説明

オートバイ用ブレーキ装置

【課題】
マスタブレーキシリンダを操作することにより電気油圧的に操作されるブレーキ回路に制動作用を加え次第、できるだけ簡単で確実に機能する手段により従来技術における欠点を回避することができるように、オートバイ用ブレーキ装置を改善する。
【解決手段】
2回路油圧式のオートバイ用ブレーキ装置において、ブレーキレバーに反作用のない、電気油圧的な制動からマニュアルでの制動への移行を提供するために、第1及び/又は第2のブレーキ回路(4,10)がシミュレータ(1)を備え、このシミュレータが、シミュレータ弁(27)を介して第1又は第2のマスタブレーキシリンダ(7,13)の油圧を作用可能であるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載のオートバイ用ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から、既にこの様式のオートバイ用ブレーキ装置が公知である。ブレーキ装置は、油圧操作可能な前輪及び後輪用のブレーキ回路を備え、これらブレーキ回路では、共通して及び互いに依存せずに、それぞれ1つの足操作及び手操作されるマスタブレーキシリンダを介して車輪ブレーキ内のブレーキ圧を上昇させることができる。ブレーキスリップコントロールをするため、前輪用ブレーキ回路と後輪用ブレーキ回路のいずれにも、電磁起動可能な流入及び流出弁と、電動モータによって駆動可能な2回路式のポンプが内蔵されている。更に、両マスタブレーキシリンダの一方だけをマニュアル操作した場合にマニュアル操作されないブレーキ回路内のブレーキ圧も電気油圧的に上昇させることができるように、流入及び流出弁とポンプ以外に付加的に電気操作可能な仕切り及び切替え弁が両ブレーキ回路内に存在し、このため、マニュアル操作されないブレーキ回路内で、付属のマスタブレーキシリンダが、仕切り弁の電気起動された遮断位置によって付属の車輪ブレーキから切り離され、ポンプが、電気起動された切替え弁を介してマスタブレーキシリンダのリザーブタンクと接続されている。
【0003】
このブレーキ装置の欠点は、電気油圧的にコントロールされるブレーキ回路にマニュアル制動作用を加えた時のブレーキ操作感が電気油圧的な制動中に不快に感じるほど激しく変化することである。
【特許文献1】特開2000−071963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、マスタブレーキシリンダを操作することにより電気油圧的に操作されるブレーキ回路に制動作用を加え次第、できるだけ簡単で確実に機能する手段により前記欠点を回避することができるように、冒頭で述べた様式のオートバイ用ブレーキ装置を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭で述べた様式のオートバイ用ブレーキ装置ついては、請求項1を特徴付ける特徴によって解決される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の更なる特徴及び利点は、下位の請求項と以下の実施例の説明から分かる。
【0007】
図1は、オートバイ用ブレーキ装置のための本発明による特徴を有する油圧回路を概略図で示す。ブレーキ装置は、油圧操作可能な前輪及び後輪用のブレーキ回路4,10から成り、これらブレーキ回路は、それぞれ、前輪用ブレーキ回路4に接続された、手の力で操作可能なマスタブレーキシリンダ7と足の力に比例して操作可能な後輪ブレーキ14のマスタブレーキシリンダ13を有する。
【0008】
ブレーキスリップコントロールをするため、前輪及び後輪用のブレーキ回路4,10内には電磁操作可能な流入及び流出弁6,12が配設されており、前輪用ブレーキ回路4と後輪用ブレーキ回路10のどちらのブレーキラインにも、基本位置で開放している流入弁6がそれぞれ内蔵されており、これらブレーキラインは、基本位置で開放している仕切り弁19を介して前輪及び後輪ブレーキ5,14とそれぞれ付属するマスタブレーキシリンダ7,13を接続する。基本位置で閉じている流出弁12は、それぞれ、各ブレーキ回路のリターンライン15に内蔵されており、このリターンラインは、前輪又は後輪ブレーキ5,14を、それぞれ1つの低圧アキュムレータ16と、返送原理で作動する2回路に分割されたポンプ9の吸込回路3と接続する。ポンプ9は、吐出側が両ブレーキ回路のブレーキライン18と接続しているので、ブレーキスリップコントロール段階で、それぞれ前輪もしくは後輪ブレーキ5,14から排出された容積のブレーキ液の両ブレーキ回路のブレーキライン18への必要に応じた返送が保証されている。両ポンプ回路のポンプピストンは、共に電動モータ2によって駆動されるので、適当な措置を講じなくても、両マスタブレーキシリンダの一方を操作する際には、電気油圧的にコントロールされるブレーキ回路内のポンプ圧は、妨げられることなく手操作されるブレーキレバーか足操作されるブレーキペダルのどちらかに反作用を加えることになる。
【0009】
両ブレーキ回路4,10は、その回路技術上の構成に応じて、共に又は互いに独立してマニュアル操作可能であり、例えば前輪用ブレーキ回路4に接続されたマスタブレーキシリンダ7をマニュアル操作した場合、前輪ブレーキ5内のブレーキ圧上昇ばかりでなく、同時に後輪ブレーキ14内の電気油圧的なブレーキ圧上昇も行なわれるが、これは、後輪用ブレーキ回路10内で電気的に作動された切替え弁20の開放位置によりポンプ9が作動油をマスタブレーキシリンダ13から取り出し、後輪ブレーキ14に移送するのに対して、後輪用ブレーキ回路10内の仕切り弁19がポンプの吐出側をマスタブレーキシリンダ13から切り離すと直ちに、電動モータ2がポンプ9を作動させることによって行なわれる。
【0010】
前記操作例は、後輪ブレーキ14に接続されたマスタブレーキシリンダ13のマニュアル操作に依存して同様に電気油圧的に作動される前輪ブレーキ5の制動が作動されることによって、当然逆にすることもできる。このことから、両マスタブレーキシリンダ7,13の一方を操作した場合、それぞれ運転者によって操作されないブレーキ回路は、あたかも電気油圧的に外部制御されたように2回路式のポンプ9によって圧力下に置かれるので、両マスタブレーキシリンダの一方を個別操作した場合には、両ブレーキ回路は、能動的に所望の制動減速に寄与する。
【0011】
マスタブレーキシリンダ7によって前輪用ブレーキ回路4に制御を加える圧力を検出するために、通常は、圧力センサ21が使用される。後輪用ブレーキ回路にマニュアルで制御を加える圧力の監視も、マスタブレーキシリンダ13の近くに配設された圧力センサ21によって行なわれる。車輪ブレーキ圧の検出と流入弁6のアナログコントロールをするため、両ブレーキ回路は、付加的に、車輪ブレーキ圧を検出する2つの圧力センサ21を備えている。
【0012】
前輪ブレーキ回路4のマニュアル操作時に、圧力センサ21によって前輪用ブレーキ回路4内で検出されたマスタブレーキシリンダ圧は、後輪及び前輪用のブレーキ回路10,4内で有効なポンプ9を電気的に起動させるための参照値を構成し、ポンプは、もっぱら前輪用ブレーキ回路4に接続されたマスタブレーキシリンダ7が操作される場合には、流入及び流出弁6,12と仕切り及び切替え弁19,20と協働して、制御機器8内に記憶された電子的な制動力分配特性曲線に従って後輪用ブレーキ回路10内の電気油圧的なブレーキ圧コントロールを行なう。
【0013】
これと同様に、後輪用ブレーキ回路10のマニュアル操作時に、後輪用ブレーキ回路10のマスタブレーキシリンダ13に配設された圧力センサ21が、前輪用ブレーキ回路4に内蔵されたポンプ9と流入、流出、切替え及び仕切弁を電気的に起動させるための参照値を構成することも通用する。
【0014】
圧力センサ信号を評価するため、論理回路が電子制御機器8内に設けられており、この制御機器で、圧力センサ信号の評価結果に依存して、電機操作可能なポンプ9によって油圧が発生される。
【0015】
象徴的に図示された制御機器8は、特に、前輪及び後輪用のブレーキ回路4,10を備えるブレーキユニット11の一体的な構成要素を構成し、このブレーキユニットは、構造上モノリシックなブロックとして形成されている。制御機器8は、合目的な実施形では、電気的な接触をとるために、ブレーキユニット11に統合された流入及び流出弁6,11と切替え及び仕切り弁20,19に接続されている。従って、ブレーキユニット11は、特にコンパクトな構造に基づいてバッテリの近くのオートバイのフレームに固定することができる。
【0016】
基本的に、スリップコントロールをされるブレーキには以下のことが当て嵌まる。
【0017】
1.前輪もしくは後輪のロック傾向は、車輪回転数センサと制御機器8内のその信号評価部によって確実に確認される。前輪もしくは後輪用のブレーキ回路4,10内に配設された流入弁6は、前輪もしくは後輪用のブレーキ回路4,10内の更なる圧力上昇を阻止するために、制御機器8を介して電磁的に閉じられている。
【0018】
2.ロック傾向を低減するために、付加的に前輪もしくは後輪用のブレーキ回路4,10内に更なる圧力上昇が必要であれば、この圧力上昇は、それぞれ低圧アキュムレータ16と接続可能な、通常は無電流で閉じている流出弁12を開放することによって得られる。流出弁12は、車輪の加速が所定の大きさを越えて再び増加したら直ちに閉じられる。圧力上昇段階では、相応の流入弁6が閉じられたままであるので、前輪もしくは後輪用のブレーキ回路4,10内に発生したマスタブレーキシリンダ圧は、前輪もしくは後輪用のブレーキ回路4,10に伝わることができない。
【0019】
3.検出されたスリップ値が、再び前論もしくは後輪用のブレーキ回路4,10内の圧力上昇を許容する場合、流入弁6は、制御機器8内に統合されたスリップコントローラの要求に応じて時間的に限定的に開放される。圧力上昇のために必要な油量は、ポンプ9によって提供される。
【0020】
両マスタブレーキシリンダ7,13のどちらがマニュアル操作されたかに依存せずに、本発明では、第1及び/又は第2のブレーキ回路4,10がシミュレータ1を備え、このシミュレータが、解放可能なシミュレータ弁27を介して第1又は第2のマスタブレーキシリンダ7,13の油圧と、場合によっては電気油圧的な外部制動中にブレーキ回路内で上昇したブレーキ圧のどちらの作用も受けることができ、不快な反作用がブレーキレバーに感じることはない。
【0021】
図1は、このため本発明の好ましい形成において、シミュレータ弁27と逆止弁28とが手操作可能なマスタブレーキシリンダ7のブレーキ回路4に接続しているシミュレータ1を示す。これは、ハンドブレーキレバーによって操作可能なブレーキ回路4が、電気油圧的な制動からマニュアル操作される制動への移行時の操作感に関して特に敏感であると分かったからである。図示していないが、シミュレータ1は、これに似て同様に別のブレーキ回路10での使用に対しても適している。
【0022】
両方のブレーキ回路4,10又はその一方だけがシミュレータ1を備えているかに依存せずに、シミュレータ弁27は、電気操作可能な、安全の理由から基本位置で無電流で閉じている2方2位置弁として形成されており、この弁と平行な配設で、マスタブレーキシリンダ7の方向に開いている逆止弁28が配設されており、この逆止弁は、ブレーキ解除位置で常にシミュレータ1の確実な排出を可能にする。
【0023】
シミュレータ1は、内蔵されたシミュレータバネ25によって負荷を受けたシミュレータピストン26を有する油圧作用を受けたシミュレータチャンバ24から成る。シミュレータバネ25は、ブレーキレバーに望まれる操作感を調整する。
【0024】
図1による好ましい実施例に応じて、シミュレータ1は、シミュレータ弁27と逆止弁28と共に、単独で取扱い可能で機能上予備試験可能なモジュール式のアッセンブリにまとめられ、このアッセンブリは、流入及び流出弁6,15と、仕切り及び切替え弁19,20と、ポンプ9と低圧アキュムレータ16とを収容するブレーキユニット11に取り付けられている。説明したシミュレータ1のモジュール式の構造によって、ブレーキユニット11をシミュレータ1に特別に適合させることは不要である。
【0025】
しかしながらこれは、望んだり必要な場合でも、シミュレータ弁27と逆止弁28をブレーキユニット11に統合するか、場合によってはまたシミュレータチャンバ24をブレーキユニット11の表面又は内部に収容するかの選択肢を排除する。
【0026】
以下でシミュレータ1の機能方法を説明する。
【0027】
図1による好ましい実施例で、マスタブレーキシリンダ13の足の力に比例した操作時に、マスタブレーキシリンダ13の直後でブレーキ回路10に接続した圧力センサ21は、蓄積されたブレーキ圧を検出し、このブレーキ圧は、前輪ブレーキ5内のブレーキ圧を計算するために考慮される。
【0028】
計算されたブレーキ圧値を基にして、ポンプ9の電動モータによる起動と、仕切り及び切替え弁19,20の電磁的な起動とをすることによって、必要な場合には前輪用ブレーキ回路内の流入及び流出弁6,12も起動することによって、前輪ブレーキの電気油圧的なブレーキ圧コントロール(外部制動)が行なわれ、この場合、マスタブレーキシリンダ7の操作時に常にハンドブレーキレバーを介して運転者に遅延なく所望のブレーキ感を伝えるために、外部制動の開始時点で既に、シミュレータ弁27も電磁的に開放位置に切り替えられる。
【0029】
ハンドブレーキレバーの操作は、前輪ブレーキ回路では仕切り弁19の上流に配設された圧力センサ21によって正確に検出される。ハンドブレーキレバーを介して上昇させられたブレーキ圧は、強制的にシミュレータチャンバ24に達し、これにより、運転者は、シミュレータピストン26に作用するシミュレータバネ25の反力を介して所望のブレーキ操作感を受ける。
【0030】
シミュレータチャンバ24内の油圧が、ハンドブレーキレバーの操作により、外部制動中にブレーキ回路4内で上昇させられた車輪ブレーキ圧に達し次第、仕切り弁19のバイパス弁23が開き、この仕切り弁は、外部制動のために未だ電磁的にロックされた切替え位置に留まっている。前輪ブレーキ5内の更なる圧力上昇は、今やハンドブレーキレバーの操作によって決定され、この場合、前輪用ブレーキ回路4に配設された両方の圧力センサ21を基にして相応の圧力情報が制御機器8に伝送され、この制御機器が、電気油圧的な外部制動の停止を行なわせる。外部制動を停止させるため、制御機器8は、ポンプ9を駆動する電動モータ2を無通電に切り替え、仕切り弁19を開放位置に、切替え弁20をその閉鎖位置に、並びにシミュレータ弁27を遮断位置に切り替え、これにより、ハンドブレーキレバーに対して反作用のない、電気油圧的な制動からマニュアルでの前輪ブレーキ5内のブレーキ圧上昇への移行が保証されている。
【0031】
図から分かるように、各ブレーキ回路には、基本位置で開放している仕切り弁19と、基本位置で閉じている切替え弁20と、基本位置で開放している流入弁6と、基本位置で閉じている流出弁12とが、電気操作可能な2方2位置弁として形成されており、これらの弁は、最も簡単なやり方でそれぞれバネによってその図示された基本位置に留まっている。更に、両仕切り弁19のそれぞれに対して平行に車輪ブレーキ5,14の方向に開放しているバイパス弁23が配設されており、これにより仕切り弁の位置に依存せずに、常に、接続しているマスタブレーキシリンダ7,13を介してマニュアルでのブレーキ圧の蓄積を行なうことができ、しかも、これは、両ブレーキ回路の一方で電気油圧的に制御される制動が行なわれるかどうかに依存しない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】オートバイ用ブレーキ装置のための本発明による特徴を有する油圧回路を概略図で示す。
【符号の説明】
【0033】
1 測定装置
2 電動モータ
3 ポンプ吸込回路
4 前輪用ブレーキ回路
5 前輪ブレーキ
6 流入弁
7 マスタブレーキシリンダ
8 制御機器
9 ポンプ
10 後輪用ブレーキ回路
11 ブレーキユニット
12 流出弁
13 マスタブレーキシリンダ
14 後輪ブレーキ
15 リターンライン
16 低圧アキュムレータ
17 拘束弁
18 ブレーキライン
19 仕切り弁
20 切替え弁
21 圧力センサ
22 補償容器
23 バイパス弁
24 シミュレータチャンバ
25 シミュレータバネ
26 シミュレータピストン
27 シミュレータ弁
28 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキスリップコントロールをするために各ブレーキ回路の各車輪ブレーキ内に設けられた流入及び流出弁と、
リターンラインが、各ブレーキ回路内でポンプの吸込側に通じ、ポンプの吐出側が、第1と第2のブレーキ回路に接続されている、それぞれ流出弁の下流でリターンラインに接続されている、両ブレーキ回路のそれぞれに配設された低圧アキュムレータと、
開放位置でそれぞれ付属のマスタブレーキシリンダをポンプの吐出側と接続する、各ブレーキ回路内の仕切り弁と、
その開放位置でそれぞれ付属のマスタブレーキシリンダをポンプの吸込側と接続する、各ブレーキ回路内の切替え弁とを有する、
第1のブレーキ回路を油圧操作するための第1の手又は足の力で操作されるマスタブレーキシリンダと第2のブレーキ回路を油圧操作するための第2の手又は足の力で操作されるマスタブレーキシリンダとを有するオートバイ用ブレーキ装置において、
第1及び/又は第2のブレーキ回路(4,10)がシミュレータ(1)を備え、このシミュレータが、シミュレータ弁(27)を介して第1又は第2のマスタブレーキシリンダ(7,13)の油圧を作用可能であることを特徴とするオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項2】
シミュレータ弁(27)が、電気操作可能な基本位置で閉じている2方2位置弁として形成されており、この弁に対して平行な配設で、マスタブレーキシリンダ(7)の方向に開いている逆止弁(28)が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項3】
シミュレータ(1)が、シミュレータバネ(25)によって負荷を受けるシミュレータピストン(26)を内蔵したシミュレータチャンバ(24)から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項4】
シミュレータ(1)が、シミュレータ弁(27)と逆止弁(28)と共に、単独で取扱い可能で機能上予備試験可能なモジュール式のアッセンブリにまとめられており、このアッセンブリが、流入及び流出弁(6,15)と、仕切り及び切替え弁(19,20)と、ポンプ(9)と、低圧アキュムレータ(16)とを収容するブレーキユニット(11)に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項5】
シミュレータ弁(27)と逆止弁(28)が、流入及び流出弁(6,15)と、仕切り及び切替え弁(19,20)と、ポンプ(9)と、低圧アキュムレータ(16)とを収容するブレーキユニット(11)に統合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項6】
両マスタブレーキシリンダ(7,13)の一方によってブレーキ回路(4,10)内に供給されたブレーキ圧を検出するために、少なくとも1つの圧力センサ(21)が仕切り弁(19)の上流に配設されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項7】
両マスタブレーキシリンダの一方(13)をマニュアル操作した場合、マニュアル操作されないマスタブレーキシリンダ(7)が、開放されたシミュレータ弁(27)を介してシミュレータチャンバ(24)に接続していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項8】
当初操作されないマスタブレーキシリンダ(7)を付加的にマニュアル操作した場合、シミュレータバネ(25)を介して、付加的に操作されたマスタブレーキシリンダ(7)のブレーキレバーに対してオートバイを制動するために適した反力が発生可能であることを特徴とする請求項7に記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項9】
仕切り弁(19)が遮断されている場合、シミュレータチャンバ(24)内が車輪ブレーキ圧に達した時に、マスタブレーキシリンダ(7)によって排出可能な作動油が、仕切り弁(19)に対して平行に配設されたバイパス弁(23)を介して車輪ブレーキ(5)に達することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。
【請求項10】
ブレーキ装置が操作されない場合、シミュレータ弁(27)が遮断されており、シミュレータチャンバ(24)が、逆止弁(28)を介して、接続されているマスタブレーキシリンダ(7)の方向に排出可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のオートバイ用ブレーキ装置。

【図1】
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【公開番号】特開2007−276769(P2007−276769A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98144(P2007−98144)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】