純物層32が第4濃度部分1304と第5濃度部分1305を構成するように拡散する。主に第3不純物層33が第6濃度部分1306を構成するように拡散する。
【0145】
<第3実施形態>
本実施形態は、第2実施形態と類似の構成において、浮遊拡散領域170を、緩衝膜200を介したイオン注入によって形成する例である。図11(a)は活性部120の平面模式図であり、図11(b)は活性部120の断面模式図である。
【0146】
第1導電型の浮遊拡散領域170は、第1半導体領域131と、第2半導体領域132と、第3半導体領域133とを有している。半導体基板100の表面1000は、第2実施形態と同様に、第1区域1001、第2区域1002、第3区域1003を含む複数の区域に区分することができる。第1半導体領域131は第1区域1001の下に設けられ、第2半導体領域132は第2区域1002の下に設けられ、第3半導体領域133は第3区域1003の下に設けられる。第3区域1003は第1区域1001と第2区域1002との間に位置し、第3半導体領域133は、第1半導体領域131と第2半導体領域132との間に設けられる。接続部300が第2半導体領域132に接続されている。
【0147】
活性部120には、第1導電型の第1電荷発生領域130と第2導電型の第2電荷発生領域140を有する電荷発生素子160が設けられている。第1電荷発生領域130と浮遊拡散領域170との間には第2導電型のチャネル領域144が設けられている。
【0148】
なお、本実施形態の検出装置は、第1実施形態で説明した工程aから工程eまでは同様の工程で製造が可能であるので、これらの説明を省略する。また、第2実施形態で説明した工程nから工程qまでも同様の工程で製造が可能であり、これらの説明を省略する。本実施形態では、第2実施形態の工程rと異なる工程uを用いる。ただし、本実施形態において、工程oから工程qまでを膜厚分布を有する緩衝膜200を用いなくてもよい。すなわち、公知のように、第1電荷発生領域130を形成する部分に半導体基板100の表面1000を露出させて、単一のイオン注入によって第1電荷発生領域130を形成してもよい。
【0149】
(工程u):本工程を、図11(c)を用いて説明する。図11(c)は浮遊拡散領域170を形成する工程の断面模式図である。第1電荷発生領域130を形成した後、厚み分布を有する緩衝膜200を形成する。この緩衝膜200は、半導体基板100の表面1000の第1区域1001を覆わず、第2区域1002と第3区域1003と第4区域1004と保護区域1005とを覆っている。この緩衝膜200を介してイオン注入を行う。本例では、イオン注入を2回に分けて行っている。なお、図11(c)に示すのは、1回目のイオン注入である第1イオン注入を経た後の、2回目のイオン注入である第2イオン注入である。第2イオン注入は第1イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行われる。また、第2イオン注入は第1イオン注入よりも高いドーズ量にて行われる。
【0150】
第1イオン注入では、保護部分205はマスクとして機能する。一方、第1部分201と第3部分203を介して、ウェル領域40へイオンが注入される。イオンは、第1区域1001と第2区域1002、第3区域1003を通過する。これによって第1不純物層31が形成される。第2イオン注入では、保護部分205と第1部分201はマスクとして機能する。一方、第3部分203を介してウェル領域40へイオンが注入される。イオンは、第1区域1001と第2区域1002とを通過する。これによって、第2不純物層32が形成される。
【0151】
(工程v):工程uの後、半導体基板100上に絶縁膜を形成し、絶縁膜をエッチングして、浮遊拡散領域170の第1半導体領域131に対応する位置にコンタクトホールを形成する。絶縁膜上に導体膜を成膜して、導体でコンタクトホールを埋める。その後、CMP法により、絶縁膜上の不要な導体膜を除去する。これにより、コンタクトホールに、第1半導体領域131と接続するコンタクトプラグ310が形成される。コンタクトプラグに接続するように、コンタクトプラグ上に接続配線330を形成する。なお、半導体基板100には、工程vの前までに公知の形成方法によって不図示のリセットトランジスタ520、増幅トランジスタ510、選択トランジスタ530や定電流源、信号処理回路540等が形成される。本工程によって、接続配線330は、増幅トランジスタ510のゲート電極およびリセットトランジスタ520の主電極にそれぞれ接続される。その後の工程は、第1実施形態の工程lと工程mと同様に行うことができる。
【0152】
本実施形態では、第1不純物層31のうち第1区域1001の下に位置する部分が、適当に拡散することにより第1半導体領域131を形成する。第1不純物層31と第2不純物層32のうち第3区域1003の下に位置する部分が、適当に拡散することにより第3半導体領域133を形成する。第1不純物層31と第2不純物層32のうち第2区域1002の下に位置する部分が、適当に拡散することにより第2半導体領域132を形成する。そして、第1半導体領域131が接続部300に接続される。なお、第2不純物層32の第2区域1002の下に位置する部分は、緩衝膜200で覆われていないため、第2不純物層32の他の部分に比べて濃度が高い。したがって、この高濃度部に接続部300を接続すると良い。
【0153】
<第4実施形態>
本実施形態は、第1実施形態に、第2実施形態のように信号電荷を転送する機能を付加した例である。本実施形態の電気回路図は第2実施形態において図8(a)を用いて説明したものと同じであるので説明を省略する。図12(a)は活性部120の平面模式図であり、図12(b)は活性部120の断面模式図である。
【0154】
本実施形態では、第1区域1001が第3区域1003を囲み、第4区域1004と第2区域1002が第3区域1003に囲まれている点が第2実施形態と異なる。また、第1半導体領域131が第3半導体領域133を囲み、チャネル領域144と浮遊拡散領域170が第3半導体領域で囲まれている点が、第2実施形態と異なる。そして、活性部120の構造において、浮遊拡散領域170が第2半導体領域132を有し、第2半導体領域132に接続部300が接続されている点などは第2実施形態と同様であるので、説明を省略する。接続部300をなすコンタクトプラグ310は転送ゲート電極410で囲まれている。第2実施形態と同様、LDD領域を設けることもできる。
【0155】
本実施形態の検出装置の製造方法を図12(c)を用いて説明するが、第2実施形態における製造方法と大きく変わらないため、第2実施形態と異なる点のみ説明する。具体的には、下記の工程wが、第2実施形態の工程pと置き換えられる。第2実施形態の工程nにおいて、ポリシリコンからなるゲート電極をループ状に形成する。
【0156】
(工程w) 本工程を、図12(c)を用いて説明する。図12(c)において、緩衝膜200は、第2区域1002を除く、半導体基板100の表面を覆っている。詳細には、第1部分201は第1区域1001を覆い、第2部分202は第2区域1002を覆い、第3部分203は第3区域1003の一部を覆い、保護部分205は保護区域1005を覆っている。第4部分204は第4区域1004の一部を覆っている。なお、本例では、緩衝膜200は第3区域1003の一部を覆っておらず、第3区域1003の一部が露出している。第3部分203が第3区域1003の全体を覆うようにしてもよい。第4区域1004は転送ゲート電極で覆われている。保護区域1005は分離部110の分離絶縁体111の表面1000を含んでいる。第3区域1003は第1区域1001と第2区域1002との間に位置しており、第1区域1001に連続している。本実施形態では、第3区域1003は第2区域1002から離れており、第2区域1002と第3区域1003との間には第4区域1004が位置している。本例では、第4区域1004は第2区域1002に連続し、第3区域1003にも連続している。また、保護区域1005は第2区域1002とに接している。本実施形態では、第3部分203の厚みは第1部分201の厚みよりも薄くなっている。また、第2部分202と第4部分204の厚みは第1部分201の厚みよりも厚くなっている。また、保護部分205の厚みは第1部分201の厚みよりも厚くなっている。本例では、第1部分201、第3部分203の厚みは、連続的に変化しており、この順で厚みが単調減少する形状となっている。
【0157】
第1実施形態の工程hと同様に、緩衝膜200を介して、半導体基板100にイオン注入を行う。本例では、イオン注入を2回に分けて行っている。なお、図12(c)に示すのは、1回目のイオン注入である第1イオン注入を経た後の、2回目のイオン注入である第2イオン注入である。
【0158】
第2イオン注入は第1イオン注入よりも低い注入エネルギーにて行わる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して1回のイオン注入で行ってもよいが、このように、異なる注入エネルギーにて複数回のイオン注入で行うことが望ましい。また、注入エネルギーの異なる複数回のイオン注入のドーズ量(ビーム電流)を、それぞれ異ならせることも好ましい。本例では、第2イオン注入は第1イオン注入よりも高いドーズ量にて行われる。第1電荷発生領域130の形成を、厚み分布を有する緩衝膜200を介して単一のドーズ量にて行ってもよいが、このように、異なるドーズ量にて複数回のイオン注入で行うことが望ましい。
【0159】
図12(c)では、第1、第2イオン注入におけるイオンの軌跡を矢印で示している。実線の矢印が第2電荷発生領域140に注入されるイオンの軌跡を示しており、破線の矢印が緩衝膜200によって注入が妨げられるイオンの軌跡を示している。
【0160】
第1イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205と第2部分202、第4部分204はマスクとして機能する。一方、第2部分202、第3部分203を介して、ウェル領域40に注入される。イオンは、第2区域1002、第3区域1003を通過する。これにより、第1導電型の第1不純物層31が形成される。
【0161】
第2イオン注入では、緩衝膜200の保護部分205と第1部分201と第2部分202はマスクとして機能する。一方、イオンは、第2部分202よりも薄い第3部分203を介して、ウェル領域40に注入される。イオンは、第3区域1003を通過する。これにより、第1導電型の第2不純物層32が形成される。第3区域1003の下においては、第2不純物層32は第1不純物層31よりも浅い位置に形成される。
【0162】
なお、第2イオン注入では、第2不純物層32が第4区域1004の下、すなわち、転送ゲート電極の下に潜り込むように、斜めイオン注入を用いることが好ましい。第1イオン注入においても斜めイオン注入を用いてもよい。また、第2不純物層32を転送ゲート電極の全周に潜り込ませる場合には、半導体基板100を回転させて複数の方向からイオン注入を行う、回転イオン注入を用いると良い。この時、回転させながらイオン注入を行ってもよいし、向きを変えるごとにイオン注入の開始、終了を繰り返してもよい。
【0163】
本工程の後、緩衝膜200を除去し、第2実施形態の工程rと同様にして、第1区域1001を通過するイオン注入を行って、第2半導体領域132を形成する。これ以降の工程は第2実施形態と同様に行うことができるため、説明を省略する。
【0164】
<第5実施形態>
本実施形態は、放射線を検出するための波長変換部材610(シンチレータ)を有する検出装置に本発明を適用した例である。特に、2〜20keVの典型的なX線を検出し、画像として出力するX線撮像装置に好適である。勿論、シンチレータを有しない検出装置でも、軟X線など、電荷発生素子160に照射されることで信号電荷を発生可能な放射線を検出することができる。
【0165】
図13(a)は、検出装置の第5実施形態における電気回路図である。図13(a)に示す電気回路(画素回路)が1つの画素601を構成して、多数の画素601が2次元状に配列されている。画素回路は、電荷発生素子であるフォトダイオードPDに接続されており、リセットトランジスタRSに加えて、増幅回路と、クランプ回路と、S/H回路(サンプルホールド回路)と、バッファ回路を有している。クランプ回路と、S/H回路(サンプルホールド回路)と、バッファ回路は信号処理回路540を構成する。
【0166】
増幅回路について説明する。A1は第1増幅トランジスタ、A2は第2増幅トランジスタである。A1とA2はゲート幅とゲート長の少なくとも一方が互いに異なっており、異なる増幅率を有している。AS1は第1増幅トランジスタを有効にする増幅用第1選択トランジスタ、AS2は第2増幅トランジスタを有効にする増幅用第2選択トランジスタである。A1及びA2はそれぞれAS1、AS2を介して第1定電流源CCS1に接続されており、ソースフォロワ回路を成している。C1は第1付加容量、C2は第2付加容量である。C1とC2は異なる容量を有している。CS1は第1容量を有効にする容量用第1選択トランジスタ、CS2は第2容量を有効にする容量用第2選択トランジスタである。A1又はA2の出力が後段のクランプ回路に入力される。本例では、AS1、AS2、CS1、CS2のそれぞれのON/OFFの組み合わせにより、同じ信号電荷量に対して、感度とダイナミックレンジが設定された5通りの出力が可能となっている。このように本例では、増幅回路は選択可能な複数の増幅トランジスタ(A1、A2)を有している。また、増幅回路は選択可能な複数の負荷容量(C1、C2)を有している。
【0167】
クランプ回路について説明する。CLはクランプ容量、CLSはクランプ用選択トランジスタ、A3は第3増幅トランジスタである。A3は第2定電流源CCS2に接続されており、ソースフォロワ回路を成している。A3からの出力が後段のS/H回路に出力される。RSをONにした後CLSをONにすることにより、RSをOFFにした際にA3からの出力は、増幅回路の出力(信号成分+雑音成分)からRSをONにした際の(雑音成分)が差し引かれたもの(信号成分)となる。
【0168】
S/H回路について説明する。SH1は第1サンプルトランジスタ、SH2は第2サンプルトランジスタ、CH1は第1ホールド容量、CH2は第2ホールド容量である。SH1をONにすることにより信号成分はCH1に電荷として保持され、SH2をONにすることにより雑音成分はCH2に電荷として保持される。
【0169】
バッファ回路について説明する。B1は第1バッファトランジスタ、B2は第2バッファトランジスタである。B1は第3定電流源CCS3に接続されておりソースフォロワ回路を成している。B2は第4定電流源CCS4に接続されておりソースフォロワ回路を成している。B1の出力は第1スイッチS1をONにすることにより信号用配線Sに出力され、B2の出力は第2スイッチS2をONにすることにより雑音用配線Nに出力される。以上のようにして、画素から配線を介して、エネルギー線の強度を示す強度信号を得ることができる。このような画素回路と類似の構成は、特開2002−344809号公報にも開示されており、本実施形態に採用してもよい。
【0170】
第5実施形態に係る検出装置の製造方法について説明する。なお、本実施形態の放射線検出装置は、第1実施形態で説明した工程a〜工程kまでと、工程mは同様の工程で製造が可能であるので、これらの説明を省略する。勿論、第2〜4実施形態に本発明を適用することもできる。
【0171】
(工程x):図13(b)、(c)を用いて本工程を説明する。図13(b)は検出装置の平面模式図であり、図13(c)はエネルギー線検出装置の断面模式図である。工程kの後、必要に応じて、絶縁膜の上に層間絶縁膜を形成して、さらに層間絶縁膜320の上に接続配線330を形成する。このようにして得られた、上述した半導体基板100を含んで構成されるチップ600を複数枚用意する。ここでは、例示的に1枚あたりに12個の画素601が形成された6枚のチップ600を用意するが、実際には1枚当たりのチップにはさらにさらに多くの、例えば1万画素以上が形成されている。例えば、1枚あたりに縦200画素×横10000画素の計20万画素を配列したチップ600を、縦13枚×横2枚の系28枚を並べることができる。これにより、縦28000画素×横20000画素の計560万画素の撮像装置を得ることができる。
【0172】
複数枚のチップ600を板状の保持部材620に、接着剤630によって2次元状に貼り付ける。
【0173】
そして、エネルギー線の波長を変換する波長変換部材610を、チップ600の上に接着剤等(不図示)を用いて固定する。検出するエネルギー線がX線の場合には、波長変換部材610としては、X線の照射に応じて可視光線を発する蛍光体(シンチレータ)を用いることができる。また、必要に応じて、波長変換部材610とチップ600との間に、波長選択部材を配置してもよい。波長変換部材610が放射線を可視光線に変換する場合には、波長選択部材としては蛍光体の発光波長に透過域を有する単色カラーフィルターを用いることができる。チップ600に設けられた電極パッド602にFPC等の配線部材を接続して、電源や駆動信号を電極パッド602へ入力し、また、得られた画像信号が電極パッド602から出力される。
【符号の説明】
【0174】
100 半導体基板
1000 表面
110 分離部
120 第1の活性部
125 第2の活性部
130 第1電荷発生領域
131 第1半導体領域
132 第2半導体領域
133 第3半導体領域
1001 第1区域
1002 第2区域
1003 第3区域
140 第2電荷発生領域
144 チャネル領域
150 表面領域
170 浮遊拡散領域
200 緩衝膜
201 第1部分
202 第2部分
203 第3部分
300 接続部
500 増幅回路
610 波長変換部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー線の照射に応じて信号電荷が発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域を有する半導体基板と、前記電荷発生領域の一部に接続された接続部と備え、
前記電荷発生領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域と、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域と、前記表面の、第1区域と第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域とを有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、
前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とするエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項2】
エネルギー線の照射に応じて信号電荷を発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域と、前記信号電荷を多数キャリアとする浮遊拡散領域と、前記電荷発生領域と前記浮遊拡散領域との間に設けられ、前記電荷発生領域から前記浮遊拡散領域に前記信号電荷を転送するチャネルが形成されるチャネル領域と、を有する半導体基板と、前記浮遊拡散領域の一部に接続された接続部と、を備え、
前記電荷発生領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域を有し、
前記浮遊拡散領域が、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域を有し、
前記電荷発生領域が、前記表面の、前記第1区域と前記第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域をさらに有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、
前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とするエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項3】
エネルギー線の照射に応じて信号電荷を発生し、且つ、前記信号電荷を多数キャリアとする電荷発生領域と、前記信号電荷を多数キャリアとする浮遊拡散領域と、前記電荷発生領域と前記浮遊拡散領域との間に設けられ、前記電荷発生領域から前記浮遊拡散領域に前記信号電荷を転送するチャネルが形成されるチャネル領域と、を有する半導体基板と、前記浮遊拡散領域の一部に接続された接続部と、を備え、
前記浮遊拡散領域が、前記半導体基板の表面の第1区域の下に設けられた第1半導体領域と、前記表面の第2区域の下に設けられ、前記接続部に接続された第2半導体領域と、前記表面の、前記第1区域と前記第2区域との間の第3区域の下に設けられた第3半導体領域とを有するエネルギー線検出装置の製造方法であって、
前記第1半導体領域及び第3半導体領域を、前記第1区域及び前記第3区域を覆い、且つ、前記第3区域を覆う部分の厚さが前記第1区域を覆う部分の厚さよりも薄い緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第1半導体領域及び第3半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とするエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項4】
前記緩衝膜を介して行う前記イオン注入を、第1イオン注入と、前記第1イオン注入の注入エネルギーよりも注入エネルギーの低い第2イオン注入とを含む、複数回のイオン注入に分けて行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2イオン注入のドーズ量が、前記第1イオン注入のドーズ量よりも高いことを特徴とする請求項4に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2イオン注入を前記第1イオン注入の後に行うことを特徴とする請求項4または5に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1区域は前記第3区域を囲み、前記第2区域は前記第3区域に囲まれていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項8】
前記緩衝膜は、前記第2区域を覆い、かつ、前記第2区域を覆う部分の厚みが前記第3区域を覆う部分の厚みよりも薄く、前記第2半導体領域を、前記緩衝膜を介して、前記半導体基板に、前記第2半導体領域の導電型と同じ導電型の不純物のイオン注入を行うことによって形成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2半導体領域を、前記緩衝膜を介して行う前記イオン注入と、前記緩衝膜を介さずに行うイオン注入とに分けて形成することを特徴とする請求項8に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項10】
前記電荷発生領域と前記表面との間に、前記電荷発生領域の導電型と反対の導電型の半導体領域を形成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1乃至第3半導体領域を、分離部で囲まれた第1の活性部に形成し、前記信号電荷に基づく増幅信号を生成する増幅回路を、前記第1の活性部と前記分離部によって分離された第2の活性部に形成し、前記接続部を、前記分離部を跨いで前記第1半導体領域と前記増幅回路に接続するように形成することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項12】
前記緩衝膜は、階調露光法を用いて厚み分布を有するように加工された感光性樹脂膜であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項13】
前記緩衝膜は、等方性エッチング法又は異方性エッチング法によって厚み分布を有するように加工された無機絶縁膜であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項14】
エネルギー線の波長を変換する波長変換部材と、エネルギー線の波長を選択する波長選択部材の少なくとも一方を、前記半導体基板の上に配置することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。
【請求項15】
X線の照射に応じて可視光線を発する蛍光体を、前記半導体基板の上に配置することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のエネルギー線検出装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−21014(P2013−21014A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150894(P2011−150894)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】