エレベータの物体挟まれ検知システム
【課題】エレベータの戸に挟まれたまま、かごが走行してしまうのを回避するエレベータの物体挟まれ検知システムを提供する。
【解決手段】エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備する。
【解決手段】エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の挟まれ検知に係り、特に、エレベータの戸における物体挟まれ検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの戸の間に人や物が挟まれると、機械的なスイッチによりそれらの挟まれを検知し、戸開動作が行われている。しかし、スイッチの接触不良やねじの弛みによる脱落等の故障時には、挟まれが生じる恐れがある。
【0003】
また、ペットと飼い主とを繋ぐ紐や綱等細い紐状の物体や幼児の手指等は検知出来ないことがあった。エレベータの戸が閉じ、ペットと利用者とを繋ぐ紐や綱が戸に挟まれることで、かごの中と乗場に分かれてしまい、その状態でかごが移動を開始すると、ペットと利用者の双方に危険が及ぶ恐れがある。特に、利用者が紐を手に巻きつける等の固定をした状態だと即座に紐を手放すことが出来ないため、ペットが首等を負傷する、利用者が転倒する、あるいは手首を負傷する等の事故となる可能性がある。
【0004】
そこで、戸閉時において物体を検知し、エレベータの走行を停止する方法として、乗降口下部に垂直方向の光を上方へと出力する投光手段と、乗降口上部に出力された光を受光する受光手段を設け、光が遮られた時、戸の間に物体が挟まれていると判定する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、鋸歯状の溝を設けた接触棒によって紐状物体を検知した際に、エレベータの運転を阻止するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、ペット等の紐が挟まれる状況のみを回避するために、紐状物体にICタグを取付け、かごにICタグ読取装置を設けることで紐状物体を検知し、かご内に全ての紐状物体が乗ったことを確認した後、戸閉動作を行うことが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−169009号公報
【特許文献2】特開2008−297120号公報
【特許文献3】特開2009−35376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の手法では、出入口下部に設けられたかご敷居の溝に小型センサから成る装置を取付け、出入口上部に超小型赤外チップや超小型マイクロスイッチ等から成る装置を取付けなければならない。加えて、戸の全閉時に赤外線を垂直方向に通すため、戸当たりゴムの形状を凹状にしなければならず、既存のエレベータに対しての取付けを行う改修工事にかなりの時間を要するという問題がある。
【0009】
また、特許文献2記載の手法では、鋸歯状の溝を設けた接触棒が必要となるため、改修工事に時間を要する。
【0010】
加えて、これら2件の手法では、戸が完全に閉じた状態である全閉時に挟まれが生じているかを判定するため、必ず戸を全閉しなければならない。そのため、戸閉動作を開始したときからドアパネル先端を基点として物体が常に接している等、全閉することで挟まれが生じる状況であっても、戸閉動作を途中で中止し戸開動作へと移行することが出来ない、という問題があった。
【0011】
また、特許文献3記載の手法では、紐状物体にICタグが取り付けられていることが必須条件であり、全てのエレベータ利用客に対して有効とはいえない。
【0012】
そこで、本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、既存のエレベータに対しても、取付けが容易で、エレベータの戸の全閉時だけではなく戸閉の途中においても物体挟まれが生じる状況では、確実に戸開させ、かごが走行してしまうのを回避することが出来るエレベータの物体挟まれ検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、前記検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システムが提供される。
【0014】
また、本発明の別の一態様によれば、エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時における戸のドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、前記検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エレベータの戸の全閉時だけではなく戸閉の途中においても物体挟まれが生じる状況では、確実に戸開させてかごの走行を防止するので、全てのエレベータ利用客に対して挟まれ時の対処が安全に提供することが出来る。また、既存のエレベータに対しても、取付けが容易であり、改修費用も低廉とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図2】監視カメラ3からドア2側を見下ろした図である。
【図3】本実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図6】第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図7】第2の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図12】第5の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。図1において、1はエレベータのかごである。かご1には、着床時に水平方向に開閉するドア2が設けられている。ドア2は、エレベータ利用者の乗降口となる。乗降口上部であって、ドア2が閉じる境目の上部に監視カメラ3が設置されている。監視カメラ3は、エレベータのかご1乃至乗場の乗降口上部に設定される監視領域4を、所定のフレーム間隔で上部から下方に向かって連続的に撮影する。尚、本発明においては、乗客が乗る際に開閉するパネル全体を「ドア」、開閉するパネルそれぞれを「戸」と称して説明している。
【0019】
図2は、監視カメラ3からドア2側を見下ろした図を示している。戸の状態は全閉であり、実際にドア2に物体が挟まっている状況を示している。図2では、監視領域4中に、紐状物体5が挟まっている状況を示している。予め、監視カメラ3で戸の全閉状態でドア2に何も挟まっていない正常な状況を撮像し、その際の画像情報を記憶しておく。記憶媒体については、後述する。正常時の画像情報と、ドア2に物体が挟まっている状況下での画像情報を比較することにより、図2に示すような紐状物体5が挟まっている状態を検知するものである。
【0020】
ここで、「検知する物体」とは、戸の全閉時にドアパネル先端による直線を基点として連続的に観測される物体を指す。したがって、連続的に観測される物体でも、ドア2に接していない物体に関しては、挟まれが生じていると判定しない。例えば、かご内乗客の持ち物である鞄、ストラップ等は、ドア2に接していない場合には、挟まれが生じていると判定しない。また、ドア2に接しているか否かは、別途センサ等を備えることなく、監視カメラ3で判定している。
【0021】
本実施形態では、戸が中央開きの場合を例として挙げたが、片開きの場合にも監視カメラ3の設置位置を移動させるだけで、同様に物体の検知が可能である。すなわち、戸が中央開きの場合、戸閉動作により戸閉端は中央(左右の戸が当たるのは中央)となるので、監視カメラ3の設置位置は中央が最適となる。一方、片開きの場合、戸は左から右へ、あるいは右から左へという一方向の動きとなり、戸閉端は右端か左端となる。したがって、片開きの場合には、右端か左端のどちらかに監視カメラ3を設置することで対応出来る。
【0022】
図3は、本実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、エレベータ制御装置25から構成されている。監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23から構成されている。全閉時物体挟まれ検知手段23は、例えば、監視カメラ3による監視領域4を網目状に細分化し、通常時(ドア付近に人や物体が存在しない時)のブロック化された画像情報と比較することで、構成することが出来る。比較したブロック間のうち、どのブロックに差異があるか、差異のあるブロックの繋がりの程度、ドアが閉じていくことでドアに沿ってその繋がりを保持したまま移動しているか等を、ドアパネルに沿うように接している物体を検出した際の画像と数秒後の画像あるいは数秒後までの連続的な画像を比較することで判定が可能となる。
【0023】
全閉時物体挟まれ検知手段23により物体が挟まれているかの判定を行い、物体挟まれ時の戸開手段24にてドア開の要否判断を行い、ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0024】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。
【0025】
図4は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
まず、戸閉動作(ステップS40)を行い、戸が完全に閉じた状態である全閉状態(ステップS41)へと移行する。次に、全閉状態で、物体挟まれ時の戸開手段24においてドア2に物体の挟まれが生じていないかを判定する(ステップS42)。物体の挟まれが生じていないと判定した場合は、エレベータ制御装置25に対してエレベータの走行を許可し、エレベータが走行を開始する(ステップS43)。
【0027】
一方、物体の挟まれが生じていると判定した場合には、戸開動作(ステップS44)を行う。その後、ステップS40に戻って、戸閉動作を行い、再び物体を検知しない場合はエレベータが走行開始する。
【0028】
第1の実施形態によれば、乗降口上部に設置された監視カメラの画像を用いて、ドアパネル先端による直線を基点として、連続的に観測される物体の有無を確認するので、全閉時における物体の挟まれが生じていると判定した場合に戸開動作を行うことで、物体が挟まれた状態でかごが走行するのを回避することが出来る。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、戸閉中において戸の閉動作と連動して動く物体を検知した際に、全閉することで物体が挟まれる可能性が高いと判定し、戸開動作を行うものである。
【0030】
図5、図6は、第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドア2の全体構成を示す正面図である。図5では戸閉を開始したドア2を示しており、6aと6bはドアパネル先端である。紐状物体5が乗場からかご内へと、ドアパネル先端6aに沿って伸びている。
【0031】
図6は、戸閉動作によりドア2を全閉する直前の様子を表わしている。図5でドアパネル先端6aに沿ってかご1内へと伸びていた紐状物体5が、戸閉動作を行っている戸と連動して移動している。ドアパネル先端6aに沿うように接している物体を検知した際の画像と数秒後の画像又は数秒後までの連続的な画像を比較する。ドアパネル先端6aとドアパネル先端6aに沿ってかご内へと伸びている物体が、両方又は全ての比較対象画像において確認された場合、このまま戸閉し全閉することで、観測されている物体が挟まれる可能性が高いと判定し戸開動作を行う。
【0032】
例えば、戸が中央開きでかご乗降口の幅が800mmという条件下での動作を説明する。標準的な戸閉速度の場合、戸閉動作を開始して全閉するまでに約2.5秒の時間を要する。ドアパネル先端6aに沿うように接している物体を検知した際の画像と検知後0.5秒後の画像とを比較する。両画像においてドアパネル先端とドアパネル先端に沿ってかご内へと伸びている物体が確認された場合、戸開動作を行う。物体を検知した時点にもよるが、検知後0.5秒経過したとすると戸は80mm前後閉まることになる。このような時間的余裕を持たせることで、物体が戸と連動して移動することを誤検知なく判定することが可能となる。
【0033】
上記した条件は一例であり、戸が中央開きか片開きか、乗降口の幅、戸閉するドアの速度等によって戸閉に要する時間が変化する。全閉するまでに要する時間が変化することで、物体検知時と比較する画像を0.5秒経過後よりも早くする或いは遅くするのが適切な場合もある。エレベータの仕様条件により、物体検知後と比較する画像を早くする等、比較対象とするドアパネル先端の位置を設定出来る。また、検知時の画像と比較するための画像を3画像以上または断続的又は連続的な画像全てを対象にするように設定出来るものとすることで、エレベータの条件および仕様等により多様な選択が可能となる。
【0034】
図7は、第2の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。図7に示すように、監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。戸閉中物体挟まれ検知手段26により、戸閉中に物体が挟まれる可能性が高い状況であるかを判定する。判定の結果に応じて、物体挟まれ時の戸開手段24にてドア開の要否判断を行う。ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0035】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。図8は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、戸閉動作を開始し(ステップS80)、直後に、閉まる戸と連動した物体の検知を行う(ステップS81)。物体を検知しなかった場合は、戸が完全に閉じた状態である全閉状態(ステップS82)へと移行する。次に、エレベータが走行開始(ステップS83)する。一方、ステップS81において、戸と連動した物体を検知した場合には戸開動作(ステップS84)を行い、ステップS80に戻る。
【0037】
第2の実施形態によれば、戸閉動作を開始した際、ドアパネル先端に沿ってかご内へと伸びている物体があり、戸閉動作と連動して移動する等の状況が観測された場合、上記物体が挟まれる可能性が高いと判定し戸開動作を行う。実際に物体が挟まれてから判定する第1の実施形態とは異なり、挟まりを未然に回避することが可能となる。
【0038】
機械的スイッチでは、紐状物体は検知しにくいが、それ以外にも、幼児が戸閉中のドアパネル端部に手や指を当てている場合等、手が小さく柔らかいということで検知出来ない可能性がある。しかしながら、第2の実施形態によれば、このような危険が伴う子供のいたずら行為に対しても、事故となる前に回避出来る。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述してきたように、第1の実施形態では、戸閉した瞬間にドアパネル先端の基点から連続的に観測される物体を検知しているため、挟まれが生じる可能性が高い状況であっても、一度全閉しなければ戸開指令を出力しない。また、第2の実施形態では、連続的に観測される物体が戸閉動作に連動しなければ、挟まれが生じるものとして判定しないため、戸閉端に接していない物体が確認された場合あるいは全閉直前に物体が確認された場合には挟まれが生じても戸開指令を出力しない。
【0040】
第3の実施形態では、第1の実施形態の特徴と第2の実施形態の特徴を併用させることで、戸閉中および全閉時における検知を可能とし、戸閉動作の開始から全閉までを挟まれ検知範囲とする。
【0041】
図9は、第3の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【0042】
図9に示すように、監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。第3の実施形態では、画像信号記憶部22の後段に、全閉時物体挟まれ検知手段23と戸閉中物体挟まれ手段26の両方を設け、実際に挟まれが生じる又は生じる可能性が高い状況が発生している際に、どちらか一方が挟まれを検知又は挟まれが生じる可能性が高いと判定した場合、物体挟まれ時の戸開手段24により戸開指令を出力する。ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0043】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。図10は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
まず、戸開動作(ステップS100)を開始した直後に、戸の閉動作と連動した物体の検知をしなかった否かの判定を行う(ステップS101)。物体を検知しなかった場合は戸閉動作を続け、全閉状態へと移行する(ステップS102)。次に、挟まれが生じていないか否かを判定する(ステップS103)。挟まれが生じていないと判定した場合は、エレベータが走行開始する(ステップS104)。
【0045】
一方、ステップS101において戸の閉動作と連動した物体を検知した場合及びステップS103において挟まれが生じていると判定した場合には、戸開動作(ステップS105)を行い、ステップS100に戻る。
【0046】
第3の実施形態によれば、戸閉中および全閉時における挟まれの検知が可能となり、戸閉動作の開始から全閉までを挟まれ検知範囲とすることが可能となる。
【0047】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、第4の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、物体挟まれ時の戸開延長手段27と、エレベータ制御装置25から構成されている。監視装置20は、監視カメラ3と、信号変換手段21と、画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。
【0048】
第4の実施形態においては、物体の挟まれが生じる或いは挟まれが生じる状況により戸開動作が必要と判定されたとき、物体挟まれ時の戸開手段24において戸開指令を出力するが、その際に、物体挟まれ時の戸開延長手段27を設けている。物体挟まれ時の戸開延長手段27は、全閉時物体挟まれ検知手段23および戸閉中物体挟まれ検知手段26により戸開動作が行われた場合に、戸開時間を延長する指令を出力するものである。
【0049】
上述したように、第1乃至第4の実施形態によれば、挟まれを検知した際、すぐに移動可能な物体又は紐状物体等の場合は、戸開動作を行うことで再び挟まれることを回避出来る。しかしペットを連れた乗客が、かごと乗場に分かれてしまい、ペットを繋ぐ紐が戸に挟まれた場合、通常の戸開時間ではどちらかに移動することができず、再び戸閉動作と戸開動作を行う可能性がある。かご又は乗場に他の利用者が存在する場合は戸開ボタンを押してもらうことが可能であるが、単独の際には、戸閉して紐が挟まれたことによる一時的なパニック状態に陥り戸開ボタンを押すことを失念する、複数のペットを連れていて両手が塞がっている等の状況においては容易に戸開ボタンを押すことが出来ない、という可能性がある。そこで、第4の実施形態においては、全閉時物体挟まれ検知手段23および戸閉中物体挟まれ検知手段26により戸開動作が行われた場合に、戸開時間を延長する。延長する時間は適宜設定することが出来る。
【0050】
第4の実施形態によれば、戸開時間を延長することで、実施形態に記載のようなペットを連れた乗客に対して、パニック状態に陥った乗客や複数のペットを連れている乗客に余裕を持って乗降してもらうことが可能となる。
【0051】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図12は、第5の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、物体挟まれ時の戸開延長手段27と、エレベータ制御装置25と、戸開動作カウンタ28と、異常判定手段29と、遠隔監視端末30と、監視センター31から構成されている。
【0052】
第5の実施形態においては、挟まれが生じて戸開が必要と判定し、物体挟まれ時の戸開手段24により戸開指令を出力する際に、戸開動作カウンタ28と異常判定手段29を設けている。
【0053】
戸開動作カウンタ28は、かごが階に停止し戸開閉を行って、走行するまでに戸開動作が何回繰り返されたかをカウントするものである。
【0054】
異常判定手段29は、例えば、挟まれが検出され、それにより戸開動作が行われた時、フラグを立ててその回数をカウントし、戸開動作カウンタ28によるカウント値が一定値、例えば、5回を超えた際に異常が生じているものと判定する。そのような判定をするためのロジックは、制御部やマイコン等に設けることが出来る。尚、一定値は、適宜変更可能である。
【0055】
異常判定手段29によって異常と判定した場合には、挟まれが連続的に繰り返して生じていることになるので、早急に対応する必要がある。そのような要因としては、例えば、いたずらや機器類の異常等が挙げられる。そこで、異常判定手段29によって「挟まれが連続的に生じている」と判定した旨の情報をエレベータに付設されている遠隔監視端末30に信号を送り、監視センター31へと情報を発信する。尚、情報発信は、建物内に存在する監視施設等でも良い。併せて、「かご呼びの有無」、「人の有無」等の情報を発信してもよい。
【0056】
このような構成により、全閉時物体挟まれ検知手段23及び戸閉中物体挟まれ検知手段26によって戸開動作を行った後に再び戸閉動作を行い、挟まれが検知されず安全な走行が確認出来るまで前記動作を繰り返す。同じ階において連続して複数回の戸開と戸閉の繰り返し動作が行われた場合、エレベータ装置のいずれかの箇所に異常が発生していると判定し、監視センターへと通報する。
【0057】
連続的に戸開と戸閉を繰り返す動作が行われた場合、機器の異常による誤動作の可能性がある。また、複数のペットを連れた乗客が、一人では対処出来ない状況になっている可能性もある。また、かごと乗場間におけるいたずら行為がおこなわれている可能性もある。このような状況に対して監視センターへ情報を発信することにより、作業員を現場に向かわせ、異常の有無等を含めた状況確認を行うことも可能となる。
【0058】
第5の実施形態によれば、戸閉と戸開を繰り返す動作を同じ階において連続して複数回行われた場合、これを異常であると判定し、監視センターへと通報する。機器の異常による誤作動、いたずら行為等の可能性があるため、作業員を現場に向かわせ、状況確認を行うことで、運転効率の向上を可能とする。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化出来る。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成出来る。例えば、実施形態に示された全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…かご
2…ドア
3…監視カメラ
4…監視領域
5…紐状物体
6a…ドアパネル先端
6b…ドアパネル先端
20…監視装置
21…信号変換手段
22…画像信号記憶部
23…全閉時物体挟まれ検知手段
24…物体挟まれ時の戸開手段
25…エレベータ制御装置
26…戸閉中物体挟まれ検知手段
27…物体挟まれ時の戸開延長手段
28…戸開動作カウンタ
29…異常判定手段
30…遠隔監視端末
31…監視センター
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体の挟まれ検知に係り、特に、エレベータの戸における物体挟まれ検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータの戸の間に人や物が挟まれると、機械的なスイッチによりそれらの挟まれを検知し、戸開動作が行われている。しかし、スイッチの接触不良やねじの弛みによる脱落等の故障時には、挟まれが生じる恐れがある。
【0003】
また、ペットと飼い主とを繋ぐ紐や綱等細い紐状の物体や幼児の手指等は検知出来ないことがあった。エレベータの戸が閉じ、ペットと利用者とを繋ぐ紐や綱が戸に挟まれることで、かごの中と乗場に分かれてしまい、その状態でかごが移動を開始すると、ペットと利用者の双方に危険が及ぶ恐れがある。特に、利用者が紐を手に巻きつける等の固定をした状態だと即座に紐を手放すことが出来ないため、ペットが首等を負傷する、利用者が転倒する、あるいは手首を負傷する等の事故となる可能性がある。
【0004】
そこで、戸閉時において物体を検知し、エレベータの走行を停止する方法として、乗降口下部に垂直方向の光を上方へと出力する投光手段と、乗降口上部に出力された光を受光する受光手段を設け、光が遮られた時、戸の間に物体が挟まれていると判定する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、鋸歯状の溝を設けた接触棒によって紐状物体を検知した際に、エレベータの運転を阻止するものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、ペット等の紐が挟まれる状況のみを回避するために、紐状物体にICタグを取付け、かごにICタグ読取装置を設けることで紐状物体を検知し、かご内に全ての紐状物体が乗ったことを確認した後、戸閉動作を行うことが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−169009号公報
【特許文献2】特開2008−297120号公報
【特許文献3】特開2009−35376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の手法では、出入口下部に設けられたかご敷居の溝に小型センサから成る装置を取付け、出入口上部に超小型赤外チップや超小型マイクロスイッチ等から成る装置を取付けなければならない。加えて、戸の全閉時に赤外線を垂直方向に通すため、戸当たりゴムの形状を凹状にしなければならず、既存のエレベータに対しての取付けを行う改修工事にかなりの時間を要するという問題がある。
【0009】
また、特許文献2記載の手法では、鋸歯状の溝を設けた接触棒が必要となるため、改修工事に時間を要する。
【0010】
加えて、これら2件の手法では、戸が完全に閉じた状態である全閉時に挟まれが生じているかを判定するため、必ず戸を全閉しなければならない。そのため、戸閉動作を開始したときからドアパネル先端を基点として物体が常に接している等、全閉することで挟まれが生じる状況であっても、戸閉動作を途中で中止し戸開動作へと移行することが出来ない、という問題があった。
【0011】
また、特許文献3記載の手法では、紐状物体にICタグが取り付けられていることが必須条件であり、全てのエレベータ利用客に対して有効とはいえない。
【0012】
そこで、本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、既存のエレベータに対しても、取付けが容易で、エレベータの戸の全閉時だけではなく戸閉の途中においても物体挟まれが生じる状況では、確実に戸開させ、かごが走行してしまうのを回避することが出来るエレベータの物体挟まれ検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、前記検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システムが提供される。
【0014】
また、本発明の別の一態様によれば、エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時における戸のドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、前記検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エレベータの戸の全閉時だけではなく戸閉の途中においても物体挟まれが生じる状況では、確実に戸開させてかごの走行を防止するので、全てのエレベータ利用客に対して挟まれ時の対処が安全に提供することが出来る。また、既存のエレベータに対しても、取付けが容易であり、改修費用も低廉とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図2】監視カメラ3からドア2側を見下ろした図である。
【図3】本実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図6】第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。
【図7】第2の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第3の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第4の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【図12】第5の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、エレベータのかごのドアの全体構成を示す正面図である。図1において、1はエレベータのかごである。かご1には、着床時に水平方向に開閉するドア2が設けられている。ドア2は、エレベータ利用者の乗降口となる。乗降口上部であって、ドア2が閉じる境目の上部に監視カメラ3が設置されている。監視カメラ3は、エレベータのかご1乃至乗場の乗降口上部に設定される監視領域4を、所定のフレーム間隔で上部から下方に向かって連続的に撮影する。尚、本発明においては、乗客が乗る際に開閉するパネル全体を「ドア」、開閉するパネルそれぞれを「戸」と称して説明している。
【0019】
図2は、監視カメラ3からドア2側を見下ろした図を示している。戸の状態は全閉であり、実際にドア2に物体が挟まっている状況を示している。図2では、監視領域4中に、紐状物体5が挟まっている状況を示している。予め、監視カメラ3で戸の全閉状態でドア2に何も挟まっていない正常な状況を撮像し、その際の画像情報を記憶しておく。記憶媒体については、後述する。正常時の画像情報と、ドア2に物体が挟まっている状況下での画像情報を比較することにより、図2に示すような紐状物体5が挟まっている状態を検知するものである。
【0020】
ここで、「検知する物体」とは、戸の全閉時にドアパネル先端による直線を基点として連続的に観測される物体を指す。したがって、連続的に観測される物体でも、ドア2に接していない物体に関しては、挟まれが生じていると判定しない。例えば、かご内乗客の持ち物である鞄、ストラップ等は、ドア2に接していない場合には、挟まれが生じていると判定しない。また、ドア2に接しているか否かは、別途センサ等を備えることなく、監視カメラ3で判定している。
【0021】
本実施形態では、戸が中央開きの場合を例として挙げたが、片開きの場合にも監視カメラ3の設置位置を移動させるだけで、同様に物体の検知が可能である。すなわち、戸が中央開きの場合、戸閉動作により戸閉端は中央(左右の戸が当たるのは中央)となるので、監視カメラ3の設置位置は中央が最適となる。一方、片開きの場合、戸は左から右へ、あるいは右から左へという一方向の動きとなり、戸閉端は右端か左端となる。したがって、片開きの場合には、右端か左端のどちらかに監視カメラ3を設置することで対応出来る。
【0022】
図3は、本実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、エレベータ制御装置25から構成されている。監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23から構成されている。全閉時物体挟まれ検知手段23は、例えば、監視カメラ3による監視領域4を網目状に細分化し、通常時(ドア付近に人や物体が存在しない時)のブロック化された画像情報と比較することで、構成することが出来る。比較したブロック間のうち、どのブロックに差異があるか、差異のあるブロックの繋がりの程度、ドアが閉じていくことでドアに沿ってその繋がりを保持したまま移動しているか等を、ドアパネルに沿うように接している物体を検出した際の画像と数秒後の画像あるいは数秒後までの連続的な画像を比較することで判定が可能となる。
【0023】
全閉時物体挟まれ検知手段23により物体が挟まれているかの判定を行い、物体挟まれ時の戸開手段24にてドア開の要否判断を行い、ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0024】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。
【0025】
図4は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0026】
まず、戸閉動作(ステップS40)を行い、戸が完全に閉じた状態である全閉状態(ステップS41)へと移行する。次に、全閉状態で、物体挟まれ時の戸開手段24においてドア2に物体の挟まれが生じていないかを判定する(ステップS42)。物体の挟まれが生じていないと判定した場合は、エレベータ制御装置25に対してエレベータの走行を許可し、エレベータが走行を開始する(ステップS43)。
【0027】
一方、物体の挟まれが生じていると判定した場合には、戸開動作(ステップS44)を行う。その後、ステップS40に戻って、戸閉動作を行い、再び物体を検知しない場合はエレベータが走行開始する。
【0028】
第1の実施形態によれば、乗降口上部に設置された監視カメラの画像を用いて、ドアパネル先端による直線を基点として、連続的に観測される物体の有無を確認するので、全閉時における物体の挟まれが生じていると判定した場合に戸開動作を行うことで、物体が挟まれた状態でかごが走行するのを回避することが出来る。
【0029】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、戸閉中において戸の閉動作と連動して動く物体を検知した際に、全閉することで物体が挟まれる可能性が高いと判定し、戸開動作を行うものである。
【0030】
図5、図6は、第2の実施形態に係り、エレベータのかごのドア2の全体構成を示す正面図である。図5では戸閉を開始したドア2を示しており、6aと6bはドアパネル先端である。紐状物体5が乗場からかご内へと、ドアパネル先端6aに沿って伸びている。
【0031】
図6は、戸閉動作によりドア2を全閉する直前の様子を表わしている。図5でドアパネル先端6aに沿ってかご1内へと伸びていた紐状物体5が、戸閉動作を行っている戸と連動して移動している。ドアパネル先端6aに沿うように接している物体を検知した際の画像と数秒後の画像又は数秒後までの連続的な画像を比較する。ドアパネル先端6aとドアパネル先端6aに沿ってかご内へと伸びている物体が、両方又は全ての比較対象画像において確認された場合、このまま戸閉し全閉することで、観測されている物体が挟まれる可能性が高いと判定し戸開動作を行う。
【0032】
例えば、戸が中央開きでかご乗降口の幅が800mmという条件下での動作を説明する。標準的な戸閉速度の場合、戸閉動作を開始して全閉するまでに約2.5秒の時間を要する。ドアパネル先端6aに沿うように接している物体を検知した際の画像と検知後0.5秒後の画像とを比較する。両画像においてドアパネル先端とドアパネル先端に沿ってかご内へと伸びている物体が確認された場合、戸開動作を行う。物体を検知した時点にもよるが、検知後0.5秒経過したとすると戸は80mm前後閉まることになる。このような時間的余裕を持たせることで、物体が戸と連動して移動することを誤検知なく判定することが可能となる。
【0033】
上記した条件は一例であり、戸が中央開きか片開きか、乗降口の幅、戸閉するドアの速度等によって戸閉に要する時間が変化する。全閉するまでに要する時間が変化することで、物体検知時と比較する画像を0.5秒経過後よりも早くする或いは遅くするのが適切な場合もある。エレベータの仕様条件により、物体検知後と比較する画像を早くする等、比較対象とするドアパネル先端の位置を設定出来る。また、検知時の画像と比較するための画像を3画像以上または断続的又は連続的な画像全てを対象にするように設定出来るものとすることで、エレベータの条件および仕様等により多様な選択が可能となる。
【0034】
図7は、第2の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。図7に示すように、監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。戸閉中物体挟まれ検知手段26により、戸閉中に物体が挟まれる可能性が高い状況であるかを判定する。判定の結果に応じて、物体挟まれ時の戸開手段24にてドア開の要否判断を行う。ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0035】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。図8は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
まず、戸閉動作を開始し(ステップS80)、直後に、閉まる戸と連動した物体の検知を行う(ステップS81)。物体を検知しなかった場合は、戸が完全に閉じた状態である全閉状態(ステップS82)へと移行する。次に、エレベータが走行開始(ステップS83)する。一方、ステップS81において、戸と連動した物体を検知した場合には戸開動作(ステップS84)を行い、ステップS80に戻る。
【0037】
第2の実施形態によれば、戸閉動作を開始した際、ドアパネル先端に沿ってかご内へと伸びている物体があり、戸閉動作と連動して移動する等の状況が観測された場合、上記物体が挟まれる可能性が高いと判定し戸開動作を行う。実際に物体が挟まれてから判定する第1の実施形態とは異なり、挟まりを未然に回避することが可能となる。
【0038】
機械的スイッチでは、紐状物体は検知しにくいが、それ以外にも、幼児が戸閉中のドアパネル端部に手や指を当てている場合等、手が小さく柔らかいということで検知出来ない可能性がある。しかしながら、第2の実施形態によれば、このような危険が伴う子供のいたずら行為に対しても、事故となる前に回避出来る。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。上述してきたように、第1の実施形態では、戸閉した瞬間にドアパネル先端の基点から連続的に観測される物体を検知しているため、挟まれが生じる可能性が高い状況であっても、一度全閉しなければ戸開指令を出力しない。また、第2の実施形態では、連続的に観測される物体が戸閉動作に連動しなければ、挟まれが生じるものとして判定しないため、戸閉端に接していない物体が確認された場合あるいは全閉直前に物体が確認された場合には挟まれが生じても戸開指令を出力しない。
【0040】
第3の実施形態では、第1の実施形態の特徴と第2の実施形態の特徴を併用させることで、戸閉中および全閉時における検知を可能とし、戸閉動作の開始から全閉までを挟まれ検知範囲とする。
【0041】
図9は、第3の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。
【0042】
図9に示すように、監視装置20は、監視カメラ3と、監視カメラ3からの画像信号を取り込んでAD変換する信号変換手段21と、デジタル信号を記憶する画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。第3の実施形態では、画像信号記憶部22の後段に、全閉時物体挟まれ検知手段23と戸閉中物体挟まれ手段26の両方を設け、実際に挟まれが生じる又は生じる可能性が高い状況が発生している際に、どちらか一方が挟まれを検知又は挟まれが生じる可能性が高いと判定した場合、物体挟まれ時の戸開手段24により戸開指令を出力する。ドア開と判定した場合には、物体挟まれ時の戸開手段24からエレベータ制御装置25に対して、戸開指令を出力する。
【0043】
次に、このような構成において、物体挟まれ検知処理の流れを説明する。図10は、本実施形態における物体挟まれ検知処理の流れを示すフローチャートである。
【0044】
まず、戸開動作(ステップS100)を開始した直後に、戸の閉動作と連動した物体の検知をしなかった否かの判定を行う(ステップS101)。物体を検知しなかった場合は戸閉動作を続け、全閉状態へと移行する(ステップS102)。次に、挟まれが生じていないか否かを判定する(ステップS103)。挟まれが生じていないと判定した場合は、エレベータが走行開始する(ステップS104)。
【0045】
一方、ステップS101において戸の閉動作と連動した物体を検知した場合及びステップS103において挟まれが生じていると判定した場合には、戸開動作(ステップS105)を行い、ステップS100に戻る。
【0046】
第3の実施形態によれば、戸閉中および全閉時における挟まれの検知が可能となり、戸閉動作の開始から全閉までを挟まれ検知範囲とすることが可能となる。
【0047】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図11は、第4の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、物体挟まれ時の戸開延長手段27と、エレベータ制御装置25から構成されている。監視装置20は、監視カメラ3と、信号変換手段21と、画像信号記憶部22と、全閉時物体挟まれ検知手段23と、戸閉中物体挟まれ検知手段26から構成されている。
【0048】
第4の実施形態においては、物体の挟まれが生じる或いは挟まれが生じる状況により戸開動作が必要と判定されたとき、物体挟まれ時の戸開手段24において戸開指令を出力するが、その際に、物体挟まれ時の戸開延長手段27を設けている。物体挟まれ時の戸開延長手段27は、全閉時物体挟まれ検知手段23および戸閉中物体挟まれ検知手段26により戸開動作が行われた場合に、戸開時間を延長する指令を出力するものである。
【0049】
上述したように、第1乃至第4の実施形態によれば、挟まれを検知した際、すぐに移動可能な物体又は紐状物体等の場合は、戸開動作を行うことで再び挟まれることを回避出来る。しかしペットを連れた乗客が、かごと乗場に分かれてしまい、ペットを繋ぐ紐が戸に挟まれた場合、通常の戸開時間ではどちらかに移動することができず、再び戸閉動作と戸開動作を行う可能性がある。かご又は乗場に他の利用者が存在する場合は戸開ボタンを押してもらうことが可能であるが、単独の際には、戸閉して紐が挟まれたことによる一時的なパニック状態に陥り戸開ボタンを押すことを失念する、複数のペットを連れていて両手が塞がっている等の状況においては容易に戸開ボタンを押すことが出来ない、という可能性がある。そこで、第4の実施形態においては、全閉時物体挟まれ検知手段23および戸閉中物体挟まれ検知手段26により戸開動作が行われた場合に、戸開時間を延長する。延長する時間は適宜設定することが出来る。
【0050】
第4の実施形態によれば、戸開時間を延長することで、実施形態に記載のようなペットを連れた乗客に対して、パニック状態に陥った乗客や複数のペットを連れている乗客に余裕を持って乗降してもらうことが可能となる。
【0051】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図12は、第5の実施形態に係る物体挟まれ検知システムの構成を示すブロック図である。この物体挟まれ検知システムは、大別すると、監視装置20と、物体挟まれ時の戸開手段24と、物体挟まれ時の戸開延長手段27と、エレベータ制御装置25と、戸開動作カウンタ28と、異常判定手段29と、遠隔監視端末30と、監視センター31から構成されている。
【0052】
第5の実施形態においては、挟まれが生じて戸開が必要と判定し、物体挟まれ時の戸開手段24により戸開指令を出力する際に、戸開動作カウンタ28と異常判定手段29を設けている。
【0053】
戸開動作カウンタ28は、かごが階に停止し戸開閉を行って、走行するまでに戸開動作が何回繰り返されたかをカウントするものである。
【0054】
異常判定手段29は、例えば、挟まれが検出され、それにより戸開動作が行われた時、フラグを立ててその回数をカウントし、戸開動作カウンタ28によるカウント値が一定値、例えば、5回を超えた際に異常が生じているものと判定する。そのような判定をするためのロジックは、制御部やマイコン等に設けることが出来る。尚、一定値は、適宜変更可能である。
【0055】
異常判定手段29によって異常と判定した場合には、挟まれが連続的に繰り返して生じていることになるので、早急に対応する必要がある。そのような要因としては、例えば、いたずらや機器類の異常等が挙げられる。そこで、異常判定手段29によって「挟まれが連続的に生じている」と判定した旨の情報をエレベータに付設されている遠隔監視端末30に信号を送り、監視センター31へと情報を発信する。尚、情報発信は、建物内に存在する監視施設等でも良い。併せて、「かご呼びの有無」、「人の有無」等の情報を発信してもよい。
【0056】
このような構成により、全閉時物体挟まれ検知手段23及び戸閉中物体挟まれ検知手段26によって戸開動作を行った後に再び戸閉動作を行い、挟まれが検知されず安全な走行が確認出来るまで前記動作を繰り返す。同じ階において連続して複数回の戸開と戸閉の繰り返し動作が行われた場合、エレベータ装置のいずれかの箇所に異常が発生していると判定し、監視センターへと通報する。
【0057】
連続的に戸開と戸閉を繰り返す動作が行われた場合、機器の異常による誤動作の可能性がある。また、複数のペットを連れた乗客が、一人では対処出来ない状況になっている可能性もある。また、かごと乗場間におけるいたずら行為がおこなわれている可能性もある。このような状況に対して監視センターへ情報を発信することにより、作業員を現場に向かわせ、異常の有無等を含めた状況確認を行うことも可能となる。
【0058】
第5の実施形態によれば、戸閉と戸開を繰り返す動作を同じ階において連続して複数回行われた場合、これを異常であると判定し、監視センターへと通報する。機器の異常による誤作動、いたずら行為等の可能性があるため、作業員を現場に向かわせ、状況確認を行うことで、運転効率の向上を可能とする。
【0059】
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化出来る。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成出来る。例えば、実施形態に示された全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1…かご
2…ドア
3…監視カメラ
4…監視領域
5…紐状物体
6a…ドアパネル先端
6b…ドアパネル先端
20…監視装置
21…信号変換手段
22…画像信号記憶部
23…全閉時物体挟まれ検知手段
24…物体挟まれ時の戸開手段
25…エレベータ制御装置
26…戸閉中物体挟まれ検知手段
27…物体挟まれ時の戸開延長手段
28…戸開動作カウンタ
29…異常判定手段
30…遠隔監視端末
31…監視センター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、
前記検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項2】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時における戸のドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、
前記検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項3】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、
前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時におけるドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、
前記全閉時物体挟まれ検知手段により物体の挟まれを検知した際又は前記戸閉中物体挟まれ検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項4】
前記戸開手段によりエレベータが戸開した際に、戸開時間を延長させる戸開延長手段とを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項5】
前記戸開手段によりエレベータが戸開した際に、戸開回数を数える戸開動作カウンタと、
前記戸開動作カウンタにより一定回数以上の戸開が検知された際に異常と判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段により異常と判定した際に、エレベータを監視する監視施設に通報する通報手段を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項1】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、
前記検知手段により物体の挟まれを検知した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項2】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時における戸のドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、
前記検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項3】
エレベータのかごから乗場の乗降口上部にかけて設定される監視領域を撮影する監視カメラと、
前記監視カメラで得られた画像信号を記憶する画像信号記憶部と、
前記画像信号記憶部に記憶された物体が戸に挟まれていない正常時の画像信号との対比により、戸のドアパネルが全閉した時、前記ドアパネルの先端によって形成される直線を基点として、連続的な物体が観測されたときに、当該物体が戸に挟まれていると判定する全閉時物体挟まれ検知手段と、
前記画像信号記憶部に記憶された画像信号により、戸閉時におけるドアパネルの先端を基点として連続的な物体が観測され、戸閉動作と連動して物体が移動した際に挟まれが発生すると判定する戸閉中物体挟まれ検知手段と、
前記全閉時物体挟まれ検知手段により物体の挟まれを検知した際又は前記戸閉中物体挟まれ検知手段により物体の挟まれが発生すると判定した際に戸開動作を行う戸開手段とを具備したことを特徴とするエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項4】
前記戸開手段によりエレベータが戸開した際に、戸開時間を延長させる戸開延長手段とを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエレベータの物体挟まれ検知システム。
【請求項5】
前記戸開手段によりエレベータが戸開した際に、戸開回数を数える戸開動作カウンタと、
前記戸開動作カウンタにより一定回数以上の戸開が検知された際に異常と判定する異常判定手段と、
前記異常判定手段により異常と判定した際に、エレベータを監視する監視施設に通報する通報手段を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエレベータの物体挟まれ検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−93702(P2011−93702A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251905(P2009−251905)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]