説明

キウイフルーツの抽出物を含む脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用組成物

本発明は、キウイフルーツの抽出物、これを含む組成物および食品を提供する。本発明は、人または哺乳類の脱毛および脂漏性皮膚疾患を予防および治療するためのキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶抽出物または精製抽出物の用途、および前記抽出物を含むヘルスケア食品、食品添加剤、飼料添加剤および化粧品組成物に関する。本発明のキウイフルーツの抽出物は血中DHTレベルを下げ、マウスモデル実験で毛根形成を促進し、角質皮膚および脂漏性皮膚を有する志願者の脂漏性皮膚疾患を改善させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキウイフルーツ(hardy kiwifruit)抽出物を含む脱毛および脂漏性皮膚疾患(seborrheic skin disease)の予防および治療活性を有する組成物に関する。
【0002】
本発明は、キウイフルーツの抽出物を含む脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療活性を有する組成物に関し、特に、キウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒可溶抽出物または精製抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療活性を有する組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
脱毛症は中年の男性によく現れる症状であって二類型に分類される。一つは男性型はげ頭症(male pattern baldness)であって、老人性脱毛症(alopecia senilis)または男性ホルモン性脱毛症(androgenic alopecia)とも呼び、一般に中年男性の前頭部および頭頂部で発生する。他の類型は円形脱毛症(alopecia areata)であって、比較的に境界が明確な脱毛症状を示し、主に青少年期に発生するが、この脱毛症状は男性だけでなく女性においても発生する(M.Inaba et al.,Androgenetic Alopecia,Springer−Berlag,Tokyo,Japan,1996)。
【0004】
脱毛症は遺伝的要因、老化の進行、薬物服用、放射線治療および重病後ストレスなどによって発生すると報告されている。脱毛現象は生化学的および生理学的な観点から男性ホルモンの過剰分泌、頭皮血液循環の問題および毛髪代謝に必須な栄養素の欠乏が主原因であると知られており、男性型はげ頭症の主原因は男性ホルモン(androgen)およびステロイドホルモン、特にテストステロンを5−α−ジヒドロテストステロン(DHT)に転換させ、脂腺(sebaceous gland)および毛嚢(hair follicle)の角化細胞(keratinocyte)、毛乳頭細胞(dermal papilla cell)、汗線(sweat gland)、毛根鞘(root sheath of the scalp hair follicle)に分布する5−α−還元酵素;および男性ホルモンをエストラジオールなどの女性ホルモンに転換させるアロマターゼ(aromatase)と関連性があると知られている。円形脱毛症の病因は、自己免疫系疾患、特に、メラニン細胞(melanocyte)、角化細胞(keratinocyte)、毛乳頭(dermal papilla)、および血管内皮細胞(vascular endothelium)で発生するリンパ球CD4+疾患であると知られている(J.Shapiro et al.,Therapeutic agents,Dermatol.Clin.16(2)、pp341−356、1998)。
【0005】
今まで男性型はげ頭症の治療のための多様な薬物が開発されて用いられてきた。例えば、経口用5−α−還元酵素阻害剤としてフィナステライド(finasteride)が市販されているが、この薬物は投薬を中断したら症状を再発し、妊婦には使用が制限され、また、長期投与によって男性の性機能が弱化するという副作用がある。市販されているまた他の製剤であるミノキシジル(minoxidil)は、細胞分裂促進剤、血管拡張剤、毛細管発生促進剤、免疫抑制剤、cAMP調節制、上皮細胞生長因子(EGF)および細胞発生過程調節剤と共に用いられてきた。しかし、これも使用を中断したら症状が再発し、血圧を低下させるという副作用がある。円形脱毛症の治療にはリンパ球に作用して免疫抑制の效果を目的とする免疫調節剤が注射および軟膏の形態で用いられており、代表的な例としては副腎皮質ホルモン(adrenocorticotrophin;ACTH)が挙げられるが、これも再発および副作用の問題があって長期使用が難しい。前述したような薬物の他にも、酢酸シプロテロン、スピロノラクトン、エストロゲンなどが脱毛症治療に用いられることが知られている(J.Shapiro et al.,Hair regrowth,Therapeutic agents,Dermatol.Clin.16(2),pp341〜356,1998)。
【0006】
前述したように、従来の大多数の薬物は十分な薬効を提供することができず、再発や副作用などの問題があるので、十分な效能および低減した副作用を示す新薬の開発が必要である。
一方、脱毛症の治療および予防のために漢方薬成分から有效な薬物を開発するために多くの研究がなされている。
【0007】
代替的アプローチとして、発毛促進の效果を奏する粗抽出物を薬物として含む組成物に対する多くの研究がなされ、例えば、蘭科植物の抽出物を用いる場合(韓国特許第0157667号)、熊脂及び蔓荊子を用いる場合(韓国特許第161338号)、ハクサンシャクナゲ(Rhododendron fauriae)抽出物を用いる場合(韓国公開特許公報第1991−106号)、松葉抽出物を用いる場合(韓国公開特許公報第1996−40346号)、蛇床子(torilla seed)、松葉、蚕蛾(silkworm moth)の粗抽出物(韓国公開特許公報第1990−2757号)、マンシュウウコギの根(Acanthopanax sessiliflorus)、黄蓍の根(Astragalus membranceus)、ツルドクダミの根(Polygonum multiflorum)、ウチワドコロ(Dioscorea nipponica)およびそば(Fagopyrum esculentum)からなる漢方薬抽出物(韓国公開特許公報第2000−24499号)、カラスビシャク(Pinellia ternata)、クローブ(Eugenia Caryophyllata)、覆盆子(Rubus coreanus)、山椒(Zanthoxylum piperatum)、蔓荊子(Vitex rotundifolia)、丹参(Salvia miltiorrhiza)および柏子仁(Thujae semen)からなる漢方薬抽出物を用いる場合(韓国特許第259037号)、天蚕およびその副産物を約200℃で15分間加熱して得られた油および御種人参(Panax ginseng)、黄蓍(Angelica sinensis)、当帰(Astragalus membranceus)、何首烏(Polygonum multiflorum)、クルミ(Juglans sinensis)、覆盆子(Rubus coreanus)、生地黄(Rehmannia glustinosa)、補骨脂(Psoralea corylifolia)、送綵(Pinus densiflora)、ハマゴウ(Vitex rotundifolia)、紅花(Carthamus tinctorius)およびトウネズミモチ(Ligustrum lucidum)からなる粗抽出物を用いる場合(韓国公開特許第1990−13934号)、蚕蛾、蚕種(silkworm pupa)、蚕のサナギ、黒胡麻、胡麻、ワカメおよびクルミからなる粗抽出物を用いる場合(韓国公開特許第1990−5952号)、緑豆粉、大豆粉、荏胡麻粉、胡麻粉、エゴマ粉、クルミ粉、海苔粉、貽貝粉、カキ粉、アンチョビ粉、ワカメ粉および酵母濃縮液の粉末を混合して用いる場合(韓国特許第260673号)、クコ(Lycium chinensis)の実、根、幹、葉、花およびトウモロコシの毛(corn silk)の抽出物を用いる場合(韓国公開特許第2000−36534号)などが公開されている。しかし、これらの作用原理は明確でなく、效能が充分に検証されていない。
【0008】
マタタビ科(Actinidiaceae)に属するサルナシ(Actinidia arguta)、ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)およびマタタビ(Actinidia polygama)はシベリア、中国北部、北朝鮮および韓国の原産地で見られ、30種以上がマタタビ科(Actinidiaceae)に属すると報告されている。このうちキーウィおよびサルナシと知られているシナサルナシ(Actinidia chinensis or A.deliciosa)、およびその他の同一類(genus)に属する果物は「黴候桃(ミフド)」という漢方材として用いられ、肝疾患、胃腸病および泌尿性結石症の治療に適用されてきた(Chung B.S.and Shin M.K.;HyangyakDaesacheon,Youngrimsa.,pp386−388,1998)。
【0009】
このようなキウイフルーツの活性を用いた多様な疾患の治療または予防に関する多くの出願がなされた。例えば、韓国特許第344147号にはキウイフルーツの滲出液(exudate)を主成分とした健康飲料およびその製造方法、韓国特許第134024号にはシナサルナシを主成分とする健康飲料およびその製造方法、韓国公開特許第1996−37061号にはキウイフルーツの抽出物を主成分とする肝機能保護剤および抗癌剤が各々開示されており、また、韓国公開特許第2002−78467号にはサルナシ(Actinidia arguta)、ケンポナシ(Hovenia dulcis)、クコ(Lycium chinensis)、五味子(Schizandra chinensis)、インジンヨモギ(Artemis capillaries)、葛花(Pueraria thunbergiana)、甘草(Glycyrrhiza uralensis)、ユウガオ(Lagenaria siceraria)、タラノキ(Aralia elata)、イトヒメハギ(Polygala tenuifolia)、当帰(Angelica sinensis)、白朮(Atractylodes macrocephala)、梔子(Gardenia jasminoides)、黄耆(Astragalus membranaceus)、紅花種(Carthamus tinctorius)および冬虫夏草(Cordyceps militaris)からなる粗抽出物を含む肝機能回復のための飲料およびその製造方法が開示されている。
【0010】
しかし、キウイフルーツの脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防に対する活性については報告されていない。
【0011】
従って、本発明者らはキウイフルーツの抽出物の脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防の效果を研究するため、DHT(ジヒドロテストステロン)の再生抑制作用に関する生体内外の実験と共に発毛の促進および脂漏性皮膚疾患の改善に関する臨床実験に集中的に行った結果、キウイフルーツの抽出物が血中のDHTレベルを下げることで脱毛症および脂漏性皮膚疾患を抑制することを確認して本発明を完成させるに至った。
【特許文献1】韓国特許第0157667号
【特許文献2】韓国特許第0161338号
【特許文献3】韓国公開特許公報第1991−106号
【特許文献4】韓国公開特許公報第1996−40346号
【特許文献5】韓国公開特許公報第1990−2757号
【特許文献6】韓国公開特許公報第2000−24499号
【特許文献7】韓国特許第259037号
【特許文献8】韓国公開特許第1990−13934号
【特許文献9】韓国公開特許第1990−5952号
【特許文献10】韓国特許第260673号
【特許文献11】韓国公開特許第2000−36534号
【特許文献12】韓国特許第344147号
【特許文献13】韓国特許第134024号
【特許文献14】韓国公開特許第1996−37061号
【特許文献15】韓国公開特許第2002−78467号
【非特許文献1】M.Inaba et al.,Androgenetic Alopecia,Springer−Berlag,Tokyo,Japan,1996
【非特許文献2】J.Shapiro et al.,Therapeutic agents,Dermatol.Clin.16(2)、pp341−356、1998
【非特許文献3】J.Shapiro et al.,Hair regrowth,Therapeutic agents,Dermatol.Clin.16(2),pp341〜356,1998
【非特許文献4】Chung B.S.and Shin M.K.;HyangyakDaesacheon,Youngrimsa.,pp386−388,1998
【非特許文献5】Harborne J.B.Phytochemical methods:A guide to modern techniques of plant analysis.3rd Ed.pp6−7,1998
【非特許文献6】Matsumoto Mithio,Manual for the development of transdermal applied preparation.Seisi Press,1st Ed.,1985
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、活性成分としてキウイフルーツ(hardy kiwifruit)抽出物を脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防に有效量で含む薬剤学的組成物を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、キウイフルーツの抽出物をヒトおよび哺乳類の脱毛症および脂漏性皮膚疾患を治療および予防するための薬剤学的組成物の製造に用いるための用途を提供することである。
【0014】
本発明のまた他の目的はキウイフルーツの抽出物を含む脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防のための健康食品または食品添加剤を提供することである。
【0015】
本発明の更に他の目的はキウイフルーツの抽出物を含む脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防のための飼料または飼料添加剤を提供することである。
【0016】
本発明の更に別の目的は活性成分としてキウイフルーツの抽出物を脱毛症および脂漏性皮膚疾患の治療および予防に有效な量で含む化粧品組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は活性成分としてキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物を含む、脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0018】
また、本発明はキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物のヒトおよび哺乳類の脱毛症および脂漏性皮膚疾患を予防および治療するための治療剤を製造するための用途を提供する。
【0019】
また、本発明は哺乳類にキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物を薬剤学的に許容可能な担体と共に投与することを含む、哺乳類の脱毛症および脂漏性皮膚疾患を予防および治療する方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、前述のような前記抽出物および食品学的に許容可能な添加剤を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用のヘルスケア食品または食品添加剤を提供する。
【0021】
また、本発明は前記抽出物を必須成分として含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の治療、予防および改善用飼料または飼料添加剤を提供する。
【0022】
更に、本発明は前記抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の治療、予防および改善用化粧品組成物を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、キウイフルーツの抽出物は副作用なしに毛根形成および発毛を顕著に促進させ、脂漏性皮膚疾患の症状を改善させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明において、脱毛症は老人性脱毛症(alopecia senilis)、円形脱毛症(alopecia areata)などを含む。
【0025】
本発明で用いられている用語「粗抽出物」とは、水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはブタノール)、およびこれらの混合物、好ましくは水およびエタノールの混合溶媒を用いた抽出物を意味する。
【0026】
好ましくは、本発明における前記「粗抽出物」は、キウイフルーツを水、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはブタノール)、およびこれらの混合物、好ましくは水およびエタノールの混合溶媒で抽出して濾過した後、濾過物を濃縮することで得られる抽出物を含む。
【0027】
本発明で用いられている用語「非極性溶媒の可溶性抽出物」は、クロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタンまたはエーテル、好ましくは酢酸エチルで抽出された「抽出物」を意味する。
【0028】
本願において、前記非極性溶媒の可溶性抽出物はキウイフルーツをクロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタンまたはエーテル、好ましくは酢酸エチルで抽出して濾過した後、濾過物を濃縮することで得られる抽出物を含む。
【0029】
前記キウイフルーツはサルナシ(Actinidia arguta)、ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)、マタタビ(Actinidia polygama)および同一属(genus)に属する植物を含み、その実、幹または根を用いることができる。
【0030】
本発明の薬剤学的組成物は前記キウイフルーツの抽出物を組成物全量を基準として0.01〜50重量%の量で含むことができる。
【0031】
本発明のヘルスケア食品は前記抽出物を組成物全量を基準として0.01〜95重量%、好ましくは1〜80重量%の量で含む。
【0032】
前記ヘルスケア食品には健康食品、健康飲料などが含まれ、粉末、顆粒、錠剤、チューイン錠剤、カプセルまたは飲料などの形態で用いられ得る。
【0033】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のキウイフルーツの抽出物は下記の方法で製造され得る。
本発明のキウイフルーツの抽出物はキウイフルーツを乾燥・切断・粉砕した後、キウイフルーツの乾燥重量の5〜25倍、好ましくは約10倍に至る容量の水を低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールおよびブタノール)またはこれらの混合物、好ましくはメタノールと混合し、その混合液を20〜100℃、好ましくは60〜100℃の温度で約1〜24時間熱水で処理し、熱水、冷水、還流冷却または超音波を用いた抽出方法によって1〜5回、好ましくは2〜3回連続抽出し、残渣を濾過して上澄液を得た後、回転蒸発器で20〜100℃、好ましくは50〜70℃で濃縮し、凍結真空乾燥法、熱風乾燥法または噴霧乾燥法を用いて乾燥させることで製造することができる。この乾燥キウイフルーツの抽出物の粉末は水、低級アルコールまたはこれらの混合溶媒に可溶である。
【0034】
また、前記粗抽出物を水に懸濁してからその懸濁液の約1〜100倍、好ましくは約1〜5倍容量の酢酸エチル、クロロホルムまたはヘキサンなどの非極性溶媒を加え、非極性溶媒可溶層を回集することで、非極性溶媒可溶抽出物を収得することができ、残留層を水、低級アルコールまたはこれらの混合溶媒を用いて処理して極性溶媒可溶抽出物を収得し得る。更に、当該分野に広く公知である工程、即ち、下記文献に開示された工程によって分画または単離工程を行うことができる(Harborne J.B.Phytochemical methods:A guide to modern techniques of plant analysis.3rd Ed.pp6−7,1998)。
【0035】
例えば、非極性溶媒可溶抽出物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー、TLC(薄層クロマトグラフィー)またはセファデックス(Sephadex)カラムクロマトグラフィーなどのカラムクロマトグラフィー、好ましくはクロロホルム:メタノール:水の混合溶媒を溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィー、更に好ましくはクロロホルム:メタノール:水の物をその混合比が100:10:1(w:w:w)から20:10:0.5で終わるようにする段階的に極性を増加させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて更に精製することができ、精製された抽出物は図1〜3に示したTLCスペクトルを有する。
【0036】
従って、本発明は活性成分として前述のように製造されたキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物を含む、脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0037】
更に、本発明はキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物におけるヒトおよび哺乳類の脱毛症および脂漏性皮膚疾患を予防および治療するための治療剤を製造するための用途を提供する。
【0038】
本発明で用いられている用語「精製抽出物」は、極性溶媒または非極性溶媒の可溶性抽出物からカラムクロマトグラフィー精製によって収得された潜在的な活性を有する「分画」を意味し、好ましくは、精製抽出物は図1〜3に示したようなTLCスペクトルを有する。
【0039】
前述したように製造されたキウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物の脱毛症および脂漏性皮膚疾患に対する抑制活性を評価するため、マウスを対象として血中でDHT(ジヒドロテストステロン)再生抑制性および毛根形成に関する生体内外の実験と共に発毛の促進および脂漏性皮膚疾患の改善に対する臨床実験を行った。その結果、本発明者らは経口投与されたキウイフルーツの抽出物が志願者の血中のDHTレベルを下げ、マウスモデル実験において毛根の形成を促進し、脱毛症状を抑制すると共に角質生成や脂漏症などの脂漏性皮膚疾患を改善することを確認した。
【0040】
本発明の他の態様によると、活性成分として前記方法で製造されたキウイフルーツの抽出物を含む、脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用薬剤学的組成物を提供する。
【0041】
更に、本発明は前記方法で製造されたキウイフルーツの抽出物をヒトまたは哺乳類に投与することを含む、脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および治療方法を提供する。
【0042】
本発明の脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用組成物は前記キウイフルーツの抽出物を組成物の全量を基準として0.01〜50重量%で含むことができる。
【0043】
本発明の組成物は更に当該分野に広く公知されている通常の方法によって通常の担体、補助剤または希釈剤を加えることができる。
【0044】
以下、本発明による組成物の製剤方法および使用可能な賦形剤について説明する。但し、これは例示のためのものに過ぎず、本発明を制限することはない。
【0045】
本発明による組成物は薬剤学的に許容可能な担体、補助剤または希釈剤、例えば、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアガム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシ安息香酸、プロピルヒドロキシ安息香酸、滑石、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油を含む薬剤学的組成物として提供され得る。前記組成物は更に充填剤、凝集防止剤、潤滑剤、湿潤剤、甘味剤、乳化剤、保存料などを用いて製剤化し得る。本発明による組成物は当該分野における公知方法を用いて患者への投与後、活性成分の速放、徐放または遅延放出を提供するように製剤化し得る。
【0046】
例えば、本発明による組成物は注射用製剤の生成に通常に用いられる油、プロピレングリコールまたはその他の溶媒中に溶解させ得る。注射用製剤に適した担体としては生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。局所投与のために本発明による組成物は軟膏およびクリームの形態で製剤し得る。
【0047】
本発明の組成物を含む薬剤学的製剤は経口投与型(粉末、錠剤、カプセル、軟質カプセル、水性薬剤(aqueous medicine)、シロップ、エリキシル剤、丸剤、サシェ(sachet)、顆粒)、局所用製剤(クリーム、軟膏、ローション、ゲル、バルム、パッチ、ペースト、散布液、エアロゾルなど)、注射用製剤(溶液、懸濁液、エマルジョン)などの形態で製造され得る。
【0048】
本発明の組成物は製剤化に際して薬剤学的に許容可能な塩の形態で用いてもよく、更にその他に薬剤学的に活性のある化合物との適切な会合または組合により用いてもよい。
【0049】
本発明の抽出物または組成物の好ましい容量は患者の状態および体重、重症度、薬物の形態、投与経路および投与期間によって異なり、当業者らによって選択され得る。しかし、所望の効果を得るためには本発明の抽出物または化合物は一般に一日に10g/kg以下、好ましくは1〜3g/kgの量で投与される。このような投与量は一日単回投与または数回に分けて投与され得る。組成物において、本発明の抽出物は組成物の全量を基準として0.01〜95重量%、好ましくは0.5〜80重量%mの量で存在しなければならない。
【0050】
本発明の薬剤学的組成物は哺乳類(ラット、マウス、家畜またはヒト)に多様な経路を介して投与され得る。全ての投与方式が考慮され、例えば、経口投与、直腸投与、または静脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、髄腔内注射、硬膜外注射または脳室内注射による投与が行われ得る。
【0051】
また、本発明はキウイフルーツの抽出物0.01〜20重量%、アミノ酸0.001〜5重量%、ビタミン0.001〜2重量%、糖0.001〜20重量%、有機酸0.001〜10重量%、適正量の甘味剤および香味剤を含む、脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用のヘルスケア食品飲料の組成物を提供する。
【0052】
前記キウイフルーツの抽出物は脱毛症および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用食品および飲料に添加され得る。
【0053】
ヘルスケア食品の開発のために本発明のキウイフルーツの抽出物を添加し得る食品としては、例えば、各種の食品類、飲料類、ガム類、複合ビタミン剤、健康補助食品類などが挙げられ、粉末、顆粒、錠剤、チューイン錠剤、カプセルまたは飲料などの形態で用いられ得る。
【0054】
また、本発明による抽出物は調製粉乳、育児用調製粉乳、育児用調製食品などの小児および乳児用食品に添加されることで脱毛症および脂漏性皮膚疾患を予防および改善し得る。
【0055】
前記組成物は食品、添加剤または飲料に添加されることができ、このとき、食品または飲料中の前記抽出物の含量は一般に食品の全量の約0.1〜95w/w%、好ましくは1〜80w/w%、また機能性健康飲料の組成物100mlに対して1〜30g、好ましくは3〜10gの割合で添加され得る。
【0056】
本発明の機能性健康飲料の組成物は必須成分として指示割合内で前記抽出物を含むならば、その他の液体成分には特に制限がなく、ここで、その液体成分としては通常の飲料のような様々な香味剤または天然炭水化物などが挙げられる。前記天然炭水化物の例としは、単糖類(例えば、グルコース、果糖);二糖類(例えば、マルトース、ショ糖);デキストリン、シクロデキストリンなどの通常の糖、およびキシリトールおよびエリトリトールなどの糖アルコールが挙げられる。前述したもの以外の香味剤としては天然甘味料(例えば、タウマチン)、ステビア抽出物(例えば、レバウジオシドA、グリチルリチン)および合成甘味料(例えば、サッカリン、アスパルテーム)が有用である。前記天然炭水化物は本発明の飲料組成物100ml当り一般に約1〜20g、好ましくは5〜12gの割合で添加される。
【0057】
その他、本発明の組成物は色々な栄養剤、ビタミン、鉱物または電解質、合成風味剤、着色剤および品質改良剤(チーズやチョコレートの場合)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤などを含み得る。更に、本発明の組成物は天然フルーツジュース、フルーツジュース飲料および野菜飲料の製造のための果肉を含んでもよく、このとき、前記成分は単独または組み合わせて使用し得る。これらの成分の割合はあまり重要ではないものの、本発明の組成物100w/w%当り約0〜20w/w%の範囲で選ばれるのが一般である。本発明のキウイフルーツ抽出物を添加し得る食品の例としては、種々な食品類、飲料類、ガム類、複合ビタミン剤、健康補助食品類などが挙げられる。
【0058】
更に、本発明の組成物は有機酸(例えば、クエン酸、フマル酸、アジピン酸、乳酸、リンゴ酸);リン酸(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、酸性ピロリン酸、ポリリン酸塩);および天然抗酸化剤(例えば、ポリフェノール、カテキン、α−トコフェロール、ローズマリー抽出物、ビタミンC、緑茶抽出物、甘草抽出物、キトサン、タンニン酸、フィチン酸(phytic acid)のうち少なくとも一つを含み得る。
【0059】
前記キウイフルーツの抽出物は20〜90%の高濃縮液、粉末または顆粒であり得る。
同様に、前記キウイフルーツの抽出物は更に乳糖、カゼイン、ブドウ糖、グルコース、ショ糖およびソルビトールのうち少なくとも一つを含み得る。
【0060】
また、本発明による食品添加剤は殺菌剤、香料、甘味料、様々な栄養剤、ビタミン、鉱物または電解質、合成風味剤、着色剤および品質改良剤(チーズやチョコレートの場合)、ペクチン酸およびその塩、アルギン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に用いられる炭酸化剤、または食品材料の必須成分として使用され得る。
【0061】
食品添加剤が蒸着法、噴霧法または混合法により食品に添加される場合、添加剤の割合はあまり重要ではないものの、本発明の組成物100w/w%当り約0.01〜20w/w%の範囲で選択されるのが一般である。本発明のキウイフルーツの抽出物を含む食品添加剤を添加し得る食品の例は次の通りである。
【0062】
即ち、前記食品添加剤は果物、野菜、果物および野菜の乾燥食品またはカッティング(cutting)製品;フルーツジュース、野菜ジュースまたはこれらの混合ジュース;酸飲料含有ドリンク類;クッキー、キャンデー、カラメルおよびガムなどのお菓子類;パン;アイスクリーム、お茶、ヨーグルトなどの醗酵製品;乳製品、香料、アルコール性飲料類、缶類、瓶類、麺類、加工された家畜類、加工された海産物、発酵食品、豆食品、シリアル食品、加工された肉類、甘草類およびハーブ類から選択される少なくとも一つの食品に添加され得る。
【0063】
本発明の他の態様によると、前記方法で製造されたキウイフルーツの粗抽出物を必須成分として含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用の飼料または飼料添加剤が提供される。
【0064】
前記飼料添加剤は飼料の全乾燥重量を基準として5〜100g/kgの含量で飼料に混合され得る。
【0065】
更に、本発明は前記飼料添加剤を含む飼料組成物を提供する。
【0066】
また、本発明はキウイフルーツの粗抽出物または非極性溶媒の可溶性抽出物を有效量で含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用化粧品組成物を提供する。
【0067】
本発明の化粧品組成物は脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防、改善および治療用組成物の全重量を基準としてキウイフルーツの抽出物を0.01〜30重量%、好ましくは0.01〜5重量%含む。
【0068】
本発明の化粧品組成物は通常化粧品組成物に用いられると知られたその他の成分を含み得る。
【0069】
前記化粧品組成物はスキン、ローション、クリーム、エッセンス、トナー、エマルジョン、パック、せっけん、シャンプー、リンス、クレンザー、ボディー洗浄液、洗浄液、トリートメント、ゲル、バルム、散布液などの形態で製造され得る。
【0070】
本発明の化粧品組成物は水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ペプチドポリマー、多糖類ポリマー、スフィンゴリピドおよび海草抽出物からなる群から選択される添加剤を含み得る。
【0071】
前記水溶性ビタミンは化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、ビタミンB1、B2、B6、ピリドキシン、ピリドキシンHCl、ビタミンB12、パントテン酸(pantothenic acid)、ニコチン酸、ニコチンアミド、葉酸(folic acid)、ビタミンC、ビタミンHなどのビタミン、およびこれらの塩、例えばチアミンのHCl塩、アスコルビン酸のNa塩、アスコルビン酸−2−リン酸のNa塩、およびアスコルビン酸−2−リン酸のMg塩が挙げられ、これらは微生物変換法、微生物培養液の精製法、酵素法または化学的な合成法など通常の方法によって収得され得る。
【0072】
前記脂溶性ビタミンは化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、ビタミンA、D2、D3、E(dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、d−δ−トコフェロール)などのビタミンおよびこれらの誘導体、例えばパルミチン酸アスコルビン酸塩、ステアリン酸アスコルビン酸塩、ジパルミチン酸アスコルビン酸塩、酢酸−dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロールビタミンE、dl−パントテニルアルコール、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテルなどが挙げられ、これらは微生物変換法、微生物培養液の精製法、酵素法または化学的な合成法などの通常の方法によって収得され得る。
【0073】
前記ペプチドポリマーは化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、コラーゲン、加水分解性コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、加水分解性ゼラチン、ケラチンなどが挙げられる。
【0074】
前記多糖類ポリマーは化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース、キサンチンガム、ヒアルロン酸のNa塩、コンドロイチン(chondroitin)硫酸またはその塩(Na塩など)が挙げられる。例えば、コンドロイチン硫酸またはその塩は通常の哺乳類または魚類から抽出されて使用され得る。
【0075】
前記スフィンゴリピドは化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、セラミド、ピット−スフィンゴシン、スフィンゴ−リポ多糖類などが挙げられ、通常の方法によって哺乳類、魚類、甲殻類、酵母または植物などから抽出することで収得され得る。
【0076】
前記海草抽出物は化粧品組成物と混合され得るものであれば何れも使用可能であるが、好ましくは、褐藻類、紅藻類、緑藻類の抽出物または精製されたカラギーナン(carrageenan)、これらから単離されたアルギン酸、アルギン酸のNa、K塩が挙げられる。藻類抽出物は通常の方法によって海草から抽出することで収得され得る。
【0077】
本発明の化粧品組成物は通常の化粧品組成物と組み合わせられるその他の成分、および必要に応じて前述したような必須成分と組み合わせられ得る。
【0078】
好ましいその他の成分としては油成分、湿潤剤、軟化剤、表面活性剤、有機または無機染料、有機粉末、紫外線吸収剤、保存料、防腐剤、抗酸化剤、植物抽出物、pH調節剤、アルコール、顔料、香水、緩和剤、血液循環剤、発汗剤、蒸留水などが含まれ得る。
【0079】
好ましい油成分としてはエステル油、炭化水素油、シリコーン油、フッ化物油、動物油、植物油などが含まれ得る。
【0080】
好ましいエステル油の成分としてはヘキサン酸グリセリルトリ−2−エチル、へキサン酸セチル−2−エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、微少ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソアルキル、グリセリルトリ(カプリル酸、カプリン酸)、トリメチルプロパントリ−2−エチルへキサン酸、トリイソステアリン酸トリメチルプロパン、テトラ−2エチルへキサン酸ペンタエリスリトール、セチルカプリル酸、デシルラウリン酸、ラウリン酸へキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシンオレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、セトステアリル2−エチルへキサン酸、ステアリル2−エチルへキサン酸、イソステアリン酸へキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、プロピレングリコールジ(カプリル酸、カプリン酸)、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグルリコル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸へキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、オレアノン酸エステルポリグリセリン、イソステアリン酸エステルポリグリセリン、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアルキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、乳酸トリエチル、乳酸アセチルトリエチル、乳酸アセチルトリブチル、乳酸トリオクチル、マレイン酸ジイソステアリル、ステアリン酸ジ−2−エチルへキシルヒドロキシ、コハク酸2−エチルへキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリルヒドロキシ、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸ピトステリル、オレイン酸ピット−ステリル、ステアリン酸イソセチル−12−ステアロイルヒドロキシ、ステアリン酸ステアリル−12−ステアロイルヒドロキシ、ステアリン酸イソステアリル−12−ステアロイルヒドロキシが含まれ得る。
【0081】
好ましい炭化水素油としてはスクアレン、流動パラフィン、α−オレフインオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン、微結晶ワックス、ワセリンなどが含まれ得る。
【0082】
好ましいシリコン油としてはポリメチルシリコン、メチルフェニルシリコン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性シリコン油、アミノ変性シリコン油などが含まれ得る。
【0083】
好ましいフッ化物油としてはペルフルオロポリエーテルが含まれ得る。
【0084】
好ましい動物油または植物油としてはアボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、もみ殻油、ベニバナ油、紅花種油、大豆油、トウモロコシ油、菜種油(rape oil)、アミグダリン油、パーム核油、パーム油、ひまし油、ひまわり種油、果実油、綿実油、ココヤシ油、小麦芽油(wheat embryo bud oil)、米胚芽油(rice embryo bud oil)、シア(sia)バター、月見草油(eveningprimrose oil)、マカダミアナッツオイル(nacadamia nuts oil)、メドホームオイル(medo home oil)、卵黄油、ラノリン、麻実油(hempseed oil)、ミンクオイル(mink oil)、オレンジ皮油(orange peel oil)、ホホバ油、カナナバワックス、流動ラノリン、固形のひましワックスなどが含まれ得る。
【0085】
好ましい湿潤剤としては水溶性低分子湿潤剤、親脂性低分子湿潤制、水溶性ポリマーおよび脂溶性ポリマーが含まれ得る。
【0086】
具体的に、好ましい水溶性低分子湿潤剤としてはセリン、グルタミン、ソルビトール、マンニトール、ピロリドンカルボン酸のNa塩、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度>2)、ポリプロピレングリコール(重合度>2)、乳酸、乳酸塩などが含まれ得る。
【0087】
好ましい脂溶性低分子湿潤剤としてはコレステロール、コレステロールエステルなどが含まれ得る。
【0088】
好ましい水溶性ポリマーとしてはカルボキシビニルポリマー、ポリアスパラギン酸塩、トラガカント、キサンチンガム、HMC(ヒドロキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、カルボキシメチルセルロース、水溶性キチン、キトサン、デキストリンなどが含まれ得る。
【0089】
好ましい脂溶性ポリマーとしてはポリビニルピロリドン−エイコセン共重合体、ポリビニルピロリドン−ヘキサデセン共重合体、ニトロセルロース、デキストリン脂肪酸エステル、シリコンポリマーなどが含まれ得る。
【0090】
好ましい軟化剤としては長鎖アシルグルタミン酸コレステリルエステル、ステアリン酸コレステリルヒドロキシ、ステアリン酸−12−ヒドロキシ、エラブ酸(ellagic acid)、ラノリン脂肪酸コルレステリルエステルなどが含まれ得る。
【0091】
好ましい表面活性剤としては非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが含まれ得る。
【0092】
具体的に、好ましい非イオン性界面活性剤としては自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE固形ひまし油、POEひまし油、POE−POP共重合体、POE−POPアルキルエーテル、ポリエーテル改質ひましシリコン、ラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質などが含まれ得る。
【0093】
好ましい陰イオン性界面活性剤としては脂肪酸せっけん、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシル−アミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシル化加水分解性コラーゲンペプチド塩、ペルフルオロアルキルリン酸塩エステルなどが含まれ得る。
【0094】
好ましい陽イオン性界面活性剤としては塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第4級アンモニウムなどが含まれ得る。
【0095】
好ましい両性界面活性剤としてはカルボキシベタイン型、アミドベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、リン酸ベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型などが含まれ得る。
【0096】
好ましい有機および無機染料としては無機染料としてケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、滑石、セリサイト、雲母、カオリン、ベンガラ(bengala)、粘土、ベントナイト、雲母チタン(titan film mica)、塩化オキシビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化第1鉄(ferrous oxide)、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、カーボンブラックおよびこれらの錯体;有機染料としてポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、フッ化物樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、シルク粉末、セルロース、CI黄色顔料、CIオレンジ色顔料;およびこれらの錯体などが含まれ得る。
【0097】
好ましい有機粉末としてはステアリン酸カルシウムなどの金属せっけん;セチル酸ナトリウム亜鉛、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸カルシウムなどのアルキルホスホン酸金属塩;N−ラウロイル−β−アラニンカルシウム、N−ラウロイル−β−アラニン亜鉛、N−ラウロイル−グリシンカルシウムなどのアシルアミノ酸の多価金属塩;N−ラウロイル−タウリンカルシウム、N−パルミトイル−タウリンカルシウムなどのアミドスルホン酸の多価金属塩;N−ε−ラウロイル−L−リシン、N−ε−パルミトイル−リシン、N−α−パルミトイルオルニチン、N−α−ラウロイルアルギニン、硬化ラノリン脂肪酸アシルアルギニンなどのN−アシル塩基性アミノ酸;N−ラウロイルグリシルグリシンなどのN−アシルポリぺプチド;α−アミノカプリル酸、α−アミノラウリン酸などのα−アミノ脂肪酸;ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ジビニルベンゼン−スチレン共重合体、四フッ化エチレンなどが含まれ得る。
【0098】
好ましい紫外線吸収剤としてはパラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸オクチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、p−メトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、p−メトキシケイ皮酸オクチル、ジ−p−メトキシケイ皮酸モノ−2−エチルへキサングリセリル、p−メトキシケイ皮酸イソプロピル、ジイソプロピル−ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカン酸、ウロカン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、スルホン酸ヒドロキシメトキシベンゾフェノンおよびその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン二硫酸塩ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−tert−ブチル−4−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルへキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾルなどが含まれ得る。
【0099】
好ましい保存料としてはヒノキチオール、三塩素酸(trichloric acid)、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル、グルクロン酸クロロヘキシジン(glucuronate)、フェノキシエタノール、レゾルシン(resorcin)、イソプロピルメチルフェノール、アズレン(azulene)、サリチル酸、亜鉛ピリチオン(zinc pylithione)、ベンズアルコニウムHCl、光線感作物質(photosensitizer)301、モノニトログアヤコールナトリウム、ウンデシレン酸などが含まれ得る。
【0100】
好ましい抗酸化剤としてはブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、エリソルビン酸塩などが含まれ得る。
【0101】
好ましいpH調節剤としてはクエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸塩ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどが含まれ得る。
【0102】
好ましいアルコールとしてはセチルアルコールなどが含まれ得る。
【0103】
更に、前述のような成分に加えてその他の成分が添加できるが、その含量は本発明の目的および效果の範囲内に制限されないものの、全組成物の重量を基準として0.01〜5%が好ましく、より好ましくは0.01〜3%である。
【0104】
本発明の化粧品組成物は溶液、乳液、凝集性混合物などに変形され得る。
【0105】
前記水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、ペプチドポリマー、多糖ポリマー、スフィンゴリピドおよび海草抽出物などの成分、およびこれらの成分に添加され得るその他の成分は下記文献に記載の通常の方法で収得され得る(Matsumoto Mithio,Manual for the development of transdermal applied preparation.Seisi Press,1st Ed.,1985)。
【0106】
更に、本発明は前記抽出物を必須成分として含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用化粧品添加剤を提供する。
【0107】
前記化粧品添加剤は脱毛および脂漏性皮膚疾患を予防、改善および治療するために既存の化粧品および洗浄溶液に添加されて用いられ得る。
【0108】
更に、前記化粧品添加剤はクリーム、ローション、マッサージパックおよびボディー洗浄液、せっけん、シャンプーなどに用いられ得る。
【0109】
本発明の抽出物は毒性および副作用がなくて安全に用いられ得る。
【0110】
本発明の組成物、用途および製造方法において本発明の範疇および技術的な思想の範囲内で多様に変形および修正できることは当業者にとって自明である。
【0111】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。但し、これらの実施例は本発明を制限しない。
【実施例1】
【0112】
実施例1:キウイフルーツの抽出物の製造
1−1.キウイフルーツの抽出物の水抽出物の製造
ソウルに所在するギョンドン市場で購入した100gのサルナシの乾燥実および乾燥幹、ミヤママタタビおよびマタタビの乾燥実を粉砕して1lの蒸留水と混合し、90〜95℃を維持する抽出温度で3時間3回還流抽出した後、抽出物を濾過し、回転蒸発器(N−1000,Eyela Co.,Japan)を用いて55〜65℃で、減圧下で濃縮した後、凍結乾燥させて、サルナシの乾燥実抽出物15.6gおよび乾燥幹抽出物10.4g、ミヤママタタビの乾燥実抽出物16.2gおよびマタタビの乾燥実抽出物17.0gをそれぞれ収得した。これらの乾燥粉末をそれぞれ蒸留水に溶解させた(100mg/ml)。
【0113】
1−2.水−アルコール可溶性抽出物の製造
抽出溶媒としてエタノールの割合が30%、50%および70%である水−アルコール混合溶媒を用いることを除いては前記実施例1−1と同様な工程を行って11g〜13gのキウイフルーツ乾燥粉末を収得し、それぞれの乾燥粉末を蒸留水に溶解させた(100mg/ml)。
【実施例2】
【0114】
実施例2:キウイフルーツの極性溶媒および非極性溶媒の可溶性抽出物の製造
前記実施例1−1で製造された水抽出物を次のような方法で分画した。
2−1.クロロホルム可溶性分画の製造
前記実施例1−1で製造されたキウイフルーツの抽出物5gを50mlの蒸留水に添加した後、クロロホルム50mlと共に分液漏斗(separatory funnel)に入れて強く攪拌してからクロロホルム層と水層とに分離した。
【0115】
2−2.酢酸エチル可溶性分画の製造
前記実施例2−1で収得した水層を酢酸エチル50mlと混合した後、酢酸エチル層と最終水層とに分離した。
前記クロロホルム層、酢酸エチル層および最終水層を回転蒸発器で濃縮した後、凍結乾燥してクロロホルム可溶性分画0.34g、酢酸エチル可溶性分画0.05g、水分画4.61gの粉末をそれぞれ収得した。
【実施例3】
【0116】
実施例3:シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いたキウイフルーツの抽出物の分画製造
前記実施例2−2の酢酸エチル可溶性分画2.784mgをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Daisogel IR−60−W−40:63mm)で分画した。展開溶媒としては開始時にクロロホルム:メタノール:水混合溶媒([1]90:11:1、[2]60:10:1、[3]60:20:2)を、また終結時にはメタノール[4]を使用し、溶離速度を時間当り300mlとして4個のサブ分画物([1]2,381mg、[2]135mg、[3]148mg、[4]98mg)を収得した。
前記水抽出物、酢酸エチル可溶性分画および4個のサブ分画物を用いてTLC(TLC plate:Merck社、展開溶媒:クロロホルム:メタノール:水=9:5:1)を行い、その結果を図1に示した。図1に示すように、レーン1は水抽出物、レーン2は酢酸エチル可溶性分画、レーン3はシリカゲル分画[4]、レーン4はシリカゲル分画[3]、レーン5はシリカゲル分画[2]、およびレーン6はシリカゲル分画[1]である。
前記シリカゲル分画[1]および[2]に対して2D−TLCを行い、この時1次展開溶媒としてはクロロホルム:メタノール:水=9:5:1、2次展開溶媒としてはクロロホルム:アセトン:水=3:8:0.5を用いた(図1および図2参照)。
【0117】
実験例1:キウイフルーツの抽出物による血中ジヒドロテストステロン(DHT)の抑制效果
1−1.キウイフルーツの極性溶媒の可溶性抽出物の血中DHT濃度抑制效果
キウイフルーツの抽出物の血中DHT濃度に対する抑制效果を確認するために、キウイフルーツの水抽出物およびエタノール抽出物をマウスに服用させた後、血中DHTの濃度を次のように測定した:
6週齢のC57BL/6雄マウス(ソウル国立大学校動物実験センター)を購入して一週間環境に適応させた。7週齢になった時、16匹を4群に分けて各群に3週間100μlのキウイフルーツ水抽出物(1500μg/mouse/day)、100μlのキウイフルーツエタノール抽出物(1500μg/mouse/day)、100μlのフィナステライド(finasteride、100μg/mouse/day)および100μlの飲用水(100μg/mouse/day)をそれぞれ経口投与した。マウスを犠牲させて採取した血液から血清および脾臓器官を分離した後、血中DHTの濃度をELISA(IBL−Hamburg GmbH)法で測定した。
図4から分かるように、キウイフルーツの抽出物が投与された群では、フィナステライドが投与された群と同じように血中DHTの濃度が約90%減少したことを確認した。
【0118】
1−2.キウイフルーツの非極性溶媒の可溶性抽出物の血中DHT濃度抑制效果
C57BL/6マウスの血中DHT濃度を測定するために、前記実施例2で製造した酢酸エチル可溶性分画および水溶性分画に対して前記実験例1−1と同様な実験を行った。
50μlのクロロホルム可溶性分画、酢酸エチル可溶性分画および水溶性分画をそれぞれC57BL/6マウスに投与し、対照群には100μlの飲用水を投与した。
図5から分かるように、血中DHTの濃度がキウイフルーツの酢酸エチル可溶性分画が投与された群では約95%減少し、キウイフルーツの水溶性分画が投与された群では少し減少したことを確認した。しかし、キウイフルーツのクロロホルム可溶性分画は血中DHT濃度に影響を及ぼさなかった。
【0119】
1−3.シリカゲルカラムクロマトグラフィー分画の血中DHT濃度抑制效果
C57BL/6マウスの血中DHT濃度を測定するために、前記実施例3で製造したシリカゲルカラムクロマトグラフィー分画[1]、[2]、[3]および[4]に対して前記実験例1−1と同様な実験を行った。
30μlのシリカゲルカラムクロマトグラフィー分画[1]、[2]、[3]および[4]をそれぞれC57BL/6マウスに投与し、対照群には100μlの飲用水を投与した。
図6から分かるように、前記分画[1]および[2]で処理したマウス群においてDHTが相当抑制されたことが確認できた。
【0120】
1−4.キウイフルーツの水溶性抽出物の血中 DHT 濃度抑制效果
C57BL/6マウスの血中DHT濃度を測定するために、水溶性分画に対して前記実験例1−1と同様な実験を行った。
7週齢になった時、8匹を2群で分けて各群に3週間100μlのキウイフルーツ幹の水抽出物(1500μg/mouse/day)および100μlの飲用水(100μg/mouse/day)をそれぞれ経口投与した。マウスを犠牲させて採取した血液から血清および脾臓器官を分離した後、血中DHTの濃度を測定した。キウイフルーツ幹の水抽出物が投与された群では血中DHT濃度がそれぞれ142pg/ml、193pg/ml、362pg/mlおよび1625pg/mlであった。即ち、キウイフルーツ幹抽出物およびキウイフルーツ抽出物がDHT形成を抑制することを確認した。
【0121】
実験例2:毛根形成促進效果
2−1.キウイフルーツの水溶性抽出物の毛根形成促進效果
キウイフルーツの水溶性抽出物の毛根形成促進效果を確認するために、次のようにマウスモデルを用いた実験を行った。
6週齢のC57BL/6雌マウス(ソウル国立大学校動物実験センター)を購入して7日間環境に適応させた。7週齢になった時から電気かみそりを用いて各マウスの背中を除毛した。次いでに、10匹のマウスを2個の群に分けてキウイフルーツの水抽出物100μl(1500μg/mouse/day)と100μlの飲用水(100μg/mouse/day)を4週間経口投与した。毛根の活性化現象は毛根の除去された肌がメラニン色素によって鮮紅色から暗色になる変化を通じてよく観察できる。また、毛の成長を直接観察することでキウイフルーツの抽出物が毛根形成に及ぼす影響を観察した。
図7および8から分かるように、キウイフルーツの水抽出物を投与したマウス群から2週に至る前に除毛された部位の肌色が暗くなる発毛現象が観察された。しかし、飲用水を投与した対照群のマウスでは肌色の変化および毛髪成長が全然観察されなかった。投与してから4週目にはキウイフルーツの抽出物を投与したマウスの背中が殆ど毛で覆われた一方、対照群のマウスの背中は依然として新しく発毛しなかったことが観察された。即ち、キウイフルーツの抽出物がマウスの毛根形成を促進して毛髪成長を刺激することを確認した。
【0122】
2−2.キウイフルーツの非極性溶媒の可溶性抽出物の毛根形成促進效果
前記実施例2で製造されたクロロホルム可溶性分画、酢酸エチル可溶性分画および水溶性分画の毛根形成促進效果を確認するために、前記実験例2−1と同様な実験を行った。
20匹のマウスを4群に分けて各群に100μlのキウイフルーツの水分画、100μlの酢酸エチル可溶性分画、100μlのクロロホルム可溶性分画、100μlの飲用水をそれぞれ投与した。
その結果、酢酸エチル可溶性分画を投与したマウス群において発毛が他の群に比べて発毛が顕著に促進されることを観察した。
【0123】
実験例3:キウイフルーツの抽出物の脂漏性皮膚疾患改善效果
キウイフルーツの抽出物の脂漏性皮膚疾患改善效果を確認するために、脂漏性皮膚に悩まされている三人の志願者にそれぞれキウイフルーツ水抽出物1gを4週間毎日1回投与して脂漏性皮膚疾患が改善されたか否かを調査した。
3−1.志願者Kは29歳の韓国女性であって激しい皮膚脂漏現象および過度なふけ発生に起因して脱毛に進む症状を示す。1gのキウイフルーツの水抽出物を含む錠剤を2週間一日に1回服用した後、脂漏および角質皮膚疾患が顕著に減少し、脱毛現象が50%以上減少した。
3−2.志願者Pは27歳の韓国男性であって顔および頭皮が脂性であり、ふけだらけの症状を示す。1gのキウイフルーツ水抽出物を含む錠剤を2週間一日に1回服用した後、脂顔が顕著に緩和され、脱毛現象が約70%以上減少した。
3−3.志願者Uは29歳の韓国男性であって脂漏性皮膚、特に脂顔、頭皮に痒みおよび斑点が生じる症状を示す。1gのキウイフルーツの水抽出物を含む錠剤を2週間一日に1回服用した後、頭皮の痒みが消え、脂顔に起因するトラブル、例えばにきびも相当消えた。
【0124】
実験例4:毒性実験
キウイフルーツの抽出物の毒性を調べるために、マウスに対して繰り返し毒性実験を行った。
Balb/c雌マウスを10匹ずつ2群に分けて一群の雌には本発明のキウイフルーツの抽出物(150mg/kg)を4週間投与し、対照群には水を投与した。毒性の症状は4週間の体重の変化、血液学的分析、組職検査を通じて確認した。
実験結果、本発明のキウイフルーツの抽出物(150mg/kg)を投与したマウス群では死亡例が見られず、体重の増加、飼料攝取量、組職検査、血液検査などでも有意義な異常が発見できなかった。これによってキウイフルーツの抽出物が安全な薬物であることが確認できた。
(1)体重および肉眼観察:如何なる非正常的な体重の変化も観察されなかった。
(2)血液学的検査:WBC、リンパ球(lymphocyte)、単球(monocyte)、好中球(neutrophil)、好酸球(eosinophil)、好塩基球(basophil)、RBC、ヘモグロビン(hemoglobin)、血小板(platelet)の数において如何なる異常症状も見られなかった。
(3)血清生化学的な検査:血清のAST、ALT、LDH、ビリルビン(bilirubin)、クレアチニン(creatinine)、グルコース(glucose)、コレステロール(cholesterol)、ミネラル(mineral)、アルブミン(albumin)、BUN、リパーゼ(lipase)、アミラーゼ(amylase)の数値において如何なる症状も見られなかった。
(4)組職検査:腎臓、脾臓、肝、胸腺の組職において如何なる異常も見られなかった。
以下、製型化方法および用いられる賦形剤の種類を説明するが、これによって本発明が限定されない。代表的な製剤例は次の通りである。
【0125】
注射剤の製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50mg
メタ重亜硫酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.0mg
メチルパラベン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.8mg
プロピルパラベン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.1mg
注射用蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量
通常の方法によって前記成分を混合して2mlアンプルに入れた後、滅菌することで注射剤を製造した。
【0126】
錠剤の製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50mg
コーンスターチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
乳糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
ステアリン酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2mg
前記成分を混合して打錠することで製造した。
【0127】
カプセルの製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
コーンスターチ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
乳糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
滑石・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2mg
ステアリン酸マグネシウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量
通常のゼラチンの製法によって前記成分を混合してゼラチンカプセルに充填することでカプセルを製造した。
【0128】
液剤の製造
キウイフルーツの70%エタノール抽出物・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20mg
果糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20mg
レモン香味・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100ml
通常の方法によって前記成分を混合して100ml茶色瓶に入れた後、滅菌することで液剤を製造した。
【0129】
ヘルスケア食品の製造
実施例1のキウイフルーツの抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1000mg
ビタミン混合物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20g
ビタミンA酢酸塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 70μg
ビタミンE・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.0mg
ビタミンB1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.13mg
ビタミンB2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.15mg
ビタミンB6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5mg
ビタミンB12・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.2μg
ビタミンC・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10mg
ビオチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10μg
ニコチン酸アミド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.7mg
葉酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50μg
パントテン酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.5mg
無機質混合物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 適量
硫酸第一鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.75mg
酸化亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.82mg
炭酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25.3mg
第一リン酸カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15mg
第二リン酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55mg
クエン酸カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90mg
炭酸カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
塩化マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24.8mg
前記ビタミンおよびミネラル混合物の組成比は様々な方式で変形され得る。そのような変形は本発明の思想および範囲内に属すると見なされる。
【0130】
健康飲料の製造
実施例1のキウイフルーツの抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1000mg
クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100mg
オリゴ糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 100g
ウメ濃縮液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2g
タウリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1g
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 900ml
通常の健康飲料製造方法によって前記成分を混合してから85℃で1時間攪拌し、溶液を濾過した後、2l容器に充填して滅菌することで健康飲料を製造した。
【0131】
スキンローションの製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00(%)
グリセロール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00
エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
プロピレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.10
香料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 極微量
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%にならしめる量
通常のローション製造方法によって前記活性成分を蒸留水に溶解させることでスキンを製造した。
【0132】
ローションの製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00(%)
L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
可溶性コラーゲン(1%溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
クエン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.10
クエン酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 0.05
1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%にならしめる量
通常のローション製造方法によって前記活性成分を蒸留水に溶解させることでローションを製造した。
【0133】
クリームの製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00(%)
モノステアリン酸ポリエチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00
モノステアリン酸グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
セチルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4.00
スクワレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6.00
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 600
スフィンゴ糖脂質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7.00
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%にならしめる量
通常のクリーム製造方法によって前記活性成分を蒸留水に溶解させることでクリームを製造した。
【0134】
パックの製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.00(%)
ポリビニルアルコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13.00
L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
ラウロイルヒドロキシプロリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.00
可溶性コラーゲン(1%溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00
1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00
エタノール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.00
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%にならしめる量
通常のパック製造方法によって前記活性成分を蒸留水に溶解させることでパックを製造した。
【0135】
美容液の製造
実施例1のキウイフルーツの水抽出物・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00(%)
ヒドロキシエチレンセルロース(2%溶液)・・・・・・・・・・・・・・・ 12.00
キサンタンガム(2%溶液)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2.00
1,3−ブチレングリコール・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3.00
濃縮グリセリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4.00
ヒアルロン酸ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5.00
蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100%にならしめる量
通常の美容液の製造方法によって前記活性成分を蒸留水に溶解させることで美容液を製造した。
【0136】
前述した通り、本発明によるキウイフルーツの抽出物は血中DHTレベルを下げ、マウスモデル実験で毛根形成を促進し、角質皮膚および脂漏性皮膚を有する志願者の脂漏性皮膚疾患を改善した。従って、本発明のキウイフルーツの抽出物は脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用薬剤学的組成物として用いられ得る。更に、本発明のキウイフルーツの抽出物はヘルスケア食品、食品添加剤、飼料添加剤および化粧品組成物の形態で用いられ得る。
【0137】
このように、本発明は様々な方式で変形され得ることが明らかである。かかる変形は本発明の範疇および範囲から逸脱することではなく、添付された請求範囲によって定義された本発明の範疇内で本発明に関連した当該分野における熟練者によって多様な変形および変更がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】キウイフルーツの抽出物および分画のTLC写真を示す図面である。
【図2】亜分画[1]の2D−TLC写真を示す図面である。
【図3】亜分画[2]の2D−TLC写真を示す図面である。
【図4】キウイフルーツの熱水抽出物がマウスの血中DHTの濃度を減少させる效果を示す図面である。
【図5】キウイフルーツの非極性溶媒の可溶性抽出物がマウスの血中DHTの濃度を減少させる效果を示す図面である。
【図6】キウイフルーツの精製抽出物がマウスの血中DHTの濃度を減少させる效果を示す図面である。
【図7】対照群およびキウイフルーツの抽出物を2週間経口投与したマウスの背中の毛の成長程度をそれぞれ示す図面である。
【図8】対照群およびキウイフルーツの抽出物を2週間経口投与したマウスの背中の毛の成長程度をそれぞれ示す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトおよび哺乳類の脱毛症および脂漏性皮膚疾患(seborrheic skin disease)を予防および治療するための治療剤を製造するためのキウイフルーツ(hardy kiwifruit)の粗抽出物、非極性溶媒可溶性抽出物または精製抽出物の用途。
【請求項2】
前記キウイフルーツがサルナシ(Actinidia arguta)、ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)およびマタタビ(Actinidia polygama)から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項3】
前記キウイフルーツの抽出物がキウイフルーツの実、幹または根の何れか一つから抽出されたものであることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項4】
前記粗抽出物が蒸留水、低級アルコールまたはこれらの混合溶媒から選択された極性溶媒中に可溶性であることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項5】
前記非極性溶媒可溶抽出物がクロロホルム、酢酸エチル、ヘキサン、ジクロロメタンまたはエーテルに可溶性であることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項6】
前記精製抽出物がカラムクロマトグラフィー精製によって得られた分画のうち何れか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項7】
前記精製抽出物が図1〜図3に示したTLC(thin layer chromatography)スペクトルを有することを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項8】
前記抽出物が前記治療剤の全量を基準として0.01〜80重量%で用いられることを特徴とする、請求項1に記載の用途。
【請求項9】
キウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物を活性成分として含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および治療用薬剤学的組成物。
【請求項10】
キウイフルーツの粗抽出物、非極性溶媒の可溶性抽出物または精製抽出物、および食品学的に許容可能な添加剤を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用のヘルスケア食品。
【請求項11】
前記キウイフルーツがサルナシ(Actinidia arguta)、ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)およびマタタビ(Actinidia polygama)から選択されることを特徴とする、請求項10に記載のヘルスケア食品。
【請求項12】
前記キウイフルーツの抽出物がキウイフルーツの実、幹または根の何れか一つから抽出されたものであることを特徴とする、請求項10に記載のヘルスケア食品。
【請求項13】
前記抽出物が前記治療剤の全量を基準として0.01〜80重量%で用いられることを特徴とする、請求項10に記載のヘルスケア食品。
【請求項14】
前記食品が粉末、顆粒、錠剤、カプセルまたは飲料の形態で提供されることを特徴とする、請求項10に記載のヘルスケア食品。
【請求項15】
キウイフルーツの粗抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用の食品添加剤。
【請求項16】
乳糖、カゼイン、デキストリン、グルコース、ショ糖およびソルビトールから選択された少なくとも1つを更に含むことを特徴とする、請求項15に記載の食品添加剤。
【請求項17】
前記食品添加剤が組成物の重量濃度は100w/w%当り0.01〜20w/w%の範囲で添加されることを特徴とする、請求項15に記載の食品添加剤。
【請求項18】
前記食品添加剤が香辛料、甘味料または食品材料として用いられることを特徴とする、請求項15〜17の何れか一項に記載の食品添加剤。
【請求項19】
前記食品添加剤が蒸着法、噴霧法または混合法によって食品に添加されることを特徴とする、請求項15に記載の食品添加剤。
【請求項20】
前記食品添加剤が果物、野菜およびこれらの乾燥食品またはカッティング(cutting)製品;果物ジュース、野菜ジュースまたはこれらの混合ジュース;酸−飲料含有ドリンク類;クッキー、キャンデー、カラメルおよびガムなどのお菓子類;パン;アイスクリーム、お茶、ヨーグルトなどの発酵製品;乳製品、香辛料、アルコール性飲料類、缶類、瓶類、麺類、加工された家畜類、加工された海産類、発酵食品、豆食品、シリアル食品、加工された肉類、甘草類およびハーブ類から選択される少なくとも一つの食品に添加されることを特徴とする、請求項15に記載の食品添加剤。
【請求項21】
キウイフルーツの粗抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防および改善用飼料添加剤。
【請求項22】
前記粗抽出物が蒸留水、メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール、またはこれらの混合溶媒から選択された極性溶媒に可溶性であることを特徴とする、請求項21に記載の飼料添加剤。
【請求項23】
前記キウイフルーツがサルナシ(Actinidia arguta)、ミヤママタタビ(Actinidia kolomikta)およびマタタビ(Actinidia polygama)から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の飼料添加剤。
【請求項24】
前記飼料添加剤が液体、粉末または顆粒の形態で提供されることを特徴とする、請求項21に記載の飼料添加剤。
【請求項25】
前記飼料添加剤が蒸着法、噴霧法または混合法によって飼料に添加されることを特徴とする、請求項21に記載の飼料添加剤。
【請求項26】
請求項21〜25の何れか一項の飼料添加剤を含む飼料組成物。
【請求項27】
キウイフルーツの粗抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防、改善および治療用化粧品組成物。
【請求項28】
前記粗抽出物が蒸留水、メタノール、エタノール、ブタノールなどの低級アルコール、またはこれらの混合溶媒から選択された極性溶媒に可溶性であることを特徴とする化粧品組成物。
【請求項29】
前記粗抽出物が組成物の全量を基準として0.01〜30重量%の範囲で用いられることを特徴とする、請求項27に記載の化粧品組成物。
【請求項30】
前記化粧品組成物がスキン、ローション、クリーム、エッセンス、トナー、エマルジョン、パック、せっけん、シャンプー、リンス、クレンザー、ボディー洗浄液、洗浄液またはトリートメントの形態で提供されることを特徴とする、請求項27〜29の何れか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項31】
キウイフルーツの粗抽出物を含む、脱毛および脂漏性皮膚疾患の予防、改善および治療用化粧品添加剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−509905(P2008−509905A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525527(P2007−525527)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002010
【国際公開番号】WO2006/016728
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507046772)ヘリクシール・カンパニー・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】HELIXIR CO., LTD.
【Fターム(参考)】