説明

カンナビノイドレセプターリガンド

【課題】一般式(I)の化合物、そのような化合物を製造するためのプロセス、一つ以上のそのような化合物を含む薬学的処方物または薬学的組成物、その薬学的処方物または薬学的組成物を調製するための方法を提供する。
【解決手段】式(I):


の化合物(例えば、N−[5−(2−(2−フルオロフェニルスルホニル)−4−トリフルオロメトキシベンゾイル)インダン−1−イル]トリフルオロメチルスルホンアミド)またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、;その化合物の薬学的組成物は、カンナビノイドレセプターリガンドとして有用であり得、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、または呼吸疾患を処置するために用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2002年11月25日出願の米国仮特許出願第60/428,861号からの優先権の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、カンナビノイド(CB)レセプターに結合するカンナビノイドレセプターリガンドとして有用な化合物に関する。本発明に従う化合物は、抗炎症性活性および免疫調節性活性を示し得、そして炎症および免疫調節の不規則性によって特徴付けられる状態を処置することにおいて有用であり得る。処置され得る状態の例としては、慢性関節リウマチ、神経障害性疼痛、喘息、アレルギー、乾癬、クローン病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、癌、緑内障、骨粗鬆症、腎性虚血、大脳発作、大脳虚血、および腎炎が挙げられるが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0003】
カンナビノイドレセプターは、Gタンパク質共役レセプターのスーパーファミリーに属する。それらは、主にニューロン性のCBレセプターおよび主に末梢性のCBレセプターに分類される。これらのレセプターは、アデニル酸シクラーゼならびにCa2+電流およびK電流を調節することにより、それらの生物学的作用を発揮する。CBレセプターの影響は、主として、中枢神経系に関連するが、一方でCBレセプターは、気管支の収縮、免疫調節および炎症に関連して末梢性の影響を及ぼすと考えられている。
情報によると、CBレセプターと相互作用し、そして/または、とりわけ、カンナビノイドレセプターに関連する抗炎症活性を有する様々な化合物が、開発されてきている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8を参照のこと。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,338,753号明細書
【特許文献2】米国特許第5,462,960号明細書
【特許文献3】米国特許第5,532,237号明細書
【特許文献4】米国特許第5,925,768号明細書
【特許文献5】米国特許第5,948,777号明細書
【特許文献6】米国特許第5,990,170号明細書
【特許文献7】米国特許第6,013,648号明細書
【特許文献8】米国特許第6,017,919号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
構造式(I):
【化1】


で表される化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−CF、置換もしくは非置換のアルコキシ、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−CF、置換もしくは非置換のアルコキシ、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;または
およびRは、Z、NおよびYと一緒になって4員〜8員の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル部分を形成し、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
各Rは、同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
各Xは、存在する場合には、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、−NR、ハロ、−CF、−OCFH、−OCF、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−C(O)NR、−NO、−CN、−S(O)、−S(O)NRおよび−NRS(O)からなる群から選択され;
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、各々独立して、Hまたはアルキルからなる群から選択されるか、または
およびRは、該Rおよび該Rが各々結合されるNと一緒になって4員〜8員の、N、OおよびSからなる群から選択される一つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて有するヘテロシクロアルキル部分を形成し、ここで該ヘテロシクロアルキル部分の該さらなるNヘテロ原子(存在する場合には)または任意の環炭素原子は、Hまたはアルキルで置換され得;
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、各々独立して、Hまたはアルキルからなる群から選択され;
は、−C(R−、−OC(O)−、−C(O)−、−C(O)O−、−(CH(OR))−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−C(O)−、−O−、−N(R)、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−(CH(OR))−および−CF−からなる群から選択され;
は、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分またはヘテロシクロアルキル部分であって、ここで、pが1以上の場合には、該アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分またはヘテロシクロアルキル部分はDで置換されており;
は、アルキル部分、シクロアルキル部分、ヘテロシクロアルキル部分、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここで、qが1以上の場合には、該アルキル部分、シクロアルキル部分、ヘテロシクロアルキル部分またはヘテロアリール部分はAで置換されており;
mは1〜3であり;
nは、0〜3であり、ここでnが1より大きい場合には、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
pは0〜4であり;
qは0〜5であり;
tは0〜6であり、ここでtが1より大きい場合には、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
vは1〜3であり;
Aは、M上の随意の置換基であり、各Aは、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、−O−置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、−CN、−NO、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NR、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてqが1より大きい場合には、各Aは同一であってもまたは異なっていてもよく;
Dは、M上の随意の置換基であり、各Dは、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、−O−置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、−CN、−NO、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NR、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてpが1より大きい場合には、各Dは同一であってもまたは異なっていてもよく;
Yは、共有結合、−(CR−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;そして
Zは、共有結合、−(CR−、−S(O)0〜2−、および−C(O)−からなる群から選択され;
ただし、以下:
が共有結合である場合は、MはMに直接連結され;
Yが共有結合である場合は、Rは−N−Z−Rの窒素原子に直接連結され;そして
Zが共有結合である場合は、Rは−N−Y−Rの窒素原子に直接連結される、
化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目2)
が、水素、置換または非置換のアルキル、−N(R、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目3)
が、水素、置換または非置換のアルキル、−N(R、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目4)
が、水素および置換または非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目5)
が水素である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
Xが、アルキル、ハロゲン、−CF、−OCF、−OHおよびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して選択される、項目1に記載の化合物。
(項目7)
が、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−NR−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目8)
が、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目9)
が、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される部分であって、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じてDで置換され得る、項目1に記載の化合物。
(項目10)
が、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、フラニル、チエニル、およびピリジニルからなる群から選択される部分である、項目9に記載の化合物。
(項目11)
が、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される部分であって、ここで、該アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じてAで置換され得る、項目1に記載の化合物。
(項目12)
が、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニル、およびピリジニルからなる群から選択される部分である、項目11に記載の化合物。
(項目13)
nが0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目14)
pが0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目15)
qが0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目16)
tが0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目17)
Aが、qが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、−NR、−Cl、−F、−CF、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目18)
Dが、pが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、−O−シクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてnは0〜2である、項目1に記載の化合物。
(項目19)
Yが、−S(O)−または−C(O)−を表す、項目1に記載の化合物。
(項目20)
Zが、共有結合または−S(O)−を表す、項目1に記載の化合物。
(項目21)
Zが、共有結合であり、RがHであり、nが0であり、そしてR、L、L、M、M、q、p、A、DおよびYが、以下の表:
【表3−1】


【表3−2】


【表3−3】


で定義されるものである、項目1に記載の化合物。
(項目22)
構造式IA:
【化2】


により表される、項目1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、−CF、−CH、シクロペンチル、および−NCからなる群から選択され;
Xは、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、および共有結合からなる群から選択され;
は、−S(O)−、−CH−および−C(O)−からなる群から選択され;
は、−S(O)−、および−CH−からなる群から選択され;
Dは、−OCF、−Cl、シクロプロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され;そして
は、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目23)
が、−CFおよび−CHからなる群から選択され;
Yが、−S(O)−であり;
Xが、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され;
が、−S(O)−および−CH−からなる群から選択され;
が、−S(O)−であり;
Dが、−OCF、−Cl、およびシクロプロピルからなる群から選択され;そして
が、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される、項目22に記載の化合物。
(項目24)
構造式IB:
【化3】


により表される、項目1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールおよび置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
は、水素および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
Xは、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;
は、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択され;
は、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここで、該アリール部分またはヘテロアリール部分は、必要に応じてAで置換され得;
nは0〜2であり;
pは0〜2であり;そして
qは0〜2である、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目25)
項目24に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
は、水素であり;
は、−C(R−、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;
Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;
は、必要に応じてAで置換され得、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分であり;
nは0〜2であり;
pは0〜2であり;そして
qは0〜2である、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目26)
構造式IC:
【化4】


により表される、項目1に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールおよび置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
は、水素および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
は、水素またはアルキルであり;
Xは、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;
は、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−NR−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択され;
は、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここで、該アリール部分またはヘテロアリール部分は、必要に応じてAで置換され得;
nは0〜2であり;
pは0〜2であり;そして
qは0〜2である、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目27)
項目26に記載の化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物であって、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;
は、水素であり;
は、水素またはアルキルであり;
は、−C(R−、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;
Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つ以上のXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;
は、必要に応じてAで置換され得、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分であり;
nは0〜2であり;
pは0〜2であり;そして
qは0〜2である、化合物または該化合物の薬学的に受容可能な塩または該化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物。
(項目28)
前記化合物が、以下:
【化5】


からなる群から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目29)
一つ以上の項目1に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
(項目30)
一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、項目29に記載の薬学的組成物。
(項目31)
項目29に記載の薬学的組成物を調製する方法であって、該方法が、一つ以上の式Iに記載の化合物を一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアに接触させる工程
を包含する、方法。
(項目32)
患者中のカンナビノイドCBレセプターを調節する方法であって、該方法が、CBレセプターを調節する量の、一つ以上の項目1に記載の化合物を、CBレセプターを有する患者に投与する工程
を包含する、方法。
(項目33)
癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、または呼吸疾患を処置する方法であって、該方法が、そのような処置を必要とする患者に、一つ以上の項目1に記載の化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目34)
癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、または呼吸疾患を処置する項目33に記載の方法であって、該癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、または呼吸疾患が、皮膚T細胞リンパ腫、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、骨粗鬆症、腎性虚血、心筋梗塞、大脳発作、大脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性(原因不明性)線維化肺胞炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、脈管炎、神経障害性疼痛、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、クローン病、炎症性腸疾患、可逆性気道閉塞症、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および気管支炎からなる群から選択される一つ以上の疾患である、方法。
(項目35)
癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、もしくは呼吸疾患を処置する項目33に記載の方法であって、項目1に記載の化合物を、一つ以上の第2の薬剤および他の抗炎症薬と共投与する工程または併用する工程をさらに包含し、該一つ以上の第2の薬剤は、互いに同一であってもよくもしくは異なっていてもよく、独立して、DMARDS、NSAIDS、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制剤、BRMからなる群から選択される、方法。
(項目36)
キットであって、該キットは、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、もしくは呼吸疾患を処置することにおける使用のための薬学的組成物を含み、ここで該組成物は一つ以上の項目1に記載の化合物および一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含む、キット。
(発明の要旨)
一つの実施形態においては、本発明は、構造式(I):
【0006】
【化6】

で表される化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物を提供し、ここで:
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−CF、置換もしくは非置換のアルコキシ、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−CF、置換もしくは非置換のアルコキシ、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;または
およびRは、Z、NおよびYと一緒になって4員〜8員の置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル部分を形成し、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
各Rは、同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアリール、および置換もしくは非置換のヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し;
各Xは、存在する場合には、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、−NR、ハロ、−CF、−OCFH、−OCF、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−C(O)NR、−NO、−CN、−S(O)、−S(O)NRおよび−NRS(O)からなる群から選択され;
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、各々独立して、Hまたはアルキルからなる群から選択されるか、または
およびRは、このRおよびこのRが各々結合されるNと一緒になって、4員〜8員の、N、OおよびSからなる群から選択される一つのさらなるヘテロ原子を必要に応じて有するヘテロシクロアルキル部分を形成し、ここでこのヘテロシクロアルキル部分のこのさらなるNヘテロ原子(存在する場合には)または任意の環炭素原子は、Hまたはアルキルで置換され得;
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、各々独立して、Hまたはアルキルからなる群から選択され;
は、−C(R−、−OC(O)−、−C(O)−、−C(O)O−、−(CH(OR))−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;
は、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−C(O)−、−O−、−N(R)、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−(CH(OR))−および−CF−からなる群から選択され;
は、アリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分またはヘテロシクロアルキル部分であって、ここで、pが1以上の場合には、このアリール部分、ヘテロアリール部分、シクロアルキル部分またはヘテロシクロアルキル部分はDで置換されており;
は、アルキル部分、シクロアルキル部分、ヘテロシクロアルキル部分、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここで、qが1以上の場合には、このアルキル部分、シクロアルキル部分、ヘテロシクロアルキル部分、アリール部分、またはヘテロアリール部分はAで置換されており;
mは1〜3であり;
nは、0〜3であり、ここでnが1より大きい場合には、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
pは0〜4であり;
qは0〜5であり;
tは0〜6であり、ここでtが1より大きい場合には、各Xは同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;
vは1〜3であり;
Aは、M上の随意の置換基であり、各Aは、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、−O−置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、−CN、−NO、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NR、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてqが1より大きい場合には、各Aは同一であってもまたは異なっていてもよく;
Dは、M上の随意の置換基であり、各Dは、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、−O−置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリール、−CN、−NO、−C(O)OR、−C(O)NR、−NRC(O)R、−NR、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてpが1より大きい場合には、各Dは同一であってもまたは異なっていてもよく;
Yは、共有結合、−(CR−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;そして
Zは、共有結合、−(CR−、−S(O)0−2−、および−C(O)−からなる群から選択され;
ただし、以下:
が共有結合である場合は、MはMに直接連結され;
Yが共有結合である場合は、Rは−N−Z−Rの窒素原子に直接連結され;そして
Zが共有結合である場合は、Rは−N−Y−Rの窒素原子に直接連結される。
【0007】
本発明の別の局面は、薬学的組成物に関し、その薬学的組成物は、一つ以上の式(I)の化合物を、好ましくは一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアとともに含む。
【0008】
本発明の別の局面は、薬学的組成物を調製する方法に関し、その方法は、一つ以上の式(I)の化合物を一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアに接触させる工程を包含する。
【0009】
本発明の別の局面は、カンナビノイドCBレセプターを調節する(阻害するか、または活性化する)必要のある患者において、カンナビノイドCBレセプターを調節する(阻害するか、または活性化する)方法に関し、その方法は、CBレセプターを調節する量の、一つ以上の式(I)の化合物を、CBレセプターを有する患者に投与する工程を包含する。
【0010】
本発明の別の局面は、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、または呼吸疾患を処置する方法に関し、その方法は、そのような処置を必要とする患者に、一つ以上式Iの化合物を投与する工程を包含する。
【0011】
本発明の別の局面は、式(I)の化合物を一つ以上の第2の薬剤および他の抗炎症剤と共投与すること(co−administering)により、または組み合わせることにより、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、もしくは呼吸疾患を処置する方法に関し、この一つ以上の第2の薬剤は、互いに同一であってもよくもしくは異なっていてもよく、独立して、DMARDS、NSAIDS、COX−2インヒビター、COX−1インヒビター、免疫抑制剤、BRMからなる群から選択される。
【0012】
本発明の別の局面は、多発性硬化症を処置する方法に関し、その方法は、(1)少なくとも一つの式(I)の化合物;および(2)式Iの化合物とは異なる一つ以上のさらなる薬剤を共投与する工程または組み合わせる工程を包含し、その一つ以上のさらなる薬剤は、独立して、インターフェロンB1a、インターフェロンB1bおよびグラチラマーアセテート(glatiramer acetate)からなる群から選択される。
【0013】
本発明の別の局面は、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、もしくは呼吸疾患からなる群から選択される疾患を処置するためのキットに関し、このキットは、一つ以上の容器の中に、そのような調節を必要とする患者においてカンナビノイドCBレセプターを調節するための活性成分を含み、ここで上記活性成分は、一つ以上の式(I)の化合物および一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含む。
【0014】
実施例における数字を除いて、または特に示されない限り、本明細書中および特許請求の範囲中で使用される、成分の量、反応条件などを表すすべての数字は、すべての例において、用語「約」により緩和されているとして理解されるべきである。
【0015】
(詳細な説明)
本発明の多くの実施形態においては、本発明は、一つの範疇の上記の一般式(I)の化合物、そのような化合物を製造するためのプロセス、一つ以上のそのような化合物を含む薬学的処方物または薬学的組成物、その薬学的処方物または薬学的組成物を調製するための方法、および、炎症または免疫調節または以下に詳細に議論されるような他の状態もしくは疾患に関連する一つ以上の状態もしくは疾患の処置、予防、阻害または改善の方法を提供し、そしてこの一般式(I)の化合物は、カンナビノイドレセプターリガンドとして有用であり得る。
【0016】
上記一般式(I)に言及すれば、Rは、好ましくは、水素、置換または非置換のアルキル、−N(R、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のヘテロアリールおよび置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。
【0017】
より好ましくは、Rは、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、および置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。
【0018】
は、好ましくは、水素、置換または非置換のアルキル、−N(R、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクロアルキル、置換または非置換のアリール、および置換または非置換のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。
【0019】
より好ましくは、Rは、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、および置換または非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。
【0020】
は、好ましくは、水素および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)置換基で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。より好ましくは、Rは水素である。
【0021】
Xは、好ましくは、アルキル、ハロ、−CF、−OCF、−OHおよびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択される。
【0022】
は、好ましくは、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−NR−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択される。より好ましくは、Lは、−C(R−、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択される。
【0023】
は、好ましくは、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択される。より好ましくは、Lは、共有結合、−C(R−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択される。
【0024】
は、好ましくは、アリールまたはヘテロアリールからなる群から選択され、ここで上記アリールまたはヘテロアリールは、必要に応じてDで置換され得る。Mの非限定的な例としては、フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、フラニル、チエニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分が挙げられる。
【0025】
は、好ましくは、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、上記アリール部分またはヘテロアリール部分は、必要に応じてAで置換され得る。Mの非限定的な例としては、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分が挙げられる。
【0026】
nは、好ましくは、0〜2である。
【0027】
pは、好ましくは、0〜2である。
【0028】
qは、好ましくは、0〜2である。
【0029】
tは、好ましくは、0〜2である。
【0030】
Aは、qが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、好ましくは、独立して、−NR、−Cl、−F、−CF、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、ヘテロアリール、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。より好ましくは、Aは、qが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、−NR、−Cl、−F、−CF、−OCF、、および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2である。
【0031】
Dは、pが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、好ましくは、独立して、−Br、−Cl、−F、−CF、−OH、−OCFH、−OCF、アルコキシ、置換もしくは非置換のアルキル、シクロアルキル、−O−シクロアルキル、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、ヘテロアリール、および−S(O)からなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、
そしてnは0〜2である。より好ましくは、Dは、pが1より大きい場合には同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、−Cl、−F、−CF、−OCFH、−OCF、置換もしくは非置換のアルキル、シクロアルキル、およびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてnは0〜2である。
【0032】
Yは、好ましくは、−S(O)−または−C(O)−を表す。
【0033】
式1の例示的な化合物は、以下の表1に示され、ここでZは共有結合であり、RはHであり、nは0であり、そしてR、L、L、M、M、q、p、A、DおよびYは以下の表Iに定義されるとおりである:
【0034】
【表1−1】

【0035】
【表1−2】

【0036】
【表1−3】

別の実施形態においては、本発明は構造式(IA):
【0037】
【化7】

により表される化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物を提供し、ここで:
は、−CF、−CH、シクロペンチル、および−NCからなる群から選択され;
Xは、ハロ、−CF、−OHおよび−OCFからなる群から選択され;
Yは、−S(O)−、−C(O)−、および共有結合からなる群から選択され;
は、−S(O)−、−CH−および−C(O)−からなる群から選択され;
は、−S(O)−、および−CH−からなる群から選択され;
Dは、−OCF、−Cl、シクロプロピル、およびイソプロピルからなる群から選択され;そして
は、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される。
【0038】
別の実施形態においては、本発明は、式(IA)の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物に関し、ここでRは、−CFおよび−CHからなる群から選択され;
Xは、ハロ、−OH、−CF、および−OCFからなる群から選択され;
Yは、−S(O)−であり;
は、−S(O)−および−CH−からなる群から選択され;
は、−S(O)−であり;
Dは、−OCF、−Cl、およびシクロプロピルからなる群から選択され;そして
は、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される。
【0039】
別の実施形態においては、本発明は、式(IA)の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物に関し、ここでRは、−CFであり;Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され;Yは、−S(O)−であり;Lは、0、−S(O)であり;Lは、−S(O)−であり;Dは、−OCF、−Cl、およびシクロプロピルからなる群から選択され;そしてMは、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される。
【0040】
別の実施形態においては、本発明は、式(IB):
【0041】
【化8】

の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物に関し、ここでRは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールおよび置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Rは、水素および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Xは、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;Lは、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−NR−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;Lは、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択され;Mは、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここで、このアリール部分またはヘテロアリール部分は、必要に応じてAで置換され得;nは0〜2であり;pは0〜2であり;そしてqは0〜2である。
【0042】
別の実施形態においては、本発明は、構造式(IB)により表される化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物を提供し、ここでRは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Rは、水素であり;Lは、−C(R−、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;Lは、共有結合、−C(R−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;Mは、必要に応じてAで置換され得、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分であり;nは0〜2であり;pは0〜2であり;そしてqは0〜2である。
【0043】
別の実施形態においては、本発明は、構造式(IB)により表される化合物に関し、ここでRは、−CFであり;Xは、ハロ、−OH、−CF、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−であり;Lは、−S(O)−であり;Lは−S(O)−であり;そしてMは、ピリジニルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される。
【0044】
別の実施形態においては、本発明は、構造式(IC):
【0045】
【化9】

により表される化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物を提供し、ここで:Rは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、−N(R、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のヘテロアリールおよび置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Rは、水素および置換もしくは非置換のアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Rは、水素またはアルキルであり;Xは、アルキル、ハロゲン、−CF、−OH、−OCF、およびアルコキシからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;Lは、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−、−O−、−NR−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−CF−および−C(=N−OR)−からなる群から選択され;Lは、共有結合、−C(R−、−C(=N−OR)−、−S(O)−、−C(O)−、−O−、−N(R)−、−C(O)NH−および−NHC(O)−からなる群から選択され;Mは、アリール部分またはヘテロアリール部分であって、ここでこのアリール部分またはヘテロアリール部分は、必要に応じてAで置換され得;nは0〜2であり;pは0〜2であり;そしてqは0〜2である。
【0046】
別の実施形態においては、本発明は、式(IC)の化合物、またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩またはこの化合物の薬学的に受容可能な溶媒和物に関し、ここでRは、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、ここで用語「置換」とは、(X)で置換されていることを意味し、そしてtは0〜2であり;Rは、水素であり;Rは、水素またはアルキルであり;Lは、−C(R−、−C(O)−、および−S(O)−からなる群から選択され;Lは、共有結合、−C(R−、−S(O)−、および−C(O)−からなる群から選択され;Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−または−C(O)−を表し;Mは、必要に応じてAで置換され得、フェニル、フラニル、チエニル、キノリニルおよびピリジニルからなる群から選択される部分であり;nは0〜2であり;pは0〜2であり;そしてqは0〜2である。
【0047】
別の実施形態においては、本発明は、式(IC)の化合物に関し、ここで、Rは、−CFであり;Xは、ハロゲン、−CF、−OH、および−OCFからなる群から選択され、ここで一つより多いXが存在する場合には、各Xは、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして独立して選択され;Yは、−S(O)−であり;Lは、−S(O)−であり;Lは、−S(O)−であり;そしてMは、ピリジルおよび2−フルオロフェニルからなる群から選択される。
【0048】
好ましい実施形態においては、本発明の化合物は、以下の化合物からなる群から選択される:
【0049】
【化10】

【0050】
【化11】

本発明に従うカンナビノイドレセプターリガンドは、抗炎症性活性および/または免疫調節性活性を有し得、例えば、神経障害性疼痛、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、骨粗鬆症、腎性虚血、大脳発作、大脳虚血、腎炎、乾癬、アレルギー、肺および胃腸管の炎症性障害(クローン病など)、および気道の障害(可逆性気道閉塞症、喘息、および気管支炎など)が挙げられる様々な医学的状態の処置において有用である。
【0051】
特に明記される場合を除いて、以下の定義は、本明細書および特許請求の範囲全体にわたって当てはまる。用語が単独で使用されるか、または他の用語と組み合わせて使用されるかに関わらず、これらの定義は当てはまる。従って、「アルキル」の定義は、「アルキル」に当てはまり、同様に「アルコキシ」、「ハロアルキル」などの「アルキル」部分にも当てはまる。
【0052】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖であってよい、そしてその鎖中に1個〜約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、1個〜約12個の炭素原子をその鎖中に含む。より好ましいアルキル基は、1個〜約6個の炭素原子をその鎖中に含む。分枝鎖アルキルは、メチル、エチルまたはプロピルなどの一つ以上の低級アルキル基が直鎖のアルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」とは、約1個〜約6個の炭素原子をその鎖中に有する基を意味し、その鎖は直鎖であり得るかまたは分枝鎖であり得る。本発明において好ましいアルキル基は、低級アルキル基である。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、ヘプチル、ノニル、デシル、トリフルオロメチルおよびシクロプロピルメチルが挙げられる。
【0053】
「アルケニル」とは、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有し、直鎖または分枝鎖であってよく、そしてその鎖中に2個〜15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、その鎖中に2個〜2個の炭素原子を有し;そしてより好ましくは、その鎖中に2個〜6個の炭素原子を有する。分枝鎖は、メチル、エチルまたはプロピルなどの一つ以上の低級アルキル基が直鎖のアルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」とは、直鎖であり得るかまたは分枝鎖であり得るその鎖中の2個〜6個の炭素原子を意味する。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、およびn−ペンテニルが挙げられる。
【0054】
「ハロ」とは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基またはヨード基を意味する。好ましいハロ基は、フルオロ、クロロ、ブロモであり、より好ましいのは、フルオロおよびクロロである。
【0055】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。好ましいのは、フッ素、塩素または臭素であり、より好ましいのは、フッ素および塩素である。
【0056】
「ハロアルキル」または「ハロゲン化アルキル」とは、一つ以上のハロ原子置換基を有するアルキルを意味する。非限定的な例としては、−CHCl、−CHCl、−CCl、−CHF、−CHF、−CF、−CH−CHCl、−CH−CHCl、−CHCl−CHClが挙げられる。
【0057】
「ヘテロアルキル」とは、一つ以上のヘテロ原子を含む、上記で定義されるような直鎖または分枝鎖のアルキル鎖を意味し、そのヘテロ原子は、同一であってもまたは異なっていてもよく、独立して、N、OおよびSからなる群から選択される。
【0058】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、このアリールおよびアルキルは上記に記載のとおりである。好ましいアラルキルは、低級アルキル基を備える。適切なアラルキル基の非限定的な例としては、ベンジル、フェニルエチルおよびナフタレニルメチルが挙げられる。そのアラルキル基は、そのアルキルを介して隣接する部分に連結される。
【0059】
「アルキルアリール」とは、アルキル−アリール基を意味し、このアルキルおよびアリールは上記に記載のとおりである。好ましいアルキルアリールは、低級アルキル基を備える。適切なアルキルアリール基の非限定的な例としては、トリルおよびキシリルが挙げられる。そのアルキルアリール基は、そのアリールを介して隣接する部分に連結される。
【0060】
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、このアルキル基は上記に記載のとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシおよびイソプロポキシが挙げられる。そのアルキル基は、そのエーテル酸素を介して隣接する部分に連結される。
【0061】
「アリールオキシ」とは、アリール−O−基を意味し、このアリール基は上記に記載のとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。そのアリール基は、そのエーテル酸素を介して隣接する部分に連結される。
【0062】
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル−O−基を意味し、このアラルキル基は上記に記載のとおりである。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよびナフタレニルメトキシが挙げられる。そのアラルキル基は、そのエーテル酸素を介して隣接する部分に連結される。
【0063】
「アルキルアミノ」とは、その窒素上の一つ以上の水素原子が上記に記載されるようなアルキル基で置換されている−NHまたは−NH基を意味する。
【0064】
「アリールアミノ」とは、その窒素上の一つ以上の水素原子が上記に記載されるようなアリール基で置換されている−NHまたは−NH基を意味する。
【0065】
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、このアルキル基は上記に記載のとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、およびイソプロピルチオが挙げられる。そのアルキルは、その硫黄を介して隣接する部分に連結される。
【0066】
「アリールチオ」とは、アリール−S−基を意味し、このアリール基は上記に記載のとおりである。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。そのアリールは、その硫黄を介して隣接する部分に連結される。
【0067】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル−S−基を意味し、このアラルキル基は上記に記載のとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。そのアラルキルは、その硫黄を介して隣接する部分に連結される。
【0068】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。そのアルコキシは、そのカルボニルを介して隣接する部分に連結される。
【0069】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。そのアリールオキシは、そのカルボニルを介して隣接する部分に連結される。
【0070】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。そのアラルコキシは、そのカルボニルを介して隣接する部分に連結される。
【0071】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。そのアルキルは、そのスルホニルを介して隣接する部分に連結される。好ましくは、その「アルキルスルホニル」のアルキル部分は、低級アルキルである。
【0072】
「アルキルスルフィニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。そのアルキルは、そのスルフィニルを介して隣接する部分に連結される。好ましくは、その「アルキルスルフィニル」のアルキル部分は、低級アルキルである。
【0073】
「アリールスルホニル」とは、アリール−S(O)−基を意味する。そのアリールは、そのスルホニルを介して隣接する部分に連結される。
【0074】
「アリール」とは、6個〜14個の環炭素原子、好ましくは6個〜10個の環炭素原子を含む芳香族単環式環系または芳香族多環式環系を意味する。そのアリール基は、必要に応じて、一つ以上の「環系置換基」で置換され得、この環系置換基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして本明細書中に定義されるとおりである。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0075】
「ヘテロアリール」とは、O、SもしくはNから独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を有する、5個または6個の環原子をもつ環状芳香族基または11個〜12個の環原子をもつ二環式基を表し、上記ヘテロ原子は、その環が隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない限り、炭素環式環構造をさえぎり、そして芳香族性を提供するのに十分な数の非局在化したπ電子を有する。好ましいヘテロアリールは、5個〜6個の環原子を含む。その「ヘテロアリール」は、必要に応じて、一つ以上の「環系置換基」で置換され得、この環系置換基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして本明細書中に定義されるとおりである。上記ヘテロアリールの根名称(root name)の前の接頭辞アザ、オキサまたはチアは、それぞれ、少なくとも一つの窒素原子、少なくとも一つの酸素原子または少なくとも一つの硫黄原子が、環原子として存在することを意味する。窒素原子は、N−オキシドを形成し得る。すべての位置異性体は企図される(例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル)。有用な6員環ヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニルなどおよびそれらのN−オキシドが挙げられる。有用な5員環ヘテロアリール環としては、フリル、チエニル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリルなどが挙げられる。有用な二環式ヘテロアリール基としては、上記で名前を挙げられたヘテロアリール基から誘導されるベンゾ縮合した環系、例えば、キノリル、フタラジニル、キナゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリルなどが挙げられる。
【0076】
「環系置換基」とは、芳香族環系または非芳香族環系に結合された置換基を意味し、その環系置換基は、例えば、その環系上の利用可能な水素を置換する。環系置換基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、各々が、独立して、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アラルキルオキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルキルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオおよびシクロアルキルからなる群から選択される。
【0077】
「シクロアルキル」とは、3個〜10個の環炭素原子、好ましくは3個〜7個の環炭素原子、より好ましくは3個〜6個の環炭素原子を含む非芳香族単環式縮合環系または非芳香族多環式縮合環系を意味する。そのシクロアルキルは、必要に応じて、一つ以上の「環系置換基」で置換され得、この環系置換基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして上記に定義されるとおりである。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例としては、1−デカリニル、ノルボルネニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0078】
「ヘテロシクロアルキル」とは、3個〜10個の環炭素原子、好ましくは3個〜7個の環炭素原子、より好ましくは3個〜6個の環炭素原子を含む非芳香族の単環式縮合環系または非芳香族の多環式縮合環系を意味し、ここで、そのヘテロシクロアルキルは、O、SまたはNから独立して選択される1個または2個のヘテロ原子を有し、上記ヘテロ原子は、その環が隣接する酸素原子および/または硫黄原子を含まない限り、炭素環式環構造をさえぎる。そのヘテロシクロアルキルは、必要に応じて、一つ以上の「環系置換基」で置換され得、この環系置換基は、同一であってもまたは異なっていてもよく、そして上記に定義されるとおりである。
【0079】
用語「必要に応じて置換された」とは、特定された基、ラジカルまたは部分による随意の置換を意味する。
【0080】
用語「溶媒和物」とは、本明細書中で使用される場合には、一つ以上の溶媒分子とともに溶質イオンまたは溶質分子からなる凝集体、例えば、そのようなイオンを含む水和物を意味する。
【0081】
本明細書中で使用される場合には、用語「組成物」および「処方物」は、その特定の成分を含む生成物、およびその特定の成分の組み合わせから、直接にまたは間接に生じるいずれの生成物をも包含することを意図されている。
【0082】
「患者」としては、ヒトおよび動物の両方が挙げられる。
【0083】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0084】
用語「有効量」、「治療的に有効な量」、および「薬学的に有効な量」は、組織、系、動物または患者に対して、その投与者(研究者、医者または獣医など)によって求められている効果を及ぼす、式I、IA、IBまたはICの化合物の治療薬の量を意味することを意図されており、その効果としては、処置されようとする状態または疾患の症状の緩和および、その疾患または状態(例えば、本明細書中で議論される炎症性疾患、免疫調節性疾患または呼吸疾患)の予防、その疾患または状態の進行の鈍化もしくは停止が挙げられる。
【0085】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本発明の範囲内に企図される。用語「プロドラッグ」は、本明細書中で用いられる場合には、被験体への投与によって、代謝プロセスまたは化学プロセスにより化学的変換を受け、式Iの化合物またはその化合物の塩および/もしくはその化合物の溶媒和物を与える薬物前駆体である化合物を示す。プロドラッグに関する議論は、T.HiguchiおよびV.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)、the A.C.S Symposium Seriesの14中、およびBioreversible Carriers in Drug Design,(1987)Edward B.Roche、編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press中に提供され、これらの両方が本明細書中で、参考として援用される。
【0086】
式I、IA、IBおよびICの化合物は、塩、溶媒和物およびプロドラッグを形成し得、これらもまた本発明の範囲内である。本明細書中での式I、IA、IBまたはICの化合物への言及は、特に示されない限り、その化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグへの言及を包含すると理解される。用語「塩」とは、本明細書中で用いられる場合は、無機酸および/または有機酸とともに形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基とともに形成される塩基性塩を示す。加えて、式I、IA、IBまたはICの化合物がピリジンまたはイミダゾールなどの(しかし、これらに限定されない)塩基性部位およびカルボン酸などの(しかし、これに限定されない)酸性部位の両方を備える場合は、双性イオン(「内部塩」)が形成され得、この双性イオンは、本明細書中で用いられる場合の用語「塩」の中に含まれる。薬学的に有効な(すなわち、非毒性で、生理学的に受容可能な)塩が好ましいが、他の塩もまた有用である。上記式I、IA、IBまたはICの化合物の塩は、例えば、式I、IA、IBまたはICの化合物を一定量の酸または塩基と、例えば当量の酸または塩基と、上記塩が沈殿する媒体などの媒体中で反応することにより、または水性媒体中で反応しその後凍結乾燥することにより生成され得る。
【0087】
例示的な酸付加塩としては、アセテート、アジペート、アルギネート、アスコルベート、アスパルテート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート(benzenesulforiate)、硫酸水素塩、ボレート、ブチレート、シトレート、カンフォレート、カンファースルホネート、シクロペンタンプロピオネート、ジグルコネート、ドデシルスルフェート、エタンスルホネート、フマレート、グルコヘプタノエート、グリセロホスフェート、ヘミスルフェート、ヘプタノエート、ヘキサノエート、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホネート、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート、2−ナフタレンスルホネート、ニコチネート、ニトレート、オキサレート、ペクチネート、ペルスルフェート、3−フェニルプロピオネート、ホスフェート、ピクレート、ピバレート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、スルホネート(例えば、本明細書中で言及されるもの)、タータレート、チオシアネート、トルエンスルホネート(トシレートとしても公知)、ウンデカノエートなどが挙げられる。さらには、塩基性の薬学的化合物からの薬学的に有用な塩の生成ために適切であると一般に考えられる酸は、例えば、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1〜19;P.Gould,International J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;およびAndersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New
York)により議論される。これらの開示は、本明細書中で、参考として援用される。
【0088】
例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、リチウム塩、およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(hydrabamine)(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンを用いて生成される)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド、t−ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、ならびにアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩が挙げられる。塩基性の窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチルクロリド、エチルクロリド、プロピルクロリド、ブチルクロリド、メチルブロミド、エチルブロミド、プロピルブロミド、ブチルブロミド、メチルヨージド、エチルヨージド、プロピルヨージド、およびブチルヨージド)、ジアルキルスルフェート(例えば、ジメチルスルフェート、ジエチルスルフェート、ジブチルスルフェート、およびジアミルスルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシルクロリド、ラウリルクロリド、ミリスチルクロリド、ステアリルクロリド、デシルブロミド、ラウリルブロミド、ミリスチルブロミド、ステアリルブロミド、デシルヨージド、ラウリルヨージド、ミリスチルヨージド、およびステアリルヨージド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルブロミドおよびフェネチルブロミド)などの試薬、ならびに他の試薬で第四級化され得る。
【0089】
すべてのそのような酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であると意図されており、すべての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のために、その対応する化合物の遊離の形態に等価であると考えられる。
【0090】
式I、IA、IBおよびICの化合物、ならびにその化合物の塩、その化合物の溶媒和物およびその化合物のプロドラッグは、それらの互変異性体で(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)存在し得る。すべてのそのような互変異性体は、本明細書中で、本発明の一部として企図される。
【0091】
様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在し得る立体異性体などの、本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(その化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにそのプロドラッグの塩および溶媒和物の立体異性体を含めて)は、鏡像異性体(これは不斉炭素の不在においてでさえ存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体、およびジアステレオマー体を含めて、本発明の範囲内として企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に、他の異性体を含まなくてもよいか、または、例えば、ラセミ体として混合され得、もしくはすべての他の立体異性体と混合され得、もしくは選択された立体異性体と混合され得る。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより規定されるように、S配置およびR配置を有し得る。上記用語「塩」、「溶媒和物」「プロドラッグ」などの使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ体またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグに等しく適用することが意図される。
【0092】
本発明はまた、一つ以上の本発明の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物を含む薬学的組成物に関する。好ましくは、その薬学的組成物は、一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含有する。本発明により記載される化合物から薬学的組成物を調製するために、不活性な、薬学的に受容可能なキャリアが使用され得る。そのようなキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散性顆粒、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が挙げられる。この散剤および錠剤は、約5〜約95パーセントの活性成分から構成され得る。適切な固体キャリアは当該分野で公知であり、それは、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースである。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアの例および様々な組成物のための製造の方法は、A.Gennaro(編),Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,(1990),Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania中に見出され得る。
【0093】
坐剤を調製するために、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物などの低融点のワックスが最初に溶融され、そして上記活性成分がその中に、攪拌などにより均一に分散させられる。その溶融した均一の混合物は、次いで便利な大きさの型に注ぎ込まれ、冷却され、それにより固化する。
【0094】
液体形態の調製物としては、液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。一つの例としては、非経口注入のための水または水−プロピレングリコール液剤が挙げられる。
【0095】
液体形態の調製物としてはまた、鼻腔内投与のための液剤も挙げられ得る。
【0096】
吸入のために適切なエアゾール製剤としては、溶液および粉末形態の固体が挙げられ得、その溶液および粉末形態の固体は、不活性な圧縮ガスなどの薬学的に受容可能なキャリアと組み合わされて存在し得る。
【0097】
使用の直前に、経口投与または非経口投与のいずれかのための液体形態の調製物に変換することを意図される固体形態の調製物もまた挙げられる。そのような液体形態としては、液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。
【0098】
本発明の化合物または組成物はまた、経皮によっても送達可能であり得る。この経皮用組成物は、クリーム、ローション、エアゾールおよび/または乳剤の形態をとり得、この目的のために当該分野で従来と同じように、マトリックス型の経皮用パッチ内またはレザバー型の経皮用パッチ内に含有され得る。
【0099】
本発明の別の局面は、患者中のカンナビノイドCBレセプターを調節する(阻害するか、または活性化する)方法であって、この方法は、CBレセプターを調節する量の、一つ以上の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物を、患者に投与する工程を包含する。患者中のカンナビノイドCBレセプターを調節するための、式I、IA、IBおよび/またはICの化合物の一日の投薬量は、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約100mg、好ましくは、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約50mg、より好ましくは、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約10mgの範囲にわたり得る。
【0100】
本発明の別の局面は、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、もしくは呼吸疾患を処置する方法に関し、この方法は、そのような処置を必要とする患者に、一つ以上の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物を投与する工程を包含する。好ましくは、本発明のこの局面において投与される式I、IA、IBおよび/またはICの化合物の量は、治療的に有効な量である。疾患または状態の処置のための式I、IA、IBおよび/またはICの化合物の一日の投与量は、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約100mg、好ましくは、1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約50mg、より好ましくは1日あたり、体重1kgあたり約0.001〜約10mgの範囲にわたり得る。70kgの平均体重に対しては、この投薬レベルは、1日あたり約0.1mg〜約700mgの薬物の範囲にわたり得、1回の投与量で与えられるか、または2〜4回に分けられた投与量で与えられる。しかしながら、正確な投与量は、主治医によって決定され、投与される化合物の効力、その患者の年齢、体重、状態および応答に依存する。
【0101】
本発明の化合物は、抗炎症性活性および/または免疫調節活性を示し得、そして以下に列挙される様々な医学的状態の処置において有用である。この有用性は、次のアッセイにおける活性により実証されるように、明白である。
【0102】
潜在的カンナビノイドレセプターリガンドを、組換型カンナビノイドレセプターへの結合についての[H]CP−55,940との拮抗する能力についてスクリーニングした。試験化合物は、100%DMSO中で調製された貯蔵品から、希釈緩衝液(50mM トリス pH7.1、1mM EDTA、3mM MgCl、0.1% BSA、10%DMSO、0.36%メチルセルロース(Sigma M−6385))中に連続的に希釈した。アリコート(10μl)を、96ウェルのマイクロタイタープレートに移した。組換型ヒトカンナビノイドCB2レセプター(Receptor Biology #RB−HCB2)または組換型ヒトカンナビノイドCB1レセプター(Receptor Biology #RB−HCB1)の膜調製物を、結合緩衝液(50mM トリス pH7.2、1mM EDTA、3mM MgCl、0.1% BSA)中に0.3mg/mlまで希釈した。アリコート(50μl)を、上記マイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。その結合反応を、[H]CP−55,940(New England Nuclear #NET1051;比活性は、180Ci/mmolに等しく、New England Nuclearより入手可能)を上記マイクロタイタープレートの各ウェルに添加することにより、開始した。各100μlの反応混合物は、1%DMSOおよび0.036%メチルセルロースを含有する結合緩衝液中に、0.48nMの[H]CP−55,940、15μgの膜タンパク質を含有した。室温での2時間のインキュベーションに続いて、その反応混合物を、TomTec Mark 3U収集機(Hamden、CT)を用い、0.5%のポリエチレンイミンでコーティングされたGF/Cフィルタープレート(UniFilter−96、Packard)を通して濾過した。そのフィルタープレートを、結合緩衝液で5回洗浄し、180°回転し、次いで結合緩衝液で5回再洗浄した。結合された放射能を、30μlのPackard Microscint 20シンチレーション剤の添加に続いて、Packard TopCount NXTマイクロプレートシンチレーション計数計中で定量した。その得られるデータの非線型回帰分析を、Prism 2.0b(GraphPad、San Diego、CAから)を用いて実施した。
【0103】
本発明の化合物は、Ki値(nM単位)により測定された場合には、CB2レセプターに対して潜在的な親和性を示した。本発明の化合物についての活性(効力)は、それらのKi値を測定することにより決定される。そのKi値が小さいほど、CB2レセプターを調節することについて、その化合物はより活性である。本発明の化合物は、幅広い範囲の活性を示す。式I、IA、IBまたはICを有する化合物に対するCB2の平均Ki値は、一般に、>0nM(例えば、0.1nM)〜約1000nM、好ましくは約0.1nM〜約1000nM、より好ましくは約0.1nM〜約100nM、より好ましくは約0.1nM〜約20nM、そして最も好ましくは約20nMよりも小さい範囲にわたる。優れたCB2阻害活性(約20ナノモル濃度(nM)よりも小さいKi値)を示す本発明の代表的な化合物は、以下の通りである:表1からの化合物2、5、6、8、9、10、12、19、および23。
【0104】
本発明の化合物はまた、CB1レセプターを調節することとは対照的に、CB2レセプターを調節することについて高度に選択的である。「選択的調節剤」とは、化合物の、そのCB2レセプターのKiに対するそのCB1レセプターのKiの選択比が約100より大きいこと、好ましくは約500より大きいこと、より好ましくは約1000より大きいこと、そして最も好ましくは約3000よりも大きいことを意味する。
【0105】
本発明の化合物が、以下に列挙される一つ以上の疾患を処置することにおいて有用であり得ることが企図される。
【0106】
上記癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、および呼吸疾患の非限定的な例としては、皮膚T細胞リンパ腫、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、骨粗鬆症、腎性虚血、心筋梗塞、大脳発作、大脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎、乾癬、アトピー性皮膚炎、脈管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、クローン病、炎症性腸疾患、可逆性気道閉塞症、成人呼吸促進症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および気管支炎からなる群から選択される疾患が挙げられる。
【0107】
式I、IA、IBおよび/またはICの化合物は、単一治療として投与され得る。さらには、本発明の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物は、式I、IA、IBおよび/またはICの化合物とは化学的に異なる一つ以上の第2の薬剤と共投与され(co−administered)得、またはその第2の薬剤と組み合わせて使用され得、その第2の薬剤としては、例えば、メトトレキサート、アザチオプリン(azathioptrine)レフルノミド、ペニシラミン、金塩、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミドおよび他の類似の薬物などの、疾患を改善する抗リウマチ剤(DMARDS)が挙げられる。本発明の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物はまた、以下の薬剤と共投与され得、または以下の薬剤と組み合わせて使用され得る:ピロキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、イブプロフェンなどの一つ以上の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS);ロフェコキシブ(rofecoxib)(Vioxx(登録商標)(Merck & Company,Whitehouse Station,NJから)として入手可能である)およびセレコキシブ(celecoxib)(Celebrex(登録商標)(Pfizer Inc.,New York,New Yorkから)として入手可能である)などのCOX−2選択的なインヒビター;ピロキシカム(Feldene(登録商標)(Pfizer Inc.,New York,New Yorkから)として入手可能である)などのCOX−1インヒビター;ステロイド、シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシンなどの免疫抑制剤;エタネルセプト(Etanercept)(Enbrel(登録商標)(Wyeth−Ayerst,Philadelphia,PAから)として入手可能である)、インフリキシマブ(infliximab)(Remicade(登録商標)(Centocor,Inc.,Malvern,PAから)として入手可能である)、IL−1アンタゴニスト、抗CD40、抗CD28、IL−10、抗接着分子などの生物学的応答改善剤(BRM);ならびにp38キナーゼインヒビター、PDE4インヒビター、TACEインヒビター、ケモキネシスレセプターアンタゴニスト、サリドマイド(Thalomide(登録商標)(Celgene,Corporation,Warren,NJから)として入手可能である)および炎症促進性サイトカイン産物の他の低分子インヒビターなどの他の抗炎症薬。本発明の化合物が共投与され得るか、または組み合わせて使用され得る他の薬物としては、アナプロックス、アラバ(Arava)、アルスロテック(Arthrotec)、アズルフィジン、アスピリン、カタフラム、セレストン ソルスパン(Celestone Soluspan)、クリノリル、コートンアセテート、クプリミン、デイプロ(Daypro)、デカドロン、デペン(Depen)、デポメドロール、ディサルシド(Disalcid)、ドルビッド、ナプロシン、ジェングラフ(Gengraf)、ハイドロコートン、イムラン、インドシン、ロヂン(Lodine)、モトリン(Motrin)、ミオクリシン、ナルホン(Nalfon)、ナプレラン、ネオラール、、オルヂス、オルベイル(Oruvail)、ペディアプレド(Pediapred)、プラキニール、プレロン、リラフェン、ソルメドロール、トレクチン、トリリゼート(Trilisate)およびボラタレン(Volataren)が挙げられる。これらは、上記で名前を挙げられた薬物の任意の処方物を含む。
【0108】
多発性硬化症の処置に対しては、本発明の化合物は、一つ以上のさらなる薬剤と組み合わせてもしくは一つ以上のさらなる薬剤と関連して共投与され得るか、または使用され得、そのさらなる薬剤は、同一であってもまたは互いに異なっていてもよく、独立してAvonex(登録商標)(BiogenからのインターフェロンB−1a)、Betaseron(登録商標)(BerlexからのインターフェロンB−1b)およびCopaxone(登録商標)(Teva Neuroscience incorporatedからの酢酸グラチラマー(glatiramer acetate)からなる群から選択される。
【0109】
一つより多い活性薬剤を用いる組み合わせ処置に対しては、その活性薬剤は別の投薬処方物の状態にあり、その活性薬剤は別々に、または一緒に投与され得る。加えて、一成分の投与は、他の薬剤、または他の薬剤の投与に先立ち得、他の薬剤の投与と同時であり得、または他の薬剤の投与に引き続いてであり得る。理想的には、その活性薬剤は、同時に与えられるべきである。
【0110】
本発明の別の局面は、癌、炎症性疾患、免疫調節性疾患、および呼吸疾患を処置することにおける使用のための薬学的組成物を含むキットに関し、上記組成物は一つ以上の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物ならびに一つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含む。好ましくは、そのキット中の式I、IA、IBおよび/またはICの化合物の量は、治療的に有効な量である。疾患または状態の処置に対する式I、IA、IBおよび/またはICの化合物の一日の投与量は、1日あたり、体重1kgあたり約0.001mg〜約100mg、好ましくは、1日あたり、体重1kgあたり約0.001mg〜約50mg、より好ましくは、1日あたり、体重1kgあたり約0.001mg〜約10mgの範囲にわたり得る。
【0111】
本発明の化合物は、一般に、当該分野で公知のプロセス、例えば、以下に記載されるプロセスにより調製される。
【0112】
以下の手順またはスキームにおいて、以下の略号が使用される:水性(aq)、無水(anhyd)、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、ジブロモジメチルヒダントイン(DBDMH)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ジエチルエーテル(EtO)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール(EtOH)、酢酸エチル(EtOAC)、脱離基(LG)、メタ−クロロ過安息香酸(MCPBA)、メタンスルホン酸(MsOH)、塩化メタンスルホニル(MsCl)、Merck−シリカプレートでの分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)、フェニル(Ph)、ピリジウムクロロクロメート(PCC)、ピリジン(Py)、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(triflic anhydride)(TfO)、テトラヒドロフラン(THF)、シリカゲルクロマトグラフィー(sgc)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、室温(rt)、時間(h)、分(min)、モル濃度(M)、1平方インチあたりのポンド(psi)、および飽和塩化ナトリウム溶液(ブライン)。
【発明を実施するための形態】
【0113】
(一般スキームI)
(フェニル化合物の調製)
【0114】
【化12】


(反応一般スキームIの説明:)
工程1では、ブロモインダノン(化合物A)をTHF、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジオキサン、またはジエチルエーテルなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、そして室温で、1〜5時間、NaBHと反応させ化合物Bを生成する。
【0115】
工程2では、化合物Bをトルエン、ベンゼンまたはトルエンなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、0℃と室温との間でPO(OPh)およびDBUと反応させる。その生成物(化合物C)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0116】
工程3では、化合物Cをメタノール、ジオキサン、エタノールまたはTHFなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、0℃と45℃との間で0.5時間〜48時間、SnClと反応させる。その反応混合物を、次いで乾燥状態まで濃縮し、そして次いで塩化メチレン、THF、ジオキサン、およびジクロロエタンなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、そして−78℃と室温との間で、TFAAおよびEtNと反応させる。その生成物(化合物D)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0117】
工程4では、化合物Dを、THFまたはジエチルエーテル中に溶解し、ドライアイス/IPA浴中で冷却し、n−BuLiで処理する。その得られるアニオンをスルホニルフルオリド(i)で捕捉する。その生成物(化合物E)をクロマトグラフィーまたは結晶化によって精製し得る。そのフッ化スルホニル(i)を、アセトンおよび水中で、その対応するスルホニルクロリドをKFで処理することにより調製する。そのフッ化スルホニルをsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0118】
工程5では、化合物EをTHF中に溶解し、−78℃で、n−BuLiなどの塩基で処理し、ジアニオンを生成し、そのジアニオンを、M−L−LGにより表される適切な求電子剤で捕捉する。ここで、LGは、Cl、Br、メシレートまたはトリフレートなどの脱離基を表す。その反応混合物を、水性NHClまたはリン酸塩緩衝液などの適切なプロトン源を用いてクエンチし、次いでEtOAc、エーテル、またはメチルアセトンなどの適切な溶媒で抽出する。その生成物(化合物F)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0119】
工程6では、化合物Fをジオキサン、エタノール、メタノールまたはTHFなどの適切な溶媒中に溶解し、水酸化リチウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を、水溶液としてまたは固体としてのいずれかで添加する。その反応混合物を、室温で0.5時間〜24時間攪拌する。その生成物、化合物G、をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0120】
工程7では、化合物Gおよびトリエチルアミンまたは(iPr)NEtなどの第三級アミン塩基の組み合わせを、塩化メチレンまたはジオキサンなどの適切な溶媒中に室温で溶解し、冷却する。式R−Y−LGにより表される適切な求電子剤を添加し、ここでLGは、臭化物、塩化物またはフッ化物などの脱離基を表す。その反応混合物を、−78℃および次いで室温との間で、0.5時間〜48時間攪拌する。その生成物、化合物H、をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0121】
(一般スキームII)
【0122】
【化13】

(ベンジルアミノ化合物の調製)
(反応一般スキームIIの説明:)
スキームIの工程6の生成物をCHCl、THF、ジオキサンおよび塩化メチレンなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、そしてケトンまたはアルデヒド、Na(OAc)BHおよびHOAcと反応させる。その生成物をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
(一般スキームIII)
(インドール化合物の調製)
【0123】
【化14】

(反応一般スキームIIIの説明:)
工程1では、BocOを、適切な不活性溶媒(THF、塩化メチレンまたはジクロロエタンなど)中に溶解し、そしてDMAPの存在下でインドール誘導体である化合物Aと反応させる。生成物である化合物Bをsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0124】
工程2では、化合物BをTHFまたはジエチルエーテル中に溶解し、ドライアイス/IPA浴中で冷却し、n−BuLiで処理する。その得られるアニオンをフッ化スルホニル(化合物(i))で捕捉する。その生成物である化合物Cをクロマトグラフィーまたは結晶化によって精製し得る。そのフッ化スルホニル(i)を、スキームIの工程3の生成物をTHFまたはジエチルエーテル中に溶解することにより調製し、ドライアイス/IPA浴中で冷却し、n−BuLiで処理する。その得られるアニオンをSOガスで捕捉し、次いでNCSと反応させる。その得られる塩化スルホニルをアセトン 水(1:1)溶媒中でKFで処理する。その生成物(化合物i)をクロマトグラフィーまたは結晶化によって精製し得る。
【0125】
工程3では、化合物Cをジオキサン、エタノール、メタノールまたはTHFなどの適切な溶媒中に溶解する。水酸化リチウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を、水溶液としてまたは固体としてのいずれかで添加する。その反応混合物を、室温で0.5時間〜24時間攪拌する。その生成物である化合物Dをsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0126】
工程4では、化合物Dおよびトリエチルアミンまたは(iPr)NEtなどの第三級アミン塩基を、塩化メチレンまたはジオキサンなどの適切な溶媒中に室温で溶解し、冷却し、そして適切な求電子剤(式R−Y−LGにより表され、ここでLGは、ClまたはBrであり得る)を添加する。その反応混合物を、−78℃と室温との間で、0.5時間〜48時間攪拌する。その生成物である化合物Eをsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0127】
工程5では、化合物Eを、THF、塩化メチレン、ジクロロエタン、DMF、またはDMSOなどの適切な不活性溶媒中に溶解する。水性NaOH、NaOH、NaH、またはNaCOを塩基として使用する。求電子剤(M−L−LGにより表され、ここでLGは、ClまたはBrなどの脱離基を表す)を添加し、そしてその反応混合物を、テトラブチルアンモニウムスルホン、塩化メチル−n−ブチルアンモニウム、または水酸化ベンジルトリエチルアンモニウムなどの相間移動触媒の存在下で、0℃と100℃との間で0.5時間〜48時間攪拌する。その生成物をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0128】
(一般スキームIV)
(フェニルメチレン連結化合物の調製)
【0129】
【化15】

(反応一般スキームIVの説明:)
工程1では、スキームIの工程3の生成物(スキームIVの化合物A)をTHFまたはジエチルエーテル中に溶解し、ドライアイス/アセトン浴(−78℃)中で冷却し、n−BuLiで処理する。そのジアニオンを、次いでアルデヒド(i)を含むTHF溶液またはジエチルエーテル溶液で処理する。その生成する混合物を室温まで温め、そして10時間攪拌する。その生成物(化合物B)をクロマトグラフィーによって精製する。
【0130】
工程1のアルデヒド(化合物i)を、次の2つの手順のうちの1つにより調製した。
【0131】
【化16】

A)4−置換ベンズアルデヒドの位置選択的オルト−リチオ化、および置換フェニルジスルフィドを用いるクエンチ、およびメタクロロ過安息香酸を用いる、そのスルホンへの酸化。
【0132】
B)オルトフルオロベンズアルデヒド由来のフッ化物の、チオフェニル、フェノールまたはアニリンによる塩基助触媒での置換。
【0133】
工程2では、(化合物B)をTHF、塩化メチレンまたはジクロロエタンなどの適切な不活性溶媒中に溶解し、EtSiHおよびBF.EtOまたはトリフルオロ酢酸と0℃と100℃との間で0.5時間〜48時間反応させる。その生成物(化合物C)をクロマトグラフィーによって精製し得る。
【0134】
工程3では、化合物Cをジオキサン、エタノール、メタノールまたはTHFなどの適切な溶媒中に溶解する。水酸化リチウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を、水溶液としてまたは固体としてのいずれかで添加する。その反応混合物を、室温で0.5時間〜24時間攪拌する。その生成物である化合物Dをsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0135】
工程4では、工程3の生成物およびトリエチルアミンまたは(iPr)NEtなどの第三級アミン塩基の組み合わせを、塩化メチレンまたはジオキサンなどの適切な溶媒中に室温で溶解し、冷却し、そして適切な求電子剤(式R−Y−LGにより表され、ここでLGは、ClまたはBrなどの脱離基である)を添加する。その反応混合物を、−78℃と室温との間で、0.5時間〜48時間攪拌する。その生成物(化合物E)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0136】
(一般スキームV)
(フェニルカルボニル連結化合物の調製)
【0137】
【化17】

(反応一般スキームVの説明:)
工程1では、化合物A(スキームIVの工程2の生成物)を、室温で18時間攪拌することにより、塩化メチレンまたはジクロロエタンなどの適切な不活性溶媒中で、PCCを用いてそのケトンへ酸化する。
【0138】
工程2では、工程1の生成物(化合物B)を、ジオキサン、エタノール、メタノールまたはTHFなどの適切な溶媒中に溶解する。水酸化リチウムまたは炭酸カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属炭酸塩を、水溶液としてまたは固体としてのいずれかで添加する。その反応混合物を、室温で0.5時間〜24時間攪拌する。その生成物(化合物C)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0139】
工程3では、化合物Cおよびトリエチルアミンまたは(iPr)NEtなどの第三級アミン塩基の組み合わせを、塩化メチレン、ジオキサン、ジクロロエタン、またはTHFなどの適切な溶媒中に室温で溶解し、冷却し、そして適切な求電子剤(式R−Y−LGにより表され、ここでLGは、Cl、BrまたはFなどの脱離基を表す)を添加する。その反応混合物を、−78℃と室温との間で、0.5時間〜48時間攪拌する。その生成物(化合物D)をsgcまたは結晶化によって精製し得る。
【0140】
当業者は、上記スキームに記載された反応と類似の反応が、存在する置換基が記載される反応条件に影響を受けない限り、式Iの他の化合物について実施され得るということを理解する。上記プロセスに対する出発物質は、市販されているか、当該分野で公知であるか、または当該分野で周知の手順により調製される。
【0141】
以下は、出発物質および式I、IA、IBおよび/またはICの化合物を調製することの実施例である。この実施例は例示的であり、本発明の範囲を限定することを決して意図されていない。
【0142】
その手順においては、以下の略号が使用される:テトラヒドロフラン(THF)、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、Merck−シリカプレートでの分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)、フェニル(Ph)、ピリジウムクロロクロメート(PCC)、ピリジン(Py)、酢酸(HOAc)、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、メタ−クロロ過安息香酸(MCPBA)、塩化メタンスルホニル(MsCl)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(triflic anhydride)(TfO)、2−プロパノール(IPA)、シリカゲルクロマトグラフィー(sgc)、室温(rt)、時間(h)、分(min)、ジエチルエーテル(EtO)、無水(anhyd)、酢酸エチル(EtOAc)、1平方インチあたりのポンド(psi)、および飽和塩化ナトリウム溶液(ブライン)。
【実施例】
【0143】
(実施例I)
【0144】
【化18】

工程1:5−ブロモ−インダノン(4g、19mmol)をTHF(50mL)およびMeOH(1mL)中に溶解し、そして室温で1時間、NaBH(1.4g、37mmol)と反応させた。EtOAc(50mL)を添加し、その反応物を希釈した。その反応混合物をブライン(80mL)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮し、3.9g(97%)の化合物Bを白色固体として得た。
【0145】
工程2:化合物B(3.9g、18.3mmol)をトルエン(100mL)中に溶解し、0℃まで冷却した。PO(OPh)(5.54mL、25.7mmol)およびDBU(3.84mL、25.7mmol)をその反応混合物に添加した。その反応物をゆっくりと室温まで誘導し、そして3時間攪拌した。EtOAc(50mL)を添加し、その反応物を希釈した。その反応混合物をHOで洗浄した(100mLで3回)。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(ヘキサン)によって精製し、4.12g(94%)の化合物Cを淡褐色油状物として得た。
【0146】
工程3:化合物C(2.5g、10.5mmol)をMeOH(40mL)中に溶解し、室温で終夜、SnCl・2HO(4.7g、20.8mmol)と反応させた。その溶媒を除去し、NaOH(水性、1N、50mL)を添加した。その反応混合物を、EtOAc(50mL)中に抽出した。その有機層を、HCl(1N、50mLで2回)で抽出し、そしてその水層を固体NaOHを用いてそのpHが約11であるところまでアルカリ性にした。この混合物をEtOAcで抽出した(50mLで3回)。この有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、次いで濃縮し、その対応するアミンを得た。そのアミンをCHCl(50mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。TFAA(1.47g、6.9mmol)を添加し、次いでEtN(1.05g、10.4mmol)をゆっくり添加した。その反応混合物を、ゆっくり室温まで温め、3時間攪拌した。HO(50mL)を用い、その反応混合物を洗浄した。その有機層をブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、3.1g(96%)の化合物Dを得た。
【0147】
工程4:炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物D(1.5g、4.9mmol)を、乾燥THF(30mL)中に溶解し、そして−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.9M、5.4mL、9.7mmol)を添加し、45分後に次いで化合物E(1.27g、6.3mmol)を添加した。2時間後にその冷浴を取り除き、そしてその反応混合物を45分にわたって室温まで温め、次いで水性NHClでクエンチした。EtOAc(30mL)を添加し、その反応物を希釈した。その反応混合物をブライン(100mLで2回)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗物質をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、545mg(27%)の化合物Fを得た。
【0148】
化合物i(120g、1.0mol)を、HgO(6.0g、14.4mmol)およびKCO(24.0g、0.17mol)とともにCHCl(1.2L)中に溶解し、−30℃に溶解した。Br(85.2g、1.1mol)を、10分の時間の間にわたって添加した。その反応混合物を−30℃で4.5時間攪拌した。その反応混合物をHO(1L)およびブライン(1L)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗物質を減圧下で蒸留し、103.8g(52%)の化合物iiを得た。
【0149】
炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物ii(6.0g、30.5mmol)を乾燥THF(30mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中の1.75M、17.4mL、30.5mmol)を添加し、その反応混合物を20分間攪拌した。SOをその反応物中に20分間吹き込んだ。それをゆっくり室温まで温めた。CHCl(50mL)を添加し、その混合物をNCS(5.0g、37.4mmol)と室温で終夜反応させた。その反応混合物をブライン(100mLで2回)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗物質をsgc(5%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、3.65g(55%)の化合物iiを得た。
【0150】
丸底フラスコに化合物iii(3.0g、13.8mmol)およびKF(2.4g、41.4mmol)を添加し、次いでアセトン(50mL)および水(30mL)を添加した。その反応混合物を室温で終夜攪拌した。その溶媒を次いで除去した。塩化メチレン(40mL)を添加し、そしてそれをブライン(40mL)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮し、2.77g(100%)の化合物Eを得た。
【0151】
工程5:炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物F(545mg、1.3mmol)を無水THF(20mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中の1.8M、1.5mL、2.7mmol)を添加し、その反応混合物を40分間攪拌した。2,2’−ジチオジピリジン(352mg、1.6mmol)を添加し、そしてその反応混合物を−78℃で3時間攪拌したのち、ゆっくり室温まで温めた。その反応混合物を、次いで水性NHClを用いてクエンチした。その反応混合物をEtOAcと水との間に分配した。その水層をさらなるEtOAcで抽出した。その合わせた有機層を、水性NaCOおよびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、358mg(52%)の化合物Gを得た。
【0152】
工程6:化合物G(358mg、0.69mmol)を、CHCl(30mL)中に溶解し、0℃に冷却した。MCPBA(430mg、約1.7mmol)を添加した。その氷浴を取り除き、そしてその反応混合物を室温で終夜攪拌した。水性NaHCO(200mL)およびCHClを添加し、そしてその層を分離した。その有機層を水性NaHSO、NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥した。その粗生成物をsgc(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、245mg(64%)の化合物Hを得た。
【0153】
工程7:化合物H(245mg、0.44mmol)を、ジオキサン(8mL)中に室温で溶解した。LiOH(1.0M、8.0mL、8.0mmol)を添加し、その混合物を室温で終夜攪拌した。その溶媒を除去し、そしてCHCl(15mL)およびブライン(15mL)を添加し、そしてその層を分離した。その水層をさらなるCHCl(15mL)で抽出し、その合わされた有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮し、化合物I180mg(89%)を得た。
【0154】
工程8:化合物I(100mg、0.22mmol)を、CHCl(10mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(33mg、0.29mmol)を添加し、次いでトリエチルアミン(33mg、0.33mmol)を添加し、その反応混合物をゆっくりと室温まで温め、そして1時間攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、109mg(93%)の化合物Jを得た。
【0155】
工程9:化合物H(20mg、0.044mmol)を、CHCl(15mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。EtN(7mg、0.069mmol)を添加し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(15mg、0.053mmol)を添加した。その反応混合物を、30分間攪拌し、その後0℃まで温めた。ブライン(15mL)を添加し、そしてその生成物をCHCl(50mL)で抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、26mg(100%)の化合物Kを得た。
【0156】
(実施例II)
【0157】
【化19】

化合物A(実施例1の工程7で調製した)(20mg、44μmol)をCHCl(10mL)中に室温で溶解した。Na(OAc)BH(14mg、66μmol)を添加し、次いで酢酸(3mg、44μmol)を添加した。その反応混合物を、室温で終夜攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、そして抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(EtOAc)によって精製し、23mg(99%)の化合物Bを得た。
【0158】
(実施例III)
(反応の説明−実施例III)
【0159】
【化20】

工程2:インドール(10g、85mmol)を塩化メチレン(200mL)中に溶解した。BocO(20g、92mmol)およびDMAP(触媒)を添加し、そしてその反応物を室温で終夜攪拌した。その反応混合物をブライン(100mL)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、18.6g(100%)の化合物Cを得た。
【0160】
工程1:炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物A(3.1g、10.0mmol)を、乾燥THF(30mL)中に溶解し、そして−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中の2.0M、10mL、20.0mmol)を添加し、その反応混合物を20分間攪拌した。SOをその反応物中に20分間吹き込こんだ。その反応混合物をゆっくり室温まで温めた。CHCl(50mL)を添加し、その混合物をNCS(2.7g、20.2mmol)と室温で終夜反応させた。その反応混合物をブライン(100mLで2回)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗物質をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、その対応する塩化スルホニル化合物(1.4g)を得た。この物質をアセトン(50mL)中に溶解した。KF(1.2g、20.7mmol)を添加し、次いで水(30mL)を添加した。この反応混合物を、室温で終夜攪拌した。その溶媒を次いで除去した。塩化メチレン(40mL)を添加し、そしてそれをブライン(40mL)で洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮し、1.24g(39%)の化合物Bを得た。
【0161】
工程3:炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物1(565mg、2.6mmol)を乾燥THF(20mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中の1.9M、1.37mL、2.6mmol)を添加し、その反応混合物を45分間攪拌した。THF(1.5mL)中の化合物3(270mg、0.87mmol)を添加し、そしてその反応混合物を−78℃で数時間攪拌し、そして次いでゆっくり室温まで温めた。その反応混合物を、室温で1日攪拌した。その反応混合物を、次いで飽和水性NHCl(20mL)を用いてクエンチした。酢酸エチル(30mL)を添加し、そしてその層を分離した。その有機層を、ブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、67mg(19%)の化合物Dを得た。
【0162】
工程4:化合物D(63mg、0.15mmol)を、メタノール(2mL)中に室温で溶解した。NaOH(1.0M、0.90mL、0.90mmol)を添加し、その混合物を室温で3時間攪拌した。その溶媒を除去し、そしてCHCl(15mL)およびブライン(15mL)を添加し、その層を分離した。その水層をさらなるCHCl(15mL)で抽出し、その合わされた有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮し、化合物E(48mg、99%)を得た。
【0163】
工程5:化合物E(48mg、0.15mmol)を、CHCl(10mL)中に溶解した。Boc―ON(38mg、0.15mmol)を添加し、次いでDMAP(触媒)を添加した。その反応混合物を室温で終夜攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物を、PTLC(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、56mg(88%)の化合物Fを得た。
【0164】
工程6:化合物F(50mg、0.12mmol)をCHCl(5mL)中に溶解した。NaOH(1.0M、1.5mL)を添加し、次いで塩化2−ピリジンスルホニル(48mg、0.27mmol)、および硫酸水素テトラブチルアンモニウム(触媒)を添加した。その反応混合物を、室温で終夜攪拌した。その水層を次いで除去し、その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物を、PTLC(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、54mg(81%)の化合物Gを得た。
【0165】
工程7:化合物G(37mg、0.067mmol)を、TFA:CHCl(1:3、10mL)とともに、室温で2時間攪拌した。その反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、そして真空下でさらに乾燥した。この物質をCHCl(10mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(12mg、0.10mmol)を添加し、次いでトリエチルアミン(20mg、0.20mmol)を添加した。その反応混合物をゆっくりと室温まで温め、そして終夜攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、23mg(66%)の化合物Hを得た。
【0166】
工程8:化合物G(37mg、0.067mmol)を、TFA:CHCl(1:3、10mL)とともに、室温で2時間攪拌した。その反応混合物を乾燥状態まで濃縮し、そして真空下でさらに乾燥した。この物質をCHCl(15mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。EtN(20mg、0.20mmol)を添加し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(23mg、0.08mmol)を添加した。その反応混合物を30分間攪拌し、その後0℃まで温めた。ブライン(15mL)を添加し、その生成物をCHCl(50mL)で抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、13mg(40%)の化合物Iを得た。
【0167】
(実施例IV)
【0168】
【化21】

工程1:炎で乾燥したフラスコ中、N雰囲気下、化合物A(325mg、1.0mmol)を乾燥THF(20mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。n−ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中の1.78M、1.24mL、2.2mmol)を添加し、その反応混合物を45分間攪拌した。THF(1.5mL)中の化合物i(333mg、1.0mmol)を添加し、そしてその反応混合物を−78℃で数時間攪拌し、その後ゆっくり室温まで温めた。その反応混合物を、次いで飽和水性NHCl(20mL)を用いてクエンチした。酢酸エチル(30mL)を添加し、そしてその層を分離した。その有機層を、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、次いで乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をsgc(25%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、235mg(41%)の化合物Bを得た。
【0169】
アルデヒドiの調製:THF(8mL)中のN,N,N’−トリメチルエチレンジアミン(1.2mL、8.6mmol)の溶液に、−20℃でn−BuLiの溶液(1.6M、5.4mL、8.6mmol)を滴下した。15分後、THF(8mL)中の4−トリフルオロメトキシベンスアルデヒド(1.5g、7.8mmol)を添加した。その混合物を15分間攪拌し、より多くのn−ブチルリチウム(1.6M、14.6mL、23mmol)を添加した。その反応混合物を−20℃で1時間攪拌し、次いで−20℃の冷凍庫中に20時間置いた。その混合物を−40℃に冷却し、次いで30mL THF中のo−フルオロベンゼンジスルフィド(4.0g、15.7mmol)の溶液を添加し、−40℃〜−35℃で3時間攪拌した。その反応物を0.5N HClに注ぎ込み、酢酸エチルを用いて抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥し、ろ過し、そして濃縮し、黄色の油状物を得た。それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、淡黄色の固体1.55g(62%)を得た。
【0170】
工程2:化合物B(140mg、0.26mmol)を、CHCl(10mL)中に溶解した。トリエチルシラン(0.17mL、1.0mmol)を添加し、次いでBF.EtOEt(0.13mL、1.0mmol)を添加した。その反応混合物を次いで温で終夜攪拌した。その溶媒を除去した後、その粗生成物をPTLC(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、90mg(66%)の化合物Cを得た。
【0171】
工程3:化合物C(36mg、0.068mmol)を、CHCl(1mL)中に溶解し、0℃に冷却した。MCPBA(70mg、約0.29mmol)を添加した。その氷浴を取り除き、そしてその反応混合物を室温で終夜攪拌した。水性NaHCO(200mL)およびCHClを添加し、そしてその層を分離した。その有機層を水性NaHSO、NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥した。粗生成物をsgc(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、23mg(61%)の化合物Dを得た。
【0172】
工程4:化合物D(20mg、0.036mmol)を、ジオキサン(2mL)中に室温で溶解した。LiOH(1.0M、1mL、1.0mmol)を添加し、その混合物を室温で終夜攪拌した。その溶媒を除去し、そしてCHCl(15mL)およびブライン(15mL)を添加し、その層を分離した。その水層をさらなるCHCl(15mL)で抽出し、その合わされた有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮し、14mg(83%)の化合物Eを得た。
【0173】
工程5:化合物E(24mg、0.052mmol)を、CHCl(10mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(6mg、0.052mmol)を添加し、次いでEtN(13mg、0.13mmol)を添加した。その反応混合物をゆっくりと室温まで温め、そして終夜攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、15mg(54%)の化合物Fを得た。
【0174】
工程6:化合物E(42mg、0.09mmol)を、CHCl(5mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。EtN(23mg、0.23mmol)を添加し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(25mg、0.09mmol)を添加した。その反応混合物を、2時間攪拌し、その後0℃まで温めた。ブライン(15mL)を添加し、そしてその生成物をCHCl(50mL)で抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、22mg(40%)の化合物Gを得た。
【0175】
(実施例V)
【0176】
【化22】

工程1:実施例4、工程1で調製された化合物A(94mg、0.17mmol)を、CHCl(20mL)中に室温で溶解した。セライト(90mg)を添加し、次いでPCC(94mg、0.43mmol)を添加した。その混合物を室温で終夜攪拌した。その固体を濾別し、そしてその有機層をNaHCOおよびブラインで洗浄した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(20%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、76mg(81%)の化合物Bを得た。
【0177】
工程2:化合物B(76mg、0.14mmol)を、ジオキサン(3mL)中に室温で溶解した。LiOH(1.0M、1mL、1.0mmol)を添加し、その混合物を室温で終夜攪拌した。その溶媒を除去し、そしてCHCl(15mL)およびブライン(15mL)を添加し、そしてその層を分離した。その水層をさらなるCHCl(15mL)で抽出し、その合わせた有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮し、56mg(89%)の化合物Cを得た。
【0178】
工程3:化合物C(27mg、0.06mmol)を、CHCl(10mL)中に溶解し、0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(7mg、0.06mmol)を添加し、次いでEtN(15mg、0.15mmol)を添加した。その反応混合物をゆっくりと室温まで温め、そして終夜攪拌した。ブライン(15mL)を添加し、抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、17mg(54%)の化合物Dを得た。
【0179】
工程4:化合物D(15mg、0.028mmol)を、CHCl(1mL)中に溶解し、0℃に冷却した。MCPBA(31mg、約0.1mmol)を添加した。その氷浴を取り除き、そしてその反応混合物を室温で終夜攪拌した。水性NaHCO(200mL)およびCHClを添加し、そしてその層を分離した。その有機層を水性NaHSO、NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、次いでNaSOで乾燥した。粗生成物をPTLC(50%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、10mg(63%)の化合物Eを得た。
【0180】
工程5:化合物E(28mg、0.06mmol)を、CHCl(5mL)中に溶解し、−78℃に冷却した。EtN(15mg、0.15mmol)を添加し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(17mg、0.06mmol)を添加した。その反応混合物を2時間攪拌し、その後0℃まで温めた。ブライン(15mL)を添加し、そしてその生成物をCHCl(50mL)で抽出した。その有機層をNaSOで乾燥し、そして乾燥状態まで濃縮した。その粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、18mg(50%)の化合物Fを得た。
【0181】
工程6:化合物F(15mg、0.026mmol)を、CHCl(1mL)中に溶解し、0℃に冷却した。MCPBA(29mg、約0.1mmol)を添加した。その氷浴を取り除き、そしてその反応混合物を室温で終夜攪拌した。水性NaHCO(200mL)およびCHClを添加し、そしてその層を分離した。その有機層を水性NaHSO、NaHCO、HO、およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。粗生成物をPTLC(33%EtOAc/ヘキサン)によって精製し、15mg(95%)の化合物Gを得た。
【0182】
上記に記載の手順において、または当業者に周知の手順の改変において、適切な出発物質を用いて、以下の表に示される化合物を調製した。以下の化合物表中の化合物番号は、表1中の化合物番号に対応する。
【0183】
化合物番号1〜23を上記で議論した手順に従って調製した。
【0184】
【表2−1】

【0185】
【表2−2】

【0186】
【表2−3】

【0187】
【表2−4】

【0188】
【表2−5】

様々な改変が本明細書中で開示される実施形態および実施例に対してなされ得ることは理解される。それゆえに、上記記載は、限定的であると解釈されるべきではなく、単に好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲と趣旨の範囲内で様々な改変を想定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。


【公開番号】特開2010−59169(P2010−59169A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247114(P2009−247114)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【分割の表示】特願2004−555591(P2004−555591)の分割
【原出願日】平成15年11月21日(2003.11.21)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】