カメラ
【課題】照明装置を用いて、撮像素子から遠距離に位置する被写体、または、撮像素子から近距離に位置する被写体を撮像する場合に、被写体の画像の明るさを適切に保つ。
【解決手段】撮像部28は、被写体からカメラ本体102への光路上に設けられた絞り部32及びレンズ30を通して、被写体を撮像する。距離情報取得部48は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズ104から取得する。第1情報演算部48は、距離情報を用いて絞り部32の絞り値を求める。絞り決定部48は、被写体に照射光を照射する照明装置106を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部32の絞り値を第1情報演算部48により求められた絞り値に決定する。
【解決手段】撮像部28は、被写体からカメラ本体102への光路上に設けられた絞り部32及びレンズ30を通して、被写体を撮像する。距離情報取得部48は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズ104から取得する。第1情報演算部48は、距離情報を用いて絞り部32の絞り値を求める。絞り決定部48は、被写体に照射光を照射する照明装置106を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部32の絞り値を第1情報演算部48により求められた絞り値に決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラは、例えば、カメラ本体に装着される撮影レンズを通して被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子、被写体から撮像素子への光路を遮る位置に設けられたシャッタ、被写体から撮像素子への光路上に設けられた絞り部、被写体からカメラ本体への入射光を測光する測光部等により構成される。被写体に照射光を照射する照明装置を用いた撮像時には、撮像素子の撮像感度と測光部により測光された測光結果とを用いたプログラム線図に従って、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせが自動的に設定される(例えば、特許文献1)。例えば照明装置を用いて被写体を撮像する場合、絞り値の上限値及び下限値は、撮像感度を調節してプログラム線図を変更することにより設定される。
【特許文献1】特開2003−241248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したカメラでは、照明装置を用いて被写体を撮像する場合、絞り値の上限値及び下限値は、被写体までの距離とは無関係に撮像感度と測光結果のみを用いて設定される。したがって、広角レンズ等を用いて撮像素子から遠い距離に位置する被写体を撮像する場合、絞り値の上限値が大きな値に設定されることで照明装置の閃光発光による被写体からの反射光が撮像素子まで充分に届かず、撮像素子の露光量が不足する場合(露光不足)がある。また、マクロレンズ等を用いて撮像素子から近い距離に位置する被写体を撮像する場合、絞り値の下限値が小さい値に設定されることで、撮像素子の露光量がオーバーになり被写体の画像が明るくなりすぎる場合(白飛び)がある。このため、被写体の画像の明るさを適切に保つことができないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラにおいて、照明装置を用いて、撮像素子から遠距離に位置する被写体、または、撮像素子から近距離に位置する被写体を撮像する場合に、被写体の画像の明るさを適切に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。第1情報演算部は、距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、被写体に照射光を照射する照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0006】
請求項2のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項3のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0007】
請求項4のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。発光情報取得部は、被写体に照射光を照射する照明装置から、照明装置の予備発光量を示す予備発光情報を取得する。第1情報演算部は、予備発光情報及び距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0008】
請求項5のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と予備発光情報との積と、距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項6のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像前距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、予備発光情報及び、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0009】
請求項7のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。バウンス情報取得部は、被写体に照射光を照射する照明装置から、照射光を被写体に間接的に照射するバウンス状態であることを示すバウンス情報を取得する。第1情報演算部は、バウンス情報及び距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、被写体に照射光を照射する照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0010】
請求項8のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報とバウンス情報との積と、距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項9のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、バウンス情報及び、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0011】
請求項10のカメラでは、上限値記憶部は、外部から入力される値を、絞り値の上限値である絞り上限値として記憶する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り上限値以下である場合、撮像時に絞り上限値を絞り部の絞り値として決定し、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り上限値を超える場合、撮像時に第1情報演算部により求められた絞り値を絞り部の絞り値として決定する。
【0012】
請求項11のカメラでは、下限値記憶部は、外部から入力される値を、絞り値の下限値である絞り下限値として記憶する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り下限値を超える場合、撮像時に絞り下限値を絞り部の絞り値として決定し、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り下限値以下である場合、撮像時に第1情報演算部により求められた絞り値を絞り部の絞り値として決定する。
【0013】
請求項12のカメラでは、第1情報演算部は、距離情報が大きくなるほど小さい絞り値を求める。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離の変化に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項2のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、被写体までの距離が長いほど小さい値になり、被写体までの距離が短いほど大きい値になる。したがって、絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を小さい値に決定し、撮像部から近距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を大きい値に決定する。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0015】
請求項4のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離及び予備発光量に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項5のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、照明装置の予備発光量が小さく、被写体までの距離が長いほど小さい値になる。一般的に、照明装置の予備発光量が小さいほど、照明装置の本発光量(撮像時の照明装置の発光量)は小さい。換言すると、予備発光量が小さいほど、照明装置の本発光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、照明装置の発光量が小さいほど、絞り値を小さい値に決定できる。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0016】
請求項7のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離及び、照明装置の状態(バウンス状態であるか否か)に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項8のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、照明装置の状態がバウンス状態であり、被写体までの距離が長いほど小さい値になる。一般的に、バウンス状態では、天井や壁等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)が被写体に照射されるため、被写体に照射光を直接照射する場合に比べて、照射光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り値を小さい値に決定できる。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0017】
請求項3、請求項6及び請求項9のカメラでは、距離情報設定部は、変化率が所定値を超える時、すなわち、被写体までの距離が撮像前と撮像時で大きく変化する時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定する。距離情報設定部は、変化率が所定値以下の時、すなわち、被写体までの距離が撮像前と撮像時で大きく変化しない時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。したがって、設定される距離情報をほぼ一定の値に保つことができる。よって、第2情報演算部により撮像前距離情報または撮像時距離情報をそのまま用いて絞り値が求められる場合に比べて求められる絞り値が大きく変化することを防止できる。このため、絞り決定部により決定される絞り値がほぼ一定の値に保たれる。この結果、決定される絞り値を撮影者に知らせる表示等が頻繁に変わることを防止でき、撮影者は撮影に集中できる。
【0018】
請求項10のカメラでは、上限値記憶手段を備えることにより、絞り上限値を絞り値として設定可能な値の範囲内に収めることができる。このため、絞り決定部は、上限値記憶手段に記憶された絞り上限値より極端に大きな値が絞り値として決定されることを防止できる。この結果、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0019】
請求項11のカメラでは、下限値記憶手段を備えることにより、絞り下限値を絞り値として設定可能な値の範囲内に収めることができる。このため、絞り決定部は、下限値記憶手段に記憶された絞り下限値より極端に小さな値が絞り値として決定されることを防止できる。この結果、撮像部の露光量がオーバーになり被写体の画像が明るくなりすぎることを防止できる。
【0020】
請求項12のカメラでは、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を小さい値に決定し、撮像部から近距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を大きい値に決定する。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、第1の実施形態のカメラ100の左側面図を示している。カメラ100は、例えば一眼フレックスタイプのデジタルカメラであり、カメラ本体102を有している。
撮影レンズ104は、被写体からの入射光をカメラ本体102に導くために、カメラ本体102の前面に形成されたレンズマウント10に着脱自在に取り付けられる。閃光発光装置106は、被写体に照射光を照射するために、カメラ本体102の上面に形成されたホットシュー12に着脱自在に取り付けられる。レンズマウント10及びホットシュー12には、カメラ本体102と撮影レンズ104との間で各種情報を授受するための通信接点、カメラ本体102と閃光発光装置106との間で各種情報を授受するための通信接点がそれぞれ設けられている。
【0022】
カメラ本体102は、クイックターンミラー14、ファインダスクリーン16、ペンタダハプリズム18、接眼レンズ20、測光用再結像レンズ22、測光用センサ24、シャッタ26、CCD28、図2のゲイン回路42及びA/D変換回路44を有している。
クイックターンミラー14は、光軸OA上に回動自在に設けられる。クイックターンミラー14は、被写体の撮影を行わない非撮影時に、光軸OAに対して斜めの位置に配置される。非撮影時に、クイックターンミラー14は、被写体から撮影レンズ104を介してカメラ本体102に入射された光束を受光し、受光した光束を反射させてファインダスクリーン16に導く。
【0023】
一方、被写体を撮像する撮像時には、クイックターンミラー14は、回動により図の破線で示す位置に退避する。退避時、被写体からカメラ本体102に入射された光束は、シャッタ26を介してCCD28に導かれる。
ファインダスクリーン16は、非撮像時にクイックターンミラー14により導かれた光束を拡散し、拡散させた光束をペンタダハプリズム18に導く。ペンタダハプリズム18は、ファインダスクリーン16により拡散された光束の一部を反射させて接眼レンズ20に導く。ペンタダハプリズム18は、ファインダスクリーン16により拡散された光束の別の一部を反射させて測光用再結像レンズ22に導く。
【0024】
接眼レンズ20は、ペンタダハプリズム18により導かれた光束を被写体像として結像する。撮影者は、接眼レンズ20により結像される被写体像を見ることで、被写体の構図やフレーム等を判断できる。
測光用再結像レンズ22は、ペンタダハプリズム18により導かれた光束を測光用センサ24に結像する。測光用センサ24は、例えばCCD等の受光素子で構成される。測光用センサ24は、測光用再結像レンズ22により結像される光束を測光用センサ24の単位時間当たりの露光量を示す露光量情報Eとして光電変換し、光電変換した露光量情報EをA/D変換回路44に出力する。
【0025】
シャッタ26は、撮影レンズ104のレンズ系30からCCD28への光路を遮る位置に配置されるシャッタ膜(図示せず)を有している。シャッタ26は、図示しないシャッタドライバにより駆動され、レンズ系30からカメラ本体102に入射された光束によりCCD28が露光される時間を調節する。シャッタ膜は、撮像時にレンズ系30からCCD28への光路を確保するために開く。
【0026】
CCD28は、シャッタ26を介してレンズ系30に対向する位置に配置されている。CCD28は、図示しないCCDドライバにより駆動され、レンズ系30より結像される被写体像を光電変換し、光電変換した被写体像をゲイン回路42に出力する。
撮影レンズ104は、レンズ系30及び絞り32を有している。レンズ系30は、被写体に焦点を合わせるフォーカスレンズ及び被写体像をズームするためのズームレンズ等を含む複数枚のレンズにより構成される。フォーカスレンズ及びズームレンズは、図示しないレンズ駆動回路により光軸方向の位置が調節される。絞り32は、図示しない絞りドライバによって駆動される。絞り32の絞り値FNoは、レンズ系30を通過した光の光量を絞るように調節される。
【0027】
閃光発光装置106は、発光部34、軸部36、取付部38及び本体部40を有している。発光部34は、軸部36を中心にして図の上下方向に回動自在に配置されている。発光部34は、図示しないコンデンサ、変圧器及び放電管等で構成される。
発光部34は、被写体に照射光を照射するために、コンデンサ及び変圧器を用いて電圧を発生させ、発生させた電圧を放電管に加えることで放電管を閃光発光させる。発光部34は、天井や床等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)を被写体に照射するバウンス状態では、回動により天井や床のバウンス面に向けられる。取付部38は、本体部40の下部に配置され、カメラ本体102のホットシュー12に着脱自在に取り付けれる。
【0028】
図2は、図1に示したカメラ本体102、撮影レンズ104及び閃光発光装置106の内部構成を示している。カメラ本体102は、測光用センサ24、CCD28、ゲイン回路42、A/D変換回路44、増幅率調整回路46、CPU48、操作部50、RAM52及びLCD(Liquid Crystal Display)を有している。なお、シャッタ機構及びミラー機構等の要素は、図示を省略している。
【0029】
ゲイン回路42は、増幅率調整回路46を介してCPU48により制御される。ゲイン回路42は、CCD28から受け取ったアナログ量を可変な増幅率で増幅する。増幅率調整回路46は、所定のISO感度(例えば、ISO100)に応じてゲイン回路42の増幅率を調整する。
A/D変換回路44は、測光用センサ24から受け取った露光量情報EをA/D変換し、A/D変換した露光量情報EをCPU48に出力する。A/D変換回路44は、CCD28から受け取った被写体像をA/D変換し、A/D変換した画像データをCPU48に出力する。
【0030】
CPU48は、図1で述べた各通信接点を介してCPU56及びCPU62に接続される。CPU48は、ROM52を内蔵している。ROM52は、例えば、電気的にデータの書き換えが可能なEEPROMやフラッシュメモリ等で構成され、カメラ100の電源がオフの間もデータを保持する。ROM52は、CPU48により実行されるプログラムやCCD28の撮像情報(ISO感度、電子シャッタの露光時間やホワイトバランス補正値等)を格納している。
【0031】
操作部50は、カメラ本体102の電源をオン又はオフする主電源スイッチ、被写体の撮影時に撮影者により押下げられるシャッタスイッチ、被写体を撮影する「撮影モード」、言語設定や日時設定を変更可能な「セットアップモード」や被写体にピントを合わせる「オートフォーカスモード」等の各種モードや画像等を選択する選択スイッチを含む各種スイッチ(図示せず)を有している。
【0032】
RAM52は、CCD28により撮像された画像データや距離情報Xmm(後述)等を一時的に保存する。LCDは、図示しないLCDドライバにより駆動され、シャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後に、CCD28により撮像される画像や各種モード設定画面を表示する。すなわち、LCDは、撮影レンズ104のレンズ系30により結像される画像を映すファインダーとしても利用される。撮影者は、LCDに映し出された画像を見ることによって、被写体の構図等を判断できる。
【0033】
撮影レンズ104は、レンズ系30、絞り32、CPU56及び、レンズ系30の撮影距離Xmm(後述)を検出するエンコーダ(図示せず)等を有している。CPU56は、ROM58を内蔵している。ROM58には、例えばレンズの開放絞り値や焦点距離や射出瞳距離の誤差等の撮影レンズ104に固有のレンズ情報が格納されている。
CPU56は、エンコーダにより検出される距離情報Xmmを図1で述べた通信接点を介してCPU48に出力する。この例では、距離情報Xmmは、カメラ本体102のCCD28の撮像面から被写体までの距離をメートル単位で表す情報を指す。
【0034】
閃光発光装置106は、発光部34、発光制御回路60、CPU62及び図示しない昇圧回路や操作部等を有している。発光制御回路60は、発光部34の発光量や発光回数等を示す発光情報をCPU62から受け取り、受け取った発光情報に基づいて発光部34を閃光発光させる。
CPU62は、ROM64を内蔵している。ROM64には、例えば本発光量(撮像時の発光部34の発光量)の大きさを示すガイドナンバーやシンクロ時間(同調時間)等の閃光発光装置106に固有の情報が格納されている。例えば、CPU62は、発光部34の最小の発光量を示す最小ガイドナンバーGNMinや発光部34の状態がバウンス状態であることを示すバウンス情報BIを、図1で述べた通信接点を介してCPU48に出力する。
【0035】
この例では、CPU48は、閃光発光装置106を用いずに被写体を撮像する場合、すなわち、カメラ本体102に閃光発光装置106が取り付けられていない場合、ゲイン回路42の増幅率の調整に用いられたISO感度を示す感度情報ISOと、A/D変換回路44から受け取った露光量情報Eとを用いたプログラム線図(図3)に従って、シャッタ26(図1)のシャッタ速度SSと撮影レンズ104の絞り32の絞り値FNoとの組み合わせを決定する。
【0036】
一方、CPU48は、閃光発光装置106を用いて被写体を撮像する場合、すなわち、カメラ本体102に閃光発光装置106が取り付けられている場合、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmmを受け取り、受け取った距離情報Xmmと感度情報ISOとを用いて、絞り値FNoに対応するAPEX(Additive System of Photographic Exposure)値である絞り制限値AvL(Aperture Value Limit)を算出する。
【0037】
図3は、シャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせの決定時に用いられるプログラム線図の一例を示している。図の横軸及び縦軸は、シャッタ速度SS及び絞り値FNoをそれぞれ示し、図の斜線は同じ露出値EV(後述)を示している。図中の太線は、本実施例で用いられるプログラム線図を示している。本発明において、露出値EVは、プログラム線図において予め決められたCCD28の露出値を指す。
【0038】
図2で述べたように、閃光発光装置106を用いずに被写体を撮像する場合、CPU48は、プログラム線図を用いてシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせを決定する。具体的には、CPU48は、感度情報ISO及び露光量情報Eをそれぞれ同じ次元のAPEX単位に変換する。次に、CPU48は、感度情報ISOのAPEX値である撮像感度SVと、露光量情報EのAPEX値である測光値LVとを用いて被写体の輝度値BVを算出し、算出した輝度値BVをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(1)を用いて輝度値BVを算出する。
【0039】
BV=LV−SV・・・(1)
格納された輝度値BVが例えば9.7である場合、CPU48は、露出値EV=9.7を示す斜線と図の太線(プログラム線図)との交点を、シャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせとして決定する。この例では、図の交点に対応する組み合わせは、シャッタ速度SS=1/30(秒)、絞り値FNo=f2.8である。この組み合わせが、閃光発光装置106を用いない撮像時に、被写体の明るさを最適に保つためのシャッタ速度SS及び絞り値FNoとして決定される。
【0040】
図4及び図5は、カメラの第1の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。図4及び図5に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
まず、ステップS100において、CPU48は、撮影者によりセットアップモード画面の表示要求を受けると、上限値SMax及び下限値SMinを設定するためのメニュー画面をLCDに表示させる。本発明において、上限値SMax及び下限値SMinは、絞り制限値AvLの上限値及び下限値をそれぞれ指す。この後、処理はステップS102に移行する。
【0041】
ステップS102において、CPU48は、撮影者により設定された上限値SMax及び下限値SMinをRAM52に格納する。このように、上限値SMax及び下限値SMinを絞り制限値AvLとして設定可能な値の範囲内(例えば、1.0〜6.0)に収めることができる。この後、処理はステップS104に移行する。
ステップS104において、CPU48は、撮影者により撮影モードの選択要求を受けると、図3で述べた演算式(1)を用いて輝度値BVを算出し、算出した輝度値BVをRAM52に格納する。この後、処理はステップS106に移行する。
【0042】
ステップS106において、CPU48は、ホットシュー12に閃光発光装置106が取り付けられているか否かを検出する。閃光発光装置106が取り付けられていることを検出すると、処理はステップS108に移行する。閃光発光装置106が取り付けられていないことを検出すると、処理はステップS110に移行する。
ステップS108において、CPU48は、図2で述べたように距離情報Xmmと感度情報ISOとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(2)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(2)において、NSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。Xvは、log2(距離情報Xmm)を示している。
【0043】
AvL=NSBC+(SV−5)/2−Xv・・・(2)
この時算出される絞り制限値AvLは、CCD28から被写体までの距離が長いほど小さい値になり、CCD28から被写体までの距離が短いほど大きい値になる。したがって、CPU48は、算出した絞り制限値AvLに基づいて、カメラ本体102から遠距離に位置する被写体の撮像時(例えば、広角レンズや望遠レンズを用いた撮像時)に絞り32の絞り値FNoを小さい値に決定し、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時(例えば、マクロレンズを用いた撮像時)に絞り32の絞り値FNoを大きい値に決定する。すなわち、CPU48は、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時より、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値FNoを小さく設定できる。この後、処理は図5のステップS112に移行する。
【0044】
一方、ステップS110において、CPU48は、図3で述べたように、輝度値BVに対応する露出値EVを示す斜線とプログラム線図との交点を、シャッタ26のシャッタ速度SS及び絞り32の絞り値FNoの組み合わせとして決定し、決定した組み合わせをRAM52に格納する。この後、処理は図5のステップS126に移行する。
ステップS112において、CPU48は、絞り制限値AvLが上限値SMaxを超えているか否かを検出する。上限値SMaxを超えていることを検出すると、処理はステップS114に移行する。上限値SMax以下であることを検出すると、処理はステップS116に移行する。
【0045】
ステップS114において、CPU48は、絞り制限値AvLを上限値SMaxと置き換えてRAM52に格納する。このように、CPU48は、上限値SMax(例えば、6.0)より極端に大きな値(例えば、11.0)が絞り制限値AvLとしてRAM52に格納されることを防止できる。すなわち、上限値SMax(例えば、6.0)より極端に大きな値(例えば、11.0)に対応する絞り値FNoが、絞り32の絞り値FNoとして決定されることを防止できる。このため、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。この後、処理はステップS116に移行する。
【0046】
ステップS116において、CPU48は、絞り制限値AvLが下限値SMin以下であるか否かを検出する。下限値SMin以下であることを検出すると、処理はステップS118に移行する。下限値SMinを超えていることを検出すると、処理はステップS120に移行する。
ステップS118において、CPU48は、絞り制限値AvLを下限値SMinに置き換えてRAM52に格納する。このように、CPU48は、下限値SMin(例えば、1.0)より極端に小さな値(例えば、0)が絞り制限値AvLとしてRAM52に格納されることを防止できる。すなわち、下限値SMin(例えば、1.0)より極端に小さな値(例えば、0)に対応する絞り値FNoが、絞り32の絞り値FNoとして設定されることを防止できる。このため、CCD28の露光量が過剰に大きくなることが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。この後、処理はステップS120に移行する。
【0047】
ステップS120において、CPU48は、図3で述べたように、輝度値BVに対応する露出値EVを示す斜線とプログラム線図との交点を、シャッタ26のシャッタ速度SS及び絞り32の絞り値FNoの組み合わせとして決定し、決定した組み合わせをRAM52に格納する。この後、処理はステップS122に移行する。
ステップS122において、CPU48は、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値が絞り制限値AvL以下であるか否かを検出する。絞り制限値AvL以下であることを検出すると、処理はステップS124に移行する。絞り制限値AvLを超えていることを検出すると、処理はステップS126に移行する。
【0048】
ステップS124において、CPU48は、絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoを、プログラム線図を用いて既に決定した絞り値FNoと置き換えてRAM52に格納する。この後、処理はステップS126に移行する。
図4のステップS110でシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせがRAM52に格納された後、または、ステップS124で絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoがRAM52に格納された後、ステップS126において、CPU48は、撮影者によりシャッタスイッチが押下げされるのを待つ。シャッタスイッチの押下げが検出されると、処理はステップS128に移行する。シャッタスイッチの押下げが検出されないと、処理は図4のステップS106に移行する。
【0049】
ステップS128において、CPU48は、CCDドライバ、シャッタドライバ及び絞りドライバ、発光制御回路60等をそれぞれ制御して、RAM52に格納されたシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせに基づいて、CCD28、シャッタ26、絞り32及び発光部34等を駆動し、被写体を撮像する。そして、カメラの第1の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
【0050】
図6は、距離情報Xmmと絞り制限値AvLとの関係を示している。図の横軸及び縦軸は、距離情報Xmm(m)及び絞り制限値AvLをそれぞれ示している。図の各斜線は、図4及び図5でRAM52に格納された絞り制限値AvLを示している。図の菱形、四角、三角及び×印を付けた斜線は、ISO200、ISO400、ISO800及びISO1600にそれぞれ対応する絞り制限値AvLを示している。この例では、上限値SMax及び下限値SMinは、6.0及び1.0(例えば、開放F値)にそれぞれ設定される。
【0051】
図4及び図5で述べたように、CCD28から近距離(図の距離情報Xmm=0.50m〜1.00m)に位置する被写体の撮像時、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値(例えば、5.5)が上限値SMax(=6.0)以下である場合、絞り32の絞り値FNoは、上限値SMax(=6.0)に対応する絞り値FNoとして決定される。このため、絞り32の絞り値FNoが上限値SMax(=6.0)に対応する絞り値FNoより小さな値になることを防止できる。したがって、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を一定の大きさ以下に保つことができる。このため、CCD28の露光過度が防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0052】
一方、CCD28から遠距離(図の距離情報Xmm=11.31〜32.00)に位置する被写体の撮像時、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値(例えば、0.5)が下限値SMin(=1.0)以下である場合、絞り32の絞り値FNoは、下限値SMin(=1.0)に対応する絞り値FNoとして決定される。一般的に、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値の最小値は下限値SMin(=1.0)に比べて非常に小さい。このため、絞り32の絞り値FNoが下限値SMin(=1.0)に対応する絞り値FNoより大きな値になることを防止できる。したがって、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を一定の大きさ以上に保つことができる。このため、CCD28の露光不足が防止され、適正な露出の画像を得ることができる。なお、シャッタ速度SSは、図2で述べたシンクロ時間よりも小さい値に設定される。
【0053】
以上、第1の実施形態では、CPU48は、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時より、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値FNoを小さく設定できる。一般的に、閃光発光装置106の発光部34の閃光発光による被写体からの反射光のCCD28への入口である入射瞳の面積は、絞り値FNoの二乗に反比例する。このため、閃光発光装置106を用いて、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する場合に、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を大きくできる。この結果、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0054】
図7及び図8は、カメラの第2の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図7及び図8は、第1の実施形態(図4及び図5)のステップS108がステップS200〜S212に置き換えられた点を除いて、図4及び図5と同じである。
【0055】
上述した図4及び図5と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図7及び図8に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106が実行された後、処理はステップS110、または、ステップS200に移行する。
ステップS200において、CPU48は、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmm1を取得し、取得した距離情報Xmm1をRAM52に格納する。本発明において、距離情報Xmm1は、シャッタスイッチの半押下げよりも前にCPU48によりCPU56から取得される距離情報Xmmを指す。この後、処理はステップS202に移行する。
【0056】
ステップS202において、CPU48は、撮影者によりシャッタスイッチが半押下げされるのを待つ。シャッタスイッチの半押下げが検出されると、処理はステップS204に移行する。ステップS202は、シャッタスイッチの半押下げが検出されるまで繰り返される。
ステップS204において、CPU48は、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmm2を取得し、取得した距離情報Xmm2をRAM52に格納する。本発明において、距離情報Xmm2は、シャッタスイッチの半押下げよりも後でCPU48によりCPU56から取得される距離情報Xmmを指す。この後、処理はステップS206に移行する。
【0057】
ステップS206において、CPU48は、距離情報Xmm1に対する距離情報Xmm2の増加率P(%)を算出し、算出した増加率P(%)が所定値Vを超えているか否かを検出する。この例では、CPU48は、以下の演算式(3)を用いて増加率P(%)を算出する。
P(%)={(Xmm2−Xmm1)/Xmm1}×100・・・(3)
所定値Vを超えていることを検出すると、処理はステップS208に移行する。所定値Vを超えていないことを検出すると、処理はステップS210に移行する。
【0058】
ステップS208において、CPU48は、以下の演算式(4)を用いて距離情報XvCを算出し、算出した距離情報XvCをRAM52に格納する。演算式(4)において、Xv及びXvCOLdは、log2(Xmm1)及びlog2(Xmm2)をそれぞれ示している。K(0≦K≦1)は、XvとXvCOLdの重み付けを決定するための重み定数である。
【0059】
XvC=K×Xv+(1−K)×XvCOLd・・・(4)
この例では、距離情報XvCは、K=0.8として算出される。この後、処理はステップS212に移行する。
一方、ステップS206で増加率P(%)が所定値Vを超えていない場合、ステップS210において、CPU48は、演算式(4)を用いて距離情報XvCを算出し、算出した距離情報XvCをRAM52に格納する。この例では、距離情報XvCは、K=0.2として算出される。
【0060】
このように、CPU48は、増加率P(%)が所定値Vを超える場合、すなわち、距離情報Xmmがシャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後で大きく変化する場合、距離情報Xmm1に距離情報Xmm2より大きい重み定数Kを乗じて、距離情報Xmm1及び距離情報Xmm2の平均値より距離情報Xmm1に近い値を距離情報XvCとして算出する。CPU48は、増加率P(%)が所定値V以下である場合、すなわち、距離情報Xmmがシャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後で大きく変化しない場合、距離情報Xmm1に距離情報Xmm2より小さい重み定数Kを乗じて、距離情報Xmm1及び距離情報Xmm2の平均値より距離情報Xmm2に近い値を距離情報XvCとして算出する。したがって、距離情報XvCをほぼ一定の値に保つことができる。特に、図2で述べたオートフォーカスモードの設定が、シャッタスイッチの半押し中に常に被写体にピントを合わせるコンテニュアスモードである場合、すなわち、距離情報Xmm2が常に変化する場合に、距離情報XvCを用いて絞り制限値AvLを算出することで絞り制限値AvLが大きく変化することを防止できる。この後、処理はステップS212に移行する。
【0061】
ステップS212において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(5)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(5)において、NSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
AvL=NSBC+(SV−5)/2−XvC・・・(5)
この後、処理は図8のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第2の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
【0062】
以上、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、距離情報Xmm1または距離情報Xmm2をそのまま用いて絞り制限値AvLを算出する場合に比べて、算出される絞り制限値AvLが大きく変化することを防止できる。このため、絞り制限値AvLが頻繁に、上限値SMax以下になること、あるいは、下限値SMinを超えることを防止できる。この結果、絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoを撮影者に知らせるLCDの表示画面が頻繁に変わることが防止され、撮影者は撮影に集中できる。
【0063】
図9及び図10は、カメラの第3の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図9及び図10は、第2の実施形態(図7及び図8)のステップS212がステップS300に置き換えられた点を除いて、図7及び図8と同じである。
【0064】
上述した図7及び図8と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図9及び図10に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106、ステップS200〜S210が実行された後、処理はステップS300に移行する。
ステップS300において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOと図2で述べた最小ガイドナンバーGNMinとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(6)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(6)において、GvMonは、最小ガイドナンバーGNMinの対数値である。また、SSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
【0065】
AvL=GvMon+SSBC+(SV−5)/2−XvC・・・(6)
このように、絞り制限値AvLは、最小ガイドナンバーGNMinが小さく、距離情報XvCが大きい(CCD28から被写体が遠距離に位置する)ほど小さい値になる。一般的に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど、図2で述べた発光部34の本発光量は小さい。換言すると、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど、発光部34の本発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する光量(CCD28の露光量)は低下する。CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。
【0066】
この後、処理は図10のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第3の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
以上、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。このため、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0067】
図11及び図12は、カメラの第4の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図11及び図12は、第2の実施形態(図7及び図8)のステップS212がステップS400〜S404に置き換えられた点を除いて、図7及び図8と同じである。
【0068】
上述した図7及び図8と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図11及び図12に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106、ステップS200〜S210が実行された後、処理はステップS400に移行する。
ステップS400において、CPU48は、CPU56から通信接点を介してバウンス情報BIを取得する(発光部34の状態がバウンス状態である)と、処理はステップ402に移行する。バウンス情報BIを取得しない(発光部34の状態がバウンス状態でない)と、処理はステップS404に移行する。
【0069】
ステップS402において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOと定数BSBCとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(7)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(7)において、BSBCは、閃光発光装置106の発光部34の状態がバウンス状態である時に、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。また、SSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
【0070】
AvL=SSBC+(SV−5)/2−XvC+BSBC・・・(7)
このように、絞り制限値AvLは、発光部34の状態がバウンス状態であり、距離情報XvCが大きい(CCD28から被写体が遠距離に位置する)ほど小さい値になる。一般的に、バウンス状態では、天井や壁等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)が被写体に照射されるため、被写体に照射光を直接照射する場合に比べて、照射光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。
【0071】
この後、処理は図12のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第4の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
以上、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。このため、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0072】
なお、上述した第1の実施形態では、CPU48は、Xv(=log2(距離情報Xmm))を用いて演算式(2)により絞り制限値AvLを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CPU48は、以下の条件式(8)を用いて算出したXvを用いて演算式(2)により絞り制限値AvLを算出するものでもよい。条件式(8)において、fvはlog2(fmm/50)を示している。なお、fmmは、撮影レンズ104のROM58に格納された焦点距離(mm)を示すレンズ情報であり、焦点距離(mm)が50mmである場合、fvは0となる。
【0073】
Xv>log2(50)+fv−2ならば
Xv=log2(50)+fv−2・・・(8)
例えば撮影レンズ104として広角レンズを用いた被写体の撮像時では被写界深度が深くなるために、CPU48は、距離情報Xmm(m)を正確にCPU56から取得できない場合がある。具体的には、例えば被写体までの距離が3mの次が無限大である場合、取得される距離情報Xmmは、3mを超えると全て無限大として取得される。本発明では、Xvがlog2(50)+fv−2を超える時、Xvをlog2(50)+fv−2に設定できる。例えば、log2(50)+fv−2をlog2(3m)に設定することで、Xvにlog2(3m)より大きい値(不正確な値)が設定されることを防止できる。
【0074】
上述した第1〜4の実施形態では、CCD28を用いて被写体を撮像する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CCD以外の撮像素子、例えば、CMOSイメージセンサや、その他の増幅型固体撮像素子を用いて被写体を撮像するものでもよい。
上述した第1〜4の実施形態では、カメラ100としてカメラ本体102に撮影レンズ104を取付可能な一眼フレックスタイプのカメラが用いられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。撮影レンズが一体化されたコンパクトタイプのカメラが用いられるものでもよい。
【0075】
上述した第1〜4の実施形態では、カメラ100としてデジタルカメラが用いられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。カメラ100として銀塩フィルム式のカメラが用いられるものでもよい。
上述した第1〜4の実施形態では、CPU48は、演算式(2)、(5)、(6)及び(7)において、撮像感度SVを用いて絞り制限値AvLを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CPU48は、演算式(2)、(5)、(6)及び(7)において、撮像感度SVの代わりに、予め決められた定数を用いて絞り制限値AvLを算出するものでもよい。
【0076】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態及びその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、絞りの絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のカメラの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示したカメラ本体、撮影レンズ及び閃光発光装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】シャッタ速度及び絞り値の組み合わせの決定時に用いられるプログラム線図の一例を示す図である。
【図4】本発明のカメラの第1の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明のカメラの第1の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図6】距離情報と絞り制限値との関係を示す図である。
【図7】本発明のカメラの第2の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明のカメラの第2の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明のカメラの第3の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明のカメラの第3の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明のカメラの第4の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明のカメラの第4の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10…レンズマウント、12…ホットシュー、14…クイックターンミラー、16…ファインダスクリーン、18…ペンタダハプリズム、20…接眼レンズ、22…測光用再結像レンズ、24…測光用センサ、26…シャッタ、28…CCD、30…レンズ系、32…絞り、34…発光部、36…軸部、38…取付部、40…本体部、42…ゲイン回路、44…A/D変換回路、46…増幅率調整回路、48、56、62…CPU、50…操作部、52…RAM、54、58、64…ROM、60…発光制御回路、100…カメラ、102…カメラ本体、104…撮影レンズ、106…閃光発光装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラは、例えば、カメラ本体に装着される撮影レンズを通して被写体を撮像するCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子、被写体から撮像素子への光路を遮る位置に設けられたシャッタ、被写体から撮像素子への光路上に設けられた絞り部、被写体からカメラ本体への入射光を測光する測光部等により構成される。被写体に照射光を照射する照明装置を用いた撮像時には、撮像素子の撮像感度と測光部により測光された測光結果とを用いたプログラム線図に従って、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせが自動的に設定される(例えば、特許文献1)。例えば照明装置を用いて被写体を撮像する場合、絞り値の上限値及び下限値は、撮像感度を調節してプログラム線図を変更することにより設定される。
【特許文献1】特開2003−241248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したカメラでは、照明装置を用いて被写体を撮像する場合、絞り値の上限値及び下限値は、被写体までの距離とは無関係に撮像感度と測光結果のみを用いて設定される。したがって、広角レンズ等を用いて撮像素子から遠い距離に位置する被写体を撮像する場合、絞り値の上限値が大きな値に設定されることで照明装置の閃光発光による被写体からの反射光が撮像素子まで充分に届かず、撮像素子の露光量が不足する場合(露光不足)がある。また、マクロレンズ等を用いて撮像素子から近い距離に位置する被写体を撮像する場合、絞り値の下限値が小さい値に設定されることで、撮像素子の露光量がオーバーになり被写体の画像が明るくなりすぎる場合(白飛び)がある。このため、被写体の画像の明るさを適切に保つことができないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、絞り部の絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラにおいて、照明装置を用いて、撮像素子から遠距離に位置する被写体、または、撮像素子から近距離に位置する被写体を撮像する場合に、被写体の画像の明るさを適切に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。第1情報演算部は、距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、被写体に照射光を照射する照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0006】
請求項2のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項3のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0007】
請求項4のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。発光情報取得部は、被写体に照射光を照射する照明装置から、照明装置の予備発光量を示す予備発光情報を取得する。第1情報演算部は、予備発光情報及び距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0008】
請求項5のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と予備発光情報との積と、距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項6のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像前距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、予備発光情報及び、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0009】
請求項7のカメラでは、撮像部は、被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、被写体を撮像する。距離情報取得部は、被写体までの距離を示す距離情報をレンズから取得する。バウンス情報取得部は、被写体に照射光を照射する照明装置から、照射光を被写体に間接的に照射するバウンス状態であることを示すバウンス情報を取得する。第1情報演算部は、バウンス情報及び距離情報を用いて絞り部の絞り値を求める。絞り決定部は、被写体に照射光を照射する照明装置を用いて被写体が撮像される撮像時に、絞り部の絞り値を第1情報演算部により求められた絞り値に決定する。
【0010】
請求項8のカメラでは、第1情報演算部は、撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報とバウンス情報との積と、距離情報との比を絞り部の絞り値として求める。
請求項9のカメラでは、変化率算出部は、距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、撮像前距離情報に対する撮像時距離情報の変化率を算出する。距離情報設定部は、変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定し、変化率が所定値以下である時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。第1情報演算部は、バウンス情報及び、距離情報設定部により設定された距離情報を用いて絞り値を求める第2情報演算部を有する。
【0011】
請求項10のカメラでは、上限値記憶部は、外部から入力される値を、絞り値の上限値である絞り上限値として記憶する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り上限値以下である場合、撮像時に絞り上限値を絞り部の絞り値として決定し、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り上限値を超える場合、撮像時に第1情報演算部により求められた絞り値を絞り部の絞り値として決定する。
【0012】
請求項11のカメラでは、下限値記憶部は、外部から入力される値を、絞り値の下限値である絞り下限値として記憶する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り下限値を超える場合、撮像時に絞り下限値を絞り部の絞り値として決定し、第1情報演算部により求められた絞り値が絞り下限値以下である場合、撮像時に第1情報演算部により求められた絞り値を絞り部の絞り値として決定する。
【0013】
請求項12のカメラでは、第1情報演算部は、距離情報が大きくなるほど小さい絞り値を求める。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離の変化に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項2のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、被写体までの距離が長いほど小さい値になり、被写体までの距離が短いほど大きい値になる。したがって、絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を小さい値に決定し、撮像部から近距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を大きい値に決定する。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0015】
請求項4のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離及び予備発光量に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項5のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、照明装置の予備発光量が小さく、被写体までの距離が長いほど小さい値になる。一般的に、照明装置の予備発光量が小さいほど、照明装置の本発光量(撮像時の照明装置の発光量)は小さい。換言すると、予備発光量が小さいほど、照明装置の本発光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、照明装置の発光量が小さいほど、絞り値を小さい値に決定できる。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0016】
請求項7のカメラでは、第1情報演算部を備えることにより、被写体までの距離及び、照明装置の状態(バウンス状態であるか否か)に応じて絞り部の絞り値を決定できる。
請求項8のカメラでは、第1情報演算部により求められる絞り値は、照明装置の状態がバウンス状態であり、被写体までの距離が長いほど小さい値になる。一般的に、バウンス状態では、天井や壁等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)が被写体に照射されるため、被写体に照射光を直接照射する場合に比べて、照射光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。絞り決定部は、第1情報演算部により求められた絞り値に基づいて、撮像部から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り値を小さい値に決定できる。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0017】
請求項3、請求項6及び請求項9のカメラでは、距離情報設定部は、変化率が所定値を超える時、すなわち、被写体までの距離が撮像前と撮像時で大きく変化する時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より大きく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像前距離情報に近い値を距離情報として設定する。距離情報設定部は、変化率が所定値以下の時、すなわち、被写体までの距離が撮像前と撮像時で大きく変化しない時、撮像前距離情報を撮像時距離情報より小さく重み付けて、撮像前距離情報及び撮像時距離情報の平均値より撮像時距離情報に近い値を距離情報として設定する。したがって、設定される距離情報をほぼ一定の値に保つことができる。よって、第2情報演算部により撮像前距離情報または撮像時距離情報をそのまま用いて絞り値が求められる場合に比べて求められる絞り値が大きく変化することを防止できる。このため、絞り決定部により決定される絞り値がほぼ一定の値に保たれる。この結果、決定される絞り値を撮影者に知らせる表示等が頻繁に変わることを防止でき、撮影者は撮影に集中できる。
【0018】
請求項10のカメラでは、上限値記憶手段を備えることにより、絞り上限値を絞り値として設定可能な値の範囲内に収めることができる。このため、絞り決定部は、上限値記憶手段に記憶された絞り上限値より極端に大きな値が絞り値として決定されることを防止できる。この結果、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0019】
請求項11のカメラでは、下限値記憶手段を備えることにより、絞り下限値を絞り値として設定可能な値の範囲内に収めることができる。このため、絞り決定部は、下限値記憶手段に記憶された絞り下限値より極端に小さな値が絞り値として決定されることを防止できる。この結果、撮像部の露光量がオーバーになり被写体の画像が明るくなりすぎることを防止できる。
【0020】
請求項12のカメラでは、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を小さい値に決定し、撮像部から近距離に位置する被写体の撮像時に絞り値を大きい値に決定する。このため、撮像部から遠距離に位置する被写体の撮像時に、撮像部の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、第1の実施形態のカメラ100の左側面図を示している。カメラ100は、例えば一眼フレックスタイプのデジタルカメラであり、カメラ本体102を有している。
撮影レンズ104は、被写体からの入射光をカメラ本体102に導くために、カメラ本体102の前面に形成されたレンズマウント10に着脱自在に取り付けられる。閃光発光装置106は、被写体に照射光を照射するために、カメラ本体102の上面に形成されたホットシュー12に着脱自在に取り付けられる。レンズマウント10及びホットシュー12には、カメラ本体102と撮影レンズ104との間で各種情報を授受するための通信接点、カメラ本体102と閃光発光装置106との間で各種情報を授受するための通信接点がそれぞれ設けられている。
【0022】
カメラ本体102は、クイックターンミラー14、ファインダスクリーン16、ペンタダハプリズム18、接眼レンズ20、測光用再結像レンズ22、測光用センサ24、シャッタ26、CCD28、図2のゲイン回路42及びA/D変換回路44を有している。
クイックターンミラー14は、光軸OA上に回動自在に設けられる。クイックターンミラー14は、被写体の撮影を行わない非撮影時に、光軸OAに対して斜めの位置に配置される。非撮影時に、クイックターンミラー14は、被写体から撮影レンズ104を介してカメラ本体102に入射された光束を受光し、受光した光束を反射させてファインダスクリーン16に導く。
【0023】
一方、被写体を撮像する撮像時には、クイックターンミラー14は、回動により図の破線で示す位置に退避する。退避時、被写体からカメラ本体102に入射された光束は、シャッタ26を介してCCD28に導かれる。
ファインダスクリーン16は、非撮像時にクイックターンミラー14により導かれた光束を拡散し、拡散させた光束をペンタダハプリズム18に導く。ペンタダハプリズム18は、ファインダスクリーン16により拡散された光束の一部を反射させて接眼レンズ20に導く。ペンタダハプリズム18は、ファインダスクリーン16により拡散された光束の別の一部を反射させて測光用再結像レンズ22に導く。
【0024】
接眼レンズ20は、ペンタダハプリズム18により導かれた光束を被写体像として結像する。撮影者は、接眼レンズ20により結像される被写体像を見ることで、被写体の構図やフレーム等を判断できる。
測光用再結像レンズ22は、ペンタダハプリズム18により導かれた光束を測光用センサ24に結像する。測光用センサ24は、例えばCCD等の受光素子で構成される。測光用センサ24は、測光用再結像レンズ22により結像される光束を測光用センサ24の単位時間当たりの露光量を示す露光量情報Eとして光電変換し、光電変換した露光量情報EをA/D変換回路44に出力する。
【0025】
シャッタ26は、撮影レンズ104のレンズ系30からCCD28への光路を遮る位置に配置されるシャッタ膜(図示せず)を有している。シャッタ26は、図示しないシャッタドライバにより駆動され、レンズ系30からカメラ本体102に入射された光束によりCCD28が露光される時間を調節する。シャッタ膜は、撮像時にレンズ系30からCCD28への光路を確保するために開く。
【0026】
CCD28は、シャッタ26を介してレンズ系30に対向する位置に配置されている。CCD28は、図示しないCCDドライバにより駆動され、レンズ系30より結像される被写体像を光電変換し、光電変換した被写体像をゲイン回路42に出力する。
撮影レンズ104は、レンズ系30及び絞り32を有している。レンズ系30は、被写体に焦点を合わせるフォーカスレンズ及び被写体像をズームするためのズームレンズ等を含む複数枚のレンズにより構成される。フォーカスレンズ及びズームレンズは、図示しないレンズ駆動回路により光軸方向の位置が調節される。絞り32は、図示しない絞りドライバによって駆動される。絞り32の絞り値FNoは、レンズ系30を通過した光の光量を絞るように調節される。
【0027】
閃光発光装置106は、発光部34、軸部36、取付部38及び本体部40を有している。発光部34は、軸部36を中心にして図の上下方向に回動自在に配置されている。発光部34は、図示しないコンデンサ、変圧器及び放電管等で構成される。
発光部34は、被写体に照射光を照射するために、コンデンサ及び変圧器を用いて電圧を発生させ、発生させた電圧を放電管に加えることで放電管を閃光発光させる。発光部34は、天井や床等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)を被写体に照射するバウンス状態では、回動により天井や床のバウンス面に向けられる。取付部38は、本体部40の下部に配置され、カメラ本体102のホットシュー12に着脱自在に取り付けれる。
【0028】
図2は、図1に示したカメラ本体102、撮影レンズ104及び閃光発光装置106の内部構成を示している。カメラ本体102は、測光用センサ24、CCD28、ゲイン回路42、A/D変換回路44、増幅率調整回路46、CPU48、操作部50、RAM52及びLCD(Liquid Crystal Display)を有している。なお、シャッタ機構及びミラー機構等の要素は、図示を省略している。
【0029】
ゲイン回路42は、増幅率調整回路46を介してCPU48により制御される。ゲイン回路42は、CCD28から受け取ったアナログ量を可変な増幅率で増幅する。増幅率調整回路46は、所定のISO感度(例えば、ISO100)に応じてゲイン回路42の増幅率を調整する。
A/D変換回路44は、測光用センサ24から受け取った露光量情報EをA/D変換し、A/D変換した露光量情報EをCPU48に出力する。A/D変換回路44は、CCD28から受け取った被写体像をA/D変換し、A/D変換した画像データをCPU48に出力する。
【0030】
CPU48は、図1で述べた各通信接点を介してCPU56及びCPU62に接続される。CPU48は、ROM52を内蔵している。ROM52は、例えば、電気的にデータの書き換えが可能なEEPROMやフラッシュメモリ等で構成され、カメラ100の電源がオフの間もデータを保持する。ROM52は、CPU48により実行されるプログラムやCCD28の撮像情報(ISO感度、電子シャッタの露光時間やホワイトバランス補正値等)を格納している。
【0031】
操作部50は、カメラ本体102の電源をオン又はオフする主電源スイッチ、被写体の撮影時に撮影者により押下げられるシャッタスイッチ、被写体を撮影する「撮影モード」、言語設定や日時設定を変更可能な「セットアップモード」や被写体にピントを合わせる「オートフォーカスモード」等の各種モードや画像等を選択する選択スイッチを含む各種スイッチ(図示せず)を有している。
【0032】
RAM52は、CCD28により撮像された画像データや距離情報Xmm(後述)等を一時的に保存する。LCDは、図示しないLCDドライバにより駆動され、シャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後に、CCD28により撮像される画像や各種モード設定画面を表示する。すなわち、LCDは、撮影レンズ104のレンズ系30により結像される画像を映すファインダーとしても利用される。撮影者は、LCDに映し出された画像を見ることによって、被写体の構図等を判断できる。
【0033】
撮影レンズ104は、レンズ系30、絞り32、CPU56及び、レンズ系30の撮影距離Xmm(後述)を検出するエンコーダ(図示せず)等を有している。CPU56は、ROM58を内蔵している。ROM58には、例えばレンズの開放絞り値や焦点距離や射出瞳距離の誤差等の撮影レンズ104に固有のレンズ情報が格納されている。
CPU56は、エンコーダにより検出される距離情報Xmmを図1で述べた通信接点を介してCPU48に出力する。この例では、距離情報Xmmは、カメラ本体102のCCD28の撮像面から被写体までの距離をメートル単位で表す情報を指す。
【0034】
閃光発光装置106は、発光部34、発光制御回路60、CPU62及び図示しない昇圧回路や操作部等を有している。発光制御回路60は、発光部34の発光量や発光回数等を示す発光情報をCPU62から受け取り、受け取った発光情報に基づいて発光部34を閃光発光させる。
CPU62は、ROM64を内蔵している。ROM64には、例えば本発光量(撮像時の発光部34の発光量)の大きさを示すガイドナンバーやシンクロ時間(同調時間)等の閃光発光装置106に固有の情報が格納されている。例えば、CPU62は、発光部34の最小の発光量を示す最小ガイドナンバーGNMinや発光部34の状態がバウンス状態であることを示すバウンス情報BIを、図1で述べた通信接点を介してCPU48に出力する。
【0035】
この例では、CPU48は、閃光発光装置106を用いずに被写体を撮像する場合、すなわち、カメラ本体102に閃光発光装置106が取り付けられていない場合、ゲイン回路42の増幅率の調整に用いられたISO感度を示す感度情報ISOと、A/D変換回路44から受け取った露光量情報Eとを用いたプログラム線図(図3)に従って、シャッタ26(図1)のシャッタ速度SSと撮影レンズ104の絞り32の絞り値FNoとの組み合わせを決定する。
【0036】
一方、CPU48は、閃光発光装置106を用いて被写体を撮像する場合、すなわち、カメラ本体102に閃光発光装置106が取り付けられている場合、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmmを受け取り、受け取った距離情報Xmmと感度情報ISOとを用いて、絞り値FNoに対応するAPEX(Additive System of Photographic Exposure)値である絞り制限値AvL(Aperture Value Limit)を算出する。
【0037】
図3は、シャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせの決定時に用いられるプログラム線図の一例を示している。図の横軸及び縦軸は、シャッタ速度SS及び絞り値FNoをそれぞれ示し、図の斜線は同じ露出値EV(後述)を示している。図中の太線は、本実施例で用いられるプログラム線図を示している。本発明において、露出値EVは、プログラム線図において予め決められたCCD28の露出値を指す。
【0038】
図2で述べたように、閃光発光装置106を用いずに被写体を撮像する場合、CPU48は、プログラム線図を用いてシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせを決定する。具体的には、CPU48は、感度情報ISO及び露光量情報Eをそれぞれ同じ次元のAPEX単位に変換する。次に、CPU48は、感度情報ISOのAPEX値である撮像感度SVと、露光量情報EのAPEX値である測光値LVとを用いて被写体の輝度値BVを算出し、算出した輝度値BVをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(1)を用いて輝度値BVを算出する。
【0039】
BV=LV−SV・・・(1)
格納された輝度値BVが例えば9.7である場合、CPU48は、露出値EV=9.7を示す斜線と図の太線(プログラム線図)との交点を、シャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせとして決定する。この例では、図の交点に対応する組み合わせは、シャッタ速度SS=1/30(秒)、絞り値FNo=f2.8である。この組み合わせが、閃光発光装置106を用いない撮像時に、被写体の明るさを最適に保つためのシャッタ速度SS及び絞り値FNoとして決定される。
【0040】
図4及び図5は、カメラの第1の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。図4及び図5に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
まず、ステップS100において、CPU48は、撮影者によりセットアップモード画面の表示要求を受けると、上限値SMax及び下限値SMinを設定するためのメニュー画面をLCDに表示させる。本発明において、上限値SMax及び下限値SMinは、絞り制限値AvLの上限値及び下限値をそれぞれ指す。この後、処理はステップS102に移行する。
【0041】
ステップS102において、CPU48は、撮影者により設定された上限値SMax及び下限値SMinをRAM52に格納する。このように、上限値SMax及び下限値SMinを絞り制限値AvLとして設定可能な値の範囲内(例えば、1.0〜6.0)に収めることができる。この後、処理はステップS104に移行する。
ステップS104において、CPU48は、撮影者により撮影モードの選択要求を受けると、図3で述べた演算式(1)を用いて輝度値BVを算出し、算出した輝度値BVをRAM52に格納する。この後、処理はステップS106に移行する。
【0042】
ステップS106において、CPU48は、ホットシュー12に閃光発光装置106が取り付けられているか否かを検出する。閃光発光装置106が取り付けられていることを検出すると、処理はステップS108に移行する。閃光発光装置106が取り付けられていないことを検出すると、処理はステップS110に移行する。
ステップS108において、CPU48は、図2で述べたように距離情報Xmmと感度情報ISOとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(2)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(2)において、NSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。Xvは、log2(距離情報Xmm)を示している。
【0043】
AvL=NSBC+(SV−5)/2−Xv・・・(2)
この時算出される絞り制限値AvLは、CCD28から被写体までの距離が長いほど小さい値になり、CCD28から被写体までの距離が短いほど大きい値になる。したがって、CPU48は、算出した絞り制限値AvLに基づいて、カメラ本体102から遠距離に位置する被写体の撮像時(例えば、広角レンズや望遠レンズを用いた撮像時)に絞り32の絞り値FNoを小さい値に決定し、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時(例えば、マクロレンズを用いた撮像時)に絞り32の絞り値FNoを大きい値に決定する。すなわち、CPU48は、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時より、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値FNoを小さく設定できる。この後、処理は図5のステップS112に移行する。
【0044】
一方、ステップS110において、CPU48は、図3で述べたように、輝度値BVに対応する露出値EVを示す斜線とプログラム線図との交点を、シャッタ26のシャッタ速度SS及び絞り32の絞り値FNoの組み合わせとして決定し、決定した組み合わせをRAM52に格納する。この後、処理は図5のステップS126に移行する。
ステップS112において、CPU48は、絞り制限値AvLが上限値SMaxを超えているか否かを検出する。上限値SMaxを超えていることを検出すると、処理はステップS114に移行する。上限値SMax以下であることを検出すると、処理はステップS116に移行する。
【0045】
ステップS114において、CPU48は、絞り制限値AvLを上限値SMaxと置き換えてRAM52に格納する。このように、CPU48は、上限値SMax(例えば、6.0)より極端に大きな値(例えば、11.0)が絞り制限値AvLとしてRAM52に格納されることを防止できる。すなわち、上限値SMax(例えば、6.0)より極端に大きな値(例えば、11.0)に対応する絞り値FNoが、絞り32の絞り値FNoとして決定されることを防止できる。このため、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。この後、処理はステップS116に移行する。
【0046】
ステップS116において、CPU48は、絞り制限値AvLが下限値SMin以下であるか否かを検出する。下限値SMin以下であることを検出すると、処理はステップS118に移行する。下限値SMinを超えていることを検出すると、処理はステップS120に移行する。
ステップS118において、CPU48は、絞り制限値AvLを下限値SMinに置き換えてRAM52に格納する。このように、CPU48は、下限値SMin(例えば、1.0)より極端に小さな値(例えば、0)が絞り制限値AvLとしてRAM52に格納されることを防止できる。すなわち、下限値SMin(例えば、1.0)より極端に小さな値(例えば、0)に対応する絞り値FNoが、絞り32の絞り値FNoとして設定されることを防止できる。このため、CCD28の露光量が過剰に大きくなることが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。この後、処理はステップS120に移行する。
【0047】
ステップS120において、CPU48は、図3で述べたように、輝度値BVに対応する露出値EVを示す斜線とプログラム線図との交点を、シャッタ26のシャッタ速度SS及び絞り32の絞り値FNoの組み合わせとして決定し、決定した組み合わせをRAM52に格納する。この後、処理はステップS122に移行する。
ステップS122において、CPU48は、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値が絞り制限値AvL以下であるか否かを検出する。絞り制限値AvL以下であることを検出すると、処理はステップS124に移行する。絞り制限値AvLを超えていることを検出すると、処理はステップS126に移行する。
【0048】
ステップS124において、CPU48は、絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoを、プログラム線図を用いて既に決定した絞り値FNoと置き換えてRAM52に格納する。この後、処理はステップS126に移行する。
図4のステップS110でシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせがRAM52に格納された後、または、ステップS124で絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoがRAM52に格納された後、ステップS126において、CPU48は、撮影者によりシャッタスイッチが押下げされるのを待つ。シャッタスイッチの押下げが検出されると、処理はステップS128に移行する。シャッタスイッチの押下げが検出されないと、処理は図4のステップS106に移行する。
【0049】
ステップS128において、CPU48は、CCDドライバ、シャッタドライバ及び絞りドライバ、発光制御回路60等をそれぞれ制御して、RAM52に格納されたシャッタ速度SS及び絞り値FNoの組み合わせに基づいて、CCD28、シャッタ26、絞り32及び発光部34等を駆動し、被写体を撮像する。そして、カメラの第1の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
【0050】
図6は、距離情報Xmmと絞り制限値AvLとの関係を示している。図の横軸及び縦軸は、距離情報Xmm(m)及び絞り制限値AvLをそれぞれ示している。図の各斜線は、図4及び図5でRAM52に格納された絞り制限値AvLを示している。図の菱形、四角、三角及び×印を付けた斜線は、ISO200、ISO400、ISO800及びISO1600にそれぞれ対応する絞り制限値AvLを示している。この例では、上限値SMax及び下限値SMinは、6.0及び1.0(例えば、開放F値)にそれぞれ設定される。
【0051】
図4及び図5で述べたように、CCD28から近距離(図の距離情報Xmm=0.50m〜1.00m)に位置する被写体の撮像時、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値(例えば、5.5)が上限値SMax(=6.0)以下である場合、絞り32の絞り値FNoは、上限値SMax(=6.0)に対応する絞り値FNoとして決定される。このため、絞り32の絞り値FNoが上限値SMax(=6.0)に対応する絞り値FNoより小さな値になることを防止できる。したがって、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を一定の大きさ以下に保つことができる。このため、CCD28の露光過度が防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0052】
一方、CCD28から遠距離(図の距離情報Xmm=11.31〜32.00)に位置する被写体の撮像時、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値(例えば、0.5)が下限値SMin(=1.0)以下である場合、絞り32の絞り値FNoは、下限値SMin(=1.0)に対応する絞り値FNoとして決定される。一般的に、プログラム線図を用いて決定した絞り値FNoに対応するAPEX値の最小値は下限値SMin(=1.0)に比べて非常に小さい。このため、絞り32の絞り値FNoが下限値SMin(=1.0)に対応する絞り値FNoより大きな値になることを防止できる。したがって、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を一定の大きさ以上に保つことができる。このため、CCD28の露光不足が防止され、適正な露出の画像を得ることができる。なお、シャッタ速度SSは、図2で述べたシンクロ時間よりも小さい値に設定される。
【0053】
以上、第1の実施形態では、CPU48は、CCD28から近距離に位置する被写体の撮像時より、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に絞り値FNoを小さく設定できる。一般的に、閃光発光装置106の発光部34の閃光発光による被写体からの反射光のCCD28への入口である入射瞳の面積は、絞り値FNoの二乗に反比例する。このため、閃光発光装置106を用いて、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する場合に、発光部34の閃光発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する入射瞳の面積を大きくできる。この結果、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0054】
図7及び図8は、カメラの第2の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図7及び図8は、第1の実施形態(図4及び図5)のステップS108がステップS200〜S212に置き換えられた点を除いて、図4及び図5と同じである。
【0055】
上述した図4及び図5と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図7及び図8に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106が実行された後、処理はステップS110、または、ステップS200に移行する。
ステップS200において、CPU48は、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmm1を取得し、取得した距離情報Xmm1をRAM52に格納する。本発明において、距離情報Xmm1は、シャッタスイッチの半押下げよりも前にCPU48によりCPU56から取得される距離情報Xmmを指す。この後、処理はステップS202に移行する。
【0056】
ステップS202において、CPU48は、撮影者によりシャッタスイッチが半押下げされるのを待つ。シャッタスイッチの半押下げが検出されると、処理はステップS204に移行する。ステップS202は、シャッタスイッチの半押下げが検出されるまで繰り返される。
ステップS204において、CPU48は、CPU56から通信接点を介して距離情報Xmm2を取得し、取得した距離情報Xmm2をRAM52に格納する。本発明において、距離情報Xmm2は、シャッタスイッチの半押下げよりも後でCPU48によりCPU56から取得される距離情報Xmmを指す。この後、処理はステップS206に移行する。
【0057】
ステップS206において、CPU48は、距離情報Xmm1に対する距離情報Xmm2の増加率P(%)を算出し、算出した増加率P(%)が所定値Vを超えているか否かを検出する。この例では、CPU48は、以下の演算式(3)を用いて増加率P(%)を算出する。
P(%)={(Xmm2−Xmm1)/Xmm1}×100・・・(3)
所定値Vを超えていることを検出すると、処理はステップS208に移行する。所定値Vを超えていないことを検出すると、処理はステップS210に移行する。
【0058】
ステップS208において、CPU48は、以下の演算式(4)を用いて距離情報XvCを算出し、算出した距離情報XvCをRAM52に格納する。演算式(4)において、Xv及びXvCOLdは、log2(Xmm1)及びlog2(Xmm2)をそれぞれ示している。K(0≦K≦1)は、XvとXvCOLdの重み付けを決定するための重み定数である。
【0059】
XvC=K×Xv+(1−K)×XvCOLd・・・(4)
この例では、距離情報XvCは、K=0.8として算出される。この後、処理はステップS212に移行する。
一方、ステップS206で増加率P(%)が所定値Vを超えていない場合、ステップS210において、CPU48は、演算式(4)を用いて距離情報XvCを算出し、算出した距離情報XvCをRAM52に格納する。この例では、距離情報XvCは、K=0.2として算出される。
【0060】
このように、CPU48は、増加率P(%)が所定値Vを超える場合、すなわち、距離情報Xmmがシャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後で大きく変化する場合、距離情報Xmm1に距離情報Xmm2より大きい重み定数Kを乗じて、距離情報Xmm1及び距離情報Xmm2の平均値より距離情報Xmm1に近い値を距離情報XvCとして算出する。CPU48は、増加率P(%)が所定値V以下である場合、すなわち、距離情報Xmmがシャッタスイッチの押し下げ前及び押し下げ後で大きく変化しない場合、距離情報Xmm1に距離情報Xmm2より小さい重み定数Kを乗じて、距離情報Xmm1及び距離情報Xmm2の平均値より距離情報Xmm2に近い値を距離情報XvCとして算出する。したがって、距離情報XvCをほぼ一定の値に保つことができる。特に、図2で述べたオートフォーカスモードの設定が、シャッタスイッチの半押し中に常に被写体にピントを合わせるコンテニュアスモードである場合、すなわち、距離情報Xmm2が常に変化する場合に、距離情報XvCを用いて絞り制限値AvLを算出することで絞り制限値AvLが大きく変化することを防止できる。この後、処理はステップS212に移行する。
【0061】
ステップS212において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(5)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(5)において、NSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
AvL=NSBC+(SV−5)/2−XvC・・・(5)
この後、処理は図8のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第2の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
【0062】
以上、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、距離情報Xmm1または距離情報Xmm2をそのまま用いて絞り制限値AvLを算出する場合に比べて、算出される絞り制限値AvLが大きく変化することを防止できる。このため、絞り制限値AvLが頻繁に、上限値SMax以下になること、あるいは、下限値SMinを超えることを防止できる。この結果、絞り制限値AvLに対応する絞り値FNoを撮影者に知らせるLCDの表示画面が頻繁に変わることが防止され、撮影者は撮影に集中できる。
【0063】
図9及び図10は、カメラの第3の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図9及び図10は、第2の実施形態(図7及び図8)のステップS212がステップS300に置き換えられた点を除いて、図7及び図8と同じである。
【0064】
上述した図7及び図8と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図9及び図10に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106、ステップS200〜S210が実行された後、処理はステップS300に移行する。
ステップS300において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOと図2で述べた最小ガイドナンバーGNMinとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(6)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(6)において、GvMonは、最小ガイドナンバーGNMinの対数値である。また、SSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
【0065】
AvL=GvMon+SSBC+(SV−5)/2−XvC・・・(6)
このように、絞り制限値AvLは、最小ガイドナンバーGNMinが小さく、距離情報XvCが大きい(CCD28から被写体が遠距離に位置する)ほど小さい値になる。一般的に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど、図2で述べた発光部34の本発光量は小さい。換言すると、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど、発光部34の本発光による被写体からの反射光がCCD28に入射する光量(CCD28の露光量)は低下する。CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。
【0066】
この後、処理は図10のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第3の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
以上、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体を撮像する時に、最小ガイドナンバーGNMinが小さいほど絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。このため、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0067】
図11及び図12は、カメラの第4の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作を表している。カメラの第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、図2に示したCPU48が実行するためのROM52に格納されているプログラムが、カメラの第1の実施形態と相違する。その他の構成は、カメラの第1の実施形態の図1及び図2と同じである。図11及び図12は、第2の実施形態(図7及び図8)のステップS212がステップS400〜S404に置き換えられた点を除いて、図7及び図8と同じである。
【0068】
上述した図7及び図8と同じ処理については、詳細な説明を省略する。また、図11及び図12に示す動作は、CPU48がROM52に格納されたプログラムを実行することによって実現される。ステップS100〜S106、ステップS200〜S210が実行された後、処理はステップS400に移行する。
ステップS400において、CPU48は、CPU56から通信接点を介してバウンス情報BIを取得する(発光部34の状態がバウンス状態である)と、処理はステップ402に移行する。バウンス情報BIを取得しない(発光部34の状態がバウンス状態でない)と、処理はステップS404に移行する。
【0069】
ステップS402において、CPU48は、距離情報XvCと感度情報ISOと定数BSBCとを用いて絞り制限値AvLを算出し、算出した絞り制限値AvLをRAM52に格納する。この例では、CPU48は、以下の演算式(7)を用いて絞り制限値AvLを算出する。演算式(7)において、BSBCは、閃光発光装置106の発光部34の状態がバウンス状態である時に、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。また、SSBCは、絞り制限値AvLを調整するための定数を示している。
【0070】
AvL=SSBC+(SV−5)/2−XvC+BSBC・・・(7)
このように、絞り制限値AvLは、発光部34の状態がバウンス状態であり、距離情報XvCが大きい(CCD28から被写体が遠距離に位置する)ほど小さい値になる。一般的に、バウンス状態では、天井や壁等に閃光発光を反射させた間接光(バウンス発光)が被写体に照射されるため、被写体に照射光を直接照射する場合に比べて、照射光による被写体からの反射光が撮像部に入射する光量(撮像部の露光量)は低下する。CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。
【0071】
この後、処理は図12のステップS112〜S128が実行された後、カメラの第4の実施形態における絞り値FNo及びシャッタ速度SSの決定動作が終了する。
以上、第4の実施形態では、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。更に、CPU48は、CCD28から遠距離に位置する被写体にバウンス発光が照射される撮像時に、絞り制限値AvL(絞り32の絞り値FNo)を小さい値に決定できる。このため、CCD28から遠距離に位置する被写体の撮像時に、CCD28の露光量が不足することが防止され、適正な露出の画像を得ることができる。
【0072】
なお、上述した第1の実施形態では、CPU48は、Xv(=log2(距離情報Xmm))を用いて演算式(2)により絞り制限値AvLを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CPU48は、以下の条件式(8)を用いて算出したXvを用いて演算式(2)により絞り制限値AvLを算出するものでもよい。条件式(8)において、fvはlog2(fmm/50)を示している。なお、fmmは、撮影レンズ104のROM58に格納された焦点距離(mm)を示すレンズ情報であり、焦点距離(mm)が50mmである場合、fvは0となる。
【0073】
Xv>log2(50)+fv−2ならば
Xv=log2(50)+fv−2・・・(8)
例えば撮影レンズ104として広角レンズを用いた被写体の撮像時では被写界深度が深くなるために、CPU48は、距離情報Xmm(m)を正確にCPU56から取得できない場合がある。具体的には、例えば被写体までの距離が3mの次が無限大である場合、取得される距離情報Xmmは、3mを超えると全て無限大として取得される。本発明では、Xvがlog2(50)+fv−2を超える時、Xvをlog2(50)+fv−2に設定できる。例えば、log2(50)+fv−2をlog2(3m)に設定することで、Xvにlog2(3m)より大きい値(不正確な値)が設定されることを防止できる。
【0074】
上述した第1〜4の実施形態では、CCD28を用いて被写体を撮像する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CCD以外の撮像素子、例えば、CMOSイメージセンサや、その他の増幅型固体撮像素子を用いて被写体を撮像するものでもよい。
上述した第1〜4の実施形態では、カメラ100としてカメラ本体102に撮影レンズ104を取付可能な一眼フレックスタイプのカメラが用いられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。撮影レンズが一体化されたコンパクトタイプのカメラが用いられるものでもよい。
【0075】
上述した第1〜4の実施形態では、カメラ100としてデジタルカメラが用いられる例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。カメラ100として銀塩フィルム式のカメラが用いられるものでもよい。
上述した第1〜4の実施形態では、CPU48は、演算式(2)、(5)、(6)及び(7)において、撮像感度SVを用いて絞り制限値AvLを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。CPU48は、演算式(2)、(5)、(6)及び(7)において、撮像感度SVの代わりに、予め決められた定数を用いて絞り制限値AvLを算出するものでもよい。
【0076】
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態及びその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、絞りの絞り値と露光時間の組み合わせを自動的に設定するカメラに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明のカメラの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示したカメラ本体、撮影レンズ及び閃光発光装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】シャッタ速度及び絞り値の組み合わせの決定時に用いられるプログラム線図の一例を示す図である。
【図4】本発明のカメラの第1の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明のカメラの第1の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図6】距離情報と絞り制限値との関係を示す図である。
【図7】本発明のカメラの第2の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明のカメラの第2の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明のカメラの第3の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明のカメラの第3の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明のカメラの第4の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明のカメラの第4の実施形態における絞り値及びシャッタ速度の決定動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10…レンズマウント、12…ホットシュー、14…クイックターンミラー、16…ファインダスクリーン、18…ペンタダハプリズム、20…接眼レンズ、22…測光用再結像レンズ、24…測光用センサ、26…シャッタ、28…CCD、30…レンズ系、32…絞り、34…発光部、36…軸部、38…取付部、40…本体部、42…ゲイン回路、44…A/D変換回路、46…増幅率調整回路、48、56、62…CPU、50…操作部、52…RAM、54、58、64…ROM、60…発光制御回路、100…カメラ、102…カメラ本体、104…撮影レンズ、106…閃光発光装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項4】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置から、前記照明装置の予備発光量を示す予備発光情報を取得する発光情報取得部と、
前記予備発光情報及び前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記予備発光情報との積と、前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項4記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像前距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記予備発光情報及び、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項7】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置から、前記照射光を前記被写体に間接的に照射するバウンス状態であることを示すバウンス情報を取得するバウンス情報取得部と、
前記バウンス情報及び前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項7記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記バウンス情報との積と、前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項7記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記バウンス情報及び、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項10】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
外部から入力される値を、前記絞り値の上限値である絞り上限値として記憶する上限値記憶部を備え、
前記絞り決定部は、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り上限値を超える場合、前記撮像時に前記絞り上限値を前記絞り部の絞り値として決定し、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り上限値以下である場合、前記撮像時に前記第1情報演算部により求められた絞り値を前記絞り部の絞り値として決定することを特徴とするカメラ。
【請求項11】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
外部から入力される値を、前記絞り値の下限値である絞り下限値として記憶する下限値記憶部を備え、
前記絞り決定部は、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り下限値以下である場合、前記撮像時に前記絞り下限値を前記絞り部の絞り値として決定し、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り下限値を超える場合、前記撮像時に前記第1情報演算部により求められた絞り値を前記絞り部の絞り値として決定することを特徴とするカメラ。
【請求項12】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記距離情報が大きくなるほど小さい絞り値を求めることを特徴とするカメラ。
【請求項1】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項1記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項4】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置から、前記照明装置の予備発光量を示す予備発光情報を取得する発光情報取得部と、
前記予備発光情報及び前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項5】
請求項4記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記予備発光情報との積と、前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項6】
請求項4記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像前距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記予備発光情報及び、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項7】
被写体からカメラ本体への光路上に設けられた絞り部及びレンズを通して、前記被写体を撮像する撮像部と、
前記被写体までの距離を示す距離情報を前記レンズから取得する距離情報取得部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置から、前記照射光を前記被写体に間接的に照射するバウンス状態であることを示すバウンス情報を取得するバウンス情報取得部と、
前記バウンス情報及び前記距離情報を用いて前記絞り部の絞り値を求める第1情報演算部と、
前記被写体に照射光を照射する照明装置を用いて前記被写体が撮像される撮像時に、前記絞り部の絞り値を前記第1情報演算部により求められた絞り値に決定する絞り決定部とを有することを特徴とするカメラ。
【請求項8】
請求項7記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記撮像部の撮像条件に関する情報である撮像情報と前記バウンス情報との積と、前記距離情報との比を前記絞り部の絞り値として求めることを特徴とするカメラ。
【請求項9】
請求項7記載のカメラにおいて、
前記距離情報取得部により撮像前及び撮像時にそれぞれ取得される撮像前距離情報及び撮像時距離情報を比較し、前記撮像前距離情報に対する前記撮像時距離情報の変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部により算出された変化率が所定値を超える時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より大きく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像前距離情報に近い値を前記距離情報として設定し、前記変化率が所定値以下である時、前記撮像前距離情報を前記撮像時距離情報より小さく重み付けて、前記撮像前距離情報及び前記撮像時距離情報の平均値より前記撮像時距離情報に近い値を前記距離情報として設定する距離情報設定部とを備え、
前記第1情報演算部は、前記バウンス情報及び、前記距離情報設定部により設定された距離情報を用いて前記絞り値を求める第2情報演算部を有することを特徴とするカメラ。
【請求項10】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
外部から入力される値を、前記絞り値の上限値である絞り上限値として記憶する上限値記憶部を備え、
前記絞り決定部は、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り上限値を超える場合、前記撮像時に前記絞り上限値を前記絞り部の絞り値として決定し、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り上限値以下である場合、前記撮像時に前記第1情報演算部により求められた絞り値を前記絞り部の絞り値として決定することを特徴とするカメラ。
【請求項11】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
外部から入力される値を、前記絞り値の下限値である絞り下限値として記憶する下限値記憶部を備え、
前記絞り決定部は、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り下限値以下である場合、前記撮像時に前記絞り下限値を前記絞り部の絞り値として決定し、前記第1情報演算部により求められた絞り値が前記絞り下限値を超える場合、前記撮像時に前記第1情報演算部により求められた絞り値を前記絞り部の絞り値として決定することを特徴とするカメラ。
【請求項12】
請求項1、請求項4及び請求項7のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記第1情報演算部は、前記距離情報が大きくなるほど小さい絞り値を求めることを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−25098(P2007−25098A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205186(P2005−205186)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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