説明

エレベータ試験装置

【課題】乗りかごのかご位置信号を取り出す機械的な旧製品の電子化代替品の開発に際し、過大な設備を不用とし、より実機に近い状態で電子化代替品を検証することにある。
【解決手段】 このエレベータ試験装置20は、呼び信号を入力する呼び入力装置21と、入力される呼び信号を登録し、登録された呼びのもとに運転指令及び所定速度指令値を決定し出力するシーケンス制御装置22と、決定された運転指令及び速度指令値に従って電動機51aを回転駆動し乗りかごの昇降動作を模擬制御するモータ制御装置58aと、電動機51aの回転軸に取付けられた位置検出手段23a,23bとを有する。位置検出手段23a,23bから電動機の回転数信号を取り出し、電子化代替品10及びシーケンス制御装置22に送出し、それぞれ回転数信号からかご位置信号を生成し、検証結果をシーケンス制御装置22に帰還させ、電子化代替品10の動作を検証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかごのかご位置信号を取り出す旧エレベーシステムの機械的な階床選択器を電子化した場合の電子化代替品であるエレベータ位置制御装置を検証するエレベータ試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図3は従来の一般的なエレベータシステムの構成を示す図である。同図において、51は昇降路上部の機械室に設置される電動機及びメインシーブからなる巻上機であって、この巻上機51にはメインロープ52が掛け渡されている。メインロープ52の一端部には乗りかご53、メインロープ52の他端部にはカウンタウェイト54が吊り下げられている。55は乗りかご53の運転制御を司るエレベータ制御装置である。
【0003】
エレベータ制御装置55は、各階の乗場に設置される乗場呼びボタン56の操作もしくはかご53内操作パネルから行先階を指定するかご呼びボタン57の操作による呼びを登録した後、この登録された呼びに基づいて運転方向を表す運転指令及び速度指令等の制御指令をモータ制御装置58に送出し、巻上機51を回転駆動する。巻上機51を構成する電動機の回転力をメインシーブに伝達し、このメインシーブとメインロープ52との摩擦力を利用し、乗りかご53を昇降動作させる。これら一連の構成要素51〜58はかご運転制御系を構成する。
【0004】
また、昇降路上部の機械室にはテープ車61を備えた階床選択器62が設置されている。階床選択器62は、後記するように旧エレベータシステムの機械的なかご位置制御に関する信号を取り出す機能を持っている。この階床選択器62に設置されるテープ車61の真下の昇降路下部にはテープ引張りシーブ63が配置されている。これらテープ車61とテープ引張りシーブ63とに例えば金属板などのテープ64が掛け渡され、当該テープ64両端部が乗りかご53の上下部に取付けられている。テープ車61周面部には図4(a)に示すように所定間隔を有して突起体61a,…が突設され、またテープ車61にはギア61bが取付けられている。また、テープ64の面部には図4(b)に示すようにテープ車61周面部の突起体61a,…に係合するための引掛け穴64a,…が設けられている。
【0005】
さらに、階床選択器62は、テープ車61と、当該テープ車61の回転軸のギア61bに噛合って回転運動を上下方向の直線運動に変換する通電ブラシを有するかご位置検出アームを有する同期移動台(図示せず、以下同期台という)と、当該同期台のかご位置検出アームに対面して上下方向に停止階の階間に対応して所定間隔で配置される各階端子(図示せず)とが設けられている。そして、階床選択器62は、かご位置検出アームのブラシが各階端子に接触したとき、当該階端子から乗りかご53のかご位置を表すかご同期位置信号(以下、かご位置信号と呼ぶ)をエレベータ制御装置55に送出する機能を持っている。すなわち、この階床選択器62は、乗りかご53の昇降動作と連係してテープ車61を正転・逆転させ、かつ前述するギア61b、かご位置検出アーム等の機械的な縮尺動作機構を用いて、乗りかご53の昇降動作に伴うかご位置信号を取り出し、エレベータ制御装置55に送出する。65は昇降路内の各階床から一定の距離範囲内に設定される遮蔽板、66は乗りかご53側に取付けられたリミットスイッチである。リミットスイッチ66は、例えば断面コ字形状部に形成され、遮蔽板65がコ字形状部内を通過したときの遮光信号をエレベータ制御装置55に送出し、かご停止指令を生成可能にする。これら一連の構成要素61〜66はかご位置制御系を構成する。
【0006】
さらに、階床選択器62の同期台には、各階から呼び登録階に向かうときにかご進行方向に前進移動し、減速可能距離分かご53と同期して先行する前進移動台(図示せず)が取付けられている。当該前進移動台にも通電ブラシを有するかご呼び検出用アーム(図示せず)、乗場上昇呼び検出用アーム(図示せず)、乗場下降呼び検出用アーム(図示せず)及び各検出用アームに対面して上下方向に停止階の階間に対応して所定間隔で配置される各階端子(図示せず)が設けられている。
【0007】
そして、上記のかご呼び検出用、乗場上昇呼び用、乗場下降呼び用の各端子台では、乗場ボタン56もしくはかご呼びボタン57が登録されることにより当該端子台が加電圧され、前進移動台はいずれかのアームが加電圧されている検出信号をエレベータ制御装置55に送出し、減速指令を生成可能にすると共に、該当の呼びを消去する機能を有する。
【0008】
また、前進移動台はエレベータ制御装置55よりの減速指令を受け、端子台と同様に設けられたロック台に前進移動台をロックすることにより、ロックされた前進移動台とかごの動きにより動作する同期台との距離に比例した値が速度指令値における減速指令値として算出される。
【0009】
65は昇降路内の各階床から一定の距離範囲内に設定される遮蔽板、66は乗りかご53側に取付けられたリミットスイッチである。リミットスイッチ66は、例えば断面コ字形状部に形成され、遮蔽板65がコ字形状部内を通過したときの遮光信号をエレベータ制御装置55に送出し、前記階床選択器62のかご位置信号に対し、より精密なかご停止指令を生成する。これら一連の構成要素61〜66はかご位置制御系を構成する。
【0010】
従って、このようなエレベータシステムのエレベータ制御装置55は、乗場呼びボタン56もしくはかご呼びボタン57が操作されときに呼び登録を行った後、この登録された呼びと階床選択器62のかご位置信号とに基づいて上下何れの方向を表す運転指令、登録された呼びとかご位置に関する信号とに基づいて速度指令を算定し、運転指令及び速度指令等の制御指令を出力し、モータ制御装置58に送出する。モータ制御装置58は、制御指令に従って巻上機51の電動機を回転動作させるとともに、当該巻上機51から回転速度及びトルクのフィードバック信号を受け、速度指令となるように巻上機51の電動機を速度制御する。
【0011】
次に、前記エレベータ制御装置55及び階床選択器62の制御動作に関連する構成について図5を参照して説明する。エレベータ制御装置55には、呼び登録・消去回路55aと、方向選択回路55bと、運転指令回路55cと、加速・低速の速度指令値を算出する第1の速度指令値算出回路55dと、減速時の速度指令値を算出する第2の速度指令値算出回路55eと、速度選択回路55fとが設けられている。
【0012】
一方、階床選択器62には乗りかご53の昇降動作に同期して昇降することによりかご位置信号を取得する同期位置(かご位置信号)算定部62aと、運転指令部62bと、前進位置算定部62cとが設けられている。
【0013】
前記呼び登録・消去回路55aは、各呼びボタン56,57の操作に伴う呼びを登録した後、登録された呼びを方向選択回路55bに送出する。方向選択回路55bは、登録された呼びと階床選択器62の同期位置算定部62aから出力されるかご位置信号とから運転方向を決定し運転指令回路55cに送出する。ここで、運転指令回路55cは、方向選択回路55bで決定された運転方向に基づいて運転指令を第1の速度指令値算出回路55d、速度選択回路55f,モータ制御装置58に送出し、かつ運転指令を階床選択器62の動作指令部62bに送出する。第1の速度指令値算出回路55dは、予め定める速度パターンのもとに加速・定速時の速度指令値を算出して速度選択回路55fに送る。速度選択回路55fは、運転指令のもとに加速・定速時の速度指令値を選択し、モータ制御装置58を介して巻上機51の電動機を回転始動する。
【0014】
一方、運転指令回路55cから運転指令を受けた階床選択器62の動作指令部62bは、動作指令に基づいて同期位置算定部62a及び前進位置算定部62cを動作する。同期位置算定部62aは、前述するように乗りかご53の昇降動作に同期してかご位置信号を方向選択回路55bに送出する。また、前進位置算定部62cは、高速に減速距離に見合う距離だけ前進移動台をかご進行方向に前進移動させ、乗りかご53の昇降速度と同期して昇降動作する。
【0015】
乗りかご53の走行に従い、呼び登録・消去回路55aが、前進位置算定部62cから前進移動台が呼びを検出することによりロックされたことを受けて、登録済みの呼びを消去するとともに、呼び登録消去信号を方向選択回路55bを介して運転指令回路55cに送出する。運転指令回路55cは、呼び登録消去信号に基づいて速度選択回路55fに第2の速度指令値算出回路55eの速度指令を選択する減速指令を送出する。また、運転指令回路55cは階床選択器62の動作指令部62bにも停止指令を送出すると、この動作指令部62bは前進位置算定部62cに前進位置信号の停止指令を出す。ここで、前進位置算定部62cは、前進移動台がロック台にロックした後に前進移動台の収縮する距離に比例する信号を第2の速度指令値算出回路55eに送る。よって、第2の速度指令値算出回路55eは、距離に比例する信号から減速度指令値を算出し、速度選択回路55fを通してモータ制御装置58に送る。モータ制御装置58は、減速度指令値に従って巻上機51の電動機を減速回転させる。
【0016】
しかる後、エレベータ制御装置55の方向選択回路55bが階床選択器62の同期位置算定部62aから呼び登録階に到着したかご位置信号を受け取り、かつリミットスイッチ66から乗りかごが一定の距離範囲内に入ったことの信号を受けているとき、運転指令回路55cを介して停止指令をモータ制御装置55及び階床選択器62の動作指令部62bに送出し、巻上機51の電動機及び同期位置算定部62aを停止させる。
【0017】
なお、先行文献としては、本発明装置の実現するに至る経緯を容易に理解可能にする点から後記する(特許文献1)。
【特許文献1】特開平2−70683号公報(第1図参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、以上のような旧エレベータシステムでは、階床選択器62は、前述したように機械的な動作用品を主体に構成され、日常的に長い時間帯にわたって乗りかご53の昇降動作とともに動作する。その結果、一部の動作用品は寿命が短く、機械的な動きを伴う縮尺動作機構であることから機械的な動作用品の損傷、摩耗等が激しく、位置ずれを起こし易い。よって、頻繁に保守点検や動作用品の交換を行う必要がある。さらに、制御の一部として正確に動作させる必要があることから、保守点検や動作用品の交換作業時にかなり高度な調整技能を必要とする。
【0019】
そこで、動作用品の短寿命及び高度の調整技能の必要性から開放させるためには、旧エレベータシステム、特に階床選択器62のようなかご位置検出に関わる製品の代替品として電子化することが望ましい。
【0020】
また、かご位置検出に関わる製品の代替品を電子化した場合でも、この電子化代替品を模擬的に総合検証し、各構成要素例えばエレベータ制御装置55との連係が適切に行われるか否かを検証する設備である模擬的なエレベータ試験装置が必要となる。このエレベータ試験装置としては、昇降路側の乗りかご3、リミットスイッチ66の他、機械室側の巻上機51、エレベータ制御装置55、モータ制御装置58も必要となる。
【0021】
一般に、昇降路側機器は一般の新製品に置換えて使用することが可能であるが、図3に示すように機械式の階床選択器62のごとく、旧エレベータ制御品の一部であるかご位置制御に関わる製品の電子化による代替品を総合検証する場合、新たに旧エレベータ制御装置5等の旧製品を準備する必要があり、電子化代替品を検証するための試験装置が過大となる。また、旧エレベータ制御装置5を準備する場合でも、制御装置に使用する電子部品の製造中止等により、試験装置としてのエレベータ制御装置が製造できなくなり、電子化代替品の総合検証ができなくなる。特に、エレベータ制御では、かご位置制御が重要な要素であり、電子化による代替品の総合検証が必要不可欠である。
【0022】
ところで、模擬的なエレベータ試験装置としては、既に提案されたものがある(前述した特許文献1)。このエレベータ試験装置は、エレベータ制御装置及び群管理制御装置にパソコンなどの保守装置を接続し、この保守装置からの動作指令情報から模擬試験指令を生成し、乗りかごの模擬試験動作を実行する。そして、各階乗場の乗場呼びボタンなどの外部機器から取り込んだ選択情報に基づいて前記模擬試験動作中の乗りかごの制御情報に対応した実測情報を実測する。そして、制御情報と実測情報とを比較し、かご呼びに応答しないとか、想定した予測精度に達していない等の異常の有無を診断している。
【0023】
しかし、エレベータ試験装置は、旧エレベータシステムをリニューアルするものでなく、また機械的な位置制御に関わる製品を電子化代替品に置換える際に当該電子化代替品が残りの旧エレベータシステムの旧構成品との間と適正に協働性を取りうるかを検証するものでもない。
【0024】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、乗りかごのかご位置信号を取り出す機械的な旧製品の電子化代替品の開発に際し、過大な設備を不用とし、より実機に近い状態で電子化代替品を検証し、電子化代替品の開発を可能とするエレベータ試験装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、容易に試験項目の追加が可能な柔軟性に富んだエレベータ試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記課題を解決するために、本発明は、エレベータシステムの乗りかごの昇降動作に同期するかご位置に関する信号を取り出す機械的な製品を電子化代替品(以下、被試験体と呼ぶ)に置換え、この被試験体を検証するエレベータ試験装置において、
少なくとも乗場呼び信号を入力する乗場呼び入力部及び行先階を指定するかご呼び信号を入力するかご呼び入力部を有する呼び入力装置と、この呼び入力装置から入力される呼び信号を登録し、この登録された呼びのもとに運転指令及び所定速度の速度指令を決定し出力するシーケンス制御装置と、このシーケンス制御装置で決定された運転指令及び速度指令に従って電動機を回転駆動し、乗りかごの昇降動作を模擬制御するモータ制御装置と、
前記電動機の回転軸に取付けられ、前記乗りかごのかご位置に同期する回転数信号を取り出し、前記被試験体及び前記シーケンス制御装置に送出し、当該被試験体に対してかご位置信号を生成させ、また前記シーケンス制御装置に対して前記呼び登録階に所定の距離範囲内に入ったことによるかご位置信号を生成させる位置検出手段とを設けたエレベータ試験装置である。
【0027】
前記シーケンス制御装置としては、前記被試験体から送られてくる前記かご位置信号と前記登録された呼び又は登録済み呼びの消去とに基づいて運転指令又は減速指令を生成出力し、この運転指令のもとに前記被試験体に対して前記乗りかごの進行方向に減速距離に見合って先行する前進位置信号を動作させ、また前記減速指令のもとに前記被試験体に対して前記前進位置信号の動作を停止させて呼び登録階までの距離に比例する信号を出力させる運転指令手段と、この運転指令手段から出力される運転指令のもとに予め定めた速度パターンに基づいて加速・定格速度指令値を算出する第1の速度指令値算出手段と、前記被試験体から出力される前記呼び登録階までの距離に比例する信号に基づいて減速時の速度指令値を算出する第2の速度指令値算出手段とを設け、前記運転指令手段から出力される運転指令のもとに第1の速度指令値算出手段の加速・定格速度指令値を用いて前記電動機を加速・定速回転動作させ、前記運転指令手段から出力される減速指令のもとに前記第2の速度指令値算出手段の減速度指令値を用いて前記電動機を減速回転動作させるものである。
【0028】
以上のような構成とすることにより、シーケンス制御装置は、電子化したエレベータ位置制御装置がかご位置に関する信号を適正に出力しているかを検証することが可能である。
【0029】
なお、前記位置検出手段としては、前記電動機の回転軸に1つの位置センサ又は2つの位置センサを取付けたものでもよい。1つの位置センサの場合、当該位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を前記運転指令手段及び前記被試験体に送出する。2つの位置センサの場合、一方の位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を、前記乗りかごが前記呼び登録階に所定の距離範囲に入ったことによる減速指令を生成させるために前記運転指令手段に送出し、また、他方の位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を、前記かご位置信号を生成させるために前記被試験体に送出する。特に、1つの位置センサを共用してかご位置に関する信号を生成する場合、一体的であるので位置精度を上げることが可能である。
【0030】
さらに、前記呼び入力装置としては、タッチパネルを施した画面入力装置を設け、呼び信号以外の制御信号を前記シーケンス制御装置に入力するようにすれば、所望とする検証項目を追加することができる。
【0031】
さらに、前記モータ制御装置、前記電動機及び前記位置検出手段に代えて、前記シーケンス制御装置出力側にパルス発信装置を設け、当該シーケンス制御装置にて前記位置検出手段の動作を模擬して前記パルス発信装置を制御することにより、前記パルス発信装置から前記位置検出手段から出力する回転数信号と同じ発信パルスを出力させる構成とすれば、模擬構成用品が少なくなり、試験装置をコンパクト化および低コストに実現可能である。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、乗りかごのかご位置信号を取り出す機械的な旧製品の電子化代替品であるエレベータ位置制御装置の開発に際し、過大な設備を不用とし、より実機に近い状態でエレベータ位置制御装置を検証でき、精度の高い電子化代替品を容易に開発することが可能なエレベータ試験装置を提供できる。
【0033】
また、本発明は、容易に検証項目の追加が可能な柔軟性に富んだエレベータ試験装置を提供できる。
【0034】
また、本発明は、呼び入力等の試験用制御入力のための装置をタッチパネル化することにより、容易に試験項目の追加が可能な柔軟性に富んだエレベータ試験装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0036】
図1は本発明に係るエレベータ試験装置の一実施の形態を示す構成図である。同図において、10はエレベータ位置制御装置である。エレベータ位置制御装置10は、かご位置に関する信号を取り出す製品である例えば階床選択器62の電子化代替品に相当する。従って、エレベータ位置制御装置10は被試験体となる装置である。
【0037】
エレベータ制御装置20はエレベータ位置制御装置(階床選択器62の電子化代替品)10が適正に動作するか否かを検証するための本発明の要部となるエレベータ試験装置である。このエレベータ試験装置20は、呼び入力装置21、シーケンス制御装置22、モータ制御装置58a、乗りかごの昇降動作を模擬する巻上機を構成する電動機51a、第1及び第2の位置センサ23a,23bで構成される。
【0038】
呼び入力装置21は、シーケンス制御装置22に接続され、各階の乗場呼びボタンやかご呼びボタンの操作による呼びに相当する信号をシーケンス制御装置22に入力する機能を持っている。
【0039】
シーケンス制御装置22は、呼び入力装置21,エレベータ位置制御装置10及びモータ制御装置58aに接続されている。シーケンス制御装置22は、呼び入力装置21から入力される乗場呼び信号もしくはかご呼び信号とエレベータ位置制御装置10から出力される乗りかごの昇降動作に同期したかご位置信号とに基づいて運転方向を決定し、この決定された運転方向に基づく運転指令をモータ制御装置58a及びエレベータ位置制御装置10に送出するとともに、速度指令をモータ制御装置58aに送出し、電動機51aを回転動作させる。
【0040】
前記第1及び第2の位置センサ23a,23bは、電動機51aの回転軸に取付けられ、運転指令に伴う電動機51aの正転・逆転動作による回転数信号を検出し、それぞれの回転数信号をシーケンス制御装置22及びエレベータ位置制御装置10に送出する。すなわち、第1の位置センサ23aは、乗りかごが呼び登録階に所定の距離範囲に入ったことによる減速指令を生成させるための回転数信号を取り出し、シーケンス制御装置22に送出する。第2の位置センサ23bは、かご位置信号を生成させるための回転数信号を取り出し、エレベータ位置制御装置10に送出する。
【0041】
シーケンス制御装置22は、第1の位置センサ23aの回転数信号から乗りかごが呼び登録階に所定の距離範囲に入ったことを検知し、電動機51aを減速させるための減速指令を生成する。エレベータ位置制御装置10は、乗りかごの昇降動作に同期する電動機51aの回転数信号からかご位置信号を生成するもので、前述する階床選択器の機能を果たす役割をもっている。
【0042】
図2は呼び入力装置21、シーケンス制御装置22及びエレベータ位置制御装置10の制御動作に関連する構成を示す図である。
呼び入力装置21は、各階の乗場呼びボタンの操作に相当する乗場呼び信号を発生する乗場呼び入力部21aと、かご内操作パネルの行先階指定のかご呼びボタンの操作に相当するかご呼び信号を発生するかご呼び入力部21bが設けられている。乗場呼び入力部21a及びかご呼び入力部21bは、ハード的なスイッチ部品である必要が無く、ソフト的なスイッチで構成してもよい。
【0043】
シーケンス制御装置22は、既存の電子部品を用いて旧エレベータ制御装置等に相当する回路構成を実現し、もしくはソフトウエア的なシーケンスプログラムに従って所定の処理を実行する構成であってもよい。シーケンス制御装置22は、各呼び入力部21a,21bからの乗場呼び信号及びかご呼び信号の呼び登録及び登録済みの呼びを消去する呼び登録・消去手段22aと、方向選択手段22bと、運転指令手段22cと、第1の速度指令値算出手段22dと、第2の速度指令値算出手段22eと、速度選択手段22fとで構成されている。
【0044】
方向選択手段22bは、呼び登録・消去手段22aで登録された呼びとエレベータ位置制御装置10のかご位置信号とに基づいて運転方向を決定する。運転指令手段22cは、方向選択手段22bで決定された運転方向に従って運転指令を第1の速度指令値算出手段22d、速度選択手段22f及びモータ制御装置58aに送出する。また、運転指令手段22cは、運転指令をエレベータ位置制御装置10に送出する。ここで、第1の速度指令値算出手段22dは、所定の速度パターンに基づいて加速・定格の速度指令値を算出し、速度選択手段22fを介してモータ制御装置58aに供給する。モータ制御装置58は、加速・定格の速度指令値に従って電動機51aを回転始動し、加速及び定格運転を実行する。
【0045】
一方、エレベータ位置制御装置10は、機能的には、階床選択器62と同等の機能構成を有するものであって、位置センサ23bから乗りかごの昇降動作を模擬する信号である回転数信号からかご位置に同期したかご位置信号を取得するかご位置信号取得部10aと動作指令部10bと前進位置信号取得部10cとで構成されている。動作指令部12bは、シーケンス制御装置22の運転指令手段22cから運転指令を受け取ると、かご位置信号取得部10a及び前進位置信号取得部10cを動作させ、前進位置信号取得部10cに乗りかごの減速に見合った距離信号を保持する。また、前進位置信号取得部10cは、かご位置信号取得部10aから得られるかご位置信号から呼び登録階に所定距離まで近づいたことを表す前進位置信号を呼び登録・消去手段22aに送出する。その結果、シーケンス制御装置22の運転指令手段22cは、呼び登録・消去手段22aが前進位置信号及び次の呼びを受けて登録済みの呼びを消去した後、呼び登録・消去手段22aから呼び消去信号を受けたとき、エレベータ位置制御装置10の動作動作部10bに停止指令を送出し、電信位置信号取得部10cから呼び登録階までの距離に比例した信号を第2の速度指令値算出手段22eに送出させる。ここで、第2の速度指令値算出手段22eは、呼び登録階までの距離に比例した信号に応じて減速時の速度指令値を算出し、速度選択手段22f及びモータ制御装置58aを介して電動機51aを減速回転させる。
【0046】
さらに、シーケンス制御装置22には、第1の位置センサ23aで検出される回転方向を含む回転数信号から乗りかごが呼び登録階まで一定の距離範囲内に入ったことを表すかご位置信号を出力するかご位置信号取得部22g及びこのかご位置信号取得部22gから出力される信号で動作し運転指令手段22c及びエレベータ位置制御装置10に通知する昇降路スイッチ回路22hが設けられている。運転指令手段22cは、方向選択手段22bを介してエレベータ位置制御装置10から呼び登録階に到着した信号を受け、昇降路スイッチ回路22hから乗りかごが一定の距離範囲内に入ったことの通知を受けたとき、停止指令をモータ制御装置58a及びエレベータ位置制御装置10に送出し、電動機51a及びエレベータ位置制御装置10を停止させる制御を行う。
【0047】
次に、以上のようなエレベータ試験装置を用いて、エレベータ位置制御装置20を検証する例について説明する。
乗場呼び入力部21aもしくはかご呼び入力部21bから階識別可能な呼び信号を入力すると、シーケンス制御装置22の呼び登録・消去手段22aは、呼び信号を図示しないメモリに登録する一方、この登録された呼び信号を方向選択手段22bに送出する。方向選択手段22bは、登録された呼びとエレベータ位置制御装置10のかご位置信号取得部10bから出力されるかご位置信号とから呼び登録階の運転方向を決定し運転指令手段22cに送出する。ここで、運転指令手段22cは、方向選択手段22bで決定された運転方向に基づいて運転指令を自装置内の第1の速度指令値算出手段22d、速度選択手段22fの他、モータ制御装置58a及びエレベータ位置制御装置10の動作指令部10bに送出する。
【0048】
ここで、第1の速度指令値算出手段22dは、予め定める速度パターンのもとに加速・定速時の速度指令値を算出して速度選択手段22fに送る。速度選択手段22fは、運転指令のもとに加速・定速時の速度指令値を選択し、モータ制御装置58aを介して巻上機の電動機51aを回転始動する。
【0049】
一方、エレベータ位置制御装置10の動作指令部10bは、運転指令手段22cから運転指令を受けると、かご位置信号取得部10a及び前進位置信号取得部10cを動作させる。前進位置信号取得部10cは、乗りかごの進行方向に対して減速距離に見合った分だけ先行する前進位置信号を保持する。
【0050】
しかる後、電動機51aの回転動作に伴い、前進位置信号取得部10cがかご位置信号取得部10bからのかご位置信号から乗りかごが呼び登録階から減速距離に見合った分の距離に到達したと判断すると、呼び登録・消去手段22aに前進位置信号を送出する。呼び登録・消去手段22aは、前進位置信号取得部10cから前進位置信号を受け、また呼び入力装置21から次の呼びを受けたとき、登録済みの呼びを消去するとともに、呼び登録消去信号を方向選択手段22bを介して運転指令手段22cに送出する。
【0051】
この運転指令手段22cは、呼び登録消去信号に基づいて速度選択手段22fに第2の速度指令値算出手段22eの速度指令を選択する減速指令を送出する。また、運転指令手段22cはエレベータ位置制御装置10の動作指令部10bにも停止指令を送出する。その結果、動作指令部10bは前進位置信号取得部10cに前進位置信号の停止指令を出す。ここで、前進位置信号取得部10cは、呼び登録階に近づく距離に比例する信号を第2の速度指令値算出手段22eに送る。よって、第2の速度指令値算出手段22eは、距離に比例する信号から減速度指令値を算出し、速度選択手段22fを通してモータ制御装置58aに送る。モータ制御装置58aは、減速度指令値に従って電動機51aを減速回転させる。
【0052】
引き続き、シーケンス制御装置22の方向選択手段22bがエレベータ位置制御装置10のかご位置信号取得部10aから呼び登録階に到着したかご位置信号を受け取り、かつ昇降路スイッチ回路22hから呼び登録階まで一定の距離範囲内に入ったことの信号を受けているとき、運転指令手段22cを介して停止指令をモータ制御装置58a及びエレベータ位置制御装置10の動作指令部10bに送出し、電動機51a及び同期位置信号取得部10cを動作停止させる。
【0053】
従って、以上のような実施の形態によれば、呼び入力装置21から入力される呼び信号に基づき、所定の運転指令及び速度指令のもとに乗りかごの昇降動作を模擬する電動機51aを回転駆動し、この電動機51aの回転方向を含む回転数信号を位置センサ23a,23bで取り出し、かご位置信号を生成する階床選択器であるエレベータ位置制御装置10及び停止指令を生成するための信号をシーケンス制御装置22にフィードバックしているので、電子化代替品であるエレベータ位置制御装置10の一連の動作を正確に検証することができる。しかも、エレベータ試験装置20は、既存の電子部品などを用いて実現できることから、旧エレベータシステムの大半の設備を利用する必要が無く、全体設備をコンパクトに実現でき、設備の大型化を回避することが可能である。
【0054】
また、シーケンス制御装置22は、ソフトウエア的なシーケンスプログラムなどを用いて、CPUが必要な処理を実現でき、さらにコンパクトに実現できる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0056】
(1)上記実施の形態では、巻上機の一部を構成する電動機51aの回転軸に2つの位置センサ23a,23bを取付けたが、例えば1つの位置センサを取付け、この位置センサで得られる回転数信号をシーケンス制御装置22のかご位置信号取得部22g及びエレベータ位置制御装置10のかご位置信号取得部10aに導く構成であってもよい。
【0057】
このように1つの位置センサを用いた場合には、同一の電動機51aから得られる回転数信号源が1つであるので、2つの位置センサ23a,23bの検知精度のばらつきがなくなり、さらに位置制御の整合性を高めることができ、またコストの低減化を図ることができる。
【0058】
(2)上記実施の形態における呼び入力装置21の乗場呼び入力部21a及びかご呼び入力部21bは、前述したようにハード的なスイッチである必要が無く、ソフト的なスイッチを用いて実現できることは言うまでもないが、さらに呼び入力装置21として、タッチパネルを施した画面入力装置を設ければ、例えば速度パターンを変更し、或いは制御盤の種類を変更し、もしくは各階の隣接距離を変更するなど,エレベータ制御の試験項目を追加・変更することが可能となる。例えば速度パターンの変更については、速度変更を対象とするタッチパネルスイッチにタッチし、図示しないメモリに前回設定した速度パターンに上書きするように所望の速度パターンデータを書き込めば、速度指令値算出手段22dは変更された速度パターンデータに基づいて算出することになる。また、速度変更を対象とするタッチパネルスイッチにタッチし、そのタッチ位置の信号を速度指令値算出手段23d,23eに導入し、随時変更可能な算出パラメータを変更すれば、速度パターンを変更することが可能である。さらに、建物の階床が10階であるが、例えば模擬的に15階を想定して乗りかごを模擬的に昇降制御することも可能である。
【0059】
(3) さらに、上記実施の形態では、電動機51aの回転軸に位置センサ23a,23bを設けたが、例えばシーケンス制御装置22の出力側にパルス発信装置を接続し、シーケンス制御装置22の速度指令値算出手段22d、22eから乗りかごの速度指令値に比例する信号をパルス発信装置に印加すれば、当該パルス発信装置から乗りかごの昇降動作に同期したかご位置に相当するパルス信号を出力することができる。よって、シーケンス制御装置22にパルス発信装置を設けることにより、モータ制御装置58a,電動機51a及び位置センサ23a,23bを削除でき、試験設備の小型化をはかりながらエレベータ位置制御装置10の所要の検証を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】旧エレベータシステムの機械的な位置制御に関わる製品を電子代替品としての電子的なエレベータ位置制御装置を検証する本発明に係るエレベータ試験装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】図1に示す呼び入力装置、シーケンス制御装置及び機械的な位置制御に関わる製品を電子化に代替したエレベータ位置制御装置の制御動作に関する構成図。
【図3】従来のエレベータシステム(旧エレベータシステム)の全体構成図。
【図4】図3に示す機械的な位置制御に関わる製品である階床選択器を用いてかご位置同期信号を取得するためのテープ車とテープとの係合関係を説明する図。
【図5】従来のエレベータシステムのエレベータ制御装置及び階床選択器の動作制御に関する構成図。
【符号の説明】
【0061】
10…エレベータ位置制御装置(電子化代替品)、10a…かご位置信号取得部、10b…動作指令部、10c…前進位置信号取得部、20…エレベータ試験装置、21…呼び入力装置、21a…乗場呼び入力部、21b…かご呼び入力部、22…シーケンス制御装置、22a…呼び登録・消去手段、22b…方向選択手段、22c…運転指令手段、22d…第1の速度指令値算出手段、22e…第2の速度指令値算出手段、22f…速度選択手段、22g…籠位置信号取得部、22f…昇降路スイッチ回路、23a,23b…位置センサ、51a…電動機、58a…モータ制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータシステムの乗りかごの昇降動作に同期するかご位置に関する信号を取り出す機械的な製品を電子化代替品(以下、被試験体と呼ぶ)に置換え、この被試験体を検証するエレベータ試験装置において、
少なくとも乗場呼び信号を入力する乗場呼び入力部及び行先階を指定するかご呼び信号を入力するかご呼び入力部を有する呼び入力装置と、
この呼び入力装置から入力される呼び信号を登録し、この登録された呼びのもとに運転指令及び所定速度の速度指令を決定し出力するシーケンス制御装置と、
このシーケンス制御装置で決定された運転指令及び速度指令に従って電動機を回転駆動し、乗りかごの昇降動作を模擬制御するモータ制御装置と、
前記電動機の回転軸に取付けられ、前記乗りかごのかご位置に同期する回転数信号を取り出し、前記被試験体及び前記シーケンス制御装置に送出し、当該被試験体に対してかご位置信号を生成させ、また前記シーケンス制御装置に対して前記呼び登録階に所定の距離範囲内に入ったことによるかご位置信号を生成させる位置検出手段とを備えたことを特徴とするエレベータ試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載のエレベータ試験装置において、
前記シーケンス制御装置は、前記被試験体から送られてくる前記かご位置信号と前記登録された呼び又は登録済み呼びの消去とに基づいて運転指令又は減速指令を生成出力し、この運転指令のもとに前記被試験体に対して前記乗りかごの進行方向に減速距離に見合って先行する前進位置信号を動作させ、また前記減速指令のもとに前記被試験体に対して前記前進位置信号の動作を停止させて呼び登録階までの距離に比例する信号を出力させる運転指令手段と、この運転指令手段から出力される運転指令のもとに予め定めた速度パターンに基づいて加速・定格速度指令値を算出する第1の速度指令値算出手段と、前記被試験体から出力される前記呼び登録階までの距離に比例する信号に基づいて減速時の速度指令値を算出する第2の速度指令値算出手段とを備え、前記運転指令手段から出力される運転指令のもとに第1の速度指令値算出手段の加速・定格速度指令値を用いて前記電動機を加速・定速回転動作させ、前記運転指令手段から出力される減速指令のもとに前記第2の速度指令値算出手段の減速度指令値を用いて前記電動機を減速回転動作させることを特徴とするエレベータ試験装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のエレベータ試験装置において、
前記位置検出手段は、前記電動機の回転軸に1つの位置センサを取付け、この位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を前記シーケンス制御装置の前記運転指令手段及び前記被試験体に送出することを特徴とするエレベータ試験装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のエレベータ試験装置において、
前記位置検出手段は、前記電動機の回転軸に第1及び第2の位置センサを取付け、この
第1の位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を、前記乗りかごが前記呼び登録階に所定の距離範囲に入ったことによる減速指令を生成させるために前記シーケンス制御装置の前記運転指令手段に送出し、また、第2の位置センサから得られる当該電動機の回転数信号を、前記かご位置信号を生成させるために前記被試験体に送出することを特徴とするエレベータ試験装置。
【請求項5】
請求項1に記載のエレベータ試験装置において、
前記呼び入力装置は、タッチパネルを施した画面入力装置を設け、このタッチパネルのタッチ位置を選択し、呼び信号以外の制御信号を前記シーケンス制御装置に入力し、検証項目を追加可能にすることを特徴とするエレベータ試験装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載のエレベータ試験装置において、
前記モータ制御装置、前記電動機及び前記位置検出手段に代えて、前記シーケンス制御装置出力側にパルス発信装置を設け、当該シーケンス制御装置にて前記位置検出手段の動作を模擬して前記パルス発信装置を制御することにより、前記パルス発信装置から前記位置検出手段から出力する回転数信号と同じ発信パルスを出力させることを特徴とするエレベータ試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−199409(P2006−199409A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−11600(P2005−11600)
【出願日】平成17年1月19日(2005.1.19)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】