説明

カルコゲンを提供するための方法および配置

本発明は、カルコゲンについて、特に100 nm〜10 mmの範囲内のカルコゲンの薄い層、またはこれらの材料の混合物を、平面基板上に適用するための非常に速くそして費用効率が高いコーティング方法およびまた、その方法を実施ために適した装置も提供することを意図する。これは、蒸着ヘッド(11)において流入側および流出側ガスカーテンを形成して輸送流路(6)を酸素の漏れないように密閉し、不活性ガスを輸送流路(6)の中に導入して大気酸素を置換し、基板(3)をプロセスチャンバー(1)の輸送流路(6)の中に導入し、源からのカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を、蒸着ヘッドの輸送流路(6)の中の基板(3)より上に導入しそしてPVDを用いて基板の上にセレン層を形成することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前駆体層で調製されおよび任意の所望の材料で構成される基板、特に平面基板、好ましくはフロートガラスで構成される基板上に薄い層の形のカルコゲンを提供するための方法および配置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、互いの中でセレン、イオウ、テルルおよびそれらの化合物または他の物質と共にまたはそれらの混合物(これらは、一般的にまた、カルコゲンとも呼ばれる)を熱蒸発させ、次いであらかじめモリブデンを備えそしてその上に銅/ガリウムまたはインジウムで構成される金属前駆体層を備えた大面積基板上にそれらを蒸着させるための新規な源(設備部材)に関する。これらの金属層を、引き続き更なるプロセスにおいて、カルコゲンの助けを借りて、ソーラモジュールを製造するための複合半導体層に変換させる。基板は、太陽光ソーラモジュールについて、通常寸法、例えば 1.25 x 1.1 mを有することができる。
【0003】
カルコゲンは、金属前駆体層を複合半導体層に変換させるためのプロセス物質として必要とされる。代表的な変換温度は、500 - 600°Cである。この場合は、変換温度が、非常に高いので、室温およそ20°Cにおいて物質の固体状態で存在するカルコゲンは、プロセス設備内で蒸発する。この場合は、カルコゲンは、基板から再び蒸発させられるか、またはプロセスチャンバーに加えて供給される。カルコゲン層を金属化基板上に製造するための源は、大気圧、すなわちおよそ1000 hPaで作動させる。
【0004】
前もって前駆体層で調製した基板にカルコゲンを塗布する方法は知られており、高い真空を利用するかさもなければ大気条件下で進行するかのどちらかであるが、次いで、EP 0 318 315 A2によって示される通りに水素含有ガスを使用する。大気圧(およそ1000 hPa)を利用する方法は、従来、該カルコゲンを用いて塗布する研究においてまたは産業上の利用においてのどちらにも提供されなかった。該カルコゲンを用いた塗布は、圧力10-6 hPa〜10-3hPaにおける高い真空方法において行われ、この場合、セレンまたはイオウは、高い真空において熱蒸発される。
【0005】
高い真空プロセスの不利は、真空チャンバー、バルブおよび真空ポンプを含む、機器に費用がかかることである。長いポンプ時間は、ここで、通例のことであり、そして基板の真空チャンバーへのロック導入および解除時間も同様である。セレン、イオウまたはセレンとイオウとの混合物を塗布する間、酸素元素を回避するために、真空を使用するのが普通である。セレンは、酸素の存在下で、反対して毒性化合物(酸化セレン)を形成し、毒性化合物(酸化セレン) は、例えばカルコゲンの助けを借りて金属層を変換して半導体層、いわゆる黄銅鉱層を形成するように、更なるプロセスのために破壊するか、または半導体層の機能を低下させそして効率を大幅に減少させる。
【0006】
高い真空プロセスは、工業大量生産において、原価高に至るのが普通である。ポンプおよびロック時間は、サイクル時間の増大およびそれ故に、長いプロセス時間に加えて、低い生産性に至るのが常である。
【0007】
1つの解決策は、一方で、多くの機械を同時に使用することであろうが、これは、高い設備投資を必要とすることになるか、さもなくば、プロセスを促進することになろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
達成すべき目的は、カルコゲンについて、特に100 nm〜10 mmの範囲内のカルコゲンの薄い層、またはこれらの材料の混合物を、平面基板上に適用するための非常に速くそして費用効率が高いコーティング方法およびまた、その方法を実施ために適した装置も提供するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
導入において述べたタイプの方法の場合は、本発明がベースにする目的は、蒸着ヘッドにおいて流入側および流出側ガスカーテンを形成して輸送流路を酸素の漏れないように密閉し、不活性ガスを輸送流路の中に導入して大気酸素を置換し、塗布すべき基板を1つ以上のプロセスチャンバーの輸送流路の中に導入し、該基板を温度調整して所定の温度にし、源からのカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を、蒸着ヘッドの輸送流路の中の基板より上に導入しそしてPVDを所定の圧力で用いて基板の上にセレン層を形成し、そして所定のプロセス時間が経過した後に、基板を取り出すことによって達成する。
【0010】
プロセスチャンバー内で、偏差値+/-数パスカルを有するおおよそ大気圧を設定するのが好ましい。
【0011】
カルコゲンによる均一な塗布を確実にするために、塗布する間、基板を蒸着ヘッドに対して移動させ、基板を一定速度で移動させる。
【0012】
基板を200°Cより低い温度に温度調整した後に、プロセスチャンバーの輸送流路の中に輸送し、例えば温度20°C〜50°C、さもなければ室温にするならば、その上に有利である。
【0013】
本発明の開発では、プロセスチャンバー内の輸送流路の流入側および流出側に形成するガスカーテンを用いて酸素を排除してコーティングプロセスを形成し、該ガスカーテンは、不活性ガス、例えばアルゴンのような希ガスの不活性ガスで構成される。
【0014】
最後に、カルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を直接基板の表面に導く。
【0015】
本発明がベースにする目的は、その上に、プロセスチャンバーに、平坦基板用輸送装置を割り当てた輸送流路を備え、輸送流路の流入側および流出側に、不活性ガスまたは希ガスで構成される酸素の漏れないガスカーテンを備え、プロセスチャンバー内のガスカーテンの間の輸送流路に搬送ガスを充填することができ、そして輸送流路より上の基板より上に直接蒸着ヘッドを配置し、該蒸着ヘッドをカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物用供給手段に接続する、方法を実施するための装置を用いて達成される。
【0016】
本発明の第一の構成では、蒸着ヘッドに、カルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を供給するためのスロット-基板の運搬方向に対して横断方向に走行しそして基板に向けた-を備える。
【0017】
蒸発チャンバーとスロットとの間の蒸着ヘッドに、該スロットの幅全体にわたって、カルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を何倍も圧縮しそしてそれのスロットへの途中で膨張させ、そしてこのようにしてスロットの幅にわたって均一に分配させるように、複数の圧縮に引き続いて膨張域を一列縦隊に備える。
【0018】
本発明の特殊な構成では、蒸着ヘッドをスプレーヘッドのように構成しそしてこれに、多数の流出開口を備える。
【0019】
付随する接続機素を含む蒸着ヘッドおよび蒸発源は、適した加熱システム、例えば電気加熱システムを用いて加熱することができる。
【0020】
本発明の開発では、カルコゲン蒸気またはカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物が接触することができるすべての部材は、グラファイトのような、この混合物に耐性の材料で構成される。
【0021】
その上に、プロセスチャンバー内の圧力は、大気圧に設定することができる。
【0022】
基材は、輸送装置上で、温度調整して温度-50°C〜+100°Cに、または室温にすることができる。
【0023】
また、カルコゲンを塗布する間、プロセスにおいて基材を酸素に接触させないでプロセス圧力を一時的に増大させることも可能である。
【0024】
これは、いわゆる窒素カーテンの助けを借りて酸素を排除することによって可能である。しかし、従来、真空ポンプによって酸素を除くことだけが、本問題用に利用されただけであった。
【0025】
塗布する間、酸素の侵入は、絶対避けなければならない、と言うのは、さもないと、酸素は、また、カルコゲンによるコーティングの中に組み込まれるからである。酸素は、セレンおよびイオウと化学反応し、この場合、主にセレンとイオウとの間の複合物が、黄銅鉱半導体を形成するための続く反応について有害になろう。
【0026】
本方法の利点は、産業プロセスにおいて一層速い塗布、一層短いサイクル時間および設備が少なくなるおかげで、設備投資に関する費用の低下が生じるので、一層費用効率が高い製造を含む。
【0027】
本発明は、薄いカルコゲン層を大面積基材、例えばフロートガラスで構成される大面積基材に、大気条件下でまたは中真空(fine vacuum)と大気圧との間の圧力で適用する、任意の所望の基材用の新規なプロセス(方法) に関する。
【0028】
本発明の特殊な特徴は、高い真空下で作業するよりもむしろ、大気周囲圧を採用し、それによって、設置テクノロジーを相当に簡略化させる。特に大気条件下で作業する場合は、真空ポンプも真空バルブを全く必要としない。
【0029】
更なるプロセス工程について、カルコゲンによる塗布を、酸素を完全に排除して行うことが必要である。この酸素の排除は、従来技術では、真空方法を用いることによって達成するのが普通である。
【0030】
ずっと一層簡単な方法は、いわゆる窒素または不活性ガスカーテンを用いて作業する連続方法の使用である。この場合は、酸素のプロセス設備中への侵入は、基材が、窒素または不活性ガス(例えばアルゴンのような貴ガス)の強い流れの形態のガスカーテンを通過した後に、それらが実際の塗布域に移ることによって、避けるかまたは排除する。基材は、ガスカーテンを通過した後に、実際に無酸素の空間内に位置させる。この場合、無酸素のとは、残留ガス中の残留酸素含有量が5 ppmより少ない酸素を意味する。これらの条件下で、カルコゲンを用いて高品質コーティングを製造することが可能である。
【0031】
本発明を、典型的な実施態様に基づいて、さらに詳細に説明することにする。関連した図面において:
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】カルコゲンを用いてコーティング方法を実施する、特にこれらの材料の薄い層を大面積基材に適用するするための装置の全体図を示す。
【図2】図1に従う装置の透視側面図を示す。
【図3】蒸着ヘッドを、大面積基材を蒸着ヘッド内の輸送通路を通して輸送するための付随する輸送装置と共に示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、大面積基板3を、例えば熱処理炉(図示せず)のような更なる加工所に供給しそして運び出すための輸送装置2を有する、連続作業用に適したプロセスチャンバー1を示す。プロセスチャンバー1は、蒸着ヘッド11内に内部輸送流路6を装備し、二重壁の高品位スチールチャンバーを含む。対照して、熱膨張が小さいせいで、それを貫通する輸送流路6を有する蒸着ヘッド11は、熱膨張が小さいことから、グラファイトで構成されるのが好ましく、グラファイトは、セレンと反応せずそして最適な温度分布により良好な熱安定性を有する。
【0034】
プロセスチャンバー1の輸送流路6に、流入側および流出側ロック4、5を装備し、これらは、各々の場合に、基板 3の輸送流路6に窒素または不活性ガスで構成される多段ガスカーテンを含み(図3)、それで、蒸着ヘッド11および輸送流路6の内部が搬送ガスで充填された時に、そうしなければそこに位置している大気酸素に置き換える(図3)ようにする。アルゴンもまた、不活性ガスとして使用することができる。各々のロック4、5の多段ガスカーテンは、互いに平行に位置させた2つの窒素カーテンを含み、ガス流を、各々の場合に、上部および下部から互いに逆方向に向け、それによって、ロック領域内の中央に小さい過剰圧力を生成させ、そして また、2つの窒素カーテンの間の上部および下部に抽出システムも含む。
【0035】
このために、ガス流出開口および抽出ノズル(図示せず)を、輸送流路6の天井の上部にならびに流入側および流出側の下部に位置させる。
【0036】
一方の側が開放しそしてそこにガスカーテンを備えた輸送流路6もまた、本発明に従う蒸着ヘッド11に装備しそして作動させることができることを指摘すべきであり、その場合、連続運転でなく、むしろバッチ運転になる。
【0037】
2つのロック4、5の間の無酸素の領域に、プロセスチャンバー1の輸送流路6の天井においてスロット 8の形で搬送ガスを用いて、カルコゲン7、例えばセレン用供給手段を位置させる。該スロット8を、流路10を通る輸送流路6より上の液状および蒸気状セレン用の蒸着ヘッド11内のチャンバー9に接続しそして加熱手段12を備える(図3に概略的に示す)。セレン蒸気の発生は、大きく温度に依存し、蒸気発生は、350°C〜550°Cの間で大きく増大し、それで、必要とされる加熱システムに温度調整手段を装備しなければならないようになる。
【0038】
チャンバー9は、蒸着ヘッド11を通る簡単な水平孔でありそして両端が閉鎖されている。レベル検出器(図示せず)をチャンバー9内に配置することができる。搬送ガスと共にチャンバー9から蒸気として出るセレンを補うために、該チャンバーをパイプライン14を経る漏斗の形のセレン用容器13に接続する(図1)。セレンを室温で小さい球の形の固体の状態で容器13内に貯蔵しそしてこの状態でチャンバー9に供給しそしてそこで蒸発させる。
【0039】
チャンバー9に充填した際に、蒸気状セレンがチャンバー9からパイプライン14および容器13を経て逃散する事態を回避するために、計量およびロック手段16を、容器13とチャンバー9との間に位置させる(図1)。
【0040】
計量およびロック手段16は、今まで以上に詳しく図示せず、中央に回転部品を搭載した円筒状のハウジングを含む。ハウジングに2つの孔を備え、正確に言うと、各々の場合に、1つを上面にそして1つを下面に、同じピッチ円径であるが、180°食い違わせる。回転部品に、同様に、同じピッチ円径であるが、180°食い違わせた2つの孔を備える。ハウジング内の上部孔が回転部品内の孔の内の1つより上に一直線になっているならば、その場合、セレン球は、容器13から孔の中に落下することができる。回転部品を引き続き180°を通って回転させるならば、セレン球は、回転部品内の孔からハウジング内の下部孔を通りパイプライン14を通ってチャンバー9の中に通ることができる。同時に、回転部品内のそれぞれの他の孔に、再び容器からのセレン球を充填する。
【0041】
計量およびロック手段14とチャンバー9との間に、完全な開口を有するボールバルブを含むバルブ16を加えて位置させ、バルブ16は、計量およびロック手段15においてセレン球を計量する間だけ短時間開放される。
【0042】
このようにして、第一に、条件を満たす厳密な計量を可能にするが、第二に、また、蒸気状セレンが逃散することができないことも確実にする。
【0043】
セレン蒸気/搬送ガス混合物の、スロット8の幅にわたる均一な分布を達成するために、蒸着ヘッド11内に流路10に沿って一列縦隊に、複数の圧縮および拡張を配置し、それで、セレン蒸気は、それのスロット8への途中で、蓄積させそして引き続き膨張域において再び膨張することができるようにする。このプロセスを何回も繰り返し、それで、セレン蒸気を所望の幅にわたって分配させそして次いで、蒸着ヘッド11からスロット8を通して出して輸送流路6の中に入れるようにする。
【0044】
蒸着ヘッド11を、加熱システム12を用いて、常にセレンの蒸発温度より高い温度に保たなければならないことは言うまでもない。
【0045】
1つ以上のスロット8の形の供給手段の代わりに、また、2つのロック4、5の間の無酸素の輸送流路6内の空間内に、カルコゲン、例えばセレン用コーティングヘッドの1つ以上(図示せず)を、輸送流路内の基板 3より上に配置することも可能である。
【0046】
該コーティングヘッドは、シャワーのスプレーヘッドと同様の様式で構成することができる。コーティングヘッドは、そのため多数の蒸気状セレン用流出開口を有する平坦機素である。
【0047】
別の方法として、コーティングヘッドは、また、複数の開口であって、それらを通してカルコゲンが出ることができるものを収容する簡単なチューブのように具現化することもできる。
【0048】
カルコゲン用の源、すなわち、蒸着ヘッド11内のチャンバー9、およびスロット8への供給管路は両方ともに、カルコゲンの蒸発温度より高い温度でなければならず、それで、蒸気状カルコゲンがスロット8から出ることができそして蒸気を基板 3上に蒸着させることができるようにする。これは、カルコゲンをうっかり蒸着させてスロット8を詰まらせることのないようにする。
【0049】
基板 3は、コンベヤーベルトまたはガスクッションの上で、ローラーによって、輸送装置2の上でスロット8の下を通り過ぎる。基板 3を冷却するかまたは室温およそ20°Cにするかまたは加熱するかのいずれかにする。基板 3は、室温であるのが好ましい。基板 3は、蒸着ヘッドによって加熱することができる。この加熱は、プロセスについて重要でない。基板 3は、カルコゲンを塗布した後に、熱処理炉(図示せず)に供給し、そこで、金属層を、次いで、要求に応じてカルコゲンによって媒介される様式で複合半導体層に変換させる。
【0050】
過剰のカルコゲン/搬送ガス混合物を、抽出および処理手段17を用いてプロセスチャンバー1から取り出し、そしてプロセスにおいて得られた固体カルコゲン、例えばセレンを、収集容器18に収集する。このために、蒸気状カルコゲン/搬送ガス混合物をいわゆるカルコゲントラップ19を通して導き、そこで、カルコゲンは、物質の固体状態への転移を受けそしてそこから収集容器18中に導く。
【0051】
本発明に従う装置および方法は、上述したカルコゲンを任意の所望の基板、例えばガラスまたはケイ素基板上に蒸着させることを可能にするばかりでなく、また、それらは、任意の他の塗布目的およびまた、他の蒸発可能な物質用にも何ら問題無く使用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 プロセスチャンバー
2 輸送装置
3 大面積基板
4 流入側ロック
5 流出側ロック
6 輸送流路
7 カルコゲン用供給手段
8 スロット
9 チャンバー
10 流路
11 蒸着ヘッド
12 加熱手段
13 容器
14 パイプライン
15 計量およびロック手段
16 バルブ
17 抽出および処理手段
18 収集容器
19 カルコゲンラップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前駆体層で調製されおよび任意の所望の材料で構成される基板、特に平面基板、好ましくはフロートガラスで構成される基板上に薄い層の形のカルコゲンを提供する方法であって、
蒸着ヘッド(11)において流入側および流出側ガスカーテンを形成して輸送流路(6)を酸素の漏れないように密閉し、
不活性ガスを輸送流路(6)の中に導入して大気酸素を置換し、
塗布すべき基板(3)を1つ以上のプロセスチャンバー(1)の輸送流路(6)の中に導入し、該基板(3)を温度調整して所定の温度にし、
源からのカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を、蒸着ヘッドの輸送流路(6)の中の基板(3)より上に導入しそしてPVDを所定の圧力で用いて基板(3)の上にセレン層を形成し、そして所定のプロセス時間が経過した後に、基板(3)を取り出す
ことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
輸送流路 (6)内で、大気圧を設定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
輸送流路 (6)内で、大気圧を設定することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
塗布する間、基板(3)を蒸着ヘッド(11)に対して移動させることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
基板(3)を一定速度で移動させることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
基板(3)を200°Cより低い温度に温度調整した後に、プロセスチャンバー(1)の輸送流路(6)の中に輸送することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
【請求項7】
基板(3)を温度20°C〜50°Cに温度調整することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項8】
基板(3)を室温に温度調整することを特徴とする、請求項6記載の方法。
【請求項9】
プロセスチャンバー(1)内の輸送流路(6)の流入側および流出側に形成するガスカーテンを用いて酸素を排除してコーティングプロセスを形成することを特徴とする、請求項1記載のコーティング方法。
【請求項10】
ガスカーテンを不活性ガスによって形成することを特徴とする、請求項9記載のコーティング方法。
【請求項11】
希ガスを不活性ガスとして使用することを特徴とする、請求項10記載のコーティング方法。
【請求項12】
アルゴンを希ガスとして使用することを特徴とする、請求項10記載のコーティング方法。
【請求項13】
カルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を蒸着ヘッド(11)から直接基板(3)の表面に導くことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一に記載のコーティング方法。
【請求項14】
プロセスチャンバー(1)に、平坦基板(3)用輸送装置(2)を割り当てた輸送流路(6)を備え、輸送流路(6)の流入側および流出側に、不活性ガスまたは希ガスで構成される酸素の漏れないガスカーテン(4, 5)を備え、プロセスチャンバー(1)内のガスカーテン(4, 5)の間の輸送流路(6)に搬送ガスを充填することができ、そして輸送流路(6)より上の基板(3)より上に直接蒸着ヘッド(11)を配置し、該蒸着ヘッド(11)をカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物用供給手段(7)に接続する、請求項1〜8のいずれか一に記載の方法を実施するための装置。
【請求項15】
蒸着ヘッド(11)に、カルコゲン蒸気/搬送ガス混合物を供給するための輸送流路 (6)用スロット(8)-基板(3)の運搬方向に対して横断方向に配置しそして基板に向けた-を備えたことを特徴とする、請求項14記載の装置。
【請求項16】
蒸着ヘッド (11)内に、蒸発チャンバー (9)とスロット(8)との間の流路(10)内に、複数の圧縮に引き続いて膨張域を一列縦隊にスロット(8)の幅全体にわたって配置し、それで、セレン蒸気/搬送ガス混合物をそれのスロット(8)への途中で何倍も圧縮しそして膨張させるようにすることを特徴とする、請求項15記載の装置。
【請求項17】
蒸着ヘッド(11)をスプレーヘッドのように構成しそしてこれに、多数の流出開口を備えることを特徴とする、請求項14記載の装置。
【請求項18】
蒸着ヘッド(11)および付随する接続機素を含むチャンバー(9)を加熱することができることを特徴とする、請求項14〜17のいずれか一に記載の装置。
【請求項19】
カルコゲン蒸気またはカルコゲン蒸気/搬送ガス混合物が接触することができるすべての部材が、グラファイトのような、この混合物に耐性の材料で構成されることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか一に記載の装置。
【請求項20】
プロセスチャンバー(1)および輸送流路(6)内の圧力を、中間圧〜大気圧に設定することができることを特徴とする、請求項14〜19のいずれか一に記載の装置。
【請求項21】
基材(3)を、輸送装置(2)上で、温度調整して温度-50°C〜+100°Cにすることができることを特徴とする、請求項14〜20のいずれか一に記載の装置。
【請求項22】
基板 (3)を温度調整して室温にすることを特徴とする、請求項21記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−539323(P2010−539323A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523539(P2010−523539)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062061
【国際公開番号】WO2009/034131
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(507399689)セントロテルム・フォトヴォルテイクス・アクチエンゲゼルシャフト (5)
【Fターム(参考)】