説明

ガス供給ユニット及びガス供給装置

【課題】電磁弁からの放熱を適切に行うことのできるガス供給ユニット及びガス供給装置を提供する。
【解決手段】ガス供給ユニット11は、内部に流路の設けられた流路ブロック20と、流路を流通するガスの流通状態を変更する複数の電磁弁50(50A)とを備えている。各電磁弁50はコイル52とコイル52の外周に配置されたケース53とを有している。流路ブロック20は、長尺状に延びる直方体状に形成され、複数の電磁弁50が搭載された上面20aを有している。複数の電磁弁50は、上面20aの長手方向に沿って直列に配置されている。ガス供給ユニット11は、複数の電磁弁50の各ケース53に跨るようにして上面20aの長手方向に沿って延びて各ケース53に当接される平板部31と、流路ブロック20の上面20aに平板部31を繋ぐ固定部32とを有する伝熱プレート30を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給ユニット及びガス供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程において、薄膜生成装置、乾式エッチング装置などのプロセス機器へプロセスガスを供給するガス供給装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のガス供給装置は、互いに平行に配置された複数列のガス供給ユニットを備えている。各ガス供給ユニットは、内部にガス流路が形成された複数の流路ブロックを直線上に配置し、各流路ブロックのガス流路をそれぞれ開閉する開閉弁を流路ブロック上に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−91322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のものにおいて、開閉弁として電磁弁が採用される場合には、電磁弁における発熱が問題になると考えられる。すなわち、複数の電磁弁が流路ブロック上に配列されてガス供給ユニットが構成される場合や、更にガス供給ユニットが集積されてガス供給装置が構成される場合には、熱が蓄積され易くなるとともに熱を放出させる場所が制限されることとなる。特に、ガス供給装置の小型化や高集積化に伴って、定格電流の大きな電磁弁が採用される場合には、こうした傾向が顕著なものとなる。
【0005】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、電磁弁からの放熱を適切に行うことのできるガス供給ユニット及びガス供給装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、内部に流路の設けられた流路ブロックと、前記流路を流通するガスの流通状態を変更する複数の電磁弁とを備え、各電磁弁はコイルと前記コイルの外周に配置されたケースとを有しているガス供給ユニットであって、前記流路ブロックは、長尺状に延びる直方体状に形成され、前記複数の電磁弁が搭載された弁搭載面を有し、前記複数の電磁弁は、前記弁搭載面の長手方向に沿って直列に配置され、前記複数の電磁弁の各ケースに跨るようにして前記弁搭載面の長手方向に沿って延びて前記各ケースに当接されるケース当接部と、前記流路ブロックの前記弁搭載面に前記ケース当接部を繋ぐブロック繋ぎ部とを有する伝熱部材を備えることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、流路ブロックの内部に設けられた流路をガスが流通し、そのガスの流通状態が複数の電磁弁によって変更される。各電磁弁は、コイルを有しており、駆動に伴ってコイルが発熱することとなる。そして、コイルで発生した熱は、コイルの外周に配置されたケースに伝達される。
【0008】
流路ブロックは長尺状に延びる直方体状に形成されており、その弁搭載面の長手方向に沿って複数の電磁弁が直列に配置されている。伝熱部材の有するケース当接部は、複数の電磁弁の各ケースに跨るようにして弁搭載面の長手方向に沿って延びており、複数の電磁弁の各ケースに当接されている。ここで、ガス供給ユニットによりガスの供給状態を制御する際に、複数の電磁弁が同時に駆動されることは少ない。このため、駆動されている電磁弁で発生する熱が、他の駆動されていない電磁弁の方向へケース当接部によって伝達されることとなる。そして、伝熱部材の有するブロック繋ぎ部は、流路ブロックの弁搭載面にケース当接部を繋いでいる。このため、ケース当接部によって弁搭載面の長手方向へ伝達される熱を、ブロック繋ぎ部によって流路ブロックへ放出させることができる。その結果、流路ブロックに複数の電磁弁が搭載されたガス供給ユニットにおいて、電磁弁からの放熱を適切に行うことができる。さらに、ブロック繋ぎ部は、ケース当接部を流路ブロックの弁搭載面に繋いでいるため、流路ブロックの側面等を用いる必要がなく、ガス供給ユニットの集積化に適している。
【0009】
また、電磁弁から流路ブロックへ放出された熱を、流路ブロック内の流路を流通するガスの加熱に利用することができる。
【0010】
なお、部材や部分が互いに当接する態様として、部材や部分が互いに固定される構成等を含むものとする。要するに、部材や部分が互いに熱を直接的に伝達する構成であればよい。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記ケース当接部は、前記弁搭載面の長手方向に沿って前記複数の電磁弁の全てにわたるように延び、全ての電磁弁の前記ケースに当接されている。このため、電磁弁の各ケースからケース当接部に伝達された熱は、ケース当接部により複数の電磁弁の全てにわたる範囲まで伝達される。したがって、電磁弁で発生する熱をより広い範囲まで拡散させることができ、電磁弁同士の温度差を小さくすることができる。その結果、電磁弁からの放熱を安定して行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記ケース当接部は平板状に形成され、前記電磁弁の前記ケースは、平面をなすように形成されたケース平面部を有し、前記ケース当接部と前記ケース平面部とが平面同士で当接していることを特徴とする。
【0013】
上記構成によれば、平板状に形成されたケース当接部と、平面をなすように形成されたケース平面部とが平面同士で当接しているため、ケース当接部とケースとの間で平面を通じて、より確実に熱を伝達させることができる。したがって、ケース当接部を平板状の簡素な形状にしつつ、ケース当接部と電磁弁のケースとの間の熱伝達効率を向上させることができる。
【0014】
第4の発明では、第3の発明において、前記ケース平面部は、前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面に対して略平行に配置されている。このため、ケース平面部は、弁搭載面の幅方向へ延びることを抑制しつつ、弁搭載面の長手方向や弁搭載面に垂直な方向へ延びることが可能となる。したがって、ガス供給ユニットの幅によって制限されることなく、ケース平面部の広さを確保することができる。
【0015】
流路ブロックの弁搭載面にケース当接部を繋ぐ前記ブロック繋ぎ部の数が少ない場合は、ケース当接部から流路ブロックへの熱伝達効率が低くなるおそれがある。一方、弁搭載面においてブロック繋ぎ部を配置するためのスペースを新たに設けると、弁搭載面の面積が拡大するおそれがある。
【0016】
この点、第5の発明では、第1〜第4のいずれかの発明において、前記ブロック繋ぎ部は、前記弁搭載面において前記複数の電磁弁の間の部分に繋がれている。このため、弁搭載面の空いた部分を利用して、弁搭載面にブロック繋ぎ部を配置することができる。したがって、弁搭載面の面積が拡大することを抑制しつつ、ケース当接部から流路ブロックへの熱伝達効率を向上させることができる。
【0017】
ガス供給ユニットにおいては、使用されるガスの種類や数に応じて電磁弁の数が変更される。そこで、電磁弁をそれぞれ駆動する駆動回路基板を電磁弁毎に設けることにより、電磁弁の数の変更に対して柔軟に対応することができる。しかし、電磁弁の近傍に対応する駆動回路基板を配置するためには、電磁弁で発生する熱から駆動回路基板を保護する必要がある。
【0018】
この点、第6の発明では、第1〜第5のいずれかの発明を前提として、前記電磁弁をそれぞれ駆動する駆動回路基板が前記電磁弁毎に設けられ、前記駆動回路基板は、前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面に対して略平行に配置されている。このため、前記伝熱部材によって電磁弁からの放熱が適切に行われ、電磁弁で発生する熱から駆動回路基板を保護することができる。したがって、電磁弁の近傍に対応する駆動回路基板を配置することができ、電磁弁の数の変更に対して柔軟に対応することができる。さらに、コイルと駆動回路とを接続する配線を短くすることができるため、配線における電力損失を抑制することができる。
【0019】
また、駆動回路基板は、流路ブロックの両側面に対して略平行に配置されている。このため、駆動回路基板は、弁搭載面の幅方向へ延びることを抑制しつつ、弁搭載面の長手方向や弁搭載面に垂直な方向へ延びることが可能となる。したがって、ガス供給ユニットの幅によって制限されることなく、電磁弁の近傍に駆動回路基板を配置することが容易となる。
【0020】
第7の発明では、第6の発明において、前記駆動回路基板は、前記弁搭載面に連結された支持部材によって支持されており、前記電磁弁の前記ケースと前記支持部材との間に隙間が形成されている。このため、電磁弁のケースから駆動回路基板への熱の伝達が抑制される。
【0021】
複数のガス供給ユニットを集積してガス供給装置を構成する場合には、熱が蓄積され易くなるとともに熱を放出させる場所が制限されるといった傾向が顕著となる。
【0022】
この点、第8の発明は、第1〜第7のいずれかの発明を前提として、前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面同士が隣り合うように前記ガス供給ユニットを並列に配列している。このため、ガス供給ユニットを集積してガス供給装置を構成しつつ、電磁弁からの放熱を適切に行うことができる。
【0023】
さらに、第9の発明では、第8の発明において、前記流路ブロックの前記隣り合う側面が互いに当接しているため、ガス供給ユニット同士の隙間を省略してガス供給装置を高集積化しつつ、電磁弁からの放熱を適切に行うことができる。
【0024】
第10の発明では、第8の発明において、前記流路を流通するガスを加熱するヒータを備え、前記流路ブロックの前記隣り合う側面の間に前記ヒータが挟み込まれた状態で、前記複数のガス供給ユニットの前記流路ブロック同士が一体化されている。このため、1つのヒータの両面によって隣り合う2つの流路ブロックを加熱することができる。したがって、隣り合う流路ブロックの間に各流路ブロックを加熱するヒータをそれぞれ設ける必要がなく、ヒータを取り付けるためのスペースを縮小することができる。さらに、流路ブロック間に隙間を設定する必要がないため、流路ブロック同士の間隔を狭くすることができる。その結果、流路を流通するガスを加熱するヒータを備えるガス供給装置において、その小型化や高集積化を実現することができる。
【0025】
第11の発明では、第8〜第10のいずれかの発明において、前記複数のガス供給ユニットの各伝熱部材同士を当接させるユニット間伝熱部材を備えている。このため、電磁弁で発生する熱をガス供給ユニット間で拡散させることができ、電磁弁同士の温度差を更に小さくすることができる。その結果、電磁弁からの放熱を更に安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ガス供給装置の斜視図。
【図2】ガス供給ユニットを幅方向で切断した断面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】ガス供給装置の下面図。
【図5】ガス供給装置の正面図。
【図6】ケースを示す図。
【図7】伝熱プレート及びその周辺構成を示す図。
【図8】伝熱プレート及びその周辺構成の変形例を示す図。
【図9】伝熱プレート及びその周辺構成の他の変形例を示す図。
【図10】伝熱ブロック及びその周辺構成を示す図。
【図11】ガス供給装置の変形例を示す斜視図。
【図12】ガス供給装置の他の変形例を示す正面図。
【図13】伝熱プレート及びその周辺構成の他の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具現化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1に示すように、ガス供給装置10は、同じ構成のガス供給ユニット11を複数備えている。
【0029】
ガス供給ユニット11は、長尺状に延びる直方体状に形成された流路ブロック20と、複数の電磁弁50(50A)とを備えている。流路ブロック20の上面20a(弁搭載面)には、複数の電磁弁50が搭載されている。電磁弁50は、上面20aの長手方向に沿って直列に配置されている。電磁弁50は、上面20aの短手方向(幅方向)において中央に配置されている。流路ブロック20の上面20aの幅は、同方向における電磁弁50の幅よりも若干広くされている。
【0030】
複数のガス供給ユニット11は、流路ブロック20において上面20aを幅方向から挟む両側面20c同士が互いに当接するように並列に配列されている。すなわち、複数のガス供給ユニット11では、流路ブロック20の上面20aの幅方向(長手方向に直交する方向)において、流路ブロック20の互いの側面20cが対向している。ガス供給ユニット11が集積される方向、すなわち流路ブロック20の上面20aの幅方向において、流路ブロック20同士の間には隙間が形成されていない。
【0031】
複数のガス供給ユニット11は、流路ブロック20の幅方向(上面20aの幅方向)に集積されている。そして、複数の流路ブロック20は、全体として直方体状をなしている。詳しくは、各流路ブロック20の上面20aの高さ(位置)が一致しているとともに、各流路ブロック20の長手方向の端面の位置が一致している。
【0032】
次に、図2,3を参照して、1つのガス供給ユニット11の構成について代表して説明する。なお、図2は、ガス供給ユニット11を幅方向で切断した断面図である。図3は、図2の3−3線断面図について電磁弁50を省略して示している。
【0033】
流路ブロック20の内部には、その長手方向(上面20aの長手方向)に沿って直線状に延びるキャリングガス流路21(主流路)が設けられている。キャリングガス流路21は、略円形の流路断面を有しており、その太さ(径)が一定となるように形成されている。詳しくは、キャリングガス流路21は、流路ブロック20の長手方向の端面20dからドリル等で加工を行うことにより形成されている。そして、その加工孔が栓27によって閉じられている。キャリングガス流路21において栓27と反対側の端部には、キャリングガス(パージガス)の出力ポート29が接続されている。
【0034】
流路ブロック20の内部には、キャリングガス流路21にそれぞれ連通する複数のプロセスガス流路22(副流路)が設けられている。プロセスガス流路22(22A)は、流路ブロック20の下面20b(副流路開口面)に開口している。プロセスガス流路22は、下面20bにおいて幅方向(図3の左右方向)の中央に開口している。すなわち、プロセスガス流路22の開口部は、流路ブロック20を幅方向で二等分する仮想平面Fを中心として均等に配置されている。
【0035】
流路ブロック20の上面20aには、流路ブロック20の長手方向(上面20aの長手方向)に沿って所定間隔で上記電磁弁50の弁室24が設けられている。そして、上記各プロセスガス流路22は各弁室24に連通されている。すなわち、電磁弁50は、プロセスガス流路22毎に設けられている。
【0036】
弁室24は、キャリングガス流路21の延びる方向に沿って所定間隔で設けられているとともに、流路ブロック20の幅方向(流路ブロック20の上面20aの幅方向)において中央に設けられている。弁室24は、略円形の凹部として形成されている。そして、弁室24は、流路ブロック20の幅を縮小するために、流路ブロック20の幅方向の略全長にわたって設けられている。換言すれば、流路ブロック20の幅は、弁室24の径と略等しく又はそれよりも若干広く設定されている。
【0037】
弁室24の中央には、電磁弁50の弁体51が当接および離間する弁座24aが設けられている。弁座24aは、略円環状の突部として形成されている。弁室24の中央、すなわち弁座24aで囲まれる部分には、接続流路26が連通されている。接続流路26は、流路ブロック20内において、流路ブロック20の上面20aから離間する方向へ延びて上記キャリングガス流路21に接続されている。すなわち、接続流路26は、弁室24とキャリングガス流路21とを接続している。したがって、上記プロセスガス流路22は、弁室24及び接続流路26を介してキャリングガス流路21に接続されている。
【0038】
プロセスガス遮断後のデッドスペースとなる接続流路26をできるだけ短くするために、キャリングガス流路21は弁室24の近傍に配置されている。接続流路26は、流路ブロック20の上面20aから垂直に延びてキャリングガス流路21に接続されている。詳しくは、上面20aの幅方向に関して、接続流路26はキャリングガス流路21の端部付近に接続されている。また、接続流路26は、流路ブロック20の幅方向の中央に配置されている。このため、流路ブロック20において複数の接続流路26の中心軸線は、流路ブロック20を幅方向で二等分する仮想平面F上に位置している。
【0039】
キャリングガス流路21は、接続流路26やプロセスガス流路22よりも太く形成されている。このため、キャリングガス流路21が流路ブロック20の長手方向に直線状に延びる構成であったとしても、比較的容易に加工を行うことができる。
【0040】
電磁弁50は、コイル52と、コア54と、弁体51と、コイル52の外周に配置されたケース53とを有している。コイル52は円筒状に形成されており、コア54はコイル52の内径と略等しい外径を有する円柱状に形成されている。コイル52の内部にコア54が挿入されている。ケース53は、コイル52を覆うように設けられ、コイル52で発生する磁界の磁路を構成している。電磁弁50(50A)は、ガス供給ユニット11(流路ブロック20)の幅を狭くするために、小型かつ弁体51の駆動力が大きいものが採用されている。詳しくは、コイル52は、断面が矩形の平角導線により構成されており、断面が円形の丸形導線により構成されたコイルよりも定格電流が大きい。このため、コイル52の体積をできるだけ小さくしつつ、弁体51の駆動力を大きくすることができる。こうした構成では、コイル52での発熱量が多くなるため、電磁弁50からの放熱を適切に行うことが重要となる。コイル52には駆動回路が接続されている。
【0041】
そして、この駆動回路によってコイル52への通電が行われ、電磁弁50の有する弁体51が往復駆動される。弁室24に設けられた弁座24aに弁体51が当接および離間することにより、弁室24と接続流路26とが遮断および連通される。流路ブロック20の長手方向において、出力ポート29と反対側の端部に設けられた電磁弁50Aはキャリングガス(パージガス)の流通状態を変更する。すなわち、複数のプロセスガス流路22のうち、流路ブロック20の長手方向においてキャリングガスの出力ポート29と反対側の端部に設けられたプロセスガス流路22Aはキャリングガス(パージガス)の流路として用いられる。他の電磁弁50は各プロセスガスの流通状態を変更する。この際に、複数の電磁弁50が同時に駆動されることはなく、それぞれの電磁弁50は異なる時期に駆動される。すなわち、複数のプロセスガス流路22から、一度に1つずつプロセスガスが供給される。プロセスガス流路22Aからキャリングガスが供給される場合には、電磁弁50Aと1つの電磁弁50とが同時に駆動される。なお、キャリングガス流路21にキャリングガスを流通させず、プロセスガス及びパージガスの流路として用いてもよい。プロセスガス流路22Aからパージガスが供給される場合には、電磁弁50Aと電磁弁50とは同時に駆動されない。また、複数の電磁弁50の一部を同時に駆動するようにしてもよい。
【0042】
ここで、キャリングガス流路21は、流路ブロック20の幅方向に関して弁室24の中央から一方側に偏った部分、すなわち仮想平面Fから偏った部分に配置されている。すなわち、キャリングガス流路21の中心軸線は仮想平面Fからずれており、キャリングガス流路21は流路ブロック20の幅方向の中央から偏っている。換言すれば、キャリングガス流路21は、流路ブロック20において上面20aを幅方向から挟む両側面20cの一方寄りに配置されている。このため、流路ブロック20において、キャリングガス流路21を配置した部分と反対側の部分に他の流路を配置するための体積(空間)を確保することができる。また、キャリングガス流路21は、弁室24の中央から上面20aに対して垂直に延びる接続流路26に接続することのできる範囲で、流路ブロック20の幅方向に関して弁室24の中央から一方側に偏っている。なお、キャリングガス流路21の流路断面積(径)は、ガス供給ユニット11において必要な量のキャリングガス(パージガス)を流通させることができるように設定されている。
【0043】
そして、キャリングガス流路21を仮想平面Fから偏らせて配置したことにより反対側に確保された部分をプロセスガス流路22が通過している。プロセスガス流路22は、流路ブロック20において仮想平面Fからキャリングガス流路21とは反対側に偏った部分を通過して上記弁室24に接続されている。このため、電磁弁50(弁室24)が設けられる上面20aに対して垂直な側面20cにプロセスガスの入力ポートを設ける必要がない。
【0044】
プロセスガス流路22は、流路ブロック20の上面20aに対して垂直に延びる垂直部分22bを有している。そして、この垂直部分22bがキャリングガス流路21の横を通過している。このため、流路ブロック20内において、キャリングガス流路21と側面20cとの間隔を一定に保つように垂直部分22bを配置することができる。プロセスガス流路22においてキャリングガス流路21の横を通過する垂直部分22bが、他の部分である傾斜部分22aよりも細く形成されている。これらの構成により、流路ブロック20の幅が制限される場合であっても、流路ブロック20内においてキャリングガス流路21に干渉しないようにプロセスガス流路22(垂直部分22b)を配置することが容易となる。また、プロセスガス流路22は、流路ブロック20の下面20bにおいて幅方向の中央に開口するとともに、キャリングガス流路21を避けるように折れ曲がって弁室24に接続されている。
【0045】
次に、図4,5を参照して、各ガス供給ユニット11のキャリングガス流路21(プロセスガス流路22A)にキャリングガスを分配供給する供給ブロック41の構成について説明する。なお、図4はガス供給装置10の下面図であり、図5はガス供給装置10の正面図である。
【0046】
全ての流路ブロック20のプロセスガス流路22Aの開口部は、ガス供給装置10の幅方向(流路ブロック20の幅方向)にみて直線上に並んでいる。並列に配列された流路ブロック20の下面20bにおいて、直線上に並んだプロセスガス流路22Aの開口部には、供給ブロック41(供給部材)が設けられている。供給ブロック41は、内部にキャリングガスの導入流路42(図5において破線で模式的に表示)が設けられた流路部41aと、貫通孔が設けられた取付け部41bとを備えている。流路部41aは直方体状に形成されており、その両側面から張出すように直方体状の取付け部41bが設けられている。2つの取付け部41bは、流路部41aの側面に沿ってそれぞれ延びている。そして、流路ブロック20に対して供給ブロック41の取付け部41bがボルト43により固定されている。
【0047】
流路部41aには、キャリングガスの入力ポート28が取り付けられている。入力ポート28は、流路部41aにおいて長手方向の端面に取り付けられている。流路部41aの内部の導入流路42は、上流側の端部が入力ポート28に連通している。導入流路42は、入力ポート28との連通部から下流側へ延びて複数に分岐している。導入流路42の下流側の各端部は、流路部41aにおいて流路ブロック20の下面20b側の面で開口している。この各開口部において、導入流路42の下流側の各端部は各流路ブロック20の下面20bに開口したプロセスガス流路22Aに接続されている。導入流路42の下流側の各端部と各プロセスガス流路22Aとの接続部は、シール部材によってシールされている。そして、入力ポート28から全ての流路ブロック20の各プロセスガス流路22Aに共通のキャリングガス(パージガス)が分配供給される。
【0048】
並列に配列されたガス供給ユニット11は互いに固定されており、全体として一体化されている。具体的には、並列に配列された流路ブロック20が、ブラケット46及び上記供給ブロック41を用いて固定されている。
【0049】
各流路ブロック20の下面20bには、長手方向に沿って所定間隔でボルト孔47が設けられている。ボルト孔47は、各流路ブロック20の下面20bにおいて幅方向の中央に設けられている。
【0050】
ブラケット46は、略矩形の板状に形成されている。ブラケット46の長手方向の長さは、ガス供給装置10が備える複数の流路ブロック20幅を合計した長さに略等しく設定されている。ガス供給装置10の幅方向(流路ブロック20の幅方向)にブラケット46の長手方向を一致させて、複数の流路ブロック20の下面20bに渡ってブラケット46が配置されている。ブラケット46は、流路ブロック20の長手方向の端部において上記ボルト孔47が設けられた位置に配置されている。ブラケット46には、ボルト孔47に対応する位置に貫通孔が設けられている。これらの貫通孔にボルト43が挿入され、ボルト43がボルト孔47に締め付けられている。流路ブロック20の下面20bには、接続部材がプロセスガス流路22毎に設けられる。接続部材は、上記の端部以外のボルト孔47において流路ブロック20にボルトによって固定される。この接続部材には、その下面から上面まで貫通する直線状の導入流路が設けられている。これらの導入流路及びプロセスガス流路22の接続部はガスケットによってシールされる。
【0051】
供給ブロック41の長手方向の長さ(流路部41a及び取付け部41bの長手方向の長さ)は、ブラケット46と同等の長さに設定されている。ガス供給装置10の幅方向に供給ブロック41の長手方向を一致させて、複数の流路ブロック20の下面20bに渡って供給ブロック41が配置されている。供給ブロック41は、流路ブロック20の長手方向において取付け部41bの位置がボルト孔47の位置に一致するように配置されている。取付け部41bには、ボルト孔47に対応する位置に貫通孔が設けられている。これらの貫通孔にボルト43が挿入され、ボルト43がボルト孔47に締め付けられている。
【0052】
次に、図6を参照して、電磁弁50のケース53について説明する。なお、図6(a)はケース53の斜視図であり、図6(b)はケース53の正面図であり、図6(c)はケース53の側面図である。図6では、コイル52や流路ブロック20等を省略して示している。
【0053】
上記コイル52及びコア54は、互いに組付けられた状態で円柱状の外形を有している。ケース53は、コイル52及びコア54の外周に設けられている。ケース53は、コイル52及びコア54を概ね覆うとともに、一部が開口している。すなわち、ケース53は、側面部の一部が開口した有底筒状に形成されている。ケース53は、コイル52等に組付けられ、底面部53bが上側となるように配置されている。底面部53bは、コイル52の軸線方向の端面に隣接するように配置されている。
【0054】
ケース53は、コイル52で発生する磁界の磁路を構成している。このため、ケース53は磁路の断面積を確保する必要がある。一方、ケース53は流路ブロック20の幅内に収まる必要がある。そこで、ケース53は、円筒状の形状から、流路ブロック20の幅方向において両端に配置される部分を切除した形状とされている。すなわち、コイル52の軸線方向からみて、ケース53の底面部53b(上面部)は、平面をなすように形成されるとともに円形の両端部を切除した形状とされている。
【0055】
換言すれば、コイル52の軸線方向からみて、底面部53bの外周の直線部分が流路ブロック20の幅方向の両端に配置されるように、電磁弁50が流路ブロック20に配置されている。ケース53の側面部には、底面部53bの外周の直線部分に相当する部分として、平面をなすように形成された平面部53a(ケース平面部)が設けられている。平面部53aは、流路ブロック20において上面20aを幅方向から挟む両側面20c(流路ブロック20の側面20c)に対して平行に配置されている。
【0056】
ケース53の側面部には、平面部53aに対向する位置に開口部53cが設けられている。流路ブロック20の長手方向にみて、開口部53cの一端付近は流路ブロック20の幅方向へ延びている。この開口部53cの一端付近は、流路ブロック20の幅方向において略中央まで延びている。開口部53cは、コイル52と駆動回路とを接続する配線を通すために用いられている。
【0057】
ケース53の内周面は、コイル52の外周面に当接又は近接している。換言すれば、コイル52の外周面は、開口部53cの設けられた部分を除いてケース53によって覆われている。このため、コイル52で発生した熱の大部分はケース53に伝達される。
【0058】
次に、図7を参照して、電磁弁50で発生する熱を流路ブロック20へ伝達する伝熱プレート30(伝熱部材)について説明する。伝熱プレート30は、ガス供給ユニット11毎に独立して設けられている。なお、図7は、伝熱プレート及びその周辺構成を示す図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は流路ブロック20の長手方向からみた図であり、図7(c)は流路ブロック20の幅方向からみた図である。
【0059】
伝熱プレート30は、平板状に形成された平板部31(ケース当接部)と、流路ブロック20に固定された固定部32(ブロック繋ぎ部)とを有している。平板部31と固定部32とは一体に成形されている。伝熱プレート30は、ステンレスやアルミ合金等の金属によって形成されている。なお、伝熱プレートは、熱伝導率の高い材料であれば、その他の金属や非金属により形成してもよい。
【0060】
平板部31は矩形状に形成されている。平板部31の長手方向の長さは、流路ブロック20の上面20aにおいて長手方向の両端に配置された電磁弁50(50A)同士の間隔よりも長く設定されている。平板部31の短手方向の長さは、電磁弁50のコイル52の軸線方向におけるケース53の長さと略等しく設定されている。上述したように、電磁弁50は、流路ブロック20の上面20aの短手方向(幅方向)において中央に配置されている。そして、平板部31の厚みは、流路ブロック20の幅方向に関して、流路ブロック20の側面20cとケース53の平面部53aとの距離に略等しく設定されている。換言すれば、平板部31の厚みは、流路ブロック20の幅(上面20aの幅)から、流路ブロック20の幅方向におけるケース53の幅を引いた長さの略半分に設定されている。
【0061】
平板部31の短手方向の一端部には、平板部31の長手方向に沿って所定間隔で固定部32が設けられている。固定部32が配置される間隔(固定部32のピッチ)は、電磁弁50が配置される間隔(電磁弁50のピッチ)と略等しく設定されている。固定部32は、平板部31の一方の面から平板部31の厚み方向へ張出している。固定部32は、矩形の平板状に形成されており、平板部31の面に対して垂直に設けられている。平板部31と固定部32とは、平板状の部材を折り曲げることによって、互いに垂直となるように成形されている。平板部31の一方の面から張出した固定部32の長さは、流路ブロック20の幅よりも短く設定されている。固定部32の幅(平板部31の長手方向に関する長さ)は、電磁弁50同士の隙間よりも狭く設定されている。固定部32には、ねじ61を挿通する貫通孔が設けられている。
【0062】
このような形状を有する伝熱プレート30が流路ブロック20の上面20aに固定されている。流路ブロック20の上面20aにおいて、電磁弁50同士の間の部分および長手方向の両端部付近にはねじ孔が設けられている。これらのねじ孔は、流路ブロック20内に設けられたキャリングガス流路21に到達しない深さで形成されている。これらのねじ孔が配置される間隔(ねじ孔のピッチ)と伝熱プレート30において固定部32が配置される間隔(固定部32のピッチ)は等しく設定されている。そして、固定部32の貫通孔にねじ61がそれぞれ挿通され、流路ブロック20のねじ孔にねじ61がそれぞれ締め付けられている。すなわち、複数の固定部32の一部は、流路ブロック20の上面20aにおいて複数の電磁弁50の間の部分に固定されている。各固定部32はねじ61の締め付けにより上面20aに押圧された状態となっているため、各固定部32から上面20aへの熱伝達効率を向上させることができる。
【0063】
このように固定された状態において、伝熱プレート30の平板部31は、電磁弁 50におけるケース53の平面部53aに対向するように配置されている。伝熱プレート30の平板部31は、流路ブロック20の長手方向(上面20aの長手方向)に沿って延びている。詳しくは、平板部31は、流路ブロック20の長手方向に沿って複数の電磁弁50(50A)の全てにわたって延びている。平板部31は、流路ブロック20の側面20cに平行に配置されており、電磁弁50(50A)の各ケース53の平面部53aに当接している。したがって、平板部31は複数の電磁弁50の各ケース53に当接されている。詳しくは、共通の平板部31に対して複数の電磁弁50の全てのケース53が当接している。ケース53の平面部53aは、全面にわたって平板部31に当接している。固定部32は、流路ブロック20の上面20aに平板部31を繋いでいる。さらに、平板部31とケース53の平面部53aとは平面同士で当接しているため、これらの間に隙間が形成されることが抑制され、当接した状態を安定させることができる。なお、平板部31とケース53の平面部53aとが接着材等により接着(固定)されていてもよい。要するに、平板部31とケース53との間で熱を直接的に伝達する構成であればよい。
【0064】
平板部31の一方の面をケース53の平面部53aに当接させた状態において、流路ブロック20の幅方向に関して、平板部31の他方の面の位置は流路ブロック20の側面20cの位置と一致している。すなわち、伝熱プレート30は、流路ブロック20の幅の範囲内に収まっている。このため、ガス供給ユニット11を流路ブロック20の幅方向に集積する際に、ガス供給ユニット11同士の間隔が伝熱プレート30により広くなることを避けることができる。
【0065】
上述したように、キャリングガス流路21の中心軸線は仮想平面Fからずれている。そして、伝熱プレート30の平板部31は、仮想平面Fに対してキャリングガス流路21と同じ側に配置されている。このため、平板部31とキャリングガス流路21との距離が近くなる。そして、伝熱プレート30の固定部32は、仮想平面Fに対してキャリングガス流路21の設けられた側から反対側へと延びている。したがって、固定部32の温度は、仮想平面Fに対してキャリングガス流路21の設けられた側の部分が反対側の部分よりも高温となる。これにより、伝熱プレート30に伝達された熱をキャリングガス流路21へ効率的に伝達することができる。
【0066】
このように構成されたガス供給ユニット11を備えるガス供給装置10において、入力ポート28からキャリングガス(パージガス)が供給される。キャリングガスは、供給ブロック41によって各ガス供給ユニット11のキャリングガス流路21(プロセスガス流路22A)に分配供給される。そして、このプロセスガス流路22Aに対応する電磁弁50Aによって、キャリングガス(パージガス)が遮断および流通される。各ガス供給ユニット11において、各プロセスガス流路22には各プロセスガスが供給され、それぞれに対応する電磁弁50によって各プロセスガスが遮断および流通される。なお、キャリングガス流路21にキャリングガスを流通させず、プロセスガス及びパージガスの流路として用いてもよい。
【0067】
ここで、複数の電磁弁50が同時に駆動されることはなく、それぞれの電磁弁50は異なる時期に駆動される。電磁弁50は、駆動に伴って発熱し、例えばガスの目標温度である50〜60℃よりも高い60〜70℃まで温度上昇する。駆動されている電磁弁50のコイル52で発生した熱の大部分はケース53に伝達され、ケース53に当接する伝熱プレート30の平板部31を介して駆動されていない電磁弁50の方向へ伝達される。平板部31に伝達された熱は、固定部32を介して流路ブロック20へ伝達される。流路ブロック20へ伝達された熱は、流路ブロック20内に設けられたガス流路21,22を流通するガスを加熱するとともに、両側面20c同士が互いに当接するように並列に配列された流路ブロック20へと更に伝達される。
【0068】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0069】
流路ブロック20は長尺状に延びる直方体状に形成されており、その上面20aの長手方向に沿って複数の電磁弁50が直列に配置されている。伝熱プレート30の有する平板部31は、複数の電磁弁の各ケース53に跨るようにして上面20aの長手方向に沿って延びており、複数の電磁弁50の各ケース53に当接されている。ここで、ガス供給ユニット11によりガスの供給状態を制御する際に、複数の電磁弁50は同時に駆動されない。このため、駆動されている電磁弁50で発生する熱が、他の駆動されていない電磁弁50の方向へ平板部31によって伝達されることとなる。そして、伝熱プレート30の有する固定部32は、流路ブロック20の上面20aに平板部31を繋いでいる。このため、平板部31によって上面20aの長手方向へ伝達される熱を、固定部32によって流路ブロック20へ放出させることができる。その結果、流路ブロック20に複数の電磁弁50が搭載されたガス供給ユニット11において、電磁弁50からの放熱を適切に行うことができる。さらに、固定部32は、平板部31を流路ブロック20の上面20aに繋いでいるため、流路ブロック20の側面20c等を用いる必要がなく、ガス供給ユニット11の集積化に適している。
【0070】
また、電磁弁50から流路ブロック20へ放出された熱を、流路ブロック20内のキャリングガス流路21及びプロセスガス流路22を流通するガスの加熱に利用することができる。
【0071】
伝熱プレート30の平板部31は、流路ブロック20の上面20aの長手方向に沿って複数の電磁弁50の全てにわたるように延び、全ての電磁弁50のケース53に当接されている。このため、電磁弁50の各ケース53から平板部31に伝達された熱は、平板部31により複数の電磁弁50の全てにわたる範囲まで伝達される。したがって、電磁弁50で発生する熱をより広い範囲まで拡散させることができ、電磁弁50同士の温度差を小さくすることができる。その結果、電磁弁50からの放熱を安定して行うことができる。
【0072】
平板状に形成された平板部31と、平面をなすように形成された平面部53aとが平面同士で当接しているため、平板部31とケース53との間で平面を通じて、より確実に熱を伝達させることができる。したがって、平板部31を平板状の簡素な形状にしつつ、平板部31と電磁弁50のケース53との間の熱伝達効率を向上させることができる。
【0073】
ケース53の平面部53aは、流路ブロック20において上面20aを幅方向から挟む両側面20cに対して平行に配置されている。このため、平面部53aは、上面20aの幅方向へ延びることを抑制しつつ、上面20aの長手方向や上面20aに垂直な方向へ延びることが可能となる。したがって、ガス供給ユニット11の幅によって制限されることなく、平面部53aの広さを確保することができる。
【0074】
流路ブロック20の上面20aに平板部31を繋ぐ固定部32の数が少ない場合は、平板部31から流路ブロック20への熱伝達効率が低くなるおそれがある。一方、上面20aにおいて固定部32を配置するためのスペースを新たに設けると、上面20aの面積が拡大するおそれがある。
【0075】
この点、固定部32は、流路ブロック20の上面20aにおいて複数の電磁弁50の間の部分に繋がれている。このため、上面20aの空いた部分を利用して、上面20aに固定部32を配置することができる。したがって、上面20aの面積が拡大することを抑制しつつ、平板部31から流路ブロック20への熱伝達効率を向上させることができる。さらに、電磁弁50の間の部分にそれぞれ繋がれた固定部32から上面20aへ放熱されるため、上面20aの長手方向に沿って延びるキャリングガス流路を、この長手方向において均等に加熱し易くなる。
【0076】
複数のガス供給ユニット11を集積してガス供給装置10が構成されているため、熱が蓄積され易くなるとともに熱を放出させる場所が制限されるといった傾向が顕著となる。
【0077】
この点、上記の各構成を備えた上で、流路ブロック20の上面20aを幅方向から挟む両側面20c同士が隣り合うようにガス供給ユニット11を並列に配列している。このため、ガス供給ユニット11を集積してガス供給装置10を構成しつつ、電磁弁50からの放熱を適切に行うことができる。
【0078】
さらに、流路ブロック20の隣り合う側面20cが互いに当接しているため、ガス供給ユニット11同士の隙間を省略してガス供給装置10を高集積化しつつ、電磁弁50からの放熱を適切に行うことができる。
【0079】
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
【0080】
流路ブロック20は、分割された流路ブロックが一体化されて、長尺状に延びる直方体状をなすものであってもよい。こうした構成によれば、使用するプロセスガスの数(電磁弁50の数)の変更等に柔軟に対応することができる。
【0081】
ガス供給ユニット11同士(流路ブロック20同士)を当接させずに、複数のガス供給ユニット11を並列に配列させてもよい。この場合であっても、各ガス供給ユニット11において、伝熱プレート30により電磁弁50からの放熱を適切に行うことができる。また、ガス供給ユニット11が単独で用いられる構成に対して伝熱プレート30を設けるようにしてもよい。
【0082】
流路ブロック20の上面20aの長手方向において、両端付近に設けられた伝熱プレート30の固定部32を省略して、電磁弁50の間の部分に設けられた固定部32のみを有するようにしてもよい。この場合には、上面20aの空いた部分のみを利用して、上面20aに固定部32を配置することができるため、上面20aの面積が拡大することをより確実に抑制することができる。すなわち、上面20aの長手方向の両端付近にはガスのポートや他の部品が設けられることが多いため、この両端部付近を使用せずに伝熱プレート30を上面20aに固定することが望ましい。
【0083】
図8に示すように、複数の電磁弁50の各ケース53に対して、流路ブロック20の幅方向(上面20aの幅方向)の両側に平板部31(ケース当接部)が設けられた伝熱プレート130(伝熱部材)を採用してもよい。伝熱プレート130のその他の構成は上記実施形態の伝熱プレート30と同一である。この場合には、2つの平板部31に対応させて2つの平面部53aを有するケース153を採用することが望ましい。すなわち、ケース153では、コイル52と駆動回路とを接続する配線を通す開口部153cは、ケース153の側面部において流路ブロック20の長手方向に開口しており、流路ブロック20の幅方向に開口していない。そして、ケース153の2つの平面部53aは、流路ブロック20の両側面20cに対してそれぞれ平行に配置されている。ケース153のその他の構成は上記実施形態のケース53と同一である。こうした構成によれば、伝熱プレート130とケース153とが当接する面積を拡大することができるため、伝熱プレート130とケース153との間の熱伝達効率を更に向上させることができる。この場合であっても、伝熱プレート130は流路ブロック20の幅の範囲内に収められている。
【0084】
図9に示すように、複数の電磁弁50における各ケース53の底面部53b(上面部)に対して平面同士で当接する当接片33を有する伝熱プレート230(伝熱部材)を採用してもよい。伝熱プレート230のその他の構成は上記実施形態の伝熱プレート30と同一である。当接片33は、平板部31の短手方向の一端部において、平板部31の長手方向に沿って、電磁弁50の設けられた間隔(電磁弁50のピッチ)と等しい間隔(ピッチ)で設けられている。当接片33は、平板部31の一方の面から平板部31の厚み方向へ張出している。当接片33は、矩形の平板状に形成されており、平板部31の面に対して垂直に設けられている。当接片33は、ケース53の底面部53bと略等しい大きさに形成されている。このため、当接片33は、略全面にわたってケース53の底面部53bに当接している。平板部31と当接片33とは、平板状の部材を折り曲げることによって、互いに垂直となるように成形されている。そして、伝熱プレート230の固定部32が流路ブロック20の上面20aに固定されており、当接片33がケース53の底面部53bに押圧されている。
【0085】
こうした構成によれば、伝熱プレート230とケース53とが当接する面積を拡大することができる。さらに、当接片33がケース53の底面部53bに押圧されているため、伝熱プレート230とケース53との間の熱伝達効率を更に向上させることができる。
【0086】
また、電磁弁50のケースとして、平面部53a(ケース平面部)の設けられたケース53,153を採用したが、平面部53aの設けられていないケースを採用することもできる。この場合であっても、電磁弁50のケースと伝熱プレート30,130,230とが当接していればよい。すなわち、電磁弁50のケースの形状は適宜変更可能であり、このケースの形状に対応させて伝熱プレートを形成すればよい。
【0087】
流路ブロック20の長手方向に沿って複数の電磁弁50(50A)の全てにわたるように延びる伝熱プレート30を採用したが、流路ブロック20の長手方向において分割された伝熱プレートを採用することもできる。すなわち、少なくとも2つの電磁弁50の各ケース53に当接される平板部(ケース当接部)を有する伝熱プレートであれば、駆動されている電磁弁50で発生する熱を、他の駆動されていない電磁弁50の方向へ伝達することができる。
【0088】
図10に示すように、ブロック状に形成された伝熱ブロック330を採用することもできる。伝熱ブロック330は、ステンレスやアルミ合金等の金属によって形成されている。伝熱ブロック330は、直方体状に形成されており、流路ブロック20の長手方向において略全長にわたって延びている。伝熱ブロック330の幅は、流路ブロック20の幅と等しく設定されている。伝熱ブロック330の高さ(側面の短手方向の長さ)は、電磁弁50のケース53,153の高さと略等しく設定されている。伝熱ブロック330には、長手方向に沿って電磁弁50の配置された間隔(電磁弁50のピッチ)と等しい間隔(ピッチ)で貫通孔330aが設けられている。貫通孔330aは、伝熱ブロック330の高さ方向(側面の短手方向)に沿って延びるように設けられている。貫通孔330aの断面形状は、ケース53,153の底面部53bの形状と等しくされている。そして、各貫通孔330aにケース53,153が挿入され、貫通孔330aの内周面にケース53の外周面が当接している。伝熱ブロック330の下面は、流路ブロック20の上面20aに接着されている。なお、コイル52と駆動回路とを接続する配線を通す開口部は、ケース53,153の底面部53bに設けることが望ましい。
【0089】
こうした構成によれば、電磁弁50のケース53,153の側面部全体が伝熱ブロック330に当接するため、伝熱ブロック330とケース53,153との間の熱伝達効率を向上させることができる。さらに、伝熱ブロック330は、流路ブロック20の長手方向において略全長にわたって設けられているため、伝熱ブロック330と流路ブロック20の上面20aとの接着面積を最大限確保することができる。このため、伝熱ブロック330と流路ブロック20の上面20aとの間の熱伝達効率を向上させることができる。伝熱ブロック330は流路ブロック20の幅の範囲内に収められているため、ガス供給ユニット11の幅が拡大することを抑制することができる。なお、伝熱ブロック330の下面を流路ブロック20の上面20aに接着せず、伝熱ブロック330を流路ブロック20の上面20aに載置するようにしてもよい。
【0090】
複数のガス供給ユニット11の各伝熱部材同士を当接させるユニット間伝熱部材を備えるようにしてもよい。具体的には、上記伝熱プレート130及び伝熱ブロック330の幅は、流路ブロック20の幅と等しく設定されている。このため、流路ブロック20の側面20c同士が当接するようにガス供給ユニット11を並列に配列した場合に、伝熱プレート130の平板部31同士や伝熱ブロック330の側面同士が当接することとなる。このため、電磁弁50で発生する熱をガス供給ユニット11間で拡散させることができ、電磁弁50同士の温度差を更に小さくすることができる。その結果、電磁弁50からの放熱を更に安定して行うことができる。また、ユニット間伝熱部材として、ガス供給装置10の幅方向に沿って延びて全てのガス供給ユニット11の伝熱プレート30を繋ぐ平板状の伝熱プレートを設けるようにしてもよい。こうした構成によれば、電磁弁50で発生する熱を全てのガス供給ユニット11間で拡散させることができる。
【0091】
図11に示すように、複数の流路ブロック20の隣り合う側面20cにヒータ71が挟み込まれた状態で、複数の流路ブロック20同士が一体化されているガス供給装置110を採用することもできる。ガス供給装置110のその他の構成は上記実施形態のガス供給装置10と同一である。ここで、電磁弁50は、駆動に伴って発熱し、例えばガスの目標温度である50〜60℃よりも高い60〜70℃まで温度上昇する。このため、電磁弁50からの放熱をガスの加熱に利用して、ヒータ71の容量を小さくすることが可能となる。
【0092】
ヒータ71は、フィルム状(例えば約0.3mmの厚さ)に形成されており、可撓性を有している。ヒータ71は、力が加えられない状態において形状が保たれており、保形性を有している。ヒータ71は、流路ブロック20の長手方向に沿って延びている。ヒータ71は矩形状に形成されている。ヒータ71の長辺の長さ(長手方向の長さ)は、流路ブロック20の長手方向の長さよりも若干長く設定されている。ヒータ71の短辺の長さ(短手方向の長さ)は、流路ブロック20の高さ方向の長さ(側面20cの短手方向の長さ)と等しくされている。
【0093】
ヒータ71は、側面20cの全面を覆うように配置されている。詳しくは、ヒータ71の短手方向の両端が側面20cの短手方向の両端と一致している。ヒータ71の長手方向の一端は側面20cの長手方向の端と一致しており、ヒータ71の長手方向の他端は側面20cの長手方向の端よりも若干張出している。このため、ヒータ71は略全面が側面20cに沿うように配置されている。ヒータ71において、側面20cよりも張出した部分にヒータ71へ電力を供給する配線が接続される。ヒータ71は、供給される電力により両面が発熱して流路ブロック20を加熱する。
【0094】
こうした構成によれば、流路ブロック20の側面20cには、キャリングガス流路21(パージガスの流路)及びプロセスガス流路22が開口しておらず、各流路ブロック20のガス流路21,22はガス供給ユニット11毎に独立している。そして、複数の流路ブロック20の隣り合う側面20cにヒータ71が挟み込まれた状態で、複数の流路ブロック20が一体化されているため、1つのヒータ71の両面によって隣り合う2つの流路ブロック20を加熱することができる。したがって、隣り合う流路ブロック20の間に各流路ブロック20を加熱するヒータをそれぞれ設ける必要がなく、ヒータ71を取り付けるためのスペースを縮小することができる。
【0095】
ヒータ71は、フィルム状に形成されるとともに、その両面が流路ブロック20の側面20cに対向して流路ブロック20の長手方向に沿って延びている。このため、ヒータ71自体の厚みが薄くなるとともに、流路ブロック20の側面20cにヒータを沿わせることができる。したがって、ガス供給ユニット11にヒータ71が設けられる場合であっても、流路ブロック20同士の間隔が広くなることを抑制することができるとともに、ヒータ71から流路ブロック20の側面20cへの熱伝達効率を向上させることができる。なお、仮想平面Fから偏った部分に配置されたキャリングガス流路21からヒータ71までの距離が短くなるとともに、仮想平面Fからキャリングガス流路21とは反対側に偏った部分を通過するプロセスガス流路22からヒータ71までの距離が短くなる。したがって、キャリングガス流路21およびプロセスガス流路22を流通するガスをヒータ71によって効率的に加熱することができる。
【0096】
また、ヒータを備える構成の変形例として、流路ブロック20の側面20cに、長手方向に延びる凹部を設けて、この凹部にヒータを収納するようにしてもよい。図12は、このように流路ブロック20を変形した流路ブロック120を備えるガス供給装置210の正面図である。なお、図12では供給ブロック41等を省略して示している。ガス供給装置210では、複数の流路ブロック120の隣り合う側面120cには、それぞれ長手方向の全長にわたって溝121(凹部)が設けられている。それぞれの溝121には、矩形板状のヒータ171がその厚み方向において略半分ずつ収容されている。ヒータ171は、その両面が発熱するものであり、両面が溝121にそれぞれ当接している。隣り合う側面120cは溝121以外の部分で当接している。
【0097】
こうした構成によれば、ヒータ171の厚みを溝121で吸収することができるため、流路ブロック120同士の間隔を狭くすることができる。さらに、それぞれの溝121にヒータ171が厚み方向において略半分ずつ収容されることによって、溝121の深さを浅くすることができる。その結果、流路ブロック120内にキャリングガス流路21(パージガスの流路)やプロセスガス流路22を配置することが容易となる。また、隣り合う側面120cは溝121以外の部分で当接しているため、ヒータ171の溝121内での配置状態にかかわらず、流路ブロック120同士の相対位置を一定にすることができる。したがって、伝熱プレート30及びヒータ171の双方をガス供給装置210に設けた場合であっても、ガス供給装置210の幅が拡大することを抑制することができる。
【0098】
ガス供給ユニット11においては、使用されるガスの種類や数に応じて電磁弁50の数が変更される。そこで、電磁弁50をそれぞれ駆動する駆動回路基板を電磁弁毎に設けることにより、電磁弁50の数の変更に対して柔軟に対応することができる。しかし、電磁弁50の近傍に対応する駆動回路基板を配置するためには、電磁弁50で発生する熱から駆動回路基板を保護する必要がある。
【0099】
これに対して、図13に示すように、伝熱プレート30を備えるガス供給ユニット11において、電磁弁50(50A)をそれぞれ駆動する駆動回路基板81が電磁弁50(50A)毎に設けられた構成を採用することが有効である。駆動回路基板81は、矩形の板状に形成されており、その表面に電磁弁50の駆動回路や電子素子が設けられている。駆動回路基板81は、対応する電磁弁50(50A)を駆動するものであり、電磁弁50のコイル52が駆動回路基板81上の電子回路パターンに直接接続されている。このため、コイル52と電子回路パターンとを接続する配線を省略することができ、定格電流の大きいコイル52において電力損失を低減することができる。
【0100】
流路ブロック20の上面20aにおいて長手方向の両端部には、駆動回路基板81を支持する支持部材82がそれぞれ固定(連結)されている。この場合には、キャリングガス流路21(パージガスの流路)の下流側の端部は、流路ブロック20の長手方向に貫通しており、流路ブロック20の端面20dに出力ポート129が設けられている。支持部材82は、矩形状の板材を折り曲げて形成されており、断面が「L」字状をなしている。「L」字状の短辺をなす部分は、流路ブロック20の上面20aに固定されて固定部82bを構成している。固定部82bは、流路ブロック20の上面20aの幅方向に延びるように配置されており、流路ブロック20の幅の範囲内に収められている。「L」字状の長辺をなす部分は、流路ブロック20の上面20aに対して垂直に延びて垂直部82aを構成している。垂直部82aは、流路ブロック20の側面20cに平行に配置されており、流路ブロック20の幅方向に関して、伝熱プレート30の平板部31と略同じ位置に配置されている。
【0101】
2つの支持部材82の間には、矩形の板状の連結板83が掛け渡されている。連結板83は、長手方向の両端部が支持部材82に固定されている。連結板83は、流路ブロック20の側面20cに対して平行に配置されている。連結板83は、流路ブロック20の幅内に収められている。連結板83は、電磁弁50のケース53の底面部53bよりも流路ブロック20の上面20aから離間している。すなわち、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30と、連結板83との間には隙間が形成されている。このため、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30から連結板83への熱の伝達が抑制される。
【0102】
連結板83において流路ブロック20の幅方向の中央側の面には、電磁弁50(50A)の各駆動回路基板81が取り付けられている。流路ブロック20の長手方向における駆動回路基板81の幅は、同方向における電磁弁50が配置される間隔(電磁弁50のピッチ)と等しくされている。このため、流路ブロック20の長手方向に沿って電磁弁50を直列に配列した場合に、駆動回路基板81同士を隙間なく並べることにより、電磁弁50が配置される間隔(電磁弁50のピッチ)と、駆動回路基板81が配置される間隔(駆動回路基板81のピッチ)とが等しくなる。したがって、任意の数の電磁弁50に対応させて駆動回路基板81を配置することができる。
【0103】
駆動回路基板81は、電磁弁50のケース53の底面部53bよりも流路ブロック20の上面20aから離間している。すなわち、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30と、駆動回路基板81との間には隙間が形成されている。このため、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30から駆動回路基板81への熱の伝達が抑制される。また、駆動回路基板81上に配置された電子素子を含めて、駆動回路基板81は流路ブロック20の幅内に収められている。
【0104】
こうした構成によれば、伝熱プレート30によって電磁弁50からの放熱が適切に行われ、電磁弁50で発生する熱から駆動回路基板81を保護することができる。したがって、電磁弁50の近傍に対応する駆動回路基板81を配置することができ、電磁弁50の数の変更に対して柔軟に対応することができる。さらに、コイル52と電子回路パターンとを接続する配線を省略することができるため、配線における電力損失を抑制することができる。また、駆動回路基板81は、流路ブロック20の両側面20cに対して略平行に配置されている。このため、駆動回路基板81は、流路ブロック20の幅方向へ延びることを抑制しつつ、流路ブロック20の長手方向や上面20aに垂直な方向へ延びることが可能となる。したがって、ガス供給ユニット11の幅によって制限されることなく、電磁弁50の近傍に駆動回路基板81を配置することができる。
【0105】
図13において、連結板83及び駆動回路基板81と、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30との間に断熱部材を設けるようにしてもよい。そして、この断熱部材によって連結板83及び駆動回路基板81を支持するようにすることもできる。こうした構成によれば、電磁弁50のケース53及び伝熱プレート30から連結板83及び駆動回路基板81への熱の伝達を抑制しつつ、駆動回路基板81の支持を安定させることができる。また、図9に示すように、ケース53に当接する当接片33を有する伝熱プレート230において、連結板83及び駆動回路基板81と、当接片33との間に断熱部材を設けるようにしてもよい。なお、こうした断熱部材によって、駆動回路基板81を安定して支持することができるのであれば、連結板83を介して駆動回路基板81を支持する支持部材82を省略することもできる。
【0106】
図1,11において、複数のガス供給ユニット11の出力ポート29を接続して、複数のガス供給ユニット11の組み合わせによりガスの種類や流量を制御することもできる。
【符号の説明】
【0107】
11…ガス供給ユニット、20…流路ブロック、20a…弁搭載面としての上面、30…伝熱部材としての伝熱プレート、31…ケース当接部としての平板部、32…ブロック繋ぎ部としての固定部、50,50A…電磁弁、52…コイル、53ケース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路の設けられた流路ブロックと、前記流路を流通するガスの流通状態を変更する複数の電磁弁とを備え、各電磁弁はコイルと前記コイルの外周に配置されたケースとを有しているガス供給ユニットであって、
前記流路ブロックは、長尺状に延びる直方体状に形成され、前記複数の電磁弁が搭載された弁搭載面を有し、
前記複数の電磁弁は、前記弁搭載面の長手方向に沿って直列に配置され、
前記複数の電磁弁の各ケースに跨るようにして前記弁搭載面の長手方向に沿って延びて前記各ケースに当接されるケース当接部と、前記流路ブロックの前記弁搭載面に前記ケース当接部を繋ぐブロック繋ぎ部とを有する伝熱部材を備えることを特徴とするガス供給ユニット。
【請求項2】
前記ケース当接部は、前記弁搭載面の長手方向に沿って前記複数の電磁弁の全てにわたるように延び、全ての電磁弁の前記ケースに当接されていることを特徴とする請求項1に記載のガス供給ユニット。
【請求項3】
前記ケース当接部は平板状に形成され、
前記電磁弁の前記ケースは、平面をなすように形成されたケース平面部を有し、
前記ケース当接部と前記ケース平面部とが平面同士で当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス供給ユニット。
【請求項4】
前記ケース平面部は、前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面に対して略平行に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のガス供給ユニット。
【請求項5】
前記ブロック繋ぎ部は、前記弁搭載面において前記複数の電磁弁の間の部分に繋がれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス供給ユニット。
【請求項6】
前記電磁弁をそれぞれ駆動する駆動回路基板が前記電磁弁毎に設けられ、
前記駆動回路基板は、前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面に対して略平行に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス供給ユニット。
【請求項7】
前記駆動回路基板は、前記弁搭載面に連結された支持部材によって支持されており、
前記電磁弁の前記ケースと前記支持部材との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項6に記載のガス供給ユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス供給ユニットを複数備え、
前記流路ブロックにおいて前記弁搭載面を幅方向から挟む両側面同士が隣り合うように前記ガス供給ユニットを並列に配列したことを特徴とするガス供給装置。
【請求項9】
前記流路ブロックの前記隣り合う側面が互いに当接していることを特徴とする請求項8に記載のガス供給装置。
【請求項10】
前記流路を流通するガスを加熱するヒータを備え、
前記流路ブロックの前記隣り合う側面の間に前記ヒータが挟み込まれた状態で、前記複数のガス供給ユニットの前記流路ブロック同士が一体化されていることを特徴とする請求項8に記載のガス供給装置。
【請求項11】
前記複数のガス供給ユニットの各伝熱部材同士を当接させるユニット間伝熱部材を備えていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載のガス供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−13819(P2011−13819A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155900(P2009−155900)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】