説明

カルバミドおよび/またはその少なくとも1種の誘導体を含む洗浄剤

カルバミドおよび/またはその少なくとも1種の誘導体を含む洗浄剤。
本発明は、洗浄剤などとして、カルバミドおよび/または少なくとも1種の誘導体が、5〜99.9%重量含まれる薬剤の使用に関し、例えば閉じた系用の洗浄剤として、特に食器洗浄機用合成洗剤、洗濯機用の洗濯合成洗剤、食品加工業での装置および医療装置を衛生化および/または消毒するための洗浄用の薬剤として、手で洗う食器洗浄合成洗剤や衛生的なクリーナーやハンドクリーナーとして使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5〜99.9重量%のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体を含む洗浄剤に関し、とりわけ閉じた系用の洗浄剤として、特に食器洗浄機用合成洗剤、洗濯機用の洗濯合成洗剤(とりわけ、織物を洗浄するための)、食品加工業での装置および医療装置を洗浄し、衛生化および/または消毒するための薬剤として、手で洗う食器洗浄合成洗剤または除菌剤として、またはハンドクリーナー(手を洗うための)としての洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明によれば、閉じた系は、たとえば食器洗浄機、洗濯機などのような操作中周囲から完全に閉ざされた機器、あるいは、たとえば食品加工用の装置やまた手術室および歯医者のいすの洗浄機器、透析装置、人工心肺、内視鏡および類似の医療装置を始めとする医療装置のような、その使用前は周囲から密閉され、開始時に初めて開けられる機器を言う。最初に記載した系では、洗浄剤は操作中装置内を循環し、一方、後で挙げた系では、洗浄剤でその系がすすぎ落とされる。ここで洗浄剤は、洗浄する目的のために働くのみならず、衛生化のために使用され、および/または消毒のために使用されうる。
【0003】
食器洗浄機用の合成洗剤、洗濯機用の洗濯合成洗剤、手で洗う食器洗浄合成洗剤および除菌剤のような閉じた系用の洗浄剤は、ほとんど全ての家庭で使用されている薬剤である。国際公開第2007/141257号公報に記載されているような現代的な食器洗浄合成洗剤は、普通、界面活性剤、合成洗剤ビルダー、漂白剤および酵素を重要な成分として含んでいる。
【0004】
酵素は分子であり、特にある化学反応を触媒することができるタンパク質である。酵素は、全ての生存生物の代謝に重要な役割を果たし、たとえば、遺伝情報をコピー(DNAポリメラーゼ)または転写(RNAポリメラーゼ)する間、多くの生化学反応を触媒し、コントロールする。食器洗浄機用合成洗剤で使用される酵素は、たとえば、プロテアーゼ、アミラーゼ、カタラーゼ、パーオキシダーゼ、セルラーゼおよび/またはリパーゼである。プロテアーゼおよびアミラーゼを使用することが好ましい。
【0005】
酵素は、閉じた系用の現代的な洗浄剤、食器洗浄合成洗剤または衛生クリーナー中の他の成分と比べると比較的高価である。高価な酵素を使用しているにもかかわらず、食器洗浄合成洗剤のような現代的な洗浄剤の洗浄効果は、それを満足するだけでしかないことが多い。さらに、酵素の使用には、たとえば、食器洗浄合成洗剤はある温度およびpH値の範囲内でしか使用することができないことや、特に長時間の保存の場合に安定性の問題が起こる可能性がある、といった欠点もしばしば伴う。最後に、もし制御できない量の酵素が廃水に入ると、環境の点を考えた場合、問題である。その上、酵素を含有する製品の製造および使用中の酵素の取り扱いは、問題がある(たとえば、アレルギーの可能性)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2007/141257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、先に記載した欠点を減らすことである。
特に本発明の目的は、高い洗浄効果を発揮する、たとえば閉じた系用の洗浄剤、手で洗う食器洗浄合成洗剤または除菌剤を提供することである。高い洗浄効果があるにもかかわらず、洗浄剤、食器洗浄合成洗剤または除菌剤は、表面を損傷しない。さらに、該洗浄剤は、広いpH値範囲(中性、アルカリ性、酸性)での使用が可能となる。
【0008】
食器洗浄合成洗剤の場合、本発明のさらなる目的は、特に15℃〜70℃または15℃〜80℃の広い温度範囲にわたって使用することができ、かつできるだけ広い温度範囲で有益な洗浄効果を達成する薬剤を提供することである。該洗浄剤は、家庭用食器洗浄機および業務用食器洗浄機のどちらにも使用することができるべきである。さらに、該洗浄剤は、ガラスにやさしい洗浄を提供すべきである。
【0009】
カルバミド(尿素)は、非常に良好な水溶性を有する、中性の、匂いのない、非毒性の生成物であって、人体によって、窒素代謝の最終生成物として、1日当たり20〜30gの量で排出される生成物であり、自然界で環境に最もやさしい物質の1つとみなされている。そこで、カルバミドは、化学分解によってその成分に分解され、または水溶性塩または不溶性塩(たとえば、炭酸Caおよび/または炭酸Mgとして)の形態で保存されうる。
【0010】
この点で、炭酸のジアミドとみなすことができるカルバミドは、2種類のガス状成分NH3およびCO2(2:1の比で)の結合型と考えることができ、化学肥料および合成樹脂の領域での使用のため、カルバミドはこれらの成分から商業的に大量生産することができる。
【0011】
本発明の洗浄剤におけるカルバミドの使用による重要な貢献は、洗浄分野でのカルバミドの使用の増加を通し、工業的生産中におけるCO2ガスの結合、洗浄剤としての使用および、無害の塩(特に、炭酸塩類および重炭酸塩類)として自然界へ廃棄することを介して、環境保護されることです。
【0012】
さらに、環境およびコストの理由から、従来の洗浄剤に通常使用されている酵素および漂白剤の量を減らすことができるようにすべきである。
【0013】
生分解性および/または生物再生利用可能性のある物質、特にEN ISO14593:199(CO2ヘッドスペース試験)による生分解性物質だけが、好ましく使用される。
【0014】
予想外に、本発明の目的は、カルバミド(尿素)濃度が高い洗浄剤を提供することにより解決しうる。
さらに、本発明の目的は、カルバミド(尿素)を洗浄剤として使用することにより解決しうる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、5〜99.9重量%のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体を含む洗浄剤に関し、たとえば閉じた系用の洗浄剤として、特に、食器洗浄機用合成洗剤、洗濯機用の洗濯合成洗剤、食品加工業における装置または医療装置を洗浄し、衛生化するおよび/または消毒するための薬剤として、手で洗う食器洗浄合成洗剤として、または除菌剤として、特に便器用衛生洗浄剤として使用することができる洗浄剤に関する。
【0016】
特に、本発明は、
(a)5〜99.9重量%のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体と、
(b)0.1〜90重量%の1種以上の電解質と、
(c)40重量%までの1種以上の界面活性剤と、
(d)10重量%までの1種以上の酵素と、
(e)20重量%までの1種以上の錯化剤と、
を含む洗浄剤に関する。
【0017】
さらに、本発明は、たとえば閉じた系での洗浄剤中の、特に、食器洗浄機用合成洗剤、洗濯機用の洗濯合成洗剤、食品加工業での装置または医療装置を洗浄する、衛生化するおよび/または消毒する薬剤、手で洗う食器洗浄合成洗剤、または除菌剤中の酵素を減らすまたはなくす方法であって、酵素含有洗浄剤、酵素含有洗濯合成洗剤または酵素含有除菌剤中のある量の酵素を、その量の5〜50倍の量のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体で置き換えることを特徴とする方法に関する。
【0018】
該薬剤を除菌剤として使用する場合、除菌剤は、実際に洗浄する間だけ、洗浄すべき表面、たとえば便器のセラミック表面上に残り、汚れの除去が完了した後は、たとえば、起こる可能性のあるカルバミドの分解中に、匂いが発生するのを防止するように、該洗浄液は完全に洗い落とされるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による洗浄剤は、食器洗浄合成洗剤(とりわけ、食器洗浄機用)として好ましく使用される。これらの洗浄剤は、固体状または液体状であってもよい。該洗浄剤は、固体状、とりわけ粉末、顆粒またはタブレット状(食器洗浄機用タブレットまたはタブ)が好ましい。
【0020】
本発明による洗浄剤は、除菌剤(とりわけ、便器クリーナー)として使用されるのがさらに好ましい。これらの洗浄剤は、固体(たとえば、粉末または顆粒)または液体(たとえば、ゲルとして)であってもよい。該洗浄剤は、固体、とりわけ粉末状が好ましい。
【0021】
以下で示される説明/定義は、他に記載がない限り、本発明による、たとえば、閉じた系(特に、洗浄する、衛生化するおよび/または消毒するための薬剤)用の洗浄剤、本発明の食器洗浄合成洗剤および本発明の除菌剤に関する。さらに明確にするため、「本発明による薬剤」または「本発明による洗浄剤」について説明する。
【0022】
本発明による薬剤は、該薬剤の総重量に対して、5〜99.9重量%、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%(たとえば、10〜70重量%)、さらにより好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは25〜75重量%、さらに特に好ましくは20〜70重量%、とりわけ20〜60重量%のカルバミド(尿素)および/またはその1種以上の誘導体を含む。
【0023】
食器洗浄合成洗剤は、15〜65重量%のカルバミドを含むのが好ましく、とりわけ粉末食器洗浄合成洗剤については、30〜60重量%のカルバミドを含むのが好ましい。
【0024】
衛生クリーナーは、10〜40重量%、とりわけ10〜30重量%のカルバミドを含むのが好ましい。
【0025】
これらの多量とは対照的に、従来の食器洗浄合成洗剤および除菌剤では、カルバミドは、添加剤として少量で使用されていた。たとえば、ドイツ特許公報第19923943A1号は、カルバミドを微生物促進有機物質として、約0.5重量%の量で使用する除菌剤を開示している。しかしこの場合、カルバミドは、洗浄効果を改善し、先に記載した目的を解決するためには使用されていなかった。
【0026】
カルバミド(尿素としても知られている)は、式(I)の化学構造を持つ:
【0027】
【化1】

【0028】
さらに、本発明は、カルバミドの誘導体に関する。好ましい誘導体は、式(II)の化合物である。
【0029】
【化2】

(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ他から独立して、以下の意味を有する。すなわち、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基、フェニルまたはナフチルのようなアリール基、炭素原子数7〜18のアリールアルキル(アラルキル)基、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基、あるいは炭素原子数2〜5のO−、S−またはN−含有複素環基である。)
【0030】
さらに、残基R1、R2、R3およびR4の2個は、一緒になって、1〜8個(とりわけ、2〜5個)の炭素原子およびO、SおよびNから選択される1個以上のさらなるヘテロ原子(残基R1、R2、R3およびR4がそれぞれ結合する窒素原子(複数を含む)に加えて)を有する複素環基、すなわち、式(IIa)、(IIb)、(IIc)および(IId)のカルバミド誘導体の一部を形成してもよい。
【0031】
【化3】

【0032】
特に、炭素原子数1〜4のアルキル基の例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルおよびブチル基の種々の異性体がある。炭素原子数3〜6のシクロアルキル基の例として、特に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基がある。炭素原子数7〜18のアラルキル基の例として、特に、ベンジルおよびフェネチル基があり、炭素原子数7〜18のアルキルアリール基の例として、特に、トリル基があり、および炭素原子数1〜8(とりわけ、2〜5)の複素環基の例として、特に、複素環中に少なくとも酸素、イオウ、または窒素原子を有する基がある。ここで、オキシラン、テトラヒドロフラン、ジオキサンおよびピランのラジカルを、適切な例として挙げることができる。
【0033】
用語「誘導体」は、式(I)および(IIa−d)の化合物の二量体および三量体も含む。
【0034】
一実施形態では、式(III)のカルバミド二量体(ビウレット)を、誘導体として使用する。
【0035】
【化4】

【0036】
さらに、用語「誘導体」は、式(I)〜(III)として先に記載した化合物の塩類、溶媒和物、水和物および他の付加物も含む。これらとして、たとえば、カルバミド硫酸塩、カルバミドリン酸塩、およびカルバミド過酸化水素(パーカルバミド)が挙げられる。
【0037】
最後に、カルバミド誘導体混合物、またはカルバミドとカルバミド誘導体との混合物を使用することも可能である。
【0038】
本発明による洗浄剤において、カルバミド(尿素)を使用することはとりわけ好ましい。
【0039】
本発明によれば、本発明の薬剤を、食器洗浄機または洗濯機のような閉じた系用の洗浄剤として、食品工業における装置および医療装置を洗浄し、衛生化するおよび/または消毒するための薬剤として、食器洗浄合成洗剤として、または除菌剤として、使用することができる。
【0040】
本発明による洗浄剤は、たとえば、閉じた系のために使用することができる。カルバミドを適量に使用して、食品工業における装置および医療装置を洗浄する、衛生化するおよび/または消毒するための薬剤としても使用することができる。
【0041】
一般的に、食器洗浄合成洗剤は、食器類を洗浄するための薬剤として使用される。本発明による薬剤は、食器洗浄機用の合成洗剤としても、手で洗う食器洗浄用の合成洗剤としても使用することができる。好ましい使用としては、食器洗浄機用の合成洗剤であり、特に、業務用の食器洗浄機および家庭用の食器洗浄機の両方に好ましい。
【0042】
一般的に、除菌剤は、衛生的にしようとする表面を洗浄するために使用される。本発明による該薬剤の好ましい使用は、便器または小便器を洗浄することである。したがって、除菌剤は、トイレ洗浄剤が好ましい。
【0043】
カルバミドおよび/またはその誘導体に加えて、本発明による薬剤は、アニオン性、非イオン、カチオン性および/または両性界面活性剤のような1種以上の界面活性剤を含んでもよい。また、以下で説明する界面活性剤の任意の混合物も可能である。
【0044】
本発明による薬剤は、薬剤の総重量に対して、40重量%までの、好ましくは0.01〜40重量%の、より好ましくは0.1〜35重量%の、さらに好ましくは0.5〜30重量%の、特に好ましくは1〜30重量%の1種以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0045】
一般的に、アニオン性界面活性剤は、負に帯電した官能基を有する界面活性剤を言う。通常、アニオン性界面活性剤は、極性および非極性部分を持つ。C6−C30アルキル残基が非極性部分として働くのが好ましい。極性官能基は、好ましくは、−COO−(カルボキシレート)、−SO3−(スルホネート)または−O−SO3−(サルフェート)である。
【0046】
例として、
式:R−COO-Na+(式中、Rは、炭素原子数6〜30、好ましくは8〜16の有機残基である)のアルキルカルボン酸塩;
式:Cn2n+1−C64−SO3-Na+(式中、nは、6〜30、好ましくは8〜16である)のアルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム);
式:Cn2n+1−SO3-Na+(式中、nは、6〜30、好ましくは8〜16である)の第二アルカンスルホネート(SAS);および
式:H3C−(CH2n−CH2−O−SO3-Na+(式中、nは、6〜30、好ましくは8〜16である)の脂肪族アルコール硫酸塩(たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム)がある。
【0047】
スルホン酸塩型界面活性剤として、C9-15ベンゼンスルホン酸塩およびオレフィンスルホン酸塩が好ましく使用される。C12-20アルカンから、たとえば、スルホ塩素化またはスルホ酸化、次いで加水分解または中和によって得られるアルカンスルホン酸塩も適切である。また、α−スルホ−脂肪酸のエステル類(スルホン酸エステル)、たとえば、水和ココナッツ、パーム核または獣脂脂肪酸のα−スルホン化メチルエステルも適切である。具体的な一例として、ウファリル(Ufaryl)(たとえば、ウファリルDL90C)、アルキルベンゼンスルホン酸塩がある。
【0048】
追加の適切なアニオン性界面活性剤として、スルホン化脂肪酸グリセリンエステル類がある。脂肪酸グリセリンエステル類は、モノエステル類、ジエステル類およびトリエステル類、ならびにこれらの混合物を言う。好ましいスルホン化脂肪酸グリセリンエステル類は、炭素原子数6〜22の飽和脂肪酸、たとえば、カプロン酸、カプリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸のスルホン化生成物である。
【0049】
アニオン性界面活性剤の追加の群として、脂肪族アルコールエトキシレート類を、アルカリ性触媒の存在下、クロロ酢酸ナトリウムを用いて変換することにより得られるエーテルカルボン酸の群がある。さらに適切なアニオン性界面活性剤として、ジまたはポリヒドロキシアルカン類、単糖類および二糖類、マレイン酸無水物のエン付加物を有するポリエチレングリコールの部分エステルから、鎖長が10〜25個の炭素原子を有し、好ましくは酸価が15〜130の少なくともモノ不飽和炭酸までがある。あるいは、使用可能なアニオン性界面活性剤として、スルホサクシネート類、スルホサクシナメート類およびスルホサクシンアミド類、特に、スルホサクシネート類およびスルホサクシナメート類があり、スルホサクシネート類が特に好ましい。
【0050】
一般的に、非イオン界面活性剤は、本質的に解離性官能基を含まず、したがって、水中でもイオンに解離しない界面活性剤を言う。全ての界面活性剤のように、非イオン界面活性剤も、非極性および極性成分/部分で構成されている。非イオン界面活性剤は、非極性部分として、脂肪族アルコール(たとえば、C12−C18)または、たとえば、オクチルまたはノニルフェノール残基を含むのが好ましい。非イオン界面活性剤は、極性部分として、水酸基またはエーテル基を含むのが好ましい。
【0051】
非イオン界面活性剤の例として、
ポリアルキレングリコールエーテル;
脂肪族アルコールエトキシレート類(FAEO)、特に、式:CH3−(CH210-16(O−C241-25−OHのもの;
脂肪族アルコールプロポキシレート類(FAPO)、特に、式:CH3−(CH210-16−(O−C361-25−OHのもの
アルキルグルコシド類;
アルキルポリグルコシド類(APG)、特に、式:CH3−(CH210-16−(O−グリコシド)1-3−OHのもの;
オクチルフェノールエトキシレート類、特に、式:C817−(C64)−(O−C241-25−OH;および/または
ノニルフェノールエトキシレート類、特に、式:C919−(C64)−(O−C241-25−OHがある。
【0052】
カチオン性界面活性剤は、正に帯電した官能基を含む界面活性剤を言う。これらは、式:R1a2a3a4a+-(式中、R1aからR4aは、独立して、炭素原子数4〜20の有機残基、好ましくは、ステアリル、パルミチル、メチル、ベンジル、ブチル残基であり、Xは、対イオン(カウンターイオン)、好ましくはハライドである)の四級アンモニウム化合物であることが好ましい。
【0053】
両性界面活性剤は、負に帯電した官能基および正に帯電した官能基の両方を含む界面活性剤を言う。アルキル基は、非極性部分として作用し、カルボキシレート基(R−COO-)および四級アンモニウム基は、極性部分として作用するのが好ましい。
【0054】
食器洗浄合成洗剤の場合、好ましい実施形態では、界面活性剤として、特に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(たとえば、スパン(Span)(登録商標)またはツイーン(Tween)(登録商標)80として入手可能)および/またはC12−C14アルコールポリエチレングリコールエーテル(たとえば、マーロックス(Marlox)(登録商標)MO154として入手可能)が使用される。これは、液体食器洗浄合成洗剤で有益な安定性を示す。
【0055】
さらに好ましい界面活性剤として、非イオン低発泡性または固体界面活性剤であって、たとえば、商標ゲナポール(Genapol)(たとえば、ゲナポールEP2584)、ルテンゾール(Lutensol)(たとえば、ルテンゾールAT25)およびプルラファック(Plurafac)(たとえば、プルラファックLF901)として販売され、それぞれ、アルキルポリグリコールエーテル類および脂肪族アルコールエトキシレート類の群に属する界面活性剤がある。
【0056】
好ましい一実施形態では、本発明による薬剤は、薬剤の総重量に対して、20重量%までの、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.5〜20重量%、さらにより好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは0.2〜15重量%の1種以上の錯化剤を含む。
【0057】
錯化剤は、2個以上の結合部位を持つ試薬である。錯化剤は、それによって、多価金属イオンとともに、特に安定な錯化合物を形成することができる。錯化剤の例として、ニトリロトリアセテート(NTA)、エチレンジアミノトリアセテート(TED)、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、メチルグリシンジアセテート(MGDA)(たとえば、トリロン(Trilon)M))、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩および/またはクエン酸塩があり、とりわけそれらのナトリウム塩が好ましい。また、クエン酸塩/クエン酸が電解質(および/またはpH調整剤)として使用される場合、前記錯化剤は、所定の量で存在するのが好ましい。
【0058】
錯化剤のさらなる例として、ポリアクリル酸およびその塩類(たとえば、ソカラン(Sokalan)PA30CL、ナトリウム塩として完全に中和された低分子量ポリアクリル酸)および天然の多糖アルギネートおよびその塩がある。
【0059】
そのような錯化剤のほとんどは、合成洗剤クリーナー中、他の電解質型の添加剤とともに、一般名「ビルダー」にまとめられることが多い。
【0060】
これらは水溶性物質またはアルミノケイ酸塩のような非水溶性物質であることが多く、特に、ゼオライト類をビルダーとして使用してもよい。
【0061】
ビルダーとして適切なゼオライト類として、たとえば、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトYおよびゼオライトPが挙げられる。
【0062】
他の適切なビルダーとして、たとえば、好ましくは5〜7個のC原子および少なくとも3個の水酸基を持つポリオールカルボン酸を使用して、ジアルデヒド類を変換することによって得ることができるポリアセタール類がある。好ましいポリアセタール類は、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ならびにこれらの混合物およびグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸のようなポリオールカルボン酸との混合物のようなジアルデヒド類から得られる。
【0063】
さらに適切な有機ビルダーは、デキストリン、すなわち、デンプンの部分的加水分解によって得ることができる炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。さらに、ポリアクリレート類、ペクチネート類およびアルギネート類も、ビルダーとして使用することができ、これらは、本発明との関連で、「錯化剤」であるとも考えられる。
【0064】
代替物として、リン酸塩系ビルダーを使用してもよい。しかし、環境的な理由から、これらは好ましくない。例として、トリポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムまたはオルトリン酸ナトリウムがある。適切なビルダーまたは錯化剤であると考えてもよいホスホネート類の具体的なほんの一例として、商標、バイヒビット(Bayhibit)(たとえば、バイヒビットS)で販売されているものが挙げられる。本発明による洗浄剤は、リン酸塩を含まない、または少量(たとえば、0.19重量%までのホスホネート)しか含まないのが好ましい。
【0065】
前記錯化剤および以下の電解質型薬剤は、カルバミドの観察される洗浄効率をサポートすることができる適切なビルダーであると考えることができる。
【0066】
好ましい一実施形態では、本発明による薬剤は、1種以上の安定剤も含む。ここで、可溶化および/または分散促進成分は、通常、安定剤として作用する。ポリアルコール類を安定剤として使用するのが好ましい。ポリアルコールは、2種以上のアルコール基を含む物質を言う。適切な安定剤の例として、グリコール、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、特に、ポリエチレングリコール(たとえば、プルリオール(Pluriol)(登録商標)、ポリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトールまたはこれらの混合物がある。
【0067】
本発明による薬剤が液状で存在する場合、本発明による薬剤は、加えて、1種以上の安定剤を、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で含んでもよい。
【0068】
さらに好ましい実施形態では、特に液体製剤の場合、本発明による洗浄剤は、さらに、1種以上の抗菌性および/または防黴性および/または抗微生物性添加剤を含んでもよい。
【0069】
抗菌性および/または抗黴性および/または抗微生物性添加剤(複数を含む)は、通常、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で含まれる。たとえば、ギ酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウムまたはPHBエステルのような、食品化学で承認されている保存剤、および抗微生物性の効果スペクトルを有する適切な添加剤がある。
【0070】
手で洗う食器洗浄合成洗剤またはハンドクリーナー、すなわち、皮膚の表面、特に手を洗浄するための洗浄ペーストのような洗浄剤の場合、本発明による薬剤は、追加的に、1種以上のスキンケア成分を含むのが好ましい。これらは、通常、0.1〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の量で含まれる。適切なスキンケア成分としては、たとえば、アミノ酸またはフルーツ酸がある。プロリンの使用が好ましい。
【0071】
本発明の洗浄剤は、酵素を含んでもよい。これらの酵素は、普通、薬剤の総重量に対して、10重量%まで(たとえば、0.01〜10重量%)、好ましくは5重量%まで(たとえば、0.01〜5重量%、とりわけ1〜5重量%)、より好ましくは0.1〜3重量%、とりわけ0.5〜2.5重量%の量で含まれる。
【0072】
適切な酵素の例として、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびセルラーゼがある。具体的な例として、固体状の市販の被覆酵素製剤、たとえば、サビナーゼ(Savinase)6.0T、リポラーゼ(Lipolase)100Tおよびターマミル(Termamyl)120Tがある。
【0073】
酵素のさらなる例として、以下がある。
プロテアーゼ類、たとえば、BLAP(登録商標)140(会社:ヘンケル);オプティマーゼ(Optimase)(登録商標)−M−440、オプティマーゼ(登録商標)−M−330、オプティジーン(Optidean)(登録商標)−M−375、オプティクリーン(登録商標)−M−250(会社:ソルベイ・エンザイムス);マキサカル(Maxacal)(登録商標)CX450.000、マキサペム(Maxapem)(登録商標)(会社:アイビス);サビナーゼ(登録商標)4,0T、6,0T、8,0T(会社:ノボ);エスペラーゼ(Esperase)(登録商標)T(会社:アイビス)。
アミラーゼ類、たとえば、ターマミル(登録商標)60T、90T、デュラミル(Duramyl)(登録商標)(会社:ノボ);アミラーゼ(Amylase)−LT(登録商標)(会社:ソルベイ・エンザイムス);プラフェクト(Purafect)OxAm(登録商標)(会社:ジェネンコア);マキサミル(Maxamyl)(登録商標)P5000、CXT5000またはCXT2900(会社:アイビス); とりわけ、α−アミラーゼ、たとえば、ターマミル(登録商標)、ターマミル(登録商標)ウルトラ、デュラミル(登録商標)(会社:ノボザイムズ);プラスター(Purastar)(登録商標)ST、プラスター(登録商標)OxAm(会社:ジェネンコア);ケイスターゼ(Keistase)(登録商標)(会社:ダイワセイコー)。
リパーゼ類、たとえば、リポラーゼ(登録商標)30T(会社:ノボ)。
【0074】
前記成分に加え、本発明による薬剤は、1種以上の匂い物質を含んでもよい。匂い物質は、匂い、好ましくは心地よい匂いのある天然または合成物質である。匂い物質の例として、
アンブレットリド、α−アミルシンナムアルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、アニソール、アンスラニル酸メチルエステル、アセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンズアルデヒド、安息香酸エチルエステル、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、ボルネオール、酢酸ボルニル、α−ブロモスチロール、n−デシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド、オイゲノール、オイゲノールメチルエーテル、ユーカリプトール、ファルネソール、フェンコン、酢酸フェンキル、酢酸ゲラニル、ゲラニルフォルミエート、ヘリオトロピン、ヘプチン炭酸メチルエステル、ヘプトアルデヒド、ヒドロキノン−ジ−メチルエーテル、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシシンナム−アルコール、インドール、鉄、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、イソサフロール、ジャスミン、樟脳、カルバクロール、カルボン、p−クレゾールメチルエーテル、クマリン、p−メトキシ−アセトフェノン、メチル−n−アミルケトン、メチルアンスラニル酸メチルエステル、p−メチルアセトフェノン、メチルカビコール、p−メチルキノリン、メチル−ss−ナフチルケトン、メチル−n−ノニルアセトアルデヒド、メチル−n−ノニルケトン、ムスコン、ss−ナフトール−エチルエーテル、ss−ナフトール−メチルエーテル、ネロール、ニトロベンゼン、n−ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、n−オクチルアルデヒド、p−オキシアセトフェノン、ペンタデカノリド、ss−フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド−ジメチルアセタール、フェニル酢酸、プレゴン、サフロール、サリチル酸イソアミルエステル、サリチル酸メチルエステル、サリチル酸ヘキシルエステル、サリチル酸シクロヘキシルエステル、サンタロール、スカトール、テルピネオール、タイム、チモール、γ−ウンデラクトン、バニリン、ベラトルムアルデヒド、シンナムアルデヒド、シンナムアルコール、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチルエステル、ケイ皮酸ベンジルエステル、アルキルイソチオシアネート(アルキルマスタード油)、ブタンジオン、ライム、リナロール、酢酸リナイルおよびプロピオン酸リナイル、メントール、メントン、メチル−n−ヘプテノン、フェランドレン、フェニルアセトアルデヒド、酢酸テルピニル、シトラールおよび/またはシトロネラールがある。
【0075】
また、アンゲリカルート油、アニス油、アルニカブロッサム油、バジル油、ベイ油、チャンパカブロッサム油、シルバーファー油、シルバー・ファー・コーン油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、スプルースニードル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ジンジャーグラス油、ユウソウボク油、ガージャンバルサム油、へリクリサム油、ホウ油、ジンジャー油、アイリス油、カヤプト油、ショウブ油、カモミール油、カンフル油、カナガ油、カルダモン油、カッシア油、マツバ油、コパ[イータ]ババルサム油、コリアンダー油、クリスプミント油、キャラウェイ油、クミン油、レモングラス油、ムスクグレイン油、ミルラ油、クローブ油、ネロリ油、ニアオウリ油、オリバナム油、オレガノ油、パルマローザ油、パチョリ油、ペルーバルサム油、プチグレイン油、コショウ油、ペパーミント油、ピメント油、松根油、ローズ油、ローズマリー油、ビャクダン油、セロリ油、八角油、ニオイヒバ油、タイム油、バーベナ油、ベチベル油、ジュニパーベリー油、ニガヨモギ油、ウィンターグリーン油、イランイラン油、ヒソップ油、シナモン油、シナモンリーフ油、および/またはヒノキ油のような精油の1種以上を加えることも可能である。
【0076】
特に好ましい匂い物質は、ライムテルペン類および/またはオレンジテルペン類である。
【0077】
匂い物質は、通常、薬剤の総重量に対して、0.01〜3重量%、好ましくは0.01〜2重量%の量で含まれる。所望であれば、2種以上、たとえば、2〜10種の匂い物質の混合物を使用することもできる。匂い物質の混合物は、尿素の匂いが発生する可能性がある場合、それをカバーするのに有益であることがある。
【0078】
本発明による薬剤には、匂い物質に加えて、着色剤(たとえば、キーウィーフルーツグリーンまたはTAEDグリーン)を加えてもよい。
【0079】
本発明の洗浄剤が液状である場合は、水および/または1種以上の非水性溶剤を含んでもよい。
【0080】
適切な非水性溶剤として、たとえば、1価または多価アルコール類、アルカノールアミン類およびグリコールエーテル類の群から選択され、これらは水と混合される。溶剤は、エタノール、n−またはi−プロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルまたはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール−エチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ジプロピレングリコール−モノメチルまたはエチルエーテル、ジ−イソプロピレングリコールモノメチルまたはエチルエーテル、メトキシ−、エトキシ−またはブトキシ−トリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレン−グリコール−t−ブチルエーテル、およびこれらの溶剤の混合物から選択されるのが好ましい。非水性溶剤は、液体食器洗浄合成洗剤または除菌剤中、通常、総重量に対して、0.1〜90重量%、好ましくは1〜60重量%の量で使用することができる。
【0081】
さらに好ましい実施形態では、本発明の薬剤は、粒子状形態またはプレスされたタブまたは錠剤の形態で存在する固体薬剤である。
【0082】
本発明による薬剤は、薬剤の総重量に対して、0.1〜90重量%、より好ましくは1〜70重量%(たとえば、5〜70重量%)、さらにより好ましくは5〜60重量%の電解質を含む。
【0083】
粉末または液体形態に応じて、食器洗浄合成洗剤は、5〜60重量%の電解質を含むのが好ましい。
【0084】
衛生クリーナーは、5〜90%の電解質を含むのが好ましい。
【0085】
硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウムのような塩類は、たとえばイオン強度のような物理化学的パラメータに影響し、(たとえば、タンパク質および炭水化物中の)分子間および分子内結合の破壊における性能に従って使用されるべき薬剤の洗浄活性に有益である可能性がある。
【0086】
電解質は、アルカリ塩またはアルカリ土類塩が好ましく、より好ましくはアルカリ塩であり、とりわけナトリウム塩が好ましい。例として、硫酸ナトリウムまたは塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホスホン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、マレイン酸ナトリウムなどがある。アニオンの錯化および/またはpH調整性能に従って、pH調整緩衝系に加えて、好ましくは、クエン酸三ナトリウムおよび炭酸ナトリウムを使用する(たとえば、クエン酸/水酸化ナトリウムおよび/または炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム)のが好ましい。したがって、好ましい一実施形態では、電解質の少なくとも一部は、pH値を調整することができる物質(pH調整剤)の1種以上であってもよい。そのようなpH調整剤は、洗浄剤の適切なpH値を調整するために(または、薬剤が固体形態の場合は、該薬剤の1モル溶液のpH値を調整するために)使用される。
【0087】
食器洗浄合成洗剤の場合、pH値は、7〜12、特に8〜11に設定されるのが好ましい。
【0088】
この場合、pH調整剤は、アルカリ化剤が好ましい。アルカリ化剤は、好ましくは、塩基性アルカリ塩および/またはアルカリ土類塩および/またはアルカリおよび/またはアルカリ土類水酸化物の形態で利用可能である。これらの化合物のうち、アルカリ金属としてはナトリウムが好ましい。有効なアルカリ化剤が炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)と炭酸ナトリウムとの混合物を含む場合、特に好ましい。炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)との混合物が、約2〜4、特に2.8〜3.3重量部の炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)が、2重量部の炭酸ナトリウムに加えられるように混合されている場合、特に有益な結果が達成される。この混合物は、次いで、約8〜11、特に約9〜10のpH領域に調整することができる。
【0089】
石灰化を解消する除菌剤は、1〜6、特に2〜4の酸性pH値に設定するのが好ましい。
【0090】
この場合、pH調整剤は、酸性化剤が好ましい。無機および有機水溶性遊離酸の両方、ならびにこれらの無水物および酸性塩が好ましく使用される。硫酸水素ナトリウムまたはカリウムおよび/またはリン酸カルバミドの他に、特に、クエン酸、酒石酸などのような有機α−ヒドロキシ炭酸(フルーツ酸)、および/またはたとえばそれらの無水物が有効に使用することができる。また、好ましくは、これらは、アミドスルホン酸との混合物(たとえば、クエン酸とアミドスルホン酸との比が3:1)にも適用される。
【0091】
本発明による薬剤は、粘度の増加が望まれる可能性もある。たとえば、本発明による薬剤は、ゲルとして存在してもよい。この場合、水または有機液体、たとえばアルコールがフィラーとして使用され、追加的に増粘剤が加えられる。
【0092】
本発明による薬剤の粘度は、一般的に標準的な方法(たとえば、ブルックフィールド粘度計RVD−VII、20rpmおよび20℃、スピンドル3)を使用して測定することができる。好ましい液体ゲル状薬剤は、20mPaから4000mPaの間の粘度を示しうる。また、40mPaから2000mPaの間の値が好ましい。
【0093】
適切な増粘剤は、無機または高分子有機化合物である。異なる増粘剤の混合物も同様に使用することができる。
【0094】
無機増粘剤の中には、たとえば、ポリケイ酸、モンモリロナイト、ゼオライト、ケイ酸、層状シリケートおよびベントナイトのような粘度鉱物がある。有機増粘剤は、天然ポリマー、変性天然ポリマーおよび完全な合成ポリマーの群に由来する。増粘剤として使用される天然由来のポリマーは、たとえば、キサンタン、寒天、カラゲーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、多糖類、グアガム、ゲランゴム、キャロブ・ツリー・ゴム、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼインがある。液体便器洗浄剤の場合、キサンタンを増粘剤として使用するのが好ましい。液体食器洗浄合成洗剤の場合、アルギン酸塩、特にアルギン酸ナトリウムを増粘剤として使用するのが好ましい。
【0095】
変性天然物質は、主に、変性デンプンおよびセルロース類の群に由来し、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ならびにメチルヒドロキシエチルセルロースが例として挙げられる。
【0096】
薬剤が固形粒子状で存在する場合、体積平均粒子径(D50)は、好ましくは50〜800μm、より好ましくは100〜600μm、とりわけ好ましくは150〜450μmである。粒子径は、先に記載した方法で測定される。また、粒子状の本発明による薬剤は、「ハウスナー因子」として1.03〜1.3、より好ましくは1.04〜1.20、とりわけ1.04〜1.15を示すのが好ましい。「ハウスナー因子」は、嵩密度に対する圧縮密度の比を言う。個々の粒子径および個々のハウスナー因子により、たとえば、有用な溶解挙動を引き起こし、それに対応してより良好な洗浄結果をもたらす。(「ハウスナー因子」に関する情報は、

にある。
【0097】
前記情報は、本発明による薬剤の可能性のある成分を示す。基本的に、個々の成分は、記載した比率の範囲内で、任意の組合せで使用することができ、ほとんどの場合、効果的な洗浄剤の開発をもたらすことができる。とりわけ、1成分の好ましい範囲を他の成分の好ましい範囲と組合わせることが好ましい。代表例として、より詳しい検査を、食器洗浄機用合成洗剤、手で洗う食器洗浄合成洗剤および衛生便器洗浄剤の3つの分野の用途で行い、驚くべき良好な洗浄結果を得た。これらを、一般的におよび試験結果を含む具体的な例を使用して、以下に記載する。
【0098】
本発明によれば、カルバミド(尿素)だけ(100%)の使用で、驚くべき良好な洗浄性能およびガラスおよび食器の輝きを発揮する。
【0099】
カルバミドによる洗浄効率は、電解質の添加により、大きく増加する。とりわけ、硫酸ナトリウムおよび/または塩化ナトリウムのような天然塩の使用、またはクエン酸三ナトリウムの使用および/または炭酸ナトリウムおよび重炭酸ナトリウムの塩基性緩衝混合物の使用は、有益である。
【0100】
界面活性剤の添加により、洗浄活性が向上し、とりわけ、食器類からの油脂の除去が向上する。
【0101】
たとえば、1〜2%の酵素の添加(とりわけ、pH8〜10および40〜50℃で高いヒドロラーゼ活性を持つ酵素の添加)により、食器洗浄機における洗浄性能は、さらに向上する。市販の酵素(会社:ノボザイムズ)からの、担体に結合するアミラーゼ−、リパーゼ−およびプロテアーゼ活性を有する酵素製剤を食器洗浄粉末において使用して、成功している。
【0102】
さらなる改善は、たとえば、茶、コーヒーまたはコメのしみの除去は、少量(1〜2%)のトリロンM、易生分解性錯化剤、ポリカルボキシレート(ソカラン)およびホスホネート(バイヒビット、好ましくは、0.19%までの量)の添加により、達成することができる。
【0103】
さらに、濯ぎ剤を使用する必要がないことが示されている。その上、漂白剤の添加も必要とせず、これは、とりわけ、環境を配慮している。
【0104】
さらなる利点の1つは、本発明の洗浄剤は、35℃から45℃の間で理想的な洗浄活性を発揮することである。これは、エネルギー消費を大きく減少させることになる。
【0105】
最後に、本発明による洗浄剤は、高い保存安定性を示す。
【0106】
特に食器洗浄合成洗剤粉末、特に食器洗浄機用合成洗剤として使用するための好ましい一薬剤は、以下の成分を含む。
カルバミド:25〜70重量%;
電解質:10〜50重量%;
(とりわけ非イオン)界面活性剤:1〜5重量%;
酵素:1〜5重量%;
錯化剤:1〜15重量%;
匂い物質:0.1重量%まで。
【0107】
特に手で洗う食器洗浄合成洗剤液体(とりわけ、濃縮した形態)として使用するための好ましい一薬剤は、以下の成分を含む。
カルバミド:10.0〜20.0重量%;
両性界面活性剤(複数を含む):5.0〜10.0重量%;
アニオン性界面活性剤(複数を含む)5.0〜20.0重量%;
電解質(たとえば、NaCl):0.1〜10重量%(たとえば、1〜5重量%);
安定剤(たとえば、グリセロール):2.0〜7.0重量%、たとえば5.0重量%;
スキンケア成分(たとえば、プロリン):0.5〜3.0重量%、たとえば2.0重量%;
抗微生物剤(たとえば、PHB−エステル類):0.1〜1.5重量%、たとえば1.0重量%;
匂い物質/着色剤:0.1〜1.0重量%、たとえば0.5%;
水性緩衝液(たとえば、pH5.4)(クエン酸/NaOHから):35.0〜70.0重量%。
【0108】
特に除菌剤粉末として使用するための好ましい一薬剤は、以下の成分を含む。
カルバミド:10〜30重量%;
電解質:40〜90重量%;
界面活性剤:5重量%まで;
錯化剤:20重量%まで;および
pH調整酸:20重量%まで。
【0109】
除菌剤として使用するための薬剤の前記実施形態において、記載した界面活性剤として、1種以上の特に有益なアニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0110】
先に記載したように、本発明は、食器洗浄合成洗剤としてのまたは除菌剤としての本発明による薬剤の使用に関するのみならず、カルバミドを使用することにより、酵素を減らすまたはなくすための方法にも関する。
【0111】
先に説明したように、本発明の目的は、食器洗浄合成洗剤または除菌剤中の酵素を減らすまたはなくす方法であって、酵素含有食器洗浄合成洗剤または酵素含有除菌剤に関して、好ましくはある量の酵素を、5〜50倍量、好ましくは10〜40倍量、より好ましくは15〜35倍量、とりわけ20〜30倍量のカルバミドまたはその誘導体で置き換えることを特徴とする方法である。
【0112】
特に、本発明による方法は、プロテアーゼを部分的にまたは完全に置き換えるように使用される。
【0113】
本発明の方法によれば、当業者は、閉じた系用の酵素含有洗浄剤(特に洗浄する、衛生化するおよび/または消毒するための酵素含有薬剤)の、酵素含有食器洗浄合成洗剤の、または酵素含有除菌剤の酵素含量を、全部または部分的に置き換えることができる。酵素含有出発薬剤が、たとえば、10gの酵素を含み、これを全部置き換えるとすれば、この量を、好ましくは、50g〜500gのカルバミドによって置き換える。置換物質の体積が変化するため、他の成分で調整することが求められ、たとえば、充填剤含量が減らされる。
【0114】
本発明による方法により、酵素含量が減少した洗浄剤、除菌剤または食器洗浄合成洗剤、または酵素を含まない洗浄剤が得られる。
【0115】
したがって、本発明の目的は、また、閉じた系用の酵素含有洗浄剤、特に、洗浄する、衛生化するおよび/または消毒するための酵素含有薬剤、酵素を含まない洗浄剤、特に酵素を含まない食器洗浄合成洗剤または酵素を含まない除菌剤であり、酵素含有または酵素を含有しない閉じた系用の洗浄剤、酵素を含有しない食器洗浄合成洗剤または酵素を含有しない除菌剤の総重量に対して、5〜99.9重量%、好ましくは10〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらにより好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは25〜75重量%、さらに特に好ましくは20〜70重量%、とりわけ20〜60重量%のカルバミドおよび/または1種以上のその誘導体を含む薬剤である。
【0116】
要約すれば、注目すべきは、本発明による薬剤は、予期しえぬ有益な特性のため、数多くの用途のために何にでも利用できる起点を構成することである。本発明による薬剤は、数多くの物質に関し、良好な溶解力および捕捉能力を示す。本発明による薬剤の主成分は、中性の毒物学的に無害の天然物質であるため、皮膚に非常に穏やかで、素早く生分解しうる。カルバミドは、特に閉じた系用の洗浄剤(特に、洗浄する、衛生化するおよび/または消毒するための薬剤)において、ならびに食器洗浄合成洗剤および除菌剤において、予期しえぬ、良好な可溶化剤であることが見出されている。多量のカルバミドにもかかわらず、本発明による薬剤は、洗浄すべき、たとえば食器、および特にガラスの表面によって、予期しえぬほど耐容性があることが実証されている。表面には、望ましくない腐食効果は観察されなかった。さらに予期しえぬことに、本発明による薬剤によって、不快な臭いも発生しなかった。
【0117】
毒物学的および生態学的に無害なカルバミドの使用により、他の先に記載した生物学的にも無害の添加剤との組合せで、たとえば、「バイオ洗浄剤」と呼ばれる製剤も可能にする。
【0118】
本発明を、以下の実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0119】
Industrieverband Korperpflege-und Waschmittel e.V.[ドイツ化粧品、化粧用品、香水および洗剤協会(German Cosmetic, Toiletry, Perfumery and Detergent Association)]の品質勧告に基づいて、2つの試験シリーズを行った。試験シリーズAは、食器洗浄合成洗剤としての本発明による薬剤の有益な特性を示し、試験シリーズBは、衛生便器クリーナーとしての本発明による薬剤の有益な特性を示す。
【0120】
試験シリーズA:食器洗浄合成洗剤
【0121】
A1:方法
食器洗浄合成洗剤を、食器洗浄機用合成洗剤の洗浄力を測定する方法、IKW(Industrieverband Korperpflege und Waschmittel e.V.), Frankfurt a.M.; SOFW-Journalの増刷版, 124. Volume11/98)に従って試験した。
【0122】
本発明による製剤の洗浄力を、以下の装置で試験した。
食器洗浄機:

[Bowman食器洗浄機TSG704]
【0123】
以下のパラメータを選択した。
プログラム:速い
水温:洗い49℃/濯ぎ55℃
プログラム時間+保持時間:60分
水消費量:9.6リットル
合成洗剤の用量:1回の濯ぎサイクルごとに10g
濯ぎ助剤の用量:濯ぎ助剤は使用せず
バラスト汚れの用量:1回の濯ぎサイクルごとに15g
【0124】
個々の試験製品のより良好な識別を達成するために、記載した個々の汚れに加えて、試験中にバラスト汚れを洗浄サイクルに加えた。深冷凍結した汚れの立方体の形をしたバラスト汚れは、主に、脂肪成分とタンパク質およびデンプンを含む食物とから構成される。簡単に除去される食べ物の残りによる汚れの追加をシュミレートするため、および食器洗浄機に追加の負荷をかけるために、この汚れを追加した。
【0125】
種々の食器について、個々の汚れを加える前に、基本的な洗浄作業を行わなければならなかった。これは、特にある汚れの残留が大きいため、前の試験での残留物がまだ食器に存在するかもしれなかったので、必要である。また、新しく使用した食器は、最初の使用の前に、3種の基本的な洗浄作業を行った。試験での汚れは、以下のように作った。
【0126】
1.陶器の皿上のひき肉
−225gのひき肉(半分/半分)と75gの全卵とを混合する。
−ひき肉/卵混合物(300g)を80mlの水中で攪拌し、次いで台所用混合ロッドで2分間均質化する。
−3g±0.1gの混合物を、各皿上に秤量し、平らに広げる。
−乾燥オーブン中、70℃で2時間乾燥させる。
評価:カルボール・ゲンチアン・バイオレットで着色した後、IKWフォトカタログにより、目視。
【0127】
2.デンプン混合物
6皿の調製
−2.6gのデンプンミックス(ジャガイモおよびトウモロコシデンプン)を、200mlの水に溶解する。
−この1.3%デンプン溶液を、95℃で10分間加熱する(アルミホイルでガラスビーカーを覆う)。
−29.5g±0.1gのこの溶液を各皿に秤量する。
−乾燥オーブン中、70℃で4時間乾燥させる。
−乾燥後、皿を計る。
評価:
【0128】
【数1】

【0129】
より良好な目視観察のために、ヨウ素(2.5mM)を用いる着色を行った。
【0130】
3.オートミール
6皿の調製
−25mlの牛乳(1.5%脂肪)、75mlの水および5gのオートミールを10分間沸騰させる。
−3gのオートミールスープを、皿の内側の表面に平らに広げる。
−乾燥オーブン中、70℃で2時間乾燥させる。
評価:ヨウ素(2.5mM)で着色した後、IKWフォトカタログに従って目視。
【0131】
4.卵黄
−生卵から卵黄を分離する。
−1.0g±0.1gの卵黄の固まりを、各ステンレス鋼ボールに秤量し、平らに広げる。
−乾燥オーブン中、70℃で30分間乾燥させる。
−乾燥後、食器の重さを量る。
評価:
【0132】
【数2】

【0133】
A2:判定
異なる製剤の洗浄力を判定する。得点が高いほど、洗浄力が良好である。
【0134】
A3:製剤
以下の固形洗浄製剤を製造した。
【0135】
【表1】

【表2】

【0136】
主導製造業者の市販の粉末食器洗浄合成洗剤(>30%のリン酸塩、5〜15%の酸系漂白剤、5%未満の非イオン界面活性剤、ポリカルボキシレート、酵素(プロテアーゼ、アミラーゼ)を含む)を、参照標準として選択した。
【0137】
以下の液体洗浄製剤を製造した。
【0138】
【表3】

【表4】

【0139】
液体状の洗浄剤は、0.1%のPHB−エステル類が保存剤として存在する場合、25℃までの安定性に関し、製剤A3−7、A3−9、A3−10およびA3−11は、特に効果的であった。
【0140】
A4:結果
A3で記載した製剤をA1で記載した方法に従って試験し、A2に従って判定した。全ての推奨製剤が、市販の食器洗浄合成洗剤に対する要求を満たすことが分かった。
【0141】
特に好ましい製剤A3−5およびA3−7の洗浄力を、例として計算した。
【0142】
【表5】

【0143】
製剤A3−5の洗浄力は、全ての種類(ひき肉、オートミール、デンプン混合物および卵黄)において、参照標準より大きく上回っていたことを実証することができた。製剤A3−7も、オートミール、デンプン混合物および卵黄の種類において、参照標準より大きく上回っていた。
【0144】
A5:検討
要約すれば、本発明による製剤の洗浄力は、参照標準に相当し、それを超えることが多いと述べるべきである。また、本発明によれば、酵素を大きく減らすことができ、あるいは完全になくすことができることを実証していた。
試験シリーズB:衛生便器洗浄剤
【0145】
B1:方法
Industrieverband Korperpflege-und Waschmittel e.V.[ドイツ化粧品、化粧用品、香水および洗剤協会](IKW、洗浄剤およびケア製品部(IKW、Department Cleaning Agents and Care Products))の品質勧告に基づいて、酸性便器洗浄剤の品質を評価する比較試験方法を開発した。衛生便器洗浄剤を、Industrieverband Korperpflege-und Waschmittel e.V. (IKW)、洗浄剤およびケア製品部、 Frankfurt a.M. (1999 Version)の、酸性便器洗浄剤の品質評価/品質推奨の品質評価のための推奨に従って試験した。
【0146】
石灰石に関するそれぞれの製剤の溶解力を検査した。公知の市販製品を、再び、参照標準として利用した。
【0147】
試験シリーズを始める前に、ハンマーおよびタガネを使用して、大理石板を砕かなければならなかった。重量測定評価の間、狂いが生じないように、それぞれの試験片をできるだけ均一にし、同程度の質量(約13±1g)とすることに、注意を払った。次いで、大理石片を完全に洗浄し、それらが恒量となるまで、乾燥オーブン中で一晩乾燥した。
【0148】
この試験のために、2個の大理石片を、総質量が約25±1gとなるように、化学天秤で重さを量った。その後、それらを50gの試験製品が入ったガラスビーカーに15分間置き、その間大理石片は洗浄剤で完全に覆われる要求を満たしていた。この時間が終了した後、大理石片を流水で完全に洗浄し、次いで、石灰の溶解量を重量測定することができるように、それらを恒量になるまで乾燥した。
【0149】
試験製品を直接他の製品と比較できるようにするため、それらを20%溶液として試験し、参照標準の20%溶液と比較した。
【0150】
製品の水垢の溶解力(LDP)を測定し、統計値を改善するために、異なる大理石片を毎回新しい洗浄剤溶液を使用して、6回試験を行った。
【0151】
試験が20〜23℃の温度範囲で行われること、すなわち、周辺、製品および大理石担体の温度がこの温度の範囲内であることに注意を払った。
【0152】
B2:判定:
溶解した炭酸カルシウムの量を、20%溶液中の記載した標準便器洗浄剤との関連で評価した。
【0153】
【数3】

【0154】
水垢の溶解指数は、少なくとも0.7であった。実際の用途では、1.3を超える値は必ずしも必要でないことが実証された。
【0155】
公知の製造業者の市販の衛生便器クリーナーを、「標準衛生便器洗浄剤」として使用した。
【0156】
B3:製剤
【0157】
【表6】

【0158】
B4:結果:
【0159】
【表7】

【0160】
さらに、製剤B3−1の熱安定性を試験した。判定は目視による。8℃、25℃、30℃および40℃で、製剤は、透明の液体であった。
【0161】
B5:検討
本発明による製剤は、有益な洗浄効果と同時に、有益な安定性も示したことが実証された。本発明による製剤は、表面に穏やかな洗浄を可能にすることも明らかになった。試験に使用した大理石片の強い黒色は、そのまま残った。
【0162】
C.さらなる実施例:
C1:食器洗浄合成洗剤
【0163】
【表8】

【表9】

【表10】

【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)5〜99.9重量%のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体と、
(b)0.1〜90重量%の1種以上の電解質と、
(c)40重量%までの1種以上の界面活性剤と、
(d)10重量%までの1種以上の酵素と、
(e)20重量%までの1種以上の錯化剤と、
を含む洗浄剤。
【請求項2】
20〜70重量%のカルバミドおよび/またはその1種以上の誘導体を含む請求項1記載の洗浄剤。
【請求項3】
(a)5〜99.9重量%のカルバミドと、
(b)0.1〜90重量%の1種以上の電解質と、
(c)40重量%までの1種以上の界面活性剤と、
(d)10重量%までの1種以上の酵素と、
(e)20重量%までの1種以上の錯化剤と
を含む請求項1記載の洗浄剤。
【請求項4】
10〜70重量%のカルバミドを含む請求項3記載の洗浄剤。
【請求項5】
5〜70重量%の少なくとも1種の電解質を含む先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項6】
0.1〜35重量%の少なくとも1種の界面活性剤を含む先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項7】
0.01〜5重量%の少なくとも1種の酵素を含む先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項8】
0.5〜15重量%の少なくとも1種の錯化剤を含む先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項9】
15〜65重量%の少なくとも1種のカルバミドを含む、食器洗浄合成洗剤として使用するための先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項10】
5〜60重量%の少なくとも1種の電解質を含む、食器洗浄合成洗剤として使用するための先の請求項のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項11】
10〜40重量%の少なくとも1種のカルバミドを含む、衛生クリーナーとして使用するための請求項1、3または5〜8のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項12】
5〜90重量%の少なくとも1種の電解質を含む、衛生クリーナーとして使用するための請求項1、3、6〜8または11のいずれか1つに記載の洗浄剤。
【請求項13】
(a)25〜70重量%のカルバミドと、
(b)10〜50重量%の1種以上の電解質と、
(c)1〜5重量%の1種以上の界面活性剤と、
(d)1〜5重量%の1種以上の酵素と、
(e)1〜15重量%の1種以上の錯化剤と、
0.1重量%までの1種以上の匂い物質と、
を含む、食器洗浄合成洗剤として使用するための請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項14】
(a)10〜30重量%のカルバミドと、
(b)40〜90重量%の1種以上の電解質と、
(c)5重量%までの1種以上の界面活性剤と、
(d)20重量%までの1種以上の錯化剤と、
を含む、衛生クリーナーとして使用するための請求項1に記載の洗浄剤。
【請求項15】
カルバミドおよび/またはその誘導体の洗浄剤としての用途。

【公表番号】特表2012−520910(P2012−520910A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500144(P2012−500144)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/001682
【国際公開番号】WO2010/105816
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(503197049)ベーベーテー ベルゲドルファー ビオテヒニク ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】