説明

エラー検出機構、エラー対応方法を案内する方法及び媒体搬送機構

【課題】サービスが必要無いエラーであるにも拘らず、サービスを要求する“エラーメッセージ”を出力することを抑止する。
【解決手段】実施形態において、エラー検出機構は、対象物が所定位置に移動したことを検知するセンサと、対象物を所定位置に移動する駆動装置と、前記駆動装置の駆動開始から所定時間の間に、前記センサが、対象物が所定位置に移動しないことを検知した場合、対象物に対して所定の処理を実行することを報知するエラー判定装置と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エラー検出機構、エラー対応方法を案内する方法及び媒体搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに対応するトナーがシートに移動し、シートと一体化する。(トナーが一体化した)シートがハードコピーである。
【0003】
シート保持機構は、シートを収容する。シートは、ハードコピーの出力が要求されるごとに、シート保持機構から1枚ずつ、トナーが移動する位置へ移動する。
【0004】
シート保持機構は、収容するシートが“0”枚のとき、“エンプティ”を報知する。
【0005】
シート保持機構はまた、収容したシートのトナーが移動する位置へ移動を検知できないとき、“搬送ジャムのエラーメッセージ”を出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、“エラーメッセージ”は、サービス(供給元によるユーザサポート)を必要とする(ユーザが処理できないエラーである)場合、またはサービスが必要無い(ユーザが処理可能なエラーである)場合のそれぞれにおいて、コスト面からセンサの個数を必要最小とする、等の事情(影響)により、共通である場合がある。
【0007】
反面、サービスが必要無い(ユーザが処理可能な)エラーであるにも拘らず、サービスを要求する“エラーメッセージ”を出力することは、ユーザに大きな不利益をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態において、エラー検出機構は、対象物が所定位置に移動したことを検知するセンサと、対象物を所定位置に移動する駆動装置と、前記駆動装置の駆動開始から所定時間の間に、前記センサが、対象物が所定位置に移動しないことを検知した場合、対象物に対して所定の処理を実行することを報知するエラー判定装置と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図2】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図3】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図4】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図5】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図6】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図7】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図8】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図9】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図10】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図11】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図12】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【図13】実施形態のMFPの一例を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、実施形態が適用可能なMFP(Multi-Functional Peripheral,マルチファンクショナルプリフェラル)の概略を示す。
【0012】
図1に示すMFP101は、画像情報を、例えばハードコピーあるいはプリントアウトと称され、例えば普通紙あるいは透明な樹脂シートであるOHPシート等にトナーが定着する状態の画像出力として出力する画像形成部1、画像形成部1に対して画像出力に用いられる任意サイズのシートを供給する用紙供給部3、画像形成部1において画像形成される対象である画像情報を、画像情報を保持した読み取り対象物(以下原稿と称する)から画像データとして取り込む画像読取部5を含む。
【0013】
さらに、画像読取部5は、自動原稿搬送装置(ADF)7を、一体に有する。
【0014】
画像形成部1への画像形成の開始の指示、画像読取部(スキャナ)5による原稿の読取開始の指示、等を与える制御パネル9が、画像形成部1に固定された柱とスイングアームにより、スキャナ5の左側または右側の後方に位置する。
【0015】
多くのMFPにおいて、用紙供給部3は、2以上のシート保持機構すなわちカセット31を含む。
【0016】
今日、多くのMFPにおいて、(用紙供給部3の)それぞれのカセット31は、MFP101に求められる設置のためのスペースの低減、出力されたハードコピーの処理のために接続可能なフィニッシャ103、および2以上のカセットに比較して2倍以上のシートを収容するLCF(Large Capacity Feeder,大容量カセット)105と接続可能とするため、シートの補給等において、前側(Z方向)に移動する配置を有する。
【0017】
画像形成部1は、潜像を保持する第1〜第4の感光体ドラム11a〜11d、感光体ドラム11a〜11dが保持する潜像に現像剤、すなわちトナーを供給して現像する現像装置13a〜13d、感光体ドラム11a〜11dが保持するトナーの像を順に保持する転写ベルト15、感光体ドラム11a〜11dに残るトナーを個々の感光体ドラム11a〜11dから取り除く第1〜第4のクリーナー17a〜17d、転写ベルト15が保持するトナー像を普通紙あるいはOHPシートのような透明な樹脂シートであるシートに転写する転写ローラ19、転写ローラ19がシートに転写したトナー像をシートに定着する定着装置21、及び感光体ドラム11a〜11dに潜像を形成する露光装置23、等を含む。
【0018】
第1〜第4の現像装置13a〜13dは、減法混色によりカラー画像を得るために用いるY(イエロ、黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびBk(ブラック、黒)の任意の色のトナーを収容し、感光体ドラム11a〜11dのそれぞれが保持する潜像を、Y、M、CおよびBkのいずれかの色で可視化する。各色の順は、画像形成プロセスや、とトナーの特性に応じて、所定の順に決定する。
【0019】
転写ベルト15は、第1〜第4の感光体ドラム11a〜11dおよび対応する現像装置13a〜13dが形成した各色のトナー像を、トナー像の形成の順に保持する。
【0020】
用紙供給部3は、トナー像が移動するためのシートを、所定のタイミングで、転写ローラ19に供給する。
【0021】
個々のカセットスロットに位置するカセット31は、任意のサイズのシートを収容し、画像形成動作に応じ、ピックアップローラ33が対応するカセットからシートを取り出す。シートのサイズは、画像形成に際して要求のある倍率および画像形成部本体1が形成するトナー像の大きさに対応する。
【0022】
分離機構35は、ピックアップローラ33がカセットから取り出すシートが2枚以上になることを阻止する。
【0023】
複数の搬送ローラ37は、分離機構35が1枚に分離したシートをアライニングローラ39に向けて送る。
【0024】
アライニングローラ39は、転写ローラ19が転写ベルト15からトナー像を転写するタイミングに合わせて、シートを転写ローラ19と転写ベルト15が接する転写位置に送る。
【0025】
定着装置21は、ヒータ129からの熱により発熱する第一ローラ121、第一ローラ121から熱を受け取り、第二ローラ123と第一ローラ121とに掛け渡され、第一ローラ121の熱を第二ローラ123側へ移動するベルト127、ベルト127と接してベルト127との間を移動するシートに所定の圧力を提供する第三ローラ125を含む。
【0026】
ベルト127の任意の一部と第三ローラ125の外周は、第二ローラ123と第三ローラ125とに印加される圧力により、ニップを形成する。これにより、ニップを通過するシートに、シートが保持するトナー(トナー像)を固定可能に、所定の圧力及びトナーを溶融することのできる温度(定着温度)が印加される。
【0027】
定着装置21は、画像情報に対応するトナー像をシートに定着し、画像出力(ハードコピーまたはプリントアウト)として、画像読取部5と画像形成部本体1との間の空間に位置するストック部47に送る。
【0028】
定着装置21は、ストック部47に画像出力(ハードコピーまたはプリントアウト)を移動する動作と独立に、画像情報に対応するトナー像を保持したシートを、シートの両面を置き換える自動多重ユニット(ADU,Automatic Duplex Unit)41の反転パス43に移動する反転ローラ49を含む。
【0029】
ADU41は、画像形成部1において、(最終の)搬送ローラ37とアライニングローラ39との間、あるいはアライニングローラ39と定着装置21あるいは転写ローラ19と定着装置21との間に、シートが詰まった場合(ジャムしたとき)、側方(右側)へ移動する。ADU41は、転写ローラ19をクリーニングするクリーナー43を一体に有する。
【0030】
図3に、Z方向に抜き出した状態で、1つのカセット31の特徴を示す。
【0031】
カセット31は、シートを保持する、ハウジング31−1の底面31−1aに対し、支点31−2aを中心として旋回するトレイ31−2、トレイ31−2が保持するシートのZ方向の位置を設定する1対のガイド31−3を含む。ガイド31−3は、トレイ31−2に位置するシートの(Z方向の)位置が変化することを抑止する。トレイ31−2が保持するシートは、後段に説明するトレイアップユニット32によりトレイ31−2の開放端(支点31−2aと逆の自由端)31−2bがY方向に変位することで、ピックアップローラ33と接する方向に移動する。
【0032】
トレイ31−2は、2箇所の支点31−2aを中心として旋回することで、シートを、ピックアップローラ33に向けて押し上げる。
【0033】
トレイ31−2は、図4が示すトレイアップユニット32により、支点31−2aを中心として旋回する。トレイアップユニット32は、トレイ31−2を変位するための推力として、図5に示すカップリング32aを回転する。トレイ31−2は、例えばウォームギア等の回転−直線運動変換機構により、シャフト31−2cがカップリング32aから受け取る回転に従い、Y方向に移動する。これにより、トレイ31−2が保持するシートが、ピックアップローラ33と接し、ピックアップローラ33が所定の位置に位置する/位置しない、いずれかの状態となる。但し、ピックアップローラ33が所定の位置に位置する/位置しない、ことは、図6及び図7により以下に説明するトレイアップ検知スイッチが検出する。なお、例えばカップリング32aの近傍において、例えばシャフト31−2cとカップリング32aとの接続を、カセットセンサ32bにより検出することで、カセット31がセットされたこと、あるいはシートの補充等のためにZ方向に移動した(用紙供給部3の所定位置から移動した)ことを管理できる。
【0034】
用紙供給部3側のピックアップローラ33の近傍の所定位置に、トレイアップ検知スイッチ34が位置する。トレイアップ検知スイッチ34は、トレイ31−2によりピックアップローラ33が所定の位置に位置することを検出する。例えば、図7に示す位置にトレイ31−2が変位し、ピックアップローラ33が所定の位置に位置すると、トレイアップ検知スイッチ34の出力が、H(High)からL(Low)へ変化する。トレイアップ検知スイッチ34の出力の変化は制御回路の特性(設計)に依存するため、図7に示す位置にピックアップローラ33が変位した場合に、L(Low)からH(High)へ変化するものであってもよい。
【0035】
図8に、トレイアップ検知スイッチ、カセットセンサ及びトレイアップユニットを中心に、MFPの制御系の一例を示す。
【0036】
MFP101内部の所定の位置に位置する制御部111は、システムバス112を含む。
【0037】
システムバス112は、画像形成部1による原稿の複写物の出力を処理する主制御装置(CPU)113と接続する。CPU(主制御装置)112は、スキャナ(画像読取)部5、ADF(自動原稿送り装置)7、操作ユニット9と接続する。また、システムバス112を介してCPU113と接続し、スキャナ部5、あるいはLAN(Local Area Network,ローカルエリアネットワーク)コントローラ114を経由して接続したクライアント(PC(Personal Computer,パーソナルコンピュータ)201、等から入力される画像データに、画像形成部1が出力画像を形成するために要求のある画像処理を施す画像処理部141を含む。
【0038】
CPU113はまた、ROM(読み出し専用メモリ,Read Only Memory)115、RAM(書き換え可能メモリ,Random Access Memory)116、画像形成の総数や合計動作時間等を記憶する不揮発性メモリ117と接続する。
【0039】
なお、CPU122は、I/O(入出力ポート/インタフェース)118と接続されるカセットセンサ32bの出力から用紙供給部3内の任意のカセット31が所定位置に位置した(挿入された)こと、あるいはZ方向に移動した(抜き出された)こと、を検出する。また、CPU113は、I/O(入出力ポート/インタフェース)118に接続するトレイアップ検知スイッチ34の出力の変化に従い、トレイアップユニット32の動作不良を検知する(エラー検知)。エラー検知は、例えばトレイアップユニット32の(以下に説明する)トレイアップモータ132に、回転を指示し、所定時間経過以内に、トレイの31−2が変位したことがトレイアップ検知スイッチ34で検知できない場合、等を含む。
【0040】
また、CPU113は、システムバス112を通じて接続する用紙供給部3内のシート搬送制御ユニット130と接続し、トレイアップユニット32のカップリング32aを動作してトレイ31−2をY方向に移動するための推力を発生するトレイアップモータ132を駆動するモータドライバ131a、各カセット31−2から、出力画像のサイズに対応するサイズのシートを取り出すピックアップローラ33を所定タイミングで回転するピックアップモータ133を駆動するモータドライバ131b、等の動作タイミングを制御する。
【0041】
画像処理部141は、接続するページメモリ142のマップ上で、出力画像に対応する出力データ(出力画像データ)を生成する。
【0042】
ところで、例えばオーバータイム等であり、トレイアップ検知スイッチ34がトレイ31−2の位置の変化を検出できない状態については、サービス(供給元によるユーザサポート)を必要とする(ユーザが処理できないエラーである)場合、またはサービスが必要無い(ユーザが処理可能なエラーである)場合、を含む。
【0043】
トレイアップユニット32の異常、例えばカップリング32aを回転するモータの異常や駆動電流を供給するライン(電線)の断線、回転駆動機構の破損、等については、サービスを必要とする。
【0044】
しかしながら、例えばガイド31−3がシートのZ方向の位置を設定するためにシートと接する力が強く、トレイ31−2の動作に支障がある、等のユーザの簡単なチェックで解消できる場合であっても、上述の通り、トレイアップ検知スイッチ34がエラーを検出する。
【0045】
このため、トレイアップユニット32の異常を検出した場合、例えば図9に示すエラーメッセージを、操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに表示したのち、サービス(供給元によるユーザサポート)が必要か否かを、ユーザに簡易的にチェックしてもらう(ユーザへ簡易的チェックの実施を促す)ことで、サービス待ちのためにユーザが不利益を被ることが低減可能となる。表示するメッセージは、例えば『エラーが発生しました、次の手順でサービスの手配が必要か、チェックできます』等、使用不能の可能性を示す程度のメッセージが好ましい。
【0046】
より詳細には、図10〜図12に示すように、a)カセット31を用紙供給部3の所定位置(画像形成時の位置)からZ方向に移動してシートの補給位置に位置させるよう、ユーザに促すメッセージを操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに表示する(図10)。表示例は、例えば『カセットからのシートの搬送エラーが発生しました、カセットを引き出してください』等の、ユーザに作業を促すGI(Graphical interface,グラフィカルインタフェース)表示が好ましい。
【0047】
図9のカセット31の移動を促す表示に引き続いて、所定時間経過後、またはカセットセンサ32bにより、カセット31がZ方向に移動したことを検知した時点で、b)トレイ31−2からシートを排除するよう、ユーザに促すメッセージを操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに表示する(図11)。表示するメッセージは、例えば『カセット内のシートを全て取り出してください』等の、ユーザに作業を促すGI表示が好ましい。
【0048】
続いて、図10のシートの取り出しを促す表示から所定時間経過後、c)カセット31を用紙供給部3の所定位置(画像形成時の位置)に戻すよう、ユーザに促すメッセージを操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに表示する(図12)。表示するメッセージは、例えば『カセット内のシートを全て取り出し、空のカセットを元に戻してください(挿入してください)』等の、ユーザに作業を促すGI表示が好ましい。
【0049】
このa)〜c)の作業(処理)の実施をユーザに促す表示を操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに表示し、ユーザが“0”枚のシートを収容した(空の)カセット31を用紙供給部3の所定位置に戻したことを、カセットセンサ32bが検出すると、トレイアップユニット32が、トレイ31−2をY方向の所定位置に移動する。
【0050】
以下、所定の時間内でトレイアップ検知スイッチ34の出力が変化し、トレイ31−2が所定の位置に変位したことができた場合、トレイアップ検知スイッチ34が検出した上述のエラーは、サービスが必要無いユーザが処理可能なエラーであると、判定される。
【0051】
この場合は、操作ユニット9のタッチパネル(表示ユニット)9Aに、例えば『カセットをもう一度引き出し、シートをセットしてください』、『シートをセットしたカセットを、所定位置に戻してください』等の、MFP1を継続して利用するための処理の実行を促すメッセージが、所定のタイミングで表示される。
【0052】
メッセージに従い、ユーザが「カセットをもう一度引き出し、シートをセットし、シートをセットしたカセットを所定位置に戻した」ことが、カセットセンサ32bにより検出できた場合、例えば『カセット内のシートのセットに問題がありましたが、ご協力により解消しました、引き続きご利用できます』、等のユーザの協力に感謝するとともに、MFPが利用可能であること報知するメッセージが表示される。
【0053】
一方、a)〜c)の作業(処理)の完了後“0”枚のシートを収容したカセット31が用紙供給部3の所定位置に戻されたことをカセットセンサ32bが検出して、トレイアップユニット32が動作されたにもかかわらず、所定の時間内でトレイアップ検知スイッチ34の出力の変化が検出できない場合、トレイアップ検知スイッチ34が検出した上述のエラーは、サービスが必要である(ユーザが処理することが困難なエラー)であると判定される。
【0054】
この場合、タッチパネル(表示ユニット)9Aに、例えば『サービスの必要なエラーが発生しましたので、サービスを手配してください』等の、サービスの手配を促すとともにエラーが発生したカセットの継続利用が困難であることを示すメッセージが表示される。
【0055】
なお、上述のエラーは、
[1]トレイアップユニットの不具合(損傷/駆動電源線の破断、駆動機構の破損)、
[2]トレイまたはシートに関連した異常な負荷が生じている、例えば
[2a]ガイドがきつく閉まっている、あるいは
[2b]トレイ上またはトレイ上のシートの上に異物があり、トレイが所定位置まで移動できない、
[2c]トレイにセットされたシートの枚数が許容数を超えている、
等であり、[1]の場合が、上述の「サービスの必要なエラー」である。
【0056】
なお、[2]([2a]、[2b]、[2c])の場合には、上述手順に従うユーザのチェック作業により、エラーが解消することを、(上記に)説明した。
【0057】
すなわち、図13に一例を示すが、
待機状態において、サイズの選択により任意のカセットが選択され、あるいは機体(用紙供給部3)内へのカセットの挿入により、トレイアップ検知スイッチの状態がチェックされる[111]。トレイアップ検知スイッチがオンであるとき[111−YES]、通常動作(コピー)可能状態である待機状態となる[120]。
【0058】
トレイアップ検知スイッチがオンしていないとき[111−NO]、トレイアップモータを回転させ、トレイアップ動作を開始する[112]。
【0059】
トレイアップ動作開始後、規定時間内にトレイアップ検知スイッチの出力がオンに変化したとき[113−YES]、通常動作(コピー)可能状態である待機状態となる[120]。
【0060】
トレイアップ動作開始後、規定時間内にトレイアップ検知スイッチの出力がオンにならいないとき[113−YES]、図9〜図12に示したトレイアップエラーに対するユーザによるチェックを促す表示を、操作ユニット9の表示パネル(タッチパネル)9Aに、順に表示する[114]。
【0061】
続いて、カセットセンサ32bにより、カセットが機体(用紙供給部3)内に戻されたことを検出し[115]、トレイアップモータを回転させ、トレイアップ動作を開始する[116]。
【0062】
トレイアップ動作に続いて、規定時間内にトレイアップ検知スイッチの出力がオンにならいないとき[117−NO]、トレイアップユニットの異常、と判断し、例えば『サービスの必要なエラーが発生しました、サービスを手配してください』、等のトレイアップエラーを報知する表示を、操作ユニット9の表示パネル(タッチパネル)9Aに、表示する[118]。
【0063】
トレイアップ動作開始から規定時間内にトレイアップ検知スイッチの出力がオンとなったとき[117−YES]、トレイへのシートのセットの不適切さ、あるいは異物によりトレイアップエラーが解消した、と判断し、例えば『シートのセッと状態がエラー検知の要因だった恐れがあります』/『カセット内のシートのセットに問題がありましたが、ご協力により解消しました、引き続きご利用できます』、等のトレイアップエラーが解消したことを報知する表示を、操作ユニット9の表示パネル(タッチパネル)9Aに、表示する[119]。
【0064】
このように、サービス(ユーザサポート)が必要とは限らない(サポートが必要かどうか、が解りにくい)エラー表示を伴うエラー検出結果のいくつかについて、ユーザに簡易的にチェックしてもらう(ユーザへ簡易的チェックの実施を促す)ことで、「サービスが必要ない」ことを検出できるエラーについて、(ユーザの簡易的なチェックにより)サービスの手配が必要なくなる(サービス待ちが解消する)。
【0065】
例えば、エラーが表示されたカセットを抜き出し、シートを取りだして、もう一度カセットを挿入する、というようなユーザに大きな負担を求めない容易なチェックの実施で、「サービスが必要ない」ことを検出できるエラーについては、サービス待ちのため、ユーザが(MFP1を)利用できなくなることが、より大きな負担となるため、ユーザの理解も得られやすい。
【0066】
また、エラー検知そのものがエラー(誤検知)である、という疑義が生じることも低減され、信頼性を損なうこともなくなる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…画像形成部、3…用紙供給部、5…画像読取部、9…操作部(操作パネル)、9A…タッチパネル(操作部)、19…転写ローラ、21…定着装置、23…露光装置、31…カセット、32…トレイアップユニット、32a…カップリング、32b…カセットセンサ、33…ピックアップローラ、34…レイアップ検知スイッチ、37…搬送ローラ、39…アライニングローラ、41…自動多重ユニット(ADU)、43…反転パス、49…反転ローラ、101…MFP、111…制御ブロック、113…主制御装置(CPU)、130…シート搬送制御ユニット、131a、131b…モータドライバ、132…トレイアップモータ、133…ピックアップモータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物が所定位置に移動したことを検知するセンサと、
対象物を所定位置に移動する駆動装置と、
前記駆動装置の駆動開始から所定時間の間に、前記センサが、対象物が所定位置に移動しないことを検知した場合、対象物に対して所定の処理を実行することを報知するエラー判定装置と、
を具備するエラー検出機構。
【請求項2】
前記エラー判定装置による判定結果に従い、上記報知する内容を、表示する表示機構をさらに具備する請求項1記載のエラー検出機構。
【請求項3】
前記表示機構は、前記エラー判定装置による判定結果に従い、上記報知内容への対応方法を表示する請求項2記載のエラー検出機構。
【請求項4】
対象物が所定位置に移動したことを検出するセンサ出力が無いことを検知し、
対象物に対して所定の処理を実行することを報知するエラー対応方法を案内する方法。
【請求項5】
所定の処理を実行する手順を、表示する請求項4記載のエラー対応方法を案内する方法。
【請求項6】
媒体を保持するトレイと、
前記トレイが保持する媒体が媒体供給位置に位置することを検出する検出器と、
媒体を保持した前記トレイを、媒体供給位置へ移動するトレイアップ機構と、
前記トレイが所定時間内に媒体供給位置に位置しないことを、前記検出器が検出した場合、前記トレイアップ機構の動作を要因とするものか、前記トレイが保持する媒体の保持状態を要因とするものかを判定するための所定の処理の実行を促すエラー判定案内部と、
を具備する媒体供給機構。
【請求項7】
前記エラー判定案内部が促す前記判定するための所定の処理を実行する手順を表示する表示機構をさらに具備する請求項6記載の媒体供給機構。
【請求項8】
前記表示機構は、前記エラー判定案内部が表示する手順に対応する処理のステップに基づいて、引き続く処理を順に表示する請求項7記載の媒体供給機構。
【請求項9】
前記トレイアップ機構は、前記トレイが移動する方向と直交する方向に前記トレイを含むハウジングが移動されることで、前記トレイを移動するための駆動機構との接続が解除される請求項6記載の媒体供給機構。
【請求項10】
前記表示機構は、前記トレイアップ機構と前記駆動機構とが接続したことを検出して、引き続く処理を、表示する請求項9記載の媒体供給機構。
【請求項11】
前記トレイが保持する媒体を、所定位置に向けて移動するローラをさらに具備する請求項10記載の媒体供給機構。
【請求項12】
前記トレイアップ機構は、前記ローラが媒体を移動する方向と直交する方向に、前記トレイを移動する請求項11記載の媒体供給機構。
【請求項13】
前記トレイを含むハウジングが移動される方向は、前記ローラが媒体を移動する方向及び前記トレイが移動する方向のそれぞれと直交する方向を含む請求項12記載の媒体供給機構。
【請求項14】
前記エラー判定案内部が表示する第1の処理手順は、前記トレイを含むハウジングを、上記移動される方向に移動すること、を含む請求項13記載の媒体供給機構。
【請求項15】
前記エラー判定案内部が表示する第2の処理手順は、移動した前記トレイが保持する媒体を一旦除去すること、を含む請求項14記載の媒体供給機構。
【請求項16】
前記エラー判定案内部が表示する次の処理手順は、媒体が移動した前記トレイを含むハウジングを、前記トレイアップ機構と前記駆動機構とが接続する位置へ移動すること、を含む請求項15記載の媒体供給機構。
【請求項17】
前記トレイアップ機構と前記駆動機構との接続が解除された後、前記トレイアップ機構と前記駆動機構とが接続する位置へ移動したことを検出し、前記トレイアップ機構による前記トレイの2回目の移動を実行する制御ユニットをさらに具備する請求項16記載の媒体供給機構。
【請求項18】
前記制御ユニットは、前記検出器が、前記トレイの保持する媒体が媒体供給位置に位置することを検出した場合、前記トレイが保持する媒体の保持状態が要因であるエラーが発生したことを前記表示ユニットに表示する請求項17記載の媒体供給機構。
【請求項19】
前記制御ユニットは、前記検出器が、前記トレイの保持する媒体が媒体供給位置に位置しないことを検出した場合、前記トレイアップ機構の動作を要因とするエラーが発生したことを、前記表示ユニットに表示する請求項17記載の媒体供給機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−225375(P2011−225375A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88173(P2011−88173)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】