説明

キノリン若しくはイソキノリン置換P2X7アンタゴニスト

【化1】


本発明は、P2X7拮抗特性を有する式(I)の新規化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物の化学的製造方法、および動物、とりわけヒトにおけるP2X7受容体活性と関連する疾患の処置若しくは予防におけるそれらの使用に関する。(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、P2X7拮抗特性を有する式(I)の新規化合物、これらの化合物を含んでなる製薬学的組成物、これらの化合物の化学的製造方法、および動物、とりわけヒトにおけるP2X7受容体活性と関連する疾患の処置若しくは予防におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
P2X7受容体はリガンド依存性イオンチャンネルであり、そして、多様な細胞型、主として炎症/免疫過程に関与することが知られているもの、具体的にはマクロファージ、肥満細胞ならびにリンパ球(TおよびB)上に存在する。細胞外ヌクレオチド、とりわけアデノシン三リン酸によるP2X7受容体の活性化は、インターロイキン−P(IL−1
P)の放出および巨細胞形成(マクロファージ/ミクログリア細胞)、脱顆粒(肥満細胞)ならびにL−セレクチン遊離(リンパ球)につながる。P2X7受容体は、抗原提示細胞(APQ、ケラチノサイト、唾液腺房細胞(耳下腺細胞)、肝細胞、赤血球、赤白血病細胞、単球、線維芽細胞、骨髄細胞、ニューロンおよび腎メサンギウム細胞上にもまた位置している。
【0003】
P2X7受容体は神経系の痛覚センサーであることもまた知られている。P2X7欠損マウスを使用する実験は、疼痛の発生におけるP2X7の役割を示す。これらのマウスはアジュバント誘発性炎症性疼痛および部分的神経結紮誘発性神経因性疼痛双方の発生から保護されたためである。
【0004】
P2X7の臨床的重要性を鑑みれば、P2X7受容体機能を調節する化合物の同定は新たな治療薬の開発への魅力的な途を表す。こうした化合物が本明細書に提供される。
【発明の概要】
【0005】
[発明の要約]
本発明は、そのいかなる立体化学異性体も包含する、式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
[式中
nは整数1、2若しくは3であり;
mは整数1、2若しくは3であり;
pは整数1若しくは2であり;
は水素、ハロ、C1−4アルキル若しくはC1−4アルキルオキシであり;
XはO、S、SO、CR若しくはNRを表し;
ここでRおよびRはもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはアリールから選択され;
ここでRは水素、フェニル、−CO−R若しくは−CO−O−Rであり、ここでR
はC1−6アルキル若しくはアミノであり;
はピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環は、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキルC1−4アルキルオキシ若しくはNRから選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでRおよびRは、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C3−6シクロアルキルから選択され、ならびに
ここでRおよびRは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ若しくはC1−4アルキルカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
はキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環は、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、NR1011およびOR12から選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでR10およびR11は、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、N−(1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデス−9−イル)、N−(1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)、N−(2,6−ジアザ−スピロ[4.5]デス−2−イル)、および、ヒドロキシ、ハロ、アリール、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルスルホニルアミノ、C3−6シクロアルキルスルホニルアミノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピリジニル、モルホリニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシで置換されているC1−4アルキルで置換されているアミノから選択される1若しくは2置換基で置換されているC1−6アルキルから選択され;ならびに
ここでR10およびR11は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル、モルホリニル、N−(2,6−ジアザ−スピロ[3.3]ヘプト−2−イル)、6−アセチル−2,6−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル、2−(テトラヒドロ−フロ[3,4−c]ピロル−5−イル)、2−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、2−(2,6−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)、1−(1−アミノ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イル)、N−(3−アセチルアミノ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)、N−[1,4]−ジアゼパニル、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロル−2−イル)、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロル−1−イル)、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロル−5−イル)、2−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)、若しくは2−(3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)、1−アミノ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イル環を形成することができ;それらは、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル;トリフルオロメチル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、トリフルオロメチル、N−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロン−5−イル、C1−
アルキルカルボニルアミノ、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロン−4−イル、(C1−4アルキルカルボニル)(C1−4アルキル)アミノ、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、メチルスルホニルアミノ、アミノカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができ;
ここでR12は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、またはアミノで置換されているC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、テトラヒドロフラニル、N−(1−メチルピロリジニル)、N−(5−オキソ−ピロリジン−2−イル)若しくはピリジニルであり;
アリールは、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルであり;
アリールは、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルである]
の化合物;
またはその製薬学的に許容できる酸付加塩若しくはその溶媒和物
に関する。
【0008】
[発明の詳細な記述]
前述の定義で使用されるところの:
−ハロはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものであり;
−C1−4アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどのような1から4個までの炭素原子を有する直鎖状および分枝状鎖飽和炭化水素基を定義し;
−C1−6アルキルは、C1−4アルキル、および例えば2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような5若しくは6個の炭素原子を有するその高級な相同物を包含することを意味しており;
−ポリハロC1−4アルキルは、ポリハロ置換C1−4アルキル、とりわけ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのような2ないし6個のハロゲン原子で置換されている(上で定義されたところの)C1−4アルキルと定義され;
−ポリハロC1−6アルキルは、ポリハロ置換C1−6アルキル、とりわけジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのような2ないし6個のハロゲン原子で置換されている(上で定義されたところの)C1−6アルキルと定義され;
−C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルに包括的なものである。
【0009】
上で使用されたところの「立体化学異性体」という用語は、式(I)の化合物が有しうる全部の可能な異性体を定義する。別の方法で挙げられ若しくは示されない限り、化合物の化学的呼称は全部の可能な立体化学異性体の混合物を示し、前記混合物は基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび鏡像異性体を含有する。より具体的には、ステレオジェン中心はR若しくはS配置を有することができ;二価の環状(部分的)飽和基上の置換基はシス(cis)若しくはトランス(trans)いずれの配置も有しうる。式(I)の化合物の立体化学異性体は本発明の範囲内に包含されることを明らかに意図している。
【0010】
式(I)の化合物およびそれらの製造で使用される中間体の絶対的立体化学配置は、例えばX線回折のような公知の方法を使用する間に当業者により容易に決定されうる。
【0011】
さらに、式(I)の数種の化合物およびそれらの製造で使用される中間体の数種は多形を表しうる。本発明は上で示される状態の処置で有用な特性を有するいかなる多形の形態も包含することが理解されるべきである。
【0012】
上で挙げられたところの製薬学的に許容できる酸付加塩は、式(I)の化合物が形成す
ることが可能である治療上活性の非毒性の酸付加塩の形態を含んでなることを意味している。これらの製薬学的に許容できる酸付加塩は、塩基の形態をこうした適切な酸で処理することにより便宜的に得ることができる。適切な酸は、例えば、ハロ水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および類似の酸のような無機酸;若しくは例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および類似の酸のような有機酸を含んでなる。
【0013】
逆に、前記塩の形態は適切な塩基での処理により遊離塩基の形態に転化し得る。
【0014】
式(I)の化合物は、非溶媒和および溶媒和の双方の形態で存在しうる。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物および1種若しくはそれ以上の製薬学的に許容できる溶媒分子、例えば水若しくはエタノールを含んでなる分子会合を記述するのに本明細書で使用する。「水和物」という用語は前記溶媒が水である場合に使用される。
【0015】
一態様において、本発明は
nが整数1、2若しくは3であり;
mが整数1、2若しくは3であり;
pが整数1若しくは2であり;
が水素、ハロ、C1−4アルキル若しくはC1−4アルキルオキシであり;
XがO、S、SO、CR若しくはNRを表し;
ここでRおよびRがもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはアリールから選択され;
ここでRが水素、フェニル、−CO−R若しくは−CO−O−Rであり、ここでRがC1−6アルキル若しくはアミノであり;
がピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環が、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキルC1−4アルキルオキシ若しくはNRから選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでRおよびRが、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルから選択され、ならびに
ここでRおよびRが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ若しくはC1−4アルキルカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
がキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環が、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルおよびNR1011から選択される1若しくは2置換基で置換されており;ここでR10およびR11が、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、ヒドロキシ、ハロ、フェニル、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル若しくはモルホリニルで置換されているC1−6アルキルから選択され;ならびに
ここでR10およびR11が、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、
1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、若しくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
アリールが、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルである、
式(I)の化合物に関する。
【0016】
式(I)の興味深い化合物は、以下の制限、すなわち
a)Rがピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル若しくはフェニルから選択される1置換基で置換されているか;あるいは
b)Rがピリジン−3−イル若しくはピリミジン−5−イルから選択される複素環であり、前記複素環が水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ若しくはポリハロC1−4アルキルから選択される1置換基で置換されているか;あるいは
c)Rがピリジン−3−イル若しくはピリミジン−5−イルから選択される複素環であり、前記複素環が水素、ハロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ若しくはトリフルオロメチルから選択される1置換基で置換されているか;あるいは
d)Rがキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環がもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシから選択される1若しくは2置換基で置換されているか;あるいは
e)Rがキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環がNR1011で置換されており、ここでR10およびR11がもう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、ヒドロキシ、ハロ、フェニル、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル若しくはモルホリニルで置換されているC1−6アルキルから選択されるか;あるいはf)Rがキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環がNR1011で置換されており、ここでR10およびR11がそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、若しくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル若しくはモルホリニル環を形成するか;あるいは
g)pが整数1であるか;あるいは
h)Rが水素であり、nが整数2であり、mが整数2であり、およびXがOを表すか;あるいは
i)Rが水素であり、nが整数2であり、mが整数2であり、およびXがCRを表し、ここでRおよびRがもう一方からそれぞれ独立に水素若しくはハロから選択されるか;あるいは
j)Rが水素であり、nが整数2であり、mが整数2であり、およびXがNRを表し、ここでRが水素、フェニル若しくは−CO−O−Rであり、ここでRがC1−6アルキルであるか;あるいは
k)Rが2−トリフルオロメチルピリジン−5−イルであるか;あるいは
l)Rが2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イルであるか;あるいは
m)nが整数2であり、mが整数2であり、およびXがCRを表し、ここでRおよびRがそれぞれフルオロであるか;あるいは
n)nが整数1であり、mが整数3であり、およびXがCRを表し、ここでRおよびRがそれぞれフルオロであるか;あるいは
o)Rが水素であり、nが整数2であり、mが整数3であり、およびXがOを表すか;あるいは
p)Rが、2位の付加的な置換基を伴う若しくは伴わない、6位でCl、F、OCH、CH、CFで置換されている若しくは未置換のキノリン−5−イルである、
の1種若しくはそれ以上が当てはまる、式(I)の化合物である。
【0017】
一態様において、本発明は、それらのいかなる立体化学異性体も包含する、式(I−a)
【0018】
【化2】

【0019】
[式中、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキルC1−4アルキルオキシ、若しくはNRであり;
ここでRおよびRは、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルから選択され、ならびに
ここでRおよびRは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ若しくはC1−4アルキルカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
はキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環は、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルおよびNR1011から選択される1若しくは2置換基で置換されており;ここでR10およびR11は、もう一方から独立に、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、ヒドロキシ、ハロ、フェニル、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル若しくはモルホリニルで置換されているC1−6アルキルから選択され;ならびに
ここでR10およびR11は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、若しくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル若しくはモル
ホリニル環を形成することができ;
は水素、ハロ、C1−4アルキル若しくはC1−4アルキルオキシであり;
XはO若しくはCRを表し;
ここでRおよびRはもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはアリールから選択され;
アリールは、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルである]
の化合物、
またはそれらの製薬学的に許容できる酸付加塩若しくはそれらの溶媒和物
として定義される、式(I)の化合物の1サブセットに関する。
【0020】
式(I)の化合物は、一般に、最低1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては最低1種の適するカップリング試薬および/若しくは適する塩基の存在下に式(II)の中間体を式(III)の中間体と反応させることにより製造し得、前記方法は、式(I)の化合物をその付加塩に添加すること、および/若しくはその立体化学異性体を製造することを場合によってはさらに含んでなる。
【0021】
【化3】

【0022】
有効量の反応促進剤を添加することにより式(III)のカルボン酸を活性化することが便宜的でありうる。こうした反応促進剤の制限しない例は、カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシル−カルボジイミド若しくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、若しくは、D.Hudson,J.Org.Chem.(1988)、53:617により開示されるようなそれらの機能的誘導体を包含する。
【0023】
式(I)の化合物は、式(IV)の中間体での式(II)の中間体のN−アシル化によってもまた製造し得、ここでWは例えばハロ、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードのような適切な脱離基であるか、若しくは、いくつかの例においては、Wはまたスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよび類似の反応性脱離基であってもよい。該反応は、例えばアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドン若しくはDMFのような反応不活性溶媒中、および場合によっては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくはトリエチルアミンのような適する塩基の存在下で実施し得る。攪拌が反応の速度を高めうる。該反応は、室温と反応混合物の還流温度の間の範囲にわたる温度で便宜的に実施しうる。
【0024】
【化4】

【0025】
式(I)の化合物は、技術既知の基変換反応に従って式(I)の化合物を相互に転化することによりさらに製造しうる。
【0026】
例えば、
・複素環Rがハロで置換されている式(I)の化合物を、H−NR1011でN−アルキル化して、複素環Rが技術既知のN−アルキル化手順を使用してNR1011で置換されている式(I)の化合物を得ることができ;
・複素環Rがハロで置換されている式(I)の化合物を、強塩基およびアルコールでの処理により前記ハロがC1−6アルキルオキシ若しくはC3−6シクロアルキルオキシにより置換されている式(I)の対応する化合物に転化することができ;
・複素環RがC1−4アルキルオキシカルボニル基を持つNR1011置換基で置換されている式(I)の化合物を、前記C1−4アルキルオキシカルボニル基が酸条件下での加水分解により除去されている式(I)のそれらの対応する化合物に転化することができる。
【0027】
式(I)の転化された化合物との式(I)の他の化合物への技術既知の基変換反応の他の例は、カルボン酸エステルの対応するカルボン酸若しくはアルコールへの加水分解;アミドの対応するカルボン酸若しくはアミンへの加水分解であり;アルコールはエステルおよびエーテルに転化することができ;一級アミンは二級若しくは三級アミンに転化することができ;二重結合は対応する単結合に水素化することができる。
【0028】
出発原料および中間体のいくつかは既知化合物であり、そして商業的に入手可能であるか、若しくは当該技術分野で公知の慣習的反応手順に従って製造しうる。
【0029】
上述された方法で製造されるところの式(I)の化合物は、鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成し得、これを技術既知の分割手順に従って相互から分離し得る。ラセミ体で得られる式(I)の化合物は、適するキラルな酸との反応により対応するジアステレオマー塩の形態に転化しうる。前記ジアステレオマー塩の形態は、その後、例えば選択的結晶化若しくは分別結晶により分離され、そして鏡像異性体をアルカリによりそれらから遊離させる。鏡像異性体の形態の式(I)の化合物の代替の一分離様式は、キラルな固定相を使用する液体クロマトグラフィーを必要とする。前記純粋な立体化学異性体は、適切な出発原料の対応する純粋な立体化学異性体にも由来しうるが、但し該反応が立体特異的に起こる。好ましくは、特定の一立体異性体が望ましい場合は、前記化合物を立体特異的製造方法により合成することができる。これらの方法は鏡像異性的に純粋な出発原料を有利に使用することができる。
【0030】
式(I)の化合物、それらの製薬学的に許容できる塩および立体異性体は、薬理学的実施例D.1に示されるところのP2X7受容体拮抗特性を有する。
【0031】
従って、式(I)の本化合物は、とりわけ、P2X7受容体、具体的にはP2X7受容
体拮抗活性により媒介される状態若しくは疾患の処置において、医薬品として有用である。その後、本化合物は、P2X7受容体活性、とりわけP2X7受容体拮抗活性により媒介される状態若しくは疾患の処置のための医薬品の製造に使用しうる。
【0032】
本発明は、P2X7受容体媒介性の状態若しくは疾患から選択される状態若しくは疾患の処置のための医薬品の製造のための式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩の使用もまた提供する。
【0033】
一態様において、本発明は、P2X7受容体媒介性の状態若しくは疾患から選択される状態若しくは疾患の処置における医薬品としての使用若しくは使用のための式(I)の化合物を提供する。
【0034】
さらに、本発明は、こうした処置の必要な哺乳動物に治療的有効量の式(I)の化合物若しくはその製薬学的に許容できる塩を投与することを含んでなる、哺乳動物被験体におけるP2X7受容体活性により媒介される状態の処置方法もまた提供する。
【0035】
P2X7受容体媒介性の状態若しくは障害は、例えば、関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、アレルギー性皮膚炎、喘息、気道の応答性亢進、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、敗血症ショック、糸球体腎炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、アテローム硬化症、悪性細胞の増殖および転移、筋芽細胞性白血病、糖尿病、神経変性疾患、アルツハイマー病、多発性硬化症、髄膜炎、骨粗鬆症、火傷、虚血性心疾患、卒中、末梢血管疾患、静脈瘤、緑内障、双極性障害、ならびに糖尿病性ニューロパシー、ヘルパス後(post−herpatic)神経痛、腰痛、化学療法誘発性神経因性疼痛、線維筋痛症および脊髄損傷疼痛のような神経因性疼痛状態である。
【0036】
本明細書で使用されるところの「処置すること」および「処置」という用語は、こうした用語が該当する疾患、障害若しくは状態またはこうした疾患、障害若しくは状態の1種若しくはそれ以上の症状の進行を逆転、軽減、阻害若しくはそれらを予防することを包含する治癒的、緩和的および予防的処置を指す。
【0037】
加えて、本発明は、最低1種の製薬学的に許容できる担体および治療的有効量の式(I)の化合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0038】
本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分としての塩基若しくは酸付加塩の形態の特定の化合物の有効量を、最低1種の製薬学的に許容できる担体と緊密な混合状態で組合せ、この担体は投与に望ましい製剤の形態に依存して広範な形態をとりうる。これらの製薬学的組成物は、望ましくは、好ましくは経口投与、直腸投与、経皮投与若しくは非経口注入に適する単位剤形にある。
【0039】
例えば、経口剤形の組成物の製造において、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および溶液のような経口液体製剤の場合は、例えば水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の液体の製薬学的担体;若しくは、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合にはデンプン、糖、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の製薬学的担体のいずれも使用しうる。それらの容易な投与のため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口投薬単位形態を表し、この場合は固体の製薬学的担体が明らかに使用される。非経口注入組成物のためには、製薬学的担体は主に滅菌水を含むことができるとは言え、有効成分の溶解性を向上させるために他の成分を包含しうる。注入可能な溶液は、例えば塩水溶液、グルコース溶液若しくは双方の混合物を含んでなる製薬学的担体を使用することにより製造しうる。注入可能な懸濁剤もまた、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することにより製造しうる。経皮投与に適する組成物中で、製薬学的担体は、皮膚に対する有意の悪影
響を引き起こさない適する添加物の小部分と場合によっては組合せた浸透増強剤および/若しくは適する湿潤剤を場合によっては含みうる。前記添加物は、皮膚への有効成分の投与を容易にしかつ/若しくは所望の組成物を製造するのに有用であるために選択しうる。これらの局所組成物は、多様な方法で、例えば経皮貼付剤、スポットオン若しくは軟膏剤として投与しうる。式(I)の化合物の付加塩は、対応する塩基の形態を上回るそれらの増大された水溶解性により、水性組成物の製造で明らかにより適する。
【0040】
投与の容易さおよび投薬量の均一性のため、本発明の製薬学的組成物を投薬単位形態に処方することがとりわけ有利である。本明細書で使用されるところの「投薬単位形態」は、必要とされる製薬学的担体とともに所望の治療効果を生じるように計算された予め決められた量の有効成分を各単位が含有する、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指す。こうした投薬単位形態の例は、錠剤(割線付き若しくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、散剤包、カシェ剤、注入可能な溶液若しくは懸濁剤、茶さじ一杯、テーブルスプーン一杯など、およびそれらの分離された倍数である。
【0041】
経口投与のためには、本発明の製薬学的組成物は、結合剤(例えばアルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、増量剤(例えば乳糖、結晶セルロース、リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなど)、崩壊剤(例えばバレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などのような製薬学的に許容できる賦形剤および担体とともに慣習的手段により製造される固体剤形、例えば錠剤(飲み込み可能および咀嚼可能の双方の形態)、カプセル剤若しくはゲルカプセル剤の形態をとることができる。こうした錠剤は、当該技術分野で公知の方法によりコーティングしてもまたよい。
【0042】
経口投与のための液体製剤は、例えば溶液、シロップ剤若しくは懸濁剤の形態をとりうるか、または、それらは使用前に水および/若しくは別の適する液体担体との混合状態のための乾燥製品として処方しうる。こうした液体製剤は、場合によっては懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくは水素化可食脂肪)、乳化剤(例えばレシチン若しくはアカシア)、非水性担体(例えばアーモンド油、油性エステル若しくはエチルアルコール)、甘味料、香料、マスキング剤および保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピルまたはソルビン酸)のような他の製薬学的に許容できる担体とともに慣習的手段により製造しうる。
【0043】
本発明の製薬学的組成物で有用な製薬学的に許容できる甘味料は、好ましくは、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サイクラミン酸ナトリウム、アリテーム、ジヒドロカルコン甘味料、モネリン、ステビオサイド、スクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)のような最低1種の強力な甘味料、または、好ましくは、サッカリン、サッカリンナトリウム若しくはカルシウム、および場合によってはソルビトール、マンニトール、果糖、ショ糖、麦芽糖、イソマルト(isomalt)、ブドウ糖、水素化ブドウ糖シロップ、キシリトール、カラメル若しくはハチミツのような最低1種のバルク甘味料を含んでなる。強力な甘味料は低濃度で便宜的に使用される。例えば、サッカリンナトリウムの場合、前記濃度は最終製剤の約0.04%から0.1%(重量/容量)までの範囲にあることができる。バルク甘味料は、約10%から約35%まで、好ましくは約10%から15%(重量/容量)までの範囲にわたるより高濃度で効果的に使用し得る。
【0044】
低投薬量製剤中の苦味成分をマスキングし得る製薬学的に許容できる香料は、好ましくはチェリー、ラズベリー、ブラックカラント若しくはイチゴ香料のような果実香料である。2種の香料の組合せが非常に良好な結果を生じうる。高投薬量製剤中では、カラメルチ
ョコレート(Caramel Chocolate)、ミントクール(Mint Cool)、ファンタジー(Fantasy)などのようなより強力な製薬学的に許容できる香料が必要とされうる。各香料は約0.05%から1%(重量/容量)までの範囲にわたる濃度で最終組成物中に存在しうる。前記強力な香料の組合せが有利に使用される。好ましくは、製剤の環境下で味および/若しくは色のいかなる変化若しくは喪失も受けない香料を使用する。
【0045】
式(I)の化合物は、注入、便宜的には静脈内、筋肉内、若しくは皮下注入による、例えばボーラス注入若しくは継続的静脈内注入による非経口投与のため処方しうる。注入のための製剤は、単位剤形で、例えば添加された保存剤を包含するアンプル若しくは複数用量容器中で提示されうる。それらは、油性若しくは水性ベヒクル中の懸濁剤、溶液若しくは乳剤のような形態をとることができ、かつ、等張化剤、懸濁化剤、安定剤および/若しくは分散助剤のような処方剤を含有しうる。あるいは、有効成分は、使用前に適するベヒクル、例えば無菌の発熱物質を含まない水と混合するための粉末形態で存在しうる。
【0046】
式(I)の化合物は、例えばカカオバターおよび/若しくは他のグリセリドのような慣習的坐剤基剤を含有する坐剤若しくは停留浣腸のような直腸組成物にもまた処方しうる。
【0047】
カンナビノイド受容体の媒介に結び付けられる疾患の処置の当業者は、下に提示される試験結果から式(I)の化合物の治療的有効量を容易に決定するであろう。一般に、治療的有効用量は、約0.001mg/kgから約50mg/kg体重まで、より好ましくは処置されるべき患者の体重1kgあたり約0.01mg/kgから約10mg/kgまでであることができることを企図している。治療的有効用量は、1日を通じて適切な間隔で2若しくはそれ以上の下位用量の形態で投与することが適切でありうる。前記下位用量は、例えば単位剤形あたり約0.1mgから約1000mgまで、より具体的には約1から約50mgまでの有効成分をそれぞれ含有する単位剤形として処方しうる。
【0048】
本明細書で使用されるところの化合物の「治療的有効量」は、個体若しくは動物に投与される場合に、認識できるP2X7受容体拮抗応答を引き起こすのに十分に高い、該個体若しくは動物でのその化合物のレベルをもたらす化合物の量である。
【0049】
正確な投薬量および投与頻度は、当業者に公知であるところの、使用される式(I)の特定の化合物、処置されている特定の状態、処置されている状態の重症度、特定の患者の齢、重量および全般的身体状態、ならびに該患者が服用しているかもしれない他の医薬品に依存する。さらに、前記「治療的有効量」は、処置される患者の応答に依存して、かつ/若しくは本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して低下若しくは増大しうる。上で挙げられた有効1日量範囲は従って指針にすぎない。
【0050】
実験の部
下述される手順において、以下の略語を使用した。すなわち、「MeOH」はメタノールを意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「CHCN」はアセトニトリルを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し、「MgSO」は硫酸マグネシウムを意味し、「NaSO」は硫酸二ナトリウム塩を意味し、「NaCO」は炭酸二ナトリウム塩を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「DMF」はN,N−ジメチルホルムアミドを意味し、「CFCOOH」はトリフルオロ酢酸を意味し、「HSO」は硫酸を意味し、「KOAc」は酢酸カリウムを意味し、「NH」はアンモニアを意味し、「NaBH」はホウ水素化ナトリウムを意味し、「NHCl」は塩化アンモニウムを意味し、「NaOH」は水酸化ナトリウムを意味し、および「NaHCO」は炭酸ナトリウム塩(1:1)を意味している。
【0051】
数種の化合物は、2種の鏡像異性体の混合物をキラルカラムクロマトグラフィーを使用してその個々の鏡像異性体に分割することにより単離し、その際に単離される個々の鏡像異性体の一方がR*(若しくはS*)で示され、そしてその鏡像がS*(若しくはR*)で示される。R*若しくはS*で示されるこれらの化合物は、未知の絶対配置の単一鏡像異性体である。
【0052】
該化合物の数種の絶対的立体化学配置は振動円二色性(VCD)を使用して決定した。絶対配置の決定のためのVCDの使用に関する記述はDyatkin A.B.ら、Chirality、14:215−219(2002)に見出し得る。
【0053】
A.中間体の合成
実施例A.1
【0054】
【化5】

【0055】
4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0286mol)を水(35ml)に溶解し、そして水(10ml)中のNaHCO(2.4g、0.0286mol)の溶液での処理によりその遊離塩基に転化した。該混合物を室温で30分間攪拌した。THF(23ml)を室温で添加した。6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒド(0.0286mol)および4−メチルベンゼンスルホン酸(0.030mol)を添加し、そして該混合物を30分間攪拌した。水(15ml)中のシアン化ナトリウム(0.0286mol)の溶液をゆっくりかつ一滴ずつ添加した。該反応混合物を70℃に加熱し、その後70℃で一夜攪拌した。該混合物を室温に冷却し、その後10%水性KCO溶液(150ml)に注いだ。この混合物をDCM(2×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、10%水性NaHCO溶液(3×100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、5.9gの中間体(1)を生じた。
【0056】
【化6】

【0057】
NH/CHOH中の中間体(1)(0.045mol)の混合物を、チオフェン溶液(1ml;DIPE中4%)の存在下に触媒としてラネーニッケルを用い14℃で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をDCMに溶解した。有機溶液を水性1%NaCO溶液で洗浄した。有機層を乾燥
し(MgSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲル管で精製した。不純物をDCM/MeOH(98/2)で溶離し、そして生成物をDCM/(MeOH/NH)(90/10)で溶離した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて12.2gの中間体(2)を生じた。
【0058】
段階a)およびb)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(19)を、6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび4−フェニルピペリジンから出発して製造し、中間体(20)を6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび4−フェニルピペラジンから出発して製造し、そして中間体(22)を1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造した。
【0059】
【化7】

【0060】
実施例A.2
【0061】
【化8】

【0062】
水(10ml)および塩酸(1N、2滴)をエタノール(15ml)中の4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.025mol)の混合物に添加した。6−ブロモ−3−ピリジンカルボキサルデヒド(0.025mol)を一部分ずつ添加し、そして該混合物を30分間攪拌した。その後該混合物を氷浴中で冷却した。水(5ml)中のシアン化ナトリウム(0.025mol)を一滴ずつ添加し、そして該混合物を室温で1時間攪拌した。該混合物を50℃で一夜攪拌した。該混合物はそれを攪拌した間に氷浴中で冷却した。沈殿物を濾過分離しかつ水で洗浄した。沈殿物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 99/1)により精製した。生成物画分を収集しかつDIPEから結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、2.8gの中間体(3a)を生じた。
【0063】
【化9】

【0064】
メタノール中アンモニア溶液(150ml)中の中間体(3a)(0.009mol)の混合物を、チオフェン溶液(1ml)の存在下に触媒としてラネーニッケル(1g)を用いて14℃で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、そして1%NaCO溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:DCM/MeOH 80/20)により精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.320gの中間体(3b)を生じた。
【0065】
段階a)およびb)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(4)を2−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒドから出発して製造し、中間体(5)を3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩および6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−3−カルボキサルデヒドから製造し、中間体(6)を3,3−ジフルオロアゼチジン塩酸塩および6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−3−カルボキサルデヒドから製造し、中間体(7)を1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペラジンおよび6−(トリフルオロメチル)−ピリジン−3−カルボキサルデヒドから製造し;中間体(8)を3−ピリジンカルボキサルデヒドから出発して製造し、中間体(9)を6−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩から製造し、中間体(12)を2−ベンゾフランカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロピロリジン塩酸塩から製造した。
【0066】
【化10】

【0067】
実施例A.3
【0068】
【化11】

【0069】
水中のNaHCO(0.006mol)を水(5ml)中の4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.006mol)の混合物に添加した。該反応混合物を30分間攪拌した。その後、THF(6ml)中の3−フランカルボキサルデヒド(0.006mol)および4−メチルベンゼンスルホン酸(0.006mol)を添加し、そして該反応混合物を30分間攪拌した。水(3ml)中のシアン化ナトリウム(0.0072mol)をゆっくりと添加し、そして該反応混合物を70℃で16時間加熱した。反応混合物を冷却しかつ10%水性NaHCO溶液に注いだ。該反応混合物をDCMで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、1gの中間体(10)を生じた。
【0070】
【化12】

【0071】
水素化アルミニウムリチウム(0.012mol)を0℃でTHF(10ml)中の中間体(10)(0.0044mol)の混合物に添加した。該反応混合物を5℃より下で3時間攪拌した。水を添加して反応を終了させた。沈殿物を濾過分離しかつ濾液をDCMで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、0.56gの中間体(11)を生じた。
【0072】
段階a)およびb)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(13)を3−チオフェンカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロ−ピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(14)を5−メチル−2−フランカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロ−ピペリジン塩酸塩から出発して製造し、そして中間体(15)を5−メチル−2−チオフェン−カルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロ−ピペリジン塩酸塩から出発して製造した。
【0073】
【化13】

【0074】
実施例A.4
【0075】
【化14】

【0076】
トリメチルシランカルボニトリル(0.006mol)を、反応温度を10℃より下に保ちつつ酢酸(6ml)中の4,4−ジフルオロ−ピペリジン塩酸塩(0.006mol)および2−ピペリジンカルボキサルデヒド(0.006mol)の混合物にゆっくりと添加した。該反応混合物を一夜攪拌し、そして水性アンモニア(3M)をpHが10になるまで添加した。該反応混合物をDCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、1.2gの中間体(16)を生じた。
【0077】
【化15】

【0078】
DIPE(0.06ml)中4%チオフェン溶液を、該混合物を氷浴中で攪拌しつつNH/MeOH(12ml)中の中間体(16)(0.00166mol)の混合物に添加した。ラネーニッケル(0.5g)を0℃で添加し、そして反応混合物を水素流下に16時間攪拌した。触媒を濾過分離しかつ濾液を乾固まで蒸発させて、0.250gの中間体(17)を生じた。
【0079】
段階a)およびb)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(18)を6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよびピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(21)を6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび4−(4−クロロフェニル)−4−ピペリジノールから出発して製造し、中間体(23)を6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよびモルホリンから出発して製造し、中間体(24)を6−(トリオフルオロメチル)−3−ピリジン−カルボキサルデヒドおよび1,1−ジオキソ−1−チオ−モルホリンから出発して製造し、中間体(25)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロ−ピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(26)を6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジンカルボキサルデヒドおよび4−(アミノカルボニル)ピペリジンから出発して製造し、中間体(27)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよびピペリジンから出発して製造し、中間体(28)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよびモルホリンから出発して製造し、中間体(31)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよびピロリジンから出発して製造し、中間体(32)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよびホモピペリジンから出発して製造し、中間体(33)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび2−ピペラジノンから出発して製造し、中間体(34)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび3,3−ジフルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(35)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび3−フルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(36)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび2−メチルモルホリンから出発して製造し、中間体(37)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび2−メチルピペリジンから出発して製造し、中間体(38)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび1,4−オキサゼパン塩酸塩から出発して製造し、中間体(39)を2−メチル−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(40)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび3−メトキシピペリジン塩酸塩から出発して製造し、中間体(55)を2−メチル−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよびモルホリンから出発して製造し、中間体(53)を2−(トリフルオロメチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび4−フルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造し、ならびに中間体(54)を2−メトキシ−5−ピリミジンカルボキサルデヒドおよび4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩から出発して製造した。
【0080】
【化16】

【0081】
実施例A.5
【0082】
【化17】

【0083】
塩化ホスホリル(10ml)を1,2−ジクロロエタン(10ml)中の2−オキシ−キノリン−5−カルボン酸メチルエステル(0.03mol)の混合物に添加した。該反応混合物を80℃で一夜攪拌した。該反応混合物を水でクエンチしかつDCMで抽出した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、6gの中間体(29)を生じた。
【0084】
【化18】

【0085】
水酸化リチウム(100ml)をMeOH(50ml)中の中間体(29)(0.027mol)の混合物に添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空下に蒸発させ、そして水性HCl(2M)を残渣に一滴ずつ添加した。沈殿物を濾過分離しかつ残渣を調製的高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、中間体(30)を生じた。
【0086】
実施例A.6
【0087】
【化19】

【0088】
中間体(25)(2g)を調製的SFC精製を用いてその鏡像異性体に分離した。SFCはChiralpak AD−Hカラム(30×250mm)(Daicel Chemical Industries Ltd):溶離剤CO/(0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)75/25を10分間保持し;流速50ml/分;カラムヒーター温度40℃;ノズル圧100bar;負荷:55mg/1.5mlで実施した。2個のピークを得かつ収集した。第一のピークを乾固まで濃縮しかつ真空下オーブン中で乾燥することにより固化して0.8gの中間体(41)を生じた。第二のピークを乾固ま
で濃縮しかつ真空下オーブン中で乾燥することにより固化して0.8gの中間体(42)を生じた。
【0089】
実施例A.7
【0090】
【化20】

【0091】
1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)中の5−ブロモ−2−クロロ−キノリン(0.02mol)および1−(tert−ブチルオキシカルボニル)ピペラジン(0.06mol)を100℃で2時間攪拌した。該反応混合物を150mlの水に注ぎ、固形物が形成され、濾過分離し、洗浄しかつ乾燥した。その後該固形物を熱ジイソプロピルエーテルに溶解し、冷却しかつ濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して、4.6gの中間体(43)を生じた。
【0092】
【化21】

【0093】
中間体(43)(0.0117mol)、Pd(OAc)(0.02g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(0.08g)、トリエチルアミン(5ml)およびTHF/MeOH(3:1)(80ml)の混合物を、オートクレーブ中50雰囲気COガス圧下125℃で16時間反応させた。該反応混合物を冷却しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解しかつ塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しかつ蒸発させた。残渣を熱ジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して、3.45gの中間体(43a)を生じた。
【0094】
【化22】

【0095】
中間体(43a)(0.0011mol)をTHF/MeOH(2:1)(3ml)および水(2ml)中で攪拌した。水酸化リチウム(0.0022mol)を室温で添加した。該反応混合物を室温で4時間攪拌した。有機溶媒を蒸発により除去した。水(5ml)を添加し、そして1N HClをpHが3ないし4になるまで一滴ずつ添加した。沈殿物が形成された。沈殿物を濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して淡褐色固形物を生じ、0.28gの中間体(44)を生じた。
【0096】
実施例A.8
【0097】
【化23】

【0098】
5−ブロモ−2−クロロキノリン(0.0220mol)およびモルホリン(0.1mol)を閉鎖管中100℃で2時間振とうした。反応混合物を水中に注ぎ、固形物が形成され、濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して、5.9gの中間体(45)を生じた。
【0099】
【化24】

【0100】
中間体(45)(0.02mol)、Pd(OAc)(0.02g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(0.08g)、トリエチルアミン(5ml)およびTHF/MeOH(3:1)(80ml)の混合物を、オートクレーブ中50雰囲気COガス圧下125℃で16時間反応させた。該反応混合物を冷却しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解しかつ塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しかつ蒸発させた。残渣を熱ジイソプロピルエーテルに懸濁し、濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して、4.45gの中間体(45a)を生じた。
【0101】
【化25】

【0102】
中間体(45a)(0.016mol)をTHF/MeOH(2:1)(100ml)および水(50ml)中で攪拌した。水酸化リチウム(0.032mol)を室温で添加した。該反応混合物を室温で4時間攪拌した。有機溶媒を蒸発により除去した。水(50ml)を添加し、そして不純物をDCMで抽出した。pHが3ないし4になるまで1N HClを添加することにより水層を酸性化した。沈殿物が形成された。沈殿物を濾過分離し、洗浄しかつ乾燥して、3.12gの中間体(46)を生じた。
【0103】
実施例A.9
【0104】
【化26】

【0105】
5−ブロモ−2−クロロ−キノリン(0.02mol)および3−アミノ−1−プロパノール(20ml)を80℃で4時間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、そしてDCM
で2回抽出した。合わせた有機層を水で1回洗浄し、その後MgSOで乾燥し、濾過しかつ蒸発させた。2%アセトニトリルを含むイソプロピルエーテル中で残渣を結晶化した。結晶を濾過により収集しかつ真空中で乾燥して、2.97gの中間体(47)を生じた。
【0106】
【化27】

【0107】
中間体(47)(2.9g)、Pd(OAc)(0.02g)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−プロパン(0.08g)、トリエチルアミン(5ml)、THF(40ml)およびメタノール(10ml)の混合物をオートクレーブ中50雰囲気COガス圧下125℃で16時間反応させた。反応後に溶媒を蒸発させ、そして残渣を水で希釈しかつ酢酸エチルで抽出した(3回)。合わせた有機層を水(2回)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をイソプロピルエーテル中で結晶化した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、1.25gの中間体(48)を生じた。
【0108】
【化28】

【0109】
中間体(48)(0.002mol)およびジオキサン(16ml)を室温で攪拌した。水酸化リチウム水和物(0.0025mol)および水(4ml)を一滴ずつ添加した。該反応混合物を50℃で4時間攪拌し、そして攪拌を室温で一夜継続した。該反応混合物を蒸発させ、水に再溶解しかつ1N HClで中和した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、0.45gの中間体(49)を生じた。
【0110】
実施例A.10
【0111】
【化29】

【0112】
5−ブロモ−2−クロロキノリンおよびシクロプロパンアミンを閉鎖容器中60℃で5日間攪拌した。反応混合物を蒸発させ、そして残渣をCHCN中で結晶化した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、9.3g(88%)の中間体(50)を生じた。
【0113】
【化30】

【0114】
THF中の中間体(50)(36.5mmol)、メタノール、二酢酸パラジウム(0.2mmol)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.4mmol)、トリエチルアミン(10ml)を50atm CO下125℃で16時間攪拌した。該反応混合物をダイカライト(dicalite)で濾過し、そして濾液を蒸発させた。残渣をシリカゲルで精製した(DCM/MeOH 100/0ないし98/2)。対応する画分を蒸発させた。第一の残渣をイソプロピルエーテル中で摩砕し、沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、1.95gの中間体(51)を生じた。
【0115】
【化31】

【0116】
中間体(51)(8mmol)およびジオキサン(40ml)を、鉱質除去した水(20ml)に溶解した水酸化リチウム水和物(16.1mmol)を一滴ずつ添加しつつ室温で攪拌した。攪拌を室温で一夜継続した。反応を蒸発させかつ50mlの水に再溶解した。この溶液を攪拌しながら1N HClで中和した。4時間攪拌後に沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、1580mgの中間体(52)を生じた。
【0117】
実施例A.11
【0118】
【化32】

【0119】
中間体(30)(3.0g、0.013mol)をDCM(100ml;無水)に懸濁した。最初に二塩化エタンジオイル(9.0g、0.072mol)およびその後DMF(3滴)を添加した。該反応混合物を室温で一夜攪拌した。溶媒を減圧下に蒸発させて、3.1gの中間体(56)を生じた。
【0120】
実施例A.12
【0121】
【化33】

【0122】
窒素雰囲気下の反応。ナトリウム(0.00026mol)を0℃でエタノール(300ml)に添加した。該混合物を固形物が完全に溶解するまで周囲温度で攪拌した。中間体(83)(0.0929mol)を、混合物の温度が周囲温度より下に冷却されるまで攪拌しながら添加した。イソプロピルイミドカルバメートのトリフルオロメタンスルホン酸塩(0.0872mol)を攪拌しながら添加した。該反応混合物を周囲温度で一夜攪拌し、そして溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を水(300ml)に分散させた。該混合物をDCM(2×200ml)で抽出した。有機層を合わせ、飽和水性NaCl溶液(200ml)で洗浄した。分離した有機画分をNaSOで乾燥し、濾過しかつ溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル/酢酸エチル 10/1、v/v)により精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を真空中で乾燥して、6.5gの中間体(57)を生じた。
【0123】
【化34】

【0124】
酢酸(30ml)中の中間体(57)(0.0120mol)、トリメチルエチニルシラン(0.0240mol)、モルホリン(0.0144mol)および酢酸ナトリウム(0.0180mol)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。溶媒を真空中で蒸発させた。水(50ml)を添加した。該混合物を固体NaOHでpH10にアルカリ化した。生じる沈殿物を濾過により収集しかつ水(3×50ml)で洗浄した。沈殿物を濾過分離しかつ真空中で乾燥して、2.5gの中間体(58)を生じた。
【0125】
【化35】

【0126】
アンモニアで飽和させたメタノール(7N、20ml)およびTHF(100ml)の混合物に溶解した粗中間体(58)(0.0095mol)の混合物を、水素の存在下に触媒としてラネーニッケル(4g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を蒸発させて2.3gの中間体(59)を生じた。
【0127】
実施例A.13
【0128】
【化36】

【0129】
酢酸(30ml)中の中間体(57)(0.0120mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0240mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0144mol)および酢酸ナトリウム(0.0180mol)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。溶媒を真空中で蒸発させた。水(50ml)を添加した。混合物を固体NaOHでpH10まで塩基性化した。生じる沈殿物を濾過により収集しかつ水(3×50ml)で洗浄した。沈殿物を収集しかつ真空中で乾燥して、3.7gの中間体(60)を生じた。
【0130】
【化37】

【0131】
アンモニアで飽和させたメタノール(7N、20ml)およびTHF(100ml)の混合物に溶解した中間体(60)(0.0125mol)の混合物を、水素の存在下に触媒としてラネーニッケル(6g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を蒸発させて、3.5gの中間体(61)を生じた。
【0132】
実施例A.14
【0133】
【化38】

【0134】
酢酸(50ml)中の2−エチル−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.0235mol)、モルホリン(0.0282mol)、シアン化トリメチルシリル(0.047mol)および酢酸ナトリウム(0.0294mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。該反応混合物を濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を水に溶解し、pH8までNaHCOでアルカリ化し、そして酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濾過し、そして濾液の溶媒を蒸発させて、4.8gの中間体(62)を生じた。
【0135】
【化39】

【0136】
メタノール(60ml)中の中間体(62)(0.0207mol)、ラネーニッケル(9.6g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、10ml)の混合物を室温で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。粗残渣をC18での高速液体クロマトグラフィー(溶離液:25/75から0.1%NHを含む55/45までのCHCN/水)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、2.7gの中間体(63)を生じた。
【0137】
実施例A.15
【0138】
【化40】

【0139】
酢酸(15ml)中の2−(1−ピペリジニル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.00314mol)、シアン化トリメチルシリル(0.00628mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.00377mol)および酢酸ナトリウム(0.00408mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。残渣を水(20ml)中で攪拌した。水層をpH8までNaHCOで処理した。この混合物をDCM(3×30ml)で抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、1.0gの中間体(64)を生じた。
【0140】
【化41】

【0141】
エタノール(30ml)中の中間体(64)(0.00311mol)、触媒としてのラネーニッケル(2.0g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、5ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣をYMCでの調製的高速液体クロマトグラフィー(150×30mm;C18;溶離液:16/84から0.1%CFCOOHを含む46/54までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をMeOHに溶解しかつHCl/1,4−ジオキサン(40ml)を使用することにより塩酸塩に転化した。沈殿物を濾過分離しかつ残存する溶媒の蒸発により乾燥して、0.45gの中間体(65)を生じた。
【0142】
実施例A.16
【0143】
【化42】

【0144】
酢酸(20ml)中の2−エトキシ−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.01314mol)、シアン化トリメチルシリル(0.02628mol)、モルホリン(0.01445mol)および酢酸ナトリウム(0.01577mol)の混合物を室温で攪拌した。反応混合物を減圧下に蒸発させた。生じる残渣に水(30ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(40ml、3回)で抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、3.5gの中間体(66)を生じた。
【0145】
【化43】

【0146】
THF(60ml)中の中間体(66)(0.01410mol)、触媒としてのラネーニッケル(6g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、10ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。残渣を蒸発させて3.4gの粗生成物を生じた。該粗生成物をYMC(150×30mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:5/95から0.1%CFCOOHを含む20/80までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し、そして1,4−ジオキサンHCl(40ml)を使用することにより塩酸塩に転化した。残渣を蒸発させて2.0gの中間体(67)を生じた。
【0147】
実施例A.17
【0148】
【化44】

【0149】
酢酸(20ml)中の2−(1−メチルエチル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.01332mol)、シアン化トリメチルシリル(0.02664mol)、モルホリン(0.01465mol)および酢酸ナトリウム(0.01598mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下で蒸発させた。生じる残渣に水(30ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(40ml、3回)で抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、3.3gの中間体(68)を生じた。
【0150】
【化45】

【0151】
THF(60ml)中の中間体(68)(0.01340mol)、触媒としてのラネーニッケル(6g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。残差を蒸発させて3.3gの粗生成物を生じた。該粗生成物をYMC(150×30mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:15/85から0.1%CFCOOHを含む30/70までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し、そしてジオキサンHCl(40ml)を使用することにより塩酸塩に転化した。残渣を蒸発させて最終生成物を生じ、2.9gの中間体(69)を生じた。
【0152】
実施例A.18
【0153】
【化46】

【0154】
ピロリジン(0.041237mol)をクロロキノリン(0.041237mol)に添加した。活発な発熱が反応溶液を沸点まで加温した。還流冷却器を取り付け、そして該溶液を20℃で16時間攪拌した。ピロリジンの大半がロータリーエバポレーションにより除去され、そして残渣をNaCO(50%水性)/DCMに溶解した。層を分離し、そして有機層をNaCl(50%飽和)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)かつ溶媒を除去した。フェニルメチルと共沸されて(azeotroped)、12gの中間体(70)を生じた。
【0155】
【化47】

【0156】
75mlステンレス鋼製オートクレーブに、窒素雰囲気下、MeOH/THF 1/1(40ml)中の中間体(70)(0.043296mol)、酢酸パラジウム(0.00433mol、1.3ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(0.0866mol)および酢酸カリウム(0.86593mol)を充填した。オートクレーブを閉鎖しかつ50bar COに加圧し、そして反応を100℃の温度で16時間実施して、中間体(71)を生じた。
【0157】
【化48】

【0158】
中間体(71)を、実施例A.5の方法論を使用して中間体(72)に転化した。
【0159】
実施例A.19
【0160】
【化49】

【0161】
2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボキサルデヒド(0.01193mol)およびピロリジン(0.02983mol)をエタノールに溶解した。該混合物を鋼製管中90℃で一夜反応させた。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。残渣をカラム(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、1.56gの中間体(73)を生じた。
【0162】
【化50】

【0163】
酢酸(20ml)中の中間体(73)(0.0088mol)、シアン化トリメチルシリル(0.1760mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.1056mo
l)および酢酸ナトリウム(0.1144mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。残渣は水(20ml)を添加された。水層をNaHCOでpH=8に酸性化し、DCM(30ml−3回)で抽出し、分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過しかつ蒸発させて、2.4gの中間体(74)を生じた。
【0164】
【化51】

【0165】
アンモニアで飽和させたメタノール(7N、17ml)中の中間体(74)(0.0078mol)および触媒としてのラネーニッケル(6g)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣をYMC(250×20mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:2/98から0.1%CFCOOHを含む32/68までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をHCl/ジオキサンでpH=5に酸性化した。残渣を蒸発させて2.4gの中間体(75)を生じた。
【0166】
実施例A.20
【0167】
【化52】

【0168】
水(100ml)中のカルバムイミドチオ酸メチルエステル硫酸塩(2:1)(0.118mol)、1−アセチルピペラジン(0.094mol)およびNaOH(6g)の混合物を80℃で5時間攪拌した。冷却に際して十分なエタノール(400ml)を添加した。沈殿物を濾過分離した。濾液を収集しかつ減圧下に蒸発させて、15gの中間体(76)を生じた。
【0169】
【化53】

【0170】
ナトリウム(6g)をエタノール(200ml)に分散させた。ナトリウムを完全に溶解させた後、中間体(76)および中間体(83)を添加した。該混合物を周囲温度で一夜攪拌した。固形物を濾過分離した。濾液を収集しかつ減圧下に蒸発させた。その後残渣をDCM(200ml)に添加しかつ水(200ml、4回)で洗浄した。生じる有機層をNaSOで乾燥しかつ蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
、溶離液:MeOH/DCM=1/30 v/v)で精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、2gの中間体(77)を生じた。
【0171】
【化54】

【0172】
酢酸(20ml)中の中間体(77)(0.0085mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.01mol)、シアン化トリメチルシリル(0.017mol)および酢酸ナトリウム(0.011mol)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。溶媒を減圧下に除去した。水(50ml)を上の残渣に添加し、そしてpHが8になるまでNaHCOで塩基性化した。DCMを添加しかつ抽出した(50ml、3回)。有機層を合わせかつ減圧下に蒸発させて3gの中間体(78)を生じ、そして次の反応で直接使用した。
【0173】
【化55】

【0174】
THF(100ml)中の中間体(78)(0.0082mol)、触媒としてのラネーニッケル(6g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、15ml)の混合物を周囲温度(大気圧)で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を収集しかつ減圧下に蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィー(溶離液:水中0.5%CFCOOH/CHCN 45/55 v/v)で精製した。所望の画分を収集しかつ減圧下に蒸発させた。残渣をDCM(50ml)に溶解しかつHCl/ジオキサンで塩酸塩(1:2)に転化した。溶媒を減圧下に除去して、2gの中間体(79)を生じた。
【0175】
実施例A.21
【0176】
【化56】

【0177】
ナトリウム(2.3g)をエタノール(150ml)に溶解した。N−シクロプロピル
−グアニジン硫酸塩(2:1)(0.0337mol)および中間体(83)(0.0674mol)を添加した。該反応混合物を室温で一夜攪拌した。該混合物を減圧下に蒸発させた。残渣を水(50ml)に溶解しかつDCM(50ml、3回)で抽出した。有機層を収集しかつ減圧下に蒸発させた。粗生成物をカラム(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル 3/1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、3.6gの中間体(80)を生じた。
【0178】
【化57】

【0179】
酢酸(100ml)中の中間体(80)(0.01599mol)、シアン化トリメチルシリル(0.03198mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.01759mol)および酢酸ナトリウム(0.01919mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。生じる残渣に水(60ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(50ml×3回)で抽出し、分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、4.4gの中間体(81)を生じた。
【0180】
【化58】

【0181】
THF(150ml)中の中間体(81)(0.015mol)、触媒としてのラネーニッケル(8g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、25ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をYMC(150×30mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:16/84から0.1%CFCOOHを含む46/54までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をMeOHに溶解し、そして1,4−ジオキサンHCl(40ml)を使用することにより塩酸塩に転化した。残渣を蒸発させて2.0g(40%)の中間体(82)を生じた。
【0182】
実施例A.22
【0183】
【化59】

【0184】
三塩化リン(2.1mol)を0℃でかつ内部温度を5と10℃の間に維持してDMF(850ml)にゆっくりと添加した。混合物を2時間攪拌した。2−ブロモ酢酸(0.72mol)を添加しかつ該混合物を90℃に一夜加熱した。該溶液を室温に冷却した。スラリーを攪拌しながら0℃でイソプロパノール(400ml)に注いだ。水(30ml)を0℃で一滴ずつ添加した。スラリーをイソプロパノール(300ml)で希釈し、そして酢酸イソプロパニル(300ml)を攪拌しながら一滴ずつ添加した。沈殿物を濾過により収集しかつCHCN(300ml)で洗浄した。残渣を減圧下に乾燥して、170gの中間体(83)を生じた。
【0185】
【化60】

【0186】
エタノール(200ml)中の中間体(83)(0.1115mol)、グアニジンと複合された炭酸(2:1)(0.0555mol)およびNaCO(18g)の混合物を80℃で一夜還流した。該反応混合物を濾過し、乾燥し(NaSO)かつ蒸発させて、12.2gの粗中間体(84)を生じた。
【0187】
【化61】

【0188】
酢酸(80ml)中の中間体(84)(0.02437mol)、シアン化トリメチルシリル(0.04873mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.02681mol)および酢酸ナトリウム(0.02924mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。生じる残渣に水(30ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(40ml、3回)で抽出し、分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、1.86gの中間体(85)を生じた。
【0189】
【化62】

【0190】
エタノール(30ml)中の中間体(85)(0.00395mol)、触媒としてのラネーニッケル(2g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、5ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣をYMC(250×20mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:8/92から0.1%CFCOOHを含む18/82までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をHCl/ジオキサンでpH=5に酸性化した。残渣を蒸発させて0.9gの中間体(86)を生じた。
【0191】
実施例A.23
【0192】
【化63】

【0193】
ナトリウム(2.8g)をエタノール(300ml)に溶解した。2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩(0.08157mol)および中間体(83)(0.08157mol)を添加した。該反応混合物を室温で一夜攪拌した。該混合物を減圧下に蒸発させた。残渣を水(50ml)に溶解しかつDCM(50ml、3回)で抽出した。有機層を収集しかつ減圧下に蒸発させた。粗生成物をカラム(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル 10:1 V/V)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、6.0gの中間体(87)を生じた。
【0194】
【化64】

【0195】
酢酸(30ml)中の中間体(87)(0.01998mol)、シアン化トリメチルシリル(0.03996mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.02198mol)および酢酸ナトリウム(0.02398mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸発させた。生じる残渣に水(50ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化しかつDCM(40ml、3回)で抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、5.2gの中間体(88)を生じた。
【0196】
【化65】

【0197】
THF(60ml)中の中間体(88)(0.01855mol)、触媒としてのラネーニッケル(10g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、10ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。残渣を蒸発させて最終生成物を生じ、4.9gの中間体(89)を生じた。
【0198】
実施例A.24
【0199】
【化66】

【0200】
ナトリウム(5.8g)をエタノール(300ml)に溶解した。シクロペンタンカルボキシイミドアミド一塩酸塩(0.16819mol)および中間体(83)(0.16819mol)を添加した。該反応混合物を室温で一夜攪拌した。該混合物を減圧下に蒸発させた。残渣を水(50ml)に溶解しかつDCM(50ml、3回)で抽出した。有機層を収集しかつ減圧下に蒸発させた。粗生成物をカラム(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル 10:1 V/V)により精製した。純粋な画分を収集しかつ減圧下に蒸発させて、6.0gの中間体(90)を生じた。
【0201】
【化67】

【0202】
酢酸(30ml)中の中間体(90)(0.01702mol)、シアン化トリメチルシリル(0.03404mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.01872mol)および酢酸ナトリウム(0.02042mol)の混合物を室温で攪拌した。反応混合物を減圧下に蒸発させた。生じる残渣に水(30ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(40ml、3回)で抽出し、分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、3.86gの中間体(91)を生じた。
【0203】
【化68】

【0204】
THF(40ml)中の中間体(91)(0.0126mol)、触媒としてのラネーニッケル(7g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、6ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。溶媒を蒸発させて4.1gの粗中間体(92)を生じた。
【0205】
実施例A.25
【0206】
【化69】

【0207】
酢酸(120ml)中の2−(4−モルホリニル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(6.6g)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0213mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0647mol)および酢酸ナトリウム(2.6g)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(100ml)に溶解した。該水性溶液をpH=10までNaHCOで塩基性化した。該水性(aqueous)をDCM(200ml、3回)により抽出した。分離した有機層をNaSOで乾燥しかつ濾過分離した。濾液を真空中で濃縮して、4.8gの中間体(93)を生じた。
【0208】
【化70】

【0209】
エタノール(350ml)中の中間体(93)(4.8g)およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、40ml)の混合物を、Hの存在下触媒としてラネーニッケル(10g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を提供した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:10/90から0.1%CFCOOHを含む40/60までのCHCN/水)により精製した。画分を真空中で濃縮した。残渣を
メタノールに溶解し、そして1,4−ジオキサンの使用においてHCl(150ml)により塩酸塩に転化して、2.5gの中間体(94)を生じた。
【0210】
実施例A.26
【0211】
【化71】

【0212】
酢酸(50ml)中の2−(ジメチルアミノ)−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.0331mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0662mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0397mol)および酢酸ナトリウム(0.0496mol)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(300ml)に溶解した。該水性溶液をpH=10までNaHCOで塩基性化した。該水性をDCM(300ml、3回)により抽出した。分離した有機層をNaSOで乾燥しかつ濾過分離した。濾液を真空中で濃縮して、7.5gの中間体(95)を生じた。
【0213】
【化72】

【0214】
THF(300ml)中の中間体(95)(7.5g)およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、50ml)の混合物を、水素の存在下触媒としてラネーニッケル(10g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を提供した。該粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:10/90から0.1%CFCOOHを含む40/60までのCHCN/水)により精製した。画分を真空中で濃縮した。残渣をMeOHに溶解し、そして1,4−ジオキサンHCl(150ml)を使用することにより塩酸塩に転化して、3.5gの中間体(96)を生じた。
【0215】
実施例A.27
【0216】
【化73】

【0217】
酢酸(45ml)中の2−(1−ピロリジニル)−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.0169mol)、モルホリン(0.0203mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0508mol)および酢酸ナトリウム(0.15g)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(100ml)に溶解した。該水性溶液をpH=10までNaHCOで塩基性化した。該水性をDCM(200ml、3回)により抽出した。分離した有機層をNaSOで乾燥しかつ濾過分離した。濾液を真空中で濃縮して、3.5gの粗中間体(97)を生じた。
【0218】
【化74】

【0219】
THF(100ml)およびメタノール(200ml)中の中間体(97)(3.5g)およびアンモニアで飽和させたメタノール(50ml)の混合物を、水素の存在下触媒としてラネーニッケル(9g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を提供した。粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:10/90から0.1%CFCOOHを含む40/60までのCHCN/水)により精製した。画分を真空中で濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、そして1,4−ジオキサン中HCl(150ml)を使用することにより塩酸塩に転化して、3gの中間体(98)を生じた。
【0220】
実施例A.28
【0221】
【化75】

【0222】
ナトリウム(8g)を窒素雰囲気下0℃でエタノール(300ml)に添加した。該混合物を固形物が完全に溶解するまで周囲温度で攪拌した。中間体(83)(0.1432mol)を、混合物の温度が周囲温度より下に冷却されるまで攪拌しながら添加した。カルバムイミド酸シクロプロピルメチルエステル1,1,1−トリフルオロ−メタンスルホン酸塩(0.0946mol)を攪拌しながら添加した。該反応混合物を周囲温度で一夜攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を水(300ml)に分散させた。混合物をDCM(300ml×2)で抽出した。合わせた有機画分を飽和塩水(200ml)で洗
浄した。分離した有機画分をNaSOで乾燥しかつ溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1、v/v)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を真空中で乾燥して、15.0gの中間体(99)を生じた。
【0223】
【化76】

【0224】
酢酸(30ml)中の中間体(99)(0.0112mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0135mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0224mol)および酢酸ナトリウム(0.0169mol)の混合物を周囲温度で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。溶媒を真空中で蒸発させた。水(50ml)を添加した。該混合物をpH=10まで固体NaOHで塩基性化した。生じる沈殿物を濾過により収集しかつ水(50ml、3回)で洗浄した。沈殿物を収集しかつ真空中で乾燥して、3.2gの中間体(100)を生じた。
【0225】
【化77】

【0226】
THF(100ml)中の中間体(100)(3.2g)およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、20ml)の混合物を、水素の存在下触媒としてラネーニッケル(6g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を提供し、3.0gの中間体(101)を生じた。
【0227】
実施例A.29
【0228】
【化78】

【0229】
酢酸(20ml)中の中間体(87)(0.01323mol)、シアン化トリメチルシリル(0.02646mol)、モルホリン(0.01455mol)および酢酸ナトリウム(0.01588mol)の混合物を室温で攪拌した。該反応混合物を減圧下に蒸
発させた。生じる残渣に水(30ml)を添加した。水層をpHが8になるまでNaHCOで塩基性化し、DCM(40ml、3回)で抽出した。分離した有機層を乾燥し(NaSO)、濾過し、蒸発させて、3.3gの中間体(102)を生じた。
【0230】
【化79】

【0231】
THF(60ml)中の中間体(102)(0.01334mol)、触媒としてのラネーニッケル(6g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、10ml)の混合物を室温(大気圧)で水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。残渣を蒸発させて3.0gの粗生成物を生じた。該粗生成物をYMC(150×30mm)での調製的高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:15/85から0.1%CFCOOHを含む25/75までのCHCN/水)により精製した。所望の画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をMeOHに溶解し、そして1,4−ジオキサンHCl(40ml)を使用することにより塩酸塩に転化した。残渣を蒸発させて最終生成物を生じ、1.8gの中間体(103)を生じた。
【0232】
実施例A.30
【0233】
【化80】

【0234】
酢酸(50ml)中の2−エチル−5−ピリミジンカルボキサルデヒド(0.0235mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0282mol)、シアン化トリメチルシリル(0.047mol)および酢酸ナトリウム(0.0294mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。その後、該混合物を濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を水に溶解し、pH=8までNaHCOで塩基性化し、そして酢酸エチルにより2回抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過しかつ濃縮して所望の生成物を生じ、5.0gの中間体(104)を生じた。
【0235】
【化81】

【0236】
メタノール(60ml)中の中間体(104)(0.0188mol)、ラネーニッケ
ル(10g)、およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、10ml)の混合物を室温で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させて、4.4gの中間体(105)を生じた。
【0237】
実施例A.31
【0238】
【化82】

【0239】
ナトリウム(8.2g)を窒素雰囲気下0℃でエタノール(500ml)に添加した。該混合物を固形物が完全に溶解するまで周囲温度で攪拌した。中間体(83)(0.2378mol)を、該混合物の温度が周囲温度より下に冷却されるまで攪拌しながら添加した。シクロブチルイミドカルバメートのトリフルオロメタンスルホン酸塩(0.1189mol)を攪拌しながら添加した。該反応混合物を周囲温度で一夜攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を水(500ml)に分散させた。該混合物をDCM(200ml、3回)で抽出した。合わせた有機画分を飽和塩水(200ml)で洗浄した。分離した有機画分をNaSOで乾燥し、そして溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶離液:石油エーテル/酢酸エチル=10/1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を真空中で蒸発させた。生成物を真空中で乾燥して対応する生成物を白色固形物として生じ、16.6gの中間体(106)を生じた。
【0240】
【化83】

【0241】
酢酸(30ml)中の中間体(106)(0.0112mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(0.0127mol)、シアン化トリメチルシリル(0.0224mol)および酢酸ナトリウム(0.0146mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。溶媒を真空中で蒸発させた。水(50ml)を添加した。混合物を固体NaOHでpH=10まで塩基性化した。生じる沈殿物を濾過により収集しかつ水(50ml、3回)で洗浄した。沈殿物を収集しかつ真空中で乾燥して粗生成物を提供し、3.0gの粗中間体(107)を生じた。
【0242】
【化84】

【0243】
THF(100ml)中の中間体(107)(3gの粗)およびアンモニアで飽和させたメタノール(7N、20ml)の混合物を、水素の存在下触媒としてラネーニッケル(
10g)を用い水素雰囲気下周囲温度で一夜水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離した。濾液を真空中で蒸発させて粗生成物を提供し、3.0gの粗中間体(108)を生じた。
【0244】
実施例A.32
【0245】
【化85】

【0246】
臭素(5.2mL、101mmol)を2,6−ジクロロキノリン(20g、101mmol)および塩化アルミニウム(40g、303mmol)に120℃で30分間にわたり一滴ずつ添加した。生じる混合物を120℃で1時間攪拌し、rtに冷却し、そしてメタノール/水(1:1 v:v、150mL)をゆっくりと添加した。メタノールを減圧下に除去し、そして生じるスラリーをDCMで抽出した。有機層を合わせ、飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮しかつフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30〜100%DCM)により精製して、所望の生成物(23g、83%)を提供した。H NMR(500MHz、CDCl)δ8.51(dd、J=8.9、0.7、1H)、7.92(dd、J=9.0、0.7、1H)、7.76(dd、J=8.9、4.2、1H)、7.49(d、J=8.6、1H)。
【0247】
【化86】

【0248】
0℃のTHF(200ml)中の中間体(200)(20.0g、72.3mmol)の溶液に、THF中2M塩化イソプロピルマグネシウム(36.5、72.9mmol)を一滴ずつ添加した。該反応混合物を30分間攪拌し、そして無水COを反応混合物を通して穏やかに泡立たせ、これを0℃で60分間保った。該反応混合物を水に注ぎかつEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過しかつ濃縮して所望の生成物(13g、74%)を提供した。H NMR(500MHz、DMSO)δ14.40(s、1H)、8.29(dd、J=8.9、0.7、1H)、8.07(dd、J=9.0、0.7、1H)、7.94(d、J=9.0、1H)、7.74(d、J=8.9、1H)。
【0249】
段階a)およびb)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(202)を6−メチル−2−クロロキノリンから出発して製造し、また、中間体(203)を6−クロロキノリンから出発して製造した。
【0250】
【化87】

【0251】
中間体(202):H NMR(500MHz、DMSO)δ13.84(s、1H)、8.59(d、J=8.9、0H)、8.33(d、J=8.9、1H)、7.96(d、J=8.7、1H)、7.75(d、J=8.7、1H)、7.64(d、J=8.9、1H)。
中間体(203):H NMR(500MHz、DMSO)δ14.24(s、1H)、9.01(dd、J=4.2、1.5、1H)、8.24(dd、J=7.9、0.7、1H)、8.13(d、J=9.0、1H)、7.87(d、J=9.0、1H)、7.69(dd、J=8.6、4.2、1H)。
【0252】
実施例A.33
【0253】
【化88】

【0254】
酢酸(35mL)中の2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−カルバルデヒド(8.8g、0.049mol)、4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩(8.3g、0.052mol)および酢酸ナトリウム(6.1g、0.075mol)の混合物にシアン化トリメチルシリル(13.6mL、0.099mol)を添加した。生じる溶液をrtで12時間攪拌させた。生じる混合物を濃縮し、その後飽和水性重炭酸ナトリウムでpH7〜8に中和し、HO(100mL)とCHCl(75mL)の間で分配した。層を分離しかつ水層をCHCl(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過しかつ濃縮した。生じる橙色固形物を精製を伴わずに使用した(6.9g、45%)。MS(ESI):C1211の質量計算値、306.1;m/z実測値、305.1[M−H]。H NMR(CDCl)δ9.09(d、J=7.5、2H)、5.03(s、1H)、2.86−2.63(m、4H)、2.21−1.97(m、4H)。
【0255】
段階a)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(205−207)を、それぞれ2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−カルバルデヒド若しくは2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−カルバルデヒドのいずれかおよび4,4−ジフルオロピペリジン塩酸塩若しくはモルホリンまたはピペリジンから出発して製造した。
【0256】
【化89】

【0257】
実施例A.34
【0258】
【化90】

【0259】
MeOH(60mL)中の(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−アセトニトリル(6.0g、0.019mol)およびMeOH中7Nアンモニア(6mL)の混合物を、触媒としてラネーニッケルを用いrtで水素化した。水素(2等量)の取り込み後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。生じる油状物を精製なしに使用した(5.9g、98%)。MS(ESI):C1215の質量計算値、310.1;m/z実測値、311.2[M+H]H NMR(CDOD)δ8.94(d、J=9.3、2H)、3.78(t、J=6.7、1H)、3.22(dd、J=13.3、7.2、1H)、2.99(dd、J=13.3、6.3、1H)、2.67−2.48(m、4H)、2.07−1.94(m、4H)。
【0260】
段階a)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(27)および(28)を製造した。
【0261】
【化91】

【0262】
実施例A.35
【0263】
【化92】

【0264】
−60℃の(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−アセトニトリル(2.6g、9.0mmol)およびCHCl(100mL)の溶液に、水素化アルミニウムジイソブチル(18mL、CHCl中1M)を一滴ずつ添加した。1時間後に、生じる溶液を3時間にわたり0℃に加温し、そして30%水性ロッシェル塩(50mL)でクエンチした。生じる混合物をrtで1時間活発に攪拌した。その時間の後に有機層を分離しかつ水層を抽出した(CHCl×50mL)。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過しかつ濃縮した。生じる残渣を、CHCl−MeOH(10%NH溶液)を使用するシリカゲルで精製して橙色油状物(1.2g、46%)を提供した。MS(ESI):C1218Sの質量計算値、288.1;m/z実測値、289.1[M+H]H NMR(CDOD)δ8.50(s、2H)、3.66(dd、J=8.4、6.0、1H)、3.24(dd、J=13.1、8.4、1H)、2.93−2.84(m、2H)、2.64−2.53(m、5H)、2.49−2.38(m、2H)、2.05−1.84(m、5H)。
【0265】
実施例A.36
【0266】
【化93】

【0267】
a)5−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−キノリニウム。DCM(25mL)中の5−ブロモ−6−フルオロ−キノリン(1.1g、4.87mmol)の攪拌された溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(1.00g、5.839mmol)を一部分ずつ添加した。該混合物を45℃の油浴中で16時間加熱した。反応をr.t.に冷却し、そしてチオ硫酸ナトリウム(10mL)次いで飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)を添加した。該混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過しかつ真空中で蒸発させて白色固形物(986mg、84%)を提供し、それをさらなる精製なしに使用した。MS(エレクトロスプレー):CBrNOの質量計算値、241.96;m/z実測値243.2、[M+H]H NMR(400MHz、CDCl)δ8.79(dd、J=9.6、5.1、1H)、8.52(d、J=6.1、1H)、8.06(dd、J=8.8、0.7、1H)、7.51(ddd、J=17.7、9.7、6.2、1H)、7.43(dd、J=8.8、6.1、1H)。
【0268】
【化94】

【0269】
b)5−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ−キノリン。DCM(23mL)中の5−ブロモ−6−フルオロ−1−ヒドロキシ−キノリニウム(1.1g、4.53mmol)の攪拌された溶液にオキシ塩化リン(0.82mL、9.05mmol)を添加した。該混合物を45℃の油浴中で4時間加熱し、r.t.に冷却しかつ真空中で乾固まで蒸発させた。残渣をDCM(100mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)の間で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空中で蒸発させ、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)により精製して、淡桃色固形物(815mg、69%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ8.49(d、J=8.9、1H)、8.01(dd、J=9.3、5.0、1H)、7.60−7.45(m、2H)。
【0270】
【化95】

【0271】
c.5−ブロモ−6−フルオロ−2−モルホリン−4−イル−キノリン。NMP(0.8mL)中の5−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ−キノリン(0.20g、0.77mmol)およびモルホリン(0.27mg、3.07mmol)の溶液を、封止したマイクロ波バイアル中、120℃のヒートブロック中で16時間加熱した。該反応をrtに冷却し、そしてDCM(20mL)と10%水性NHCl(10mL)の間で分配した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過しかつ蒸発させて、粗生成物を黄色油状物(200mg、83%)として生じ、これをさらなる精製なしに使用した。MS(エレクトロスプレー):C1312BrFNOの質量計算値、310.01、m/z実測値313.0、[M+H]H NMR(400MHz、CDCl)δ8.25(dd、J=9.4、0.6、1H)、7.70−7.51(m、1H)、7.35(dd、J=9.1、8.4、1H)、7.01(dd、J=23.8、9.3、1H)、3.85(dd、J=6.0、3.38、4H)、3.77−3.67(m、4H)。
【0272】
段階c)に記述されたと類似の手順を使用して、中間体(213)を5−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ−キノリンおよび3(R)−ヒドロキシピロリジンから出発して製造し、中間体(214)を5−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ−キノリンおよびエタノールアミンから出発して製造し、中間体(215)を5−ブロモ−2−クロロ−6−フルオロ−キノリンおよびN−メチルピペラジンから出発して製造し、中間体(216)を5−ブロモ−1−クロロ−イソキノリンおよびモルホリンから出発して製造し、中間体(217)を5−ブロモ−1−クロロ−イソキノリンおよびエタノールアミンから出発して製造し、ならびに中間体(218)を5−ブロモ−2−クロロ−6−メトキシ−キノリンおよびモルホリンから出発して製造した。
【0273】
【化96】

【0274】
B.最終化合物の製造
実施例B.1
【0275】
【化97】

【0276】
DCM(60ml)中の中間体(2)(0.0032mol)、5−キノリンカルボン酸(0.0064mol)、N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(0.013mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0211)およびN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)/1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(0.0032mol;6mlのNMP中400mg HOBT)の混合物を室温で3時間攪拌した。重炭酸(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウム(0.032mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0419)およびポリスチレンメチルイソシアナート(0.0036mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0169)を該反応混合物に添加し、そしてその後再度室温で2時間攪拌した。該反応混合物を濾過した。濾液の溶媒を蒸発させた。残渣をHO/CHCNから再結晶した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥(真空)して、0.630gの化合物(1)を生じた。
【0277】
実施例B.2
【0278】
【化98】

【0279】
酢酸エチル(5ml)中の中間体(3b)(0.0003mol)、塩化5−キノリンカルボニル塩酸塩(0.0005mol)およびDIPEA(1ml)の混合物を室温で一夜攪拌した。この混合物を1%NaCO溶液(10ml)で洗浄した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をCHCNから結晶化し、濾過分離しかつ乾燥して、0.100gの化合物(2)を生じた。
【0280】
実施例B.3
【0281】
【化99】

【0282】
2−プロパノール中6N HCl(0.4ml)を2−プロパノール(9ml)中の化合物(9)(0.0005mol)の溶液に添加しかつ60℃で2時間攪拌した。2−プロパノール中6N HClを再度添加し、そして該反応混合物を60℃で3時間攪拌した。2−プロパノール中6N HClを再度添加し、そして該反応混合物を70℃で30分間攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノンに懸濁した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥(真空)して、0.1717gの化合物(8)を生じた。
【0283】
実施例B.4
【0284】
【化100】

【0285】
化合物(1)(0.0004mol)を調製的SFC精製でその鏡像異性体に分離した。SFCはChiralpak AD−Hカラム(Daicel Chemical Industries Ltd):溶離剤CO/(0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)50/50(アイソクラチック);流速50ml/分;カラムヒーター温度40℃;ノズル圧100barで実施した。2種の生成物画分群を収集しかつそれらの溶媒を蒸発させた。各残渣を水に懸濁し、そして生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、0.062gの化合物(10)(R若しくはS)および0.057gの化合物(11)(R若しくはS)を生じた。
【0286】
実施例B.5
【0287】
【化101】

【0288】
中間体(2)(0.0002mol)をDMF(3ml)に溶解した。1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.022g)を添加した。DMF(1ml)中の4−メトキシ−2−キノリンカルボン酸(0.0003mol)の溶液を添加した。N−シクロヘキシルカルボジイミド、N’−メチルポリスチレン(0.00064mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0211)を添加した。生じる反応混合物を室温で3時間振とうした。重炭酸(ポリスチリルメチル)トリメチルアンモニウム(0.0016mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0419)およびポリスチレンメチルイソシアネート(0.0002mol、供給元Novabiochem 製品番号;01−64−0169)を添加した。生じる反応混合物を室温で一夜攪拌した。スカベンジャーおよび樹脂を濾過分離しかつ濾液の溶媒を蒸発させた。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R)C18BDS(塩基不活性化シリカ(Base Deactivated Silica))8μm、250g、I.D.5cm)により精製した。緩衝溶液および有機溶媒を用いる勾配を適用した。所望の画分を収集しかつ処理して化合物(12)を生じた。
【0289】
類似の手順を使用し、しかし4−メトキシ−2−キノリンカルボン酸をそれぞれ3−キノリンカルボン酸、2−キノリンカルボン酸、5−イソキノリンカルボン酸、2−プロピル−4−キノリンカルボン酸、6−キノリンカルボン酸および3−エチル−2−メチル−6−キノリン−カルボン酸で置き換えて、化合物(13)、(14)、(16)、(18)、(19)および(24)を生じた。
【0290】
実施例B.6
【0291】
【化102】

【0292】
二塩化オキザリル(0.002mol)をDCM(10mL)中の5−キノリンカルボン酸(0.001mol)の懸濁液に添加した。DMF(数滴)を添加し、そして該混合物を16時間攪拌した。溶媒を除去した。残渣をDCM(10mL)に溶解し、そして中間体(9)(0.001mol)およびトリエチルアミンを0℃で間断なく添加した。攪拌を4時間継続し、温度を20℃に増大させた。HCl(0.001M、10mL)を添加しかつ層を分離した。有機層をNaCO(水性)(50%飽和)、水および塩水で
洗浄した。溶媒を除去し、そして残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM/CHOH 100〜97.5%)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を除去した。残渣をDIPE下で摩砕し、そしてその後真空オーブン中60℃で乾燥して、0.26gの化合物(7)を生じた。
【0293】
実施例B.7
【0294】
【化103】

【0295】
1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.180g)およびN’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン一塩酸塩(0.120g)を、DCM(5ml)中の中間体(11)(0.00087mol)および5−キノリンカルボン酸(0.00087mol)の混合物に添加した。該反応混合物を一夜攪拌し、10%水性NaOH溶液で洗浄しかつNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させて、0.120gの化合物(15)を生じた。
【0296】
実施例B.8
【0297】
【化104】

【0298】
中間体(25)(0.0075mol)、5−キノリンカルボン酸(0.0075mol)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウムヘキサフルオロホスフェート(1−)3−オキシド(1:1)(0.008mol)、DIPEA(3.3ml)およびDMF(75ml)を閉鎖容器中で16時間攪拌した。該反応混合物を水(150ml)およびアセトニトリル(10ml)で希釈しかつ室温で一夜攪拌した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥した。残渣(3.383g、97%)の一部(2.85g)を調製的SFCによりその鏡像異性体に精製した。SFCは、Chiralpak AD−Hカラム(30×250mm)(Daicel Chemical Industries Ltd):溶離剤CO/(0.2%2−プロピルアミンを含有するMeOH)60/40;流速50ml/分;カラムヒーター温度40℃;ノズル圧100ba
r;負荷:76mg/4mlで実施した。2個のピークを得かつ収集した。第一の合わせた画分を蒸発させ、そして残渣をイソプロピルエーテル/アセトニトリル 10/1から結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ真空中で乾燥して、1.099gの化合物(46)を生じた。第二の合わせた画分を蒸発させ、そして残渣をイソプロピルエーテル/アセトニトリル 10/1中で結晶化した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、1.082gの化合物(47)を生じた。
【0299】
実施例B.9
【0300】
【化105】

【0301】
1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]ヘキサフルオロホスフェート(1−)、3−オキシド(0.001422mol)を、0℃で窒素流下にDMF(10ml)中の中間体(26)(0.000948mol)および5−キノリンカルボン酸(0.001138mol)ならびにDIPEA(0.001422mol)の混合物に添加した。該反応混合物を攪拌しかつ一夜徐々に室温に加温した。溶媒を真空下に蒸発させた。残渣を調製的高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.180gの化合物(34)を生じた。
【0302】
実施例B.10
【0303】
【化106】

【0304】
中間体(27)(0.0026mol)、5−キノリンカルボン酸(0.0026mol)、N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン一塩酸塩(0.0038mol)、ピリジン(0.0077mol)およびDCM(50ml)の混合物を室温で18時間攪拌した。該反応混合物を水およびKCO(1g)に注いだ。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過しかつ蒸発させた。残渣をBiotageフラッシュシリカカラム、溶離液:DCM/MeOH、勾配100/0ないし95/5で精製し、純粋な画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化して、0.773gの化合物(35)を生じた。
【0305】
実施例B.11
【0306】
【化107】

【0307】
化合物(38)(0.0001mol)および2−アミノ−エタノール(1ml)を80℃で一夜攪拌した。該反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、そしてDCM/MeOH 95/5を用いる順相使い捨てフラッシュカラムで精製した。対応する画分を蒸発させ、そして残渣を真空中で乾燥して、0.026gの化合物(39)を生じた。
【0308】
実施例B.12
【0309】
【化108】

【0310】
化合物(38)(0.0002mol)およびMeOH(試薬等級、2ml)を室温で攪拌し、そしてMeOH中30%NaOCH(0.1ml)を添加した。反応混合物を60℃で20時間攪拌させ、次いで蒸発させた。残渣を、溶離液としてDCM/MeOH
98/2を用いる順相使い捨てフラッシュカラムで精製した。対応する画分を蒸発させて、0.081gの化合物(41)を生じた。
【0311】
実施例B.13
【0312】
【化109】

【0313】
化合物(38)(0.0004mol)、HCl(1M、1ml)および酢酸(1ml)を60℃で48時間攪拌した。該反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、0.144gの化合物(77)を生じた。
【0314】
実施例B.14
【0315】
【化110】

【0316】
化合物(74)(0.0006mol)およびDCM(6ml)を室温で攪拌した。DCM(2ml)中のCFCOOH(2ml)の混合物を一滴ずつ添加した。該反応混合物を16時間攪拌させた。該反応混合物を蒸発させ、そして残渣を水に溶解した。この溶液をKCOでアルカリ化しかつDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過しかつ蒸発させた。残渣をDCM/MeOH−アンモニア 98/2ないし95/5を用いる順相使い捨てフラッシュカラムで精製した。対応する画分を蒸発させかつイソプロピルエーテル中で摩砕した。沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、0.305gの化合物(78)を生じた。
【0317】
実施例B.15
【0318】
【化111】

【0319】
中間体(39)(0.0053mol)、中間体(30)(0.0053mol)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート(1−)3−オキシド(1:1)(HATU)(0.0053mol)、DIPEA(0.016mol)およびDMF60ml)を閉鎖容器中で20時間攪拌した。該反応混合物を蒸発させ、DCMに溶解し、そして飽和炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過しかつ蒸発させた。残渣を20%アセトニトリルを含むDIPE中で結晶化した。濾液を蒸発させて1.5gの化合物(135)を生じた。
【0320】
実施例B.16
【0321】
【化112】

【0322】
1−メチル−2−ピロリジノン(3ml)中の化合物(37)(0.001mol)およびピペラジン(0.01mol)を115℃で2時間攪拌した。該反応混合物を水で希釈しかつ酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をジイソプロピルエーテルおよびわずかな2−プロパノールに懸濁し、固形物を濾過分離し、洗浄しかつ真空中で乾燥して、0.12gの化合物(102)を生じた。
【0323】
実施例B.17
【0324】
【化113】

【0325】
水素化ナトリウム(0.0146mol)および2−プロパノール(10ml)の混合物を15分間攪拌した。その後、2−プロパノール(5ml)中の化合物(156)(0.00146mol)の混合物を添加し、そしてこの混合物を電子レンジ中140℃で30分間攪拌かつ還流した。沈殿物を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィー(溶離液:CHCN/HO 75/25ないし0.1%CFCOOHを含むCHCN/HO 55/45)により精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.17gの化合物(117)を生じた。
【0326】
実施例B.18
【0327】
【化114】

【0328】
中間体(56)(0.014mol)をDCM(十分量、無水)に懸濁した。DCM中の中間体(55)(0.011mol)およびトリエチルアミン(0.023mol)の溶液を、室温で攪拌された該懸濁液に添加した。該反応混合物を室温で一夜攪拌した。溶
媒を減圧下に蒸発させた。残渣を調製的HPLC(溶離液:25/75から0.1%CFCOOHを含む55/45までのCHCN/HO)により精製した。生成物画分を収集し、そしてその後凍結乾燥により乾燥して、4.0g(88%)の化合物(156)を生じた。
【0329】
実施例B.19
【0330】
【化115】

【0331】
化合物164(0.5mmol)、イソプロピルピペラジン(1mmol)およびジメチルスルホキシド(1ml)を100℃で6時間攪拌した。反応混合物を10mlの水で希釈し、そして還流下にメタノール(約5ml)の添加でさらに溶解した。該溶液を一夜攪拌し、沈殿物を濾過しかつ真空中で乾燥して、218mgの化合物(134)を生じた。
【0332】
実施例B.20
【0333】
【化116】

【0334】
2−プロパンアミン(5ml)中の化合物37(0.644mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0.022mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.033mmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(2.0812mmol)の混合物を80℃で一夜攪拌した。該混合物を濾過しかつ濃縮して粗生成物を生じた。該粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:22/78から0.1%CFCOOHを含む42/58までのCHCN/水)により精製した。純粋な画分を収集し、そして有機溶媒を蒸発させた。生成物を凍結乾燥により得て、0.08gの化合物(168)を生じた。
【0335】
実施例B.21
【0336】
【化117】

【0337】
化合物164(0.5mmol)、cis−2,6−ジメチルモルホリン(2mmol)および2−メトキシエタノール(2ml)を80℃で16時間攪拌した。該反応混合物を蒸発させ、そして300mgの残基を逆相高速液体クロマトグラフィー(Shandon Hyperprep(R)C18 BDS(塩基不活性化シリカ)8μm、250g、I.D.5cm)により精製した。2種の移動相を用いる勾配を適用した。相A:水中0.25%NHHCO溶液;相B:CHCN)。対応する画分を収集しかつ蒸発させた。残渣を5%CHCNを含むイソプロピルエーテルで結晶化した。結晶を濾過により収集しかつ真空中で乾燥して、120mgの化合物(140)を生じた。
【0338】
実施例B.22
【0339】
【化118】

【0340】
THF(5ml)中の化合物(37)、1−シクロプロピル−ピペラジン(0.0027mol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.054mmol)、1,1’−[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[1,1−ジフェニルホスフィン(0.081mmol)および2−メチルプロパノールナトリウム塩(1:1)(0.00162mol)の混合物をマイクロ波下80℃で40分間攪拌した。該混合物を濾過しかつ濃縮して粗生成物を生じた。該粗生成物を高速液体クロマトグラフィー(C18、溶離液:8/92から0.1%CFCOOHを含む38/62までのCHCN/水)により精製した。純粋な画分を収集しかつ有機溶媒を蒸発させた。水性混合物を固体NaHCOでpH=8に塩基性化した。該水性混合物をDCM(40ml)で2回抽出した。合わせた有機層を脱イオン水(20ml)で洗浄した。分離した有機画分を硫酸ナトリウムで乾燥し、固形物を濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。生成物を凍結乾燥により得て、0.04gの化合物(173)を生じた。
【0341】
実施例B.23
【0342】
【化119】

【0343】
化合物(316)(0.19mmol)および4,4−ジメチル−ピペリジン(0.98mmol)の混合物を60℃で3日間攪拌した。該反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を高速液体クロマトグラフィー(逆相カラム、溶離液:10/90から0.1%CFCOOHを含む40/60までのCHCN/水)により精製した。純粋な画分を収集し、そして生成物を凍結乾燥により得た、25.77mgの化合物(273)。
【0344】
実施例B.24
【0345】
【化120】

【0346】
化合物(37)(0.0043mol)および三臭化リン(0.0209mol)の混合物を100℃で5時間攪拌した。攪拌しながら氷水を該反応混合物に添加した。該水性溶液をNaHCOによりpH=10に酸性化した。該水性溶液をDCM(300ml、3回)により抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥しかつ濾過分離した。溶媒を真空中で濃縮して生成物を提供し、2gの化合物(316)を生じた。
【0347】
実施例B.30
【0348】
【化121】

【0349】
0℃のDCM(15mL)中の中間体(201)(2.4g、9.9mmol)および(ベンゾトリアゾル−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(4.4g、9.9mmol)にトリエチルアミン(5.5mL、39mmol)を添加し、そして該反応混合物を20分間攪拌した。中間体25(3.1g、9.9mmol)を添加し、そして該反応混合物をrtにゆっくりと加温しかつ12時間攪拌した。水を添加し、そして該反応混合物をDCMで抽出した。有機層を合わせ、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮しかつフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜100%EtOAc)により精製して、所望の生成物(4.5g、85%)を提供した。
【0350】
実施例B.30に記述されたと類似の手順を使用して、化合物(401)を中間体(202)から出発して製造し、また、化合物(402)を中間体201および中間体(23)から出発して製造した。加えて、当業者は、化合物400に類似の化合物を、いずれかの商業的に入手可能なキノリン若しくはイソキノリンカルボキシレートの実施例A1−A43で上に列挙された適切なアミン中間体とのカップリングにより作成して式(I)の最終生成物を提供し得ることを認識するであろう。
【0351】
【化122】

【0352】
実施例B.31
【0353】
【化123】

【0354】
アセトニトリル(2mL)中の化合物(402)(75mg、0.14mmol)およびトリエチルアミン(0.10mL、0.56mmol)にモルホリン(25mg、0.28mmol)を添加した。反応容器を封止しかつ120℃に14時間加熱した。該反応混合物をrtに冷却し、そしてHPLC(C18、溶離液:10/90から0.1%CFCOOHを含む100/0までのCHCN/水)により精製して、所望の生成物(70mg、71%)を提供した。当業者は、アミン求核剤が付加的な求核官能基を含有するある実施例はBoc基のような保護基の使用を必要とすることができることを理解するであろう。これらの場合には、最終化合物を現すために脱保護段階が必要とされうる。
【0355】
実施例B.32
【0356】
【化124】

【0357】
化合物582、6−クロロ−キノリン−5−カルボン酸[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミドを、6−クロロ−キノリン−5−カルボン酸および2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−エチルアミンをカップリングすることにより、実施例B.30に類似に製造した。
【0358】
実施例B.33
【0359】
【化125】

【0360】
CHCl(5mL)およびDMF(2mL)中の6−クロロ−キノリン−5−カルボン酸[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−メチルスルファニル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミド(400mg、0.8mmol)の溶液に、CHCl中のメタンスルホン酸の1M溶液(1.6mL、1.6mmol)を添加した。生じる溶液を−20℃に冷却し、そして3−クロロペルオキシ安息香酸(HO中最大77%)(192mg、1.1mmol)を単一部分で添加した。1時間後に該溶液を3時間にわたりrtに加温させた。該反応混合物を水性飽和重炭酸ナトリウム(10mL)の間で分割した(portioned)。水層をCHCl(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しかつ濃縮した。残渣をシリカゲルCHCl−MeOHにより直接精製して白色固形物(150mg、36%)を提供した。MS(ESI):C2222ClFSの質量計算値、493.1;m/z実測値、494.1[M+H]H NMR(CDOD)δ9.08(s、2H)、9.01(dd、J=4.6、1.6、1H)、8.42−8.31(m、1H)、8.12(dd、J=9.1、0.7、1H)、7.88(d、J=9.1、1H)、7.77(dd、J=8.6、4.6、1H)、4.35(t、J=7.0、1H)、4.22(dd、J=13.8、6.4、1H)、4.11(dd、J=13.6、8.0、1H)、2.99(s、J=1.4、3H)、2.94−2.78(m、4H)、2.09(ddd、J=20.9、13.2、6.7、4H)。
【0361】
実施例B.34
【0362】
【化126】

【0363】
6−クロロ−キノリン−5−カルボン酸[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−メタンスルフィニル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミド(20mg、0.04mmol)およびCHCN(1mL)の溶液に、封止管中でトリエチルアミン(0.01mL、0.08mmol)次いでモルホリン(7mg、0.08mmol)を添加した。反応容器を90℃に加熱した。12時間後に、生じる溶液を冷却し、そして調製的逆相HPLCにより精製して白色固形物(17mg、66%)を提供した。MS(ESI):C2527ClFの質量計算値、516.1;m/z実測値、517.2[M+H]H NMR(CDOD)δ8.97(dd、J=4.5、1.6、1H)、8.57(s、2H)、8.13−8.07(m、2H)、7.83(d、J=9.1、1H)、7.65(dd、J=8.6、4.5、1H)、4.70(dd、J=10.4、5.4、1H)、4.36−4.26(m、2H)、3.89−3.84(m、4H)、3.76−3.72(m、4H)、3.56−3.40(m、4H)、2.44−2.34(m、4H)。
【0364】
実施例B.35
【0365】
【化127】

【0366】
2,6−ジクロロ−キノリン−5−カルボン酸[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミド(100mg、0.2mmol)およびジオキサン中4N HCl(3mL)の溶液に水(7μL)を添加した。生じる混合物を90℃に加熱した。12時間後、生じる混合物を濃縮しかつ調製的逆相HPLCにより精製して、表題化合物を無色固形物(56mg、58%)として提供した。MS(ESI);C2219ClFの質量計算値、515.1;m/z実測値、516.2[M+H]H NMR((CDSO)δ11.96(s、1H)、9.13(s、2H)、8.79(t、J=5.8、1H)、7.55(m、2H)、7.31(d、J=8.9、1H)、6.53(d、J=9.8、1H)、4.25−4.22(m、1H)、3.94−3.82(m、2H)、2.75−2.54(m、4H)、2.06−1.93(m、4H)。
【0367】
実施例B.36
【0368】
【化128】

【0369】
2,6−ジクロロ−キノリン−5−カルボン酸[2−(4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル)−2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミド(100mg、0.2mmol)およびMeOH中7Nアンモニアの溶液を100℃に加熱した。60時間後、生じる混合物を冷却し、濃縮し、そして調製的逆相HPLCにより直接精製して、表題化合物を無色固形物(13mg、13%)として提供した。MS(ESI):C2220ClFOの質量計算値、514.1;m/z実測値、516.2[M+H]H NMR(CDCl)δ8.90(s、2H)、7.95(d、J=9.3、1H)、7.89(d、J=9.2、1H)、7.68(d、J=9.0、1H)、6.82(d、J=9.5、1H)、6.55−6.47(m、1H)、4.08(d、J=3.7、3H)、2.70(d、J=23.7、4H)、2.07(d、J=2.3、4H)。
【0370】
実施例B.37
【0371】
【化129】

【0372】
水素化ナトリウム(0.88mmol)およびTHF(0.8mL)の混合物に3−(ヒドロキシメチル)アゼチジン−1−カルボン酸t−ブチル(0.8mmol)を添加し、そして該反応混合物を15分間攪拌させ、次いで化合物402(0.8mmol)を添加した。該混合物を封止し、そして加熱ブロック中120℃に12時間加熱した。出発原料の完全な消費に際して、反応混合物を塩水(100mL)に注ぎ、そしてDCM(75mL)で3回抽出した。合わせた有機物をNaSOで乾燥し、濾過しかつ真空中で蒸発させた。生じる残渣をギ酸(1mL)に溶解し、そしてジオキサン中4M HCl(1mL)で処理した。この混合物を完全なBoc除去が観察されるまで3時間攪拌させた。該反応混合物をその後真空中で濃縮し、そしてHPLC(溶離液:CHCN/HO 10/95ないし0.1%CFCOOHを含むCHCN/HO 95/5)により精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を凍結乾燥により除去して、0.009gの化合物をトリフルオロ酢酸塩として生じた。後の実施例で、数種のアルコールはBoc保護を必要とするアミン官能基を有することができない。これらの場合には、酸性Boc脱保護段階を削除する。
【0373】
実施例B.38
【0374】
【化130】

【0375】
6−フルオロ−キノリン−5−カルボン酸[2−モルホリン−4−イル−2−(2−トリフルオロメチル−ピリミジン−5−イル)−エチル]−アミド。
磁気攪拌子を含有する5mLマイクロ波バイアル中のTHF(0.9mL)中の中間体(28)(0.17g、0.62mmol)の溶液に、5−ブロモ−6−フルオロ−キノリン(0.10g、0.44mmol)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデス−7−エン(0.05g、0.30mmol)、trans−ジ−u−アセトビス[2−(ジ−o−トリル−ホスフィン)−ベンジル]二パラジウム(II)(0.005g、0.005mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.004g、0.02mmol)およびモリブデンヘキサカルボニル(0.12mg、0.44mmol)を順次添加した。バイアルを封止しそしてマイクロ波反応器中で150℃に加熱した。生じる混合物をDCMで希釈しかつ水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、セライトを通して濾過し、そして真空中で蒸発させかつ高速液体クロマトグラフィー(溶離液:CHCN/HO 10/95ないし0.1%CFCOOHを含むCHCN/HO 95/5)により精製した。生成物画分を収集しかつ溶媒を凍結乾燥により除去して(0.05mg、25%)、表題化合物をトリフルオロ酢酸塩として生じた。
【0376】
表F−1、F−2、F−3およびF−4は、上の実施例の1つに従って製造した化合物を列挙する。
【0377】
【表F−1−1】

【0378】
【表F−1−2】

【0379】
【表F−1−3】

【0380】
【表F−1−4】

【0381】
【表F−1−5】

【0382】
【表F−1−6】

【0383】
【表F−1−7】

【0384】
【表F−1−8】

【0385】
【表F−1−9】

【0386】
【表F−1−10】

【0387】
【表F−1−11】

【0388】
【表F−1−12】

【0389】
【表F−1−13】

【0390】
【表F−1−14】

【0391】
【表F−1−15】

【0392】
【表F−1−16】

【0393】
【表F−2−1】

【0394】
【表F−2−2】

【0395】
【表F−2−3】

【0396】
【表F−2−4】

【0397】
【表F−2−5】

【0398】
【表F−2−6】

【0399】
【表F−2−7】

【0400】
【表F−2−8】

【0401】
【表F−2−9】

【0402】
【表F−2−10】

【0403】
【表F−2−11】

【0404】
【表F−2−12】

【0405】
【表F−2−13】

【0406】
【表F−2−14】

【0407】
【表F−2−15】

【0408】
【表F−2−16】

【0409】
【表F−3−1】

【0410】
【表F−3−2】

【0411】
【表F−3−3】

【0412】
【表F−3−4】

【0413】
【表F−3−5】

【0414】
【表F−3−6】

【0415】
【表F−3−7】

【0416】
【表F−3−8】

【0417】
【表F−3−9】

【0418】
【表F−3−10】

【0419】
【表F−3−11】

【0420】
【表F−3−12】

【0421】
【表F−3−13】

【0422】
【表F−3−14】

【0423】
【表F−3−15】

【0424】
【表F−3−16】

【0425】
【表F−3−17】

【0426】
【表F−3−18】

【0427】
【表F−3−19】

【0428】
【表F−3−20】

【0429】
【表F−4−1】

【0430】
【表F−4−2】

【0431】
【表F−4−3】

【0432】
【表F−4−4】

【0433】
【表F−4−5】

【0434】
【表F−4−6】

【0435】
【表F−4−7】

【0436】
【表F−4−8】

【0437】
【表F−4−9】

【0438】
【表F−4−10】

【0439】
C.分析の部
C.1 融点
(a)多数の化合物について、融点(m.p.)をDSC823e(Mettler−Toledo)を用いて測定した。融点は30℃/分の温度勾配を用いて測定した。報告される値はピーク値である。
(b)多数の化合物について、融点(m.p.)をShanghai Precision and Scientific Instrument Co.Ltdから購入したWRS−2A融点装置を用いて測定した。融点は0.2〜5.0℃/分の直線的加熱速度を用いて測定した。報告される値は融解範囲である。最高温度は300℃であった。
(c)多数の化合物について、直線的温度勾配を伴う加熱プレート、スライド式ポインター、および℃の温度目盛りよりなるKoflerホットベンチを用いて融点を得た。
【0440】
値は、この分析方法に一般に伴う実験的不確実性を伴い得られた。
【0441】
【表F−5】

【0442】
C.2 LCMS
LCMS一般的手順A
HPLC測定は、脱気装置付き四連ポンプ(quarternary pump)、オートサンプラー、カラムオーブン(別の方法で示されない限り40℃に設定される)、ダイオードアレイ検出器(DAD)および下のそれぞれの方法に明記されるところのカラムを含んでなるAlliance HT 2790(Waters)装置を使用して実施した。カラムからの流れをMS分析計に分割した。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源を伴い構成された。質量スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用し1秒に100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリー針電圧は3kVであり、そしてイオン化源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。データ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0443】
LCMS一般的手順B
LC測定は、二連ポンプ(binary pump)、サンプルオーガナイザー、カラムヒーター(55℃に設定される)、ダイオードアレイ検出器(DAD)および下のそれぞれの方法に明記されるところのカラムを含んでなるAcquity UPLC(Waters)装置を使用して実施した。カラムからの流れをMS分析計に分割した。MS検出器はエレクトロスプレーイオン化源を伴い構成された。質量スペクトルは、0.02秒の滞留時間を使用して0.18秒で100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリー針電圧は3.5kVであり、そしてイオン化源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。データ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0444】
LCMS一般的手順C
HPLC測定は、ポンプ、ダイオードアレイ検出器(DAD)(使用された波長220nm)、カラムヒーターおよび下のそれぞれの方法に明記されるところのカラムを含んでなるAgilent 1100モジュールを使用して実施した。カラムからの流れをAgilent MSDシリーズG1946CおよびG1956Aに分割した。MS検出器はAPI−ES(大気圧エレクトロスプレーイオン化)を伴い構成された。質量スペクトルは100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリー針電圧は陽イオン化モードについて2500Vおよび陰イオン化モードについて3000Vであった。フラグメンテーション電圧は50Vであった。乾燥ガス温度は10l/分の流速で350℃で維持した。
【0445】
LCMS−手順1
一般的手順Aに加え:逆相HPLCは、1.6ml/分の流速を用いXterra MS C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)で実施した。3種の移動相(移動相A:95%25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、100%Aから6.5分で1%A、49%Bおよび50%Cへ、1分で1%Aおよび99%Bまでの勾配条件を運転し、ならびに1分間これらの条件を保持し、そして1.5分間100%Aで再平衡化した。10μlの注入容量を使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10Vおよび陰イオン化モードについて20Vであった。
【0446】
LCMS−手順2
一般的手順Aに加え:逆相HPLCは、1.6ml/分の流速を用いAtlantis
C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)(3.5μm、4.6×100mm)で実施した。2種の移動相(移動相A:70%メタノール+30%HO;移動相B:HO/メタノール 95/5中0.1%ギ酸)を使用して、100%Bから12分で5%B+95%Aまでの勾配条件を運転した。10μlの注入容量を使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10Vおよび陰イオン化モードについて20Vであった。
【0447】
LCMS−手順3
一般的手順Aに加え:カラムヒーターを60℃に設定した。逆相HPLCを、1.6ml/分の流速を用いXterra MS C18カラム(3.5μm、4.6×100m
m)で実施した。3種の移動相(移動相A:95%25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、100%Aから6.5分で50%Bおよび50%Cへ、0.5分で100%Bまでの勾配条件を運転し、ならびにこれらの条件を1分間保持し、そして1.5分間100%Aで再平衡化した。10μlの注入容量を使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10Vおよび陰イオン化モードについて20Vであった。
【0448】
LCMS−手順4
一般的手順Cに加え:逆相HPLCを、0.8ml/分の流速を用いYMC−Pack
ODS−AQ、50×2.0mm 5μmカラムで実施した。2種の移動相(移動相A:0.1%TFAを含む水;移動相B:0.05%TFAを含むアセトニトリル)を使用した。最初に、90%Aおよび10%Bを0.8分間保持した。その後、勾配を3.7分で20%Aおよび80%Bまで適用しかつ3分間保持した。2μlの典型的注入容量を使用した。オーブン温度は50℃であった(MS極性:正)
【0449】
LCMS−手順5
一般的手順Bに加え:逆相UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)を、0.8ml/分の流速を用い架橋エチルシロキサン/シリカハイブリッド(BEH)C18カラム(1.7μm、2.1×50mm;Waters Acquity)で実施した。2種の移動相(移動相A:HO/メタノール 95/5中0.1%ギ酸;移動相B:メタノール)を使用して、95%Aおよび5%Bから1.3分で5%Aおよび95%Bまで勾配条件を運転しかつ0.2分間保持した。0.5μlの注入容量を使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10Vおよび陰イオン化モードについて20Vであった。
【0450】
LCMS−手順6
一般的手順Cに加え:逆相HPLCを、0.8ml/分の流速を用いYMC−Pack
ODS−AQ、50×2.0mm 5μmカラムで実施した。2種の移動相(移動相A:0.1%TFAを含む水;移動相B:0.05%TFAを含むアセトニトリル)を使用した。最初に100%Aを1分間保持した。その後、勾配を4.5分で70%Aおよび30%Bまで適用しかつ2分間保持した。2μlの典型的注入容量を使用した。オーブン温度は50℃であった。(MS極性:正)。
【0451】
LCMS−手順7
一般的手順Cに加え:逆相HPLCを、0.8ml/分の流速を用いYMC−Pack
ODS−AQ、50×2.0mm 5μmカラムで実施した。2種の移動相(移動相A:0.1%TFAを含む水;移動相B:0.05%TFAを含むアセトニトリル)を使用した。最初に100%Aを1分間保持した。その後、勾配を4分で40%Aおよび60%Bまで適用しかつ2.5分間保持した。2μlの典型的注入容量を使用した。オーブン温度は50℃であった。(MS極性:正)。
【0452】
LCMS−手順8
一般的手順Aに加え:逆相HPLCを、0.8ml/分の流速を用いUltimate
XB−C18、50×2.1mm 5μmカラムで実施した。2種の移動相(移動相C:10mmol/L NHHCO;移動相D:アセトニトリル)を使用した。最初に100%Cを1分間保持した。その後、勾配を4分で40%Cおよび60%Dまで適用しかつ2.5分間保持した。2μlの典型的注入容量を使用した。オーブン温度は50℃であった。(MS極性:正)。
【0453】
【表F−6−1】

【0454】
【表F−6−2】

【0455】
【表F−6−3】

【0456】
【表F−6−4】

【0457】
【表F−7】

【0458】
C.3 旋光度
旋光度はPerkin Elmer 341旋光計を使用して測定した。[α]20は20℃の温度でナトリウムD線(589nm)の波長の光で測定される旋光度を示す*。光路長は10cmである。実際の値の後ろに、旋光度を測定するのに使用した溶液の濃度および溶媒を挙げる。
*化合物(10)の旋光度は23℃で測定した(温度制御装置なしで測定した)。
【0459】
【表F−8】

【0460】
C.4 SFC−MS
数種の化合物について、SFC−MS(超臨界流体クロマトグラフィー−質量分析)を、二酸化炭素(CO)および修飾物質の送達のための二連ポンプ制御モジュール(FCM−1200)、1〜150℃の範囲の温度制御を伴うカラム加熱のための温度制御モジュール(TCM2100)、および6個の異なるカラムのためのカラム選択バルブ(Valco、VICI、米国テキサス州ヒューストン)を含んでなる、Berger Instruments(米国デラウェア州ニューアーク)からの分析用SFC装置を用いて測定した。フォトダイオードアレイ検出器(Agilent 1100、独国ヴァルトブロン)は、高圧フローセル(400barまで)を装備され、また、CTC LC Mini PALオートサンプラー(Leap Technologies、米国ノースカロライナ州カーボロ)を伴い構成されている。直交Z−エレクトロスプレーインターフェースをもつZQ質量分析計(Waters、米国マサチューセッツ州ミルフォード)をSFC装置と接続する。装置制御、データ収集および処理は、SFC ProNToソフトウェアおよびMasslynxソフトウェアよりなる統合プラットフォームで実施した。
【0461】
化合物番号(10)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出された。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用して、1.6%/分の速度で10%Bから40%Bまで勾配を運転した。その後、勾配を2分で40%Bから50%Bまで適用しかつ3.6分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0462】
化合物番号(67)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出さ
れた。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用した。最初に30%B(および70%A)を18.5分間保持した。その後、勾配を2分で30%Bから50%Bまで適用しかつ4.1分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0463】
化合物番号(67)についてと同一のSFC−MS条件を、化合物番号(68)、(69)、(70)のSFC−MS測定に使用した。
【0464】
化合物番号(83)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出された。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用した。最初に40%B(および60%A)を19.5分間保持した。その後、勾配を2分で40%Bから50%Bまで適用しかつ4.1分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0465】
化合物番号(83)についてと同一のSFC−MS条件を化合物番号(84)のSFC−MS測定に使用した。
【0466】
化合物番号(110)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出された。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用した。最初に35%B(および65%A)を19.0分間保持した。その後、勾配を1.5分で35%Bから50%Bまで適用しかつ4.1分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0467】
化合物番号(110)についてと同一のSFC−MS条件を化合物番号(111)のSFC−MS測定に使用した。
【0468】
化合物番号(114)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出された。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するエタノール)を使用した。最初に25%B(および75%A)を18.0分間保持した。その後、勾配を2.5分で25%Bから50%Bまで適用しかつ4.1分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0469】
化合物番号(114)についてと同一のSFC−MS条件を化合物番号(124)のSFC−MS測定に使用した。
【0470】
化合物番号(115)について、100.0%の鏡像異性体過剰が、3ml/分の流速を用いChiralpak AD−Hカラム(500×4.6mm)(Daicel Chemical Industries Ltd)でSFC−MSを実施した場合に検出された。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有するメタノール)を使用した。最初に40%B(および60%A)を19.5分間保持した。その後、勾配を1分で40%Bから50%Bまで適用しかつ4.1分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。この測定をラセミ混合物に対し比較した。
【0471】
化合物番号(138)について、4種の異なるカラム(Chiralcel OJ−H
、Chiralpak AD−H、Chiralccel OD−H、Chiralpak AS−H;500×4.6mm;Daicel Chemical Industries Ltd)および3種の異なる溶媒(MeOH、EtOH、2−プロパノール;該溶媒は0.2%2−プロピルアミンを含有している)でスクリーニング(比較するためのラセミ混合物が利用可能でない)を実施した場合に、100%の鏡像異性体過剰が見出された。SFC−MSは、上で挙げられたカラムの1種を用いて3ml/分の流速で実施した。2種の移動相(移動相A:CO;移動相B:0.2%2−プロピルアミンを含有する上で挙げられた溶媒の1種)を使用して、18.75分で10%Bから40%Bまでの条件を運転した。その後、勾配を2分で40%Bから50%Bまで適用しかつ3.6分間保持した。カラム温度は50℃に設定した。
【0472】
C.5 NMR
多数の化合物について、H NMRスペクトルを、溶媒としてクロロホルム−d若しくはDMSO−dを使用して、それぞれ360MHz、400MHzおよび500MHzで作動する標準的パルスシーケンスを伴うBruker DPX−360、Bruker DPX−400若しくはBruker Avance 500分光計で記録した。化学シフト(δ)は、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で報告する。
【0473】
【表−1】

【0474】
【表−2】

【0475】
【表−3】

【0476】
【表−4】

【0477】
【表−5】

【0478】
【表−6】

【0479】
【表−7】

【0480】
【表−8】

【0481】
【表−9】

【0482】
【表−10】

【0483】
【表−11】

【0484】
【表−12】

【0485】
【表−13】

【0486】
【表−14】

【0487】
【表−15】

【0488】
【表−16】

【0489】
【表−17】

【0490】
【表−18】

【0491】
【表−19】

【0492】
【表−20】

【0493】
【表−21】

【0494】
【表−22】

【0495】
【表−23】

【0496】
【表−24】

【0497】
【表−25】

【0498】
D.薬理学的実施例
D.1 P2X7拮抗作用
細胞膜中で発現されるP2X7へのATPの細胞外結合は、リガンド依存性陽イオンチャンネルを開放しかつ細胞へのCa2+進入を可能にする。このリガンド誘発性Ca2+流入を、本発明の化合物について、hP2X7を過剰発現する1321N1星状細胞腫細胞で測定した。
【0499】
使用したカルシウムアッセイキット(Molecular Devices、R8090)は、消光色素と一緒にCa2+感受性色素を提供する。しかしながら製造元により詳述は示されない。該キットは、最もありそうには、fluo−4若しくはfluo−3のような蛍光Ca2+指示薬の膜透過性アセトキシメチル(AM)エステルよりなる。細胞取り込みに際して、該AMエステルはエステラーゼにより切断されたようになりCa2+感受性色素を遊離し、これがその後カルシウムを結合し得る。該色素は、アルゴンレーザー源による488nmでの励起と適合性の吸収スペクトル、および付随するスペクトルシフトを伴わないCa2+結合に応答しての大きな蛍光強度増大を有する。発光波長は510〜560nmの範囲にある。
【0500】
蛍光、および従って1321N1細胞中の細胞内[Ca2+]の変化をアゴニストの添加前および後の時間でモニターした。アンタゴニストの影響を対照%およびIC50として測定した。pIC50値(=−log(IC50)値)を表F−9に列挙する。
【0501】
【表F−9−1】

【0502】
【表F−9−2】

【0503】
【表F−9−3】

【0504】
D.2 THP−1 YoPro取り込みアッセイ
ヒト単球細胞株THP−1を、10%ウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシン(50単位/mL)、2mM L−グルタミンおよび20μM 2−メルカプトエタノールを補充したRPMI培地中で懸濁培養物として増殖させた。細胞は1mLあたり50万より下の密度で維持した。アッセイの日に細胞をアッセイ緩衝液で2回洗浄し、そしてその後2μM Yo−Pro−1(Invitrogen)を含有するアッセイ緩衝液に1mLあたり2百万で再懸濁した。アッセイ緩衝液は、280ショ糖、5KCl、10ブドウ糖、10HEPES、5N−メチル−D−グルカミンを(mMで)含有した。細胞をポリ−D−リシン被覆した黒色壁96ウェルプレート(Biocoat、Becton−Dickinson)中にウェルあたり200kで添加した。試験化合物をDMSOに溶解し、そしてその後96ウェルプレートの各ウェルに試験濃度で添加した。阻害の濃度依存性を、96ウェルプレートの二列の細胞の各ウェルを試験化合物の連続希釈に曝露することにより決定した。一連の濃度は通常10μMで開始し、濃度を1/3に減少させた。細胞により捕らえられる最終DMSO濃度は0.5%未満であった。細胞を試験化合物と37℃で30分間インキュベートした。バックグラウンド示度を、490nmの励起および530nmの測定を用いGemini SpectraMaxを使用して測定した。その後、2μMのYo−Pro−1および200μMのBzATPを含有する50μL/ウェルの色素/刺激緩衝液を添加した(細胞により捕らえられる最終濃度は2μMのYo−Pro−1および50μMのBzATPであった)。37℃で60分間のインキュベーション後に、終点示度をSpectraMaxプレートリーダーで測定した。応答の阻害の量を、各ウェル中の蛍光強度を各プレートの対照ウェルの平均と比較することにより決定した。対照ウェルは、P2X7の既知のアンタゴニスト(陽性対照)若しくは試験ウェル中のものに等しいDMSOの濃度いずれかを含有した。データは非線形回帰プログラム(Origin、OriginLab、マサチューセッツ州)を使用して解析した。結果はIC50の−log(pIC50)として報告する。
【0505】
【表F−10−1】

【0506】
【表F−10−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中
nは整数1、2若しくは3であり;
mは整数1、2若しくは3であり;
pは整数1若しくは2であり;
は水素、ハロ、C1−4アルキル若しくはC1−4アルキルオキシであり;
XはO、S、SO、CR若しくはNRを表し;
ここでRおよびRはもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはアリールから選択され;
ここでRは水素、フェニル、−CO−R若しくは−CO−O−Rであり、ここでRはC1−6アルキル若しくはアミノであり;
はピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環は、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキルC1−4アルキルオキシ若しくはNRから選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでRおよびRは、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C3−6シクロアルキルから選択され、ならびに
ここでRおよびRは、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ若しくはC1−4アルキルカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
はキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環は、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、NR1011およびOR12から選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでR10およびR11は、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、N−(1,5−ジオキサ−9−アザ−スピロ[5.5]ウンデス−9−イル)、N−(1,7−ジアザ−スピロ[4.4]ノン−7−イル)、N−(2,6−ジアザ−スピロ[4.5]デス−2−イル)、および、ヒドロキシ、ハロ、アリール、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、ヒドロキシカルボニル、C1−4アルキルスルホニルアミノ、C3−6シクロアルキルスルホニルアミノ、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、ピリジニル、モルホリニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシで置換されているC1−4アルキルで置換されているアミノから選択される1若しくは2置換基で置換されているC1−6アルキルから選択され;ならびに
ここでR10およびR11は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、アゼチ
ジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル、モルホリニル、N−(2,6−ジアザ−スピロ[3.3]ヘプト−2−イル)、6−アセチル−2,6−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル、2−(テトラヒドロ−フロ[3,4−c]ピロル−5−イル)、2−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル)、1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル、2−(2,6−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)、1−(1−アミノ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イル)、N−(3−アセチルアミノ−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル)、N−[1,4]−ジアゼパニル、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロル−2−イル)、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロル−1−イル)、2−(ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロル−5−イル)、2−(オクタヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピリジン−6−イル)、若しくは2−(3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプト−3−イル)、1−アミノ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イル環を形成することができ;それらは、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、ヒドロキシで置換されているC1−6アルキル;トリフルオロメチル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−6アルキル)アミノ、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、トリフルオロメチル、N−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロン−5−イル、C1−4アルキルカルボニルアミノ、2,4−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロン−4−イル、(C1−4アルキルカルボニル)(C1−4アルキル)アミノ、トリフルオロメチルカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニル、メチルスルホニルアミノ、アミノカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができ;
ここでR12は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、またはアミノで置換されているC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、テトラヒドロフラニル、N−(1−メチルピロリジニル)、N−(5−オキソ−ピロリジン−2−イル)若しくはピリジニルであり;
アリールは、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルであり;
アリールは、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルである]
の化合物であって、そのいかなる立体化学異性体も包含する化合物
またはその製薬学的に許容できる酸付加塩若しくはその溶媒和物。
【請求項2】
nが整数1、2若しくは3であり;
mが整数1、2若しくは3であり;
pが整数1若しくは2であり;
が水素、ハロ、C1−4アルキル若しくはC1−4アルキルオキシであり;
XがO、S、SO、CR若しくはNRを表し;
ここでRおよびRがもう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはアリールから選択され;
ここでRが水素、フェニル、−CO−R若しくは−CO−O−Rであり、ここでRがC1−6アルキル若しくはアミノであり;
がピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環が、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、フェニル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、C3−6シクロアルキルC1−4アルキルオキシ若しくはNRから選択される1若しくは2置換基で置換されており;
ここでRおよびRが、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロ
アルキルから選択され、ならびに
ここでRおよびRが、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ若しくはC1−4アルキルカルボニルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
がキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環が、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキルおよびNR1011から選択される1若しくは2置換基で置換されており;ここでR10およびR11が、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、ヒドロキシ、ハロ、フェニル、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル若しくはモルホリニルで置換されているC1−6アルキルから選択され;ならびに
ここでR10およびR11が、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、若しくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル若しくはモルホリニル環を形成することができ;
アリールが、フェニル、またはハロ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ若しくはヒドロキシから選択される1置換基で置換されているフェニルである、
請求項1に記載の化合物、
またはその製薬学的に許容できる酸付加塩若しくはその溶媒和物。
【請求項3】
がピリジニル若しくはピリミジニルから選択される複素環であり、前記複素環が、水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル若しくはフェニルから選択される1置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環が、もう一方からそれぞれ独立に水素、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシから選択される1若しくは2置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環がNR1011で置換されており、R10およびR11が、もう一方から独立に水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、または、ヒドロキシ、ハロ、フェニル、C1−4アルキルオキシ、C3−6シクロアルキル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル若しくはモルホリニルで置換されているC1−6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がキノリニル若しくはイソキノリニルから選択される複素環であり、前記複素環がNR1011で置換されており、R10およびR11が、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、もう一方からそれぞれ独立にハロ、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシC1−4アルキル、C3−6シクロ
アルキル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノ、若しくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルから選択される1若しくは2置換基で場合によっては置換されていることができるアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、N−[1,4]−オキサゼパニル若しくはモルホリニル環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が水素であり、nが整数2であり、mが整数3であり、およびXがOを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
nが整数2であり、mが整数2であり、およびXがCRを表し、RおよびRがそれぞれフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
nが整数1であり、mが整数3であり、およびXがCRを表し、RおよびRがそれぞれフルオロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
が2−トリフルオロ−メチルピリジン−5−イルであるか、若しくはRが2−トリフルオロメチルピリミジン−5−イルである、請求項8若しくは請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
製薬学的に許容できる担体、および治療上有効な量の請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物を含んでなる製薬学的組成物。
【請求項12】
治療上有効な量の請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物が製薬学的に許容できる担体と緊密に混合される、請求項11に記載の製薬学的組成物の製造方法。
【請求項13】
医薬品としての使用のための請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
P2X7受容体媒介性の状態若しくは疾患から選択される状態若しくは疾患の処置での使用のための請求項1ないし10のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
a)式(II)の中間体を、最低1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては最低1種の適するカップリング試薬および/若しくは適する塩基の存在下に式(III)の中間体と反応させるか;
【化2】

b)式(II)の中間体を、反応不活性溶媒中および場合によっては適する塩基の存在下に、Wが適切な脱離基である式(IV)の中間体と反応させるか;
【化3】

または
c)式(I)の化合物を技術既知の変換反応に従って相互に転化するか;若しくは、所望の場合は;式(I)の化合物を製薬学的に許容できる酸付加塩に転化するか;若しくは、逆に、式(I)の化合物の酸付加塩をアルカリで遊離塩基の形態に転化し;ならびに、所望の場合はその立体化学異性体を製造する、
式(I)の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2011−518226(P2011−518226A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506394(P2011−506394)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2009/041249
【国際公開番号】WO2009/132000
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】