説明

カウルサイドシール

【課題】車輌への組付けが容易で、フロントフェンダーとフロントガラスとの間へ強固に取付けられるカウルサイドシールを得る。
【解決手段】カウルサイドシール10は、カウルサイドシール本体部12とカウルサイドシール先端部11から構成される。カウルサイドシール先端部11は、先端部カバー部13と先端部係止脚部20を有する。先端部カバー部の一方の側端は、先端部カウルサイドシールリップ15とフロントフェンダーの先端を係止する先端部係止溝18が形成され、先端部カバー部13の他方の側端は、フロントガラス6に当接する先端部ガラスカバーリップ16が形成され、先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝14を長手方向に形成される。先端部係止脚部20は、先端部屈曲溝14よりもフロントガラス6寄りに形成されるとともに、フロントガラス6の端面に当接し係止されるカウルサイドシールである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のフロントガラスとフロントフェンダーの間の隙間に取付けられシールするカウルサイドシールに関するものである。特に、フロントピラーの下端が当接する部分であって、フロントガラスとフロントフェンダーの間の車体の両側端に取付けられるカウルサイドシールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、自動車のエンジンフード7とフロントガラス6との間には隙間があり、その隙間にはカウルトップカバー8が取付けられ、カウルトップカバー8の側端であるフロントフェンダー2とフロントガラス6の間には、カウルサイドシール110が取付けられている。
そして、図10に示すように、接着剤9でフロントピラー4に取付けられたフロントガラス6の側端とフロントピラー4の間の隙間にはウィンドシールモール30が取付けられている。
【0003】
そして、図7にその詳細を示すように、フロントピラー4の下端がフロントフェンダー2の先端と当接する部分において、カウルトップカバー8、フロントピラー4及びフロントフェンダー2の間の隙間にカウルサイドシール110が取付けられている。カウルサイドシール110によりこの隙間のシール性を確保し、空気の流れをスムースにして風切音の発生を防止し、さらにカウルルーバー下部への水の浸入を防止している(例えば、特許文献1〜2参照)。
【0004】
図7に示すように、カウルサイドシール110は、カウルトップカバー8とフロントフェンダー2に取付けられる下方が広がったカウルサイドシール本体部112と、カウルサイドシール本体部112の先端から上方に一体的にフロントフェンダー2に沿って、フロントピラー4方向に延設され、フロントガラス6の間に細長く延設されたカウルサイドシール先端部111から形成されている。
【0005】
カウルサイドシール本体部112の取付けは、カウルトップカバー8とフロントフェンダー2に取付孔を形成して、カウルサイドシール本体部112の裏面に取付脚部を形成して、その取付孔に取付脚部を挿入して行っている。
【0006】
カウルサイドシール先端部211の取付けは、図8に示す例では、フロントフェンダー2側とフロントガラス6側にそれぞれカウルサイドシール先端部211の両側端が取付けられることにより行われる。フロントフェンダー2側の取付けは、カウルサイドシール210に形成された係止溝218へ、フロントフェンダー2の先端のフェンダーパネル先端部3を挿入係止して行われている。
【0007】
フロントガラス6側への取付けは、カウルサイドシール先端部211の裏面に両面接着テープ225を取り付け、フロントガラス6の側端に接着している。しかしながら、接着力を確保するためには、カウルサイドシール先端部211の裏面を脱脂処理して、さらにプライマーを接着面に塗布して両面接着テープを取付けている。さらに、自動車の組付け工程でも、フロントガラス6の接着面を脱脂処理して、さらにプライマーを接着面に塗布する作業を行う必要がある。このため手間がかかると共にコストも上昇することとなる。また、フロントガラス6の表面にプライマーをはみ出して塗布すると、見栄えを損なうこともある。
【0008】
また、図9に示すように、他の例では、カウルサイドシール310のカウルサイドシール先端部311の取付けは、フロントフェンダー2側の取付けでは、カウルサイドシール先端部311の上面に先端部係止溝318を形成し、フロントフェンダー2の先端のフェンダーパネル先端部3を挿入係止して行われている。
【0009】
フロントガラス6側への取付けは、カウルサイドシール先端部311の裏面に当接片部319を形成し、フロントガラス6の側端を当接させて、リップ部316をフロントガラス6の表面に当接させている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、この場合には、先端部係止溝318をフェンダーパネル先端部3が押圧して、当接片部319をフロントガラス6の先端に押圧して、カウルサイドシール310を保持するため、カウルサイドシール310の剛性が必要であり、組付け時に挿入力が必要であり、組付け性がよくなかった。また、カウルサイドシール310の剛性が大きいため、フロントガラス6とフロントフェンダー2との間の隙間のバラツキを充分に吸収することができなく、取付け力が充分でない場合もあった。
【0010】
【特許文献1】特開2007−210479号公報
【特許文献2】実開平6−60583号公報
【特許文献3】特開2006−131011号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このため、車輌への組付けが容易で、カウルサイドシールとフロントガラスへ強固に取付けられるカウルサイドシールが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、自動車のフロントガラスとフロントフェンダーの間をシールするカウルサイドシールにおいて、
カウルサイドシールは、フロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられるカウルサイドシール本体部とカウルサイドシール本体部からフロントフェンダーの先端に沿って、フロントピラー方向に延設されるカウルサイドシール先端部から構成され、
カウルサイドシール先端部は、フロントフェンダー、フロントピラーとフロントガラスの間の隙間を覆う先端部カバー部と先端部カバー部の裏面から一体的に延設された先端部係止脚部を有し、
先端部カバー部の一方の側端は、フロントフェンダーに当接する先端部カウルサイドシールリップと先端部カウルサイドシールリップの裏面に形成されフロントフェンダーの先端を係止する先端部係止溝が形成され、先端部カバー部の他方の側端は、フロントガラスの上面に当接する先端部ガラスカバーリップが形成され、先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝を長手方向に形成され、
先端部係止脚部は、先端部屈曲溝よりもフロントガラス寄りに形成されるとともに、フロントガラスの端面に当接し係止されることを特徴とするカウルサイドシールである。
【0013】
請求項1の本発明では、カウルサイドシールは、フロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられるカウルサイドシール本体部を有するため、フロントガラスの側端下部とフロントフェンダーの上端との間の空間を覆い、走行時の空気の流れを円滑にして、風切音の発生を防止すると共に、見栄えを向上させ、シール性を確保することができる。
【0014】
カウルサイドシール本体部からフロントフェンダーの先端に沿ってフロントピラー方向に延設されるカウルサイドシール先端部を有しているため、フロントガラスとフロントフェンダーの間からフロントピラーの下端の部分にかけての空間を覆うことができ、ウィンドシールモールの後端と当接又は重ね合わせることにより、フロントガラスとフロントピラーの間のシール性を確保すると共に、見栄えを向上させている。
【0015】
カウルサイドシール先端部は、フロントフェンダーとフロントガラスの間の隙間を覆う先端部カバー部を有している。このため、フロントフェンダーが存在する部分では、フロントフェンダーとフロントガラスとの間を先端部カバー部が覆うことができ、フロントフェンダーの先端が終わって、フロントピラーとフロントフェンダーが当接する部分では、フロントピラーとフロントガラスとの間を先端部カバー部が覆うことができる。このため、フロントピラー下端とフロントフェンダーの接続部分でも確実にその隙間を覆い、シール性と見栄えを確保することができる。
【0016】
カウルサイドシール先端部は、先端部カバー部の裏面から一体的に延設された先端部係止脚部を有している。このため、先端部係止脚部がフロントガラスの端面に係止されることができ、後述する先端部係止溝と合わせてカウルサイドシール先端部を確実に保持することができる。
【0017】
先端部カバー部の一方の側端は、フロントフェンダーに当接する先端部カウルサイドシールリップが形成されているため、フロントフェンダーと先端部カバー部の間の隙間を覆うことができ、その隙間を確実にシールすると共に走行時の空気の流れをスムースにすることができる。
【0018】
先端部カウルサイドシールリップの裏面には、フロントフェンダーの先端を係止する先端部係止溝が形成されているため、フロントフェンダーの先端が挿入されることができ、先端部カウルサイドシールリップと先端部係止溝で確実にカウルサイドシール先端部を保持することができる。
【0019】
先端部カバー部の他方の側端は、フロントガラスの上面に当接する先端部ガラスカバーリップが形成されたため、フロントガラスとカウルサイドシール先端部の間の隙間を覆うことができ、見栄えを向上させ、その隙間を確実にシールすると共に走行時の空気の流れをスムースにすることができる。
【0020】
先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝を長手方向に形成したため、先端部カバー部の幅方向の柔軟性を向上させて、カウルサイドシール先端部をフロントフェンダーとフロントガラスとの間の隙間に組付けるときに、先端部カバー部が幅方向に容易に撓むことができ、組付けが容易である。
【0021】
先端部係止脚部は、先端部屈曲溝よりもフロントガラス寄りに形成されるとともに、フロントガラスの端面に当接し係止されるため、組付け時に先端部係止脚部が全体として先端部屈曲溝方向に撓んで、フロントガラスの端面に沿って容易に撓むことができ、組付けが容易であると共に、組付け後は先端部係止脚部が確実に係止されることができる。
【0022】
請求項2の本発明は、先端部係止脚部は、フロントガラスの端面方向に突出して略く字形に屈曲した先端部係止脚部屈曲部が形成されたカウルサイドシールである。
【0023】
請求項2の本発明では、先端部係止脚部は、フロントガラスの端面方向に突出して略く字形に屈曲した先端部係止脚部屈曲部が形成されたため、先端部係止脚部屈曲部のく字形に屈曲した斜面状の部分をフロントガラスの端面が摺動することにより、組付けが容易であると共に、先端部係止脚部屈曲部で確実にフロントガラスの端面を係止することができる。
【0024】
請求項3の本発明は、カウルサイドシール先端部の最先端は、フロントピラーに取付けられたウィンドシールモールと重なり合うカウルサイドシールである。
【0025】
請求項3の本発明では、カウルサイドシール先端部の最先端は、フロントピラーに取付けられたウィンドシールモールと重なり合うため、ウィンドシールモールの先端とカウルサイドシール先端部の最先端とを重ね合わせて、フロントフェンダーとフロントピラーの当接部分においてフロントガラスとの間の隙をフロントピラーの上部から連続してシールすることができる。
【0026】
請求項4の本発明は、カウルサイドシール本体部の裏面には、補強リブと、フロントフェンダー又はフロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられたカウルルーバーに取付けられる係止脚部が形成されたカウルサイドシールである。
【0027】
請求項4の本発明では、カウルサイドシール本体部の裏面には、補強リブが形成されたため、カウルサイドシール本体部の剛性を向上させて、フロントフェンダーとフロントガラスの隙間を確実に覆うことができる。
カウルサイドシール本体部の裏面には、フロントフェンダー又はフロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられたカウルルーバーに取付けられる係止脚部が形成されたため、係止脚部をフロントフェンダー又はカウルルーバーに形成された取付孔に挿入することにより容易にカウルサイドシール本体部を組付けることができる。
【発明の効果】
【0028】
カウルサイドシール先端部は、先端部カバー部の裏面から一体的に延設された先端部係止脚部を有し、先端部係止脚部は、組付け時に先端部係止脚部が全体としてフロントガラスの端面に沿って容易に撓むことができ、組付けが容易であると共に、確実に係止されることができる。
【0029】
先端部カバー部の側端は、先端部カウルサイドシールリップと先端部ガラスカバーリップが形成されているため、フロントフェンダーとフロントガラスの隙間を覆うことができ、その隙間を確実にシールすると共に走行時の空気の流れをスムースにすることができる。
先端部カウルサイドシールリップの裏面に先端部係止溝が形成されているため、先端部カウルサイドシールリップと先端部係止溝で確実にカウルサイドシール先端部を保持することができる。
先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝を長手方向に形成したため、先端部カバー部が容易に撓むことができ、組付けが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の実施の形態を図1〜図7に基づき説明する。図1は、カウルサイドシール10のカウルサイドシール先端部11の断面図であり、図3のB−B線に沿った断面図である。図2は、カウルサイドシール10のカウルサイドシール先端部11の最先端の部分の断面図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
【0031】
図3は、カウルサイドシール10の正面図であり、図4は、カウルサイドシール10の上方から見た斜視図であり、図5は、カウルサイドシール10の下方から見た斜視図である。図6は、カウルサイドシール10の取付け部分を示す自動車の前方から見た斜視図である。図7は、カウルサイドシール10の取付け部分の拡大斜視図である。
【0032】
図7に示すように、カウルサイドシール10は、フロントフェンダー2の上端がフロントガラス6の側端に沿ってフロントピラー4の下端がフロントフェンダー2の上端と当接する部分まで延設されたもので、フロントフェンダー2とフロントガラス6との間の隙間に取付けられる。カウルサイドシール10は、フロントガラス6の両側下端に取付けられる。
【0033】
カウルサイドシール10は、カウルサイドシール本体部12とカウルサイドシール先端部11から形成される。カウルサイドシール本体部12は、図4と図5に示すように、下方が広がった四辺形状に形成され、図7に示すように、カウルトップカバー8とフロントフェンダー2に取付けられる。カウルトップカバー8は、エンジンフード7とフロントガラス6との間に取付けられる。カウルサイドシール先端部11はカウルサイドシール本体部12の上部からフロントフェンダー2の先端に沿って先細り状に形成され、フロントフェンダー2とフロントガラス6に取付けられる。
【0034】
カウルサイドシール本体部12の表面は、図4に示すように、平滑に形成され、フロントフェンダー2とフロントガラス6の間の空気の流れをスムースに行い、風切音の防止を図ることができる。カウルサイドシール本体部12の裏面には、図5に示すように、補強リブ27が形成されたため、カウルサイドシール本体部12の剛性を向上させて、カウルトップカバー8に取付けられると全体の形状を維持して、フロントフェンダー2とフロントガラス6の隙間を確実に覆うことができる。
【0035】
カウルサイドシール本体部12の裏面には、フロントフェンダー2とカウルトップカバー8に取付けられる係止脚部26が複数個形成されている。フロントフェンダー2又はカウルトップカバー8に係止脚部26を挿入するための取付孔(図示せず)を形成し、この取付孔に挿入することにより容易にカウルサイドシール本体部12を組付けることができる。
図4と図5では、係止脚部26をカウルサイドシール本体部12の下端の2箇所に形成したが、カウルサイドシール本体部12の両側の側端部にも形成することができる。
【0036】
上述のように、カウルサイドシール本体部12からフロントフェンダー2の上端に沿って延設されるカウルサイドシール先端部11を一体的に形成した。このため、カウルサイドシール先端部11でフロントガラス6とフロントフェンダー2の間からフロントピラー4に下端の部分にかけての空間を覆うことができ、フロントガラス6とフロントフェンダー2及びフロントピラー4の間の空気の流れをスムースにすると共に、隙間を塞ぎ見栄えを向上させ、シール性を確保できる。
【0037】
カウルサイドシール先端部11の中央部付近、即ち図3におけるB−B線付近では、図1に示すように、フロントフェンダー2とフロントガラス6の間の隙間を覆う先端部カバー部13を有している。このため、フロントフェンダー2とフロントガラス6との間を先端部カバー部13が覆うことができ、シール性と見栄えを確保することができる。なお、フロントガラス6は、フロントピラー4が屈曲した部分に接着剤9により取付けられている。
【0038】
先端部カバー部13の一方の側端は、フロントフェンダー2のフェンダーパネル先端部3に当接する先端部カウルサイドシールリップ15が形成されている。先端部カウルサイドシールリップ15がフロントフェンダー2とカウルサイドシール10の間の隙間を覆うことができ、その隙間を確実にシールすると共に走行時の空気の流れをスムースにすることができる。
【0039】
先端部カウルサイドシールリップ15の裏面でフェンダーパネル先端部3と対面する部分は先端部係止溝18が形成されている。フェンダーパネル先端部3がこの先端部係止溝18に挿入され、カウルサイドシール先端部11が係止される。これにより、後述する先端部係止脚部20と合わせて、確実にカウルサイドシール先端部11をフロントフェンダー2に保持することができる。
【0040】
先端部カバー部13の他方の側端は、フロントガラス6の上面に当接するように先端部ガラスカバーリップ16が延設されている。先端部ガラスカバーリップ16は、フロントガラス6の側端の上面に密着し、フロントガラス6とカウルサイドシール先端部11の間の隙間を覆うことができ、その隙間を確実にシールすると共に、走行時のフロントフェンダー2とフロントガラス6との間の空気の流れをスムースにすることができる。
図1において、先端部ガラスカバーリップ16は、断面が肉厚に形成されているが、側端にいくにつれて断面が薄くなるように形成することができる。
【0041】
先端部カバー部13の裏面中央付近に断面がV字状又はU字状に先端部屈曲溝14が長手方向に連続して形成されている。先端部屈曲溝14が形成されているため、先端部カバー部13の幅方向の柔軟性を向上させて、カウルサイドシール先端部11をフロントフェンダー2とフロントガラス6との間の隙間に組付けるときに、先端部カバー部13が容易に撓むことができ、先端部係止溝18にフェンダーパネル先端部3を挿入することも、後述する先端部係止脚部20を嵌め込むことも容易であり、その隙間に嵌め込む力が少なくなり、組付けが容易である。
【0042】
カウルサイドシール先端部11は、図1に示すように、先端部カバー部13の裏面から一体的に先端部係止脚部20が延設されている。先端部係止脚部20は、先端部ガラスカバーリップ16と合わせてフロントガラス6の端面を挟持して係止されることができ、前述の先端部係止溝18と合わせてカウルサイドシール先端部11を確実にフロントフェンダー2とフロントガラス6とに保持することができる。
【0043】
先端部係止脚部20は、先端部屈曲溝14よりもフロントガラス寄りに形成されることが好ましい。先端部係止脚部20は、フロントガラス6の端面に当接し係止されるため、組付け時に先端部屈曲溝14が撓むことにより、先端部係止脚部20が全体としてフロントガラス6の端面に沿って容易に撓むことができ、組付けが容易であると共に、確実に係止されることができる。
【0044】
先端部係止脚部20は、その中央部付近でフロントガラス6の端面方向に突出して略く字形に屈曲した先端部係止脚部屈曲部21を形成することが好ましい。カウルサイドシール先端部11をフロントガラス6に取付けるときに、先端部係止脚部屈曲部21の先端の略く字形に屈曲した斜面状の部分がフロントガラス6の端面を摺動するように押圧すると、先端部係止脚部20が撓んで、組付けが容易であると共に、先端部係止脚部屈曲部21で確実にフロントガラス6の端面を係止することができ、先端部係止脚部20がフロントガラス6から外れることがない。
【0045】
先端部屈曲溝14よりもフロントフェンダー2寄りの先端部係止溝18の下方に、先端部ピラーシールリップ17を下方に、即ちフロントピラー4の屈曲した部分の方向に延設することが好ましい。先端部ピラーシールリップ17がフロントピラー4に当接する部分では、フロントピラー4とカウルサイドシール先端部11との間のシール性を向上させることができる。
【0046】
カウルサイドシール先端部11の最先端部分、即ち図3のA−A線に沿った部分では、フロントフェンダー2の先端は、フロントピラー4と当接している。図2に示すように、カウルサイドシール先端部11は、断面が平面状に伸びて、後述するウィンドシールモール30の上面に密着し、一方の側端である先端部カウルサイドシールリップ15はフロントピラー4に当接し、他方の側端である先端部ガラスカバーリップ16はフロントガラス6の上面に当接している。このため、フロントガラス6とフロントピラー4の間の隙をフロントピラー4の上部から連続してシールすることができる。
【0047】
フロントガラス6の側端は、フロントガラス6の上方から連続して取付けられたウィンドシールモール30が取付けられている。図2に示すように、ウィンドシールモール30は、フロントガラス6の上面に当接するモール頭部31、フロントガラス6の側端に当接するモール脚部32、フロントガラス6の下面に当接するモール係止部33、フロントピラー4に当接するモールリップ部34から構成されている。モール頭部31、モール脚部32及びモール係止部33で断面コ字形をなし、フロントガラス6の先端を挟持して取付けられている。
【0048】
モールリップ部34は、モール脚部32のフロントガラス6が当接する面と反対側に形成され、フロントピラー4の屈曲部分に当接して、フロントガラス6とフロントピラー4の間をシールしている。
モール頭部31の上面にカウルサイドシール先端部11の先端が当接して、ウィンドシールモール30とカウルサイドシール10の接続部分のシール性を確保すると共に、見栄えを向上させている。
【0049】
カウルサイドシール10は、型成形で形成されるが、成形材料は、いずれも合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図4は、カウルサイドシール10の上方から見た斜視図であり、図5は、カウルサイドシール10の下方から見た斜視図である。図6は
【図1】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールのカウルサイドシール先端部の断面図であり、図3のB−B線に沿った断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールのカウルサイドシール先端部の最先端の部分の断面図であり、図3のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールの正面図である。
【図4】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールの上方から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールの下方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における、カウルサイドシールの取付け部分を示す自動車の前方から見た斜視図である。
【図7】カウルサイドシールの取付け部分の拡大斜視図である。
【図8】従来のカウルサイドシールのカウルサイドシール先端部の断面図である。
【図9】従来の他のカウルサイドシールのカウルサイドシール先端部の断面図である。
【図10】従来のウィンドシールモールの断面図である。
【符号の説明】
【0051】
2 フロントフェンダー
3 フェンダーパネル先端部
4 フロントピラー
6 フロントガラス
10 カウルサイドシール
11 カウルサイドシール先端部
12 カウルサイドシール本体部
13 先端部カバー部
14 先端部屈曲溝
15 先端部カウルサイドシールリップ
16 先端部ガラスカバーリップ
18 先端部係止溝
20 先端部係止脚部
21 先端部係止脚部屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフロントガラスとフロントフェンダーの間をシールするカウルサイドシールにおいて、
該カウルサイドシールは、上記フロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられるカウルサイドシール本体部と、該カウルサイドシール本体部からフロントフェンダーの先端に沿って、フロントピラー方向に延設されるカウルサイドシール先端部から構成され、
該カウルサイドシール先端部は、上記フロントフェンダーと上記フロントガラスの間の隙間を覆う先端部カバー部と該先端部カバー部の裏面から一体的に延設された先端部係止脚部を有し、
上記先端部カバー部の一方の側端は、上記フロントフェンダーに当接する先端部カウルサイドシールリップと該先端部カウルサイドシールリップの裏面には、上記フロントフェンダーの先端を係止する先端部係止溝が形成され、先端部カバー部の他方の側端は、上記フロントガラスの上面に当接する先端部ガラスカバーリップが形成され、上記先端部カバー部の裏面中央付近に先端部屈曲溝を長手方向に形成され、
上記先端部係止脚部は、上記先端部屈曲溝よりも上記フロントガラス寄りに形成されるとともに、上記フロントガラスの端面に当接し係止されることを特徴とするカウルサイドシール。
【請求項2】
上記先端部カバー部の裏面の上記先端部係止脚部は、上記フロントガラスの端面方向に突出して略く字形に屈曲した先端部係止脚部屈曲部が形成された請求項1に記載のカウルサイドシール。
【請求項3】
上記カウルサイドシール先端部の最先端は、上記フロントピラーに取付けられたウィンドシールモールと重なり合う請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のカウルサイドシール。
【請求項4】
上記カウルサイドシール本体部の裏面には、補強リブと、上記フロントフェンダー又は上記フロントガラスとフロントフェンダーの間に取付けられたカウルルーバーに取付けられる係止脚部が形成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカウルサイドシール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−6255(P2010−6255A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168601(P2008−168601)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】