エレベータのドア装置、およびエレベータの乗降構造体
【課題】乗籠の出入口が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホールの人の流れをスムーズにすることができるエレベータのドア装置を提供する。
【解決手段】エレベータのドア装置2は、乗籠5の出入口20に設けられた複数のドアパネル21,22,23,24と、ドアパネル21,22,23,24を駆動して出入口20を開閉する駆動装置25,26と、ドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御するドア制御部27とを具備する。
【解決手段】エレベータのドア装置2は、乗籠5の出入口20に設けられた複数のドアパネル21,22,23,24と、ドアパネル21,22,23,24を駆動して出入口20を開閉する駆動装置25,26と、ドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御するドア制御部27とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出入口を開閉するエレベータのドア装置、およびそのドア装置を備えたエレベータの乗降構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗籠には、かご室の出入口を開閉するドア装置が設けられている。このドア装置は、互いに連動して動く複数のかごドアパネルと、この複数のかごドアパネルを駆動する一つのドア駆動モータとを備える。
【0003】
特許文献1には、複数のかごドアパネルを一つのドア駆動モータによって駆動するドア駆動装置が開示されている。このドア駆動装置は、乗籠のヘッダーケースとドアレールとの間に、プーリ部を有する薄型のドア駆動モータと、テンションプーリとを設けている。ドア駆動モータのプーリ部とテンションプーリとの間には、タイミングベルトが掛渡されている。複数のかごドアパネルは、上記タイミングベルトにそれぞれ連結され、互いに連動するようになっている。
【特許文献1】特開2004−338850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗籠の出入口は、複数のドアパネルが全開されて乗客が乗り降りしている。ここで、例えば展望用フロアなどに直行するシャトルエレベータのように、利用階で乗客が一斉に乗り降りするエレベータにおいては、出入口が一箇所の場合、降りる客と乗る客とが入り乱れ、エレベータホールの人の流れがスムーズにならないことがある。
【0005】
このエレベータホールの混雑を避ける方法としては、乗籠の複数の面にそれぞれ出入口を設け、それらを降車専用出入口または乗車専用出入口として別々に機能させることが考えられる。しかしながらこのようなエレベータは、複数の乗籠出入口に対応した複数のホール出入口が必要になり、エレベータホールのレイアウトが制約されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、乗籠の出入口が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホールの人の流れをスムーズにすることができるエレベータのドア装置、およびそのドア装置を備えたエレベータの乗降構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一つの形態に係るエレベータのドア装置は、乗籠の出入口に設けられた複数のドアパネルと、上記ドアパネルを駆動して上記出入口を開閉する駆動装置と、上記ドアパネルの戸開時において、乗客が降車できるように上記出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部とを具備する。
【0008】
(2)上記(1)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記複数のドアパネルは、上記出入口の左半分を覆う左ドアパネル部と、上記出入口の右半分を覆う右ドアパネル部とを含み、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のいずれか一方のみを開くことで上記出入口の一部のみを開放し、その後に上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の残りの一方を開くように上記駆動装置を制御する。
【0009】
(3)上記(2)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記駆動装置は、上記左ドアパネル部と上記右ドアパネル部とにそれぞれ設けられており、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部の駆動装置と上記右ドアパネル部の駆動装置とに対してそれぞれ別々の制御信号を送る。
【0010】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠の積載荷重を検知する積載荷重検知装置を備え、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記積載荷重検知装置から上記乗籠の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0011】
(5)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠内に検出光を放つ光電管を備え、上記光電管は、受光部と、この受光部に向けて上記検出光を放つ発光部とを有し、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記受光部から受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0012】
(6)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠に設けられ、上記乗籠内の乗客の有無を検知する人感センサーを備え、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記人感センサーから上記乗籠内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0013】
(7)上記(3)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記左ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第1のセフティシューと、上記右ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第2のセフティシューと、上記第1のセフティシューの動きを検知する第1のセンサーと、上記第2のセフティシューの動きを検知する第2のセンサーと、上記第1のセフティシューおよび上記第2のセフティシューのいずれか一方に設けられたストッパーと、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のうち上記ストッパーが設けられた方とは異なる一方に設けられ、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の両方が閉じられたときに上記ストッパーに接触する受け板と、上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態を検知する第3のセンサーとを備える。上記ドア制御部は、上記第3のセンサーから上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、上記第1のセンサーおよび上記第2のセンサーの両方から信号を受け取る。
【0014】
(8)上記(1)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記ドアパネルの位置を検出する位置検出センサーを備え、上記複数のドアパネルは、全て同じ方向に開閉し、上記ドア制御部は、上記位置検出センサーから上記ドアパネルの位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記出入口の一部のみを開放した状態で戸開を停止させる。
【0015】
(9)上記(8)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記ドア制御部に電気的に接続された切替スイッチを備え、上記位置検出センサーは、上記ドアパネルの移動方向に沿って複数設けられるとともに、その複数の位置検出センサーは、それぞれ上記切替スイッチを介して上記ドア制御部に電気的に接続されており、上記ドア制御部は、上記切替スイッチによって上記複数の位置検出センサーのなかから信号を受け取る位置検出センサーを選択することができる。
【0016】
(10)本発明の一つの形態に係るエレベータの乗降構造体は、エレベータホールのホール出入口前に設けられた仕切り部材と、乗籠の乗籠出入口に設けられた複数のドアパネルと、上記ドアパネルを駆動して上記乗籠出入口を開閉する駆動装置と、上記ドアパネルの戸開時において、上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの一部領域に対応する上記乗籠出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの他の領域に対応する上記乗籠出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、乗籠の出入口が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホールの人の流れをスムーズにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図22を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本実施形態および以下の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2が設けられるエレベータ3の全体を概略的に示す。
【0019】
図1に示すように、エレベータ3は、昇降路4内に配置された乗籠5と釣合いおもり6とを備える。昇降路4内には、乗籠5を案内するガイドレール7と、釣合いおもり6を案内するガイドレール8とが、それぞれ鉛直方向に沿って延設されている。
【0020】
昇降路4の上方には機械室10が設けられている。この機械室10には、巻上機11が設置されるとともに、例えばエレベータ3の全体を制御する制御装置12が設けられている。巻上機11は、メインシーブ13と、このメインシーブ13を回転駆動するモータ14と備える。メインシーブ13には、メインロープ15が巻き掛けられている。このメインロープ15の一端には、乗籠5が懸吊されている。また、メインロープ15の他端には、釣合いおもり6が懸吊されている。これにより巻上機11を駆動することで、ガイドレール7,8に沿って乗籠5及び釣合いおもり6が互いに反対方向に昇降動作する。
【0021】
次に、本実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について詳しく説明する。図2に示すように、エレベータ3は、各階に設けられたエレベータホール17(すなわち乗場)を備える。ここで本明細書中では、エレベータホール17から乗籠5を見て、すなわち図2を基準にして左右を定義する。
【0022】
図2に示すように、乗籠5は、エレベータホール17に向かい合う乗籠出入口20と、この乗籠出入口20を開閉するドア装置2とを備える。図3に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20に設けられた複数のドアパネル21,22,23,24と、第1および第2の駆動装置25,26と、ドア制御部27とを備える。
【0023】
詳しく述べると、図2に示すように、ドア装置2は、左駆動ドアパネル21、左従動ドアパネル22、右駆動ドアパネル23、および右従動ドアパネル24といった4つのドアパネルを有する。左右の駆動ドアパネル21,23は、乗籠出入口20の中央部に設けられている。左右の従動ドアパネル22,24は、乗籠出入口20の隅部に設けられている。
【0024】
そして、左駆動ドアパネル21および左従動ドアパネル22によって、乗籠出入口20の左半分を覆う左ドアパネル部31が構成されている。また、右駆動ドアパネル23および右従動ドアパネル24によって、乗籠出入口20の右半分を覆う右ドアパネル部32が構成されている。ドア装置2は、いわゆる両開きタイプのドアであり、戸開時には左ドアパネル部31が図2中の左方向に退避するとともに、右ドアパネル部32が図2中の右方向に退避する。
【0025】
図3に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20の上方において乗籠出入口20の間口方向に延びるドアレール33を備える。上記ドアパネル21,22,23,24は、それぞれ車輪34(いわゆるドアローラー)を有するとともに、この車輪34を上記ドアレール33に乗せて吊り下げられている。
【0026】
第1の駆動装置25は、左ドアパネル部31を駆動して乗籠出入口20の左半分を開閉する。第2の駆動装置26は、右ドアパネル部32を駆動して乗籠出入口20の右半分を開閉する。詳しく述べると、第1の駆動装置25は、第1のドア駆動モータ36(以下、第1のモータ36と略)と、このモータ36に連結された第1の減速機37とを有する。
【0027】
第1の駆動装置25は、第1のリンク機構38を介して左ドアパネル部31の左駆動ドアパネル21に連結されている。第1のモータ36の回転運動は、第1のリンク機構38によって左右方向のスライド運動として左駆動ドアパネル21に伝達される。これにより、第1のモータ36が駆動されると、左駆動ドアパネル21が開閉する。
【0028】
左従動ドアパネル22は、図示しない連動機構により左駆動ドアパネル21に連動している。これにより、左駆動ドアパネル21が開閉すると、左従動ドアパネル22は左駆動ドアパネル21の動きに伴って開閉する。
【0029】
同様に、第2の駆動装置26は、第2のドア駆動モータ40(以下、第2のモータ40と略)と、このモータ40に連結された第2の減速機41とを有する。この第2の駆動装置26は、第2のリンク機構42を介して右ドアパネル部32の右駆動ドアパネル23に連結されている。第2のモータ40の回転運動は、第2のリンク機構42によって左右方向のスライド運動として右駆動ドアパネル23に伝達される。これにより、第2のモータ40が駆動されると、右駆動ドアパネル23が開閉する。
【0030】
右従動ドアパネル24は、図示しない連動機構により右駆動ドアパネル23に連動している。これにより、右駆動ドアパネル23が開閉すると、右従動ドアパネル24は右駆動ドアパネル23の動きに伴って開閉する。
【0031】
ドア制御部27は、ドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止させた第1の状態と、この第1の状態の後、乗客が乗車できるように乗籠出入口20の残りの部分を開放する第2の状態とを実現するように第1および第2の駆動装置25,26を制御する。すなわちドア制御部27は、乗籠出入口20をまず降車専用状態である第1の状態にするとともに、その後時間差を付して乗籠出入口20を乗車専用状態である第2の状態にする。
【0032】
本実施形態では、第1および第2の駆動装置25,26は、ドア制御部27に対してそれぞれ個別に電気的に接続されている。ドア制御部27は、第1および第2の駆動装置25,26に対してそれぞれ別々の制御信号を送り、第1および第2の駆動装置25,26を別々に稼動させる。これによりドア制御部27は、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを開くことで上記第1の状態を実現し、その後に左ドアパネル部31および右ドアパネル部32の残りの一方を開くことで上記第2の状態を実現する。
【0033】
図2中に示すように、エレベータホール17は、乗籠出入口20に向かい合うホール出入口45を有する。エレベータのドア装置2は、このホール出入口45に設けられた複数のホールドア46,47,48,49を有する。詳しく述べると、複数のホールドア46,47,48,49は、左駆動ホールドア46、左従動ホールドア47、右駆動ホールドア48、および右従動ホールドア49を含む。左右の駆動ホールドア46,48は、ホール出入口45の中央部に設けられている。左右の従動ホールドア47,49は、ホール出入口45の隅部に設けられている。
【0034】
そして、左駆動ホールドア46および左従動ホールドア47によって、ホール出入口45の左半分を覆う左ホールドア部51が構成されている。また、右駆動ホールドア48および右従動ホールドア49によって、ホール出入口45の右半分を覆う右ホールドア部52が構成されている。
【0035】
図2に示すように、ドア装置2は、左ホールドア部51を乗籠5の左ドアパネル部31に連動させる第1の係合機構54と、右ホールドア部52を乗籠5の右ドアパネル部32に連動させる第2の係合機構55とを備える。詳しくは図3に示すように、第1の係合機構54は、左駆動ドアパネル21に設けられた、いわゆるカミソリと呼ばれる係止片54aを有する。同様に、第2の係合機構55は、右駆動ドアパネル23に設けられた係止片55aを有する。
【0036】
一方、図2に示すように、左駆動ホールドア46には、左駆動ドアパネル21の係止片54aに係合する係合部材54bが設けられている。また、右駆動ホールドア48には、右駆動ドアパネル23の係止片55aに係合する係合部材55bが設けられている。左駆動ホールドア46の係合部材54bが左駆動ドアパネル21の係止片54aに係合することで、左駆動ホールドア46は左駆動ドアパネル21に伴って動く。右駆動ホールドア48の係合部材55bが右駆動ドアパネル23の係止片55aに係合することで、右駆動ホールドア48は右駆動ドアパネル23に伴って動く。
【0037】
左従動ホールドア47は、図示しない連動機構により左駆動ホールドア46に連動している。これにより、左駆動ホールドア46が開閉すると、左従動ホールドア47は左駆動ホールドア46の動きに伴って開閉する。また右従動ホールドア49は、図示しない連動機構により右駆動ホールドア48に連動している。これにより、右駆動ホールドア48が開閉すると、右従動ホールドア49は右駆動ホールドア48の動きに伴って開閉する。
【0038】
図2に示すように、エレベータ乗降構造体1は、上記ドア装置2に加えて、エレベータホール17のホール出入口45前に設けられた仕切り部材61を備える。この仕切り部材61は、例えばホール出入口45の中心に合わせて設置され、エレベータホール17を降車用領域62と乗車用領域63とに仕切っている。
【0039】
以下に説明する一つの具定例では、降車用領域62は、エレベータホール17の左側領域に設けられ、乗籠5の左ドアパネル部31に臨んでいる。一方、乗車用領域63は、エレベータホール17の右側領域に設けられ、乗籠5の右ドアパネル部32に臨んでいる。なお本発明はこれに限らず、降車用領域62がエレベータホール17の右側領域に設けられ、乗車用領域63がエレベータホール17の左側領域に設けられてもよい。
【0040】
仕切り部材61は、エレベータホール17に設けられた壁部であってもよいが、例えば必要に応じて設置および撤収が可能な柵部材や、支柱とロープの組み合わせなどであってもよい。仕切り部材61は、特定の部材に限定されるものではなく、種々の部材を適宜用いることができる。
【0041】
次に、エレベータの乗降構造体1の作用について説明する。ここでは、降車用領域62がエレベータホール17の左側領域に設けられ、乗車用領域63がエレベータホール17の右側領域に設けられている場合を取り上げて説明する。
【0042】
図4に示すように、乗車用領域63には、例えば乗籠5への乗車を望む乗客P1が待機する。ドア制御部27は、第1および第2の駆動装置25,26を個別の制御信号によって別々に稼動し、以下の一連の制御を行う。
【0043】
乗籠5が利用階に到着すると、ドア制御部27は、まず第1の駆動装置25に駆動信号を送り、左ドアパネル部31および左ホールドア部51を戸開させる。一方、ドア制御部27は、第2の駆動装置26には駆動信号を送らず、右ドアパネル部32および右ホールドア部52を戸開させないまま待機させる。
【0044】
これにより、出入口20,45の左半分のみが開放され、乗籠5の内部が降車用領域62に連絡する。こうして降車専用状態である第1の状態が実現され、乗籠5内の乗客P2は、乗車を待つ乗客P1と入り乱れることなくエレベータホール17へと降り立つことができる。
【0045】
ドア装置2は、乗客P2が降りるのに十分な時間だけ上記第1の状態を保ち、その後乗車専用状態である第2の状態へと移行する。詳しくは図5に示すように、ドア制御部27は、第1の駆動装置25に駆動信号を送り、左ドアパネル部31および左ホールドア部51を戸閉させるとともに、第2の駆動装置26に駆動信号を送り、右ドアパネル部32および右ホールドア部52を戸開させる。
【0046】
これにより、出入口20,45の右半分のみが開放され、乗籠5の内部が乗車用領域63に連絡する。こうしてエレベータホール17で待機していた乗客P1は、降車する乗客P2と入り乱れることなく乗籠5内へ乗車することができる。なお、この第2の状態では、左ドアパネル部31および左ホールドア部51は、戸閉される必要は必ずしもない。
【0047】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、乗籠出入口20が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。すなわちドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に乗籠出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御するドア制御部27を備えると、降車専用状態と乗車専用状態とを時間差を付して実現できるため、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、エレベータホール17の人の流れがスムーズになる。
【0048】
さらにホール出入口45前に設けられた仕切り部材61を備えると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがよりスムーズになる。
【0049】
左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを開くことで降車専用状態を実現し、その後に左ドアパネル部31および右ドアパネル部32の残りの一方を開くことで乗車専用状態を実現すると、個々のドアパネル部31,32に関してはそれぞれを全開させる制御を行えばよいので、ドアパネル21,22,23,24の位置を検出するような機構が不要であるとともに、制御が容易になる。
【0050】
駆動装置25,26が左ドアパネル部31と右ドアパネル部32とにそれぞれ設けられており、ドア制御部27は、左ドアパネル部31の駆動装置25と右ドアパネル部32の駆動装置26とに対してそれぞれ別々の制御信号を送ると、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを戸開させるドア装置2を比較的簡単な構成で実現することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図6および図7を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0052】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5の積載荷重を検知する積載荷重検知装置71を備える。図6に示すように、乗籠5は、下梁72と、この下梁72に設置された床受枠73と、この床受枠73の上に設けられるかご室74とを有する。積載荷重検知装置71は、例えば床受枠73とかご室74との間に配置され、かご室74の沈み量に基づいて乗籠5の積載荷重を検知する。
【0053】
図7に示すように、積載荷重検知装置71は、ドア制御部27に電気的に接続されており、乗籠5の積載荷重に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、積載荷重検知装置71から乗籠5の積載荷重に関する信号を受け取る。
【0054】
ドア制御部27は、積載荷重検知装置71から受け取った値と、例えば予め記憶されている乗客不在時の乗籠5の積載荷重の値とを比較することで、乗籠5内に乗客が残っているか否かを感知する。ドア制御部27は、積載荷重検知装置71からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0055】
このような構成のエレベータ3の乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0056】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で積載荷重検知装置71から乗籠5の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0057】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図8ないし図10を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0058】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5内に検出光81を放つ光電管82を備える。図8に示すように、光電管82は、乗籠5の奥行き方向(図8中の左右方向)に沿って、乗籠5のかご幅木部5a,5bに複数設けられている。図9に示すように、光電管82は、それぞれ受光部82aと、この受光部82aに向けて検出光81を放つ発光部82bとを有する。受光部82aおよび発光部82bは、乗籠5の互いに異なる側面のかご幅木部5a,5bに分かれて設置されている。
【0059】
図10に示すように、各光電管82の受光部82aは、ドア制御部27に電気的に接続されており、受光部82aの受光状態(すなわち検出光81の光軸が遮られているか否か)に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、受光部82aから受光状態に関する信号を受け取る。
【0060】
ドア制御部27は、設置された全ての光電管82の光軸が遮られなくなったとき、乗籠5内に乗客が残っていないと感知する。ドア制御部27は、光電管82からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0061】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0062】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で光電管82の受光部82aから受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0063】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図11および図12を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0064】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5内の乗客の有無を検知する人感センサーを備える。図11に示すように、人感センサー91は、例えばかご天井5cの内部に設けられている。人感センサー91は、乗籠5内に向けて取り付けられている。人感センサー91としては、種々のものが適用可能である。人感センサー91の一例としては、例えば赤外線を放ち乗客が帯びている静電気に反応するものがある。
【0065】
図12に示すように、人感センサー91は、ドア制御部27に電気的に接続されており、乗籠5内の乗客の有無に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、人感センサー91から乗籠5内の乗客の有無に関する信号を受け取る。
【0066】
ドア制御部27は、人感センサー91が乗籠5内で人を感知しなくなったとき、乗籠5内に乗客が残っていないと感知する。ドア制御部27は、人感センサー91からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないことを感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0067】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0068】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で人感センサー91から乗籠5内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0069】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図13ないし図15を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0070】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに一対のセフティシュー101,102を備える。詳しく述べると、図13に示すように、左ドアパネル部31の戸当たり部31a(すなわち右ドアパネル部32に対向する部分)には、第1のセフティシュー101が設けられている。右ドアパネル部32の戸当たり部32a(すなわち左ドアパネル部31に対向する部分)には、第2のセフティシュー102が設けられている。
【0071】
第1のセフティシュー101は、複数の回転リンク103により左ドアパネル部31に取り付けられ、左ドアパネル部31に対してドアパネル部31の開閉方向に動くことができる。第2のセフティシュー102は、複数の回転リンク103により右ドアパネル部32に取り付けられ、右ドアパネル部32に対してドアパネル部32の開閉方向に動くことができる。
【0072】
図13に示すように、ドア装置2は、第1のセフティシュー101の動きを検知する第1のセンサー104と、第2のセフティシュー102の動きを検知する第2のセンサー105とを有する。第1および第2のセンサー104,105は、それぞれドア制御部27に電気的に接続されている。ドア制御部27は、第1または第2のセンサー104,105が第1または第2のセフティシュー101,102の動きを検知したとき、例えば戸閉中のドアを再び戸開させるように駆動装置25,26を制御する。
【0073】
図14および図15に示すように、ドア装置2は、さらに、ストッパー106、受け板107、および第3のセンサー108を備える。ストッパー106は、第1および第2のセフティシュー101,102のいずれか一方に設けられる。本実施形態では、ストッパー106は、第1のセフティシュー101の上端部に設けられている。
【0074】
受け板107は、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のうちストッパー106が設けられた方とは異なる一方に設けられる。本実施形態では、受け板107は、右ドアパネル部32に設けられている。受け板107は、右ドアパネル部32の上部においてストッパー106に対向するように設けられ、左右のドアパネル部31,32が両方閉じられたときにストッパー106に接触する。
【0075】
図14に示すように、ストッパー106が取り付けられた第1のセフティシュー101は、左右のドアパネル部31,32が閉じる際に、受け板107にストッパー106が当たることにより押され、第2のセフティシュー102と干渉せずにドアを閉じることができる。一方、図15に示すように、左右のドアパネル部31,32のうち少なくとも一方が開いているときは、ストッパー106が押されないので、第1のセフティシュー101が左ドアパネル部31の端面より突出する。
【0076】
図15に示すように、ストッパー106は、スプリングのような弾性部材109によってドアパネル部31の開閉方向に移動可能に支持されている。
【0077】
第3のセンサー108は、ストッパー106と受け板107との間の接触状態を検知する。第3のセンサー108は、例えばストッパー106から受け板107を見て、ストッパー106の後方に配置されている。左右のドアパネル部31,32の両方が閉まる際は、ストッパー106が受け板107に当たり、弾性部材109が圧縮されてストッパー106がスライドし、第3のセンサー108の接点が入る。これにより第3のセンサー108は、ストッパー106と受け板107との間の接触状態を検知する。
【0078】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からストッパー106と受け板107との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いているか、左右のドアパネル部31,32の両方が閉まっているかを感知する。
【0079】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からの信号に基づいて、左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、第1および第2のセンサー104,105の両方からセフティシュー101,102の動きに関する信号を受け取る。一方、第3のセンサー108からの信号に基づいて、左右のドアパネル部31,32の両方が閉まりきると感知するとき、第1のセフティシュー101に対応した第1のセンサー104からの信号を解除し、第2のセフティシュー102に対応する第2のセンサー105の信号のみを利用する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0080】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0081】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からのストッパー106と受け板107との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、第1および第2のセンサー104,105の両方から信号を受け取る。すなわち、左右のドアパネル部31,32のどちらか開いていれば、閉じている側のドアパネル部31,32のセフティシュー101,102に設置されたセンサー104,105からの信号もドア制御部27が受け取り反応する。
【0082】
すなわち、閉じている側のドアパネル部31,32のセフティシュー101,102にのみ乗客が手をかけたときでも、ドア制御部27は、ドアパネル部31,32を閉じない制御とすることができ、乗客の安全性をより高いレベルで図ることができる。
【0083】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図16ないし図19を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0084】
図17ないし図18に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20に設けられた複数のドアパネル111,112と、駆動装置113と、ドア制御部27とを備える。詳しく述べると、図18に示すように、ドア装置2は、いわゆる片開きタイプのドアであり、複数のドアパネル111,112は、全て同じ方向に開閉する。以下の実施形態では、戸開時に左方向へ退避する片開きドアを一つの具体例として説明する。なお本発明はこれに限られるものではなく、戸開時に右方向へ退避する片開きドアであってもよい。
【0085】
ドア装置2は、乗籠出入口20の左半分を覆う左ドアパネル111と、乗籠出入口20の右半分を覆う右ドアパネル112を有する。ドアパネル111,112は、それぞれ車輪34を有するとともに、この車輪34をドアレール33に乗せて吊り下げられている。
【0086】
図16に示すように、駆動装置113は、ドア駆動モータ114と、このモータ114に連結された減速機115とを有する。駆動装置113は、リンク機構116を介して右ドアパネル112に連結されている。モータ114の回転運動は、リンク機構116によって左右方向のスライド運動として右ドアパネル112に伝達される。これにより、モータ114が駆動されると、右ドアパネル112が開閉する。
【0087】
左ドアパネル111は、いわゆる従動ドアパネルであり、図示しない連動機構により右ドアパネル112に連動している。これにより、右ドアパネル112が開閉すると、左ドアパネル111は右ドアパネル112の動きに伴って開閉する。
【0088】
ドア制御部27は、ドアパネル111,112の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止させた第1の状態と、この第1の状態の後、乗客が乗車できるように乗籠出入口20の残りの部分を開放した第2の状態とを実現するように駆動装置113を制御する。
【0089】
図18に示すように、エレベータのドア装置2は、ホール出入口45に設けられた複数のホールドア121,122を有する。詳しく述べると、複数のホールドア121,122は、ホール出入口45の左半分を覆う左ホールドア121と、ホール出入口45の右半分を覆う右ホールドア122とを有する。ドア装置2は、右ホールドア122を乗籠5の右ドアパネル112に連動させる係合機構54を備える。これにより、右ホールドア122は右ドアパネル112の動きに伴って開閉する。
【0090】
図16に示すように、ドア装置2は、ドアパネル112の位置を検出する位置検出センサー125を備える。位置検出センサー125は、例えばドアパネル112の上部に設けられている。位置検出センサー125は、ドア制御部27に電気的に接続されており、ドアパネル112の位置を検出し、その信号をドア制御部27へと送る。位置検出センサー125は、例えばドアパネル112が乗籠出入口20の中央まで開閉したときに作動し、その信号をドア制御部27へと送る。
【0091】
ドア制御部27は、位置検出センサー125からドアパネル112の位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で戸開を停止させる。ドア制御部27は、例えばドアパネル112が乗籠出入口20の中央まで開閉して位置検出センサー125が作動したときに、ドアパネル111,112の戸開を停止させる。これにより、図17および図18に示すように、出入口20,45の右半分のみが開放され、乗籠5の内部が降車用領域62に連絡する。こうして降車専用状態である第1の状態が実現され、乗籠5内の乗客P2は、乗車を待つ乗客P1と入り乱れることなくエレベータホール17へと降り立つことができる。
【0092】
ドア装置2は、乗客P2が降りるのに十分な時間だけ上記第1の状態を保ち、その後乗車専用状態である第2の状態へと移行する。詳しくは図19に示すように、ドア制御部27は、駆動装置113に駆動信号を送り、ドアパネル111,112を全開位置まで戸開させる。
【0093】
これにより、出入口20,45の全部が開放され、乗籠5の内部が乗車用領域63にも連絡する。こうしてエレベータホール17で待機していた乗客P1は、降車する乗客P2と入り乱れることなく乗籠5内へ乗車することができる。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0094】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0095】
位置検出センサー125からドアパネル112の位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で戸開を停止させるドア制御部27を備えると、左右のいずれか片側方向のみに開閉するドアの出入口においても、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0096】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図20ないし図22を参照して説明する。なお上記第1および第6の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0097】
本実施形態に係るドア装置2は、第6の実施形態と同様の片開きタイプのドアである。ドア装置2は、切替スイッチ131と、ドアパネル112の移動方向に沿って複数設けられた第1ないし第3の位置検出センサー125a,125b,125cとを有する。
【0098】
切替スイッチ131は、ドア制御部27に電気的に接続されている。第1ないし第3の位置検出センサー125a,125b,125cは、切替スイッチ131を介してドア制御部27に電気的に接続されている。
【0099】
ドア制御部27は、切替スイッチ131によって複数の位置検出センサー125a,125b,125cの中から信号を受け取る特定の位置検出センサーを選択することができる。ドア制御部27は、その選択した位置検出センサーが作動したときに、ドアパネル111,112の戸開を停止させる。
【0100】
本実施形態に係る仕切り部材61は、エレベータホール17内の任意の位置に移動できる構成を有する。仕切り部材61は、例えば、ホール出入口45の中央に対向する第1の位置と、第1の位置に比べて左側に設置され、乗車用領域63に比べて降車用領域62が広くなる第2の位置(図21参照)と、第1の位置に比べて右側に設置され、降車用領域62に比べて乗車用領域63が広くなる第3の位置(図22参照)との間で移動可能である。
【0101】
第1の位置検出センサー125aは、第1の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。第2の位置検出センサー125bは、第2の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。第3の位置検出センサー125cは、第3の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。
【0102】
切替スイッチ131は、そのときの仕切り部材61の設置位置に対応した位置検出センサーからドア制御部27が信号を受け取るように切り替えられる。これにより図21および図22に示すように、ドア装置2は、上記第1ないし第3の位置の仕切り部材61に対応した位置でドアパネル121の戸開を停止させ、降車専用状態を実現することができる。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0103】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0104】
本実施形態に係る乗降構造体1は、エレベータホール17の仕切り部材61を移動できる構成とし、その仕切り部材61の位置に合わせてドアパネル111,112が開閉するように、複数のセンサー125a,125b,125cのいずれかからの信号を選択し、ドアパネル111,112の開閉を停止させる位置を切り替えるスイッチ131を備える。これにより、乗客の乗り降りの状況に合わせ、降車する乗客が多い方の場合は、降車時の出入口幅を広く設定し、乗車する乗客の方が多い場合は、乗車側の出入口幅を広くすることができる。したがって、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをさらにスムーズにすることができる。
【0105】
以上、本発明の第1ないし第7の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。第1ないし第7の実施形態に係る構成は、適宜組み合わせて用いることができる。例えば第2ないし第4の実施形態に係る積載荷重検知装置71、光電管82、および人感センサー91は、第5ないし第7の実施形態に係る構成と組み合わせて実施してもよい。第1ないし第7の実施形態に係るドア装置2は、ドアパネルの枚数が4枚や2枚のドア装置に限定されるものではなく、種々のドア装置について広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成を概略的に示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る乗降構造体の平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図4】図2中に示された乗降構造体の降車時の状態を示す平面図。
【図5】図2中に示された乗降構造体の乗車時の状態を示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る乗籠の側面図。
【図7】図6中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る乗籠の側面図。
【図9】図8中に示された乗籠の内部を示す平面図。
【図10】図8中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る乗籠の内部を示す側面図。
【図12】図11中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図13】本発明の第5の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図14】図13中に示されたドア装置の戸閉時の状態を示す正面図。
【図15】図13中に示されたドア装置の戸開時の状態を示す正面図。
【図16】本発明の第6の実施形態に係るドア装置の戸閉時の状態を示す正面図。
【図17】図16中に示されたドア装置の戸開時の状態を示す正面図。
【図18】図16中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【図19】図16中に示されたドア装置の乗車時の状態を示す平面図。
【図20】本発明の第7の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図21】図20中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【図22】図20中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0107】
1…乗降構造体、2…ドア装置、17…エレベータホール、20…乗籠出入口、21,22,23,24,111,112…ドアパネル、25,26,113…駆動装置、27…ドア制御部、31…左ドアパネル部、32…右ドアパネル部、5…ホール出入口、61…仕切り部材、71…積載荷重検知装置、82…光電管、82a…受光部、82b…発光部、91…人感センサー、101,102…セフティシュー、104…第1のセンサー、105…第2のセンサー、106…ストッパー、107…受け板、108…第3のセンサー、125,125a,125b,125c…位置検出センサー、131…切替スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、出入口を開閉するエレベータのドア装置、およびそのドア装置を備えたエレベータの乗降構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの乗籠には、かご室の出入口を開閉するドア装置が設けられている。このドア装置は、互いに連動して動く複数のかごドアパネルと、この複数のかごドアパネルを駆動する一つのドア駆動モータとを備える。
【0003】
特許文献1には、複数のかごドアパネルを一つのドア駆動モータによって駆動するドア駆動装置が開示されている。このドア駆動装置は、乗籠のヘッダーケースとドアレールとの間に、プーリ部を有する薄型のドア駆動モータと、テンションプーリとを設けている。ドア駆動モータのプーリ部とテンションプーリとの間には、タイミングベルトが掛渡されている。複数のかごドアパネルは、上記タイミングベルトにそれぞれ連結され、互いに連動するようになっている。
【特許文献1】特開2004−338850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗籠の出入口は、複数のドアパネルが全開されて乗客が乗り降りしている。ここで、例えば展望用フロアなどに直行するシャトルエレベータのように、利用階で乗客が一斉に乗り降りするエレベータにおいては、出入口が一箇所の場合、降りる客と乗る客とが入り乱れ、エレベータホールの人の流れがスムーズにならないことがある。
【0005】
このエレベータホールの混雑を避ける方法としては、乗籠の複数の面にそれぞれ出入口を設け、それらを降車専用出入口または乗車専用出入口として別々に機能させることが考えられる。しかしながらこのようなエレベータは、複数の乗籠出入口に対応した複数のホール出入口が必要になり、エレベータホールのレイアウトが制約されてしまう。
【0006】
本発明の目的は、乗籠の出入口が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホールの人の流れをスムーズにすることができるエレベータのドア装置、およびそのドア装置を備えたエレベータの乗降構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一つの形態に係るエレベータのドア装置は、乗籠の出入口に設けられた複数のドアパネルと、上記ドアパネルを駆動して上記出入口を開閉する駆動装置と、上記ドアパネルの戸開時において、乗客が降車できるように上記出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部とを具備する。
【0008】
(2)上記(1)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記複数のドアパネルは、上記出入口の左半分を覆う左ドアパネル部と、上記出入口の右半分を覆う右ドアパネル部とを含み、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のいずれか一方のみを開くことで上記出入口の一部のみを開放し、その後に上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の残りの一方を開くように上記駆動装置を制御する。
【0009】
(3)上記(2)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記駆動装置は、上記左ドアパネル部と上記右ドアパネル部とにそれぞれ設けられており、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部の駆動装置と上記右ドアパネル部の駆動装置とに対してそれぞれ別々の制御信号を送る。
【0010】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠の積載荷重を検知する積載荷重検知装置を備え、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記積載荷重検知装置から上記乗籠の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0011】
(5)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠内に検出光を放つ光電管を備え、上記光電管は、受光部と、この受光部に向けて上記検出光を放つ発光部とを有し、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記受光部から受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0012】
(6)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記乗籠に設けられ、上記乗籠内の乗客の有無を検知する人感センサーを備え、上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記人感センサーから上記乗籠内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御する。
【0013】
(7)上記(3)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記左ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第1のセフティシューと、上記右ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第2のセフティシューと、上記第1のセフティシューの動きを検知する第1のセンサーと、上記第2のセフティシューの動きを検知する第2のセンサーと、上記第1のセフティシューおよび上記第2のセフティシューのいずれか一方に設けられたストッパーと、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のうち上記ストッパーが設けられた方とは異なる一方に設けられ、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の両方が閉じられたときに上記ストッパーに接触する受け板と、上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態を検知する第3のセンサーとを備える。上記ドア制御部は、上記第3のセンサーから上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、上記第1のセンサーおよび上記第2のセンサーの両方から信号を受け取る。
【0014】
(8)上記(1)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記ドアパネルの位置を検出する位置検出センサーを備え、上記複数のドアパネルは、全て同じ方向に開閉し、上記ドア制御部は、上記位置検出センサーから上記ドアパネルの位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記出入口の一部のみを開放した状態で戸開を停止させる。
【0015】
(9)上記(8)に記載のエレベータのドア装置の一つの形態によれば、上記ドア制御部に電気的に接続された切替スイッチを備え、上記位置検出センサーは、上記ドアパネルの移動方向に沿って複数設けられるとともに、その複数の位置検出センサーは、それぞれ上記切替スイッチを介して上記ドア制御部に電気的に接続されており、上記ドア制御部は、上記切替スイッチによって上記複数の位置検出センサーのなかから信号を受け取る位置検出センサーを選択することができる。
【0016】
(10)本発明の一つの形態に係るエレベータの乗降構造体は、エレベータホールのホール出入口前に設けられた仕切り部材と、乗籠の乗籠出入口に設けられた複数のドアパネルと、上記ドアパネルを駆動して上記乗籠出入口を開閉する駆動装置と、上記ドアパネルの戸開時において、上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの一部領域に対応する上記乗籠出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの他の領域に対応する上記乗籠出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、乗籠の出入口が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホールの人の流れをスムーズにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図1ないし図22を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図1ないし図5を参照して説明する。図1は、本実施形態および以下の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2が設けられるエレベータ3の全体を概略的に示す。
【0019】
図1に示すように、エレベータ3は、昇降路4内に配置された乗籠5と釣合いおもり6とを備える。昇降路4内には、乗籠5を案内するガイドレール7と、釣合いおもり6を案内するガイドレール8とが、それぞれ鉛直方向に沿って延設されている。
【0020】
昇降路4の上方には機械室10が設けられている。この機械室10には、巻上機11が設置されるとともに、例えばエレベータ3の全体を制御する制御装置12が設けられている。巻上機11は、メインシーブ13と、このメインシーブ13を回転駆動するモータ14と備える。メインシーブ13には、メインロープ15が巻き掛けられている。このメインロープ15の一端には、乗籠5が懸吊されている。また、メインロープ15の他端には、釣合いおもり6が懸吊されている。これにより巻上機11を駆動することで、ガイドレール7,8に沿って乗籠5及び釣合いおもり6が互いに反対方向に昇降動作する。
【0021】
次に、本実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について詳しく説明する。図2に示すように、エレベータ3は、各階に設けられたエレベータホール17(すなわち乗場)を備える。ここで本明細書中では、エレベータホール17から乗籠5を見て、すなわち図2を基準にして左右を定義する。
【0022】
図2に示すように、乗籠5は、エレベータホール17に向かい合う乗籠出入口20と、この乗籠出入口20を開閉するドア装置2とを備える。図3に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20に設けられた複数のドアパネル21,22,23,24と、第1および第2の駆動装置25,26と、ドア制御部27とを備える。
【0023】
詳しく述べると、図2に示すように、ドア装置2は、左駆動ドアパネル21、左従動ドアパネル22、右駆動ドアパネル23、および右従動ドアパネル24といった4つのドアパネルを有する。左右の駆動ドアパネル21,23は、乗籠出入口20の中央部に設けられている。左右の従動ドアパネル22,24は、乗籠出入口20の隅部に設けられている。
【0024】
そして、左駆動ドアパネル21および左従動ドアパネル22によって、乗籠出入口20の左半分を覆う左ドアパネル部31が構成されている。また、右駆動ドアパネル23および右従動ドアパネル24によって、乗籠出入口20の右半分を覆う右ドアパネル部32が構成されている。ドア装置2は、いわゆる両開きタイプのドアであり、戸開時には左ドアパネル部31が図2中の左方向に退避するとともに、右ドアパネル部32が図2中の右方向に退避する。
【0025】
図3に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20の上方において乗籠出入口20の間口方向に延びるドアレール33を備える。上記ドアパネル21,22,23,24は、それぞれ車輪34(いわゆるドアローラー)を有するとともに、この車輪34を上記ドアレール33に乗せて吊り下げられている。
【0026】
第1の駆動装置25は、左ドアパネル部31を駆動して乗籠出入口20の左半分を開閉する。第2の駆動装置26は、右ドアパネル部32を駆動して乗籠出入口20の右半分を開閉する。詳しく述べると、第1の駆動装置25は、第1のドア駆動モータ36(以下、第1のモータ36と略)と、このモータ36に連結された第1の減速機37とを有する。
【0027】
第1の駆動装置25は、第1のリンク機構38を介して左ドアパネル部31の左駆動ドアパネル21に連結されている。第1のモータ36の回転運動は、第1のリンク機構38によって左右方向のスライド運動として左駆動ドアパネル21に伝達される。これにより、第1のモータ36が駆動されると、左駆動ドアパネル21が開閉する。
【0028】
左従動ドアパネル22は、図示しない連動機構により左駆動ドアパネル21に連動している。これにより、左駆動ドアパネル21が開閉すると、左従動ドアパネル22は左駆動ドアパネル21の動きに伴って開閉する。
【0029】
同様に、第2の駆動装置26は、第2のドア駆動モータ40(以下、第2のモータ40と略)と、このモータ40に連結された第2の減速機41とを有する。この第2の駆動装置26は、第2のリンク機構42を介して右ドアパネル部32の右駆動ドアパネル23に連結されている。第2のモータ40の回転運動は、第2のリンク機構42によって左右方向のスライド運動として右駆動ドアパネル23に伝達される。これにより、第2のモータ40が駆動されると、右駆動ドアパネル23が開閉する。
【0030】
右従動ドアパネル24は、図示しない連動機構により右駆動ドアパネル23に連動している。これにより、右駆動ドアパネル23が開閉すると、右従動ドアパネル24は右駆動ドアパネル23の動きに伴って開閉する。
【0031】
ドア制御部27は、ドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止させた第1の状態と、この第1の状態の後、乗客が乗車できるように乗籠出入口20の残りの部分を開放する第2の状態とを実現するように第1および第2の駆動装置25,26を制御する。すなわちドア制御部27は、乗籠出入口20をまず降車専用状態である第1の状態にするとともに、その後時間差を付して乗籠出入口20を乗車専用状態である第2の状態にする。
【0032】
本実施形態では、第1および第2の駆動装置25,26は、ドア制御部27に対してそれぞれ個別に電気的に接続されている。ドア制御部27は、第1および第2の駆動装置25,26に対してそれぞれ別々の制御信号を送り、第1および第2の駆動装置25,26を別々に稼動させる。これによりドア制御部27は、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを開くことで上記第1の状態を実現し、その後に左ドアパネル部31および右ドアパネル部32の残りの一方を開くことで上記第2の状態を実現する。
【0033】
図2中に示すように、エレベータホール17は、乗籠出入口20に向かい合うホール出入口45を有する。エレベータのドア装置2は、このホール出入口45に設けられた複数のホールドア46,47,48,49を有する。詳しく述べると、複数のホールドア46,47,48,49は、左駆動ホールドア46、左従動ホールドア47、右駆動ホールドア48、および右従動ホールドア49を含む。左右の駆動ホールドア46,48は、ホール出入口45の中央部に設けられている。左右の従動ホールドア47,49は、ホール出入口45の隅部に設けられている。
【0034】
そして、左駆動ホールドア46および左従動ホールドア47によって、ホール出入口45の左半分を覆う左ホールドア部51が構成されている。また、右駆動ホールドア48および右従動ホールドア49によって、ホール出入口45の右半分を覆う右ホールドア部52が構成されている。
【0035】
図2に示すように、ドア装置2は、左ホールドア部51を乗籠5の左ドアパネル部31に連動させる第1の係合機構54と、右ホールドア部52を乗籠5の右ドアパネル部32に連動させる第2の係合機構55とを備える。詳しくは図3に示すように、第1の係合機構54は、左駆動ドアパネル21に設けられた、いわゆるカミソリと呼ばれる係止片54aを有する。同様に、第2の係合機構55は、右駆動ドアパネル23に設けられた係止片55aを有する。
【0036】
一方、図2に示すように、左駆動ホールドア46には、左駆動ドアパネル21の係止片54aに係合する係合部材54bが設けられている。また、右駆動ホールドア48には、右駆動ドアパネル23の係止片55aに係合する係合部材55bが設けられている。左駆動ホールドア46の係合部材54bが左駆動ドアパネル21の係止片54aに係合することで、左駆動ホールドア46は左駆動ドアパネル21に伴って動く。右駆動ホールドア48の係合部材55bが右駆動ドアパネル23の係止片55aに係合することで、右駆動ホールドア48は右駆動ドアパネル23に伴って動く。
【0037】
左従動ホールドア47は、図示しない連動機構により左駆動ホールドア46に連動している。これにより、左駆動ホールドア46が開閉すると、左従動ホールドア47は左駆動ホールドア46の動きに伴って開閉する。また右従動ホールドア49は、図示しない連動機構により右駆動ホールドア48に連動している。これにより、右駆動ホールドア48が開閉すると、右従動ホールドア49は右駆動ホールドア48の動きに伴って開閉する。
【0038】
図2に示すように、エレベータ乗降構造体1は、上記ドア装置2に加えて、エレベータホール17のホール出入口45前に設けられた仕切り部材61を備える。この仕切り部材61は、例えばホール出入口45の中心に合わせて設置され、エレベータホール17を降車用領域62と乗車用領域63とに仕切っている。
【0039】
以下に説明する一つの具定例では、降車用領域62は、エレベータホール17の左側領域に設けられ、乗籠5の左ドアパネル部31に臨んでいる。一方、乗車用領域63は、エレベータホール17の右側領域に設けられ、乗籠5の右ドアパネル部32に臨んでいる。なお本発明はこれに限らず、降車用領域62がエレベータホール17の右側領域に設けられ、乗車用領域63がエレベータホール17の左側領域に設けられてもよい。
【0040】
仕切り部材61は、エレベータホール17に設けられた壁部であってもよいが、例えば必要に応じて設置および撤収が可能な柵部材や、支柱とロープの組み合わせなどであってもよい。仕切り部材61は、特定の部材に限定されるものではなく、種々の部材を適宜用いることができる。
【0041】
次に、エレベータの乗降構造体1の作用について説明する。ここでは、降車用領域62がエレベータホール17の左側領域に設けられ、乗車用領域63がエレベータホール17の右側領域に設けられている場合を取り上げて説明する。
【0042】
図4に示すように、乗車用領域63には、例えば乗籠5への乗車を望む乗客P1が待機する。ドア制御部27は、第1および第2の駆動装置25,26を個別の制御信号によって別々に稼動し、以下の一連の制御を行う。
【0043】
乗籠5が利用階に到着すると、ドア制御部27は、まず第1の駆動装置25に駆動信号を送り、左ドアパネル部31および左ホールドア部51を戸開させる。一方、ドア制御部27は、第2の駆動装置26には駆動信号を送らず、右ドアパネル部32および右ホールドア部52を戸開させないまま待機させる。
【0044】
これにより、出入口20,45の左半分のみが開放され、乗籠5の内部が降車用領域62に連絡する。こうして降車専用状態である第1の状態が実現され、乗籠5内の乗客P2は、乗車を待つ乗客P1と入り乱れることなくエレベータホール17へと降り立つことができる。
【0045】
ドア装置2は、乗客P2が降りるのに十分な時間だけ上記第1の状態を保ち、その後乗車専用状態である第2の状態へと移行する。詳しくは図5に示すように、ドア制御部27は、第1の駆動装置25に駆動信号を送り、左ドアパネル部31および左ホールドア部51を戸閉させるとともに、第2の駆動装置26に駆動信号を送り、右ドアパネル部32および右ホールドア部52を戸開させる。
【0046】
これにより、出入口20,45の右半分のみが開放され、乗籠5の内部が乗車用領域63に連絡する。こうしてエレベータホール17で待機していた乗客P1は、降車する乗客P2と入り乱れることなく乗籠5内へ乗車することができる。なお、この第2の状態では、左ドアパネル部31および左ホールドア部51は、戸閉される必要は必ずしもない。
【0047】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、乗籠出入口20が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。すなわちドアパネル21,22,23,24の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に乗籠出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御するドア制御部27を備えると、降車専用状態と乗車専用状態とを時間差を付して実現できるため、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、エレベータホール17の人の流れがスムーズになる。
【0048】
さらにホール出入口45前に設けられた仕切り部材61を備えると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがよりスムーズになる。
【0049】
左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを開くことで降車専用状態を実現し、その後に左ドアパネル部31および右ドアパネル部32の残りの一方を開くことで乗車専用状態を実現すると、個々のドアパネル部31,32に関してはそれぞれを全開させる制御を行えばよいので、ドアパネル21,22,23,24の位置を検出するような機構が不要であるとともに、制御が容易になる。
【0050】
駆動装置25,26が左ドアパネル部31と右ドアパネル部32とにそれぞれ設けられており、ドア制御部27は、左ドアパネル部31の駆動装置25と右ドアパネル部32の駆動装置26とに対してそれぞれ別々の制御信号を送ると、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のいずれか一方のみを戸開させるドア装置2を比較的簡単な構成で実現することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図6および図7を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0052】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5の積載荷重を検知する積載荷重検知装置71を備える。図6に示すように、乗籠5は、下梁72と、この下梁72に設置された床受枠73と、この床受枠73の上に設けられるかご室74とを有する。積載荷重検知装置71は、例えば床受枠73とかご室74との間に配置され、かご室74の沈み量に基づいて乗籠5の積載荷重を検知する。
【0053】
図7に示すように、積載荷重検知装置71は、ドア制御部27に電気的に接続されており、乗籠5の積載荷重に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、積載荷重検知装置71から乗籠5の積載荷重に関する信号を受け取る。
【0054】
ドア制御部27は、積載荷重検知装置71から受け取った値と、例えば予め記憶されている乗客不在時の乗籠5の積載荷重の値とを比較することで、乗籠5内に乗客が残っているか否かを感知する。ドア制御部27は、積載荷重検知装置71からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0055】
このような構成のエレベータ3の乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータにおいて、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0056】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で積載荷重検知装置71から乗籠5の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0057】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図8ないし図10を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0058】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5内に検出光81を放つ光電管82を備える。図8に示すように、光電管82は、乗籠5の奥行き方向(図8中の左右方向)に沿って、乗籠5のかご幅木部5a,5bに複数設けられている。図9に示すように、光電管82は、それぞれ受光部82aと、この受光部82aに向けて検出光81を放つ発光部82bとを有する。受光部82aおよび発光部82bは、乗籠5の互いに異なる側面のかご幅木部5a,5bに分かれて設置されている。
【0059】
図10に示すように、各光電管82の受光部82aは、ドア制御部27に電気的に接続されており、受光部82aの受光状態(すなわち検出光81の光軸が遮られているか否か)に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、受光部82aから受光状態に関する信号を受け取る。
【0060】
ドア制御部27は、設置された全ての光電管82の光軸が遮られなくなったとき、乗籠5内に乗客が残っていないと感知する。ドア制御部27は、光電管82からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0061】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0062】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で光電管82の受光部82aから受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0063】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図11および図12を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0064】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに乗籠5内の乗客の有無を検知する人感センサーを備える。図11に示すように、人感センサー91は、例えばかご天井5cの内部に設けられている。人感センサー91は、乗籠5内に向けて取り付けられている。人感センサー91としては、種々のものが適用可能である。人感センサー91の一例としては、例えば赤外線を放ち乗客が帯びている静電気に反応するものがある。
【0065】
図12に示すように、人感センサー91は、ドア制御部27に電気的に接続されており、乗籠5内の乗客の有無に関する信号をドア制御部27へと送る。ドア制御部27は、乗籠出入口20の一部のみを開放し、降車専用状態である第1の状態を実現した状態で、人感センサー91から乗籠5内の乗客の有無に関する信号を受け取る。
【0066】
ドア制御部27は、人感センサー91が乗籠5内で人を感知しなくなったとき、乗籠5内に乗客が残っていないと感知する。ドア制御部27は、人感センサー91からの信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないことを感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御し、乗車専用状態である第2の状態を実現する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0067】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0068】
ドア制御部27が、乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で人感センサー91から乗籠5内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠5内に乗客がいないと感知したとき、出入口20の残りの部分を開放するように駆動装置25,26を制御すると、降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性がさらに小さくなり、エレベータホール17の人の流れがさらにスムーズになる。
【0069】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図13ないし図15を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0070】
本実施形態に係るドア装置2は、上記第1の実施形態の構成に加えて、さらに一対のセフティシュー101,102を備える。詳しく述べると、図13に示すように、左ドアパネル部31の戸当たり部31a(すなわち右ドアパネル部32に対向する部分)には、第1のセフティシュー101が設けられている。右ドアパネル部32の戸当たり部32a(すなわち左ドアパネル部31に対向する部分)には、第2のセフティシュー102が設けられている。
【0071】
第1のセフティシュー101は、複数の回転リンク103により左ドアパネル部31に取り付けられ、左ドアパネル部31に対してドアパネル部31の開閉方向に動くことができる。第2のセフティシュー102は、複数の回転リンク103により右ドアパネル部32に取り付けられ、右ドアパネル部32に対してドアパネル部32の開閉方向に動くことができる。
【0072】
図13に示すように、ドア装置2は、第1のセフティシュー101の動きを検知する第1のセンサー104と、第2のセフティシュー102の動きを検知する第2のセンサー105とを有する。第1および第2のセンサー104,105は、それぞれドア制御部27に電気的に接続されている。ドア制御部27は、第1または第2のセンサー104,105が第1または第2のセフティシュー101,102の動きを検知したとき、例えば戸閉中のドアを再び戸開させるように駆動装置25,26を制御する。
【0073】
図14および図15に示すように、ドア装置2は、さらに、ストッパー106、受け板107、および第3のセンサー108を備える。ストッパー106は、第1および第2のセフティシュー101,102のいずれか一方に設けられる。本実施形態では、ストッパー106は、第1のセフティシュー101の上端部に設けられている。
【0074】
受け板107は、左ドアパネル部31および右ドアパネル部32のうちストッパー106が設けられた方とは異なる一方に設けられる。本実施形態では、受け板107は、右ドアパネル部32に設けられている。受け板107は、右ドアパネル部32の上部においてストッパー106に対向するように設けられ、左右のドアパネル部31,32が両方閉じられたときにストッパー106に接触する。
【0075】
図14に示すように、ストッパー106が取り付けられた第1のセフティシュー101は、左右のドアパネル部31,32が閉じる際に、受け板107にストッパー106が当たることにより押され、第2のセフティシュー102と干渉せずにドアを閉じることができる。一方、図15に示すように、左右のドアパネル部31,32のうち少なくとも一方が開いているときは、ストッパー106が押されないので、第1のセフティシュー101が左ドアパネル部31の端面より突出する。
【0076】
図15に示すように、ストッパー106は、スプリングのような弾性部材109によってドアパネル部31の開閉方向に移動可能に支持されている。
【0077】
第3のセンサー108は、ストッパー106と受け板107との間の接触状態を検知する。第3のセンサー108は、例えばストッパー106から受け板107を見て、ストッパー106の後方に配置されている。左右のドアパネル部31,32の両方が閉まる際は、ストッパー106が受け板107に当たり、弾性部材109が圧縮されてストッパー106がスライドし、第3のセンサー108の接点が入る。これにより第3のセンサー108は、ストッパー106と受け板107との間の接触状態を検知する。
【0078】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からストッパー106と受け板107との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いているか、左右のドアパネル部31,32の両方が閉まっているかを感知する。
【0079】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からの信号に基づいて、左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、第1および第2のセンサー104,105の両方からセフティシュー101,102の動きに関する信号を受け取る。一方、第3のセンサー108からの信号に基づいて、左右のドアパネル部31,32の両方が閉まりきると感知するとき、第1のセフティシュー101に対応した第1のセンサー104からの信号を解除し、第2のセフティシュー102に対応する第2のセンサー105の信号のみを利用する。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0080】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0081】
ドア制御部27は、第3のセンサー108からのストッパー106と受け板107との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて左右のドアパネル部31,32の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、第1および第2のセンサー104,105の両方から信号を受け取る。すなわち、左右のドアパネル部31,32のどちらか開いていれば、閉じている側のドアパネル部31,32のセフティシュー101,102に設置されたセンサー104,105からの信号もドア制御部27が受け取り反応する。
【0082】
すなわち、閉じている側のドアパネル部31,32のセフティシュー101,102にのみ乗客が手をかけたときでも、ドア制御部27は、ドアパネル部31,32を閉じない制御とすることができ、乗客の安全性をより高いレベルで図ることができる。
【0083】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図16ないし図19を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0084】
図17ないし図18に示すように、ドア装置2は、乗籠出入口20に設けられた複数のドアパネル111,112と、駆動装置113と、ドア制御部27とを備える。詳しく述べると、図18に示すように、ドア装置2は、いわゆる片開きタイプのドアであり、複数のドアパネル111,112は、全て同じ方向に開閉する。以下の実施形態では、戸開時に左方向へ退避する片開きドアを一つの具体例として説明する。なお本発明はこれに限られるものではなく、戸開時に右方向へ退避する片開きドアであってもよい。
【0085】
ドア装置2は、乗籠出入口20の左半分を覆う左ドアパネル111と、乗籠出入口20の右半分を覆う右ドアパネル112を有する。ドアパネル111,112は、それぞれ車輪34を有するとともに、この車輪34をドアレール33に乗せて吊り下げられている。
【0086】
図16に示すように、駆動装置113は、ドア駆動モータ114と、このモータ114に連結された減速機115とを有する。駆動装置113は、リンク機構116を介して右ドアパネル112に連結されている。モータ114の回転運動は、リンク機構116によって左右方向のスライド運動として右ドアパネル112に伝達される。これにより、モータ114が駆動されると、右ドアパネル112が開閉する。
【0087】
左ドアパネル111は、いわゆる従動ドアパネルであり、図示しない連動機構により右ドアパネル112に連動している。これにより、右ドアパネル112が開閉すると、左ドアパネル111は右ドアパネル112の動きに伴って開閉する。
【0088】
ドア制御部27は、ドアパネル111,112の戸開時において、乗客が降車できるように乗籠出入口20の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止させた第1の状態と、この第1の状態の後、乗客が乗車できるように乗籠出入口20の残りの部分を開放した第2の状態とを実現するように駆動装置113を制御する。
【0089】
図18に示すように、エレベータのドア装置2は、ホール出入口45に設けられた複数のホールドア121,122を有する。詳しく述べると、複数のホールドア121,122は、ホール出入口45の左半分を覆う左ホールドア121と、ホール出入口45の右半分を覆う右ホールドア122とを有する。ドア装置2は、右ホールドア122を乗籠5の右ドアパネル112に連動させる係合機構54を備える。これにより、右ホールドア122は右ドアパネル112の動きに伴って開閉する。
【0090】
図16に示すように、ドア装置2は、ドアパネル112の位置を検出する位置検出センサー125を備える。位置検出センサー125は、例えばドアパネル112の上部に設けられている。位置検出センサー125は、ドア制御部27に電気的に接続されており、ドアパネル112の位置を検出し、その信号をドア制御部27へと送る。位置検出センサー125は、例えばドアパネル112が乗籠出入口20の中央まで開閉したときに作動し、その信号をドア制御部27へと送る。
【0091】
ドア制御部27は、位置検出センサー125からドアパネル112の位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で戸開を停止させる。ドア制御部27は、例えばドアパネル112が乗籠出入口20の中央まで開閉して位置検出センサー125が作動したときに、ドアパネル111,112の戸開を停止させる。これにより、図17および図18に示すように、出入口20,45の右半分のみが開放され、乗籠5の内部が降車用領域62に連絡する。こうして降車専用状態である第1の状態が実現され、乗籠5内の乗客P2は、乗車を待つ乗客P1と入り乱れることなくエレベータホール17へと降り立つことができる。
【0092】
ドア装置2は、乗客P2が降りるのに十分な時間だけ上記第1の状態を保ち、その後乗車専用状態である第2の状態へと移行する。詳しくは図19に示すように、ドア制御部27は、駆動装置113に駆動信号を送り、ドアパネル111,112を全開位置まで戸開させる。
【0093】
これにより、出入口20,45の全部が開放され、乗籠5の内部が乗車用領域63にも連絡する。こうしてエレベータホール17で待機していた乗客P1は、降車する乗客P2と入り乱れることなく乗籠5内へ乗車することができる。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0094】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0095】
位置検出センサー125からドアパネル112の位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて乗籠出入口20の一部のみを開放した状態で戸開を停止させるドア制御部27を備えると、左右のいずれか片側方向のみに開閉するドアの出入口においても、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0096】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1およびエレベータのドア装置2について、図20ないし図22を参照して説明する。なお上記第1および第6の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態に係る乗降構造体1およびドア装置2は、例えば第1の実施形態と同様のエレベータ3に設けられる。
【0097】
本実施形態に係るドア装置2は、第6の実施形態と同様の片開きタイプのドアである。ドア装置2は、切替スイッチ131と、ドアパネル112の移動方向に沿って複数設けられた第1ないし第3の位置検出センサー125a,125b,125cとを有する。
【0098】
切替スイッチ131は、ドア制御部27に電気的に接続されている。第1ないし第3の位置検出センサー125a,125b,125cは、切替スイッチ131を介してドア制御部27に電気的に接続されている。
【0099】
ドア制御部27は、切替スイッチ131によって複数の位置検出センサー125a,125b,125cの中から信号を受け取る特定の位置検出センサーを選択することができる。ドア制御部27は、その選択した位置検出センサーが作動したときに、ドアパネル111,112の戸開を停止させる。
【0100】
本実施形態に係る仕切り部材61は、エレベータホール17内の任意の位置に移動できる構成を有する。仕切り部材61は、例えば、ホール出入口45の中央に対向する第1の位置と、第1の位置に比べて左側に設置され、乗車用領域63に比べて降車用領域62が広くなる第2の位置(図21参照)と、第1の位置に比べて右側に設置され、降車用領域62に比べて乗車用領域63が広くなる第3の位置(図22参照)との間で移動可能である。
【0101】
第1の位置検出センサー125aは、第1の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。第2の位置検出センサー125bは、第2の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。第3の位置検出センサー125cは、第3の位置にある仕切り部材61に対応する位置までドアパネル112が移動したときに作動する。
【0102】
切替スイッチ131は、そのときの仕切り部材61の設置位置に対応した位置検出センサーからドア制御部27が信号を受け取るように切り替えられる。これにより図21および図22に示すように、ドア装置2は、上記第1ないし第3の位置の仕切り部材61に対応した位置でドアパネル121の戸開を停止させ、降車専用状態を実現することができる。上記説明した以外の乗降構造体1およびドア装置2の構成は上記第1の実施形態と同じである。
【0103】
このような構成のエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2によれば、上記第1の実施形態と同様に降りる客と乗る客とが入り乱れる可能性が小さく、乗籠出入口20が一つだけのエレベータ3において、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをスムーズにすることができる。
【0104】
本実施形態に係る乗降構造体1は、エレベータホール17の仕切り部材61を移動できる構成とし、その仕切り部材61の位置に合わせてドアパネル111,112が開閉するように、複数のセンサー125a,125b,125cのいずれかからの信号を選択し、ドアパネル111,112の開閉を停止させる位置を切り替えるスイッチ131を備える。これにより、乗客の乗り降りの状況に合わせ、降車する乗客が多い方の場合は、降車時の出入口幅を広く設定し、乗車する乗客の方が多い場合は、乗車側の出入口幅を広くすることができる。したがって、乗客の乗降時におけるエレベータホール17の人の流れをさらにスムーズにすることができる。
【0105】
以上、本発明の第1ないし第7の実施形態に係るエレベータの乗降構造体1、およびエレベータのドア装置2について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。第1ないし第7の実施形態に係る構成は、適宜組み合わせて用いることができる。例えば第2ないし第4の実施形態に係る積載荷重検知装置71、光電管82、および人感センサー91は、第5ないし第7の実施形態に係る構成と組み合わせて実施してもよい。第1ないし第7の実施形態に係るドア装置2は、ドアパネルの枚数が4枚や2枚のドア装置に限定されるものではなく、種々のドア装置について広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るエレベータの全体構成を概略的に示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る乗降構造体の平面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図4】図2中に示された乗降構造体の降車時の状態を示す平面図。
【図5】図2中に示された乗降構造体の乗車時の状態を示す平面図。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る乗籠の側面図。
【図7】図6中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る乗籠の側面図。
【図9】図8中に示された乗籠の内部を示す平面図。
【図10】図8中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る乗籠の内部を示す側面図。
【図12】図11中に示されたドア装置の信号の流れを示すブロック図。
【図13】本発明の第5の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図14】図13中に示されたドア装置の戸閉時の状態を示す正面図。
【図15】図13中に示されたドア装置の戸開時の状態を示す正面図。
【図16】本発明の第6の実施形態に係るドア装置の戸閉時の状態を示す正面図。
【図17】図16中に示されたドア装置の戸開時の状態を示す正面図。
【図18】図16中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【図19】図16中に示されたドア装置の乗車時の状態を示す平面図。
【図20】本発明の第7の実施形態に係るドア装置の正面図。
【図21】図20中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【図22】図20中に示されたドア装置の降車時の状態を示す平面図。
【符号の説明】
【0107】
1…乗降構造体、2…ドア装置、17…エレベータホール、20…乗籠出入口、21,22,23,24,111,112…ドアパネル、25,26,113…駆動装置、27…ドア制御部、31…左ドアパネル部、32…右ドアパネル部、5…ホール出入口、61…仕切り部材、71…積載荷重検知装置、82…光電管、82a…受光部、82b…発光部、91…人感センサー、101,102…セフティシュー、104…第1のセンサー、105…第2のセンサー、106…ストッパー、107…受け板、108…第3のセンサー、125,125a,125b,125c…位置検出センサー、131…切替スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗籠の出入口に設けられた複数のドアパネルと、
上記ドアパネルを駆動して上記出入口を開閉する駆動装置と、
上記ドアパネルの戸開時において、乗客が降車できるように上記出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部と、
を具備することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
上記複数のドアパネルは、上記出入口の左半分を覆う左ドアパネル部と、上記出入口の右半分を覆う右ドアパネル部とを含み、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のいずれか一方のみを開くことで上記出入口の一部のみを開放し、その後に上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の残りの一方を開くように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、
上記駆動装置は、上記左ドアパネル部と上記右ドアパネル部とにそれぞれ設けられており、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部の駆動装置と上記右ドアパネル部の駆動装置とに対してそれぞれ別々の制御信号を送ることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠の積載荷重を検知する積載荷重検知装置を備え、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記積載荷重検知装置から上記乗籠の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠内に検出光を放つ光電管を備え、
上記光電管は、受光部と、この受光部に向けて上記検出光を放つ発光部とを有し、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記受光部から受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠に設けられ、上記乗籠内の乗客の有無を検知する人感センサーを備え、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記人感センサーから上記乗籠内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項7】
請求項3の記載において、
上記左ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第1のセフティシューと、
上記右ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第2のセフティシューと、
上記第1のセフティシューの動きを検知する第1のセンサーと、
上記第2のセフティシューの動きを検知する第2のセンサーと、
上記第1のセフティシューおよび上記第2のセフティシューのいずれか一方に設けられたストッパーと、
上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のうち上記ストッパーが設けられた方とは異なる一方に設けられ、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の両方が閉じられたときに上記ストッパーに接触する受け板と、
上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態を検知する第3のセンサーと、を備え、
上記ドア制御部は、上記第3のセンサーから上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、上記第1のセンサーおよび上記第2のセンサーの両方から信号を受け取ることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項8】
請求項1の記載において、
上記ドアパネルの位置を検出する位置検出センサーを備え、
上記複数のドアパネルは、全て同じ方向に開閉し、
上記ドア制御部は、上記位置検出センサーから上記ドアパネルの位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記出入口の一部のみを開放した状態で戸開を停止させることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項9】
請求項8の記載において、
上記ドア制御部に電気的に接続された切替スイッチを備え、
上記位置検出センサーは、上記ドアパネルの移動方向に沿って複数設けられるとともに、その複数の位置検出センサーは、それぞれ上記切替スイッチを介して上記ドア制御部に電気的に接続されており、
上記ドア制御部は、上記切替スイッチによって上記複数の位置検出センサーのなかから信号を受け取る位置検出センサーを選択することができるエレベータのドア装置。
【請求項10】
エレベータホールのホール出入口前に設けられた仕切り部材と、
乗籠の乗籠出入口に設けられた複数のドアパネルと、
上記ドアパネルを駆動して上記乗籠出入口を開閉する駆動装置と、
上記ドアパネルの戸開時において、上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの一部領域に対応する上記乗籠出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの他の領域に対応する上記乗籠出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部と、
を具備することを特徴とするエレベータの乗降構造体。
【請求項1】
乗籠の出入口に設けられた複数のドアパネルと、
上記ドアパネルを駆動して上記出入口を開閉する駆動装置と、
上記ドアパネルの戸開時において、乗客が降車できるように上記出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部と、
を具備することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、
上記複数のドアパネルは、上記出入口の左半分を覆う左ドアパネル部と、上記出入口の右半分を覆う右ドアパネル部とを含み、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のいずれか一方のみを開くことで上記出入口の一部のみを開放し、その後に上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の残りの一方を開くように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、
上記駆動装置は、上記左ドアパネル部と上記右ドアパネル部とにそれぞれ設けられており、上記ドア制御部は、上記左ドアパネル部の駆動装置と上記右ドアパネル部の駆動装置とに対してそれぞれ別々の制御信号を送ることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠の積載荷重を検知する積載荷重検知装置を備え、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記積載荷重検知装置から上記乗籠の積載荷重に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠内に検出光を放つ光電管を備え、
上記光電管は、受光部と、この受光部に向けて上記検出光を放つ発光部とを有し、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記受光部から受光状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、
上記乗籠に設けられ、上記乗籠内の乗客の有無を検知する人感センサーを備え、
上記ドア制御部は、上記出入口の一部のみを開放した状態で上記人感センサーから上記乗籠内の乗客の有無に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記乗籠内に乗客がいないと感知したとき、上記出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御することを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項7】
請求項3の記載において、
上記左ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第1のセフティシューと、
上記右ドアパネル部の戸当たり部に設けられた第2のセフティシューと、
上記第1のセフティシューの動きを検知する第1のセンサーと、
上記第2のセフティシューの動きを検知する第2のセンサーと、
上記第1のセフティシューおよび上記第2のセフティシューのいずれか一方に設けられたストッパーと、
上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部のうち上記ストッパーが設けられた方とは異なる一方に設けられ、上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の両方が閉じられたときに上記ストッパーに接触する受け板と、
上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態を検知する第3のセンサーと、を備え、
上記ドア制御部は、上記第3のセンサーから上記ストッパーと上記受け板との間の接触状態に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記左ドアパネル部および上記右ドアパネル部の少なくともいずれか一方が開いていると感知するとき、上記第1のセンサーおよび上記第2のセンサーの両方から信号を受け取ることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項8】
請求項1の記載において、
上記ドアパネルの位置を検出する位置検出センサーを備え、
上記複数のドアパネルは、全て同じ方向に開閉し、
上記ドア制御部は、上記位置検出センサーから上記ドアパネルの位置に関する信号を受け取るとともに、その信号に基づいて上記出入口の一部のみを開放した状態で戸開を停止させることを特徴とするエレベータのドア装置。
【請求項9】
請求項8の記載において、
上記ドア制御部に電気的に接続された切替スイッチを備え、
上記位置検出センサーは、上記ドアパネルの移動方向に沿って複数設けられるとともに、その複数の位置検出センサーは、それぞれ上記切替スイッチを介して上記ドア制御部に電気的に接続されており、
上記ドア制御部は、上記切替スイッチによって上記複数の位置検出センサーのなかから信号を受け取る位置検出センサーを選択することができるエレベータのドア装置。
【請求項10】
エレベータホールのホール出入口前に設けられた仕切り部材と、
乗籠の乗籠出入口に設けられた複数のドアパネルと、
上記ドアパネルを駆動して上記乗籠出入口を開閉する駆動装置と、
上記ドアパネルの戸開時において、上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの一部領域に対応する上記乗籠出入口の一部のみを開放するとともにその状態で戸開を一時停止し、その後に上記仕切り部材で仕切られたエレベータホールの他の領域に対応する上記乗籠出入口の残りの部分を開放するように上記駆動装置を制御するドア制御部と、
を具備することを特徴とするエレベータの乗降構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−155095(P2009−155095A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338294(P2007−338294)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]