説明

エレクトロルミネッセンスデバイス

エレクトロルミネッセンスデバイスは、能動回路(2)を備える不透明な半導電性基板(1)と、アノード(3)と、酸化物材料(4)の層と、正孔輸送層(5)と、発光ポリマー(6)の層と、透明なカソード(7)と、封止部(8)とを順番に含む。この酸化物材料(4)は、特に遷移金属酸化物を含む。このデバイスの形成方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー有機エレクトロルミネッセンス材料を含むエレクトロルミネッセンスデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)は、その開発当初から2つのカテゴリーに分類されていた。SM−OLED(小分子有機発光ダイオード)は、P−OLED(ポリマーOLED)とは材料および製造技法の両面で明らかに異なっている。ポリマーOLEDは米国特許第5,247,190号公報に記載されている。
【0003】
OLED表示装置は歴史的に、透明でかつ導電性であること、およびLCD表示装置の分野でも幅広く製造されているという利点があるITO(インジウム・スズ酸化物)基板上で開発されてきた。ITO基板は、受動マトリックス表示装置バックプレーン(小面積低分解能表示装置)の形成およびOLEDデバイス中に正孔を注入するアノードの形成に有効な手段である。これは、P−OLEDおよびSM−OLED技術のどちらにもあてはまる。(LCD表示装置との比較では、ITOに正孔を注入する必要性はなくなる。というのは、LCD表示装置は電圧駆動デバイスだからである。)OLEDは、少なくとも一つの透明電極と有効な正孔注入部を有さなければならない。ITOはOLED技術開発用の基板として用いられてきた。というのは、ITOは(LCD表示装置製造用に)存在しており、透明性および正孔注入能の2つの基本的な要件を満足するからである。OLED表示装置の対向電極は、ほとんど常に有機物層の上面に真空蒸着される。通常、この対向電極はデバイスのカソードであり、効果的な電子源を与える。
【0004】
透明なITO基板が高分解能な能動マトリックス表示装置回路を形成できる不透明なシリコン系基板に置き換えられる場合に、しばしば表示装置技術の向上が実現されてきた。本発明者らはこの技術ステップを採用し、CMOSシリコン・バックプレーンに基づいたP−OLEDの超小型表示装置を作製した。これらの表示装置はカソード側から見て透明でなければならない。したがって、このようなP−OLED超小型表示装置のアノードをITOで作製しても製造上の意味または商業上の意味はない。
【0005】
本発明者らは2層からなるアノードを用いた。第1の層はチタニウム金属であって、半導体鋳造工場から供給されるようなCMOSウエハーの最上層を形成する。第2の層は、PEDOT:PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルフォン酸)である。P−OLEDデバイスにPEDOT:PSSを採用することを記載した原特許は、米国特許第6,551,727号公報である。ここで説明するアノード・システムには多くの欠点がある。第1の欠点は、PEDOT:PSSは本質的に導電性であり、その結果、望ましくない画素クロス・トークが生じることである。(表示装置の駆動方式、すなわち、電圧駆動か電流駆動かに応じて、PEDOT:PSSの真性導電率は、それぞれ電力損失または彩度損失をもたらす。)第2の欠点は、(PEDOT:PSSの製造工程に起因して)PEDOT:PSSが固体電解質としての働きもすることである。これは、PEDOT:PSS層中のイオンが、隣接する画素がそれぞれオンオフする時に見られるような横方向の電場の影響下で、膜内で横方向のマイグレーションを起し得ることを意味する。イオンのマイグレーションは、PEDOT:PSSの導電率およびホール注入特性を変え、表示装置中に画像アーティファクトを生じさせる。PEDOT:PSSのこの特性は極めて望ましくないものであり、超小型表示装置だけでなくPEDOT:PSSを用いる受動マトリックスおよび能動マトリックスの画素表示装置全てに見られる。この問題はWO2004/105150号公報およびde KokらのPhys.Stat.Sol.(a)第201巻6号、1342〜1359頁(2004年)で指摘されている。
【0006】
PEDOT:PSSを用いる場合の第3の問題点は、PEDOT:PSSが寿命に関してP−OLEDデバイスの固有の性能を制限すると当業者が考えていることである。いくつかの異なる実験環境におけるPEDOT:PSSの非線形な導電率に関していくつかの文献が出版されている:Kvarnstromらの、J.Mol.Structure第521巻、271〜277頁(2000年)、Taylorらの、App.Phys.Lett第85巻23号(2004年)、Mollerらの、J.App.Phys.第94巻12号(2003年)。
【0007】
このように、PEDOT:PSSに置き換わる代替材料を発見することによって技術のより速い進歩が可能になるはずである。
【0008】
PEDOT:PSSは、従来、2つの理由によってP−OLEDに使用されてきた。
【0009】
ITOアノードは、元来不安定であり、有効な正孔注入面を作製する前に酸素プラズマで状態調節する必要がある。この酸素プラズマ工程はよく理解されていないが、P−OLEDデバイスの作製であるか、またはSM−OLEDデバイスの作製であるかに拘わらず全ての工業的な製造で用いられる。P−OLEDデバイスでは、PEDOT:PSSがプラズマ処理された正孔注入表面のばらつきを低下させ、裸のITO基板より優れた信頼性および正孔注入効率をもたらすことが判明した。
【0010】
ITOに関する他の問題点は、その表面が基板全体に亘って規則的に生じる欠陥を有して極めて荒いことである。これらの欠陥はスパイク状の輪郭を有しているので、それらの近傍には非常に大きな電場がもたらされる。P−OLEDデバイスがPEDOT:PSSなしで作製される場合は、アノード/カソード間の短絡の可能性が非常に高い。PEDOT:PSSをITO膜厚(数百ナノメートル)程度の層厚で導入した場合は、短絡の生じる可能性が数桁の大きさで減少する。
【0011】
PEDOT:PSSはOLED技術における正孔注入層(HIL)として知られる。
【0012】
これに対し、SM−OLED表示装置は一般に、2つの理由から回路短絡を低減させるためにPEDOT:PSSを使用しない。第1の理由は、SM−OLED材とP−OLED材の堆積の性質に起因して、SM−OLED材はP−OLED材よりも一般に高密度であることである。これによって、本質的に膜が短絡からより保護される。第2の理由は、同じ機能を果たすことができるSM−OLEDデバイス用の代替HIL層が存在することである。
【0013】
ITOはP−OLEDデバイスおよびSM−OLEDデバイスのどちらに対しても最適な正孔注入層ではないことが分っている。出版された多くの文献では、一連の無機材料および有機材料を用いたとき正孔注入に改善が見られることを示している。これらの出版文献では一般に、ITOと新規材料とを比較し、ITO/PEDOT:PSSと新規材料とを比較していない。
【0014】
これらの材料には、Khodabakhshらの(Adv.Fund.Mat.第14巻12号(2004年))ITO上、Tokitoらの(J.Phys.D:App.Phys.第29巻、2750〜2753頁(1996年))MoOx、VOx、RuOx上、Reynoldsらの(J.App.Phys.第92巻12号(2002年))MoS+MoO上、およびQuiらの(IEEE Trans.Elec.Dev.第51巻7号(2004年))Pr上の自己構成単分子膜(SAM)が含まれる。
【0015】
上記段落番号0014に列記された酸化物材料は、米国特許出願第2005/0,170,208号公報にも引用されている。該出願では、遷移金属酸化物および有機バッファ層を利用することによってP−OLEDデバイスに対する正孔注入システムと同じ多くの利点を有するOLEDデバイス構造を詳述している。
【0016】
正孔輸送層(HTL)は、HTL/発光層の界面で電子を遮断することによってSM−OLEDデバイス中の電荷バランスを向上させるために、しばしば用いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
P−OLED技術においては、機能が正孔輸送、電子輸送、および発光の間で分けられている多層デバイスは、材料処理技術に起因して使用が限定される。P−OLED材料は、一般的に芳香族溶液によって処理される。従来、異なる機能を有する相異なる材料を積層することは不可能であった。というのは、これらの相異なる材料に対する溶剤系は一般に同じであり、第2の層を被覆したときに第1の層が溶解するからである。この問題はSM−OLED技術の場合は存在しない。というのは、これらの材料が交互に直接重ねて直接真空蒸着されるからである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らは、上記に挙げた出版文献中に引用された酸化物材料の正孔注入特性を新規なデバイスに用いて大きな効果を得ることができることを見出した。
【0019】
本発明は、能動回路を備える不透明な半導電性基板、アノード、酸化物材料層、正孔輸送層、発光ポリマー層、透明カソード、および封止部を順番に含むエレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。
【0020】
この回路は、CMOS(相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor))回路を含んでよい。その場合は、アノードはアルミニウムを含んでよいが、代わりに、チタニウムあるいは他の金属または合金を含んでもよい。
【0021】
酸化物材料は、金属酸化物でよく、また、半導電性酸化物材料でもよい。この酸化物材料は、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロムミウム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)等の酸化物を含む遷移金属酸化物から選択してよい。代わりに、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)等の酸化物、あるいはランタノイドまたはアクチノイドを含む希土類元素の酸化物を含んでもよい。これらの酸化物の混合物も使用することができる。本発明者らは、この層の層厚が1〜15nm、特に約5nmの時に有利なことを見出した。
【0022】
正孔輸送層は、特に、TFB(ポリ[9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,4’−(N−(4−セク−ブチルフェニル))ジフェニルアミン](Poly[(9,9−dioctylfluorenyl−2,7−diyl)−co−(4,4’−(N−(4−sec−butylphenyl))diphenylamine)])の架橋可能なバージョン、または被覆すると芳香族溶剤に不溶性になり得る正孔移動度の高い任意の有機材料を含んでよい。
【0023】
発光ポリマーは、住友化学株式会社(Sumitomo Chemical Co.,Ltd.)により登録商標ルメーション(Lumation)として市販されている材料を含んでよい。
【0024】
本発明は、
(a)金属アノードを有する半導電性基板を準備するステップと、
(b)前記アノード上に熱力学的に安定な酸化物材料を堆積させるステップと、
(c)前記酸化物を共役ポリマー正孔輸送層で被覆するステップと、
(d)前記正孔輸送層を架橋させるステップと、
(e)前記正孔輸送層を発光ポリマーの層で被覆するステップと、
(f)前記発光ポリマー上にカソードを被覆するステップと、
(g)前記デバイスを封止するステップと、
を含むエレクトロルミネッセンスデバイスの形成方法も提供する。
【0025】
ステップ(a)の後で前記アノードを洗浄して自然酸化物を除去してもよい。
【0026】
ステップ(b)の後で前記酸化物材料をアニールまたはプラズマ露光してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図は、一体化された駆動回路2を備えた半導電性基板1を含んだエレクトロルミネッセンスデバイスを示す。金属アノード3、たとえば、アルミニウム(回路2が標準的なCMOSの場合)またはチタニウムであり、この回路上に形成される。
【0028】
これらのアノードを洗浄して自然酸化物を除去した後、層厚約5nmの熱力学的に安定な遷移金属酸化物層4を堆積させる。この層は、大きな仕事関数と低い導電率を有し、滑らかで制御された被覆を形成する。たとえば、VおよびMoOが適している。
【0029】
任意選択で、この金属酸化物層4の表面をアニールまたはプラズマ露光して、より大きな安定性を得てもよい。
【0030】
次に、適切な層厚、たとえば、約40nmの共役ポリマー正孔輸送層5(たとえば、架橋可能なTFB)をこの金属酸化物層上に被覆する。次いで、この正孔輸送層を熱的に活性化して架橋させる。
【0031】
次いで、能動発光層6を必要な層厚(たとえば、約70nm)に被覆する。この層はルメーション・ホワイト(Lumation White)などの発光ポリマーを含む。その後、透明なカソード7および封止部8を含む残りのデバイス層を被覆する。
【0032】
デバイスの全厚は、5つの理由から正確に設計する。
【0033】
第1の理由は、同様な輝度を実現するためにはデバイス厚が厚い程、高電圧が必要になることである。デバイス厚が薄い程、ある特定の動作電圧でより多くの電流が流れ、より多くの発光が可能になる。CMOSの場合、一般に、6.5Vの最大電圧が利用できる。
【0034】
第2には、正孔輸送材料と発光材料の層厚が調節可能であることによりデバイスのエキシトン再結合ゾーン中の電荷バランスを最適化できることである。最適化とは、導電性電極で消滅するエキシトンを最適化し、過渡的な単極電流を最適化する働きである。少なくとも10nmのHTL厚が必要とされる。
【0035】
第3の理由は、デバイス中を流れる電流の量は発生された光の量を決定し、薄いデバイスで最大になるが、抽出される光の量は光学系の関数であり、光抽出は一般的に、再結合が膜積層体の中心にあるとき全膜厚(すなわち、電極3と電極7の間の層4、5、6の層厚であってこれらの電極の層厚を含まない)が約100nmでピークを持つことである。
【0036】
第4の理由は、相異なるデバイス構造に対して、一般的に、短絡のおそれを最小にするために必要な全膜厚が存在することである。CMOS上のP−OLEDの場合、この値はほぼ90〜120nmの程度である。
【0037】
第5には、デバイスの色がそれを構成するポリマーの層厚によって変化することである。微小表示装置を作製する場合、白色光発光がCIE1931の色解析によって定義され座標xおよびyによって表現されることが求められる。「良好な」白色点は、(0.28、0.28)と(0.35、0.35)の間のCIE(x、y)によって定義される。図2aに、HTL層厚が10nmと40nmとの場合につき、0〜100nmの典型的な層厚変動に利用できるCIE(x、y)座標の範囲を示す。
【0038】
上記の段落番号0033から0037までに列記された基準を満足できる性能を与えるHTLおよび発光ポリマー層の層厚を、光抽出が最適化された場合につき図3に示す。20nm〜50nmのHTL層厚と40nm〜80nmのWP(白色光発光ポリマー)の層厚とが、最適な光抽出の状況を与える。次いで、この状況の範囲内で他の表示性能パラメータ、すなわち、色、動作電圧、短絡信頼性、および電荷バランスを最適化することができる。
【0039】
重要なことは、上記応答を最適化するように積層体厚を設計できることである。従来は、最適化はPEPOD:PSS層を用いてなされていた。というのは、PEPOD:PSSに対する溶剤系は水であり、それに続く半導電性ポリマー層の芳香族溶剤とは溶け合わないからである。
【0040】
本発明では、PEPOD:PSSを酸化物層4/共役正孔輸送層5によって置き換える。層厚が調節可能であるという要件は維持しなければならないので、本発明では架橋可能なTFB正孔輸送層5を用いてこの要件を実現する。
【0041】
本発明の利点は、全てのP−OLED表示装置、特にP−OLED超小型表示装置に適用できる。
【0042】
本発明は、透明なカソード7を有する「上面発光」デバイス構造を提供する。酸化物層4が薄いために固有のクロス・トークが非常に小さい。横方向へのイオン・マイグレーションは、ほとんどもしくは全く起こらない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
以下に、添付の図面を参照して本発明を、ほんの一例としてより詳細に説明する。
【0044】
【図1】本発明の実施例によるデバイスの概略断面図である。
【図2a】正孔輸送層の層厚が40nmの場合の発光ポリマー層厚に対してCIE1931座標値をプロットしたグラフである。
【図2b】正孔輸送層の層厚が10nmの場合の発光ポリマー層厚に対してCIE1931座標値をプロットしたグラフである。
【図3】正孔輸送層と発光ポリマー層の層厚を変化させたときの光抽出の等高線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
能動回路を備える不透明な半導電性基板と、アノードと、酸化物材料の層と、正孔輸送層と、発光ポリマーの層と、透明なカソードと、封止部とを順番に含む、エレクトロルミネッセンスデバイス。
【請求項2】
前記回路がCMOSと呼ばれる相補型金属酸化膜半導体の回路を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アノードがアルミニウムを含む、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記アノードがチタニウムを含む、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記酸化物材料が金属酸化物を含む、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記酸化物材料が遷移金属酸化物を含む、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記酸化物材料が、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロムミウム(Cr)、ジルコニウム(Zr)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、およびルテニウム(Ru)の酸化物から選択される、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記酸化物材料が、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、スズ(Sn)、鉛(Pb)の酸化物、あるいはランタノイドまたはアクチノイドの酸化物から選択される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
前記酸化物材料が酸化物の混合物である、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記酸化物材料が半導電性である、請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記酸化物材料層の層厚が1〜15nm、特に約5nmである、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記正孔輸送層が被覆すると芳香族溶剤に不溶性になり得る正孔移動度の高い有機材料を含む、請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記正孔輸送層がTFB(ポリ[9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−コ−(4,4’−(N−(4−セク−ブチルフェニル))ジフェニルアミン])の架橋可能なバージョンを含む、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記発光ポリマー層が白色光発光ポリマー層である、請求項1乃至13のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記正孔輸送層の層厚が20nm〜50nmである、請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記発光ポリマー層の層厚が40nm〜80nmである、請求項1乃至15のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記酸化物層、前記正孔輸送層、および前記発光ポリマー層の全層厚が80nm〜130nmである、請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
エレクトロルミネッセンスデバイスの形成方法であって、
(a)金属アノードを有する半導電性基板を準備するステップと、
(b)前記アノード上に熱力学的に安定な酸化物材料を堆積させるステップと、
(c)前記酸化物を共役ポリマー正孔輸送層で被覆するステップと、
(d)前記正孔輸送層を架橋させるステップと、
(e)前記正孔輸送層を発光ポリマーの層で被覆するステップと、
(f)前記発光ポリマー上にカソードを被覆するステップと、
(g)前記デバイスを封止するステップと、
を含む方法。
【請求項19】
ステップ(a)の後で前記アノードを洗浄して自然酸化物を除去する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ステップ(b)の後で前記酸化物材料をアニール又はプラズマ露光させる、請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記酸化物層の層厚が1〜15nm、特に約5nmである、請求項18乃至20のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記正孔輸送層の層厚が20〜50nmである、請求項18乃至21のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記発光ポリマー層の層厚が40〜80nmである、請求項18乃至22のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記酸化物層、前記正孔輸送層、および前記発光ポリマー層の全層厚が80〜130nmである、請求項18乃至23のうちのいずれか一項に記載の方法。


【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−530804(P2009−530804A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558889(P2008−558889)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000858
【国際公開番号】WO2007/104958
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(503343185)マイクロエミッシブ ディスプレイズ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】