説明

キャパシタ及びその製造方法

【課題】少ない工程数で生産性良く、アルミ酸化膜を誘電膜とする容量の大きいキャパシタを製造する。
【解決手段】キャパシタ1の製造方法は、Alを含む第1電極30を形成する工程と、第1電極30を覆う層間絶縁膜40を形成する工程と、層間絶縁膜40において第1電極30上の少なくとも一部に開口部41を形成して、第1電極30の表面の少なくとも一部を露出させる工程と、開口部41内の第1電極30の露出部30Aをアノードとして陽極酸化を実施して、酸化膜31を形成する工程と、開口部41内にプラグ60を形成する工程と、プラグ60上に第2電極71を形成する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャパシタ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
MIMキャパシタは、第1電極(Metal)/誘電膜(Insulator)/第2電極(Metal)の積層構造を有する。
例えば、高周波(RF)デバイスにおいては、高周波短絡回路を形成するために、容量の大きいMIMキャパシタが必要とされている。
【0003】
キャパシタの単位面積当りの容量値Cは、下記式で表される。
C=ε×ε/d
(式中、εは真空の誘電率であり、εは誘電膜固有の比誘電率であり、dは誘電膜の膜厚である。)
キャパシタの単位面積当たりの容量値を上げるには、比誘電率εの大きい材料を選択するか、あるいは膜厚dを薄くすることが必要である。
【0004】
従来のキャパシタでは、シリコン酸化膜等のCVD膜がキャパシタ誘電膜として広く使用されている。従来のキャパシタ誘電膜では、気相法を採用しているために緻密な膜形成が難しく、耐圧確保等の観点から、通常500Å以上の膜厚が必要とされている。
【0005】
特許文献1には、陽極酸化法を用いるキャパシタの製造方法が開示されている(特許文献1の請求項1、図1、段落0012−0021等)。
【0006】
特許文献1に記載の方法では、はじめに下地(1)の上に、絶縁層(2)としてSiOをスパッタ法あるいは蒸着法などで全面に堆積する。
次に、キャパシタ下部電極及び下部配線(3)としてAlをスパッタ法あるいは蒸着法などで全面に堆積する。
次に、キャパシタ誘電体及び陰極の形成部分(符号4で示される部分)が開口した第1のレジストパターンを形成する。
次に、キャパシタ誘電体を形成する部分を陽極として陽極酸化を行い、Al層(4)を形成する。
第1のレジストパターンを除去した後、キャパシタ下部電極及び下部配線(3)のパターニング用の第2のレジストパターンを形成する。
【0007】
次に、第2のレジストパターンをマスクとして、イオンミリングあるいはウェットエッチングなどの方法でエッチングし、キャパシタ下部電極及び下部配線(3)をパターニングする。
第2のレジストパターンを除去した後、キャパシタ上部電極及び電極コンタクト層(5)のパターニング用の第3のレジストパターンを形成する。
次に、基板表面をクリーニング後、基板全面にAl/Ti/Pt/Auを蒸着し、リフトオフ法によりキャパシタ上部電極及び電極コンタクト層(5)を形成する。
次に、第4のレジストパターンを形成し、同様にリフトオフ法によりAu上部配線(6)を形成する。
特許文献1には、以上の工程により、耐圧劣化がなく、特性の均一性、再現性の良いキャパシタが得られることが記載されている。
【0008】
シリコン酸化膜の比誘電率が4.3程度であるのに対し、アルミ酸化膜の比誘電率は8.5程度であり、およそ2倍の比誘電率である。
また、液相中での陽極酸化処理による方法では、成膜条件の最適化がしやすく、リーク電流の少ない緻密な膜を形成できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7-176694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の方法では、少なくとも計4回のレジストパターンの形成工程を要する。特許文献1には記載がないものの、上層配線形成工程のために層間絶縁膜の形成工程及び層間絶縁膜内のビア形成工程も必須である。したがって、特許文献1に記載の方法では工程数が多く、生産性が良くない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のキャパシタの製造方法は、
Alを含む第1電極を形成する工程と、
前記第1電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜において前記第1電極上の少なくとも一部に開口部を形成して、前記第1電極の表面の少なくとも一部を露出させる工程と、
前記開口部内の前記第1電極の露出部をアノードとして陽極酸化を実施して、酸化膜を形成する工程と、
前記開口部内にプラグを形成する工程と、
前記プラグ上に第2電極を形成する工程とを有するものである。
【0012】
本発明のキャパシタは、
Alを含む第1電極と、
前記第1電極を覆って形成され、前記第1電極上の少なくとも一部に前記第1電極の表面の少なくとも一部が露出するよう形成された開口部を有する層間絶縁膜と、
前記開口部内の前記第1電極の露出部の表面に形成された陽極酸化膜と、
前記開口部内に形成されたプラグと、
前記プラグ上に形成された第2電極とを有するものである。
【0013】
本発明のキャパシタの製造方法においては、層間絶縁膜をマスクとして、第1電極の露出部を選択的かつ自己整合的に陽極酸化して、アルミ酸化膜(陽極酸化膜)を誘電膜とするキャパシタを製造している。
この方法では、キャパシタの製造において必要なレジストパターンの形成工程数が、「背景技術」の項で挙げた特許文献1よりも少なくて済み、少ない工程数でアルミ酸化膜を誘電膜とする容量の大きいキャパシタを製造することが可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、少ない工程数で生産性良く、アルミ酸化膜を誘電膜とする容量の大きいキャパシタを製造することが可能なキャパシタの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図1B】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図1C】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図1D】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図1E】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図1F】本発明に係る第1実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2A】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2B】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2C】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2D】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2E】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【図2F】本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「第1実施形態」
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態のキャパシタ及びその製造方法について説明する。図1A〜図1Fは本実施形態のキャパシタの製造方法の各工程図であり、各図は要部断面図である。これらの図は模式図である。
【0017】
まず図1Aに示すように、ウェーハ等の基板10の全面にシリコン酸化膜等の第1層間絶縁膜20を形成し、この第1層間絶縁膜20内に基板10下部と上層との接続のためのコンタクト21を形成する。続いて、キャパシタの下部電極(第1電極)となるAlを含む第1電極配線30を所定のパターンで形成する。その後、基板10の全面にシリコン酸化膜等の第2層間絶縁膜40を形成する。第2層間絶縁膜40は第1電極配線30を覆うように形成される。
【0018】
第1電極配線30の材料としては、Al又はその合金(これらは不可避不純物を含んでいてもよい。)が好ましい。
第1層間絶縁膜20及び第2層間絶縁膜40は特に制限されず、例えばプラズマ酸化膜とSiOF膜との積層構造が好ましい。各層間絶縁膜の成膜後にはCMP技術による平坦化処理を行うことが好ましい。
【0019】
次に図1Bに示すように、第1のレジストパターンを形成し(図示略)、これをマスクとして第2層間絶縁膜40の第1電極配線30上の少なくとも一部にキャパシタ形成用の開口部41を形成し、第1電極配線30の少なくとも一部を露出させる。第1電極配線30の露出部に符号30Aを付してある。
【0020】
次に図1Cに示すように、キャパシタ形成用の開口部41内の第1電極配線30の露出部30Aをアノードとして陽極酸化処理を実施して、キャパシタ形成用の開口部41の底部に選択的かつ自己整合的にアルミ酸化膜(陽極酸化膜)31を形成し、キャパシタの誘電膜として使用する。
【0021】
陽極酸化条件は特に制限されない。
電解液としては例えば、硼酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、あるいはアジピン酸アンモニウム等の水溶液を使用できる。電流密度は例えば10−4A/cm程度が好ましい。アルミ酸化膜31の膜厚は、陽極酸化の反応時間(電界液への電流印加時間)により制御できる。
【0022】
キャパシタの単位面積当りの容量値Cは、下記式で表される。
C=ε×ε/d
(式中、εは真空の誘電率であり、εは誘電膜固有の比誘電率であり、dは誘電膜の膜厚である。)
キャパシタの単位面積当たりの容量値を上げるには、比誘電率εの大きい材料を選択するか、あるいは膜厚dを薄くすることが必要である。
【0023】
「背景技術」の項で述べたように、従来のキャパシタでは、シリコン酸化膜等のCVD膜がキャパシタ誘電膜として広く使用されている。従来のキャパシタ誘電膜では、気相法を採用しているために緻密な膜形成が難しく、耐圧確保の観点から、通常500Å以上の膜厚が必要とされている。
【0024】
シリコン酸化膜の比誘電率が4.3程度であるのに対し、アルミ酸化膜31の比誘電率は8.5程度であり、およそ2倍の比誘電率である。
また、本実施形態の方法では、液相中での陽極酸化処理を採用しているため、成膜条件の最適化がしやすく、リーク電流の少ない緻密な膜を形成できる。
さらに、図示するように、アルミ酸化膜31は元の第1電極配線30の表面より上方と下方に成長する。そのため、アルミ酸化膜31は元の第1電極配線30の表面よりも盛り上がって成長し、開口部41の底面41Bだけでなく、開口部41の底部の側面41Sにも及んで形成される。そのため、陽極酸化前に開口部41の底面41Bに露出していた第1電極配線30は、アルミ酸化膜31に良好に覆われ、リーク電流の少ない緻密な膜を形成できる。
以上の理由から、陽極酸化によりアルミ酸化膜31からなるキャパシタ誘電膜を形成することで、リーク電流の少ない緻密なキャパシタ誘電膜を形成できる。その結果、キャパシタ誘電膜の膜厚dを従来の500Åよりも薄くすることが可能となる。
キャパシタ誘電膜の膜厚dは特に制限なく、例えば250〜500Åが好ましい。
【0025】
例えば、膜厚500Åのシリコン酸化膜からなるキャパシタ誘電膜の単位面積当りの容量Cは0.76fF/μmである。これに対して、膜厚250Åのアルミ酸化膜からなるキャパシタ誘電膜の単位面積当りの容量Cは3.01fF/μmであり、約4倍の容量値が得られる。
【0026】
次に図1Dに示すように、第1電極配線30と後工程で形成する第2電極配線70との接続のために、第2層間絶縁膜40の開口部41の両側にそれぞれビア42を形成する。
続いて図1Eに示すように、開口部41内、及びビア42内を含め、基板10の全面にバリアメタル膜50を形成する。さらに、開口部41内及びビア42内にタングステン等の金属を埋設してプラグ60を形成する。その後、エッチバックもしくはCMP法による表面の平坦化処理を行う。
【0027】
最後に図1Fに示すように、Alを含む第2電極配線70を成膜し、第2のレジストパターンを形成し、これをマスクとして第2電極配線70のパターン分離を行う。この際、第2電極配線70によって、開口部41内のプラグ60上にキャパシタ上部電極(第2電極)71を形成し、ビア42内のプラグ60上に下部電極(第1電極)からの引出し電極72、73を形成する。
第2電極配線70としては特に制限なく、Al又はその合金(不可避不純物を含んでいてもよい。)が好ましい。
以上のようにして、キャパシタ1が製造される。
【0028】
キャパシタ1は、Alを含む第1電極(下部電極)30と、第1電極30を覆って形成され、第1電極30上の少なくとも一部に第1電極30の表面の少なくとも一部が露出するよう形成された開口部41を有する第2層間絶縁膜40と、開口部41内の第1電極30の露出部30Aの表面に形成されたアルミ酸化膜(陽極酸化膜)31と、開口部41内に形成されたプラグ60と、プラグ60上に形成された第2電極(上部電極)71とを有する。
【0029】
本実施形態の方法では、第2層間絶縁膜40をマスクとして、第1電極配線30の露出部30Aを選択的かつ自己整合的に陽極酸化して、アルミ酸化膜31を誘電膜とする容量の大きいキャパシタ1を製造している。
この方法では、キャパシタ1の製造において必要なレジストパターンの形成工程が、「背景技術」の項で挙げた特許文献1よりも少なくて済み、少ない工程数でアルミ酸化膜31を誘電膜とする容量の大きいキャパシタ1を製造することができる。
【0030】
「第2実施形態」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態のキャパシタの製造方法について説明する。図2A〜図2Fは本実施形態のキャパシタの製造方法の各工程図であり、各図は要部断面図である。これらの図は模式図である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
【0031】
まず図2Aに示すように、ウェーハ等の基板10の全面にシリコン酸化膜等の第1層間絶縁膜20を形成し、この第1層間絶縁膜20内に基板10下部と上層との接続のためのコンタクト21を形成する。続いて、キャパシタの下部電極(第1電極)となるAlを含む第1電極配線30を所定のパターンで形成する。その後、基板10の全面にシリコン酸化膜等の第2層間絶縁膜40を形成する。
第1電極配線30としては、Al又はその合金(不可避不純物を含んでいてもよい。)が好ましい。
【0032】
本実施形態では、第1電極配線30により、第1のキャパシタ用の第1電極配線(下部電極、第1電極)30Xと第2のキャパシタ用の第1電極配線(下部電極、第1電極)30Yとが形成される。これに対応して、コンタクト21として、第1のキャパシタ用のコンタクト21Xと第2のキャパシタ用のコンタクト21Yとが形成される。
第2層間絶縁膜40はこれらの第1電極配線30X、30Yを覆うように形成される。
第1層間絶縁膜20及び第2層間絶縁膜40の形成方法は、第1実施形態と同様である。
【0033】
次に同図に示すように、第1のレジストパターンを形成し(図示略)、これをマスクとして第2層間絶縁膜40の第1電極配線30X上の少なくとも一部に第1のキャパシタ形成用の開口部41Xを形成し、第1電極配線30Xの少なくとも一部を露出させる。第1電極配線30Xの露出部に符号30Aを付してある。
【0034】
次に図2Bに示すように、第1のキャパシタ形成用の開口部41Xの第1電極配線30Xの露出部30Aをアノードとして1回目の陽極酸化処理を実施して、第1のキャパシタ形成用の開口部41Xの底部に選択的かつ自己整合的に、キャパシタ誘電膜として使用されるアルミ酸化膜31Xを形成する。
好適な陽極酸化条件は第1実施形態と同様である。
【0035】
次に図2Cに示すように、第2のレジストパターンを形成し(図示略)、第2のレジストパターンを形成し、これをマスクとして第2層間絶縁膜40の第1電極配線30Y上の少なくとも一部に第2のキャパシタ形成用の開口部41Yを形成し、第1電極配線30Yの少なくとも一部を露出させる。第1電極配線30Yの露出部に符号30Bを付してある。
【0036】
次に図2Dに示すように、2回目の陽極酸化処理を実施する。
この処理によって、第1のキャパシタ形成用の開口部41X内のアルミ酸化膜31Xは1回目の陽極酸化処理よりも膜厚が増し、第2のキャパシタ形成用の開口部41Yの底部にキャパシタ誘電膜として使用されるアルミ酸化膜31Yが形成される。
第1のキャパシタ用のアルミ酸化膜31Xは2回の陽極酸化、第2のキャパシタ用のアルミ酸化膜31Yは1回の陽極酸化により形成されたものであるので、第1のキャパシタ用のアルミ酸化膜31Xの膜厚は第2のキャパシタ用のアルミ酸化膜31Yよりも大きくなる。
【0037】
次に図2Eに示すように、第1電極配線30X、30Yと後工程で形成する第2電極配線70X、70Yとの接続のために、第2層間絶縁膜40の41X、41Yの両側にそれぞれにビア42X、42Yを形成する。
続いて図2Fに示すように、開口部41X、41Y内、及びビア42X、42Y内を含め、基板10の全面にバリアメタル膜50を形成する。さらに、キャパシタ形成用の開口部41X、41Y及びビア42X、42Y内にタングステン等の金属を埋設してプラグ60X、60Yを形成する。その後、エッチバックもしくはCMP法による表面の平坦化処理を行う。
【0038】
最後に同図に示すように、Alを含む第2電極配線70を成膜し、第2のレジストパターンを形成し、これをマスクとしてパターン分離を行う。
この際、第2電極配線70によって、開口部41X内のプラグ60X上に第1のキャパシタ用のキャパシタ上部電極(第2電極)71Xを形成し、ビア42X内のプラグ60X上に下部電極(第1電極)30Xからの引出し電極72X、73Xを形成する。
同様に、第2電極配線70によって、開口部41Y内のプラグ60Y上に第2のキャパシタ用のキャパシタ上部電極(第2電極)71Yを形成し、ビア42Y内のプラグ60Y上に下部電極(第1電極)30Yからの引出し電極72Y、73Yを形成する。
第2電極配線70としては特に制限なく、Al又はその合金(不可避不純物を含んでいてもよい。)が好ましい。
以上のようにして、第1のキャパシタ1Xと第2のキャパシタ1Yが製造される。
【0039】
キャパシタ1Xは、Alを含む第1電極(下部電極)30Xと、第1電極30Xを覆って形成され、第1電極30X上の少なくとも一部に第1電極30Xの表面の少なくとも一部が露出するよう形成された開口部41Xを有する第2層間絶縁膜40と、開口部41X内の第1電極30Xの露出部30Aの表面に形成された酸化アルミ膜(陽極酸化膜)31Xと、開口部41内に形成されたプラグ60Xと、プラグ60X上に形成された第2電極(上部電極)71Xとを有する。
【0040】
同様に、キャパシタ1Yは、Alを含む第1電極(下部電極)30Yと、第1電極30Yを覆って形成され、第1電極30Y上の少なくとも一部に第1電極30Yの表面の少なくとも一部が露出するよう形成された開口部41Yを有する第2層間絶縁膜40と、開口部41Y内の第1電極30Yの露出部30Bの表面に形成された酸化アルミ膜(陽極酸化膜)31Yと、開口部41内に形成されたプラグ60Yと、プラグ60Y上に形成された第2電極(上部電極)71Yとを有する。
【0041】
本実施形態の方法においても、第2層間絶縁膜40をマスクとして、第1電極配線30X、30Yの露出部30A、30Bを選択的かつ自己整合的に陽極酸化して、アルミ酸化膜31X、31Yを誘電膜とする容量の大きいキャパシタ1X、1Yを製造している。
本実施形態の方法においても、キャパシタ1X、1Yの製造において必要なレジストパターンの形成工程が、「背景技術」の項で挙げた特許文献1よりも少なくて済み、少ない工程数でアルミ酸化膜31X、31Yを誘電膜とする容量の大きいキャパシタ1X、1Yを製造することができる。
【0042】
本実施形態の方法では、陽極酸化処理を2回実施し、1回目は第1のキャパシタ用のアルミ酸化膜31Xのみを形成し、2回目は第1のキャパシタ用と第2のキャパシタ用の双方のアルミ酸化膜31X、31Yを形成することで、最少のレジストパターンの形成工程の追加で、同一基板10上にアルミ酸化膜31X、31Yの膜厚の異なる2種類のキャパシタ1X、1Yを製造している。
本実施形態の方法では、相対的に誘電膜厚が厚く、静電耐量の高い第1のキャパシタ1Xと、相対的に誘電膜厚が薄く、単位面積当りの容量値が相対的に大きい第2のキャパシタ1Yを同時に製造することができ、回路構成等に応じたキャパシタの使い分けが可能となる。
【0043】
「設計変更」
本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、アナログ・高周波IC分野等に使用されるキャパシタに好ましく適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1、1X、1Y キャパシタ
10 基板
20 第1層間絶縁膜
21、21X、21Y コンタクト
30、30X、30Y 第1電極配線(下部電極、第1電極)
30A、30B 露出部
31、31X、31Y アルミ酸化膜(陽極酸化膜)
40 第2層間絶縁膜
41、41X、41Y 開口部
41B 開口部の底面
41S 開口部の底部の側面
42、42X、42Y ビア
50 バリアメタル膜
60、60X、60Y プラグ
70、70X、70Y 第2電極配線
71、71X、71Y 上部電極(第2電極)
72、72X、72Y、73、73X、73Y 引出し電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Alを含む第1電極を形成する工程と、
前記第1電極を覆う層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜において前記第1電極上の少なくとも一部に開口部を形成して、前記第1電極の表面の少なくとも一部を露出させる工程と、
前記開口部内の前記第1電極の露出部をアノードとして陽極酸化を実施して、酸化膜を形成する工程と、
前記開口部内にプラグを形成する工程と、
前記プラグ上に第2電極を形成する工程とを有するキャパシタの製造方法。
【請求項2】
Alを含む第1電極と、
前記第1電極を覆って形成され、前記第1電極上の少なくとも一部に前記第1電極の表面の少なくとも一部が露出するよう形成された開口部を有する層間絶縁膜と、
前記開口部内の前記第1電極の露出部の表面に形成された陽極酸化膜と、
前記開口部内に形成されたプラグと、
前記プラグ上に形成された第2電極とを有するキャパシタ。
【請求項3】
前記陽極酸化膜は、前記層間絶縁膜の前記開口部の底面及び前記開口部の底部の側壁に跨って形成された請求項2に記載のキャパシタ。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図1D】
image rotate

【図1E】
image rotate

【図1F】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図2D】
image rotate

【図2E】
image rotate

【図2F】
image rotate


【公開番号】特開2013−38197(P2013−38197A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172574(P2011−172574)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】