説明

カメラ機能付きナビゲーションシステム

【課題】 ユーザの負担を軽減することを第一に、更に有効な車載カメラの使用方法を提案する。
【解決手段】 地図情報を蓄積する地図情報蓄積手段と、自身の現在位置情報を検出する現在位置情報検出手段と、撮影手段として機能するカメラ6と、地図情報及びカメラ6で撮影された画像を表示する画像表示手段2と、検出された現在位置情報に基づき上記地図情報を検索して、画像表示手段2に表示された地図上に、自身が搭載されている車両の現在位置情報を表示するよう制御する制御手段とから構成する。
例えば、上記カメラ6の好ましい実施形態例としては、上記画像表示手段2に設置して車両の前方及び後方にほぼ180°回動自在な構造とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に搭載され、前方撮影及び後方(車内)撮影が可能なカメラ機能付きナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所有車両に記録用カメラを設置し、そのカメラを使用した種々の応用が提案されている。中でも車両セキュリティに関するもの及び事故記録に関するものは、車内に設置されたカメラから動画を記録するという点において記録用カメラの有効な使用方法である。
【0003】
例えば、特許文献1には、車室内を撮影できるようカメラを設置しておき、不正な方法でドアを開けるなど車両に対し不正行為が行なわれた時に、その不正行為を検知して車載カメラを動作させ、車載カメラにより撮影された画像を記憶するようにしたものが記載されている。
【0004】
また、車載カメラの他の利用方法として、走行中の車両から前方を撮影して画像処理を行なうことにより、走行車両の安全を保つようにしたものが、特許文献2に記載されている。
【特許文献1】特開2004−268610号公報
【特許文献2】特開2001−34899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、これらのシステムは、車載カメラを使用するという点で共通するにも関わらず、それぞれ単独の機能として提案されている。各用途によりカメラの設置場所(設置方向)が異なるため、用途ごとに別途設置しなければならない。これは車内における設置場所の制約のみならず、購入コスト、設置の手間などにおいてもユーザに大きな負担を強いるという問題があった。
【0006】
一方で、現在のカーナビゲーションシステムは、さまざまな機能(目的地検索、DVD(Digital Versatile Disk)鑑賞、ミュージックボックス等)が装備されているが、撮影機能を装備したものは存在していなかった。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、ユーザの負担を軽減することを第一に、更に有効な車載カメラの使用方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決して目的を達成するため、本発明は、地図情報を蓄積する地図情報蓄積手段と、自身の現在位置情報を検出する現在位置情報検出手段と、撮影手段として機能するカメラと、地図情報及びカメラで撮影された画像を表示する画像表示手段と、検出された現在位置情報に基づき上記地図情報を検索して、画像表示手段に表示された地図上に、自身が搭載されている車両の現在位置情報を表示するよう制御する制御手段とから構成する。
例えば、上記カメラは、好ましい実施形態例として、上記画像表示手段に設置され、車両の前方及び後方にほぼ180°回動自在とする。
【0009】
斯かる本発明によれば、カーナビゲーションシステムに例えばほぼ180°回動自在なカメラを設けたことにより、このカメラを利用して、カーナビゲーションシステム、セキュリティシステム及び事故記録システムの各機能を一つに集約(オールインワン)したシステムを構築することができる。
【0010】
また上述の発明において、更に記録メディアが装着されるスロットを備え、上記制御手段は、使用者の操作に応じて上記カメラにより撮影された車両前方の撮影データを上記画像表示手段に表示、又はこのスロットに装着された記録メディアへ保存することを特徴とする。
【0011】
斯かる本発明によれば、撮影データを画像表示手段に表示、又は運転記録データなどとして記録メディアへ保存できるので、その場で見るだけでなく後で必要なときに見ることができる。
【0012】
また上述の発明において、更に振動を感知する振動感知手段と、上記カメラからの撮影データを過去所定時間にわたり記録する記録手段とを備え、上記制御手段は、カメラが車両前方を向いているときに、この振動感知手段が所定値以上の振動を感知した場合、記録手段に記録された過去所定時間分の撮影データを記録メディアに保存することを特徴とする。
【0013】
斯かる本発明によれば、事故発生時点から過去所定時間分の撮影データを記録メディアに保存することができる。
【0014】
また上述の発明において、上記制御手段は、使用者の操作に応じて上記カメラにより撮影された車両後方の撮影データを上記画像表示手段に表示、又は上記スロットに装着された記録メディアへ保存することを特徴とする。
【0015】
斯かる本発明によれば、撮影データを画像表示手段に表示、又は運転記録データなどとして記録メディアへ保存できるので、その場で見るだけでなく後で必要なときに見ることができる。
【0016】
また上述の発明において、更に上記画像表示手段は人の存在を感知する人感知手段を備え、上記制御手段は、上記カメラが車両後方を向いているときに、この人感知手段が人の存在を感知し、又は上記振動感知手段が所定値以上の振動を感知した場合、スピーカを介して警告するとともに車内を撮影し、撮影データを上記記録メディアに保存することを特徴とする。
【0017】
斯かる本発明によれば、不審者が車内に侵入したときに、スピーカからアラームを発するとともに、車内を撮影するようにしたので、不審者の映像を証拠物件として記録することができる。
【0018】
また上述の発明において、更に上記画像表示手段は照度を測定する照度測定手段を備え、上記カメラが車両後方を向いているときに、上記人感知手段が人の存在を感知し、又は上記振動感知手段が所定値以上の振動を感知したとき、照度測定手段が車内照度を測定し、この照度測定手段により測定された値が所定の照度に満たない場合、制御手段は、画像表示手段に配置された発光手段を発光させることを特徴とする。
【0019】
斯かる本発明によれば、不審者撮影時に所定の撮影照度が得られないとき発光手段を発光するようにしたので、撮影補助をしながら不審者を威嚇できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、以上述べた実施の形態によれば、カーナビゲーションシステムに例えばほぼ180°回動自在なカメラを設けたことにより、このカメラを利用して、カーナビゲーションシステム、セキュリティシステム及び事故記録システムの各機能を一つに集約(オールインワン)したシステムを構築することができ、コスト及び設置作業等の点において、ユーザの負担が軽減されるという効果がある。
【0021】
また、カメラを画像表示手段上に配置した場合、車内撮影時は車内全体の、前方撮影時は運転者目線の最適撮影ポジションを確保することができるという効果がある。
【0022】
また、撮影データを記録メディアに保存した場合には、例えば道順を人に教えるようなときに、本ナビゲーションシステムの運転記録データ(撮影データ)を再生しながら説明することによって、より具体的なイメージを与えることができるという効果がある。
【0023】
また、画像表示手段にカメラの撮影画像を表示できるようにした場合、例えば画像表示手段に表示された後方撮影の画像を、運転車がバックミラー代わりに利用することができるという効果がある。
【0024】
また、事故発生時点から過去所定時間分の撮影データを記録メディアに保存できるようにした場合、確実な事故調査ができるという効果がある。
【0025】
また、不審者撮影時に、照度測定手段の測定結果に基づいて発光手段の発光制御を行なうようにした場合、証拠物件としてより鮮明な映像を記録できるとともに不審者を威嚇できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、車内装備の中核機器であるナビゲーションシステムにカメラ等の撮影手段を装備することを特徴としている。つまり、セキュリティ機能(車内不審者撮影)・事故記録機能(事故時前方撮影)をカーナビゲーションシステムに装備した1台のカメラを使用して実現する。
具体的には、カメラを画像表示装置(ディスプレイ)に配置し、レンズ面がほぼ180°回転できる構造にする。これにより、車内撮影・前方撮影のどちらの用途でも最適な撮影位置が確保でき、1台のカメラで両方向撮影を可能になる。動画記録は、カーナビゲーションシステム本体に付属する各記録メディアのインターフェイス機能で実現する。その他、セキュリティ機能として、人感知センサ・照度センサ・不審者撮影兼威嚇用LEDを画像表示装置に装備する。また、事故記録機能として、ショックセンサ(セキュリティ機能でも使用)と事前画像記録用RAM(記録手段)を本体に装備する。各撮影機能の操作はナビゲーションシステム付属のリモートコントローラ等で行い、一部の操作や撮影画面をディスプレイで確認できる様にする。
【0027】
以下、本発明の一実施の形態の例について、図1〜図7を参照して説明する。
【0028】
本例のカメラ機能付きナビゲーションシステム(以降、単に「ナビゲーションシステム」とも称する。)の構成図を、図1に示す。
本例のナビゲーションシステムは、システム本体1、カメラ5が搭載された画像表示手段として機能する画像表示装置2、スピーカ3から構成し、付属のリモートコントローラ(以下、「リモコン」と称する。)4により画像表示装置2上の操作部に触れることなく遠隔操作できるようにしている。
【0029】
図1に示すように、画像表示装置2の表示パネル7周囲の額縁部分に、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサを備えた撮影手段として機能するカメラ5を配置する。カメラ5のレンズ6は、レンズ面が画面表示面方向から裏面方向までほぼ180°回動可能な構造としている。このカメラ6のレンズ面の向きは、手で把持して手動で、もしくは画像表示装置2又は本体1に設けられた操作部から、あるいはリモコン4の操作部から遠隔操作により調節できる。
【0030】
また画像表示装置2額縁の適当な位置に、例えば白色のLED(Light Emitting Diode)8、人物の存在を感知する人感知センサ(人感知手段)9、車内照度を測定する照度センサ(照度測定手段)10をそれぞれ配置する。さらに、リモコン信号受信部11を備える。なお、この例では6個の白色LED8が設けられているが、これに限るものではない。
【0031】
上記人感知センサ9は、例えば赤外線を利用して人物の存在を感知し、本体1にデータを送出する。また照度センサ10は、車内の照度を検出し、検出した照度のデータを本体1に送出するものである。
【0032】
また、システム本体1は、規格の異なる各種記録メディアに対応した挿入スロット12を有する。この記録メディアは、例えば半導体メモリからなる不揮発性の記憶手段を使用する。さらにシステム本体1は、DVDメディア等を挿入するスロット(図示略)を有し、音楽や映像を再生して楽しむことができる。
【0033】
リモコン4には、不図示の各種操作ボタンに加え、撮影画像保存ボタン13と監視作動ボタン14を配置している。
【0034】
なお、上述したように、本例のカメラ機能付きナビゲーションシステムは、従来のナビゲーションシステムを構成する画面表示装置の適当な位置にほぼ180°回動可能なカメラを搭載したものである。したがって、道路案内等のナビゲーション本来の機能は従来と同様である。例えば、本例のナビゲーションシステムは、図示しないが地図情報を蓄積するDVD等の地図情報蓄積手段と、GPS(Global Positioning System)衛星と通信を行い自身の現在位置情報を検出する、本体1に内蔵の現在位置情報検出手段とを有し、制御手段は検出された現在位置情報に基づき上記地図情報を検索して、画像表示装置2に表示された地図上に自身の現在位置情報を表示し、運転車に対し道路案内等のサービスを提供することができる。
【0035】
本ナビゲーションシステムを車内に搭載した状態を、図2に示す。
本例では、画面表示装置2を車内30のダッシュボード31上部に設置するとともに、本体1をセンターコンソールに収納している。画像表示装置2のカメラ5は、レンズ6を前方(フロントガラス)31へ向けて前方撮影、またレンズ6を後方(リアガラス)32へ反転させて後方撮影もしくは車内撮影ができる。
【0036】
次に、本例のカメラ機能付きナビゲーションシステムのブロック図を、図3に示す。
図3において、本体1内の画像処理部17は、カメラ5に備え付けのイメージセンサ15で得られたアナログの画像データをデジタルの画像データへ変換するとともに所定の処理を行い、メインCPU(Central Processing Unit)22からの指示に応じて、下記第1〜第3系統のいずれかへ出力する。
【0037】
第1系統は、画像データを、画像処理部17からRAMI/F18を経由し、内部メモリ(RAM)19へ出力する系統である。内部メモリ(RAM)19に画像データが記憶される。
【0038】
第2系統は、画像データを、画像処理部17から各種メディアI/F20を経由し、各記録メディア21へ出力する系統である。スロット12に挿入されている記録メディア21に画像データが記録される。
【0039】
第3系統は、イメージセンサ15からの画像データを、画像処理部17から映像信号として画像表示装置2へ出力する系統である。映像信号は画像表示装置2で再生され表示パネル7に表示される。
【0040】
さらに、本体1内のメインCPU(Central Processing Unit)22は、本ナビゲーションシステム全体の制御を司る制御手段として機能し、不図示のRAM(Random Access Memory)をワークエリアとして利用しながら、不図示のROM(Read Only Memory)に記録されているプログラムに従い所定の演算及び制御を行なう。
【0041】
メインCPU22は、画像表示装置2に装備された人感知センサ9からデータを受信し、車内に不審者がいる等、異常を感知した場合には、アラーム制御部24を制御しスピーカ3からアラームを発信させるとともに、イメージセンサ15に指示して車内の撮影を開始する。このとき照度センサ10は、車内の照度を検出してその値をメインCPU22に出力する。そして、メインCPU22は、照度センサ10から取得した値と、予め設定しておいた照度を比較し、車内の照度が撮影照度に足りないと判断した場合、LED制御部25を制御してLED8を発光する。
【0042】
ショックセンサ23は、加速度計などから構成され振動を感知する振動感知手段であり、盗難等の異常が発生したかどうかを判断するデータをメインCPU22に出力する。メインCPU22で異常ありと判断した場合、上述の人感知センサ9で異常を感知した場合と同様の処理を行なう。
【0043】
カメラ向き検知部16は、カメラ5のレンズ面の向きを検知し、検知したレンズ面向き情報をメインCPU22へ送出する。メインCPU22は、受信したレンズ面向き情報からカメラ5のレンズ6の向きを判断する。
【0044】
また、メインCPU22は、ユーザによりリモコン4から入力された操作情報を、画像表示装置2又は本体1に設けられたリモコン信号受信部11を経由して受信し、この操作情報に応じて所定の処理を行なう。
【0045】
次に、上述のように構成された本例のナビゲーションシステムによる各種制御について説明する。
本ナビゲーションシステムによる主な制御内容は、以下の4つである。
1.セキュリティシステムの作動制御
2.事故発生時の記録制御
3.ユーザによる運転記録制御
4.ユーザによる画像表示制御
【0046】
始めに、セキュリティシステムの作動制御について、図4を参照して説明する。
セキュリティシステムの作動制御は、車両のエンジンを停止後、ユーザにより監視作動ボタン14を押されたことを検出することで作動する(ステップS1)。次に、メインCPU22は、カメラ向き検知部16によりカメラ6のレンズ面が車内側を向いていることを確認し(ステップS2)、ショックセンサ23又は人感知センサ9又は照度センサ10をアクティブにする。そして、ショックセンサ23、人感知センサ9のいずれかが異常を感知したかどうかを判断する(ステップS3)。異常を感知した場合、メインCPU22はアラーム制御部24を起動し、スピーカ3からアラームを発信する(ステップS4)。それと同時に、画像処理部17を起動して、イメージ゛センサ15からの画像データの取り込みを開始し、上記第2系統の経路で記録メディア21に保存する(ステップS5)。
【0047】
このとき、メインCPU22は照度センサ10からのデータを読み取り、予め設定された所定の撮影照度と比較する(ステップS6)。そして、撮影照度に足りないと判断した場合は、LED制御部25を起動し、LED8を発光(ステップS7)して、撮影補助をしながら不審者を威嚇する。
【0048】
次に、事故発生時の記録制御について、図5を参照して説明する。
事故発生時の記録制御は、車両のエンジン動作中かつシステム起動中でカメラ6が前方撮影ポジション時、常時作動する。メインCPU22が、カメラ向き検知部16によりカメラ6のレンズ面が前方方向であることを確認し(ステップS11)、画像処理部17からの画像データを上記第1系統の経路で内部メモリ19に常時記録する(ステップS12)。記録時間としては30秒程度とし、30秒前のデータは順次更新される。そして、ショックセンサ23からのデータが設定値を超えているかどうかを判断する(ステップS13)。該当車両が事故等により大きな衝撃を受けるなどして、ショックセンサ23からのデータが設定値を超えた時、メインCPU22が、その時点で内部メモリ19内に保存されている画像データを上記第1系統の経路で吸い上げた後、画像処理部17を介して第2系統の経路で記録メディア21に保存する(ステップS14)。
【0049】
続いて、ユーザによる運転記録制御について、図6を参照して説明する。
運転記録制御は、システム起動中でユーザが撮影記録モード選択時、作動する。まず、ユーザが同ナビゲーションシステムを操作するか、又は撮影画像保存ボタン13を押したかどうかを判断する(ステップS21)。ここで、何らかの操作又は撮影画像保存ボタン13を押していた場合、撮影記録モードを有効にする。メインCPU22は画像処理部17を制御し、上記第2系統の経路を使用して記録メディア21に画像データを保存する(ステップS22)。
【0050】
記録終了は、システム停止による強制終了かユーザ操作による操作終了、あるいは記録メディア21の空き容量が無くなった場合における自動終了の3通りが設定されている。特に、空き容量が無くなり終了する場合は、残量が少なくなった時点で画像表示装置2上と音声にて警告もしくは案内する必要がある。
【0051】
そこで、メインCPU22により、強制終了又は操作終了又は記録メディア21の空き容量不足のいずれかの状態であるか否かを判断する(ステップS23)。いずれか一つが該当する場合、さらに空き容量不足であるかどうかを判断する(ステップ24)。空き容量不足である場合、残量が少なくなった時点で画像表示装置17上への表示とスピーカ3からの音声により、その旨の警告もしくは案内を行なう(ステップS25)。そして、残量が完全に無くなった時点で記録終了の案内を、同様に画像表示装置17上への表示とスピーカ3からの音声により行なう(ステップS26)。
【0052】
最後に、ユーザによる画像表示制御について、図7を参照して説明する。
画像表示制御は、システム起動中でユーザがカメラ画像表示モードを選択時、作動する。まず、メインCPU22は、ユーザが同ナビゲーションシステムを操作し、カメラ画像表示モードを有効にしたかどうかを判断する(ステップS31)。カメラ画像表示モードを有効にしたとき、メインCPU22は画像処理部17を制御し、上記第3系統の経路を使用してイメージセンサ15からの車両前方又は後方の画像データを画像表示装置2の表示パネル7に表示する(ステップS32)。この制御は、上記運転記録制御と同時制御することもできる。
【0053】
以上述べた実施の形態によれば、カーナビゲーションシステムにほぼ180°回動自在なカメラ6を設けたことにより、カーナビゲーションシステム、セキュリティシステム及び事故記録システムの各機能を一つに集約(オールインワン)したシステムを構築することができ、コスト及び設置作業等の点において、ユーザの負担が軽減される。
【0054】
また、カメラ6を画像表示装置2上に配置することで、車内撮影時は車内全体の、前方撮影時は運転者目線の最適撮影ポジションを確保することができる。
【0055】
また、道順を人に教える場合、本ナビゲーションシステムの記録メディアに保存された運転記録データ(実写ムービー)を用いながら説明することによって、より具体的なイメージを与えることができる。
【0056】
また、画像表示装置2にカメラ6の撮影画像を表示できるようにしたので、表示パネル7に表示された後方撮影の画像を、運転車がバックミラー代わりに利用することができる。
【0057】
また、事故発生時点から過去所定時間分の撮影データを記録メディアに保存することができるので、確実な事故調査ができる。
【0058】
また、不審者撮影時に、照度センサ10、LED制御部20及びLED8による発光制御によって、証拠物件としてより鮮明な映像を記録することができる。
【0059】
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を取り得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施の形態によるカメラ機能付きナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態のカメラ機能付きナビゲーションシステムを搭載した車内の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるカメラ機能付きナビゲーションシステムのブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるセキュリティシステムの作動制御処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による事故発生時の記録制御処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態による運転記録制御処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態による画像表示制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
1…本体、2…画像表示装置、3…スピーカ、4…リモコン、5…カメラ、6…レンズ、7…表示パネル、8…LED、9…人感知センサ、10…照度センサ、12…スロット、13…撮影画像保存ボタン、14…監視作動ボタン、15…イメージセンサ、16…カメラ向き検知部、17…画像処理部、19…内部メモリ(RAM)、21…記録メディア、22…メインCPU、23…ショックセンサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を蓄積する地図情報蓄積手段と、
自身の現在位置情報を検出する現在位置情報検出手段と、
撮影手段として機能するカメラと、
前記地図情報及び前記カメラで撮影された画像を表示する画像表示手段と、
検出された現在位置情報に基づき上記地図情報を検索して、前記画像表示手段に表示された地図上に、自身が搭載されている車両の現在位置情報を表示するよう制御する制御手段とから構成される
ことを特徴とするカメラ機能付きナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記カメラは、前記画像表示手段に設置され、車両の前方及び後方にほぼ180°回動自在である
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム
【請求項3】
更に記録メディアが装着されるスロットを備え、
前記制御手段は、使用者の操作に応じて前記カメラにより撮影された車両前方の撮影データを前記画像表示手段に表示、又は前記スロットに装着された記録メディアへ保存する
ことを特徴とする請求項2に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム。
【請求項4】
更に振動を感知する振動感知手段と、
前記カメラからの撮影データを過去所定時間にわたり記録する記録手段とを備え、
前記制御手段は、前記カメラが車両前方を向いているときに、前記振動感知手段が所定値以上の振動を感知した場合、前記記録手段に記録された過去所定時間分の撮影データを前記記録メディアに保存する
ことを特徴とする請求項3に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記制御手段は、使用者の操作に応じて前記カメラにより撮影された車両後方の撮影データを前記画像表示手段に表示、又は前記スロットに装着された記録メディアへ保存する
ことを特徴とする請求項3に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム。
【請求項6】
更に前記画像表示手段は人の存在を感知する人感知手段を備え、
前記制御手段は、前記カメラが車両後方を向いているときに、前記人感知手段が人の存在を感知し、又は前記振動感知手段が所定値以上の振動を感知した場合、スピーカを介して警告するとともに車内を撮影し、撮影データを前記記録メディアに保存する
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム。
【請求項7】
更に前記画像表示手段は照度を測定する照度測定手段を備え、
前記カメラが車両後方を向いているときに、前記人感知手段が人の存在を感知し、又は前記振動感知手段が所定値以上の振動を感知したとき、
前記照度測定手段が車内照度を測定し、前記照度測定手段により測定された値が所定の照度に満たない場合、前記制御手段は、前記画像表示手段に配置された発光手段を発光させる
ことを特徴とする請求項6に記載のカメラ機能付きナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−200936(P2006−200936A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10620(P2005−10620)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】