説明

カーナビゲーションシステム

【課題】煩雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行き先の設定が行なえるカーナビゲーションシステムおよびカーナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 GPS機能付きの撮影装置100で撮影した画像ファイルが多数記録されているメモリカードをナビゲーション装置150に装填することができるようにする。その装填されたメモリカード200に記録されている画像ファイルのヘッダにあるサムネイル画像データをすべて読み込んでそれらのサムネイル画像データが表すサムネイル画像を一覧表示する。それらのサムネイル画像のうちのいずれかが十字キーの操作により指定されたら、そのサムネイル画像に対応するGPSデータを読み込んでそのGPSデータが示す位置を行き先として設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の設定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置と、撮影操作を受けて被写体の画像データを記録媒体に記録する撮影装置とを有するカーナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの中には、GPS受信装置を備えたものもある。このGPS受信装置を備えたカメラで撮影を行なうと、撮影した地点の位置情報がGPSデータとしてGPS受信装置により取得され画像ファイルのヘッダ内にその位置情報が書き込まれる。
【0003】
このようにGPS受信装置が組み込まれていると、撮影した地域ごとに画像ファイルを整理するようなことが行なえる。
【0004】
ところで、最近、ドライバに対して適切な道案内を行なうカーナビゲーションシステムが車に搭載されるようになってきている。このようなカーナビゲーションシステムにおいては住所などが行き先として設定されるものが多いが、住所などを一々入力するのは面倒であるので、携帯端末の操作により行き先設定を簡単に行なうことができるようにしているものもある(例えば特許文献1参照)。
【0005】
この特許文献1のものでは、デジタルカメラを内蔵するGPS端末装置を携帯端末として用いて、その携帯端末のデジタルカメラで撮影した画像データ、文字などの入力情報、さらに地図情報サービスセンターとの間の情報交換により得た地図データに基づいて、携帯端末内で目的地を表すオリジナルデータを作成して、そのオリジナルデータをカーナビゲーション装置に転送することによりカーナビゲーション装置に現在位置から目的地までの経路を地図の形で表示画面上に表示させている。
【0006】
しかしながら、携帯端末で取得したGPSデータを地図情報サービスセンタに転送して携帯端末と地図情報サービスセンタとの間の情報交換により地図データを得るというのはいかにも面倒である。
【特許文献1】特開平8−172561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情に鑑み、煩雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行き先の設定が行なえるカーナビゲーションシステムおよびカーナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明のカーナビゲーションシステムは、自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の設定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置と、撮影操作を受けて被写体の画像データを記録媒体に記録する撮影装置とを有するカーナビゲーションシステムにおいて、
上記撮影装置が、自分の現在位置を認識して自分の現在位置を表すGPSデータを生成するGPS機能を有し、撮影の際にGPSデータを生成して撮影により得られた画像データに対応づけて上記記録媒体に記録するものであって、
上記カーナビゲーション装置が、
画像データとGPSデータとが対応づけられて記録された記録媒体が着脱自在に装着されその記録媒体から画像データとGPSデータを読み出す媒体ドライブと、
上記媒体ドライブにより読み込まれた画像データに基づくサムネイル画像一覧を表示させる表示制御部と、
表示されたサムネイル画像一覧の中から操作に応じて所定のサムネイル画像の選択を受け選択されたサムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置を行き先として設定する行き先設定部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
上記本発明のカーナビゲーションシステムによれば、GPS機能付きの撮影装置によって撮影された画像を表すデータと撮影位置を表すGPSデータとの双方が記録されている記録媒体がカーナビゲーション装置に装填されると、その記録媒体内にある画像データすべてが上記媒体ドライブにより読み出されて上記表示制御部の制御の基にすべての画像データに基づくサムネイル画像が行き先として表示画面上に一覧表示される。その一覧表示されたサムネイル画像のうちのいずれかが操作により選択されたら、上記行き先設定部によってその選択されたサムネイル画像に対応するGPSデータの表す行き先がカーナビゲーション装置に自動的に設定される。
【0010】
このようにしておくと、地図情報サービスセンターとの間の情報交換により地図データを得る必要がなくなり、記録媒体の装填およびサムネイル画像のうちのいずれかを選択するという操作だけで簡単に行き先を設定することができる。
【0011】
ここで、上記表示制御部は、上記サムネイル画像一覧を、過去に行き先として選択されたサムネイル画像と行き先として選択されたことのないサムネイル画像とが区別された表示態様で表示させるものであることが好ましい。
【0012】
このように過去に行き先として選択されたことのあるサムネイル画像が、過去に選択されたことのないサムネイル画像と区別されて表示されると、撮影者は、行き先として設定したことのあるサムネイル画像と行き先として設定したことのないサムネイル画像とを即時に区別することができる。
【0013】
また、上記行き先設定部が、上記サムネイル画像一覧の中から複数のサムネイル画像の選択を受けるものであって、
複数のサムネイル画像の選択を受けて選択された複数のサムネイル画像に対応する複数の行き先を通るルートを探索するルート探索部を備えた態様であることが好ましい。
【0014】
そうすると、例えば旅先で複数の行き先をどのように回ろうかなどと思案する必要がなくなり、上記ルート探索部によって選択された複数のサムネイル画像に対応する複数の行き先を通るルートが自動的に探索される。
【0015】
このように上記カーナビゲーションシステムによれば、ドライバがわざわざ地図を片手に行き先を検討しなくても、GPSデータと画像データとが記録されている記録媒体さえあれば、複数のサムネイル画像を選択することによって上記ルート探索部が自動的にルートの探索を行なってくれるようになる。
【0016】
また、上記行き先設定部が、上記サムネイル画像一覧に重ねて、操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、
上記表示制御部は、上記カーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けて、そのサムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置周辺の地図を表示させるものであることが好ましい。
【0017】
このようにサムネイル画像は縮小画像であって少々見難いのでサムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置周辺の地図を表示させるようにすると、行き先がドライバにより明確に伝達される。
【0018】
また、上記行き先設定部が、上記サムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、
上記表示制御部は、上記カーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けてそのサムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置の地点名を表示させるものであることが好ましい。
【0019】
上記のように地図を表示させるだけでも良いが、地点名が表示されても良く、そうすると住所などの確認を行なうことができる。
【0020】
このようなカーナビゲーションシステムの一構成要素であるカーナビゲーション装置は、
自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の指定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置において、
画像データとGPSデータとが対応づけられて記録された記録媒体が着脱自在に装着されその記録媒体から画像データとGPSデータを読み出す媒体ドライブと、
上記媒体ドライブにより読み込まれた画像データに基づくサムネイル画像一覧を表示させる表示制御部と、
表示されたサムネイル画像一覧の中から操作に応じて所定のサムネイル画像の選択を受け選択されたサムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置を行き先として設定する行き先設定部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上、説明したように、煩雑な操作を必要とせず、簡単な操作で行き先の設定が行なえるカーナビゲーションシステムおよびカーナビゲーション装置が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態であるカーナビゲーションシステム1を示す図である。
【0024】
図1に示すカーナビゲーションシステム1は、自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の設定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置150と、撮影操作を受けて被写体の画像データを記録媒体に記録する撮影装置100とを有する。
【0025】
撮影装置100の方には撮影レンズを内蔵したレンズ鏡胴101がボディ100a中央に配備されており、そのレンズ鏡胴101の上方にファインダ102や閃光発光窓103が設けられている。また、ボディ側面にはメモリカード200が装填される装填口101aが設けられており、その装填口101aからメモリカード200が装填された状態にあるときにボディ上面にあるレリーズ釦104が操作されると、撮影画像が画像ファイルとなってそのメモリカード200に記録されるようになっている。この画像ファイルは、画像データだけでなく撮影情報(例えば撮影日時、撮影画像の縮小画像であるサムネイル画像データなど)が記録されているヘッダを持つものであるので、この画像ファイルが本発明にいう画像データとGPSデータとが対応づけられたものということになる。この画像ファイルがメモリカード200に多数記録される。
【0026】
また、上記撮影はボディ100a上面にあるモードダイヤル105により撮影モードが指定された場合に行なわれるものであって、モードダイヤル105により再生モードが指定されている場合にはメモリカード200内の既撮影画像データに基づく画像が背面側にある表示画面(図示せず)上に表示される。
【0027】
また、モードダイヤル105により撮影モードが指定されさらに背面側にある操作子(図示せず)によりGPSモードが指定されたときには、撮影装置内部のGPS受信装置により複数の衛星からの電波が受信され撮影位置が計算されその撮影位置情報(以降GPSデータという)が画像ファイルの上記ヘッダの撮影情報として書き加えられてメモリカードに記録されるようになっている。
【0028】
一方、カーナビゲーション装置150の方にもメモリカード装填室があり装填口151aを通してそのメモリカード200が装填されると、そのメモリカード200内に記録されている画像ファイルのヘッダ情報がカーナビゲーション装置150内に読み込まれるようになっている。このようにメモリカード200が挿入口151aからメモリ装填室に装填された状態にあるときに装填口151aの横方向のメニュー釦151が操作され選択項目として‘行き先設定’が十字キー152により選択されていたとすると、メモリカード200内のすべての画像ファイルのヘッダがカーナビゲーション装置150内に全て読み込まれて図1に示すように表示画面上にサムネイル画像が一覧表示されるようになっている。
【0029】
表示画面上には、さらにサムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルが表示されており、十字キー152の上キー1521、下キー1522,左キー1523,右キー1524のいずれかの操作によりそのカーソルが移動するようになっている。この一覧表示されているサムネイル画像のうちのいずれかのサムネイル画像に十字カーソル152aが重ねられ十字キー152中央のOK釦1525が押された後、十字キー152の操作により十字カーソル152aがENTERの上に重ねられて十字キー152の中央のOK釦1525がもう一度押されると、カーナビゲーション装置での行き先設定が自動的に完了する構成となっている。
【0030】
ここで、撮影装置100およびカーナビゲーション装置150の内部構成それぞれを、図2を参照して説明する。
【0031】
図2は、撮影装置100、カーナビゲーション装置150それぞれの内部構成を示す図である。
【0032】
まず、撮影装置100の内部構成を簡単に説明する。
【0033】
撮影装置100は撮影光学系101aを備えており、その撮影光学系101aで被写体を撮像素子111に結像させている。その被写体を結像させた撮像素子111で被写体を表すアナログ信号の画像データを生成して、後段のCDSAMP112へと出力させ、さらにA/D部113でそのアナログ信号の画像データをデジタル信号の画像データに変換させた後、デジタル信号になった画像データを、一旦データバス1101を介して画像バッファメモリ114へ記憶させるようにしている。
【0034】
撮像素子111とCDSAMP112とA/D部113とでアナログ信号の画像データの処理を行なうにあたっては、それら各部で同期して処理が行なわれるように、メインCPU110の制御の基にクロックジェネレータ(以降CGという)110aから各部にクロック信号が供給されるようになっている。このようにデジタル信号の画像データに変換された後は、メインCPU110の制御の基にデータバス1101を介してデジタル信号になった画像データのやりとりが信号処理部を初めとする各部の間で行なわれる。
【0035】
ここでは、このデジタル信号になった画像データが、一旦画像バッファメモリ114にすべて記憶され、その画像バッファメモリ114に記憶された画像データが、メインCPU110の制御の基にデータバス1101を経由して信号処理部115へ供給され信号処理部115で画像データに信号処理が施される。その信号処理部115で信号処理された画像データは、メインCPU110の制御の基に今度は圧縮伸張部116へ供給されその圧縮伸張部116で圧縮処理が施され、さらにその圧縮処理が施された画像データがメモリカードI/F117へ供給されメモリカードI/F117によってメモリカード200に画像データが記録される。このメモリカードI/F117によってメモリカード200に画像データが記録されるときには、その画像データに撮影日時やサムネイル画像データなどのヘッダ情報が付加され、ヘッダと画像データとで構成される画像ファイルとなって画像データがメモリカード200に記録される。
【0036】
この撮影装置100はGPS受信装置118を備えており、そのGPS受信装置118により取得されたGPSデータがメインCPU110のレジスタ内に読み込まれていたら、そのレジスタ内のGPSデータがデータバス1101を経由してメモリカードI/F117に供給されGPSデータが撮影情報の一つとしてヘッダに書き込まれるようにもなっている。
【0037】
次にカーナビゲーション装置150の内部構成を簡単に説明する。
【0038】
カーナビゲーション装置150は勿論GPS受信装置161を備えており、そのGPS受信装置161で得た緯度、経度情報周辺の地図を表示制御部163の制御の基に表示画面上に表示することができるように地図記憶部162も備えている。本実施形態のカーナビゲーション装置150では、上記GPS受信装置161からのリードライトや上記地図記憶部162からのリードライトや上記表示制御部163への表示指示などの制御がメインCPU160により統括的に行なわれている。メインCPU160には、メニュー釦153や十字キー152の各キー1521〜1525からの操作信号も供給されており、これらの操作子の操作信号に応じた処理を各部に行なわせることが自在な構成となっている。
【0039】
また、本実施形態のカーナビゲーション装置150には、メインCPU160の制御の基に、装填されたメモリカード200に記録されている画像ファイルの中のヘッダ情報を読み出す媒体ドライブ164も配備されている。
【0040】
前述の如く、上記メニュー釦153の操作により表示画面上に表示された選択項目の中の‘行き先設定’の項目が十字キー152により指定されているときに、メモリカード200がメモリ挿入口151a(図1参照)から装填室に装填されると、メモリカード200が装填されたことがメインCPU110に検出され媒体ドライバ164によってメモリカード200に記録されている多数の画像ファイルの画像データここではヘッダ情報がすべて読み出される。この読み出されたヘッダ情報がメインCPU160の制御の基にRAMに読み込まれてヘッダ内のサムネイル画像データが表示制御部163に供給され表示制御部163によってそれらのサムネイル画像データに基づくサムネイル画像一覧が表示画面上に表示される。
【0041】
この一覧表示されているサムネイル画像のうちのいずれかが操作子である十字キー152の操作により選択され、十字キー152の中央にあるOK釦1525が押され、さらに‘ENTER’に重ねるように十字カーソルが移動した後もう一度OK釦が押されたらメインCPU160がその操作を受けて表示制御部153に地図記憶部内に記憶されている、その行き先周辺の地図データを供給して、表示制御部153にその地図データに基づく地図を行き先として表示させるようになっている。
【0042】
図3は、このカーナビゲーションシステム1で行き先設定を行なうときの手順を示すフローチャートである。
【0043】
まずステップS1としてGPS受信機能付きデジタルカメラ100により撮影を行なう。ステップS2では、ステップS1での撮影によりGPSデータをヘッダ情報として持つ画像ファイルをメモリカード200に記録する。
【0044】
次のステップS3で、画像ファイルが多数記録されているメモリカード200をカーナビゲーション装置150に装填する。次のステップS4で、メモリカード200内の画像ファイルのヘッダ情報すべてを媒体ドライブにより読み出し、メインCPU側のワーキングメモリであるRAM160a(図2参照)に読み込み、さらにそのRAM160aに読み込んだヘッダ情報の中のサムネイル画像データを表示制御部163に供給して表示制御部163にサムネイル画像一覧の表示を行なせる。ユーザが行き先として一覧表示されているサムネイル画像の中のいずれかを操作により選択したら、そのサムネイル画像に対応する画像ファイルのヘッダの中のGPSデータがCPU160によって参照され行き先設定が完了する。このCPU160が本発明にいう行き先設定部にあたる。
【0045】
図4は、サムネイル画像の一覧表示を示す図である。
【0046】
この表示画面に表示されているサムネイル画像のいずれかの領域上に十字キー152の操作により十字カーソル152aが重なるように配置されOK釦が押された後、十字キー152の操作により十字カーソルが移動して‘ENTER’と重なるように配置されて十字キーの中央のOK釦1525が押されたら、行き先設定部であるメインCPU160によって行き先が設定されるようになっている。
【0047】
このようにすると、十字キー152を操作することにより十字カーソル152aを所定のサムネイル画像に重なる位置に移動させた後、ENTERキーに十字キーを重ねてOK釦を押すという簡単な操作で行き先を設定することが可能となる。
【0048】
また本実施形態では、図4に示すように過去に行き先として選択されたことのあるサムネイル画像の枠が太線になって表示され、過去に選択されたことのないサムネイル画像と区別されて表示されている。
【0049】
このように過去に行き先として選択されたことのあるサムネイル画像が、過去に選択されたことのないサムネイル画像と区別されて表示されると、ドライバーは、行き先として設定したことのあるサムネイル画像と、行き先として設定したことのないサムネイル画像とを即時に区別することができる。
【0050】
図5は、複数の行き先を設定することができるようにした場合の例を示す図である。
【0051】
また、表示画面上の‘ENTER’の領域に十字カーソル152aを移動させずに複数のサムネイル画像上に十字カーソル152aを移動させる度に十字キー152中央のOK釦1525を押す操作があった場合には複数のサムネイル画像が選択される。その後ENTERに十字キー152の操作により十字カーソル152aが配置されOK釦1525が操作されると、複数の行き先が設定される。
【0052】
本実施形態では、このように複数の行き先が入力情報としてCPU160(図2参照)に入力されると、それら複数の行き先を結む最適ルートがCPUにより計算されてその最適ルートに関連のある地図データが地図記憶部162から読み出され表示制御部163にその地図データが供給される。表示制御部163によって表示画面上にその地図データに基づく地図が表示されることにより、最適ルートがドライバに対して提示される。
【0053】
図6は、このような処理を行なうメインCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS61でサムネイル画像データを表示制御部に供給して表示制御部163にサムネイル画像データに基づくサムネイル画像一覧を表示させる。ステップS62で行き先情報であるサムネイル画像が図5に示すように複数選択されたら、ステップS63へ進んで選択された複数のサムネイル画像に対応するGPSデータを参照して最適ルートを計算する。
【0055】
このように本実施形態のカーナビゲーションシステムでは複数のサムネイル画像を行き先として選択することによって、本実施形態のカーナビゲーション装置に旅行行程を定めさせることもできる。
【0056】
図7は、図4に示す表示画面の変形例を示す図である。
【0057】
また、行き先設定部であるCPU100が、サムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、表示制御部163が上記カーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けてそのサムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置周辺の地図を表示させる。
【0058】
ここでは、CPU160が表示制御部163に指示してサムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、表示制御部163からの座標データを受けてCPU160がカーソルの位置を判読して地図記憶部162からサムネイル画像に対応するGPSデータに応じた地図データを読み出して表示制御部163に供給し、表示制御部163に地図を表示させるようにしている。
【0059】
このようにサムネイル画像が縮小画像であって少々見難いことに鑑みて、サムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置周辺の地図を表示させるようにすると、行き先がドライバに、より明確に伝達される。
【0060】
また図8は図4に示す表示画面の別の変形例を示す図である。
【0061】
図7では行き先設定部が、サムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルを表示させ、表示制御部164がカーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けて地図を表示させるようにした例を示したが、図8に示すようにサムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置の地点名を表示させるものであっても良い。そうするとドライバが行き先の地点名例えば住所などの確認を行なうことができる。
【0062】
なお、本実施形態では十字キー152の操作により十字カーソル152aを移動させて十字キー152の中央にあるOK釦1525を押すことにより設定を行なうようにしたが、タッチパネルを使用してパネル上のタッチ操作により行き先の設定を行なうようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施形態であるカーナビゲーションシステム1を示す図である。
【図2】撮影装置100、カーナビゲーション装置150それぞれの内部構成を示す図である。
【図3】このカーナビゲーションシステム1で行き先設定を行なうときの手順を示すフローチャートである。
【図4】サムネイル画像の一覧表示を示す図である。
【図5】複数の行き先を設定することができるようにした場合の例を示す図である。
【図6】図5の処理を行なうメインCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図4に示す表示画面の変形例を示す図である。
【図8】図4に示す表示画面の別の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 カーナビゲーションシステム
100 撮影装置
100a ボディ
1000a メモリカード挿入口
101 レンズ鏡胴
101a 撮影光学系
102 ファインダ
103 閃光発光窓
104 レリーズ釦
105 モードダイヤル
110 メインCPU
111 撮像素子
112 CDSAMP
113 A/D部
114 画像バッファメモリ
115 信号処理部
116 圧縮・伸張部
117 メモリカードI/F
118 GPS受信装置
150 カーナビゲーション装置
150a ボディ
151a メモリカード挿入口
152 十字キー
1521 上キー
1522 下キー
1523 左キー
1524 右キー
1525 OK釦
153 メニュー釦
160 メインCPU
160a ROM/RAM
161 GPS受信装置
162 地図記憶部
163 表示制御分
164 媒体ドライブ
200 メモリカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の指定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置と、撮影操作を受けて被写体の画像データを記録媒体に記録する撮影装置とを有するカーナビゲーションシステムにおいて、
前記撮影装置が、自分の現在位置を認識して自分の現在位置を表すGPSデータを生成するGPS機能を有し、撮影の際にGPSデータを生成して撮影により得られた画像データに対応づけて前記記録媒体に記録するものであって、
前記カーナビゲーション装置が、
画像データとGPSデータとが対応づけられて記録された記録媒体が着脱自在に装着され該記録媒体から画像データとGPSデータを読み出す媒体ドライブと、
前記媒体ドライブにより読み込まれた画像データに基づくサムネイル画像一覧を表示させる表示制御部と、
表示されたサムネイル画像一覧の中から操作に応じて所定のサムネイル画像の選択を受け選択されたサムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置を行き先として設定する行き先設定部とを備えたことを特徴とするカーナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記サムネイル画像一覧を、過去に行き先として選択されたサムネイル画像と行き先として選択されたことのないサムネイル画像とが区別された表示態様で表示させるものであることを請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記行き先設定部が、前記サムネイル画像一覧の中から複数のサムネイル画像の選択を受けるものであって、
複数のサムネイル画像の選択を受けて選択された複数のサムネイル画像に対応する複数の行き先を通るルートを探索するルート探索部を備えたことを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記行き先設定部が、前記サムネイル画像一覧に重ねて、操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、
前記表示制御部は、前記カーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けて、該サムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置周辺の地図を表示させるものであることを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記行き先設定部が、前記サムネイル画像一覧に重ねて操作に応じて移動するカーソルを表示させるものであり、
前記表示制御部は、前記カーソルをいずれかのサムネイル画像に重ねる操作を受けて、該サムネイル画像に対応するGPSデータが表わす位置の地点名を表示させるものであることを特徴とする請求項1記載のカーナビゲーションシステム。
【請求項6】
自分の現在位置を認識するGPS機能を有し行き先の指定を受けて画面上に現在位置を示した地図を表示しながら行き先までの道案内を行なうカーナビゲーション装置において、
画像データとGPSデータとが対応づけられて記録された記録媒体が着脱自在に装着され該記録媒体から画像データとGPSデータを読み出す媒体ドライブと、
前記媒体ドライブにより読み込まれた画像データに基づくサムネイル画像一覧を表示させる表示制御部と、
表示されたサムネイル画像一覧の中から操作に応じて所定のサムネイル画像の選択を受け選択されたサムネイル画像に対応するGPSデータが表す位置を行き先として設定する行き先設定部とを備えたことを特徴とするカーナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−98250(P2006−98250A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285692(P2004−285692)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】