説明

オキシインドール置換ピペラジン誘導体

本発明は、式(I):
【化1】


の化合物(式中、Ar、A、R、R1、R2、R3、R4及びR5は、明細書中で定義された通りである)、それを含有する医薬組成物、及び中枢神経系障害の治療におけるそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
この発明は、オキシインドール置換ピペラジン誘導体、それらを含有する医薬組成物、及び精神分裂症や他の中枢神経系(CNS)障害の治療のためのそれらの使用に関する。
この発明のオキシインドール置換ピペラジン誘導体は、ドーパミンD2レセプターの及びセロトニン2A(5HT2A)レセプターのアンタゴニストとしての活性を示す。
【0002】
精神分裂症の治療のために有用であるヘテロ環式ピペラジン誘導体が、1994年9月27日に発行された米国特許第5,350,747号、及び2000年10月3日に発行された米国特許第6,127,357号で言及されている。これら特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
抗精神病薬として有用であると記述された他のピペラジン及びピペリジン誘導体が、1993年3月18日に公開されたWO93/04684、及び1990年12月19日に公表されたEP402644Aで言及されている。これら特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の要旨】
【0004】
本発明は、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、
Arは、1,2−ベンズイソチアゾイル、1,2−ベンズイソチアゾイル−1−オキシド、1,2−ベンズイソチアゾイル−1−ジオキシド、1,2−ベンズイソキサゾイル、ナフチル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサゾロニル、フタラジニル、インドリル、インダニル、1H−インダゾイル、又は3−インダゾリルであって、その際、Arは、好ましくは、ハロ、好ましくはクロロ又はフルオロ、シアノ、ニトロ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される0〜3の置換基より置換されていてもよく;但し、Arは、該ピペラジン環にArのフェニル環を介して結合することはなく;
Aは、−(CH2)nCH2−であって、その際、nは1〜3の整数であり、該ピペラジン窒素に隣接していないAのCH2基のうち1は酸素原子により又はRが(C1〜C6)アルキルであるNRにより置き換えられてもよく、Aの炭素原子のうち1はオキソ、アミノ、Rがヒドロキシ又は(C1〜C6)アルキルであるNHRにより置換されていてもよく、そして、式Iの化合物における各々のR基は、その化合物の他のあらゆるR基から独立しており;
2及びR3は、水素、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C2〜C6)アルケニル、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C2〜C6)アルケノキシ、−C(C=O)−(C1〜C6)アルキル、1又は2部位の不飽和を有する−C(C=O)−(C1〜C6)アルケニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され、その際、前記アリール及びヘテロアリール基は、ハロ、オキソ、ニトロ、アミノ、シアノ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される1又はそれを越える置換基で、好ましくは0〜2の置換基で置換されていてもよく;
1は、水素、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C4)アルキル、アリール、R6がアリール、(C1〜C4)アルキル、又はアリール−(C1〜C4)アルキルである−C(O)R6であり、その際、該アリール−(C1〜C4)アルキル及びヘテロアリール−(C1〜C4)アルキル基のアルキル部分は1〜3のフッ素原子で置換されていてもよく、そして、これら基の該アリール及びヘテロアリール部分は、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される1又はそれを越える置換基で、好ましくは0〜2の置換基で置換されていてもよく;
4及びR5は、R2及びR3の定義において上記した置換基の群から独立に選択される1又は2の置換基であるR7及びR8により末端が置換されていてもよいオレフィンを表し;
又は、R4及びR5は、一緒になって3〜6の炭素原子を含有するスピロ飽和環を形成してもよく、その際、前記環は、R2及びR3の定義において上記した置換基の群から独立に選択される1又は2の置換基であるR7及びR8により置換されていてもよい。
【0007】
但し、Arがベンズイソチアゾール−3−イルであるとき、Aはエチレンであり、R1は水素又は未置換(C1〜C4)アルキルであり、R2は水素、ハロ又はメチルであり、そしてR3は水素、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換若しくは未置換アルキル、又は置換若しくは未置換アルコキシであり;R4及びR5は、スピロ(C4〜C6)シクロアルキル基でも、R7が水素でありR8がフェニルであるR7及びR8で末端が置換されたオレフィンでもない。)
の化合物又は薬学的に許容できるそのような化合物の塩に関する。
【0008】
この発明の好ましい化合物には、Arが、以下:
【0009】
【化2】

【0010】
から選択される二環式環系であって、環系II、III 及び IV は式Iの定義において上記した通りに置換されていてもよく、Aが、−CH2−、−CH2−CH2−、−(C=O)−、−CH2(C=O)−、−CH(OH)−、−CH2−CH(OH)−、−CH−N(R)−、又は−CH2−CH−N(R)−であり、Aに結合しているオキシインドール部分が、以下:
【0011】
【化3】

【0012】
から選択され、ここで、R1、R2及びR3は上で定義した通りであり、そして、該スピロシクロプロピル基が置換されていても未置換であってもよい、式Iの化合物が含まれる。
本発明の好ましい化合物には、以下の化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩が含まれる:
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0013】
【化4】

【0014】
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0015】
【化5】

【0016】
5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0017】
【化6】

【0018】
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0019】
【化7】

【0020】
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0021】
【化8】

【0022】
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0023】
【化9】

【0024】
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0025】
【化10】

【0026】
5−{3−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
【0027】
【化11】

【0028】
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−1',2,2−トリメチル−
【0029】
【化12】

【0030】
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−2,2−ジメチル−
【0031】
【化13】

【0032】
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]プロピル]−2,2−ジメチル−
【0033】
【化14】

【0034】
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−6'−クロロ−2,2−ジメチル−
【0035】
【化15】

【0036】
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル)−1−ピペラジニル]プロピル]−6'−クロロ−2,2−ジメチル−
【0037】
【化16】

【0038】

この発明の他の好ましい態様には、R4とR5がスピロ2,2−ジメチルシクロプロピル環を形成する式Iの化合物が含まれる。
【0039】
この発明の他の好ましい態様には、R4とR5がイソプロピレン基を形成する式Iの化合物が含まれる。
この発明の他の好ましい態様には、R2及びR3の一方又は両方が水素である式Iの化合物が含まれる。
【0040】
本発明の他の態様の例は、以下の化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩である:
3−イソプロピリデン−5−[2−(4−ナフタレン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3−イソプロピリデン−5−[3−(4−ナフタレン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{2−[4−(6−フルオロ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{3−[4−(6−フルオロ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{2−[4−(1−ヒドロキシ−1H−1λ**−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{3−[4−(1−ヒドロキシ−1H−1λ**−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3−イソプロピリデン−5−[2−(4−イソキノリン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3−イソプロピリデン−5−[3−(4−イソキノリン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[3−(4−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−ベンゾフラン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[3−(4−ベンゾフラン−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
3−イソプロピリデン−5−{2−[4−(4−プロペニル−5−ビニル−1H−ピロール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{3−[4−(1H−インドール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−ベンゾトリアゾール−1−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;及び
5−{2−[4−(6−ヒドロキシ−キノリン−8−イル)−ピペラジン−1−イル]−エチル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン。
【0041】
本明細書で使用される“アルキル”という用語には、他に示されなければ、直鎖状、分枝状若しくは環状部分又はそれらの組合せを有する飽和の一価炭化水素基が含まれる。“アルキル”基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ−、sec−及び tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、3−エチルブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ノルボルニル等が含まれるがこれらに限定されない。
【0042】
本明細書で使用される“アリール”という用語には、他に示されなければ、ヘテロ原子がない芳香族環系(例えば、フェニル又はナフチル)が含まれる。
本明細書で使用される“アルコキシ”という用語は、他に示されなければ、“アルキル”が上で定義した通りである“アルキル−O−”を意味する。“アルコキシ”基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びペントキシが含まれるがこれらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される“アルケニル”という用語には、他に示されなければ、2つの炭素原子を繋ぐ1又はそれを越える二重結合を有する不飽和炭化水素基であって、前記炭化水素基が、直鎖状、分枝状若しくは環状部分又はそれらの組合せを有することができる基が含まれる。“アルケニル”基の例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルが含まれるがこれらに限定されない。
【0044】
本明細書で使用される“ヘテロアリール”という用語は、他に示されなければ、そのうち1〜4がN、S及びOから独立に選択されるヘテロ原子であってもよい5又は6の環員を含有する単環式芳香族ヘテロ環、及び、そのうち1〜4がN、S及びOから独立に選択されるヘテロ原子であってもよい8から12の環員を含有する二環式芳香族ヘテロ環が含まれるがこれらに限定されない。
【0045】
本明細書で使用される“1又はそれを越える置換基”という用語は、1から、利用できる結合部位の数に基づいて可能である置換基の最大数までに等しい置換基の数のことである。
【0046】
本明細書で使用される“ハロ”及び“ハロゲン”という用語には、他に示されなければ、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
本明細書で使用される“治療する”という用語は、障害又はそのような用語が該当する状態の進行を逆転させるか軽減させるか阻害すること、予防すること、又はそのような状態又は障害の1又はそれを越える症状を予防することをいう。
【0047】
本明細書で使用される“治療”という用語は、すぐ上で定義された“治療する”の通りに行われる行為のことをいう。
本明細書で使用される“メチレン”という用語は−CH2−を意味する。
【0048】
本明細書で使用される“エチレン”という用語は−CH2CH2−を意味する。
本明細書で使用される“プロピレン”という用語は−CH2CH2CH2−を意味する。
式Iの化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩は、本明細書では、包括的に、“この発明の新規化合物”及び“この発明の活性化合物”とも言われる。
【0049】
この発明は、治療有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩、及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物にも関する。
式Iの化合物は、キラル中心を含むことができるので異なるエナンチオマー及びジアステレオマー形態で存在することができる。この発明は、式Iの化合物のラセミ混合物としての及び個々のエナンチオマーやジアステレオマーとしての両方及びそれらの混合物としての、式Iの化合物の全ての光学異性体及び全ての立体異性体に、全ての医薬組成物に、そしてそれらを含有又は用いる上で定義した全ての治療方法に関する。個々の異性体は、光学分割、光学的に選択的な反応、又は最終生成物又はその中間体の製造の際のクロマトグラフィー分離などの公知の方法により得られる。式Iの化合物の個々のエナンチオマーは、これら化合物のラセミ混合物と比較して、種々の障害又は状態を治療するに際して利点を有し得る。
【0050】
この発明の式Iの化合物が塩基性化合物である限りにおいて、それらは、種々の無機及び有機の酸と多種多様な異なる塩を形成する能力がある。そのような塩は、動物への投与のためには薬学的に許容できなければならないが、まず、反応混合液からその塩基性化合物を薬学的に許容できない塩として単離してから、アルカリ性試薬での処理によってフリーの塩基性化合物に単に転化し、その後、そのフリーの塩基性化合物を薬学的に許容できる酸付加塩に転化するのが望ましいことが多い。この発明の塩基性化合物の酸付加塩は、塩基性化合物を実質的に当量の選ばれた無機又は有機の酸で、水性溶媒又はメタノール若しくはエタノールなどの適する有機溶媒中で処理することにより容易に調製されることができる。注意して溶媒を留去すると目的の固体塩が容易に得られる。この発明の前述の塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩を調製するのに用いられる酸は、無毒の酸付加塩、即ち、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸若しくは硫酸水素、リン酸若しくは酸性リン酸、酢酸、乳酸、クエン酸若しくは酸性クエン酸、酒石酸若しくは酒石酸水素、スクシン酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸及びパモ酸(即ち、1,1'−メチレン−ビス(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)の塩などの、薬学的に許容できるアニオンを含有する塩を形成する酸である。
【0051】
本発明には、1又はそれを越える原子が自然界で普通に見出される原子量又は原子番号とは異なる原子量又は原子番号を有する原子によって置き換わっているという事実を別にすれば、式Iで挙げられたものと同一であるところの、同位元素で標識された化合物も包含される。本発明の化合物に取り込まれることができる同位元素の例には、それぞれ、2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36Clなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素が含まれる。前述の同位元素及び/又は他の原子の他の同位元素を含有する本発明の化合物、そのプロドラッグ、及び前記化合物又は前記プロドラッグの薬学的に許容できる塩は、本発明の範囲内に属する。本発明の一定の同位元素で標識された化合物、例えば、3H及び14Cなどの放射性同位元素が取り込まれた化合物は、薬剤及び/又は基質組織分布アッセイに有用である。三重化、即ち、3H、及び炭素14、即ち、14Cの同位元素は、それらの調製と検出の容易さ故に特に好ましい。更に、ジュウテリウム、即ち、2Hなどの重い同位元素での置換は、より大きな代謝安定性から生じる一定の治療上の利点、例えば、in vivo 半減期の増加又は投与量要求量の減少を与えるので、幾つかの状況では好ましい。この発明の同位元素で標識された式Iの化合物及びそのプロドラッグは、概して、以下のスキーム及び/又は実施例に記載されたよる操作を行うことにより、同位元素で標識されていない試薬を容易に入手できる同位元素で標識された試薬に換えることによって調製されることができる。
【0052】
この発明の式Iの化合物は、有用な薬学的及び医学的特性を有する。
この発明は、ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、からなる群から選択される障害又は状態を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害又は状態を治療するのに有効な量の式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩を投与することを含んでなる方法にも関する。
【0053】
式Iの化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩は、本明細書では、包括的に、“この発明の新規化合物”及び“この発明の活性化合物”としても言及される。
この発明は、治療有効量の式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩、及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物にも関する。
【0054】
この発明は、医薬組成物であって、ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための医薬組成物であり、そのような障害又は状態を治療するのに有効な量の式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩、及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物にも関する。
【0055】
この発明のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、主要抑うつ症、偶発性抑うつ症、再発性抑うつ症、小児虐待誘発抑うつ症、分娩後抑うつ症、気分変調、循環病、及び双極性障害から選択される上記方法に関する。
【0056】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、精神分裂症、分裂情動障害、妄想障害、物質誘発精神障害、短期間精神障害、分配精神障害、一般的な医学的状態に起因する精神障害、及び分裂症様障害から選択される上記方法に関する。
【0057】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、自閉症、普及性発育障害(pervasive development disorder)、及び注意欠乏過剰反応障害から選択される上記方法に関する。
【0058】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、広汎性不安症;パニック障害;強迫障害;トラウマ後ストレス障害;並びに、社会恐怖症、広所恐怖症及び特定恐怖症を含む恐怖症から選択される上記方法に関する。
【0059】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せんから選択される上記方法に関する。
【0060】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなどから選択される上記方法に関する。
【0061】
この発明の別のより具体的な態様は、式Iの化合物が、上記方法のいずれかで言及された障害及び状態から選択される1又はそれを越える組合わさった障害又は状態の治療のためにヒトに投与される上記方法に関する。
【0062】
抑うつ症、不安症、精神分裂症、又はこの発明の方法及び医薬組成物の説明において上で言及された他の障害又は状態のいずれかの治療のために、この発明の新規化合物は、1又はそれを越える他の抗抑うつ剤又は抗不安剤と一緒に使用されることができる。この発明の活性化合物と一緒に使用されることができるクラスの抗抑うつ剤の例には、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、NK−1レセプターアンタゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、及び非典型的抗抑うつ剤が含まれる。適するノルアドレナリン再取り込み阻害剤には、三環性3級アミン及び三環性2級アミンが含まれる。適する三環性3級アミン及び三環性2級アミンには、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミン、ドチエピン、ブトリピリン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、デシプラミン、及びマプロチリンが含まれる。適する選択的セロトニン再取り込み阻害剤には、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、及びセルトラリンが含まれる。モノアミンオキシダーゼ阻害剤の例には、イソカルボキサジド、フェネルジン、及びトラニルシクロプラミンが含まれる。適するモノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤には、モクロベミドが含まれる。本発明で使用するのに適するセロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤には、ベンラファキシンが含まれる。適するCRFアンタゴニストには、WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676及びWO94/13677に記載された化合物が含まれる。適する非典型的抗抑うつ剤には、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、及びビロキサジンが含まれる。適するNK−1レセプターアンタゴニストには、WO01/77100で言及されたものが含まれる。
【0063】
この発明の活性化合物と組み合わせて使用されることができる適するクラスの抗不安剤には、ベンゾジアゼピン類及びセロトニンIA(5−HTIA)アゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HTIA部分的アゴニスト、及びコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが含まれる。適するベンゾジアゼピン類には、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパテ、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、及びプラゼパムが含まれる。適する5−HTIAレセプターアゴニスト又はアンタゴニストには、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、及びイプサピロンが含まれる。
【0064】
この発明は、ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための方法であって、前記哺乳動物に、
(a) 式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩;及び
(b) 抗抑うつ剤又は抗不安剤又は薬学的に許容できるその塩である別の薬学的に活性な化合物
を投与することを含んでなり、
該活性化合物 (a) 及び (b) が、該組合せ物をそのような障害又は状態を治療するのに有効であるようにする量で存在する方法にも関する。
【0065】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、主要抑うつ症、偶発性抑うつ症、再発性抑うつ症、小児虐待誘発抑うつ症、分娩後抑うつ症、気分変調、循環病、及び双極性障害から選択される上記方法に関する。
【0066】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、精神分裂症、分裂情動障害、妄想障害、物質誘発精神障害、短期間精神障害、分配精神障害、一般的な医学的状態に起因する精神障害、及び分裂症様障害から選択される上記方法に関する。
【0067】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、自閉症、普及性発育障害、及び注意欠乏過剰反応障害から選択される上記方法に関する。
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、広汎性不安症;パニック障害;強迫障害;トラウマ後ストレス障害;並びに、社会恐怖症、広所恐怖症及び特定恐怖症を含む恐怖症から選択される上記方法に関する。
【0068】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せんから選択される上記方法に関する。
【0069】
この発明の別のより具体的な態様は、治療されるべき障害又は状態が、錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなどから選択される上記方法に関する。
【0070】
この発明の別のより具体的な態様は、式Iの化合物と追加の抗抑うつ剤又は抗不安剤が、上記方法のいずれかで言及された障害及び状態から選択される1又はそれを越える組合わさった障害又は状態の治療のためにヒトに投与される上記方法に関する。
【0071】
この発明は、ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための医薬組成物であって、
(a) 式Iの化合物又は薬学的に許容できるその塩;
(b) 抗抑うつ剤又は抗不安剤又は薬学的に許容できるその塩である別の薬学的に活性な化合物;及び
(c) 薬学的に許容できる担体
を含んでなり、
該活性剤 (a) 及び (b) が、該組成物をそのような障害又は状態を治療するのに有効であるようにする量で存在する医薬組成物にも関する。
【発明の詳細な説明】
【0072】
本発明の式Iの化合物は、以下の反応スキームに記載した通りに調製されることができる。他に示されなければ、以下の反応スキーム及び説明におけるAr、A及びR1〜R8は、上で定義した通りである。
【0073】
【化17】

【0074】
スキーム1は、Aが、エチレン、プロピレン又はブチレンであり、R4及びR5が、R7及びR8で末端置換されたオレフィンを形成し、その際、R7及びR8がメチルであるところの式Iの化合物(以下、式IAの化合物という)、及び、Aが、エチレン、プロピレン又はブチレンであり、R4及びR5が、2,2−ジメチルスピロシクロプロピル基を形成する式Iの化合物(以下、式IBの化合物という)の合成を例示する。スキーム1を見ると、式IIを有するオキシインドールが、式IIIのアリールピペラジニル化合物及びアセトンと組合わさって、対応する式IAの化合物を生成する。この反応は、典型的には、塩基の存在下、アセトニトリル、水、又は低級アルコールなどの極性溶媒中で行われる。好ましくは、この反応は、アセトンと水の2:1混合液中で行われる。適する塩基には、炭酸ナトリウム及びカリウム、及びナトリウム及びカリウムt−ブトキシドが含まれ、炭酸カリウムが好ましい。この反応を触媒量のヨウ化カリウムの存在下で行うのも好ましい。反応温度は、約30〜約50℃であり、好ましくは約30〜100℃である。典型的には、この反応は、それが完結するまで約2時間〜約3日間行われる。生成物は、析出又は抽出により単離されることができる。
【0075】
また、アセトンとの縮合は、分離した工程として行われてもよい。これは、まず、式IIの化合物を式IIIの化合物と上記のような極性溶媒中で反応させて、R4及びR5が水素であることを除けば式IAの化合物と同一である式IA−aを有する中間体を生成させ、次いで、この式IA−aの化合物をそのままで又は単離してから上記のような塩基の存在下でアセトンと上記のような極性溶媒中で反応させることにより行うことができる。両方の反応は、典型的には、約30〜約150℃、好ましくは約30〜100℃の温度で反応が完結するまで約2時間〜約3日間行われる。
【0076】
7及びR8の一方又は両方がメチルより他のものである式IAの化合物は、アセトンが式R7C(=O)R8を有する適切なケトンと置き換えられることを除いては、上記の操作と類似の操作を使用して形成されることができる。
【0077】
式IBの化合物は、次のやり方で調製されることができる。式IAの対応するオレフィンが、ジメチルスルホキソニウム・メチリドと、ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)などの適する乾燥極性溶媒中、約−10〜約90℃、好ましくは約25℃で、約1〜24時間反応が終わるまで処理される。この反応は、好ましくは不活性雰囲気下で行われる。次いで、生成物が抽出により単離されることができ、必要なら、カラムクロマトグラフィー、再結晶又は塩形成により精製されることができる。
【0078】
上の反応で使用されるジメチルスルホキソニウム・メチリドは、乾燥DMF又は乾燥DMSOなどの適する極性溶媒中での、ヨウ化又は塩化トリメチルスルホキソニウムの強塩基との反応から生成させることができる。塩基は、好ましくは固体形態であるが、金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウム、又は水素化アルカリ金属、例えば、水素化ナトリウムが適している。この生成は、約−10〜約90℃、好ましくは約25℃で行われる。好ましくは、不活性雰囲気下で行われる。ジメチルスルホキソニウム・メチリドの生成に臭化テトラブチル−n−アンモニウムなどの相間移動触媒を使用するのが可能である。
【0079】
式IIの化合物は、J. Med. Chem., 1991, 34, 1860-1866、J. Med. Chem., 1996, 39, 143-148、及び米国特許第4,411,901号に記載された通りに調製されることができる。これら文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。nが1であり、R2及びR3が水素であり、そしてR1がメチルである式IIの化合物の合成がスキーム1aに記載される。
【0080】
【化18】

【0081】
スキーム1aを見ると、式Xの化合物(オキシインドール)が、実験例の製造例1に詳しく記載されている通り、水、水酸化ナトリウム及びジメチル硫酸と反応させられて、式XIのメチル化誘導体を生成する。次いで、式XIの化合物は、製造例2に詳しく記載されている通り、塩化クロロアセチル、二硫化炭素及び無水塩化アルミニウムと反応させられて、式XIIの化合物を生成する。製造例3に記載された通りの式XIIの化合物と水素化トリエチルケイ素とのトリフルオロ酢酸中での反応で式IIの化合物が生成する。
【0082】
スキーム2は、Aが−(CH2)nC(=O)−、−(CH2)nCH(OH)−又は−(CH2)nCH(NHR)−である式Iの化合物の合成を例示する。これら化合物を、これ以降、それぞれ、式IC、IE及びIDの化合物と言う。
【0083】
【化19】

【0084】
スキーム2を見ると、式IIのクロロケトンが、式IIIのアリールピペラジニル化合物と組合わさって、式ICの対応する化合物が生成する。この反応は、典型的には、塩基の存在下、アルコール、水又はアセトニトリルなどの極性溶媒と式R7C(=O)R8のケトン中で行われる。好ましくは、この反応は、式R7C(=O)R8と水の2:1混合液中で行われる。適する塩基には、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及びカリウムt−ブトキシドが含まれ、炭酸カリウムが好ましい。この反応を触媒量のヨウ化カリウムの存在下で行うのも好ましい。反応温度は、約30〜約150℃であり、好ましくは約30〜100℃である。典型的には、この反応は、それが完結するまで約2時間〜約3日間行われる。生成物は、析出又は抽出により単離されることができる。必要なら、シリカゲルを使用して適する溶媒又は溶媒混合液で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製されてもよい。
【0085】
また、式R7C(=O)R8の適切なケトンとの縮合は、スキーム1で例示した反応の説明に記載した通り、第2工程として行われてもよい。
次いで、式ICの化合物は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の還元条件に付され、リンカー鎖中のケトンがアルコールに還元されて式IEの対応する化合物を形成する。これら反応は、典型的には、アルコールや、THFなどのエーテルのような適する溶媒中で、約0〜約80℃、好ましくは約0〜25℃の温度で行われる。この反応は、概して、反応が完結するまで約5分間〜約2日間行われる。得られる式IEの化合物は、カラムクロマトグラフィー、再結晶又は塩形成により精製されることができる。
【0086】
式IDの化合物は、式ICの対応する化合物を、当業者に周知の方法を用いて、還元的アミノ化条件に付することにより得られることができる。典型的には、これは、式ICの化合物を適切なアミンで処理して中間体イミンを生成させ、そのイミンをそのままか又は単離してから、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、別の適する水素化物還元剤などの適切な還元剤で、又はラネーニッケル若しくは白金担持活性炭若しくはパラジウム担持活性炭若しくはパラジウムなどの適切な金属触媒での当業者に周知の方法を使用する水素化により、還元することを包含する。反応温度は、約−10〜約100℃、好ましくは約0〜約50℃であることができる。適する溶媒には、エーテル類(例えば、エチルエーテル)、低級アルカノール類、及び水が含まれる。得られる式IDの化合物は、カラムクロマトグラフィー、再結晶又は塩形成により精製されることができる。
【0087】
4及びR5が置換若しくは未置換スピロ環を形成する式IC、ID及びIEの化合物は、式IBの化合物を式IAの対応する化合物から形成するために上記した操作を使用して、R4及びR5がオレフィンを形成する上に描かれた式IC、ID及びIEに対応する化合物から生成されることができる。
【0088】
スキーム3は、Aが−(CH2)nNH−である式Iの化合物の合成を例示する。これら化合物を、これ以降、式IFの化合物と言う。
【0089】
【化20】

【0090】
スキーム3を見ると、式IVの化合物が、硫酸中の硝酸若しくは無水トリフルオロ酢酸中の硝酸アンモニウムのような標準的条件下、約0〜約80℃、好ましくは約20〜約50℃の温度でニトロ化されて、式Vの対応する化合物を与える。次いで、そのニトロ基が、典型的には、ラネーニッケル触媒若しくは他の適切な金属触媒(例えば、パラジウム担持活性炭又は白金担持活性炭)の存在下、約1〜約5気圧の水素圧下、エーテル(例えば、エチルエーテル)、低級アルカノール、テトラヒドロフラン(THF)又はそれら溶媒の2又はそれを越える混合液(例えば、THFとメタノール)などの溶媒中での、当業者に周知の方法を用いる水素化により還元されて、式VIの対応する化合物を与える。次いで、このアミンは、エーテル、低級アルカノール、又はTHFなどの適する非プロトン性溶媒中、炭酸カリウムなどの適する塩基の存在下で、適切なクロロブロモアルカンでアルキル化されて、式VIIの化合物を与える。このアルキル化は、典型的には、約−10〜100℃、好ましくは約0〜50℃の温度で行われる。構造VIIを有する化合物の、式IIIのアリールピペラジニル化合物及び式R7C(=O)R8の適切なケトンとの、式ICの化合物の生成のために上記した反応条件下での反応で、式IFの対応する化合物が生成する。
【0091】
4及びR5が置換若しくは未置換スピロ環を形成する式IFの化合物は、式IBの化合物を式IAの対応する化合物から形成するために上記した操作を使用して、R4及びR5がオレフィンを形成する上に描かれた式IFの対応する化合物から生成されることができる。
【0092】
スキーム4は、Aが−(CH2)nO−である式Iの化合物の合成を例示する。
【0093】
【化21】

【0094】
スキーム4を見ると、式VIのアニリンが、好ましくは水溶液中で亜硝酸で処理するか又はアルキル亜硝酸で処理することにより生成する中間体アリールジアゾニウムイオンを形成させてから加水分解することにより、式VIIIの対応するフェノールに転化されることができる。次いで、このフェノールは、エーテル、THF、又は低級アルカノールなどの適する非プロトン性溶媒中、炭酸カリウム又は炭酸セシウムなどの適する塩基の存在下で、適切なブロモクロロアルカンでアルキル化されて、式IXの対応する化合物を与える。式の化合物の、式IIIのアリールピペラジニル化合物及び式R7C(=O)R8の適切なケトンとの、式ICの化合物の生成のために上記した反応条件下での反応で、式IGの対応する化合物が生成する。
【0095】
4及びR5が置換若しくは未置換スピロ環を形成する式IGの化合物は、式IBの化合物を式IAの対応する化合物から形成するために上記した操作を使用して、R4及びR5がオレフィンを形成する上に描かれた式IGの対応する化合物から生成されることができる。
【0096】
式Iの他の化合物の調製、及び前述の実験部分に具体的に記載されなかったところの、それら合成に使用される中間体の調製は、上記の反応の組合せを使用して達成されることができ、当業者には明らかであろう。
【0097】
上で説明若しくは例示した各々の反応では、特に示されない限り圧力は重要ではない。約0.5〜約5気圧の圧力が概して許容でき、周囲圧力、即ち、約1気圧が好都合なものとして好ましい。
【0098】
式Iの化合物及び上記反応スキームに示された中間体は、再結晶又はクロマトグラフィー分離などの慣用的な操作により単離されそして精製されることができる。
式Iの化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩は、哺乳動物に、経口、非経口(皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、及び注入技術など)、直腸内、舌下又は鼻内経路で投与されることができる。一般に、これら化合物は、約3〜約60mg/日の用量で一回若しくは数回(即ち、1〜4回/日)に分けて最も望ましく投与される。とはいえ、治療される患者の種、体重及び状態並びに前記医薬品への個々の患者の反応に依存して、並びに選ばれる医薬製剤のタイプやそのような投与が行われる期間及び間隔に依存して、バラツキが必ずあるものである。しかしながら、約25〜約100mg/日の範囲の用量レベルが最も望ましく用いられる。幾つかの場合には、今挙げた範囲の下限を下回る用量レベルでも十分であり得、また、別の場合には、有害な副作用が起こらないならより多くの用量も、そのような高い用量レベルが一日を通して投与されるために最初は少ない複数回に分けられるのであれば、用いられ得る。
【0099】
本発明の化合物は、上に示したいずれかの経路により単独で又は薬学的に許容できる担体若しくは希釈剤と一緒に投与され、そして、そのような投与は、一回又は複数回で行われることができる。より特定的には、この発明の新規な治療剤は、多種多様な異なる投与形態で投与されることができる、即ち、それらは、種々の薬学的に許容できる不活性担体と、錠剤、カプセル剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、ハードキャンディ、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、ペースト剤、軟膏剤、水性懸濁液剤、注射溶液剤、エリキシル剤、シロップ剤等の形態に組み合わせられてもよい。そのような担体には、固体希釈剤又は充填剤、無菌水性媒質及び種々の無毒有機溶媒等が含まれる。更には、経口医薬組成物は、適当に甘味及び/又は風味が付与されてもよい。一般に、この発明の新規な化合物の薬学的に許容できる担体への重量比は、約1:6〜約2:1、好ましくは約1:4〜約1:1であろう。
【0100】
経口投与のためには、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、及びグリセリンなどの種々の賦形剤を含有する錠剤が、スターチ(及び、好ましくは、コーン、ポテト又はタピオカスターチ)、アルギン酸及び一定の複合ケイ酸塩などの崩壊剤を伴って、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン及びアラビアゴムのような顆粒結合剤と一緒に、用いられ得る。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクなどの滑剤が錠剤化目的に非常に有用であることが多い。類似のタイプの固体組成物も、ゼラチンカプセル内の充填剤として用いられ得る。この関連で好ましい材料には、ラクトース又は乳糖並びに高分子量のポリエチレングリコールも含まれる。水性懸濁液剤及び/又はエリキシル剤が経口投与のために望まれるときは、その活性成分は、種々の甘味料又は風味付与剤、着色剤又は染料、及び望まれるなら乳化剤及び/又は懸濁剤とも、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及びそれらの種々の組合せなどの希釈剤と一緒に、組み合わせられることができる。
【0101】
非経口投与のためには、本発明の化合物のごま油又はピーナッツ油又は水性プロピレングリコール中の溶液が用いられ得る。水溶液は、必要なら緩衝化されるべきであり(好ましくは8より大きなpH)、液体希釈剤がまず等張性にされる。これら水溶液剤は、静脈内注射目的に適する。油性溶液は、関節内、筋肉内及び皮下注射目的に適する。これら全ての溶液剤の無菌条件下での製剤は、当業者に周知である標準的薬学技術により容易に達成される。
【0102】
この発明は、不安症、抑うつ症、精神分裂症及び本発明の方法の説明において言及された他の障害を治療する方法であって、この発明の新規化合物と上で言及された1又はそれを越える他の活性剤(例えば、NK1レセプターアンタゴニスト、三環性抗抑うつ剤、5HT1Dレセプターアンタゴニスト、又はセロトニン再取り込み阻害剤)が同じ医薬組成物の一部として一緒に投与される方法、並びに、そのような活性剤が組合せ療法の恩恵を得るようにデザインされた適切な投与処方の一部として別々に投与される方法に関する。その適切な投与処方、投与される活性剤の各回の量、及び各活性剤の投与間の特定の間隔は、治療される対象、投与される特定の活性剤、及び治療される特定の障害又は状態の性質と重さに依存するであろう。一般に、この発明の新規化合物は、単独の活性剤として又は別の活性剤と組み合わせて使用されるときは、成人に一回又は複数回で約3〜約300mg/日の量で、好ましくは約25〜約100mg/日の量で投与されるであろう。そのような化合物は、6回/日までの処方で、好ましくは1〜4回/日、特に2回/日、最も好ましくは1回/日の処方で投与されることができる。にも拘らず、治療される動物の種及び前記医薬品への個々の反応に依存して、並びに選ばれる医薬製剤のタイプやそのような投与が行われる期間及び間隔に依存して、バラツキがあってもよい。幾つかの場合には、先に挙げた範囲の下限を下回る用量レベルでも十分であり得、また、別の場合には、有害な副作用が起こらないならより多くの用量も、そのような多い用量が一日を通して投与されるために最初は少ない複数回に分けられるのであれば、用いられ得る。
【0103】
5HT再取り込み阻害剤、好ましくはセルトラリン、のこの発明の組合せ方法及び組成物における提案される日量は、上で言及された状態の治療のための平均的成人への経口、非経口又は舌下投与について、単位用量当たり約0.1〜約2000mg、好ましくは約1〜約200mgの5HT再取り込み阻害剤であり、例えば、1〜4回/日で投与されてもよい。5HT1Dレセプターアンタゴニストのこの発明の組合せ方法及び組成物における提案される日量は、上で言及された状態の治療のための平均的成人への経口、非経口、直腸内又は舌下投与について、単位用量当たり約0.01〜約2000mg、好ましくは約0.1〜約200mgの5HT1Dレセプターアンタゴニストであり、例えば、1〜4回/日で投与されてもよい。
【0104】
鼻内投与又は吸入による投与のためには、本発明の新規化合物は、慣用的には、患者により押上げ若しくはポンプ上げされるポンプ式噴霧容器からの溶液剤若しくは懸濁液剤の形態で、又は、適する噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適するガスを使用して与えられる、加圧容器若しくはネブライザーからのエアゾール噴霧物として送り込まれる。加圧エアゾールの場合、服用単位は、計量された量を送り込むためのバルブを備えることにより決められることができる。加圧容器又はネブライザーは、活性化合物の溶液又は懸濁液を含有することができる。吸入器又は注入器で使用するためのカプセル又はカートリッジ(例えば、ゼラチンから作られる)は、本発明の化合物とラクトース又はスターチなどの適する粉末ベースとの粉末ミックスを含有するように配合されることができる。平均的成人における上で言及された状態の治療のためのこの発明の活性化合物の配合は、好ましくは、各々の計量された用量の又は“一吹き”のエアゾールが20〜1000μgの活性化合物を含有するように調整される。エアゾールでの総日量は、100μg〜10mgとなろう。投与は一日に数回、例えば、2、3、4又は8回で、例えば、各回では1、2又は3用量であることができる。
【0105】
実施例の全ての標題化合物が試験され、各々のそのような化合物の少なくとも1種の立体異性体が、0.1μmの濃度での阻害率パーセントとして測定されたときに、14%から100%までのD2レセプターについての結合親和性を示した。各々のそのような化合物の少なくとも1種の立体異性体が、0.1μmの濃度での阻害率パーセントとして測定されたときに、80%から100%までの5HT2レセプターについての結合親和性を示した。
【0106】
この発明の化合物のドーパミンD2及びセロトニン2A(5HT2A)レセプターに結合する能力は、慣用的な放射性リガンドレセプター結合アッセイを使用して測定されることができる。全てのレセプターは、細胞株において及び以下に概略が示される操作を使用してその細胞株からの膜試料で行われる実験において異形で発現され得る。IC50濃度が、特異的結合における濃度依存的減少の非線形回帰により決定されることができる。Cheng-Prussoff の式が、そのIC50をKi濃度に変換するために使用されることができる。
【0107】
ドーパミンD2レセプター結合:
CHO−hD2L細胞からの膜試料への[3H]スピペロン結合が、100mM NaCl、1mM MgCl2及び1%DMSOを含有するpH7.4の250μlの50mM Tris−HCl緩衝液中で行われる。(添加順に)試験化合物、0.4nM[3H]スピペロン、及び約12μgのタンパク質を含有する2重のサンプルが室温で120分間インキュベートされる。結合した放射性リガンドが、予め0.3%ポリエチレンイミンで処理された Whatman GF/B ガラス繊維フィルターを通して減圧下急速濾過により分離される。そのフィルター上に残った放射能が、液体シンチレーション分光光度計により測定される。
【0108】
実施例1〜14の標題化合物が上記アッセイを使用して試験され、1mMのハロペリドールの存在下で測定された特異的結合は95%であった。実施例1〜14の全ての化合物が1uM未満か又はそれに等しいKi値を示した。実施例1の標題化合物は14.7nMのKiを示した。実施例5の標題化合物は1.3nMのKiを示した。実施例4の標題化合物は49.4nMのKiを示した。
【0109】
セロトニン2A結合:
スイス−h5HT2A細胞膜への[3H]ケタンセリン結合が、pH7.4の250μlの50mM Tris−HCl緩衝液中で行われる。(添加順に)試験化合物、1.0nM[3H]ケタンセリン、及び約75μgのタンパク質を含有する2重のサンプルが室温で120分間インキュベートされる。結合した放射性リガンドが、予め0.3%ポリエチレンイミンで処理された Whatman GF/B ガラス繊維フィルターを通して減圧下急速濾過により分離される。そのフィルター上に残った放射能が、液体シンチレーション分光光度計により測定される。
【0110】
実施例1〜14の標題化合物が上記アッセイを使用して試験され、1mMのケタンセリンの存在下で測定された特異的結合は90%であった。実施例1〜14の全ての標題化合物が1uM未満か又はそれに等しいKi値を示した。実施例5の標題化合物は8.4nMのKiを示した。実施例14の標題化合物は7.45nMのKiを示した。実施例1の標題化合物は0.75nMのKiを示した。
【0111】
次の実施例は、本発明の化合物の製造例を例示する。融点は補正されていない。NMRデータはppmで示され、サンプル溶媒からの重水素ロックシグナルを対照とする。
【実施例】
【0112】
製造例1
1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン
5Lの4頸フラスコ(機械的攪拌器、冷却管及びN2導入管を装備)に、2Lの水と50%水酸化ナトリウム(NaOH)(2.52mol、201.6g、2.25当量)が仕込まれた後、オキシインドール(1.12mol、150g、1当量)が仕込まれ、そして、その反応混合液が40℃に加熱された。ジメチル硫酸(1.68mol、211.7g(159mL)、1.5当量)がシリンジでゆっくり加えられた。その添加で温度が53℃に上昇する僅かな発熱があった。添加が完了した時点で、その反応混合液は100℃に加熱されて15分間維持された。その反応混合液は60℃まで冷却され、そして第2部のジメチル硫酸(0.476mol,60g(45mL),0.425当量)が加えられた。その反応混合液は100℃に加熱されて15分間維持された。TLC(ヘプタン/酢酸エチル(EtOAc),1:1)でメチル化が本質的に完結したことが示された。反応混合液は50℃に冷却され、そのpHが濃HClで7に調節された。その反応混合液に種晶が入れられ、室温まで冷却され、そして一晩放置された。固体が集められ、水で洗浄され(×4)、そして40℃で一晩減圧乾燥され、110.7g(67%)の1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを桃色固体として与えた。mp84〜86℃。
【0113】
製造例2
5−(2−クロロアセチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン
5Lの4頸フラスコ(機械的攪拌器、冷却管、N2導入管及び捕捉用NaOH溶液を装備)に、二硫化炭素(CS2)(1.5L)、無水塩化アルミニウム(AlCl3)(2.7mol,359g,6当量)及び塩化クロロアセチル(0.585mol,66.1g(46.6mL),1.3当量)が逐次的に仕込まれた。1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン(0.45mol,66.2g,1当量)が1時間かけて少しずつ添加され;その添加は20℃から31℃への温度上昇を伴って行なわれた。1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンの添加が完了した後、その反応混合液が0.75時間攪拌され、その時点で反応混合液の攪拌が不能になった。その反応混合液は3.5時間還流されてから室温まで冷却された。二硫化炭素(CS2)がデカンテーションされ、残渣が氷水浴中で冷却された。その反応混合液は、氷と水の非常にゆっくりした添加により反応が止められた。得られた黄褐色懸濁液が室温で一晩攪拌された。固体が集められ、水で洗浄され(×4)、フィルター上で15分間乾燥された後フードの中で一晩乾燥された。その生成物は50℃の減圧オーブン中で更に24時間乾燥され;その生成物は粉砕されて70℃の減圧オーブン中で更に3時間乾燥され、91.6g(91%)のサーモン色固体の5−(2−クロロアセチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを与えた。mp197〜200℃。
【0114】
製造例3
5−(2−クロロエチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン
5Lの4頸フラスコ(機械的攪拌器、冷却管及びN2導入管を装備)に、5−(2−クロロアセチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン(0.673mol,150g,1当量)及びTFA(6.73mol,767g(518mL),10当量)が加えられ、8℃まで冷却された。Et3SiH(1.58mol,179.6g(247mL)2.3当量)が0.5時間かけてゆっくり加えられ、断続的冷却と添加速度の調節により16〜18℃の温度が維持された。添加が完了した時点で、その暗褐色反応液が30分間かけて42℃まで発熱した。反応温度を41〜42℃に維持するために僅かに冷却した。20分後に温度がゆっくり下がり始め、1.75時間で室温に到達した。その反応液は2.5Lの冷水中に注がれ、その水性/油性混合液に種晶が入れられ、一晩攪拌したままにした。固体が集められ、水(×3)とヘプタン(×2)で洗浄された。生成物はフィルター上で1時間乾燥された後に45℃の減圧オーブン中で一晩乾燥され、132.6g(94%)の5−(2−クロロエチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを淡褐色固体として与えた。mp136℃。
【0115】
製造例4
5−(3−クロロ−プロピオニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
塩化アルミニウム(20.027g,150.2mmol)が二硫化炭素(100ml)中に懸濁された。これに、塩化3−クロロプロピオニル(4.66ml,48.81mmol)が加えられた。10分後、1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(5.0g,37.55mmol)がこの反応液にゆっくり加えられた。その混合液は、還流されて3時間攪拌された。冷却した後、二硫化炭素がデカンテーションされ、そして反応フラスコが氷浴中で冷却された。全ての塩化アルミニウムが反応して析出物が形成されるまで、氷と水がゆっくり加えられた。一晩攪拌された。析出物が濾取され十分な水で洗浄された。得られた固体の5−(3−クロロ−プロピオニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンが減圧乾燥されて8.24gを与えた。収率98%;MS(APCI):224[M+H]+
【0116】
製造例5
5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(3−クロロ−プロピオニル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(8.24g,36.94mmol)がトリフルオロ酢酸(28.46ml,396.4mmol)中に溶解された。トリエチルシラン(13.57ml,84.96mmol)がその混合液にゆっくり加えられて一晩攪拌された。氷水/ヘキサン(10:1)混合液がその反応液に加えられて1時間激しく攪拌された。得られた析出物が濾取され、水で洗浄されそして減圧乾燥されて、5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを与えた。収率94%;MS(APCI):210[M+H]+
【0117】
製造例6
6−クロロ−5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
標題化合物は、1,3−ジヒドロ−6−クロロ−インドール−2−オンで出発して、製造例4に記載したものと類似の方法を使用して製造されることができる。
【0118】
製造例7
3−ピペラジン−1−イル−1,2−ベンズイソキサゾール
2リッター反応器に、クロロ−オキサゾール化合物(95g,0.619)、ピペラジン(236g,2.74m)及びアセトニトリル(500mL)が仕込まれた。その反応器は栓をされ、攪拌されそして130℃の内温までゆっくり温められてから、その温度で5時間維持された。その反応器は、冷却され、通気され、そして水でリンスされた。その反応液は、常法で処理されて生成物を与えた。
【0119】
製造例8
3−ピペラジン−1−イル−1H−インダゾール
3−クロロインダゾール(15.72g,0.103mol)及びピペラジン(46.0g,0.534mol)の無溶媒混合物が、ステンレススチール製の栓をされた容器中で250℃で14時間加熱される。室温まで冷却すると、種々の残渣が1.0N水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液と塩化メチレンの間に分配される。その有機層が硫酸マグネシウムで乾燥され、濾過され、そして、その濾液がジオキサン中の4N塩酸(HCl)で処理され、生成物の析出物がガム状残渣としてもたらされる。これを水中に吸収して副生成物を析出させ、その濾液を濃縮して標題化合物を与える。19.03g(77%)MS(APCI),m+1=203;m−1=201。
【0120】
実施例1
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(2−クロロ−エチル)−1−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(10.00g,47.83mmol)、及びベンズ[d]−イソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(20.98g,95.66mmol)が乾燥品としてフラスコ中に加えられた。これは、アセトン/水の1:1混合液(150ml)中に懸濁された。次いで、〜325メッシュの炭酸カリウム(26.48g,191.32mmol)がこの混合液に加えられてから、触媒量のヨウ化カリウムが加えられた。この混合液は100℃で2日間還流された。固体析出物が濾取されて水とアセトニトリルで洗浄された。これは、標題化合物を純粋な黄色固体としてもたらした。収率79%;MS(APCI):433[M+H]+
【0121】
実施例2
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(2−クロロ−エチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(2.0g,10.25mmol)及び1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(4.5g,20.5mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(60ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(5.66g,41.00mmol)が加えられてから、触媒量のヨウ化カリウムが加えられた。この混合液は100℃で1.5日間還流された。固体析出物が濾取されて水とアセトニトリルで洗浄された。これは、純粋な黄色固体として、5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンをたらした。収率56%;MS(APCI):419[M+H]+
【0122】
実施例3
5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(2.0g,9.53mmol)及び1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(4.18g,19.08mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(40ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(5.27g,38.16mmol)が加えられ、そしてその混合液は100℃で2日間還流された。固体析出物が濾取されて水とアセトニトリルで洗浄された。これは、純粋な黄色固体5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンをもたらした。収率56%;MS(APSI):433[M+H]+
【0123】
実施例4
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.200g,0.954mmol)及び1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(0.388g,1.908mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(20ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(0.526g,3.816mmol)が加えられた。この混合液は100℃で2日間還流された。固体析出物が濾取されて水とアセトニトリルで洗浄された。これは、純粋な黄色固体5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンをもたらした。収率14%;MS(APCI):417[M+H]+
【0124】
実施例5
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
6−クロロ−5−(2−クロロ−エチル)−l,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.00g,4.34mmol)及び1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(1.90g,8.69mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(50ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(2.39g,17.36mmol)が加えられた。この混合液は100℃で1日間還流された。固体析出物が濾取されて洗浄されたが生成物ではなかった。濾液がEtOAcで抽出され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。その粗生成物は、MPLC酢酸エチル(EtOAc)で精製されて、5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを与えた。収率3%;MS(APCI):453[M+H]+
【0125】
実施例6
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
塩酸ジプラシドン(5.00g,12.14mmol)(米国特許第5206366号)が、アセトン/水の1:1混合液(60ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(4.20g,30.27mmol)が加えられた。この混合液は100℃で1日間還流された。生成物は、殆ど生成しなかった。更に2.5当量の炭酸カリウム(4.18,30.35mmol)が加えられた。反応は一晩で完結した。桃色固体が濾取されて水とアセトニトリルで洗浄され、純粋な生成物5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを与えた。収率85%;MS(APCI):453[M+H]+
【0126】
実施例7
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
6−クロロ−5−(2−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.00g,4.09mmol)及び1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(1.79g,8.19mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(50ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(2.26g,16.38mmol)が加えられた。この混合液は100℃で1日間還流された。濾液がEtOAc中に吸収され、水、飽和NaClで3回洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。MPLC(4:1)酢酸エチル/ヘキサン(EtOAc/Hex)で、90%純度の固体がもたらされた。これは、アセトニトリルで数回洗浄されて、純粋な生成物5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを生成した。収率22%;MS(APCI):467[M+H]+
【0127】
実施例8
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(3−クロロ−エチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.0g,4.9mmol)及び1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル(1.0g,4.9mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(40ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(1.69g,12.25mmol)が加えられた。この混合液は100℃で1日間還流された。固体析出物が濾取されて洗浄されたが捨てられた。濾液がEtOAで抽出され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。この固体は、アセトニトリルで洗浄されて、純粋な生成物5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンをもたらした。収率2%;MS(APSI):403[M+H]+
【0128】
実施例9
5−{3−[4−(1H−インダゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン
5−(3−クロロ−プロピル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(2.0g,9.53mmol)及びピペリジナール−インダゾール(1.93g,9.54mmol)が、アセトン/水の1:1混合液(60ml)中に懸濁された。これに、〜325メッシュの炭酸カリウム(3.29g,23.85mmol)が加えられた。この混合液は100℃で3日間還流された。残渣がEtOAc中に吸収された。有機層が、水、飽和NaClで洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。その粗生成物が、MPLC(4/1)EtOAc/Hex、(98/2)CH2Cl2/MeOHで精製され、最後にMeOHがさっと流されて、90%純度の化合物をもたらした。その固体は、十分な量のアセトニトリルで洗浄されて、生成物5−{3−[4−(1H−インダゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンをもたらした。収率4%;MS(APCI):416[M+H]+
【0129】
実施例10
スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−1’,2,2−トリメチル−
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.761g,3.46mmol)が、無水DMF中で、窒素(N2)雰囲気下攪拌された。この懸濁液に、水素化ナトリウム(NaH)[60%分散物](0.138g,3.46mmol)が加えられ、その反応液が20分間攪拌された。0℃まで冷却した後、5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.00g,2.31mmol,実施例1)が、無水ジメチルホルムアミド(DMF)中に懸濁されてその反応液にゆっくりピペッティングされることにより加えられた。その反応液は室温まで温められて一晩攪拌された。その反応液がEtOAcで稀釈された。有機層が、十分な量の水、塩化ナトリウム(NaCl)で洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。その粗生成物が、MPLC(4/1酢酸エチル/ヘキサン)で精製された。収率64%でスピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−1’,2,2−トリメチル−;MS(APCI):447[M+H]+
【0130】
実施例11
スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル}エチル]−2,2−ジメチル−
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.790g,3.59mmol)が、無水DMF中で、N2(常圧)気流下攪拌された。この懸濁液に、NaH[60%分散物](0.1436g,3.59mmol)が加えられ、その反応液が20分間攪拌された。0℃で、5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(3.37g,15.38mmol,実施例2)が、無水DMF中に懸濁されてその反応液にゆっくりピペッティングされることにより加えられた。その反応液は室温まで温められて一晩攪拌された。その反応液がEtOAcで稀釈された。有機層が、十分な量の水、NaClで洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮されて、減圧乾燥され、スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−2,2−ジメチル−を与えた。精製は必用ではなかった。収率75%;MS(APCI):433[M+H]+
【0131】
実施例12
スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル}プロピル]−2,2−ジメチル−
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.764g,3.47mmol)が、無水DMF中で、窒素(N2)雰囲気下攪拌された。この懸濁液に、NaH[60%分散物](0.139g,3.47mmol)が加えられ、その反応液が20分間攪拌された。5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.0g,2.31mmol,実施例3)が、無水DMF中に懸濁されてその反応液にゆっくりピペッティングされることにより加えられた。その反応液は一晩攪拌された。その反応液がEtOAcで稀釈された。有機層が、十分な量の水、塩化ナトリウム(NaCl)で洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮されて、減圧乾燥され、スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]プロピル]−2,2−ジメチル−を与えた。その粗生成物は、MPLC(EtOAc)で精製された。収率45%;MS(APCI):447[M+H]+
【0132】
実施例13
スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−6’−クロロ−2,2−ジメチル−
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(1.08g,4.96mmol)が、無水DMF中で、N2(常圧)気流下攪拌された。この懸濁液に、水素化ナトリウム(NaH)[60%分散物](0.20g,4.96mmol)が加えられ、その反応液が20分間攪拌された。5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(1.50g,3.31mmol)が、無水DMF中に懸濁されてその反応液にゆっくりピペッティングされることにより加えられた。その反応液は一晩攪拌された。その反応液は酢酸エチル(EtOAc)で稀釈された。有機層が、十分な量の水、NaClで洗浄され、硫酸マグネシウム(MgSO4)で乾燥され、そして濃縮された。純粋でない固体がアセトニトリル中に吸収されてよく洗浄された。その純粋でない固体は、塩化メチレン(CH2Cl2)中に吸収され、そして1時間攪拌されてから濾過された。これは、純粋な生成物スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−6’−クロロ−2,2−ジメチル−をもたらした。収率43%;MS(APCI):467[M+H]+
【0133】
実施例14
スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル}プロピル]−6’−クロロ−2,2−ジメチル−
ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(0.56g,2.58mmol)が、無水DMF中で、N2雰囲気下攪拌された。この懸濁液に、NaH[60%分散物](0.10g,2.58mmol)が加えられ、その反応液が20分間攪拌された。5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(0.80g,1.72mmol,実施例7)が、無水DMF中に懸濁されてその反応液にゆっくりピペッティングされることにより加えられた。その反応液は一晩攪拌された。その反応液はEtOAcで稀釈された。有機層が、十分な量の水、NaClで洗浄され、MgSO4で乾燥され、そして濃縮された。その粗生成物が、MPLC(EtOAc)で精製された。これは、純粋な生成物スピロ[シクロプロパン−1,3’−{3H}インドール]−2’(1’H)−オン,5’−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]プロピル]−6’−クロロ−2,2−ジメチル−を与えた。収率58%;MS(APCI):481[M+H]+

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、式I:
【化1】

(式中、
Arは、1,2−ベンズイソチアゾイル、1,2−ベンズイソチアゾイル−1−オキシド、1,2−ベンズイソチアゾイル−1−ジオキシド、1,2−ベンズイソキサゾイル、ナフチル、ピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサゾロニル、フタラジニル、インドリル、インダニル、1H−インダゾイル、又は3−インダゾリルであって、その際、Arは、好ましくは、ハロ、好ましくはクロロ又はフルオロ、シアノ、ニトロ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される0〜3の置換基より置換されていてもよく;但し、Arは、該ピペラジン環にArのフェニル環を介して結合することはなく;
Aは、−(CH2)nCH2−であって、その際、nは1〜3の整数であり、該ピペラジン窒素に隣接していないAのCH2基のうち1は酸素原子により又はRが(C1〜C6)アルキルであるNRにより置き換えられてもよく、Aの炭素原子のうち1はオキソ、アミノ、Rがヒドロキシ又は(C1〜C6)アルキルであるNHRにより置換されていてもよく、そして、式Iの化合物における各々のR基は、その化合物の他のあらゆるR基から独立しており;
2及びR3は、水素、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C2〜C6)アルケニル、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C2〜C6)アルケノキシ、−C(C=O)−(C1〜C6)アルキル、1又は2部位の不飽和を有する−C(C=O)−(C1〜C6)アルケニル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、ジ(C1〜C6)アルキルアミノ、アリール、及びヘテロアリールから独立に選択され、その際、前記アリール及びヘテロアリール基は、ハロ、オキソ、ニトロ、アミノ、シアノ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される1又はそれを越える置換基で、好ましくは0〜2の置換基で置換されていてもよく;
1は、水素、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C4)アルキル、アリール、R6がアリール、(C1〜C4)アルキル、又はアリール−(C1〜C4)アルキルである−C(O)R6であり、その際、該アリール−(C1〜C4)アルキル及びヘテロアリール−(C1〜C4)アルキル基のアルキル部分は1〜3のフッ素原子で置換されていてもよく、そして、これら基の該アリール及びヘテロアリール部分は、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル、及び1〜3のフッ素原子で置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシから独立に選択される1又はそれを越える置換基で、好ましくは0〜2の置換基で置換されていてもよく;
4及びR5は、R2及びR3の定義において上記した置換基の群から独立に選択される1又は2の置換基であるR7及びR8により末端が置換されていてもよいオレフィンを表し;
又は、R4及びR5は、一緒になって3〜6の炭素原子を含有するスピロ飽和環を形成してもよく、その際、前記環は、R2及びR3の定義において上記した置換基の群から独立に選択される1又は2の置換基であるR7及びR8により置換されていてもよい。
但し、Arがベンズイソチアゾール−3−イルであるとき、Aはエチレンであり、R1は水素又は未置換(C1〜C4)アルキルであり、R2は水素、ハロ又はメチルであり、そしてR3は水素、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、置換若しくは未置換アルキル、又は置換若しくは未置換アルコキシであり;R4及びR5は、スピロ(C4〜C6)シクロアルキル基でも、R7が水素でありR8がフェニルであるR7及びR8で末端が置換されたオレフィンでもない。)
の化合物又は薬学的に許容できるそのような化合物の塩に関する。
【請求項2】
請求項1の化合物であって、Arが、以下:
【化2】

から選択される置換若しくは未置換二環式環系であり、Aが、−CH2−、−CH2−CH2−、−(C=O)−、−CH2(C=O)−、−CH(OH)−、−CH2−CH(OH)−、−CH−N(R)−、又は−CH2−CH−N(R)−であり、Aに結合しているオキシインドール部分が、以下:
【化3】

から選択され、R1、R2及びR3が上で定義した通りであり、そして、該スピロシクロプロピル基が置換されていても未置換であってもよい化合物。
【請求項3】
請求項1の化合物であって、R4及びR5がスピロ2,2−ジメチルシクロプロピル環を形成している化合物。
【請求項4】
請求項1の化合物であって、R4及びR5が、末端がR7及びR8で置換されていてもよいオレフィンを形成している化合物。
【請求項5】
請求項1の化合物であって、以下の化合物及び薬学的に許容できるそれらの塩から選択される化合物:
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1−メチル−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
{5−[3−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸;
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[2−(4−1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−プロピル]−6−クロロ−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−[3−(4−1,2−ベンズイソキサゾール−3−イル−ピペラジン−1−イル)−エチル]−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
5−{3−[4−(1H−インダゾール−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピル}−3−イソプロピリデン−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−1',2,2−トリメチル
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−2,2−ジメチル−
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]プロピル]−2,2−ジメチル−
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[2−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]エチル]−6'−クロロ−2,2−ジメチル−
スピロ[シクロプロパン−1,3'−{3H}インドール]−2'(1'H)−オン,5'−[3−[4−{1,2−ベンズイソチアゾール−3−イル}−1−ピペラジニル]プロピル]−6'−クロロ−2,2−ジメチル−。
【請求項6】
請求項1の化合物であって、R2及びR3の一方又は両方が水素である化合物。
【請求項7】
医薬組成物であって、ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための医薬組成物であり、そのような障害又は状態を治療するのに有効な量の請求項1の化合物又は薬学的に許容できるその塩、及び薬学的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
【請求項8】
ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための方法であって、そのような治療を必要とする哺乳動物に、そのような障害又は状態を治療するのに有効な量の請求項1の化合物又は薬学的に許容できるその塩を投与することを含んでなる方法。
【請求項9】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が、主要抑うつ症、偶発性抑うつ症、再発性抑うつ症、小児虐待誘発抑うつ症、分娩後抑うつ症、気分変調、循環病、及び双極性障害から選択される方法。
【請求項10】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が、精神分裂症、分裂情動障害、妄想障害、物質誘発精神障害、短期間精神障害、分配精神障害、一般的な医学的状態に起因する精神障害、及び分裂症様障害から選択される方法。
【請求項11】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が、自閉症、普及性発育障害、及び注意欠乏過剰反応障害から選択される方法。
【請求項12】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が、広汎性不安症;パニック障害;強迫障害;トラウマ後ストレス障害;並びに、社会恐怖症、広所恐怖症及び特定恐怖症を含む恐怖症から選択される方法。
【請求項13】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が抑うつ症を併発している精神分裂症である方法。
【請求項14】
請求項8の方法であって、治療される障害又は状態が不安症を併発している精神分裂症である方法。
【請求項15】
ヒトを含む哺乳動物における、偶発性又は再発性主要抑うつ障害;気分変調障害;抑うつ神経症及び神経症性抑うつ症;拒食症、体重減少、不眠症、早朝目覚め又は精神運動遅滞を含むメランコリー性抑うつ症;食欲増進、過剰睡眠、精神運動攪乱又は過敏症、季節性情動障害、及び小児性抑うつ症を含む非定型抑うつ症(又は反応性抑うつ症);双極性障害又は躁うつ病、例えば、I型双極性障害、II型双極性障害及び循環病;行為障害;分断性挙動障害;注意欠乏過剰反応障害(ADHD);心的遅滞、自閉症、及び行為障害に伴う挙動妨害;不安症であって、広所恐怖症を伴うか伴わないパニック障害、パニック障害の既往症がない広所恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定動物恐怖症、社会不安症、社会恐怖症、強迫障害、トラウマ後ストレス障害及び急性ストレス障害を含むストレス障害、及び広汎性不安症などの不安症;境界人格異常;精神分裂症及び他の精神障害、例えば、分裂症様障害、分裂情動障害、妄想障害、短期間精神障害、分配精神障害、妄想又は幻覚に伴う精神障害、不安症の精神的エピソード、精神病に伴う不安症、重度主要抑うつ障害などの精神病的気分障害;双極性障害に伴う急性の躁病及び抑うつ病などの精神障害に伴う気分障害;精神分裂症に伴う気分障害;錯乱状態、痴呆症、及び健忘症や他の認知障害若しくは神経退行性障害であって、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老人性痴呆症、アルツハイマー型の痴呆症、記憶障害、管理機能の喪失、血管性痴呆症、及び他の痴呆症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルトヤコブ病に起因するもの又は複数病因に起因するものなど;運動障害であって、家族性発作性運動異常症、痙攣、ツーレット症候群、スコット症候群、PALSYS及び無動硬直症候群を含む、運動不能症、運動異常症などの運動障害;医薬品誘発運動障害などの錐体外路運動障害、例えば、神経弛緩誘発パーキンソン症候群、神経弛緩悪性症候群、神経弛緩誘発急性失調症、神経弛緩誘発急性静座不能、神経弛緩誘発遅発性運動異常症及び医薬品誘発起立性震せん;化学的依存症及び耽溺症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン類、ニコチン、又はフェノバルビタールへの依存症又は耽溺症)、及びギャンブルへの耽溺などの行動的耽溺症;及び緑内障や虚血性網膜症などの眼の障害、から選択される障害又は状態を治療するための方法であって、前記哺乳動物に、
(a) 請求項1の化合物又は薬学的に許容できるその塩;及び
(b) 抗抑うつ剤又は抗不安剤又は薬学的に許容できるその塩である別の薬学的に活性な化合物
を投与することを含んでなり、
該活性剤 (a) 及び (b) が、該組合せ物をそのような障害又は状態を治療するのに有効であるようにする量で存在する方法。

【公表番号】特表2006−507282(P2006−507282A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546274(P2004−546274)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004616
【国際公開番号】WO2004/037820
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(391011308)ワーナー−ランバート・カンパニー、リミテッド、ライアビリティ、カンパニー (37)
【氏名又は名称原語表記】WARNER−LAMBERT COMPANYLLC
【Fターム(参考)】