説明

キャビティ・リングダウン分光を用いるテーパー化光ファイバ歪みゲージ

材料の中の歪みの測定のための装置。この装置は、受動的な光ファイバのリングと、予め決められて形状をもち、前記のリングと一列に配置され、基板に組み合わされる、少なくとも1つのセンサと、(i)放射源により放出された放射の一部を前記の受動的な光ファイバのリングの中に導入し、そして、(ii)受動的な光ファイバのリングにおいて共鳴する放射の一部を受け取る、結合手段と、結合手段により受け取られた放射のレベルを検出し、それに対応した信号を生成する検出器と、検出器に結合され、受動的な光ファイバのリングにおける放射の減衰の割合に基づいて、基板に誘起された歪みのレベルを決定するプロセッサとからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、キャビティ・リングダウン検出システムに関し、より詳細には、キャビティ・リングダウン分光を用いる光ファイバ歪みゲージに関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、材料における歪みの、キャビティ・リングダウン分光を用いた測定に関連するけれども、以下の吸収分光における背景は、本発明の理解に役立つ。
【0003】
同じ記号が同じものを示す図面を参照して説明すると、図1は、対数尺度で示された電磁波スペクトルを示す。分光学はスペクトルを研究する。スペクトルの他の部分を研究する科学とは対照的に、光学は、特に、可視光と近可視光、すなわち、約1mmから約1nmまでの波長に広がるスペクトルの中の非常に小さい部分を含む。近可視光は、赤より長波長の色(赤外光)と紫より短波長の光(紫外光)を含む。通常の材料で作られた大部分のレンズと鏡により光が取り扱える可視性の範囲は、いずれの側にも十分遠くにまで存在している。材料の光学的性質の波長依存性は、しばしば考慮されねばならない。
【0004】
吸収型の分光学は、高感度、マイクロ秒のオーダーでの応答時間、中毒からの免疫、および、研究対象の分子種の他の分子種からの限定された干渉を提供する。種々の分子種は、吸収分光学により検出すなわち同定できる。こうして、吸収分光学は、重要な微小量の種を検出する一般的な方法を提供する。気相では、種は1組の鋭い吸収線に集めれる吸収強度を持つので、この方法の感度と選択性は最適化される。スペクトルにおける狭い線は、多くの干渉する種と区別するために使用できる。
【0005】
多くの工業プロセスにおいて、流れている気体や液体における微少量の種の濃度が、高度の速度と精度で測定され解析されねばならない。汚染物の濃度が最終生産物の質に対してしばしば重大であるので、そのような測定と解析が必要になる。N、O、H、Ar、Heなどの気体は、たとえば集積回路を製造するために使用され、これらの気体における不純物の存在は、ppmのレベルでさえ、破壊的であり、動作する回路の歩留まりを減少する。したがって、水を分光により監視するときの比較的高い感度は、半導体産業において使用される高純度気体の製造者にとって重要である。種々の不純物は、他の工業的用途において検出されねばならない。さらに、液体における不純物の存在は、固有のものであれ、意図的なものであり、最近特に関心を持たれている。
【0006】
分光学は、高純度気体における気体の汚染についてppmレベルで検出できる。ppbレベルの検出感度は、いくつかの場合に達成できる。したがって、(伝統的な光路長セルでの吸収測定、光音響分光、周波数変調分光、キャビティ内レーザ吸収分光を含む)いくつかの分光法は、気体における定量的汚染監視などの用途に適用されている。これらの方法は、Lehmanの米国特許第5,528,040号に説明されているような、いくつかの特徴を持っていて、工業的用途には使用が困難であり実用的でない。したがって、それらの方法は、多くは、実験室での調査に限定されていた。
【0007】
これと対照的に、キャビティ・リングダウン分光(CRDS)は、科学、工業プロセス制御および雰囲気の微量の気体の検出において、重要な分光技法になっている。CRDSは、光吸収測定のための、通常の技法が不十分な感度を持つ低吸光度の範囲で優れた技法であることを立証している。CRDSは、吸収に感じる観測体としての洗練された光共鳴器における光子の平均寿命を利用する。
【0008】
典型的には、この共鳴器は、1個の安定な光共鳴器を形成するように構成された1対の名目的に同等の、狭帯域の超高反射率の誘電体ミラーから構成される。レーザパルスは、ミラーを透過して共鳴器の中に入射され、光子の往復移動時間、種の吸収断面積と種の密度、および、共鳴器の固有の損失(主として回折損失が無視できるとき周波数に依存するミラーの反射率から生じる)を表す因子に依存する平均寿命をもつ。光吸収の決定は、通常のパワー比測定から、減衰時間の測定に変換される。CRDSの最終的な感度は、固有の共鳴器の損失の大きさにより決定され、これは、非常に低損失の光学部品の製造を可能にする超研磨などの技法を用いて最小化できる。
【0009】
現在、CRDSは、高反射率の誘電体ミラーが使用可能な分光領域に限られている。これは、十分に高い反射率の誘電体ミラーが使用可能でないので、紫外領域と赤外領域の多くにおいてこの方法の有用性を大きく制限している。適当な誘電体ミラーが使用できる領域でさえ、ミラーの組み合わせの各々は、波長の小さな範囲、典型的には数%のわずかの領域、での動作を可能にするのみである。さらに、多くの誘電体ミラーの組立は、特に化学的に腐食性の雰囲気にさらされるときに、時間とともに劣化する可能性のある材料の使用を必要とする。これらの現在の制限は多くの可能性のある用途におけるCRDSの使用を制限または禁止するので、共鳴器の構成に関して、現在の技術を改良する必要性が明らかにある。
【0010】
A. Pipino et al.の論文("Evanescent wave cavity ring-down spectroscopy with a total-internal reflection minicavity", Rev. Sci. Instrum. 68(8))は、共鳴器の構成の改良への1つのアプローチを提供する。このアプローチは、安定性をもたらすための少なくとも1つの凸の小面を備えた正多辺形形状(たとえば4角、8角)のモノリシックの全内部反射(TIR)のリング共鳴器を用いる。光のパルスは、外部に位置され共鳴器の近傍にある第1プリズムにより全反射され、エバネッセント波を生成する。エバネッセント波は共鳴器に入り、光子トンネル効果により共鳴器の安定モードを励起する。光が、臨界角より大きい角度で低屈折率の伝播媒体の表面に当たるとき、光は完全に反射される(J. D. Jackson, "Classical Electrodynamics", Chapter 7, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY (1962)参照)。しかし、反射点を越えて電界が存在し、伝播せず、界面からの距離とともに指数関数的に減衰する。このエバネッセント電界は、純粋な誘電体物質内ではパワーを運ばず、反射された波の減衰は、エバネッセント波の領域において吸収する種の存在の観察を可能にする(F. M. Mirabella(ed.), "Internal Reflection Spectroscopy", Chapter 2, Marcel Dekker, Inc., New York, NY (1993)参照)。
【0011】
共鳴器の全反射面に位置される物体の吸収スペクトルは、モノリシック共鳴器の中での光子の平均寿命から得られる。これは、第2のプリズム(また、外部に位置されるが共鳴器の近傍にある全反射プリズム)と外部で結合することにより共鳴器で受け取られる信号の時間依存性から抽出される。こうして、光の放射は、光子トンネル効果により共鳴器に入り、存在する。これは、入力結合と出力結合の正確な制御を可能にする。CRDSの小型共鳴器の具現が生じ、TIRリング共鳴器はCRDSの概念を凝縮物体の分光に広げる。TIRの広帯域性は、従来の気相CRDSにおける誘電体ミラーにより課されていた狭帯域の制限を回避する。A. Pipinoらの論文は、TIR分光のみに適用でき、本質的に、短い全体の吸収光路長、したがって、強力な吸収力に制限される。これと対照的に、本発明は、長い全体の吸収光路長を提供し、したがって、弱い吸収力の検出を可能にする。
【0012】
ミラーを用いたCRDSシステムへの種々の新規なアプローチはLehmanへの米国特許第5,973,864号、第6,097,555号、第6,172,823B1号および第6,172,824B1号に記載されており、参照によりここに組み込まれる。これらのアプローチは、2つの反射素子またはプリズム素子により形成される準共焦共鳴器の使用を教える。
【0013】
図2は、従来のCRDS装置10を示す。図2に示されるように、光は、狭帯域の同調可能な波長可変の連続波半導体レーザ20から生成される。レーザ20は、温度制御器30により温度が調整され、その波長を、検体の所望の分光ラインにおく。分離器40は、レーザ20から出射された放射の前に、それに続いて配置される。分離器40は、1方向の透過光路を提供し、放射がレーザ20から離れて進むのを可能にするが、反対方向に進むことを防止する。シングルモードのファイバ結合器(F.C.)50は、レーザ20から出射された光を光ファイバ48の中に結合する。ファイバ結合器50は、分離器40の前にそれに続いて配置される。ファイバ結合器50は、光ファイバを受け入れて保持し、レーザからの放射を、第1レンズ46の方に向け、第1レンズ46を通す。第1レンズ46は、放射を集め、収束する。レーザ20により放射されるビームパターンは、光ファイバ48の中を通る光のパターンには完全には一致しないので、不適当な一致による損失が避けられない。
【0014】
レーザの放射は、リングダウン・キャビティ(RDC)セル60の中にほぼモードが合わせられる。反射ミラー52は、放射をビーム分割器54の方に向ける。ビーム分割器54は、放射の約90%を第2レンズ56の方に向ける。第2レンズ56は、放射を集め、セル60の中に収束する。残りの放射は、ビーム分割器54をとおり、反射ミラー58により検体参照セル90の中に向ける。
【0015】
検体参照セル90を通らされた放射は、第4レンズ92の方に向けられる。第4レンズ92は、検体参照セル90と第2光検出器94(PD2)の間に位置される。光検出器94は、コンピュータおよび制御エレクトロニクス回路100への入力を提供する。
【0016】
セル60は、2つの高度の反射性のミラー62,64から作られ、それらのミラーは、軸aにそって、準共焦エタロンとして配置される。ミラー62,64は、セル60の入力窓と出力窓を構成する。測定対象の試料の気体は、セル60の光軸aと共軸である狭い管を通って流れる。ミラー62,64は、気密なベローズで封じられている調整可能なフランジまたは取付部の上に置かれて、セル60の光学的アラインメントの調整を可能にする。
【0017】
ミラー62,64は、高度に反射性の誘電体の被覆を有し、セル60により形成されるキャビティの内部で被覆が対向するように配置される。レーザ光の小さな部分は、セル60に入って前ミラー62をとおり、セル60のキャビティ内で前後に進む(リングダウンする)。セル60の後ろミラー64(反射器)を通った光は、第3レンズ68の方に向けられ、次に、第1光検知器70(PD1)で撮像される。光検知器70,94の各々は、入射する光ビームを電流に変換し、したがって、コンピュータおよび制御エレクトロニクス回路100に入力信号を提供する。入力信号は、キャビティのリングダウン減衰の割合を表す。
【0018】
図3は、従来のCRDS共鳴器100の中の光路を示す。図3に示されるように、CRDSのための共鳴器100は、2つのブリュースター角の後方反射プリズム50,52の使用に基づく。偏光角すなわちブリュースター角Θは、プリズム50に対して示される。入射光12と出射光14は、プリズム52への入力またはそれからの出力として示される。共鳴する光ビームは、各プリズム50,52において約45°で損失なしに2回の全反射をする。この角度は、溶融石英や多くの一般的な光プリズム材料の臨界角より大きい。光は、光軸54にそってプリズム50,52の間を進む。
【0019】
発明者らは、CRDSにより与えられる効果は、材料に誘起された歪みの測定に適用可能であることを発見した。通常の歪み測定装置は、材料に誘起された歪みのレベルを決定するために抵抗変化または信号損失を用いている。しかし、このアプローチが持つ欠点は、システムに固有の不感性のため、検査対象の材料における微小な変化の測定が不十分になることである。
【0020】
【特許文献1】米国特許第5,973,864号
【特許文献2】米国特許第6,097,555号
【特許文献3】米国特許第6,172,823B1号
【特許文献4】米国特許第6,172,824B1号
【非特許文献1】A. Pipino et al. "Evanescent wave cavity ring-down spectroscopy with a total-internal reflection minicavity", Rev. Sci. Instrum. 68(8)
【非特許文献2】J. D. Jackson, "Classical Electrodynamics", Chapter 7, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY (1962)
【非特許文献3】F. M. Mirabella (ed.), "Internal Reflection Spectroscopy", Chapter 2, Marcel Dekker, Inc., New York, NY (1993)
【非特許文献4】D. Littlejohn et al., "Bent Silica Fiber Evanescent Absorption Sensors for Near Infrared Spectroscopy", Applied Spectroscopy 53 (1999) 845-849
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明の目的は、歪み測定への従来のアプローチの欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、歪み測定への従来のアプローチの欠点を克服するため、キャビティ・リングダウン分光を用いた新規な光ファイバを基にした歪みゲージを提供する。この装置は、受動的な光ファイバのリングと、予め決められて形状をもち、前記のリングと一列に配置し、基板に組み合わされる、少なくとも1つのセンサと、(i)前記の放射源により放出された放射の一部を前記の受動的な光ファイバのリングの中に導入し、そして、(ii)前記の受動的な光ファイバのリングにおいて共鳴する放射の一部を受け取る、結合手段と、前記の結合手段により受け取られた放射のレベルを検出し、それに対応した信号を生成する検出器と、前記の検出器に結合され、前記の受動的な光ファイバのリングにおける放射の減衰の割合に基づいて、基板に誘起された歪みのレベルを決定するプロセッサとからなる。
【0023】
発明の他の観点によれば、前記の予め決められた形状は、前記のセンサの、基板と組み合わされている複数の端部の間に形成される。
【0024】
発明の他の観点によれば、前記の検出器により生成される前記の信号は、歪みが基板に誘起されるときの前記の検出器の予め決められた形状における変化に基づく。
【0025】
発明の他の観点によれば、この装置は、さらに、前記の結合手段と前記の検出器の間の光路に置かれたフィルタを備え、このフィルタは、前記の放射の前記の受け取った部分を前記の受動的な光ファイバのリングから前記の検出器へ通す。
【0026】
発明の他の観点によれば、前記のフィルタは、放射の波長に基づいて検出器に放射を通す。
【0027】
発明の他の観点によれば、前記の結合手段は、(i)前記のコヒーレント光源により放出された前記の放射の前記の部分を前記の光ファイバの第1区域へ導入する第1結合器と、(ii)前記の光ファイバにおいてその第2区域で前記の放射の前記の部分を受け取る第2結合器とを含む。
【0028】
発明の他の観点によれば、前記のセンサは、前記の複数の端部の間に形成されたテーパー部を備え、その周囲に対して露出されている。
【0029】
発明の他の観点によれば、この装置は、さらに、前記のレーザと前記の結合手段との間に結合される分離器を備え、この分離器は、前記のレーザから放出された放射と一列に配置され、レーザ内での雑音を最小にする。
【0030】
発明の他の観点によれば、前記の歪みが前記の基板に誘起されるとき、前記の放射のエネルギー消費は、前記の結合手段により受け取られる前記の放射の減衰の割合を変える。
【0031】
発明の他の観点によれば、この装置は、さらに、前記のレーザが前記の光ファイバにエネルギーを提供したことを、レーザからのエネルギーが前記の光ファイバへ提供された時間を決定する入力検出器が決定した後に、前記の光ファイバから放射を受け取る前記の受取手段に基づいて前記のレーザを不活性化する制御手段を備える。
【0032】
発明の他の観点によれば、物体における歪みを測定する方法では、光ファイバの一部をテーパー化することにより光ファイバからセンサを形成し、前記のセンサの複数の端部の間の一部が予め決められた量の弛緩を有するように前記のセンサを前記の材料に結合し
前記の材料を歪みにさらし、コヒーレント光源から放射を放出し、前記のコヒーレント光源から放出される前記の放射の少なくとも一部を前記の光ファイバのリングの中に組み合わせ、前記の光ファイバのリングの中で伝播する前記の放射の一部を受け取り、前記の光ファイバのリングの中での前記の放射の減衰の割合に基づいて歪みのレベルを決定する。
【0033】
発明の他の観点によれば、前記のファイバ内を進行する前記の放射のエバネッセント電界に前記の材料の周囲を暴露する。
【0034】
発明の他の観点によれば、この方法では、さらに、前記の材料の緩和状態を示す、前記のファイバ内での減衰の基礎ラインの割合を決定し、この減衰の基礎ラインの割合を減衰の第1の割合と比較する。
【0035】
なお、上述の一般的な説明と以下の詳細な説明は例示であり、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、発明の実施の形態を、同じ記号が同じものを示す添付の図面を参照して説明する。
【0037】
図4は、この発明の第1の実施形態による光ファイバに基づいたリングダウン装置400を示す。これを用いて気体や液体の中の微量の種すなわち検体が検出できる。図4において、装置400は、光ファイバケーブル402と、ケーブル402の全長にそって分散された複数のセンサ500(後で詳細に説明する)とを備える共鳴光ファイバリング408を含む。共鳴光ファイバリング408の長さは、種々の測定状況(たとえば物理的プラントの種々の区域の周辺検出)に容易に適用可能である。図示されるようにセンサ500は光ファイバループ408の全長にそって分散されるけれども、本発明は、もし希望されるなら、1つのセンサ500のみを用いて具体化できる。2個以上のセンサ500の分散は、設置場所での種々の地点での微少量の種のサンプル入手を可能にする。また、本発明は、センサ500と、液体または気体のサンプルを取るためにその周囲に対して露出されるファイバ402の直線部分との組み合わせを用いて、または、液体または気体のサンプルを取るために露出されるファイバ402の直線部分のみを用いて、具体化できる。共鳴光ファイバリング408の長さは、短く約1メートルの長さであっても、長く数kmの長さであってもよい。
【0038】
光パラメトリック発生器(OPG)、光パラメトリック増幅器(OPA)、レーザなどのコヒーレント放射源404は、関心のある検体または微小量の種の吸収周波数と矛盾しない波長で放射を放出する。コヒーレント放射源404は、たとえば、関心のある微小量の種に基づいて、狭帯域をもつ波長可変の半導体レーザである。市販されている光パラメトリック増幅器の1例は、米国カリフォルニア州、マウンテンビューのスペクトラ・フィジツクス社から市販されている型番OPA-800cである。
【0039】
本発明は、人間および/または動物に害のある種々の化学物質または生物物質を検出するために使用できることを意図している。また、本発明は、そのような検出が、所望の抗原と特に結合する抗体を用いて受動的な光フィイバリングの表面を被覆することにより促進されることを意図している。
【0040】
第1の実施の形態において、コヒーレント放射源404からの放射は、共鳴光ファイバリング408へ提供される。ここで、任意であるが、この放射は、光分離器406、結合器410およびエバネッセント入力結合器412を通る。コヒーレント放射源404が半導体レーザであるとき、光分離器406を使用すると、レーザの中に戻ってくる反射を防止することにより、雑音を最小にするという利点が生じる。エバネッセント入力結合器412は、コヒーレント放射源404からの放射の固定された割合を共鳴光ファイバリング408の中に提供でき、または、共鳴光ファイバリング408内に存在する損失に基づいて調整可能である。好ましくは、エバネッセント入力結合器412により共鳴光ファイバリング408に提供される放射の量は、光ファイバケーブル402とコネクタ(図示しない)に存在する損失に合わせられる。放射の1%の結合(99%/1%の分離割合の結合)を提供する市販のエバネッセント入力結合器は、米国ニュージャージ州ニュートンのトールラブ社により製造され、その番号は10202A−99である。好ましい実施の形態では、エバネッセント入力結合器412は、コヒーレント放射源404からファイバ402の中に放射の1%より少ない量を結合する。
【0041】
1つの実施の形態では、微量の種すなわち検体を検出するため、光ファイバケーブル402を覆うジャケット402aの一部が取り除かれて、光ファイバケーブル402の内部コア402cを囲むクラッド402bを露出する。または、その代わりに、ジャケット402aとクラッド402bのいずれもが取り除かれて試料の液体または気体に露出されるか、または、光ファイバケーブル402のジャケット化部分が、試料の液体または気体に露出される。後者のアプローチは、たとえば、エバネッセント電界(後で説明する)が(ジャケットに吸着または溶解されている)微量の種との相互作用のためジャケットの中にまで存在する場合に、有用であることがある。しかし、ある種の光ファイバケーブルにおいて使用される内部コアの脆性のため、ジャケットとクラッドの両方を取り除くことは、最も望ましいことではないことがある。典型的な光ファイバの断面は図5Aに示される。
【0042】
全反射(TIR)素子を曲げると、電磁波が反射表面と接するときの入射角度を変える。光ファイバを円筒物体の側で曲げる場合に、その円筒物体に対向する光ファイバのコアの表面での反射角は、直角に近く、エバネッセント電界の侵入深さは増加される。円筒状のコア素子502のまわりに光ファイバ402を数回巻くことにより(図5B参照)、エバネッセント電界の侵入深さは、増加され、ファイバのより長い部分が、より小さな物理的体積の中にある検出されるべき液体にさらされる。D. Littlejohn et al.は、 "Bent Silica Fiber Evanescent Absorption Sensors for Near Infrared Spectroscopy"(Applied Spectroscopy 53 (1999) 845-849)において、曲がる可変の半径による光ファイバ検出における改良の実験的検証を説明している。
【0043】
図5Bは、液体または気体の試料の中の微量の種を検出するために使用される1実施形態によるセンサ500を示す。図5Bに示されるように、センサ500は、心棒などの円筒状のコア素子502(固体、中空または浸透性であってもよい)を含み、光ファイバケーブル402の一部が、予め決められた長さ506にわたって、コア素子502のまわりに巻かれる。この例では、クラッド402bが露出されている。また、光ファイバケーブル402のコア402cを露出して、コア素子502に巻くことによりセンサを製造できる。コア素子502の直径は、ファイバのコア402cが臨界的半径rより小さい半径で形成されるような値を持つ。この臨界的半径では、余分な放射は、ファイバのコア402cに外接させられるとき、ファイバのコア402Cをとおって失われる。または、ファイバの一体性が妥協されて処理される。臨界的半径rは光ファイバケーブル402を通る放射の周波数および/またはファイバの構成に依存する。好ましい実施の形態では、コア素子502の半径は、約1cmから約10cmの間であり、より好ましくは、少なくとも約1cmである。説明されたように、ファイバ402からの放射は入力部504で提供され、出力部508で引き出される。円筒状のコア素子502は、ファイバ402を円筒状のコア素子502に動かないようにする固定手段と同様に、その表面に、ファイバを置くためのらせん状の溝を備えていてもよい。そのような固定手段は、円筒コア素子502に刻まれたネジ、エポキシ、シリコーンゴムなどの接着剤などの多くの形態をとる。この発明では、センサ500はファイバ402と一体化されていてもよく、市販の光ファイバコネクタを用いてファイバ402に結合してもよい。
【0044】
図6Aは、典型的な光ファイバケーブルを放射がどのように伝播するかを示す。図6Aに示されるように、放射606は、内部コア402cとクラッド402bの境界で全反射をする。放射が反射されずクラッド402bの中に吸収されることによる無視できる損失がある。図6Aは、光ファイバケーブルとして示されたが、図6Aと他の実施形態は、クラッド402bが中空のコアを取り囲んでいる、中空導波路などの、中空ファイバにも同等に適用可能である。
【0045】
図6Bは、本発明の1実施形態によるセンサ500の断面図であり、コア素子502のまわりで光ファイバケーブル402を巻く効果を示す。図6Bに示されるように、ジャケット402aのみが光ファイバケーブル402から除去される。放射606はコア402cの中で進み、内部コア402cと、コア素子502に隣接するクラッド402b−1との境界で、無視できる損失609を伴って全反射を示す。他方、微量の種すなわち検体610の存在の下で、エバネッセント電界608は、内部コア402cと、クラッド402b−2の露出部分との界面を通る。これは、微量の種の量に基づいて、放射を本質的に減衰する。これを減衰全内部反射(ATR)という。注意されるべきことは、もし放射の波長と同じ吸収バンドを持つ微量の種が存在しないならば、放射は(固有の損失を除いて)減衰されないことである。
【0046】
図6Cは、本発明の他の実施形態によるセンサ500の断面図であり、ジャケット402aの一部をそのままにして、コア素子502のまわりで光ファイバケーブル402を巻く効果を示す。図6Dに示されるように、ジャケット402aの上部のみが、光ファイバケーブル402から取り除かれる。センサ500の第2の実施形態と同様に、放射606は、コア402cの中で進み、内部コア402cと、コア素子502に隣接するクラッド402b−1との境界で、無視できる損失609を伴って全反射を示す。他方、微量の種すなわち検体610の存在の下で、エバネッセント電界608は、内部コア402cと、クラッド402b−2の露出部分との界面を通る。
【0047】
(センサ500のいずれかの例において)ジャケット402aの除去は、通常の光ファイバ・ストリップ工具などの機械的手段により、または、ファイバケーブルの当該部分を、クラッド402や内部コア402cに影響せずにジャケット402aを攻撃し熔解する溶媒に浸すことにより、達成可能である。ジャケット402aの部分的除去の場合に、溶媒の使用は、ジャケット402aの除去を意図する部分に溶媒を選択的に用いることにより変更できる。
【0048】
液体試料の中の微量の種の検体分子を引き寄せるために、受動的な光ファイバリングのジャケットのない部分は、その光ファイバリングの被覆部分で微量の種の濃度を選択的に増大する材料で被覆されてもよい。そのような被服材料の1例は、ポリエチレンである。さらに、所望の生物検体を高度に特異的に引きつけるために、特定抗原結合剤が、ファイバを被覆するために使用できる。
【0049】
図4を参照して説明すると、センサ500を通った後に残っている放射は、ファイバループ402を通って存続する。その残っている放射の一部は、エバネッセント出力結合器416により光ファイバループ402から結合される。エバネッセント出力結合器416は、検出器418と信号線422をとおってプロセッサ420に結合される。プロセッサ420は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)であり、検出器418のアナログ出力を、処理のためにディジタル信号に変換する変換手段を備えている。また、プロセッサ420は、制御線424によりコヒーレント放射源404を制御する。信号がプロセッサ420により検出器418から受け取られると、プロセッサは、受け取った放射の減衰の割合に基づいて、微量の種の量と種類を決定できる。
【0050】
任意であるが、波長選択器430は、エバネッセント出力結合器416と検出器418の間に置いてもよい。波長選択器430は、予め決められた波長範囲内にない放射が検出器418に入力されるのを防止するためのフィルタとして動作する。
【0051】
検出器414は、入力結合器412の出力に結合される。検出器414の出力は、信号線422を介してプロセッサ420に提供され、微量の種の解析を行うため共鳴光ファイバリング402が十分な放射を受け取った時を決定するのに使用される。
【0052】
液体の中の微量の種すなわち検体の検出の場合に、液体の屈折率が光ファイバケーブルの屈折率より低くなければならない。たとえば、n=1.46の屈折率を持つ光ファイバケーブルがあると、本発明は、水(n=1.33)や、メタノール(n=1.326)、n−ヘキサン(n=1.372)、ジクロロメタン(n=1.4242)、アセトン(n=1.3588)、ジエチルエーテル(n=1.3526)、テトラヒドロフラン(n=1.404)などの多くの有機溶媒に溶解する微量の種を検出するために使用できる。化学物質およびその屈折率の広範なリストは、Wheast, Rober C.編集のCRD Handbook of Chemistry and Physics (52nd edition)(The Chemical Rubber Company, 米国オハイオ州クリーブランド、1971)のE-201頁に見出され、この引用によりここに組み込まれる。異なる屈折率を持つ他の種類の光ファイバも入手可能であり、もし光ファイバが、与えられた液体媒体より高い屈折率をもち、狙いの検体による吸収バンドの領域で光を有効に透過するならば、この発明は、その液体媒体に合わせて調整できる。
【0053】
多くの異なる種類のファイバが現在市販されている。1例は、コーニング社のSMF−28e溶融石英ファイバであり、通信用途で標準的に使用されている。米国テキサス州オースティンの3M社により製造された488nm/514nmのシングルモードファイバ(番号FS−VS−2614)、米国テキサス州オースティンの3M社により製造された630nm可視波長シングルモードファイバ(番号FS−VS−3224)、米国テキサス州オースティンの3M社により製造された820nm標準シングルモードファイバ(番号FS−VS−2614)、日本のKDDファイバラボ社(番号GF-F-160)により製造された、4ミクロン透過の0.28Aフッ化物ガラスファイバなどのように、多数の異なる波長で光を透過する特別なファイバがある。さらに、また、上述のように、光ファイバケーブル402は、中空ファイバであってもよい。
【0054】
ファイバ402は、はるかに高い検体の吸収強度を持つスペクトル領域へのアクセスを可能にするため、中赤外を透過するファイバであってもよい。これにより、装置400の感度を増加する。この領域で放射を透過するファイバは、典型的にはフッ化物のガラスで製造される。
【0055】
図7は、気体または液体の中の微量の種すなわち検体が検出できる、この発明の第2の実施形態を示す。図7において、第1の実施の形態に関して説明されたのと同様な機能を行う要素は、同じ参照数字を持つ。図7において、装置700は、光ファイバケーブル402と複数のセンサ500を含む同様な共鳴光ファイバリング408を使用する。コヒーレント放射源404からの放射は、共鳴光ファイバリング408に、任意に設けられる光分離器406,結合器410およびエバネッセント入力/出力結合器434を介して、提供される。エバネッセント入力/出力結合器434は、コヒーレント放射源404から共鳴光ファイバリング408の中に、固定した割合の放射を提供できるか、または、共鳴光ファイバリング404を通して存在する損失に基づいて調節可能である。この実施の形態では、エバネッセント入力/出力結合器434は、本質的に、第1の実施の形態に関連して説明したエバネッセント入力/出力結合器412の再構成である。好ましい実施の形態では、エバネッセント入力/出力結合器434は、レーザ404からの1%より少ない放射をファイバ402の中に結合する。
【0056】
したがって、微量の種の検出は、第1の実施の形態において説明したのと同様であり、ここでは説明を繰り返さない。
【0057】
センサ500を通過した後に残る放射は、ファイバループ402を通って存続する。その残っている放射の一部は、エバネッセント入力/出力結合器434により光ファイバループ402から出て結合される。エバネッセント入力/出力結合器434は、検出器418と信号線422を通してプロセッサ420に結合される。第1の実施の形態におけるように、プロセッサ420は、また、制御線424を通してコヒーレント放射源404を制御する。信号がプロセッサ420により検出器418から受け取られると、プロセッサ420は、受け取った放射の減衰の割合に基づいて微量の種の量と種類とを決定できる。
【0058】
任意であるが、波長選択器430は、エバネッセント入力/出力結合器434と検出器418の間に配置できる。波長選択器430は、予め決められた波長範囲内にない放射が検出器418に入力されるのを防止するためのフィルタとして動作する。また、波長選択器430は、コヒーレント放射源404からの放射がファイバ402の中に結合された後に、その放射が検出器418をある期間のあいだ「目隠しする」のを防止するために、プロセッサ420により制御される。
【0059】
図8A〜8Dは、液体または気体の試料の中の微量の種を検出するために使用される他の例のセンサ800を示す。図8Aと8Dに示されるように、センサ800は、ファイバ801により形成され、このファイバ801では、内部コア804とクラッド805をテーパー加工して、テーパー化内部コア808とテーパー化クラッド809を有するテーパー化領域802を生成している。テーパー領域802の形成は、2つの方法のいずれかを使用して達成できる。第1の方法は、ファイバ801の局所的区域の加熱と、センサ800を形成したい領域の一方の側での同時の断熱的引っ張り加工からなる。この処理は、ファイバ800に一定のテーパーを生じる。このテーパー化ファイバは、たとえば、第1の実施の形態による分光センサとして使用できる。第2の方法では、化学薬品を使用して、ファイバクラッド805の予め決められた厚さを制御可能に除去してテーパー化クラッド809を形成することにより、テーパー化領域802が形成される。第2の方法を用いて形成されたセンサの詳細な説明は、図10A〜図10Cを用いて後で説明される。
【0060】
図8Bは、テーパーの前の領域と後の領域でのセンサ800の断面を示す。図8Bに示されるように、内部コア804とクラッド805は、変形されない状態である。なお、説明を簡単にするため、図面と説明は、光ファイバケーブル801のジャケット処理にはふれていない。しかし、そのようなジャケット処理は、光ファイバケーブル801の少なくとも一部に適当な位置にあると仮定されている。
【0061】
図8Cは、テーパー化領域802におけるセンサ800の断面を示す。図8Cに示されるように、テーパー化内部コア808とテーパー化クラッド809は、それぞれ、内部コア804とクラッド805に比べて、かなり減少した直径を持つ。テーパー化領域802は、用途により所望の長さであればよい。この実施の形態では、図8Dに示されるように、たとえば、テーパー化領域802の長さは、約4mmであり、くびれた部分の直径814は12ミクロンである。
【0062】
図8Aを参照して説明すると、内部コア804の領域の中のエバネッセント電界806は、テーパー化領域802の中のエバネッセント電界810に比べれば、狭く、また、閉じこめられている。示されているように、増大されたエバネッセント電界810は、上述の実施の形態に関して説明されたように、微量の種(図示しない)にさらされ、こうして、領域812での微量の種をよりよく検出できる。
【0063】
図9A〜9Cは、液体または気体の試料の中の微量の種を測定するために使用される他の実施形態のセンサ900を示す。図9Aに示されるように、センサ900は、クラッド905の一部を除去して実質的に「D」字状の断面の領域902を生じることにより、ファイバ901から形成される。「D」字状断面領域902の形成は、たとえば研磨剤を用いて、光ファイバのクラッドの1つの側を研磨することにより、達成できる。研磨剤を用いて、クラッド905を除去して、領域902にそって深さを連続的に増加して、案内されるモードの質を維持して、最終的に、最小のクラッドの厚さ909の点で最大の深さに達する。最低のクラッド厚さのエリアは、最大のエバネッセント電界への暴露の領域を表す。
【0064】
図10A〜10Cは、液体または気体の試料の中の微量の種を測定するために使用される他の実施形態のセンサ1000を示す。センサ1000は、テーパー化センサの実施の形態に関して上述の第2の方法を用いて形成される。図10Aに示されるように、センサ1000は、ファイバ1001から、当業者に知られている化学薬品を用いてクラッド1005の一部を除くことにより、テーパー化クラッド1009を備えるテーパー化領域1002を生じることにより、形成される。重要なことは、化学薬品が、内部コアのどの部分も乱したり除いたりすることを許さないことである。そのようなことが起こると、センサ1000における大きな損失を生じることがある。
【0065】
図10Bは、テーパーの前の領域と後の領域でのセンサ1000の断面を示す。図10Bに示されるように、内部コア1004とクラッド1005は、変更されない状態である。なお、説明を簡単にするため、図面と説明は、ここでも、光ファイバケーブル1001のジャケット処理にはふれていない。しかし、そのようなジャケット処理は、光ファイバケーブル1001の少なくとも一部に適当な位置にあると仮定されている。
【0066】
図10Cは、テーパー領域1002でのセンサ1000の断面を示す。図10Cに示されるように、内部コア1004は、影響を受けていないが、テーパー化クラッド1009は、クラッド1005に比べて、大きく減少した直径をもつ。テーパー化領域1002は、用途に基づいて任意の希望の長さであればよい。この実施の形態では、たとえば、テーパー化領域の長さは約4mmであり、くびれ部の直径1014は約12ミクロンである。
【0067】
図10Aを再び参照して説明すると、内部コア1004の領域の中のエバネッセント電界1006は、テーパー化領域1002の中の増大されたエバネッセント電界1010に比べて、狭くまた制限されている。図に示されるように、増大されたエバネッセント電界1010は、上述の実施の形態に関して説明されたように、微量の種(図示しない)にさらされ、こうして、領域1012での微量の種をよりよく検出できる。
【0068】
上述のセンサ800、900、1000に関して、センサを形成することにより光ファイバの中で生じた損失は、ファイバの変更の前に所望の検出限界のための適当なテーパー直径または研磨深さを決定することにより、エバネッセント電界への暴露の量と釣り合いを取ることができる。さらに、望ましくは、テーパー化の作業や研磨の作業によるもろさの増大を補償するために、センサ800、900および/または1000のための保護取付を行う。
【0069】
センサ800、900および/または1000は、心棒(図5B)などの円筒状コア素子502(中実、中空または浸透可能)の上で、制限されないファイバとして、または、ループまたは曲がった構成(図示しない)において、使用できる。
【0070】
さらに、センサ800、900、1000は、狙いの検体を引き寄せる生物物質などの、濃縮物質を用いてセンス領域を被覆することにより、さらに感度を増大できる。そのような生物物質は、当業者には知られている。また、複数の検出領域800、900および/または1000は、光ファイバケーブルの長さにそって形成されて、分散されたリングダウン・センサを作る。
【0071】
図11は、歪み測定の用途における本発明の第2の実施形態による光ファイバに基づくリングダウン装置1100を示す。この装置は、材料に誘起された歪みを検出できる。第1の実施の形態と共通な部品は、同じ参照番号を持つ。
【0072】
図11に示されるように、装置1100は、光ファイバケーブル402と、光ファイバケーブルにそって分散された1以上のセンサ1102(後で説明する)をもつ共鳴光ファイバリング408を含む。共鳴光ファイバリング408の長さは、種々の測定状況(たとえば物理的プラントの種々の区域の周辺検出)に容易に適用可能である。図示されるようにセンサ1102は光ファイバループ408の全長にそって分散されるけれども、本発明は、もし希望されるなら、1つのセンサ1102のみを用いて具体化できる。2個以上のセンサ1102の分散は、監視される構造での種々の点での材料歪みのサンプル入手を可能にする。センサ1102は、一体化された部分であってもよく、ファイバ402に結合されてもよい。共鳴光ファイバリングの長さは、短く約1メートルの長さであっても、長く数kmの長さであってもよい。
【0073】
光の波長は、光モードの変換に、したがって感度に、影響する。しかし、この影響は、テーパーの設計によりバランスできる。最高感度のため、好ましくは、波長は、ファイバの設計波長に一致するように選択される。ある波長はモード変換したがって歪みに対してより高感度であるけれども、ファイバの設計波長から遠く離れた波長は、大きな透過損失と使用できないリングダウン信号を生じるので、所望の感度を劣化すると予想される。
1つの実施の形態では、波長は1550nm(通信ファイバにおける最小損失の波長)であり、それについて、最も低価格で耐久性のある通信構成要素が最適化される。しかし、本発明は1250nmと1650nmの間の範囲における波長で使用できるけれども、1300nm(通信ファイバでのゼロ分散波長)などの他の波長も適当である。
【0074】
コヒーレント放射源404は、光パラメトリック発生器(OPG)、光パラメトリック増幅器(OPA)、また、たとえば光ファイバの設計波長に一致するように選択された波長を持つレーザなどである。市販されている光パラメトリック増幅器の1例は、米国カリフォルニア州、マウンテンビューのスペクトラ・フィジツクス社から市販されている型番OPA-800cである。
【0075】
第1の実施の形態では、コヒーレント放射源404からの放射は、共鳴光ファイバリング408へ提供される。ここで、任意であるが、この放射は、光分離器406、結合器410およびエバネッセント入力結合器412を通る。コヒーレント放射源404が半導体レーザであるとき、光分離器406を使用すると、レーザの中に戻ってくる反射を防止することにより、雑音を最小にするという利点が生じる。エバネッセント入力結合器412は、コヒーレント放射源404からの放射の固定された割合を共鳴光ファイバリング408の中に提供でき、または、共鳴光ファイバリング408をとおして存在する損失に基づいて調整可能である。好ましくは、エバネッセント入力結合器412により共鳴光ファイバリング408に提供される放射の量は、光ファイバケーブル402とコネクタ(図示しない)に存在する損失に合わせられる。放射の1%の結合(99%/1%の分離割合の結合)を提供する市販のエバネッセント入力結合器は、米国ニュージャージ州ニュートンのトールラブ社により製造され、その番号は10202A−99である。好ましい実施の形態では、エバネッセント入力結合器412は、コヒーレント放射源404からファイバ402の中に放射の1%より少ない量を結合する。
【0076】
1つの実施の形態において、センサ1102は、図8A〜図8Dに関して説明されたセンサ800に基づいている。他の実施の形態では、センサ1102は、図10A〜図10Cに関して説明されたセンサ1000に基づいている。しかし、センサ1102とセンサ800/1000との間の1つの違いは、センサ1102がコアの上で巻かれていないことであり、むしろ、実質的に直線的であり、エポキシ、テープなどの公知の接着剤1108によりテスト中の基板1106に組み合わされることである。基板1106にセンサ1102を取り付けるとき、予め決められた量の応力除去またはゆるみ(図において領域1104として示される)が、基板1106に誘起された歪みの原因となる複数の取り付け点の間に提供される。1つの実施の形態では、領域1104は、センサが基板1106に用いられるとき、成形される。高感度の用途などの他の実施の形態では、領域1104は、センサ1102が基板1106に取り付けられる前に、成形される。
【0077】
別の実施の形態では、センサ1102は、テーパー化されない光ファイバであり、ファイバ・ブラッグ回折格子(FBG)を含み、上述のように基板に組み合わされる。
【0078】
図12に示されるように、基板1106が弛緩状態にあるとき、光ファイバリング408に誘起される放射がリングダウンする時間の測定が行われる。この時間は、基板の弛緩状態における基板の基礎ラインの尺度である。領域1102の形状の変化は、このシステムにおけるリングダウンの割合に影響する。リングダウン時間のこの変化は、基板に誘起された歪みの尺度である。
【0079】
図13A〜図13Bを参照して説明すると、基板1106に誘起された種々の種類の歪み(基板の長さ(または幅)をその元の長さ(または幅)で除算した商の変化)が示される。図13A〜図13Bに示されるように、歪みが基板1106に加えられるとき、領域1104は、基板1106における動きの方向に依存して、弛緩されるかまたは増大される。領域1104の形状の変化の結果として、システムにより測定されたリングダウン時間が変わる。このリングダウン時間の変化は、基板1106に誘起された歪みの程度を示し、テーパー化領域内での最低のオーダーの伝播モードからより高次の、より損失の多いモードへの光モードの変換から生じる。テーパー化領域の長さやくびれ部の直径などの、センサ1102の特定のパラメータは、(複数のオーダーの大きさにわたる)非常に大きいダイナミックレンジまたは、(1マイクロ歪みまたはそれよりよいオーダーの)非常に高い感度を達成するために選択できる。
【0080】
図12〜図13Bは、試験対象の基板に付けられた1つのセンサ1102を示すけれども、発明はそのようには制限されない。また、基板1106の複数の軸が測定できるように、相互の離れた複数のテーパー化領域を持つようなセンサ1102を用いることもできる。1例では、テーパー化領域1104は、たとえば5〜25cmの間の長さである。他方、基板1106は、各方向で数メートルまでの任意の大きさであってもよい。すべての他の観点において、この実施の形態は、第1の実施の形態と同様である。
【0081】
図14は、1例のテーパー構造のセンサについてのダイナミックレンジの大きさと検出可能な変位を示す。示されるように、線形領域1402において、雑音の等価の変位は、10cmのテーパーにわたって0.263μsのΔtに基づいて約0.3693μm(約370nm)である。これは、37με(マイクロ歪み)に対応する。異なるテーパー・パラメータ(テーパーのくびれ部とテーパーの長さの組み合わせ)を用いることにより、ダイナミックレンジは、数千マイクロ歪み、または、マイクロ歪みより小さい変化を測定するように最適化できる感度にまで拡大できる。
【0082】
この発明は、実施の形態を参照して説明されたが、説明された詳細には限定されない。むしろ、特許請求の範囲の記載とその均等物の範囲内で、発明の精神から離れることなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】対数尺度で示された電磁波スペクトルの図
【図2】ミラーを用いる従来のCRDSシステムの図
【図3】プリズムを用いる従来のCRDSセルの図
【図4】この発明の第1の実施形態を示す図
【図5A】通常の光ファイバの端面の図
【図5B】本発明の1実施形態によるセンサの斜視図
【図6A】ケーブル内の放射の伝播を示す光ファイバケーブルの断面図
【図6B】本発明の1実施形態によるエバネッセント電界を説明する光ファイバセンサの断面図
【図6C】本発明の他の実施形態によるエバネッセント電界を説明する光ファイバセンサの断面図
【図6D】ジャケットの上半分を除去した光ファイバセンサの図
【図7】発明の第2の実施形態を示す図
【図8A】本発明の第3実施形態による光ファイバセンサの図
【図8B】本発明の第3実施形態による光ファイバセンサの図
【図8C】本発明の第3実施形態による光ファイバセンサの図
【図8D】本発明の第3実施形態による光ファイバセンサの図
【図9A】本発明の第4実施形態による光ファイバセンサの図
【図9B】本発明の第4実施形態による光ファイバセンサの図
【図9C】本発明の第4実施形態による光ファイバセンサの図
【図10A】本発明の第5実施形態による光ファイバセンサの図
【図10B】本発明の第5実施形態による光ファイバセンサの図
【図10C】本発明の第5実施形態による光ファイバセンサの図
【図11】歪み測定の用途における本発明の1実施形態のブロック図
【図12】図11に示す実施形態において使用される1例の歪みセンサの詳細な図
【図13A】種々の程度の歪みの下での図12の歪みセンサの斜視図
【図13B】種々の程度の歪みの下での図12の歪みセンサの斜視図
【図14】図11に示す実施形態の1例のダイナミックレンジと検出可能な変位 displacementを示す図
【符号の説明】
【0084】
400 リングダウン装置、 402 光ファイバケーブル、 408 共鳴光ファイバリング、 光分離器406、 410 結合器、 412 エバネッセント入力結合器、 500 センサ、 800 センサ、 802 テーパー化領域、 900 センサ、 1000 センサ、 1100 リングダウン装置、 1102 センサ、 1104 弛緩領域、 1106 基板、 1108 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に誘起された歪みを測定するためコヒーレント放射源を使用する装置であって、
受動的な光ファイバのリングと、
予め決められた形状をもち、前記のリングと一列に配置し、基板に組み合わされる、少なくとも1つのセンサと、
(i)前記の放射源により放出された放射の一部を前記の受動的な光ファイバのリングの中に導入し、そして、(ii)前記の受動的な光ファイバのリングにおいて共鳴する放射の一部を受け取る、結合手段と、
前記の結合手段により受け取られた放射のレベルを検出し、それに対応した信号を生成する検出器と、
前記の検出器に結合され、前記の光ファイバのリングにおける放射の減衰の割合に基づいて、基板に誘起された歪みのレベルを決定するプロセッサと
からなる装置。
【請求項2】
請求項1に記載された装置であって、
前記の予め決められた形状は、前記のセンサの、基板と組み合わされている複数の端部の間に形成されるslack弛緩エリアである、ことを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載された装置であって、
前記の検出器により生成される前記の信号は、歪みが基板に誘起されるときの前記の検出器の前記の予め決められた形状の変化に基づく、ことを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項2に記載された装置であって、
前記の予め決められた形状は前記のセンサの複数の端部の間に配置される、ことを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載された装置であって、
前記の少なくとも1つのセンサの中の第1のセンサは、前記の基板の第1の軸にそって配置される、ことを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載された装置であって、
前記の少なくとも1つのセンサの中の第2のセンサは、前記の基板の第2の軸にそって配置される、ことを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載された装置であって、
前記の少なくとも1つのセンサは、ファイバ・ブラッグ回折格子(FBG)を含む、ことを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1に記載された装置であって、
前記の結合手段は、光結合器である、ことを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載された装置であって、
さらに、前記の結合手段と前記の検出器の間の光路に設けられたフィルタを備え、このフィルタは、前記の放射の前記の受け取った部分を前記の受動的な光ファイバのリングから前記の検出器へ通す、ことを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項9に記載された装置であって、
前記のフィルタは、放射の波長に基づいて検出器に放射を通す、ことを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1に記載された装置であって、
前記の結合手段は、(i)前記のコヒーレント光源により放出された前記の放射の前記の部分を前記の光ファイバの第1区域へ導入する第1結合器と、(ii)前記の光ファイバにおいてその第2区域で前記の放射の前記の部分を受け取る第2結合器とを含む、ことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載された装置であって、
前記の予め決められた形状は、前記のセンサの前記の複数の端部の間に形成されたテーパー部であり、その周囲に対して露出されている、ことを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載された装置であって、
前記のファイバ内で進行する前記の放射のエバネッセント電界に前記の周囲がさらされている、ことを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12に記載された装置であって、
前記のテーパー部は前記の光ファイバの加熱と断熱的引き延ばしにより形成された、ことを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源は光パラメトリック発生器である、ことを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源は光パラメトリックアンプである、ことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源はレーザである、ことを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源はパルスレーザである、ことを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源は連続波のレーザである、ことを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項17,19および20のいずれかに記載された装置であって、
前記のレーザは光ファイバレーザである、ことを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項19に記載された装置であって、
前記の連続波レーザは、狭いバンドを持つ波長可変の半導体レーザである、ことを特徴とする装置。
【請求項22】
請求項1に記載された装置であって、
さらに、前記のレーザと前記の結合手段との間に結合される分離器を備え、この分離器は、前記のレーザから放出された放射と一列に配置され、レーザ内での雑音を最小にする、ことを特徴とする装置。
【請求項23】
請求項1に記載された装置であって、
前記の歪みが前記の基板に誘起されるとき、前記の放射のエネルギー消費は、前記の結合手段により受け取られる前記の放射の減衰の割合を変える、ことを特徴とする装置。
【請求項24】
請求項1に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバは、溶融石英を基にしたガラス、サファイヤを基にしたガラスおよびフッ化物を基にしたガラスのいずれかから作成される、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項1に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバが中空ファイバから形成される、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項24または25に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバがシングルモードのファイバである、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
請求項24または25に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバがマルチモードのファイバである、ことを特徴とする装置。
【請求項28】
請求項1に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバがシングルモードのレーザであり、約1250nmと約1650nmの波長領域で波長可変であることを特徴とする装置。
【請求項29】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源は約1300nmの波長を持つ、ことを特徴とする装置。
【請求項30】
請求項1に記載された装置であって、
前記のコヒーレント放射源は約1550nmの波長を持つ、ことを特徴とする装置。
【請求項31】
請求項1に記載された装置であって、
前記の受動的な光ファイバは電磁波スペクトルの可視領域から中赤外領域までの間の波長で共鳴する、ことを特徴とする装置。
【請求項32】
請求項1に記載された装置であって、
さらに、レーザからのエネルギーが前記の光ファイバへ提供された時間を決定する入力検出器を備える、ことを特徴とする装置。
【請求項33】
請求項32に記載された装置であって、さらに、
前記のレーザが前記の光ファイバにエネルギーを提供したことを前記の入力検出器が決定した後に、前記の光ファイバから放射を受け取る前記の結合手段に基づいて前記のレーザを不活性化する制御手段を備える、ことを特徴とする装置。
【請求項34】
請求項33に記載された装置であって、
前記の制御手段と前記の入力検出器は、前記の処理手段に結合される、ことを特徴とする装置。
【請求項35】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバの中に結合される前記の放射の前記の部分は、前記の結合手段に提供される前記の放射の約1%より少ない、ことを特徴とする装置。
【請求項36】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバの中に結合される前記の放射の前記の部分は可変である、ことを特徴とする装置。
【請求項37】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバの中に結合される前記の放射の前記の部分は、前記の受動的な光ファイバのリング内での損失に基づいて変化する、ことを特徴とする装置。
【請求項38】
請求項37に記載された装置であって、
前記の光ファイバ内での損失は少なくとも結合器の損失とファイバの損失に基づいている、ことを特徴とする装置。
【請求項39】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバが少なくも約1mの長さである、ことを特徴とする装置。
【請求項40】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバが少なくも約10mの長さである、ことを特徴とする装置。
【請求項41】
請求項1に記載された装置であって、
前記の光ファイバが少なくも約1kmの長さである、ことを特徴とする装置。
【請求項42】
歪みを測定する装置であって、
受動的な光ファイバのリングと、
前記のリングと一列に配置され、各々がテーパー部を備える、少なくとも1つのセンサと、
放射を放出するコヒーレント光源と、
前記のコヒーレント光源により放出された放射の少なくとも一部を前記の受動的な光ファイバのリングの第1区域に提供する、第1光結合器と、
前記の受動的な光ファイバのリングの中の放射の1部を前記の受動的な光ファイバのリングの第2区域から受け取る、第2光結合器と、
前記の第2光結合器に結合され、前記の第2光結合器により受け取られた前記の放射の減衰の割合に基づいて、前記の歪みのレベルを決定するプロセッサと
からなる装置。
【請求項43】
請求項42に記載された装置であって、さらに、
前記の第2の光結合器と前記のプロセッサの間に結合される第1の光検出器を備え、この第1の光検出器は、前記の第2の光結合器により受け取られる前記の放射に対応して信号を生成する、ことを特徴とする装置。
【請求項44】
請求項42に記載された装置であって、
さらに、前記の第1の光結合器と前記のプロセッサの間に結合される第2の光検出器を備え、この第2の光検出器は、前記のレーザからのエネルギーが前記の受動的な光ファイバのリングに提供される時を決定する、ことを特徴とする装置。
【請求項45】
請求項44に記載された装置であって、
さらに、前記の第2の光検出器は、前記のコヒーレント光源から放射を受け取ったことに応答して前記のプロセッサへのトリガー信号を生成する、ことを特徴とする装置。
【請求項46】
請求項42に記載された装置であって、
前記の第1と第2の光結合器は、一体化された1個の結合器である、ことを特徴とする装置。
【請求項47】
請求項42に記載された装置であって、
前記の少なくとも1個のセンサは、前記のセンサの複数の端部の間に配置された、予め形成された部分である、ことを特徴とする装置。
【請求項48】
物体における歪みを測定する方法であって、
光ファイバの一部をテーパー化することにより光ファイバからセンサを形成し、
前記のセンサの複数の端部の間の一部が予め決められた量の弛緩を有するように前記のセンサを前記の材料に組み合わせ
前記の材料を歪みにさらし、
コヒーレント光源から放射を放出し、
前記のコヒーレント光源から放出される前記の放射の少なくとも一部を前記の光ファイバのリングの中に結合し、
前記の光ファイバのリングの中で伝播する前記の放射の一部を受け取り、
前記の光ファイバのリングの中での前記の放射の減衰の割合に基づいて歪みのレベルを決定する
方法。
【請求項49】
請求項48に記載された方法であって、
さらに、前記のファイバ内を進行する前記の放射のエバネッセント電界に前記の材料の周囲をさらす、ことを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項49に記載された方法であって、さらに、
前記の材料の緩和状態を示す、前記のファイバ内での減衰の基礎ラインの割合を決定し、
この減衰の基礎ラインの割合を減衰の第1の割合と比較する、ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−533959(P2007−533959A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523908(P2006−523908)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/025755
【国際公開番号】WO2005/038423
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(500184305)トラスティーズ オブ プリンストン ユニバーシティ (8)
【Fターム(参考)】