説明

ガントリ型XY位置決め装置

【課題】種々の移動パターンにおいて最適な位置決め制御を行うことのできるガントリ型XY位置決め装置を提供する。
【解決手段】 X軸フレーム16のY軸フレーム14A、14B上の位置及び移動対象18のX軸上の位置を制御することにより、該移動対象18をX−Y平面内で移動・位置決め可能としたガントリ型XY位置決め装置GP3において、前記X軸フレーム16のY軸フレーム14A、14B上の位置を制御するためのY軸モータ20A、20Bの制御系内に、X軸フレーム16上での移動対象18の移動等に起因してY軸モータ20A、20Bが受ける外乱トルク相当分を推定するオブザーバ演算部80A、80Bを備え、該オブザーバ演算部80A、80Bでの推定値Teに基づいて、Y軸モータ20A、20Bの駆動指令値Itp(It)を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の実装装置等において用いられるガントリ型XY位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を基板に実装するための移載ヘッドや、切削加工等を行うための工具を、XY平面の所定の位置に移動・位置決めするためのXY位置決め装置が広く活用されている。この種のXY位置決め装置の一例として、ガントリ型(門型)のXY位置決め装置が、例えば、特許文献1において開示されている。
【0003】
このガントリ型XY位置決め装置GP1は、図5に示されるように、平行に配置された一対のY軸フレーム14A、14B及びX軸フレーム16を備える。X軸フレーム16は、その両端部16A、16BがY軸フレーム14A、14B上に跨った状態で架設されている。X軸フレーム16には、移動対象である移載ヘッド18がスライド自在に組み込まれている。X軸フレーム16のY軸フレーム14A、14B上の位置、及び移載ヘッド18のX軸フレーム16上の位置を制御することにより、該移載ヘッド18をX−Y平面内で移動・位置決めできるようになっている。
【0004】
この位置決め装置GP1は、一対のY軸モータ20A、20Bを備え、このY軸モータ20A、20Bを介してX軸フレーム16のY軸フレーム14A、14B上の位置を制御している。また、この位置決め装置GP1は、X軸フレーム16の端部にX軸モータ22を備え、このX軸モータ22を介して移載ヘッド(移動対象)18のX軸フレーム16上の位置を制御している。
【0005】
図5の例においては、移載ヘッド18の駆動にあたって、X軸方向、Y軸方向とも、回転型のX軸モータ22及びY軸モータ20A、20Bを備え、これらのモータ22、20A、20Bとタイミングベルト26A〜26Eとを組み合わせるようにしているが、タイミングベルト26A〜26Eの代わりにボールねじを使用したり、回転型のモータの代わりにリニアモータを使用したりすることもある。
【0006】
X軸フレーム16の両端部16A、16Bは、Y軸フレーム14A、14B上で同期して駆動されなければならない。この具体的な制御に当たっては、一対のY軸フレーム14A、14BのそれぞれにおいてY軸モータ20A、20Bを独立して制御する全軸式の制御方式と、一方のみに着目して精密な制御を行わせ、他方をこれに従属させるマスタ・スレーブ式の制御方式とがある。
【0007】
しかしながら、この位置決め装置GP1によって位置決めを行う場合、両Y軸フレーム14A、14Bの受ける負荷のバランスが微妙に変化することから、両Y軸モータ20A、20Bの動きに偏差が発生し、位置決め精度や位置決め時間に悪影響を与えるという問題があった。
【0008】
これを防ぐ手法として特許文献2に記載された技術が知られている。
【0009】
図6を用いてこの技術を簡単に説明すると、この特許文献2に係るガントリ型XY位置決め装置GP2では、指令パルス発生部51によって発生された指令パルスが偏差カウンタ52、53に入力されると、Y軸モータ57、58が動作し、偏差カウンタ52、53には偏差A、Bが貯まるようになっている。この偏差A、Bが等しければ一対のY軸間の偏差は零となるが、偏差A、Bが異なった値となると、位置偏差補償装置56で偏差A、Bの差を積分し、符号の異なる補償値K1、K2を算出して偏差A、Bに加算し、速度指令R1、R2を得る。速度指令R1、R2は速度アンプ54、55において増幅され、これによりモータ57、58を駆動すると、左右Y軸フレーム59、60間における位置偏差が積分補償され、定常偏差が零となって該両軸間の位置偏差が解消され得る制御ができる。
【0010】
ここにおいて、速度アンプ54、55は、可変ゲインアンプとされ、位置検出器64で検出した移動対象63のX軸フレーム62上の位置に応じて、そのゲインが調整されるようになっている。この結果、移動対象63のX軸フレーム62上の位置に起因して実質的な速度ループゲインが変化するのが防止される。
【0011】
【特許文献1】特願2003−140751号
【特許文献2】特許第3125015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、この特許文献2にて提案された技術では、図7に示されるように、単にX軸上の移動対象(負荷)の「位置」を検出し、両Y軸に掛かる静的なイナーシャ値に基づいて各軸の速度ループゲインを変更するものであったため、移動対象がX軸上で加速あるいは減速した場合には対応し切れないという問題があった。
【0013】
実際の位置決め時において、目標とする座標が現時点の座標とX軸、Y軸共ずれていれば、移動対象は、当然にX軸上を移動しながらY軸方向に駆動される。移動速度はずれに依存し、大きくずれていれば、それだけ高い加減速度で移動することになる。加減速度が異なれば、各Y軸モータの受ける影響も異なる。
【0014】
このため、単純に、移動対象の「X軸上の位置」に依存して速度ループゲインを切り換えるだけでは、種々の移動パターンに対して常に最適な補償をするのは困難であるというのが実状であった。
【0015】
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたもので、移動対象の静的、動的の影響を総合的に考慮し、種々の移動パターンにおいて最適な位置決め制御を行うことのできるガントリ型XY位置決め装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、平行に配置された一対のY軸フレームと、両端部が該Y軸フレーム上に跨って架設されたX軸フレームとを備え、該X軸フレームの前記Y軸フレーム上の位置及び移動対象のX軸上の位置を制御することにより、該移動対象をX−Y平面内で移動・位置決め可能としたガントリ型XY位置決め装置において、該X軸フレームの前記Y軸フレーム上の位置を制御するためのY軸モータの制御系内に、前記X軸フレーム上での前記移動対象の移動等に起因して前記Y軸モータが受ける外乱トルク相当分を推定するオブザーバ演算部を備え、該オブザーバ演算部での推定値に基づいて前記Y軸モータの駆動指令値を補正することにより、上記課題を解決したものである。
【0017】
本発明では、各Y軸モータに移動対象のX軸方向位置や加減速の影響が及ぶ程度は、結果として、各Y軸モータに掛かる外乱トルクの大小として把握できることに着目した。この知見に基づき、本発明では、Y軸モータの制御系内にオブザーバ演算部を設けてY軸モータが受けるこの外乱トルク相当分を推定し、この推定値に基づいてY軸モータの駆動指令値を補正するようにしている。そのため、移動対象がX軸上のいかなる位置においていかなる加減速をしながら位置決めされる場合でも、常に最適な位置決め制御ができる。
【0018】
なお、本発明においては、前記外乱トルク相当分の推定値に基づいて、具体的にどのようにしてY軸モータの駆動指令値を補正するかについては、特に限定されないが、前記Y軸モータの制御系が、該Y軸モータの速度指令値を生成する速度制御部を備える場合には、この外乱トルク相当分の推定値に基づいて、該速度制御部における速度指令ゲインを可変とすることによって前記補正を行うようにするとよい。
【0019】
又、本発明では、前記外乱トルク相当分の推定値を、前記Y軸モータの制御系の所定の加算点において加算することによって前記補正を行うようにしてもよい。この場合、前記トルク外乱相当分の推定値に基づいて、前記速度制御部における速度指令ゲインを可変とする補正を併用するようにすると一層よい。
【0020】
本発明は、基本的には、一対のY軸フレームのそれぞれにおいてY軸モータを独立して制御する全軸式の制御方式にも、また、一方のみに着目して精密な制御を行わせ、他方をこれに従属させるマスタ・スレーブ式の制御方式にも適応可能である。しかし、本発明は、これを全軸式の制御方式に適用し、前記補正が、前記一対のY軸フレームにおけるそれぞれのY軸モータにおいて独立してなされるようにすると、一層顕著な作用が得られる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、移動対象の静的、動的の影響を総合的に考慮し、種々の移動パターンにおいて常に最適な位置決めを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0023】
図1を参照して、本実施形態では、本発明を先に説明したような電子部品の実装装置に係るガントリ型のXY位置決め装置GP3に適用している。但し、本実施形態においては、Y軸モータ20A、20Bの回転出力を(タイミングベルトを介してではなく)ボールネジ30A、30Bを介してX軸フレーム16の両端部16A、16Bに伝達するようにしている。
【0024】
即ち、図1の右側部分に示されるように、このガントリ型XY位置決め装置GP3も、平行に配置された一対のY軸フレーム14及びX軸フレーム16を備える。なお、説明の便宜上、以降、図1の上側のY軸系に対して符号の末尾にAを、下側のY軸系に対して符号の末尾にBを付すことで、各Y軸系を適宜に区別することとする。X軸フレーム16は、その両端部16A、16BがY軸フレーム14A、14B上に跨った状態で架設されており、該X軸フレーム16には移動対象である移載ヘッド18がスライド自在に組み込まれている。
【0025】
また、この位置決め装置GP3は、一対のY軸モータ20A、20Bを備え、このY軸モータ20A、20Bを介してX軸フレーム16のY軸フレーム14A、14B上の位置を制御している。更に、この位置決め装置GP3は、X軸フレーム16の端部にX軸モータ22を備え、このX軸モータ22を介して移載ヘッド(移動対象)18のX軸フレーム16上の位置を制御している。これにより、該移載ヘッド18はX−Y平面内で自在に移動・位置決めできる。この点は、既に説明した従来例と同様である。
【0026】
しかし、図1の左側部分に示されるように、この実施形態におけるY軸モータ20A、20Bの制御系Cは、移載ヘッド18の種々の移動パターンにおいて最適な位置決め制御を行うために、次のような構成とされている。
【0027】
即ち、この制御系Cは、位置指令部70、位置制御部72A、72B、可変ゲインの速度制御部74A、74B、サーボアンプ部76A、76B、速度検出部78A、78Bを備え、更に、オブザーバ部80A、80Bを備える。
【0028】
前記位置指令部70では、移載ヘッド18を駆動・位置決めするための目標位置Ptを指令する。前記位置制御部72A、72Bは、加算点82A、82Bにおいて演算された目標位置Ptと実検出位置Pdとの位置偏差Dpに基づいて目標速度指令値Vtを生成する。前記速度制御部74A、74Bは、加算点84A、84Bにおいて演算された目標速度指令値Vtとエンコーダ32A、32B側からフィードバックされてくる(エンコーダ信号Pdをもとに速度検出部78A、78Bで算出された)実速度ωとの速度偏差Dvに基づいて、目標電流指令値Itを演算する。なお、速度偏差Dvから目標電流指令値Itの演算に当たっては、そのゲインGvが適時に変更されるようになっている(後述)。前記サーボアンプ部76A、76Bは、目標電流指令値Itを、Y軸モータ20A、20Bを駆動し得る大きさItpに増幅する。前記速度検出部78A、78Bは、エンコーダ32A、32Bの実検出位置Pdの時間変化からY軸モータ20A、20Bの実速度ωを算出する。
【0029】
ここで、オブザーバ部80A、80Bの構成について詳細に説明する。
【0030】
オブザーバ部80A、80Bは、X軸フレーム16上での移載ヘッド(移動対象)18の移動等に起因して前記Y軸モータ20A、20Bが受ける外乱トルク相当分を推定する。図2にそのA系列分(80A)の構成を示す。
【0031】
本実施形態に係るオブザーバ部80Aでは、目標電流指令値ItとY軸モータ20Aのフィードバック実速度ωとを入力要素とし、これに対し、トルク定数ノミナル値Ktnとモータイナーシャノミナル値Jmnを用いて逆演算することで外乱トルク相当分の推定値Teを得るようにしている。なお、図2のブロック内の伝達関数における符号sはラプラス演算子、gは、オブザーバゲイン(ローパスゲイン)を示している。また、ブロック86Aは、ローパスフィルタの機能を果たしている。
【0032】
図2に示すブロック線図は、微分要素を含むため、実際には、これと等価である図3に示されるようなブロック線図を用いて外乱トルク相当分の推定値Teの推定演算を行なう。なお、B系列においても、A系列のオブザーバ部80Aと全く同様のオブザーバ部80Bが備えられている。
【0033】
図1に戻って、オブザーバ部80A、80Bで演算された外乱トルク相当分の推定値Teは、速度制御部74A、74Bに入力され、速度ループゲイン(速度指令ゲイン)Gvの調整・変更に利用される。推定値Teの値が増加した場合には、速度ループゲインGvは高く設定され、一方、推定値Teの値が減少した場合には、速度ループゲインGvは低く設定される。なお、実際にゲインを調整する際には、予め実験的に求めておいた推定値TeとゲインGvとの対応を、Te−Gvテーブルとして用意しておき、推定値Teに応じてゲインGvを切り換えるようにするのが実用的である。
【0034】
次に、この実施形態に係るガントリ型XY位置決め装置GP3の作用を、便宜上、そのA系列に着目して説明する。
【0035】
位置指令部70からの目標位置Ptとエンコーダ32Aからの実検出位置Pdとの位置偏差Dpが、加算点82Aにおいて算出されると、位置制御部72Aにおいて目標速度指令値Vtが求められる。この目標速度指令値Vtは、加算点84Aにおいて、エンコーダ32A、速度検出部78Aを介してフィードバックされてくるY軸モータ20Aの実速度ωと比較され、その偏差Dvが速度制御部74Aに入力される。この結果、比例制御と積分制御とが併用された形で目標電流指令値Itが生成される。Y軸モータ20Aは、電流値の大小に応じてトルクが増減するものであるため、この目標電流指令値Itは、Y軸モータ20Aに対する目標トルク指令に相当する。その後、目標電流指令値Itは、サーボアンプ部76Aによって電流値Itpに増幅され、Y軸モータ20Aが駆動される。
【0036】
ここで、オブザーバ部80A内にて、実際にモータ20Aに発生したと推定される外乱トルク相当分の推定値Teを求め、この情報をゲイン切換信号として速度制御部74Aに伝達する。
【0037】
速度制御部74A、74Bでは、推定値Teの値に応じ、該推定値Teが増加した場合(外乱トルクが増大したと推定された場合)には、Te−Gvテーブルより、速度ループゲインGvを高く設定してより高めの目標速度指令値Vtを生成し、Y軸モータ20Aの発生トルクを高める。
【0038】
一方、推定値Teの値が減少した場合(外乱トルクが減少したと推定された場合)には、速度ループゲインGvを低く設定してより低めの目標速度指令値Vtを生成し、Y軸モータ20Aの発生トルクを低める。
【0039】
この実施形態では、推定値Teに基づいて速度ループゲインGvを調整・変更しているようにしているため、簡易で且つ応答性の良い補正ができる。
【0040】
全く同様の作用がB系列のY軸モータ20Bに対してもなされる。
【0041】
これにより、移載ヘッド18のX軸フレーム16上の位置や移動の際の加減速等に起因して各Y軸モータ20A、20Bに係る外乱トルクの影響を効果的に相殺した制御を行うことができるようになり、最適な位置決め制御が可能となる。
【0042】
なお、上記実施形態においては、Y軸モータ端のエンコーダによる制御を例として説明したが、リニヤエンコーダを使用したフルクローズド制御での適用も当然可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、オブザーバ部で演算した外乱トルク相当分の推定値を、速度制御部でのゲイン調整に利用した例が示されていたが、本発明においては、この推定値を具体的にどのように利用してY軸モータの駆動指令値の補正に反映させるかに関しては、特にこの例に限定されず、要は、結果としてY軸モータの最終的な駆動指令値(上記実施形態の場合はItp)が調整・変更されればよい。例えば、この推定値を利用して、位置制御部72A、72Bでの比例ゲインを変更してもよく、また、サーボアンプ部76A、76Bでの電流増幅のゲインを変更するようにしてもよい。
【0044】
更には、例えば、図4に示されるように、オブザーバゲイン(ローパスゲイン)gを充分に高くすることが可能なガントリ型XY位置決め装置GP4の場合には、この推定値を、何れかの加算点(図示の例では加算点90A、90B)に制御信号として加算するような構成を採用してもよい。この場合には、推定値をよりきめ細かにY軸モータ20A、20Bの制御に反映させることができる。
【0045】
本発明は、上記実施形態に例示されるように、これを全軸式の制御方式に適用し、推定値による補正が、一対のY軸モータのそれぞれに対して独立してなされるように構成したときに特に顕著な作用が得られる。しかしながら、本発明の適用対象は、必ずしも全軸式の制御方式を採用している位置決め装置のみに限定されるわけではなく、一方のY軸モータのみに着目して精密な制御を行わせ、他方をこれに従属させるマスタ・スレーブ式の制御方式に適用しても「マスタ側で外乱トルクの増減の相殺された制御ができるようになる」という点で、相応の効果が得られる。また、各軸の制御干渉がないという点では、むしろマスタ・スレーブ式の制御方式の方が優れていることから、適用対象によっては充分有益な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
電子部品を基板に実装するための移載ヘッドや、切削加工等を行うための工具を、XY平面の所定の位置に移動・位置決めするための、ガントリ型のXY位置決め装置に広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係るガントリ型XY位置決め装置の全体構成を模式的に示すブロック図
【図2】同装置のオブザーバ部の構成を示すブロック図
【図3】図2のオブザーバ部と等価のブロック図
【図4】本発明の他の実施形態に係るガントリ型XY位置決め装置の全体構成を模式的に示す図1相当のブロック図
【図5】特許文献1に記載のガントリ型XY位置決め装置の全体構成を示す斜視図
【図6】特許文献2に記載のガントリ型XY位置決め装置の全体構成を模式的に示すブロック図
【図7】図6の装置において用いられているモータのイナーシャ特性を示すグラフ
【符号の説明】
【0048】
14A、14B…Y軸フレーム
16…X軸フレーム
16A、16B…両端部
18…移載ヘッド(移動対象)
20A、20B…Y軸モータ
22…X軸モータ
30A、30B…ボールねじ
32A、32B…エンコーダ
70…位置指令部
72A、72B…位置制御部
74A、74B…可変ゲイン速度制御部
76A、76B…サーボアンプ部
78A、78B…速度検出部
80A、80B…オブザーバ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配置された一対のY軸フレームと、両端部が該Y軸フレーム上に跨って架設されたX軸フレームとを備え、該X軸フレームの前記Y軸フレーム上の位置及び移動対象のX軸上の位置を制御することにより、該移動対象をX−Y平面内で移動・位置決め可能としたガントリ型XY位置決め装置において、
前記X軸フレームの前記Y軸フレーム上の位置を制御するためのY軸モータの制御系内に、前記X軸フレーム上での前記移動対象の移動等に起因して前記Y軸モータが受ける外乱トルク相当分を推定するオブザーバ演算部を備え、
該オブザーバ演算部での推定値に基づいて前記Y軸モータの駆動指令値を補正する
ことを特徴とするガントリ型XY位置決め装置。
【請求項2】
前記Y軸モータの制御系は、前記Y軸モータの速度指令値を生成する速度制御部を備え、前記外乱トルク相当分の推定値に基づいて、該速度制御部における速度指令ゲインを可変とすることによって前記補正を行うことを特徴とする、請求項1に記載のガントリ型XY位置決め装置。
【請求項3】
前記外乱トルク相当分の推定値を、前記Y軸モータの制御系の所定の加算点において加算することによって前記補正を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載のガントリ型XY位置決め装置。
【請求項4】
前記補正が、前記一対のY軸フレームにおけるそれぞれのY軸モータにおいて独立してなされることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のガントリ型XY位置決め装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2007−18439(P2007−18439A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−201940(P2005−201940)
【出願日】平成17年7月11日(2005.7.11)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】