説明

カラーテレビドアホン装置

【課題】住宅に設置されるカラーテレビドアホン装置に係わり、玄関子機のカメラで撮像される映像信号のホワイトバランスを行うカラーテレビドアホン装置。
【解決手段】来訪者を撮像するカメラを備えた玄関子機と、カメラで撮像された映像を出力するモニタを備えた居室親機で構成されたカラーテレビドアホン装置において、玄関子機には、カメラで撮像した映像信号から光源光の色温度を検出する光源光色温度検出部と、光源光色温度検出部にて算出された光源光色温度信号を送出制御する子機CPUと、居室親機には、光源光色温度信号を元にして、カメラで撮像した白色を忠実に再現させる為にモニタ固有の白色補正係数を算出する色補正算出部と、白色補正係数を映像信号からデコードされたRGB原色信号に乗算することによって、カメラで撮像した映像を忠実に再現させる映像処理部を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に設置されるカラーテレビドアホン装置に係わり、玄関子機のカメラで撮像される映像信号のホワイトバランスを行うカラーテレビドアホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のビデオカメラのホワイトバランスは、その検出範囲及び制御範囲が太陽光や電球・蛍光灯下での被写体の撮影に適合するように調整されており、調整時にはこれら太陽光や電球・蛍光灯に近似した基準照明光が用いられている。このホワイトバランス調整により、これらの基準照明光下で得られる白色が決定されるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−237673
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のホワイトバランス調整方法をインターホンに用いた場合、玄関子機のカメラで撮像した状況が朝、夕方であっても基準照明光で撮像された映像として表示されていた。従って、居室親機のモニタに出力される映像は、朝でも夕方でも同じような色合いになってしまい、忠実に再現することができかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑み、玄関子機のカメラで被写体を照射している光源の色温度を算出し、居室親機のモニタで光源色を再現し被写体を表示させることができるため、良好な視認性を確保することができるカラーテレビドアホン装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、来訪者を撮像するカメラを備えた玄関子機と、カメラで撮像された映像を出力するモニタを備えた居室親機で構成されたカラーテレビドアホン装置において、 玄関子機には、カメラで撮像した映像信号から光源光の色温度を検出する光源光色温度検出部と、光源光色温度検出部にて算出された光源光色温度信号を送出制御する子機CPUと、居室親機には、光源光色温度信号を元にして、カメラで撮像した白色を忠実に再現させる為にモニタ固有の白色補正係数を算出する色補正算出部と、白色補正係数を映像信号からデコードされたRGB原色信号に乗算することによって、カメラで撮像した映像を忠実に再現させる映像処理部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、玄関子機のカメラで撮像した映像を居室親機のモニタにて忠実に映像を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態であるカラーテレビドアホン装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明によるインターホン装置を適用した好ましい形態の実施例について、図を参照して説明する。図1は本発明のブロック図であり、居室の玄関に設置され、居住者を呼び出すための玄関子機1と、玄関子機1からの呼び出しに応答するための居室親機2で構成されている。
玄関子機1は、玄関先の映像を撮像するためのカメラ101と、カメラ101で撮像した映像信号から光源光の色温度を検出する光源光色温度検出部102と、当該光源光色温度検出部にて算出された光源光色温度信号を送出制御すると共に玄関子機1を制御する子機CPU105と、来訪者が居住者を呼び出すための呼出ボタン103と、居住者と通話するための子機音響部104と、子機I/F106で構成されている。
居室親機2は、玄関子機1から伝送されてきた光源光色温度信号を元にして、カメラ101で撮像した白色を忠実に再現させる為にモニタ固有の白色補正係数を算出する色補正算出部202と、白色補正係数を前記映像信号からデコードされたRGB原色信号に乗算することによって、カメラ101で撮像した映像を忠実に再現させる映像処理部203と、映像処理部203からの映像信号を出力するモニタ201と、来訪者から呼び出されたとき応答/通話するための通話ボタン204と、来訪者と通話す売るための親機音響部205と、居室親機2を制御する親機CPU206と、親機I/F207で構成されている。
【0010】
このようなカラーテレビドアホン装置において動作説明を行う。尚、玄関子機1からの呼び出し、及び呼び出しに対する居室親機2からの応答動作の説明は本発明の要部ではないので省略し、映像信号を処理する動作の説明を行う。
まず、来訪者が玄関子機1の呼出ボタン104を押下し、子機CPU105からカメラ101の能動制御を行う。すると、カメラ101で撮像された映像信号が子機I/F106、親機I/F207を介して203に送信される。このとき、光源光検出部102では、カメラ101からの測光結果から求められる光源光色温度信号を子機CPU105、子機I/F106、親機I/F207を介して色補正算出部202に送信される。例えば、カメラ101で撮像した時が朝の場合には光源光色検出部102からは9500K、カメラ101で撮像した時が夕方の場合には光源光色検出部102からは2500Kといった光源光色温度信号が送信される。色補正算出部202では、モニタ固有の白色光の色温度も加味しつつ、受信した光源光色温度信号を元にして白色補正係数(赤補正係数、緑補正係数、青補正係数)を算出する。例えば、光源光色温度信号が9500Kであった場合、赤補正係数を0.95、緑補正係数を1.00、青補正係数を1.05とし、光源光色温度信号が2500Kであった場合、赤補正係数を1.05、緑補正係数を1.00、青補正係数を0.95とする。その後、映像処理部203では、受信された映像信号を赤、緑、青の原色信号にデコードすると共に、色補正算出部202で算出された白色補正係数を乗算して、モニタ201に映像を出力することができる。
【0011】
従って、カメラカメラで撮像した映像を、より人の目で見た際の結果に近しい形で表示を行い、良好な視認性を確保することができる。また朝、夕方の光源色の色温度は異なっている場合でも、設置環境に応じてディスプレイ部の制御を行う事で、良好な視認性の確保することができる。
【符号の説明】
【0012】
1・・・ 玄関子機
101・・・ カメラ
102・・・ 光源光色温度検出部
105・・・ 子機CPU
2・・・ 居室親機
201・・・ モニタ
202・・・ 色補正算出部
203・・・ 映像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
来訪者を撮像するカメラ(101)を備えた玄関子機(1)と、前記カメラで撮像された映像を出力するモニタ(201)を備えた居室親機(2)で構成されたカラーテレビドアホン装置において、
前記玄関子機には、前記カメラで撮像した映像信号から光源光の色温度を検出する光源光色温度検出部(102)と、前記光源光色温度検出部にて算出された光源光色温度信号を送出制御する子機CPU(105)と、
前記居室親機には、前記光源光色温度信号を元にして、前記カメラで撮像した白色を忠実に再現させる為にモニタ固有の白色補正係数を算出する色補正算出部(202)と、前記白色補正係数を前記映像信号からデコードされたRGB原色信号に乗算することによって、前記カメラで撮像した映像を忠実に再現させる映像処理部(203)を備えたことを特徴とするカラーテレビドアホン装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−49796(P2011−49796A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196202(P2009−196202)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000100908)アイホン株式会社 (777)
【Fターム(参考)】