説明

オレフィンメタセシスおよび原子またはグループ移動反応に使用するための金属錯体

オレフィンメタセシスおよび原子またはグループ移動反応のような数多くの有機合成反応において有用な改良された触媒を、多座配位性シッフ塩基配位子と、1つ以上の他の配位子とを含む多配位金属錯体と酸とを、酸が少なくとも部分的に金属錯体の金属と多座配位性シッフ塩基配位子との間の結合を、任意でシッフ塩基配位子の中間体プロトン化を経て、開裂するような条件下で接触させることによって生成する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
多配位金属錯体、その塩、溶媒和物または鏡像体を修飾する方法であって、前記多配位金属錯体は、(i)イミノ基を含み、前記イミノ基の窒素原子に加えて、酸素、イオウおよびセレニウムからなる群から選択される更なるヘテロ原子の少なくとも1個を介して金属に配位する、少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子と(ii)1つ以上の他の配位子とを含み、前記方法は、前記酸が、少なくとも部分的に、金属と前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)との間の結合を開裂することができる条件で、前記多配位金属錯体を酸に接触させることを含み、前記他の配位子(ii)は、前記条件下で、前記酸によってプロトン化されないように選択される方法。
【請求項2】
前記条件は、前記酸と前記多配位金属錯体との間のモル比が1.2を超え、40未満であることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記条件は、接触時間が5秒〜100時間であることを含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記条件は、接触温度が約−50℃〜約+80℃であることを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記他の配位子(ii)が、ホスフィン類、アミン類、アルシン類およびスチビン類からなる群から選択されないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記酸のpKaが、前記多座配位性シッフ塩基配位子(ii)のpKaより低い請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、少なくとも15のpKaを有する制限立体障害配位子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)における、前記イミノ基の窒素原子と前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)の前記配位しているヘテロ原子との間の炭素原子の数が、2〜4であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、N−複素環カルベン、アルキリデン配位子、ビニリデン配位子、インデニリデン配位子およびアレニリデン配位子からなる群から選択されるカルベン配位子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、アニオン性配位子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、非アニオン性配位子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記酸は、塩化水素酸または臭化水素酸である請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記条件は、多座配位性シッフ塩基配位子をプロトン化し、金属から前記多座配位性シッフ塩基配位子のイミノ基の窒素原子を脱配位化することができることを特徴とする請求
項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記条件は、金属から前記多座配位性シッフ塩基配位子のさらなるヘテロ原子を脱配位化することができることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
(a)(i)イミノ基を含み、前記イミノ基の窒素原子に加えて、酸素、イオウおよびセレニウムからなる群から選択される更なるヘテロ原子の少なくとも1個を介して金属に配位する多座配位性シッフ塩基配位子を少なくとも1個と、(ii)1個以上の他の配位子とを含む多配位金属錯体、その塩、溶媒和物または鏡像体と、
(b)前記多配位金属錯体(a)に関し、約1.2を超えるモル比で反応させる酸との反応生成物であって、ただし前記他の配位子(ii)は、前記酸によってプロトン化ができないものである、反応生成物。
【請求項16】
前記他の配位子(ii)が、アミン類、ホスフィン類、アルシン類およびスチビン類からなる群から選択されないことを特徴とする請求項15記載の生成物。
【請求項17】
前記酸(b)のpKaが、前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)のpKaより低いことを特徴とする請求項15または16記載の生成物。
【請求項18】
前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)における、前記イミノ基の窒素原子と前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)の前記ヘテロ原子との間の炭素原子の数が、2〜4であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項19】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、少なくとも15のpKaを有する制限立体障害配位子であることを特徴とする請求項15〜18のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項20】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、N−複素環カルベン、アルキリデン配位子、ビニリデン配位子、インデニリデン配位子およびアレニリデン配位子からなる群から選択されるカルベン配位子であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項21】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、アニオン性配位子であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項22】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、非アニオン性配位子であることを特徴とする請求項15〜19のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項23】
前記酸は、塩化水素酸または臭化水素酸であることを特徴とする請求項15〜22のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項24】
一般式:
[M(L)(L)(X)(SB)]X
(式中、
−Mは、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から選択される金属、好ましくは、ルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−SBは、プロトン化シッフ塩基配位子、好ましくはプロトン化2座配位性シッフ塩基
配位子であり;
−Lは、カルベン配位子、好ましくは、アルキリデン配位子、ビニリデン配位子、インデニリデン配位子、およびアレニリデン配位子からなる群から選択され;
−Lは、非アニオン性配位子、好ましくは、ホスフィン配位子以外であり;
−Xはアニオン性配位子であり;
−Xはアニオンである)で表される単一金属種、その塩、溶媒和物および鏡像体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項25】
一般式:
[M(L)(SB)(X)(X)(M’)(X)(L)]X
(式中、
−MおよびM’はそれぞれ、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から独立して選択される金属、好ましくは、ルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−SBは、プロトン化シッフ塩基配位子、好ましくはプロトン化2座配位性シッフ塩基配位子であり;
−Lcは、カルベン配位子であり、好ましくは、アルキリデン配位子、ビニリデン配位子、インデニリデン配位子、およびアレニリデン配位子からなる群から選択され;
−Lは、非アニオン性配位子、好ましくはホスフィン配位子以外であり;
−X、XおよびXは、それぞれ独立して、アニオン性配位子から選択され;
−Xはアニオンである)で表される二金属種、その塩、溶媒和物および鏡像体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項26】
一般式(VI):
【化1】

で表されるカチオン性単一金属種、または
一般式(VII):
【化2】

で表されるカチオン性単一金属種
(式中、
−Mは、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から選択される金属、好ましくはルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−Wは、酸素、イオウ、セレニウム、NR””、PR””、AsR””およびSbR””からなる群から選択され;
−R”、R’’’およびR””はそれぞれ、水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択されるラジカルであり、またはR”とR’’’とが一緒になってアリールまたはヘテロアリールラジカルを形成し、各前記ラジカル(水素とは異なる場合)は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群からそれぞれ独立して選択される1個以上の、好ましくは1〜3個の置換基Rで任意で置換され;
−R’は、一般式(IA)で表される化合物に含まれる場合は、R”、R’’’およびR””について定義されたものと同じであり、または一般式(IB)で表される化合物に含まれる場合は、C1−6アルキレンおよびC3−8シクロアルキレンからなる群から選択され、前記アルキレンまたはシクロアルキレン基は1つ以上の置換基Rで任意で置換され;
−Lは、非アニオン性配位子、好ましくはホスフィン配位子以外であり;
−Xは、アニオン性配位子であり;
−RおよびRはそれぞれ、水素、またはC1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C1−20カルボキシレート、C1−20アルコキシ、C2−20アルケニルオキシ、C2−20アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−8アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、C1−20アルキルスルフィニル、C1−20アルキルスルホネート、アリールスルホネート、C1−20アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−20アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群から選択されるラジカルであり;
−R’とRおよびRのうちの1つとが互いに結合して、2座配位性配位子を形成してもよく;
−R’’’およびR””は互いに結合して、窒素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択されるヘテロ原子を含む脂肪族環系を形成してもよく;
−RおよびRは一緒になって縮合芳香族環系を形成してもよく;
−yは、Mと、RおよびRを有する炭素原子との間のsp炭素原子の数を示し、0〜3(両端を含む)の整数である)、その塩、溶媒和物および鏡像体であり、前記カチオン性化学種は、アニオンと結合している請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項27】
一般式(X):
【化3】

で表されるカチオン性二金属種、または
一般式(XI):
【化4】

で表されるカチオン性二金属種
(式中、
−MおよびM’は、それぞれ、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から独立して選択される金属、好ましくはルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−Wは、酸素、イオウ、セレニウム、NR””、PR””、AsR””およびSbR””からなる群から選択され;
−R”、R’’’およびR””はそれぞれ、水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキル、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択されるラジカルであり、またはR”とR’’’とが一緒になってアリールまたはヘテロアリールラジカルを形成し、各ラジカル(水素とは異なる場合)は、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群からそれぞれ独立して選択される1個以上の、好ましくは1〜3個の置換基Rで任意で置換されてあり;
−R’は、一般式(IA)で表される化合物に含まれる場合は、R”、R’’’およびR
””について定義されたものと同じであり、一般式(IB)で表される化合物に含まれる場合は、C1−6アルキレンおよびC3−8シクロアルキレンからなる群から選択され、前記アルキレンまたはシクロアルキレン基は1つ以上の置換基Rで任意で置換され;
−RおよびRはそれぞれ、水素、またはC1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C1−20カルボキシレート、C1−20アルコキシ、C2−20アルケニルオキシ、C2−20アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−8アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、C1−20アルキルスルフィニル、C1−20アルキルスルホネート、アリールスルホネート、C1−20アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−20アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群から選択されるラジカルであり;
−R’とRおよびRの1つとが互いに結合して、2座配位性配位子を形成してもよく;
−R’’’およびR””は互いに結合して、窒素、リン、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択されるヘテロ原子を含む脂肪族環系を形成してもよく;
−RおよびRは一緒になって縮合芳香族環系を形成してもよく;
−yは、Mと、RおよびRを有する炭素原子との間のsp炭素原子の数を示し、0〜3(両端を含む)の整数であり、
−X、XおよびXは、それぞれ独立して、アニオン性配位子から選択され;
−Lは、非アニオン性配位子、好ましくはホスフィン配位子以外である)および、その塩、溶媒和物および鏡像体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項28】
一般式(VIII):
【化5】

(式中、
−Mは、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から選択される金属、好ましくはルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−Xは、アニオン性配位子であり;
−RおよびRはそれぞれ、水素、またはC1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C1−20カルボキシレート、C1−20アルコキシ、C2−20アルケニルオキシ、C2−20アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−8アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、C1−20アルキルスルフィニル、C1−20アルキルスルホネート、アリールスルホネート、C1−20アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−20アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群から選択されるラジカルであり;
−RおよびRは一緒になって縮合芳香族環系を形成してもよく;
−yは、Mと、RおよびRを有する炭素原子との間のsp炭素原子の数を示し、0〜3(両端を含む)の整数であり、
−X’はアニオン性配位子であり;
−Lは、ホスフィン配位子以外の非アニオン性配位子である)で表される単一金属錯体、その塩、溶媒和物および鏡像体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項29】
一般式(IX):
【化6】

(式中、
−Mは、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から選択される金属、好ましくはルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、銅、クロム、マンガン、ロジウム、バナジウム、亜鉛、金、銀、ニッケルおよびコバルトから選択される金属であり;
−Xはアニオン性配位子であり;
−Sは溶剤であり;
−Yは溶剤、またはSがアルコールの場合YはCOであり;
−Lは、非アニオン性配位子、好ましくはホスフィン配位子以外である)で表される単一金属錯体、その塩、溶媒和物および鏡像体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項30】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、溶剤Sであり、前記複合体(a)は、アニオンAに結合するカチオン性化学種である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項31】
前記多配位金属錯体(a)は、二金属錯体であることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項32】
前記二金属錯体の1個の金属が、前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)および前記1つ以上の他の配位子(ii)に5座配位し、他の金属が、1つ以上の中性配位子および1つ以上のアニオン性配位子に4座配位することを特徴とする請求項31記載の生成物。
【請求項33】
前記二金属錯体の各金属が、前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)および前記1つ以上の他の配位子(ii)に6座配位することを特徴とする請求項31記載の生成物。
【請求項34】
二金属錯体の2個の金属が同じであることを特徴とする請求項31記載の生成物。
【請求項35】
二金属錯体の2個の金属が異なることを特徴とする請求項31記載の生成物。
【請求項36】
前記多配位金属錯体(a)は単一金属錯体である請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項37】
前記多配位金属錯体(a)の金属は、周期表4、5、6、7、8、9、10、11および12属からなる群から選択される遷移金属であることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項38】
前記金属は、ルテニウム、オスミウム、鉄、モリブテン、タングステン、チタニウム、レニウム、テクネチウム、ランタニウム、銅、クロム、マンガン、パラジウム、白金、ロジウム、バナジウム、亜鉛、カドミウム、水銀、金、銀、ニッケルおよびコバルトからな
る群から選択されることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項39】
前記多配位金属錯体(a)が、5座配位性金属錯体または4座配位性金属錯体であることを特徴とする請求項15〜23のいずれか1項に記載の生成物。
【請求項40】
前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)は、2座配位性配位子であり、前記多配位金属錯体(a)は、2個の他の配位子(ii)を含むことを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項41】
前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)は、3座配位性配位子であり、前記多配位金属錯体(a)は、1個の他の配位子(iii)を含むことを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項42】
前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)が、図1に示される一般式(IA)および(IB)(式中、
−Zは、酸素、イオウおよびセレニウムからなる群から選択され;
R”およびR’’’は、それぞれ、水素、C1−7アルキル、C3−10シクロアルキル、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立して選択されるラジカルであり、またはR”とR’’’とは一緒になってアリールまたはヘテロアリールラジカルを形成し、前記ラジカルはそれぞれ、任意で、ハロゲン原子、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アリール、アルキルスルホネート、アリールスルホネート、アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−6アルキル−C1−6アルコキシシリル、C1−6アルキル−アリールオキシシリル、C1−6アルキル−C3−10シクロアルコキシシリル、アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群からそれぞれ独立して選択される1個以上、好ましくは1〜3個の、置換基Rによって置換され;
−R’は、一般式(IA)で表される化合物に含まれる場合は、R”およびR’’’について定義したものと同じであり、一般式(IB)で表される化合物に含まれる場合は、C1−7アルキレンおよびC3−10シクロアルキレンからなる群から選択され、前記アルキレンまたはシクロアルキレン基は1個以上の置換基Rで任意で置換される)の1つで表されることを特徴とする請求項39または40記載の生成物。
【請求項43】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個は、1個以上の水素原子が、制限立体障害を提供する、イミダゾール−2−イリデン、ジヒドロイミダゾール−2−イリデン、オキサゾ−ル−2−イリデン、トリアゾール−5−イリデン、チアゾール−2−イリデン、ビス(イミダ−ゾリン−2−イリデン)、ビス(イミダゾリジン−2−イリデン)、ピロリリデン、ピラゾリリデン、ジヒドロ−ピロリリデン、ピロリリジンイリデン、およびそのベンゾ−縮合誘導体、または非イオン性プロフォスファトラン超塩基からなる群から選択されるN−複素環カルベンの基で置換されている誘導体であることを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項44】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子の少なくとも1個は、C1−20アルキル、C1−20アルケニル、C1−20アルキニル、C1−20カルボキシレート、C1−20アルコキシ、C1−20アルケニルオキシ、C1−20アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−8アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、C1−20アルキルスルフィニル、C1−20アルキルスルホネート、アリールスルホネート、C1−20アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−20アルキルアンモニウム、アリールアンモニウム、ハロゲン原子およびシアノからなる群から選択されるアニオン性配位子であることを特徴とする請求項39記載の生
成物。
【請求項45】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)の少なくとも1個が、一般式=[C=]CR
(式中、
−yは、0〜3(両端を含む)の整数であり、
−RおよびRはそれぞれ、水素、またはC1−20アルキル、C1−20アルケニル、C1−20アルキニル、C1−20カルボキシレート、C1−20アルコキシ、C1−20アルケニルオキシ、C1−20アルキニルオキシ、アリール、アリールオキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−8アルキルチオ、C1−20アルキルスルホニル、C1−20アルキルスルフィニル、C1−20アルキルスルホネート、アリールスルホネート、C1−20アルキルホスホネート、アリールホスホネート、C1−20アルキルアンモニウムおよびアリールアンモニウムからなる群から選択されるラジカルであり、またはRおよびRは互いに結合して、縮合芳香族環系を形成してもよい)で表されるカルベン配位子であることを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項46】
およびRは一緒になって、前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子(ii)がフェニルインデニリデン配位子であるように縮合芳香族環系を形成することを特徴とする請求項45記載の生成物。
【請求項47】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子の少なくとも1個は、芳香族および不飽和シクロ脂肪族基、好ましくは、アリール、ヘテロアリールおよびC4−20シクロアルケニル基からなる群から選択され、前記芳香族または不飽和シクロ脂肪族基は、任意で、1個以上のCl−7アルキル基またはハロゲン、ニトロ、シアノ、(チオ)カルボン酸、(チオ)カルボン酸(チオ)エステル、(チオ)カルボン酸(チオ)アミド、(チオ)カルボン酸無水物および(チオ)カルボン酸ハライド(これらに限定されない)のような電子求引性基で置換されている、非アニオン性不飽和配位子Lであることを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項48】
前記多配位金属錯体(a)の前記他の配位子の少なくとも1個は、C1−7アルキル、C3−10シクロアルキル、アリールアルキルおよび複素環からなる群から選択され、前記基は、任意で、1つ以上の、好ましくは、ハロゲン、ニトロ、シアノ、(チオ)カルボン酸、(チオ)カルボン酸(チオ)エステル、(チオ)カルボン酸(チオ)アミド、(チオ)カルボン酸無水物および(チオ)カルボン酸ハライド(これらに限定されない)のような電子求引性置換基で置換されている非アニオン性配位子Lであることを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項49】
前記少なくとも1の多座配位性シッフ塩基配位子(i)は、4座配位性配位子であり、前記多配位金属錯体(a)は1または2個の、芳香族および不飽和シクロ脂肪族基、好ましくはアリール、ヘテロアリールおよびC4−20シクロアルケニル基からなる群から選択され、前記芳香族または不飽和シクロ脂肪族基は、任意で、1つ以上のC1−7アルキル基またはハロゲン、ニトロ、シアノ、(チオ)カルボン酸、(チオ)カルボン酸(チオ)エステル、(チオ)カルボン酸(チオ)アミド、(チオ)カルボン酸無水物および(チオ)カルボン酸ハライド(これらに限定されない)のような電子求引性基で置換されている非アニオン性配位子Lである、他の配位子(ii)を含むことを特徴とする請求項39記載の生成物。
【請求項50】
前記酸(b)は、光酸発生剤からイン・サイチューで発生する酸である請求項15記載の生成物。
【請求項51】
金属と前記少なくとも1個の多座配位性シッフ塩基配位子(i)との間の結合が少なくとも部分的に開裂した生成物を含む請求項15記載の生成物。
【請求項52】
(a)主触媒種として、請求項15〜51のいずれか1項に記載の反応生成物と、
(b)ルイス酸助触媒(b)、触媒活性化剤(b)およびラジカル移動可能な原子またはグループを有する開始剤(b)からなる群から選択される1つ以上の第二触媒成分とを含む触媒系。
【請求項53】
第二触媒成分が、ボロントリハライド類;リントリハライド類;トリアルキルボロン化合物;トリアリールボロン化合物;有機アルミニウム化合物;マグネシウムジハライド類;アルミニウムトリハライド類;四塩化スズ;チタニウムまたはバナジウムトリハライド類またはテトラハライド類またはテトラアルコキシド類;アンチモンペンタハライド類およびビスマスペンタハライド類からなる群から選択される助触媒(b1)を含む請求項52記載の触媒系。
【請求項54】
第二触媒成分が、触媒活性化剤(b)として、ジアゾ化合物を含む請求項52記載の触媒系。
【請求項55】
第二触媒成分が、ラジカル移動可能な原子またはグループを持つ開始剤(b)として、式R353637CX(式中、
−Xは、ハロゲン、OR38(式中、R38は、C1−20アルキル、ポリハロC1−20アルキル、C2−20アルキニル(好ましくはアセチレニル)、C2−20アルケニル(好ましくはビニル)、任意で1〜5個のハロゲン原子またはC1−7アルキル基で置換されているフェニル、およびフェニル−置換C1−7アルキルから選択される)、SR39、OC(=O)R39、OP(=O)R39、OP(=O)(OR39、OP(=O)OR39、O−−N(R39およびS−−C(=S)N(R39(式中、R39はアリールまたはC1−20アルキル、またはN(R39基が存在する場合は、2個のR39基は結合して5、6、または7員環複素環(前記ヘテロアリールの定義に従う)を形成してもよい)からなる群から選択され、
−R35、R36およびR37は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−20アルキル(好ましくはC1−6アルキル)、C3−8シクロアルキル、C(=O)R40(式中、R40は、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシからなる群から選択される)、C(=O)NR4142(式中、R41およびR42は、独立して、水素およびC1−20アルキルからなる群から選択され、あるいはR41とR42とが結合して、炭素数2〜5個のアルキレン基を形成してもよい)、COCl、OH、CN、C2−20アルケニル(好ましくはビニル)、C2−20アルキニル、オキシラニル、グリシジル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびアリール−置換C2−20アルケニルからなる群から選択される)で表される化合物を含む請求項52記載の触媒系。
【請求項56】
(a)請求項15〜51のいずれか1項に記載の触媒活性反応生成物または請求項52記載の触媒系と、
(b)前記触媒活性生成物または触媒系(a)を担持するに適した担持量の担体とを含む担持触媒。
【請求項57】
触媒成分の存在下での、オレフィンまたはアセチレンメタセシス反応、または原子またはグループの、エチレン性またはアセチレン性不飽和化合物、または他の反応性基質への移動を含む反応を行う方法であって、前記触媒成分が、請求項15〜51のいずれか1項に記載の触媒活性反応生成物または請求項52〜55のいずれか1項に記載の触媒系を含む方法。
【請求項58】
前記原子またはグループのオレフィンまたは他の反応性基質への移動を含む反応は、
−1つ以上のラジカル(共)重合性モノマー、特にモノおよびジエチレン性不飽和モノマーの原子またはグループ移動ラジカル重合;
−対応する飽和ポリハロゲン化付加物を得るための、式CX4−n(式中、Xはハロゲンであり、nは2〜4の整数である)を有するポリハロメタンのエチレン性不飽和化合物への原子移動ラジカル付加;
−アルク−1−エニルエステル類、またはエノールエステル類、またはマルコフニコフ付加物、または反マルコフニコフ型付加物、またはこれらの混合物を生成するための、モノまたはジアルキンの、モノまたはジカルボン酸とのビニル化反応;
−1つ以上のシクロプロパン構造単位を持つ有機化合物を生成する、α−エチレン性不飽和化合物のシクロプロパン化;
−2−アミノベンジルアルコールとケトン類との酸化環化によるキノリン合成;
−エポキシド類を生成するα−エチレン性不飽和化合物のエポキシ化;
−アルコール類を生成する飽和炭化水素、スルホキシド類およびスルホン類を生成するスルフィド類、ホスホネート類を生成するホスフィン類、またはカルボン酸を生成するアルコール類およびアルデヒド類の酸化を含む、有機化合物の酸化;
−1つ以上のシクロプロペン構造単位を持つ有機化合物を生成するアルキンのシクロプロペン化;
−飽和ニトリル類を生成するα−エチレン性不飽和化合物、不飽和ニトリル類を生成するアルキン、またはβ−シアノカルボニル化合物を生成するα,β−不飽和アルデヒド類またはケトン類のヒドロシアン化;
−飽和シランを生成するオレフィン類、不飽和シランを生成するアルキン類、またはシリルエーテル類を生成するケトン類のヒドロシリル化、またはシアノヒドリントリメチルシリルエーテル類を生成するアルデヒド類のトリメチルシリルシアン化;
−1つ以上のアジリジン構造単位を持つ有機化合物を生成するイミン類またはアルケン類のアジリジン化;
−飽和アミド類を生成するオレフィン類のヒドロアミド化;
−アルカン類を生成するオレフィン類の、またはアルコール類を生成するケトン類の水素化;
−飽和第一級または第二級アミン類を生成するオレフィン類のアミノ分解;
−アルデヒド類を生成するアルコール類、好ましくはアリル性アルコール類の異性化;
−アルカン類またはアリールアルカン類を生成するアルキルまたはアリールハライド類のグリニャールクロスカップリング;
−アルキルボラン類およびトリアルキルボラン類を生成するオレフィン類のヒドロホウ素化;
−アルコール類を生成するアルデヒド類およびケトン類のヒドリド還元;
−α,β−不飽和カルボキシル化合物またはβ−ヒドロキシカルボニル化合物を生成する飽和カルボキシル化合物のアルドール縮合、および環状α,β−不飽和カルボキシル化合物を生成するジアルデヒド類またはジオン類の分子内アルドール縮合;
−飽和ポリカルボキシル化合物を生成する、ケトンまたはβ−ジカルボニル化合物のα,β−不飽和カルボキシル化合物へのマイケル付加;
−飽和多環式カルボキシル化合物を生成するロビンソン環化反応;
−アリールアルケン類またはヘテロアリールアルケン類を生成するアリールハライドまたは1−ヘテロ−2,4−シクロペンタジエンまたはそのベンゾ−縮合誘導体とα−エチレン性不飽和化合物とのヘック反応;
−より高級な飽和炭化水素を生成するアルケン類の、またはより高級なアルケン類を生成するアルキン類の共二量化;
−アルコール類を生成するオレフィン類のヒドロキシル化;
−アミン類を生成するオレフィン類およびアルキン類のヒドロアミノ化、
−アルキル化ケトン類、好ましくはアリル性ケトン類を生成するケトン類のアルキル化、好ましくはアリルアルキル化;および
−任意で置換されるシクロヘキセン類を生成する共役ジエンのα−エチレン性不飽和化合物へのシクロ付加反応、または任意で置換される7−オキサノルボルネンを生成するフランのα−エチレン性不飽和化合物へのシクロ付加反応のようなディールス−アルダー反応からなる群から選択される請求項57記載の方法。
【請求項59】
前記メタセシス反応は、歪み環状オレフィン類の開環メタセシス重合である請求項57記載の方法。
【請求項60】
触媒成分が担体上に担持されている請求項57記載の方法。
【請求項61】
前記担体が、無定形または準結晶性物質のような多孔性無機固体、1つ以上の無機オキシドを含む結晶性モレキュラーシーブおよび変性層状物質、および有機ポリマー樹脂からなる群から選択される請求項60記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−523914(P2007−523914A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500016(P2007−500016)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/BE2005/000030
【国際公開番号】WO2005/082819
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500454046)
【Fターム(参考)】