説明

ガラス基板の外周端面研磨方法、ガラス基板の製造方法及び外周端面研磨装置

【課題】研磨ブラシを用いることなく、外周面取り部と外周側面部とを均一かつ安定的に研磨する方法を提供すること。
【解決手段】中央部に円形孔を有する複数の円盤形状ガラス基板を、前記円形孔の位置をあわせて重ね合わせてガラス基板積層体を形成し、該ガラス基板積層体の前記円形孔に貫通して前記ガラス基板積層体を支持する支持棒を有する容器内にガラス基板積層体を固定する、積層体形成工程と、前記ガラス基板積層体の外周端面と前記容器の内壁との間の空間に、砥粒を含む研磨液を封入する、研磨液封入工程と、前記研磨液が前記外周端面に接触するように、前記研磨液が封入された前記容器を振とうして前記外周端面を研磨する、研磨工程と、を含む、ガラス基板の外周端面研磨方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス基板の外周端面研磨方法、ガラス基板の製造方法及び外周端面研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク記録装置等に使用される円盤状の磁気ディスクは、主に、アルミニウム合金基板が使用されてきた。しかしながら、近年、高密度記録化の要求に伴い、アルミニウム合金基板に比べて硬く、記録ヘッドによる基板表面への耐衝撃性に優れ、平坦性や平滑性に優れるガラス基板が主流となってきている。
【0003】
ガラス基板は、磁気ディスクメディア製造工程において、基板の外周端面に治具またはガラス基板が接触して、ガラス微粉が飛散して記録面に付着し、磁気ディスクの正常な書き込み及び読み取り動作ができなくなることがある。
【0004】
そのため、ガラス微粉の発生を抑制する技術の開発が進められている。例えば、特許文献1や特許文献2では、研磨ブラシを用いて外周端面を研磨する方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−118172号公報
【特許文献2】特開2010−102811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、研磨ブラシを用いる方法では、外周端面における、外周面取り部と外周側面部とで、研磨速度が異なる。そのため、外周面取り部と外周側面部との間で、加工面の状態が異なる等の問題点を有している。また、ブラシの磨耗により、ロット間の加工面の状態が異なるという問題点も有している。
【0007】
そこで、本発明は、研磨ブラシを用いることなく、外周面取り部と外周側面部とを均一かつ安定的に研磨する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
中央部に円形孔を有する複数の円盤形状ガラス基板を、前記円形孔の位置をあわせて重ね合わせてガラス基板積層体を形成し、該ガラス基板積層体の前記円形孔に貫通して前記ガラス基板積層体を支持する支持棒を有する容器内にガラス基板積層体を固定する、積層体形成工程と、
前記ガラス基板積層体の外周端面と前記容器の内壁との間の空間に、砥粒を含む研磨液を封入する、研磨液封入工程と、
前記研磨液が前記外周端面に接触するように、前記研磨液が封入された前記容器を振とうして前記外周端面を研磨する、研磨工程と、
を含む、ガラス基板の外周端面研磨方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
【0010】
研磨ブラシを用いることなく、外周面取り部と外周側面部とを均一かつ安定的に研磨する方法が提供できる。また、該研磨方法を用いた外周端面研磨工程を有する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法により、高い生産性で磁気記録媒体用ガラス基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明のガラス基板の研磨方法に係る、ガラス基板の構成を説明するための、斜視断面図である。
【図2】図2は、本発明のガラス基板積層体の斜視断面図の例である。
【図3】図3は、ガラス基板積層体を収納する容器の一例を示す、概略図である。
【図4】図4は、本発明の研磨方法の原理を説明するための、研磨液が封入されたガラス基板積層体の概略図である。
【図5】図5は、攪拌板を設置した容器の例を説明するための図である。
【図6】図6は、攪拌板を設置した容器の他の例を説明するための図である。
【図7】図7は、攪拌板を設置した容器の他の例を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の研磨方法を評価するための図であって、研磨後のガラス基板の面取り部形状の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明のガラス基板の外周端面の研磨方法に係る、ガラス基板の構成を説明する。図1に、ガラス基板の構成を説明するための、斜視断面図の例を示す。図1において、ガラス基板1は、主表面2の中心に円形孔3を有するドーナツ状を呈している。ガラス基板1の外周側の側面は、外周端面4と呼ばれる。ここで言う外周端面4は、主表面2に対して90度の角度を有する外周側面部5と、主表面2と外周側面部5とに接する外周面取部6を含む。また、ガラス基板1の、円形孔3の側面は、内周端面7と呼ぶ。内周端面7は、主表面2に対して90度の角度を有する内周側面部8と、主表面2と内周側面部8とに接する内周面取部9を含む。
【0013】
次に、本発明のガラス基板の外周端面の研磨方法について、詳細に説明する。
【0014】
[ガラス基板積層体形成工程]
ガラス基板積層体形成工程では、後述する研磨液封入工程に先立って、複数の円盤形状ガラス基板を、円形孔の位置をあわせて重ね合わせてガラス基板積層体を形成する。また、形成されたガラス基板積層体は、ガラス基板積層体の円形孔を貫通して支持する支持棒を有する容器内に固定する。
【0015】
図2に、本発明のガラス基板積層体の斜視断面図の例を示す。複数の円盤形状ガラス基板1を、円形孔3の位置をあわせて重ね合わせる。この時、図2のように、隣り合う円盤形状ガラス基板1の間には、例えば、スペーサ10を挿入しても良い。スペーサ10を挿入することで、主表面2と外周面取り部6との間の境界部にまで砥粒や研磨担体を均一に接触させることができるため、外周面取り部6の全面を均一に研磨できる。また、ガラス基板積層体におけるガラス基板の保持性が向上する。さらに、ガラス基板の主表面への加傷を防止できる。
【0016】
スペーサ10は、中心部に円形孔を有する円盤形状を有し、円形孔は、後述する円筒容器の支持棒により貫通される。通常、ガラス基板積層体において、スペーサ10の円形孔及びガラス基板の円形孔の中心は、同一の中心軸を有し、この中心軸は、ガラス基板1の主表面2に直行する方向に延びる。
【0017】
スペーサ10の円形孔の外径は、ガラス基板1の主表面2と外周面取り部6との境界部により形成される径よりも若干小さいことが好ましい。スペーサ10の外径を、ガラス基板1の主表面2と外周面取り部6との境界部により形成される径よりも若干小さくすることで、外周面取り部6の全面を均一に研磨できる。
【0018】
スペーサ10の円形孔の内径は、後述する支持棒の直径よりも大きく、円形孔が支持棒により貫通されれば、特に限定されない。通常、スペーサ10の内径は、ガラス基板1の内周端面7により形成される径と同一である。さらに、スペーサ10の厚みは、0.2mm〜0.5mmであることが好ましい。スペーサ10の厚みが0.2mm未満では、外周面取り部6の全面を均一に研磨することが難しくなるおそれがある。一方、スペーサ10の厚みが0.5mmを超える場合、ガラス基板積層体のサイズが大きくなり、好ましくない。
【0019】
スペーサ10の材質としては、特に限定されず、例えば、ゴム、プラスチック、アルミニウム合金、ステンレス鋼などを使用できる。
【0020】
なお、図2においては、6枚の円盤形状ガラス基板を重ね合わせてガラス基板積層体を形成しているが、本発明はこれに限定されない。重ね合わせる複数の円盤形状ガラス基板の枚数としては、特に制限はなく、例えば、100枚、200枚、300枚のガラス基板を重ね合わせてガラス基板積層体を形成できる。一般的には、重ね合わせるガラス基板の枚数を多くすることで、多くのガラス基板を同時に研磨できるため、経済性及び効率性の面より好ましい。
【0021】
その後、ガラス基板積層体を、高さ方向に支持棒を有し、上蓋が取り外し可能な容器に収納する。図3に、ガラス基板積層体を収納する容器11の一例の概略図を示す。なお、図3には、容器11内にガラス基板積層体13を収納した状態の図を示している。
【0022】
支持棒12は、ガラス基板積層体13の円形孔を貫通するように収納する。支持棒12の直径は、ガラス基板積層体13の円形孔を貫通することができれば、特に限定されないが、通常、基板の円形孔の径に対して0.05mm〜1.0mm程度小さい。
【0023】
容器11及び支持棒12の材質としては、後述するガラス基板積層体の振とう工程における、振とうに耐えうる強度を有すれば、特に限定されず、例えば、各種金属、樹脂などを使用できる。金属を使用する場合、ガラス基板の内周への加傷防止の観点から、支持棒を樹脂ライニングすることが好ましい。使用する材質に応じて、容器11の壁厚みを厚くすることにより、容器11の強度を確保することができる。また、金属を使用する場合は、ガラス基板の外周への加傷防止の観点から、容器の内周を樹脂ライニングすることが好ましい。
【0024】
1つの容器11内に設置される支持棒12の数は、1本でも良いが、多数本でも良く、本発明はこの点で限定されない。一般的には、図3(b)に示すように、多数本であることが、生産性の面より、好ましい。また、多数本の場合は、奇数本であることが、容器11内の空間利用効率が高い配置が可能となり、好ましい。なお、支持棒12の数が多数本の場合は、貫通されるガラス基板積層体13の各々が、互いに干渉しないように、支持棒12が設置される。隣接するガラス基板積層体同士の距離は、後述する研磨液の充填率等に応じて、当業者が適宜選択できるものである。
【0025】
容器11の形状は、ガラス基板積層体13を収納することができれば、特に限定されず、例えば、円筒容器(真円円筒容器、楕円筒容器)、角筒容器及びその他の形状の容器を使用することができる。しかしながら、ガラス基板を均一に研磨できること及びハンドリングが容易であること等から、円筒容器を使用することが好ましく、本実施の形態では、円筒容器を使用した。
【0026】
容器11の大きさ(容積)は、ガラス基板積層体13を収納することができれば、特に限定されない。支持棒の数が1本の場合、容器11の内径は、基板の外径よりも大きければ良く、例えば0.1mm〜10mm程度大きい円筒容器を使用できるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、容器11の高さは、ガラス基板積層体13を収納することが出来れば特に限定されず、ガラス基板積層体13の重ね合わせ枚数、スペーサの有無などによって当業者が適宜選択できるものである。
【0027】
また、ガラス基板積層体13の最上部及び最下部に、樹脂製ダミーブロックを挿入してスペース調整を行い、ガラス基板積層体13の保持性を向上させることも好ましい。また、容器11の底蓋及び上蓋と、ガラス基板積層体13との間には、樹脂製シートを挿入しても良い。これにより、ガラス基板の主表面の加傷を防止でき、また、ガラス基板の保持性を向上させることができる。
【0028】
[研磨液封入工程]
研磨液封入工程では、ガラス基板積層体の外周端面と容器の内壁との間の空間に、砥粒を含む研磨液を封入する。なお、ここで言う封入とは、容器内に充填した研磨液が漏出しないよう、容器の上蓋又は他の手段で研磨液を封止することを言う。
【0029】
封入する研磨液としては、下記で挙げる砥粒を、水又は水溶性有機溶媒に、分散させて得る。研磨液には、必要に応じて、公知の分散剤、pH調整剤、粘度調整剤、キレート化剤などを添加できる。
【0030】
研磨液のpHとしては、特に限定されず、通常2〜11であり、好ましくは4〜11であり、より好ましくは4〜10である。また、研磨液の比重としては、特に限定されず、通常1.1〜1.5であり、好ましくは1.2〜1.5であり、さらに好ましくは1.2〜1.4である。
【0031】
研磨液の封入量としては、研磨液を封入する空間の容積に対して、通常20〜80%であり、好ましくは40〜70%である。
【0032】
研磨液に含まれる砥粒としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用することができる。具体的には、例えば、酸化セリウムなどの希土類酸化物、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マンガン、酸化鉄、ダイヤモンド、窒化ホウ素及びジルコンなどの砥粒を含む研磨液を使用できる。上述した砥粒の中でも、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムを含む砥粒を使用することが好ましい。これらの砥粒は、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。
【0033】
砥粒の平均粒子直径(d50)としては、特に限定されず、通常0.5μm〜5μmであり、好ましくは0.5μm〜2μmであり、より好ましくは0.7μm〜1.5μmである。
【0034】
また、本発明の研磨方法で使用する研磨液は、研磨を促進させる目的で、研磨担体を含有しても良い。研磨担体としては、特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、アルミナ−シリカ複合粒子、ジルコニア−シリカ複合粒子、炭化ケイ素、ガラス、ステンレス、スチール、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、クルミなどの材料を使用できる。これらの研磨担体は、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。
【0035】
研磨担体の平均粒子直径(d50)としては、特に限定されず、通常10μm〜200μmであり、好ましくは10μm〜150μmであり、より好ましくは50μm〜150μmである。
【0036】
[研磨工程]
研磨工程では、研磨液が封入された容器を振とう(振盪)し、研磨液をガラス基板積層体の外周端面に接触(衝突)させ、外周端面を研磨する。
【0037】
図4は、本発明の研磨方法の原理を説明するための、研磨液が封入されたガラス基板積層体の概略図を示す。ガラス基板1−a及びガラス基板1−bの外周端面4の外側と、図示しない容器の内壁と、の間の空間に封入された砥粒14及び研磨担体15は、後述する振とう(作動)手段によりガラス基板の外周端面に衝突する。ガラス基板積層体の振とうにより、ガラス基板の外周端面と、研磨剤及び研磨担体との間に加速度差が生じ、これを駆動力として研磨が進行する。
【0038】
ガラス基板積層体の外周端面に対して、砥粒を衝突させるための振とう手段としては、例えば、従来の高速回転装置により、ガラス基板積層体を収納した容器に回転を発生させることや、従来の振動発生装置により容器に振動を発生させることなどが挙げられる。これらの手段は組み合わせて使用しても良い。
【0039】
研磨対象物を研磨槽内に収納して、研磨槽内で振とうさせることにより、研磨対象物を研磨する方法として、バレル研磨などの従来の研磨方法がある。バレル研磨では、バレル槽(研磨槽)に与えられた運動エネルギーは、研磨対象物の研磨以外に、研磨対象物とバレル槽の内壁との衝突にも費やされる。さらに、バレル槽は研磨対象物との衝突に耐えうる強度を有する必要があるため、バレル槽の壁厚を厚くする必要がある。一方、本発明では、ガラス基板積層体が、支持棒を介して容器に固定されている。そのため、容器に加えられた振とうの運動エネルギーは、ほぼガラス基板積層体の外周端面を研磨するために使用される。即ち、従来のバレル研磨などの研磨方法と比して、運動エネルギーのロスが少なく、効率良く研磨を進行できる。さらに、本発明では、容器の壁厚が抑制されることにより容器が軽量化できるため、振とうに必要なエネルギーが少なくなる。
【0040】
なお、ここで言う回転とは、ガラス基板積層体を収納した容器を、容器の円周方向に一定の回転数で回転させること、ランダムの回転数で回転させること、一定の時間、例えば2分毎に、回転数が変速することなどを全て含む。
【0041】
ガラス基板積層体を収納した容器を回転させる回転数としては、特に限定されないが、60rpm〜1200rpmであることが好ましい。
【0042】
また、例えば、一定の時間、例えば2分毎に、回転方向が反転することなどの、回転方向を変える作動を加えることも、より効果的にガラス基板の外周端面を研磨できることから、好ましい。
【0043】
振動により砥粒を衝突させる場合、一定の方向、一定の振動数、一定の振幅で振動させても良く、振動方向、振動数、振幅などを一定時間毎又はランダムに変更しても良い。この時の振動の方向としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板積層体に対して、上下左右前後及びそれらの複合の振動方向を選択できる。また、振動速度、振幅としては、特に限定されないが、振動数は600min−1〜2400min−1であることが好ましく、振幅は6mm〜8mmであることが好ましい。
【0044】
容器11の内壁には、研磨を促進させる目的で、攪拌板を設置しても良い。特に、上述の回転により、ガラス基板の外周端面を研磨する場合、攪拌板を設置することが、研磨効率が向上するため、好ましい。
【0045】
図5に、攪拌板を設置した容器11の例を説明するための図を示す。図5(a)は、攪拌板を設置した容器11の、見取り図である。図5(b)は、容器11を上蓋方向から見た図であり、図5(c)は、図5(b)のA−A断面図を示す。なお、図5(a)においては、説明の簡便さのために、容器11の外壁を透視して示す。また、図5及び、後述する図6、図7においては、支持棒を省略している。
【0046】
また、以下の攪拌板の設置の説明では、1つの容器11に対して、4枚の攪拌板を設置する場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、所望の枚数の攪拌板を設置することができる。通常、4枚〜24枚の攪拌板を設置することが、攪拌板を設置するコストと攪拌効率とを両立できるため好ましい。さらに、攪拌板同士の間隔は、概ね同じであることが、ガラス基板の外周端面を均一に研磨できるため、好ましい。即ち、4枚の攪拌板を設置する場合、容器11の円周方向に対して90度毎に設置することが好ましい。
【0047】
図5に示すように、攪拌板16は、容器11の軸方向に、容器11の全長に亘って設置される。また、図5(b)に示す攪拌板16の厚みT及び容器の径方向の長さLは、攪拌板16とガラス基板積層体が干渉しなければ、特に限定されない。
【0048】
図6に、攪拌板を設置した容器11の他の例を説明するための図を示す。図6(b)は、容器11の軸方向の断面図であり、図6(a)及び図6(c)は、各々、図6(b)のA−A断面図及びB−B断面図である。
【0049】
図6の実施形態では、容器11の軸方向に対して、第一の攪拌板配置と、第二の攪拌板配置とを交互に配置する構成である。第一の攪拌板配置では、例えば、4枚の攪拌板が円周方向に対して90度毎に配置されている。一方、第二の攪拌板配置では、第一の攪拌板配置に対して、例えば、45度ずつずらして攪拌板を配置する。ずらす角度は、第一の攪拌板配置における、隣接する攪拌板がなす角度の半分の角度にすることが、ガラス基板の外周端面を均一に研磨できるため、好ましい。
【0050】
図7に、攪拌板を設置した容器11のさらに他の例を説明するための図を示す。図7(b)は、容器11の軸方向の断面図であり、図7(a)及び図7(c)は、各々、図7(b)のA矢視図及びB矢視図である。
【0051】
図7の実施形態では、攪拌板16は、上蓋方向から底蓋方向に対して、螺旋状に捻って設置される。螺旋状に捻って設置する場合、捻り角度は、容器11の大きさや、攪拌板の設置枚数などに応じて、当業者が適宜選択できる。なお、図7では、一例として、円筒容器11の上蓋から底蓋に向かって、45度捻って設置した構成を示したが、本発明はこの点において限定されず、例えば、30度、60度、90度捻って設置しても良い。また、捻り方向は、前述した回転手段の回転方向と、同一方向でも良く、逆方向でも良い。
【0052】
さらに、攪拌板を捻って設置する図7の実施形態は、図6で示した実施形態にも適用できることは、当業者にとって明らかである。
【0053】
なお、1つの容器内に、複数のガラス基板積層体を収納する場合(容器が複数の支持棒を有する場合)、複数のガラス基板積層体間に、上述の攪拌板と類似のフィンを設置しても良い。
【0054】
[磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法]
以下、本発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法について説明する。
【0055】
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、前述の外周端面研磨方法を使用すれば、他の工程は、従来の工程を使用することができる。
【0056】
一例を挙げると、一般的に、磁気記録媒体用ガラス基板は、
(1)ガラス素基板を、中央部に円孔を有する円盤形状に加工した後、内周側面と外周側面を面取り加工する形状付与工程、
(2)ガラス基板の外周端面を研磨する外周端面研磨工程、
(3)ガラス基板の内周端面を研磨する。内周端面研磨工程、
(4)ガラス基板の上下両主平面を研磨する主平面研磨工程、
(5)ガラス基板を精密洗浄して乾燥し、磁気記録媒体用ガラス基板を得る洗浄工程、
等の工程により製造される。本発明は上記方法に限定されないが、(2)の外周端面研磨工程では、本発明の外周端面研磨方法を使用する。
【0057】
(2)外周端面研磨工程と(3)内周端面研磨工程とは、どちらの工程を先に実施しても良い。また、(2)及び(3)の端面研磨工程の前後のうち少なくとも一方で、主平面のラップ(例えば、遊離砥粒ラップ、固定砥粒ラップなど)を実施しても良く、各工程間にガラス基板の洗浄(工程間洗浄)やガラス基板表面のエッチング(工程間エッチング)を実施しても良い。なお、ここで言う主平面のラップは、広義の主平面の研磨である。
【0058】
研磨工程は、1次研磨のみでも良く、1次研磨と2次研磨を行っても良く、2次研磨の後に3次研磨を行っても良い。
【0059】
本発明において、磁気記録媒体用ガラス基板は、アモルファスガラスでも良く、結晶化ガラスでも良く、ガラス基板の表層に強化層を有する強化ガラス(例えば、化学強化ガラス)でも良い。一例を挙げると、磁気記録媒体用ガラス基板に高い機械的強度が求められる場合、ガラス基板の表層に強化層を形成する強化工程(例えば、化学強化工程)を実施する。強化工程は、最初の研磨工程前、最後の研磨工程後、又は各研磨工程間のいずれで実施しても良い。また、本発明のガラス基板のガラス素基板は、フロート法、フュージョン法、リドロー法、プレス成形法などの方法により作製されるが、本発明はこの点で限定されない。
【0060】
上記方法により得られた磁気記録媒体用ガラス基板の上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層などの層を積層することで、磁気ディスクを製造できる。各層の積層方法などは、従来の方法などを適宜使用できる。磁気ディスクのサイズとしては、特に限定されず、例えば、0.85インチ型磁気ディスク(内径6mm、外径21.6mm、板厚0.381mm)、1.0インチ型磁気ディスク(内径7mm、外径27.4mm、板厚0.381mm)、1.8インチ型磁気ディスク(内径12mm、外径48mm、板厚0.508mm)、2.5インチ型磁気ディスク(内径20mm、外径65mm、板厚0.635mm、0.8mm)等の、種々の大きさの磁気ディスクを製造できる。
【実施例】
【0061】
(実施例1)
フロート法で成形されたSiOを主成分とするガラス板を、外径65mm、内径20mm、板厚0.635mmの磁気記録媒体用ガラス基板が得られるような、中央部に円孔を有する円盤形状に加工した。
【0062】
この中央部に円孔を有する円盤状ガラス基板の内周側面および外周側面を、最終製品である磁気記録媒体用ガラス基板としたときの面取り幅0.15mm、面取り角度45°となるように面取り加工した。その後、ガラス基板の上下主平面を、アルミナ砥粒(平均粒子直径d50 7〜7.5μm)を用いて研削(ラッピング)した後、砥粒を洗浄・除去した。
【0063】
次に、ガラス基板とガラス基板との間に、厚さ0.2mmの樹脂製スペーサを挿入し、合計200枚のガラス板を重ね合わせ、ガラス基板積層体を作成した。得られたガラス基板積層体は、円形孔を貫通してガラス基板積層体を支持する支持棒を有する樹脂製円筒容器に収納した。
【0064】
砥粒として平均粒子直径(d50)が1.3μmの酸化セリウムと、研磨担体として平均粒子直径(d50)が50μmの酸化ジルコニウムとを、容積換算で50%ずつの割合で水中に分散させ、研磨液を作製した。この時、砥粒及び研磨担体を含有する研磨液の比重は1.1であり、pHは2.0であった。
【0065】
作製した研磨液を、ガラス基板積層体の外周端面と前記円筒容器の内壁との間の空間に、封入し、円筒容器に上蓋をした。研磨液の充填率は、ガラス基板積層体外周端面、円筒容器内壁、並びに、円筒容器の底蓋及び上蓋、で囲まれた領域に対して80体積%であった。
【0066】
ガラス基板積層体及び研磨液が封入された円筒容器を、ガラス基板が水平方向に積層される向きに維持し、下記の振とう手段により外周端面の研磨を行った。
【0067】
振とうは、回転振動発生機により回転数60rpmで回転させながら、円筒容器を振動数1200min−1、振幅8mmで、振動させ、研磨した。
【0068】
(実施例2)
研磨液の比重を1.2となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0069】
(実施例3)
研磨液の比重を1.35となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0070】
(実施例4)
研磨液の比重を1.4となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0071】
(実施例5)
研磨液の比重を1.5となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0072】
(実施例6)
研磨液の比重を1.35に、pHを8.0となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0073】
(実施例7)
研磨液の比重を1.35に、pHを11.0となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0074】
(実施例8)
使用した砥粒の種類を酸化ジルコニウムに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0075】
(実施例9)
使用した砥粒の種類を酸化アルミニウムに変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0076】
(実施例10)
使用した砥粒の種類を酸化マグネシウムに変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0077】
(実施例11)
使用した砥粒の種類を、平均粒子直径(d50)が0.1μmの酸化ケイ素を使用し、研磨液の比重を1.20に調製し、研磨液の充填率を30%にした以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0078】
(実施例12)
使用した砥粒の種類を酸化鉄に変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0079】
(実施例13)
使用した砥粒の種類を酸化マンガンに変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0080】
(実施例14)
使用した砥粒の種類を、平均粒子直径(d50)が1μmの炭化ケイ素に変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0081】
(実施例15)
使用した砥粒の種類を、平均粒子直径(d50)が0.5μmの窒化ホウ素に変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0082】
(実施例16)
使用した砥粒の種類を、平均粒子直径(d50)が0.5μmのダイヤモンドに変更した以外は、実施例8と同様の工程により、研磨を行った。
【0083】
(実施例17)
ガラス板とガラス板との間に、樹脂製スペーサを挿入しなかった以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0084】
(実施例18)
使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を10μmに変更した以外は、実施例17と同様の工程により、研磨を行った。
【0085】
(実施例19)
使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を30μmに変更した以外は、実施例17と同様の工程により、研磨を行った。
【0086】
(実施例20)
使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を200μmに変更した以外は、実施例17と同様の工程により、研磨を行った。
【0087】
(実施例21)
使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を300μmに変更し、樹脂製スペーサの厚みを0.5mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0088】
(実施例22)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmの酸化アルミニウムに変更し、研磨液の充填率を60%に、スペーサの厚みを0.4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0089】
(実施例23)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmのステンレスに変更し、研磨液の充填率を60%に、スペーサの厚みを0.5mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0090】
(実施例24)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmの鋼芯ナイロンに変更し、砥粒と研磨担体の割合を、容積換算で70%砥粒−30%研磨担体に変更し、研磨液の充填率を60%に、スペーサの厚みを0.4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0091】
(実施例25)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmのクルミ殻に変更し、砥粒と研磨担体の割合を、容積換算で30%砥粒−70%研磨担体に変更し、研磨液の充填率を60%に、スペーサの厚みを0.4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0092】
(実施例26)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が200μmの酸化ジルコニウムに変更し、スペーサの厚みを0.5mmに変更し、研磨液の充填率を30体積%に変更し、スペーサの厚みを0.5mmに変更し、回転を与えなかった以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0093】
(実施例27)
研磨液の充填率を20体積%に変更し、振動を与える場合の条件を、振動数2400min−1、振幅4mmに変更した以外は、実施例26と同様の工程により、研磨を行った。
【0094】
(実施例28)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmの酸化ジルコニウムに変更し、研磨液の充填率を30%、スペーサの厚みを0.4mmに変更し、振動を与える場合の条件を、振動数600min−1に変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0095】
(実施例29)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が150μmの酸化ジルコニウムに変更し、スペーサの厚みを0.4mmに変更し、振動を与える場合の条件を、振動数2400min−1、振幅4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0096】
(実施例30)
使用した研磨担体を、平均粒子直径(d50)が10μm及び100μmの酸化ジルコニウムの混合物に、研磨液の充填率を60%に変更し、振動を与える場合の条件を、振幅6mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0097】
(実施例31)
研磨液の充填率を70%に変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0098】
(実施例32)
研磨液の充填率を90%に変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0099】
(実施例33)
回転を与える場合の条件を、回転数20rpmに、振動を与える場合の条件を、振動数2400min−1、振幅4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0100】
(実施例34)
回転を与える場合の条件を、回転数10rpmに、振動を与える場合の条件を、振動数2400min−1、振幅4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0101】
(実施例35)
使用した砥粒の種類を酸化ジルコニウムに変更し、使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を100μmに変更し、スペーサの厚みを0.4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0102】
(実施例36)
使用した砥粒の種類を酸化ジルコニウムに、使用した研磨担体の平均粒子直径(d50)を100μmに、スペーサの厚みを0.4mmに変更し、回転を与える場合の条件を、回転数10rpmに、振動を与える場合の条件を、振動数2400min−1、振幅4mmに変更した以外は、実施例6と同様の工程により、研磨を行った。
【0103】
(比較例1)
ガラス板とガラス板との間に、厚さ0.2mmの樹脂製スペーサを挿入し、合計200枚のガラス板を重ね合わせ、ガラス基板積層体を作成し、ステンレス製治具に固定した。
【0104】
砥粒として平均粒子直径(d50)が1.3μmの酸化セリウムを水中に分散させ、比重が1.1でpHが8.0の研磨液を用いて、ナイロンブラシを用いて研磨した。
【0105】
(比較例2)
研磨液の比重を1.5となるように調製した以外は、比較例1と同様の工程により、研磨を行った。
【0106】
[評価]
(ピット欠陥数)
研磨後のガラス基板の外周端面を、フッ酸と硝酸を含む酸性のエッチング溶液を用いて、ガラス基板を深さ方向に5μmエッチングする。これにより、加工変質層のキズを、観察しやすいピット欠陥とすることができる。この後、洗浄と乾燥を行う。最後に、ガラス基板を切断して、ピット欠陥数を評価しやすいサイズにして、外周側面部5及び外周面取り部6を含むピット欠陥数観察試料を作製した。
【0107】
ピット欠陥数は、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製、明視野・微分干渉金属顕微鏡BX60M)を用いてカウントし、評価した。各観察試料を試料台に固定し、外周側面部5又は外周面取り部6の面が、光学顕微鏡の対物レンズのレンズ面に対して平行となるように固定した。光学顕微鏡の対物レンズは20倍を使用し、観察視野を480μm×328μmとして、直径が10μm以上の円形状又は楕円形状のピット欠陥の数をカウントした。そして、計測したピット欠陥数を観察面積で除した数値を算出した。通常、得られた数値が5個/mmより小さくなる研磨方法が好ましく、5個/mm以上のものを含む研磨方法は好ましくない。
【0108】
(基準角度からのズレ角度)
ガラス基板の外周端部形状を、輪郭形状測定機(株式会社小坂研究所社製、フォームコーダ EF−150)を用いて測定した。まず、ガラス基板を、輪郭形状測定機の測定基準面に対し45度の角度で設置し、下側の外周面取り部にフォームコーダの触針をセットした後、外周面取り部、外周側面部、外周面取り部、主表面部の順に走査し、外周端部の形状情報を得た。得られたプロファイルから、以下の手順にて基準角度からのズレ角度を求めた。
【0109】
図8に、外周端面研磨したガラス基板の外周端面の形状を評価する方法を説明する概略図を示す。外周側面部5と外周面取り部6との交点と、外周面取り部6と主表面2との交点と、の間を面取り面長さLとする。外周面取り部6と主表面2との交点から、外周側面部5と外周面取り部6との交点方向に[L/3]の長さで平均線を引き、平均線と主表面とのなす角度をα1とする。また、外周側面部5と外周面取り部6との交点から、外周面取り部5と主表面2との交点外周側面側交点に[2L/3]の長さで平均線を引き、平均線と主表面とのなす角度を基準角度α2とする。基準角度からのズレ角度Δαを、絶対角度としてΔα=|α1−α2|として評価した。通常、ズレ角度Δαが、3度以下となる研磨方法が好ましく、3度より大きい角度のものを含む研磨方法は好ましくない。
【0110】
各種評価結果を表1〜表4に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
【表2】

【0113】
【表3】

【0114】
【表4】

本発明のガラス基板の研磨方法により、研磨ブラシを用いることなく、外周面取り部と外周側面部とを均一かつ安定的に研磨できる。
【符号の説明】
【0115】
1 ガラス基板
2 主表面
3 円形孔
4 外周端面
5 外周側面部
6 外周面取部
7 内周端面
8 内周側面部
9 内周面取部
10 スペーサ
11 容器
12 支持棒
13 ガラス基板積層体
14 砥粒
15 研磨担体
16(16−1、16−2、16−3、16−4) 攪拌板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央部に円形孔を有する複数の円盤形状ガラス基板を、前記円形孔の位置をあわせて重ね合わせてガラス基板積層体を形成し、該ガラス基板積層体の前記円形孔に貫通して前記ガラス基板積層体を支持する支持棒を有する容器内にガラス基板積層体を固定する、積層体形成工程と、
前記ガラス基板積層体の外周端面と前記容器の内壁との間の空間に、砥粒を含む研磨液を封入する、研磨液封入工程と、
前記研磨液が前記外周端面に接触するように、前記研磨液が封入された前記容器を振とうして前記外周端面を研磨する、研磨工程と、
を含む、ガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項2】
前記振とうは、前記研磨液が封入された前記容器を回転及び/又は振動する、請求項1に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項3】
前記砥粒は、平均粒子直径が0.5〜5μmである、請求項1又は2に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項4】
前記砥粒は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マンガン、酸化鉄、ダイヤモンド、窒化ホウ素及びジルコンからなる群より選択される1種類以上を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項5】
前記研磨液は、研磨担体を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項6】
前記研磨担体は、平均粒子直径が10〜200μmである、請求項5に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項7】
前記研磨担体は、セラミックス、樹脂、金属又は種子殻からなる群より選択される1種以上を含む、請求項5又は6に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項8】
前記ガラス基板積層体は、前記円盤形状ガラス基板とスペーサとを交互に重ね合わせて形成されたものである、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項9】
前記スペーサは樹脂を含む、請求項8に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項10】
前記スペーサは、厚みが0.2〜0.5mmである、請求項8又は9に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項11】
前記支持棒の直径D1は、前記円形孔の直径D2との差D2−D1が1mm以下である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のガラス基板の外周端面研磨方法。
【請求項12】
ガラス板を、中央部に円形孔を有する円盤形状ガラス基板に加工する形状付与工程と、
前記円盤形状ガラス基板の外周側面に外周面取部を形成する外周面取工程と、
前記円盤形状ガラス基板の外周側面部及び外周面取部を研磨する外周端面研磨工程と、
前記円盤形状ガラス基板の主表面の研磨工程と、
前記円盤形状ガラス基板の洗浄工程と、
を有し、前記外周端面研磨工程は、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の外周端面研磨方法を用いる、磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
【請求項13】
中央部に円形孔を有する複数の円盤形状ガラス基板を、前記円形孔の位置をあわせて重ね合わせてガラス基板積層体を形成し、該ガラス基板積層体の前記円形孔に貫通して前記ガラス基板積層体を支持する支持棒と、
前記支持棒に支持された前記ガラス基板積層体を収納する容器と、
前記ガラス基板積層体が収納された前記容器を振とうする振とう部と、
を有することを特徴とするガラス基板の外周端面研磨装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−240156(P2012−240156A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112135(P2011−112135)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】