説明

エレクトロルミネセンスポリマー及びその使用

本発明は、式(1)の構造単位を含むエレクトロルミネッセンスポリマーと前記ポリマーの使用に関する。本発明によるポリマーは、特にポリマー有機発光ダイオードに使用されると、改善された効率とより長い使用寿命を有する。
【化10】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(1)の構造単位を含むエレクトロルミネセンスポリマーとその使用に関する。本発明によるポリマーは、特に、ポリマー有機発光ダイオードでの使用に関して、改善された効率とより長期の寿命を示す。
【0002】
ポリマー(有機)発光ダイオード(PLED)に基づく表示装置及び照明素子の商業化に向けての広範な基礎研究は、10年以上進行中である。この開発は、WO 90/13148 A1に開示される基礎開発により引き起こされた。まず、試作品ではあるが、製品(フィリップス、エヌ、ベーからのシェーバーの小表示装置)が、最近市場で入手可能となっている。しかしながら、これら表示装置を現在市場で支配的である液晶表示装置(LCD)に対する真の競争者にするためには、使用される材料における顕著な改善が未だ必要とされている。
【0003】
全ての3発光色の生成のためには、ある種のコモノマーを対応するポリマーに共重合する必要がある。(例えば、WO 00/46321 A1、WO 03/020790 A2及びWO 02/077060 A1)このようにして、青色発光基礎ポリマー(「主鎖」(backbone))から出発して、次いで2つの他の原色である赤色及び緑色を生成することが一般的に可能である。
【0004】
フルカラー表示要素のために既に提案され或いは開発されたポリマーは、種々のクラスの材料である。このように、例えば、ポリフルオレン誘導体とポリスピロビフルオレン、ポリジヒドロフェナントレンとポリインデノフルオレン誘導体の両者が適している。前記構造要素の組み合わせを含むポリマーも既に提案されている。加えて、ポリ-パラ-フェニレン(PPP)を構造要素として含むポリマーが、使用されている。
【0005】
先行技術にしたがうポリマーは、いくつかの場合には、PLEDでの使用に関して既に良好な特性を示している。しかしながら、既に達成された向上にもかかわらず、これらポリマーは、高品質の用途に対してそれらになされる要請を満足していない。
【0006】
特に、緑色及び特に青色発光ポリマーの寿命は、多くの用途に対して未だ不適当である。これは、赤色発光ポリマーの効率でも同様である。
【0007】
驚くべきことに、新規なクラスのポリマーが、上記先行技術より優れた非常に良好な特性を有することが今回見出された。したがって、本発明は、これらのポリマーとそのPLEDにおける使用に関する。新規構造単位は、ポリマー主鎖として特に適しているが、置換パターン次第で、正孔伝導体、電子伝導体及び/又はエミッターとして適している。
【0008】
本発明は、式(1)の単位を含むポリマーに関する。
【化1】

【0009】
ここで、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、各鎖は、Rにより置換されてよく、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CR=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、そして、加えて、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有する芳香族環構造若しくは2〜40個のC原子を有する複素環式芳香族環構造であって、1以上の基Rにより置換されてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状芳香族若しくは脂肪族環構造を形成してもよく、但し、好ましくは、基Rの少なくとも1個或いは両方はHではなく、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜22個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CR=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個以上の基Rは、互いに及び/又はRと共に環構造を形成してもよく;又はF、Cl、Br、I、CN、N(R、Si(R若しくはB(Rであり、
は、出現毎に同一であるか異なり、H又は1〜20個のC原子を有する脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B、C、N、O、P、S、Se、P=O、S=O若しくはSOであり、
nは、出現毎に同一であるか異なり、0、1、2若しくは3であり、
mは、出現毎に同一であるか異なり、0、1若しくは2であり、
式(1)及び全ての他の式での破線の結合はポリマーへ中での連結を示す。それは、ここではメチル基を表すことを意図していない。
【0010】
本発明は、好ましくは、式(1a)の単位を含むポリマーに関する。
【化2】

【0011】
ここで、
Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、各鎖は、Rにより置換されてよく、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CR=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、そして、加えて、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有する芳香族環構造若しくは2〜40個のC原子を有する複素環式芳香族環構造であって、1以上の基Rにより置換されてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状芳香族若しくは脂肪族環構造を形成してもよく;好ましくは、但し、基Rの少なくとも1個或いは両方はHではなく、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜22個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-RC=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個以上の基Rは、互いに及び/又はRと共に環構造を形成してもよく;又はF、Cl、Br、I、CN、N(R、Si(R若しくはB(Rであり、
は、出現毎に同一であるか異なり、H又は1〜20個のC原子を有する脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B、C、N、O、P、S、Se、P=O、S=O若しくはSOであり、
Gは、出現毎に同一であるか異なり、群1、群2、群3、群4、群5、群6、群7若しくは複数の群1〜7の混合物から選ばれる二価の単位を表わし、
nは、出現毎に同一であるか異なり、0、1、2若しくは3であり、
mは、出現毎に同一であるか異なり、0、1若しくは2であり、
pは、出現毎に同一であるか異なり、0若しくは1であり、
式(1a)及び全ての他の式での破線の結合はポリマー中での連結を示す。それは、ここではメチル基を表すことを意図していない。
【0012】
これは記載から明らかであるが、式(1)及び(1a)の構造単位は、非対称に置換されていてもよく、換言すれば、相異なる置換基R若しくはRが、単一の単位上に存在してもよいことが、また明らかに指摘されねばならない。
【0013】
本発明の目的のために、芳香族若しくは複素環式芳香族環構造は、必ずしも芳香族若しくは複素環式芳香族基のみを夫々含む構造ではなく、加えて、複数の芳香族若しくは複素環式芳香族基は、例えば、sp混成のC、O又はN等のような短い非芳香族単位(H以外の原子は、10%より少なく、好ましくは、H以外の原子は、5%より少ない)により中断されていてもよい構造を意味するものと解されることを意図されている。このように、例えば、9,9’-スピロビフルオレン、9,9-ジアリールフルオレン、トリアリールアミン等のような構造も、本出願での芳香族環構造を意味するものと解されることを意図されてもいる。
【0014】
本発明によるポリマーは、通常、少なくとも5モル%、好ましくは、少なくとも10モル%、特に好ましくは、少なくとも30モル%、特に、少なくとも50モル%の式(1)若しくは(1a)の単位を含む。相異なる式(1)若しくは(1a)の単位が同時に存在するならば、式(1)及び(1a)の全単位の合計は、上記範囲内であり、その結果、式(1)及び(1a)の個々の単位の含有量は、このような場合には、5モル%未満であってもよい。
【0015】
本発明によるポリマーは、共役ポリマー若しくは部分共役ポリマーである。
【0016】
本発明の目的のために、共役ポリマーは、主としてsp混成の炭素原子を主鎖中に含むものであり、対応するヘテロ原子により置き代えられてもよい。最も単純な場合には、これは、主鎖中の2重及び単結合の交互の存在を意味する。「主として」は、共役中断を生じる自然に生起する欠陥は、用語「共役ポリマー」を無効にはしないことを意味する。更に、例えば、アリールアミン単位及び/又はある種のヘテロ環(即ち、N、O若しくはS原子を介する共役)及び/又は有機金属錯体(即ち、金属原子を介する共役)が主鎖内に位置するならば、用語「共役」は、本出願の文脈で同様に使用される。
【0017】
逆に、例えば、単純アルキルブリッジ、(チオ)エーテル、エステル、アミド若しくはイミド結合のような単位は、非共役セグメントと明確に定義される。部分共役ポリマーは、主鎖中で延長する共役部分が、非共役部分により中断されるポリマーか、又は主鎖中で非共役であるポリマーの側鎖中で延長する共役部分を含むポリマーを意味するものと解されることを意図している。
【0018】
式(1)若しくは(1a)の単位に加えて、本発明によるポリマーは、更なる構造要素を含んでもよい。それらは、とりわけ、WO 02/077060 A1及びDE 10337346 A1に開示され、広く挙げられたものである。これらは、参照により本出願の一部とみなされる。その他の構造単位は、例えば以下のクラスから生じる得る。
【0019】
群1:ポリマーの正孔注入及び/又は輸送特性を向上する単位。
【0020】
群2:ポリマーの電子注入及び/又は輸送特性を向上する単位。
【0021】
群3:群1及び群2からの個々の単位の組み合わせを有する単位。
【0022】
群4:電子燐光発光が電子蛍光発光に代えて得ることができる程度に、発光特性を改変する単位。
【0023】
群5:いわゆる単項状態から三重項状態への遷移を改善する単位。
【0024】
群6:得られるポリマーの形態学及び/又は発光色に影響を及ぼす単位。
【0025】
群7:典型的には主鎖として使用される単位。
【0026】
本発明による好ましいポリマーは、少なくとも1つの構造要素が電荷輸送特性を有するもの、即ち群1及び/又は群2からの単位を含むものである。
【0027】
正孔輸送特性を有する群1からの構造要素は、例えば、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロール及びフラン誘導体と、高HOMO(HOMO=最高占有分子軌道)を有する更なるO-、S-、若しくはN-含有へテロ環である。これらのアリールアミン及びヘテロ環は、ポリマー中で、好ましくは−5.8eV(真空レベルに対して)より大な、特に好ましくは−5.5eVより大なHOMOを生じる。
【0028】
電子輸送特性を有する群2からの構造要素は、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン及びフェナジン誘導体のみならず、トリアリールボラン及び低LUMO(LUMO=最低空分子軌道)を有する更なるO-、S-、若しくはN-含有へテロ環である。これらの単位は、ポリマー中で、好ましくは−2.7eV(真空レベルに対して)未満の、特に好ましくは−3.0eV未満のLUMOを生じる。
【0029】
本発明によるポリマーは、正孔移動性を増加し、電子移動性を増加する構造(即ち、群1及び2からの単位)が互いに直接結合している群3からの単位を含むことが好ましいかもしれない。これら単位の幾つかは、エミッターとして役立ち、発光色を緑色、黄色或いは赤色にシフトし得る。それゆえ、それらの使用は、例えば、元来が青色発光のポリマーから他の発光色の生成のために適している。
【0030】
群4からの構造単位は、室温でさえも、高効率で三重項状態から発光することができる、即ち電子蛍光発光の代わりに電子燐光発光を呈し、往々にしてエネルギー効率の増加を引き起こす。この目的に適するのは、まず、36より大きい原子番号を有する重い原子を含む化合物である。特に適切な化合物は、上記条件を満足するd或いはf遷移金属を含むものである。非常に特に好ましいものは、8乃至10族(Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt)からの元素を含む対応する構造単位である。本発明によるポリマーのために適する構造単位は、ここで、例えば、例えばWO 02/068435 A1、DE 10116962 A1、EP 1239526 A2及びDE 10238903 A1に記載されるとおりの種々の錯体である。対応するモノマーは、WO 02/068435 A1及びDE 10360606 A1に記載されている。
【0031】
群5からの構造要素は、単項状態から三重項状態への遷移を改善するものであり、群4からの構造要素のサポートに使用され、これら構造要素の燐光特性を改善する。この目的のために適するものは、特にDE 10304819 A1及びDE 10328627 A1に記載されるとおりの、カルバゾール及び架橋カルバゾール2量体単位である。また、この目的のために適するものは、DE 10349033 A1に記載されるとおりのケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド及び類似化合物である。
【0032】
上記言及されたものに加えて、ポリマーの形態学と発光色に影響を及ぼす群6からの構造要素は、上記群の範囲に入らない少なくとも1つの更なる芳香族若しくは別の共役構造を有するものであり、即ち、電荷担体移動性に関する影響が少ししかなく、有機金属錯体でなく、単項-三重項遷移に関する影響がないものである。この型の構造要素は、得られるポリマーの形態学及び/又は発光色にも影響を与えてもよい。それゆえ、単位に応じて、それらはエミッターとしても使用されもする。ここで好ましいのは、6〜40個のC原子を有する芳香族構造若しくはトラン、スチルベン又はビスチリルアリーレン誘導体であり、夫々は1以上の基Rにより置換されていてもよい。ここで特に好ましいものは、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-或いは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-或いは4,9-ピレニレン、3,9-或いは3,10-ペリレニレン、4,4’-ビフェニリレン、4,4’’-ターフェニリレン、4,4’-ビ-1,1’-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4’-スチルベニレン若しくは4,4’’-ビススチリルアリーレン誘導体の組み込みである。
【0033】
群7からの構造要素は、ポリマー主鎖として典型的に使用される6〜40個のC原子を有する芳香族構造を含む単位である。これらは、例えば、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’-スピロビフルオレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体並びにシス-及びトランス-インデノフルオレン誘導体である。しかしながら、式(1)若しくは(1a)の単位の割合は、特に少なくとも50モル%であることから、群7からのこれら構造要素は、好ましくは、主要なポリマー主鎖としてはここでは使用されず、より少ない割合で存在する主鎖としてせいぜい使用される。
【0034】
式(1)若しくは(1a)の構造単位に加えて、本発明による好ましいポリマーは、群1乃至7から選ばれる1以上の単位を同時に追加的に含んでもよい。群からの1以上の構造単位が同時に存在することが同様に好ましい。
【0035】
式(1)若しくは(1a)の単位の割合は、好ましくは、少なくとも10モル%、特に好ましくは、少なくとも30モル%、特に少なくとも50モル%である。この選好は、特に式(1)若しくは(1a)の単位がポリマー主鎖であるならば、特に適用される。他の機能の場合には、他の割合が選好され、例えば、エレクトロルミネッセンスポリマー中での正孔伝導体若しくはエミッターの場合には、0.5〜20モル%程度の割合が好まれる。他の用途のためには、例えば、有機トランジスタのためには、好ましい割合はまた異なり、例えば、正孔若しくは電子伝導単位の場合には100モル%迄であってよい。
【0036】
本発明による好ましいポリマーは、式(1)若しくは(1a)の構造単位に加えて、上記群からの少なくとも1個の単位をも含む。上記言及する異なるクラスのものからの少なくとも2個の構造単位が特に好ましい。存在するならば、これら構造要素の割合は、好ましくは各場合に、少なくとも5モル%、特に好ましくは各場合に、少なくとも10モル%である。特に、これら構造単位の1つは、正孔伝導単位の群から選ばれ、その他の群は、発光単位であり、ここで、これら2つの機能(正孔伝導及び発光)は、同一の単位によりなされてもよい。
【0037】
しかしながら、発光単位、特に、緑色-及び赤色-発光単位のより少ない割合は、例えば、白色発光コポリマーの合成のために好まれてもよい。白色発光コポリマーを合成することができる方法は、DE 10343606 A1に詳細に記載されている。
【0038】
本発明によるポリマーは、好ましくは10〜10,000、特に好ましくは50〜5000、特に、50〜2000の反復単位を含む。
【0039】
ポリマーに要求される溶解度は、特に、式(1)若しくは(1a)の単位上及び随意に更に存在する単位上の置換基RとRによって確保される。更なる置換基が存在するならば、これらは溶解度にも貢献する。
【0040】
適切な溶解度を確保するために、少なくとも2個の非芳香族C原子が、反復単位ごとに平均して置換基中に存在することが好ましい。少なくとも4個、特に好ましくは、少なくとも8個のC原子が、好ましい。そこの個々のC原子は、O若しくはSにより置き代えられてもよい。しかしながら、反復単位のある割合が任意の更なる非芳香族置換基を保持しないことを意味することも、このために完全に可能である。
【0041】
フィルムの形態学を損なうことを回避するために、直鎖内に、12個超のC原子を有する長鎖置換基を有さないことが好ましく、好ましくは8個超のC原子、特に6個超のC原子を有さない。
【0042】
非芳香族C原子は、例えば、式(1)若しくは(1a)中のRとRでの記載のとおり、対応する直鎖、分岐或いは環状アルキル若しくはアルコキシ鎖に存在する。
【0043】
式(1)若しくは(1a)の単位のための本発明の好ましいポリマーは、
Rが、出現毎に同一であるか異なり、1〜25個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜25個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜25個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、CH=CH若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、そして1以上のH原子は、F若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜20個のC原子を有する芳香族環構造若しくは2〜20個のC原子を有する複素環式芳香族環構造であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状芳香族若しくは脂肪族環構造を形成してもよく、
が、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜22個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CH=CH-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個以上の基Rは、互いに及び/又はRと共にモノ或いはポリ環状脂肪族若しくは芳香族環構造を形成してもよく、又はF、Cl、Br、I、CN、N(R、Si(R若しくはB(Rであり、
Xが、出現毎に同一であるか異なり、B、C、N、O、P、S、P=O、S=O若しくはSOである。
【0044】
式(1)若しくは(1a)の単位のための本発明の更に好ましいポリマーは、
Rが、出現毎に同一であるか異なり、4〜20個のC原子を有する直鎖、分岐或いは環状アルキル鎖であって、特に好ましくは、分岐アルキル鎖であり、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CH=CH-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、Fにより置き代えられてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状構造を形成してもよく、
Xが、出現毎にCであり、
pが、数0を表わす。
【0045】
脂肪族基Rのために好ましいものは、得られるポリマーの更に良好な溶解性とより良い合成可能性により説明することができる。
【0046】
置換パターン次第で、式(1)若しくは(1a)の単位は、ポリマー中での種々の機能のために特に適している。それゆえ、これらの単位は、(電子伝導性)ポリマー主鎖として、正孔伝導体として或いはエミッターとして好ましくは使用することができる。
【0047】
7,7’-位で対称的に置換された式(1)若しくは(1a)の単位が更に好ましい。この選好は、モノマーのより良い合成可能性により説明することができる。したがって、式(1)若しくは(1a)の単位中の全てのRは、同一であり、特に好ましくは、同一に置換されることも好ましい。
【0048】
式(1)若しくは(1a)の単位の好ましい例は、以下の構造であり、各場合のポリマーでの連結は3,9-位を介して生じ、破線により示される。明確さの理由で、可能な置換基は、一般的にはどこにも示されない。Rのために記載されるとおり、ここで、アルキルは、一般的に脂肪族アルキル基を表わし、アリールは、芳香族若しくは複素環式芳香族構造を表わす。
【化3−1】

【化3−2】

【0049】
本発明によるポリマーは、ホモポリマーかコポリマーである。本発明によるコポリマーは、1以上の式(1)若しくは(1a)の構造に加えて、場合によっては、例えば上記群1〜7からの1以上の更なる構造を含むことができる。
【0050】
本発明によるコポリマーは、ランダム、交互或いはブロック様構造を有することができ、又は交互配置中に複数のこれら構造を有する。ブロック様構造を有するコポリマーを得ることができる方法は、例えば、DE 10337077 A1に詳細に記載されている。公開明細書は、参照により本発明の一部である。
【0051】
溶解度、固相形態学、色、電荷注入及び輸送特性、温度安定性、オプトエレクトロニクス特性等のような特性は、複数の異なる構造要素の使用により調整することができる。
【0052】
本発明によるポリマーは、その少なくとも1つのモノマーが、ポリマー中で式(1)若しくは(1a)の単位を生じる、1以上のこの型のモノマーの重合により一般的に調製される。原則的に多くの対応する重合反応が存在する。しかしながら、C-C若しくはC-N連結を生じる幾つかの型が成功することがここで特に判明した。
【0053】
(A)鈴木重合;
(B)山本重合;
(C)スチル(STILLE)重合;
(D)ハートビッヒ-ブッフバルト(HARTWIG-BUCHWALD)重合;
これらの方法により重合を行うことができる方法及びポリマーが反応媒体から単離され、純化されることのできる方法は、例えば、DE 10249723 A1に詳細に記載されている。
【0054】
本発明によるポリマー中に式(1)の構造単位を生じるモノマーは、このモノマー単位がポリマー中に組み込まれることを可能とする適切な置換基を3,9-位に有する誘導体である。他の連結が望まれれば、官能基は、対応して改変されねばならない。
【0055】
ポリマー中に式(1)若しくは(1a)の単位を生じるモノマーは、新規であり、それゆえ、同様に本発明の主題である。
【0056】
したがって、本発明は、2個の官能基Aは、同一であるか異なり、C-C或いはC-N連結反応の条件下で共重合し、その他の記号と添字は、式(1)及び(1a)に関して同じ意味を有する、式(2)若しくは(2a)の二官能性モノマー化合物に関する。
【化4】

【0057】
Aは、Cl、Br、I、O-トシレート、O-トリフレート、O-SO、B(OR及びSn(R、特に、Br、I及びB(ORから選択され、Rは、上記と同じ意味を有し、そして、2個以上の基Rは、互いに環構造を形成してもよい。
【0058】
C-C連結反応は、好ましくは、鈴木カップリング、山本カップリング及びスチルカップリングよりなる群から選択される。C-N連結反応は、好ましくは、ハートビッヒ-ブッフバルトカップリングである。
【0059】
式(1)若しくは(1a)の構造単位に対する上記と同じ選好が、式(2)若しくは(2a)の二官能化モノマー化合物に適用される。
【0060】
本発明によるポリマーを純粋物として使用せずに、その代わりに任意の所望の更なるポリマー状、オリゴマー状、樹状若しくは低分子量物質と一緒に、混合物(ブレンド)として使用することが好まれてもよい。これらは、例えば、電子特性を改善し、単項状態から三重項状態への遷移に影響を及ぼし若しくは単項状態から或いは三重項状態から、それ自体発光してもよい。しかしながら、電気的に不活性な物質も、例えば、形成されたポリマー膜の形態学若しくはポリマー溶液の粘度に影響を及ぼすことを目的として適切であるかもしれない。したがって、本発明は、この型のブレンドにも関する。
【0061】
本発明は、更に1以上の溶媒中に、少なくとも1つの本発明による1以上のポリマー或いは混合物を含む溶液及び処方に関する。ポリマー溶液を調製することができる方法は、例えば、WO 02/072714 A1、WO 03/019694 A1及びそこに引用された文献に記載されている。これらの溶液は、例えば、表面被覆法(例えば、スピンコート)或いは印刷プロセス(例えば、インクジェット印刷)により、薄いポリマー層を製造するために使用することができる。
【0062】
本発明によるポリマーは、PLEDに使用することができる。これらは、陰極、陽極、発光層と、場合によって、例えば、好ましくは、正孔注入層と随意に正孔注入層と発光層との間の中間層のような更なる層を含む。PLEDを製造することができる方法は、例えば、一般的プロセスとして、DE 10304819 A1に詳細に記載されており、個々の場合に対応して採用されるべきである。
【0063】
上記したように、本発明によるポリマーは、PLED若しくはこの方法で製造される表示装置でのエレクトロルミネセンス材料として非常に特に適している。
【0064】
本発明の目的のために、エレクトロルミネセンス材料は、PLEDでの活性層として使用することのできる材料を意味するものと解される。活性層は、層が電界の適用で発光することができるものであること(発光層)及び/又は、それが正及び/又は負電荷の注入及び/又は輸送を改善するものであること(電荷注入若しくは電荷輸送層)を意味する。それは、正孔注入層と発光層との間の中間層であってもよい。
【0065】
それゆえ、本発明は、本発明によるポリマーのPLEDでの、特に、エレクトロルミネセンス材料としての使用にも関する。
【0066】
したがって、本発明は、同様に、1以上の活性層を有し、これら活性層の少なくとも1つが1以上の本発明によるポリマーを含む、PLEDに関する。活性層は、例えば、発光層及び/又は輸送層及び/又は電荷注入層及び/又は中間層であることができる。
【0067】
本発明によるポリマーは、最も近い先行技術として言及されるWO 03/020790 A2及びWO 02/077060 A1に記載されたポリスピロビフルオレン及びポリフルオレンを超える以下の驚くべき利点を有する。
【0068】
(1)(その他の点では同一か類似の組成で)本発明によるポリマーは、用途においてより高い輝度効率を有することが見出された。これは、特に青色発光を呈するコポリマーにいえる。これは、同じ輝度が、特に、標準或いは再充電可能な電池に依存する移動用への用途(携帯電話、ポケベル、PDA等のための表示装置)に非常に重要であるより低いエネルギー消費で、達成することができることから、ずばぬけた重要性を有する。逆に、より高い輝度が、同じエネルギー消費と共に得られ、例えば、照明用途に興味があるかもしれない。
【0069】
(2)更に、本発明によるポリマーは、また、特に緑色及び青色発光PLEDの場合に、直接比較で、より長い動作寿命を有することが、驚くべきことに見いだされた。
【0070】
(3)本発明によるポリマーは、電子伝導性コモノマーの使用がなくてさえも、良好な電子伝導体である。ポリマー中での電子伝導特性は、先行技術に関する多くの電子伝導体が高品質の用途で十分に安定ではないことから、これまでは、困難さを以って達成可能なだけであった。
【0071】
本出願のテキスト及び以下の具体例は、PLED及び対応する表示装置に関する本発明によるポリマー若しくはブレンドの使用に向けられている。説明のこの制限にもかかわらず、当業者には、更なる発明段階を要することなく、ほんの少しの用途を言及される、例えば、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)若しくは有機レーザーダイオード(O-laser)のような、他の電子における更なる使用のために、本発明のポリマー及び本発明のブレンドを使用することが可能である。
【0072】
本発明は、同様に、本発明によるポリマーの対応する素子への使用及びこれらの素子自体に関する。
【0073】
本発明は、以下の例により、より詳細に説明されるが、それにより限定されることを望むものではない。
【0074】

例1:3,9-ジブロモ-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[de]アントラセンの調製
【化5】

【0075】
1.1 3,9-ジブロモベンゾ[de]アントラセン-7-オンの調製
【化6】

【0076】
50g(217ミリモル)のベンズアントロンが、まず、800mlのニトロベンゼン中に導入され、90℃の内部温度にもたらされた。100mlのニトロベンゼン中に溶解された25ml(490ミリモル)の臭素が、30分間にわたって滴下される。反応混合物は、次いで、150℃の内部温度に加熱される。2時間後、混合物は、室温まで冷却され、200mlのEtOHが滴下され、黄色固形物が吸引ろ過され、大量のEtOHで洗浄され、乾燥され、49.7g(59%)の二臭素化生成物が、黄色粉末として得られる。
【0077】
1.2 3,9-ジブロモ-7H-ベンゾ[de]アントラセンの調製
【化7】

【0078】
37.17g(81.7ミリモル)のジブロモベンズアントロンと10.9g(81.7ミリモル)のAlClが、まず、加熱により乾燥された装置中の330mlの無水ジエチルエーテル中にN下導入される。(N下氷冷で予め溶解され或いは懸濁された)400mlのエーテル中の3.1g(81.7ミリモル)のLiAlHが、次いで氷冷で滴下される。添加が終了すると、混合物は、更に60分間沸騰加熱される。
【0079】
10mlの酢酸エチルが、氷冷でゆっくりと添加され、100mlの6MのHClが引き続き注意深く滴下され、得られた沈殿物は吸引ろ過され、1MのHClとMeOHで洗浄され、吸引乾燥され、25.6g(84%)の薄黄色の固形物が得られる。
【0080】
1.3 3,9-ジブロモ-7,7-ジメチル-7H-ベンゾ[de]アントラセンの調製
【化8】

【0081】
26g(69ミリモル)の3,9-ジブロモ-7H-ベンゾ[de]アントラセンが、280mlの無水DMSO中に70℃で溶解され、40g(416ミリモル)のNaOBuが添加され、懸濁液は、80℃の内部温度に加熱される。25.9ml(416ミリモル)のヨウ化メチルが、この温度(1時間、温度<90℃)でゆっくりと滴下される。次いで、内部温度は、更に1.5時間、80〜90℃に保持される。冷却されたバッチは、1000mlの氷水中に注がれ、混合物は20分間攪拌され、得られた固形物は、吸引ろ過され、水とMeOHにより洗浄され、トルエンから6度再結晶化され、>99.9%の純度で、77%(21.4g)の収率を有する薄黄色の固形物が得られる。
【0082】
例2:更なるモノマーの合成
以下に記載された更なるモノマーM2〜M5の合成がWO 03/020790とそこに引用された文献に記載されている。
【化9】

【0083】
例3:ポリマーの合成
本発明によるポリマーと比較例のポリマーが、WO 03/048225に記載されたとおりの鈴木カップリングにより合成される。本発明による合成されたポリマーP1とP2と比較例のポリマーC1とC2の組成が表1に示される。比較例のポリマーC1とC2は、ポリマー中で式(1)の単位を生じるモノマーM1とは異なるモノマーを有する。
【0084】
例4:PLEDの製造
ポリマーは、PLED電子の使用のために調査される。PLEDは、各場合に2層構造、すなわち、基板/ITO/PEDOT/ポリマー/陰極である。PEDOTはポリチオフェン誘導体(BaytronP、H.C.Stack,Goslarから)である。全ての場合に使用された陰極は、Ba/Ag(Aldrich)である。PLEDが製造される方法は、WO 04/037887とそこに引用された文献に記載される。
【0085】
例5〜8 素子の例
本発明によるポリマーP1とP2のPLED中での使用に関して得られた結果が、同様に表1に示される。比較例のポリマーC1とC2を使用して得られたエレクトロルミネセンスの結果も示される。
【0086】
結果から見て取れるように、本発明によるポリマーの効率は、比較例のポリマーよりも、より良好である。発光色は、同等であり、これを考慮すると、寿命は顕著に改善されている。これは、本発明によるポリマーは、先行技術にしたがうポリマーよりも、表示装置での使用のためにより適していることを示す。
【0087】
表1:
【表1】

【0088】
CIE色座標:1931年の国際照明委員会の色座標
:寿命:輝度が、初期輝度400cd/mで、初期輝度の50%に低下するまでの時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の単位を含むポリマー。
【化1】

(Rは、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜40個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜40個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、各鎖は、Rにより置換されてよく、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CR=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、そして1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有する芳香族環構造若しくは2〜40個のC原子を有する複素環式芳香族環構造であって、1以上の基Rにより置換されてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状芳香族若しくは脂肪族環構造を形成してもよく、但し、好ましくは、両方の基Rの少なくとも1個或いは2個はHではなく、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜22個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CR=CR-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F、Cl、Br、I若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;2個以上の基Rは、互いに及び/又はRと共に更なる環構造を形成してもよく;又はF、Cl、Br、I、CN、N(R、Si(R若しくはB(Rであり;
は、出現毎に同一であるか異なり、H又は1〜20個のC原子を有する脂肪族若しくは芳香族炭化水素基であり、;
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B、C、N、O、P、S、Se、P=O、S=O若しくはSOであり;
nは、出現毎に同一であるか異なり、0、1、2若しくは3であり;
mは、出現毎に同一であるか異なり、0、1若しくは2であり;破線はポリマーへの連結を示す。)
【請求項2】
共役若しくは部分共役ポリマーであることを特徴とする、請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
式(1)の単位に加えて、更なる構造要素を含むことを特徴とする、請求項1又は2記載のポリマー。
【請求項4】
正孔注入及び/又は輸送特性を向上する更なる構造要素が、トリアリールアミン、ベンジジン、テトラアリール-パラ-フェニレンジアミン、トリアリールホスフィン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、チアントレン、ジベンゾ-パラ-ジオキシン、フェノキサチン、カルバゾール、アズレン、チオフェン、ピロール及びフラン誘導体と、高HOMOを有する更なるO-、S-或いはN-含有へテロ環の群から選択されることを特徴とする、請求項3記載のポリマー。
【請求項5】
電子注入及び/又は輸送特性を向上する更なる構造要素が、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、オキサジアゾール、キノリン、キノキサリン及びフェナジン誘導体のみならず、トリアリールボランと、低LUMOを有する更なるO-、S-或いはN-含有へテロ環の群から選択されることを特徴とする、請求項3又は4記載のポリマー。
【請求項6】
更なる構造要素が、請求項4又は5記載の個々の単位の組み合わせを有することを特徴とする、請求項3〜5何れか1項記載のポリマー。
【請求項7】
更なる構造要素が、電子蛍光発光ではなく電子燐光発光を得ることができる程度に発光特性を改変することを特徴とする、請求項3〜6何れか1項記載のポリマー。
【請求項8】
単項状態から三重項状態への遷移を改善する更なる構造要素が、カルバゾール及び架橋カルバゾール2量体単位、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、スルホン及びシラン誘導体のクラスから選択されることを特徴とする、請求項3〜7何れか1項記載のポリマー。
【請求項9】
ポリマーの形態及び/又は発光色に影響を及ぼす更なる構造要素が、1,4-フェニレン、1,4-ナフチレン、1,4-或いは9,10-アントリレン、1,6-、2,7-或いは4,9-ピレニレン、3,9-或いは3,10-ペリレニレン、4,4’-ビフェニリレン、4,4’’-ターフェニリレン、4,4’-ビ-1,1’-ナフチリレン、4,4’-トラニレン、4,4’-スチルベニレン及び4,4’’-ビススチリルアリーレン誘導体のクラスから選択されることを特徴とする、請求項3〜6項何れか1項記載のポリマー。
【請求項10】
主鎖として典型的に使用される更なる構造要素が、4,5-ジヒドロピレン誘導体、4,5,9,10-テトラヒドロピレン誘導体、フルオレン誘導体、9,9’-スピロビフルオレン誘導体、9,10-ジヒドロフェナントレン誘導体、5,7-ジヒドロジベンゾオキセピン誘導体、シス-及びトランス-インデノフルオレン誘導体のクラスから選択されることを特徴とする、請求項3〜9何れか1項記載のポリマー。
【請求項11】
式(1)の単位の割合が、少なくとも5モル%であることを特徴とする、請求項1〜10何れか1項記載のポリマー。
【請求項12】
式(1)の単位が、3,9-連結を介してポリマー中で結合することを特徴とする、請求項1〜11何れか1項記載のポリマー。
【請求項13】
式(1)において、Rは、出現毎に同一であるか異なり、1〜25個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜25個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜25個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、CH=CH-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F若しくはCNにより置き代えられてよく、又は4〜20個のC原子を有する芳香族環構造若しくは複素環式芳香族環構造であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個の基Rは、互いに更なるモノ或いはポリ環状芳香族若しくは脂肪族環構造を形成してもよく、
は、出現毎に同一であるか異なり、H、1〜22個のC原子を有する直鎖アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する分岐アルキル鎖、又は3〜22個のC原子を有する環状アルキル鎖であって、ここで、加えて、1以上の隣接しないC原子は、=N-R、-O-、-S-、-O-CO-O-、-CO-O-、-CH=CH-若しくは-C≡C-により置き代えられてよく、加えて、1以上のH原子は、F若しくはCNにより置き代えられてよく、又は5〜40個のC原子を有するアリール、ヘテロアリール、アリールオキシ若しくはヘテロアリールオキシ基であって、1以上の非芳香族基Rにより置換されてよく;ここで、2個以上の基Rは、互いに及び/又はRと共にモノ或いはポリ環状脂肪族若しくは芳香族環構造を形成してもよく;又はF、Cl、Br、I、CN、N(R、Si(R若しくはB(Rであり、
Xは、出現毎に同一であるか異なり、B、C、N、O、P、S、P=O、S=O若しくはSOである
ことを特徴とする、請求項1〜12何れか1項記載のポリマー。
【請求項14】
2個の官能基Aは、同一であるか異なり、C-C或いはC-N連結反応の条件下で共重合し、他の記号と添字は、請求項1に示されるのと同じ意味を有することを特徴とする、式(2)の二官能化モノマー化合物。
【化2】

【請求項15】
Aが、Cl、Br、I、O-トシレート、O-トリフレート、O-SO、B(OR及びSn(Rであって、Rは、請求項1に示されるのと同じ意味を有し、そして、2個以上の基Rは、互いに環構造を形成してもよいことを特徴とする、請求項14記載の式(2)の二官能化モノマー化合物。
【請求項16】
C-C連結反応が、鈴木カップリング、山本カップリング及びスチル(STILLE)カップリングから選ばれ、C-N連結反応が、ハートビッヒ−ブッフバルト(HARTWIG-BUCHWALD)カップリングであることを特徴とする、請求項14又は15記載の式(2)の二官能化モノマー化合物。
【請求項17】
請求項1〜13何れか1項記載の1以上のポリマーと更なるポリマー状、オリゴマー状、樹状及び/又は低分子量物質との混合物(ブレンド)。
【請求項18】
1以上の溶媒中に請求項1〜13何れか1項記載のポリマー又は請求項17記載のブレンドを含む溶液及び処方。
【請求項19】
発光ダイオードでの、請求項1〜13何れか1項記載のポリマー、請求項17記載のブレンド若しくは請求項18記載の溶液の使用。
【請求項20】
1以上の活性層を有する有機電子素子であって、これら活性層の少なくとも一つが、請求項1〜13何れか1項記載のポリマー又は請求項17記載のブレンドを含むことを特徴とする、有機電子素子。
【請求項21】
ポリマー発光ダイオード(PLED)、有機集積回路(O-IC)、有機電界効果トランジスタ(O-FET)、有機薄膜トランジスタ(O-TFT)、有機太陽電池(O-SC)若しくは有機レーザーダイオード(O-laser)であることを特徴とする、請求項20記載の有機電子素子。
【請求項22】
ポリマー発光ダイオードであることを特徴とする、請求項21記載の有機電子素子。

【公表番号】特表2009−542868(P2009−542868A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518738(P2009−518738)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005500
【国際公開番号】WO2008/006454
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】